JP2007036651A - カメラ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】不要輻射を効果的に抑制する上で有利なカメラ装置を提供する。
【解決手段】第1のシャーシ22に電気的に接続された第1の摺動電極50がベース部材10に摺接した状態では、第1の摺動電極50とベース部材10が塗装層1004を挟んで対面することにより、第1の摺動電極50とベース部材10の間に静電容量が形成される。同様に、第1のシャーシ22に電気的に接続された第2の摺動電極60が第2のシャーシ32の摺接した状態では、第2の摺動電極60と第2のシャーシ32が塗装層3204を挟んで位置することにより、第2の摺動電極60と第2のシャーシ32の間に静電容量が形成される。
【選択図】 図5
【解決手段】第1のシャーシ22に電気的に接続された第1の摺動電極50がベース部材10に摺接した状態では、第1の摺動電極50とベース部材10が塗装層1004を挟んで対面することにより、第1の摺動電極50とベース部材10の間に静電容量が形成される。同様に、第1のシャーシ22に電気的に接続された第2の摺動電極60が第2のシャーシ32の摺接した状態では、第2の摺動電極60と第2のシャーシ32が塗装層3204を挟んで位置することにより、第2の摺動電極60と第2のシャーシ32の間に静電容量が形成される。
【選択図】 図5
Description
本発明はカメラ装置に関する。
遠隔操作によってカメラをパン、チルト、ズームさせるカメラ装置(PTZ(パンチルトズーム)カメラ)が提案されている(特許文献1参照)。PTZカメラは建物の天井壁などに取着されるほか、そのままテーブル等に置くなど様々な形態で使用される。
このようなカメラ装置は、建物の天井壁などに取着されるベース部材と、ベース部材を通る第1の仮想軸の回りに回転可能にベース部材に組み付けられた第1のシャーシと、第1の仮想軸と交差する平面上を延在する第2の仮想軸の回りに回転可能に第1のシャーシに組み付けられた第2のシャーシと、第2のシャーシに組み付けられ被写体の撮影を行うカメラとを備えている。
また、カメラ装置には、カメラのフォーカシング機構やズーミング機構を駆動させるカメラ駆動部、第1、第2のシャーシの回転を行わせる回転駆動部、カメラ装置の外部に設けられたホスト装置と通信可能に接続されホスト装置から供給されるコマンドに基づいてカメラ駆動部と回転駆動部を制御する制御装置が設けられている。
それらカメラ駆動部、回転駆動部、制御装置は、LSIなどの電子部品が実装された複数の基板で構成され、それら基板は、ベース部材、第1のシャーシ、第2のシャーシにそれぞれ組み付けられており、それら基板は電子部品の動作に伴って電磁波によるノイズを発生する(放射する)ノイズ源を構成している。
特開2000−244781号公報
このようなカメラ装置は、建物の天井壁などに取着されるベース部材と、ベース部材を通る第1の仮想軸の回りに回転可能にベース部材に組み付けられた第1のシャーシと、第1の仮想軸と交差する平面上を延在する第2の仮想軸の回りに回転可能に第1のシャーシに組み付けられた第2のシャーシと、第2のシャーシに組み付けられ被写体の撮影を行うカメラとを備えている。
また、カメラ装置には、カメラのフォーカシング機構やズーミング機構を駆動させるカメラ駆動部、第1、第2のシャーシの回転を行わせる回転駆動部、カメラ装置の外部に設けられたホスト装置と通信可能に接続されホスト装置から供給されるコマンドに基づいてカメラ駆動部と回転駆動部を制御する制御装置が設けられている。
それらカメラ駆動部、回転駆動部、制御装置は、LSIなどの電子部品が実装された複数の基板で構成され、それら基板は、ベース部材、第1のシャーシ、第2のシャーシにそれぞれ組み付けられており、それら基板は電子部品の動作に伴って電磁波によるノイズを発生する(放射する)ノイズ源を構成している。
このようなカメラ装置は、ベース部材、第1、第2のシャーシが互いに独立して構成されていることから、ベース部材と第1のシャーシの間のインピーダンス、および、第1のシャーシと第2のシャーシの間のインピーダンスが高くなりやすく、高周波的に共通のグランド電位を保つことが困難である。
このため電位の異なる複数のシャーシが等価的に放射アンテナを構成し、特定の周波数帯域で共振を起こし、前記複数の基板から発生するノイズが強い不要輻射としてカメラ装置から発生し、カメラ装置の周囲の電子機器に対して電磁波ノイズによる妨害を与えることが懸念される。
一般的な不要輻射対策としては、ベース部材、第1、第2のシャーシの間を電線などで電気的に接続することが考えられるが、高周波的に十分低いインピーダンスで接続するには電線を太く、短くする必要があり、ベース部材、第1、第2のシャーシが互いに回転するカメラ装置では実現が困難である。
また、スリップリングなどの電気接点を用いてベース部材、第1、第2のシャーシの間を直流的に接続することも考えられるが、グランド電位の違いにより接点に直流電流が流れる可能性があり、その場合、スリップリングの接触抵抗が変動し、低周波の電磁波ノイズを発生することが懸念され、また、スリップリングの接点では接触面積が少ないため、高周波領域でインピーダンスを下げることが困難であり、不要輻射を効果的に防止することが困難である。
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、その目的は、不要輻射を効果的に抑制する上で有利なカメラ装置を提供することにある。
このため電位の異なる複数のシャーシが等価的に放射アンテナを構成し、特定の周波数帯域で共振を起こし、前記複数の基板から発生するノイズが強い不要輻射としてカメラ装置から発生し、カメラ装置の周囲の電子機器に対して電磁波ノイズによる妨害を与えることが懸念される。
一般的な不要輻射対策としては、ベース部材、第1、第2のシャーシの間を電線などで電気的に接続することが考えられるが、高周波的に十分低いインピーダンスで接続するには電線を太く、短くする必要があり、ベース部材、第1、第2のシャーシが互いに回転するカメラ装置では実現が困難である。
