JP2006506946A - 細胞プロセスを観察するための生細胞法 - Google Patents

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Abstract

細胞事象の間の化合物、細胞、および細胞成分の活性を観察するための方法が提供される。このような生細胞観察は、その事象を担う生化学的経路に対する種々の化合物および他の分子の機能および影響を評価することを可能にする。本発明の実施形態は、有糸分裂の間のPTTGに対する化合物の影響(特に、このような影響が、異数性および/または癌を処置することに対して有し得る波及)の生細胞観察を記載する。本発明の代替の実施形態は、細胞事象に対する所望の効果に関して化合物(例えば、異数性または癌の処置において有効であり得る化合物)を効率的に同定および検査するための、生細胞法とハイスループットスクリーニングとの組み合わせを記載する。

Description

(関連出願)
本願は、仮米国出願第60/370,912号(2002年4月8日出願)の米国特許法第119条の下での優先権の利益を主張する。仮米国出願第60/370,912号の内容は、本明細書中に参考として援用される。
(政府の権利)
本明細書中に記載される発明は、National Institutes of HealthとCedars−Sinai Medical CenterにあるDoris Factor Molecular Endocrinology Laboratoryとの間での助成金番号CA75979の過程で生じた。
(発明の分野)
本発明は、(特に、下垂体腫瘍トランスフォーミング遺伝子(PTTG)の発現に影響を与えることにより)哺乳動物細胞における異数性の発生数を低減させる方法に関する。本発明はさらに、細胞事象(例えば、有糸分裂)を観察するための生細胞法に関する。
(発明の背景)
癌は、米国および世界中での主な死因の1つのままである。癌の起源は大部分不明であり、そして広範囲の癌の型にまたがる信頼性のある治療は、何十年も集中して研究された後であるにもかかわらず、発見されていない。この病気がヒト集団に対して有し続ける途方も無く大きな影響を考慮して、新たな治療処置方法をあくまで探索する研究努力が続けられている。その結果、癌の病理の種々の局面は、根底の病的状態のより徹底的な理解、そして最終的には治療を達成することを期待して、一貫して調査されており、そして分析されている。
ヒト固形腫瘍の1つの遍在する特徴は、異数性(異常な数の染色体または染色体セグメントが個々の細胞内に存在すること)として公知の状態である。異数性は、遺伝的不安定性をもたらし得、そしてまた、その後の細胞分裂の際にさらなる異数性を促進し得る。複数の機構(癌遺伝子の活性、不適切なサイクリン発現、テロメラーゼの欠損、および腫瘍抑制遺伝子の変異が挙げられる)が、異数性を引き起こす際に関与すると考えられている。より詳細には、癌遺伝子mycおよびrasが、細胞周期の間の不適切なDNA合成を増強し、一方、腫瘍抑制遺伝子(例えば、p53および大腸腺腫性ポリポーシス(APC))の変更された機能性が、有糸分裂の乱れを引き起こすと考えられる。
下垂体腫瘍トランスフォーミング遺伝子(PTTG)は、腫瘍形成に連鎖すると提唱されている別の癌遺伝子であるが、そのプロセスにおけるその役割は、これまで不明である。PTTGは、おそらく哺乳動物セクリン(securin)である;セクリンは、コヒーシン(cohesin)の切断をもたらす生体分子経路の進行を阻害することを担う化合物(有糸分裂の間に姉妹染色分体を互いに結合する化合物)のクラスの1つである。PTTGは、染色体分離を不適切に阻害することにより、異数性を誘導すると考えられているが、この仮説は、実証されていない。
遺伝子または他の分子細胞成分が作動する機構を解明して理解することは、研究者がこれらの機構を活動中に物理的に観察できないことによって大部分制限される。生細胞を研究するための技術および生細胞内で生じるプロセスが公知であるが、このような方法に関連して用いられる細胞は一般に、完全な細胞プロセス(例えば、有糸分裂)を観察するに充分に長くは生存しない。このような観察の間の細胞生存は、細胞の天然の環境条件(すなわち、哺乳動物の内部身体条件)を密接に模倣する環境の維持に依存する。一般に、哺乳動物細胞をこの様式で観察する場合、温度、二酸化炭素(CO)濃度、pH、および環境毒性のような要因をとらえなければならない。CO濃度およびpHは、観察系における調節された灌流によって制御され得、そして毒性は、標本と適合性の人工的環境を提供することにより、同様に調節され得る;この環境はおそらく、非毒性であり、生物学的に不活性である。驚くべきことに、温度(これは、多くの生物学的系の研究において重大な局面である)はしばしば、制御が困難な要因である。これは、生細胞観察を実施するために通常用いられる顕微鏡装置の構成に少なくとも部分的に起因する;しばしば、これらは、熱溜めとして作用して、細胞が配置されている培地を通して温度勾配を生じ得る。しかし、研究者がこの問題と取り組むことを補助する製品が入手可能である。依然として、上記に列挙した要因の満足のいく調節でさえ、種々の細胞プロセスの観察を提供するに充分長い大部分の生細胞法では、細胞を維持するには不充分である。
従来の生細胞観察法のさらなる限定は、特定の細胞を長期にわたって(例えば、幹細胞をその分化につれて)追跡することも、特定の特徴を具現する細胞のみ(例えば、特定の遺伝子を発現する細胞のみ)を追跡することもできないことである。一般に、生細胞観察は、複数の細胞をバッチにおいて研究することにより実施される。いくつかの細胞または大部分の細胞でさえ、研究される特定の特徴を示し得るが、各細胞およびあらゆる細胞が特定の特徴を示す細胞のバッチを作製することはしばしば困難である。これは、研究結果に顕著な量の「ノイズ」をもたらし得る。なぜなら、所望の細胞は、容易には単一のものにできないからである。
