JP2006524920A - 伝導性導通チャネルを含む物品 - Google Patents

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Abstract

実質的に透明な導電性材料(4)を含む複数の一体的なポリマー導通路を含む非導電性ポリマー材料(2)の層を含んで成る物品を開示する。

Description

本発明は、透明なパターン化された伝導性シートであって、当該伝導性シートの面内に導通路を形成するように調整された伝導性シートに関する。
電子装置がより小さくなるにつれて、極めて微細なピッチでの精密な電気的接続に関する要求がますます高まっている。一例として、集積回路などの半導体は、ウェハー上に形成された後、基板上に個別に搭載可能なダイスまたはチップに切断される。典型的には、基板は、微細な導電性回路線を有して、基板とチップの間で電気的および熱的な接続が生じなければならない。電子製品(例えば、コンピューター、テープデッキ、テレビ、電話その他の製品)は、より小さく、より薄く、より持ち運びしやすいものになっており、半導体についての寸法要求、及び半導体と基板の間またはフレキシブル回路と硬いプリント回路の間に電気的接続を提供する手段についての要求はますます厳しくなっている。
2つの電気阻止間に導電性を提供するための1つの方法は、Z軸接着剤などのZ軸伝導性シート材料の使用によるものである。かかるシート材料がエラストマーであろうと接着剤であろうと、電子産業における小型化に後れを取らないようにするという課題が引き続き存在する。Z軸伝導性は、伝導性粒子をバインダーマトリックス全体に分散することなどの多くの手段によって達成できる。非常に微細なピッチでの電気的接続が要求される場合、電極が位置する場所のみに伝導性要素を配置する(典型的には、電極に伝導性シートを割送る必要がある)か、または電極の間隔に対して狭い間隔で伝導性要素を配置すること(この場合には、上記の割送りは必要とされない)ができる。米国特許第5,087,494号(カルホーン(Calhoun)ら)は、微細なピッチで正確な位置に配置された伝導性粒子を有する導電性接着テープの一例である。カルホーンらの上記公報には、導電性接着テープについての多くの考え得る選択肢も論議されている。
米国特許第4,008,300号(ポン(Ponn))及び米国特許第3,680,037号(ネリス(Nellis)ら)には、シートの両面の間に延びる複数の圧縮可能な弾性伝導性プラグを有する誘電シート材料が教示されている。かかるシートを回路間に配置して、それらの間に電気的接続を生じさせることができる。ポン及びネリスの伝導性プラグは、バインダー材料中に伝導性粒子を含む分散体である。
他の特許には、磁界を印加することによってバインダー中に分散した磁性粒子を配向させることが教示されている[例えば、米国特許第4,448,837号(イケイド(Ikade)ら)、同第4,546,037号(キング(King))、同第4,548,862号(ハートマン(Hartman))、同第4,644,101号(ジン(Jin)ら)、及び同第4,838,347号(デンティニ(Dentinni))]。配向し硬化した後の粒子の分布は、特定の用途において機能するのに十分に均一であるが、他の用途には不十分である。より微細なピッチ接続によってより小さな間隔を達成しようとする際に、上記物品の中で使用される粒子の数を増やそうとすれば、おそらく凝集が生じ、それによって短絡が生じるであろう。従って、極めて微細なピッチでは、精密な方法で2つの表面間での電気的な相互接続を提供する微細なピッチ手段の必要がある。
米国特許第5,522,962号には、厚さ方向にわたり伝導性であるが、横方向では絶縁性である伝導性シートが開示されている。伝導性材料が開示されているものの、それらの材料は、低い光透過率を有する傾向があり、そのため、液晶ディスプレイなどの透過装置においてあまり有用ではない。さらに、この特許で用いられている伝導性材料は、バインダーに被覆された伝導性強磁性粒子である。
冷却ロールを作製するための一つの公知の方法は、機械的型彫り法を使用して主表面パターンを作製することを伴う。型彫り法では、表面にツールラインを生じる心狂い、費用及び時間のかかる処理等の多くの制限がある。そのため、冷却ロールを製造するのに機械的型彫りを使用しないことが望ましい。
米国特許第6,285,001号(フレミング(Fleming)等)は、融除された基板上の反復微細構造の均一性を向上させるか又は融除された基板上に三次元微細構造を作製するために、基板のエキシマレーザーアブレーションを用いる露光法に関する。この方法を、複雑なランダム三次元構造を作製するのに有用なマスター冷却ロールの作製に適用することは困難であり、また非常に費用がかかる。
米国特許第6,124,974号(バーガー(Burger))では、リソグラフィ法を用いて基板が作製される。このリソグラフィ法を、一連のフォトマスクについて繰り返し、所望のレンズに対応する三次元レリーフ構造を生じさせる。マスターを形成してプラスチックフィルムに三次元形状を作製するこの方法は、時間がかかるとともに、非常に費用がかかる。
共役系導電性ポリマー、導電性カーボン粒子、結晶性半導体粒子、非晶質半導電性フィブリル及び連続半導電性薄膜などの電子伝導体を含む伝導性層は、それらの導電性が、相対湿度には無関係であり、周囲温度の影響をわずかに受けるにすぎないために、静電荷を散逸させるのにイオン伝導体よりも有効に使用できる。上述した各種電子伝導体のうち、半導電性金属酸化物粒子などの導電性金属含有粒子が、米国特許第5,340,676号、同第5,466,567号及び同第5,700,623号に記載されているような非皮膜形成性粒子と組み合わせて好適なポリマー皮膜形成性バインダー中に分散された場合に、特に有効である。適切なドナー異種原子をドープした又は酸素欠陥を含む二元金属酸化物は、写真要素用の帯電防止層に有用であるとして、例えば、米国特許第4,275,103号、同第4,416,963号、同第4,495,276号、同第4,394,441号、同第4,418,141号、同第4,431,764号、同第4,495,276号、同第4,571,361号、同第4,999,276号、同第5,122,445号、同第5,294,525号、同第5382494号、同第5459021号、同第5,484,694号その他に記載されている。特許請求されている好適な導電性金属酸化物としては、酸化亜鉛、チタニア、酸化錫、アルミナ、酸化インジウム、シリカ、マグネシア、ジルコニア、酸化バリウム、三酸化モリブデン、三酸化タングステン及び五酸化バナジウムが挙げられる。好ましいドープされた導電性金属酸化物顆粒状粒子には、アンチモンドープ酸化錫、フッ素ドープ酸化錫、アルミニウムドープ酸化亜鉛、及びニオブドープチタニアが含まれる。米国特許第5,368,995号に開示されているさらに好ましい導電性三元金属酸化物には、アンチモン酸亜鉛及びアンチモン酸インジウムが含まれる。ホウ化物、炭化物、窒化物及びケイ化物などの他の導電性金属含有顆粒状粒子が特開平04−055492号公報に開示されている。
米国特許第6,077,655号、同第6,096,491号、同第6,124,083号、同第6,162,596号、同第6,187,522号及び同第6,190,846号その他には、伝導性ポリマーを含有する導電性層を含む動画フィルム等の画像形成要素が記載されている。かかる導電性ポリマーの1つは、導電性3,4−ジアルコキシ置換ポリチオフェンスチレンスルホネート錯体を含む。
透過型ディスプレイ装置における使用のために透明であるとともに摩耗又は過酷な周囲条件から保護された導電性シートが依然として求められている。
本発明は、実質的に透明な伝導性材料を含む複数の一体的な導通チャネルを含む非伝導性ポリマー材料の層を含んで成る物品及び前記物品を含むディスプレイを提供する。本発明には、前記物品の製造方法も含まれる。
本発明は、改善された光透過率を示すとともに伝導性導通路を備えた製造が容易な物品を提供する。また、本発明は、摩耗又は過酷な周囲条件、例えば表示装置に典型的な条件から、デリケートな透明伝導性コーティングを保護するための手段を提供する。
図は、伝導性材料と保護層を含む伝導性導通路を有するシート8の断面図である。透明ポリマーベースシート2はW形導通路を含む。透明な伝導性ポリマー4は、このW形導通路の底部に適用される。保護材料6は、摩耗及び汚染から伝導性ポリマーを保護するために伝導性ポリマー4に適用される。さらに、保護材料6は、引っ掻き傷が電流又は信号の流れの寸断を引き起こすことがあるため、伝導性ポリマー4の電気的信頼性を保護する。好ましいW形導通路は、伝導性層4中に電流及び信号ための二重経路の生成を可能にし、図1中の伝導性シートのための望ましい電気的冗長性を生じる。さらに、W形導通路は、平坦な底部を有する導通路と比べて導通路の底部に対する導電性ポリマーの接着性を向上させることが判った。伝導性シート8に入射した光エネルギーは、ベースシート2、透明な伝導性材料4及び透明な保護材料6を伝わる。
本発明は、当該技術分野における従来の手段よりも多くの有利な点を有する。本発明は、導電性シート材料であって、当該シートの面内で伝導性であるとともに当該シートの方向に垂直な光エネルギーに対しては透明である導電性シート材料を提供する。横方向では絶縁性熱可塑性材料により相隔てられた伝導性導通路は、起点から目的地点まで電気を送るための精密な経路を提供する。パターン化され、かつ、可視光に対して透明な伝導性シートは、薄膜スイッチ、高周波アンテナ、表示装置、半導体と基板との間又はフレキシブル回路と硬い印刷回路との間の接続具に使用できる。当該伝導性材料は透明であるため、本発明の物品又はシートは、インクジェット印刷画像などの画像形成層と組み合わせて利用することもできる。
