JP2006505737A - エンジンに適用する水性冷却液 - Google Patents

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Abstract

本発明は、トリメチルグリシンを含有する水溶液は、乗用車、トラック、オートバイ、航空機、列車、トラクタ、発電器、圧縮器から選択されるエンジンへの適用、固定式エンジンや関連装置、舶用エンジン、労力システム、産業用エンジン、電気式エンジン、燃料電池エンジンおよびハイブリッドエンジンから選択されるエンジンへの適用における冷却液としてトリメチルグリシンを含有する水溶液の用途に関するものである。

Description

本発明は、冷却システムを利用する、乗用車、トラック、オートバイ、航空機、列車、トラクタ、発電器、圧縮器などの一般的なエンジン、多様な固定式エンジンや関連装置、舶用エンジンなどに適用される、トリメチルグリシン含有の水ベース冷却液に関する。
冷却液の主要な目的は、放熱してエンジンを冷却することである。そのような冷却液は、閉ループ装置で作用する。効率的な冷却のためには、冷却液が、比熱や熱伝導性が高く、−40℃〜+120℃の範囲で変動する動作温度における粘度が低いことが必要とされる。標準的な内燃エンジンの動作温度は、およそ+95℃である。また、冷却液としては、凍結温度以下でのエンジン動作を保証し、最大限の凍結防止性能を有する必要がある。
また、高い公定圧力沸点も、エンジン冷却用の冷却液にとっては有利な特性となる。冷却液による放熱の高めるには、装置内の圧力を増加させ、最大温度での循環を可能にするために、冷却液の沸点を上げることで達成できる。
さらに冷却液の別の特性として、防腐性がある。自動車の熱交換器や構造体は、周知の技術である。それら構造体の材料は、アルミニウム、アルミ合金、鋼、鋳鉄、黄銅、ハンダ、銅などの弾性材、硬高分子材、金属を含み、それらは全て、冷却システム内の作用冷却液の組成物に、物理的磨耗や化学反応により、経時的に溶解する恐れがある。今では、エンジンにアルミニウム利用を増加させて、車体重量を下げ、燃料効率を上げるよう、自動車製造業者は努力を続けている。
腐食は、熱交換装置の動作中における数多くの要素、特に、温度上昇や不純物質の増加により加速するが、腐食は酸化作用であるため、冷却装置内の酸素の量が最も重要な問題となる。グリコール冷却装置では、グリコールの酸化による劣化が、酸素により加速されて、腐食性の酸が作成される。運転動作が連続的でない軽作業用途の自動車の場合、腐食防止剤により、エンジンの動作中やアイドリング中の冷却装置を保護可能である。放熱用アルミ材の腐食保護として、成膜性をもつ珪酸塩が一般的に使用されているが、冷却液の熱伝播効率を低下させるという欠点があり、経時的にグリコールと反応して、エンジン動作不良の原因となるゲル状生成物を作成する恐れがある。
現在のアルミニウムからなる薄壁製の自動車エンジンにおける問題として、キャビテーション腐食があり、特に、内燃エンジン用の冷却液などの水性冷却装置に常に曝されるアルミ製のシリンダーライナやウォータポンプによく発生する。その結果、アルミ表面が腐食されて孔となり、さらに、腐食による生成物や堆積物により熱の伝導が妨げられる。また、熱ストレスに起因するオーバヒートやエンジン不良が発生する恐れもある。
市場で入手可能なエンジン用冷却液は、一般的に、化学成分とアルコールの混合液であり、好適なアルコールの例として、エチレングルコール、ジエチレングリコール、ポリピレングリコール、ジポリピレングリコール、それらの混合物があげられる。アルコールは発泡性があるため、エチレングリコールが最も頻繁に冷却液に利用されているが、含有の化学成分は、腐食防止用の化学成分と水とからなる。しかし、グリコールは、腐食の問題をかかえ、不快な臭気をはなつため、毒性物質であり、有害廃棄物として処理せねばならない。
エンジン用冷却液は、珪酸塩、燐酸塩、硝酸塩、ホウ酸塩、亜硝酸塩などの無機成分を含んでいるため、減損という問題をかかえている。無機成分、特に、珪酸塩の減損は、装置寿命低下につながる。また、無機塩から生成される固形物が堆積するという問題も存在する。そして、堆積した固体物質により、エンジン冷却装置の通路が狭窄および閉止される結果となる。
