JP2007068060A - 音響再生システム - Google Patents

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Abstract

【課題】 教室等において、特定の聴者の注意を効果的に喚起することができる音響再生システムを提供する。
【解決手段】 制御部120は、話者位置検出装置140により教師の位置を取得し、操作表示装置300の操作を検知して特定の生徒の位置を決定する。そして、制御部120は、音源位置設定処理122により、教師の位置または特定の生徒の位置の少なくとも一方に基づき、音響ビームの焦点位置を決定し、パラメータ算出処理125により、その焦点位置に対応したパラメータを算出して音響ビーム信号処理部113に与え、その焦点位置に焦点を有する音響ビームを形成させる。
【選択図】 図3

Description

この発明は、教室での授業や講演会などにおいて話者の音声を効果的に聴者に伝える音響再生システムに関する。
教室を使用した集合教育において教育効果を高めるためには、教師の声を明瞭に生徒に伝える必要がある。ときには、教師が集中力の途切れがちな生徒に近づいて話しかけることも必要である。音声を聴者に伝達するための手段としては、スピーカがある。教室にホーンスピーカ等を設置し、これにより教師の声を放音すれば、教師の声を教室内に行きわたらせることができる。しかし、この方法だと、特定の生徒の注意を喚起することはできない。特定の生徒の注意を喚起するためには、教師がその生徒の近くに赴き、話しかけることができればよいのであるが、教師が教壇で黒板やホワイトボードを使って講義を行う場合や教卓上のPC(パーソナルコンピュータ)を操作しながら講義を行う場合等、教師が移動することができず、目的とする生徒に近づくことができない場合もある。そこで、指向性の鋭いホーンスピーカなどのスピーカと、このスピーカの指向性を制御する機構を教室に設けるという方法が考えられる。しかし、この種のスピーカは、特定エリアを対象として拡声を行うことはできるが、その分解能が粗いため、特定の生徒の注意を喚起するという目的に適うものではない。また、ホーンスピーカは寸法が大きいので、狭い教室への設置には不向きである。ホーンスピーカを用いて、その指向性制御を行う代わりに、各生徒の机にスピーカを配置し、それらにより個別分散的に教師の声を生徒に伝える、という方法も考えられる。しかし、このようなシステムを教室内に設けるとすると、そのための施工が大変であり、多大なるコストが掛かってしまう。また、分散配置されたスピーカが盗難される危険性もある。
"スピーカアレイを用いた3次元音響再生"、NHK放送技術研究所 中山靖茂、大久保洋幸、渡辺馨、小宮山摂、VMA研究会論文誌第9号12−17ページ、2002年7月12日発行 特開2005−64746号公報
この発明の目的は、以上の問題を解決し、教室等での集合教育や講演会などにおいて、話者の音声により特定の聴者の注意を効果的に喚起することができる音響再生システムを提供することにある。
本願発明者らは、上記問題を解決するための手段として、スピーカアレイの利用を考えた。このスピーカアレイは、複数のスピーカをライン状または行列状に配列してなるものである。このスピーカアレイを構成する各スピーカに共通のオーディオ信号を供給し、その際に各スピーカに供給するオーディオ信号の位相を適切に調整することにより、スピーカアレイの前方の任意の点に焦点を持った音響ビームを出力することができる。このような音響ビームを発生させた場合、その音響ビームの焦点に仮想音源が現れ、聴者はあたかもその仮想音源から音が発しているかのような印象を受ける。なお、このようにスピーカアレイにより仮想音源を形成する技術は、例えば非特許文献1や特許文献1に開示されている。
本発明の特徴は、教室等での集合教育や講演会等に用いる音響再生システムにスピーカアレイによる仮想音源の形成技術を適切に導入し、特定の聴者の注意を効果的に喚起することができる位置に話者の声を伝える仮想音源が自動的に形成されるようにした点にある。
具体的には、本発明は、複数のスピーカを有し、部屋に固定されたスピーカアレイと、前記話者の位置を入力する話者位置入力手段と、前記話者の音声を特定の聴者に伝える場合における当該聴者の位置を取得する聴者位置取得手段と、前記話者位置入力手段により入力された話者の位置または前記聴者位置取得手段により取得された特定の聴者の位置の少なくとも一方に基づき、音響ビームの焦点位置を決定する焦点位置決定手段と、オーディオ信号に少なくとも遅延処理を施し、前記スピーカアレイにおける複数のスピーカに供給する複数の遅延オーディオ信号を生成する信号処理手段と、前記焦点位置決定手段により決定された焦点位置を持った音響ビームがスピーカアレイから出力されるように前記信号処理手段における前記遅延処理を制御する制御手段とを具備することを特徴とする音響再生システムを提供するものである。
以下、図面を参照し、この発明の実施の形態を説明する。
<第1実施形態>