導通チャネルは、ポリマーシート(好適には熱可塑性)の平面又は上側表面よりも下に位置し、所望の入力及び出力特性が得られるように様々なサイズ及び形状で形成できる。導通路はポリマー製であるため、かかる導通路は、例えば互いに垂直な導通路、曲がった導通路、円形の導通路、又は幾つかの論理点で接続した導通路などといった、様々な配向をとることもできる。
本発明における伝導性導通路は、当該導通路中に含まれる導電性材料に対する保護を与える。本発明の導電性材料を保護することによって、導電性材料の引っ掻き、摩耗及び汚染は、支持体表面に存在する従来技術の伝導性パターンよりも著しく減少する。導電性材料の引っ掻きは、1つ又はそれ以上の導通路の導電性の望ましくない寸断を引き起こして装置の不具合の原因となる。本発明の導電性材料は導通路内に含まれているため、かかるコーティングは補助的なコーティングによりさらに保護され、例えばコレステリック液晶のためのコーティング面を生じる。
熱可塑性材料は良好な化学的及び熱的抵抗性を提供するが、クレイなどのナノ複合材料を導通路に添加することによって、当該伝導性シートの透過性を著しく低減することなく、耐熱性、電気絶縁性及び耐摩耗性がさらに向上する。伝導性導通路又は導電性材料を含む絶縁性熱可塑性構造体のいずれかに顔料又は染料を添加することによって、本発明の伝導性シートは、着色透過光エネルギーを提供するか、あるいは例えば一時停止の道路標識である用語「停止」などのパターンを含むことができる。これら及び他の利点は以下の詳細な説明から明らかになるであろう。
用語「LCD」は、液晶を利用して画像を形成するリアプロジェクション型表示装置を意味する。用語「ディフューザ」は、鏡面反射光(主方向を有する光)を拡散して拡散光(ランダムな光方向を有する光)とすることができる材料を意味する。用語「光」は、可視光を意味する。用語「拡散光透過率」は、光源の500nmの光の総量に対する、500nmでの拡散透過光百分率を意味する。用語「総光透過率」は、光源の500nmの光の総量に対する、500nmでの試料を透過した光の百分率を意味する。これは、鏡面反射光と拡散光の両方の透過率を含む。用語「拡散光透過効率」は、500nmでの総透過光百分率に対する500nmでの拡散透過光百分率の比に100をかけた値を意味する。用語「高分子フィルム」は、ポリマーを含むフィルムを意味する。用語「ポリマー」は、ホモポリマーおよびコポリマーを意味する。レンズのサイズおよび頻度について、用語「平均」は、全フィルム表面積についての算術平均を意味する。
「透明」とは、500nmでの総光透過率が70%以上であるシートを意味する。「導通路」又は「導通チャネル」とは、本発明のシート中の深い溝、筋又は溝を意味する。シート中の導通路は本発明において有用な伝導性材料を含む。導通路の厚さは0.5〜100マイクロメートルである。導通路の方向は概して当該シートの面内にあるが、当該シートの導通路の深さは様々な値をとることができる。シートの面内の導通路は、規則的な列もしくは配列、事実上ランダム、直線状、曲線状、円形、楕円形、四角形、三角形、正弦曲線、又は方形波であることができる。導通路は、一般的に、起点から始まって終点で終わる。導通路は不連続であっても交差していてもよい。シート中に1又はそれ以上の導通路が存在していてよい。任意の方向での導通路の頻度は1導通路/cm〜1000導通路/cmである。
導電性なる用語は、材料が電流を伝える能力を意味する。導電率は抵抗率の逆である。抵抗率はオーム・メートル単位で求められる。支持体上にコートされた伝導性層の表面抵抗を表す1つの手法は、表面電気抵抗率又はSERによるものである。SERは、オーム/□単位で求められる。本発明において使用される伝導性材料は、一般的に、5000オーム・メートル未満の抵抗率を有する。本発明において使用される伝導性層は、一般的に、5000オーム/□未満のSER測定値を有する。
電流を伝導するようにパターン化され、かつ、可視光に対して透明であるシートを提供するには、実質的に透明な伝導性材料を含む複数の一体的なポリマー導通路を含むポリマー層を含んで成る物品が好ましい。ポリマー導通路は、共に透明かつ導電性である当該導通路と当該導通路中に含まれる材料との間に電気的絶縁を与える。導通路中の材料は伝導性かつ透明であるために、本発明の物品は、導電性と可視光に対する透明性が要求される用途で利用できる。透明な伝導性材料を含む複数の導通路を含むシートについての用途の例としては、電圧が印加された導通路の電場によりコレステリック液晶の配向を変化させるコレステリック液晶の被覆層を利用する単純なディスプレイ、照明光エネルギーが伝導性導通路を透過する背面照明型時計電子機器、及び透明な非表示高周波アンテナが挙げられる。
好ましい伝導性材料は伝導性ポリマーを含む。伝導性ポリマーは望ましい可視光透明特性を有し、適用に真空堆積法を利用する従来技術の金属製導体と比較してロール−ツーロール方式で容易に導通路内にコートでき、5000オーム・メートル未満、より典型的には0.01〜5000オーム・メートルの範囲の抵抗率を有し、そして透明染料などの添加剤を含むことができるために、伝導性ポリマーが好ましい。さらに、本発明において有用な上記伝導性ポリマーは、ポリマーシートの深部に位置するポリマー導通路の底部に対する接着性に優れることが判った。
高い可視光透過率を有する導電性導通路を提供するために、伝導性ポリマーは、置換又は非置換アニリン含有ポリマー、置換又は非置換ピロール含有ポリマー、置換又は非置換チオフェン含有ポリマーから成る群から選択される。上記ポリマーは、望ましい伝導性、導通路に対する接着性、及び高い光透過性を提供する。
上記導電性ポリマーの中で、ポリピロールをベースとするもの及びポリチオフェンをベースとするものが、最適な電気的及び光学的特性を与えるために、特に好ましい。
本発明に対して特に好ましい導電性ポリマーはポリチオフェンをベースとしたものである。その理由は、主として、それを大量に商業的に入手できることにある。
本発明の導電性材料は、共役ポリマー主鎖成分を有する導電性ポリチオフェンと高分子ポリアニオン成分を含有するポリチオフェン/ポリアニオン組成物を含むコーティング組成物から好ましくはコートされる。本発明に従って使用するのに好ましいポリチオフェン成分は、少なくとも1個のアルコキシ基、例えば、C1−C12のアルコキ基又は−O(CH2CH2O)n CH3基(ここで、nは1〜4である)で置換されたチオフェン核を有するか、あるいは該チオフェン核が2個の酸素原子を介して閉環している場合には、アルキレン基(置換された形態にあるかかる基を含む)で置換されたチオフェン核を有する。本発明に従って用いるのに好ましいポリチオフェンは、以下の一般式(I)に対応する構造単位から構成されていてよい。
Figure 2006524920
上記式中、R1及びR2のそれぞれは、独立に、水素又はC1-4アルキル基を表わすか、あるいは一緒になって任意選択的に置換されていてもよいC1-4アルキレン基、好ましくはエチレン基、任意選択的にアルキル置換されていてもよいメチレン基、必要に応じてC1-12アルキルもしくはフェニルにより置換された1,2−エチレン基、1,3−プロピレン基又は1,2−シクロへキシレン基を表わす。導電性ポリチオフェン/ポリアニオン組成物の調製及びポリアニオンの存在下に合成されるポリチオフェン水性分散液の調製、並びにかかる分散液からの帯電防止コーティングの調製は、欧州特許第0 440 957号明細書(および対応する米国特許第5,300,575号明細書)並びに例えば米国特許第5,312,681号、同第5,354,613号、同第5,370,981号、同第5,372,924号、同第5,391,472号、同第5,403,467号、同第5,443,944号及び同第5,575,898号明細書に記載されている。
高分子ポリアニオン化合物の存在下での導電性ポリチオフェンの調製は、例えば、好ましくは必要に応じてある量の有機溶媒を含む水性媒体中で、0℃〜1000℃の温度で、ピロールの酸化的重合に通常使用される酸化剤により及び/又はポリ酸の存在下に酸素若しくは空気により、下記一般式(II):
Figure 2006524920
(上記式中、R1及びR2は、一般式(I)で定義したとおりである)により表される3,4−ジアルコキシチオフェン又は3,4−アルキレンジオキシチオフェンの酸化重合によって進行させることができる。上記ポリチオフェンは、酸化重合によって正の電荷を獲得するが、かかる電荷の位置および数は確実に決定することはできないため、かかるポリチオフェンポリマーの繰り返し単位の一般式には電荷を書けない。酸化剤として空気又は酸素を用いる場合には、これらの導入は、チオフェン、ポリ酸、および必要に応じて触媒量の金属塩を含む溶液中で、その重合が完了するまで進行する。ピロールの酸化重合に好適な酸化剤は、例えば、J.Am.Soc.第85巻、第454号(1963年)に記載されている。安価で取り扱い易い酸化剤が好ましく、例えば、FeCl3、Fe(ClO43 並びにH22 2Cr27のような有機残基を含む有機酸及び無機酸の鉄(III)塩などの鉄(III)塩、過硫酸アンモニウム若しくはアルカリ塩、過硼酸アルカリ塩、過マンガン酸カリウム、およびテトラフルオロ硼酸銅などの銅塩が好ましい。理論的には、チオフェン1モル当たり2.25当量の酸化剤がかかる酸化重合に必要である(J. Polym.Sci.Part A,Polymer Chemistry,第26巻,第1287頁(1988年)参照)。しかしながら、実際には、酸化剤は、ある過剰量、例えばチオフェン1モル当たり0.1〜2当量過剰に用いられる。
