JP2006506983A - 癌感受性のスクリーニングにおける使用のためのチミジル酸合成酵素多型 - Google Patents
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Abstract
Description
本出願は、2002年10月21日に出願された、「チミジル酸合成酵素遺伝子のタンデムリピートにおける新規単一ヌクレオチド多型はUSF-1の結合および転写活性を変化させる(A Novel Single Nucleotide Polymorphism in the Tandem Repeats of the Thymidylate Synthase Gene Alters USF1 Binding and Transcriptional Activation)」と題する米国仮出願No.60/420,164の一部継続出願であり、この出願は参照によりその全体において本明細書に組み込まれる。
本発明は、医学的遺伝子学の分野および病気感受性のスクリーニングに関する。具体的には、本発明は、チミジル酸合成酵素(TS)遺伝子の5’領域における単一ヌクレオチド多型の同定、予測的使用および治療的使用に関する。前記多型は、TS遺伝子の転写活性を表し、関連的に癌および循環器疾患のリスクを表す。本発明はまた、TSの3’非翻訳領域において見出される6塩基対多型の予測的使用および治療的使用ならびにスクリーニング方法に関する。
チミジル酸合成酵素(TS)は、還元的メチル化を介したdUTPをdTMPに変換するヌクレオチド生合成経路における重要な酵素である。TS反応は、細胞におけるデノボ(de novo)チミジル酸の唯一の供給源であり、したがって、DNA複製に必須である(Friedkin, et al., 1957; Heidelberger et al., 1957; Santi et al., 1984)。ヌクレオチド代謝におけるTSの重要な役割は、それを5−フルオロウラシル(5-FU)、ラルチトレキセド(Tomudex)、カペシタビン(Xeloda)およびペメトレキセド(Alimta)を含む種々の化学療法剤に対する共通の標的にすることであった(Danenberg, 1977; Papamichael, 1999)。
ヒト癌の処置におけるTS阻害剤の限定的な有効性は、一般的な現象であった。フルオロピリミジンに対する耐性は、TSの転写(Shibata et al. 1998)および翻訳(Kaneda, et al., 1987; Keyomarsi et al., 1993)の増加を含む種々のメカニズムを介して生じる。
本発明の1番目の側面は、USF複合体の結合およびトランス活性化能を決定する、そして調べた集団において高頻度に生じる、3番目のタンデムリピート内の新規単一ヌクレオチド多型を同定する。臨床データは、タンデムリピート多型(3RV)と組み合わせたGからCへのSNPのスクリーニングが、癌の処置、特に5-FU/LVに対する反応性と生存の予測において、タンデムリピートの重要性を増加させることを示している。2つの均一な3Rコピーを有する個体は、反応性が最も悪い。3RVコピーは、癌および/またはCVDのための処置に対する反応性を増加させる。
本発明の3番目の側面は、USF-1が、2R、3Rおよび3RV TSレポーター遺伝子コンストラクトの転写をルシフェラーゼアッセイ系において増加させること、そして、TS転写活性における2Rまたは3R遺伝子型の影響が、究極的にUSF結合部位の存在または不存在に関連することを示す。
本発明の他の目的は、連鎖解析および疾患関連研究のための有用な標的を提供することである。
さらに、他の目的は、CVDおよび癌の検出において有用な新規分子診断マーカーを開発することである。
本発明の他の側面は、標的細胞におけるTS酵素の産生および/または活性を阻害することである。
図1は、ヒトTS遺伝子の5’非翻訳領域内のタンデムリピート多型の配列図である。E−ボックスの位置が示されている。
図2は、HT29核抽出物のヒトTS遺伝子のタンデムリピート内のE−ボックス部位にUSFタンパク質が結合することを示すゲルである。
図3は、USF-1活性の異なる側面を示す4つのゲルの写真である。図3Aは、インビトロにおけるcdc2/p34による組み換えUSF-1のリン酸化を示す。図3Bは、リン酸化された組み換えUSF-1が、EMSAによるそのコンセンサス配列に結合することを示す。図3Cは、リン酸化USF-1が、E−ボックス部位を有するTSタンデムリピートに結合することを示す。最後に、図3Dは、USF-1が12番目のヌクレオチドにG→C塩基の改変を有するバリアント(variant)TSタンデムリピートに結合しないことを示す。
