JP2007041705A - 事業者の温暖化対策計画策定方法 - Google Patents

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JP2007041705A JP2005223145A JP2005223145A JP2007041705A JP 2007041705 A JP2007041705 A JP 2007041705A JP 2005223145 A JP2005223145 A JP 2005223145A JP 2005223145 A JP2005223145 A JP 2005223145A JP 2007041705 A JP2007041705 A JP 2007041705A
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Masayuki Kosugi
昌幸 小杉
Manabu Utagawa
学 歌川
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Abstract

【課題】 エネルギーを消費する複数の施設を保有する企業や自治体などのような、事業者の温暖化対策計画策定方法の提供。
【解決手段】 自治体・企業M1は、施設の情報Maを診断サービス部門M2に提供する。診断サービス部門M2は、Mbに示されるように、包括評価方法(指標、プライオリティ)、データベース(業種別効率、技術効率)を保有しており、包括診断Mcを実施する。診断サービス部門M2が行なった包括診断Mcは、実行計画(案)として自治体・企業M1に送付される。自治体・企業M1は、施設全体の管理、実行計画の策定を行い(Md)、温暖化対策を導入し、実行する(Me)。
【選択図】 図1

Description

本発明は、エネルギーを消費する複数の施設を保有する企業や自治体などのような事業者が温暖化対策を計画する際の指針を提示して支援する、温暖化対策計画策定方法に関する。
近年、CO2出増加などによる地球温暖化の問題が深刻になってきている。地球温
暖化を防止するために、1997年京都で気候変動枠組条約第3回締約国会議において、京都議定書が採択された。この京都議定書において、日本は2008〜2012年の5年間に温室効果ガス排出量を基準年に比べて6%削減することが義務付けられている。
このような京都議定書の目標達成に向けて、企業や自治体などのような、事業者の取り組みが実施されており、温暖化対策に関連した文献も公表されている。例えば、特許文献1では、環境汚染物質削減対策の評価方法が開示されている。ここでは、温暖化対策として主要なターゲットであるCO2などの環境汚染物質削減対策を定量的に評価して、実効
性のある環境汚染物質削減対策を構築する手法が提示されている。
特開2005−107932号公報
特許文献1は、特定の事業所における環境対策を設備ごとに評価するものである。したがって、特許文献1では、複数の施設の間でのCO2などの温暖化物質の排出や、エネル
ギー消費に伴う温暖化に対する対策を講じる際の指標が得られないという問題があった。特に、エネルギーを消費する複数の施設を保有する企業や自治体などのような事業者の場合には、複数施設の温暖化対策を施すプライオリティ(順位)をどのように設定するか、その指標が存在しないので、温暖化対策計画策定が十分には行なえないという問題があった。
本発明は、このような問題に鑑みて、エネルギーを消費する複数の施設を保有する企業や自治体などのような事業者が温暖化対策を計画する際の指針を提示して支援する、温暖化対策計画策定方法の提供を目的とする。
本発明にかかる温暖化対策計画策定方法は、複数のエネルギー消費施設を保有する事業所について、エネルギー多消費設備への新規技術導入によるCO2削減効果(指標A)と
、業種別エネルギー効率平均との比較(指標B)と、エネルギーコスト削減による導入技術設備投資の投資回収年(指標C)とに基づいて、前記複数施設のどの施設から温暖化対策を導入するかのプライオリティ(順位)を決定することを特徴とする。
また、本発明の温暖化対策計画策定方法は、前記事業所の全施設について、各施設の前記プライオリティと、当該事業所の年間設備投資範囲から、年次推移の温暖化対策導入施設を抽出選定し、実効性がある実施計画を策定することを特徴とする。
また、本発明の温暖化対策計画策定方法は、前記実施計画において、前記年次推移の温暖化対策導入施設における温暖化対策導入に伴うCO2削減効果を積算し、前記事業所の
全施設に対する年次推移のCO2削減効果を評価して、実効性があるCO2削減目標を設定
することを特徴とする。
また、本発明の温暖化対策計画策定方法は、前記温暖化対策導入施設に対して、エネルギー多消費設備・技術を抽出してエネルギー効率と使用実態を評価し、最新技術のエネルギー効率(トップ効率)に近接するエネルギー効率を有する温暖化対策導入技術を抽出し、前記エネルギー多消費設備・技術のネルギー効率と、前記温暖化対策導入技術のエネルギー効率との比較から、前記温暖化対策技術の導入効果として、CO2削減、エネルギー
コスト削減、投資回収年の分析を用いて具体的な温暖化対策技術の指標を提示することを特徴とする。
また、本発明の温暖化対策計画策定方法は、複数のエネルギー消費施設を保有する事業所が、前記保有する各施設のエネルギー消費に関連する各種情報を取得する段階と、前記事業所の温暖化対策計画を評価する機関が、温暖化対策計画を指標およびプライオリティ(順位)の設定に基づき評価する手法を確立する段階と、前記事業所が取得した各種情報に基づき、前記機関が前記各施設の温暖化対策技術の導入に伴うCO2削減効果、および
