JP2006350590A - 電子機器および表示制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】メニュー表示画面上での操作からグラフィック表示までの応答性を改善し、処理効率を上げる。
【解決手段】ディスプレイ2を備え、そのメニュー表示内で、一の階層の各項目に対して下位の階層に属する複数のサブ項目が関連付けられている。本機器1は、ユーザにより設定および変更が可能なサブ項目のデータを、ユーザにより変更不可能なグラフィック画像に合成してディスプレイ2に表示させるグラフィック描画部4と、一の項目に関連付けられた複数のサブ項目の数に応じて大きさが異なるサブ項目表示範囲が、グラフィック画像で決められた実際に表示可能な所定の実表示範囲を超えている場合、サブ項目表示範囲内の実表示範囲の位置が相対的に変更されたときに引き続き同じデータを利用可能にするために、実表示範囲で表示可能な数を超える数のサブ項目のデータを、当該実表示範囲の合成に先立って予めグラフィック描画部4に送出する表示制御部3と、を有する。
【選択図】図3

Description

本発明は、ディスプレイのメニュー表示が、いわゆるツリー構造を有し、当該メニュー表示内に、ユーザに設定および変更が可能なデータを含む電子機器および表示制御装置に関する。
ディスプレイを備える電子機器、たとえばテレビジョン受像機、コンピュータ、あるいは携帯情報端末等においては、画像や音声の出力に関する調整、その他の調整、あるいは機能の設定/変更を、メニューボタンをユーザが操作したときにディスプレイに表示されるメニュー画面上で行うことが多い。
メニュー表示は、その初期画面(メインメニュー画面)と、初期画面の項目ごとに選択時に出現するサブメニュー画面とが幾階層にも亘って結合されたものである。
サブメニュー画面にも複数のサブ項目が表示され、サブ項目を選択すると、さらに下位階層のサブメニュー画面が表示される場合がある。そして、最終的には画質や音質等の調整用のサブメニュー画面が表示され、この画面には、ユーザによる設定および変更が可能なデータ(ユーザデータ)が調整項目ごとに表示される。
ユーザは、調整項目(サブ項目の一種)を選択して、そのユーザデータを初期設定値から変えることによって好みの画質や音質への調整が可能である。
通常のメニュー表示では、次の下位階層のメニューが表示されると、その上位に位置する上位階層のメニューが消去されることから、上位階層と下位階層の関係を把握することが困難である。したがって、ユーザが最終的に選択したい選択項目をディスプレイに表示させ、選択するまでに、階層間の移動を何度も繰り返す場合があり、操作が煩雑になるという不利益がある。
この煩雑さを軽減する技術として、上位階層のメニューを表示し、ある項目を指定する(たとえば強調表示(ハイライト)させるだけ)で、このメインメニューが画面に表示された状態で、指示された選択項目の選択項目からなる下位階層のサブメニュー画面が、画面の他の領域にポップアップ表示される技術が知られている(たとえば特許文献1参照)。
特許第3498871号公報
上記特許文献1では、ユーザデータについては具体的には記述されていない。
一般に、ユーザデータは、書き換え制御の必要性から、ユーザ操作を受け付ける表示制御CPU(特許文献1ではシステム制御用マイクロコンピュータ)内のレジスタ、または、当該CPUに接続された記憶部に記憶される。
この場合、上位階層のメニュー画面表示に際し、ポップアップ表示され得る下位階層のユーザデータ全てを、それが格納された上記表示制御CPU内のレジスタ等から予め、グラフィック描画部(特許文献1ではOSDデバイス)にバスラインを介して送る必要がある。
このユーザデータ値の送出は、単に上位階層のメニュー画面を表示するだけで、実際に項目が選択されない場合にも行われることから、無駄な動作となることが多い。また、余り多くのユーザデータを送る場合、そのためのコマンド解釈にCPUの負担を強いて、時間を要し、一瞬応答性が悪くなることも生じうる。さらに、上位階層のメニュー画面の項目に関連付けられた全ての下位階層のユーザデータを保持するために、グラッフィック描画部内の記憶部(データ取込バッファ)として、記憶容量が大きなものを用意する必要がある。