任意の1つの特定の細胞(または特定の特徴を有する細胞のみ)を研究することは困難であり得る。なぜなら、細胞は、所定の研究期間の間に移動する傾向があるから、または顕微鏡観察単独では、バッチ中の異なる細胞間を区別するのを可能にするには不充分であるからである。それゆえ、同じ細胞を異なる時点で観察することはできないかもしれない。これらの制限は、個々の細胞または研究された特徴を示す細胞の実際の挙動よりむしろ、細胞のバッチの挙動傾向に基づいて作成される研究データをもたらす;後者の実際のデータは、より決定的な(すなわち、研究ノイズが少ない)、証明された結果を可能にする。
ヒトゲノムに関する科学的知識および細胞遺伝学の現代の理解の拡大に伴って、より長期間にわたって生細胞プロセスを観察するための方法についての必要性が当該分野に存在する。このような観察方法論は、研究者が、この細胞に導入された外来化合物または特定の遺伝子もしくは遺伝子産物を用いて種々の細胞成分の相互作用およびプロセスを観察することを可能にする。この方法論は、PTTGに関して本明細書中に記載される知見と結び付けられた場合、癌の研究および処置において重要な関係を有し得る。
本発明の目的は、化合物、細胞、および細胞成分の細胞活性を観察するための方法を提供することである。
(発明の要旨)
本発明の代替的実施形態によれば、化合物、細胞、および細胞成分は、観察可能な細胞事象に関連して概説され得る;それにより、その事象に関するそれらの機能および影響が評価され得る。例えば、本発明の方法は、推定タンパク質および他の化合物が、PTTGの生物学的活性またはPTTGが役割を果たす生化学的経路(特に、有糸分裂)に対するそれらの効果が原因の、有糸分裂に対する影響に関して検査され得る、診断機構および他の試験機構を記載する。本発明の代替の実施形態は、他の細胞プロセスを観察する方法をも記載する。
本発明の実施形態のなお別の目的は、哺乳動物における異数性の発生数を(特に、例えば、そのPTTGの発現またはシグナル伝達を阻害することにより、PTTGの生物学的活性を阻害することにより)低減するための方法を提供することである。本発明のさらなる目的は、PTTGの生物学的活性を阻害することが有益な効果を有する疾患を処置する方法を提供することである。このような疾患としては、例えば、種々の形態の癌および異数性を含む他の状態が挙げられる。
本発明の他の特徴および利点は、以下の詳細な説明から明らかになる。詳細な説明は、例として、本発明の種々の実施形態を例示する。
(発明の詳細な説明)
本発明は、細胞プロセスおよび種々の化合物がそのプロセスに対して有する効果を観察するために用いられ得る生細胞試験法の知見に基づく。驚くべきことに、本発明の生細胞試験法は、細胞事象をかなりの期間にわたって観察するために用いられて、観察者がプロセスまたは事象の全体(例えば、細胞分裂の完全な繰返し)を観察することを可能にし得る。本発明の方法の長期性は、本発明に従って用いられる好ましい細胞株が身体の外側で生存したままであり得る能力に少なくとも部分的に起因すると考えられる;しかし、本明細書中に記載される方法は、これらの細胞株には決して排他的には限定されない(特に、観察しようとする細胞プロセスは、持続期間が短い場合)。
好ましい実施形態では、ヒトH1299細胞(ヒトの非小細胞肺癌細胞株)は、本発明の方法に従って用いられ得る。本発明者らは、驚くべきことに、ヒトH1299を、生細胞観察において、他の従来法において用いられる細胞株と比較して、より長期間にわたって生存したままである細胞株と同定した。しかし、他の細胞株は、本発明の種々の実施形態に関連して(特に、観察される細胞プロセスが短い例において)用いられ得る。このような他の細胞株としては、が挙げられ得るが決してこれらに限定されない:JEG3、AtT20(マウス下垂体腫瘍下垂体腫瘍細胞株)、およびマウス胚線維芽細胞。
本発明の方法に従った観察に適切な細胞プロセスは、「直接的に観察可能なプロセス」および「間接的に観察可能なプロセス」の両方を包含し得る。本発明の目的のためには、直接的に観察可能なプロセスとしては、細胞構造、その内容、または物理的環境に対する物理的変化を示す、任意の細胞事象または一連の事象が挙げられる。直接的に観察可能なプロセスの例としては、以下が挙げられ得るが、決してこれらには限定されない:有糸分裂およびその個々の段階(例えば、間期、前期、中期、後期、終期)、アポトーシス、壊死、または細胞膜もしくは細胞移動に影響を与えるプロセス。直接的に観察可能なプロセスとしては、当業者によって視覚的に認識されるような、長期にわたって細胞またはその成分の構成または構造に変化が生じるプロセスが挙げられる。
本発明の目的のために、間接的に観察可能なプロセスとしては、物理的な細胞構造に対して視覚的に認識できる変化を示さない、任意の細胞事象または一連の事象が挙げられる。その代わり、このようなプロセスとしては、化合物(例えば、ホルモン)が生成するプロセス、または化合物(例えば、細胞の栄養(例えば、グルコース))が細胞もしくはその環境から消化されるかさもなければ除去されるプロセスが挙げられ得るが、決してこれらに限定されない。このような間接的に観察可能なプロセスは、例えば、化合物が、観察中の細胞中またはその周囲に存在する程度を調べることにより、定量的に観察され得る。これらのプロセスは一般に、拡大単独の補助を用いては観察することが困難であるかまたは不可能である。なぜなら、これは、容易に可視の物理的変化を細胞にもその成分にももたらさないからである。以下に考察される種々のタグ化方法は、本発明の実施形態に従って間接的に観察可能なプロセスを研究する場合、特に有利であり得る;しかし、これらのタグ化方法は、直接的に観察可能なプロセスを研究するためにも用いられ得る。