前記各施設の温暖化対策技術の導入プライオリティを包括診断する段階と、前記包括診断結果に基づき前記事業所が温暖化対策計画を策定することを特徴とする。
また、本発明の温暖化対策計画策定方法は、前記機関は、前記各施設についてのエネルギー種類別使用実態の分析を行なう段階と、省エネルギー導入技術の分析を行なう段階と、前記施設の対策効果の予測評価を行なう段階とにより、前記各施設の温暖化対策について個別診断を行なうことを特徴とする。
また、本発明の温暖化対策計画策定方法は、前記機関は、前記各施設のいずれの施設から温暖化対策の導入に着手するかを前記指標Aおよび指標Bに基づいて評価する段階と、CO2削減効果を予測評価する段階と、前記各施設の温暖化対策の実行計画について、温
暖化対策導入の時期、CO2削減率、対象とする施設数を評価する段階とにより、前記事
業所の温暖化対策計画を包括診断することを特徴とする。
また、本発明の温暖化対策計画策定方法は、前記機関は、前記各施設についての温暖化対策を評価する際に、前記各施設のエネルギー消費に基づき業種分類記号を付与することを特徴とする。
本発明に係る温暖化対策策定方法によれば、エネルギーを消費する複数の施設を保有する企業や自治体などのような事業者は、複数施設の温暖化対策を施すプライオリティ(順位)をどのように設定するか、具体的な指標が与えられるので、実効性のある温暖化対策計画の策定を行なうことが可能となる。
本発明においては、企業・組織などの事業者が温暖化対策導入計画を策定するため、事業者が保有する全施設のエネルギー効率や導入効果から評価した導入プライオリティ(順位)に従って、企業・組織全体のCO2削減目標設定とそれを達成する具体的な導入施設
を根拠とする計画策定のための包括的な診断方法を提供している。また、上記で抽出された対策導入施設について、エネルギー多消費設備などの導入技術のトップ効率を評価し、導入に伴う施設のエネルギー改善、CO2やエネルギーコストの削減効果を評価して具体
的な対策手順を示す個別施設の診断方法も提供している。なお、CO2削減率をエネルギ
ー消費削減率におきかえて用いることもできる。
本発明による事業者が策定する温暖化対策の事前評価と分析の手順について説明する。
A.事前調査と評価分析
1.該当施設における温暖化対策導入前の「a)エネルギー種類別の使用実態」を分析する。ここでは、次の処理を行う。(1)使用実態からエネルギー消費量とCO2排出量
を計算する。(2)業種別排出量平均値と比較し、施設の対策必要性を診断する。
2,省エネ導入技術のプライオリティ診断を行う。すなわち、どのような省エネ技術を導入するかのプライオリティ(順位)を診断する。この処理は、次の内容を含むものである。(1)対策の対象となる旧設備の抽出とプライオリティ付け。(2)導入する新技術設備の抽出。(3)新導入技術の「投資回収年」(省エネコスト)とCO2削減」(削減
効果)のプライオリティ付け。実施例として、上記(1)〜(3)の合体評価により、一定の削減効果を満たす技術に対して省エネコスト順位付けを行なう。
3.対策導入後の「b)エネルギー削減量」、「c)CO2削減率」、「d)省エネコ
スト削減率」、を分析し、対策導入前に予測評価を行う。この処理は、次の内容を含むものである。(1)上記1.2の評価を用いて、事業所の対策目的に合わせて新技術設備の導入例を2〜3ケース設定する。(2)各々の導入ケースについて、エネルギー消費量のケーススタディを実施し、上記「b)」、「c)」、「d)」を予測評価する。
B.対策導入の指標化と影響分析
1.導入技術について当初目標の達成を定期的に診断する。ここでは、次の処理を行う。(1)定期的なエネルギー使用実績を調査し、前記A3.の「c)CO2削減率」、「d
)省エネコスト削減率」を用いた指標と比較する。(2)目標削減の達成を診断し、対策技術の追加を評価する。
2.事業所施設の温暖化対策影響評価(炭素税など)。この処理は、次の内容を含むものである。(1)該当施設の温暖化対策導入後における「e)エネルギー種類別の使用実態」を予測分析する。(2)温暖化対策導入後における「a)エネルギー種類別の使用実態」と「e)エネルギー種類別の使用実態」から、将来想定される「炭素税」の推定額を評価する。(3)温暖化対策導入後における前記e)から、業種別の「f」業種別エネルギー効率」(将来想定される「格付け」の指標)を予測評価する。
次に、本発明の温暖化対策の総合評価と結果整理について説明する。
企業や自治体などの事業所における全体設備の総合包括診断は、次のように行なう。1.温暖化対策導入のビジョン策定と全設備の総合アセスメント。この処理は、次の内容を含むものである。(1)企業(自治体など)における温暖化対策導入のビジョンを策定する。このビジョンは、例えば、「CO2削減」、「省エネルギーコスト」、「CO2削減と省コストのバランス実現」などから選択する。
(2)全体設備の温暖化対策目標を策定する。この目標の策定は、例えば、基準年より「X年間でCO2をOO%削減」、「X年間でエネルギーコストをOO%削減」、「X年
間でCO2を約OO%削減あるいはエネルギーコストを約OO%削減」などを設定する。
(3)上記の温暖化対策目標を反映させ、技術プライオリティ評価を用いて導入技術を選定する。
