JP2006522962A - 量子コンピューティングのための方法およびプログラム可能装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】速度および計算処理量に関して増大する要求を満たし、かつ室温で動作することが可能な量子コンピューティングのための方法および装置を提供する。
【解決手段】コンピュータ・プログラムのソース・コード、データおよび未具現化出力変数がプログラム・コンパイラによって計算処理可能関数クラスに変換される。計算処理可能関数は符号化され、該符号化された関数に連続化手法を適用して、1次時間従属微分方程式が決定される。変分原理を用いて、上記微分方程式の解であるラグランジアンを構築する。ラグランジアンは、励起発生器を介して励起フィールドとして実現される規準的量子ハミルトニアン演算子に変換される。励起フィールドを量子プロセッサに繰り返し適用することによって、格子ノードの強度対変動周波数スペクトルが生成される。プログラム出力を決定するため、強度対変動周波数スペクトルの平均値が符号化関数の近似多項式の係数として使用される。

Description

本発明は、量子計算に関する方法およびプログラム可能装置に関し、特に、量子コンピューティングのため量子状態伝播を使用する一般的方法およびプログラム可能装置に関する。
(関連出願への相互参照)
この出願は、2003年2月14日に出願された米国特許仮出願第60/447,566号の利益を主張する。
(背景技術)
コンピュータ技術はこれまでの数十年で驚くべき速度で発展してきた。しかしながら、紫外線およびソフトX線の波長より小さい次元の機能部分をパターニンングすることが実際には困難であるので、半導体集積回路密度のこれ以上の高度化はまもなく終焉するであろう。究極的に、そのような機能部分が単一の原子および分子の長さより小さくなることはおそらくあり得ない。
分子のレベルにおいては、量子効果が大きな利点をもたらすと共に、それより大きい寸法において問題に遭遇することはない。量子コンピューティングは、原子レベルで稼働する一層小さいコンピューティング装置を開発するための可能な手法として最近発展している。一般に、伝統的コンピュータは、2進法数学に基づくブール論理によって取り扱われるコンピュータ処理用の一連のビット情報を符号化する。例えば、32ビットのデジタル・コンピュータは、単一命令の実行の間に1つまたはいくつかの32ビット・オペランドを一般に処理する。単一命令は、一般に、各々が232の異なる可能な結果値を表す1つまたはいくつかの32ビットの結果値を生成する。従って、単一命令は、1つまたはいくつかのオペランドを、各々が232の値の範囲にある1つまたはいくつかの値に対応づける。一方、典型的量子コンピュータは、13Cおよび19Fのようなアイソトープに関する+1/2および-1/2核スピンを利用してブール論理の1およびゼロを表す。更に、核スピンは、+1/2および-1/2核スピン状態という重ね合わせ位置に存在することができる量子の機械的オブジェクトでもある。理論上は、典型的32量子ビットの量子コンピュータは、1つの命令の実行結果として232という値のいかなる組み合わせ(すなわち、232!の組み合わせ)を作成することができる。しかしながら、13Cおよび19Fのようなアイソトープの固有の1/2スピン状態の利点を生かすためには、プロセッサは絶対零度に近い温度で操作されなくてはならない。
コンピュータ製造業者、エンジニアおよび物理学者は、速度および計算処理量に関して増大する要求を満たし、かつ、室温で動作することが可能な量子コンピュータに対する必要性を認識している。
本発明の一実施形態は、量子コンピューティングのための方法および装置を提供する。本発明の1つの側面によれば、データ、プログラムおよび未初期化変数すなわちプログラム出力が与えられる。コンパイラ・プログラムがソース・コードを計算処理可能関数のアセンブラ・コードに変換する。計算処理可能関数は符号化関数によって符号化される。符号化関数から1次、時間従属微分方程式を決定するため、連続化手法が使用される。その最小測地線が上記1次、時間従属微分方程式の解であるラグランジアンを構築するため、変分原理が用いられる。ラグランジアンは、励起発生器によって生成される励起フィールドとして実現される規準的量子ハミルトニアン演算子に変換される。励起発生器によって生成される励起フィールドの離散的適用の間の時間間隔を短縮するため、制御/スケジューリング・システムが使用される。励起フィールドは、重合体ノードの格子から構成される量子プロセッサに繰り返し適用される。重合体ノードの量子プロセッサ格子によって放射された光線は、変換器によって、強度対変動周波数スペクトルに変換される。強度対変動周波数スペクトルの移動平均がコヒーレント・メモリに記憶される。平均スペクトル強度値は、符号化関数を近似する多項式係数として使用される。出力は、オリジナルのデータおよびプログラム、および、具現化された変数すなわちプログラム出力を含む。
本発明は、コンピュータ処理のため量子状態伝播を使用する量子関数評価器と呼ばれる方法およびプログラム可能装置に関するものである。図1は、本発明の多くの可能な実施形態のうちの1つの方法の概要を示す制御流れ図である。ステップ102において、データ104、プログラム106および未初期化変数すなわちプログラム出力108が与えられる。データ104は、独立したファイルの形式のもの、コンピュータのキーボードから操作者によって入力されるもの、または、プログラム106のテキストに実際に組み込まれたものでもよい。プログラム106は、例えば、C、C++、FORTRANなどのような高水準プログラム言語あるいはアセンブラのような低水準言語、または、スクリプト言語、シェル・スクリプトのような高水準言語あるいは一層高水準な数理プログラミング言語で書かれたソース・コードである。未初期化変数108は、プログラム出力を表し、表示端末、電子通信メディア、大容量記憶装置上のファイルあるいはデータベース管理システムデータを含む多くの種々の出力装置および形式および多くのその他の種類の出力に変換されるデータ値を含む。エッジ110は、単一の反復でステップ102の入力をステップ112の出力に変換する本発明の1つの実施形態を実施するプロセスを表す。ステップ112において、出力は、同じデータ104およびプログラム106を含む。しかしながら、ここでの未初期化変数108は、本発明の方法および装置の実施によって決定されるインスタンス化された変数である。ステップ102のデータが変更される場合、インスタンス化変数114を決定するためステップ102およびステップ112は別々に実行されなければならない点注意する必要がある。
図2は、本発明の多くの可能な実施形態のうちの1つの方法および装置を若干詳細に示す制御流れ図である。ステップ202は、図1のステップ102において記述されたデータ104、プログラム106および未初期化変数108である。ステップ204からステップ216は、図1のエッジ110によって表される方法の一層詳細な記述を示す。ステップ204において、コンパイラ・プログラムがステップ202におけるソース・コードおよびデータを離散値計算処理可能関数集合を表すアセンブリ・コード集合に変換する。ステップ206において、アセンブリ・コードは、部分的再帰関数の離散符号に変換される。ステップ208において、ステップ206において決定された符号化された関数から、連続的で、一次の、時間従属的微分方程式を生成するため、連続化手法が使用される。ステップ210において、ラグランジアンを作成するため変分原理が使用される。ラグランジアンの測地線が、ステップ208において決定された連続的一次時間従属微分方程式の解である。ステップ212において、ラグランジアンは、規準的量子ハミルトン演算子に変換される。ステップ214において、規準的量子ハミルトン演算子は、規準的量子ハミルトン演算子によって記述される励起フィールドを作成することによって物理的にインスタンス化される。ステップ216において、本発明の多くの可能な実施形態の1つを表す"関数型アーキテクチャ"ルーチンを使用して、ステップ206に符号化関数に対する多項式近似値の係数が決定される。ステップ216において多項式近似値が決定された後、ステップ206からステップ202が逆順に実行される。ステップ206において、符号化関数の多項式近似値を使用して、ステップ204における計算処理可能関数が決定され、この結果、ステップ202において、図1のインスタンス化変数114が与えられる。
図3は、本発明の多くの可能な実施形態のうちの1つを表す図2のステップ216における"関数型アーキテクチャ"を備えた装置のブロック図である。図3の中央には制御/スケジューリング・システム301が示されている。システム301は、エッジ307−311によって示されているように、関数入力302、励起生成器303、量子プロセッサ304、変換器305およびコヒーレント・メモリ306の実行を制御/統制する。エッジ312−317は、関数型アーキテクチャの要素の間で情報が流れる方向を示す。関数入力302を用いて図2のステップ202からステップ214を実行して、励振フィールドが決定され、励起フィールドを特性化するハミルトン式が励起生成器303に渡される。励振生成器303は、量子プロセッサ304の重合体分子ノードから光線の発射を誘発するために使われる励起フィールドを発生させる。励振生成器303によって生成される励起フィールドは、重合体分子の振動励起を発生することができる電界、光、電波またはその他どのような手段でもよい。変換器305は量子プロセッサ304からの放射光線をコヒーレント強度スペクトルおよび対応する周波数に変換して、その結果を保存するためコヒーレント・メモリ306に送る。変換器305は、また、エッジ318によって示されているように、量子プロセッサ304からの放射光散の読み取りの後、放射光線検出器をクリアする責任を持つ。コヒーレント・メモリ306は、変換器305によって受け取られた強度および周波数の移動平均を保持する。制御/スケジューリング・システム310は、平均スペクトル強度が収束するまで、励振発生器303、量子プロセッサ304および変換器305の実行を反復させる。スペクトルが収束すると、平均スペクトル強度が読取器319に渡され、引き続いて、図2のステップ206における符号化関数を近似する多項式の係数として使用される。
図4は、"関数型アーキテクチャ"ルーチンの制御の流れ図である。ステップ402において、関数入力が、図2に関連して上述されたステップ202からステップ214までのステップに従って励振フィールド・ハミルトニアンを決定する。ステップ404において、図3に関連して上述された制御/スケジューリング・システム310を表す"DO"ループが、ステップ406乃至ステップ412を実行する。ステップ406において、励起発生器が実際の励起フィールドを物理的存在にさせることによって励振フィールド・ハミルトニアンを生成する。ステップ408において、重合体ノードが放射光線を放出するようにさせるため、量子プロセッサが励振フィールドによって励起される。ステップ410において、放射光線が強度対光波周波数スペクトルに変換され、スペクトルの移動平均が保持される。ステップ412において移動平均が収束すると、ステップ414において、強度スペクトルが図2のステップ206における符号化関数を近似する多項式の係数として使用される。ステップ412において移動平均が収束してない場合、ステップ406、ステップ408、ステップ410およびステップ412が繰り返される。
I. 量子コンピューティング
A.入力関数および符号化
上記のステップ104で生成された計算処理可能な関数が、"入力関数"と呼ばれる離散的値を持つ関数である。入力関数は、次式(1)のような形式で表すことができる。
f:S1×…×SN→D (1)
式(1)において、NはドメインS1×…×SNの次元を表し、集合SiおよびDは、
Si={0,…,Ni}
D={0,…,Nd}
によって与えられる自然数の有限下位集合である。また、NiおよびNdはそれぞれ集合SiおよびDの最大自然数である。式(1)の関数fは、ドメインS1×…×SNにおける(x0,...,xN-1)と表記されるN-タプルを領域Dの単一自然数に対応付ける(ただしxi-1は集合Siにおける1つの要素)。N-タプル(x0,...,xN-1)は、ドメインS1×…×SNにおける"ポイント"と呼ばれる。
図5A−Bは、
f:S1×S2→D
によって与えられる式(1)の形式を持つ入力関数の単純な例を示す。この場合、ドメインS1×S2は、x0およびx1がそれぞれ
S1={0,1,2}
および
S2={0,1,2}
という集合の要素であるようなポイント(x0,x1)のすべての可能な組み合わせの集合である。
本例の関数fの範囲は、
D={0,1,2}
という集合によって与えられる。
図5Aは、本例の関数fのドメインおよび領域値を含む表である。この表は3つの欄からなる。x0欄501およびx1欄502は、s1×s2というドメイン要素を含み、限界値はf欄503に含まれる。図5Bは、図5Aの表において与えられているポイント(x0,x1,f)の3次元デカルト軸表示である。ポイント(x0,x1,f)の集合がx0軸、x1軸およびf軸に対して描写されている。例えば、図5Bにおけるポイント508は、図5Aの行504のポイントのグラフ表示である。注意すべき点であるが、図5のAおよびBのような2次元および3次元図が以下の記述において提示されるが、それらは単に例示の目的に過ぎない。実際の適用においては、数千、数百万あるいは数十億の変数が存在するので、非常に高い次元の課題ドメインとなる。一般的に、これらの課題ドメインは、超次元体、多様体あるいはキャリヤ多様体であると見なされる。そのような課題ドメインを例示することは不可能であるが、超次元ドメインに対処するために使用する技法を3次元図で類型化することは可能である。
入力関数は、
yn+1,i=fi(yn,1,...,yn,k) (2)
という形式の反復プロセスの解でもある。ただし、i=1,...,kおよび各々
fi:Sk→S(ただしS={0,1,...,Ns})
である。
図2のステップ206で記述された計算処理可能関数の符号化は、次の関数(3)を使用して達成することができる。
F:[0,1,…,pN-1]→[0,1,…,p] (3)
ただし、
Figure 2006522962

