JP2007049721A - 再生システムおよび再生プログラム - Google Patents

再生システムおよび再生プログラム Download PDF

Info

Publication number
JP2007049721A
JP2007049721A JP2006240784A JP2006240784A JP2007049721A JP 2007049721 A JP2007049721 A JP 2007049721A JP 2006240784 A JP2006240784 A JP 2006240784A JP 2006240784 A JP2006240784 A JP 2006240784A JP 2007049721 A JP2007049721 A JP 2007049721A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
noise
unit
frequency
signal
order component
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2006240784A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4074323B2 (ja
Inventor
Takeo Tsuruoka
建夫 鶴岡
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Olympus Corp
Original Assignee
Olympus Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Olympus Corp filed Critical Olympus Corp
Priority to JP2006240784A priority Critical patent/JP4074323B2/ja
Publication of JP2007049721A publication Critical patent/JP2007049721A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4074323B2 publication Critical patent/JP4074323B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Abstract

【課題】高画質な画像を低コストかつ高速処理で得ることが可能な再生システムを提供する。
【解決手段】圧縮された信号を周波数空間における信号として伸張する伸張手段と、上記伸張手段により伸張された周波数空間における信号の内の0次成分に基づいて、0次成分以外の周波数成分に関するノイズ量を推定するノイズ推定手段と、上記ノイズ推定手段により推定されたノイズ量に基づいて、0次成分以外の周波数成分に関するノイズを低減するノイズ低減手段と、上記0次成分とノイズを低減された0次成分以外の周波数成分とを実空間における信号に変換する逆変換手段とを具備する。
【選択図】図1