2.企業(自治体など)の全設備の温暖化対策導入総合アセスメントを実施する。この処理は、次の内容を含む。(1)全設備のエネルギー消費実態からエネルギー消費量とCO2排出量を計算し、業種別排出量平均値との比較から温暖化対策導入が必要な施設のプ
ライオリティを診断する。(2)抽出施設における温暖化対策導入のケーススタディに基づき、導入後の前記rd)省エネコスト削減率」から「g)投資(予算)回収年」を予測
分析する。
3,企業(自治体など)の全設備における温暖化対策方針を策定する。
この処理は、次の内容を含む。(1)企業(自治体など)における全設備のエネルギー消費分析を行い、未導入施設を含む全体施設に対する包括的なエネルギー使用実態を分析し、具体的な対策導入の計画および予測評価に基づいて「h)エネルギー消費中長期予測」をまとめる。(2)上記「g)」と「h)」の評価に基づき、未導入施設への対策導入の方向性を示す。
図1〜図19は、本発明の実施形態を示す説明図である。以下図により本発明の実施形態を説明する。図3は、本発明に係る自治体・企業の温暖化対策を診断する際の基本的構成Aの概要を示している。実行計画A1では、事業所は「温暖化対策策定」、「温暖化対策骨子」、「温暖化対策ビジョン」を計画する。包括診断A2では、温暖化対策を診断する事業者が、対象とする事業所に「評価法(指標)」、「対象とする施設のエネルギー消費の観点から区分した分類」、「診断例」を提示する。個別診断A3では、「評価の流れ」、「導入効果」を提示する。これらの包括診断、個別診断の詳細については後述する。
図4により、自治体・企業の温暖化対策Bとはどのようなものか説明する。温暖化対策B1とは、最新機器の導入のような技術対策、事業所のエネルギー消費活動の抑制を行うことである。温暖化対策B2は、Baのように現状活動を維持したまま技術効率化によってCO2削減を達成する。活動抑制や節約B3は、Bbのように温暖化対策B2とは分離
され、現状技術のまま活動上の節約によってCO2削減を実施する。その例として、Bc
のように過度な冷暖房抑制(例えば冷房温度を28度に設定する)と消灯の推進、軽装キャンペーンなどを行う。この場合、対策の達成を、個々人の継続的な努力の維持に異存するというリスクを負うことになる。
図5は、自治体・企業のような事業所の温暖化対策の実行計画Cを示している。自治体・企業は、C1に示されているように温暖化対策の実行計画を策定する義務を負っている。その背景には、C2に示されているように「地球温暖化対策推進法」に従い、計画策定・公表が義務付けられていることがある。このようにして、実行計画Cは最終的には公開できる計画と確実な実行が求められる。
このような、自治体・企業の温暖化対策の実行計画には、C3に示したように、○1(丸付数字は変換上の理由で以後このように表示する)公平性、○2合理性、○3信頼性が要請されている。○1の公平性では、公平な技術導入が求められる。その内容には、技術抽出が第三者にも定量評価できる明確な判断指標に基づき公平に行なわれることが含まれる。○2合理性では、合理的な削減計画が求められる。その内容は、CO2削減、エネル
ギーコスト削減などが根拠をもって合理的に達成されることが対象となる。○3信頼性では、確実な計画実行が求められる。その内容は、一貫指標、点検診断である。
図6には、自治体・企業の温暖化対策の実行計画Dとして、実行計画の骨子D1が示されている。Daの○1は、「いつまで」の期限を設定する。例えば、全施設の包括温暖化対策の計画は、基準年と目標年を定める。Dbの○2は、削減量を「どのくらい」とするかを設定する。例えば、自治体・企業全体として基準年比で何%の削減かを決める。ここでは、対策をとらなければどれだけCO2が増加するかも考慮することになる。Dcの○
3では、「どのように」の方策を設定する。ここでは、例えば、各施設の温暖化対策導入順位(プライオリティ)を設定する。その内容は、長期ビジョン、相対指標、効果予測であり、包括診断によりプライオリティを決定する。また、具体的な技術導入を設定する。その内容は、設備診断、公平な技術抽出、技術選定であり個別診断を行う。さらに、着実な実行を設定する。そのために、定期的点検を実行し、追加対策を講じる。
図7は、自治体・企業の温暖化対策の実行計画Eの例をあげている。E1では、ビジョンの明確化を図る。ここでは、Eaに示したように「CO2削減」、または「省コスト」
を明確にして、目標の重点化、具体化を図る。E2では、確実な目標達成を図る。そのためには、Ebに示したように公平な導入技術の抽出を行い、複数技術についてのプライオリティ(順位)評価が必要となる。
E3では実行計画を定める。その例として、Ecに示されているように「目標」は、2012年度までの期間に、全体でCO2を10%削減するものとする。「その手段」は、
導入プライオリティとCO2削減効果の診断から、年間数施設に対して温暖化対策を実行
する中期計画に基づき、合理的目標達成根拠を示す必要がある。この自治体・企業の温暖化対策の実行計画Eの例では、例えば、削減計画を予測して導入すべき施設の重点化が可能になる。また、技術(設備)、施設の削減効果積み上げによる目標根拠を示すことができる。ここでは、将来回収が必要になるフロン・代替フロンを使用した技術など、廃棄時の排出があったり、追加コストを要する技術については、当該排出や追加コストを考慮してもなお他の技術より有利なのかを検討する必要がある。