また、スリップリングなどの電気接点を用いてベース部材、第1、第2のシャーシの間を直流的に接続することも考えられるが、グランド電位の違いにより接点に直流電流が流れる可能性があり、その場合、スリップリングの接触抵抗が変動し、低周波の電磁波ノイズを発生することが懸念され、また、スリップリングの接点では接触面積が少ないため、高周波領域でインピーダンスを下げることが困難であり、不要輻射を効果的に防止することが困難である。
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、その目的は、不要輻射を効果的に抑制する上で有利なカメラ装置を提供することにある。
上記目的を達成するために本発明は、ベース部材と、前記ベース部材を通る第1の仮想軸の回りに回転可能に前記ベース部材に組み付けられた第1のシャーシと、前記第1の仮想軸と交差する平面上を延在する第2の仮想軸の回りに回転可能に前記第1のシャーシに組み付けられた第2のシャーシと、前記第2のシャーシに組み付けられ被写体の撮影を行うカメラとを備えたカメラ装置であって、前記ベース部材と第1のシャーシとの間には、前記ベース部材および前記第1のシャーシの一方に取着され、かつ、前記ベース部材および前記第1のシャーシの他方に摺接可能に設けられた第1の摺動電極が設けられ、前記第1のシャーシと第2のシャーシとの間には、前記第1のシャーシおよび前記第2のシャーシの一方に取着され、かつ、前記第1のシャーシおよび前記第2のシャーシの他方に摺接可能に設けられた第2の摺動電極が設けられ、前記第1の摺動電極が摺接する前記ベース部材および前記第1のシャーシの他方の箇所は、導電部分と、前記導電部分を覆う絶縁層とで構成され、前記第2の摺動電極が摺接する前記第1のシャーシおよび前記第2のシャーシの他方の箇所は、導電部分と、前記導電部分を覆う絶縁層とで構成されていることを特徴とする。
本発明によれば、第1、第2の摺動電極を設けるといった極めて簡単な構造で、ベース部材、第1のシャーシ、第2のシャーシが不要輻射の帯域における共振を起こすことを防止でき、不要輻射によって周囲の電子機器に妨害を与えることを効果的に防止できる。
(第1の実施の形態)
以下、本発明によるカメラ装置の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は第1の実施の形態におけるカメラ装置100の正面図、図2はカメラ装置100の側面図である。
図3(A)はカメラ装置100の概略構成図、(B)はカメラ装置100の電気的な等価モデル図である。
図1、図2に示すように、カメラ装置100は、ベース部材10と、ベース部材10を通る第1の仮想軸L1の回りに回転可能にベース部材10に組み付けられた外ケース20と、外ケース20の内側に第1の仮想軸L1と直交する平面上を延在する第2の仮想軸L2の回りに回転可能に組み付けられた内ケース30と、内ケース30の内側に設けられたカメラ40などを備えている。
以下、本発明によるカメラ装置の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は第1の実施の形態におけるカメラ装置100の正面図、図2はカメラ装置100の側面図である。
図3(A)はカメラ装置100の概略構成図、(B)はカメラ装置100の電気的な等価モデル図である。
図1、図2に示すように、カメラ装置100は、ベース部材10と、ベース部材10を通る第1の仮想軸L1の回りに回転可能にベース部材10に組み付けられた外ケース20と、外ケース20の内側に第1の仮想軸L1と直交する平面上を延在する第2の仮想軸L2の回りに回転可能に組み付けられた内ケース30と、内ケース30の内側に設けられたカメラ40などを備えている。
ベース部材10は、屋内の天井や壁面、あるいは、屋内外の支柱などに取着されるものである。
ベース部材10の内部には、図3(A)に示すように、外ケース20を回転可能に支持するための軸受部12と、外ケース20を回転するモータ14と、基板16などが配設されている。
基板16は、カメラ装置100の外部に設けられたホスト装置と通信可能に構成され、ホスト装置から送信されるコマンドに基づいてカメラ40、モータ14、28(図3(A)参照)などの制御を行ったり、カメラ40からの映像信号をホスト装置に供給したりする制御装置を構成している。
基板16は、デジタル信号で動作するICやLSI、それらICやLSIを動作させるクロック信号を発生させるクロック発生器などの電子部品が実装されており、これら電子部品の動作によって電磁波ノイズを発生するノイズ源16Aが構成されている。
ベース部材10の内部には、図3(A)に示すように、外ケース20を回転可能に支持するための軸受部12と、外ケース20を回転するモータ14と、基板16などが配設されている。
基板16は、カメラ装置100の外部に設けられたホスト装置と通信可能に構成され、ホスト装置から送信されるコマンドに基づいてカメラ40、モータ14、28(図3(A)参照)などの制御を行ったり、カメラ40からの映像信号をホスト装置に供給したりする制御装置を構成している。
基板16は、デジタル信号で動作するICやLSI、それらICやLSIを動作させるクロック信号を発生させるクロック発生器などの電子部品が実装されており、これら電子部品の動作によって電磁波ノイズを発生するノイズ源16Aが構成されている。
図1、図2に示すように、外ケース20は、第1の仮想軸L1に沿ってベース部材10から起立され、外ケース20には、第1の仮想軸L1に沿って延在する外側開口20Aが形成されている。
外ケース20の内側には、図3(A)に示すように、第1のシャーシ22が配設されている。
第1のシャーシ22の底壁2202の中央部の支軸24が軸受部12により回転可能に支持され、この支軸24の下部がモータ14により回転駆動される。
第1のシャーシ22は、底壁2202の両側から互いに平行して起立する左右の側壁2204を有し、左右の側壁2204の上部に軸受部26が形成され、また、左右の側壁2204の一方には、内ケース30回転用のモータ28が配設されている。