本発明が解決しようとする課題は、メニュー表示画面上での操作から、その操作に応じたグラフィック表示がされるまでの応答性がよく、処理効率も高い電子機器および表示制御装置を提供することである。
本発明に係る電子機器は、ディスプレイを備え、当該ディスプレイのメニュー表示内で、一の階層の各項目に対して下位の階層に属する複数のサブ項目が関連付けられている電子機器であって、ユーザにより設定および変更が可能な前記サブ項目のデータを、ユーザにより変更不可能なグラフィック画像に合成して前記ディスプレイに表示させるグラフィック描画部と、一の項目に関連付けられた前記複数のサブ項目の数に応じて大きさが異なるサブ項目表示範囲が、前記グラフィック画像で決められた実際に表示可能な所定の実表示範囲を超えている場合、前記サブ項目表示範囲内の前記実表示範囲の位置が相対的に変更されたときに引き続き同じデータを利用可能にするために、前記実表示範囲で表示可能な数を超える数の前記サブ項目のデータを、当該実表示範囲の前記合成に先立って予め前記グラフィック描画部に送出する表示制御部と、を有する。
本発明では好適に、前記表示制御部が、ユーザ操作に基づいて、前記実表示範囲に実際に表示される前記サブ項目表示範囲のサブ項目をスクロール表示させるためのコマンドを発行したときに、当該コマンドに対応して、前記グラフィック描画部が、前記サブ項目表示範囲内の前記実表示範囲の位置を相対的に変更し、新たな位置の実表示範囲に表示すべきサブ項目のデータを、当該新たな位置に対応するグラフィック画像に再合成する。
本発明では好適に、前記表示制御部が、前記データをユーザが書き換え可能に格納されているデータ格納部を有し、前記グラフィック描画部が、前記データ格納部から読み出されて送出されたデータを一時的に保持するデータ取込バッファを有し、1回で送出されるデータ数の上限が、前記データ取込バッファの容量に規制されている。
本発明では好適に、前記グラフィック描画部が前記データ取込バッファを2つ備え、当該2つのデータ取込バッファを、前記1回で送出されるデータの取り込み用として交互に用いる。
本発明では好適に、前記グラフィック描画部と表示制御部に各々CPUを内蔵し、当該2つのCPUがバスを介して接続されている。
本発明に係る表示制御装置は、ユーザにより設定および変更が可能な前記サブ項目のデータを、ユーザにより変更不可能なグラフィック画像に合成してディスプレイに表示させるグラフィック描画装置を制御する表示制御装置であって、一の項目に関連付けられた前記複数のサブ項目の数に応じて大きさが異なるサブ項目表示範囲が、前記グラフィック画像で決められた実際に表示可能な所定の実表示範囲を超えている場合、前記サブ項目表示範囲内の前記実表示範囲の位置が相対的に変更されたときに引き続き同じデータを利用可能にするために、前記実表示範囲で表示可能な数を超える数の前記サブ項目のデータを、当該実表示範囲の前記合成に先立って予め前記グラフィック描画部に送出するデータ送出制御部を有する。
本発明によれば、メニュー表示画面上での操作から、その操作に応じたグラフィック表示がされるまでの応答性がよく、処理効率も高い電子機器および表示制御装置を提供することが可能である。
本発明は、ディスプレイを備える電子機器、たとえばテレビジョン受像機、コンピュータ、あるいは携帯情報端末等に広く適用できる。
以下、たとえばテレビジョン受像機等に採用され、制御手段としての複数のCPUが、機能ブロック(以下、モジュールという)に分散配置されている場合を例として、本発明の実施形態を説明する。
図1に、本電子機器(テレビジョン受像機)のシステム構成図を示す。
本テレビジョン受像機1において、ディスプレイ2および複数のモジュールが、バスライン8に接続されている。
複数のモジュールは、「表示制御部」または「表示制御装置」の一実施例としてのグラフィック制御モジュール3と、グラフィック制御モジュール3の制御によりディスプレイ2にグラフィック画像を描画するための「グラフィック描画部」としてのグラフィック描画モジュール4とを含む。
他のモジュール5〜7としては、受信、信号処理、電源制御などの機能を担当するものが、それぞれバスライン8に接続されている。
図2に、メニュー表示の階層構造を模式的に図解して示す。これは、図1に示すディスプレイ2にメニュー表示するためのOSD(On-Screen-display)画像データの階層構造を示すものであり、グラフィック描画モジュール4に接続されたROM41内に、ユーザにより変更不可能なグラフィック画像として予め内蔵されている。