図8〜図10では、自治体・企業の温暖化対策策定に対する包括診断Fを行う例を示している。図8のF1では、全施設を包括的に評価する際の手順を検討する。このような包括的な評価は、実行計画の策定に必要である。検討項目のFaでは、どの施設から温暖化対策を着手するかを検討する。「指標A」により、各施設のエネルギー多消費設備の導入効果予測を行う。また、「指標B」により、業種別相対的エネルギー消費効率の比較を行う。これらの「指標A」、「指標B」から、温暖化対策を導入する施設のプライオリティを決定する。
検討項目のFbでは、どのように温暖化対策を導入するかを検討する。その手順は、エネルギー多消費設備消費実態の調査→新技術効率抽出・比較→効果分析→個別詳細診断の技術選定→温暖化対策技術の導入、となる。
図9のF2では、実行計画の策定・評価をする際の手順を検討する。Fcでは、「どの施設から温暖化対策を着手するか」の診断により、温暖化対策を行う施設の導入プライオリティを定める。Fdでは、「温暖化対策をどのように導入するか」の診断により、温暖化対策を行う施設の削減効果の予測評価を行う。Feの実行計画は、前記Fc、Fdの検討に基づき策定する。具体的には、○1「温暖化対策の実行計画はいつまで」、○2「削減量はどのくらい」、○3「温暖化対策の実行計画はどのように」、を策定する。
Ffでは、Feの実行計画の要素例を示している。「目標」の○1「いつまで」は、2012年度まで、全体でCO2を(○2どのくらい)10%削減するものとする。「手段
」の○3「どのように」は、CO2削減率20%以上(施設単位)で年間2〜3施設(指
標A、Bから具体的に抽出)に温暖化対策を導入し、年間2%削減(対全体施設)により中期計画の目標を達成する。
図10のF3では、合理的な指標で評価をする際の手順を検討する。fgの指標A(設備技術効率)では、既エネルギー多消費設備の抽出を行う。ここでは、消費エネルギー実態分析、期待される技術効率(COP)、期待されるCO2削減効果を検討する。Fhの
指標B(施設のエネルギー消費効率)では、業種別エネルギー消費効率として、施設と業種平均との効率の比を検討する。Fiでは、指標Aと指標Bから、両施設の総合判断を行う。ここでは、施設に対する温暖化対策の導入プライオリティを定める。Fjの指標C(投資回収年)では、温暖化対策の導入技術投資とコスト削減の比を求める。
図11は、包括診断Gの例を示している。G1で示された指標Bの業種分類では、(a)欄には大分類、(b)欄には標準産業分類が記載されている。(b)欄の標準産業分類A〜Sは、2002年に改定された総務省の標準産業分類である。(c)欄には業種例、(d)欄には2002年度の効率が記載されている。ここで、「効率」の意味は、本発明の明細書においては、CO2排出量(あるいはエネルギー消費量)で表わすものである。
(d)欄の()内は、1990年度の効率であり、産業界自主行動計画をレビューしている経済産業省産業審議会で発表された業種平均効率の例を示している。(e)欄には生産量指標が記載されている。
大分類の欄(a)には、第一次産業、第二次産業、第三次産業が設定されている。第三次産業は、エネルギー転換業、運輸、業務に区分されている。標準産業分類の欄(b)には、第一次産業として、A農業、B林業、C漁業が設定されている。第二次産業としては、D鉱業、E建設業、F製造業が設定されている。
標準産業分類の欄(b)で、第三次産業のエネルギー転換業は、G電気・ガス・熱供給・水道業が設定されている。第三次産業の運輸は、I運輸業が設定されている。第三次産業の業務は、H情報通信業、J卸売・小売業、K金融・保険業、L不動産業、M飲食店・宿泊業、N医療・福祉、O教育・学習支援業、P複合サービス業、Qサービス業、R公務、S分類不能の産業が設定されている。
業種例(c)の欄では、第二次産業のD鉱業で石灰石鉱業、E建設業で建設業、F製造業で鉄鋼業、紙製造業、電機電子工業、自動車工業が設定されている。また、第三次産業のエネルギー転換業で、G電気・ガス・熱供給・水道業の例として電力が設定されている。さらに、第三次産業の運輸、I運輸業の例としてトラック業が設定されている。
図12に示された自治体・企業の温暖化対策の包括診断Hにおいて、自治体の業種分類例H1は、(a)〜(d)欄を有するテーブルで構成されている。(a)欄には、庁舎、スポーツセンターなどの施設の区分を記載する。(b)欄には、業務(第三次)のような大分類を記載する。(c)欄には、産業分類を記載する。(d)欄には分類記号を記載する。この分類記号は、図11の分類記号A〜Sに対応するが、エネルギー多消費施設のスポーツセンターには、同じサービス業の分類Qをさらに区分したQ+の分類として合理的な分類記号を付与している。
図12の包括診断Hにおいては、H2に示されているように、エネルギー多消費施設(a欄)について、kWhあたりで効率評価する。このような評価は、主として前記指標Aで行うものである。また、H3に示されている技術効率(COP)の概念は、仕事量/投入エネルギー(Coefficient of Performance)で表されるものである。COPは、エアコンなどの効率として一般的に用いられており、ボイラーなどの熱機関の効率と基本的には同じである。
図13に示された自治体・企業の温暖化対策の包括診断Iにおいて、I1は診断データ例のテーブルである。このテーブルには、(a)〜(k)欄が設定されている。(a)欄は建物名称、(b)欄は当該建物の設置年、(c)欄は設備経過年数、(d)欄は当該建物のエアコンなどのエネルギー多消費設備、(e)欄はエネルギー種別、(f)欄は既多消費設備のエネルギー消費占有率、すなわち、当該施設における多消費設備のエネルギー消費割合を示している。