本発明の1つの好ましい実施形態では、観察される細胞プロセスは、有糸分裂、または細胞分裂である。プロセス(例えば、有糸分裂)の複雑な性質は、それ自体を、その過程の間での広範な種々の化合物および多数の細胞成分の挙動の検査に役立たせるが、本発明の好ましい実施形態では、有糸分裂は、PTTGまたはこれに影響を与え得る物に関連して調べられる。PTTGに影響を与えるこのような物としては、以下が挙げられ得るが、決してこれらには限定されない:分子、化合物、タンパク質、ホルモン、ワクチン、治療剤、薬剤、それらの組み合わせ、およびPTTGまたはそれが細胞プロセスにおいて果たす役割(例えば、有糸分裂または腫瘍形成)に影響を与え得る他の物。
PTTGは、有糸分裂の進行(または妨害)において役割を果たすと考えられており、そして不適切な細胞シグナル伝達または増加した量のPTTGが特定の条件下で異数性をもたらし得るとさらに考えられている。それゆえ、PTTGが有糸分裂において果たす役割に関する種々の化合物の影響、またはこのような化合物がPTTG自体に対して有し得る影響を調べることは有利であり得る。このような研究の結果は、例えば、癌および異数性を含む他の疾患状態の処置において有用な治療化合物に関する実験前駆体であり得る。
本発明のさらなる実施形態は、蛍光タグ化技術または他のタグ化技術を取り込み、その結果、特定の化合物、細胞、または細胞成分(例えば、細胞小器官)が、直接的に観察可能なプロセスまたは間接的に観察可能なプロセスの間に生細胞試験法に関連して観察され得る。本発明の1つの実施形態では、蛍光マーカー(例えば、強化グリーン蛍光タンパク質(EGFP))を用いて、特定の細胞プロセスの進行の間の観察のために化合物または細胞成分を「タグ化」する。他の適切な蛍光マーカーまたは非蛍光マーカーおよびなおさらなるタグ化技術は、当業者に容易に明らかである;適切なマーカーは、これらを用いる適切な技術と同様に、過度の実験を伴わずに当業者によって選択され得る。例えば、他の適切な蛍光マーカーとしては、強化イエロー蛍光タンパク質、レッド蛍光タンパク質、ローダミン、フルオレセイン、およびcy5が挙げられ得、一方、他の適切な非蛍光マーカーとしては、西洋ワサビペルオキシダーゼ、エピトープタグ、および金粒子が挙げられ得る。適切なマーカーの選択は、タグ化が望まれる化合物、細胞、または細胞成分の特徴に少なくとも部分的に依存し得る。任意の従来のタグ化技術(化学反応および非共有結合結合体化が挙げられるが決してこれらに限定されない)は、本発明の種々の実施形態に従って用いられ得る。
本発明の好ましい実施形態では、PTTGはEGFPを用いてタグ化され得、そしてその役割は、有糸分裂の過程の間に観察され得る。この役割の観察としては、細胞分裂(すなわち、直接的に観察可能なプロセス)の進行の間のPTTGと他の化合物もしくは細胞成分との間の相互作用を調べることが挙げられ得、またはこれとしては、その過程の間の特定の化合物の消化もしく生成(すなわち、間接的に観察可能なプロセス)を調べることが挙げられ得る。
細胞プロセスの過程の間に複数の化合物、細胞、または細胞成分を観察することが所望され得る。または、化合物および特定の細胞の両方をタグ化して、例えば、その細胞によるその化合物の取り込みを観察することが所望され得る。従って、本発明の代替の実施形態では、複数の化合物、細胞、細胞成分、またはそれらの組み合わせを、適切な数の異なるマーカーを用いてタグ化し得る。好ましいこのような実施形態では、異なる物は、異なるマーカー(例えば、異なる色を示すマーカー)を用いてタグ化され得、その結果、種々の物の間の区別が、このマーカーが蛍光を発した場合、容易に視覚的に確認され得る。しかし、このような物の間を区別することを望まない例が存在し得、このような例では、複数の化合物、細胞、細胞成分、またはこれらの組み合わせについて同じマーカーを用いることが所望され得る。
本発明のさらなる実施形態では、生細胞試験法は、ハイスループットスクリーニングと組み合わせて用いられ得る;化合物を、細胞プロセスに対する所望の影響に関して同定および試験の両方を行う方法を提供する。このような方法は、研究者が潜在的治療化合物の効力を見つけ得て調べ得る効率を増強し得る。ハイスループットスクリーニングは、多数の化合物が、標的分子に対する結合活性または他の生物学的活性に関して試験されるプロセスであり、そしてアッセイおよび関連のデバイスおよび実験材料は、多数の販売業者から入手可能である。例えば、Perkin Elmer,Inc.は、このプロセスにおいて有用なハイスループットアッセイプラットフォームを製造する。
ハイスループットスクリーニングを用いて研究される化合物としては、例えば、酵素インヒビター(例えば、レセプターへの天然のリガンドに対する競合物)が挙げられ得るか、またはレセプター媒介細胞内プロセスについてのアゴニストもしくはアンタゴニストであり得る。ハイスループットスクリーニングの利点は、多数の化合物がその標的との反応性に関して調べられ得る迅速性である。また顕著であるのは、ハイスループットスクリーニングが、労力の要件および人為的誤りの機会の両方を低減しながらも、プロセスの効率を増強する自動化プロセスにおいて開発されているという事実である。現在、製薬産業における種々の会社は、ハイスループットスクリーニングを利用して新たな薬物を同定しており、そしていくつかの生化学会社は、ハイスループットスクリーニングを利用して生体分子(例えば、タンパク質)の機能を決定している。
生細胞観察に関連したハイスループットスクリーニングの使用は、癌および他の疾患の処置において有効な化合物の迅速な検出を提供し得る。本発明の好ましい1つの実施形態では、ハイスループットスクリーニングと生細胞法との組み合わせは、PTTGのさらなる研究および有糸分裂においてそれが果たす役割を提供し得る。なぜなら、PTTGとの反応性に関してスクリーニングされる化合物は、その後、有糸分裂の生細胞観察において研究されるからである。有糸分裂の生細胞観察は一般に、約24時間未満の時間がかかり、そして ハイスループットスクリーニングは、標的化合物を迅速に同定するために用いられ得る。それゆえ、これらの技術の組み合わせは、例えば、PTTG細胞シグナルカスケードの成分と相互作用するタンパク質、PTTGの過剰発現をもたらすタンパク質、またはPTTGタンパク質産物を後期の前に分解するタンパク質を効率的に同定および観察するための方法を提供し得る。