図1はこの発明の第1実施形態である音響再生システムの設置された教室1を示す図である。一般的な教室と同様、教室1の前方には教壇2が配置されており、この教壇2の上には教卓3が配置されている。教師4は、教壇2の上に立ち、教壇2を前にして着席した複数の生徒5に対して講義を行う。本実施形態における音響再生システムは、システム全体の制御およびオーディオ信号の処理を行う本体部100と、教師4の音声を収音するマイク210と、教師4の声を生徒5に伝えるための手段として用いられるスピーカアレイ220と、教師4から各種の指示を受け取るための操作表示装置300とを有している。さらに音響再生システムは、教師4の位置を検出する装置を有しているが、図1ではその図示は省略されている。
図示の例では、本体部100は、教卓3内に収納されており、操作表示装置300は教卓3の上に置かれている。マイク210は、教師4の衣服に固定されている。このマイク210は、教師4の音声を表すオーディオ信号を信号線ケーブルにより本体部100に伝えるマイクであってもよいし、ワイヤレスマイクであってもよい。スピーカアレイ220は、図示の例では、教壇2のある前方の壁の天井近くの位置に固定されている。
本実施形態においてスピーカアレイ220は、本体部100による制御の下、教師4の声を表す2種類の音響ビームを出力する。1つは、スピーカアレイ220の前方に焦点Fを有する音響ビーム7である。もう1つは全体拡声のための音響ビーム、すなわち、スピーカアレイ220から広い範囲に向けて伝播し、教室1内全体に教師4の声を届ける全体拡声音8である。前者の音響ビーム7が発生され、例えば生徒5の手前の焦点Fに到達すると、この焦点Fから生徒に向けて教師4の声の直接音成分が届く。この場合、生徒5の耳は、明瞭度の高い教師4の声を聴き取ることになるので、生徒5は、あたかも教師4が焦点Fの位置から話しかけているような感じを受ける。このため、音響ビーム7は、教師4が特定の生徒5の注意を喚起したいときに利用される。
スピーカアレイ220の配置の態様には、図1に示すものの他にも各種考えられる。図2(a)〜(e)はその例を示すものである。図2(a)に示す例では、教室1の天井において教壇2の上方にあたる位置にスピーカアレイ220が固定されている。図2(b)に示す例では、図2(a)と同様、教室1の天井にスピーカアレイ220が固定されているが、スピーカアレイ220はやや中央寄りの位置にある。図2(c)に示す例では、スピーカアレイ220は教卓3の前面に固定されている。図2(d)は、教室1として、傾斜した床に多数の座席が設けられたホールを使用した例を示している。この例でも、スピーカアレイ220は教卓3の前面に固定されている。ただし、教室1の後方に向かうに従って座席の位置が高くなるため、スピーカアレイ220は、下から見上げるような方向に音響ビーム7を出力することとなる。図2(e)は、天井から見下ろした教室1の例が示されている。この例では、教師4の左右両側の壁にスピーカアレイ220が各々固定されており、これらのスピーカアレイ220が生徒5の手前の共通の焦点Fに向けて音響ビームを出力する。
図3は、本実施形態における音響再生システムの構成を示すブロック図である。図3において、話者位置検出装置140は、話者である教師4の位置を検出し、話者位置データを本体部100に出力する装置である。話者位置検出装置140としては、各種の構成のものを用いることができる。例えば教壇2や教室1の床の広範囲に亙って配置された圧力センサのアレイを話者位置検出装置140として使用し、これにより教師4の立っている位置を求めるようにしてもよい。また、教室1内の所定の位置に配置された磁界発生装置とマイク210に内蔵された磁気センサとにより話者位置検出装置140を構成し、磁気センサにより検出される磁界に基づいて教師4の位置を求めるようにしてもよい。また、この発明の実施の形態として、教師4の音声を収音するマイク210のような収音手段を設けず、その代わりに、予め記録された教師4の音声を再生するような形態も考えられる。そのような形態では、例えば操作表示装置300の表示部に教室のレイアウト図を表示し、そのレイアウト図上において仮想的な教師4の位置を指定させるようにしてもよい。
本体部100には、信号処理部110、制御部120およびメモリ部130が収容されている。信号処理部110は、マイク210から出力されるオーディオ信号に基づき、スピーカアレイ220を構成するm個のスピーカ221−k(k=1〜m)を駆動し、上述した音響ビーム7および全体拡声音8をスピーカアレイ220から出力させる装置である。この信号処理部110の構成は次の通りである。
A/D変換器111は、マイク210から出力されるオーディオ信号(アナログ信号)をA/D変換し、デジタル形式のオーディオ信号を出力する。HPF(ハイパスフィルタ)112は、A/D変換器111から出力されるオーディオ信号の高域成分を通過させる。