(g)欄は既多消費設備の前記COP(技術効率)、(h)欄は最新導入技術のCOPである。すなわち、現在のトップ技術のCOP、(i)欄は最新導入技術による削減率で、効率改善の最大目標値を示しており、対策計画の目標根拠となるものである。したがっ
て、(i)欄は、指標Aに相当する。(j)欄は業種別エネルギー効率比で、指標Bに相当する。(k)欄は導入プライオリティで、指標Aによる診断例を示している。
図14は自治体施設・事業所の個別診断Jの例を示すものである。評価の流れJ1は、Jaに示すように対象施設に対する包括診断の導入プライオリティを定めるものである。J2は(1)多消費設備のエネルギー消費実態を分析する。J3は(2)対策技術の効率、コスト、付帯要素(規制など)を分析する。ここで、対策技術(例えば新型エアコンの導入)の効率、コストは、対策技術のメーカ情報を収集する。
J1、J2の分析により、Jbの技術抽出を行う。この中で、○1CO2削減効果プラ
イオリティとして、上位2〜3の設備を抽出する。○2コスト削減効果プライオリティとして、上位2〜3の設備を抽出する。このように上位2〜3の設備を抽出するのは、公平な技術抽出の根拠とするためである。ここでは、エネルギー消費削減または投資回収年を検討する。この結果に基づき、入札などで公平な技術選定を行う。
図15は自治体施設・事業所の個別診断Kの例を示すものである。導入効果の事前診断K1は、Kaに示されているように、○1CO2削減効果と、○2コスト削減効果を診断
する。次にK2に示されているように施設の対策効果を予測評価する。このような導入効果の事前診断K1に基づき、K2で確実な実行計画の達成を図る。このために、Kcに示されているように、○1削減効果の検証と、○2追加対策の診断を行なう。
このような自治体施設・事業所の個別診断Kによる特徴として、○1実行計画達成の事前削減効果予測に基づく対策導入の決定を行なえる。○2複数抽出技術から、入札などの公平な手段により導入技術を選定できる。
図16は、本発明による温暖化対策診断Lの特徴を示すものである。従来においては、L1に示すように大手製造業などで独自に温暖化対策を導入しているが(非公開)、客観的な評価法は確立されていなかった。本提案は、L2に示されているように、客観的な診断方法を提示するものである。その特徴は、1.
評価法・指標の公開(L3)。2.効果の事前分析(L4)である。
評価法・指標の公開により、Laに示されているような利点がある。すなわち、計画策定から検証まで一貫指標による点検評価が可能となる。また、公平かつ合理的な評価に基づき確実な対策導入を図れる。次に、
効果の事前分析により、Lbに示されているような利点がある。第1に、評価の積み上げによる実行可能な計画策定が行なえる。第2に、対策効果を事前に把握した対策導入決定を図れる。
図1は、本発明による温暖化対策の包括診断Mを示している。自治体・企業M1は、施設の情報Maを診断サービス部門M2に提供する。この診断サービス部門M2は、例えばコンサルタント会社のような調査、分析を行なう機関が相当する。施設の情報Maには、施設全体リスト(施設、例えば体育館の設置年、延べ床面積など)、各施設のエネルギー多消費設備(効率、容量など)、エネルギー消費データ(電気、石油、ガス)が含まれる。
診断サービス部門M2は、Mbに示されるように、包括評価方法(指標、プライオリティ)、データベース(業種別効率、技術効率)を保有している。診断サービス部門M2は、自治体・企業M1から提供された施設の情報Maにより、前記保有している包括評価方法やデータベースを用いて包括診断Mcを実施する。包括診断Mcでは、施設全体のCO2データ(エネルギー効率、排出率)、各施設の業種別比較(効率、業種平均比など)、
設備プライオリティ(効率改善期待順位など)を行なう。
診断サービス部門M2が行なった包括診断は、実行計画(案)として
自治体・企業M1に送付される。自治体・企業M1は、Mdに示されるように、施設全体の管理、実行計画の策定を行い、温暖化対策を導入し、実行する(Me)。なお、施設の包括診断例の実行計画(案)は、書類で作成される以外に、パーソナルコンピュータなどのモニタで表示してユーザに提供することもできる。さらに、自治体・企業M1の事業遂行に伴う温暖化対策について個別詳細診断Mfを行なう。
図2は、前記診断サービス部門M2が行なう個別詳細診断の手順Nを示すものである。この手順は、1.「エネルギー種類別使用実態」の分析(N1)、2.「省エネルギー導入技術」の分析(N2)、3.「施設の対策効果」の予測評価(N3)、からなるものである。手順1.〜3.の詳細は、次の通りである。
1.「エネルギー種類別使用実態」の分析(N1)は、施設の「エネルギー消費量」、「CO2排出量」の実態評価、「業種別エネルギー効率(自治体版)」の平均と現状の比
較を行なう。2.「省エネルギー導入技術」の分析(N2)は、導入対象の多消費設備と新技術の「エネルギー消費効率(COP)」比較、導入技術の「エネルギーコスト削減」と「CO2削減」の効果予測、指標比較による導入技術抽出と「技術プライオリティ」評
価を行なう。3.「施設の対策効果」の予測評価(N3)は、対策導入する設備範囲のケーススタディ、各ケースの「コスト削減率」と「CO2削減率」を予測評価する。施設の
個別診断例は、汎用の文書作成ファイルでユーザに提供することができる。