外ケース20の内側には、図3(A)に示すように、第1のシャーシ22が配設されている。
第1のシャーシ22の底壁2202の中央部の支軸24が軸受部12により回転可能に支持され、この支軸24の下部がモータ14により回転駆動される。
第1のシャーシ22は、底壁2202の両側から互いに平行して起立する左右の側壁2204を有し、左右の側壁2204の上部に軸受部26が形成され、また、左右の側壁2204の一方には、内ケース30回転用のモータ28が配設されている。
内ケース30の内側には、図3(A)に示すように、第2のシャーシ32が配設されている。
第2のシャーシ32の左右側部から支軸34が突設され、それら支軸34は軸受部26により回転可能に支持され、モータ28により支軸34が回転されることで内ケース30が第2の仮想軸L2回りに回転する。
カメラ40は第2のシャーシ32に取着され、内ケース30に形成された内側開口30Aおよび外ケース20の外側開口20Aを介して被写体を撮影できるように構成されている。
カメラ40は、被写体像を導く撮影光学系と、撮影光学系で導かれた被写体像を撮像する撮像素子とを備え、撮影光学系にはフォーカシング機構およびズーミング機構が設けられている。
図中、符合42は撮影光学系の最も前方に位置する対物レンズを示す。
第2のシャーシ32の左右側部から支軸34が突設され、それら支軸34は軸受部26により回転可能に支持され、モータ28により支軸34が回転されることで内ケース30が第2の仮想軸L2回りに回転する。
カメラ40は第2のシャーシ32に取着され、内ケース30に形成された内側開口30Aおよび外ケース20の外側開口20Aを介して被写体を撮影できるように構成されている。
カメラ40は、被写体像を導く撮影光学系と、撮影光学系で導かれた被写体像を撮像する撮像素子とを備え、撮影光学系にはフォーカシング機構およびズーミング機構が設けられている。
図中、符合42は撮影光学系の最も前方に位置する対物レンズを示す。
本実施の形態では、外ケース20は、第1の仮想軸L1の回りに340度の範囲で回転可能に設けられ、より詳細には、カメラ40の光軸を前方に向けた基準位置から左右方向にそれぞれ170度の範囲で回転可能に設けられている。
また、内ケース30は、第2の仮想軸L2の回りに120度の範囲で回転可能に設けられ、より詳細には、例えばベース部材10を水平面に取り付け、カメラ40の光軸を水平方向に向けた基準位置からベース部材10に近づく方向に30度、ベース部材10から離れる方向に90度の範囲で回転可能に設けられ、このとき内ケース30は、内側開口30Aを外側開口20A内に向けた状態で回転する。
したがって、モータ14が動作することで第1の仮想軸L1回りで340度の範囲をカメラ40によって撮影でき、モータ28が動作することで第2の仮想軸L2回りで120度の範囲をカメラ40によって撮影できる。
また、内ケース30は、第2の仮想軸L2の回りに120度の範囲で回転可能に設けられ、より詳細には、例えばベース部材10を水平面に取り付け、カメラ40の光軸を水平方向に向けた基準位置からベース部材10に近づく方向に30度、ベース部材10から離れる方向に90度の範囲で回転可能に設けられ、このとき内ケース30は、内側開口30Aを外側開口20A内に向けた状態で回転する。
したがって、モータ14が動作することで第1の仮想軸L1回りで340度の範囲をカメラ40によって撮影でき、モータ28が動作することで第2の仮想軸L2回りで120度の範囲をカメラ40によって撮影できる。
第2のシャーシ32には基板36が取着されている。
基板36は、前記フォーカシング機構によるフォーカス動作およびズーミング機構によるズーム動作を制御するためのカメラ用回路部と、撮像素子から出力される撮像信号を処理するための信号処理用回路部とを構成している。
基板36は、基板16と同様に、デジタル信号で動作するICやLSI、それらICやLSIを動作させるクロック信号を発生させるクロック発生器などの電子部品が実装されており、これら電子部品の動作によって電磁波ノイズを発生するノイズ源36Aが構成されている。
また、基板36は、図4(A)に示すように、接続ケーブル42を介して基板16に電気的に接続されている。
したがって、前記制御装置と前記カメラ用回路部および信号処理用回路部との間で接続ケーブル42を介して双方向に制御信号の授受がなされることで、制御装置によるカメラ40の制御がなされる。また、前記信号処理用回路部から制御装置への映像信号の伝送も接続ケーブル42を介してなされる。
なお、図中符号39は基板36に冷却風を衝当させる冷却ファンである。
基板36は、前記フォーカシング機構によるフォーカス動作およびズーミング機構によるズーム動作を制御するためのカメラ用回路部と、撮像素子から出力される撮像信号を処理するための信号処理用回路部とを構成している。
基板36は、基板16と同様に、デジタル信号で動作するICやLSI、それらICやLSIを動作させるクロック信号を発生させるクロック発生器などの電子部品が実装されており、これら電子部品の動作によって電磁波ノイズを発生するノイズ源36Aが構成されている。
また、基板36は、図4(A)に示すように、接続ケーブル42を介して基板16に電気的に接続されている。
したがって、前記制御装置と前記カメラ用回路部および信号処理用回路部との間で接続ケーブル42を介して双方向に制御信号の授受がなされることで、制御装置によるカメラ40の制御がなされる。また、前記信号処理用回路部から制御装置への映像信号の伝送も接続ケーブル42を介してなされる。
なお、図中符号39は基板36に冷却風を衝当させる冷却ファンである。
次に、このように構成されたカメラ装置100における不要輻射の発生について説明する。
図3(A)に示すように、カメラ装置100のベース部材10と第1のシャーシ22は軸受部12と支軸24で連結されており、軸受部12は、多くの場合、ボールベアリングで構成されている。