Description

本発明は、JPEGやMPEGなどの周波数空間を利用する圧縮処理と伸張処理との少なくとも一方を行う際に、同時的に、撮像素子系に起因するランダムノイズを高精度に低減するようにした再生システムおよび再生プログラムに関する。
撮像素子とそれに付随するアナログ回路およびA/Dコンバータから得られるデジタル化された信号中には、一般にノイズ成分が含まれており、このノイズ成分は、固定パターンノイズとランダムノイズとに大別することができる。
上記固定パターンノイズは、欠陥画素などに代表されるような、主に撮像素子に起因するノイズである。
一方、ランダムノイズは、撮像素子およびアナログ回路において発生するものであり、ホワイトノイズ特性に近い特性を有している。
後者のランダムノイズに関しては、例えば特開2001−157057号公報において、静的に与えられる定数項a,b,cと濃度値に変換した信号レベルDとを用いて、ノイズ量Nを、N=abcDにより関数化し、この関数から信号レベルDに対するノイズ量Nを推定して、推定したノイズ量Nに基づきフィルタリングの周波数特性を制御する技術が開示されていて、これにより、信号レベルに対して適応的なノイズ低減処理が行われるようになっている。
また、他の例として、特開2002−57900号公報には、注目画素とその近傍画素との差分値Δを求めて、求めた差分値Δと静的に与えられる定数項a,bとを用いて、移動平均法で用いる平均画素数nを、n=a/(Δ+b)により関数化して制御するとともに、求めた差分値Δが所定の閾値以上である場合には移動平均を行わないようにする技術が記載されている。このような技術を用いることにより、エッジなどの原信号を劣化させることなくノイズ低減処理が行われるようにしている。さらに、ノイズ低減後の信号は、JPEGやMPEGなどの周波数空間を利用した圧縮処理が行われて記録保存され、再生時には該圧縮された信号に対して伸張処理が行われるようになっている。
特開2001−157057号公報 特開2002−57900号公報
上述したような特許文献1、特許文献2における関数は、何れも実空間で定義された関数であるために、ノイズ低減処理は、これらの関数を用いて実空間で行うことになる。これに対して、圧縮伸張処理は、一般的に周波数空間で行われるために、ノイズ低減処理とは独立して行わなければならない。このように、従来の構成では、ノイズ低減処理と圧縮伸張処理とを別個の独立したシステムにより処理しなければならないために、高速処理を行うことが可能な撮像システムや再生システムを低コストに構築しようとする際の課題となっている。
また、上述したような関数で使用する定数項は固定的に与えられたものであるために、システムの一部が更新された場合や経時変化が生じた場合などに対応することができず、柔軟性に欠けるという課題がある。さらに、上記各文献に記載された技術で構築されたシステムは、関数で使用する定数項が算出されていないと、ノイズ低減処理を行うことができないという課題がある。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、高画質な画像を低コストかつ高速処理で得ることが可能な再生システムおよび再生プログラムを提供することを目的としている。
また本発明は、多様なシステムに柔軟に対応して高画質な画像を得ることが可能な再生システムおよび再生プログラムを提供することを目的としている。
本発明の再生システムは、撮像素子からの信号が周波数空間における信号に変換され、当該周波数空間における信号に変換された後に圧縮された信号を処理する再生システムであって、上記圧縮された信号を周波数空間における信号として伸張する伸張手段と、上記伸張手段により伸張された周波数空間における信号の内の0次成分に基づいて、0次成分以外の周波数成分に関するノイズ量Nを推定するノイズ推定手段と、上記ノイズ推定手段により推定されたノイズ量Nに基づいて、0次成分以外の周波数成分に関するノイズを低減するノイズ低減手段と、上記0次成分とノイズを低減された0次成分以外の周波数成分とを実空間における信号に変換する逆変換手段と、を具備したことを特徴とする。
本発明の再生プログラムは、コンピュータに、周波数空間における信号に変換された後に圧縮された信号を、周波数空間における信号として伸張する伸張手順と、上記伸張手順により伸張された周波数空間における信号の内の0次成分に基づいて、0次成分以外の周波数成分に関するノイズ量を推定するノイズ推定手順と、上記ノイズ推定手順により推定されたノイズ量に基づいて、0次成分以外の周波数成分に関するノイズを低減するノイズ低減手順と、上記0次成分とノイズを低減された0次成分以外の周波数成分とを実空間における信号に変換する逆変換手順と、を実行させるものであることを特徴とする。
本発明によれば、高画質な画像を低コストかつ高速処理で得ることが可能となる。
また本発明によれば、多様なシステムに柔軟に対応して高画質な画像を得ることが可能となる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
図1から図7は本発明の第1の実施形態を示したものであり、図1は撮像システムの構成を示すブロック図、図2はノイズ推定部の構成を示すブロック図、図3はDCT変換を説明するための図、図4はノイズ量の定式化を説明するための線図、図5はノイズ量の定式化に用いるパラメータを説明するための線図、図6はノイズ低減部の構成を示すブロック図、図7はノイズ低減および圧縮のソフトウェア処理を示すフローチャートである。
この撮像システムは、図1に示すように、被写体像を結像するためのレンズ系1と、このレンズ系1内に配置されていて該レンズ系1における光束の通過範囲を規定するための絞り2と、上記レンズ系1による結像光束から不要な高周波成分を除去するためのローパスフィルタ3と、このローパスフィルタ3を介して結像される光学的な被写体像を光電変換して電気的な映像信号を出力する撮像素子たるCCD4と、このCCD4から出力されるアナログの映像信号をデジタル信号へ変換するA/D変換器5と、このA/D変換器5から出力されたデジタルの画像データを一時的に記憶する第1バッファ6と、この第1バッファ6に記憶された画像データを用いて被写体に関する測光評価を行いその評価結果に基づき上記絞り2およびCCD4の制御を行う測光評価部7と、上記第1バッファ6に記憶された画像データを用いて合焦点検出を行い検出結果に基づき後述するAFモータ9を駆動する合焦点検出部8と、この合焦点検出部8により制御されて上記レンズ系1に含まれるフォーカスレンズ等の駆動を行うAFモータ9と、上記第1バッファ6に記憶された映像信号を読み出してホワイトバランス処理や補間処理、強調処理などの一般的な信号処理を行う信号処理部10と、この信号処理部10により処理された映像信号を一時的に記憶する第2バッファ11と、この第2バッファ11に記憶された映像信号を所定のブロックサイズ単位で順次読み出すブロック抽出手段たるブロック抽出部12と、このブロック抽出部12により読み出されたブロック単位のRGB信号を輝度信号Yと色差信号Cb,Crとに分離するY/C分離部13と、このY/C分離部13により分離された輝度信号Yについて公知のDCT(Discrete Cosine Transform)変換を行うことにより周波数空間の信号に変換する変換手段たる輝度DCT部14と、上記Y/C分離部13により分離された色差信号Cb,Crについて所定の比率でダウンサンプリングを行うダウンサンプル部17と、このダウンサンプル部17によりダウンサンプリングされた色差信号Cb,Crに上記DCT変換を行うことにより周波数空間の信号に変換する変換手段たる色差DCT部18と、上記輝度DCT部14の出力から0次成分を抽出しさらに上記色差DCT部18の出力から0次成分を抽出する0次抽出部15と、この0次抽出部15により抽出された0次成分を量子化する0次量子化部16と、上記0次抽出部15により抽出された0次成分から0次成分以外の周波数成分に関するノイズ量を推定するノイズ推定手段たるノイズ推定部20と、上記輝度DCT部14の出力から0次成分以外の周波成分を抽出しさらに上記色差DCT部18の出力から0次成分以外の周波成分を抽出する高周波抽出部19と、上記ノイズ推定部20により推定されたノイズ量に基づき上記高周波抽出部19により抽出された高周波成分のノイズを低減するノイズ低減手段たるノイズ低減部21と、このノイズ低減部21により処理された高周波成分を量子化する高周波量子化部22と、上記0次量子化部16の出力と高周波量子化部22の出力とを圧縮処理する圧縮手段たる圧縮部23と、この圧縮部23により圧縮された画像データを例えばメモリカード等の記録媒体に記録するために出力する出力部24と、電源スイッチ,シャッタボタン,各種の撮影モードを切り替えるためモードスイッチ等へのインターフェースを備えた外部I/F部26と、上記測光評価部7,合焦点検出部8,信号処理部10,Y/C分離部13,0次抽出部15,0次量子化部16,高周波抽出部19,ノイズ推定部20,ノイズ低減部21,高周波量子化部22,圧縮部23,出力部24,外部I/F部26と双方向に接続されていてこれらを含むこの撮像システムを統合的に制御するマイクロコンピュータ等でなる制御手段であり取得手段を兼ねた制御部25と、を有して構成されている。
次に、図1に示したような撮像システムにおける信号の流れについて説明する。
この撮像システムは、外部I/F部26を介してISO感度などの撮影条件を設定することができるように構成されており、これらの設定がなされた後に、2段式の押しボタンスイッチでなるシャッタボタンを半押しすることにより、プリ撮像モードに入る。
上記レンズ系1,絞り2,ローパスフィルタ3を介して結像された光学像は、CCD4により撮影されてアナログの映像信号として出力され、A/D変換器5によりデジタル信号へ変換されて、第1バッファ6へ転送される。
なお、上記CCD4は、本実施形態に示す例においては、撮像面の前面に原色RGB色フィルタが配置された単板式原色カラーCCDとして構成されたものである。
第1バッファ6内の映像信号は、その後に、測光評価部7と合焦点検出部8とへ各転送される。
測光評価部7は、画像中の輝度レベルを求めて、設定されたISO感度や手ぶれ限界のシャッタ速度などを考慮して適正露光値を算出し、この適正露光値となるように絞り2による絞り値やCCD4の電子シャッタ速度などを制御する。
また、合焦点検出部8は、画像中のエッジ強度を検出して、このエッジ強度が最大となるようにAFモータ9を制御し合焦画像を得る。
このようなプリ撮像モードを行うことにより本撮影の準備が整ったところで、次に、シャッタボタンが全押しにされたことを外部I/F部26を介して検出すると、本撮影が行われる。
この本撮影は、測光評価部7により求められた露光条件と合焦点検出部8により求められた合焦条件とに基づいて行われ、これらの撮影時の条件は取得手段たる制御部25へ転送される。
こうして本撮影が行われると、映像信号が、プリ撮像のときと同様にして、第1バッファ6へ転送され記憶される。
この第1バッファ6内の映像信号は、信号処理部10へ転送されて、公知のホワイトバランス処理,補間処理,強調処理などが行われた後に、第2バッファ11へ転送される。
ブロック抽出部12は、制御部25の制御に基づいて、上記第2バッファ11に記憶されている映像信号を、所定のブロックサイズ、例えば8×8画素でなるブロックを単位として順次読み出し、Y/C分離部13へ転送する。
Y/C分離部13は、次の数式1に示すような変換式に基づいて、ブロック抽出部12からのRGB信号でなる映像信号を輝度信号Yと色差信号Cb,Crとへ変換する。
[数1]
Y = 0.29900R+0.58700G+0.11400B
Cb=−0.16874R−0.33126G+0.50000B
Cr= 0.50000R−0.41869G−0.08131B
こうしてY/C分離部13により生成された輝度信号Yは輝度DCT部14へ、色差信号Cb,Crはダウンサンプル部17へ、それぞれ転送される。
ダウンサンプル部17は、色差信号Cb,Crを所定の比率でダウンサンプリングした後に、色差DCT部18へ転送する。
上記輝度DCT部14と色差DCT部18とは、上述したように、公知のDCT(Discrete Cosine Transform)変換を行うことにより、実空間における映像信号を周波数空間における信号に変換する。