これらの実施例は、有糸分裂を破壊することにより、PTTGが、単一の生ヒト細胞において異数性を引き起こすことを実証する。提唱されたPTTGセクリン機能に基づいて、PTTGが有糸分裂を混乱させ得ると仮定されているが、この過程は証明されていない。以下の実施例は、本発明の生細胞法を用いて、PTTGが実際に有糸分裂を混乱させて異数性を引き起こすことを実証する。
本研究は、PTTGが実際に、本発明の生細胞法によって観察された以下の一連の証拠に基づいて、哺乳動物セクリンであることをさらに実証する:PTTGは、有糸分裂染色体に局在し、そして後期の開始の直前に分解され、そしてPTTGの過剰発現は、染色体分離を阻害する。PTTG分解が存在しないかまたは不完全であることは、異数性誘導において重要な工程である。なぜなら、中程度のレベルのPTTGを発現する細胞でさえ、PTTGが分解される限り、正常な娘細胞を生じるからである。PTTG分解の重要性は、非分解性変異体を発現する全ての細胞が異常な有糸分裂を経て、異数性を示すという点で劇的に例示される。腫瘍形成の間、PTTGの過剰発現は、不完全な分解をもたらして、異常な有糸分裂および異数性をもたらし得る。
異数性は、腫瘍の顕著な特徴の1つである。複数の機構が異数性を引き起こし得るが、特異的異数性が腫瘍形成プロセスにおいてどのようにして生成されるかはこれまで実証されていない。本発明の生細胞法は、本発明者らがPTTGが染色体コピーの倍化を直接的に引き起こすことを実証することを可能にした。調べた細胞はPTTGをほんの数時間発現しただけであるので、得られる異数性は、PTTG発現の直接的な結果のようである。安定な癌遺伝子トランスフェクタント、または腫瘍サプレッサー遺伝子欠損マウスを用いる以前の異数性研究においては、異数性は、細胞分裂の数週間後または数ヵ月後になってやっと作製されていた。これらの研究において観察された異数性が、遺伝子操作の結果として直接的または間接的に生じたのか否かは、不明確である。しかし、本明細書中で実施された有糸分裂の前および後の両方での同じ細胞の連続観察は、観察された異数性細胞が、この実験の前には実際に正常であることを確認した。本発明の生細胞法がなければ、このような観察は行われなかったかもしれない;そして実際に、行われなかった。
まとめると、以下の実施例は、PTTGが、過剰発現の結果として、PTTG分解の失敗に起因して、単一の生ヒト細胞において有糸分裂を混乱させ、そして異数性を引き起こすことを実証する。この結果は、癌遺伝子による、正常哺乳動物細胞から異数性哺乳動物細胞へのトランスフラグメントフォーメーションの直接的な証拠を提供する。さらに、これらの実施例は、他の方法では証明が不可能であって大部分憶測のままであった科学的仮説を証明する際の本発明の生細胞法の効果を実証する。
(実施例1:細胞およびプラスミド)
ヒトH1299細胞を、10%ウシ胎仔血清(FBS)を含むダルベッコ改変イーグル培地(DMEM)中で増殖させ、そしてLipofectamine 2000(Invitrogen Corporation;Carlsbad,CA;本明細書中以下、「Invitrogen」より入手)でトランスフェクトした。PTTG−EGFPおよびp55CDC−EGFPを、PTTGまたはp55CDC(Amgen,Inc.;Thousand Oaks,CAより入手)をpEGFP−N3(BD Biosciences Clontech;Palo Alto,CA;本明細書中以下、「Clontech」より入手)中にクローニングすることによって構築した。非分解性変異体PTTG−EGFPを、Chris McCabe博士(University of Birmingham,England,UK)より入手した。EGFPは、PTTGまたはp55CDCのC末端にあった。細胞をトランスフェクションの18〜24時間後に(顕微鏡またはウェスタンブロットにより)研究した。
(実施例2:免疫蛍光染色)
PTTG−EGFP、p55CDC−EGFP、またはEGFPでトランスフェクトしたH1299細胞をトリプシン処理し、DMEMで洗浄し、そして低張性緩衝液(10mM Tris、10mM NaCl、5mM MgCl、pH7.0)中に15分間再懸濁し、1,350gにて3分間、Nuncチャンバスライドにてスピンし、そして氷冷エタノールを用いて直ちに固定した。細胞を再水和し、そしてヒト抗動原体血清(Rheumatology Diagnostics Laboratory,Inc.;Los Angeles,CAより入手)および抗ヒトローダミンで染色し、Hoechst 33342で対比染色し、そして適切なフィルターを用いて観察した。カバーガラス上で増殖した細胞のγ−チューブリンの染色を、R.Yuら,「Pituitary Tumor Transforming Gene(PTTG) regulates placental JEG−3 cell division and survival:evidence from live cell imaging」,Mol.Endocrinol.14:1137−1146(2000)に記載されるとおりに実施した。細胞を、γ−チューブリンに対する抗体およびアクチンに対する抗体(Sigma−Aldrich,Inc.;St.Louis,MOより入手)ならびに用いられるローダミン標識二次抗体を用いる染色のために、メタノール中で固定した。
(実施例3:単一の生細胞画像化)
48時間以上にわたる個々の生細胞の観察を、細胞をFCS2 Closed Perfusion System(Bioptechs;Butler,PAより入手)においてインキュベートすることにより行った。細胞を、10% FBSおよびペニシリン/ストレプトマイシンを補充して周囲の空気で飽和させたCO独立性L15培地(Invitrogenより入手)で還流した。還流チャンバの温度を37℃に設定し、そして細胞を還流系において、コンフルエンシーになるまで1週間まで増殖させた。