ボールベアリングは、導電性材料から形成された環板状のインナーケースおよびアウターケースと、導電性材料から形成されそれらインナーケースとアウターケースの間に挟まれる複数の鋼球で構成されている。
したがって、それらインナーケースおよびアウターケース並びに複数の鋼球が導電性を有する材料で形成されていても、インナーケースおよびアウターケースに対する鋼球の接触は点接触であり、接触面積がごく僅かであること、また、インナーケースおよびアウターケース並びに鋼球の表面には絶縁性を有する潤滑油の膜が形成されていることなどから、軸受部12と支軸24の間は電気的な導通が良好に形成されているわけではなく、また、支軸12の回転より導通状態も絶えず変化している。
したがって、支軸24と軸受部12の間に形成されるインピーダンスとして、直流抵抗値は、例えば数Ωから数10Ω程度(支軸12の静止状態で)と高く、静電容量は、ベアリング部分が点接触していることから対向面積が僅かであるため、輻射帯域に有効な数値には不足している。
また、支軸24と軸受部12の間に形成されるインピーダンスが仮に低い値であったとしても、ベース部材10および第1のシャーシ22は大きさ(面積)を有しているため、ベース部材10および第1のシャーシ22の間に形成される高周波的なインピーダンスは支軸24と軸受部12から離れるにつれて高くなってしまう。
また、第1のシャーシ22と第2のシャーシ32も軸受部26と支軸34で連結されていることから、上述と同じ理由により、第1のシャーシ22と第2のシャーシ32の間にも高周波的なインピーダンスが形成される。
すなわち、図3(B)に示すように、ベース部材10と第1のシャーシ22の間にインピーダンスZ1が形成され、第1のシャーシ22と第2のシャーシ32の間にインピーダンスZ2が形成される。
このように形成されたインピーダンスZ1、Z2が高い状態では、ベース部材10、第1、第2のシャーシ22、32が特定の周波数帯域の電磁波と共振しやすくなり、ベース部材10、第1、第2のシャーシ22、32がノイズを放射するアンテナとしての作用を果たすことになり、ノイズ源16A、36Aで発生した不要輻射が外部に放射されやすくなる。
図3(A)に示すように、カメラ装置100のベース部材10と第1のシャーシ22は軸受部12と支軸24で連結されており、軸受部12は、多くの場合、ボールベアリングで構成されている。
ボールベアリングは、導電性材料から形成された環板状のインナーケースおよびアウターケースと、導電性材料から形成されそれらインナーケースとアウターケースの間に挟まれる複数の鋼球で構成されている。
したがって、それらインナーケースおよびアウターケース並びに複数の鋼球が導電性を有する材料で形成されていても、インナーケースおよびアウターケースに対する鋼球の接触は点接触であり、接触面積がごく僅かであること、また、インナーケースおよびアウターケース並びに鋼球の表面には絶縁性を有する潤滑油の膜が形成されていることなどから、軸受部12と支軸24の間は電気的な導通が良好に形成されているわけではなく、また、支軸12の回転より導通状態も絶えず変化している。
したがって、支軸24と軸受部12の間に形成されるインピーダンスとして、直流抵抗値は、例えば数Ωから数10Ω程度(支軸12の静止状態で)と高く、静電容量は、ベアリング部分が点接触していることから対向面積が僅かであるため、輻射帯域に有効な数値には不足している。
また、支軸24と軸受部12の間に形成されるインピーダンスが仮に低い値であったとしても、ベース部材10および第1のシャーシ22は大きさ(面積)を有しているため、ベース部材10および第1のシャーシ22の間に形成される高周波的なインピーダンスは支軸24と軸受部12から離れるにつれて高くなってしまう。
また、第1のシャーシ22と第2のシャーシ32も軸受部26と支軸34で連結されていることから、上述と同じ理由により、第1のシャーシ22と第2のシャーシ32の間にも高周波的なインピーダンスが形成される。
すなわち、図3(B)に示すように、ベース部材10と第1のシャーシ22の間にインピーダンスZ1が形成され、第1のシャーシ22と第2のシャーシ32の間にインピーダンスZ2が形成される。
このように形成されたインピーダンスZ1、Z2が高い状態では、ベース部材10、第1、第2のシャーシ22、32が特定の周波数帯域の電磁波と共振しやすくなり、ベース部材10、第1、第2のシャーシ22、32がノイズを放射するアンテナとしての作用を果たすことになり、ノイズ源16A、36Aで発生した不要輻射が外部に放射されやすくなる。
図4(A)はカメラ装置100の接続ケーブル42の説明図、(B)は接続ケーブル42を考慮したカメラ装置100の電気的な等価モデル図である。
図4(A)に示した接続ケーブル42によっても別のインピーダンスが発生する。
第1のシャーシ22は第1の仮想軸L1回りに回転し、第2のシャーシ32は第2の仮想軸L2回りに回転するため、接続ケーブル42は、それら回転に対して余裕を持たせて引き回されている。
すなわち、接続ケーブル42は、第1の仮想軸L1回りに数回にわたって巻回された部分4202と、第2の仮想軸L2回りに数回にわたって巻回された部分4204とを有している。
そのため、接続ケーブル42のケーブル長は、カメラ装置100の高さ(ベース部材10の下部から内ケース30の上端までの距離)に比較して長いものとなっており、例えば、1m程度の長さを有している。
すなわち、図4(B)に示すように、接続ケーブル42によって、ベース部材10と第1のシャーシ22の間にインピーダンスZ3が形成され、第1のシャーシ22と第2のシャーシ32の間にインピーダンスZ4が形成される。
このような接続ケーブル42によって形成されるインピーダンスZ3、Z4が高い状態でも、接続ケーブル42が特定の周波数帯域の電磁波と共振しやすくなり、ノイズを放射するアンテナとしての作用を果たすことになり、ノイズ源16A、36Aで発生した不要輻射が外部に放射されやすくなる。