上記周波数空間へ変換された信号は、制御部25の制御に基づいて、輝度信号Y,色差信号Cb,色差信号Crの順に、以下に示すように、ノイズ低減処理と圧縮処理とが行われる。
まず、0次抽出部15が、上記輝度DCT部14と色差DCT部18とにより変換された周波数空間の信号から、0次成分を抽出する。
次に、0次量子化部16が、この0次抽出部15により抽出された0次成分を所定間隔で量子化する。
そして、圧縮部23が、この量子化後の0次成分に公知のハフマン符号や算術符号などにより圧縮する。こうして圧縮された信号は、出力部24に順次転送されて、上述したようにメモリカード等に保存される。
ノイズ推定部20は、0次抽出部15から0次成分を取得するとともに、制御部25から撮影時の情報を取得して、これらの情報に基づき、0次成分以外の周波数成分に対するノイズ量を算出する。
一方、高周波抽出部19は、上記輝度DCT部14と色差DCT部18とにより変換された周波数空間の信号から、0次成分以外の周波数成分を抽出する。
ノイズ低減部21は、ノイズ推定部20からのノイズ量に基づき、高周波抽出部19からの0次成分以外の周波数成分に対してノイズ低減処理を行う。
高周波量子化部22は、ノイズ低減部21によりノイズ低減処理された高周波成分を所定間隔で量子化する。
上記圧縮部23は、この高周波量子化部22により量子化された高周波成分についても、上記0次量子化部16により量子化された0次成分と同様に、公知のハフマン符号や算術符号などにより圧縮する。こうして圧縮された信号は、出力部24に順次転送されて、上述したようにメモリカード等に保存される。なお、この圧縮部23による圧縮処理は、例えば、公知のJPEG圧縮処理に準拠してなされている。
なお、上述したようなY/C分離部13,0次抽出部15,0次量子化部16,高周波抽出部19,ノイズ推定部20,ノイズ低減部21,高周波量子化部22,圧縮部23によるそれぞれの処理は、制御部25の制御に基づき、ブロック抽出部12がブロックを抽出する動作に同期して、ブロック単位で行われる。
次に、図2を参照して、ノイズ推定部20の構成の一例について説明する。
このノイズ推定部20は、CCD4の標準的な温度を後述する係数算出部32へ転送する付与手段たる標準値付与部31と、ノイズ量を推定する際に用いる後述する関数に係るパラメータを記憶する係数算出手段たるパラメータ用ROM33と、このパラメータ用ROM33からのパラメータと上記0次抽出部15からの0次成分と上記制御部25からのゲインと上記標準値付与部31からの温度情報とに基づいて0次成分以外の高周波成分のノイズ量を推定するための所定の式に係る係数を算出する係数算出手段たる係数算出部32と、この係数算出部32により算出された係数を用いて後述するように定式化される関数を用いノイズ量を算出してノイズ低減部21へ転送するノイズ算出手段たるノイズ算出部34と、を有して構成されている。
なお、これら標準値付与部31,係数算出部32,ノイズ算出部34は、制御部25と双方向に接続されて制御されるようになっている。また、制御部25は、測光評価部7や信号処理部10などから信号に対するゲインを求めて、係数算出部32へ転送するようになっている。
ここで、図3を参照して、DCT変換を行って周波数空間に変換したときの次数成分について説明する。図3(A)は実空間における8×8画素のブロックを、図3(B)は周波数空間における8×8画素のブロックを、それぞれ示している。
図3(A)に示すような実空間における画素ブロックの信号をDCT変換すると、図3(B)に示すような周波数空間における画素ブロックの成分が得られる。この図3(B)の周波数空間においては、左上を原点、すなわち0次成分としており、1次以上の高周波成分は、この原点を中心とする同心円上に配置されることになる。従って、上記0次抽出部15は、この図3(B)に示す周波数空間において、左上に位置する画素を0次成分として抽出する処理を行う。
次に、図4を参照して、ノイズ量の定式化について説明する。図4(A)は、0次成分Lに対するノイズ量Nをプロットしたものであり、その関数は、以下の数式2に示すように定式化される。
[数2]
N=ALB+C
ここに、A,B,Cは定数項であり、0次成分Lのべき乗をなす関数に定数項が付加されたものとなっている。
しかしながら、ノイズ量Nは信号値レベルの0次成分Lのみに依存するのではなく、それ以外にも、撮像素子であるCCD4の温度や信号のゲインによっても変化する。従って、これらの要因も考慮に入れたものが、図4(B)に示す例となっている。
すなわち、上記数式2では定数項であったA,B,Cの代わりに、数式3に示すように、温度TとゲインGとをパラメータとする3つの関数a(T,G),b(T,G),c(T,G)を導入する。
[数3]
N=a(T,G)Lb(T,G)+c(T,G)
この数式3により示される曲線を、複数の温度T(図示の例では温度T1〜T3)における複数のゲインG(図示の例では1,2,4倍)の場合にプロットしたのが図4(B)である。
図4(B)は、独立変数を0次成分L、従属変数をノイズ量Nとして表したものであるが、パラメータである温度Tをこれらの変数に直交する方向に座標軸としてプロットしている。従って、T=T1で表される平面内、T=T2で表される平面内、T=T3で表される平面内、のそれぞれで、0次成分Lによるノイズ量Nを読み取ることになる。このとき、さらに、パラメータであるゲインGによる曲線形状の変化を、各平面内で複数本の曲線を描くことにより表している。
各パラメータで示される個々の曲線は、図4(A)に示したような数式2による曲線とほぼ類似した形態をなしているが、当然にして、各関数a,b,cから得られる係数A,B,Cは、温度TやゲインGの各値に応じて異なっている。
図5(A)は上記関数a(T,G)の、図5(B)は上記関数b(T,G)の、図5(C)は上記関数c(T,G)の特性の概略の様子をそれぞれ示したものである。
これらの各関数は、温度TとゲインGとを独立変数とする2変数関数であるために、図5(A)〜図5(C)は3次元座標としてプロットされており、このプロットされた空間における曲面となっている。ただし、ここでは具体的な曲面形状を図示する代わりに、曲線を用いて大まかな特性変化の様子を示している。
このような関数a,b,cに温度TとゲインGとをパラメータとして入力することにより、各定数項A,B,Cが出力される。そして、これらの関数の具体的な形状は、事前に、CCD4を含む撮像素子系の特性を測定することにより、容易に取得することができる。
係数算出部32は、制御部25からのゲインGと標準値付与部31からの温度Tとを入力パラメータとして、パラメータ用ROM33に記録される3つの関数a,b,cから定数項A,B,Cを求め、ノイズ算出部34へ転送する。
ノイズ算出部34は、この係数算出部32からの0次成分Lと定数項A,B,Cとを用いて、上記数式2に基づきノイズ量Nを算出し、算出したノイズ量Nをノイズ低減部21へ転送する。
なお、上述では撮像素子であるCCD4の温度を標準値付与部31から固定的に与えていたが、これに限定されるものではない。例えば、温度センサなどをCCD4の近傍に配置して、リアルタイムで温度情報を取得し取得手段たる制御部25へ転送するように構成することも可能である。これとは逆に、ゲインGを動的に得ることができない場合には、標準値付与部31から所定の値を付与するようにしても構わない。
また、上述ではノイズ量に対する定式化において、数式2に示したようなべき乗の関数を用いたが、このような関数形状のものに限定されるものでもない。例えば、N=AL2+BL+Cといった2次式を用いて定式化することも可能であるし、その他の多項式やスプライン関数などを使用するようにしても構わない。
次に、図6を参照して、ノイズ低減部21の構成の一例について説明する。
このノイズ低減部21は、制御部25からの画質モード情報(圧縮率の情報を含む)に基づき情報が保存されない高周波成分の閾値nを推定する選択手段たる判断部41と、高周波抽出部19から転送された0次成分以外の周波数成分の平均値AVを算出する平均値算出手段たる平均値算出部42と、この平均値算出部42からの平均値AVと上記ノイズ推定部20からのノイズ量Nとを用いて高周波成分に対する上限値Tupおよび下限値Tlow を後述するように設定する許容範囲設定手段たる許容範囲設定部43と、上記高周波抽出部19から転送された0次成分以外の周波数成分の内の所定の周波数帯域に属する高周波成分を抽出する周波数分離手段たる分離部44と、上記判断部41からの閾値nと許容範囲設定部43からの上限値Tupおよび下限値Tlow とに基づき分離部44により抽出された周波数帯域の周波数成分をノイズ低減処理して上記高周波量子化部22へ転送する補正手段たる補正部45と、を有して構成されていて、これら判断部41,平均値算出部42,許容範囲設定部43,分離部44,補正部45は、制御部25と双方向に接続されて制御されるようになっている。
上記分離部44は、制御部25の制御に基づいて、上述したように、所定の周波数帯域に属する高周波成分を抽出し補正部45へ転送するが、DCT変換の場合には、上記図3(B)に示したように、所定の周波数帯域に属する高周波成分が左上を原点とする同心円上に配置されるために、分離部44はこの配置に基づいて1次以上の高周波成分を順次抽出する処理を行う。
許容範囲設定部43は、ノイズ推定部20からのノイズ量Nと平均値算出部42からの平均値AVとに基づき、高周波成分に対する上限値Tupおよび下限値Tlow を、次の数式4に基づいて設定し、補正部45へ転送する。
[数4]
Tup =AV+N/2
Tlow =AV−N/2
判断部41は、外部I/F部26により設定される画質モードの情報を制御部25から取得して、この画質モードから対応する圧縮率を求める。そして、判断部41は、求めた圧縮率では、情報が保存されない高周波成分、すなわちノイズ成分も保存されない高周波成分、の閾値nを推定して、この閾値nを補正部45へ転送する。
補正部45は、判断部41からの閾値nと、許容範囲設定部43からの上限値Tupおよび下限値Tlow と、に基づいて、分離部44からの各周波数成分に対しての処理を行う。まず、補正部45は、判断部41からの閾値nに基づき、n次成分以下の周波数成分のみをノイズ低減処理の対象として、このn次成分よりも次数の大きい周波数成分については処理を行うことなくそのまま高周波量子化部22へ出力する。一方、補正部45は、周波数成分がn次成分以下の周波数成分である場合には、各周波数成分の要素Sに対して、上限値Tupと下限値Tlow とに基づき次の数式5に示すような3通りの処理の何れかを選択して、要素Sを補正する。
[数5]
S=S−N/2 (Tup<Sのとき)
S=AV (Tlow ≦S≦Tupのとき)
S=S+N/2 (S<Tlow のとき)
補正部45は、数式5による補正処理がなされた各周波数成分の要素を、高周波量子化部22へ順次出力する。
なお、上述ではハードウェア的に処理を行う構成としているが、これに限るものではなく、ソフトウェア的に処理するようにしても構わない。例えば、CCD4からの信号を未処理のままのRawデータとし、制御部25からのゲインや撮影時の温度などをこのRawデータのヘッダ情報として付加して、このヘッダ情報が付加されたRawデータを別途のソフトウェアによりコンピュータで処理するようにすることが考えられる。
図7を参照して、ノイズ低減および圧縮のソフトウェア処理について説明する。図7(A)と図7(B)は、このソフトウェア処理を分割してそれぞれ示したものである。
この処理を開始すると、Rawデータとして得られる映像信号と、温度やゲインなどのヘッダ情報と、をコンピュータに読み込む(ステップS1)。なお、このヘッダ情報は、後述するステップS13およびステップS15の処理において使用されるようになっている。
次に、読み込んだRawデータについて、ホワイトバランス処理,補間処理,強調処理などの一般的な信号処理を行い(ステップS2)、処理後の信号から所定のサイズのブロック領域、例えば8×8画素単位のブロック領域を抽出する(ステップS3)。
そして、ブロック内の各画素の映像信号(RGB信号など)を、輝度信号Yと色差信号Cb,Crとに変換する(ステップS4)。