上記重合に関して、前記一般式(II)に対応するチオフェン、ポリ酸および酸化剤は、有機溶剤または好ましくは水中に、溶解又は乳化させることができ、その結果得られる溶液又はエマルジョンは、所定の重合温度でその重合反応が完了するまで攪拌される。本発明で使用されるポリチオフェン/ポリアニオン組成物における高分子ポリアニオン成分に対するポリチオフェンポリマー成分の質量比は、広範囲にわたることができ、例えば、好ましくは約50/50〜15/85である。当該技術によって、0.5〜55質量%、そして好ましくは1〜10質量%の固形分を有する安定な水性のポリチオフェン/ポリアニオン分散液が得られる。重合時間は、バッチの大きさ、重合温度及び酸化剤の種類に応じて、数分間〜30分間であることができる。得られるポリチオフェン/ポリアニオン組成物分散液の安定性は、分散剤、例えば、米国特許第3,525,621号明細書に記載されているドデシルスルホネート、アルキルアリールポリエーテルスルホネートなどのアニオン界面活性剤の添加によって、重合中及び/又はその重合後に向上させることができる。分散液中のポリマー粒子の大きさは、典型的には、5nm〜1μmの範囲、好ましくは40〜400nmの範囲にある。
これらの導電性ポリマーの合成に使用されるポリアニオンは、高分子ポリカルボン酸のアニオン、例えばポリアクリル酸、ポリメタクリル酸又はポリマレイン酸、並びに高分子スルホン酸、例えばポリスチレンスルホン酸又はポリビニルスルホン酸である。本発明に対して好ましいものは、高分子スルホン酸である。これらのポリカルボン酸及びポリスルホン酸は、ビニルカルボン酸及びビニルスルホン酸と他の重合性モノマー、例えばアクリル酸のエステル及びスチレンとのコポリマーであることもできる。分散されたポリチオフェンポリマーと組み合わせて使用されるアニオン(酸性)ポリマーは好ましくは、前記ポリマー化合物に対して2質量%を超えるアニオン基含有量を有することが、分散液の十分な安定性を確保する上で好ましい。ポリアニオンを与えるポリ酸の分子量は好ましくは1,000〜2,000,000、より好適には2,000〜500,000である。ポリ酸又はそれらのアルカリ金属塩は、市販されているか(例えばポリスチレンスルホン酸及びポリアクリル酸)、あるいはそれらは既知の方法に基づいて製造できる。導電性ポリマー及びポリアニオンの形成に必要な遊離酸の代わりに、ポリ酸のアルカリ塩と適切な量のモノ酸の混合物を使用してもよい。
一般的な合成手順および組成物は上記のとおりであるが、本発明において使用されるポリチオフェン/ポリアニオン組成物はそれ自体新規ではなく、市販されている。本発明で使用するのに好ましい導電性ポリチオフェン/ポリアニオンポリマー組成物は、3,4−ジアルコキシ置換ポリチオフェン/ポリ(スチレンスルホネート)を含むが、最も好ましい導電性ポリチオフェン/ポリアニオンポリマー組成物は、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)/ポリ(スチレンスルホネート)であり、これは、Baytron PとしてBayer社から商業的に入手可能である。
他の好ましい導電性ポリマーとしては、米国特許第5,674,654号明細書及び米国特許第5,665,498号明細書にそれぞれ記載されているポリ(ピロールスチレンスルホネート)及びポリ(3,4−エチレンジオキシピロールスチレンスルホネート)が挙げられる。
水溶性ポリマー、アクリル系誘導体、スチレン、アクリロニトリル、ハロゲン化ビニル、ブタジエンなどの合成ラテックスポリマー、例えばアクリル系誘導体、スチレン、アクリロニトリル、ハロゲン化ビニル、ブタジエンなど、あるいは水分散性縮合ポリマー、例えばポリウレタン、ポリエステル、ポリエステルイオノマー、ポリアミド、エポキシドなどの、いかなるポリマー皮膜形成性バインダーも、導電層の結合性を改善し、かつ下層および/または上層に対する帯電防止層の付着性を改善するために、必要に応じて導電層中に使用できる。好ましいバインダーとしては、米国特許第6,124,083号明細書に開示されているような、ポリエステルアイオノマー、塩化ビニリデン含有共重合体及びスルホン化ポリウレタンが挙げられる。添加されるバインダーに対する導電性ポリチオフェン/ポリアニオン組成物の質量比は、100:0〜0.1〜99.9、好ましくは1:1〜1:20、そしてより好ましくは1:2〜1:20の範囲で変えてよい。使用される導電性の置換または非置換チオフェン含有ポリマーの乾燥付着量は、導電性ポリマーの固有伝導率およびバインダーに対する導電性ポリマーの質量比に依存する。このポリチオフェン/ポリアニオン組成物の導電性の置換又は非置換チオフェン含有ポリマー成分に係る乾燥付着量の好ましい範囲は約0.5mg/m2〜約3.5mg/m2 であり、この乾層付着量は、本発明の物品の色及び光学特性に及ぼす導電性ポリマーの影響を最低限に抑えつつ、望ましい電気抵抗率を与えるものでなければならない。
上記導電剤および高分子バインダーに加えて、本発明において有用な導電性材料は、架橋剤、有機極性溶剤、例えばN−メチルピロリドン、エチレングリコール若しくはジエチレングリコールなど、コーティング助剤、および界面活性剤、分散助剤、凝集助剤、殺生物剤、艶消粒子、染料、顔料、可塑剤、接着促進剤、特に、シラン及び/又はエポキシシランを含むもの、ワックス、および他の滑剤を含んでよい。上記伝導性コーティング配合物におけるコーティング助剤の通常の量は、例えば、全溶液重量に基づいて活性コーティング助剤0.01〜0.3質量%となる量である。これらのコーティング助剤は、典型的には、陰イオン性でも非イオン性でもよく、水性コーティングに利用される多くのものから選択できる。コーティング溶液の種々の成分は、相溶性を確保するため、混合前にpH調整すると好都合であろう。pH調整に通常使用される薬剤は、水酸化アンモニウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、テトラエチルアミン、硫酸、酢酸等である。
本発明において有用な導電性材料は、公知のコーティング技術、例えばロール塗布、グラビア塗布、エアーナイフ塗布、ロッド塗布、押出塗布、ブレード塗布、カーテン塗布、スライド塗布等のいずれかを用いて、水性又は有機溶剤コーティング配合物から塗布できる。塗布後に、各層は、一般的に、単純な蒸発によって乾燥されるが、これは、対流加熱などの公知の技術によって促進できる。公知の塗布及び乾層法は、1989年12月に発行されたResearch Disclosure、第308119項、第1007〜1008頁に更に詳細に記載されている。導通路中に導電性材料をコーティングするための好ましい方法は、当該導通路を含むシートをロールコーティングすることであり、これに続いて、導通路のピークと接触するスクレーピングブレード又はリバースロールにより溝のピークに位置する導電性材料を除去する。
本発明の好ましい態様において、導電性材料はゼラチンバインダー及び金属塩を含む。ゼラチンバインダーは、高い可視光透過性を与えること、ポリマー導通路に対する優れた接着性を有すること、及び、金属塩の粒子間に塩橋を構築するのを助ける水分を含むことが判った。好ましい金属塩の例としては、塩化ナトリウム、ヨウ化カリウム、塩化カルシウム、臭化カリウム、ヨウ化ナトリウム、塩化マグネシウム、塩化銀及びヨウ化銀が挙げられる。この特定の態様についての1つの興味ある側面は、ゼラチンの感湿性である。周囲の相対湿度が50%未満に変化するにつれて、ゼラチンの含水率は減少し、そのため、伝導性導通路の抵抗率は増加して、湿度に対して感受性のある伝導性回路となる。この特定の態様は、湿度の減少に応じて空気に水分を加えるシステムを制御する湿度センサーとして有用であろう。
伝導性材料について望ましい抵抗率は5000オーム・メートルである。伝導性材料について好ましい抵抗率は1000オーム・メートル未満、より好ましくは600オーム・メートル未満、非常に好ましくは0.01〜300オーム・メートルである。導通路内側の導電性層のSERでは、望ましい値は、5000オーム/□未満、好ましくは1000オーム/□未満、より好ましくは600オーム/□未満、非常に好ましくは300オーム/□未満である。
本発明において有用な伝導性材料はある程度の着色を呈する傾向があり、そのため透過光はある程度の濃度を有する傾向があるため、好ましい抵抗率のレベルがより低いほど、一般的に、濃度が増加し、光透過率がより小さくなる。例えば、ポリチオフェンの場合に1000オーム・メートルと100オーム・メートルの間の透過率の差は約5%である。高い透明性が求められる場合又は抵抗率がコレステリック液晶の配向を変化させるのにあまり重要ではない低コスト液晶ディスプレイ用途の場合には、好ましい抵抗率のレベルがより高いことが好ましい。
本発明は、複数のポリマー導通路がポリマーシートと一体的であるという点で、従来技術のパターン化シートよりも著しい利点がある。一体的なポリマー導通路は、シートと同じ材料組成を有する傾向があり、被覆された構造体を調べた場合に予想されるであろう明確な境界はない。一体的な導通チャネルは、導通路が一体的である、すなわち導通路がポリマーシートに適用されたというよりもポリマーシートの一部であるという点で、紫外線被覆硬化チャネルよりも利点がある。ポリマーシートに導通路が適用される場合には、チャネル材料とシート材料の間の熱膨張係数の差による離層及びクラッキングなどの望ましくない界面に関する問題を生じる。伝導性材料はある低いレベルの抵抗率を有するために、エネルギー損失は熱エネルギーに変換され、本発明の物品は温度変化にさらされ、予想され得る温度(−20℃〜100℃)での極端な周囲温度変化で問題は悪化する。一体的な導通路は同じ熱膨張係数を有するため、従来技術の界面に関する問題を欠点として有さず、望ましくないフレネル反射を生じる複数の光学面に関する問題を欠点として有さず、高い精密度で製造できる。