したがって、前述したベース部材10、第1、第2のシャーシ22、32によるインピーダンスZ1、Z2に加えて、接続ケーブル42に起因するインピーダンスZ3、Z4が形成されると、ベース部材10、第1、第2のシャーシ22、32は不要輻射帯域の波長との共振をより起こしやすくなり、ノイズを放射するアンテナとしての作用がより顕著となることが懸念される。
したがって、このような不要輻射の発生を抑制するためには、ベース部材10、第1、第2のシャーシ22、32に形成されるインピーダンスを低減することが必要となる。
図4(A)に示した接続ケーブル42によっても別のインピーダンスが発生する。
第1のシャーシ22は第1の仮想軸L1回りに回転し、第2のシャーシ32は第2の仮想軸L2回りに回転するため、接続ケーブル42は、それら回転に対して余裕を持たせて引き回されている。
すなわち、接続ケーブル42は、第1の仮想軸L1回りに数回にわたって巻回された部分4202と、第2の仮想軸L2回りに数回にわたって巻回された部分4204とを有している。
そのため、接続ケーブル42のケーブル長は、カメラ装置100の高さ(ベース部材10の下部から内ケース30の上端までの距離)に比較して長いものとなっており、例えば、1m程度の長さを有している。
すなわち、図4(B)に示すように、接続ケーブル42によって、ベース部材10と第1のシャーシ22の間にインピーダンスZ3が形成され、第1のシャーシ22と第2のシャーシ32の間にインピーダンスZ4が形成される。
このような接続ケーブル42によって形成されるインピーダンスZ3、Z4が高い状態でも、接続ケーブル42が特定の周波数帯域の電磁波と共振しやすくなり、ノイズを放射するアンテナとしての作用を果たすことになり、ノイズ源16A、36Aで発生した不要輻射が外部に放射されやすくなる。
したがって、前述したベース部材10、第1、第2のシャーシ22、32によるインピーダンスZ1、Z2に加えて、接続ケーブル42に起因するインピーダンスZ3、Z4が形成されると、ベース部材10、第1、第2のシャーシ22、32は不要輻射帯域の波長との共振をより起こしやすくなり、ノイズを放射するアンテナとしての作用がより顕著となることが懸念される。
したがって、このような不要輻射の発生を抑制するためには、ベース部材10、第1、第2のシャーシ22、32に形成されるインピーダンスを低減することが必要となる。
次に、本発明の要旨である不要輻射対策について説明する。
図5はカメラ装置100に施した不要輻射対策の説明図、図6は第1の摺動電極50の構成を示す説明図、図7は第1の摺動電極50の動作説明図、図8は第2の摺動電極60の構成を示す説明図である。
図9、図10は不要輻射対策を施したカメラ装置100の電気的な等価モデル図である。
図5に示すように、ベース部材10と第1のシャーシ22との間には、ベース部材10および第1のシャーシ22の一方に取着され、かつ、ベース部材10および第1のシャーシ22の他方に摺接可能に設けられた第1の摺動電極50が設けられている。
本実施の形態では、第1の摺動電極50は2つ設けられ、それぞれ第1のシャーシ22に対して電気的に接続された状態で取着され、かつ、それぞれベース部材10に摺接可能に設けられている。
また、第1の摺動電極50は、第1のシャーシ22の2つの側壁2204の底壁2202寄りの箇所に取着され、ベース部材10の上面が側壁2204の下面に臨む箇所に摺接している。
第1の摺動電極50が取着される第1のシャーシ22は、導電性を有する金属材料で形成され、例えば板金製である。
図5はカメラ装置100に施した不要輻射対策の説明図、図6は第1の摺動電極50の構成を示す説明図、図7は第1の摺動電極50の動作説明図、図8は第2の摺動電極60の構成を示す説明図である。
図9、図10は不要輻射対策を施したカメラ装置100の電気的な等価モデル図である。
図5に示すように、ベース部材10と第1のシャーシ22との間には、ベース部材10および第1のシャーシ22の一方に取着され、かつ、ベース部材10および第1のシャーシ22の他方に摺接可能に設けられた第1の摺動電極50が設けられている。
本実施の形態では、第1の摺動電極50は2つ設けられ、それぞれ第1のシャーシ22に対して電気的に接続された状態で取着され、かつ、それぞれベース部材10に摺接可能に設けられている。
また、第1の摺動電極50は、第1のシャーシ22の2つの側壁2204の底壁2202寄りの箇所に取着され、ベース部材10の上面が側壁2204の下面に臨む箇所に摺接している。
第1の摺動電極50が取着される第1のシャーシ22は、導電性を有する金属材料で形成され、例えば板金製である。
第1の摺動電極50は、導電性と弾力性を有する材料で形成されている。
第1の摺動電極50としては、例えば、銅やベリリウム銅などの導電材料を薄板状のばね板として形成したもの、あるいは、このようなばね板の厚さ方向の両面の全域を合成樹脂製の薄い絶縁体で覆ってラミネート構造とし、摺動時の耐磨耗性を高めたものを用いることができる。
また、第1の摺動電極50として、不要輻射対策用品として市販されているガスケットのように、スポンジやゴムで形成された芯材の外面を導電性を有する金属メッシュで覆ったもの、合成樹脂に導電性の粒子、あるいは、導電性の繊維を分散させた導電性エラストマーを薄板状などに加工したもの、導電性を有する金属のワイヤを編んだり絡ませて薄板状のスポンジ状に形成したものなどを用いてもよい。
第1の摺動電極50としては、例えば、銅やベリリウム銅などの導電材料を薄板状のばね板として形成したもの、あるいは、このようなばね板の厚さ方向の両面の全域を合成樹脂製の薄い絶縁体で覆ってラミネート構造とし、摺動時の耐磨耗性を高めたものを用いることができる。
また、第1の摺動電極50として、不要輻射対策用品として市販されているガスケットのように、スポンジやゴムで形成された芯材の外面を導電性を有する金属メッシュで覆ったもの、合成樹脂に導電性の粒子、あるいは、導電性の繊維を分散させた導電性エラストマーを薄板状などに加工したもの、導電性を有する金属のワイヤを編んだり絡ませて薄板状のスポンジ状に形成したものなどを用いてもよい。