図5Aは、TSルシフェラーゼレポーターコンストラクトの構造の図である。図5Bは、USF-1によるTS遺伝子プロモーターの活性化のレベルを示す棒グラフである。図6Aは、RFLP解析において生成するTSタンデムリピート断片のHaeIII制限酵素地図である。図6Bは、タンデムリピートおよびG→CSNPのスクリーニングに用いられる制限酵素断片長多型(restriction fragment length polymorphism)(RFLP)解析の結果である。
I.総括
本発明の1番目の側面は、チミジル酸合成酵素の単一ヌクレオチド多型(TS SNP)を含む単離された核酸、ならびにそれに対するプローブおよびプライマーの発見である。「単離された」とは、天然には存在しないことを意味する。「単離された核酸」とは、それが由来する臓器の天然に存在するゲノムにおいて存在する場合には、正常にすぐに隣接している5’および3’フランキング配列に、すぐに隣接していない核酸を意味する。「単離された核酸」は、ベクターに組み込まれ、異種細胞のゲノムに組み込まれ、または分離した分子として存在する核酸を表してもよい。この語句はまた、融合タンパク質を産生するために用いられ得る付加的なポリペプチド配列をコードするハイブリッド遺伝子の一部を形成する、組み換え核酸を表してもよい。したがって、単離されたTS SNP核酸は、これらの形態のいずれをとってもよい。
本発明のこれらの態様および他の態様は、実験の記載から明らかになるであろう。
5’SNP実験シリーズの総括
下記例は、本発明を説明することを意味し、これに限定することを意味しない。開示の全般にわたる全ての引用は、参照により組み込まれ、明細書の最後に完全なリストとなっている。
対象が有するTSアレルの非バリアント(non-variant)3Rコピーが多くなるほど、化学療法剤に対する反応が悪くなる。したがって、5’タンデムリピート多型のこの新規SNPは、チミジル酸合成酵素阻害剤および他の化学療法剤に対する臨床的効果の予測因子として用いることができる。
ヒトTS遺伝子およびその5’上流領域の公開されている配列は(Takeishi et al., 1989)、2Rおよび3R遺伝子型両方の最後の28bpリピートに、2つの単一塩基変化があることを示しており、最近の証拠は、これらの配列の相違が4Rおよび5Rアレルの最後のリピートにも同様に存在することを示している(Luo et al., 2002)。TS遺伝子の発現におけるこれら塩基変化の結果は、これら塩基変化の頻度と同様に、調べられていなかった。したがって、この実験は、リピート内における配列の相違の存在を立証し、他の塩基変化および潜在的な多型を探すことを目的とした。14人のヒトゲノムDNAサンプルを直接配列決定することにより、本実験は2Rおよび3Rの最後のリピートにおける2つの塩基変化の存在を証明し、3Rの2番目のリピート内の新規な単一ヌクレオチド多型を同定した(図1、アスタリスク)。
インビトロでのTSタンデムリピートに対するUSFタンパク質の配列特異的結合を決定するために、推定USFコンセンサスE−ボックスエレメントを有する28bp配列を、電気泳動移動度シフトアッセイ(EMSA)におけるプローブとして使用した。図2は、USFタンパク質が、HT29核抽出物中のヒトTS遺伝子のタンデムリピート内におけるE−ボックス部位に結合することを示すEMSAである。ゲル移動度シフトアッセイは、インタクトな(intact)E−ボックス部位を含有するタンデムリピート配列に対応する32Pでラベルされた28bpプローブによりHT29核抽出物を使用して行われた。図2において、レーン1はフリープローブ(free probe)である。レーン2では、ラベルされていない競合ヌクレオチドの非存在下で、2.5μgのHT29核抽出物がプローブと共にインキュベートされ、その結果、ゲルにおける数多くのバンドシフトの出現をもたらした。
インビトロアッセイの結果は、USF-1およびUSF-2が、E−ボックスコンセンサス部位においてチミジル酸合成酵素のタンデムリピートに配列特異的に結合することを示している。USF-1およびUSF-2がインビボでこれらのエレメントに結合するかどうか決定するために、生存する293(ヒト胎児腎臓)細胞を使用したクロマチン免疫沈降(ChIP)アッセイを、USF-1およびUSF-2に対する1×106個の抗体により得られたゲノムDNAを用いて行った。インプットDNAは、抗体の添加前に採取された20μlのDNA分注物であり、抗体なしのコントロールは、抗体の添加をせずに、USF-1およびUSF-2の免疫沈降と一緒に平行して行った。タンパク質のDNAのホルムアルデヒドクロスリンク、およびソニケーションによるゲノムDNAの断片化の後、USF-1およびUSF-2の抗体を用いた免疫沈降を行った。免疫沈降は、抗体を用いずに行ったコントロールの反応を含んでいた。