それゆえ、カルボン酸の利用技術に基づいたエンジン冷却液が、開発されている。そこでは、一塩基性または二塩基性のカルボン酸とトリアゾールの組み合わせが、その他の添加剤と共に利用されている。一般的に、トリアゾールは、銅、黄銅、ハンダなどの黄色金属の保護に使われるものである。
さらに、エンジン冷却液の特性を改良するために、いくつかの技法が紹介されている。米国特許第4,548,78号明細書には、アルミニウムのキャビテーション腐食を防止するための、水溶性の燐酸塩に、タングステン酸塩、セレン酸塩、モリブデン酸塩を添加した方法が開示されている。
また、米国特許第4,404,116号明細書には、腐食防止およびキャビテーション削減のための添加剤として多価アルコールを冷却液に利用した方法が、教示されている。
さらにまた、米国特許第4,440,721号明細書には、水性冷却液内のアルミのキャビテーション腐食防止効果を増加させるため、水溶性の燐酸塩に水溶性のモリブデン酸塩、タングステン酸塩、セレン酸塩を添加する方法が開示されている。
国際公開第00/50532号パンフレットには、ディーゼルエンジンのためのモノカルボン酸を主成分とした凍結防止組成物が紹介されている。その組成物は、エチレンまたはポリエチレングリコール、一塩基脂肪酸有機酸、アゾール、低位モリブデン酸塩、亜硝酸塩および/または硝酸塩、ポリビニルピロリドン、水酸化塩、珪酸塩および/またはシロキサン安定化珪酸塩の混合物を、水性液内でのアルミのキャビテーション腐食を防止する遷移金属化合物と組み合わせたものである。
また、国際公開第97/31988号パンフレットには、ソーラパネル、冷蔵機器、換気機器や空調機器、ヒートポンプなどに利用される、トリメチルグリシンと水を含有する無毒性の熱交換/冷却液が開示されている。
[発明の目的]
特に、エンジン関連のアルミニウムのキャビテーション腐食を防止するのは、たいへん難しい課題である。すでに、課題を解決するため、アルキレングリコール主成分の配合物およびジカルボキン酸主成分の配合物に多量の添加物を加える方法が試みられている。そのような配合物は、固形成分を含有し、高価であり、かつ、廃棄処分のさいに環境問題を引き起こす恐れがある。上記の課題を顧みて、エンジンに適用するため、腐食防止効果が大きい、特に、アルミニウムのキャビテーション腐食の防止が改善された、安定した無毒性の水性非グリコール冷却液が求められている。
[発明の要旨]
それゆえ、本発明の目的は、改善されたキャビテーション腐食の防止特性をもつ、水性で、効率的で安定性があり、環境にやさしい無毒性のエンジン用の冷却液を提供することである。
本発明の別の目的は、エンジン用の冷却液としての水性のトリメチルグリシン溶液の利用である。
本発明の冷却液の特性上の特徴およびその用途は、特許請求の範囲に記載のとおりである。
本発明に関わる、ベタインと呼ばれるトリメチルグリシンを含有する水溶液は、冷却システムを利用する、乗用車、トラック、オートバイ、航空機、列車、トラクタ、発電器、圧縮器などの一般的なエンジン、固定式エンジンや関連装置、舶用エンジン、動力システム、産業用エンジン、電気式エンジン、燃料電池エンジン、ハイブリッドエンジンなどに利用でき、特に、自動車の内燃エンジンでの利用に適する。
本発明に関わる、トリメチルグリシンまたはその塩またはその誘導体を含有する冷却液は、−40℃〜+120℃の温度範囲で好適な使用が可能である。本発明によれば、前記の水性の冷却液は、無水物または一水塩としてのトリメチルグリシン、または、塩化水素酸塩などのトリメチルグリシンの塩類、または、ジメチルグリシンなどのトリメチルグリシンの誘導体、または、それらの混合物からなる。トリメチルグリシンの一水塩は、好ましい化合物である。トリメチルグリシンつまりベタインは、たとえば、化学合成により、あるいは、甜菜などの天然植物からの抽出により生成できるため、それゆえ、寿命の長い生物由来の水性冷却液の製造が可能となる。
さらに、本発明に関わる前記のエンジン用の冷却液は、1〜60重量%、好ましくは、20〜55重量%の無水物または一水塩としてのトリメチルグリシン、または、トリメチルグリシンの塩類、または、トリメチルグリシンの誘導体、または、それらの混合物、および、40〜99重量%、好ましくは、45〜80重量%の水とで構成される。前記の冷却液内の水は、イオン交換水、または、飲料水準の水道水でよいが、イオン交換水が好ましい。