音響ビーム信号処理部113は、音響ビーム7をスピーカアレイ220から出力させるための信号処理を行う手段である。この音響ビーム信号処理部113は、HPF112を通過したオーディオ信号に遅延処理および窓関数の乗算処理を施し、m個のスピーカ221−k(k=1〜m)を各々駆動するためのm個の遅延オーディオ信号を各々出力する。その際、音響ビーム信号処理部113は、各スピーカ221−k(k=1〜m)から出力された音波が焦点Fに同位相で到達し、焦点Fにおいて音圧が局所的に高くなるように、複数の遅延オーディオ信号を生成する遅延処理を実行する。窓関数の乗算処理は、スピーカアレイ220から焦点Fのある方向とは異なる方向に向かうサイドローブを抑制するために行われるものである。上述したように焦点Fでは、音圧が局所的に高まり、これに対面した生徒5は、この位置に音源があるかのように認識する。本実施形態では、これを特定の生徒5の注意を喚起するための手段として利用する。音響ビーム信号処理部113の前段にHPF112が設けられているのは、低域の音よりも高域の音の方が音源の位置を聴者に明瞭に認識させることができるため、そのような音のオーディオ信号を選択して音響ビーム信号処理部113に与え、音源位置の認識し易い音響ビーム7を得るためである。なお、焦点Fを決定するための手段およびそのような焦点Fを持った音響ビーム7を形成するための信号処理を音響ビーム信号処理部113に行わせる手段については後述する。
全体拡声信号処理部114には、A/D変換器111から出力されるオーディオ信号が直接入力される。この全体拡声信号処理部114は、音響ビーム信号処理部113と同様、入力されるオーディオ信号に対して遅延処理と窓関数の乗算処理を施すものであるが、この全体拡声信号処理部114は、スピーカアレイ220から全体拡声音8、すなわち、あたかもスピーカアレイ220の背後にある仮想的な焦点から発してスピーカ221−k(k=1〜m)を通過したかのように各スピーカから放射され、範囲を広げながら伝播する音響ビームを出力させるための遅延処理および窓関数の乗算処理を行う。
音響ビーム信号処理部113および全体拡声信号処理部114は、m個の遅延オーディオ信号を共通の増幅率で増幅して出力するボリュームを各々有している。音響ビーム信号処理部113のボリュームの増幅率および全体拡声信号処理部114のボリュームの増幅率は、操作表示装置300の操作により各々設定可能である。
加算器115−k(k=1〜m)は、音響ビーム信号処理部113から出力される遅延オーディオ信号と全体拡声信号処理部114から出力される遅延オーディオ信号とを同一スピーカ221−kに対応したもの同士加算して各々出力する。D/A変換器116−k(k=1〜m)は、加算器115−k(k=1〜m)から出力される各オーディオ信号をアナログ信号に変換し、スピーカ221−k(k=1〜m)を各々供給する。
以上が信号処理部110の構成の詳細である。
制御部120は、話者位置検出装置140から出力される話者位置データおよび操作表示装置300を介して与えられる各種の情報または指示に従い、信号処理部110における信号処理の制御を行う装置であり、CPUと、このCPUにより実行される各種のプログラムを記憶したROMと、ワークエリアとして用いられるRAMなどにより構成されている。メモリ部130は、制御部120が信号処理部110の制御を行う際に参照する各種の制御情報を記憶している。この制御情報の1つに、教室1内における各生徒5の座席の位置座標を示す座席位置テーブル131がある。
図3には、制御部120により実行される処理のうち本実施形態に特有のものを表す幾つかのボックスが図示されている。聴者位置設定処理121では、音響ビーム7をスピーカアレイ220から特定の生徒5に向けて出力させる際に、その生徒5の座席を指定する情報を操作表示装置300から受け取り、メモリ部130内の座席位置テーブル131を参照することにより、その座席の位置座標を求める。
音源位置設定処理122では、音響ビーム7をスピーカアレイ220から出力させる際にその焦点Fの位置、すなわち、生徒5に認識させる仮想的な音源の位置を設定する。本実施形態では、仮想音源として、空間内の一点に静止した静止音源と、ある軌道に沿って移動する移動音源をスピーカアレイ220により形成することができる。静止音源処理123は、前者の静止音源の位置を設定する処理であり、移動音源処理124は、後者の移動音源の軌道を設定する処理である。静止音源処理123では、話者位置検出装置140からの話者位置データが示す教師4の位置と聴者位置設定処理121により求められた生徒5の位置とに基づき、教師4の頭部と生徒5の頭部とを結ぶ仮想的な直線を求め、この直線上において生徒5の手前の位置を静止音源の位置として設定する。移動音源処理124は、さらに2つの処理に分けられる。第1の処理では、静止音源処理123と同様に、教師4の頭部から生徒5の頭部とを結ぶ仮想的な直線を求め、この直線を移動音源の軌道として設定する。第2の処理では、話者位置検出装置140からの話者位置データに基づいて、教師4の位置を求め、教師4を取り囲む閉曲線状(例えば教師4を中心とした円または楕円)の軌道を移動音源の軌道として設定する。スピーカアレイ220により静止音源を形成するか移動音源を形成するか、また、移動音源を形成する場合にその軌道をどのようなものにするかは操作表示装置300の操作により指定される。