本発明の導通路中に含まれる導電性材料は好ましくはオーバーコート材料により保護される。導通路中の導電性材料を保護することによって、導通路中の導電性材料の引っ掻き及び離層が妨げられ、丈夫な伝導性シートとなる。さらに、導通路中の伝導性材料を保護することによって、保護層に隣接する二次的なコーティング表面をコーティング又は印刷に利用できる。コーティング又は印刷の例としては、画像形成層、印刷された膜状回路設計、コレステリック液晶材料用のコーティング、及び透過光の出力を制御するためのミクロレンズのアレイが挙げられる。
保護オーバーコート層は、好ましくは2Hを超える鉛筆硬度を有する。2Hを超える鉛筆硬度は、装置の集成又は実際の使用の間に生じ得る引っ掻き力の多くに耐える。オーバーコート層の引っ掻きは、透過光に望ましくない寸断をもたらして、本発明の光学的有用性を損なうであろう。保護オーバーコートは、好ましくは0.18マイクロメートル未満の表面粗さを有する、0.20マイクロメートルを超える表面粗さは、透過光を拡散し、例えば薄膜スイッチのバックライト強度を低下させることが分かった。さらに、0.18マイクロメートル未満の表面粗さは、補助的なコーティング又は印刷のための優れた表面を提供する。保護オーバーコートは、好ましくは5000オーム・メートルを超える抵抗率を有する。5000オーム・メートルを超える抵抗率は、回路の短絡、電流ドレイン又は望ましくない電場を防止するのに十分な電流抵抗をもたらす。保護オーバーコートは、このましくは40ダイン/cm2 未満の表面エネルギーを有する。40ダイン/cm2 未満の表面エネルギーを与えることによって、水や、導電性材料の抵抗率を変化させる他の水性溶剤は、オーバーコートの表面にビーズを形成して、容易に除去できる。保護オーバーコート層は、環境溶剤から画像を保護し、引っ掻きに耐え、光透過性に悪影響を及ぼさない好適な材料から成ることができる。保護オーバーコート層は好ましくは、均一なコーティング又はパターン様コーティングで導電性材料に適用される。本発明の好ましい態様において、保護オーバーコートを電場の存在下で適用し、最上部層に融着させて、透明ポリマー粒子により連続的なポリマー層を形成することが好ましい。電子写真トナーが適用されたポリマーが好ましい。なぜなら、薄い層を提供するのに有効な方法であるからである。
別の態様において、保護オーバーコート層は、水溶液からコーティングすることができ、後工程の融着工程で連続的な水不浸透性の保護層を形成する。この保護オーバーコート層は、平均粒度0.1〜50μmのポリマービーズ又は粒子をポリマーラテックスバインダーと共に、増感された写真製品の乳剤側にコーティングすることにより形成することが好ましい。必要に応じて、少量の水溶性コーティング助剤(粘性付与剤、界面活性剤)を当該層中に含めることができる。ただし、現像処理の間にそれらがコーティングから滲出してくることを条件とする。コーティング後、熱及び/又は圧力(融着)、溶剤処理、又は望ましい連続的な水不浸透性保護層が形成されるような他の手段によって、コーティングされたポリマービーズの溶融及び融合が起こるような手法でシートを処理する。
保護オーバーコート層に使用されるポリマー粒子を選択することのできる適切なポリマーの例として、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ(塩化ビニル−co−塩化ビニリデン)、塩素化ポリプロピレン、ポリ(塩化ビニル−co−酢酸ビニル)、ポリ(塩化ビニル−co−酢酸ビニル−co−無水マレイン酸)、エチルセルロース、ニトロセルロース、ポリ(アクリル酸)エステル、アマニ油変性アルキド樹脂、ロジン変性アルキド樹脂、フェノール変性アルキド樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル、ポリ(ビニルブチラール)、ポリイソシアネート樹脂、ポリウレタン、ポリ酢酸ビニル、ポリアミド、クロマン樹脂、ダンマルガム、ケトン樹脂、マレイン酸樹脂、ビニルポリマー、例えばポリスチレンやポリビニルトルエン又はビニルポリマーとメタクリレート若しくはアクリレートとのコポリマー、ポリ(テトラフルオロエチレン-ヘキサフルオロプロピレン)、低分子量ポリエチレン、フェノール変性ペンタエリトリトールエステル、ポリ(スチレン−co−インデン−co−アクリロニトリル)、ポリ(スチレン−co−インデン)、ポリ(スチレン−co−アクリロニトリル)、ポリ(スチレン−co−ブタジエン)、ポリメチルメタクリレートとブレンドされたポリステアリルメタクリレート、シロキサンとポリアルケンのコポリマーが挙げられる。これらのポリマーは単独で使用されても組み合わせて使用されてもよい。本発明の好ましい態様において、かかるポリマーは、ポリエステル又はポリ(スチレン−co−ブチルアクリレート)を含んでなる。好ましいポリエステルは、エトキシル化及び/又はプロポキシル化ビスフェノールAと、テレフタル酸、ドデセニルコハク酸及びフマル酸のうちの1種以上に基づくものである。なぜなら、それらは包装用ラベルの厳しい条件に概して耐える許容可能な保護オーバーコート層を形成するからである。
保護オーバーコート層の耐摩耗性を高めるために、架橋したポリマー又は枝分かれのあるポリマーを使用することができる。例えば、ポリ(スチレン−co−インデン−co−ジビニルベンゼン)、ポリ(スチレン−co−アクリロニトリル−co−ジビニルベンゼン)又はポリ(スチレン−co−ブタジエン−co−ジビニルベンゼン)を使用することができる。
保護オーバーコート層用のポリマー粒子は透明であるのがよく、無色であるのが好ましい。しかしながら、色補正のため又は特別な効果をねらって、ポリマー粒子がある色を有していてもよいことが特に考えられる。すなわち、色を付与する色素をポリマー粒子に含めることができる。さらに、オーバーコートに所望の特性を付与する添加剤をポリマー粒子に含めることもできる。例えば、紫外線吸収剤をポリマー粒子に含めてオーバーコートを紫外線吸収性にし、紫外線により誘発される退色からシートを保護することや、ポリマー粒子に青色色味剤を含めてゼラチン塩含有材料に使用されるゼラチンのもともとの黄色味を打ち消すことができる。
保護オーバーコート層を形成するポリマー粒子に加えて、要素の表面特性を変える他の粒子をポリマー組成物に組み合わせることができる。かかる粒子は固体であり、ポリマー粒子を溶融させる条件では非溶融性であり、そしてかかる粒子としては、溶融工程の間に溶融せずオーバーコートに表面粗さを付与するシリカのような無機粒子やメチルメタクリレートビーズのような有機粒子が挙げられる。
保護オーバーコート層の表面特性はトナーを形成するポリマーの物理的特性や固体の非溶融性粒子の存在又は不在に大部分依存する。しかしながら、オーバーコートの表面特性は、表面を溶融させる条件によっても変えることができる。例えば、トナーを溶融させて連続的なオーバーコート層を形成することに使用される溶融性部材の表面特性を、要素の表面に所望の平滑度、テキスチャー又はパターンを付与するように選択できる。従って、非常に平滑度の高い溶融性部材は、画像形成された要素に光沢表面を与え、テキスチャー付溶融性部材は要素に艶消し表面あるいは別のテキスチャー付表面を与え、パターン化された溶融性部材は要素の表面にパターンを与える。
ポリマーラテックスバインダーの好適なものの例として、ブチルアクリレート、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホネート及びアセトアセトキシエチルメタクリレートのラテックスコポリマーが挙げられる。有用な他のラテックスポリマーとしては、20〜10,000nmの直径を有し、Tgが60℃未満であるポリマーであって、コロイド分散体として水中に懸濁されたものが挙げられる。
保護オーバーコート層に好適なコーティング助剤の例としては、コーティング懸濁液にかなりの程度の粘度を付与する任意の水溶性ポリマー又は他の材料、例えば高分子量ポリサッカリド誘導体(例えば、キサンタンガム、グアーガム、ガムアカシア、Keltrol(商標)(Merck and Co.,Inc.により供給されているアニオンポリサッカリド)、高分子量ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリアクリル酸及びその塩、ポリアクリルアミド等)が挙げられる。界面活性剤としては、周縁撤退、忌避性及び他のコーティング欠陥を防止するのに十分にコーティング調製液の表面張力を低下させる任意の表面活性作用のある物質が挙げられる。かかる界面活性剤としては、アルキルオキシポリエーテル若しくはアルキルフェノキシポリエーテル又はアルキルオキシポリグリシドール若しくはアルキルフェノキシポリグリシドール誘導体及びそれらのスルフェート、例えばOlin Matheson Corporationから入手可能なノニルフェノキシポリグリシドール、若しくはオクチルフェノキシポリ(エチレンオキシド)硫酸ナトリウム、有機スルフェート若しくはスルホネート、例えばドデシル硫酸ナトリウム、ドデシルスルホン酸ナトリウム、ビス(2−エチルヘキシル)スルホコハク酸ナトリウム(Aerosol OT(商標))、及びデカン酸ナトリウムなどのアルキルカルボン酸塩が挙げられる。