USF-1およびUSF-2が、タンデムリピート内における結合を介して転写を増強させる能力を調べるため、5’非翻訳領域を含む、-313〜+195までのヒトTS遺伝子5’プロモーター領域を、TATAレス(TATA-less)pGL3-Basicルシフェラーゼレポーターベクターのルシフェラーゼ翻訳開始部位のすぐ上流にクローニングした。2Rおよび3Rコンストラクトの両方を、それぞれベクターにクローニングし、部位特異的変異誘発を用いて、示したUSFコンセンサスエレメントを改変することにより、2RmutUSFおよび3RmutUSFを作製した。図5Aは、これら2つのTSルシフェラーゼレポーターコンストラクトの図である。3RVコンストラクトは、G→C SNP多型のために2番目のリピートにおいて、E−ボックスエレメントを欠失している。全てのE−ボックスエレメントはUSFと表示され、全てのバリアントまたは変異エレメントはXと表示されている。
大きな集団における潜在的なSNPの頻度を決定するために、RFLP解析を行った。図6Aは、このRFLP解析において産生されるTSタンデムリピート断片のHaeIII制限酵素地図のダイアグラムである。この地図は、RFLP解析のためのポリメラーゼ連鎖反応(PCR)により産生される断片内のHaeIII制限酵素部位を示している。
予測マーカーとしてのSNPの役割を探索するために、40人の患者は、5−フルオロウラシルの長期投与に対する反応と生存について、播種性(disseminated)結腸直腸癌(SWOG 9420および3C-92-2)が評価された。TSタンデムリピート多型の分布は、下記:2R/2R 20%(8/40)、2R/3R 50%(20/40)および3R/3R 30%(12/40)であった。2R/2R遺伝子型と確認された患者は、2R/3R群における15%(3/20)と比較して、50%(4/8)が5-FUに対する反応を有していた。3R/3R遺伝子型を有する患者には、病気の反応(disease response)を示す者はいなかった(0/12)。しかしながら、この関係は統計学的有意に達しなかった(P=0.089、フィッシャーの正確検定(Fisher's exact test))。2R/2R遺伝子型を有する患者は、生存のメジアン(median)が、それぞれヘテロ接合体群における7.4ヶ月および3R/3R保有者の8.4ヶ月と比べて、16.2ヶ月であった。この関係もまた、統計学的に有意でなかった(P=0.14、ログランク(Logrank)検定)。
本実験は、TSの3’UTRを特徴づけし、TS mRNAの安定性および/または翻訳効率における-6 bp/1494欠失多型の効果を決定した。安定性を決定するためにルシフェラーゼに基づくアッセイ系を用いたところ、本実験は、TSの3’UTR全体が全体として比較的安定であり、有意な不安定化または翻訳の抑制を引き起こすエレメントを全く含まないことを示した。また、-6 bp/1494欠失多型は、減少したmRNA安定性および増加したmRNA減衰率に関連することが判明した。さらに、-6 bp/1494欠失多型は、特定の個体のTS mRNAレベルおよび、この多型が比較的共通に存在することを決定することにおける予測値であり、異なる民族集団間で大幅に変化する。したがって、これは、種々の癌スクリーニングにおける用途のための優れた候補である。
-6 bp/1494多型の機能を決定するために、TSの3’UTR全体の中にある制御エレメントを特徴付けした。+6 bp/1494アレルは、コンストラクトが増幅されたサンプル集団においてより共通に存在するため、+6 bp/1494多型を含むTS3’UTRから解析を開始した。pGL3コントロールベクタープラスミド中のルシフェラーゼ遺伝子の3’UTRに、ヒトTS−3’UTRの領域を挿入することにより、種々のレポーターコンストラクトを作製した(図7A)。TSの3’UTRをプラスミドの唯一のXbaI制限酵素部位に挿入することにより、各レポーターコンストラクトは、SV40プロモーターにより制御され、ルシフェラーゼ3’UTRの下流にSV40後期ポリ(A)シグナルを含んでいた。各レポーターコンストラクトは、挿入されたTS−3’UTR領域だけが異なっていたため、ルシフェラーゼ活性における変化は、変化した転写後制御に起因するべきである。
TS−3’UTRの制御における-6 bp/1494欠失の効果を決定するため、欠失多型を有する一連のコンストラクトを作製した。多型は3’UTRの遠い遠位領域にあるため(図8A、495のヌクレオチド456におけるギャップにより示されている)、全長または3’UTRの近位末端からの一連の欠失のいずれかのコンストラクトを作製する必要があった。