であり、また、pは、
Figure 2006522962

によって定義される自然数であり、
Figure 2006522962

である。
符号化関数(3)−(6)は、Fの値がfの範囲においてfの値と一致するように実数のポイントの下位集合にS1×,...×SNにおけるドメイン値を対応づける。更に、符号化関数(3)−(6)は、fというドメインにないN-タプルに対応する任意のxについて、xを0に対応づける。
図6のA−Bは、式(3)−(6)における符号化の単純な関数への適用例を示す。式(5)によって与えられる自然数pの値は、
Figure 2006522962

によって与えられる。
式(4)の符号化関数は、次式(7)に従って、ドメインS1×S2のポイント(x0,x1)を実数下位集合に対応づける。
Figure 2006522962

図6Aにおいて、x欄601は、式(7)に従って計算されるx値であり、F欄602は、対応する符号化された関数値Fである。図6Bにおいて、図6Aに示されたポイント(x,F)の集合がx軸603およびf軸604に対して描写されている。例えば、図5Bのポイント(1,2,2)508は、図6Bのポイント(5,2)605に対応している。
式(1)および(2)で与えられている入力関数の例は、図2のステップ204においてコンパイラ・プログラムによって生成される離散値関数の一層大きいクラスの関数である。ステップ204で生成される関数のクラスは"クラスI"と呼ばれ、以下のように与えられる。
(i)クラスIは、式(3)−(6)におけるように、有限関数fから符号化することができるすべての関数Fを含む。
(ii){f1,..,fK|fi:S1×…×SN→SN+1,K finite,Si={1,..,Ni|Nifinite}}
がクラスIの下位集合である場合、次のような直接の総和となる。
Figure 2006522962
(iii)クラスIは、次のような投影関数を含む。
Pi:S1×…×SN→Si
ただし、pi(n1,…,ni,…,nN)=ni
(iv){f1,..,fK|fi:S1×…×SN→SN+1,K finite,Si={1,..,Ni|Nifinite}}
がクラスIの下位集合であり、
Figure 2006522962

がクラスIに含まれる場合、次のような合成となる。
g(f1,..,fx):S1×…×SN→SN+1
(v) n∈Nの各々について、
g:N×S1×…×Sk→N
がクラスIである場合、次のようになる。
min{n,g(n,n1,…,nk)=0}
(vi)g:N×Sk→Sk
がクラスIである場合、
{f:N×Si×...×SK→SK+1|f(n+1,ni,..,nK)=g(n,f(n,ni,..,nK))}
によって与えられる関数のファミリはクラスIに所属する。
(vii)上記(i)−(vi)の有限適用によって構築されるいかなる関数もクラスIに属する。
クラスIの要素は、符号化関数であるか、さもなければ、上記(ii)−(vii)という有限数のステップによって符号化関数に変換することができる。項目(ii)−(iv)が含まれるのは、多くの高水準プログラミング言語のコンパイラ・プログラムによってこれらの項目が構築されるからである。計算処理可能関数のクラスIは完全に指定された関数だけを含むが、代替実施形態において、離散的部分指定関数および標識子関数という一層大きいクラスを処理するように本発明の方法を修正することもできる。
本発明の方法および装置の背後にある中心的目的は、符号化関数への量子近似を介して離散的クラスI関数を計算処理する効率的かつ迅速な手段を見出すことである。
B.連続化
連続化の手法は、米国特許出願第10/693,729号に詳細に記述されている。図5および図6に例示されている関数は、次式(8)によって定義されたステップ関数Φを使用して連続化することができる。
Figure 2006522962
図7Aは、式(8)のステップ関数によって図6のA-Bに示された符号化関数Fを連続化するプロセスを示す。連続化は、離散ドメイン値xの間の実数を含めることによってドメインのサイズを増加させ、各yに関数値Φ(y)を割り当てる。図7Aは、x軸701およびΦ軸702に対するステップ関数Φ(y)を示すグラフである。関数値F(x)はΦ(y)に等しく、離散x値は離散ドメインy値に等しい。例えば、図7Aのポイント(5,2)703は図6Bのポイント(5,2)605である。
連続化プロセスは式(4)によって与えられるステップ関数に限らない。代替実施形態において、線形補間法、アダムス−ボッシュワース補間法、スプライン法、ペード補間法などのような他の補間手法を使用して、値がF(x)と一致するような関数Φ(y)を構築することができる。図4Bは、仮説的補間関数Φ(y)を示す。ここでは、離散ドメイン値xに等しいyの値についてΦ(y)は符号化関数F(x)と等しい。
補間関数Φ(y)は、高次元多様体に関して次式(9)によって与えられる再帰関係によって定義される実数ベクトル{x0,x1,…}のシーケンスとして表現することができる。
xn+1=xnnh(xn) (9)
各ベクトルxnは、
xk=(x1,k,x2,k,…,xN,k)
によって与えられる実数Rkのk次元集合におけるk-タップルであり、
シーケンス{αn}は次のような特性を持つ実数のシーケンスである。
Figure 2006522962
更に、hはRkからRkへの関数マッピングである。換言すれば、新しい状態ベクトルxn+1が、反復計算の各々において、現在の状態ベクトルxnおよびxnに依存する離散的ベクトル値関数hから計算される。図8のA−Fは、3次元における仮説的シーケンスに関する連続化プロセスを示す。図8Aは、x1軸802、x2軸804およびx3軸806に対してR3で描写されたベクトルxn-2、xn-1、xnおよびxn+1を示す。
次に、シーケンス(xn)n≧0が、次式(10)によって与えられる再帰関係を満たす項を持つシーケンス(Xn)n≧0によって近似される。
Xn+1=Xnnh(Xn)+αnbn (10)
式(10)において、bnはベクトル・パラメータである。図8Bは、式(10)における近似再帰関係によって与えられたシーケンスを示す。図8Aに示されたベクトル(xn)n≧0のシーケンスは、図8Bのベクトル(Xn)n≧0のシーケンスによって置き換えられている。
時間シーケンス{tn}は次のように定義される。
Figure 2006522962

ただし、αi=ti+1-tiである。
図8Cは、式(9)および(10)によって与えられた時間シーケンス{tn}と実数シーケンス{αn}との間の関係を示す。nが無限大に近づくにつれて各要素αnはゼロに近づくので、実数シーケンス{αn}の長さは、時間軸808上の減少時間間隔(tn+1-tn)に等しいことに注意する必要がある。例えば、実数α1810はαn812より長い間隔である。
次に、2つの時間従属ベクトル関数X0(t)およびg0(t,a,b)が以下の式(12)乃至(15)のように定義される。
Figure 2006522962

Figure 2006522962

および
Figure 2006522962

式(13)および式(15)は時間tに関する線形関数である。図8Dは式(13)によって定義される関数を示し、セグメントX0(t)814がR3におけるベクトルXnとXn+1との間のベクトルであることを示している。
関数
Figure 2006522962

は、次式(16)のように定義される。
Figure 2006522962
図8Eは、時間tの関数として描写された式(16)を示す。関数値はステップ関数として図示されていて、
Figure 2006522962

は時間間隔(tn,tn+1)において一定である。ゼロからn-1まで式(10)の項を総和すると、次式(17)が得られる。
Figure 2006522962

いくつかの代数計算および積分学の積分定義の適用の後、式(17)は、次式(18)のように、時間tの連続的、ベクトル値化された関数として与えられる。
Figure 2006522962
次のように与えられる関数を使用して、
Figure 2006522962

式(18)を式(19)のように書き替えることができる。
Figure 2006522962
式(19)は次のように表現することができる。
Figure 2006522962
この場合、nが有限時間間隔(tn+1-tn)に無限に均一的に近づくにつれて関数en(t)およびgn(t,a,b)はゼロに近づく。時間従属シーケンス{Xn(t)}は、間隔(-∞,∞)に連続的に展開している。従って、Arezla-Ascoli補助定理によって、その限界が次式を満たすベクトル関数X(t)である関数{Xn(t)}のシーケンスの収束サブシーケンスが得られる。
Figure 2006522962

ただし、
Figure 2006522962

はXという時間導関数に関する簡略表記である。
関数{gn(t,a,b)}シーケンスもまた、間隔(-∞,∞)に連続的に展開している。再度、Arezla-Ascoli補助定理を適用することによって、その限界がベクトル関数g(t,a,b)である関数{gn(t,a,b)}の収束サブシーケンスが得られる。このようにして、式(9)によって与えられたオリジナルの離散シーケンスは、次式(20)によって与えられる1次、時間従属、微分方程式によってモデル化することができる。
Figure 2006522962
図8Fは、ベクトル解関数x(t)820に対する正接ベクトル818として微分方程式(20)を表している。
C. 変分モデル
変分モデルを使用して、1次、時間従属、微分方程式(20)に関する図2のステップにおけるラグランジアンを定式化することができる。手順は、
Figure 2006522962
によって与えられるラグランジアンに関して定式化される変量問題から開始される。
最初に、ラグランジアンは以下の特性を持つと仮定される。
(1) ラグランジアンは、
Figure 2006522962

における次数1と同義である。換言すれば、実数値λ≧に関して、
Figure 2006522962

である。
(2) ラグランジアンは
Figure 2006522962

における正の定値である。換言すれば、
Figure 2006522962

である。
特性(1)および(2)は、キャリヤ多様体に関するメトリック基礎様式dsの次式(21)のような定義を可能にする。
Figure 2006522962
測地線は、経路が特定の表面に限定される場合に任意の2ポイント間の最短を表す経路である。式(21)のメトリック基礎に従った測地線は、次式(22)の積分を最小にする多様体上の曲線を見いだすための変分問題の対応する媒介変数計算の極値である。
Figure 2006522962

式(22)は符号化条件を満たす。測地線は次式(23)によって与えられるオイラ−ラグランジェ方程式に対する解である。
Figure 2006522962
図9は、3次元表面キャリヤ多様体902上の式(23)の仮説的測地線解x(t)904を示す図である。測地線解x(t)904が辿る経路は、図1のステップ102におけるデータ104,プログラム106および未初期化変数108を表す出発点x(t0)906と図1のステップ112におけるデータ104,プログラム106および未初期化変数114を表す終端点x(t1)908との間の最短経路である。
第2に、ベクトル関数x(t)が、その最小のεの範囲内の整数を持ち、ε最適制御と呼ばれる軌跡を定義する。
第3に、ラグランジアンL(x,u,t)がuに関してラグランジアンLの凸状化であるラグランジアンL*(x,u,t)によって置き換えられる。次に、緩和制御に関する存在定理がL*(x,u,t)を適用して、最適制御問題が緩和された解を有することを確認する。緩和解はオリジナルの課題に関するε最適制御を得るように近似することができる。
第4に、任意のあらかじめ指定されたεについて、オリジナルの問題に対するε最適制御を計算して、有限状態の、物理的に実現可能な制御オートマトンとしてε最適制御が実施される。状態xにおける有限制御オートマトンによって発せられる実際の制御法則は、チャタリング制御である。チャタリングは、L(x,u)のいくつかの局所的極大値に対する近似の間に行われる。
1次、時間依存、微分方程式(20)に対する解の望ましい進化が、キャリヤ多様体の測地線に沿った経路を定義することによって推定される。換言すれば、式(20)を満たす関数x(t)の進化によって式(21)に記述されるようなキャリヤ多様体上のメトリックを引き出す望ましいラグランジアン
Figure 2006522962

が存在する。キャリヤ多様体上の共変部分導関数は次のように定義される。
Figure 2006522962
時間tに関する共変部分導関数は存在するが、時間は不変量であるので、時間tに関する共変部分派生式はまさに次の通りとなる。
Figure 2006522962
従って、局所座標からキャリヤ多様体上の座標への変換は、次式によって与えられる。
Figure 2006522962

ただし、
Figure 2006522962

は、式(21)に関連するLevi-Civita結合から発生するクリストフェル(Christoffel)係数である。クリストフェル係数は次式に従って明示的に計算するこができる。
Figure 2006522962

ただし、(gi,j)は、次式によって与えられるメトリック基礎形式行列の逆数である。
Figure 2006522962
便宜的に、共変部分導関数は、次式(24)を与えるため、式(20)の両辺の時間tに関する導関数を取得することから始まる。
Figure 2006522962

ここで、
Figure 2006522962

および
Figure 2006522962

は列ベクトルであり、
Figure 2006522962

は、k × kの行列である。ラグランジアンLは次のように定義される関数マッピングである。
L:TM×R→R
ただし、TMは正接束であり、ラグランジアン
Figure 2006522962

は、次式によって与えられるオイラ−ラグランジュ方程式を満たす。
Figure 2006522962

ただし、
Figure 2006522962

および
Figure 2006522962

は列ベクトルである。
式(25)の時間導関数の拡張によって次式(26)が与えられる。
Figure 2006522962
ラグランジアン
Figure 2006522962

は、3回の微分が可能であると仮定され、
Figure 2006522962

の混合部分導関数は、微分の順序が次数2または3の
Figure 2006522962

の混合部分導関数に関していかなる相違も生まないように連続的であると仮定される。かくして、i番目のコンポーネントの
Figure 2006522962

について式(26)の部分導関数をとることによって、次式(27)が得られる。
Figure 2006522962

Figure 2006522962

式(27)は次式(28)のように書き換えることができる。
Figure 2006522962

式(28)は更に次式(29)のように書き換えることができる。
Figure 2006522962

式(29)の両辺を移項し、
Figure 2006522962

によって与えられる偏微分特性を使用することによって、次式(30)が得られる。
Figure 2006522962
ただし、
Figure 2006522962

式(30)は、次式によって与えられる特徴的2次偏微分方程式の経路に沿って積分することによって明示的に解くことができる。
Figure 2006522962
D.量子化
この節では、図2のステップ212において上述された"規準的量子ハミルトニアン演算子"として知られている構造および定式化について記述する。ハミルトニアンの有用性は、物理学の多くの分野における理論的展開のフレームワークを提供し、現在の量子構造の構築に使用される言語の大半を提供している点にある。
上述のラグランジアン定式化において、システムは、独立自由度kの、時間従属的、ベクトル値化された関数x(t)によって特徴づけられていて、k個の独立変数xkおよびk個の時間導関数
Figure 2006522962

に関する問題である。ハミルトニアンは、位置座標xkおよび関連運動量Pkという観点から定式化されているので、基本的にラグランジアンと異なっている(参照:"Classical Mechanics 2nd Edition, Herbert Goldstein, Addison-Wesley Publishing Co., New York, 1980")。最初にラグランジアン
Figure 2006522962

の合計時間導関数をとって次式(31)を得ることによって、ラグランジアン式はハミルトニアン式に変換される。
Figure 2006522962
次に、 オイラ−ラグランジアン式(25)が式(31)に代入され、次式(32)が得られる。
Figure 2006522962

カッコ内の量は、"エネルギー関数"と呼ばれ、次式(33)によって示される。
Figure 2006522962
エネルギー関数(33)は、座標xkに関連し、次式(34)によって決定される線形共役運動量Pkという観点から再定式化される。
Figure 2006522962
ラグランジアン式からハミルトニアン式への変換は、式(34)を式(32)へ代入することによって厳密に数学的な問題として取り扱われる。かくして、式(33)によって与えられたエネルギー関数は、今や、次式(35)によって与えられる座標xkおよび共役運動量Pkのハミルトン関数として表される。
Figure 2006522962
式(35)においては、ハミルトニアンは常に座標(x,p,t)の関数と見なされ、ラグランジアンは座標
Figure 2006522962

の関数であるという点が特に強調される。
Figure 2006522962

によって与えられるラグランジアンに関する伝統的機械的表現を用いることによって(ただし、Vはxまたはxおよびtの両方の電位エネルギー関数である)、式(35)は、規準的変数(x,p)の関数として書き換えられ、次式(36)の伝統的機械的ハミルトニアンが得られる。
Figure 2006522962
電位エネルギーが時間tに依存しないとすれば、式(36)のハミルトニアンによって記述されるシステムは保守的であると言われる。これは、エネルギーが当該システムに追加されることはなく、あるいは、当該システムから移動されることもないということを意味する。
式(36)で表現されたハミルトニアンは、連続的に振る舞う動的システムをうまく特徴づけるものであるが、式(36)のハミルトニアンは本発明の量子的機械的方法および装置を特徴づけるのに適していない。なぜなら、本発明は、特定数の静止あるいは量子状態において存在する原子および分子の振る舞いに依存しているからである。
式(36)のハミルトニアンは、
Figure 2006522962

および
Figure 2006522962

という微分演算子を、式(36)に代入することによって原子および分子に現れる量子的振る舞いを特徴づけるように修正される(参照:"Quantum Mechanics, Albert Messiah, Elsevier Science Publishers, The Netherlands, 1961")。この結果、原子および分子のような量子的機械的システムの振る舞いを特徴づける次式(37)によって与えられる基準的量子ハミルトニアン演算子式が得られる。
Figure 2006522962

運動エネルギーおよび全体エネルギーが、
Figure 2006522962

によって与えられる微分演算子によってそれぞれ置き換えられているので、式(37)は"演算子"と呼ばれる。
式(37)のハミルトニアンは2次微分波動方程式である。一般に、式(37)で与えられるハミルトニアンに対する解は、空間座標、時間および整数パラメータに依存した複素数値波動関数である。ハミルトニアンの波動関数解は、次式(38)によって与えられる。
Ψ(x, t) = |Ψ(t)〉 (38)
ここで、整数パラメータnは"量子数"と呼ばれる。一般的に、"固有関数"、"固有状態"または"状態"と呼ばれる無限数の解|Ψ(t)〉が存在する。それらは、位置、運動量およびエネルギーのようなシステムの状態について決定されることができるすべての情報を含む。式(38)によって与えられる解{|Ψ(t)〉}の集合は、ヒルベルト空間に関する基礎を構成する。従って、ヒルベルト空間{|Ψ(t)〉}における任意の2つの固有関数|Ψ(t)〉を所与とすれば、次式(39)が成立する。
Figure 2006522962

ただし、Ψi *はΨiの複素数共役である。
式(38)によって与えられたハミルトニアンは、次式(40)の形式の固有値問題として書き直すこともできる。
Figure 2006522962
ただし、λnは、状態|Ψ(t)〉におけるシステムのエネルギーで、"固有値"と呼ばれる。ハミルトニアンによって特徴づけられる量子機械システムの測定の前に、システムは、次式(41)のように状態関数{|Ψ(t)〉の線形結合によって表されると仮定される。
Figure 2006522962
ただし、|Ω(t)〉は、システム全体に関する状態関数であり、ciは複素数値係数である。システムの測定が行われると、システムは、式(41)の固有状態|Ψi(t)〉のうちのただ1つの状態において観察される。この場合、状態|Ψi(t)〉においてシステムを観察することの確率は、係数の自乗、すなわち|ci|2である。
式(40)の電位エネルギー関数Vは、原子あるいは分子の回転運動や振動あるいは原子または分子の電子的状態のような観察下システムの特定の物理的特性を特徴づける。例えば、2原子性分子の振動Vvibを特徴づける電位Vをハミルトニアンに代入することによって、振動固有状態|Ψ(t)〉および付随する振動エネルギー固有値λnが得られる。
図10は、仮説的2原子性分子に関するモールス(Morse)の電位およびスペクトルを示す。2原子性分子の振動電位エネルギーは、
Vvib=De(1-exp(-kr))2
によって与えられるモールス電位によって近似することができる。Deは2原子性分子を完全に切り離すために必要とされるエネルギーであり、kは最小電位における曲率であり、rは図10(a)に示された原子1004および1006の間の結合距離1002である。モールス電位は原子1004および1006の間の相互作用を特徴づける。
図10Bは、モールス電位および量子化された振動エネルギー準位を示す。仮説的2原子性分子の振動振る舞いを表すハミルトニアンは、次式によって与えられる。
Figure 2006522962
ただし、{|X〉}は2原子性分子の振動状態集合であり、{λn}は、対応する固有値集合である。電位エネルギーVvibは、図10(a)において原子1004および1006の原子間結合距離r1002の関数として描写されている。この場合、エネルギーは垂直軸1008によって表され、原子間結合距離rは図10(b)のr軸によって表されている。最低振動状態は、随伴するエネルギー固有値λ1010を持つ|X0〉であり、"基底状態"と呼ばれる。
図10(b)において、光源1012および1014が、
hvi,ji,j
によって与えられるエネルギーで光子(フォトン)を発散する。vi,jは光周波数であり、
λi,jji
である。仮説的2原子性分子は、周波数v0,1を持つ光源1012からの光子を吸収し、 2原子性分子は、エッジ1016によって示されるように、振動エネルギーにおける量λ1,2の増加を経験する。基底状態から一層高いエネルギー状態への遷移は"励起"と呼ばれ、分子は"励起状態"にあると言われる。今や、仮説的2原始性分子は、エネルギー固有値λ1を持ち、分子状態は、基底状態|X0〉から励起状態
|X1〉へ遷移した。エッジ1018は、状態|X1〉から、光源1014から発せられた周波数v1,2を持つ光子の吸収によって得られる励起状態|X2〉への第2の遷移を示す。この仮説的例においては、励起状態は特定の周波数の光を使用して生成される。注意すべき点であるが、原子および分子は、電界の適用によって一層高い量子状態への励起を経験することもできる。
また、原子および分子は、励起状態から一層低いエネルギー状態へ遷移する際に周囲に光子を放出する。一層低いエネルギー状態への遷移のプロセスは、"緩和"あるいは"熱緩和"と呼ばれる。エッジ1020は、エネルギー固有値λ2を持つ励起状態|X2 〉からエネルギー固有値λ1を持つ状態|X1〉への仮説的2原始性分子の緩和を示す。状態|X2〉から状態|X1〉への遷移は、周波数v1,2を持つ光子の放出をもたらす。エッジ1022は、状態|X1〉から基底状態|X0〉への遷移およびそれに伴う周波数v0,1を持つ光子の放出を示す。
放射される光子の検出器による観察によって、2原子性分子の集団に関して種々に観察された光周波数のスペクトルを生成することができる。図10(c)は、図10(a)(b)に関連して上述された仮説的気相2原始性分子のスペクトルの集合平均を示す。水平軸1024は、集合に関して観察された量子化振動周波数であり、垂直軸1026は振動周波数の各々に関連した強度である。仮説的分子のスペクトルは、一層高い振動周波数において強度が減衰することを示している。強度は、特定の振動状態における2原始性分子の断片の測定値である。放射の線1028は最大強度δ0を持ち、状態|X0〉における2原始性分子の断片を近似するために使用することができる。従って、式(41)に従って、2原始性分子の集団を記述する状態関数は、次のように与えられる。
Figure 2006522962
E.実現化
実現化は、関数Φ(x)を解くため、式(40)における規準的量子ハミルトニアン演算子をハードウェアの物理的動作へ変換するプロセスである。関数Φ(x)は、次式によって与えられるヒルベルト空間γpにわたる値pのクレステントン(Chrestenton)関数の直交型集合の観点から拡張することができる。
p={φk(x)|φk(x):[0, pN-1]→[0, pN-1], k=0,…, pN-1 }
ここで、クレステントン型関数の一般型は、次式によって与えられる。
Figure 2006522962

ただし、
Figure 2006522962

および
Figure 2006522962

である。
従って、直交型集合Bpという観点から記述される補間関数Φ(x)は、次式(42)によって与えられる。
Figure 2006522962

ただし、
Figure 2006522962

である。
係数集合{βk}は式(42)の関数のスペクトルと呼ばれる。ただし、スペクトル{βk}の項目の数は約105から1012の範囲にわたる。スペクトル{βk}が既知であれば、図2のステップ216およびステップ206に関連して上述された符号化関数F(x)を決定するためΦ(x)を使用することができる。次に、符号化関数F(x)を使用して、図2のステップ204およびステップ202に関連して上述されたオリジナル関数f(x)を決定することができる。本発明の目的は、スペクトル{βk}を近似するスペクトルを決定することである。
システムのハードウェアは、"H0"と呼ばれるハードウェア・ハミルトニアン演算子によって特徴づけられる。実現化プロセスは、"Hf"と呼ばれる励起フィールド・ハミルトニアンHfを構築するステップを含む。このステップにより、励起フィールド14と相互作用する時、ハードウェアは次式(44)の条件を満たす。
Figure 2006522962
ただし、
|・|は演算子ノルムを意味し、εは、計算処理に関する精度要件を満たすように選択されるパラメータである。
一般に、複合ハミルトニアンH0+Hfの固有値は、式(42)によって与えられる関数のスペクトル{βk}を近似する。{λk|k=1, …,N}が対応する固有状態{|Ψk(t)〉| k=1, …,N}を持つH0+Hfという固有値のサブセットであるとすれば、
(H0+Hf)|Ψk(t)〉=λkk(t)〉 (45)
であれば、
Figure 2006522962

および
Figure 2006522962

である。
ただし、φkはクレステントン型関数である。従って、式(42)によって与えられる補間関数Φ(x)は次式(48)のように近似することができる。
Figure 2006522962
かくして、式(48)に関する係数集合を得るように励起フィールド・ハミルトニアンHfに従ってハードウェア・システムH0を励起させることによって、離散関数を近似することができる。符号化関数は式(48)から構築することができ、次に、これを使用して、図2の逆順ステップ206−202に関連して上述したクラスIが決定される。
II. 量子コンピューティングのための関数型アーキテクチャ
A.関数入力
図3の関数入力302は、図2に関連して上述されたステップ202−214を介して、励起フィールド・ハミルトニアンHfを記号的に決定する。励起フィールド・ハミルトニアンHfを記号的に決定するプロセスは"コンパイル・プロセス"と呼ばれる。
B. 励起発生器
図3の励起発生器303は、関数入力302から記号的励起フィールド・ハミルトニアンHfを受け取って、Hfの記号記述を量子プロセッサによって実行されるべき物理的実施形態に変換する。励起発生器は、次式(49)によって与えられる所望の状態に従って量子プロセッサのそれぞれのノードをアドレスする。
Figure 2006522962
ただし、|Ψ(t)〉は量子プロセッサのj番目のノードの状態関数である。
C. 量子プロセッサ
図11は、本発明の多くの可能な実施形態の1つを表す2次元ノード・アレイを持つ図3の量子プロセッサ304を示すブロック図である。ノード1102は、量子横方向接合部904および量子前方向接合部1106によって格子内の隣接ノードと接合された化学重合体である。境界1106および1108によって、システムの周囲コンポーネントに電界が漏れ出すのを防ぐ絶縁隔壁が形成される。量子プロセッサは、また、励起フィールドHfを実施する励起フィールド1112を内包する。量子プロセッサの対向する両端部には、ノード1102の格子に励起フィールドを戻すように反射する反射板1114および1116が配置されている。
ノード格子は図11に示されているような直線的ノード配置に限定されることはない。代替実施形態において、ノードを一層高い密度に配置することもできる。例えば、隣接した列のノードをオフセットさせることによって、ノードを一層近接して詰め込む配置に構成することができる。更なる代替形態において、ノードは、任意の数の異なった3次元の格子構造に構成することもできる。例えば、単純な立方体、体心立方体、面心立方体、基本的面心立方体、単純な六面体、あるいは、亀甲近接配置菱面体等々である。図12は、本発明の多数の可能な実施形態の1つであって、等間隔に配列されたノード1202,反射板1204および1206および絶縁隔壁1208および1210を含む単純立方体格子である。
励振発生器から励起フィールドHfを受け取る前に量子プロセッサを実現するハミルトニアンは
H=H
によって与えられる。H0は、ハードウェア・ハミルトニアンである。励起フィールドを適用する前は、格子ノードは基底振動状態にある。励振発生器から励起フィールドHfを受け取った後、量子プロセッサは、
H=H0+Hf
によって与えられるハミルトニアンによって特徴づけられる。
図13は、図11に示された仮説的量子プロセッサに適用される仮説的励起フィールドHfを示す。励起フィールドHfは、励起フィールド1302から始まり、1304方向に量子プロセッサを進む。励起フィールドの波頭1306が、基底状態のノードを越えて行き、各ノードを一層高い振動/電子状態へ励起させる。基底状態にあるノードは、空の円1308で標示され、励起状態にあるノードは中黒円1310で標示されている。各ノードが格子に固定されていて自由に回転することができないので、ノードの回転量子状態は捕捉されない。
図14は、単一ノード1402に関する2レベル・オートマトンを示すブロック図である。下位オートマトン1404は、遷移セレクタ1406、状態遷移1408および現在状態1410を含む量子プロセッサをノードの観点から見た機構である。上位オートマトンは、図3の関数入力302によって上述された量子計算パラダイムを表し、確率状態1414および確率遷移1416から構成される。入力セレクタ関数1418は、図3の励起発生器303によって実行される入力関数であり、励起フィールド1419、格子内の他のノードの隣接状態1420、確率状態1414および現在状態1410とのノード1402の相互作用をモデル化する。
1. 下位オートマトン
下位オートマトン1404において、状態遷移1408は、ノードのプログラム可能離散スペクトルを特徴づけ、上位オートマトン1412によって計算される混合状態確率密度遷移によって制御される。下位オートマトン1404の遷移セレクタ1406は上位オートマトン1412によって発せられるコマンドを実行する。各ノード1402は、次式(50)によって与えられる純粋状態集合を持つ。
Figure 2006522962
式(50)において、|Ψjk(t)〉はノードの純粋状態であり、jは量子プロセッサにおけるj番目のノードのインデックスであり、kは量子番号であり、Npは利用可能量子状態の数である。各ノードは基底状態|Ψji(t)〉で始まり、図11に関連して上述したように、励起フィールドHfによって一層高い状態|Ψjk(t)〉に励起される。励起フィールドHfによって一層高い状態に励起された後、ノードは、瞬間的に緩和化を受けて、Sにおける一層低いエネルギー状態へ遷移する。図3の制御/スケジューリング・システム301によって決定される時間間隔の後、ノード格子は、励起発生器303によって生成される別の励起フィールドHfによって再度励起される。1つの励起と次の励起の間の時間間隔は"更新時間"と呼ばれ、記号Δによって表される。ノードの更新時間Δは、下位オートマトンにおけるいかなる状態遷移の最大緩和時間の10倍よりも長いように決定される。格子のノードの各々は、更新時間Δの間に1つまたはそれ以上の状態の間を遷移することもある。そのような遷移は"チャタリング"と呼ばれる。チャタリング効果はSにおける純粋状態の組み合わせとして記述され、次式のように与えられる。
Figure 2006522962

ただし、
Figure 2006522962

は、更新時間間隔[t,t+Δ]の準オープン間隔で、ノードjが純粋状態|Ψjk(τ)〉で費やす時間を与える。時間間隔Δjk(t)は、状態に関連する特有の励起あるいは緩和の時間の関数である(参照:"Fields and Nodes: Field Theory and Dispersion Relations, by K. Nishijima, Benjamin, Inc., NY, 1969")。
図15は、式(52)のチャタリング組み合わせと式(51)の準オープン時間間隔との間の関係を示す。チャタリング組み合わせ(51)の純粋状態|Ψjk(t)〉
はエネルギーの昇順に垂直に配置されている。チャタリング組み合わせ(51)に出現し、式(52)で定義される準オープン間隔Ijk(t)は純粋状態|Ψjk(t)〉の下に図示されている。準オープン間隔Ijk(t)の各々は長さΔjkを持ち、j番目のノードが更新時間[t,t+Δ]の間に純粋状態|Ψjk(t)〉にとどまる時間量を表す。例えば、j番目のノードは、時間間隔Ij2(t)1506において長さΔj21504の間、純粋状態|Ψj2(t)〉1502にとどまる。時間間隔Δjkの総和は次式のように表される。
Figure 2006522962

従って、チャタリング係数は次のように定義することができる。
Figure 2006522962

これによって、式(53)は次式(54)のように書き換えることができる。
Figure 2006522962
チャタリング・ノードは、Sにおける一層低い状態に瞬間的に遷移して、周囲に光線を放出するか、または、システム内の他のノードによって発せられる放射光線を吸収して、Sにおける一層高いエネルギー状態へ遷移するかもしれない。図16は、エネルギー軸1602に沿って昇順に配置されたチャタリング組み合わせ(51)における3つの純粋状態を使用して、単一の仮説的ノードに関するチャタリングを図示している。第1に、ノードはエネルギーλjk1606を持つ状態|Ψjk(τ)〉1604で始まると仮定する。状態|Ψjk(τ)〉1604のノードは瞬間的にエネルギーλjk-11610を持つ一層低い状態|Ψjk-1(τ)〉1608に遷移して、エッジ1612によって示されるように、周囲にエネルギーhvjk-1,jkを放出する。第2に、ノードは、エッジ1614によって示されるように、周囲からエネルギーhvjk-1,jkを吸収して、エネルギーλjk1614を持つ状態|Ψjk(τ)〉1602へ戻る。第3に、格子の周囲から周波数hvjk,jk+1を持つエネルギーを吸収して、エッジ1620によって示されるように、エネルギーλjk+11618を持つ状態|Ψjk+1(τ)〉1616へ遷移する。
時間間隔[t,t+Δ]の各々ごとに、遷移セレクタ1406は、図14の上位オートマトン1412からコマンドを受け取る。コマンドは、順に並べられたチャタリング係数
Figure 2006522962
のタプルから構成される。遷移セレクタ1406は、式(51)に従って混合状態|Ψjk(t)〉のチャタリング組み合わせを計算する。
2.上位オートマトン
一般に、格子または格子ノードのいずれかを特徴づける特定の状態関数を決定するのに十分な情報は存在しない。従って、計算についての最良の記述は確率的記述である。量子の公式においては、記述は"確率密度記述"と呼ばれている(参照:"Probabilistic Model of Quantum Relation, V. F. Weisskopfand E. Wigner, Physik 63, pp.54-62, 1930")。
式(54)によって与えられる下位オートマトンにおける純粋状態集合について再度考察する。Pjをj番目のノードが純粋状態|Ψ(t)〉にある確率であるとすれば、確率密度演算子は次式(56)によって定義される。
Figure 2006522962

この確率密度演算子を用いて特定の量子状態の確率を決定することができる。微分方程式(56)および差分方程式(40)によって次式(57)の微分演算子が得られる。
Figure 2006522962

式(57)の右辺の演算子は、"交換子"と呼ばれ、[H,ρ]と表現される。従って、式(57)は次式(58)となる。
Figure 2006522962

式(58)は、図14の上位オートマトン1412によって実行される計算を特徴づける。上位オートマトン1412によって得られる結果は、ノードが状態|Ψ(τ)〉にある確率である。
式(56)の密度演算子を所与とすれば、格子に関する集団平均は、行列ρ・Cの跡(trace)によって決定することが可能で、次式(59)によって与えられる。
<C>=trace(ρ・C) (59)
Cは任意の量子的機械的演算子である。例えば、ノードの振動を特徴づける振動ハミルトニアンを演算子Cに代入して、振動状態の集団平均を得ることができる。演算子Cに関して計算される集団平均は、図3で変換器305によって実行される。
注意すべき点であるが、状態関数|Ψ(t)〉は、式(51)のチャタリング組み合わせとして与えられ、次式(60)のようにSにおける状態の線形組み合わせとして同等に記述することができる。
Figure 2006522962

係数αjk(t)は、式(54)によって与えられるチャタリング係数である。式(60)の線形組み合わせと式(51)のチャタリング組み合わせとの間の同等性は、次のようなチャタリング補助定理の改訂によって確立される。すなわち、
Figure 2006522962

とし、
Figure 2006522962

をSのチャタリング組み合わせ集合であるとする。実整数εは所与とする。すべての{α1,...αNp}について次式(62)が成立するように、次式(61)によって与えられる各タプルごとに定義される状態関数
Figure 2006522962

が存在する。
Figure 2006522962

Figure 2006522962
チャタリング補助定理によれば、集合Sにおける式(51)形式のあらゆるチャタリング組み合わせは、恣意的に小さい誤差を含むSの要素の線形組み合わせとして実現することができる。状態関数の強い連続性仮定の下では、補助定理の逆もまた真である。格子における境界条件を適切に選択することによって、連続性仮定に制約はない。
式(60)で与えられる線形組み合わせを用いて、j番目のノードの状態関数|Ψ(t)〉を表すことができるが、式(51)のチャタリング組み合わせ形式の状態関数の定式化によって、一連の励起ステップの定式化が可能とされる。
3.入力セレクタ関数
図14の入力セレクタ関数1418は、ノードの現在状態1410および確率状態1414から受け取る状態を利用して、格子のノードの励振フィールド1418および隣接するノード1420によって生成された電界との相互作用をモデル化してHfを生成する。図17は、格子ノード相互作用のいくつかの種類の例を示す。単純化のため最隣接のノードとの相互作用のみが図17に示されているが、本発明はその他のノードとの相互作用にも適応することができる。楕円1702は、最隣接ノード1706と相互作用するノード1704から生じる双極子積率相互作用を標示する。楕円1708は、2つの隣接ノード1712および1714と相互作用するノード1710によって生成された3極子積率相互作用を標示する。楕円1716は、隣接するノード1720、1722、1724および1726と相互作用するノード1718の4極子積率相互作用を標示する。
格子における他のノードによって生成される電界から励起フィールドを区別するため、励起フィールド・ハミルトニアンHfは、次のように2つの項の和として表すことができる。
f=He+Hl (63)
Heは、ノードの励起フィールドとの相互作用であり、Hlは、格子における他のノードとの相互作用である。所与のノードに関する相互作用ハミルトニアンHlは次式(64)のように表すことができる。
Figure 2006522962

上式において、j番目のノードについて、Hl ijは、ノードjの"隣接"ノードijとの相互作用ハミルトニアンであり、gΨはノードの現在状態|Ψjk(t)〉における"隣接関数"と呼ばれるものである。図18は、
Figure 2006522962

によって与えられる仮説的相互作用ハミルトニアンHlを説明する図である。エッジ1801−1803は、ノードjと隣接ノード1j1804、2j1805および3j1806との間のそれぞれの相互作用ハミルトニアンHl 1j、Hl 2j、およびHl 3jを標示する。隣接関数gΨは、現在状態|Ψ(t)〉における格子のノードjの相互作用の軌跡構造を表す。
相互作用ハミルトニアンの構造は、格子に関連するラグランジアンの構築および上記IのDにおいて記述された規準的量子化手順の適用によって決定することができる。このタスクを実行する諸要素はよく知られているが、詳細は格子の物理的特性に依存する。その手法は、電位を定義して格子ノード相互作用を特徴づけるプロセスを含む。例えば、図17において楕円1702によって示される双極子相互作用は、次式(65)のような形式の電位によって特徴づけることができる。
Figure 2006522962

dx-y(t)は緩和関数で、rijはノードiとjの間の距離である。
ここで、分析の目的および上記IのFにおいて記述された実現化ステップの詳細な定式化を決定するため、基本励起ハミルトニアンの有限集合が次式(66)によって与えられると仮定する。
Figure 2006522962
Neはノードjにとって利用可能な励起状態の数である。式(66)において与えられる基本励起ハミルトニアンは、更新時間Δにわたって集合Tの要素の間でチャタリングすることによって実現および実施されることができる。Tの要素の間のチャタリングは次のチャタリング方程式(67)によって与えられる。
Figure 2006522962
式(67)において、集合Ijk(t)は前述の式(52)によって定義され、|Ψ(τ)〉は状態関数である。確率的共振チャタリング式(67)は量子プロセッサの実施にとって中心的位置をしめる。実現の基準が満たされるように、格子のノードの状態に関する確率分布ρを導出することが本発明の着想である。
図19および図20は、仮説的量子プロセッサを使用して関数Φに対する近似を得る方法を示す。図19A−Cは、量子プロセッサから仮説的スペクトルを得るために使われる励起フィールド・ハミルトニアンHfの1つの仮説的実行を例示する。図19Aにおいて、量子プロセッサ1902のノードのすべてが基底状態で始まり、ハードウェア・ハミルトニアンH0によって特徴づけられることができる。検出器1904は、入射光線を光子の数を計算するために使われる電流に変換する。図19Bにおいて、励起フィールドHfが励起発生器303を介して量子プロセッサ1802に作用している。励起されたノードは、放射光線1906、1908および1910で示されているように、線検出器1904に当たる光子形態で光を放つ。図19Cは、励起フィールド・ハミルトニアンHjfの単一適用に関する水平軸1014に沿った周波数および垂直軸1916に沿った対応する強度の点描を示す。放射光線1906、1908および1910は、同じ周波数vkの光を放射するノードに関連していて、 強度値λkの決定の際に使用されている。図19Cに示されている結果としてのスペクトル強度{λ1,λ2,…}は図3のコヒーレント・メモリ306に保存される。
図20は、励起フィールドHfのn回の仮説的実行の後の仮説的スペクトルおよびそれらの平均スペクトルを示す。スペクトル2002、2004、2006によって示されるn個のスペクトルが平均スペクトル2008を計算するために使用される。約1012回の実行によって平均スペクトル2008は決定される。この場合、各実行は完了まで約0.2ナノ秒を要する。各実行ごとのスペクトルを保存するのではなく、強度の移動平均
Figure 2006522962

が図3のコヒーレント・メモリ306に保存される。平均スペクトルを使用して、次式(68)に従って関数Φ(x)を近似することができる。
Figure 2006522962
D. 読み出し周期
読み出し周期”ζ”は、図4のステップ410において変換器が量子プロセッサから放射される光を読み取るために要する時間量である。変換器が量子プロセッサから個々を集めるのにあまりにも長い時間をかけると、相互作用ハミルトニアンHiによって特徴づけられるノードの相互作用によって引き起こされるデコヒーレンス(非干渉性)の危険が存在する。例えば、量子プロセッサの格子で実行される計算は、図13に関連して上述されたような伝播する確率的波列から始まる。図21は、前方伝播波列2102および後方伝播波列2104を示す。最初の励起フィールドHfが格子に作用した後、前方伝播波列2102がノード格子を押し進み、励起フィールドに保持されたエネルギーの一部がノード励起エネルギーに変換される。ノードは、励起の後、光線hv2108を放出することによって一層低いエネルギー状態へ遷移する。励起フィールドHfの全体が消費されノード励起を介して光エネルギーに変換されるまで、励起フィールドは前方および後方伝播波列2102および2104の形態でそれぞれ前後に揺れ動く。この間に、異なるエネルギーhv'2110の相互作用ハミルトンH1によって特徴づけられるノード相互作用の結果として光線放射が継続する。これによって、強度対周波数スペクトルはゆがめられる。従って、ノード相互作用の結果として放射される光線量を制約して強度対周波数スペクトルに対して顕著に影響しないようにするため、変換器に関する読み出し周期は、励起フィールドが拡散するのに要する時間量よりかなり短くされる。
図22は、本発明の多くの可能な実施形態の1つを表す変換器読み出し周期ζの決定を示す制御流れ図である。ステップ2202において、量子プロセッサ格子はハードウェア・ハミルトニアンH0によって特徴づけられる初期確率状態にある。ステップ2204において、関数入力302によって決定され、図3の励起発生器303によって実現されたプログラム励起フィールドHfが、複数ノードからなる量子プロセッサ格子に作用する。ステップ2206において、読み出し周期ζが経過した後、図3の変換器305は、スペクトル強度および対応する周波数を図3のコヒーレント・メモリ306に送る。ステップ2208において、結果としての式(68)が操作者によって設定された諸パラメータの範囲で符号化関数を近似していない場合、ステップ2210において、読み出し周期ζは、一層長い周期ζ1に拡張され、計算は初期確率状態から再度開始される。ステップ2208において、結果としての平均スペクトル強度
Figure 2006522962

が条件を満たしていれば、計算は完了し、符号化関数への近似が決定されたことになる。
機械的量子システムに固有の熱緩和メカニズムが最終的に非干渉性を誘発するので、読み取り期間を恣意的に拡張することはできない。この点を例示するため、次の固有値方程式(69)によって与えられたハードウェア・ハミルトニアンH0の離散スペクトル{Ei}を考察する。
0i(t)〉=Eii(t)〉 (69)
式(69)において、|Ψi(t)〉は対応する固有関数である。式(58)を使用すれば、遷移確率行列要素ρijは次式(70)を満たす。
Figure 2006522962

ただし、行列要素は、
Figure 2006522962

によって与えられ、Ψi *(x,t)は、関数Ψi(x,t)の複素数共役である。システムが0に等しい時間tにおいて状態|Ψ(t)〉にあれば、式(54)によって与えられる緩和ハミルトニアンH1の存在によって、対応する確率密度行列要素ρjjが時間と共に幾何級数的に減少する結果がもたらされる(参照:"See Fields and Nodes: Field Theory and Dispersion Relations, K. Nishijima, Benjamin, Inc., N.Y., 1969")。tの値が小さい場合、対角行列要素ρjjは、確率密度演算子の行列表現において最大項である。励起がないと仮定し、式(57)を使用すれば、項ρjjは次式(72)を満たす。
Figure 2006522962

ただし、jに等しくないiに関して、
Figure 2006522962

である。式(72)および式(73)の解は次式(74)によって与えられる。
Figure 2006522962
ただし、ξは、量子プロセッサ格子の物理的特性に依存する緩和時間である。緩和時間は、波列が非干渉性を達成するために必要とされる時間である。従って、ノード間励起ハミルトニアンH1の効果は、上述された計算に悪影響を及ぼす各ノードの状態遷移をランダム化することにある。従って、読み出し周期ζは、この効果が認められるように選択されなければならない。換言すれば、読み出し周期ζは、次式(75)となるように、選択される。
ζ<<ξ (75)
上限ξは、量子プロセッサの設計仕様および計算処理可能性分析において使用される。
本発明は特定の実施形態の観点から上述されたが、本発明はそのような実施形態に限定されるように意図されていない。本発明の理念の範囲内での修正は当業者に明らかであろう。
上記の記述は、説明の目的のためのものであり、発明の完全な理解を提供するため特定の用語を使用している。しかしながら、当業者に明らかなように、特定の詳細は発明を実施する上で必要とされない。本発明の特定の実施例の上記記述は、例示および記述の目的のために提示されている。すなわち、それらは、すべてを網羅するように意図されてなく、あるいは、開示された厳密な形態に本発明を限定するように意図されてない。従って、明らかに、上述の技術の観点において種々の修正および変形が可能である。実施形態は、本発明の原理を最もよく説明し、それによって当業者が本発明および種々の修正を含む種々の実施形態を熟慮した特定使用の適用に活用することができるように選択および記述されている。
本発明の多くの可能な実施形態の1つの方法の概要を示す制御流れ図である。 本発明の多くの可能な実施形態の1つを表す方法および装置の若干詳細な制御流れ図である。 本発明の多くの可能な実施形態の1つを表す図2の"関数型アーキテクチャ"を含む装置のブロック図である。 "関数型アーキテクチャ"ルーチンの制御流れ図である。 入力関数の1つの簡単な例を示すブロック図である。 入力関数の1つの簡単な例を示すブロック図である。 式(3)−(6)における符号化の入力関数の1例への適用を示すブロック図である。 式(3)−(6)における符号化の入力関数の1例への適用を示すブロック図である。 は、式(8)のステップ関数を介して図3A−Bにおける符号化関数Fの 連続化を示す図である。 仮説的補間関数Φ(y)を示す図である。 3次元の仮説的シーケンスに関する連続化手法を示す図である。 3次元の仮説的シーケンスに関する連続化手法を示す図である。 3次元の仮説的シーケンスに関する連続化手法を示す図である。 3次元の仮説的シーケンスに関する連続化手法を示す図である。 3次元の仮説的シーケンスに関する連続化手法を示す図である。 3次元の仮説的シーケンスに関する連続化手法を示す図である。 3次元キャリヤ多様体に関する式(23)の仮説的測地線解x(t)を示す図である。 仮説的2原子性分子に関するモールス電位およびスペクトルを示す図である。 本発明の多くの可能な実施形態の1つを表す2次元ノード・アレイを有する量子プロセッサのブロック図である。 本発明の多くの可能な実施形態の1つを表す、等間隔に配置されたノード、反射板および絶縁隔離部からなる単純な立方格子を示すブロック図である。 励起発生器によって生成される励起フィールドHfの実現プロセスを示すブロック図である。 単一ノードに関する2レベルのオートマトンのブロック図である。 式(51)のチャタリング組み合わせと式(52)の準オープン時間間隔との間の関係を示す図である。 チャタリング組み合わせ(51)における3つの純粋状態を使用して単一の仮説的ノードに関するチャタリングを例示する図である。 格子ノード相互作用の例を示す図である。 相互作用ハミルトニアンH1によって特徴づけられる相互作用を例示する図である。 前方および後方伝播波列を例示する図である。 前方および後方伝播波列を例示する図である。 前方および後方伝播波列を例示する図である。 量子プロセッサから仮説的スペクトルを取得するために使用される励起フィールド・ハミルトニアンHfの単一の仮説的実行を例示する図である。 励起フィールドHfのn回の仮説的実行の後の仮説的スペクトルおよび平均スペクトルを例示する図である。 本発明の多くの可能な実施形態の1つを表す変換器読み出し周期の決定を示す制御流れ図である。

Claims (17)

  1. 値を計算する方法であって、
    計算処理されるべき値の計算処理を記述するため、計算処理可能な関数のプログラムを符号化するステップと、
    符号化されたプログラムを連続化するステップと、
    連続化および符号化されたプログラムを微分演算子として表現するステップと、
    微分演算子を物理媒体にインスタンス化するステップと、
    連続化および符号化されたプログラムに関する解を物理媒体から抽出するステップと、
    を含む方法。
  2. 計算処理可能関数のプログラムを符号化する前記ステップが、更に、
    計算処理可能関数のドメインS1×S2×…×SNにおける各ポイント(x0,x1,…,xN-1)に関して、
    F:[0,1,…,pN-1]→[0,1,…,p]
    によって与えられるマッピングを含み、
    ここで、
    Figure 2006522962

    であり、pは
    Figure 2006522962

    によって定義される自然数であり、
    Figure 2006522962

    である、請求項1に記載の方法。
  3. 符号化されたプログラムを連続化する前記ステップが、更に、符号化されたプログラムF(x)の補間関数Φ(x)を決定するステップを含む、請求項2に記載の方法。
  4. 符号化されたプログラムを連続化する前記ステップが、更に、
    再帰関係xn+1=xnnh(xn)によって補間関数Φ(x)をパラメータ化するステップを含み、
    ここで、{x0,x1,,,}は実数ベクトルのシーケンスである、請求項3に記載の方法。
  5. 反復プロセスxn+1=xnnh(xn)が、1次時間従属微分方程式
    Figure 2006522962

    に変換され、
    ここで、解ベクトルX(t)はキャリヤ多様体上の経路を定義する、請求項4に記載の方法。
  6. 1次時間従属微分方程式
    Figure 2006522962

    が、ラグランジアン
    Figure 2006522962

    を定式化するために使用される、請求項5に記載の方法。
  7. ラグランジアン
    Figure 2006522962

    が、
    Figure 2006522962
    によって古典的ハミルトニアンに変換され、
    ここで、Vはxまたはxおよびt両方の電位エネルギー関数であり、Eはシステムのエネルギーである、請求項6に記載の方法。
  8. 連続化および符号化されたプログラムを微分演算子として表現する前記ステップが、更に、
    古典的ハミルトニアンH(x,p,t)を、
    Figure 2006522962

    によって与えられる規準的量子ハミルトニアン演算子に変換するステップを含み、
    ここで、
    Figure 2006522962

    は座標および時間微分演算子である、請求項7に記載の方法。
  9. 微分演算子を物理媒体にインスタンス化する前記ステップが、更に、規準的量子ハミルトニアン演算子を実現するステップを含む、請求項8に記載の方法。
  10. 微分演算子を物理媒体にインスタンス化する前記ステップが、更に、量子プロセッサに作用するステップを含む、請求項9に記載の方法。
  11. 微分演算子を物理媒体にインスタンス化する前記ステップが、更に、量子プロセッサから出される放射光線を集めるステップを含む、請求項10に記載の方法。
  12. 量子プロセッサから出される放射光線を集める前記ステップが、更に、放射光線を強度対振動周波数のコヒーレント・スペクトルに変換するステップを含む、請求項11に記載の方法。
  13. 微分演算子を物理媒体にインスタンス化する前記ステップが、更に、
    Figure 2006522962

    によって与えられる振動強度のスペクトルの移動平均を保存するステップを含む、請求項12に記載の方法。
  14. 連続化および符号化されたプログラムに関する解を物理媒体から抽出する前記ステップが、更に、
    Figure 2006522962

    によって与えられる関数Φ(x)の多項式近似を構築するステップを含む、請求項13に記載の方法。
  15. 連続化および符号化されたプログラムに関する解を物理媒体から抽出する前記ステップが、更に、関数Φ(x)の多項式近似から符号化プログラムF(x)を決定するステップを含む、請求項14に記載の方法。
  16. 連続化および符号化されたプログラムに関する解を物理媒体から抽出する前記ステップが、更に、符号化プログラムF(x)から計算処理可能関数を決定するステップを含む、請求項15に記載の方法。
  17. 1つまたは2つ以上のノードと、
    格子を形成するようにノードを連結する1つまたは2つ以上の接合部と、
    1つまたは2つ以上の反射板と、
    1つまたは2つ以上の絶縁隔離部と、
    を備える量子プロセッサ。
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