別の態様において、紫外線重合性モノマー及びオリゴマーを伝導性材料に適用することが好ましい。紫外線硬化性ポリマーが好ましい。なぜなら、均一なコーティング又はパターン化コーティングの両方で紫外線硬化性ポリマーを伝導性材料に容易に適用できるからである。好ましい紫外線硬化性ポリマーとしては、脂肪族ウレタン、アリルメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ポリイソシアネート及びヒドロキシエチルメタクリレートが挙げられる。好ましい光開始剤は、ベンジルジメチルケタールである。好ましい輻射線強度は0.1〜1.5mW/cm2 である。輻射線強度が0.05mW/cm2未満では、不十分な架橋が起こって、伝導性材料に十分な保護を与えない保護層が生じる。
本発明の別の態様において、導通路の最も外側の表面に予備形成されたポリマー層を適用して保護オーバーコート層を形成することが非常に好ましい。予備形成されたシートは強靭で耐久性があり、環境溶剤や取り扱い時の力にたやすく耐えるため、予備形成されたシートの適用が好ましい。予備形成されたポリマーシートの適用は、現像後にラミネーションを通じて行われることが好ましい。写真ラベルと予備形成されたポリマーシートの両者の表面を接着するとともに透過光の性質を損なうであろういかなる閉じ込められた空気をも排除する圧力ニップの前に、写真ラベル又は予備形成されたポリマーシートに接着剤が適用される。
予備形成されたシートは延伸ポリマーであることが好ましい。なぜなら、延伸プロセスの間に強度と強靭性が発現するからである。可撓性支持体に好ましいポリマーとしては、ポリオレフィン、ポリエステル及びナイロンが挙げられる。好ましいポリオレフィン類としては、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリメチルペンテン、ポリスチレン、ポリブチレン、及びこれらの混合物が挙げられる。プロピレンとエチレンやヘキセン、ブテン及びオクテンのコポリマーなどのポリオレフィンコポリマーも有用である。ポリプロピレン類も、それらが安価であり良好な強度及び表面特性を有することから、非常に好ましい。
別の態様において、伝導性材料に合成ラテックスを適用して保護オーバーコート層を形成することが好ましい。合成ラテックスのコーティングが、許容可能な保護オーバーコート層を提供して、水溶液でコートでき、溶剤への暴露を排除するできることが分かった。ラテックスのコーティングは、伝導性導通路に許容可能な保護オーバーコート層を提供することが分かった。保護オーバーコート層に好ましい合成ラテックスは、乳化重合法によりスチレンブタジエンコポリマー、アクリレート樹脂及びポリ酢酸ビニルから調製できる。合成ラテックスについて好ましい粒度は0.05〜0.15μmである。合成ラテックスは、ロッドコーティング、ロールコーティング及びホッパーコーティング等の周知のコーティング方法によりハロゲン化銀画像形成層の最外層に適用される。適用後に合成ラテックスを乾燥させなくてはならず、透過光エネルギーの性質に影響を及ぼさないように合成ラテックスは乾燥した透明なものにならなくてはならない。
好ましい態様において、伝導性材料は顔料又は染料を含む。顔料又は染料は、伝導性材料に着色をもたらし、当該物品の絶縁領域と伝導性材料との間にコントラスト差を生じさせる。白色顔料又はカーボンブラックにより透過光コントラストを増加させると、より高いコントラストの画像を得ること又は光源出力を減少させる能力を得ることができる。
本発明の物品は、好ましくは75%を超える光透過率を有し、より好ましくは90%を超える光透過率を有する。高い光透過率を備えることによって、本発明の物品は、可視光を遮る伝導性材料を使用せずに、薄膜スイッチ等のディスプレイ又は高周波アンテナとして利用できる。
本発明の導通路は好ましくは熱可塑性ポリマーを含む。熱可塑性ポリマーは、一般的に従来技術のガラスに比べてコストが低く、優れた光学的特性を有し、そして、一体的な導通路を形成するパターン化された精密ロールに対して溶融ポリマーを流延する押出ロール成形方法を使用してシートに効率的に成形できるために、熱可塑性ポリマーが好ましい。複合レンズの形成に好ましいポリマーとしては、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド、ポリカーボネート、セルロースエステル、ポリスチレン、ポリビニル樹脂、ポリスルホンアミド、ポリエーテル、ポリイミド、ポリフッ化ビニリデン、ポリウレタン、ポリフェニレンスルフィド、ポリテトラフルオロエチレン、ポリアセタール、ポリ乳酸、液晶ポリマー、シクロオレフィン、ポリスルホネート、ポリエステルアイオノマーおよびポリオレフィンアイオノマーなどが挙げられる。機械的性質または光学的性質を向上させるために、これらのポリマーのコポリマーおよび/または混合物を使用できる。透明な複合レンズに好ましいポリアミドとしては、ナイロン6、ナイロン66およびそれらの混合物が挙げられる。ポリアミドのコポリマーも、好適な連続相ポリマーである。有用なポリカーボネートの一例はビスフェノール−Aポリカーボネートである。複合レンズの連続相ポリマーとして使用するのに好適であるセルロースエステルとしては、セルロースニトレート、セルローストリアセテート、セルロースジアセテート、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレートおよびそれらの混合物またはコポリマーが挙げられる。好ましいポリビニル樹脂としては、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアセタールおよびそれらの混合物が挙げられる。ビニル樹脂のコポリマーも利用できる。本発明の複合レンズに好ましいポリエステルとしては、炭素数4〜20の芳香族、脂肪族または脂環式ジカルボン酸と、炭素数2〜24の脂肪族または脂環式グリコール類とから製造されるものが挙げられる。好適なジカルボン酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、ナフタレンジカルボン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、ソジオスフホイソフタル酸およびそれらの混合物が挙げられる。好適なグリコール類としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジエチレングリコール、他のポリエチレングリコール類およびそれらの混合物が挙げられる。
導電性シートの最外層上の導通路頂部表面から測定される導通路の深さは、好ましくは0.1〜100マイクロメートル、より好ましくは0.1〜10マイクロメートルである。導通路の深さは伝導性材料の厚さと保護層の厚さの和におおよそ等しいべきであることが判った。伝導性材料の厚さとオーバーコート層の厚さの和について最も考えられる値は0.10〜100マイクロメートルであり、導電性の点から最適な値は1〜8マイクロメートルである。シートの好ましい厚さは20〜300マイクロメートルである。15マイクロメートル未満では、導通路を形成すること及び伝導性材料で被覆することは困難である。300マイクロメートルを超える場合には、余計な厚さはコストに見合わない。
前記ポリマー導通路の頂部の粗さ平均は0.25〜2.5マイクロメートルである、導通路頂部に粗い表面を設けることによって、配向ポリマーシートの貼り合わせに対して忌避層が生じる。別の態様において、ポリマー導通路の頂部の粗さ平均は、0.20マイクロメートル未満である。平滑な導通路表面を設けることによって、透過の際に光拡散を生じずに補助コーティングを加えることができる。
導通路の底部の表面粗さは好ましくは0.25〜2.5マイクロメートルである。この範囲の底部表面粗さを与えることによって、平滑な底部表面と比べて表面積の量が増加し、導電性の量が増加する。さらに、粗い底部表面を設けることによって、水ポリマーに対する伝導性材料の接着が向上し、それにより伝導性導通路の信頼度が高まる。かかるコーティングの崩壊によって、抵抗率が5000オーム・メートルを超えるであろう。別の態様において、導通路内の底部表面は0.20マイクロメートル未満の表面粗さを有する、平滑な底部表面を設けることによって、透過光は拡散しにくくなり、印刷された層又は画像形成された層のコントラストが改善される。
本発明の別の好ましい態様において、ポリマー層は、さらに、感圧接着剤を含む。感圧接着剤によって、本発明の物品を、他の支持体又は装置上に配置することが可能となる。1つの例として、本発明の物品を、表示装置として使用するためのガラス支持体に接着すること、あるいは本発明の物品を印刷回路板に接着することがある。感圧接着剤は、透明であり高い結合強度を有することが当該技術分野において知られている接着剤を含む。例として、アクリル系及びウレタン系感圧接着剤が挙げられる。
複数の導通路は好ましくは少なくとも1つの交差点を有する。少なくとも1つの交差点を設けることによって、本発明の伝導性導通路は、直流電源などの単一電源により動作することができ、ICチップ、レジスタ、コンデンサ、トランジスタ又は電気接地などの幾つかの論理ポイントを終端とすることができる。本発明の別の好ましい態様において、複数の導通路は、導通路出発方向に対する少なくとも1つの方向変化を有する。30度を超える方向変化によって、本発明の伝導性導通路を電気回路用のコネクタとしてより良好に利用することができる。30度を超える方向変化の一例は、薄膜スイッチにおける電気的接続であろう。薄膜スイッチでは、伝導性導通路は、押し下げられることによって、ICチップなどの補助的な装置によりスイッチ論理を伝える電気回路を完成する。方向を変化する伝導性導通路によって、薄膜スイッチのレイアウトに対応するのに往々にして幾つかの方向変化を必要とする薄膜スイッチ接触領域の周りにより良好に配置することができる。
ポリマー導通路の衝撃強さを向上させるとともにポリマー導通路の耐温度性を向上させるために、ポリマー導通路にナノ複合材料を添加することが好ましい。ナノ複合材料は、導通路のポリマーの熱的特性を改善し、機械的モジュラスを増加させ、その結果、かかるポリマーをポリマー回路や表示装置にとってより好適なものにすることが判った。