図解した階層構造のメニュー表示は、ユーザがリモートコントローラ(不図示)のメニューボタンを押すことによって開始され、図2に示すように、最初に、第1階層のメインメニュー画面が現れる。
メインメニュー画面は、任意の複数N個の項目1,…,項目Nを含む。各項目は当該テレビジョン受像機の設定および調整のための機能選択項目であり、たとえば「画質調整」、「音声調整」、「日時設定」、「チャンネル設定」、「バックライト調整」などの機能表示をともなう。
ユーザ操作により、ハイライトエリアを移動させ、メインメニュー画面の項目が一つ選ばれると、その項目がハイライトから特定色に変化し、選択されたことが識別可能になるとともに、第1階層より1階層下位の第2階層のサブメニュー画面が現れる。
本例では、第2階層のサブメニュー画面が調整画面となっている。たとえばメインメニュー画面の項目1が画質調整の場合、「コントラスト」、「濃度」、「色合い」といった画質調整メニューが割り当てられた複数個(ここでは3個)のサブ項目1−1,1−2,1−3を、このサブメニュー画面に含む。
サブ項目1−1,1−2,1−3の各々に、ユーザにより設定および変更が可能なデータ(ユーザデータ)を有している。図2では、各サブ項目にユーザデータの値(ユーザ値)が対応付けられているが、このユーザ値は必ずしも画面表示されるとは限らない。画面表示は、正または負の数値、バー表示、機能選択表示(ON/OFF)等の文字であるが、ユーザ値としては、数値やフラグデータとして、各サブ項目に関連付けられたユーザデータが保持されている。
他の項目、たとえば項目Nにも同様にサブ項目とユーザデータが割り当てられているが、サブ項目数は任意である。
このような階層構造のメニュー表示がディスプレイに表示された状態で、ユーザ操作により、各項目の指示、たとえば強調表示領域(ハイライトエリア)の移動や項目選択(決定ボタン操作)等を行い、所望の調整項目で、画質調整等のメニューを表示させ、画質調整のユーザデータを初期値から変更して画質調整が実行される。
このユーザ操作に応じた、ハイライトエリアの移動、項目の選択、ユーザデータの設定または変更は、いずれも図1に示すグラフィック制御モジュール3内のCPUからのコマンドを、バスライン8を介してグラフィック描画モジュール4に送り、その内部のCPUでコマンドを解釈するオンデマンド動作により実行される。グラフィック制御モジュール3内のCPU(表示制御CPU)は、本発明の「表示制御装置」の一実施例に該当する。
図3は、グラフィック制御モジュール3、グラフィック描画モジュール4、ディスプレイ2の間のメニュー表示時の制御の流れを示すブロック図である。この図では省略しているが、とくに、モジュール間、モジュールとディスプレイ間は図1に示すバスライン8を介して、コマンドやデータのやり取りが行われる。
グラフィック制御モジュール3に、リモコン信号をデコードするデコーダ31が接続されている。また、グラフィック制御モジュール3には、図1にも示すように、ユーザデータ書き換え可能に格納されているデータ格納部としての書き換え可能なメモリ、たとえばRAM32が接続されている。なお、RAM32には、ハイライトエリアのデータ(たとえば、初期の位置情報)、グラフィック画像データの識別情報ID、及び、各種コマンドを格納しておくこともできる。グラフィック制御モジュール3には、不図示のCPUを備えるが、その内部のレジスタなどの読み出し専用データ保持部に、これらのハイライトエリアのデータ、識別情報ID、及び、各種コマンドを保持することも可能である。
<逐次、コマンド送出を伴うユーザデータ送出処理>
つぎに、参考のために、テレビジョン受像機の基本的なメニュー表示動作を、画質調整を例とし、図2および図3を用いて説明する。なお、ここで説明する表示動作は、とくにユーザデータを逐一送る場合であり、本発明の適用前の動作であることに注意を要する。
不図示のリモートコントローラ等で、ユーザはテレビジョン受像機を操作する。図3では、この操作を「ユーザ操作100」によって模式的に示す。
