JP2007080177A - 温度分布シミュレーション装置および方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 FDTD法処理部13がFDTD法を用いて電磁界の定常状態における単位体積あたりの吸収電力分布を計算する。つぎにMR法処理部14が、モンテカルロ・リード法を用いて熱放射の自己吸収割合αsと、他の壁面要素から吸収する割合(READ値)Rdを求める。さらに、SIMPLE法処理部15が、SIMPLE法を用いて、連続方程式および運動方程式を連成して解くことにより、速度場および圧力場の解析値を求める。最後に、モンテカルロ・リード法により求めたαsおよびRdを用い、各壁面要素における放射エネルギーおよび吸収エネルギーを計算する。そしてこれらのエネルギー量をFDTD法によって得られた吸収電力と共にエネルギー方程式に代入し、温度場の解析値を求める。
【選択図】 図1
Description
「三次元領域における対流を考慮した一層型電波吸収体の温度解析」、電子情報通信論文誌(C)、Vol.J88−C、No.1、pp.76−78
FDTD法によって得られた吸収電力と共にエネルギー方程式に代入し、温度場の解析値を求める。
[ステップS2]:電磁界が定常状態に達したら、ステップS3に進み、定常状態に達していない場合には、ステップS1に戻って電磁界が定常状態になるまで計算を行う。
[ステップS3」:吸収電力を計算する。
[ステップS4]:モンテカルロ・リード法により自己吸収割合を求める。
[ステップS5]:モンテカルロ・リード法によりREAD値を求める。
[ステップS6、S7]:SIMPLE法において、適当な反復行列解法(ここでは一例として、三重対角行列法(TDMA)を用いている)で収束しやすい値(0でもかまわない)により、x方向速度u、y方向速度v、z方向速度w、圧力p、温度Tを決める。すなわち、SIMPLE法において、圧力pを有限体積法により離散化した運動方程式に代入し、離散化した運動方程式から得られる最新のu、v、wを求める。また、SIMPLE法において、最新のu、v、wを離散化した連続方程式に代入し、離散化した連続方程式から最新の圧力pを求める。
[ステップS8]:ステップS4およびステップS5で求めた自己吸収割合とREAD値から、各壁面要素における熱放射(放射エネルギーおよび吸収エネルギー)を求める。
[ステップS9]:ステップS3およびステップS8で求めた吸収電力と熱放射のそれぞれを、SIMPLE法において、エネルギー方程式に代入し、最新の温度Tを求める。
[ステップS10]:u、v、w、p、Tの収束を確認する。確認された場合は、ステップS11へ進み、対流、熱伝導の時間ステップをΔtSIMだけ進める。確認されない場合は、ステップS6〜ステップS9を繰り返す。
[ステップS11]:ステップS9で得られた温度Tより、物質の熱定数変化(熱伝導率、比熱、密度等)を求め、それを連続方程式、運動方程式、およびエネルギー方程式に代入する。
[ステップS12]:ステップS9で得られた温度Tより、物質の電気定数変化(複素比誘電率、複素比透磁率、導電率等)を計算し、電磁界方程式に代入する。
[ステップS13]:ステップS12で代入した物質の電気定数変化により、電磁界が変動するので、それを緩和するために、数周期分電磁界を計算する。
[ステップS14]:対流、熱伝導の時間ステップΔtSIMの総計が希望する時刻に達したかどうかを判別し、希望時刻に達した場合にはステップS15へ進み、そうでない場合にはステップS2に戻り、吸収電力を計算し、処理を繰り返す。なお、熱放射が温度や電磁界により変動しないとするのであれば、ステップS4およびステップS5の計算は省いてかまわない。
[ステップS15]:ここでは、対流、熱伝導の時間ステップΔtSIMの総計が希望する時刻に達したので、電磁界およびu、v、w、p、Tを出力する。
12 シミュレーション処理部
13 FDTD法処理部
14 MR法処理部
15 SIMPLE法処理部
16 出力部
17 周囲環境設定部
18 周囲環境データ記憶部
100 温度分布シミュレーション装置
101 コンピュータ
102 プログラム
200 電子レンジ温度分布シミュレーション装置
300 電子レンジ
Claims (9)
- 電磁界分布中に配置される電波吸収体およびその周囲の温度分布をシミュレーションする温度分布シミュレーション装置において、
FDTD法により電磁界分布をシミュレーションする第1のシミュレーション手段と、
モンテカルロ・リード法により熱放射における各壁面要素の自己吸収割合および他の壁面要素からの吸収割合をシミュレーションする第2のシミュレーション手段と、