「ナノ複合材料」とは、少なくとも1種の成分が、0.1〜100ナノメートルの範囲内の少なくとも1つの寸法を有する無機相、例えばスメクタイトクレイを含む複合材料を意味する。「平板状体(plates)」とは、第3の寸法よりもかなり大きい2つの同等な寸法を有する粒子を意味する。例えば、粒子の長さと幅が同等な大きさを持つが、それらの大きさは粒子の厚さよりも桁違いに大きい場合をいう。
「層状材料」とは、複数の隣接する結合層の形態にあるスメクタイトクレイなどの無機材料を意味する。「小板状体(platelets)」とは、層状材料の個々の層を意味する。「インターカレーション」とは、層状材料の小板状体間に1つ以上の異種分子又は異種分子の一部が挿入することを意味し、米国特許第5,891,611号明細書(第5欄第10行〜第7欄第23行)に示されているようにX線回折法によって通常検出される。
「インターカラント(intercalant)」とは、上記層状材料の小板状体の間に挿入された上記の異種分子を意味する。「膨潤」又は「離層」とは、個々の小板状体が分離して、積層秩序のない無秩序な構造になることを意味する。「インターカレートされた(intercalated)」とは、少なくとも部分的にインターカレーション及び/又は膨潤を経験した層状材料を意味する。「有機クレイ」とは、有機分子により変性されたクレイ材料を意味する。
本発明に好適な層状材料は、非常に高いアスペクト比の平板状又は他の形状の層状材料を含んで成る任意の無機相を含むことができる。しかしながら、高いアスペクト比を有する他の形状も本発明に都合よい。本発明に好ましい層状材料としては、フィロシリケート類(phyllosilicates)、例えば、モンモリロナイト(montmorillonite)、特にナトリウムモンモリロナイト、マグネシウムモンモリロナイト及び/又はカルシウムモンモリロナイト、ノントロナイト(nontronite)、バイデライト(beidellite)、ボルコンスコアイト(volkonskoite)、ヘクトライト(hectorite)、サポナイト(saponite)、ソーコナイト(sauconite)、ソボカイト(sobockite)、スティーブンサイト(stevensite)、スビンフォルダイト(svinfordite)、バーミキュライト(vermiculite)、マガディアイト(magadiite)、ケニヤアイト(kenyaite)、タルク(talc)、マイカ(mica)、カオリナイト(kaolinite)及びこれらの混合物が挙げられる。他の有用な層状材料としては、イライト(illite)、混合層状イライト/スメクタイト鉱物、例えばレディカイト(ledikite)、及びイライトと上に列挙したクレイ鉱物との混合物が挙げられる。他の有用な層状材料は、特にアニオンマトリックスポリマーとの併用に有用な層状材料は、層状複水酸化物又はハイドロタルサイト類、例えば、正の電荷を帯びた層と交換可能な陰イオンを層間空間内に有するMg6Al3.4(OH)18.8(CO31.72Oである。層上に電荷をほとんど又は全く持たない他の層状材料が有用なことがあるが、当該層状材料に、その面間隔を広げる膨潤剤(swelling agent)をインターカレートできることを条件とする。そのような材料としては、塩化物、例えばFeCl3、FeOCl、カルコゲナイド類、例えばTiS2、MoS2及びMoS3、シアン化物類、例えばNi(CN)2、並びに酸化物類、例えばH2Si25、V613、HTiNbO5、Cr0.50.52、V25、AgドープV25、W0.22.87、Cr38、MoO3(OH)2、VOPO4・2H2O、CaPO4CH3・H2O、MnHAsO4・H2O、Ag6Mo1033等が挙げられる。好ましい層状材料は、他の薬剤、通常は有機イオン又は分子が層状材料にインターカレート及び/又は層状材料を膨潤させて無機相の望ましい分散体を生じるものである。これらの膨潤可能な層状材料としては、クレイに関する文献に定義されているような2:1型のフィロシリケート類である(例えば、H. van Olphenによる「An Introduction to Clay Colloid Chemistry」, John Wiley & Sons Publishers参照)。100g当たり50〜300ミリ当量のイオン交換能を有する典型的なフィロシリケート類が好ましい。本発明に好ましい層状材料としては、スメクタイトクレイ、例えばモンモリロナイト、ノントロナイト、バイデライト、ボルコンスコアイト、ヘクトライト、サポナイト、ソーコナイト、ソボカイト、スティーブンサイト、スビンフォルダイト、ハロイサイト、マガディアイト、ケニヤアイト及びバーミキュライト、並びに層状複水酸化物又はハイドロタルサイト類が挙げられる。最も好ましいスメクタイトクレイとしては、本発明におけるそれらの有効性及び/又はそれらの材料の商業的入手性から、モンモリロナイト、ヘクトライト及びハイドロタルサイト類が挙げられる。
上記のスメクタイトクレイは、天然物であっても合成物であってもよい。この違いは、粒度及び/又は付随する不純物のレベルに影響を及ぼすことがある。典型的には、合成クレイは天然クレイよりも横方向の寸法でより小さく、そのためより小さいアスペクト比を有する。しかしながら、合成クレイは天然クレイより純粋で、より狭い粒度分布を有し、また、さらなる精製若しくは分離を必要としないことがある。本発明の場合、クレイ粒子は0.01μm〜5μm、好ましくは0.05μm〜2μm、より好ましくは0.1μm〜1μmの横方向の寸法を有するのがよい。クレイ粒子の厚さ又は垂直方向の寸法は、0.5nm〜10nm、好ましくは1nm〜5nmの間で様々な値をとりうる。クレイ粒子の最大寸法と最小寸法の比であるアスペクト比は、本発明の場合に、10:1〜1000:1であるべきである。粒子のサイズ及び形状に関する上記の制約は、ナノ複合材料の幾つかの特性を、他の特性に悪影響を及ぼさずに適切に向上させるためのものである。例えば、大きな横方向寸法は、機械的特性及びバリヤー特性の向上にとって望ましい1つの基準であるアスペクト比の増加をもたらすことがある。しかしながら、非常に大きな粒子は、有害な光散乱による光学的欠陥を引き起こすことがあり、また、処理、搬送及び仕上げ装置並びに他の部材に対して研磨作用を生じることがある。
本発明の光学部材におけるスメクタイトクレイの濃度は、必要に応じて様々な値をとりうるが、バインダーの10質量%未満であることが好ましい。これよりかなり多い量のクレイは、光学部材をより脆くするために光学部材の物理的特性を損なうとともに、加工を困難にすることがある。一方、クレイの濃度が低すぎると、望ましい光学的効果を達成することが困難であろう。最適な結果が得られるように、クレイの濃度が1〜10%、より好ましくは1.5〜5%に保たれることが好ましい。
スメクタイトクレイ材料は、必要な層間の膨潤及び/又はマトリックスポリマーとの混和性がもたらされるように、一般的に、1種以上のインターカラントによる処理を必要とする。得られる層間間隔は、本発明の実施においてインターカレートされた層状材料の性能にとって重要である。本明細書において「層間間隔(inter−layer spacing)」とは、離層(又は膨潤)が起こる前の、インターカレートされた材料として層がまとまっている場合の層の面間距離である。好ましいインターカラントとしては、有機及びポリマー材料、特に、本明細書に援用する代理人整理番号第82056号、第82,857号、第82858号及び第82,859号に開示されているようなコポリマーが挙げられる。かかるインターカラントの例としては、エトキシル化アルコール、ポリエーテルブロックポリアミド、ポリ(エチレンオキシド−b−カプロラクトン)等が挙げられる。これらの好ましいインターカラントは、天然又は合成クレイ中に組み込むことができる。これらの好ましいインターカラントは、有機分子によりすでに変性された有機クレイ中に組み込んでもよい。
他の用途
本発明の物品は、光ディフューザ、例えばバルクディフューザ、レンチキュラー層、ビーズ含有層、表面ディフューザ、ホログラフィーディフューザ、ミクロ構造ディフューザ、別のレンズアレイ、又はこれらの様々な組み合わせと組み合わせて使用することもできる、ディフューザフィルムは光を分散又は拡散して、規則的な周期的レンズアレイが加わることにより生じうる回折パターンをなくす。
本発明の物品は、透明ポリマーから作られたフィルム又はシートと組み合わせて使用できる。かかるポリマーの例は、ポリエステル類、例えばポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート及びポリエチレンナフタレート、アクリル系ポリマー、例えばポリメチルメタクリレート、並びにポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリエーテルスルホン、ポリスルホン、ポリアクリレート及びトリアセチルセルロースである。本発明の透明ポリマーフィルムは、別の態様において、1つ又はそれ以上の導通路を通しての光透過性を向上させるために、1つ以上の光学コーティングを含んでもよい。当該物品の有効性を高めるために、ディフューザに反射防止(AR)コーティングをコートすることが往々にして望ましい。
本発明の物品に、例えば、入射角での光散乱特性を変化させるほどには光学的特性を低下させない範囲でフィルムの表面スリップ性改良するために、添加剤又はシリカ等の滑剤を含めてもよい。かかる添加剤の例は、有機溶剤、例えばキシレン、アルコール類若しくはケトン類、又はアクリル樹脂、シリコーン樹脂若しくは金属酸化物の微粒子、あるいは充填剤である。