還流チャンバを、倒立蛍光顕微鏡(Nikon Corporation;Melville,NYより入手)に配置し、そして40倍の超長作業距離対物レンズで観察した。細胞を、細胞変化の速度に依存して、数秒間毎から数時間毎に観察した。有糸分裂相の持続時間を、連続した有糸分裂の2つの重大時点の間の分を計数することにより決定した。位相差顕微鏡像およびEGFP蛍光画像を、CCDディジタルカメラを用いて、1分毎(例えば、中期から後期への移行の間)から数時間毎(例えば、終期後)の範囲の頻度で同時に撮影した。
相対蛍光強度を、2つのニュートラル密度フィルター(NDF)を適用して、客観的に観察した。各NDFは、入射光を50%減少させる。高い蛍光を、2つのNDFの適用後に細胞が明らかに可視であった場合と定義した。中程度の蛍光を、1つのNDFの適用後は明らかに可視であったが2つのNDFの適用後は可視でなかった細胞と定義した。低い蛍光を、いずれのNDFも適用されない場合にのみ可視の細胞と定義した。
(実施例4:PTTGは、有糸分裂染色体に局在する)
PTTGが異数性を引き起こすか否かを直接的に試験するために、EGFPタグ化PTTG(PTTG−EGFP)をヒトH1299細胞において発現させ、そしてPTTG−EGFPを発現する個々の生細胞の有糸分裂を観察した。EGFPまたはPTTG−EGFPでトランスフェクトしたH1299細胞を、トランスフェクションの24時間後、SDS−PAGE溶解緩衝液中で溶解し、そして等しい量の細胞溶解産物をウェスタンブロッティングに供した(図1)。この膜を、マウス抗EGFP(Clontechより得た)および抗マウスペルオキシダーゼを用いて最初にブロットし;0.3% NaN中で洗浄し、ウサギ抗PTTG(Zymed Laboratories,Inc.;South San Francisco,CAより入手)および抗ウサギペルオキシダーゼを用いて再ブロットし;そしてECL(Amersham Biosciences,Inc.;Piscataway,NJより入手可能)を用いて発色させた。PTTG−EGFPの染色体局在のために、PTTG−EGFP、p55CDC−EGFPまたはEGFPでトランスフェクトしたH1299細胞を、低張処理し、そしてチャンバスライドにてスピンし、固定し、そしてヒト抗動原体およびHoechst 33342(Aventis Pharmaceuticals,Inc.;Bridgewater,NJより入手可能)を用いて染色した。EGFP単独は、染色体と会合しなかった。内因性PTTGレベルは、H1299細胞において検出可能ではなかった。PTTG−EGFPは、PTTGに対する抗体およびEGFPに対する抗体の両方に対して反応性であり、そして細胞内でのPTTG−EGFPの局在は、PTTGの局在と類似であった。
コヒーシンは染色体に局在し、そしてセパリン(separin)およびPTTGはコヒーシンと類似するに違いないので、PTTGもまた染色体に局在し得る。以前の実験では、有糸分裂紡錘体に会合したPTTGが顕著であり、そしてPTTGもまた有糸分裂染色体に局在するか否かは確かではなかった(示さず)。それゆえ、細胞質ゾルタンパク質を除去し、そして顕著なPTTG−EGFP染色体局在が観察された(図2)。動原体と共に局在するp55CDCとは異なり、PTTG−EGFPは、有糸分裂染色体に均等に分布した。H1299細胞染色体が単一の動原体を保有することもまた明らかであった(図2Cおよび図2F)。
(実施例5:PTTG過剰発現が、有糸分裂の進行をブロックする)
表1に示すように、前期(Pro)、中期(Meta)、後期(Ana)、および終期(Telo)の持続時間を、トランスフェクトしていないコントロール細胞(コントロール)、EGFPのみを発現する細胞(EGFP)、およびPTTG−EGFP(PTTG−EGFP)を発現する細胞において、トランスフェクションの18時間後に(分で)記録した。EGFP単独、または低レベルのPTTG−EGFPは、各相の持続時間に影響を与えなかったが、中程度のレベルまたは高レベルのPTTG−EGFPは、前期および中期を劇的に長期化させた。このことは、PTTGが、後期への有糸分裂の進行をブロックすることを示す。PTTG−EGFPを発現するいくつかの細胞に関して、明確な後期も終期も見られなかった。なぜなら、異常な染色体分離および細胞質分裂のためである。
Figure 2006506946
(実施例6:PTTGの過剰発現は、有糸分裂を混乱させ、そして異数性を引き起こす)
図6に示すように、有糸分裂の運命(G2、前期、または中期からその後の間期まで)を、トランスフェクトしていない50個の細胞、EGFPのみを発現する38個の細胞、およびPTTG−EGFPを発現する65個の細胞において観察した。トランスフェクトしていない1個の細胞以外の全ての細胞、およびEGFP単独を発現する全ての細胞は、適切な染色体分離および細胞質分裂を示し、2つの正常な娘細胞を生じた。EGFPの発現レベルは、EGFP単独を発現する細胞の有糸分裂の結果に影響を与えなかった(データは示さず)。
明らかに正常な有糸分裂(すなわち、正常な染色体分離、染色体の脱凝集がないこと、および正常な細胞質分裂)を受けた全てのPTTG−EGFP発現細胞において、PTTG−EGFPは、PTTGのセクリン機能と一貫して、後期の開始の約1分前に分解した(図6;図3A)。EGFPは、有糸分裂の間および後に安定であり、そしてp55CDC−EGFPは有糸分裂全体を通して安定であったが、G1の初期に分解した(データは示さず)。後期架橋は、まれに観察され(2/65の細胞)、そして1時間より長く持続し、細胞質分裂の中止および2つの核を有する「娘」細胞をもたらした(図6;図3B)。