パラメータ算出処理125では、以上説明した音源位置設定処理122により設定された音源の位置に基づき、音響ビーム信号処理部113における信号処理のためのパラメータを算出する。さらに詳述すると、例えば静止音源処理123により、ある静止音源の位置が設定された場合、パラメータ算出処理125では、その位置を焦点Fとする音響ビーム7がスピーカアレイ220から出力されるように、m個の遅延オーディオ信号の各々の遅延量、各遅延オーディオ信号に乗算する窓関数値を演算し、音響ビーム信号処理部113に供給する。また、移動音源処理124により、ある移動音源の軌道が設定された場合、その軌道上において所定ピッチ(なるべく細かいピッチであることが好ましい)で並んだ各点について、各点を焦点Fとする音響ビームをスピーカアレイ220から出力させるのに必要なm個の遅延オーディオ信号の遅延量とm個の遅延オーディオ信号に乗算すべき窓関数値の組を演算し、各点について求めた遅延量と窓関数値の組を音響ビーム信号処理部113に順次供給するのである。静止音源の位置、移動音源の軌道のいずれも設定されない場合、パラメータ算出処理125では、音響ビーム信号処理部113に対するパラメータ設定を行わない。この場合、音響ビーム信号処理部113は、遅延オーディオ信号の出力を行わない。
以上が制御部120の処理内容の詳細である。
図4は操作表示装置300の構成例を示す平面図である。この操作表示装置300は、タッチパネルである。操作表示装置300の操作面の右半分の領域には、座席指定エリア301が設けられている。この座席指定エリア301は、縦横に並んだ複数の正方形に区切られているが、これらの個々の正方形は、教室1における生徒5の座席を表している。教師4は、所望の生徒5の座席に対応した正方形にタッチし、その座席を指定することができる。前述した聴者位置設定処理121では、座席指定エリア301内のタッチ位置に基づき、音響ビーム7を到達させるべき生徒5の座席が求められる。操作表示装置300の操作面の左上には、“全体拡声”なる表示があり、その右側にボリュームアップキー302Uとボリュームダウンキー302Dが設けられている。そして、“全体拡声”なる表示の下には“音響ビーム”なる表示があり、その右側にボリュームアップキー303Uとボリュームダウンキー303Dが設けられている。ボリュームアップキー302Uおよびボリュームダウンキー302Dは、全体拡声信号処理部114内のボリュームが遅延オーディオ信号を増幅して出力する際の増幅率の増減を指示するためのキーである。また、ボリュームアップキー303Uおよびボリュームダウンキー303Dは、音響ビーム信号処理部113内のボリュームが遅延オーディオ信号を増幅して出力する際の増幅率の増減を指示するためのキーである。
“音響ビーム”なる表示の下には、Pointキー304、Moveキー305およびRotateキー306が設けられている。これらの各キーは、タッチされる度に、ON(指示有効状態)/OFF(指示無効状態)が反転する。ここで、Pointキー304は、特定の生徒5の手前の位置に静止音源を形成する旨の指示を入力するためのキーである。また、Moveキー305は、教師4の頭部から特定の生徒5の頭部に至る軌道に沿って移動する移動音源の形成指示を入力するためのキーである。教師4は、これらのキーをONにして、静止音源または移動音源の形成を指示する場合、座席指定エリア301のタッチ操作により所望の生徒5の座席を指定する。この座席の指定に基づいて、静止音源の位置または移動音源の終着位置が決定される。Rotateキー306は、教師4の頭部を中心とした円軌道または楕円軌道に沿って移動する移動音源の形成指示を入力するためのキーである。制御部120は、以上の各キーのタッチ操作を検知し、タッチ操作により与えられた指示に従って、上述した各処理を行う。
以上が本実施形態の構成の詳細である。
次に本実施形態の動作を説明する。教師4は、生徒全員に向かって話をする場合、Pointキー304、Moveキー305およびRotateキー306を全てOFFにする。この状態において、音響ビーム信号処理部113は遅延オーディオ信号の出力を行わず、全体拡声信号処理部114のみがA/D変換器111の出力信号に基づいてm個の遅延オーディオ信号を生成する。このm個の遅延オーディオ信号は、加算器115−k(k=1〜m)を通過した後、D/A変換器116−k(k=1〜m)によってアナログ信号に変換され、スピーカ221−k(k=1〜m)に供給される。この結果、スピーカアレイ220から全体拡声音8が出力される。この全体拡声音8は、教室1の広範囲に届くため、教室1内の全ての生徒5が教師4の話を聞くことができる。