本発明の物品は、通常、光学的異方性を有する。熱可塑性導通路を含むポリマーシートは、一般的に、延伸方向に光軸にある光学的異方性を示す光学的異方性材料である。光学的異方性は、フィルムの厚さdとフィルム面内の遅軸方向での屈折率と速軸方向での屈折率の差である複屈折率Δnとの積、すなわちΔn・d(リタデーション)により表される。配向方向は本発明のフィルムの延伸軸と一致する。延伸軸は、正の固有複屈折率を有する熱可塑性ポリマーの場合には遅軸方向であり、負の固有複屈折率を有する熱可塑性ポリマーの場合には速軸方向である。Δn・dの値の必要なレベルに関する明確な要件はない。なぜなら、Δn・dのレベルはフィルムの用途に依存するからである。
本発明の製造方法において、好ましい導通路ポリマーは、スリットダイから溶融押出される。一般的に、Tダイ又はコートハンガーダイを使用することが好ましい。この方法は、スリットダイを通じてポリマー又はポリマーブレンドを押出し、透明シートの導通路ポリマー成分がそのガラス固化温度よりも低い温度に冷却され所望の導通路の形状が残るように、好ましい導通路形状を有するチルドキャストドラム上で、押出されたウェブを急冷することを伴う。
ポリマー導通路を作製する方法を開発した。好ましい手法は、複数の溝を有するポジのマスター押出ロールを用意する工程を含む。この押出ロールの表面に望ましい溶融ポリマー材料を流延し、この望ましいポリマーを当該ポリマーのTg未満に冷却し、次に、溝を有するポリマーシートを押出ロールから剥がすことによって、マスター押出ロールからシートを複製する。パターンの付いたロールは、イオンビームフライスダイアモンド旋削などの精密機械加工技術を用いてローラーにパターンのネガを機械加工することにより生じさせる。望ましい溝パターンのネガは、薄い金属シートに機械加工されて、次に、巻いてロールにしてもよい。本発明の溝は、熱エンボス、紫外線硬化ポリマー、真空成形又は射出成形により作製することもできる。
本発明は、いかなる液晶表示装置とともに使用できる。典型的な構成は、以下で説明する。液晶(LC)は、電子ディスプレイとして広く使用されている。これらの表示装置において、LC層は偏光子層と検光子層の間に位置し、層内で法線軸に旋光ねじれを示すディレクターを有する。検光子は、その吸収軸が偏光子の吸収軸に対して垂直であるように配向される。偏光子により偏光された入射光は、液晶セルを通って液晶の分子配向の影響を受ける。この液晶の分子配向は、セルに電圧を印加することにより変えることができる。この原理を用いることによって、周囲光を含む外部光源からの光の透過を制御できる。この制御を達成するのに必要なエネルギーは、陰極線管等の他のディスプレイタイプで使用されている発光材料に対して必要とされるものよりも一般的にかなり少ない。従って、LC技術は、軽量で、低電力消費量で、長動作寿命であることが重要な特徴であるデジタル時計、計算機、ポータブルコンピューター、電子ゲーム等(これらに限られない)の多くの用途で使用されている。
アクティブマトリックス液晶ディスプレイ(LCD)は、薄膜トランジスタ(TFT)を各液晶画素を駆動するためのスイッチ素子として使用する。これらのLCDは、個々の液晶画素を選択的に駆動できるため、クロストークなしにより高い鮮明度の画像を表示することができる。光学モード干渉(OMI)ディスプレイは、「ノーマリーホワイト」である液晶、すなわちオフ状態のときに光がディスプレイ層を透過する液晶ディスプレイである。ツイストネマチック液晶を使用するLCDの動作モードは、複屈折モードと光学回転モードに大きく分けられる。「フィルム補償型スーパーツイストネマチック」(FSTN)LCDはノーマリーブラックである。すなわちFSTN LCDは、電圧が印加されていないオフ状態のときに光の透過が阻止される。OMIディスプレイは、報告されているところでは、応答時間が速く動作温度範囲が広い。
白熱電球又は太陽からの常光(ordinary light)は、ランダムに偏光している。すなわち白熱電球又は太陽からの光は、あらゆる可能な方向に向いた波を含む。偏光子は、光のランダム偏光(非偏光)ビームを、直交する面に偏光した2つの成分のうちの1つを選択的に除去することにより偏光した光に変換する二色性材料である。線形偏光子は、液晶ディスプレイ(LCD)の重要な構成要素である。
LCD装置での使用に十分な光学的性能を有する幾つかの種類の高二色比偏光子がある。これらの偏光子は、1つの偏光成分を透過し、互いに直交する他の成分を吸収する(この効果は、二色性として知られている)材料の薄いシートから作られる。最も一般的に使用されているプラスチックシート偏光子は、ポリビニルアルコール(PVA)ポリマー鎖がおおよそ平行に配列している薄い一軸延伸ポリビニルアルコール(PVA)フィルムから構成される。配列したPVAに、ヨウ素分子をドープするか又は着色二色性色素の組み合わせ(例えば、欧州特許第0182632A2号、Sumitomo Chemical Company, Limited参照)をドープする。ヨウ素分子又は着色二色性色素の組み合わせはPVAに吸着されるか又は一軸配向して、ニュートラルグレー色の高異方性マトリックスを生じる。脆いPVAフィルムを機械的に支えるために、両面に剛いトリアセチルセルロース(TAC)層又は同様な支持体を貼り合わせる。
コントラスト、色再現、及び安定したグレースケール強度は、液晶技術を用いる電子ディスプレイの重要な品質特性である。液晶ディスプレイのコントラストを制限する主な因子は、液晶素子又はセルを通って光が「漏れる」傾向である。この場合に、液晶素子又はセルは、暗い又は「黒い」画素状態になる。さらに、漏れや、それによる液晶ディスプレイのコントラストは、ディスプレイスクリーンを観察する角度にも依存する。典型的には、最適なコントラストは、ディスプレイに対する法線入射を中心としてある狭い視野角内でのみ観察され、視野角がそれよりも高いと急激にコントラストが低下する。カラーディスプレイにおいて、漏れの問題はコントラストを低下させるだけでなく、色又は色相シフトももたらし、それに伴って色再現が低下する。黒状態の漏光に加えて、典型的なツイストネマチック液晶ディスプレイにおける狭い視野角の問題は、液晶材料の光学異方性のために、視野角の関数として輝度−電圧曲線でのシフトによって悪影響を受ける。
本発明の物品を、積分球を備えた日立U4001UV/Vis/NIR分光光度計を用いて評価した。総透過スペクトルを、試料をビームポートに、導通路を有する前面を、積分球の方に向けて配置することにより測定した。較正済み99%拡散反射標準(NISTトレーサブル)を、垂直試料ポートに配置した。拡散透過スペクトルを、同様の方法で測定したが、99%タイルを除去した。試料を、試料ポートに、コーティング側を積分球の方向に向けて配置することにより、拡散反射スペクトルを測定した。試料背面からの反射を排除するために、試料の後ろには何も置かなかった。全てのスペクトルは、350〜800nmで得た。拡散反射の結果を99%タイルについて示すとき、値は、絶対値ではなく、99%タイルの較正データにより補正する必要があろう。
全透過光百分率とは、全角度での試料を透過した光の百分率である。拡散透過率は、入射光角度から2度の角度を除く試料を透過した光の百分率として定義される。拡散光透過率は、拡散透過により試料を透過した光の百分率である。拡散反射率は、試料により反射された光の百分率として定義される。実施例で求めたこれらの百分率は、500nmで測定したものである。これらの値は、試料の吸収性又は測定した試料のわずかなばらつきのために合計しても100%にならない場合がある。本発明の態様は、光拡散及び透過の改良だけではなく、厚さが薄く、光散乱の傾向が抑えられた拡散フィルムも提供することができる。
この例では、ポリカーボネートV形溝をポリカーボネート100マイクロメートルシートと一体的に形成した。伝導性の透明な形態のポリチオフェンをV形導通路内に適用して透明な伝導性シートを作製した。本発明は、伝導性の透明なポリマーを含むポリマーシートの導電性及び透過特性を示す。
V形導通路パターンのネガを有する加熱されたロールに対して溶融ポリカーボネートを流延することによってV形溝を作製した。V形溝パターンの付いたロールは、ワイヤEDM切削工具を使用してV形溝パターンのネガを平滑なスチールロールの表面に精密機械加工することにより作製した。
上記V形溝パターンの付いたロールを使用し、98.0%の68メルトインデックスCDグレードのポリカーボネート(Bayer Chemical)、1.5%の酸化防止剤及び0.5%の剥離剤から実質的に成るポリカーボネートポリマーを、コートハンガーダイから加熱されたV形溝パターンの付いたロール(120℃)上に押出流延し、ポリカーボネートを当該ポリカーボネートのTg未満に冷却し、そしてV形導通路を有するポリカーボネートウェブを上記加熱されたロールから剥がすことによって、一体的なポリカーボネート溝を作製した。V形溝を有するポリマーシートの厚さは100マイクロメートルであった。V形溝は、深さが10マイクロメートルで、当該V形溝の底部に1マイクロメートルの平坦部分があり、当該V形溝のピッチは200マイクロメートルであった。導通路の一次方向に垂直な方向で集計された導通路は20本であった。20本の導通路は全て、導通路の30cmの長さに沿って互いにほぼ等間隔に存在した。本発明の流延被覆光拡散シートの構造は以下のとおりであった。
Figure 2006524920