次に、輝度信号YをDCT変換により周波数空間の信号に変換し(ステップS5)、その後は、図7(B)に示すようなステップS11の処理およびステップS12の処理へ移行する。この図7(B)の処理については後で説明する。
この図7(B)に示すステップS21までの処理が行われたところで、再び図7(A)に示す処理に移行し、圧縮処理およびノイズ低減処理がなされた輝度信号Yを出力する(ステップS6)。
一方、上記ステップS4において分離された色差信号Cb,Crは、所定の割合でダウンサンプリングされ(ステップS7)、DCT変換により周波数空間の信号に変換される(ステップS8)。その後は、ステップS11の処理およびステップS12の処理(図7(B)参照)へ移行する。
この図7(B)に示すステップS21までの処理が行われたところで、再び図7(A)に示す処理に移行し、圧縮処理およびノイズ低減処理がなされた色差信号Cb,Crを出力する(ステップS9)。
上記ステップS6の処理およびステップS9の処理が終了したら、全ブロックについての処理が完了したか否かを判断し(ステップS10)、完了していない場合は上記ステップS3へ戻って次のブロックについて上述したような動作を繰り返して行う。また、このステップS10において全てのブロックについての処理が完了したと判断される場合は、この処理を終了する。
次に、図7(B)に示す圧縮およびノイズ低減処理について説明する。この処理は、輝度信号Yと色差信号Cb,Crとに対して共通に行われる処理となっている。
ステップS5またはステップS8の処理によって周波数空間に変換された成分の内の、0次成分を抽出するとともに(ステップS11)、0次成分以外の高周波成分を抽出する(ステップS12)。
次に、上記ステップS1において読み込んだヘッダ情報に基づいて、ノイズ低減処理を行うか否かを判断する(ステップS13)。
ここで、ノイズ低減処理を行うと判断された場合には、高周波成分の平均値を算出する(ステップS14)。
そして、上記ステップS11において抽出された0次成分と、上記ステップS1において読み込んだヘッダ情報とを用いて、上記数式2に基づきノイズ量を算出する(ステップS15)。
その後、上記数式4に基づいて許容範囲を設定し(ステップS16)、数式5に基づいてノイズ低減処理を行う(ステップS17)。
このステップS17の処理が終了した場合、または、上記ステップS13においてノイズ低減処理を行わないと判断された場合には、全ての高周波成分についての処理が完了したか否かを判断する(ステップS18)。ここで、完了していない場合は上記ステップS12へ戻って次の高周波成分について上述したような動作を行う。
また、全ての高周波成分についての処理が完了している場合には、高周波成分の量子化を行う(ステップS20)。
その一方で、上記ステップS11において抽出した0次成分について、量子化を行う(ステップS19)。
ステップS19およびステップS20における量子化の処理が完了したら、量子化された0次成分および高周波成分を圧縮処理して(ステップS21)、上記図7(A)に示した処理に移行する。
なお、上述では原色型の単板CCDを例に挙げて説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、補色型の単板CCDでも同様に適応可能であるし、さらには、二板CCDや三板CCDの場合にも同様に適用可能である。
このような第1の実施形態によれば、周波数空間を利用する圧縮処理とノイズ低減処理とを一体化することにより、高画質な画像を得ることができる低コストな撮像システムを構築することができる。
また、ノイズ量に関係する0次成分、撮影時の撮像素子の温度、ゲインなどの各種のパラメータを撮影毎に動的に求めて、これらのパラメータに基づきノイズ量を算出しているために、ノイズ量を高精度に推定することができる。このとき、ノイズ量を算出する際に関数を用いているために、必要となるメモリ量を少なくすることができ、低コスト化を図ることが可能となる。
加えて、推定されたノイズ量と周波数成分の平均値とに基づき上限値と下限値を設定してノイズ成分を補正しているために、ノイズ成分のみが除去され、それ以外の信号は原信号として保存される。これにより、ノイズのみが低減された高品位な画像を得ることができる。
そして、推定したノイズ量以下の信号のみをスムージング処理しているために、効果的にノイズを低減することが可能となる。
さらに、ノイズ量の算出に要する温度,ゲインなどのパラメータが得られない場合には、標準値を用いるようにしているために、常にノイズ低減処理を行うことが可能となる。加えて、一部のパラメータ算出を意図的に省略することにより、低コスト化および省電力化を図った撮像システムを構築することが可能となる。
周波数成分の信号を各周波数帯域に分離して、各周波数帯域毎にノイズ低減処理を行うかどうかを圧縮率に応じて選択し、圧縮処理で切り捨てられる高周波成分に対しては不要なノイズ低減処理を行うことなく、必要となる周波数帯域のみについてノイズ低減処理を行うようにしたために、処理を高速化することができる。
図8から図11は本発明の第2の実施形態を示したものであり、図8は撮像システムの構成を示すブロック図、図9はウェーブレット変換を説明するための図、図10はノイズ推定部の構成を示すブロック図、図11はノイズ低減部の構成を示すブロック図である。
この第2の実施形態において、上述の第1の実施形態と同様である部分については同一の符号を付して説明を省略し、主として異なる点についてのみ説明する。
本実施形態の撮像システムは、図8に示すように、上述した第1の実施形態の図1に示した構成とほぼ同様であるが、変換手段たるウェーブレット(Wavelet)変換部50を追加して、輝度DCT部14とダウンサンプル部17と色差DCT部18とを削除した構成となっている。上記ウェーブレット変換部50は、Y/C分離部13の出力を処理して、処理結果を0次抽出部15と高周波抽出部19とへ出力するものである。
このような撮像システムの作用は、基本的に上述した第1の実施形態と同様であるために、異なる部分についてのみ図8の信号の流れに沿って説明する。
Y/C分離部13で得られた輝度信号Yと色差信号Cb,Crは、ウェーブレット変換部50へ転送されて、該ウェーブレット変換部50において周波数空間へ変換される。
図9は、このウェーブレット変換部50において行われるウェーブレット変換の様子を示している。
図9(A)は実空間における8×8画素のブロックを示している。
図9(B)は、図9(A)に示すような8×8画素のブロックを、1回ウェーブレット変換した周波数空間における8×8画素のブロックを示している。この図9(B)においては、左上を原点に取っているために、左上4×4画素が0次成分Lを示し、その他が1次の高周波成分、すなわち、右上の4×4画素が1次の水平成分Hh1 、左下の4×4画素が1次の垂直成分Hv1 、右下の4×4画素が1次の斜め成分Hs1 、をそれぞれ示している。
図9(C)は、図9(A)に示すような8×8画素のブロックを、2回ウェーブレット変換した周波数空間における8×8画素のブロックを示しており、図9(B)に示した0次成分Lをさらに1回ウェーブレット変換したものとなっている。この図9(C)に示す左上4×4画素において、左上2×2画素が0次成分Lを示し、その他が2次の高周波成分、すなわち、右上の2×2画素が2次の水平成分Hh2 、左下の2×2画素が2次の垂直成分Hv2 、右下の2×2画素が2次の斜め成分Hs2 、をそれぞれ示している。本実施形態においては、この図9(C)に示すような、ウェーブレット変換を2回行った周波数空間を例に取って説明を行う。
このようにしてウェーブレット変換部50により周波数空間における信号に変換された信号は、0次抽出部15により0次成分が抽出されるとともに、高周波抽出部19により高周波成分が抽出され、上述した第1の実施形態と同様に、圧縮処理とノイズ低減処理とが行われる。
図10を参照して、ノイズ推定部20の構成の一例について説明する。
本実施形態のノイズ推定部20は、CCD4の標準的な温度を後述するルックアップテーブル部52へ転送する付与手段たる標準値付与部51と、0次抽出部15からの0次成分と標準値付与部51からの温度と制御部25からのゲインとに対するノイズ量の関係を記録したルックアップテーブルを保持し該ルックアップテーブルを参照して求めたノイズ量をノイズ低減部21へ出力するルックアップテーブル手段たるルックアップテーブル部52と、を有して構成されていて、これら標準値付与部51,ルックアップテーブル部52は、制御部25と双方向に接続されて制御されるようになっている。
このような構成における作用は、次のようになっている。
0次抽出部15は、制御部25の制御に基づいて0次成分を抽出し、ルックアップテーブル部52へ転送する。また、制御部25は、測光評価部7による測光評価結果や信号処理部10における設定値などに基づいて信号に対するゲインを求め、求めたゲインをルックアップテーブル部52へ転送する。さらに、標準値付与部51は、撮像素子の標準的な温度をルックアップテーブル部52へ転送する。
ルックアップテーブル部52は、0次成分,温度,ゲインと、ノイズ量と、の間の関係を記録するルックアップテーブルを保持しており、このルックアップテーブルは第1の実施形態と同様の手段により構築されたものである。ルックアップテーブル部52は、0次抽出部15からの0次成分と、標準値付与部51からの温度と、制御部25からのゲインと、を用いてルックアップテーブルを参照することによりノイズ量を求めて、求めたノイズ量をノイズ低減部21へ転送する。
なお、本実施形態の場合には、図9(C)に示したように、0次成分が2×2画素(つまり、4画素)となるために、これらに対応してノイズ量は4つ算出されることになる。算出されたノイズ量を高周波成分に使用する場合には、次のように行う。まず、高周波成分が2次の高周波成分(2次の水平成分Hh2 ,2次の垂直成分Hv2 ,2次の斜め成分Hs2 )である場合には、2×2画素の構成となるために、位置的に対応する画素に対して1対1の関係で使用する。一方、高周波成分が1次の高周波成分(1次の水平成分Hh1 ,1次の垂直成分Hv1 ,1次の斜め成分Hs1 )である場合には、4×4画素の構成となるために、1画素のノイズ量を縦方向および横方向にそれぞれ2倍拡大して、2×2画素単位にして使用する。
次に図11を参照して、ノイズ低減部21の構成の一例について説明する。
本実施形態のノイズ低減部21は、高周波抽出部19により抽出された0次成分以外の高周波成分から水平ラインを抽出する周波数分離手段たる水平ライン抽出部61と、この水平ライン抽出部61により抽出された水平ラインに対してスムージングを行うスムージング手段たる第1スムージング部62と、この第1スムージング部62によるスムージング結果を一時的に保存するバッファ63と、このバッファ63に蓄積された水平方向にスムージング後のデータを垂直方向に読み出す周波数分離手段たる垂直ライン抽出部64と、この垂直ライン抽出部64により読み出された垂直方向のラインのスムージングを行って高周波量子化部22へ出力するスムージング手段たる第2スムージング部65と、上記ノイズ推定部20により推定されたノイズ値に基づいてスムージングを行う際の閾値を設定し上記第1スムージング部62および第2スムージング部65へ出力する閾値設定手段たる閾値設定部66と、上記制御部から取得した画質モードに基づき情報が保存されない高周波成分の閾値nを推定して上記第1スムージング部62および第2スムージング部65へ出力する選択手段たる判断部67と、を有して構成されている。
なお、上記水平ライン抽出部61,垂直ライン抽出部64,閾値設定部66,判断部67は、上記制御部25と双方向に接続されて制御されるようになっている。
このような構成のノイズ低減部21の作用は、次のようになっている。
上記水平ライン抽出部61は、制御部25の制御に基づいて、高周波抽出部19から、水平ライン単位で順次3つの高周波成分水平Hhi ,垂直Hvi ,斜めHsi (i=1,2)を個別に抽出し、第1スムージング部62へ転送する。
閾値設定部66は、制御部25の制御に基づいて、上記水平ライン抽出部61により抽出された水平ライン単位の高周波成分に対して、対応するノイズ量をノイズ推定部20から取得し、これを閾値として第1スムージング部62へ転送する。