SIMPLE法により熱対流をシミュレーションする第3のシミュレーション手段とを有し、
上記第1のシミュレーション手段により得た電磁界分布から算出した吸収電力と、上記第2のシミュレーション手段により得た各壁面要素の自己吸収割合および他の壁面要素から吸収割合から算出した熱放射量と、上記第3のシミュレーション手段により得た熱対流の速度とが、ともに代入されたエネルギー方程式を数値解析して温度分布をシミュレーションする温度分布シミュレーション装置。 - 上記第3のシミュレーション手段は、運動方程式およびエネルギ方程式に含まれる少なくとも一部の物理定数を温度の関数として、上記運動方程式およびエネルギ方程式の時間項を離散化して1または複数時間ステップごとに上記一部の物理定数を上記温度の関数に基づいて変化させてシミュレーションを行なう請求項1記載の温度分布シミュレーション装置。
- 上記一部の物理定数には、熱伝導率、比熱、密度、複素比誘電率、複素比透磁率、導電率の少なくとも1つが含まれる請求項2記載の温度分布シミュレーション装置。
- 上記電波吸収体の電気特性が温度変化に依存しないものとした請求項1記載の温度分布シミュレーション装置。
- 上記各壁面要素の自己吸収割合および他の壁面要素からの吸収割合は温度変化に依存しないものとした請求項1〜4のいずれかに記載の温度分布シミュレーション装置。
- 電磁界分布中に配置される電波吸収体およびその周囲の温度分布をシミュレーションする温度分布シミュレーション方法において、
第1のシミュレーション手段が、FDTD法により電磁界分布をシミュレーションするステップと、
第2のシミュレーション手段が、モンテカルロ・リード法により熱放射における各壁面要素の自己吸収割合および他の壁面要素からの吸収割合をシミュレーションするステップと、
第3のシミュレーション手段が、SIMPLE法により熱対流をシミュレーションするステップと、
上記第1のシミュレーション手段により得た電磁界分布から算出した吸収電力と、上記第2のシミュレーション手段により得た各壁面要素の自己吸収割合および他の壁面要素から吸収割合から算出した熱放射量と、上記第3のシミュレーション手段により得た熱対流の速度とが、ともに代入されたエネルギー方程式を数値解析して温度分布をシミュレーションするステップとを有することを特徴とする温度分布シミュレーション方法。 - 電磁界分布中に配置される電波吸収体およびその周囲の温度分布をシミュレーションする温度分布シミュレーション装置において、
FDTD法により電磁界分布をシミュレーションする第1のシミュレーション手段と、
モンテカルロ・リード法により熱放射における各壁面要素の自己吸収割合および他の壁面要素からの吸収割合をシミュレーションする第2のシミュレーション手段と、
SIMPLE法により熱対流をシミュレーションする第3のシミュレーション手段とを実現するためにコンピュータにより実行され、
上記第1のシミュレーション手段により得た電磁界分布から算出した吸収電力と、上記第2のシミュレーション手段により得た各壁面要素の自己吸収割合および他の壁面要素から吸収割合から算出した熱放射量と、上記第3のシミュレーション手段により得た熱対流の速度とが、ともに代入されたエネルギー方程式を数値解析して温度分布をシミュレーションすることを特徴とする、温度分布シミュレーション用コンピュータプログラム。 - 電子レンジ内に配置される電波吸収体およびその周囲の温度分布をシミュレーションする電子レンジ用温度分布シミュレーション装置において、
電子レンジ内の熱放射環境を設定する周囲環境設定手段と、
FDTD法により電磁界分布をシミュレーションする第1のシミュレーション手段と、
上記周囲環境設定手段により設定された熱放射条件に基づいてモンテカルロ・リード法により熱放射における各壁面要素の自己吸収割合および他の壁面要素からの吸収割合をシミュレーションする第2のシミュレーション手段と、
SIMPLE法により熱対流をシミュレーションする第3のシミュレーション手段とを有し、
上記第1のシミュレーション手段により得た電磁界分布から算出した吸収電力と、上記第2のシミュレーション手段により得た各壁面要素の自己吸収割合および他の壁面要素から吸収割合から算出した熱放射量と、上記第3のシミュレーション手段により得た熱対流の速度とが、ともに代入されたエネルギー方程式を数値解析して温度分布をシミュレーションする電子レンジ用温度分布シミュレーション装置。 - 上記周囲環境設定手段は電子レンジから電子レンジ内の熱放射環境に関する情報を指定される請求項8記載の電子レンジ用温度分布シミュレーション装置。
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