V形導通路を有するポリカーボネートシートの形成後、このシートをコロナ放電処理にかけ、そしてホッパーコーティングにより伝導性コーティング組成物で被覆した。この伝導性コーティング組成物は、Baytron P、すなわちBayer corporationから供給されている市販のポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)ポリ(スチレンスルホネート)水性分散体と、界面活性剤などの他の添加剤と、有機極性溶剤とを含んでいた。コーティング直後に、ポリカーボネートシートを濡れた1枚のリントフリー布を用いて溝だけにコーティング組成物が残るように慎重に拭き、コーティング組成物を乾燥させた。溝内の透明な導電性のポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)ポリ(スチレンスルホネート)の呼称乾燥被覆量は0.33g/m2 であると推定された。
導電性導通路の抵抗率を、FLUKEモデル300マルチメーターを使用して測定した。これは、抵抗率を測定するための2プローブ接触法であった。各導電性溝について抵抗率を求め、2本の導電性溝のそれぞれについてその平均値及び範囲を求めた。かかる導電性透明層の平均SERは、138オーム/□の標準偏差で880オーム/□であった。
伝導性の透明なV形導通路を含むポリカーボネートシートについて、光透過率(%)、拡散光透過率(%)、鏡面光透過率(%)及び拡散反射率(%)及び導電率を求めた。
伝導性のシートを、積分球を備えた日立U4001UV/Vis/NIR分光光度計を用いて評価した。総透過スペクトルを、試料をビームポートに、導通路を有する前面を、積分球の方に向けて配置することにより測定した。較正済み99%拡散反射標準(NISTトレーサブル)を、垂直試料ポートに配置した。拡散透過スペクトルを、同様の方法で測定したが、99%タイルを除去した。試料を、試料ポートに、コーティング側を積分球の方向に向けて配置することにより、拡散反射スペクトルを測定した。試料背面からの反射を排除するために、試料の後ろには何も置かなかった。全てのスペクトルは、350〜800nmで得た。拡散反射の結果を99%タイルについて示すとき、値は、絶対値ではなく、99%タイルの較正データにより補正する必要があろう。
全透過光百分率とは、全角度での試料を透過した光の百分率である。拡散透過率は、入射光角度から2度の角度を除く試料を透過した光の百分率として定義される。拡散光透過率は、拡散透過により試料を透過した光の百分率である。拡散反射率は、試料により反射された光の百分率として定義される。実施例で求めたこれらの百分率は、500nmで測定したものである。これらの値は、試料の吸収性又は測定した試料のわずかなばらつきのために合計しても100%にならない場合がある。総透過率は90.1%であり、拡散透過率は10.8%であり、鏡面反射率は82.4%であり、ディフューザ反射は6.1%であった。
上記データから、本発明の電気的有用性及び光学的有用性の両方がはっきりと判る。880オーム/□の平均SERを有するV形導通路に適用された導電性材料は、優れた導電性をもたらすと同時に、90.1%という優れた光透過率をもたらした。これは、本発明の材料を、機器用の薄膜スイッチ又はスマートカードを含むセキュリティカードなどの、導電性と透明性の両方を必要とする電気用途で特に有用なものにせしめる。さらに、本発明の導通路は、デリケートな導電性ポリマーに対する保護を与えて、引っ掻きや摩耗による導電性パターンの破壊を著しく低減することによって、導電性溝の信頼性を高める。さらに、導通路の配置によって、保護層を加えることが可能となり、デリケートな導電性材料を更に保護することが可能となる。
本明細書中で引用した特許文献及び他の刊行物は本明細書に援用する。
本発明を、特定の好ましい態様を特に参照して詳しく説明したが、当然のことながら、本発明の範囲の中で様々な変更及び改良を行うことができる。
この図は、本発明に係る伝導性材料及び保護層を含む伝導性導通路の断面を示すものである。
符号の説明
2 透明なベースシート
4 透明な導電性材料
6 透明な保護材料
8 導電性材料を含む導通路と保護層を有する伝導性シート

Claims (49)

  1. 実質的に透明な伝導性材料を含む複数の一体的な導通チャネルを含む非伝導性ポリマー材料の層を含む物品。
  2. 前記実質的に透明な伝導性材料がポリマーを含む請求項1に記載の物品。
  3. 前記ポリマーが導電性ポリマーである請求項2に記載の物品。
  4. 前記導電性ポリマーが、置換又は非置換アニリン含有ポリマー、置換又は非置換ピロール含有ポリマー、及び置換又は非置換チオフェン含有ポリマーから成る群から選ばれる請求項2に記載の物品。
  5. 前記導電性ポリマーが、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェンスチレンスルホネート)、ポリ(ピロールスチレンスルホネート)及びポリ(3,4−エチレンジオキシピロールスチレンスルホネート)から成る群から選ばれる請求項2に記載の物品。
  6. 前記実質的に透明な伝導性材料がゼラチンバインダー及び金属塩を含む請求項1に記載の物品。
  7. 前記実質的に透明な伝導性材料の前記抵抗率が1000オーム・m未満である請求項1に記載の物品。
  8. 前記実質的に透明な伝導性材料の前記抵抗率が600オーム・m未満である請求項1に記載の物品。
  9. 前記伝導性材料の前記抵抗率が0.1〜300オーム・mである請求項1に記載の物品。
  10. 前記伝導性材料が5000オーム/□未満のSERを有する請求項1に記載の物品。
  11. 前記伝導性材料が1000オーム/□未満のSERを有する請求項1に記載の物品。
  12. 前記伝導性材料が600オーム/□未満のSERを有する請求項1に記載の物品。
  13. 前記伝導性材料が300オーム/□未満のSERを有する請求項1に記載の物品。
  14. 前記実質的に透明な伝導性材料がさらに保護オーバーコートを含む請求項1に記載の物品。
  15. 前記保護オーバーコート材料が有機、無機又は有機−無機ハイブリッド材料を含む請求項14に記載の物品。
  16. 前記保護オーバーコート材料がポリマー層を成す請求項14に記載の物品。
  17. 前記保護オーバーコートが硬化性モノマー又はオリゴマーを含む請求項14に記載の物品。
  18. 前記硬化性モノマー又はオリゴマーが輻射線により硬化可能である請求項17に記載の物品。
  19. 前記保護オーバーコートがセラミック材料を含む請求項15に記載の物品。
  20. 前記保護オーバーコート材料が熱可塑性ポリマーを含む請求項15に記載の物品。
  21. 前記保護オーバーコート材料が0.18マイクロメートル未満の粗さ平均を有する請求項15に記載の物品。
  22. 前記保護オーバーコート材料が2Hを超える硬度を有する請求項15に記載の物品。
  23. 前記保護オーバーコート材料が5000オーム・mを超える抵抗率を有する請求項15に記載の物品。
  24. 前記保護オーバーコート材料が40ダイン/cm2 未満の表面エネルギーを有する請求項15に記載の物品。
  25. 前記実質的に透明な伝導性材料がさらに顔料を含む請求項1に記載の物品。
  26. 前記実質的に透明な伝導性材料がさらに着色染料を含む請求項1に記載の物品。
  27. 前記実質的に透明な伝導性材料が前記チャネル内で可視光を導波する請求項1に記載の物品。
  28. 前記物品が90%を超える光透過率を有する請求項1に記載の物品。
  29. 前記導通路が0.1〜100マイクロメートルの深さを有する請求項1に記載の物品。
  30. 前記導通路が0.1〜10マイクロメートルの深さを有する請求項1に記載の物品。
  31. 前記導通路が10〜1000マイクロメートルの間隔を有する請求項1に記載の物品。
  32. 前記導通路が50〜250マイクロメートルの間隔を有する請求項1に記載の物品。
  33. 前記物品が20〜350マイクロメートルの厚さを有する請求項1に記載の物品。
  34. 前記複数の導通路が少なくとも1つの交差点を有する請求項1に記載の物品。
  35. 前記複数の導通路の少なくとも1つが30度を超える少なくとも1つ方向変化を有する請求項1に記載の物品。
  36. 前記導通路の頂上部が0.20マイクロメートル未満の粗さ平均を有する請求項1に記載の物品。
  37. 前記導通路の頂上部が0.25〜2.5マイクロメートルの粗さ平均を有する請求項1に記載の物品。
  38. 前記導通路の底部が0.20マイクロメートル未満の粗さ平均を有する請求項1に記載の物品。
  39. 前記導通路の底部が0.25〜2.5マイクロメートルの粗さ平均を有する請求項1に記載の物品。
  40. 前記ポリマー導通路がナノ複合材料を含んで成る請求項1に記載の物品。
  41. 前記ナノ複合材料が層状粒子を含む請求項40に記載の物品。
  42. 前記層状粒子がスメクタイトクレイを含む請求項41に記載の物品。
  43. 前記スメクタイトクレイがエトキシル化アルコール、ポリエーテルブロックポリアミド及びポリ(エチレンオキシド−b−カプロラクトン)から成る群から選ばれる請求項42に記載の物品。
  44. 前記ポリマー層がさらに不連続なポリマー形状を有する請求項1に記載の物品。
  45. 前記伝導性材料が0.05〜40マイクロメートルの厚さを有する請求項1に記載の物品。
  46. 前記導通路の隣にさらに画像層を含む請求項1に記載の物品。
  47. 前記ポリマー層の隣にさらに接着剤層を含む請求項1に記載の物品。
  48. 請求項1に記載の物品の形成方法であって、流延又は押出成形してチャネルを有する前記物品を形成することを含む方法。
  49. 前記形成された物品上に平滑化層をコーティングすることを含む請求項48に記載の方法。
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