図17〜図19は、ある自治体の温暖化対策についての、包括診断例と実行計画例を示している。図17は、当該自治体が温暖化対策の包括診断を依頼する際に記入する包括診断記入シートの例を示している。(a)欄には施設名称を記載する。この施設名称としては、当該自治体が保有する公共施設、学校などエネルギー消費を伴う各施設を取り出すものとする。
(b)欄には当該施設の設置年、(c)欄には空調方式、(d)欄には対策導入のエネルギー多消費設備が記載される。例えば、設備としてのプールでは、エネルギーとしてガスボイラーが使用されることが記載される。(e)欄には延床面積(m2)、(f)欄に
は電気使用量(kWh)、(g)欄には重油使用量(リットル)、(h)欄には都市ガス(m3)、(i)欄にはLPガス(kg)が記載される。横欄の(z)欄には、前記(e
)〜(i)欄の合計値を記載する。図17の(a)〜(i)の欄は、広義の意味ではエネルギー消費に関連する各種情報とみることができる。
図18は、例えば図1のM2診断サービス部門のような機関で作成した包括診断例を示している。この例では、図17の自治体が作成した包括診断記入シートに基づき、包括診断例を作成している。図18の(a)〜(d)欄は、図17の(a)〜(d)欄と対応している。(j)欄の分類は、図12で説明した施設の分類記号に相当する。このような独自の分類記号で施設を分類することにより、異なる自治体の温暖化対策を診断する際に、同じような施設は同じ分類記号で統一的な診断を行なうことができる。
(k)欄は最新導入技術によるCO2削減率で、指標Aに相当する。このCO2削減率は、当該自治体の施設全体におけるCO2削減率を示している。(l)欄は業種別エネルギ
ー効率比で、指標Bに相当する。この業種別エネルギー効率比は、業種の平均を1としたときの比率を示している。(m)欄の導入プライオリティは、指標A、指標B、後述する投資回収年の指標Cなどを総合的に判断してその順位が定められる。
(n)欄のエネルギー消費量合計は、単位が1000MJ(メガジュール)で示される。エネルギーが電力の場合には、エネルギー消費量のMJ換算は、その電気がもつエネルギーとして換算する場合と、その電気を発生させるのに必要な石油の量として換算する場合がある。(n)欄は前者で計算し、発電ロス分をここに入れてしまう後者の計算は使わないようにしている。
(o)欄の床面積比エネルギー消費量は、単位がMJ/m2で示される。(p)欄はC
2排出量(t−CO2)、(q)欄は床面積比CO2排出量(t−CO2/m2)、(r)
欄はエネルギーコスト(万円)、(s)欄は床面積比コスト(円/m2)を示している。
横欄の(y)欄は、(n)〜(s)欄の合計(平均)を示している。
本発明の実施形態においては、導入プライオリティを決定する際に、指標A、指標Bとともに指標C(投資回収年)を考慮する。投資回収年Tは、CO2削減技術の選択につい
ての指標であり、次式で求められる。
T=S0/(ΔCm―ΔCe) ・・・・・(1)
ここで、Tは個別のCO2削減対策技術の投資回収年、S0は初期投資額、ΔCmは年当たりの追加的メンテナンスコスト、ΔCeは年当たりのエネルギー削減コスト、である。個別のCO2削減対策技術について求めた投資回収年(T)を比較して順位付けを行い、客観
的な指標の比較で対策技術の選択を行う。
図19は温暖化対策の実行計画例を示している。(a)、(k)、(m)欄は、図18の(a)、(k)、(m)欄と対応している。(x)欄は温暖化対策の導入年度、(t)欄は温暖化対策導入後のエネルギー効率比、(u)欄はCO2削減量(t−CO2)、(v)欄はコスト削減(万円)、(w)欄は全体に対するCO2削減率(%)を示している。
図19の例では、温暖化対策を開始する平成18年から平成22年までの5年間で、温暖化対策導入により6%以上のCO2削減を達成することができる。ここでは、簡単のため
に床面積増加などがなく対策なしの場合の排出量予測が現状比で変わらない場合を想定している。
図17〜図19において、一例として分類Q+の「スポーツ○○」で指標Aが22.0%、指標Bが0.626となる理由を説明する。指標Aは、電力消費に占める当該多消費設備の割合、および現状のエネルギー効率とトップランナー(最新技術)のエネルギー効率から求めるエネルギー効率の差から、省エネ設備導入による全体のCO2排出量に対す
る比を求める。図18では省略しているが、「電力消費に占める当該多消費設備の割合」と「現在機器のエネルギー効率」、「トップランナー機器のエネルギー効率」の各パラメータを用いて指標Aを演算する。
指標Bは、床面積あたりのエネルギー消費量を比較する。当該施設の床面積あたりのエネルギー消費量を、単純に当該施設が属する業種の平均床面積あたりのエネルギー消費量で除算する。図18では省略しているが、「当該施設が属する業種の平均床面積あたりエネルギー消費量」を用いて指標Bを演算する。
指標Aの演算について説明する。当該「スポーツ○○」の合計CO2削減量をSCO2削減量とすると、
(CO2削減率)=SCO2削減量/(現在の施設全体のCO2排出量)
={(冷凍機のCO2削減)+(ボイラーのCO2削減)+(エアコンのC○2削減)}/
(現在の施設全体のCO2排出量)・・・(2)
となる。
(2)式に、
a)現在の施設全体のCO2排出量:640万t−CO2
b)冷凍機の効率:旧設備2、新設備3.25
c)ボイラーの効率:旧設備80%(0.8)、新設備95%(0.95)
d)パッケージエアコンの効率:旧設備1.47、新設備4.80
e)ルームエアコンの効率:旧設備3.74、新設備6.30
f)冷凍機の電力消費:702000kWh/年
g)ボイラーの都市ガス消費:15000[m3/年]