本発明による前記の冷却液は、実施例の説明から判るように、添加物なしで作用することができるが、エンジン冷却液に特殊な要件がある場合には、周知の添加物を使用しても構わない。しかしながら、低下剤の所要量は、従来技術による冷却液で使う量よりもずっと少ない量である。
添加物を使用する場合には、前記の冷却液の利用目的や化合物の親和性を考慮して判断選択する。水性のエンジン冷媒に一般的に使われる、安定剤、腐食防止剤、粘度調整剤、表面張力剤、pH調整剤などの添加物は、必要に応じて、前記の冷却液に直接に添加することができる。ただし、環境に無害の化合物を利用すること。一般的に利用可能な市販の添加剤/保護剤の混合物は、シェブロンテキサコ社のXLI(商品名)やAFB(商品名)や、バイエル社のBAYHIBIT(登録商標)などが挙げられる。下記に、適当な添加剤の例を示す。
磨耗防止剤を使えば、金属部品の磨耗を低減できる。周知の磨耗防止剤の例として、ジアルキルチオフォスファート亜鉛やジアリールジチオフォスファート亜鉛がある。一般的な磨耗防止剤には、有機硫黄や有機燐や有機ボロンの誘導体の金属塩またはアミン塩、あるいは、カルボン酸塩があげられる。たとえば、脂肪族や芳香族のC1−C22カルボン酸の塩、芳香スルホン酸などの亜硫酸塩や硫酸塩、亜燐酸塩や燐酸塩、酸性燐酸塩エステル、チオフォスファートやジチオフォスファートなどの類似した亜燐酸化合物や燐酸化合物が含まれる。
周知の防腐剤としての腐食防止剤を使えば、前記の冷却液に接する金属部品の腐食を抑制できる。腐食防止剤の例として、燐硫化炭化水素や、燐硫化炭化水素をアルカリ土類金属の酸化物や水酸化物と反応させた生成物があげられる。さらに、金属腐食を防止する添加剤として、金属亜硝酸塩、ヒドロキシアミン、中性脂肪酸のカルボン酸塩、燐酸塩、サルコシン、スクシニミドなどの有機化合物や無機化合物も含まれる。アルカノールアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンなどのアミン類も、同様に利用できる。また、非鉄金属系の腐食防止剤として、芳香族トリアゾールが挙げられる。
前記の冷却液には、非イオン性、カチオン性、アニオン性、両性の表面活性剤を添加することも可能である。好ましい表面活性剤の例として、線形のアルコキシ化アルコール、ノニルフェニルエトキシレート、脂肪酸石鹸、アミン酸化物などが挙げられる。
また、発泡を抑制するのに、消泡剤に利用も可能である。発泡の抑制には、高分子量のジメチルシロキサンやポリエーテルを使用することができる。ポリシロキサン系の消泡剤の例として、シリコンオイルやポリジメチルシロキサンが挙げられる。
洗浄剤や金属防錆剤として、スルホン酸、アルキルフェノール、硫化アルキルフェノール、アリキルサリシレート、ナフテネート、その他の油溶性のモノカルボキシル酸やジカルボキシル酸の金属塩が挙げられる。塩基性のアルカリ土類金属スルホン酸などの塩基性金属塩(特にCa塩やMg塩)も、洗浄剤として利用可能である。
好ましい粘度調整剤の例としては、その目的分野において周知の全種類の粘度調整剤を利用することができ、たとえば、ポリイソブチレン、エチレンやプロピレンの重合体、ポリメタクリレート、メタクリレート共重合体、不飽和ジカルボキシル酸とビニール化合物の共重合体、スチレンとアクリル酸エステルの共重合体、部分水素添加スチレン/イソプロピレン、スチレン/ブタジエンとイソプレン/ブタジエンの共重合体、ブタジエンとイソプレンの部分水素添加ホモ重合体などが挙げられる。
また、酸化防止剤としては、ノニルフェノール硫化カルシウム、オクチルフェニル硫化バリウム、ジオクチルフェニルアミン、フェニルアルファナフチルアミン、燐硫酸化または硫酸化炭化水素などの、好ましくはC5−C12アルキル側鎖をもつアルキルフェノールチオエステルのアルカリ土類金属塩が挙げられる。
前記の冷却液の摩擦特性も、摩擦調整剤により抑制できる。好ましい摩擦調整剤の例として、脂肪酸、アミド、ポリイソブテニル無水琥珀酸アミノアルカノール、二量化脂肪酸のグリセロールエステル、アルカン燐酸塩、オレアミド結合のホスフォ酸塩、Sカルボキシアルカリンヒドロカルビルスクシニミド、N(ヒドロキシアルキル)アルケニル琥珀酸またはスクシニミド、ジ(低アルキル)燐化物とエポキサイド、燐硫化N(ヒドロキシアルキル)アルケニルスクシニミドの酸化アルキレンン追加生成物などが挙げられる。