ユーザ操作100に応じて、不図示のリモートコントローラから赤外線により送られてきたリモコン信号が、ディスプレイ2に内蔵されている赤外線センサ等の受光部21により受信され、電気信号としてデコーダ31に入力される。デコーダ31でデコードされたリモコン信号は、グラフィック制御モジュール3に入力され、その内部のCPU(不図示)でユーザ操作100に応じたグラッフィック表示または制御のためのコマンドが発行される。
最初に、ユーザは、たとえばリモートコントローラ上のメニューボタン等(不図示)を押して、メニュー表示を要求する。それに対応したリモコン信号が受光部21、デコーダ31を経由してグラフィック制御モジュール3内のCPU(以下、表示制御CPUという)に送られる。表示制御CPUは、リモコン信号に応じて、たとえばRAM32からメニュー表示開始を示す表示コマンド、ハイライトエリアのデータおよびグラフィック画像データの識別情報IDを読み出して、グラフィック描画モジュール4に送る。グラフィック描画モジュール4内のCPU(以下、描画制御CPUという)は、この表示コマンドを解釈し、その結果に応じて、ROM41からメインメニュー画面(図2参照)のグラフィック画像を読み出し、ディスプレイ2上に表示させる。表示の初期設定では、ハイライトエリアが図2の項目1(画質調整)にある。
ユーザがメインメニュー画面を見て、リモートコントローラ上の4方向キー(不図示)を操作することができる。4方向キーは、右カーソル移動キー、左カーソル移動キー、上カーソル移動キーおよび下カーソル移動キーからと、中央の決定キーからなる。
ユーザは、たとえば下カーソル移動キーを操作することで、ハイライトエリアの移動が可能である。ここではハイライトエリアの移動はさせずに決定キーを押し、項目1が選択されたとする。
この操作に応じたリモコン信号がデコード後に表示制御CPUに入力されると、上記と同様に、サブメニュー表示のための表示コマンド、ハイライトエリアのデータおよび識別IDを描画制御CPUに送り、コマンド解釈後に、ROM41からサブメニュー画面(図2参照)のグラフィック画像を読み出し、ディスプレイ2上に表示させる。表示の初期設定では、ハイライトエリアが図2の項目1−1(コントラスト)にある。
ユーザがサブメニュー画面を見て、リモートコントローラ上の4方向キーを操作することができる。
ユーザは、たとえばサブ項目の順番にユーザデータの設定を行う場合、右カーソル移動キーを操作することで、ハイライトエリアのユーザ値A(輝度値)への移動が可能である。このユーザ操作に応じたリモコン信号がデコード後に表示制御CPUに入力され、ここでハイライトエリア移動コマンドと、そのデータを描画制御CPUに送り、コマンド解釈の結果に基づいてハイライトエリアの移動が実行される。このハイライトエリア移動の一連の処理を、以下、「ハイライト移動処理」という。
その後、ユーザがユーザ値Aをある値に設定する操作を行うと、同様に、この操作に応じたリモコン信号に基づいて、データ変更コマンドとユーザデータのグラフィック制御モジュール3からの送出が行われ、グラフィック描画モジュール4によりユーザ値Aの初期値からの変更(設定)が実行される。グラフィック制御モジュール3は、このときRAM32の初期値を新たなユーザ値で書き換えて更新する。これらユーザデータ変更の一例の処理を、以後、「ユーザデータ変更処理」という。
以後、同様にして、それぞれユーザ操作に基づく「ハイライト移動処理」と「ユーザデータ変更処理」とが繰り返されて、ユーザ値Bおよびユーザ値Cの表示が書き換えられる。
以上の表示動作では、項目選択、ユーザデータ送出、ハイライト移動のたびにコマンドが発行され、コマンド数が多くバスラインの通信量の増大につながる。バスラインは、他の機能にも利用され、その通信量を少しでも低減することが重要である。
<第1のユーザデータ送出処理方法>
このうちユーザデータ転送のためコマンドは削減可能であり、複数のサブ項目分だけ前もってユーザデータの送出を行うとよい。このユーザデータは、図1および図3に示す、データ取込バッファ42に蓄積されて、必要なときに読み出されてグラフィック描画に供せられる。
この1回に送出されるユーザデータ数(対応サブ項目数)は多ければ多いだけコマンド数削減に寄与できる。しかし、1回に送出されるユーザデータ数が多いと、その送出コマンドの解釈に時間がかかり、一瞬応答性が遅くなる場合がある。また、データ取込バッファ42の容量増大となり、その点で不利である。