講義中、特定の生徒5の注意を喚起する必要が生じた場合、教師4は、Pointキー304をONにするとともに、座席指定エリア301のタッチ操作によりその生徒5の座席を指定する。この結果、制御部120では聴者位置設定処理121が行われ、座席指定エリア301のタッチ位置に対応した生徒5の座席の位置座標が座席位置テーブル131から読み出され、これに基づき生徒5の位置が求められる。そして、制御部120では静止音源処理123が実行され、話者位置検出装置140から出力される話者位置データと聴者位置設定処理121により求められた生徒5の位置に基づき、教師4の頭部から生徒5の頭部に至る仮想的な直線上において生徒5の頭部から所定距離だけ前方の位置が静止音源の位置として設定される。
そして、制御部120では、パラメータ算出処理125により、この静止音源の位置に基づいてm個の遅延オーディオ信号に適用すべき遅延量と窓関数値が演算され、音響ビーム信号処理部113に設定される。このため、全体拡声信号処理部114だけでなく、音響ビーム信号処理部113においてもm個の遅延オーディオ信号が生成される。そして、全体拡声信号処理部114により生成されたm個の遅延オーディオ信号と音響ビーム信号処理部113により生成されたm個の遅延オーディオ信号が加算器115−k(k=1〜m)により加算され、加算器115−k(k=1〜m)の各出力信号がD/A変換器116−k(k=1〜m)によりD/A変換され、スピーカ221−k(k=1〜m)に与えられる。この結果、全体拡声音8と教師4が指定した生徒5に向かう音響ビーム7の両方がスピーカアレイ220から出力される。この場合、全体拡声音8は、教室1内の広範囲に届くため、生徒全員が教師4の声を聞くことができる。一方、音響ビーム7は、教師4が指定した生徒5の直ぐ前の焦点位置に到着し、この位置における音圧を局所的に高める。従って、教師4が指定した生徒5は、教師4の音声を明瞭に聴き取ることができ、教師4が直ぐ近くで自分に話かけているような感じを受ける。
特定の生徒5の注意を喚起したい場合、教師4は、Moveキー305をONにして、座席指定エリア301のタッチ操作によりその生徒5の座席を指定してもよい。この場合、制御部120では、聴者位置設定処理121および移動音源処理124が実行され、教師4の頭部と教師4により指定された生徒5の頭部を結ぶ軌道が移動音源の軌道として設定される。そして、パラメータ算出処理125により、この軌道上の各点に基づいて、m個の遅延オーディオ信号を得るための遅延量と窓関数値の組が求められ、音響ビーム信号処理部113に順次供給される。このため、全体拡声信号処理部114だけでなく、音響ビーム信号処理部113においてもm個の遅延オーディオ信号が生成され、全体拡声音8と音響ビーム7の両方がスピーカアレイ220から出力される。この場合、音響ビーム7の焦点Fは、時間経過に伴って教師4の頭部から生徒5の頭部に向けて移動するため、生徒5は、あたかも教師4が自分に話しかけながら近づいてくるような感じを受ける。
教師4は、教室1内を歩きながら、自分の周囲の生徒5の注意を喚起する演出を行うことも可能である。このような演出を望む場合、教師4は、Rotateキー306をONにして、発話をしながら教室1内を歩く。この場合、制御部120では、移動音源処理124が実行され、話者位置検出装置140からの話者位置データに基づき、教師4を取り囲む閉曲線状の軌道が求められる。そして、パラメータ算出処理125により、この軌道上の各点に基づいて、m個の遅延オーディオ信号を得るための遅延量と窓関数値の組が求められ、音響ビーム信号処理部113に順次供給される。この結果、全体拡声音8と音響ビーム7の両方がスピーカアレイ220から出力される。ここで、音響ビーム7の焦点Fは、教師4を取り囲む閉曲線状の軌道に沿って移動する。従って、教師4の周囲にいる各生徒5は、教師4が自分たちに話しかけながら歩いているように感じ、注意が喚起されることとなる。
教師4が移動し、話者位置データが教師4の新たな現在位置を反映した内容に変化すると、移動音源処理124では、この新たな現在位置に基づき軌道の再計算が行われる。そして、パラメータ算出処理125では、新たに求められた軌道に基づき、m個の遅延オーディオ信号を得るための遅延量と窓関数値の組が求められ、音響ビーム信号処理部113に順次供給される。このため、教師4が移動すると、それに合わせて音響ビーム7の焦点Fの軌道も移動することとなる。従って、教師4は、教室1内を歩きながら、自分の周囲の各生徒5の注意を喚起することができる。