また、使用中の前記の冷却液内に存在する不溶性懸濁物質は、拡散剤を使って処理することにより、スラリー成分の凝集、沈殿、金属部上面への堆積を防止できる。
ミネラルオイルは、密閉動作のための膨脹剤として作用し、機器の密閉手段に対して膨脹効果を有する。その例として、トリデシルアルコールなどの脂肪酸C8−C13アルコールが挙げられる。
さらに前記の冷却液には、極面潤滑剤、耐高圧剤、染料、香料、殺菌剤、その他の従来技術で周知の添加剤などを追加添加することが可能である。
本発明による前記の冷却液は、複数の長所を備える。まず、前記の冷却液では、アルミ表面のキャビテーション腐食を防止でき、その発泡性はごくわずかであり、化学安定性や熱安定性を有するため、頻繁に交換する必要がなくなる。
トリメチルグリシンの劣化生成物が生じても、腐食性化合物にはならない。反対に、グリコール主成分の冷却液の交換は2年毎から5年毎の頻度でよく、および/または、グリコール劣化を防止するための添加剤を加えるだけでよく、劣化生成物は腐食化合物のみである。本発明による冷却液は、無毒性であって、廃棄時に危険物廃棄処理する必要がない。
下記の表Iは、資料にあるLD50に関しての、トリメチルグリシンの毒性と、エチレングルコールとプロピレングリコールの毒性との比較を示している。LD50値は、ネズミに対する経口試験の結果値である。
Figure 2006505737
従来の冷却液と比べて、必要な添加物の量が少なくてすむ。さらに、本発明による冷却液では、トリメチルグリシンと親和性をもつが、グリコール主成分の冷却液とは親和性がない添加物を利用できる。
表IIaに、40℃を越えない温度での、様々な金属の薄肉化としての腐食に対する、50%のトリメチルグリシンを含んだ冷却液の効果を示す。
Figure 2006505737
試験の開始時での腐食率は高い数値であるが、時間経過とともに状態が安定化して腐食率が低くなっている。
表IIaは、35%のトリメチルグリシンを含んだ冷却液の金属腐食に対する効果を示している。基準比較液として、水道水と30%のMEG(エチレングリコール)と30%のMPG(プロピレングリコール)の混合液を使用した。腐食試験は、500mlの密閉容器にて、温度が50℃で、ASTM1384試験方法にしたがって実施した。
Figure 2006505737
下記の表IIIには、水溶液の凍結点におけるトリメチルグリシンの効果が示されている。
Figure 2006505737
また、トリメチルグリシン自体がバッファ物質の役目をするため、前記の冷却液のpH値は常に7以上に維持できる。pH調整剤を使わない場合、冷却液のpH値が8〜10のあいだであるが、使用すれば、8から11の範囲に拡がる。
前記の冷却液の潤滑特性は、従来のグリコール主成分の冷却液よりも、著しく優れている。さらに、前記の冷却液の沸点は、通常圧力下では100℃以上であり、たとえば、50%のトリメチルグリシン溶液では107〜112℃である。また、前記の冷却液の凍結防止特性も高い。
前記の冷却液は、ガラス腐食試験、ホットプレート腐食試験、シミュレーション腐食試験などでも、良い結果を示した。冷却液のpH値やアルカリ値が許容範囲である一方で、発泡、粒子数(クラス11)、エラストマー親和性などの要件にも合致している。さらに、鋳鉄やアルミニウムに対するキャビテーション腐食試験(2重チェンバ試験)でも、好ましい結果を残している。
つまり、本発明による冷却液は、冷却システムを利用する、乗用車、トラック、オートバイ、航空機、列車、トラクタ、発電器、圧縮器などの一般的なエンジン、固定式エンジンおよびその関連装置、舶用エンジン、動力システム、産業用エンジン、電気式エンジン、燃料電池エンジン、ハイブリッドエンジンなどに利用でき、特に、自動車の内燃エンジンや、腐食に弱いアルミニウム製部品を備えたウォータポンプなどでの利用に適する。さらに、前記の冷却液は、在庫中や倉庫内での機器/エンジンの保護にも適するするものである。
本発明を実施例に基づき説明する。ただし、本発明の範囲は、これらの実施例に限定されるものではない。
実施例1
ISO12156−1による潤滑特性
ISO12156−1の25℃でのHFFR潤滑試験を使って、エンジン冷却のための市販の保護剤を含む、40重量%と50重量%のトリメチルグリシンからなる水溶液の潤滑特性を、プロピレングリコールからなる従来のエンジン冷却液の潤滑特性と比較した。下記の低い数値は、潤滑特性が良いことを表している。