PTTG分解の失敗は、染色体非分離と関連する(図6);しかし、細胞質分裂は、染色体分離とは独立して生じた(図6;図4A)。この非対称的な細胞質分裂では、中期染色体は、1つの細胞極のより近くに最初に移動し、続いて細胞伸長および細胞中線溝の出現が起こった。細胞質分裂の間の完全な非分離は、大核を保有する細胞となる、全ての染色体を含む一方の娘細胞、および核がない生存可能でない他方の細胞を生じた(図4A)。
染色体分離のない非対称的な細胞質分裂は、最も一般的に観察される異常な有糸分裂の特徴であった(図6)。分離は時々不完全であり、複数の後期架橋およびいくつかの小核の出現を伴った(図4B)。この中期細胞が以前に正常な間期を経たことを実証するために、PTTG−EGFP発現細胞は、間期から、有糸分裂、間期へと再度進行することが示されたが、その核サイズは、不完全なPTTG−EGFP分解およびその後の染色体非分離に起因して倍化した(図4C)。いくつかの細胞では、染色体は長期化した前期または中期の後に脱凝集し、細胞質分裂は観察されず、大核を含む細胞をもたらした(図6)。染色体脱凝集は大部分が中期に生じ、そして時折前期に生じた。両方の場合に、PTTG−EGFPは、連続して分解したが、完全な分解は、染色体脱凝集の後にのみ達成された。
(実施例7:PTTGの過剰発現は、有糸分裂を混乱させて異数性を引き起こす)
図6に示されるように、有糸分裂の運命(G2、前期、または中期からその後の間期まで)を、トランスフェクトしていない50個の細胞、EGFPのみを発現する38個の細胞、およびPTTG−EGFPを発現する65個の細胞において観察した。トランスフェクトしていない1個の細胞以外の全ての細胞、およびEGFP単独を発現する全ての細胞は、適切な染色体分離および細胞質分裂を示し、2つの正常な娘細胞を生じた。EGFPの発現レベルは、EGFP単独を発現する細胞の有糸分裂の結果に影響を与えなかった(データは示さず)。
明らかに正常な有糸分裂(すなわち、正常な染色体分離、染色体の脱凝集がないこと、および正常な細胞質分裂)を受けた全てのPTTG−EGFP発現細胞において、PTTG−EGFPは、PTTGのセクリン機能と一貫して、後期の開始の約1分前に分解した(図6;図3A)。EGFPは、有糸分裂の間および後に安定であり、そしてp55CDC−EGFPは有糸分裂全体を通して安定であったが、G1の初期に分解した(データは示さず)。後期架橋は、まれに観察され(2/65の細胞)、そして1時間より長く持続し、細胞質分裂の中止および2つの核を有する「娘」細胞をもたらした(図6;図3B)。
PTTG分解の失敗は、染色体非分離と関連する(図6);しかし、細胞質分裂は、染色体分離とは独立して生じた(図6;図4A)。この非対称的な細胞質分裂では、中期染色体は、1つの細胞極のより近くに最初に移動し、続いて細胞伸長および細胞中線溝の出現が起こった。細胞質分裂の間の完全な非分離は、大核を保有する細胞となる、全ての染色体を含む一方の娘細胞、および核がない生存可能でない他方の細胞を生じた(図4A)。
染色体分離のない非対称的な細胞質分裂は、最も一般的に観察される異常な有糸分裂の特徴であった(図6)。分離は時々不完全であり、複数の後期架橋およびいくつかの小核の出現を伴った(図4B)。この中期細胞が以前に正常な間期を経たことを実証するために、PTTG−EGFP発現細胞は、間期から、有糸分裂、間期へと再度進行することが示されたが、その核サイズは、不完全なPTTG−EGFP分解およびその後の染色体非分離に起因して倍化した(図4C)。いくつかの細胞では、染色体は長期化した前期または中期の後に脱凝集し、細胞質分裂は観察されず、大核を含む細胞をもたらした(図6)。染色体脱凝集は大部分が中期に生じ、そして時折前期に生じた。両方の場合に、PTTG−EGFPは、連続して分解したが、完全な分解は、染色体脱凝集の後にのみ達成された。
図1は、本発明の実施形態に従って、強化グリーン蛍光タンパク質タグ化PTTG(PTTG−EGFP)の発現を示す。EGFPまたはPTTG−EGFPでトランスフェクトしたH1299細胞のウェスタンブロッティングの結果を示す。 図2は、本発明の実施形態に従って、PTTG−EGFPの染色体局在を示す。H1299細胞を、PTTG−EGFP、p55CDC−EGPFまたはEGFP単独でトランスフェクトし、次いで低張性に処理し、チャンバスライドにてスピンし、固定し、そしてヒト抗ヒト抗動原体およびHoechst 33342で染色した。EGFP単独は、染色体と会合しなかった。図2Aおよび図2Dは、染色体を図示する;図2Bは、PTTG−EGFPを図示する;図2Cおよび図2Fは、動原体を図示する;そして図2Eは、p55CDC−EGFPを図示する。 図3は、本発明の実施形態に従って、PTTG−EGFP発現細胞におけるPTTG−EGFP分解および後期架橋を示す。PTTG−EGFPを発現する単一の生細胞を連続して観察した。代表的画像を示す。図3Aは、後期が始まる前のPTTG分解を図示する。図3Bは、細胞質分裂の中止をもたらす持続した後期架橋を図示する(矢印は後期架橋を示す)。各画像を撮影した時刻を、各個々のフレームに含める。 図4は、本発明の実施形態に従って、PTTG−EGFP分解の失敗から生じる染色体非分離および異数性を示す。図4Aは、完全な細胞質分裂を伴う染色体分離が存在しないことを図示する(矢印は、非分離染色体を示す)。図4Bは、細胞質分裂の中止を伴う不完全染色体分離を図示する(アスタリスクは、小核を示す;D2は、観察2日目を示す)。図4Cは、染色体非分離の結果として、倍化した各サイズを有する細胞を図示する。 図5は、本発明の実施形態に従って、非分解性変異体PTTG−EGFP(DM−PTTG−EGFP)を発現する細胞における染色体非分離および異数性を示す。図5Aは、DM−PTTG−EGFPを発現する生細胞における染色体非分離および細胞質分裂を図示する(矢印は、非分離染色体を示す)。