以上説明したように、本実施形態によれば、教師4の位置または生徒5の位置の少なくとも一方に基づいて、スピーカアレイ220から出力する音響ビーム7の焦点Fが決定され、その位置に仮想音源が形成される。従って、教師4と特定の生徒5との位置関係に応じた適切な位置に仮想音源を設け、その仮想音源の位置からその生徒5に教師4の音声を明瞭に伝え、その仮想音源の位置から教師4が話しかけているかのような印象を特定の生徒5に与え、その生徒5の注意を喚起することができる。また、本実施形態によれば、スピーカアレイ220により音響ビーム7と全体拡声音8の両方の出力することができるので、教師4の音声を教室1内の全生徒に届けつつ、特定の生徒5には音響ビーム7を供給し、その生徒5の注意を喚起することができる。また、本実施形態では、指向性制御が可能な音響出力手段としてスピーカアレイ220を用いており、このスピーカアレイ220は教室1の壁や天井に埋め込んだ状態で設けることができるので、盗難を防止することができるという利点がある。また、本実施形態において用いるスピーカアレイ220は、壁や天井に埋め込むような施工方法を採用することが可能なので、教室等の建築意匠との調和を保つことができるという利点がある。
<第2実施形態>
次に図5を参照し、この発明の第2実施形態を説明する。本実施形態は、上記第1実施形態の構成に対して、新たな要素を追加し、改良を加えたものである。図5には上記第1実施形態の構成に対して追加された要素が示されている。本実施形態において教師4は、視線センサ151および話者位置センサ152を備えた眼鏡150を装着して講義を行う。ここで、視線センサ151は、眼鏡150のフレームに固定されたCCDカメラなどにより構成されており、教師4の眼を撮像し、その画像における眼球の瞳孔部分と角膜反射点の位置関係に基づいて教師4の視線の方向を示す視線方向データを出力する。また、話者位置センサ152は、磁気センサなどにより構成されており、教室1内における教師4の位置を示す話者位置データを出力する。なお、本実施形態において、話者位置センサ152は、図3における話者位置検出装置140を兼ねている。
制御部120(図3)が実行する聴者位置設定処理121では、視線センサ151が出力する視線方向データと話者位置センサ152が出力する話者位置データに基づいて、教師4が注視している生徒5の位置が求められる。そして、図4に示す操作表示装置300において、Pointキー304がONにされた場合には、制御部120では、この教師4が注視している生徒5の位置と話者位置データが示す教師4の位置とに基づいて、静止音源処理123が実行され、その結果を用いてパラメータ算出処理125が実行される。このため、教師4が注視している生徒5の手前の位置に焦点Fを有する音響ビーム7がスピーカアレイ220から出力される。Moveキー305がONにされた場合も同様であり、教師4が注視している生徒5の位置が求められ、教師4の頭部からその生徒5の頭部に至る軌道に沿って焦点Fが移動する音響ビーム7が出力される。
本実施形態によれば、教師4は、特定の生徒5の注意を喚起する音響ビーム7を発生させたい場合に、その生徒5を注視するだけで、その生徒5の位置を制御部120に認識させることができるので操作性が良いという利点がある。また、本実施形態では、上記第1実施形態において操作表示装置300に設けられていた座席指定エリア301は不要であり、メモリ部130内の座席位置テーブル131も設ける必要がない。
<第3実施形態>
次に図6および図7を参照し、この発明の第3実施形態について説明する。本実施形態では、図6に示すように、複数のスピーカアレイ220が教室1の壁に設けられている。教室1内の全生徒に教師4の声を届けるための全体拡声音8は、これらのスピーカアレイ220の中の1つ、例えば教室1の前方の壁に固定されたスピーカアレイ220により出力される。特定の生徒5の注意を喚起するための音響ビーム7は、複数のスピーカアレイ220の中から選択された1つのスピーカアレイ220により出力される。いずれのスピーカアレイ220を選択するかは、話者である教師4の位置に基づいて決定される。
教師4が教室1の前方の壁のほぼ中央の位置Sに立っているときにPointキー304(図4)がONにされ、教師4の正面にいる生徒5の指定が行われた場合、前方の壁に固定されたスピーカアレイ220により音響ビーム7が出力される。この場合、生徒5は、その頭部が焦点F通過後の音響ビーム7の伝播範囲7A内に収まっているため、焦点Fにある仮想音源を明瞭に認識することができる。次に教師4が矢印により示したように教室1の右側の壁寄りの位置S’に移動したとする。この場合、生徒5には教師4の所在する方向から教師4の声が聞こえるようにする必要があるので、音響ビーム7の焦点Fを現在の位置から右側に移動させる必要がある。しかし、この移動後の焦点F’に向かう音響ビーム7を教室1の前方の壁のスピーカアレイ220により出力させると、図示のように、生徒5の頭部が焦点F’通過後の音響ビーム7の伝播範囲7Bから外れてしまうという事態が起こりうる。この場合、生徒5は、焦点F’にある仮想音源を認識するのが困難である。そこで、本実施形態では、このような事態が起こりうる場合に、音響ビーム7の出力を行わせるスピーカアレイ220を教室1の前方の壁に設けられたものから右側の壁に設けられたものに切り換える。このようにすると、図示のように、焦点F’通過後の音響ビーム7の伝播範囲7C内に生徒5の頭部の全部または一部を収めることができ、焦点F’にある仮想音源を生徒5に認識させることができる。