判断部67は、外部I/F部26により設定される画質モードの情報を制御部25から取得して、この画質モードから対応する圧縮率を求める。そして、判断部67は、求めた圧縮率では情報が保存されない高周波成分、すなわちノイズ成分も保存されない高周波成分、の閾値nを推定して、この閾値nを第1スムージング部62と第2スムージング部65とへ各転送する。
上記第1スムージング部62は、判断部67から取得した閾値nに基づいて、n次成分以下の周波数成分のみをノイズ低減処理の対象とし、このn次成分よりも次数の大きい周波数成分については処理を行うことなくそのままバッファ63へ出力する。一方、第1スムージング部62は、周波数成分がn次成分以下の周波数成分である場合には、水平ライン抽出部61からの高周波成分に対して画素単位で走査して行き、閾値設定部66からの閾値をノイズ量として、例えば公知のヒステリシススムージングを行う。この結果は、順次出力されてバッファ63に記憶される。
この第1スムージング部62のヒステリシススムージングの動作は、制御部25の制御により、ノイズ推定部20の動作および閾値設定部66の動作と同期して行われる。
高周波抽出部19から出力される全ての高周波成分が第1スムージング部62において処理されると、垂直ライン抽出部64が、制御部25の制御に基づいて、バッファ63から垂直ライン単位で3つの高周波成分水平Hhi ,垂直Hvi ,斜めHsi (i=1,2)を個別に順次抽出し、第2スムージング部65へ転送する。
上記閾値設定部66は、制御部25の制御に基づいて、垂直ライン抽出部64が抽出した垂直ライン単位の高周波成分に対して、対応するノイズ量をノイズ推定部20から取得し、このノイズ量を閾値として第2スムージング部65へ転送する。
上記第2スムージング部65は、判断部67から取得した閾値nに基づいて、n次成分よりも次数の大きい周波数成分については処理を行うことなくそのまま高周波量子化部22へ出力する。一方、第2スムージング部65は、周波数成分がn次成分以下の周波数成分である場合には、垂直ライン抽出部64からの高周波成分に対して画素単位で走査して行き、閾値設定部66からの閾値をノイズ量として、例えば公知のヒステリシススムージングを行う。この結果は、高周波量子化部22へ順次出力される。
この第2スムージング部65のヒステリシススムージングの動作は、制御部25の制御により、ノイズ推定部20の動作および閾値設定部66の動作と同期して行われる。
その後は、上述した第1の実施形態と同様に、圧縮部23による圧縮処理が行われ、圧縮された信号が出力部24によってメモリカード等に記録され保存される。なお、このときの圧縮処理は、例えば、公知のJPEG2000圧縮処理に準拠してなされている。
なお、上述ではノイズ低減処理にヒステリシススムージングを使用したが、これに限定されるものではなく、例えば、第1の実施形態と同様に、数式5に示したような低減処理を適用することも可能である。
このような第2の実施形態によれば、周波数空間を利用する圧縮処理とノイズ低減処理とを一体化することにより、高画質な画像を得ることができる低コストな撮像システムを構築することができる。
また、ノイズ量に関係する0次成分、撮影時の撮像素子の温度、ゲインなどの各種のパラメータを撮影毎に動的に求めて、これらのパラメータに基づきノイズ量をテーブルを用いて算出しているために、ノイズ量を高精度かつ高速に推定することができる。
また、ノイズ量を閾値として設定し、この閾値以下の信号のみをスムージング処理しているために、ノイズ成分以外の信号は原信号として保存され、ノイズのみが低減された高品位な画像を得ることができる。
さらに、ノイズ量の算出に要する温度,ゲインなどのパラメータが得られない場合には、標準値を用いるようにしているために、常にノイズ低減処理を行うことが可能となる。加えて、一部のパラメータ算出を意図的に省略することにより、低コスト化および省電力化を図った撮像システムを構築することが可能となる。
そして、圧縮率に応じて、必要となる周波数帯域のみについてノイズ低減処理を行うようにしたために、処理を高速化することができる。
図12、図13は本発明の第3の実施形態を示したものであり、図12は再生システムの構成を示すブロック図、図13は伸張およびノイズ低減のソフトウェア処理を示すフローチャートである。
この第3の実施形態は、再生システムに関するものであるが、ノイズ低減処理等に関しては上述した第1,第2の実施形態と同様な構成要素がある。従って、同様である部分については同一の符号を付して説明を省略し、主として異なる点についてのみ説明する。
また、伸張処理に関しては、第1の実施形態において説明したようなRGB信号に対するJPEG圧縮処理がなされたものを伸張処理することを前提とし、かつ、ヘッダ部に撮影時の情報が書き込まれていることを前提として説明する。
この再生システムは、上記図1に示したのと同様の、0次抽出部15と、高周波抽出部19と、ノイズ推定部20と、ノイズ低減部21と、出力部24と、制御部25と、外部I/F部26と、を有するとともに、さらに、メモリカードなどの記録媒体に保存されている圧縮信号を読み込む入力部71と、この入力部71からの圧縮信号を伸張して上記0次抽出部15と高周波抽出部19とへ出力する伸張手段たる伸張部72と、上記0次抽出部15からの0次成分の輝度成分と上記ノイズ低減部21からのノイズ低減された高周波成分の輝度成分とを逆DCT変換する逆変換手段たる輝度逆DCT部73と、上記0次抽出部15からの0次成分の色差成分と上記ノイズ低減部21からのノイズ低減された高周波成分の色差成分とを逆DCT変換する逆変換手段たる色差逆DCT部74と、この色差逆DCT部74からの色差成分をアップサンプリングするアップサンプル部75と、上記輝度逆DCT部73の輝度成分と上記アップサンプル部75からの色差成分とを合成してRGB信号を生成してCRTモニタや液晶モニタなどの表示装置でなる上記出力部24に出力するY/C合成部76と、を有して構成されている。
なお、上記入力部71,伸張部72,0次抽出部15,高周波抽出部19,ノイズ推定部20,ノイズ低減部21,Y/C合成部76,出力部24,外部I/F部26は、マイクロコンピュータなどでなる制御部25と双方向に接続されて制御されるようになっている。
また、本実施形態の外部I/F部26は、電源スイッチや再生ボタンなどのインターフェースを備えたものとなっている。
次に、図12に示したような再生システムにおける信号の流れについて説明する。
外部I/F部26を介して再生ボタンを操作することにより、メモリカードなどの記録媒体に保存された圧縮信号が入力部71から読み込まれる。
この圧縮信号は、伸張部72へ転送されて公知のハフマン符号や算術符号などに基づき伸張処理が行われ、周波数空間の信号に変換される。
0次抽出部15は、この周波数空間の信号から0次成分を抽出して、ノイズ推定部20へ転送する。
ノイズ推定部20は、画像のヘッダ情報として記録されている撮影時の情報を制御部25から受け取って、上述した第1の実施形態と同様に、0次成分以外の周波数成分に対するノイズ量を算出し、ノイズ低減部21へ転送する。
一方、高周波抽出部19は、伸張部72により伸張された周波数空間の信号から0次成分以外の周波数成分を抽出してノイズ低減部21へ転送する。
ノイズ低減部21は、第1の実施形態と同様に、ノイズ推定部20からのノイズ量に基づき高周波抽出部19からの0次成分以外の周波数成分に対してノイズ低減処理を行う。
0次抽出部15により抽出された0次成分とノイズ低減部21においてノイズ低減処理された高周波成分とは、輝度逆DCT部73または色差逆DCT部74へ転送されて実空間の信号に変換される。このときの輝度信号と色差信号との切り替えは、制御部25の制御に基づいて行われるようになっており、伸張部72から得られるブロック単位で処理される。
輝度逆DCT部73からの輝度信号はそのままY/C合成部76へ転送される一方で、色差逆DCT部74からの色差信号は、アップサンプル部75において所定の割合でアップサンプリング処理された後にY/C合成部76へ転送される。
Y/C合成部76は、制御部25の制御に基づいて、ブロック単位の輝度信号とブロック単位の色差信号とが揃った時点で、次の数式6に基づいてY/C合成処理を行い、RGB信号を生成する。
[数6]
R=Y +1.40200Cr
G=Y−0.34414Cb−0.71414Cr
B=Y+1.77200Cb−0.41869Cr
こうしてY/C合成部76で生成されたRGB信号は、出力部24内のバッファへ順次転送される。
なお、上述ではハードウェア的に再生処理を行うように構成していたが、これに限定されるものではなく、例えば、メモリカードなどの記録媒体に保存された圧縮信号と撮影時の温度,ゲインなどのヘッダ情報とをコンピュータに読み込んで、ソフトウェアによって別途処理することも可能である。
図13を参照して、伸張およびノイズ低減のソフトウェア処理について説明する。図13(A)はこのソフトウェア処理の主たる流れを示しており、図13(B)は輝度信号と色差信号とで共通に行われる処理について示している。
処理が開始されると、図13(A)に示すように、まず、圧縮信号と、温度やゲインなどのヘッダ情報と、を読み込む(ステップS31)。なお、ここで読み込んだヘッダ情報は、後述するステップS41,S43の処理に転送される。
次に、ハフマン符号や算術符号などに基づく伸張処理をブロック単位で行い、周波数空間における輝度信号Yと色差信号Cb,Crとを生成する(ステップS32)。ここで生成された輝度信号Yは、後述するステップS39,S40の処理で使用され、後述するステップS46までの処理が行われた後にステップS33の処理に移行する。また、生成された色差信号Cb,Crについても同様に、後述するステップS39,S40の処理で使用され、後述するステップS46までの処理が行われた後にステップS34の処理に移行する。
すなわち、輝度信号Yが逆DCT変換されるとともに(ステップS33)、色差信号Cb,Crについても逆DCT変換される(ステップS34)。色差信号Cb,Crについては、さらに、所定の割合でアップサンプリングされる(ステップS35)。
そして、ステップS33で変換された輝度信号Yと、ステップS34でアップサンプリングされた色差信号Cb,Crとを合成して、RGB信号を生成し(ステップS36)、合成されたRGB信号を出力する(ステップS37)。
その後、全ブロックについての処理が完了したか否かを判断し(ステップS38)、完了していない場合は上記ステップS32へ戻って次のブロックについての処理を上述したように行い、一方、完了している場合には、この一連の処理を終了する。
次に、図13(B)に示すステップS39〜S46のノイズ低減処理について説明する。この処理は、上述したように、輝度信号Yと色差信号Cb,Crとに対して共通に行われるものである。
輝度信号Yまたは色差信号Cb,Crの0次成分を抽出するとともに(ステップS39)、輝度信号Yまたは色差信号Cb,Crの0次成分以外の高周波成分を抽出する(ステップS40)。
そして、上記ステップS31において読み込んだヘッダ情報に基づいて、ノイズ低減処理を行うか否かを判断する(ステップS41)。
ここでノイズ低減処理を行う場合には、高周波成分の平均値を算出する(ステップS42)。
上記ステップS39において抽出された0次成分と、上記ステップS31において読み込んだヘッダ情報とを用いて、上記数式2に基づきノイズ量を算出する(ステップS43)。
そして、上記数式4に基づいて許容範囲を設定し(ステップS44)、数式5に基づいてノイズ低減処理を行う(ステップS45)。
このステップS45が終了するか、または上記ステップS41においてノイズ低減処理を行わない場合には、全ての高周波成分について処理が完了したか否かを判断し(ステップS46)、完了していない場合は上記ステップS40へ戻って他の高周波成分について上述したような処理を行い、一方、完了している場合には、上記ステップS33またはステップS34へ移行する。
なお、上述では独立した再生システムの例を記載しているが、これに限るものではなく、例えば、上述した第1または第2の実施形態の撮像システムと組み合わせて、撮像再生システムとして構成するようにしても良い。この場合には、撮影時にノイズ低減処理を省略することで高速な連写撮影が可能となり、撮影後にノイズ低減処理を別途行うことで高画質な画像を得ることが可能となる。