図7に示すように、第1の摺動電極50が摺接するベース部材10の箇所Sは、導電部分と、導電部分を覆う絶縁層とで構成されている。
本実施の形態では、図6に示すように、ベース部材10は、導電性を有する金属材料で構成された基体1002と、基体1002が外方に臨む外面を覆う絶縁材料からなる塗装層1004とで構成されている。
したがって、第1の摺動電極50が摺接するベース部材10の箇所は、本実施の形態では、基体1002部分と塗装層1004の部分とで構成され、基体1002部分が導電部分を構成し、塗装層1004部分が絶縁層を構成している。
本実施の形態では、図6に示すように、ベース部材10は、導電性を有する金属材料で構成された基体1002と、基体1002が外方に臨む外面を覆う絶縁材料からなる塗装層1004とで構成されている。
したがって、第1の摺動電極50が摺接するベース部材10の箇所は、本実施の形態では、基体1002部分と塗装層1004の部分とで構成され、基体1002部分が導電部分を構成し、塗装層1004部分が絶縁層を構成している。
また、図5に示すように、第1のシャーシ22と第2のシャーシ32との間には、第1のシャーシ22および第2のシャーシ32の一方に取着され、かつ、第1のシャーシ22および第2のシャーシ32の他方に摺接可能に設けられた2つの第2の摺動電極60が設けられている。
本実施の形態では、第2の摺動電極60は、それぞれ第1のシャーシ22に対して電気的に接続された状態で取着され、かつ、それぞれ第2のシャーシ32に摺接可能に設けられている。
また、第2の摺動電極60は、第1のシャーシ22の2つの側壁2204の上端にそれぞれ取着され、2つの側壁2204の上端が臨む第2のシャーシ32の側面の箇所に摺接している。
第2の摺動電極60は第1の摺動電極50と同様に、導電性と弾力性を有する材料で形成されている。
本実施の形態では、第2の摺動電極60は、それぞれ第1のシャーシ22に対して電気的に接続された状態で取着され、かつ、それぞれ第2のシャーシ32に摺接可能に設けられている。
また、第2の摺動電極60は、第1のシャーシ22の2つの側壁2204の上端にそれぞれ取着され、2つの側壁2204の上端が臨む第2のシャーシ32の側面の箇所に摺接している。
第2の摺動電極60は第1の摺動電極50と同様に、導電性と弾力性を有する材料で形成されている。
図8に示すように、第2の摺動電極60が摺接する第2のシャーシ32の箇所は、導電部分と、導電部分を覆う絶縁層とで構成されている。
本実施の形態では、第2のシャーシ32は、合成樹脂材料に導電性を有する金属メッキが施されて形成された基体3202と、基体3202が外方に臨む外面を覆う絶縁材料からなる塗装層3204とで構成されている。
したがって、第2の摺動電極60が摺接する第2のシャーシ32の箇所は、本実施の形態では、基体3202部分と塗装層3204の部分とで構成され、基体3202部分が導電部分を構成し、塗装層3204部分が絶縁層を構成している。
本実施の形態では、第2のシャーシ32は、合成樹脂材料に導電性を有する金属メッキが施されて形成された基体3202と、基体3202が外方に臨む外面を覆う絶縁材料からなる塗装層3204とで構成されている。
したがって、第2の摺動電極60が摺接する第2のシャーシ32の箇所は、本実施の形態では、基体3202部分と塗装層3204の部分とで構成され、基体3202部分が導電部分を構成し、塗装層3204部分が絶縁層を構成している。
次に作用について説明する。
図5に示すように、第1のシャーシ22に電気的に接続された第1の摺動電極50がベース部材10に摺接した状態では、第1の摺動電極50とベース部材10が塗装層1004を挟んで対面することにより、第1の摺動電極50とベース部材10の間に静電容量が形成され、言い換えると、図9、図10に示すように、第1のシャーシ22とベース部材10が静電容量C1を介して接続される。
同様に、第1のシャーシ22に電気的に接続された第2の摺動電極60が第2のシャーシ32の摺接した状態では、第2の摺動電極60と第2のシャーシ32が塗装層3204を挟んで位置することにより、第2の摺動電極60と第2のシャーシ32の間に静電容量が形成され、言い換えると、図9、図10に示すように、第1のシャーシ22と第2のシャーシ32が静電容量C2を介して接続される。
言い換えると、第1のシャーシ22とベース部材10が静電容量C1を介して高周波的にショートされ、第1のシャーシ22と第2のシャーシ32が静電容量C2を介して高周波的にショートされる。
したがって、本実施の形態によれば、第1のシャーシ22とベース部材10の間に形成される不要輻射の帯域におけるインピーダンスZ1、Z3を静電容量C1によって下げることができ、第1のシャーシ22と第2のシャーシ32の間に形成される不要輻射の帯域におけるインピーダンスZ2、Z4を静電容量C2によって下げることができる。
不要輻射の帯域においてインピーダンスZ1乃至Z4を下げると、ベース部材10、第1のシャーシ22、第2のシャーシ32の間の電位(グランド電位)を互いに同電位に保つことができる。
そのため、第1、第2の摺動電極50、60を設けるといった極めて簡単な構造で、ベース部材10、第1のシャーシ22、第2のシャーシ32が放射アンテナを構成して不要輻射の帯域における共振を起こすことを防止できる。
したがって、各ノイズ源16A、36Aから発生するノイズがカメラ装置100から不要輻射として発生して周囲の電子機器に妨害を与えることを効果的に防止できる。
図5に示すように、第1のシャーシ22に電気的に接続された第1の摺動電極50がベース部材10に摺接した状態では、第1の摺動電極50とベース部材10が塗装層1004を挟んで対面することにより、第1の摺動電極50とベース部材10の間に静電容量が形成され、言い換えると、図9、図10に示すように、第1のシャーシ22とベース部材10が静電容量C1を介して接続される。