ルシフェラーゼタンパク質およびmRNAレベルの減少が、減少したメッセージ安定性によるものであるという説を支持するために、mRNA減衰アッセイを行った。新たな転写を阻害するアクチノマイシンDで細胞を処置することにより、特定の転写物の相対的半減期またはmRNA減衰率を測定することができる。細胞に、+6 bpまたは-6 bp/1494 TS−3’UTRコンストラクトのいずれかをトランスフェクトし、新たな転写を阻害するためにアクチノマイシンを処置した。細胞を6時間の間、処置後から2時間ごとにハーベストし、全RNAを得て、ルシフェラーゼmRNAレベルのRT-PCR解析に用いた。結果は、時間0において残存しているmRNAのパーセンテージを0として示している。
インビトロでのデータが、-6 bp/1494多型が減少したmRNA安定性を引き起こすことを証明したことから、次に、この多型がインビボにおけるTS mRNAの低発現に関係しているかどうかを決定した。リアルタイムTaqman RT-PCRを用い、進行性結腸直腸癌を有する43人の個体において、腫瘍内のTS mRNA発現を測定し、βアクチンmRNAに対して標準化した。+6 bp/1494多型にTS遺伝子発現を関連づけるために、以前に記載されているように(Ulrich, 2000)、全血から採取されたゲノムDNAからのRFLP解析により、これらの個体を多型についてスクリーニングした。
2TS平均=βアクチンmRNAに対するTSのmRNA発現の幾何平均。
395%信頼区間。
4全体の比較についてのp値はF検定に基づいており、他の全てのp値はLSD(最小有意差)検定に基づいている。
上記で引用したRFLP解析を用い、カリフォルニアのロサンゼルスの非ヒスパニック系白人、ヒスパニック系白人およびアフリカ系アメリカ人において、-6 bp/1494欠失多型の頻度を評価した(表4)。
組み換えUSF-1の発現、精製およびリン酸化、ならびにUSF-2の発現
USF-1(Gregor et al., 1990)をコードするcDNAを34Luヒト肺線維芽細胞cDNAから増幅した。上流プライマーは5’−CGGGATCCATGAAGGGGCAGCAGAAAACAG−3’[配列番号2] であり、下流プライマーは5’−GCTCTAGATTAGTTGCTGTCATTCTTGATGACGA−3’[配列番号3] であり、それぞれBamHIおよびXbaI制限酵素部位を付加した。PCRはAccuzyme DNAポリメラーゼ(Bioline)を用いて下記条件下:94℃30秒、59.3℃30秒および72℃45秒で30サイクル行った。産物をBamHIおよびXbaIで消化し、発現するタンパク質のN末端に6−ヒスチジンタグを付加するpProEX-HTbベクター(Invitorogen)にインフレーム(in-frame)でクローニングした。プラスミドで大腸菌のDH5α株を形質転換させ、培養物に最終濃度0.6mMでIPTGを加えることにより、タンパク質の発現を誘導した。誘導の後、細胞を10000×gで10分間遠心し、4倍量の可溶化バッファー(20mM Tris-HC、4℃でpH8.5、100mM KCl、5mM 2−メルカプトエタノール、1mM PMSF)に再懸濁した。細胞をフレンチプレス(French press)で可溶化し、細胞の破片を遠心により除去した。pProEX-HT Prokaryotic Expression System(真核生物発現システム)プロトコールに従って、上清をNi-NTAレジンカラムにのせ、組み換え6−ヒスチジンタグUSF-1を単離した。
TS5’制御領域からの野生型(R)またはバリアント(RV)28bpタンデムリピートに対応する合成2本鎖オリゴヌクレオチド(Integrated DNA Technologies)を、Gel-Shift Assay Kitプロトコール(Promega)にしたがって、[γ-32P]ATP(Amersham Pharmacia Biotech)でラベルした。各ゲルシフト反応では、10mM Tris-HCl, pH7.5、50mM NaCl、0.5mM ジチオスレイトール、0.5mM EDTA、4%グリセロール、1mM MgCl2および0.1μgのポリ(dIdC)DNAを含む20μlの反応混合物中で、10000cpmのラベルされたプローブを20分間室温で〜30ngの組み換えUSF-1と共にインキュベートした。示された場合には、ラベルされたプローブを添加する前に、ラベルされていない競合オリゴヌクレオチドを核抽出物と共に10分間室温でインキュベートした。