このような処理を可能にするため、図7に示すように、信号処理部110には、複数のスピーカアレイ220の中の1つのスピーカアレイ220に対し、音響ビーム信号処理部113から出力されるm個の遅延オーディオ信号を供給する切換部117が設けられている。また、制御部120は、選択処理126を実行する。この選択処理126では、話者である教師4の位置と音響ビーム7の供給先である生徒5の位置との関係に基づいて、音響ビーム7の出力を行わせるのに相応しい1つのスピーカアレイ220を選択し、そのスピーカアレイ220への遅延オーディオ信号を出力を切換部117に指示する。本実施形態でも、上記第1実施形態と基本的に同じ方法により聴者位置設定処理121、音源位置設定処理122およびパラメータ算出処理125が実行される。ただし、本実施形態では、音響ビーム7の出力に使用するスピーカアレイ220が切り換えられるので、パラメータ算出処理125では、使用するスピーカアレイ220におけるスピーカ221−k(k=1〜m)の各位置と静止音源の位置または移動音源の軌道との関係に基づいて、音響ビーム信号処理部113に設定する遅延量および窓関数値の演算を行う。
<第4実施形態>
次に図8を参照し、この発明の第4実施形態について説明する。本実施形態も、上記第1実施形態に改良を加えたものである。本実施形態では、教師4の音声を収音し、オーディオ信号を得るための手段として、図8に示す装置を用いる。図8において、マイクアレイ160は、n個のマイク161−k(k=1〜n)を行列状に配列してなるものであり、図1における教室1の例えば天井に固定される。マイク161−k(k=1〜n)から得られるオーディオ信号はA/D変換器162−k(k=1〜n)によりA/D変換された後、信号合成部163に入力される。
この信号合成部163は、A/D変換器162−k(k=1〜n)の出力信号に遅延処理および窓関数の乗算処理を施して加算することにより、話者のオーディオ信号を合成する。その際、信号合成部163は、話者である教師4の位置Sにおいて発生した音波が各マイク161−k(k=1〜n)に到達し、それらの音波の音圧を示すオーディオ信号がA/D変換器162−k(k=1〜n)から出力された場合に、A/D変換器162−k(k=1〜n)の各出力信号を遅延させた信号が同相で加算されるように、A/D変換器162−k(k=1〜n)の各出力信号に対する遅延処理を行うのである。なお、窓関数の乗算処理は、教師4の位置Sとは異なる位置の音を誤って収音するのを防止するために実行される処理である。以上の構成によれば、教師4にマイクを着用させることなく、教室1の天井等から位置Sにおける教師4の音声を高感度で収音し、そのオーディオ信号を得ることができる。
教師4の位置Sは、上記第1実施形態において説明したような話者位置検出装置140により検出してもよいが、マイクアレイ160を用いて位置Sの検出を行うようにしてもよい。すなわち、教師4の位置Sを各種仮定し、これらの各位置Sにおける音声を示すオーディオ信号を信号合成部163に合成させ、最も強度の高いオーディオ信号の得られる位置Sを教師4の位置とするのである。この態様によれば、信号合成部163から話者である教師4の位置を示す話者位置データを得ることができるので、話者位置検出装置140を設ける必要がないという利点がある。
<他の実施形態>
以上、この発明の第1〜第4実施形態について説明したが、この発明にはこれ以外にも他の実施形態が考えられる。例えば次の通りである。
(1)音響ビーム信号処理部113を複数設け、それらのうち適切な個数の音響ビーム信号処理部113に各々別の生徒5に向かう音響ビーム7を形成するための信号処理を同時に行わせるようにしてもよい。この態様によれば、複数の生徒5の注意を同時に喚起することができる。
(2)生徒5の頭部内に焦点Fを有する音響ビーム7を発生させ得るように音響再生システムを構成しても良い。このような音響ビーム7が発生されると、仮想音源は生徒5の頭内に定位し、生徒5には方向感のない音が聴こえる。このような現実的にはありえない音を生徒5に聴かせることで、生徒5の注意を喚起することができる。
(3)Moveキー305やRotateキー306がONであるときに発生される移動音源の軌道の形状を複数種類用意し、所望の形状を教師4に選択させ、選択された形状の軌道に沿って移動音源を移動させるようにしてもよい。
(4)全体拡声信号処理114は、音響ビームを出力させる信号処理でなくてもよく、教室全体に拡声を行う信号処理であればよい。例えば、スピーカアレイ220の各スピーカを同相駆動するような信号処理でもよい。
(5)上記実施形態では、特定の生徒5の注意を喚起する場合に、その生徒5の手前の焦点Fを有する音響ビームを発生したが、その焦点Fに生じる仮想音源の効果は当該生徒5の後方の生徒5にも及ぶ。従って、焦点Fの直近の生徒5だけではなく、その生徒5を含む特定エリアの生徒5の注意を喚起する場合に焦点Fを持った音響ビーム7を発生するようにしてもよい。