同様に、第1のシャーシ22に電気的に接続された第2の摺動電極60が第2のシャーシ32の摺接した状態では、第2の摺動電極60と第2のシャーシ32が塗装層3204を挟んで位置することにより、第2の摺動電極60と第2のシャーシ32の間に静電容量が形成され、言い換えると、図9、図10に示すように、第1のシャーシ22と第2のシャーシ32が静電容量C2を介して接続される。
言い換えると、第1のシャーシ22とベース部材10が静電容量C1を介して高周波的にショートされ、第1のシャーシ22と第2のシャーシ32が静電容量C2を介して高周波的にショートされる。
したがって、本実施の形態によれば、第1のシャーシ22とベース部材10の間に形成される不要輻射の帯域におけるインピーダンスZ1、Z3を静電容量C1によって下げることができ、第1のシャーシ22と第2のシャーシ32の間に形成される不要輻射の帯域におけるインピーダンスZ2、Z4を静電容量C2によって下げることができる。
不要輻射の帯域においてインピーダンスZ1乃至Z4を下げると、ベース部材10、第1のシャーシ22、第2のシャーシ32の間の電位(グランド電位)を互いに同電位に保つことができる。
そのため、第1、第2の摺動電極50、60を設けるといった極めて簡単な構造で、ベース部材10、第1のシャーシ22、第2のシャーシ32が放射アンテナを構成して不要輻射の帯域における共振を起こすことを防止できる。
したがって、各ノイズ源16A、36Aから発生するノイズがカメラ装置100から不要輻射として発生して周囲の電子機器に妨害を与えることを効果的に防止できる。
また、本実施の形態では、第1の摺動電極50が摺接する箇所が塗装層1004であり、第2の摺動電極60が摺接する箇所が塗装層3204であるため、特殊な構造をベース部材10や第1、第2のシャーシ22、32に設ける必要がないため、カメラ装置100の設計やデザインの自由度を確保する上で有利となる。
また、第1の摺動電極50は、塗装層1004を介してベース部材10の導電部分に摺接し、第2の摺動電極60は、塗装層3204を介して第2のシャーシ22の導電部分に摺接するため、摺動電極と導電部分とが静電容量で結合されている。
したがって、摺動電極と導電部分とが直接電気的に接触する場合と異なり、摺動電極と導電部分とが摺動しても接触した箇所に直流電流が流れることがなく、電気抵抗の変動が生じて低周波の電磁波ノイズが発生することもないため、不要輻射の発生を確実に防止する上でより有利となる。
また、第1の摺動電極50は、塗装層1004を介してベース部材10の導電部分に摺接し、第2の摺動電極60は、塗装層3204を介して第2のシャーシ22の導電部分に摺接するため、摺動電極と導電部分とが静電容量で結合されている。
したがって、摺動電極と導電部分とが直接電気的に接触する場合と異なり、摺動電極と導電部分とが摺動しても接触した箇所に直流電流が流れることがなく、電気抵抗の変動が生じて低周波の電磁波ノイズが発生することもないため、不要輻射の発生を確実に防止する上でより有利となる。
次に、実験結果について説明する。
図11は第1、第2の摺動電極50、60を設けていないカメラ装置100の不要輻射の測定結果を示す図、図12はガスケットで構成された第1、第2の摺動電極50、60を設けたカメラ装置100の不要輻射の測定結果を示す図、図13はラミネート構造の第1、第2の摺動電極50、60を設けたカメラ装置100の不要輻射の測定結果を示す図である。
図11乃至図13において横軸は電磁波の周波数(MHz)、縦軸は電磁波の測定レベル(dB(μV/m))を示す。
図11と、図12、図13とを比較すると、第1、第2の摺動電極50、60による不要輻射対策を実施することにより、不要輻射のレベルが大きく低減していることがわかる。
特に、図11では、300MHz近辺に不要輻射のレベルの大きなピークが生じている。本例では、接続ケーブル42のケーブル長が約1mであることからその共振周波数が約300MHzであり、接続ケーブル42がアンテナとして作用しているものと考えられる。
図12、図13を見ると、300MHz近辺のピークが大きく低減しており、第1、第2の摺動電極50、60による不要輻射対策が有効であることがわかる。
図11は第1、第2の摺動電極50、60を設けていないカメラ装置100の不要輻射の測定結果を示す図、図12はガスケットで構成された第1、第2の摺動電極50、60を設けたカメラ装置100の不要輻射の測定結果を示す図、図13はラミネート構造の第1、第2の摺動電極50、60を設けたカメラ装置100の不要輻射の測定結果を示す図である。
図11乃至図13において横軸は電磁波の周波数(MHz)、縦軸は電磁波の測定レベル(dB(μV/m))を示す。
図11と、図12、図13とを比較すると、第1、第2の摺動電極50、60による不要輻射対策を実施することにより、不要輻射のレベルが大きく低減していることがわかる。
特に、図11では、300MHz近辺に不要輻射のレベルの大きなピークが生じている。本例では、接続ケーブル42のケーブル長が約1mであることからその共振周波数が約300MHzであり、接続ケーブル42がアンテナとして作用しているものと考えられる。
図12、図13を見ると、300MHz近辺のピークが大きく低減しており、第1、第2の摺動電極50、60による不要輻射対策が有効であることがわかる。
なお、本実施の形態では、第1、第2の摺動電極50、60をそれぞれ2つずつ設けた場合について説明したが、第1、第2の摺動電極50、60の数は任意である。
ただし、第1、第2の摺動電極50、60と導電部分との間に形成される静電容量を、ベース部材10、第1のシャーシ22、第2のシャーシ32の表面の全域に分散して配置すると、ベース部材10、第1のシャーシ22、第2のシャーシ32の表面電位をより均一に分布させることができ、不要輻射をより確実に低減させる上で有利となる。
また、第1、第2の摺動電極50、60と導電部分との間に形成される静電容量は、第1、第2の摺動電極50、60と導電部分が摺接する面積に比例し、第1、第2の摺動電極50、60と導電部分の間の距離に反比例する。