293細胞からのクロマチン免疫沈降アッセイは、製造者のプロトコールにしたがい、ChIPアッセイキット(Upstate Biotechnologies)を用いて行った。簡潔には、1×106個の細胞を10cmディッシュに播種し、37℃で一晩インキュベートした。タンパク質のDNAへのクロスリンクは、37%ホルムアルデヒドを最終濃度1%で増殖培地に添加することにより行った。クロスリンク反応は、10分間37℃で行った。細胞を、プロテアーゼ阻害剤(Protease inhibitor cocktail set III, Calbiochem)を含有する氷冷PBS中で洗い、コニカルスクリューキャップチューブにかき集めた。細胞を遠心してSDS可溶化バッファーに再懸濁し、次いで、Branson 450 sonifierを用いて、氷上、全出力で10秒間3回ソニケートを行って、DNAを200〜1000 bpの断片に剪断した。サンプルを遠心し、各目的タンパク質について、ソニケートされた細胞の上清20μlを1800μlのChIP希釈バッファーで希釈した。
遺伝子の5’エクソン上流のゲノム配列に位置するTSプロモーターを同定し、単離した。プライマーは、転写開始に対して-313および+195の位置に設計し、PCR反応により、3R遺伝子型については508 bpおよび2R遺伝子型については480 bpの産物を産生した。3RV DNAを単離するために、ヒトゲノムDNAのランダム集団からPCR増幅を行い、直接、産物を配列決定した(Davis Sequencing)。プロモーターのないpGL3-Basicルシフェラーゼレポーター遺伝子ベクター(Promega)に、ルシフェラーゼ遺伝子転写開始のすぐ上流のSstIおよびXhoI部位で、断片をクローニングした。部位特異的変異誘発を製造者(Promega)のプロトコールに従って行い、2Rおよび3Rコンストラクト両方の最初の28 bpタンデムリピート内にあるUSF-1 E−ボックスコンセンサスエレメントを変異させた。変異原性オリゴヌクレオチドプライマー配列は、5’−GTCCTGCCACCGCGCgtCTTGGCCTGCC−3’[配列番号10](Integrated DNA Technologies)であり、2RmutUSFおよび3RmutUSF レポーターコンストラクトを産生した。全てのプラスミドDNAは単離し、Qiagen mini-およびmidi-prep kitをもちいて精製した。
ヒト胎児腎臓293細胞(American Type Culture Collection)を6ウェルディッシュに5×105細胞/ウェルの密度で播種し、ウシ胎仔血清5%(v/v)、ペニシリン100ユニット/ml、ストレプトマイシン100μg/ml、ピルビン酸塩10mMおよびL−グルタミン 2mMを補充した2.5mlのDMEM培地中で一晩インキュベートした。翌日、増殖培地を細胞から吸引し、無血清Opti-MEM培地(Invitrogen)2.5mlにより置換した。合計5μgのプラスミドDNA(トランスフェクション効率の標準化のためpCMV−β−galactosidase (Invitrogen)を1μg、USF-1/pCI-neoまたはpCI-neoを1μg、およびレポーターコンストラクトを3μg)を250 μlのOpti-MEMで希釈した。250μlのOpti-MEMおよび15μlのLipofectamine 2000 reagent(Invitrogen)を含む溶液を室温で5分インキュベートし、前のステップからのDNAを含む溶液と混合した。室温での20分間のインキュベーションの後、DNA−Lipofectamine溶液を円を描くように293細胞に一滴ずつ添加し、37℃で2時間細胞をインキュベートした。溶液を吸引して3mlの増殖培地で置換し、細胞を37℃で一晩インキュベートして遺伝子を発現させた。
293細胞に、プロモーターなし(pGL3-Basic)、2つのタンデムリピート(2R)を含むTS5’領域、3つのタンデムリピート(3R)を含むTS5’領域、3番目のリピートの12番目のヌクレオチドにおいてG→C SNPを有する3Rを含むTS5’領域、あるいは、変異したE−ボックス部位を有する2つまたは3つのタンデムリピートを含むTS5’領域(2RmutUSFおよび3RmutUSF)、のいずれかを含有するルシフェラーゼレポーターコンストラクト3μgをトランスフェクトした。細胞に、1μgの空pCI-NEOベクター、1μgのUSF-1 cDNAを含むベクター、1μgのUSF-2 cDNAを含むベクター、または0.5μgのUSF-1およびUSF-2を含むベクターをそれぞれコトランスフェクトした。また、トランスフェクション効率の標準化のため、細胞に1μgのpCMV−β−galactosidaseベクターをコトランスフェクトした。トランスフェクションから24時間後、細胞をハーベストし、可溶化し、β−ガラクトシダーゼ活性およびルシフェラーゼ活性についてアッセイを行った。これらの実験からの結果は、USF-1の存在下において2Rおよび3Rコンストラクト両方からの相対的ルシフェラーゼ活性が増加したことを示す。