このような第3の実施形態によれば、周波数空間を利用する伸張処理とノイズ低減処理とを一体化することにより、高画質な画像を得ることができる低コストな再生システムを構築することができる。
また、ノイズ量を算出する際に用いる0次成分を画像毎に取得するだけでなく、ノイズ量に関係する撮影時の撮像素子の温度、ゲインなどの各種のパラメータをヘッダ情報として画像毎に取得して、これらに基づきノイズ量を算出しているために、ノイズ量を高精度に推定することができる。
そして、推定したノイズ量以下の信号のみをスムージング処理しているために、効果的にノイズを低減することが可能となる。
さらに、ノイズ量の算出に要する温度,ゲインなどのパラメータが得られない場合には、標準値を用いるようにしているために、常にノイズ低減処理を行うことが可能となる。
図14、図15は本発明の第4の実施形態を示したものであり、図14は撮像システムの構成を示すブロック図、図15はノイズ低減処理に使用するパラメータ校正のソフトウェア処理を示すフローチャートである。
この第4の実施形態において、上述の第1から第3の実施形態と同様である部分については同一の符号を付して説明を省略し、主として異なる点についてのみ説明する。
この第4の実施形態の撮像システムは、ノイズ低減処理に使用するパラメータを校正することができるように構成したものである。
すなわち、本実施形態の撮像システムは、図14に示すように、上述した第1の実施形態の構成から、ブロック抽出部12と、0次量子化部16と、ノイズ推定部20と、ノイズ低減部21と、高周波量子化部22と、圧縮部23と、を削除して、白から黒までの互いに異なる反射率を有する3種類以上のグレーチャートでなる校正用画像80と、第2バッファ11に記憶された映像信号からチャートを抽出してY/C分離部13へ出力するブロック抽出手段でありチャート分離手段たるチャート抽出部81と、高周波抽出部19から抽出された高周波成分の分散を算出する分散算出手段たる分散算出部82と、この分散算出部82により算出された分散を用いて0次抽出部15の出力をフィッティングして出力部24へ転送するフィッティング手段たるフィッティング部83と、を追加した構成となっている。
なお、追加された構成の内のフィッティング部83は、制御部25と双方向に接続されて制御されるようになっている。
次に、図14に示したような撮像システムにおける信号の流れについて説明する。
外部I/F部26を介してISO感度や画質モードなどの撮影条件を設定した後に、上記校正用画像80を撮像する。なお、撮影に際しては、校正用画像80が画面全体に写るように撮影距離を調整するとともに、校正用画像80の全体に照明光が均一に照射されるように調整する。このような校正用画像80を撮影して得られる映像信号は、上述した第1の実施形態と同様に処理された後に、第2バッファ11に記憶される。
次に、チャート抽出部81は、画面全体の画像信号における各グレーチャートを分離して、各グレーチャートよりも一回り小さい所定サイズのブロック領域をグレーチャート該当部分として抽出し、Y/C分離部13へ順次転送する。このような各グレーチャート該当部分の分離作業は、校正用画像80が画面全体に写るよう調整されていて、かつグレーチャートの配置状況が既知のものである場合には、自動的に行うことが可能である。
Y/C分離部13は、数式1に基づいてRGB信号を輝度信号Yと色差信号Cb,Crへ変換する。この後に、輝度信号Yは輝度DCT部14へ、色差信号Cb,Crはダウンサンプル部17を介して色差DCT部18へ、それぞれ転送される。
輝度DCT部14と色差DCT部18とは、上述したように、公知のDCT(Discrete Cosine Transform)変換によって、実空間の信号を周波数空間の信号へ変換する。
周波数空間へ変換された信号は、制御部25の制御に基づいて、輝度信号Y、色差信号Cb、色差信号Crの順に、0次抽出部15において0次成分が抽出されるとともに高周波抽出部19において高周波成分が抽出される。0次抽出部15で抽出された0次成分はフィッティング部83へ、高周波抽出部19で抽出された高周波成分は分散算出部82へ、それぞれ転送される。
分散算出部82は、ノイズ量に相当する値として高周波成分の分散値を算出し、算出した分散値をフィッティング部83へ転送する。このような処理が、全てのグレーチャートに対して行われる。
フィッティング部83は、制御部25の制御に基づいて、0次抽出部15で抽出された0次成分Lと、分散算出部82で算出された分散値Nと、の各情報が全てのグレーチャートに関して集まった段階で、ノイズ量に対する定式化を行う。ここでは、ノイズ量の定式として、例えばN=ALB+C(A,B,Cは定数項)を用いている。この定式化は、各グレーチャートの0次成分Lと分散値Nとをプロットして、公知の最小自乗法により定数項A,B,Cを求めることにより行われる。これらの定数項は、輝度信号Yと、色差信号Cbと、色差信号Crと、の3種類のデータに関してそれぞれ個別に算出される。
こうして算出された定数項A,B,Cは、係数保存手段たる出力部24に転送されて記録され保存される。このような処理を、外部I/F部26を介して設定されるISO感度と画質モードとの全ての組み合わせについて行うことにより、ノイズ低減処理に使用するパラメータを校正することができる。
なお、上述ではハードウェア的に校正処理を行うように構成していたが、これに限定されるものではなく、例えば、CCD4からの映像信号を未処理のままのRawデータとして出力するとともに、さらに制御部25からの撮影時の温度やゲインなどの情報をヘッダ情報として出力し、ソフトウェアによってコンピュータにより別途処理するようにすることも可能である。
図15を参照して、ノイズ低減処理に使用するパラメータ校正のソフトウェア処理について説明する。
この処理が開始されると、まず、Rawデータとして得られる校正用画像80の映像信号と、温度やゲインなどのヘッダ情報と、をコンピュータに読み込む(ステップS51)。
次に、ホワイトバランス処理,補間処理,強調処理などの一般的な信号処理を行い(ステップS52)、その後に各グレーチャート該当部分を個別に抽出する(ステップS53)。
そして、チャート内の各画素の映像信号を、輝度信号Yと色差信号Cb,Crとに変換する(ステップS54)。
これらの内の輝度信号YをDCT変換により周波数空間の信号に変換して(ステップS55)、0次成分を抽出するとともに(ステップS56)、0次成分以外の高周波成分を抽出する(ステップS57)。これらの内の高周波成分については、分散値を算出する(ステップS58)。
その後、上記ステップS56において抽出した0次成分と、上記ステップS58において算出した分散値とを出力する(ステップS59)。
一方、上記ステップS54において分離された内の色差信号Cb,Crは、所定の割合でダウンサンプリングし(ステップS60)、DCT変換を行って周波数空間の信号へ変換する(ステップS61)。
そして、0次成分を抽出するとともに(ステップS62)、0次成分以外の高周波成分を抽出し(ステップS63)、これらの内の高周波成分については、分散値を算出する(ステップS64)。
次に、上記ステップS62において抽出した0次成分と、上記ステップS64において算出した分散値とを出力する(ステップS65)。
その後、全てのグレーチャート該当部分について処理が完了したか否かを判断して(ステップS66)、完了していない場合には上記ステップS53へ戻って他のグレーチャート該当部分について上述したような処理を行う。
また、全てのグレーチャートについて処理が完了している場合には、最小自乗法に基づくフィッティングを行って、ノイズ低減処理に要するパラメータを輝度信号Y、色差信号Cb、色差信号Crのそれぞれについて算出する(ステップS67)。
そして、このステップS67により算出されたノイズ低減処理に要するパラメータを出力して(ステップS68)、この一連の処理を終了する。
なお、上述ではノイズ量に対する定式化において、数式2に示したようなべき乗の関数を用いたが、このような関数形状のものに限定されるものでもない。例えば、N=AL2+BL+Cといった2次式を用いて定式化することも可能であるし、その他の多項式やスプライン関数などを使用するようにしても構わない。
このような第4の実施形態によれば、標準のグレースケール画像でなる校正用画像を撮影するだけで、ノイズ低減処理に要するパラメータを容易に算出することができるために、パラメータが算出されていないシステムの場合、システムに経時変化が生じている場合、システムの構成が変更されている場合、などに柔軟に対応して、高精度にノイズ量を推定することが可能となる。例えば、本実施形態の構成を上述した第3の実施形態の構成と組み合わせることにより、ノイズ低減処理に要するパラメータが算出されていないシステムに対しても、高精度なノイズ低減処理を行うことが可能となる。
また、ノイズ量推定を行うための関数に係る各パラメータを別途に保存可能としているために、撮像システムの外部においてもノイズ低減処理を行うことが可能となる。
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲内において種々の変形や応用が可能であることは勿論である。
本発明の第1の実施形態における撮像システムの構成を示すブロック図。 上記第1の実施形態におけるノイズ推定部の構成を示すブロック図。 上記第1の実施形態において、DCT変換を説明するための図。 上記第1の実施形態におけるノイズ量の定式化を説明するための線図。 上記第1の実施形態においてノイズ量の定式化に用いるパラメータを説明するための線図。 上記第1の実施形態におけるノイズ低減部の構成を示すブロック図。 上記第1の実施形態におけるノイズ低減および圧縮のソフトウェア処理を示すフローチャート。 本発明の第2の実施形態における撮像システムの構成を示すブロック図。 上記第2の実施形態において、ウェーブレット変換を説明するための図。 上記第2の実施形態におけるノイズ推定部の構成を示すブロック図。 上記第2の実施形態におけるノイズ低減部の構成を示すブロック図。 本発明の第3の実施形態における再生システムの構成を示すブロック図。 上記第3の実施形態における伸張およびノイズ低減のソフトウェア処理を示すフローチャート。 本発明の第4の実施形態における撮像システムの構成を示すブロック図。 上記第4の実施形態におけるノイズ低減処理に使用するパラメータ校正のソフトウェア処理を示すフローチャート。
符号の説明
1…レンズ系
2…絞り
3…ローパスフィルタ
4…CCD(撮像素子)
5…A/D変換器
6…第1バッファ
7…測光評価部
8…合焦点検出部
9…AFモータ
10…信号処理部
11…第2バッファ
12…ブロック抽出部(ブロック抽出手段)
13…Y/C分離部
14…輝度DCT部(変換手段)
15…0次抽出部
16…0次量子株
17…ダウンサンプル部
18…色差DCT部(変換手段)
19…高周波抽出部
20…ノイズ推定部(ノイズ推定手段)
21…ノイズ低減部(ノイズ低減手段)
22…高周波量子化部
23…圧縮部(圧縮手段)
24…出力部(係数保存手段)
25…制御部(取得手段)
26…外部I/F部
31,51…標準値付与部(付与手段)
32…係数算出部(係数算出手段)
33…パラメータ用ROM(係数算出手段)
34…ノイズ算出部(ノイズ算出手段)
41,67…判断部(選択手段)
42…平均値算出部(平均値算出手段)
43…許容範囲設定部(許容範囲設定手段)
44…分離部(周波数分離手段)
45…補正部(補正手段)
50…ウェーブレット変換部(変換手段)
52…ルックアップテーブル部(ルックアップテーブル手段)
61…水平ライン抽出部(周波数分離手段)
62…第1スムージング部(スムージング手段)
64…垂直ライン抽出部(周波数分離手段)
65…第2スムージング部(スムージング手段)
66…閾値設定部(閾値設定手段)
71…入力部
72…伸張部(伸張手段)
73…輝度逆DCT部(逆変換手段)
74…色差逆DCT部(逆変換手段)
75…アップサンプル部
76…Y/C合成部
80…校正用画像
81…チャート抽出部(ブロック抽出手段、チャート分離手段)
82…分散算出部(分散算出手段)
83…フィッティング部(フィッティング手段)