図5B〜図5Fは、DM−PTTG−EGFPを発現する細胞が固定されたことを図示する;有糸分裂紡錘体(図5B〜図5E)および中心体(図5F)は、α−チューブリンに対する抗体またはγ−チューブリンに対する抗体を用いて染色される。細胞をまた、アクチンについて染色し、そしてDNAをHoechst 33342によって染色した。図5Bに示す細胞は、中期にあった;5Cは、初期細胞質分裂にあり;5D、5F、および5Gは、後期細胞質分裂にあった;そして細胞5Eは、後期細胞質分裂にあった。図5B〜図5Eに示される細胞は、図5Aに示す最初の4つのフレームにほぼ対応する。 図6は、本発明の実施形態に従って、PTTG−EGFPを発現する細胞の有糸分裂に関する表データを示す。トランスフェクトしていない(コントロール)か、EGFPのみを発現する(EGFP)か、PTTG−EGFPを発現する(PTTG−EGFP)か、または非分解性変異体PTTG−EGFPを発現する(DM−PTTG−EGFP)、単一の生H1299細胞の有糸分裂を、PTTG分解、染色体分離および凝集、ならびに細胞質分裂の存在(y)または不存在(n)に関して観察した。「y/n」は、不完全な染色体分離または細胞質分裂を示し、そして「」は、後期架橋の数を表す。「M」または「P」は、中期または前期における染色体脱凝集を表す。「Macro」および「Micro」は、それぞれ、大核および小核を表す。

Claims (65)

  1. 生細胞における細胞プロセスを研究する方法であって、以下:
    少なくとも1つのヒトH1299細胞を培地中に含ませる工程;および
    該細胞プロセスを観察する工程
    を包含する、方法。
  2. 観察可能物をマーカーでタグ化する工程をさらに包含する、請求項1に記載の方法。
  3. 前記観察可能物が、化合物、細胞成分、および細胞からなる群より選択される、請求項2に記載の方法。
  4. 前記観察可能物が、下垂体腫瘍トランスフォーミング遺伝子(PTTG)である、請求項2に記載の方法。
  5. 前記マーカーが、強化グリーン蛍光タンパク質(EGFP)、強化イエロー蛍光タンパク質、レッド蛍光タンパク質、ローダミン、フルオレセイン、cy5、西洋ワサビペルオキシダーゼ、エピトープタグ、および金粒子からなる群より選択される、請求項2に記載の方法。
  6. 観察可能物をマーカーでタグ化する工程が、複数の観察可能物を同じマーカーまたは異なるマーカーのいずれかでタグ化することをさらに包含する、請求項2に記載の方法。
  7. 前記細胞プロセスが、直接的に観察可能な細胞プロセスおよび間接的に観察可能な細胞プロセスからなる群より選択される、請求項1に記載の方法。
  8. 前記細胞プロセスが、有糸分裂である、請求項1に記載の方法。
  9. 前記細胞プロセスを観察する工程が、下垂体腫瘍トランスフォーミング遺伝子(PTTG)と試験物との相互作用を観察することをさらに包含する、請求項8に記載の方法。
  10. 前記試験物が、分子、化合物、タンパク質、ホルモン、ワクチン、治療剤、薬剤、PTTGに影響を与える物または該試験物が細胞プロセスにおいて果たす役割、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項9に記載の方法。
  11. 前記試験物をマーカーでタグ化する工程をさらに包含する、請求項9に記載の方法。
  12. 前記マーカーが、強化グリーン蛍光タンパク質(EGFP)、強化イエロー蛍光タンパク質、レッド蛍光タンパク質、ローダミン、フルオレセイン、cy5、西洋ワサビペルオキシダーゼ、エピトープタグ、および金粒子からなる群より選択される、請求項11に記載の方法。
  13. 前記培地の温度を設定する工程をさらに包含する、請求項1に記載の方法。
  14. 前記培地の温度を設定する工程が、該培地の温度を約37℃に設定することをさらに包含する、請求項13に記載の方法。
  15. 前記培地の二酸化炭素(CO)濃度を設定する工程をさらに包含する、請求項1に記載の方法。
  16. 前記培地のCO濃度を設定する工程が、該培地のCO濃度を約4%〜約6%の範囲内に設定することをさらに包含する、請求項15に記載の方法。
  17. 前記培地を周囲の空気で飽和させる工程をさらに包含する、請求項1に記載の方法。
  18. 前記培地中に抗生物質を含ませる工程をさらに包含する、請求項1に記載の方法。
  19. 前記細胞プロセスが、幹細胞分化である、請求項1に記載の方法。
  20. 前記観察可能物が、ハイスループットスクリーニングを用いて同定される、請求項2に記載の方法。
  21. 前記試験物が、ハイスループットスクリーニングを用いて同定される、請求項9に記載の方法。
  22. 生細胞における細胞プロセスを研究する方法であって、以下:
    少なくとも1つの細胞を培地中に含ませる工程;
    該細胞プロセスを観察する工程
    を包含し、該細胞は、前記培地中に配置した場合に少なくとも24時間生存したままである細胞株から選択される、方法。
  23. 観察可能物をマーカーでタグ化する工程をさらに包含する、請求項22に記載の方法。
  24. 前記観察可能物が、化合物、細胞成分、および細胞からなる群より選択される、請求項23に記載の方法。
  25. 前記観察可能物が、下垂体腫瘍トランスフォーミング遺伝子(PTTG)である、請求項23に記載の方法。
  26. 前記マーカーが、強化グリーン蛍光タンパク質(EGFP)、強化イエロー蛍光タンパク質、レッド蛍光タンパク質、ローダミン、フルオレセイン、cy5、西洋ワサビペルオキシダーゼ、エピトープタグ、および金粒子からなる群より選択される、請求項23に記載の方法。
  27. 観察可能物をマーカーでタグ化する工程が、複数の観察可能物を同じマーカーまたは異なるマーカーのいずれかでタグ化することをさらに包含する、請求項23に記載の方法。
  28. 前記細胞プロセスが、直接的に観察可能な細胞プロセスおよび間接的に観察可能な細胞プロセスからなる群より選択される、請求項22に記載の方法。