h)パッケージエアコンの電力消費:69600[kWh/年]
i)ルームエアコンの電力消費:2060[kWh/年]
j)電力のCO2排出係数:0.407[kg−CO2](注:2002年実績。2003年は原発停止で異常値)
k)都市ガスのCO2排出係数:0.513[g−CO2/MJ]×41.1[ MJ/m3]=2.11[kg/m3
を代入する。ただし、他の熱量のガスを使用する場合はその値を用いる。
例えば冷凍機の省エネ量は
(冷凍機の省エネ量)
=(旧冷凍機の電力消費)一(新冷凍機の電力消費)
=(旧冷凍機の電力消費)一(旧冷凍機の電力消費)×(旧設備の効率)/(新設備の効率)
=(旧冷凍機の電力消費)×{1−(旧設備の効率)/(新設備の効率)}
・・・・・・・・・・・・(3)
で表される。
また、冷凍機のCO2削減量は、
(冷凍機のCO2削減量):(電力のCO2排出係数)×(冷凍機の省エネ量) ・・・・・・・・・(4)
で表される。他の設備の省エネ量とCO2削減量も同様の式で表され、計算可能である。
ここでボイラーの計算でのみ排出係数に都市ガスの値を用い、他は電力の値を用いる。
そこで4機種について、まず省エネ量、次にCO2削減量を順次代入して和をとると、
(CO2削減率)=SCO2削減量/(現在の施設全体のCO2排出量)
=0.22・・・・・・(5)
を得る。
次に、指標Bの演算について説明する。特殊なエネルギー多消費設備を含むサービス業(業種分類でQ+と表示)の床面積比エネルギー消費
平均値1626MJ/m2と、当該施設エネルギー効率1017MJ/m2(いずれも年間値)を比較し、
(業種別エネルギー効率比)
=(当該施設床面積比エネルギー消費)/(当該業種平均床面積比エネルギー消費)
=1017/1626
=0.626・・・・・・・(6)
を得る。
次に、指標C(投資回収年)の具体例について説明する。指標Cは、当該施設のエネルギー多消費設備等で想定される温暖化対策の投資回収年を比較する。当該施設のエネルギー多消費設備等で想定される温暖化対策設備投資額を、それによって節約できる年間のエネルギーコスト削減額で除して求める。この際に、当該設備によりメンテナンスコストの増減が予想される場合には年間のエネルギーコスト削減額との差をとるものとする。
指標Cの演算について、ここでは簡単のため空調設備の更新について説明する。エアコンの省エネ量を消費実態と新旧機器のエネルギー効率比により計算すると、
(エアコンの省エネ量)
=(旧エアコンの電力消費)一(新エアコンの電力消費)
=(旧エアコンの電力消費)一(旧エアコンの電力消費)×(旧エアコンの効率)/(新エアコンの効率)
=(旧エアコンの電力消費)×{1−(旧エアコンの効率)/(新エアコンの効率)}・・・・・・・(7)
で表される。
年間エネルギーコスト節約額は、
(エアコンのエネルギーコスト節約額)
=(エアコンの省エネ量)×(電力単価)・・・・・(8)
で表される。
(8)で得られる年間エネルギーコスト節約額と、メンテナンスコスト増減があればそれも用いて、エアコンの投資回収年は、
(エアコンの投資回収年)
=(初期投資額)/{(年間エネルギーコスト削減分)−(年間メンテナンスコスト増加分)}・・・・・・(9)
で表される。
(7)〜(9)式に、
パッケージエアコンの効率:旧設備1.47、新設備4.80
ルームエアコンの効率:旧設備3.74、新設備6.30
パッケージエアコンの電力消費:69600[kWh/年]
ルームエアコンの電力消費:2060[kWh/年]
電力単価:15[円/kWh]
パッケージエアコンの初期投資額:150[万円]
ルームエアコンの初期投資額:10[万円]
を代入する。
なお、電力単価は電力会社との契約の種類・内容により異なるのでこの単価はあくまで一例である。また、同種の機器の更新であることからメンテナンスコストの増減はないものとする。上記パラメータを代入すると、次式の(10)、(11)、(12)、すなわち、
(エアコンの省エネ量)=49600[kWh/年]・・・・・(10)
(エアコンのエネルギーコスト節約額)=74.4[万円/年]・(11)
(エアコンの投資回収年)=2.2年・・・・・・・・・・・・(12)
を得る。
以上説明したように、本発明においては次のような手順で温暖化対策の診断を行なう。
(1)企業・組織の施設のエネルギー使用データから実態分析、業種分類、エネルギー効率、CO2排出量などを評価する。(2)施設におけるエネルギー多消費設備を抽出し
て効率を評価し、導入可能な技術のトップ効率と比較検討する。(3)前記効率比較からCO2の削減効果の期待値を評価し、業種別エネルギー効率平均値との比、導入可能技術
の投資回収年などとともに指標化して、企業・組織における施設の導入プライオリティ(順位)を評価する。
(4)前記導入プライオリティに従い、年間設備投資規模の範囲内で導入実施施設の年度展開計画を策定し、温暖化対策施設の導入によるCO2あるいはエネルギーコスト削減
期待値を積算して計画実施目標を具体的な根拠から設定する。(5)企業・組織全体のエネルギー消費量とCO2排出量に占める対策導入効果を分析し、企業・組織の売上(税収
)や利益とエネルギー削減コストを比較評価する。(6)上記手順で選定された対策導入施設について、エネルギー多消費設備を抽出し、トップ効率に近い技術を抽出して設備コストと効率を調査する。
(7)具体的に技術導入した場合について、施設のエネルギー効率の業種別平均と比較評価し、その効率、CO2排出量、エネルギーコストなどの改善効果を予測評価する。(