Claims (10)

  1. 撮像素子からの信号が周波数空間における信号に変換され、当該周波数空間における信号に変換された後に圧縮された信号を処理する再生システムであって、
    上記圧縮された信号を周波数空間における信号として伸張する伸張手段と、
    上記伸張手段により伸張された周波数空間における信号の内の0次成分に基づいて、0次成分以外の周波数成分に関するノイズ量Nを推定するノイズ推定手段と、
    上記ノイズ推定手段により推定されたノイズ量Nに基づいて、0次成分以外の周波数成分に関するノイズを低減するノイズ低減手段と、
    上記0次成分とノイズを低減された0次成分以外の周波数成分とを実空間における信号に変換する逆変換手段と、
    を具備したことを特徴とする再生システム。
  2. 上記撮像素子の温度Tと上記信号に対するゲインGとに関する標準値を与える付与手段をさらに有することを特徴とする請求項1に記載の再生システム。
  3. 上記撮像素子の温度Tと上記信号に対するゲインGとを取得する取得手段をさらに有し、
    上記ノイズ推定手段は、上記取得手段により取得された温度TおよびゲインGに基づいて上記ノイズ量Nを推定することを特徴とする請求項1に記載の再生システム。
  4. 上記ノイズ推定手段は、
    上記取得手段から与えられる温度TおよびゲインGをパラメータとする3つの関数a(T,G),b(T,G),c(T,G)に基づいて各係数A,B,Cを求める係数算出手段と、
    上記0次成分の値Lと上記係数A,B,Cとを用いて、ノイズ量Nを、関数式N=AL+CまたはN=AL+BL+Cにより求めるノイズ算出手段と、
    を有して構成されたものであることを特徴とする請求項3に記載の再生システム。
  5. 上記ノイズ推定手段は、
    上記0次成分の値Lと、上記取得手段から与えられる温度TおよびゲインGを入力として、ノイズ量Nを求めるルックアップテーブル手段と、
    を有して構成されたものであることを特徴とする請求項3に記載の再生システム。
  6. 上記ノイズ低減手段は、
    上記0次成分以外の周波数成分の平均値を算出する平均値算出手段と、
    上記平均値算出手段により算出された平均値と上記ノイズ推定手段により推定されたノイズ量とに基づいて、上記0次成分以外の周波数成分に関する上限値および下限値を設定する許容範囲設定手段と、
    上記許容範囲設定手段により設定された上限値および下限値に基づいて、0次成分以外の周波数成分を補正する補正手段と、
    を有して構成されたものであることを特徴とする請求項1に記載の再生システム。
  7. 上記ノイズ低減手段は、
    上記ノイズ推定手段により推定されたノイズ量に基づいて上記0次成分以外の周波数成分に関するノイズの振幅値を閾値として設定する閾値設定手段と、
    上記0次成分以外の周波数成分に関して上記閾値設定手段により設定された閾値以下の振幅成分を低減するスムージング手段と、
    を有して構成されたものであることを特徴とする請求項1に記載の再生システム。
  8. 上記ノイズ低減手段は、
    上記0次成分以外の周波数成分を所定の周波数帯域毎に分離する周波数分離手段と、
    上記周波数分離手段により分離された周波数帯域に関してノイズ低減処理を行うか否かを選択する選択手段と、
    をさらに有して構成されたものであることを特徴とする請求項6または請求項7に記載の再生システム。
  9. コンピュータに、
    周波数空間における信号に変換された後に圧縮された信号を、周波数空間における信号として伸張する伸張手順と、
    上記伸張手順により伸張された周波数空間における信号の内の0次成分に基づいて、0次成分以外の周波数成分に関するノイズ量を推定するノイズ推定手順と、
    上記ノイズ推定手順により推定されたノイズ量に基づいて、0次成分以外の周波数成分に関するノイズを低減するノイズ低減手順と、
    上記0次成分とノイズを低減された0次成分以外の周波数成分とを実空間における信号に変換する逆変換手順と、
    を実行させるものであることを特徴とする再生プログラム。
  10. 上記ノイズ低減手順は、
    上記0次成分以外の周波数成分の平均値を算出する平均値算出手順と、
    上記平均値算出手順により算出された平均値と上記ノイズ推定手順により推定されたノイズ量とに基づいて、上記0次成分以外の周波数成分に関する上限値および下限値を設定する許容範囲設定手順と、
    上記許容範囲設定手順により設定された上限値および下限値に基づいて、0次成分以外の周波数成分を補正する補正手順と、
    を含んでいることを特徴とする請求項9に記載の再生プログラム。
JP2006240784A 2006-09-05 2006-09-05 再生システムおよび再生プログラム Expired - Fee Related JP4074323B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006240784A JP4074323B2 (ja) 2006-09-05 2006-09-05 再生システムおよび再生プログラム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006240784A JP4074323B2 (ja) 2006-09-05 2006-09-05 再生システムおよび再生プログラム