ルシフェラーゼ活性は、製造者のプロトコールに従い、ルシフェラーゼアッセイシステム(Promega)を用いて測定した。簡潔には、細胞を可溶化試薬中にかき集めてマイクロフュージ(microfuge)チューブに移し、12000×gで30秒間遠心した。ルシフェラーゼ活性は、マニュアルルミノメーター(Turner Design, TD20/20)を用い、20μlの1:10希釈細胞可溶化液に100μlのルシフェラーゼアッセイ試薬を混合し、各サンプルについて10秒間隔で3回読み取ることにより測定した。トランスフェクション効率は、細胞可溶化物のβ−ガラクトシダーゼアッセイ(Promega)を用いて、420nmでの吸収を読むことにより得た。相対的ルシフェラーゼ活性は、トランスフェクション効率係数に対してルシフェラーゼ活性を標準化することにより定量した。
ゲノムDNAは、100人の結腸直腸癌患者から、QiaAmp kit(Qiagen, Valencia, CA)を用いて200μlの全血から単離した。タンデムリピートを含むDNA領域を単離するために、PCRプライマーを転写開始に対して+15および+195の位置に設計した。上流プライマーの配列は5’−CGAGCAGGAAGAGGCGGAG−3’[配列番号11]であり、下流プライマーの配列は5’−TCCGAGCCGGCCACAGGCAT−3’[配列番号12]であった。35サイクルのPCRを94℃30秒、60℃30秒および72℃1分で行った。PCR反応物の15μlを20μlの反応量でHaeIII制限酵素により消化した。各患者からの消化されたPCR産物および消化されていないPCR産物を、エチジウムブロマイド(0.5mg/ml)を含有する3%のsea plaqueアガロース(BioWhittaker Molecular Applications)ゲルの隣接したレーンにロードし、0.5×TBE中で電気泳動した。全てのサンプルについて別の研究者により遺伝子型同定を2回行った。
TS遺伝子内の新規SNPの存在は、非ヒスパニック系白人において確認された。個体(病気のないコントロール)は、Castelao et al., 2001において記載されているようにカリフォルニアにおいて癌症例制御研究(cancer-case control study)のために当初募集された。この研究に含まれる患者は、転移性結腸直腸癌を有しており、下記プロトコール:1995年5月に発生して開始し、1999年5月に終了した、Southwest Oncology Groupプロトコール9420(患者19人、5-FUの用量は:毎週CI(連続注入)300 mg/m2/d対CI2600 mg/m2/d qで用いられた);および1992年9月に発生して開始し、1995年6月に終了した、the University of Souther Californiaプロトコール:3C-92-2(患者21人、5-FUの用量は:1週間の停止後3週間、毎週CI(連続注入)200 mg/m2/d qで用いられた)に登録された。全ての患者は臨床試験に参加することおよびTS多型を評価することについてのインフォームドコンセントに署名した。TS多型についての遺伝子型同定は、全ての患者において、パラフィン包埋された組織で行われた。
生存は、5-FUによる化学療法からいかなる原因かを問わず死に至るまでの月数として計算した。最後の追跡評価で生存していた患者は、その時点で打ち切られた。
分割表(contingency table)およびフィッシャーの正確検定(Metha et al., 1983)を用いて、TS遺伝子型と5-FUに対する反応(反応、病気安定および病気進行として分類)との関係をまとめた。カプラン−マイヤープロット(Kaplan et al., 1958)およびログランク検定(Miller et al., 1981)を用い、TS遺伝子型にしたがって患者の生存を比較した。生存のメジアンは、カプラン−マイヤー推定量に基づいて計算した。全てのp値は両側検定による。
293ヒト胎児腎臓(HEK)細胞株をATCCから得て、ウシ胎仔血清5%(v/v)、ペニシリン100ユニット/ml、ストレプトマイシン100μg/ml、ピルビン酸塩10mMおよびL−グルタミン 2mMを補充したダルベッコ改変イーグル培地中で培養した。全ての実験に用いられる細胞はコンフルエントであり、ATCCによる供給された元のストックから継代10回以内で使用した。