8)導入する技術の公平な選定のため、前記効果分析とともにエネルギー効率(COP)とCO2削減率の技術仕様の指標を評価する。
上記の説明では、温暖化物質としてCO2を対象としているが、温暖化物質はCO2には限定されない。本発明が対象とする温暖化対策には、フロンやメタンなどの温暖化ガスが含まれる。この場合の換算係数は、IPCC(気候変動に関する政府間パネル)の報告書に記載された温室効果係数を用いる。また、本発明の温暖化対策は、建物からのCO2などの
温暖化物質の排出には限定されず、車両などからの温暖化物質の排出、例えばSOXやN
Xなど他の温暖化物質の排出にも適用可能である。
以上説明したように、本発明は、企業や自治体などの事業者が実施するCO2の削減の
ような温暖化対策の指針となる温暖化対策計画策定方法を提供するものである。
本発明の実施形態を示す構成図である。 本発明の実施形態を示す説明図である。 本発明の実施形態を示す説明図である。 本発明の実施形態を示す説明図である。 本発明の実施形態を示す説明図である。 本発明の実施形態を示す説明図である。 本発明の実施形態を示す説明図である。 本発明の実施形態を示す説明図である。 本発明の実施形態を示す説明図である。 本発明の実施形態を示す説明図である。 本発明の実施形態の一例を示す説明図である。 本発明の実施形態の一例を示す説明図である。 本発明の実施形態の一例を示す説明図である。 本発明の実施形態を示す説明図である。 本発明の実施形態の一例を示す説明図である。 本発明の実施形態の一例を示す説明図である。 本発明の実施形態の一例を示す説明図である。 本発明の実施形態の一例を示す説明図である。 本発明の実施形態の一例を示す説明図である。
符号の説明
A・・・自治体・企業の温暖化対策診断、B・・・自治体・企業の温暖化対策、C〜E
・・・自治体・企業の実行計画、F、H、I・・・自治体・企業の包括診断、G・・・包括診断、J、K・・・自治体施設・事業所の個別診断、L・・・温暖化対策診断、M・・・機関が実施する包括診断、N・・・個別詳細診断の手順

Claims (8)

  1. 複数のエネルギー消費施設を保有する事業所について、エネルギー多消費設備への新規技術導入によるCO2削減効果(指標A)と、業種別エネルギー効率平均との比較(指標B
    )と、エネルギーコスト削減による導入技術設備投資の投資回収年(指標C)とに基づいて、前記複数施設のどの施設から温暖化対策を導入するかのプライオリティ(順位)を決定することを特徴とする、温暖化対策計画策定方法。
  2. 前記事業所の全施設について、各施設の前記プライオリティと、当該事業所の年間設備投資範囲から、年次推移の温暖化対策導入施設を抽出選定し、実効性がある実施計画を策定することを特徴とする、請求項1に記載の温暖化対策計画策定方法。
  3. 前記実施計画において、前記年次推移の温暖化対策導入施設における温暖化対策導入に伴うCO2削減効果を積算し、前記事業所の全施設に対する年次推移のCO2削減効果を評価して、実効性があるCO2削減目標を設定することを特徴とする、請求項2に記載の温暖
    化対策計画策定方法。
  4. 前記温暖化対策導入施設に対して、エネルギー多消費設備・技術を抽出してエネルギー効率と使用実態を評価し、最新技術のエネルギー効率(トップ効率)に近接するエネルギー効率を有する温暖化対策導入技術を抽出し、前記エネルギー多消費設備・技術のネルギー効率と、前記温暖化対策導入技術のエネルギー効率との比較から、前記温暖化対策技術の導入効果として、CO2削減、エネルギーコスト削減、投資回収年の分析を用いて具体的
    な温暖化対策技術の指標を提示することを特徴とする、請求項2または請求項3に記載の温暖化対策計画策定方法。
  5. 複数のエネルギー消費施設を保有する事業所が、前記保有する各施設のエネルギー消費に関連する各種情報を取得する段階と、前記事業所の温暖化対策計画を評価する機関が、温暖化対策計画を指標およびプライオリティ(順位)の設定に基づき評価する手法を確立する段階と、前記事業所が取得した各種情報に基づき、前記機関が前記各施設の温暖化対策技術の導入に伴うCO2削減効果、および前記各施設の温暖化対策技術の導入プライオリ
    ティを包括診断する段階と、前記包括診断結果に基づき前記事業所が温暖化対策計画を策定することを特徴とする、温暖化対策計画策定方法。
  6. 前記機関は、前記各施設についてのエネルギー種類別使用実態の分析を行なう段階と、省エネルギー導入技術の分析を行なう段階と、前記施設の対策効果の予測評価を行なう段階とにより、前記各施設の温暖化対策について個別診断を行なうことを特徴とする、請求項5に記載の温暖化対策計画策定方法。
  7. 前記機関は、前記各施設のいずれの施設から温暖化対策の導入に着手するかを前記指標Aおよび指標Bに基づいて評価する段階と、CO2削減効果を予測評価する段階と、前記各
    施設の温暖化対策の実行計画について、温暖化対策導入の時期、CO2削減率、対象とす
    る施設数を評価する段階とにより、前記事業所の温暖化対策計画を包括診断することを特徴とする、請求項5に記載の温暖化対策計画策定方法。
  8. 前記機関は、前記各施設についての温暖化対策を評価する際に、前記各施設のエネルギー消費に基づき業種分類記号を付与することを特徴とする、請求項5ないし請求項7のいずれかに記載の温暖化対策計画策定方法。
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