Figure 2006505737
実施例2
ASTMD1384によるエンジン冷却液のガラス製品に対する腐食試験
40重量%のトリメチルグリシンと、3重量%の市販の保護剤(シェブロンテキサコ社製)とを、組み合わせた。
Figure 2006505737
Figure 2006505737
実施例3
CECC−23−T−99による2重チェンバキャビテーション腐食試験
40重量%のトリメチルグリシンと、3重量%の市販の保護剤(シェブロンテキサコ社製)とを、組み合わせた。
Figure 2006505737
Figure 2006505737
実施例4
ASTMD4340によるホットプレート腐食試験
40重量%のトリメチルグリシンと、3重量%の市販の保護剤(シェブロンテキサコ社製)とを、組み合わせた。
Figure 2006505737
Figure 2006505737
実施例5
ASTMD2570−96によるシミュレーション腐食試験
40重量%のトリメチルグリシンと、3重量%の市販の保護剤(シェブロンテキサコ社製)とを、組み合わせた。
Figure 2006505737
Figure 2006505737
Figure 2006505737
Figure 2006505737
Figure 2006505737
実施例6
MFT46−013によるエラストマ親和性試験
40重量%のトリメチルグリシンと、3重量%の市販の保護剤(シェブロンテキサコ社製)とを組み合わせたが、エラストマ保護剤は使用しない。
Figure 2006505737
Figure 2006505737
Figure 2006505737
実施例7
CFCC−21−T−00によるエンジン冷却剤の高温安定性試験
40重量%のトリメチルグリシンと、3重量%の市販の保護剤(シェブロンテキサコ社製)とを、組み合わせた。
Figure 2006505737
Figure 2006505737
実施例8
ASTMD445による動粘度特性
40重量%のトリメチルグリシンと、3重量%の市販の保護剤(シェブロンテキサコ社製)とを、組み合わせた。
Figure 2006505737
Figure 2006505737
実施例9
ASTMD943による酸化安定性試験
40重量%のトリメチルグリシンと、3重量%の市販の保護剤(シェブロンテキサコ社製)とを、組み合わせた。
試験条件:
300mlオイル、95℃±0.2℃、31O2/h±0.1l/h、鉄/銅スパイラル。
Figure 2006505737
実施例10
IP239による4ボール(潤滑)試験
40重量%のトリメチルグリシンと、3重量%の市販の保護剤(シェブロンテキサコ社製)とを、組み合わせた。
Figure 2006505737

Claims (7)

  1. その水溶液が、エンジンに適用するための冷却液および/または保護液として、トリメチルグリシンからなる水溶液の用途。
  2. 前記エンジンへの適用が、乗用車、トラック、オートバイ、航空機、列車、トラクタ、発電器、圧縮機に用いられるエンジン、固定式エンジンおよびその関連装置、舶用エンジン、発電装置、動力システム、産業用エンジン、電気式エンジン、燃料電池エンジンおよびハイブリッドエンジンから選択されることを特徴とする請求項1記載の水溶液の用途。
  3. 前記エンジンへの適用が、自動車に用いられる内燃エンジンから選択されることを特徴とする請求項1または2記載の水溶液の用途。
  4. 前記エンジンへの適用が、アルミニウム部品を備えたエンジンおよびウォータポンプから選択されることを特徴とする請求項1、2または3記載の水溶液の用途。
  5. 前記冷却液が、1〜60重量%の無水物または一水塩としてのトリメチルグリシン、または、トリメチルグリシンの塩または誘導体、もしくは、それらの混合物からなることを特徴とする請求項1、2、3または4記載の水溶液の用途。
  6. 前記冷却液が、20〜45重量%の無水物または一水塩としてのトリメチルグリシン、または、トリメチルグリシンの誘導体類や塩類、または、それらの混合物からなることを特徴とする、請求項1、2、3、4または5記載の水溶液の用途。
  7. 前記冷却液が、添加物からなることを特徴とする請求項1、2、3、4、5または6記載の水溶液の用途。
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