XbaI消化断片と適合する末端を産生するSpeI認識配列中で終了するプライマーを用いるPCRにより、3’UTRをコードするチミジル酸合成酵素遺伝子の種々の領域をゲノムDNAから増幅した。+6 bp/1494多型および-6 bp/1494多型を含む産物を、ヒトゲノムDNAを先に記載されている(Ulrich, 2000)RFLP解析による各多型のホモ接合体テンプレートサンプルについて予備スクリーニングを行うことにより、PCRを用いて得た。DNA断片を消化し、アガロース電気泳動により精製して、DNAゲル抽出キット(Millipore)を用いて抽出した。PCR産物は、唯一のXbaI部位でホタルルシフェラーゼ遺伝子の3’−UTR内においてpGL3コントロールベクターとライゲーションした。全てのコンストラクトの方向、配列、および1494多型を配列決定により確認した(Davis Sequencing)。
LipofectAMINE 2000トランスフェクション試薬(Invitrogen)を用いて293細胞に一過性にトランスフェクトした。細胞を6ウェルプレートに1×106細胞/ウェルの密度で播種し、一晩培養した。トランスフェクションは製造者のプロトコール(Invitrogen)に従って行った。1.5μgのレポーター遺伝子プラスミドDNAおよび標準化のための0.5μgpCMV−β−ガラクトシダーゼプラスミドDNA(Invitrogen)を、4μlのトランスフェクション試薬と共に500μlの無血清培地中へ混合し、20分間室温でインキュベートした。DNA−LipofectAMINE複合体を各ウェルに滴下添加し、細胞を遺伝子発現のために一晩インキュベートした。トランスフェクションから24時間後、細胞を、アクチノマイシンDにより処置するかまたは、ルシフェラーゼアッセイもしくはmRNA定量のために培養ディッシュ中で可溶化した。
全RNAは、RNeasy Mini Kit(Qiagen)を用いて、トランスフェクトされた細胞から単離した。レポータープラスミドDNAおよびゲノムDNAの増幅を除くため、全RNAをミニカラム上でDNase Iにより処置した。全RNAは、One Step RT-PCR Kit(Qiagen)を用いたRT-PCRにより、増幅を定量し標準化した。cDNAを2%アガロースゲルで泳動し、ルシフェラーゼおよびグリセルアルデヒド−3−ホスフェート(GAPDH)産物のバンド強度をEagle Eyeソフトウェア(Stratagene)を用いてデンシトメトリー(densitometry)により定量した。ルシフェラーゼ増幅プライマーは、フォワードプライマーが5’−GCCTGAAGTCTCTGATTAAGT−3’[配列番号13]、およびリバースプライマーが5’−ACACCTGCGTCGAAGATGT−3’[配列番号14]であった(97 bp産物)。
293(HEK)細胞に一過性にトランスフェクトし、24時間インキュベートしてルシフェラーゼ遺伝子を発現させた。培地を吸引し、新たな転写を阻害するために、アクチノマイシンD(10μg/ml)を含有する培地で置換した。アクチノマイシンD処置後、種々の時点で全RNAを抽出し、ルシフェラーゼmRNA含量を上記のようにRT-PCRにより測定した。ルシフェラーゼmRNAレベルはGAPDH mRNA含量に対して標準化し、時間0におけるmRNAレベルのパーセンテージとして表されている。データはPrismプログラム(Graph Pad, Inc)を用いて線形回帰分析によりプロットした。
全ての実験はデュプリケートで別の時に3回行った。データは平均値±S.E.として表されている。平均値の比較はスチューデントのt検定を用いて行った。
患者の選別、mRNA定量および統計解析
この研究における43人の患者は、進行性結腸直腸癌を有しており、以前に処置されていなかった。全ての患者は、組織の収集ならびに5-FUの有効性および毒性の決定要因の評価についてのインフォームドコンセントに署名した。PCR増幅およびRFLP解析を行い、先に記載されているように(Ulrich, 2000)各患者のTS 6bp/1494遺伝子型を同定した。他で詳細に記載されているように(Horikoshi, 1992)定量的RT-PCR法を用いて、TS mRNAを測定した。
TS遺伝子型測定は、先に記載されているように(Ulrich, 2000)RFLPに基づく解析を用いて、カリフォルニアのロサンゼルスの63人の非ヒスパニック系白人、98人のヒスパニック系白人および59人のアフリカ系アメリカ人対象において、ならびにシンガポールの80人の中国人対象において行った。63人の非ヒスパニック系白人対象は、ロサンゼルス群で最近終了した集団に基づく膀胱癌の症例制御研究(Castelao, 2001)からの691人の白人コントロールのランダムサンプルを代表していた。59人のアフリカ系アメリカ人(34人の膀胱癌症例および25人のコントロール)ならびに98人のヒスパニック(50人の膀胱癌症例および48人のコントロール)対象もまた、このロサンゼルス膀胱癌研究(Los Angeles Bladder Cancer Study)(Castelao, 2001)の参加者であった。