したがって、なるべく大きな静電容量を確保する上で、第1、第2の摺動電極50、60としては、導電材料が絶縁体で覆われない構造のものが最も有利であり、導電材料の表面を合成樹脂製の薄い絶縁体で覆ったラミネート構造の場合には絶縁体の厚さが薄いほど有利である。
また、本実施の形態では、第1の摺動電極50が摺接する箇所や第2の摺動電極60が摺接する箇所のみならず、ベース部材10、第1、第2のシャーシ22、32の全体が、基体と、基体が外方に臨む外面を覆う絶縁層とで構成され、基体は、合成樹脂材料に導電性を有する金属メッキが施されて形成され、または、導電性を有する金属材料で形成されている場合について説明したが、本発明では、少なくとも第1の摺動電極50が摺接する箇所と第2の摺動電極60が摺接する箇所のみが、上述の構成を有していればよい。
ただし、第1、第2の摺動電極50、60と導電部分との間に形成される静電容量を、ベース部材10、第1のシャーシ22、第2のシャーシ32の表面の全域に分散して配置すると、ベース部材10、第1のシャーシ22、第2のシャーシ32の表面電位をより均一に分布させることができ、不要輻射をより確実に低減させる上で有利となる。
また、第1、第2の摺動電極50、60と導電部分との間に形成される静電容量は、第1、第2の摺動電極50、60と導電部分が摺接する面積に比例し、第1、第2の摺動電極50、60と導電部分の間の距離に反比例する。
したがって、なるべく大きな静電容量を確保する上で、第1、第2の摺動電極50、60としては、導電材料が絶縁体で覆われない構造のものが最も有利であり、導電材料の表面を合成樹脂製の薄い絶縁体で覆ったラミネート構造の場合には絶縁体の厚さが薄いほど有利である。
また、本実施の形態では、第1の摺動電極50が摺接する箇所や第2の摺動電極60が摺接する箇所のみならず、ベース部材10、第1、第2のシャーシ22、32の全体が、基体と、基体が外方に臨む外面を覆う絶縁層とで構成され、基体は、合成樹脂材料に導電性を有する金属メッキが施されて形成され、または、導電性を有する金属材料で形成されている場合について説明したが、本発明では、少なくとも第1の摺動電極50が摺接する箇所と第2の摺動電極60が摺接する箇所のみが、上述の構成を有していればよい。
10……ベース部材、22……第1のシャーシ、32……第2のシャーシ、40……カメラ、50……第1の摺動電極、60……第2の摺動電極、100……カメラ装置、L1……第1の仮想軸、L2……第2の仮想軸。
Claims (6)
- ベース部材と、
前記ベース部材を通る第1の仮想軸の回りに回転可能に前記ベース部材に組み付けられた第1のシャーシと、
前記第1の仮想軸と交差する平面上を延在する第2の仮想軸の回りに回転可能に前記第1のシャーシに組み付けられた第2のシャーシと、
前記第2のシャーシに組み付けられ被写体の撮影を行うカメラとを備えたカメラ装置であって、
前記ベース部材と第1のシャーシとの間には、前記ベース部材および前記第1のシャーシの一方に取着され、かつ、前記ベース部材および前記第1のシャーシの他方に摺接可能に設けられた第1の摺動電極が設けられ、
前記第1のシャーシと第2のシャーシとの間には、前記第1のシャーシおよび前記第2のシャーシの一方に取着され、かつ、前記第1のシャーシおよび前記第2のシャーシの他方に摺接可能に設けられた第2の摺動電極が設けられ、
前記第1の摺動電極が摺接する前記ベース部材および前記第1のシャーシの他方の箇所は、導電部分と、前記導電部分を覆う絶縁層とで構成され、
前記第2の摺動電極が摺接する前記第1のシャーシおよび前記第2のシャーシの他方の箇所は、導電部分と、前記導電部分を覆う絶縁層とで構成されている、
ことを特徴とするカメラ装置。 - 前記ベース部材、第1、第2のシャーシは、基体と、前記基体が外方に臨む外面を覆う絶縁層とで構成され、前記基体は、合成樹脂材料に導電性を有する金属メッキが施されて形成され、または、導電性を有する金属材料で形成されていることを特徴とする請求項1記載のカメラ装置。
- 前記ベース部材、第1、第2のシャーシは、基体と、前記基体が外方に臨む外面を覆う絶縁層とで構成され、
前記基体は、合成樹脂材料に導電性を有する金属メッキが施されて形成され、または、導電性を有する金属材料で形成され、
前記第1の摺動電極が摺接する前記ベース部材および前記第1のシャーシの他方の箇所を構成する前記導電部分は、前記金属メッキの部分により、または、前記導電性を有する金属材料の部分で構成され、
前記第2の摺動電極が摺接する前記第1のシャーシおよび前記第2のシャーシの他方の箇所を構成する前記導電部分は、前記金属メッキの部分により、または、前記導電性を有する金属材料の部分で構成されていることを特徴とする請求項1記載のカメラ装置。 - 第1の摺動電極は、前記第2のシャーシに取着され、前記ベース部材上を摺接することを特徴とする請求項1記載のカメラ装置。
- 第2の摺動電極は、前記第2のシャーシに取着され、前記第1のシャーシ上を摺接することを特徴とする請求項1記載のカメラ装置。
- 前記第1のシャーシは、前記ベース部材上で前記第1の仮想軸の回りに回転可能に設けられた外ケースの内側に収容され、前記第2のシャーシは、前記外ケースの内側に前記第2の仮想軸の回りに回転可能に設けられた内ケースの内側に収容されていることを特徴とする請求項1記載のカメラ装置。
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Cited By (1)
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JP2008244834A (ja) * | 2007-03-27 | 2008-10-09 | Ricoh Co Ltd | アクセサリー装置および撮像装置 |
-
2005
- 2005-07-27 JP JP2005216807A patent/JP2007036651A/ja active Pending
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