この発明の第1実施形態である音響再生システムが設置された教室を示す図である。 同実施形態におけるスピーカアレイの設置例を示す図である。 同音響再生システムの構成を示すブロック図である。 同音響再生システムにおける操作表示装置の構成を示す平面図である。 この発明の第2実施形態である音響再生システムにおける特徴的な要素を示す図である。 この発明の第3実施形態である音響再生システムにおいて行われる特徴的な処理を説明する図である。 同音響再生システムの構成を示すブロック図である。 この発明の第4実施形態である音響再生システムにおける話者の音声の収音手段の構成を示すブロック図である。
符号の説明
1……教室、4……教師、5……生徒、100……本体部、210……マイク、220……スピーカアレイ、7……音響ビーム、8……全体拡声音、221−k(k=1〜m)……スピーカ、110……信号処理部、112……HPF、113……音響ビーム信号処理部、114……全体拡声信号処理部、300……操作表示装置、140……話者位置検出装置、130……メモリ部、121……聴者位置設定処理、122……音源位置設定処理、123……静止音源処理、124……移動音源処理、125……パラメータ算出処理、151……視線センサ、152……話者位置センサ、117……切換部、126……選択処理、160……マイクアレイ、161−k(k=1〜n)……マイク、163……信号合成部。

Claims (7)

  1. 複数のスピーカを有し、部屋に固定されたスピーカアレイと、
    前記話者の位置を入力する話者位置入力手段と、
    前記話者の音声を特定の聴者に伝える場合における当該聴者の位置を取得する聴者位置取得手段と、
    前記話者位置入力手段により入力された話者の位置または前記聴者位置取得手段により取得された特定の聴者の位置の少なくとも一方に基づき、音響ビームの焦点位置を決定する焦点位置決定手段と、
    オーディオ信号に少なくとも遅延処理を施し、前記スピーカアレイにおける複数のスピーカに供給する複数の遅延オーディオ信号を生成する信号処理手段と、
    前記焦点位置決定手段により決定された焦点位置を持った音響ビームがスピーカアレイから出力されるように前記信号処理手段における前記遅延処理を制御する制御手段と
    を具備することを特徴とする音響再生システム。
  2. 前記信号処理手段は、前記オーディオ信号に基づき、前記音響ビームを前記スピーカアレイから出力させるための遅延オーディオ信号を生成する第1の信号処理部を具備するとともに、前記オーディオ信号に基づき、前記部屋内の広範囲に伝播する全体拡声音を前記スピーカアレイに出力させるためのオーディオ信号を生成する第2の信号処理部を具備することを特徴とする請求項1に記載の音響再生システム。
  3. 前記制御手段は、前記話者の位置と前記聴者の位置を結ぶ仮想線上において前記特定の聴者の手前の位置を前記焦点位置として決定する手段を具備することを特徴とする請求項1または2に記載の音響再生システム。
  4. 前記制御手段は、前記話者の位置と前記聴者の位置を結ぶ軌道上の各位置を前記焦点位置として決定し、前記音響ビームの焦点位置が前記軌道に沿って移動するように前記遅延処理の制御を行う手段を具備することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1の請求項に記載の音響再生システム。
  5. 前記制御手段は、前記話者を取り囲む閉曲線状の軌道上の各位置を前記焦点位置として決定し、前記音響ビームの焦点位置が前記軌道に沿って移動するように前記遅延処理の制御を行う手段を具備することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1の請求項に記載の音響再生システム。
  6. 前記聴者位置入力手段は、前記話者の視線の方向を検出する視線センサと、前記話者の位置を検知する話者位置センサとを有し、前記視線センサにより検出される話者の視線の方向と前記話者位置センサにより検出される話者の位置とに基づき、前記特定の聴者の位置を示す情報を入力することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1の請求項に記載の音響再生システム。
  7. 前記音響再生システムは、前記スピーカアレイとして、前記部屋内の異なる位置に固定された複数のスピーカアレイを有し、
    前記制御手段は、前記話者の位置および前記特定の聴者の位置関係に基づき、前記複数のスピーカアレイの中の1つを前記音響ビームの出力を行わせるスピーカアレイとして選択する選択手段を具備し、
    前記信号処理手段は、前記選択手段により選択されたスピーカアレイに前記複数の遅延オーディオ信号を供給するための切換手段を具備することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1の請求項に記載の音響再生システム。
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