アフリカ系アメリカ人対象またはヒスパニック系白人対象の間には、膀胱癌症例とコントロールとの間に遺伝子型分布において、統計学的な有意差は存在しなかった。したがって、頻度は、各人種内で全ての対象を組み合わせて報告された。80人のシンガポール中国人対象は、食事と癌の発症に焦点を当てた継続中の展望的集団研究である、シンガポール中国人衛生研究(Singapore Chinese Health Study)(Seow, 2002)の63000人の参加者のランダムサンプルであった。カイ二乗検定は、人種による遺伝子型の分布における起こり得る差異を調べるために用いられた。付された全てのp値は両側検定による。0.05未満のp値は、統計学的に有意とみなした。
Claims (20)
- 配列番号1の単離された核酸分子であって、配列中、12番目のヌクレオチドにおいてGがCにより置換されている、前記分子。
- 請求項1の単離された核酸分子および配列番号1の単離された核酸分子であって、前記2つの単離された核酸分子はチミジル酸合成酵素(TS)遺伝子の5’領域において単一ヌクレオチド多型の形態である、前記分子。
- 請求項1の単離された核酸分子にハイブリダイズするが、配列番号1の単離された核酸分子にハイブリダイズしない、一本鎖核酸プローブ。
- 核酸がDNAである、請求項3のプローブ。
- プローブが検出可能にラベルされている、請求項3のプローブ。
- 診断キットであって、請求項3により定義されるプローブ、および/または請求項1の分子に特異的にハイブリダイズして該分子を検出する8〜40ヌクレオチドのアレル特異的核酸プライマー、ならびに使用のための取扱説明書を含む、前記キット。
- プライマーが12〜35ヌクレオチドからなる、請求項6の診断キット。
- プライマーが17〜35ヌクレオチドからなる、請求項6の診断キット。
- ハイブリダイゼーションが、TS遺伝子の減少した転写活性、および対応する病気発症の減少したリスクを表す、請求項6の診断キット。
- 病気が、癌または循環器疾患である、請求項9の診断キット。
- 個体が、癌または循環器疾患に対する増大した素因をより高い見込みで有するかまたは有することを判断するための方法であって:
(a)個体から、チミジル酸合成酵素を包含する核酸分子を含むサンプルを得ること;そして
(b)TS遺伝子における1または2以上の多型を検出すること、ここで
(i)TS遺伝子の5’領域において3R/3Rコンストラクトを有する個体は、3R/3RV、2R/2R、2R/3Rまたは2R/3RVコンストラクトを有する個体と比較して、増大した素因をより高い見込みで有するかまたは有しており;
(ii)TS遺伝子の+6 bp/1494 3’非翻訳領域多型を有する個体は、TS遺伝子の-6 bp/1494 3’非翻訳領域多型を有する個体と比較して、増大した素因をより高い見込みで有するかまたは有しており;
(iii)TS遺伝子において5’領域の3R/3Rコンストラクトと+6 bp/1494 3’非翻訳領域多型とを両方有する個体は、癌または循環器疾患を発症する最も高い蓋然性を最も高い見込みで有するかまたは有している、
を含む、前記方法。 - TS遺伝子の5’領域において3R/3Rコンストラクトを有する個体が、各3R部分において2つの活性なUSFコンセンサス配列を有し、その結果、2Rコンストラクトまたは可変の3RVコンストラクトのいずれかにおいて1つの活性なUSFコンセンサス配列を有する対象と比較して、より大きな転写活性をもたらす、請求項11の方法。
- 検出するステップが、TS遺伝子を含有する核酸分子の一部を増幅することを含む、請求項11の方法。
- 増幅がポリメラーゼ連鎖反応の方法を用いる、請求項13の方法。
- 判断するステップが、TS遺伝子を含有する核酸分子の一部を配列決定することを含む、請求項11の方法。
- 判断するステップが、高処理能力スクリーニングの使用を含む、請求項11の方法。
- 3Rコンストラクトが配列番号1を含み、そして3RVコンストラクトが配列番号1を含み、配列中、位置12においてGがCにより置換されている、請求項11の方法。
- 位置12におけるCによるGの置換が、化学療法剤または抗CVD剤の有効性に関連しており、ここで、位置12におけるCによるGの置換が生じている場合には、前記置換が生じていない場合よりも化学療法剤または抗CVD剤がより有効である、請求項17の方法。
- TS遺伝子が対象の体液に由来する、請求項11の方法。
- 体液が血液である、請求項19の方法。
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