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002291562A Division JP3893099B2 (ja) 2002-10-03 2002-10-03 撮像システムおよび撮像プログラム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007049721A true JP2007049721A (ja) 2007-02-22
JP4074323B2 JP4074323B2 (ja) 2008-04-09

Family

ID=37852126

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006240784A Expired - Fee Related JP4074323B2 (ja) 2006-09-05 2006-09-05 再生システムおよび再生プログラム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4074323B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010086270A (ja) * 2008-09-30 2010-04-15 Casio Computer Co Ltd 画像補正装置、画像補正方法、画像補正プログラム
JP2015176161A (ja) * 2014-03-12 2015-10-05 株式会社メガチップス 画像処理装置及び画像処理方法

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH03252274A (ja) * 1990-03-01 1991-11-11 Ricoh Co Ltd 電子スチルカメラ
JPH0898060A (ja) * 1994-09-28 1996-04-12 Matsushita Electric Ind Co Ltd 雑音除去装置
JPH11501195A (ja) * 1995-12-21 1999-01-26 フィリップス エレクトロニクス エヌ ベー 画像内のノイズ減少方法
JPH11355781A (ja) * 1998-06-12 1999-12-24 Sharp Corp 動画像符号化装置

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH03252274A (ja) * 1990-03-01 1991-11-11 Ricoh Co Ltd 電子スチルカメラ
JPH0898060A (ja) * 1994-09-28 1996-04-12 Matsushita Electric Ind Co Ltd 雑音除去装置
JPH11501195A (ja) * 1995-12-21 1999-01-26 フィリップス エレクトロニクス エヌ ベー 画像内のノイズ減少方法
JPH11355781A (ja) * 1998-06-12 1999-12-24 Sharp Corp 動画像符号化装置

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010086270A (ja) * 2008-09-30 2010-04-15 Casio Computer Co Ltd 画像補正装置、画像補正方法、画像補正プログラム
JP4479845B2 (ja) * 2008-09-30 2010-06-09 カシオ計算機株式会社 画像補正装置、画像補正方法、画像補正プログラム
KR101029742B1 (ko) 2008-09-30 2011-04-19 가시오게산키 가부시키가이샤 촬영시의 광원의 영향을 보정하는 화상 보정 장치, 및 그 화상 보정 프로그램
US8106962B2 (en) 2008-09-30 2012-01-31 Casio Computer Co., Ltd. Image correction apparatus, image correction method and storage medium for image correction program
JP2015176161A (ja) * 2014-03-12 2015-10-05 株式会社メガチップス 画像処理装置及び画像処理方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP4074323B2 (ja) 2008-04-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3893099B2 (ja) 撮像システムおよび撮像プログラム
JP4979595B2 (ja) 撮像システム、画像処理方法、画像処理プログラム
JP4210021B2 (ja) 画像信号処理装置および画像信号処理方法
JP3965402B2 (ja) ノイズ低減装置および方法ならびにノイズ低減プログラム
JP5123756B2 (ja) 撮像システム、画像処理方法および画像処理プログラム
US20080013850A1 (en) Image processing apparatus and image restoration method and program
WO2008032610A1 (fr) Système de traitement d'image et programme de traitement d'image
JP5352191B2 (ja) ノイズ低減装置、ノイズ低減方法及びプログラム
JPWO2007049418A1 (ja) 画像処理システム、画像処理プログラム
JP2010239492A (ja) 撮像装置および映像信号のノイズ低減方法
JP5468930B2 (ja) 画像処理装置及び画像処理プログラム
WO2008150017A1 (ja) 信号処理方法および信号処理装置
US8345121B2 (en) Image processing apparatus, method, and program
JP2004328117A (ja) ディジタルカメラおよび撮像制御方法
JP2021140663A (ja) 画像処理方法、画像処理装置、画像処理プログラム、および記憶媒体
JP5092536B2 (ja) 画像処理装置及びそのプログラム
JP5259616B2 (ja) 画像処理システムおよび画像処理プログラム
JP4074323B2 (ja) 再生システムおよび再生プログラム
US20140192239A1 (en) Image apparatus and imaging method
JP4687454B2 (ja) 画像処理装置および撮像装置
JP2008109482A (ja) 撮像装置、画像記録処理方法及び画像記録処理プログラム
JP2004266323A (ja) 撮像システム、画像処理プログラム
JP7289642B2 (ja) 画像処理装置、画像処理装置の制御方法、及びプログラム
JP2010239493A (ja) 撮像装置および映像信号の補正処理方法
JP4687750B2 (ja) デジタルカメラおよび画像信号処理用記憶媒体

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20071023

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20071225

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20080122

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20080124

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110201

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110201

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120201

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120201

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130201

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140201

Year of fee payment: 6

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees