JP2006510341A - 有害薬剤反応および薬剤効力を予測する単一ヌクレオチド多型 - Google Patents
有害薬剤反応および薬剤効力を予測する単一ヌクレオチド多型 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2006510341A JP2006510341A JP2003571493A JP2003571493A JP2006510341A JP 2006510341 A JP2006510341 A JP 2006510341A JP 2003571493 A JP2003571493 A JP 2003571493A JP 2003571493 A JP2003571493 A JP 2003571493A JP 2006510341 A JP2006510341 A JP 2006510341A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- gene
- polypeptide
- polymorphic
- drug
- adr
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Classifications
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C12—BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
- C12Q—MEASURING OR TESTING PROCESSES INVOLVING ENZYMES, NUCLEIC ACIDS OR MICROORGANISMS; COMPOSITIONS OR TEST PAPERS THEREFOR; PROCESSES OF PREPARING SUCH COMPOSITIONS; CONDITION-RESPONSIVE CONTROL IN MICROBIOLOGICAL OR ENZYMOLOGICAL PROCESSES
- C12Q1/00—Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions
- C12Q1/68—Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions involving nucleic acids
- C12Q1/6876—Nucleic acid products used in the analysis of nucleic acids, e.g. primers or probes
- C12Q1/6883—Nucleic acid products used in the analysis of nucleic acids, e.g. primers or probes for diseases caused by alterations of genetic material
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61P—SPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
- A61P9/00—Drugs for disorders of the cardiovascular system
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61P—SPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
- A61P9/00—Drugs for disorders of the cardiovascular system
- A61P9/04—Inotropic agents, i.e. stimulants of cardiac contraction; Drugs for heart failure
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61P—SPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
- A61P9/00—Drugs for disorders of the cardiovascular system
- A61P9/08—Vasodilators for multiple indications
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61P—SPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
- A61P9/00—Drugs for disorders of the cardiovascular system
- A61P9/10—Drugs for disorders of the cardiovascular system for treating ischaemic or atherosclerotic diseases, e.g. antianginal drugs, coronary vasodilators, drugs for myocardial infarction, retinopathy, cerebrovascula insufficiency, renal arteriosclerosis
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61P—SPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
- A61P9/00—Drugs for disorders of the cardiovascular system
- A61P9/12—Antihypertensives
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C12—BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
- C12Q—MEASURING OR TESTING PROCESSES INVOLVING ENZYMES, NUCLEIC ACIDS OR MICROORGANISMS; COMPOSITIONS OR TEST PAPERS THEREFOR; PROCESSES OF PREPARING SUCH COMPOSITIONS; CONDITION-RESPONSIVE CONTROL IN MICROBIOLOGICAL OR ENZYMOLOGICAL PROCESSES
- C12Q2600/00—Oligonucleotides characterized by their use
- C12Q2600/106—Pharmacogenomics, i.e. genetic variability in individual responses to drugs and drug metabolism
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C12—BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
- C12Q—MEASURING OR TESTING PROCESSES INVOLVING ENZYMES, NUCLEIC ACIDS OR MICROORGANISMS; COMPOSITIONS OR TEST PAPERS THEREFOR; PROCESSES OF PREPARING SUCH COMPOSITIONS; CONDITION-RESPONSIVE CONTROL IN MICROBIOLOGICAL OR ENZYMOLOGICAL PROCESSES
- C12Q2600/00—Oligonucleotides characterized by their use
- C12Q2600/156—Polymorphic or mutational markers
Landscapes
- Health & Medical Sciences (AREA)
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
- General Health & Medical Sciences (AREA)
- Cardiology (AREA)
- Proteomics, Peptides & Aminoacids (AREA)
- Heart & Thoracic Surgery (AREA)
- Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
- Pharmacology & Pharmacy (AREA)
- Medicinal Chemistry (AREA)
- Animal Behavior & Ethology (AREA)
- General Chemical & Material Sciences (AREA)
- Public Health (AREA)
- Veterinary Medicine (AREA)
- Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
- Genetics & Genomics (AREA)
- Analytical Chemistry (AREA)
- Zoology (AREA)
- Wood Science & Technology (AREA)
- Molecular Biology (AREA)
- Biochemistry (AREA)
- Physics & Mathematics (AREA)
- Biophysics (AREA)
- Biotechnology (AREA)
- Immunology (AREA)
- Microbiology (AREA)
- General Engineering & Computer Science (AREA)
- Pathology (AREA)
- Urology & Nephrology (AREA)
- Hospice & Palliative Care (AREA)
- Vascular Medicine (AREA)
- Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
- Measuring Or Testing Involving Enzymes Or Micro-Organisms (AREA)
- Peptides Or Proteins (AREA)
- Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
- Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
- Investigating Or Analysing Biological Materials (AREA)
Abstract
本発明は、ヒト個体がスタチン治療後に有害薬剤反応を受ける危険性あるかどうか、またはヒト個体がスタチンの高い、または低い応答者か、または良い、もしくは悪い代謝体であるこどうかを決定する診断法、およびオリゴおよび/またはポリヌクレオチドまたは誘導体を含み、ならびに抗体を含むキットを提供する。さらに本発明は、ヒト個体が心血管疾患の危険性があるかどうかを決定する診断法および抗体を含むキットを提供する。さらに本発明は、多型配列および他の遺伝子を提供する。本発明はさらに、治療薬を同定する方法に有用で、そして心血管疾患を処置するか、または薬剤応答に影響を与えるための薬剤の調製に有用である表現型関連(PA)遺伝子ポリペプチドをコードする単離されたポリヌクレオチドに関し、該ポリヌクレオチドは:PA遺伝子ポリペプチドに関する完全長のcDNAのような機能的周囲に含まれる、配列の章に示される対立遺伝子変異を含み、そしてPA遺伝子プロモーター配列を含むか、もしくは含まない配列番号1〜80を含んでなる群から選択される。
Description
発明の分野
本発明は、限定するわけではないがアテローム硬化症、虚血/再潅流、高血圧、再狭窄、動脈炎症、心筋梗塞および脳卒中を含むヒトにおける心血管的危険性を評価するために有用な遺伝的多型に関する。加えて本発明は、脂質低下薬剤治療に対する応答を評価するために有用な遺伝的多型に関する。具体的には本発明は正常または非心血管疾患状態のヒトに比較して、心血管疾患を持つヒトに個別に存在する、および/または心血管疾患に関する薬剤適用に応答する遺伝子変異を同定し、そして記載する。さらに本発明は心血管疾患の処置として化合物の同定および治療的使用に関する方法を提供する。さらに本発明は心血管疾患の処置について臨床的評価を受けている患者の診断的モニタリング、および臨床試験における化合物の効力をモニタリングするための方法を提供する。さらに本発明は有害薬剤反応を回避し、そして患者に最大の利益を達成するための薬剤用量の調整を可能とする個人的な薬物適用スキームを予測するために遺伝子変異を使用する方法を提供する。加えて本発明は種々の心血管疾患の診断的評価および予後、ならびにそのような状態に対する素因を現す個体の同定のための方法を記載する。
本発明は、限定するわけではないがアテローム硬化症、虚血/再潅流、高血圧、再狭窄、動脈炎症、心筋梗塞および脳卒中を含むヒトにおける心血管的危険性を評価するために有用な遺伝的多型に関する。加えて本発明は、脂質低下薬剤治療に対する応答を評価するために有用な遺伝的多型に関する。具体的には本発明は正常または非心血管疾患状態のヒトに比較して、心血管疾患を持つヒトに個別に存在する、および/または心血管疾患に関する薬剤適用に応答する遺伝子変異を同定し、そして記載する。さらに本発明は心血管疾患の処置として化合物の同定および治療的使用に関する方法を提供する。さらに本発明は心血管疾患の処置について臨床的評価を受けている患者の診断的モニタリング、および臨床試験における化合物の効力をモニタリングするための方法を提供する。さらに本発明は有害薬剤反応を回避し、そして患者に最大の利益を達成するための薬剤用量の調整を可能とする個人的な薬物適用スキームを予測するために遺伝子変異を使用する方法を提供する。加えて本発明は種々の心血管疾患の診断的評価および予後、ならびにそのような状態に対する素因を現す個体の同定のための方法を記載する。
発明の背景
心血管疾患は産業化された世界全体に存在する主要な健康上の危険性である。
心血管疾患は産業化された世界全体に存在する主要な健康上の危険性である。
心血管疾患には限定するわけではないが、心臓および血管系の以下の障害を含む:鬱血性心不全、心筋梗塞、アテローム硬化症、心臓の虚血性疾患、冠動脈性心疾患、すべての種類の心房および心室不整脈、高血圧性血管疾患および末梢血管疾患を含む。
心不全は、心機能の異常により代謝している組織の必要性に釣り合った速度で心臓が血液を送れないことが原因である病態生理学的状態と定義されている。これには根元的な原因から独立して、高出力および低出力、急性および慢性、右側または左側、心収縮時または心拡張期のようなすべての形態のポンプ送液不全を含む。
心筋梗塞(MI)は一般に、アテローム硬化症によりそれまでに狭窄した冠動脈の血栓的閉塞に続いて起こる冠状血流の突然の低下により引き起こされる。MIの予防(原発的および2次的防止)にはMIの急性処置および合併症の防止も含まれる。
虚血性疾患は冠状流が制限され、心筋が要求する酸素を満たすには不十分である潅流をもたらす状態である。この疾患群には安定狭心症、不安定狭心症および無症候性虚血を含む。
不整脈にはすべての形態の心房性および心室性頻拍(心房頻脈、心房粗動、心房細動、洞房再入性頻拍、前興奮性症候群(preexitation syndrome)、心室性頻脈、心室粗動、心室細動)ならびに徐脈型の不整脈を含む。
高血圧性の血管疾患には原発性ならびにすべての種類の2次的な動脈性高血圧(腎臓性、内分泌性、神経性、その他)を含む。
末梢血管疾患は、動脈および/または静脈流が減少して血液供給と組織の酸素要求量との間に不均衡をもたらす血管疾患と定義されている。これには慢性末梢動脈性閉塞性疾患(PAOD)、急性動脈血栓症および塞栓症、炎症性血管障害、レイノー現象および静脈障害を含む。
最も有病率が高い血管疾患であるアテローム硬化症は、心臓発作、脳卒中および四肢の壊疽の主な原因であり、故に死亡の主原因である。アテローム硬化症は複雑な疾患であり、多くの細胞型および分子因子が関与している(詳細な総説については、非特許文献1;および非特許文献2を参照にされたい)。正常な状況においてこのプロセス(動脈壁の内皮および平滑筋細胞(SMC)への傷害に対する保護的応答)は、線維脂肪および線維状損傷またはプラークの形成からなり、炎症がこれに先立ち、そして付随する。アテローム硬化症が進行した病変は、関係する動脈を閉塞し、そして多数の異なる形態の傷害に対して過剰な炎症性線維増殖的応答から生じ得る。例えば剪断応力は、分岐点および不規則な構造のような血液の乱流が起こる循環系の領域で、頻繁なアテローム硬化症プラークの発生の原因であると考えられている。
アテローム硬化症プラークの形成において最初に観察され得る出来事は、血液で生じた単球が血管内皮層に付着し、そして内皮下の空間を通って移動する時に起こる。同時に隣接する内皮細胞は酸化された低密度リポタンパク質(LDL)を生産する。次いでこれらの酸化されたLDLは、単球上に発現したスカベンジャーレセプターを介して単球に大量に取り込まれる。取り込みのスカベンジャー経路は自然なLDL(nLDL)がnLDL特異的レセプターにより取り込まれる調節された経路とは対照的に、単球により調節されない。
これらの脂質が満たされた単球は泡沫細胞と呼ばれ、そして脂肪線条の主要な構成成分である。泡沫細胞とそれらを取り巻く内皮およびSMCとの間の相互作用は、慢性的な局所的炎症状態を導き、これは最終的に平滑筋細胞の増殖および遊走、ならびに線維状プラークの形成を導く可能性がある。そのようなプラークは関係する血管を閉塞し、そしてこれにより血流を制限し、虚血を生じる。
虚血は不十分な潅流により臓器組織に酸素供給が欠乏することを特徴とする状態である。そのような不十分な潅流には多数の自然な原因があり、それらのほんの少しの例を列挙すればアテローム硬化症または再狭窄損傷、貧血または脳卒中を含む。例えばバイパス手術中の血流の妨害のような多くの医学的介入も虚血を導く。時には疾患がある心血管組織に起因することに加えて、虚血は虚血性心疾患のような心血管組織に影響を及ぼすことがあるかもしれない。しかし虚血は酸素供給の欠如を被ったいかなる臓器でも起こり得る。
心臓虚血の最も多い原因は、心外膜の冠状動脈のアテローム硬化症疾患である。これら血管の管腔が縮小することにより、アテローム硬化症は基本状態における心筋潅流に絶対的な減少を引き起こすか、または流量の需要が増した時に潅流の適切な増加を制限する。冠状血流は動脈血栓、痙攣および稀に冠状塞栓、ならびに梅毒大動脈炎による心門の狭窄化によっても制限され得る。肺動脈から左前下行冠動脈の異常な起点のような先天性異常は、幼児に心筋虚血および梗塞を引き起こす可能性があるが、この原因は成人では大変稀である。心筋虚血は、高血圧または大動脈弁狭窄症による重篤な心室肥大の場合のように、心筋の酸素要求量が異常に増加する場合にも起こり得る。これは冠状アテローム硬化症により引き起こされるものと区別できない狭心症で存在し得る。極度に重篤な貧血またはカルボキシヘモグロビンが存在する場合のように、血液の酸素運搬能の低下は心筋虚血の稀な原因である。左心室肥大による酸素要求量の増大および冠状アテローム硬化症に続発する酸素供給の低下のような虚血の2以上の原因が共存することも稀ではない。
前述の研究は心血管疾患を導く正常な細胞機能のミスリードを誘発することに関与すると予想される特定の遺伝子変異の役割を定めることを目標とする。しかしそのような取り組みは疾患プロセスに関与する多種多様な遺伝子変異を同定することはできない。
現在、心血管障害に唯一利用できる処置は個人の現実的欠損を標的とはしていない薬物に基づく薬剤適用であり;その例には高血圧にアンギオテンシン転換酵素(ACE)インヒビターおよび利尿薬、非インスリン依存性糖尿病(NIDDM)にインスリン補充、異常脂血症(dyslipidaemia)にコレステロール低下法、心血管障害に抗凝固物質、β−遮断薬、そして肥満のための体重減少法を含む。標的を定めた処置法が利用可能ならば、特定の治療計画に対する応答を予測することは可能であり、そしてそのような処置の効力を顕著に上げることができるだろう。標的を定めた処置には疾患の感受性について正確な診断試験が必要であるが、いったんこれらの試験が開発されれば、標的を定めた治療を利用する好機は普及するようになるだろう。そのような診断試験は最初に高血圧の危険が最も高い個体を同定するために役立ち、そして予防的措置として役立つ彼らの生活習慣または食事を変えることができる。診断試験を標的を定めた治療と組み合わせることに付随する利点は、投与する薬剤の投薬用量の低減、すなわち個人が被る不快な副作用の量の低減を含む。より重篤な場合では、診断試験が早期の外科的介入が状態のさらなる悪化の防止に役立つことを示唆することもあり得る。
[参考文献]
Ross,Nature 362:801−809,1993 Lusis,A.J.,Nature 407,233−241,2000
[参考文献]
Ross,Nature 362:801−809,1993 Lusis,A.J.,Nature 407,233−241,2000
本発明の目的は、心血管疾患に対する素因または感受性の遺伝子診断を提供することである。別の関連する目的は、この疾患に対して素因を持つか、または感受性の対象において疾患の発症を低下させ、または防止し、または遅らせるための処置を提供することである。さらなる目的はこの診断を行うための手段を提供することである。
したがって本発明の第1の観点は、個体の疾患の診断法を提供し、該方法は該個体の実施例に列挙する遺伝子において、1つの、種々の、またはすべての遺伝子型を決定することを含んでなる。
別の観点では、本発明は疾患に対して素因を持つか、または感受性の個体を同定する方法を提供し、該方法は該個体の実施例に列挙する遺伝子において、1つの、種々の、またはすべての遺伝子型を決定することを含んでなる。
本発明は、疾患症状の発症前に、または重篤な症状の発症前に有用な結果をもたらすことができる、遺伝子分析を介した疾患または特定の疾患状態の診断を可能とする点で有利である。本発明はさらに、遺伝子分析を介して疾患に対する素因もしくは感受性、または特定の疾患状態の診断を可能とする点で有利である。
本発明は、他の診断法の結果の確認または確証にも使用することができる。すなわち本発明の診断は、独立した(isolated)技術として、または診断のための他の方法および装置と組み合わせて適切に使用することができ、後者の場合、本発明は診断を評価できるさらなる試験を提供する。
本発明は、個体の遺伝子型を決定する方法として対立遺伝子関連(allelic association)を使用することから生じ;心血管疾患に関する分子遺伝的基礎の調査を可能とする。特定の態様では、本発明は実施例に列挙する遺伝子配列中の多型を試験する。本発明は、「悪い」血清脂質の個体を「良い」血清レベルの個体と比べた時、対立遺伝子頻度が有意に異なることを示すことにより、この多型と心血管疾患に対する素因との間の連鎖を証明する。「良い、および悪い」血清脂質レベルの意味は、表1aに定める。
特定の疾患状態は疾患の出現前に処置または治療を投与することにより利益を得るだろう、すなわち患者の罹患を減少し、または防止し、または遅らせることができ;これは疾患に対する素因または感受性の事前の診断を分析できれば、より高い信頼性で行うことができる。
薬理ゲノミックスおよび有害薬剤反応
有害薬剤反応(Adverse drug reactions:ADRs)は、相変わらず主要な臨床的問題である。最近のメタ−アナリシス(meta−analysis)は、1994年に米国でADRが100000件の死亡の原因であり、それらが第4から6番目に多い死亡の原因となったことを示した(Lazarou 1998,J.Am.Med.Assoc.279:1200)。これらの数値は厳しく批判されたが、それらはADRの重要性を強調している。実際にADRがすべての入院の5%を占め、そして患者あたりの経費が〜$25000増加して入院期間の長さは2日まで延びる、という良い証拠がある。またADRは薬剤離脱症状の最も多い原因の1つであり、これは製薬産業に莫大な財政的意味合いを有する。ADRは、恐らく幸いにも特定の薬剤を摂取したこれらわずかな人にのみ影響を及ぼす。多くの場合で感受性を決定する因子は不明瞭であるが、遺伝的因子の役割に対して興味が増している。実際に1950年代後期および1960年代初期から、プソイドコリンエステラーゼ(ブチリルコリンエステラーゼ)およびグルコース−6−ホスフェートデヒドロゲナーゼ(G6PD)のような酵素の欠損の発見を通して、ADRに対して素因を持つ患者における遺伝性変異の役割が認識された。より最近では、ちょうど完成されたヒトゲノムの最初の設計図を用いて、薬理ゲノミックス(pharmacogenomics)およびトキシコゲノミックス(toxicogenomics)のような用語の導入により、この分野における興味が起こった。本質的に薬理ゲノミックスの目的は個別化された薬剤を生産することであり、これにより薬剤の種類および用量の投与が個人を遺伝子型にあつらえられる。すなわち薬理ゲノミックスという用語は、効力および毒性の両方を包含する。
薬理ゲノミックスおよび有害薬剤反応
有害薬剤反応(Adverse drug reactions:ADRs)は、相変わらず主要な臨床的問題である。最近のメタ−アナリシス(meta−analysis)は、1994年に米国でADRが100000件の死亡の原因であり、それらが第4から6番目に多い死亡の原因となったことを示した(Lazarou 1998,J.Am.Med.Assoc.279:1200)。これらの数値は厳しく批判されたが、それらはADRの重要性を強調している。実際にADRがすべての入院の5%を占め、そして患者あたりの経費が〜$25000増加して入院期間の長さは2日まで延びる、という良い証拠がある。またADRは薬剤離脱症状の最も多い原因の1つであり、これは製薬産業に莫大な財政的意味合いを有する。ADRは、恐らく幸いにも特定の薬剤を摂取したこれらわずかな人にのみ影響を及ぼす。多くの場合で感受性を決定する因子は不明瞭であるが、遺伝的因子の役割に対して興味が増している。実際に1950年代後期および1960年代初期から、プソイドコリンエステラーゼ(ブチリルコリンエステラーゼ)およびグルコース−6−ホスフェートデヒドロゲナーゼ(G6PD)のような酵素の欠損の発見を通して、ADRに対して素因を持つ患者における遺伝性変異の役割が認識された。より最近では、ちょうど完成されたヒトゲノムの最初の設計図を用いて、薬理ゲノミックス(pharmacogenomics)およびトキシコゲノミックス(toxicogenomics)のような用語の導入により、この分野における興味が起こった。本質的に薬理ゲノミックスの目的は個別化された薬剤を生産することであり、これにより薬剤の種類および用量の投与が個人を遺伝子型にあつらえられる。すなわち薬理ゲノミックスという用語は、効力および毒性の両方を包含する。
3−ヒドロキシ−3−メチルグルタリルコエンザイムA(HMG−CoA)レダクターゼインヒビター(「スタチン」)は、コレステロール生合成の律速段階を触媒する酵素HMG−CoAレダクターゼを特異的に阻害する。これらの薬剤は、糖尿病および非糖尿病患者の中年および老年の男性および女性における心臓発作のような冠状動脈疾患および冠状の出来事の原発的および2次的な危険性を低下させるために効果があり、そしてしばしば高脂血症患者に処方される。冠状動脈または心臓疾患の2次的な防止に使用するスタチンは、脳卒中の危険性、全死亡率および罹患率、および心筋梗塞の発作を有意に下げ;スタチンの使用には内皮および線維素溶解機能の向上、および血小板血栓形成の減少も付随する。
これら薬剤の長期投与中の耐容性(tolerability)は、重要な問題である。骨格筋が関与する有害反応は稀でなく、そして時にはミオパシーおよび横紋筋融解のような骨格筋が関与する重篤な有害反応が起こる可能性があり、薬剤の中断を要する。さらに血清クレアチンキナーゼ(CK)の上昇はスタチンが関連する有害反応(event)の兆候となり得る。
場合により関節痛が単独で、または筋痛を伴って報告された。また肝臓トランスアミナーゼの上昇もスタチン投与に関連した。スタチン治療に対する薬剤応答は1種の効果であり、すなわちすべての既知の、および恐らくこれまでに見いだされていないすべてのスタチンも同じ利益および有害効果を共有するだろう(Ucar,M.et al.,Drug safety 2000,22:441)。そうであるなら1つのスタチンに対する薬剤応答を予測する診断的道具の発見は、他のスタチンを用いた治療を導く手助けとなるだろう。
本発明は患者個人のスタチン治療に対する応答を予測するための診断試験を提供する。そのような応答には限定するわけではないが、有害薬剤反応、脂質低下のレベルまたは疾患状態に及ぼす薬剤の影響を含む。これらの診断試験は、単独で、または別の診断試験または別の薬剤処方と組み合わせてスタチン治療に対する応答を予測することができる。
発明の詳細な説明
本発明は少なくとも一部が、いわゆる「候補遺伝子(candidate gene)」(以下に定める)の多型領域の特異的対立遺伝子が、CVDまたは薬剤応答に関連するという知見に基づく。
発明の詳細な説明
本発明は少なくとも一部が、いわゆる「候補遺伝子(candidate gene)」(以下に定める)の多型領域の特異的対立遺伝子が、CVDまたは薬剤応答に関連するという知見に基づく。
本発明に関して、以下の候補遺伝子を分析した:
−心組織で発現されることが判明している遺伝子(Hwang et al.,Circulation 1997,96:4146−4203)。
−以下の代謝経路に由来する遺伝子およびそれらの調節要素。
脂質代謝
多数の研究が血清脂質レベルと心血管疾患との間の関連を示した。この群に入る候補遺伝子には限定するわけではないが、コレステロール経路、アポリポタンパク質およびそれらの修飾因子の遺伝子を含む。
凝血
心臓の虚血性疾患、そして特に心筋梗塞は、血栓閉塞により誘起され得る。この群に属する遺伝子は、凝固カスケードおよびそれらの調節要素のすべての遺伝子を含む。
炎症
アテローム硬化症の合併症は、西洋社会における死亡の最も多い原因である。概略的には、アテローム硬化症は、修飾されたリポタンパク質、単球由来マクロファージ、T細胞および動脈壁の正常な細胞要素の相互作用から生じる慢性の炎症状態であると考えられ、る。この炎症プロセスは最終的に動脈管腔に突出する複雑な病変、またはプラークの発生を導き得る。最終的にプラークは破裂し、そして血栓症が心筋梗塞および脳卒中の急性の臨床的合併症をもたらす(Glass et al.,Cell 2001,104:503−516)。
−心組織で発現されることが判明している遺伝子(Hwang et al.,Circulation 1997,96:4146−4203)。
−以下の代謝経路に由来する遺伝子およびそれらの調節要素。
脂質代謝
多数の研究が血清脂質レベルと心血管疾患との間の関連を示した。この群に入る候補遺伝子には限定するわけではないが、コレステロール経路、アポリポタンパク質およびそれらの修飾因子の遺伝子を含む。
凝血
心臓の虚血性疾患、そして特に心筋梗塞は、血栓閉塞により誘起され得る。この群に属する遺伝子は、凝固カスケードおよびそれらの調節要素のすべての遺伝子を含む。
炎症
アテローム硬化症の合併症は、西洋社会における死亡の最も多い原因である。概略的には、アテローム硬化症は、修飾されたリポタンパク質、単球由来マクロファージ、T細胞および動脈壁の正常な細胞要素の相互作用から生じる慢性の炎症状態であると考えられ、る。この炎症プロセスは最終的に動脈管腔に突出する複雑な病変、またはプラークの発生を導き得る。最終的にプラークは破裂し、そして血栓症が心筋梗塞および脳卒中の急性の臨床的合併症をもたらす(Glass et al.,Cell 2001,104:503−516)。
そうであるなら、限定するわけではないがサイトカイン、サイトカインレセプターおよび細胞付着分子を含む炎症プロセスに関連するすべての遺伝子は、CVDの候補遺伝子である。
グルコースおよびエネルギー代謝
グルコースおよびエネルギー代謝は、脂質の代謝と相互依存し(上記参照)、前者の経路も候補遺伝子を含む。一般にエネルギー代謝は肥満に関連し、これはCVDの独立した危険因子である(Melanson et al.,Cardiol Rev 2001 9:202−207)。加えて高血中グルコースレベルは多くの微小血管およびマクロ血管合併症に関連し、故にCVDに対する個体の素因に影響を及ぼすかもしれない(Duckworth,Curr Atheroscler Rep 2001,3:383−391)。
高血圧症
高血圧症はCVDの独立した危険因子であるので、収縮期および拡張期血圧の調節に関与する遺伝子もCVDに関する個体の危険性に影響を及ぼす(Safar,Curr Opin Cardiol 2000,15:258−263)。興味深いことには、高血圧症が糖尿病ではない患者に比べて糖尿病患者で約2倍の頻度であることから、高血圧と糖尿病(上記参照)は相互依存しているようである。逆に最近のデータは、高血圧のヒトは正常血圧のヒトよりも糖尿病を発症し易いことを示唆している(Sowers et al.,Hypertension 2001,37:1053−1059)。
薬剤応答に関連する遺伝子
これらの遺伝子には、薬剤の吸収、分布、代謝、排出および毒性(ADMET)に関与する代謝経路を含む。この群の中の目立った員は、薬剤代謝に関与する多くの反応を触媒するチトクロームP450タンパク質である。
非分類遺伝子
上で述べたように、心血管疾患を導くか、または薬剤に対する患者個体の応答を定めるメカニズムは、完全に解明されていない。したがって上に列挙した範疇に割り当てられない候補遺伝子も分析した。本発明は少なくとも一部が、未知の生理学的機能を持つゲノム領域にある多型の知見に基づく。
結果
連合実験を行った後、驚くべきことに我々は多数の候補遺伝子中に分析した患者の以下の表現型との強い相関を示す多型部位を見いだした:本明細書で使用する「健康」とは、既存のCVDに罹患しておらず、また彼らの血清脂質レベルのプロフィールを通してCVDに対して上昇した危険性も表さない個体を指す。本明細書で使用する「CVD傾向」とは、既存のCVDおよび/またはCVDになる高い危険性を与える血清脂質プロフィールの個体を指す(健康およびCVD傾向の血清脂質レべルの定義に関しては表1aを参照にされたい)。本明細書で使用する「高応答者」とは、比較的少量の所定薬剤から利益を得る患者を指す。本明細書で使用する「低応答者」とは、薬剤適用から利益を得るために比較的高い用量を必要とする患者を称する。「耐容患者」とは、有害薬剤反応を現すことなく高用量の薬剤に耐容することができる個体を指す。本明細書で使用する「ADR患者」とは、ADRに罹患しているか、またはわずか少用量の薬剤適用を受けた後に臨床的症状(血中のクレアチンキナーゼ上昇のような)を示す個体を指す(薬剤応答の表現型の詳細な定義については、表1bを参照にされたい)。
グルコースおよびエネルギー代謝
グルコースおよびエネルギー代謝は、脂質の代謝と相互依存し(上記参照)、前者の経路も候補遺伝子を含む。一般にエネルギー代謝は肥満に関連し、これはCVDの独立した危険因子である(Melanson et al.,Cardiol Rev 2001 9:202−207)。加えて高血中グルコースレベルは多くの微小血管およびマクロ血管合併症に関連し、故にCVDに対する個体の素因に影響を及ぼすかもしれない(Duckworth,Curr Atheroscler Rep 2001,3:383−391)。
高血圧症
高血圧症はCVDの独立した危険因子であるので、収縮期および拡張期血圧の調節に関与する遺伝子もCVDに関する個体の危険性に影響を及ぼす(Safar,Curr Opin Cardiol 2000,15:258−263)。興味深いことには、高血圧症が糖尿病ではない患者に比べて糖尿病患者で約2倍の頻度であることから、高血圧と糖尿病(上記参照)は相互依存しているようである。逆に最近のデータは、高血圧のヒトは正常血圧のヒトよりも糖尿病を発症し易いことを示唆している(Sowers et al.,Hypertension 2001,37:1053−1059)。
薬剤応答に関連する遺伝子
これらの遺伝子には、薬剤の吸収、分布、代謝、排出および毒性(ADMET)に関与する代謝経路を含む。この群の中の目立った員は、薬剤代謝に関与する多くの反応を触媒するチトクロームP450タンパク質である。
非分類遺伝子
上で述べたように、心血管疾患を導くか、または薬剤に対する患者個体の応答を定めるメカニズムは、完全に解明されていない。したがって上に列挙した範疇に割り当てられない候補遺伝子も分析した。本発明は少なくとも一部が、未知の生理学的機能を持つゲノム領域にある多型の知見に基づく。
結果
連合実験を行った後、驚くべきことに我々は多数の候補遺伝子中に分析した患者の以下の表現型との強い相関を示す多型部位を見いだした:本明細書で使用する「健康」とは、既存のCVDに罹患しておらず、また彼らの血清脂質レベルのプロフィールを通してCVDに対して上昇した危険性も表さない個体を指す。本明細書で使用する「CVD傾向」とは、既存のCVDおよび/またはCVDになる高い危険性を与える血清脂質プロフィールの個体を指す(健康およびCVD傾向の血清脂質レべルの定義に関しては表1aを参照にされたい)。本明細書で使用する「高応答者」とは、比較的少量の所定薬剤から利益を得る患者を指す。本明細書で使用する「低応答者」とは、薬剤適用から利益を得るために比較的高い用量を必要とする患者を称する。「耐容患者」とは、有害薬剤反応を現すことなく高用量の薬剤に耐容することができる個体を指す。本明細書で使用する「ADR患者」とは、ADRに罹患しているか、またはわずか少用量の薬剤適用を受けた後に臨床的症状(血中のクレアチンキナーゼ上昇のような)を示す個体を指す(薬剤応答の表現型の詳細な定義については、表1bを参照にされたい)。
上に列挙した表現型のいずれかと有意に関連することが分かった候補遺伝子中の多型部位は、「表現型関連SNPs」(PA SNPs)と呼ぶ。PA SNPsを持つ各ゲノムの座は、この遺伝子座の実際の機能にかかわらず、「表現型関連遺伝子」(PA遺伝子)と呼ぶ。
特に驚くべきことに我々は、以下の遺伝子中にCVD、薬剤効力(EFF)または有害薬剤反応(ADR)に関連するPA SNPsを見いだした(カッコで示す表現型との関連)。
ATPase、Ca++輸送、心筋、速攣縮(fast twitch)1(ATP2A1)、[CVD]
速攣縮骨格筋筋小胞体Ca2+ATPase;ポンプカルシウム。
ATP−結合カセット、サブ−ファミリーC(CFTR/MRP)、メンバー2(ABCC2)、[CVD]
この遺伝子にコードされるタンパク質は、ATP−結合カセット(ABC)輸送体のスーパーファミリーの一員である。ABCタンパク質は種々の分子を細胞膜の内外に輸送する。ABC遺伝子は7つの明瞭なサブファミリー(ABC1、MDR/TAP、MRP、ALD、OABP、GCN20、ホワイト)に分類される。このタンパク質は多剤耐性に関与するMRPスーパーファミリーの一員である。このタンパク質は肝細胞の小管(先端)部分で発現し、そして胆汁輸送において機能する。基質はビンブラスチンのような抗ガン剤を含み;したがってこのタンパク質は哺乳動物細胞において薬剤耐性に貢献するように思われる。共役高ビリルビン血症を特徴とする常染色体退縮障害であるデュービン−ジョンソン症候群(DJS)の患者では、この遺伝子中に数個の異なる突然変異が観察された。
筋原性因子6(ヘルクリン:herculin)(MYF6)、[CVD]
筋原性因子6は骨格筋決定のレギュレーター;MyoDファミリーの員であり得る。
トロポニンT1、骨格、遅い(TNNT1)、[CVD]
トロポニンのトロポニンT1トロポミオシン−結合サブユニット、遅攣縮(slow twitch)骨格筋調節タンパク質。
キサンテンデヒドロゲナーゼ(XDH)、[ADR、CDV]
キサンチンデヒドロゲナーゼは、プリンの酸化的代謝に関与するモリブデン−含有ヒドロキシラーゼの群に属する。この酵素はホモ二量体である。キサンチンデヒドロゲナーゼは、可逆的スルフヒドリル酸化により、または不可逆的タンパク質分解修飾によりキサンチンオキシダーゼに転換され得る。キサンチン尿を生じるキサンチンデヒドロゲナーゼの欠損は、成人性呼吸促迫症候群(adult respiratory stress syndrome)に寄与し、そして酸素代謝−依存的メカニズムを通してインフルエンザ感染を増すことができる。
ジンクフィンガータンパク質202(ZNF202)、[CVD]
ジンクフィンガータンパク質202は、脂質代謝に関与する遺伝子を抑制し;ジンクフィンガーを含む。
ニーマン−ピック病、C1型(NPC1)、[CVD]
NPC1は突然変異した時にニーマン−ピックC病を生じる遺伝子として同定された。NPC1は、コレステロールをリソソーム後の行先へ細胞内輸送する役割と一致するモチーフを含む推定上の内在性膜タンパク質をコードする。
ホスホリパーゼA2ガンマ、IVC群(細胞質の、カルシウム−非依存性)(PLA2G4C)、[ADR]
IVC群のカルシウム−非依存性ホスホリパーゼa2;リン脂質sn−2エステル結合を加水分解する;ホスホリパーゼファミリーの員
クリスタリン、アルファB(CRYAB)、[CVD]
クリスタリンは2つのクラスに分けられる;タキソン−特異的な、すなわち酵素およびユビキタス。後者のクラスは脊椎動物の目のレンズの主要タンパク質を構成し、そしてレンズの透明度および屈折率を維持する。レンズの中央繊維細胞が発育中にそれらの核を失い、これらクリスタリンが作られ、そして生きている間中、維持されるので、それらを大変安定なタンパク質とする。哺乳動物のレンズのクリスタリンはアルファ、ベータおよびガンマファミリーに分けられ;ベーターおよびガンマクリスタリンはスーパーファミリーとも考えられる。アルファおよびベータファミリーはさらに酸性および塩基性の群に分けられる。7つのタンパク質領域がクリスタリンに存在する;4つの相同的なモチーフ、連結ペプチド、およびN−およびC−末端延長部。アルファクリスタリンは2つの遺伝子産物からなる;それぞれ酸性および塩基性のアルファ−Aおよびアルファ−B。アルファクリスタリンは熱ショックにより誘導されることができ、そして低分子熱ショックタンパク質(HSP20としても知られているsHSP)ファミリーの員である。それらは分子シャペロンとして作用するが、タンパク質を再生せず、そして真のシャペロンの様式で放出せず:代わりにそれらは大きな可溶性凝集物中に保持される。翻訳後の修飾はシャペロンに対する能力を低下させる。これらヘテロロガスな凝集物は30〜40サブユニットからなり;アルファ−Aおよびアルファ−Bサブユニットはそれぞれ3:1の比を有する。アルファクリスタリンのさらに2つの機能は、自己キナーゼ活性および細胞内構造への参加である。アルファ−Aおよびアルファ−B遺伝子産物は別個に発現される;アルファ−Aはレンズに限定されて優先的に発現され、そしてアルファ−Bは多くの組織および器官で広く発現される。アルファ−Bクリスタリンの発現上昇は、多くの神経疾患で起こり;デスミン−関連ミオパシーがある家族内では同時分離した(cosegragated)ミスセンス突然変異。
ヒト骨髄性細胞分化タンパク質(MCL1)、[CVD]
神経内分泌特異的タンパク質(NSP)、[CVD]
NSPの発現は神経分化に強く相関しているので、これは脳の発達に及ぼす甲状腺ホルモンの効果の重要なメデエーターとなり得る。
カルシウムATPase(HK2、ATP2A2)、[CVD]
遅攣縮心筋Ca2+-ATPase;カルシウムをポンプ輸送し、カルシウムシグナル伝達経路で役割を果たす。
クロライドチャンネルKa(CLCNKA)、[CVD]
推定上のクロライドチャンネル;電位依存性クロライドチャンネルのCLCファミリーの員。
NthエンドヌクレアーゼIII−様1(NTHL1)、[ADR、CVD]
エンドヌクレアーゼ;傷害を受けたピリミジンを削除する。
溶質キャリアーファミリー21(有機アニオン輸送体)、メンバー6(SLC21A6、OATP−C)、[CVD]
有機アニオン輸送体
ヒトトランスフォーミング増殖因子−ベータ(tgf−β)、[CVD]
トランスフォーミング増殖因子−ベータ;細胞増殖、分化およびアポトーシスを調節する。
血管内皮増殖因子(VEGF)、[CVD]
増殖因子;内皮細胞の増殖および血管透過性を誘導する。
ミオチューブラリン(Myotubularin)、[CVD]
二重特異性タンパク質ホスファターゼのミオチューブラリンファミリーの員。
3−ヒドロキシメチル−3−メチルグルタリル−コエンザイムAリアーゼ(HMGCL)(ヒドロキシメチルグルタル酸尿)、[ADR]
3−ヒドロキシ−3−メチルグルタリルコエンザイムAリアーゼは、3−OH−3−メチルグルタリルCoAをアセト酢酸およびアセチルCoAに開裂する。
アポリポタンパク質C−III(APOC3)、[ADR]
アポリポタンパク質C−IIIは超低密度リポタンパク(VLDL)タンパク質である。APOC3は、リポタンパク質リパーゼおよび肝リパーゼを阻害する;トリグリセリドが豊富な粒子の異化作用を遅らせると考えられている。APOA1、APOC3およびAPOA4遺伝子はラットおよびヒトゲノムで密に連鎖している。A−IおよびA−IV遺伝子は同じ鎖から転写され、一方A−1およびC−III遺伝子は収束的に転写される。アポC−IIIレベルの上昇は、高トリグリセリド血症の発症を誘導する。
オキシグルタル酸(アルファ−ケトグルタル酸)デヒドロゲナーゼ(リポアミド、OGDH)、[ADR]
アルファ−ケトグルタル酸または2−オキソグルタル酸デヒドロゲナーゼは、クレブス回路中でa−ケトグルタレートがスクシニルコエンザイムAへ転換されることを助ける。
カルニチンパルミトイルトランスフェラーゼI、筋肉(CPT1B)、[EFF]
筋肉カルニチンパルミトイルトランスフェラーゼIは、長鎖脂肪酸b−酸化経路の速度を制御する酵素である。
ATP−結合カセット、サブ−ファミリーB(MDR/TAP)、メンバー4(ABCB4)、[EFF]
この遺伝子によりコードされる膜結合タンパク質は、ATP−結合カセット(ABC)輸送体のスーパーファミリーの一員である。ABCタンパク質は種々の分子を細胞膜の内外に輸送する。ABC遺伝子は7つの明瞭なサブファミリー(ABC1、MDR/TAP、MRP、ALD、OABP、GCN20、ホワイト)に分類される。このタンパク質はMDR/TAPサブファミリーの一員である。MDR/TAPサブファミリーの員は多剤耐性ならびに抗原提示に関与する。この遺伝子は完全な輸送体およびその基質としてホスファチジルコリンを含む膜タンパク質のp−糖タンパク質ファミリーの員をコードする。このタンパク質の機能は未だに決定されていない:しかし肝臓の肝細胞から胆汁へのリン脂質の輸送に関与するかもしれない。この遺伝子の選択的スプライシングは、機能が決定されていない数種の産物をもたらす。
シェーグレン症候群抗原A1 52kD、リボヌクレオタンパク質自己抗原SS−A/Ro(SSA1)、[EFF]
この遺伝子によりコードされるタンパク質は、トリパルタイトモチーフ(TRIM)ファミリーの一員である。TRIMモチーフは3つの亜鉛−結合ドメイン、RING、B−ボックス型1およびB−ボックス型2およびコイルドコイル領域を含む。このタンパク質は、1つのポリペプチドおよび4つの小RNA分子の1つを含むRoSSAリボヌクレオタンパク質の一部である。RoSSA粒子は細胞質および核の両方に局在する。RoSSAはシェーグレン症候群および全身性エリテマトーデスの患者の自己抗原と相互作用する。RoSSA粒子の機能は決定されていない。この遺伝子の2つの選択的にスプライスされた転写産物バリアントが記載された;しかし1つバリアントの完全長の性質は決定されなかった。
チトクロームcオキシダーゼアッセンブリータンパク質(ヘムA:フラネシルトランスフェラーゼ)(COX10)、[ADR]
ヘムA:フラネシルトランスフェラーゼ;ヘムAの生合成に必要である。
ATPase、Na+/K+輸送、ベータ1ポリペプチド(ATP1B1)、[ADR]
Na+/K+−ATPaseのベータ1サブユニット
キナーゼ(PRKA)アンカータンパク質1(AKAP1)、[ADR]
アンカーであるcAMP−依存性タンパク質キナーゼは、その生理学的基質付近で、I型およびII型調節サブユニットの両方と相互作用する。
ATP−結合カセット、サブ−ファミリーB(MDR/TAP)、メンバー11(ABCB11)、[ADR]
この遺伝子によりコードされる膜結合タンパク質は、ATP−結合カセット(ABC)輸送体のスーパーファミリーの一員である。ABCタンパク質輸送体は種々の分子を細胞膜の内外に輸送する。ABC遺伝子は7つの明瞭なサブファミリー(ABC1、MDR/TAP、MRP、ALD、OABP、GCN20、ホワイト)に分類される。このタンパク質はMDR/TAPサブファミリーの一員である。MDR/TAPサブファミリーの員は多剤耐性に関与する。この遺伝子によりコードされるタンパク質は、ヒトにおける主要な管状胆汁塩輸送ポンプである。この遺伝子中の突然変異は進行性の家族性肝内胆汁うっ滞を引き起こし、これは幼児の初期から重篤な胆汁うっ滞肝臓疾患が遺伝する障害がある群である。
アポリポタンパク質D(APOD)、[ADR]
アポリポタンパク質D(アポ−D)は、他のアポリポタンパク質配列とは顕著な類似が無い高密度リポタンパク質の成分である。これは血漿レチノール−結合タンパク質およびリポカリンとしても知られているキャリアータンパク質のアルファ2ミクログロブリンタンパク質スーパーファミリーの他の員に対して、高度な相同性を有する。これは33KDaの推定分子の糖タンパク質である。Apo−Dは酵素レシチン:コレステロールアシルトランスフェラーゼ(リポタンパク質代謝に関与する酵素)に密に関連している。
微小管関連タンパク質1B(MAP1B)、[ADR]
この遺伝子は、微小管関連タンパク質ファミリーに属するタンパク質をコードする。このファミリーのタンパク質は神経形成の必須工程である微小管集合に関与すると考えられている。この遺伝子産物は、恐らくタンパク質分解プロセッシングを受けて最終的なMAP1B重鎖およびLC1軽鎖を生成する前駆体ポリペプチドである。マウス微小管関連タンパク質1Bの遺伝子ノックアウト実験では、神経系の発生および機能における重要な役割が示唆された。2つの選択的にスプライスされた転写産物バリアントが記載された。
グルカン(1,4−アルファ−)、分枝酵素1(グリコーゲン分枝酵素、アンダーセン病、糖原病IV型)(GBE1)、[EFF]
この単量体酵素は、アルファ1,6−グリコシド結合の形成を触媒することによりグリコーゲン合成で機能する。これは肝臓および筋肉で最も高く発現される。欠損は糖原病IV型(アンダーセン病)を生じる。
ピルビン酸デヒドロゲナーゼキナーゼ、アイソザイム1(PDK1)、[ADR]
ピルビン酸デヒドロゲナーゼ(PDH)は、ピルベートの酸化的脱カルボキシル化を触媒するミトコンドリアの多酵素複合体であり、そして哺乳動物の炭水化物燃料のホメオスタシスの調節の原因となる主要な酵素の1つである。酵素的活性はリン酸化/脱リン酸化サイクルにより調節される。特異的なピルビン酸デヒドロゲナーゼキナーゼ(PDK)によるPDHのリン酸化は、不活性化をもたらす。
ATPase、Na+/K+輸送、ベータ3ポリペプチド(ATP1B3)、[ADR]
Na+/K+−ATPaseのベータ3サブユニット
コラーゲン、VI型、アルファ3(COL6A3)、[ADR]
この遺伝子は、ほとんどの結合組織に見いだされるビーズ状フィラメントコラーゲンであるVI型コラーゲンの3本のアルファ鎖の1つであるアルファ3鎖をコードする。VI型コラーゲンのアルファ3鎖は、アルファ1および2鎖よりもはるかに大きい。このサイズの差異は主に、すべてのアルファ鎖のアミノ末端球状ドメインに見いだされるフォンビルブランド因子のA型ドメインに類似するサブドメインの数の増加による。これらのドメインは細胞外マトリックスタンパク質に結合することが示され、このコラーゲンがマトリックス成分を組織する重要性を説明する相互作用である。VI型コラーゲン遺伝子中の突然変異は、ベツレム(Bethlem)ミオパシーに関連する。完全長の転写産物に加えて、サイズが異なるN−末端球状ドメインを持つタンパク質をコードする4つの転写産物バリアントが同定された。
筋肉グリコーゲンホスホリラーゼ(マッカードル症候群、糖原病V型)(PYGM)、[EFF] アデニル酸シクラーゼ活性化ポリペプチド1(下垂体)(PACAP、ADCYAP1)、[ADR]
この遺伝子はアデニル酸シクラーゼ活性化ポリペプチド1をコードする。アデニル酸シクラーゼ活性化ポリペプチド1レセプターによる媒介で、このポリペプチドはアデニル酸シクラーゼを刺激し、そして続いて標的細胞中のcAMPレベルを上げる。アデニル酸シクラーゼ活性化ポリペプチド1は、下垂体刺激性ホルモンであるだけでなく、神経伝達物質および神経調節物質としても機能する。さらにこれは膵臓およびある種の細胞のオートクライン調節にも役割を果たす。この遺伝子は5個のエキソンからなる。エキソン1およびエキソン2はそれぞれ5’UTRおよびシグナルペプチドをコードし;エキソン4はアデニル酸シクラーゼ活性化ポリペプチド1−関連ペプチドをコードし;そしてエキソン5は成熟ペプチドおよび3’UTRをコードする。この遺伝子は2つのアイソタイプ:短い形態および長い形態を含む3種の成熟ペプチドをコードする。
コプロポルフィリノーゲンオキシダーゼ(コプロポルフィリン症、ハーテロポルフィリン症(harderoporphyria)(CPO)、[ADR]
コプロポルフィリノーゲンは、酸化的脱カルボキシル化をヘム生合成の第6段階で触媒する。
インターロイキン8レセプター、アルファ(IL8RA)、[ADR]
インターロイキン8レセプターアルファは、好中球の化学走性を媒介し、そしてインターロイキン8(IL8)に結合するGタンパク質共役レセプターである。
ケモカイン(C−Cモチーフ)レセプター2(CCR2)、[ADR]
この遺伝子は、単球の化学走性を特異的に媒介するケモカインである単球化学誘引物質タンパク質−1のレセプターの2つのアイソフォームをコードする。単球化学誘引物質タンパク質−1は、慢性関節リウマチのような炎症疾患ならびに腫瘍に対する炎症応答における単球の浸潤に関与する。この遺伝子によりコードされるレセプターは、アゴニスト−依存的カルシウム可動化およびアデニリルシクラーゼの阻害を媒介する。この遺伝子はケモカインレセプター遺伝子クラスター領域に位置する。2つの選択的にスプライシングされた転写産物バリアントがこの遺伝子により発現される。
ホスホメバロン酸キナーゼ(PMVK)、[ADR、CVD]
ホスホメバロン酸キナーゼはメバロネート−5−ホスフェートをメバロネート−5−ジホスフェートに転換する。
糖タンパク質VI(血小板)(GP6)、[ADR、EFF]
血小板糖タンパク質VIは、対合Ig−様レセプターファミリーの一員である。
電位依存性アニオンチャンネル1(VDAC1)、[EFF]
電位依存性アニオンチャンネル1(ミトコンドリアポーリンチャンネル)は、外側ミトコンドリア膜の電位依存性孔として機能する。
TATAボックス結合タンパク質(TBP)、[ADR]
TATAボックス結合タンパク質は、TFIID複合体の成分であり;mRNA合成および基礎的転写の開始で機能する。
動原体タンパク質C1(CENPC1)、[CVD、EFF]
動原体タンパク質C1は動原体自己抗原であり、そして内部キネトコアプレートの成分である。このタンパク質は正しいキネトコアサイズを維持し、そして後期に適時に移行するために必要である。推定上の偽遺伝子が染色体12に存在する。
甲状腺レセプター相互作用タンパク質10、TRIP10(CDC42−相互作用タンパク質、CIP4)、[ADR]
FERおよびFes/Fpsチロシンキナーゼの非キナーゼドメインに類似する;活性化Cdc42に結合し、そしてアクチン細胞骨格を調節し;SH3ドメインを含む。
ホスホグルコムターゼ5(ホスホグルコムターゼ関連タンパク質、PGMRP)、[ADR]
ホスホグルコムターゼ関連(アシクリン(aciculin)推定構造タンパク質;細胞骨格タンパク質ジストロフィンおよびユートロフィンと相互作用する。
ホスホリパーゼA2、IIA群(血小板、滑液)、PLA2G2A、RASF−A PLA2、[ADR]
IIA群分泌ホスホリパーゼA2はリン脂質sn−2エステル結合を加水分解し、リゾホスホリピッドおよび遊離脂肪酸を放出し;マウスPla2g2aに類似する。
脂肪酸コエンザイムAリガーゼ、長鎖3、(FACL3、PRO2194)、[ADR]
この遺伝子によりコードされるタンパク質は、長鎖脂肪酸コエンザイムAリガーゼファミリーのアイソザイムである。基質特異性、細胞下での局在、および組織分布は異なるが、このファミリー中のすべてのアイソザイムは遊離長鎖脂肪酸を脂肪アシル−CoAエステルに転換し、そしてこれにより脂質生合成および脂質分解において重要な役割を果たす。この酵素は脳で高度に発現され、そして基質としてミリステート、アラキドネートおよびエイコサペンタノエートを優先的に利用する。このアイソザイムのアミノ酸配列は、ラット相同体と92%同一である。
3−ヒドロキシ−3−メチルグルタリル−コエンザイムAシンターゼ2、ミトコンドリア(HMGCS2)、[ADR]
3−ヒドロキシ−3−メチルグルタリル−コエンザイムAシンターゼ;ケトン体生成の第1段階で機能する。
染色体Xオープンリーディングフレイム6(CXorf6、Xq28)、[EFF]
HLA−B関連転写産物3(BAT3)、[ADR]
遺伝子のクラスター、BAT1−BAT5は、TNFアルファおよびTNFベータの遺伝子付近に局在した。これらの遺伝子はすべてヒト主要組織適合遺伝子複合体クラスIII領域内にある。この遺伝子にコードされるタンパク質は、核タンパク質である。これはアポトーシスの制御および熱ショクタンパク質の調節に意味をもっていた。これらはこの遺伝子について記載された3つの選択的にプライシングされた転写産物バリアントである。
インドールエチルアミンN−メチルトランスフェラーゼ(INMT)、[ADR]
筋肉特異的セリンキナーゼ(MSSK1;セリン/トレオニンキナーゼ23、STK23)、[ADR、CVD、EFF]
SRPK2に高度に類似;RNAスプライシング因子のSRファミリーのプロテインキナーゼかもしれない;キナーゼドメインを含む。
ミオシン、重ポリペプチド9、非−筋肉(MYH9)、[ADR]
非−筋肉ミオシン重鎖9;筋肉の収縮、細胞質分裂および食作用の力を提供するモータータンパク質;ATPaseヘッドドメインおよび棒様のテイルドメインを含む。
ペルオキシソーム増殖活性化レセプター、デルタ(PPARD)、[ADR]
ペルオキシソーム増殖活性化レセプターデルタは、ステロイドホルモンレセプタースーパーファミリーの一員である。
ミオチューブラリン(筋細管ミオパシー1、MTM1)、[ADR]
MTM1はX−結合筋細管ミオパシーの原因である突然変異を含む座として同定された。予想されるタンパク質配列は、MTM1がチロシンホスファターゼをコードすることを示唆する。
核レセプターサブファミリー1、I群、メンバー2(NR1I2、PRR2)、[EFF]
この遺伝子産物は核レセプタースーパーファミリーに属し、その員はリガンド−結合ドメインおよびDNA−結合ドメインを特徴とする転写因子である。コードされるタンパク質は、チトクロームP450遺伝子CYP3A4の転写レギュレーターであり、9−シスレチノイン酸レセプターRXRとのヘテロ二量体としてCYP3A4プロモーターの応答要素に結合する。これはデキサメタゾンおよびリファンピシンを含むCYP3A4を誘導する一連の化合物により活性化される。この遺伝子産物はジンクフィンガードメインを含む。異なるアイソフォームをコードする3つの選択的にプライシングされた転写産物が記載され、その1つは選択的翻訳開始コドンの使用を介して2つの産物をコードする。選択的なプロモーターの利用、選択的スプライシングおよび/または選択的ポリアデニレーションから生じるさらなる転写産物バリアントが存在するが、それらは完全に記載されなかった。
ホモサピエンス染色体21セグメントHS21C048、[ADR]
ホスホリパーゼA2、VI群(PLA2G6、細胞質ゾル、カルシウム−非依存性)、[CVD]
細胞質ゾルのカルシウム−非依存性ホスホリパーゼA2は、リン脂質sn−2エステル結合を加水分解し;ホスホリパーゼファミリーの一員である。
アポリポタンパク質E(APOE)、[ADR]
カイロミクロンの残物および超低密度リポタンパク(VLDL)の残物は、肝臓でレセプターが媒介するエンドサイトーシスにより循環から迅速に除去される。アポリポタンパク質E(カイロミクロンの主なアポタンパク)は、肝臓細胞および末梢細胞上の特異的レセプターに結合する。APOEはトリグリセリドが豊富なリポタンパク質成分の正常な異化に必須である。APOE遺伝子は、APOC1およびAPOC2を含むクラスター中で染色体19にマップされる。アポリポタンパク質Eの欠損は、家族性の異βリポタンパク血症、またはIII型高リポタンパク血症(HLPIII)を生じ、ここで上昇した血漿コレステロールおよびトリグリセリドは、カイロミクロンおよびVLDL残物の、不十分なクリアランスの結果である。
リポタンパク質リパーゼ(LPL)、[EFF]
LPLは、心臓、筋肉および脂肪組織で発現するリポタンパク質リパーゼをコードする。LPLはホモ二量体として機能し、そしてトリグリセリドヒドロラーゼおよびレセプターが媒介するリポタンパク取り込みのリガンド/架橋因子の二重機能を有する。LPL欠損を引き起こす重篤な突然変異は、I型高リポタンパク血症を生じるが、LPL中のそれほどでもない突然変異は、リポタンパク質代謝の多くの障害に連鎖している。
ナイドジェン2(NID2、オステオナイドジェン)、[EFF]
ナイドジェン−2は基底膜タンパク質である。
NADH−ユビキノン酸化還元酵素鎖5(EC1.6.5.3)、[ADR]
NADH−ユビキノン酸化還元酵素(複合体I)のサブユニット;NADHからユビキノンに電子を輸送する。
ソーティングネキシン9(SNX9)、[ADR]
SH3ドメイン−およびフォックス(phox)相同体(PX)ドメインを含むタンパク質;MDC9およびMDC15メタロプロテアーゼ ディスインテグリン(disintegrin)と相互作用する。
FMO1:フラビン含有モノオキシゲナーゼ1、[ADR]
食事に由来するアミノ−トリメチルアミン(TMA)の代謝的N−酸化は、フラビン含有モノオキシゲナーゼにより媒介され、そしてヒトにおいて遺伝したFMO3多型に供され、減少したTMA N−酸化能を持つ小亜群を生じ、魚臭(fish odor)症候群トリメチルアミン尿症を生じる。3つの形態の酵素、胎児肝臓で見いだされるFMO1、成人肝臓で見いだされるFMO2、およびFMO3は、1q23−q25領域にかたまった遺伝子にコードされる。フラビン含有モノオキシゲナーゼは、薬剤、殺虫剤および生体異物の柔軟な求核性ヘテロ原子の中心の酸化を触媒するNADPH−依存性フラビン酵素である。
7p15.1−p14に由来するホモサピンンスPACクローンRP5−1131G17、[ADR]
7q21−q22に由来するホモサピンンスBACクローンGS1−155M11、[CVD、EFF]
トロンビンが活性化可能な線維素溶解インヒビター(カルボキシペプチダーゼB2、CPB2)、[ADR]
カルボキシペプチダーゼは、C−末端ペプチド結合を加水分解する酵素である。このカルボキシペプチダーゼファミリーには、メタロ−、セリンおよびシステインカルボキシペプチダーゼを含む。それらの基質特異性に従い、これら酵素はカルボキシペプチダーゼA(脂肪族残基を開裂する)またはカルボキシペプチダーゼB(塩基性アミノ残基を開裂する)と呼ぶ。この遺伝子にコードされるタンパク質はトリプシンにより活性化され、そしてカルボキシペプチダーゼB基質上で作用する。トロンビン活性化後、成熟タンパク質は線維素溶解をダウンレギュレートする。多型がこの遺伝子およびそのプロモーター領域について記載された。利用できる配列データ分析は、異なるアイソフォームをコードするスプライスバリアントを示す。
ATPase、Ca++輸送、心筋、速攣縮(fast twitch)1(ATP2A1)、[CVD]
速攣縮骨格筋筋小胞体Ca2+ATPase;ポンプカルシウム。
ATP−結合カセット、サブ−ファミリーC(CFTR/MRP)、メンバー2(ABCC2)、[CVD]
この遺伝子にコードされるタンパク質は、ATP−結合カセット(ABC)輸送体のスーパーファミリーの一員である。ABCタンパク質は種々の分子を細胞膜の内外に輸送する。ABC遺伝子は7つの明瞭なサブファミリー(ABC1、MDR/TAP、MRP、ALD、OABP、GCN20、ホワイト)に分類される。このタンパク質は多剤耐性に関与するMRPスーパーファミリーの一員である。このタンパク質は肝細胞の小管(先端)部分で発現し、そして胆汁輸送において機能する。基質はビンブラスチンのような抗ガン剤を含み;したがってこのタンパク質は哺乳動物細胞において薬剤耐性に貢献するように思われる。共役高ビリルビン血症を特徴とする常染色体退縮障害であるデュービン−ジョンソン症候群(DJS)の患者では、この遺伝子中に数個の異なる突然変異が観察された。
筋原性因子6(ヘルクリン:herculin)(MYF6)、[CVD]
筋原性因子6は骨格筋決定のレギュレーター;MyoDファミリーの員であり得る。
トロポニンT1、骨格、遅い(TNNT1)、[CVD]
トロポニンのトロポニンT1トロポミオシン−結合サブユニット、遅攣縮(slow twitch)骨格筋調節タンパク質。
キサンテンデヒドロゲナーゼ(XDH)、[ADR、CDV]
キサンチンデヒドロゲナーゼは、プリンの酸化的代謝に関与するモリブデン−含有ヒドロキシラーゼの群に属する。この酵素はホモ二量体である。キサンチンデヒドロゲナーゼは、可逆的スルフヒドリル酸化により、または不可逆的タンパク質分解修飾によりキサンチンオキシダーゼに転換され得る。キサンチン尿を生じるキサンチンデヒドロゲナーゼの欠損は、成人性呼吸促迫症候群(adult respiratory stress syndrome)に寄与し、そして酸素代謝−依存的メカニズムを通してインフルエンザ感染を増すことができる。
ジンクフィンガータンパク質202(ZNF202)、[CVD]
ジンクフィンガータンパク質202は、脂質代謝に関与する遺伝子を抑制し;ジンクフィンガーを含む。
ニーマン−ピック病、C1型(NPC1)、[CVD]
NPC1は突然変異した時にニーマン−ピックC病を生じる遺伝子として同定された。NPC1は、コレステロールをリソソーム後の行先へ細胞内輸送する役割と一致するモチーフを含む推定上の内在性膜タンパク質をコードする。
ホスホリパーゼA2ガンマ、IVC群(細胞質の、カルシウム−非依存性)(PLA2G4C)、[ADR]
IVC群のカルシウム−非依存性ホスホリパーゼa2;リン脂質sn−2エステル結合を加水分解する;ホスホリパーゼファミリーの員
クリスタリン、アルファB(CRYAB)、[CVD]
クリスタリンは2つのクラスに分けられる;タキソン−特異的な、すなわち酵素およびユビキタス。後者のクラスは脊椎動物の目のレンズの主要タンパク質を構成し、そしてレンズの透明度および屈折率を維持する。レンズの中央繊維細胞が発育中にそれらの核を失い、これらクリスタリンが作られ、そして生きている間中、維持されるので、それらを大変安定なタンパク質とする。哺乳動物のレンズのクリスタリンはアルファ、ベータおよびガンマファミリーに分けられ;ベーターおよびガンマクリスタリンはスーパーファミリーとも考えられる。アルファおよびベータファミリーはさらに酸性および塩基性の群に分けられる。7つのタンパク質領域がクリスタリンに存在する;4つの相同的なモチーフ、連結ペプチド、およびN−およびC−末端延長部。アルファクリスタリンは2つの遺伝子産物からなる;それぞれ酸性および塩基性のアルファ−Aおよびアルファ−B。アルファクリスタリンは熱ショックにより誘導されることができ、そして低分子熱ショックタンパク質(HSP20としても知られているsHSP)ファミリーの員である。それらは分子シャペロンとして作用するが、タンパク質を再生せず、そして真のシャペロンの様式で放出せず:代わりにそれらは大きな可溶性凝集物中に保持される。翻訳後の修飾はシャペロンに対する能力を低下させる。これらヘテロロガスな凝集物は30〜40サブユニットからなり;アルファ−Aおよびアルファ−Bサブユニットはそれぞれ3:1の比を有する。アルファクリスタリンのさらに2つの機能は、自己キナーゼ活性および細胞内構造への参加である。アルファ−Aおよびアルファ−B遺伝子産物は別個に発現される;アルファ−Aはレンズに限定されて優先的に発現され、そしてアルファ−Bは多くの組織および器官で広く発現される。アルファ−Bクリスタリンの発現上昇は、多くの神経疾患で起こり;デスミン−関連ミオパシーがある家族内では同時分離した(cosegragated)ミスセンス突然変異。
ヒト骨髄性細胞分化タンパク質(MCL1)、[CVD]
神経内分泌特異的タンパク質(NSP)、[CVD]
NSPの発現は神経分化に強く相関しているので、これは脳の発達に及ぼす甲状腺ホルモンの効果の重要なメデエーターとなり得る。
カルシウムATPase(HK2、ATP2A2)、[CVD]
遅攣縮心筋Ca2+-ATPase;カルシウムをポンプ輸送し、カルシウムシグナル伝達経路で役割を果たす。
クロライドチャンネルKa(CLCNKA)、[CVD]
推定上のクロライドチャンネル;電位依存性クロライドチャンネルのCLCファミリーの員。
NthエンドヌクレアーゼIII−様1(NTHL1)、[ADR、CVD]
エンドヌクレアーゼ;傷害を受けたピリミジンを削除する。
溶質キャリアーファミリー21(有機アニオン輸送体)、メンバー6(SLC21A6、OATP−C)、[CVD]
有機アニオン輸送体
ヒトトランスフォーミング増殖因子−ベータ(tgf−β)、[CVD]
トランスフォーミング増殖因子−ベータ;細胞増殖、分化およびアポトーシスを調節する。
血管内皮増殖因子(VEGF)、[CVD]
増殖因子;内皮細胞の増殖および血管透過性を誘導する。
ミオチューブラリン(Myotubularin)、[CVD]
二重特異性タンパク質ホスファターゼのミオチューブラリンファミリーの員。
3−ヒドロキシメチル−3−メチルグルタリル−コエンザイムAリアーゼ(HMGCL)(ヒドロキシメチルグルタル酸尿)、[ADR]
3−ヒドロキシ−3−メチルグルタリルコエンザイムAリアーゼは、3−OH−3−メチルグルタリルCoAをアセト酢酸およびアセチルCoAに開裂する。
アポリポタンパク質C−III(APOC3)、[ADR]
アポリポタンパク質C−IIIは超低密度リポタンパク(VLDL)タンパク質である。APOC3は、リポタンパク質リパーゼおよび肝リパーゼを阻害する;トリグリセリドが豊富な粒子の異化作用を遅らせると考えられている。APOA1、APOC3およびAPOA4遺伝子はラットおよびヒトゲノムで密に連鎖している。A−IおよびA−IV遺伝子は同じ鎖から転写され、一方A−1およびC−III遺伝子は収束的に転写される。アポC−IIIレベルの上昇は、高トリグリセリド血症の発症を誘導する。
オキシグルタル酸(アルファ−ケトグルタル酸)デヒドロゲナーゼ(リポアミド、OGDH)、[ADR]
アルファ−ケトグルタル酸または2−オキソグルタル酸デヒドロゲナーゼは、クレブス回路中でa−ケトグルタレートがスクシニルコエンザイムAへ転換されることを助ける。
カルニチンパルミトイルトランスフェラーゼI、筋肉(CPT1B)、[EFF]
筋肉カルニチンパルミトイルトランスフェラーゼIは、長鎖脂肪酸b−酸化経路の速度を制御する酵素である。
ATP−結合カセット、サブ−ファミリーB(MDR/TAP)、メンバー4(ABCB4)、[EFF]
この遺伝子によりコードされる膜結合タンパク質は、ATP−結合カセット(ABC)輸送体のスーパーファミリーの一員である。ABCタンパク質は種々の分子を細胞膜の内外に輸送する。ABC遺伝子は7つの明瞭なサブファミリー(ABC1、MDR/TAP、MRP、ALD、OABP、GCN20、ホワイト)に分類される。このタンパク質はMDR/TAPサブファミリーの一員である。MDR/TAPサブファミリーの員は多剤耐性ならびに抗原提示に関与する。この遺伝子は完全な輸送体およびその基質としてホスファチジルコリンを含む膜タンパク質のp−糖タンパク質ファミリーの員をコードする。このタンパク質の機能は未だに決定されていない:しかし肝臓の肝細胞から胆汁へのリン脂質の輸送に関与するかもしれない。この遺伝子の選択的スプライシングは、機能が決定されていない数種の産物をもたらす。
シェーグレン症候群抗原A1 52kD、リボヌクレオタンパク質自己抗原SS−A/Ro(SSA1)、[EFF]
この遺伝子によりコードされるタンパク質は、トリパルタイトモチーフ(TRIM)ファミリーの一員である。TRIMモチーフは3つの亜鉛−結合ドメイン、RING、B−ボックス型1およびB−ボックス型2およびコイルドコイル領域を含む。このタンパク質は、1つのポリペプチドおよび4つの小RNA分子の1つを含むRoSSAリボヌクレオタンパク質の一部である。RoSSA粒子は細胞質および核の両方に局在する。RoSSAはシェーグレン症候群および全身性エリテマトーデスの患者の自己抗原と相互作用する。RoSSA粒子の機能は決定されていない。この遺伝子の2つの選択的にスプライスされた転写産物バリアントが記載された;しかし1つバリアントの完全長の性質は決定されなかった。
チトクロームcオキシダーゼアッセンブリータンパク質(ヘムA:フラネシルトランスフェラーゼ)(COX10)、[ADR]
ヘムA:フラネシルトランスフェラーゼ;ヘムAの生合成に必要である。
ATPase、Na+/K+輸送、ベータ1ポリペプチド(ATP1B1)、[ADR]
Na+/K+−ATPaseのベータ1サブユニット
キナーゼ(PRKA)アンカータンパク質1(AKAP1)、[ADR]
アンカーであるcAMP−依存性タンパク質キナーゼは、その生理学的基質付近で、I型およびII型調節サブユニットの両方と相互作用する。
ATP−結合カセット、サブ−ファミリーB(MDR/TAP)、メンバー11(ABCB11)、[ADR]
この遺伝子によりコードされる膜結合タンパク質は、ATP−結合カセット(ABC)輸送体のスーパーファミリーの一員である。ABCタンパク質輸送体は種々の分子を細胞膜の内外に輸送する。ABC遺伝子は7つの明瞭なサブファミリー(ABC1、MDR/TAP、MRP、ALD、OABP、GCN20、ホワイト)に分類される。このタンパク質はMDR/TAPサブファミリーの一員である。MDR/TAPサブファミリーの員は多剤耐性に関与する。この遺伝子によりコードされるタンパク質は、ヒトにおける主要な管状胆汁塩輸送ポンプである。この遺伝子中の突然変異は進行性の家族性肝内胆汁うっ滞を引き起こし、これは幼児の初期から重篤な胆汁うっ滞肝臓疾患が遺伝する障害がある群である。
アポリポタンパク質D(APOD)、[ADR]
アポリポタンパク質D(アポ−D)は、他のアポリポタンパク質配列とは顕著な類似が無い高密度リポタンパク質の成分である。これは血漿レチノール−結合タンパク質およびリポカリンとしても知られているキャリアータンパク質のアルファ2ミクログロブリンタンパク質スーパーファミリーの他の員に対して、高度な相同性を有する。これは33KDaの推定分子の糖タンパク質である。Apo−Dは酵素レシチン:コレステロールアシルトランスフェラーゼ(リポタンパク質代謝に関与する酵素)に密に関連している。
微小管関連タンパク質1B(MAP1B)、[ADR]
この遺伝子は、微小管関連タンパク質ファミリーに属するタンパク質をコードする。このファミリーのタンパク質は神経形成の必須工程である微小管集合に関与すると考えられている。この遺伝子産物は、恐らくタンパク質分解プロセッシングを受けて最終的なMAP1B重鎖およびLC1軽鎖を生成する前駆体ポリペプチドである。マウス微小管関連タンパク質1Bの遺伝子ノックアウト実験では、神経系の発生および機能における重要な役割が示唆された。2つの選択的にスプライスされた転写産物バリアントが記載された。
グルカン(1,4−アルファ−)、分枝酵素1(グリコーゲン分枝酵素、アンダーセン病、糖原病IV型)(GBE1)、[EFF]
この単量体酵素は、アルファ1,6−グリコシド結合の形成を触媒することによりグリコーゲン合成で機能する。これは肝臓および筋肉で最も高く発現される。欠損は糖原病IV型(アンダーセン病)を生じる。
ピルビン酸デヒドロゲナーゼキナーゼ、アイソザイム1(PDK1)、[ADR]
ピルビン酸デヒドロゲナーゼ(PDH)は、ピルベートの酸化的脱カルボキシル化を触媒するミトコンドリアの多酵素複合体であり、そして哺乳動物の炭水化物燃料のホメオスタシスの調節の原因となる主要な酵素の1つである。酵素的活性はリン酸化/脱リン酸化サイクルにより調節される。特異的なピルビン酸デヒドロゲナーゼキナーゼ(PDK)によるPDHのリン酸化は、不活性化をもたらす。
ATPase、Na+/K+輸送、ベータ3ポリペプチド(ATP1B3)、[ADR]
Na+/K+−ATPaseのベータ3サブユニット
コラーゲン、VI型、アルファ3(COL6A3)、[ADR]
この遺伝子は、ほとんどの結合組織に見いだされるビーズ状フィラメントコラーゲンであるVI型コラーゲンの3本のアルファ鎖の1つであるアルファ3鎖をコードする。VI型コラーゲンのアルファ3鎖は、アルファ1および2鎖よりもはるかに大きい。このサイズの差異は主に、すべてのアルファ鎖のアミノ末端球状ドメインに見いだされるフォンビルブランド因子のA型ドメインに類似するサブドメインの数の増加による。これらのドメインは細胞外マトリックスタンパク質に結合することが示され、このコラーゲンがマトリックス成分を組織する重要性を説明する相互作用である。VI型コラーゲン遺伝子中の突然変異は、ベツレム(Bethlem)ミオパシーに関連する。完全長の転写産物に加えて、サイズが異なるN−末端球状ドメインを持つタンパク質をコードする4つの転写産物バリアントが同定された。
筋肉グリコーゲンホスホリラーゼ(マッカードル症候群、糖原病V型)(PYGM)、[EFF] アデニル酸シクラーゼ活性化ポリペプチド1(下垂体)(PACAP、ADCYAP1)、[ADR]
この遺伝子はアデニル酸シクラーゼ活性化ポリペプチド1をコードする。アデニル酸シクラーゼ活性化ポリペプチド1レセプターによる媒介で、このポリペプチドはアデニル酸シクラーゼを刺激し、そして続いて標的細胞中のcAMPレベルを上げる。アデニル酸シクラーゼ活性化ポリペプチド1は、下垂体刺激性ホルモンであるだけでなく、神経伝達物質および神経調節物質としても機能する。さらにこれは膵臓およびある種の細胞のオートクライン調節にも役割を果たす。この遺伝子は5個のエキソンからなる。エキソン1およびエキソン2はそれぞれ5’UTRおよびシグナルペプチドをコードし;エキソン4はアデニル酸シクラーゼ活性化ポリペプチド1−関連ペプチドをコードし;そしてエキソン5は成熟ペプチドおよび3’UTRをコードする。この遺伝子は2つのアイソタイプ:短い形態および長い形態を含む3種の成熟ペプチドをコードする。
コプロポルフィリノーゲンオキシダーゼ(コプロポルフィリン症、ハーテロポルフィリン症(harderoporphyria)(CPO)、[ADR]
コプロポルフィリノーゲンは、酸化的脱カルボキシル化をヘム生合成の第6段階で触媒する。
インターロイキン8レセプター、アルファ(IL8RA)、[ADR]
インターロイキン8レセプターアルファは、好中球の化学走性を媒介し、そしてインターロイキン8(IL8)に結合するGタンパク質共役レセプターである。
ケモカイン(C−Cモチーフ)レセプター2(CCR2)、[ADR]
この遺伝子は、単球の化学走性を特異的に媒介するケモカインである単球化学誘引物質タンパク質−1のレセプターの2つのアイソフォームをコードする。単球化学誘引物質タンパク質−1は、慢性関節リウマチのような炎症疾患ならびに腫瘍に対する炎症応答における単球の浸潤に関与する。この遺伝子によりコードされるレセプターは、アゴニスト−依存的カルシウム可動化およびアデニリルシクラーゼの阻害を媒介する。この遺伝子はケモカインレセプター遺伝子クラスター領域に位置する。2つの選択的にスプライシングされた転写産物バリアントがこの遺伝子により発現される。
ホスホメバロン酸キナーゼ(PMVK)、[ADR、CVD]
ホスホメバロン酸キナーゼはメバロネート−5−ホスフェートをメバロネート−5−ジホスフェートに転換する。
糖タンパク質VI(血小板)(GP6)、[ADR、EFF]
血小板糖タンパク質VIは、対合Ig−様レセプターファミリーの一員である。
電位依存性アニオンチャンネル1(VDAC1)、[EFF]
電位依存性アニオンチャンネル1(ミトコンドリアポーリンチャンネル)は、外側ミトコンドリア膜の電位依存性孔として機能する。
TATAボックス結合タンパク質(TBP)、[ADR]
TATAボックス結合タンパク質は、TFIID複合体の成分であり;mRNA合成および基礎的転写の開始で機能する。
動原体タンパク質C1(CENPC1)、[CVD、EFF]
動原体タンパク質C1は動原体自己抗原であり、そして内部キネトコアプレートの成分である。このタンパク質は正しいキネトコアサイズを維持し、そして後期に適時に移行するために必要である。推定上の偽遺伝子が染色体12に存在する。
甲状腺レセプター相互作用タンパク質10、TRIP10(CDC42−相互作用タンパク質、CIP4)、[ADR]
FERおよびFes/Fpsチロシンキナーゼの非キナーゼドメインに類似する;活性化Cdc42に結合し、そしてアクチン細胞骨格を調節し;SH3ドメインを含む。
ホスホグルコムターゼ5(ホスホグルコムターゼ関連タンパク質、PGMRP)、[ADR]
ホスホグルコムターゼ関連(アシクリン(aciculin)推定構造タンパク質;細胞骨格タンパク質ジストロフィンおよびユートロフィンと相互作用する。
ホスホリパーゼA2、IIA群(血小板、滑液)、PLA2G2A、RASF−A PLA2、[ADR]
IIA群分泌ホスホリパーゼA2はリン脂質sn−2エステル結合を加水分解し、リゾホスホリピッドおよび遊離脂肪酸を放出し;マウスPla2g2aに類似する。
脂肪酸コエンザイムAリガーゼ、長鎖3、(FACL3、PRO2194)、[ADR]
この遺伝子によりコードされるタンパク質は、長鎖脂肪酸コエンザイムAリガーゼファミリーのアイソザイムである。基質特異性、細胞下での局在、および組織分布は異なるが、このファミリー中のすべてのアイソザイムは遊離長鎖脂肪酸を脂肪アシル−CoAエステルに転換し、そしてこれにより脂質生合成および脂質分解において重要な役割を果たす。この酵素は脳で高度に発現され、そして基質としてミリステート、アラキドネートおよびエイコサペンタノエートを優先的に利用する。このアイソザイムのアミノ酸配列は、ラット相同体と92%同一である。
3−ヒドロキシ−3−メチルグルタリル−コエンザイムAシンターゼ2、ミトコンドリア(HMGCS2)、[ADR]
3−ヒドロキシ−3−メチルグルタリル−コエンザイムAシンターゼ;ケトン体生成の第1段階で機能する。
染色体Xオープンリーディングフレイム6(CXorf6、Xq28)、[EFF]
HLA−B関連転写産物3(BAT3)、[ADR]
遺伝子のクラスター、BAT1−BAT5は、TNFアルファおよびTNFベータの遺伝子付近に局在した。これらの遺伝子はすべてヒト主要組織適合遺伝子複合体クラスIII領域内にある。この遺伝子にコードされるタンパク質は、核タンパク質である。これはアポトーシスの制御および熱ショクタンパク質の調節に意味をもっていた。これらはこの遺伝子について記載された3つの選択的にプライシングされた転写産物バリアントである。
インドールエチルアミンN−メチルトランスフェラーゼ(INMT)、[ADR]
筋肉特異的セリンキナーゼ(MSSK1;セリン/トレオニンキナーゼ23、STK23)、[ADR、CVD、EFF]
SRPK2に高度に類似;RNAスプライシング因子のSRファミリーのプロテインキナーゼかもしれない;キナーゼドメインを含む。
ミオシン、重ポリペプチド9、非−筋肉(MYH9)、[ADR]
非−筋肉ミオシン重鎖9;筋肉の収縮、細胞質分裂および食作用の力を提供するモータータンパク質;ATPaseヘッドドメインおよび棒様のテイルドメインを含む。
ペルオキシソーム増殖活性化レセプター、デルタ(PPARD)、[ADR]
ペルオキシソーム増殖活性化レセプターデルタは、ステロイドホルモンレセプタースーパーファミリーの一員である。
ミオチューブラリン(筋細管ミオパシー1、MTM1)、[ADR]
MTM1はX−結合筋細管ミオパシーの原因である突然変異を含む座として同定された。予想されるタンパク質配列は、MTM1がチロシンホスファターゼをコードすることを示唆する。
核レセプターサブファミリー1、I群、メンバー2(NR1I2、PRR2)、[EFF]
この遺伝子産物は核レセプタースーパーファミリーに属し、その員はリガンド−結合ドメインおよびDNA−結合ドメインを特徴とする転写因子である。コードされるタンパク質は、チトクロームP450遺伝子CYP3A4の転写レギュレーターであり、9−シスレチノイン酸レセプターRXRとのヘテロ二量体としてCYP3A4プロモーターの応答要素に結合する。これはデキサメタゾンおよびリファンピシンを含むCYP3A4を誘導する一連の化合物により活性化される。この遺伝子産物はジンクフィンガードメインを含む。異なるアイソフォームをコードする3つの選択的にプライシングされた転写産物が記載され、その1つは選択的翻訳開始コドンの使用を介して2つの産物をコードする。選択的なプロモーターの利用、選択的スプライシングおよび/または選択的ポリアデニレーションから生じるさらなる転写産物バリアントが存在するが、それらは完全に記載されなかった。
ホモサピエンス染色体21セグメントHS21C048、[ADR]
ホスホリパーゼA2、VI群(PLA2G6、細胞質ゾル、カルシウム−非依存性)、[CVD]
細胞質ゾルのカルシウム−非依存性ホスホリパーゼA2は、リン脂質sn−2エステル結合を加水分解し;ホスホリパーゼファミリーの一員である。
アポリポタンパク質E(APOE)、[ADR]
カイロミクロンの残物および超低密度リポタンパク(VLDL)の残物は、肝臓でレセプターが媒介するエンドサイトーシスにより循環から迅速に除去される。アポリポタンパク質E(カイロミクロンの主なアポタンパク)は、肝臓細胞および末梢細胞上の特異的レセプターに結合する。APOEはトリグリセリドが豊富なリポタンパク質成分の正常な異化に必須である。APOE遺伝子は、APOC1およびAPOC2を含むクラスター中で染色体19にマップされる。アポリポタンパク質Eの欠損は、家族性の異βリポタンパク血症、またはIII型高リポタンパク血症(HLPIII)を生じ、ここで上昇した血漿コレステロールおよびトリグリセリドは、カイロミクロンおよびVLDL残物の、不十分なクリアランスの結果である。
リポタンパク質リパーゼ(LPL)、[EFF]
LPLは、心臓、筋肉および脂肪組織で発現するリポタンパク質リパーゼをコードする。LPLはホモ二量体として機能し、そしてトリグリセリドヒドロラーゼおよびレセプターが媒介するリポタンパク取り込みのリガンド/架橋因子の二重機能を有する。LPL欠損を引き起こす重篤な突然変異は、I型高リポタンパク血症を生じるが、LPL中のそれほどでもない突然変異は、リポタンパク質代謝の多くの障害に連鎖している。
ナイドジェン2(NID2、オステオナイドジェン)、[EFF]
ナイドジェン−2は基底膜タンパク質である。
NADH−ユビキノン酸化還元酵素鎖5(EC1.6.5.3)、[ADR]
NADH−ユビキノン酸化還元酵素(複合体I)のサブユニット;NADHからユビキノンに電子を輸送する。
ソーティングネキシン9(SNX9)、[ADR]
SH3ドメイン−およびフォックス(phox)相同体(PX)ドメインを含むタンパク質;MDC9およびMDC15メタロプロテアーゼ ディスインテグリン(disintegrin)と相互作用する。
FMO1:フラビン含有モノオキシゲナーゼ1、[ADR]
食事に由来するアミノ−トリメチルアミン(TMA)の代謝的N−酸化は、フラビン含有モノオキシゲナーゼにより媒介され、そしてヒトにおいて遺伝したFMO3多型に供され、減少したTMA N−酸化能を持つ小亜群を生じ、魚臭(fish odor)症候群トリメチルアミン尿症を生じる。3つの形態の酵素、胎児肝臓で見いだされるFMO1、成人肝臓で見いだされるFMO2、およびFMO3は、1q23−q25領域にかたまった遺伝子にコードされる。フラビン含有モノオキシゲナーゼは、薬剤、殺虫剤および生体異物の柔軟な求核性ヘテロ原子の中心の酸化を触媒するNADPH−依存性フラビン酵素である。
7p15.1−p14に由来するホモサピンンスPACクローンRP5−1131G17、[ADR]
7q21−q22に由来するホモサピンンスBACクローンGS1−155M11、[CVD、EFF]
トロンビンが活性化可能な線維素溶解インヒビター(カルボキシペプチダーゼB2、CPB2)、[ADR]
カルボキシペプチダーゼは、C−末端ペプチド結合を加水分解する酵素である。このカルボキシペプチダーゼファミリーには、メタロ−、セリンおよびシステインカルボキシペプチダーゼを含む。それらの基質特異性に従い、これら酵素はカルボキシペプチダーゼA(脂肪族残基を開裂する)またはカルボキシペプチダーゼB(塩基性アミノ残基を開裂する)と呼ぶ。この遺伝子にコードされるタンパク質はトリプシンにより活性化され、そしてカルボキシペプチダーゼB基質上で作用する。トロンビン活性化後、成熟タンパク質は線維素溶解をダウンレギュレートする。多型がこの遺伝子およびそのプロモーター領域について記載された。利用できる配列データ分析は、異なるアイソフォームをコードするスプライスバリアントを示す。
SNPsは染色体上で隣接遺伝子中の他のSNPsにも連鎖するので(連鎖不平衡)、それらSNPsはマーカーSNPsとしても使用できる。最近の報告では、SNPsが100kb、場合により150kbにわたって連鎖することが示された(Reich D.E.et al.Nature 411,199−204,2001)。したがってPA SNPs近傍領域にあるSNPsはPA SNPsに連鎖することができ、そしてこれにより診断マーカーとなることができる。これらの関連は方法の遺伝的多型について記載するように行うことができる。
定義
便宜的に本明細書、実施例および前記の特許請求の範囲の中で使用する特定の用語および句の意味を以下に提供する。さらに定義自体は本発明のさらなる背景を説明することを意図している。
定義
便宜的に本明細書、実施例および前記の特許請求の範囲の中で使用する特定の用語および句の意味を以下に提供する。さらに定義自体は本発明のさらなる背景を説明することを意図している。
本明細書中で「対立遺伝子バリアント(allelic variant)」と互換的に使用される「対立遺伝子」という用語は、遺伝子またはその一部分の選択的形態を称する。対立遺伝子は相同染色体の同じ座または位置を占める。個体がある遺伝子について2つの同一な対立遺伝子を持つ時、この個体はその遺伝子または対立遺伝子についてホモ接合型であると言う。個体がある遺伝子について2つの異なる対立遺伝子を持つ時、この個体はその遺伝子についてヘテロ接合型であると言う。特定遺伝子の対立遺伝子は、互いに1個または数個のヌクレオチドが異なることができ、そしてヌクレオチドの置換、欠失および挿入を含むことができる。遺伝子の対立遺伝子は突然変異を含む遺伝子の形態でもよい。
用語「遺伝子の多型領域の対立遺伝子バリアント」とは遺伝子の領域であり、他の個体の遺伝子のその領域に見いだされる数個のヌクレオチド配列の1つを有するものを称する。
「相同性」または「同一性」または「類似性」とは、2つのペプチド間または2つの核酸分子間の配列類似性を指す。相同性は比較目的で並べることができる各配列中の位置を比べることにより決定できる。比較した配列中の位置が同じ塩基またはアミノ酸で占められている場合、分子はその位置で相同的である。配列間の相同性の程度は、配列が共有する対合または相同的位置の数の関数である。「無関係」または「非相同的」配列は、本発明の配列の1つと40%未満の同一性、好ましくは25%未満の同一性を共有する。
用語「核酸の相同体」とは、核酸またはその相補鎖のヌクレオチド配列とある程度の相同性を有するヌクレオチド配列を有する核酸を称する。配列番号Xを有する2本鎖核酸の相同体は、配列番号Xまたはその相補鎖とある程度の相同性を有するヌクレオチド配列を有する核酸を含むことを意図している。核酸の好適な相同体は、核酸またはそのその相補鎖とハイブリダイズすることができる。
本明細書で使用する用語「相互作用する」とは、例えばハイブリダイゼーションアッセイを使用して検出できるような、分子間の検出可能な相互作用を含むことを意味する。
相互作用するという用語は、分子間の「結合」相互作用も含むことを意味する。相互作用は例えば、自然なタンパク質−タンパク質、タンパク質−核酸、タンパク質−低分子または低分子−核酸といった性質のものでよい。
用語「イントロン配列」または「イントロンヌクレオチド配列」とは、イントロンまたはその一部分のヌクレオチド配列を指す。
本明細書でDNAまたはRNAのような核酸について使用する用語「単離された」とは、それぞれ高分子の自然な供給源に存在する他のDNAまたはRNAから分離された分子を称する。さらに本明細書で使用する単離されたという用語は、組換えDNA技術により生産された時には細胞性物質、ウイルス性物質または培養基を、あるいは化学的に合成された時には化学的前駆体または他の化学品を実質的に含まない核酸またはペプチドを称する。
さらに「単離された核酸」とは、フラグメントとして天然には存在せず、そして天然状態で見いだされない核酸フラグメントを含むことを意味する。本明細書で使用する用語「単離された」とは、他の細胞性タンパク質から単離されたポリペプチドを称するために使用し、そして精製された、および組換えポリペプチドの両方を包含することを意味する。
用語「脂質」は、水のような極性溶媒中で不溶性の脂肪または脂肪様物質を称する。用語「脂質」は真性脂質(例えば脂肪酸とグリセロールのエステル);脂質(リン脂質、セレブロシド、ロウ);ステロール(コレステロール、エルゴステロール)およびリポタンパク質(例えばHDL、LDLおよびVLDL)を含むことを意図する。
用語「座」とは染色体中の特定の位置を指す。例えば遺伝子の座は、遺伝子の染色体位置を指す。
本明細書で使用する用語「モジュレーション(modulation)」は、生物活性(例えば遺伝子の発現)の例えば作動(agonize)によるアップ−レギュレーション(up−regulation)(すなわち活性化または刺激)、および例えば拮抗(antagonize)によるダウン−レギュレーション(down−regulation)(すなわち阻害または抑制)の両方を称する。
遺伝子またはその一部分の「分子構造」という用語は、ヌクレオチド含量(1以上のヌクレオチドの欠失、置換、付加を含む)、ヌクレオチド配列、メチル化の状態および/または遺伝子もしくはその部分の任意の他の修飾により定められる構造を称する。
用語「突然変異した遺伝子」とは、突然変異した遺伝子を持たない個体に比して突然変異した遺伝子を持つ個体の表現型を改変することができる遺伝子の対立遺伝子型を称する。個体が改変された表現型を有するために、この突然変異についてホモ接合性でなければならない場合、突然変異は劣性であると言う。1コピーの突然変異した遺伝子が個体の遺伝子型を改変するために十分である場合、この突然変異を優性と言う。個体が1コピーの突然変異した遺伝子を有し、かつ表現型が(該遺伝子の)ホモ接合性とヘテロ接合性個体との中間である場合、突然変異は共優性と言う。
本明細書で使用する用語「核酸」とは、デオキシリボ核酸(DNA)、そして適切な場合はリボ核酸(RNA)のようなポリヌクレオチドを称する。この用語はヌクレオチド同族体から作られるRNAまたはDNAのいずれかの等価体、誘導体、バリアントおよび同族体を含むことも意図し、それらにはペプチド核酸(PNA)、モルホリノオリゴヌクレオチド(J.Summerton and D.Weller,Antisense and Nucleic Acid Drug Development 7:187(1997))を含み、そして記載される態様に一本(センスまたはアンチセンス)および二本鎖ポリヌクレオチドとして応用することができる。デオキシリボヌクレオチドにはデオキシアデノシン、デオキシシチジン、デオキシグアノシおよびデオキシチミジンを含む。明瞭にするために、本明細書でDNAまたはRNAであることができる核酸のヌクレオチドを指す時、用語「アデノシン」、「シチジン」、「グアノシン」および「チミジン」を使用する。核酸がRNAである場合、ウラシル塩基を有するヌクレオチドはウリジンである。
用語「配列番号xで説明するヌクレオチド配列に相補的なヌクレオチド配列」とは、配列番号xを有する核酸鎖の相補鎖のヌクレオチド配列を指す。本発明において用語「相補鎖」は用語「相補体(complement)」と互換的に使用する。核酸鎖の相補体はコード鎖の相補体または非コード鎖の相補体でよい。二本鎖核酸を指す時、配列番号xを有する核酸の相補体は、配列番号xを有する鎖の相補鎖または配列番号xの相補鎖のヌクレオチド配列を有する任意の核酸を指す。配列番号xのヌクレオチド配列を有する一本鎖核酸を指す時、この核酸の相補体は配列番号xのヌクレオチド配列に相補的であるヌクレオチド配列を有する核酸である。ヌクレオチド配列およびその相補的配列は、常に5’から3’方向で表示する。用語「相補体」および「逆相補体」は本明細書で互換的に使用する。
用語「操作可能に連結された」とは、プロモーターが核酸の転写を促進するような様式で核酸に結合していることを意味する。
用語「多型」とは、1より多くの型の遺伝子またはその部分の共存(coexistance)を称する。少なくとも2つの異なる型、すなわち2つの異なるヌクレオチド配列がある遺伝子の部分は、「遺伝子の多型領域」と称する。多型領域は1つのヌクレオチドであることができ、その正体は異なる対立遺伝子で異なる。多型領域は数個のヌクレオチド長であることもできる。
「多型遺伝子」は、少なくとも1つの多型領域を有する遺伝子を指す。
ヌクレオチド配列中の「多型部位」を説明するために、しばしば1つの部位に可能なヌクレオチドの変異を表す「多義的コード(ambiguity code)」が使用される。多義的コードのリストを以下の表にまとめる:
このように例えばヌクレオチド配列中の“R”は、“a”または“g”のいずれかがその位置であり得ることを意味する。
用語「タンパク質」、「ポリペプチド」および「ペプチド」は、遺伝子産物を指す時に本明細書において互換的に使用する。
本明細書で「調節配列」とも呼ぶ「調節エレメント」は、基本的プロモーターからの転写をモジュレートすることができるエレメントを含み、そしてエンハンサーおよびサイレンサーのようなエレメントを含むことを意図する。本明細書で「エンハンサーエレメント」とも呼ぶ用語「エンハンサー」は、基本的プロモーターからの転写を増加、刺激または強化することができる調節エレメントを含むことを意図する。本明細書で「サイレンサーエレメント」とも呼ぶ用語「サイレンサー」は、基本的プロモーターからの転写を減少、阻害または抑制することができる調節エレメントを含むことを意図する。調節エレメントは典型的には遺伝子の5’フランキング領域に存在する。しかし調節エレメントは遺伝子の他の領域、特にイントロンに存在することも示された。すなわち遺伝子はイントロン、エキソン、コード領域および3’フランキング配列に位置する調節エレメントを有することが可能である。そのような調節エレメントも本発明により包含されることを意図し、そして遺伝子の5’フランキング領域中の調節エレメントを同定するために使用することができる任意のアッセイにより同定することができる。
用語「調節エレメント」はさらに「組織特異的」な調節エレメント、すなわち特異的な細胞(例えば特異的組織の細胞)中で選択したDNA配列を優先的に発現させる調節エレメントを包含する。遺伝子発現は、この細胞中での発現が他の細胞型中での発現よりも有意に高い場合、特異的細胞中で優先的に起こる。用語「調節エレメント」には非組織特異的調節エレメント、すなわちほとんどの細胞型で活性な調節エレメントも包含する。さらに調節エレメントは構成的調節エレメント、すなわち誘導性である調節エレメント、すなわち刺激物に反応して主に活性となる調節エレメントは反対に、転写を構成的に調節する調節エレメントであることができる。刺激物は、例えばホルモン、サイトカイン、重金属、ホルボールエステル、サイクリックAMP(cAMP)またはレチノイン酸のような分子であることができる。
調節エレメントは典型的にはタンパク質、例えば転写因子により結合される。用語「転写因子」は特異的な核酸配列、すなわち調節エレメントと優先的に相互作用し、そして適切な条件下で転写を刺激または抑制するタンパク質またはその修飾形態を含むことを意図する。幾つかの転写因子は単量体の状態である時に活性である。あるいは他の転写因子は、2つの同一タンパク質または異なるタンパク質(ヘテロ二量体)からなる二量体の状態で活性である。修飾された形態の転写因子は、リン酸基の付加のような翻訳後修飾を有する転写因子を指すことを意図する。転写因子の活性は、翻訳後修飾によりしばしばモジュレートされる。例えばある種の転写因子はそれらが特定の残基上でリン酸化された場合にのみ活性である。あるいは転写因子はリン酸化残基の不存在下で活性であることができ、そしてリン酸化により不活性化となる。既知の転写因子およびそれらのDNA結合部位のリストは、例えば公開されているデータベース、例えばTFMATRIX転写因子結合部位プロフィールデータベースに見いだすことができる。
本明細書で使用する用語「特異的にハイブリダイズする」または「特異的に検出する」とは、本発明の核酸分子が、遺伝子の少なくとも約6、12、20、30、40、50、60、70、80、90、100、110、120、130または140個の連続するヌクレオチドのいずれかの鎖にハイブリダイズする能力を指す。
用語「野生型対立遺伝子」とは、個体中に2つのコピーで存在する時、野生型の表現型を生じる遺伝子の対立遺伝子を称する。遺伝子中の特定のヌクレオチドの変化は、そのヌクレオチド変化を持つ遺伝子の2つのコピーを持つ個体の表現型に影響を及さないことがあるので、特別な遺伝子に数種の異なる野生型対立遺伝子が存在し得る。
本明細書で使用する「有害薬剤反応」(ADR)は、薬品の使用に関連する介入から生じるかなり有害な、または不快な反応を指し、これは将来の投与および防止もしくは特別な処置の認可からの障害、あるいは投薬計画の変更、または製品の離脱を予測する。ADRの最も深刻な状態は、個体の死をもたらす。
用語「薬剤応答(Drug Response)」は、薬剤投与で患者が現す任意の応答を意味することを意図する。具体的な薬剤応答には、有益、すなわち所望の薬剤効果、ADRまたは全く検出できない反応を含む。より具体的に薬剤応答という用語は、定性的な意味も有することができ、すなわちそれぞれ低または高い有益効果、およびそれぞれ穏やかまたは重篤なADRを包含する。本明細書で使用する用語「スタチン応答」は、スタチン投与後の薬剤応答を指す。個々の薬剤応答には薬剤の良い、または悪い代謝も含み、「悪い代謝体」は薬剤を体内に蓄積することを意味し、これにより蓄積された過剰摂取による薬剤の副作用を示す。
本明細書で使用する「候補遺伝子」は、正常な心血管機能または心血管疾患の発症および/または進行に関連する代謝経路のいずれかに割り当てられることができる遺伝子を含む。
薬剤応答に関して、用語「候補遺伝子」は薬剤投与に対する患者の応答に関して、明白な表現型に割り当てることができる遺伝子を含む。それら表現型には、比較的少量で与える薬剤から利益を得る患者(高応答者)、または同じ利益を得るために比較高い用量を必要とする患者(低応答者)を含む。加えてそれらの表現型には、ADRを現すことなく高用量の薬剤に耐容できる患者、またはわずかな低用量の薬剤を受けた後でもADRに罹る患者を含むことができる。
心血管疾患の発症も、または薬剤投与に対する患者の応答も完全に解明されていないので、用語「候補遺伝子」は現在未知の機能を持つ遺伝子も含んでなることができる。
「PA SNP」(表現型関連SNP)は、患者の表現型(健康な、疾患した、低または高応答者、薬剤耐容、ADR傾向等)との有意な関連を表す多型部位を指す。
「PA遺伝子」(表現型関連遺伝子)は、この遺伝子座の実際の機能にかかわらずPA SNPを持つゲノムの座を指す。
PA遺伝子ポリペプチドは、少なくとも一部がPA遺伝子にコードされているポリペプチドを指す。
本明細書で使用する用語「ハプロタイプ」は、機能的および/または空間的に連鎖した2以上のSNP群を称する。すなわちハプロタイプは、同一(または関連する代謝)経路に属する遺伝子内にあり、かつ/または同じ染色体上にあるSNP群と定める。ハプロタイプは単一のSNPよりも良い予測/診断情報を与えると期待される。
用語「スタチン」は、酵素3−ヒドロキシ−3−メチルグルタリルコエンザイムA(HMG−CoA)レダクターゼのすべてのインヒビターを包含することを意図する。スタチンはコレステロール生合成の律速段階を触媒する酵素HMG−CoAレダクターゼを特異的に阻害する。既知のスタチンは、アトルバスタチン(Atorvastatin)、セリバスタチン(Cerivastatin)、フルバスタチン(Fluvastatin)、ロバスタチン(Lovastatin)、プラバスタチン(Pravastatin)およびシンバスタチン(Simvastatin)である。
心血管状態の評価法
本発明は、ヒト個体の心血管状態を評価する診断法を提供する。本明細書で使用する心血管状態とは、1以上のマーカーまたは指標に反映される個体の心血管系の生理学的状態を指す。状態のマーカーには限定するわけではないが、例えば血圧、心電図プロフィールおよび示差血流分析、ならびにLDL−およびHDL−コレステロールレベル、他の脂質、および当該技術分野で標準的な他の十分に確立された臨床的パラメーターの測定のような臨床検査を含む。本発明による状態のマーカーは、例えば高血圧、急性心筋梗塞、無症候性心筋梗塞、脳卒中およびアテローム硬化症のような1以上の心血管症候群の診断を含む。医師によりなされる心血管症候群の診断には、臨床検査および医学的判断を包含すると考えられる。本発明による状態のマーカーは、当該技術分野で周知な常法を使用して評価される。また心血管状態の評価に含まれるのは、例えば特定の治療的処方に対する個体の応答の判定において使用されるような経時的なマーカーの定量的または定性的変化である。
心血管状態の評価法
本発明は、ヒト個体の心血管状態を評価する診断法を提供する。本明細書で使用する心血管状態とは、1以上のマーカーまたは指標に反映される個体の心血管系の生理学的状態を指す。状態のマーカーには限定するわけではないが、例えば血圧、心電図プロフィールおよび示差血流分析、ならびにLDL−およびHDL−コレステロールレベル、他の脂質、および当該技術分野で標準的な他の十分に確立された臨床的パラメーターの測定のような臨床検査を含む。本発明による状態のマーカーは、例えば高血圧、急性心筋梗塞、無症候性心筋梗塞、脳卒中およびアテローム硬化症のような1以上の心血管症候群の診断を含む。医師によりなされる心血管症候群の診断には、臨床検査および医学的判断を包含すると考えられる。本発明による状態のマーカーは、当該技術分野で周知な常法を使用して評価される。また心血管状態の評価に含まれるのは、例えば特定の治療的処方に対する個体の応答の判定において使用されるような経時的なマーカーの定量的または定性的変化である。
この方法は:
(i)個体中に、実施例に列挙する遺伝子またはこのファイルに列挙する他の遺伝子の1個、数個またはすべての中の1以上の多型位置の配列を決定して、個体に関する多型パターンを確立し;そして
(ii)(i)で確立した多型パターンを、心血管状態の異なるマーカーを表すヒトの多型パターンと比較する工程を含んでなる。個体の多型パターンは、好ましくは特定の状態のマーカー、心血管症候群および/または治療的介入に対する応答の特定のパターンを現す個体の多型パターンに高度に類似し、そして最も好ましくは同一である。多型パターンは実施例に列挙する遺伝子中の1以上の多型位置と組み合わせて、特定の状態のマーカーの存在と相関することを示す他の遺伝子中の多型位置も含む。1つの態様では、この方法には個体の多型パターンを、特定の治療的処方に対して正または負に応答することを示した個体の多型パターンと比較することを含む。本明細書で使用する治療的処方とは、症状および心血管障害に関係する事象の排除または改善を目的とする処置を称する。そのような処置には限定するわけではないが、食事、生活習慣および運動療法の1以上の変更;アテレクトミー、血管形成術および冠状バイパス手術のような侵襲的および非侵襲的外科技術;およびACEインヒビター、アンギオテンシンIIレセプターアンタゴニスト、利尿薬、アルファ−アドレナリンレセプターアンタゴニスト、強心配糖体、ホスホジエステラーゼインヒビター、ベータ−アドレナリンレセプターアンタゴニスト、カルシウムチャンネル遮断薬、HMG−CoAレダクターゼインヒビター、イミダゾリンレセプター遮断薬、エンドセリンレセプター遮断薬、有機亜硝酸塩および実施例に列挙する遺伝子のタンパク質機能のモジュレーターの投与のような製薬学的介入を含む。活性が心血管疾患と関連する特定の多型パターンに相関する、未知の薬剤を用いた介入も包含される。例えば特定の治療的処方の候補である患者は、特定の治療的処方に対する応答性に相関する多型パターンについてスクリーニングされることを企図する。
(i)個体中に、実施例に列挙する遺伝子またはこのファイルに列挙する他の遺伝子の1個、数個またはすべての中の1以上の多型位置の配列を決定して、個体に関する多型パターンを確立し;そして
(ii)(i)で確立した多型パターンを、心血管状態の異なるマーカーを表すヒトの多型パターンと比較する工程を含んでなる。個体の多型パターンは、好ましくは特定の状態のマーカー、心血管症候群および/または治療的介入に対する応答の特定のパターンを現す個体の多型パターンに高度に類似し、そして最も好ましくは同一である。多型パターンは実施例に列挙する遺伝子中の1以上の多型位置と組み合わせて、特定の状態のマーカーの存在と相関することを示す他の遺伝子中の多型位置も含む。1つの態様では、この方法には個体の多型パターンを、特定の治療的処方に対して正または負に応答することを示した個体の多型パターンと比較することを含む。本明細書で使用する治療的処方とは、症状および心血管障害に関係する事象の排除または改善を目的とする処置を称する。そのような処置には限定するわけではないが、食事、生活習慣および運動療法の1以上の変更;アテレクトミー、血管形成術および冠状バイパス手術のような侵襲的および非侵襲的外科技術;およびACEインヒビター、アンギオテンシンIIレセプターアンタゴニスト、利尿薬、アルファ−アドレナリンレセプターアンタゴニスト、強心配糖体、ホスホジエステラーゼインヒビター、ベータ−アドレナリンレセプターアンタゴニスト、カルシウムチャンネル遮断薬、HMG−CoAレダクターゼインヒビター、イミダゾリンレセプター遮断薬、エンドセリンレセプター遮断薬、有機亜硝酸塩および実施例に列挙する遺伝子のタンパク質機能のモジュレーターの投与のような製薬学的介入を含む。活性が心血管疾患と関連する特定の多型パターンに相関する、未知の薬剤を用いた介入も包含される。例えば特定の治療的処方の候補である患者は、特定の治療的処方に対する応答性に相関する多型パターンについてスクリーニングされることを企図する。
好適な態様では、この方法は個体の多型パターンを、例えば上昇したLDL−コレステロールレベル、高い血圧、異常な心電図プロフィール、心筋梗塞、脳卒中またはアテローム硬化症のような心血管疾患の1以上のマーカーを現すか、または現した個体の多型パターンと比較することを含む。
別の態様では、この方法は個体の多型パターンを、例えば低または高い薬剤応答または有害薬剤反応のような1以上の薬剤関連表現型を現す、または現した個体の多型パターンと比較することを含む。
本発明の実施にあたり、個体の多型パターンは個体からDNAを得、そしてこのファイルに記載するような遺伝子中の予め決定された多型位置で配列を決定することにより確立することができる。
DNAは任意の細胞源から得ることができる。臨床的な実施で利用可能な細胞源の非限定的な例は、血液細胞、頬の細胞、膣頚管細胞、尿由来の上皮細胞、胎児細胞または生検により得られた組織に存在する任意の細胞を含む。細胞は、限定するわけではないが血液、唾液、汗、尿、脳脊髄液、便および感染または炎症部位の組織滲出液を含む体液から得ることができる。DNAは、当該技術分野で標準的である任意の多数の方法を使用して細胞源または体液から抽出する。DNAを抽出するための特定の方法は、供給源の性質に依存すると理解される。
診断および予後アッセイ
本発明は遺伝子の少なくとも1つの多型領域の分子構造を決定するための方法を提供し、該多型領域の特異的な対立遺伝子バリアントが心血管疾患に関連している。1つの態様では、遺伝子の多型領域の分子構造を決定することは、対立遺伝子バリアントの同一性を決定することを含んでなる。特異的な対立遺伝子が心血管疾患に関連している遺伝子の多型領域は、エキソン、イントロン、イントロン/エキソン境界、または遺伝子のプロモーターに位置することができる。
診断および予後アッセイ
本発明は遺伝子の少なくとも1つの多型領域の分子構造を決定するための方法を提供し、該多型領域の特異的な対立遺伝子バリアントが心血管疾患に関連している。1つの態様では、遺伝子の多型領域の分子構造を決定することは、対立遺伝子バリアントの同一性を決定することを含んでなる。特異的な対立遺伝子が心血管疾患に関連している遺伝子の多型領域は、エキソン、イントロン、イントロン/エキソン境界、または遺伝子のプロモーターに位置することができる。
本発明は個体が心血管疾患を有するか、またはそれを発症する危険にあるかどうかを決定するための方法を提供する。そのような障害は異所性の遺伝子活性、例えば脂質形態への異常な結合、または異所性の遺伝子タンパク質レベルと関連し得る。異所性の遺伝子タンパク質レベルは、異所性の転写または転写後の調節から生じ得る。このように遺伝子の特異的領域中の対立遺伝子の差異は、発現の調節における差異により遺伝子タンパク質に差異をもたらすことができる。特に、ヒト遺伝子中で同定された多型の幾つかは転写、RNA成熟、スプライシングまたは遺伝子の翻訳または転写産物のレベルにおける変化と関連し得る。
好適な態様では、本発明の方法は個体に由来する細胞のサンプル中に、遺伝子の1以上の多型領域の特異的対立遺伝子バリアントの存在または不存在を検出することを含んでなることを特徴とすることができる。対立遺伝子の差異は:(i)少なくとも1つのヌクレオチドの同一性における差異または(ii)ヌクレオチドの数における差異、この差異は単一ヌクレオチドまたは数個のヌクレオチドであることができる。
好適な検出法は、多型部位に重複し、そして多型領域周辺に約5、10、20、25または30ヌクレオチドを有するプローブを使用した対立遺伝子特異的ハイブリダイゼーションである。イントロンXに位置する多型領域の特異的対立遺伝子バリアントを検出するためのプローブの例は、任意の配列番号Xで説明するヌクレオチド配列を含んでなるプローブである。本発明の好適な態様では、対立遺伝子バリアントに特異的にハイブリダイズすることができる数個のプローブを固相支持体、例えば「チップ」に結合させる。オリゴヌクレオチドは、リトグラフィーを含む種々の方法により固体支持体に結合させることができる。例えばチップは最高250,000個のオリゴヌクレオチドを保持することができる(GeneChip、アフィメトリックス(Affymetrix))。「DNAプローブアレイ」とも呼ばれるオリゴヌクレオチドを含んでなるこれらチップを使用した突然変異検出分析は、例えばCronin et al.(1996)Human Mutation 7:244およびKozal et al.(1996) Nature Medicine 2:753に記載されている。1つの態様では、チップは遺伝子の少なくとも1つの多型領域のすべての対立遺伝子バリアントを含んでなる。次いで固相支持体を試験核酸と接触させ、そして特異的プローブへのハイブリダイゼーションを検出する。したがって1以上の遺伝子の多数の対立遺伝子バリアントの正体を、簡単なハイブリダイゼーション実験により確認することができる。例えば、配列番号1(baySNP179)の33位のヌクレオチドAまたはGのヌクレオチド多型の対立遺伝子バリアントの正体、および他の可能な多型領域の正体は、単回のハイブリダイゼーション実験で決定することができる。
別の検出法では、対立遺伝子バリアントを同定する前に最初に遺伝子の少なくとも1つの遺伝子の部分を増幅することが必要である。増幅は当該技術分野で既知の方法に従い、例えばPCRおよび/またはLCRにより行うことができる。1つの態様では、細胞のゲノムDNAを2つのPCRプライマーに暴露し、そして必要量の増幅されたDNAを生成するために十分なサイクル数で増幅させる。好適な態様では、プライマーは40から350塩基間離れて位置する。このファイルの遺伝子フラグメントを増幅させるために好適なプライマーは、実施例の表2に掲げる。
選択的な増幅法には:自己持続型配列複製(self sustained sequence replication)(Guatelli,J.C.et al.,1990,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.87:1874−1878)、転写増幅系(Kwoh,D.Y.et al.,1989,Proc.Natl.Acad.Sci.USA.86:1173−1177)、Q−Betaレプリカーゼ(Lizardi,P.M.et al.,1988,Bio/Technology 6:1197)、あるいは任意の他の核酸増幅法、続いて増幅した分子の当業者に周知な技術を使用した検出を含む。これらの検出スキームは、そのような分子が大変少数で存在する場合に核酸分子の検出に特に有用である。
1つの態様では、当該技術分野で知られている種々のシークエンシング反応を使用して、遺伝子の少なくとも一部分で配列を直接配列決定し、そして対立遺伝子バリアント、例えば突然変異を、サンプル配列の配列と対応する野生型(対照)の配列と比較することにより検出することができる。例示的なシークエンシング反応には、Maxam and Gilbert(Proc.Natl.Acad.Sci.USA(1977)74:560)またはSanger(Sanger et al(1977)Proc.Natl.Acad.Sci 74:5463)により開発された技法に基づく反応を含む。種々の自動化シークエンシング手法も主題のアッセイを行う時に利用できることを企図し(Biotechniqes(1995)19:448)、それらには質量分析によるシークエンシング(例えばH.Kosterにより質量分析によるDNAシークエンシング(DNA Sequencing by Mass Spectrometry)と表題を付けられた米国特許第5,547,835号明細書および国際公開第94/16101号パンフレット;H.Kosterによりエキソヌクレアーゼ分解を介する質量分析によるDNAシークエンシング(DNA Sequencing by Mass Spectrometry Via Exonuclease Degradation)と表題を付けられた米国特許第5,547,835号明細書および国際公開第94/21822号パンフレット)、およびH.Kosterによる質量分析に基づくDNA診断(DNA Diagnostics Based on Mass Spectrometry)と表題を付けられた米国特許第5,605,798号明細書およびPCT/US96/03651;Cohen et al.(1996)Adv Chromatogr 36:127−162;およびGriffin et al.(1993)Appl Biochem Biotechnol 38:147−159)を含む。当業者には特定の態様では、1、2または3個の核酸塩基の存在をシークエンシング反応で決定する必要があるだけであることは明らかである。例えばA−痕跡(track)等(例えば1つのヌクレオチドのみを検出する場合)を行うことができる。
さらに別のシークエンシング法、例えば「混合DNA−ポリマー鎖プローブを使用するDNAシークエンシング法(Method of DNA sequencing employing a mixed DNA−polymer chain probe)」、と表題を付けられた米国特許第5,580,732号明細書、および「誤対合−に向けられたインビトロDNAシークエンシング法(Method for mismatch−directed in vitro DNA sequencing)」と表題を付けられた米国特許第5,571,676号明細書に開示されている。
場合により個体に由来するDNA中の遺伝子の特異的対立遺伝子の存在は、制限酵素分析により表すことができる。例えば特異的なヌクレオチド多型は、別の対立遺伝子バリアントのヌクレオチド配列には存在しない制限部位を含んでなるヌクレオチド配列を生じることがある。
別の態様では、電気泳動的移動度における変化を使用して遺伝子の対立遺伝子バリアントの型を同定する。例えば単一鎖構造多型(SSCP)を使用して、変異体と野生型核酸との間の電気泳動的移動度の差異を検出することができる(Orita et al.(1989)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 86:2766、またCotton(1993)Mutat Res285:125−144:およびHayashi(1992)Genet Anal Tech Appl 9:73−79も参照にされたい)。サンプルおよび対照核酸の一本鎖DNAフラグメントを変性し、そして再生する。一本鎖核酸の2次構造は配列に従い変動し、電気泳動的移動度で生じた変化は、1塩基の変化さえも検出を可能とする。DNAフラグメントを標識し、そして標識されたプローブを検出することができる。アッセイの感度は、2次構造が配列中の変化に対して(DNAよりも)感受性が高いRNAを使用することにより強化することができる。別の好適な態様では、主題の方法はヘテロ二本鎖分析を利用して、電気泳動的移動度の変化に基づきヘテロ二本鎖分子を分離する(Keen et al.(1991)、Trends Genet 7:5)。
さらに別の態様では、多型領域中の対立遺伝子バリアントの同一性は、多型領域を含んでなる核酸の、変性剤の勾配を含むポリアクリルアミドゲル中で移動を変性勾配ゲル電気泳動(DGGE)(Myers et al(1985)Nature 313:495)を使用してアッセイして分析することにより得られる。DGGEを分析法として使用する時、例えば約40bpの高融点GCリッチDNAのGCクランプをPCRで加えることにより、DNAが完全に変性しないことが確実となるように修飾する。さらなる態様では変性剤の勾配の代わりに温度勾配を使用して、対照およびサンプルDNAの移動度における差異を確認する(Rosenbaum and Reissner(1987)Biophys Chem 265:1275)。
2つの核酸間の少なくとも1つのヌクレオチドの差異を検出するための技術の例には、限定するわけではないが選択的オリゴヌクレオチドハイブリダイゼーション、選択的増幅、または選択的プライマー延長を含む。例えばオリゴヌクレオチドプローブは既知の多型ヌクレオチドが中央に配置されるように調製することができ(対立遺伝子特異的プローブ)、次で完全な対合が見いだされる場合のみハイブリダイゼーションが可能となる条件下で、標的DNAにハイブリダイズさせる(Saiki et al.(1986)Nature324:163);Saiki et al.(1989)Proc.Natl.Acad.Sci.USA86:6230;およびWallace et al.(1979)Nucl.Acids Res.6:3543)。そのような対立遺伝子特異的オリゴヌクレオチドハイブリダイゼーション技法は、遺伝子の異なる多型領域において数個のヌクレオチド変化の同時検出に使用することができる。例えば特異的な対立遺伝子バリアントのヌクレオチド配列を有するオリゴヌクレオチドをハイブリダイズ膜に付け、そしてこの膜を次いで標識されたサンプル核酸とハイブリダイズさせる。次いでハイブリダイゼーションシグナルの分析で、サンプル核酸のヌクレオチドの正体が明らかになる。
あるいは選択的PCR増幅に依存した対立遺伝子特異的増幅技術を使用することができる。特異的増幅にプライマーとして使用するオリゴヌクレオチドは、分子の中心(増幅がディファレンシャルハイブリダイゼーションに依存するように)(Gibbs et al(1989)Nucleic.Acids Res.17:2437−2448)に、または適当な条件下で誤対合がポリメラーゼ延長を防止するか、または減少させることができる1つのプライマーの3’の極めて端に(Prossner(1993)Tibtech 11:238;Newton et al.(1989)Nucleic.Acids Res.17:2503)、目的の対立遺伝子バリアントを持つことができる。この技法はプローブオリゴ塩基延長(Probe Oligo Base Extension)用の「プローブ(PROBE)」とも名付けられている。さらに開裂に基づく検出を作成するために、突然変異の領域に新規な制限部位を導入することが望ましいかもしれない(Gasparini et al(1992)Mol.Cell Probes 6:1)。
別の態様では対立遺伝子バリアントの同定は、米国特許第4,998,617号明細書およびLandegren,U.et al.,Science 241:1077−1080(1988)に記載されているような、オリゴヌクレオチドライゲーションアッセイ(OLA)を使用して行う。OLAプロトコールは、標的の1本の鎖に沿った配列(abutting sequence)にハイブリダイズすることができるように設計された2つのオリゴヌクレオチドを使用する。1つのオリゴヌクレオチドは分離マーカー(例えばビオチン化された)に連結され、そしてもう1つは検出できるように標識される。標的分子中に正確な相補的配列が見いだされれば、オリゴヌクレオチドはそれらの末端が沿うようにハイブリダイズし、そしてライゲーション基質を作成する。次いでライゲーションにより標識されたオリゴヌクレオチドがアビジン、または他のビオチンリガンドを使用して回収される。Nickerson,D.A.et al.は、PCRおよびOLAの特性を組み合わせた核酸検出アッセイを記載した(Nickerson,D.A.et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.(U.S.A.)87:8923−8927(1990)。この方法ではPCRを使用して標的DNAの指数的増幅を達成し、次いでこれはOLAを使用して検出される。
このOLA法に基づく幾つかの技法が開発され、そして遺伝子の多型領域の特異的対立遺伝子バリアントを検出するために使用することができる。例えば米国特許第5,593,826号明細書は、ホスホルアミデート結合を有する結合物を形成するために3’−アミノ基および5’−リン酸化オリゴヌクレオチドを有するオリゴヌクレオチドを使用したOLAを開示する。Tobe et al.((1996)Nucleic.Acids Res 24:3728)に記載されたOLAの別の変法では、PCRと組み合わせたOLAにより1つのマイクロタイターウェル中に2つの対立遺伝子のタイピングが可能となる。独特なハプテン、すなわちジゴキシゲニンおよびフルオレセインを使用して各対立遺伝子特異的プライマーをマーキングすることにより、各LA反応は種々の酵素レポーター、アルカリフォスファターゼまたは西洋ワサビペルオキシダーゼを用いて標識されるハプテン特異的抗体を使用することにより検出することができる。この系により、2つの異なる色の生成を導く高処理量形式を使用して、2つの対立遺伝子の検出が可能となる。
本発明はさらに遺伝子中の一塩基多型を検出するための方法を提供する。一塩基多型は、不変配列の領域に挟まれた変異の部位を構成するので、それらの分析には変異の部位に存在する1より多くのヌクレオチドの同一性を決定する必要はなく、そして各患者について完全な遺伝子配列を決定することは必要ではない。幾つかの方法がそのような一塩基多型の分析を促進するために開発された。
1つの態様では、一塩基多型は例えばMundy,C.R.(米国特許第4,656,127号明細書)に開示された特異化されたエキソヌクレアーゼ−耐性ヌクレオチドを使用することにより検出することができる。この方法に従い、多型部位に対して3’に隣接する対立遺伝子配列に相補的なプライマーを、特定の動物またはヒトから得た標的分子とハイブリダイズするようにさせる。標的分子上の多型部位が、存在する特定のエキソヌクレアーゼ耐性ヌクレオチド誘導体に相補的なヌクレオチドを含むならば、誘導体はハイブリダイズしたプライマーの末端に包含されるだろう。そのような包含はプライマーをエキソヌクレアーゼに対して耐性とし、そしてこれによりその検出を可能とする。サンプル中のエキソヌクレアーゼ耐性誘導体の正体は知られているので、プライマーがエキソヌクレアーゼに耐性となったという知見は、標的分子の多型部位に存在するヌクレオチドが反応に使用したヌクレオチド誘導体のヌクレオチドに相補的であったことを示す。この方法は大量の外来配列データの決定を必要としない点で有利である。
本発明の別の態様では、多型部位のヌクレオチドの正体を決定するために溶液に基づく方法を使用する。Cohen,D.et al.(仏国特許第2,650,840号明細書;PCT出願国際公開第91/02087号パンフレット)。米国特許第4,656,127号明細書のMundy法のように、多型部位に対して3’に隣接する対立遺伝子に相補的なプライマーを使用する。この方法は多型部位のヌクレオチドに相補的ならば、プライマーの末端に包含されるようになる標識されたジデオキシヌクレオチド誘導体を使用して、その部位のヌクレオチドの正体を決定する。
Genetic Bit分析またはGBA TMとして知られている別の方法が、Goelet,P.et al.(PCT出願第92/15712)により記載されている。Goelet,P.et al.の方法は、標識したターミネーターおよび多型部位に対して3’の配列に相補的なプライマーの混合物を使用する。取り込まれた標識ターミネーターは、すなわち評価される標的分子の多型部位に存在するヌクレオチドにより決定され、そしてそれに相補的である。Cohen et al.(仏国特許第2,650,840号明細書;PCT出願国際公開第91/02087号パンフレット)の方法とは対照的に、Goelet,P.et al.の方法は好ましくはプライマーまたは標的分子が固相に固定化される異質な相のアッセイである。
最近、DNA中の多型部位をアッセイするためのプライマー−誘導型(guided)ヌクレオチド取り込み手法の幾つかが記載された(Komher,J.S.et al.,Nucl.Acids.Res.17:7779−7784(1989);Sokolov,B.P.,Nucl.Acids.Res.18:3671(1990);Syvanen,A.−C.,et al.,Genomics 8:684−692(1990);Kuppuswamy,M.N.et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.(U.S.A.)88:1143−1147(1991);Prezant,T.R.et al.,Hum.Mutat.1:159−164(1992);Ugozzoli,L.et al.,GATA9:107−112(1992);Nyren,P.et al.,Anal.Biochem.208:171−175(1993))。これらの方法はすべて、多型部位で塩基間を識別するために標識したデオキシヌクレオチドの取り込みに頼る点でGBA TMとは異なる。そのような形式では、シグナルが取り込まれたデオキシヌクレオチドの数に比例するので、同じヌクレオチドの実験(run)に存在する多型は、実験の長さに比例するシグナルを生じることができる(Syvanen,A.−C.,et al.,Amer.J.Hum.Genet.52:46−59(1993))。
遺伝子のコード領域中に位置する多型領域の対立遺伝子バリアントの正体を決定するために、上に記載した以外のさらに別の方法を使用することができる。例えば突然変異した遺伝子タンパク質をコードする対立遺伝子バリアントの同定は、例えば免疫組織化学または免疫沈降において変異体タンパク質を特異的に認識する抗体を使用することにより行うことができる。野生型の遺伝子タンパク質に対する抗体が、例えばActon et al.(1999)Science271:518(ヒト遺伝子と交差反応性の抗−マウス遺伝子抗体)に記載されている。野生型の遺伝子または遺伝子タンパク質の突然変異した形態に対する他の抗体を、当該技術分野で既知の方法に従い調製することができる。あるいは脂質もしくはリポタンパク質への結合のような遺伝子タンパク質の活性も測定することができる。結合アッセイは当該技術分野では既知であり、そして例えば個体から細胞を得、そして標識した脂質との結合実験を行って、レセプターの突然変異した形態に対する結合がレセプターの野生型に対する結合と異なるかどうかを決定する。
多型領域が遺伝子のコードまたは非コード領域のいずれかのエキソンに位置する場合、対立遺伝子バリアントの正体をmRNA、プレ−mRNAまたはcDNAの分子構造を決定することにより決定することができる。分子構造はゲノムDNAの分子構造を決定するために上に記載した任意の方法、例えばシークエンシングおよびSSCPを使用して決定することができる。
本明細書で記載する方法は、例えば上記のような本明細書に記載する少なくとも1つのプローブもしくはプライマー核酸を含んでなる前以て包装された診断キットを利用することにより行うことができ、このキットは個体が特異的な遺伝子の対立遺伝子バリアントに関連する疾患を有するか、または疾患を発症する危険があるかどうかを決定するために都合よく使用することができる。
上記の診断および予後法に使用するサンプル核酸は、個体の任意の細胞型または組織から得ることができる。例えば個体の体液(例えば血液)は既知の技術(例えば静脈穿刺)により、または心臓のようなヒトの組織(生検、移植臓器)から得ることができる。あるいは核酸試験は、乾燥サンプル(例えば毛髪または皮膚)で行うことができる。出生前診断用の胎児核酸サンプルは、Bianchiへの国際公開第91/07660号パンフレットに記載されているように母体血液から得ることができる。あるいは羊水細胞または絨毛膜絨毛を、出生前試験を行うために得ることができる。
診断手法は核酸の精製が必要とならないように、生検または切除から得た患者組織の切片(固定および/または凍結)でその場で直接行ってもよい。核酸試薬はそのようなin situ手法にプローブおよび/またはプライマーとして使用することができる(例えばNuovo,G.J.,1992,PCR in situハイブリダイゼーション:プロトコールおよび応用(PCR in situ hybridization:protocols and applications)、ラバン出版、ニューヨーク)。
1つの核酸配列の検出に主に焦点をあてた方法に加えて、そのような検出スキームでプロフィールを評価することもできる。フィンガープリントプロフィールは、例えばディファレンシャル デスプレイ(differential display)法、ノーザン分析および/またはRT−PCRを利用することにより作成することができる。
本発明の実施において、心血管状態または薬剤応答の特定マーカーを現す多数の個体における多型パターンの分布は、上記の任意の方法を使用して決定され、そして年齢、人種、および/または他の統計的または医学的に関連があるパラメーターが合い、定量的または定性的に異なる状態のマーカーを現す患者を対象とした多型パターンの分布と比較される。相関は、ノミナルロジスティック回帰、カイ2乗検定または標準最小2乗回帰分析を含む当該技術分野で任意の既知の方法を使用してなされる。この様式では、特定の多型パターンと特定の心血管状態との間に統計的に有意な相関を確立することが可能である(p値で与えらる)。さらに特定の多型パターンと、特定の処置的処方から生じる心血管状態または薬剤応答における変化との間に統計的に有意な相関を確立することが可能である。この様式では、多型パターンを特定の処置に対する応答性と相関させることが可能である。
本発明の別の態様では、2以上の多型領域を組み合わせていわゆる「ハプロタイプ」を定める。ハプロタイプは、機能的および/または空間的に連鎖した2以上のSNP群である。本発明に開示するSNPを互いに、またはさらなる多型領域のいずれかと組み合わせてハプロタイプを形成することが可能である。ハプロタイプは単一のSNPより良い予測/診断情報を与えると期待される。
本発明の好適な態様では、CVDまたは薬剤応答の危険性を予測するSNP/ハプロタイプのパネルを定める。次いでこの予測パネルを、多数のSNPを同時に遺伝子型決定することができるプラットフォーム上の患者の遺伝子型決定に使用する(Multiplexing)。好適なプラットフォームは例えば遺伝子チップ(Affymetrix)またはLuminex LabMAPリーダーである。続いて患者のハプロタイプの同定および評価は、特異的かつ個別化された治療を誘導するために役立ち得る。
例えば本発明は、有害薬剤反応の増加した危険性を示す遺伝的多型またはハプロタイプを現す患者を同定することができる。その場合、薬剤用量はADRの危険性を下げるために減らすべきである。また薬剤投与に対する患者の応答が特に高い場合(または患者が薬剤をひどく代謝する場合)、薬剤用量はADRの危険性を下げるために減らすべきである。次に薬剤投与に対する患者の応答が低く(または患者が薬剤の特に高い代謝体(metabolizer)である場合)、かつADRの明らかな危険性が無い場合、薬剤用量は効率的なレベルまで増やすべきである。
患者個体の薬剤応答を予測する能力が薬剤の組成に影響を及ぼすことは自明であり、すなわち薬剤組成はそれらが異なる患者のクラス(低/高応答者、良い/悪い代謝体、ADR傾向の患者)に適するようにあつらえられるべきである。それら種々の薬剤組成は薬剤の異なる用量を包含することができ、すなわち薬品は低または高量の活性物質を含む。本発明の別の態様では、薬剤組成は有利な効果を促進し、かつ/またはADRの危険を減らすさらなる物質を含んでよい(Folkers et al.1991 米国特許第5,316,765号明細書)。
単離された多型核酸、プローブおよびベクター
本発明は、ヒト遺伝子に関して本明細書に記載する多型位置を含んでなる単離された核酸;核酸を含んでなるベクター;およびベクターを含んでなる形質転換された宿主細胞を提供する。本発明はこれら多型を検出するために有用なプローブを提供する。
単離された多型核酸、プローブおよびベクター
本発明は、ヒト遺伝子に関して本明細書に記載する多型位置を含んでなる単離された核酸;核酸を含んでなるベクター;およびベクターを含んでなる形質転換された宿主細胞を提供する。本発明はこれら多型を検出するために有用なプローブを提供する。
本発明の実施において、分子生物学、微生物学および組換えDNAにおける多くの通常の技法を使用する。そのような技法は周知であり、そして例えばSambrook et al.,1989、モレキュラークローニング:ア ラボラトリーマニュアル(Molecular Cloning:A Laboratory Manual)、第2版、コールドスプリングハーバーラボラトリー出版、コールドスプリングハーバー、ニューヨーク;DNAクローニング:実践的取り組み(DNA Cloning:A Practical Approach)、第IおよびII巻、1985(D.N.Glover編集);オリゴヌクレオチド合成、1984、(M.L.Gait編集);核酸ハイブリダイゼーション、1985(Hames and Higgins);Ausubel et al.,分子生物学の現在のプロトコール(Current Protocol in Molecular Biology)、1997、(ジョン ウィリー アンド サンズ:John Wiley and Sons);およびMethods in Enzymology Vol.154およびVol.155(それぞれWu and Grossman および Wu編集)に完全に説明されている。
本発明の完全長cDNAのような機能的周囲にある配列を含んでなる核酸(典型的にはDNAs)のベクターへの挿入は、DNAの末端およびベクターの両方がコンパチブルな制限部位を含んでなる時、容易に行うことができる。これを行うことができない場合、DNAsおよび/またはベクターの末端は、一本鎖DNA突出部を制限エンドヌクレアーゼ開裂により後方消化することにより修飾して平滑末端を生成するか、または一本鎖末端を適切なDNAポリメラーゼで埋めることにより同じ結果を達成することが必要かもしれない。
あるいは所望する任意の部位を、例えばヌクレオチド配列(リンカー)を末端に連結することにより生成することができる。そのようなリンカーは、所望する制限部位を定める特異的なオリゴヌクレオチド配列を含んでなることができる。制限部位はまた、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)の使用により生成することもできる。例えばSaiki et al.,1988,Science 239:48を参照にされたい。開裂したベクターおよびDNAフラグメントは必要によりホモポリマーテイリング(homopolymeric tailing)により修飾することもできる。
核酸は細胞から直接単離することができ、または既知の方法を使用して化学的に合成することができる。あるいは鋳型として化学的に合成した鎖またはゲノム材料のいずれかを用いて、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)法を使用して本発明の核酸を生成することができる。PCRに使用するプライマーは本明細書に提供する配列情報を使用して合成することができ、そしてさらに組換え発現用の上記ベクターへの包含を容易にするために、所望により適切な新規制限部位を導入することを設計することができる。
本発明の核酸は天然の遺伝子配列により挟まれてもよく、またはプロモーター、エンハンサー、応答エレメント、シグナル配列、ポリアデニレーション配列、イントロン、5’−および3’−非コード領域等を含むヘテロロガスな配列に結合してもよい。核酸は当該技術分野で既知の多くの手段により修飾されることもできる。そのような修飾の非限定的例は、メチル化、「キャップ」、1以上の自然に存在するヌクレオチドの同族体との置換、例えば荷電を持たない連結(例えばメチルホスホネート、ホスホトリエステル、ホスホロアミデート、カルバメート、モルホリン等)および荷電を持つ連結(例えばホスホロチオエート、ホスホロジチオエート等)を用いたようなヌクレオチド間修飾を含む。核酸は、例えばタンパク質(例えばヌクレアーゼ、トキシン、抗体、シグナルペプチド、ポリ−L−リシン等)、インターカレーター(例えばアクリジン、ソラレン等)、キレーター(例えば金属、放射性金属、鉄、酸化性金属等)、およびアルキレーターのような1以上のさらなる共有的に連結された部分を含んでもよい。PNAも含まれる。核酸はメチルもしくはエチルホスホトリエステルまたはアルキルホスホルアミデート結合の形成により誘導化されてよい。さらに本発明の核酸配列は、直接的または間接的のいずれかで検出可能なシグナルを提供することができる標識で修飾されてもよい。標識の例には放射性同位体、蛍光分子、ビオチン等を含む。
本発明は、実施例に記載する遺伝子の遺伝子配列またはその誘導体もしくはフラグメントを含んでなる核酸ベクターも提供する。プラスミドおよび真菌ベクターを含む多数のベクターが種々の真核および原核宿主で複製および/または発現するために記載され、そして遺伝子治療ならびに単純なクローニングまたはタンパク質発現に使用されることができる。適切なベクターの非限定的例には、限定するわけではないがpUCプラスミド、pETプラスミド(ノバジェン(Novagen)社、マジソン、ウィスコンシン州)、またはpRSETもしくはpREP(インビトロジェン(Invitrogen)、サンディエゴ、カリフォルニア州)を含み、そして多くの適切な宿主細胞が本明細書に開示または引用する方法または関連分野の当業者に知られている方法を使用する。ベクター/宿主の特定の選択が、本発明の実施に重要となることはない。
適当な宿主細胞は、エレクトロポレーション、CaCl2が媒介するDNAの取り込み、真菌もしくはウイルス感染、マイクロインジェクション、マイクロプロジェクタイル(microprojectile)または他の確立された方法を含む適切な方法により正しく形質転換/トランスフェクション/感染させることができる。適当な宿主細胞には細菌、古細菌、真菌、特に酵母、ならびに植物および動物細胞、特に哺乳動物細胞を含む。多数の転写開始および終結調節領域が単離され、そして種々の宿主中でヘテロロガスなタンパク質の転写および翻訳に効果的であることが示された。これら領域、単離法、操作様式等の例は当該技術分野で知られている。適切な発現条件下で、宿主細胞は実施例の遺伝子によりコードされる組換え的に生産されるペプチドおよびポリペプチドの供給源として使用することができる。ペプチドまたはポリペプチドをコードする核酸は、実施例の遺伝子配列から組換え反応により細胞に導入することもできる。例えばそのような配列を細胞に導入し、そしてこれにより内因性遺伝子またはその遺伝子に実質的な同一性を持つ配列の部位で相同的組換えを行うことができる。非相同的組換えまたは相同的組換えによる内因性遺伝子の削除のような他の組換えに基づく方法も使用できる。
ヘテロ二量体または他の多量体を形成するタンパク質の場合、両方またはすべてのサブユニットが1つの系または細胞中で発現されなければならない。
本発明の核酸には、遺伝的多型の検出用にプローブとして、そして実施例に列挙する遺伝子にコードされる正常もしくはバリアントペプチドまたはポリペプチドの組換え的生産用の鋳型としての用途がある。
本発明によるプローブは、限定するわけではないが、本明細書に開示する1以上の多型配列または多型配列に直ぐ隣接する配列に、高ストリンジェンシーでハイブリダイズする、約10〜100bp、好ましくは15〜75bp、そして最も好ましくは17〜25bp長の単離された核酸を含んでなる。さらに幾つかの態様では、完全長の遺伝子配列をプローブとして使用することができる。一連の態様では、プローブは本明細書に開示する遺伝子中の多型位置に広がる。別の一連の態様では、プローブは多型位置に直ぐに隣接する配列に相当する。
多型ポリペプチドおよび多型−特異的抗体
本発明は、本明細書に開示する多型位置を含んでなる、実施例に列挙する遺伝子にコードされる単離されたペプチドおよびポリペプチドを包含する。1つの好適な態様では、ペプチドおよびポリペプチドは心血管薬を同定するために有用なスクリーニング標的である。別の好適な態様ではペプチドおよびポリペプチドは、多型位置を含んでなるポリペプチドと特異的に反応し、そしてそのポリペプチドを、その位置に異なる配列を有する他のポリペプチドから識別する抗体を、適切な宿主動物中に誘導することができる。
多型ポリペプチドおよび多型−特異的抗体
本発明は、本明細書に開示する多型位置を含んでなる、実施例に列挙する遺伝子にコードされる単離されたペプチドおよびポリペプチドを包含する。1つの好適な態様では、ペプチドおよびポリペプチドは心血管薬を同定するために有用なスクリーニング標的である。別の好適な態様ではペプチドおよびポリペプチドは、多型位置を含んでなるポリペプチドと特異的に反応し、そしてそのポリペプチドを、その位置に異なる配列を有する他のポリペプチドから識別する抗体を、適切な宿主動物中に誘導することができる。
本発明のポリペプチドは好ましくは少なくとも5個以上の残基長、好ましくは少なくとも15残基である。これらのポリペプチドを得る方法を以下に記載する。タンパク質生化学および免疫学における多くの通例の技法を使用する。そのような技法は周知であり、そして細胞および分子生物学における免疫化学的方法(Immunochemical Methods in Cell and Molecular Biology)、1987(Mayer and Waler編集、アカデミック(Academic)出版、ロンドン);Scopes,1987,タンパク質精製:原理および実践(Protein Purification:Principles and Practice)、第2版、(スプリンガーファーラーク、ニューヨーク)および実験免疫学のハンドブック(Handbook of Experimental Immunology)、1986、第I−IV巻(Weir and Blackwell編集)で説明されている。
タンパク質のコード配列を含んでなる核酸は、完全な細胞または無細胞翻訳系で、本明細書に開示する遺伝子にコードされるポリペプチドのITT組換え的発現を支配するために使用することができる。既知の遺伝子コード(所定の宿主生物中でより効率的な発現を望む場合はあつらえられる)を使用して、所望するアミノ酸配列をコードするオリゴヌクレオチドを合成することができる。ポリペプチドは適切なタンパク質のコード配列が導入され、そして発現されたヒト細胞から、または異種生物または細胞(限定するわけではないが細菌、真菌、昆虫、植物および哺乳動物細胞を含む)から単離することができる。さらにポリペプチドは組換え融合タンパク質の一部であることができる。
ペプチドおよびポリペプチドは、限定するわけではないが排他的固相合成、部分的固相法、フラグメント縮合または古典的な溶液合成を含め、市販されている自動化法により化学的に合成することができる。ポリペプチドは好ましくはMerrifield,1963,J.Am.Chem.Soc,85:2149により記載されている固相ペプチド合成により調製される。
ポリペプチド精製の方法は当該技術分野では周知であり、それらには限定するわけではないが調製用ディスク−ゲル電気泳動、等電点電気泳動、HPLC、逆相HPLC、ゲル濾過、イオン交換および分配クロマトグラフィーおよび向流分配を含む。幾つかの目的にはポリペプチドを組換え系で生産することが好ましく、ここでタンパク質は限定するわけではないがポリヒスチジン配列のような精製を容易にするさらなる配列タグを含む。次いでポリペプチドは適切な固相マトリックスでのクロマトグラフィーにより、宿主細胞の粗ライゼートから精製することができる。あるいは本明細書に開示する遺伝子にコードされるペプチドに対して生産された抗体を精製試薬として使用することができる。他の精製法も可能である。
本発明は、ポリペプチドの誘導体および相同体も包含する。幾つかの目的のために、ペプチドをコードする核酸配列は機能的に均等な分子、すなわち機能が保存されたバリアントを提供する置換、付加または欠失により改変することができる。例えば配列中の1以上のアミノ酸残基を、例えば正に荷電したアミノ酸(アルギニン、リシンおよびヒスチジン);負に荷電したアミノ酸(アスパラギンおよびグルタミン);極性が中性のアミノ酸;および非極性アミノ酸のような類似する特性の別のアミノ酸に置換することができる。
単離されたポリペプチドは、例えばリン酸化、硫酸化、アシル化または他のタンパク質修飾により修飾することができる。ポリペプチドには限定するわけではないが放射性同位体および蛍光化合物を含め、直接的または間接的のいずれかで検出可能なシグナルを提供することができる標識で修飾することもできる。
本発明は本発明の多型位置を特異的に認識し、そして特定の多型を含むペプチドまたはポリペプチドを、その位置に異なる配列を含むものと識別する抗体も包含する。本発明によるそのような多型位置に特異的な抗体には、ポリクローナルおよびモノクローナル抗体を含む。抗体は本明細書に開示する遺伝子にコードされるペプチドで免疫感作することにより動物宿主に誘導することができ、または免疫細胞のインビトロ免疫感作により形成することができる。抗体を誘導するために使用する免疫原性化合物は、ヒト細胞から単離するか、または組換え系で生産することができる。また抗体は適切な抗体をコードするDNAでプログラムされた組換え系でも生産することができる。あるいは抗体は精製された重および軽鎖の生化学的再構成により構築することができる。抗体はハイブリッド抗体(すなわち、各々が異なる抗原を認識する2組の重鎖/軽鎖の組み合わせを含む)、キメラ抗体(すなわちここで重鎖、軽鎖のいずれか、または両方が融合タンパク質である)、および単価抗体(すなわち第2重鎖の定常領域に結合した重鎖/軽鎖複合体からなる)を含む。また含まれるのは、抗体のFab’およびF(ab).sub2.フラグメントを含むFabフラグメントである。上記のすべての型の抗体および誘導体の生産方法は当該技術分野で周知であり、そして以下により詳細に検討する。例えばポリクローナル抗血清を生産し、そしてプロセッシングするための技法は、Mayer and Walker,1987、細胞および分子生物学における免疫化学的方法(Immunochemical Methods in Cell and Molecular Biology)、(アカデミック出版、ロンドン)に開示されている。ハイブリドーマによりモノクローナル抗体を作成する一般法は周知である。不死化抗体生産細胞株は細胞融合により、およびまた発癌性DNAでのBリンパ球の直接形質転換のような他の技法、またはエプスタイン−バーウイルスを用いたトランスフェクションにより作成することができる。例えばSchreier et al.、1980、ハイブリドーマ技法(Hybridoma Techniques):米国特許第4,341,761号;同第4,399,121号;同第4,427,783号;同第4,444,887号;同第4,466,917号;同第4,472,500号;同第4,491,632号;および同第4,493,890号明細書を参照にされたい。本明細書に開示する遺伝子にコードされるペプチドに対して生産されたモノクローナル抗体のパネルを、種々の特性:すなわちアイソタイプ、エピトープ親和性等についてスクリーニングすることができる。
本発明の抗体は、限定するわけではないが調製用ディスク−ゲル電気泳動、等電点電気泳動、HPLC、逆相HPLC、ゲル濾過、イオン交換および分配クロマトグラフィー、および向流分配を含む標準的な方法により精製することができる。抗体の精製法は、例えば抗体精製の技術(The Art of Antibody Purification)、1989、アミコン部門、W.R.グレース社(Grace & Co.)に開示されている。一般的なタンパク質精製法は、タンパク質精製:原理および実践、R.K.Scopes編集、1987、スプリンガーファーラーク(Springer−Verlag)、ニューヨーク、ニューヨーク州に記載されている。
開示した配列の免疫原的能力および生成した配列−特異的抗体および免疫細胞の特性を決定する方法は、当該技術分野では周知である。例えば特定の多型配列を含んでなるペプチドに応答して誘導される抗体は、それらが多型配列を特異的に認識する能力、すなわち多型配列を含んでなるペプチドまたはポリペプチドに差別的に結合し、そしてこのようにそのペプチドまたはポリペプチドを、同じ位置に異なる配列を含む類似のペプチドまたはポリペプチドと識別することを試験することができる。
キット
本明細書で説明するように、本発明は例えば本明細書に開示する遺伝子の遺伝子座に存在する多型領域の対立遺伝子バリアントの正体を決定するための診断法を提供し、ここで多型領域の特異的な対立遺伝子バリアントは心血管疾患に関連している。好適な態様では、診断キットは、個体が心血管疾患を発症する危険性があるかどうかを決定するために使用することができる。次いでこの情報は、例えばそのような個体の処置を至適化するために使用することができる。
キット
本明細書で説明するように、本発明は例えば本明細書に開示する遺伝子の遺伝子座に存在する多型領域の対立遺伝子バリアントの正体を決定するための診断法を提供し、ここで多型領域の特異的な対立遺伝子バリアントは心血管疾患に関連している。好適な態様では、診断キットは、個体が心血管疾患を発症する危険性があるかどうかを決定するために使用することができる。次いでこの情報は、例えばそのような個体の処置を至適化するために使用することができる。
好適な態様では、キットは遺伝子にハイブリダイズすることができるプローブまたはプライマーを含んでなり、そしてこれにより遺伝子が心血管疾患の危険性に関連している多型領域の対立遺伝子バリアントを含むかどうかを同定する。キットは好ましくはさらに心血管疾患を有する、またはその発症に対する素因を有する個体の診断に使用するための使用説明を含んでなる。キットのプローブまたはプライマーは、このファイルに記載する任意のプローブまたはプライマーであることができる。
目的の多型領域を含んでなる遺伝子の領域を増幅するために好適なキットは、1、2以上のプライマーを含んでなる。
抗体に基づく診断法およびキット:
本発明はまた、生物学的サンプル中の多型パターンを検出するための抗体に基づく方法も提供する。この方法は:(i)サンプルを1以上の抗体調製物(ここで各抗体調製物は本明細書に開示する遺伝子にコードされるタンパク質の特定の多型状態に特異的である)と、安定な抗原−抗体複合体がサンプル中で抗体と抗原成分との間に形成できる条件下で接触させ:そして(ii)工程(i)で形成したいかなる抗原−抗体複合体も、当該技術分野で既知の任意の適当な手段を使用して検出する(ここで複合体の検出はサンプル中の特定の多型形態の存在を示す)工程を含んでなる。
抗体に基づく診断法およびキット:
本発明はまた、生物学的サンプル中の多型パターンを検出するための抗体に基づく方法も提供する。この方法は:(i)サンプルを1以上の抗体調製物(ここで各抗体調製物は本明細書に開示する遺伝子にコードされるタンパク質の特定の多型状態に特異的である)と、安定な抗原−抗体複合体がサンプル中で抗体と抗原成分との間に形成できる条件下で接触させ:そして(ii)工程(i)で形成したいかなる抗原−抗体複合体も、当該技術分野で既知の任意の適当な手段を使用して検出する(ここで複合体の検出はサンプル中の特定の多型形態の存在を示す)工程を含んでなる。
典型的には免疫アッセイは、(例えば抗体に対する結合についてサンプル中の抗原と拮抗する)標識した抗体または標識した抗原成分のいずれかを使用する。適当な標識には限定するわけではないが、酵素に基づく、蛍光性、化学発光性、放射性または色素分子を含む。例えばビオチンおよびアビジンを使用するようなプローブからのシグナルを増幅するアッセイ、およびELISAアッセイのような酵素−標識化イムノアッセイも知られている。
また本発明は抗体に基づく診断的応用に適するキットも提供する。診断キットは典型的には1以上の以下の成分を含む:
(i)多型に特異的な抗体。抗体は前以て標識することができ;あるいは抗体は標識されず、そして標識用の成分をキットを別の容器に含むことができ、あるいは2次的な標識抗体が提供され;および
(ii)反応成分:キットは他の適当に包装された、特定のイムノアッセイプロトコールに必要な試薬および材料を含むことができ、それらには適用できる場合は固相マトリックス、および標準を含む。
(i)多型に特異的な抗体。抗体は前以て標識することができ;あるいは抗体は標識されず、そして標識用の成分をキットを別の容器に含むことができ、あるいは2次的な標識抗体が提供され;および
(ii)反応成分:キットは他の適当に包装された、特定のイムノアッセイプロトコールに必要な試薬および材料を含むことができ、それらには適用できる場合は固相マトリックス、および標準を含む。
上記のキットは試験を行うための使用説明を含むことができる。さらに、好適な態様では診断キットは高処理量および/または自動化操作に適合している。
薬剤標的およびスクリーニング法
本発明に従い、本明細書に開示する遺伝子から派生したヌクレオチド配列および本明細書に開示する遺伝子によりコードされるペプチド配列、特に1以上の多型配列を含むものは、心血管薬、すなわち心血管疾患の1以上の臨床的症状を処置するために効果的な化合物を同定するために有用な標的を含んでなる。さらに、特にタンパク質が2以上のサブユニットから構築されている多量体タンパク質である時、種々の多型サブユニットの組み合わせが大変有用である。
薬剤標的およびスクリーニング法
本発明に従い、本明細書に開示する遺伝子から派生したヌクレオチド配列および本明細書に開示する遺伝子によりコードされるペプチド配列、特に1以上の多型配列を含むものは、心血管薬、すなわち心血管疾患の1以上の臨床的症状を処置するために効果的な化合物を同定するために有用な標的を含んでなる。さらに、特にタンパク質が2以上のサブユニットから構築されている多量体タンパク質である時、種々の多型サブユニットの組み合わせが大変有用である。
薬剤標的には限定するわけではないが、(i)本明細書に開示する遺伝子に由来する単離された核酸、および(ii)本明細書に開示する遺伝子にコードされる単離されたペプチドおよびポリペプチドを含み、その各々が1以上の多型位置を含んでなる。
インビトロスクリーニング法:
一連の態様では、1以上の多型位置を含んでなる単離された核酸を、それが試験化合物に配列特異的様式で結合する能力についてインビトロで試験する。この方法は:
(i)多型位置に特定の配列を含む第1核酸、および配列が、同じ多型位置で異なる配列を除き、第1核酸と同一である第2核酸を準備し;
(ii)核酸を多数の試験化合物と、結合に適する条件下で接触させ;そして
(iii)第1または第2核酸配列のいずれかに選択的に結合する化合物を同定する、
ことを含んでなる。
インビトロスクリーニング法:
一連の態様では、1以上の多型位置を含んでなる単離された核酸を、それが試験化合物に配列特異的様式で結合する能力についてインビトロで試験する。この方法は:
(i)多型位置に特定の配列を含む第1核酸、および配列が、同じ多型位置で異なる配列を除き、第1核酸と同一である第2核酸を準備し;
(ii)核酸を多数の試験化合物と、結合に適する条件下で接触させ;そして
(iii)第1または第2核酸配列のいずれかに選択的に結合する化合物を同定する、
ことを含んでなる。
本明細書で使用する選択的結合とは、例えば結合親和性、結合能等のような結合における任意のパラメーターにおける測定可能な任意の差異を指す。
別の一連の態様では、1以上の多型位置を含んでなる単離されたペプチドまたはポリペプチドを、それが試験化合物に配列特異的様式で結合する能力についてインビトロで試験する。このスクリーニング方法は:
(i)多型位置に特定の配列を含む第1ペプチドまたはポリペプチド、および配列が、同じ多型位置で異なる配列を除き、第1ペプチドまたはポリペプチドと同一である第2ペプチドまはたポリペプチドを準備し;
(ii)ポリペプチドを多数の試験化合物と、結合に適する条件下で接触させ;そして
(iii)1つの核酸配列に選択的に結合する化合物を同定する、
ことを含んでなる。
(i)多型位置に特定の配列を含む第1ペプチドまたはポリペプチド、および配列が、同じ多型位置で異なる配列を除き、第1ペプチドまたはポリペプチドと同一である第2ペプチドまはたポリペプチドを準備し;
(ii)ポリペプチドを多数の試験化合物と、結合に適する条件下で接触させ;そして
(iii)1つの核酸配列に選択的に結合する化合物を同定する、
ことを含んでなる。
好適な態様では、高処理量スクリーニングプロトコールを使用して、多数の試験化合物が上記に開示する遺伝子またはペプチドへ、配列特異的様式で結合する能力を調査する。
試験化合物は、合成または天然化合物の大きなライブラリーからスクリーニングすることができる。多くの手段がサッカライド、ペプチドおよび核酸に基づく化合物の無作為または指向的な合成のために現在使用されている。合成化合物ライブラリーは、マイブリッジケミカル(Maybridge Chemical)社(トレヴレット、コーンウォール、英国)、コムジェネックス(Comgenex)(プリンストン、ニュージャージー州)、ブランドン アソシエイツ(Brandon Associates)(メリマック、ニューハンプシャー州)、およびミクロソース(MicroSource)(ニュー ミルフォード、コネチカット州)から市販されている。稀な化学ライブラリーはアルドリッチ(Aldrich)(ミルウォキー、ウィスコンシン州)から入手可能である。あるいは細菌、真菌、植物および動物抽出物状態の天然化合物のライブラリーは、例えばパン ラボラトリーズ(Pan Laboratories)(ボッセル、ワシントン州)またはマイコサーチ(MycoSearch)(ニューカロライナ州)から入手可能であり、または容易に生成することができる。さらに天然および合成的に作成したライブラリーおよび化合物は、通例の化学的、物理的および生化学的手段を介して容易に修飾される。
インビボスクリーニング法:
本明細書に開示する遺伝子の多型バリアントを発現する完全な細胞または動物全体は、候補となる心血管薬を同定するためのスクリーニング法に使用することができる。
インビボスクリーニング法:
本明細書に開示する遺伝子の多型バリアントを発現する完全な細胞または動物全体は、候補となる心血管薬を同定するためのスクリーニング法に使用することができる。
一連の態様では、恒久的(permanent)細胞株を、特定の多型パターンを発現する個体から樹立する。あるいは細胞(限定するわけではないが哺乳動物、昆虫、酵母または細菌細胞)を、適切なDNAを導入することにより1以上の多型配列を含んでなる遺伝子を発現するようにプログラムする。候補化合物の同定は、限定するわけではないが(i)本明細書に開示する遺伝子にコードされるタンパク質の特定の多型バリアントに対する試験化合物の選択的結合を測定するアッセイ;(ii)本明細書に開示する遺伝子にコードされるタンパク質の測定可能な活性または機能を修飾する(すなわち阻害または強化)試験化合物の能力を測定するアッセイ;および(iii)本明細書に開示する遺伝子のプロモーター(すなわち調節)領域に由来する配列の転写活性を修飾する(すなわち阻害または強化)化合物の能力を測定するアッセイを含む任意の適切なアッセイを使用して達成することができる。
別の一連の態様では、(i)本明細書に開示する、特定の多型位置に異なる配列を有する1以上のヒト遺伝子を、トランスジェニック動物のゲノムに安定に挿入した;かつ/または(ii)本明細書に開示する内因性遺伝子を不活性化し、そして特定の多型位置に異なる配列を有する、本明細書に開示するヒト遺伝子と置き換えたトランスジェニック動物を作出する。例えばCoffman,Semin,Nephrol.17:404,1997;Esther et al.,Lab.Invest.74:953,1996;Murakami et al.,Blood Press.Suppl.2:36,1996を参照にされたい。そのような動物を候補化合物で処置し、そして心血管状態の1以上の臨床的マーカーをモニタリングすることができる。
以下は、本発明の非限定的な実施例であることを意図する。
材料および方法
Pyrosequencing(商標)法を用いた患者DNAの遺伝子型の決定は、国際公開第9813523号明細書に記載されている通りである。
材料および方法
Pyrosequencing(商標)法を用いた患者DNAの遺伝子型の決定は、国際公開第9813523号明細書に記載されている通りである。
最初にSNP周辺のフランキング領域を増幅するためにPCRを準備する。このために2ngのゲノムDNA(患者サンプル)を、プライマーセット(20〜40pmol)と混合して、20μLの総容量中に0,3〜1Uのキアジェン(Qiagens)Hot Star Taq Polymerase(商標)を用いて75〜320bpのPCRフラグメントを生成する。1つのプライマーはシークエンシングプライマーの方向に依存してビオチン化する。ビオチン化プライマーが取り込まれるようにするために、0,8倍を使用する。
プライマーの設計には、Oligo6(商標)(モレキュラーバイオロジーインサイツ:Molecular Biology Insights)またはPrimer Select(商標)(DNAStar)のようなプログラムを使用する。PCRの設定は、キアジェンからのBioRobot3000(商標)により行う。PCRは、バイオメトラ(Biometera)からのT1またはTgradient Thermocycler(商標)で行う。
全PCR反応物をPSQプレート(商標)(ピロシークエンシング:Pyrosequencing)に移し、そしてピロシークエンシングからのSample Prep Tool(商標)およびSNP Reagent Kit(商標)を使用してそれらの使用説明に従い調製する。
Pyrosequencing(商標)用の鋳型の調製:
PSQ96Sample Prep Toolを使用したサンプル調製:
1.PSQ96Sample Prep Tool CoverをPSQ96Sample Prep Toolに以下のように乗せる:カバーをデスク上に置き、磁気ロッドホルダーからハンドルを離すことにより4個のアタッチメントロッドを引っ込め、磁気ロッドをカバープレートの穴に嵌め、ハンドルをカチッという音がするまで下げる。これでPSQ96Sample Prep Toolは使用する準備ができている。
2.ビーズを1つのプレートから別のプレートに移すため、カバーをかけたツールは、サンプルを含むPSQ96Plateに置き、そしてハンドルを磁気ロッドホルダーから離すことにより磁気ロッドを下げる。ツールを上下に数回動かし、次いで30〜60秒待つ。ビーズは選択した溶液を含む新たなPSQ96Plateに移す。
3.磁気ロッドホルダーをハンドルと一緒に持ち上げることによりビーズを放出する。ツールを上下に数回動かして、ビーズが放出されたことを確かめる。
Pyrosequencing(商標)用の鋳型の調製:
PSQ96Sample Prep Toolを使用したサンプル調製:
1.PSQ96Sample Prep Tool CoverをPSQ96Sample Prep Toolに以下のように乗せる:カバーをデスク上に置き、磁気ロッドホルダーからハンドルを離すことにより4個のアタッチメントロッドを引っ込め、磁気ロッドをカバープレートの穴に嵌め、ハンドルをカチッという音がするまで下げる。これでPSQ96Sample Prep Toolは使用する準備ができている。
2.ビーズを1つのプレートから別のプレートに移すため、カバーをかけたツールは、サンプルを含むPSQ96Plateに置き、そしてハンドルを磁気ロッドホルダーから離すことにより磁気ロッドを下げる。ツールを上下に数回動かし、次いで30〜60秒待つ。ビーズは選択した溶液を含む新たなPSQ96Plateに移す。
3.磁気ロッドホルダーをハンドルと一緒に持ち上げることによりビーズを放出する。ツールを上下に数回動かして、ビーズが放出されたことを確かめる。
すべての工程は特に言及しない限り、室温で行う。
PCR産物の固定化:
ビオチン化PCR産物は、ストレプトアビジンをコートしたDynabeads(商標)M−280Streptavidin上に固定化する。幾つかのサンプルをPSQ96Plateで平行して固定化する。
1.PCR産物、十分に至適化されたPCRの20μlを、25μlの2X BW−バッァーIIと混合する。60〜150μgのDynabeadsを加える。Dynabeadsと2X BW−バッァーIIの混合物もPCR産物に加えて、約1x濃度の最終BW−バッァーIIを生成することが可能である。
2.65℃で15分間、一定に撹拌しながらインキューベーションしてビーズの分散を維持する。300bpより長いフラグメントの最適な固定化には、30分間のインキューベーション時間を使用する。
鎖の分離:
4.鎖を分離するために、PSQ96Sample Prep Toolを使用して固定化サンプルを含むビーズを、ウェルあたり50μlの0.50M NaOHを含むPSQ96Plateに移す。ビーズを放出する。
5.約1分後、固定化された鎖を含むビーズを、ウェルあたり99μlの1xアニーリングバッファーを含むPSQ96Plateに移し、そして完全に混合する。
6.ビーズは、ウェルあたり1xアニーリングバッァーおよび3〜15pmolのシークエンシングプライマーの混合物45μlを含有するPSQ96Plateに移す。
7.PSQ96Sample Prep Thermoplate中で80℃で2分間加熱し、そして室温に移す。
8.室温に達した後、シークエンシング反応を続ける。
シークエンシング反応:
1.使用する方法を選択し(“SNP法”)、そして関連情報をPSQ96Instrument Control ソフトウェアに入力する。
2.カートリッジおよびPSQ96PlateをPSQ96Instrumentに配置する。
3.作業を開始する。
サービス契約社での遺伝子型決定
キアジェンゲノミックス(Qiagen Genomics)、正式にはラピジーン(Rapigene)は患者サンプル中のSNPsの遺伝子型決定のサービスを行う契約社である。彼らの方法は、異なるタグで標識された2つの相補的プライマーが、各遺伝子型について設計されているプライマー延長法に基づく。遺伝子型に基づき、唯一のプライマーが特定のタグと一緒に延長する。このタグは質量分析により検出することができ、そして各遺伝子型に関する尺度である。この方法は以下の特許に記載されている:「非蛍光分光計または電位差計により検出され得るタグを使用した核酸分子の検出および同定(Detection and identification of nucleic acid molecules−using tags which may be detected by non−fluorescent spectrometry or potentiometry)」(国際公開第9727325号パンフレット)。
PCR産物の固定化:
ビオチン化PCR産物は、ストレプトアビジンをコートしたDynabeads(商標)M−280Streptavidin上に固定化する。幾つかのサンプルをPSQ96Plateで平行して固定化する。
1.PCR産物、十分に至適化されたPCRの20μlを、25μlの2X BW−バッァーIIと混合する。60〜150μgのDynabeadsを加える。Dynabeadsと2X BW−バッァーIIの混合物もPCR産物に加えて、約1x濃度の最終BW−バッァーIIを生成することが可能である。
2.65℃で15分間、一定に撹拌しながらインキューベーションしてビーズの分散を維持する。300bpより長いフラグメントの最適な固定化には、30分間のインキューベーション時間を使用する。
鎖の分離:
4.鎖を分離するために、PSQ96Sample Prep Toolを使用して固定化サンプルを含むビーズを、ウェルあたり50μlの0.50M NaOHを含むPSQ96Plateに移す。ビーズを放出する。
5.約1分後、固定化された鎖を含むビーズを、ウェルあたり99μlの1xアニーリングバッファーを含むPSQ96Plateに移し、そして完全に混合する。
6.ビーズは、ウェルあたり1xアニーリングバッァーおよび3〜15pmolのシークエンシングプライマーの混合物45μlを含有するPSQ96Plateに移す。
7.PSQ96Sample Prep Thermoplate中で80℃で2分間加熱し、そして室温に移す。
8.室温に達した後、シークエンシング反応を続ける。
シークエンシング反応:
1.使用する方法を選択し(“SNP法”)、そして関連情報をPSQ96Instrument Control ソフトウェアに入力する。
2.カートリッジおよびPSQ96PlateをPSQ96Instrumentに配置する。
3.作業を開始する。
サービス契約社での遺伝子型決定
キアジェンゲノミックス(Qiagen Genomics)、正式にはラピジーン(Rapigene)は患者サンプル中のSNPsの遺伝子型決定のサービスを行う契約社である。彼らの方法は、異なるタグで標識された2つの相補的プライマーが、各遺伝子型について設計されているプライマー延長法に基づく。遺伝子型に基づき、唯一のプライマーが特定のタグと一緒に延長する。このタグは質量分析により検出することができ、そして各遺伝子型に関する尺度である。この方法は以下の特許に記載されている:「非蛍光分光計または電位差計により検出され得るタグを使用した核酸分子の検出および同定(Detection and identification of nucleic acid molecules−using tags which may be detected by non−fluorescent spectrometry or potentiometry)」(国際公開第9727325号パンフレット)。
本発明およびその用途を例示するために、baySNP9840を以下のように使用する:
baySNP9840はC対T多型であり、そして恐らくNa+/K+輸送ATPaseのヒトベータ1ポリペプチドの遺伝子に存在する(表3から採用した情報)。baySNP9840は、表2からのプライマーを使用して種々の患者コホートを対象として遺伝子決定した。結果として、異なる遺伝子型を持つ以下の数の患者が見いだされた(表3および5aを合わせた情報):
baySNP9840はC対T多型であり、そして恐らくNa+/K+輸送ATPaseのヒトベータ1ポリペプチドの遺伝子に存在する(表3から採用した情報)。baySNP9840は、表2からのプライマーを使用して種々の患者コホートを対象として遺伝子決定した。結果として、異なる遺伝子型を持つ以下の数の患者が見いだされた(表3および5aを合わせた情報):
ADRに罹患している女性患者数(HELD FEM ADRCASE)を対象コホート(HELD FEM ADRCTRL)と比較した時、CC遺伝子型を持つADR患者の数が2倍増加する一方、CTまたはTT遺伝子型を持つADR患者数に減少が見られる。これはCC遺伝子型を持つ女性個体間にADRsのより高い発症を指摘するものである。統計試験をこれらの知見に適用して、以下のp−値を得た(表5bから採用したデータ):
少なくとも1つの遺伝子型p値が0.05未満なので、遺伝子型とADR表現型との間の関連は、統計的に有意であると見なす(この実施例では、有意なp値が3つのすべての統計試験から得られた)。すなわち、患者の遺伝子型の分析は、ADRの発症を予測することができる。より詳細には、特定の遺伝子型を持つ時、ADRに罹患する相対的危険性を算出することができる(表6aから採用したデータ):
baySNP9840の場合では、ADRに罹患する危険性はCC遺伝子型を持つ場合、1.51倍高い。これはbaySNP9840中のCC多型が、女性のADRについて独立的な(indepent)危険因子であることを示した。
さらに統計的関連は、対立遺伝子に基づき算出することができる。この計算は危険な遺伝子型の代わりに危険な対立遺伝子を同定するだろう。
baySNP9840の場合では、以下の対立遺伝子カウントを得た(表3および5aを合わせたデータ):
ADRに罹患している女性患者数(HELD FEM ADRCASE)を対象コホート(HELD FEM ADRCTRL)と比較した時、C対立遺伝子を持つADR患者の数が増加するが、T対立遺伝子を持つADR患者数は減少するらしい。これはC対立遺伝子を持つ女性個体間にADRsのより高い発症を指摘するものである。統計試験をこれらの知見に適用して、以下のp−値を得た(表5bから採用したデータ):
少なくとも1つの対立遺伝子p値が0.05未満なので、対立遺伝子とADR表現型との間の関連は、統計的に有意であると見なす(この実施例では、有意なp値が3つのすべての統計試験から得られた)。すなわち、baySNP9840からの患者の対立遺伝子の分析により、ADRの発症を予測することができる。より詳細には、特定の対立遺伝子を持つ時、ADRに罹患する相対的危険性を算出することができる(表6bから採用したデータ):
baySNP9840の場合では、ADRに罹患する危険性はC対立遺伝子型を持つ場合、1.27倍高い。これはbaySNP9840中のC対立遺伝子が、女性のADRについて独立的な危険因子であることを示した。
別の例はbaySNP5287であり、これは薬剤効力に関連する多型を例示するために採用した。baySNP5287は、スタチン投与に対して「高い」または「低い」応答をする女性患者を比較した時に有意であることが分かった(表1bで定めたような)。
遺伝子型CC、CTおよびTTについての相対的危険率は以下の通りである(データは表6aから採用した)
この場合、CTまたはTT遺伝子型を持つ女性患者は、スタチン「治療」に関して「高い」応答者に比して1.3〜1.38倍高い危険性を有する。換言すると、それらの患者はADRを回避するために低用量のスタチンを受容すべきである。しかし彼らは「高い応答者」の表現型であるので、それでも薬剤から利益を得るだろう。次いでCC遺伝子型の保有者は、有益な治療的効果を体験するために、より高い薬剤用量を受容すべきである。
以下の表から分かるように、本発明に開示する関連の幾つかは、1より多くの表現型の指標である。baySNP5287は、例えば薬剤効力と関連するが、ADRとも関連する(表6)。
十分な説明に基づく同意が、患者および対照の人々により署名された。血液は医師により医学的に標準的な手順に従い採取された。
サンプルは匿名で集められ、そして患者番号で標識された。
DNAはキアジェンからのキットを使用して抽出した。
表5aおよび5b コホートサイズおよびPA SNPのp−値
baySNP番号は、PA SNPsの内部番号付けを指す。Cpvalは古典的なピアソンのカイ2乗検定を表し、Xpvalはピアソンのカイ2乗試験の正確な変更を表し、LRpvalは尤度−比カイ2乗検定を表す。Cp値、Xp値およびLRp値は記載されているように算出する(SAS OnlineDocのSAS/STATユーザーガイド、バージョン8)(L.D.Fisher and G.van Belle,生物統計学(Biostatistics)、ウィリー インターサイエンス(Wiley Interscience)1993)、および(A.Agresti,Statistical Science 7,131(1992))。遺伝子型および対立遺伝子のp値は、コホートAおよびBを比較した時に、各カイ2乗検定を介して得た。遺伝子型のp値について、遺伝子型11、12または22(FQ11A、FQ12A、FQ22A:表3に定める遺伝子型)を持つコホートAの患者数を、コホートB(FQ11B、FQ12B、FQ22B:表3に定める遺伝子型)の各患者と比較し、3×2マトリックスを用いて各カイ2乗検定を得た。対立遺伝子のp値については、我々はそれぞれコホートAおよびBの対立遺伝子1および2(A1およびA2)の対立遺伝子カウントを比較した(2×2マトリックスでのカイ2乗検定)。サイズAおよびB:それぞれコホートAおよびBの患者数。コホートAおよびBの定義は表4を参照にされたい。
baySNP番号は、PA SNPsの内部番号付けを指す。Cpvalは古典的なピアソンのカイ2乗検定を表し、Xpvalはピアソンのカイ2乗試験の正確な変更を表し、LRpvalは尤度−比カイ2乗検定を表す。Cp値、Xp値およびLRp値は記載されているように算出する(SAS OnlineDocのSAS/STATユーザーガイド、バージョン8)(L.D.Fisher and G.van Belle,生物統計学(Biostatistics)、ウィリー インターサイエンス(Wiley Interscience)1993)、および(A.Agresti,Statistical Science 7,131(1992))。遺伝子型および対立遺伝子のp値は、コホートAおよびBを比較した時に、各カイ2乗検定を介して得た。遺伝子型のp値について、遺伝子型11、12または22(FQ11A、FQ12A、FQ22A:表3に定める遺伝子型)を持つコホートAの患者数を、コホートB(FQ11B、FQ12B、FQ22B:表3に定める遺伝子型)の各患者と比較し、3×2マトリックスを用いて各カイ2乗検定を得た。対立遺伝子のp値については、我々はそれぞれコホートAおよびBの対立遺伝子1および2(A1およびA2)の対立遺伝子カウントを比較した(2×2マトリックスでのカイ2乗検定)。サイズAおよびB:それぞれコホートAおよびBの患者数。コホートAおよびBの定義は表4を参照にされたい。
Claims (16)
- 表現型関連(PA)遺伝子によりコードされる単離されたポリヌクレオチドであって、
PA遺伝子プロモーター配列を含むか若しくは含まない、PA遺伝子ポリペプチドの完全長cDNAのような機能的周囲に含まれる配列セクションに示される対立遺伝子変異を含む配列番号1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80を含んでなる群から選択されるポリヌクレオチド。 - 請求項1に記載の1以上のポリヌクレオチドを含む発現ベクター。
- 請求項2に記載の発現ベクターを含む宿主細胞。
- 請求項1に記載のポリヌクレオチドによりコードされる実質的に精製されたPA遺伝子ポリペプチド。
- PA遺伝子ポリペプチドを生産する方法であって、以下の:
a)請求項3に記載の宿主細胞を、PA遺伝子ポリペプチドの発現に適する条件下で培養し;そして
b)宿主細胞カルチャーからPA遺伝子ポリペプチドを回収する、
工程を含んでなる上記方法。 - 請求項1に記載のポリヌクレオチドまたは請求項4に記載のPA遺伝子ポリペプチドを検出する方法であって:
生物学的サンプルを、ポリヌクレオチドまたはPA遺伝子ポリペプチドと特異的に相互作用する試薬と接触させる、
工程を含んでなる上記方法。 - PA遺伝子の活性を調節する作用物質をスクリーニングする方法であって:
試験化合物を、請求項1に記載の任意のポリヌクレオチドによりコードされるPA遺伝子ポリペプチドと接触させ;そしてポリペプチドのPA遺伝子活性を検出する工程を含んでなり、PA遺伝子ポリペプチド活性を上昇させる試験化合物がPA遺伝子ポリペプチドの活性を上昇させる有力な治療薬として同定され、そしてポリペプチドのPA活性を減少させる試験化合物がPA遺伝子ポリペプチドの活性を減少させる有力な治療薬として同定される、上記方法。 - 請求項7に記載の方法により同定される、PAポリペプチドまたはポリヌクレオチドの活性を調節する試薬。
- 請求項2に記載の発現ベクターまたは請求項8に記載の試薬および製薬学的に許容され得る担体を含んでなる製薬学的組成物。
- 薬剤を調製するための請求項8に記載の試薬の使用。
- ヒト個体が心血管疾患を有するか、またはそれを発症する危険性があるかどうかを決定する方法であって、個体のPA遺伝子座の配列番号1〜80の配列セクションに示されるヌクレオチド変異の正体を決定することを含んでなり、ここでSNPのSNPクラスが表3から分かる“CVD”であり、但し“危険”遺伝子型が表6から分かるような1より大きな危険率を有する、上記方法。
- 薬剤効力および有害薬剤反応を含むスタチン治療に対する患者の個別的応答を決定する方法であって、個体のPA遺伝子座の配列番号1〜80の配列セクションに示されるヌクレオチド変異の正体を決定することを含んでなり、ここでSNPのSNPクラスが表3から分かる“ADR”、“EFF”または両方であり、但しそのような応答の確率は表6から分かる上記方法。
- スタチン治療に対する患者の個別的応答に適するようにあつらえられた薬剤を調製するための請求項12に記載の方法の使用。
- 心血管状態またはスタチン応答を評価するためのキットであって、
a)配列決定プライマーおよび
b)配列決定試薬
を含んでなり、該プライマーが請求項1に記載のヒトPA遺伝子中の多型位置にハイブリダイズするプライマー;および請求項1に記載のヒトPA遺伝子中の多型位置に直ぐ隣接してハイブリダイズするプライマーを含んでなる群から選択される、上記キット。 - 請求項1に記載の配列群から選択される2以上、最高すべての多型部位の組み合わせを検出する請求項12に記載のキット。
- 心血管状態またはスタチン応答を評価するためのキットであって、ヒトPA遺伝子ポリペプチド内の請求項1で定義した多型位置に特異的な1以上の抗体、および前記のいずれかとの組み合わせを含んでなる上記キット。
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
EP02004258 | 2002-02-27 | ||
PCT/EP2003/001514 WO2003072813A2 (en) | 2002-02-27 | 2003-02-14 | Single nucleotide polymorphisms predicting adverse drug reactions and medication efficacy |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2006510341A true JP2006510341A (ja) | 2006-03-30 |
Family
ID=27763336
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003571493A Pending JP2006510341A (ja) | 2002-02-27 | 2003-02-14 | 有害薬剤反応および薬剤効力を予測する単一ヌクレオチド多型 |
Country Status (5)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US20050123919A1 (ja) |
EP (1) | EP1481066A2 (ja) |
JP (1) | JP2006510341A (ja) |
AU (1) | AU2003210276A1 (ja) |
WO (1) | WO2003072813A2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010521969A (ja) * | 2007-03-22 | 2010-07-01 | セレラ コーポレーション | 冠動脈事象および薬物応答に関連する遺伝的多型、その検出方法および使用 |
Families Citing this family (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1711622A2 (en) * | 2003-11-26 | 2006-10-18 | Applera Corporation | Genetic polymorphisms associated with cardiovascular disorders and drug response, methods of detection and uses thereof |
US20060228715A1 (en) * | 2004-03-05 | 2006-10-12 | Applera Corporation | Genetic polymorphisms associated with coronary heart disease, methods of detection and uses thereof |
JP2009523006A (ja) * | 2004-05-07 | 2009-06-18 | アプレラ コーポレイション | 脈管疾患に関連する遺伝的多型、その検出方法および使用 |
JP2008506372A (ja) * | 2004-07-16 | 2008-03-06 | バイエル・ヘルスケア・アクチェンゲゼルシャフト | 薬物有害反応(adr)および薬効を診断するための予測ツールとしての一塩基多型 |
US20090305900A1 (en) * | 2005-06-17 | 2009-12-10 | Abdelmajid Belouchi | Genemap of the human genes associated with longevity |
EP1963523A2 (en) * | 2005-12-22 | 2008-09-03 | Siemens Medical Solutions Diagnostics GmbH | Method for the prediction of adverse drug responses |
US8392220B2 (en) | 2010-11-09 | 2013-03-05 | Carekinesis, Inc. | Medication management system and method |
CN109576363B (zh) * | 2019-02-11 | 2022-04-29 | 中日友好医院 | 一种人abcc2基因多态性检测的引物设计方法及试剂盒 |
EP4216964A1 (en) * | 2020-09-24 | 2023-08-02 | Ionis Pharmaceuticals, Inc. | Compounds and methods for reducing apoe expression |
Family Cites Families (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5374525A (en) * | 1992-09-30 | 1994-12-20 | University Of Utah Research Foundation | Methods to determine predisposition to hypertension and association of variant angiotensinogen gene and hypertension |
US5800990A (en) * | 1995-12-06 | 1998-09-01 | Regents Of The University Of Colorado | Angiotensin-converting enzyme genetic variant screens |
GB9914440D0 (en) * | 1999-06-22 | 1999-08-18 | Zeneca Ltd | Chemical compounds |
-
2003
- 2003-02-14 US US10/505,936 patent/US20050123919A1/en not_active Abandoned
- 2003-02-14 AU AU2003210276A patent/AU2003210276A1/en not_active Abandoned
- 2003-02-14 EP EP03742938A patent/EP1481066A2/en not_active Withdrawn
- 2003-02-14 JP JP2003571493A patent/JP2006510341A/ja active Pending
- 2003-02-14 WO PCT/EP2003/001514 patent/WO2003072813A2/en active Application Filing
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010521969A (ja) * | 2007-03-22 | 2010-07-01 | セレラ コーポレーション | 冠動脈事象および薬物応答に関連する遺伝的多型、その検出方法および使用 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
AU2003210276A8 (en) | 2003-09-09 |
WO2003072813A3 (en) | 2004-09-02 |
EP1481066A2 (en) | 2004-12-01 |
US20050123919A1 (en) | 2005-06-09 |
WO2003072813A2 (en) | 2003-09-04 |
AU2003210276A1 (en) | 2003-09-09 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US20090138204A1 (en) | Single nucleotide polymorphisms sensitively predicting adverse drug reactions (ADR) and drug efficacy | |
US20100190169A1 (en) | Single nucleotide polymorphisms predicting cardiovascular disease | |
JP2006510341A (ja) | 有害薬剤反応および薬剤効力を予測する単一ヌクレオチド多型 | |
WO2006067056A9 (en) | Compositions and methods for treating mental disorders | |
JP2008506372A (ja) | 薬物有害反応(adr)および薬効を診断するための予測ツールとしての一塩基多型 | |
US10023913B2 (en) | SR-BI as a predictor of elevated high density lipoprotein and cardiovascular disease | |
US20090208945A1 (en) | Method for the Prediction of Adverse Drug Responses to Stains | |
JP2004154120A (ja) | 心血管疾患を予測する一塩基多型および治療効果 | |
US20060240421A1 (en) | Genetic polymorphisms sensitively predicting adverse drug reactions (adr) and drug efficacy | |
EP1576352A2 (en) | Methods of cardiovascular disease assessment in an individual | |
US20090208967A1 (en) | Genetic Polymorphisms As Predictive Diagnostics For Adverse Drug Reactions (ADR) And Drug Efficacy | |
WO2007014338A2 (en) | Single nucleotide polymorphisms associated with susceptibility to cardiovascular disease | |
Zheng et al. | Case Report: Novel LIM domain-binding protein 3 (LDB3) mutations associated with hypertrophic cardiomyopathy family | |
WO2016116935A1 (en) | Use of rasa2 as a prognostic and therapeutic marker for melanoma | |
EP1592808A2 (en) | Single nucleotide polymorphisms as predictive diagnostics for adverse drug reactions (adr) and drug efficacy | |
EP1983062A1 (en) | Single nucleotide polymorphisms associated with susceptibiliy to cardiovascular disease |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
RD02 | Notification of acceptance of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422 Effective date: 20080407 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20081125 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20090609 |