  29. 前記細胞プロセスが、有糸分裂である、請求項22に記載の方法。
  30. 前記細胞プロセスを観察する工程が、下垂体腫瘍トランスフォーミング遺伝子(PTTG)と試験物との相互作用を観察することをさらに包含する、請求項29に記載の方法。
  31. 前記試験物が、分子、化合物、タンパク質、ホルモン、ワクチン、治療剤、薬剤、PTTGに影響を与える物または該試験物が細胞プロセスにおいて果たす役割、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項30に記載の方法。
  32. 前記試験物をマーカーでタグ化する工程をさらに包含する、請求項30に記載の方法。
  33. 前記マーカーが、強化グリーン蛍光タンパク質(EGFP)、強化イエロー蛍光タンパク質、レッド蛍光タンパク質、ローダミン、フルオレセイン、cy5、西洋ワサビペルオキシダーゼ、エピトープタグ、および金粒子からなる群より選択される、請求項32に記載の方法。
  34. 前記培地の温度を設定する工程をさらに包含する、請求項22に記載の方法。
  35. 前記培地の温度を設定する工程が、該培地の温度を約37℃に設定することをさらに包含する、請求項34に記載の方法。
  36. 前記培地の二酸化炭素(CO)濃度を設定する工程をさらに包含する、請求項22に記載の方法。
  37. 前記培地のCO濃度を設定する工程が、該培地のCO濃度を約4%〜約6%の範囲内に設定することをさらに包含する、請求項36に記載の方法。
  38. 前記培地を周囲の空気で飽和させる工程をさらに包含する、請求項22に記載の方法。
  39. 前記培地中に抗生物質を含ませる工程をさらに包含する、請求項22に記載の方法。
  40. 前記細胞プロセスが、幹細胞分化である、請求項22に記載の方法。
  41. 前記細胞株が、ヒトH1299である、請求項22に記載の方法。
  42. 前記観察可能物が、ハイスループットスクリーニングを用いて同定される、請求項23に記載の方法。
  43. 前記試験物が、ハイスループットスクリーニングを用いて同定される、請求項30に記載の方法。
  44. 試験物の効力を研究する方法であって、以下:
    該試験物をハイスループットスクリーニングを用いて同定する工程;
    少なくとも1つの細胞を培地中に含ませる工程;
    該試験物を該培地中に導入する工程;および
    該試験物および該細胞の両方を含む細胞プロセスを観察する工程
    を包含する、方法。
  45. 観察可能物をマーカーでタグ化する工程をさらに包含する、請求項44に記載の方法。
  46. 前記観察可能物が、化合物、細胞成分、および細胞からなる群より選択される、請求項45に記載の方法。
  47. 前記観察可能物が、下垂体腫瘍トランスフォーミング遺伝子(PTTG)である、請求項45に記載の方法。
  48. 前記マーカーが、強化グリーン蛍光タンパク質(EGFP)、強化イエロー蛍光タンパク質、レッド蛍光タンパク質、ローダミン、フルオレセイン、cy5、西洋ワサビペルオキシダーゼ、エピトープタグ、および金粒子からなる群より選択される、請求項45に記載の方法。
  49. 観察可能物をマーカーでタグ化する工程が、複数の観察可能物を同じマーカーまたは異なるマーカーのいずれかでタグ化することをさらに包含する、請求項45に記載の方法。
  50. 前記細胞プロセスが、直接的に観察可能な細胞プロセスおよび間接的に観察可能な細胞プロセスからなる群より選択される、請求項44に記載の方法。
  51. 前記細胞プロセスが、有糸分裂である、請求項44に記載の方法。
  52. 前記試験物および前記細胞の両方を含む前記細胞プロセスを観察する工程が、下垂体腫瘍トランスフォーミング遺伝子(PTTG)と該試験物との相互作用を観察することをさらに包含する、請求項51に記載の方法。
  53. 前記試験物が、分子、化合物、タンパク質、ホルモン、ワクチン、治療剤、薬剤、PTTGに影響を与える物または該試験物が細胞プロセスにおいて果たす役割、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項44に記載の方法。
  54. 前記試験物をマーカーでタグ化する工程をさらに包含する、請求項44に記載の方法。
  55. 前記マーカーが、強化グリーン蛍光タンパク質(EGFP)、強化イエロー蛍光タンパク質、レッド蛍光タンパク質、ローダミン、フルオレセイン、cy5、西洋ワサビペルオキシダーゼ、エピトープタグ、および金粒子からなる群より選択される、請求項54に記載の方法。
  56. 前記培地の温度を設定する工程をさらに包含する、請求項44に記載の方法。
  57. 前記培地の温度を設定する工程が、該培地の温度を約37℃に設定することをさらに包含する、請求項56に記載の方法。
  58. 前記培地の二酸化炭素(CO)濃度を設定する工程をさらに包含する、請求項44に記載の方法。
  59. 前記培地のCO濃度を設定する工程が、該培地のCO濃度を約4%〜約6%の範囲内に設定することをさらに包含する、請求項58に記載の方法。
  60. 前記培地を周囲の空気で飽和させる工程をさらに包含する、請求項44に記載の方法。
  61. 前記培地中に抗生物質を含ませる工程をさらに包含する、請求項44に記載の方法。
  62. 前記細胞プロセスが、幹細胞分化である、請求項44に記載の方法。
  63. 前記試験物を前記培地に導入する工程が、該試験物を前記細胞に導入する工程をさらに包含する、請求項44に記載の方法。
  64. 前記細胞が、前記培地中に配置した場合に少なくとも24時間生存したままである細胞株から選択される、請求項44に記載の方法。
  65. 前記細胞株が、ヒトH1299である、請求項44に記載の方法。
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