これに対処するには、上位階層のメニュー画面のある項目が指定される度に、その強調表示(ハイライト)のためのコマンドと、その指定された項目に必要なユーザデータを送るためのコマンドとを送出するとよい。
この場合、たとえば上位階層のメニュー画面が表示された段階で一番上にある項目1を選択する場合は、2番目以降の項目の下位階層にユーザデータを有する場合でも、それらのユーザデータは送られない。このため、データ送出の無駄が無く、グラッフィック描画部内のデータ取込バッファも小さい記憶容量で済む。
<第2のユーザデータ送出処理方法>
この処理方法は、上記第1のユーザデータ送出処理方法の改善である。
ここで、一の項目の下位階層に関連付けられた全てのサブ項目を含む範囲を「サブ項目表示範囲」または「サブ項目リスト」という。また、上位階層の項目を選んだときにサブメニュー画面内で表示されるポップアップ画面の所定範囲を「実表示範囲」という。
上記方法ではコマンド数の低減が十分でなく、また、グラッフィック描画部内のCPUで、コマンド解釈するための処理負担のさらなる低減も必要な場合がある。
たとえば、図2では簡略化のため、3つのサブ項目しか示さないが、通常、数個から十数個のサブ項目が同一な「サブ項目リスト」にあることが多い。一方、「実表示範囲」は、ポップアップ画面を追加表示する場合は画像が重ならないようにするための要請から、また、ディスプレイの表示面積の制約等から余り大きくできないことがある。
具体的には、「実表示範囲」は、サブメニュー画面の画質調整のサブ項目1−1,1−2,1−3の表示範囲(サブ項目リスト)より狭いものとする。この「実表示範囲」は、グラフィック画像データで予め決められていることから、ユーザによる大きさ変更ができない。
図2の場合、画質調整用の「実表示範囲」は2つのサブ項目しか表示できず、最初は位置P0に位置している。したがって、このときサブ項目1−3は表示されていない。
ユーザがサブ項目1−3を選択したい場合、下カーソル移動キーをさらに一度押す。すると、「サブ項目リスト」が1サブ項目分、下にずれてスクロールされる。この「スクロール処理」も、前述した他の処理と同様、リモコン信号に基づくコマンド発行とその解釈によって行われる。
その結果、図2に示すように「実表示範囲」の位置がP0からP1に移動し、これによってサブ項目1−1の選択が可能となる。調整終了後にメニューボタンをユーザが再度押すと、当該画質調整処理が終了しメニュー表示画面から脱する。
本例のように「実表示範囲」では全てのサブ項目表示ができない場合、スクロール等で、表示項目が一つ「実表示範囲」に対してずれると、「実表示範囲」に存在するサブ項目のユーザデータの組み合わせが変わるために、その都度ユーザデータを送るためのコマンドが送出される。したがって、スクロールを何度も行うと、さらにコマンド数が増えることになる。
第2のユーザデータ送出方法では、コマンド数を削減するために、「サブ項目リスト」が「実表示範囲」を超えている場合に限り、「サブ項目リスト」内の「実表示範囲」の位置が相対的に変更された、たとえばスクロール時に、引き続き同じユーザデータを利用可能にするために、「実表示範囲」の表示可能数を超える数のサブ項目数に対応したユーザデータを、項目1が選択されたときに予めグラフィック描画モジュール4に送出する。
たとえば、図2の場合、ユーザ値A〜Cまでを項目1が選択されたときに予め送出し、グラフィック描画モジュール4に接続されているROM41に保持しておく。その場合、「実表示範囲」の位置がP0からP1に変更された場合に、ROM41内のユーザ値Cを利用できることから、ユーザ値C送出処理が不要であり、コマンドが削減される。
なお、第2のユーザデータ送出方法で1度に送出するユーザデータの規模は、その下限が(「実表示範囲」のサブ項目数+1)に対応する数(図2の場合)、その上限が「サブ項目リスト」内の全てのサブ項目に対応する数であり、その上限と下限との間の何れの数に設定するかは、コマンド数の削減利益と、一度に送出するデータ規模が増えることによりコマンド解釈の処理負担が増える不利益とを勘案して、最適なものに決定することが望ましい。また、このとき、ユーザ値を持つ項目と持たない項目とが混在している階層が存在することは構わない。
<第3のユーザデータ送出方法>
第3のユーザデータ送出方法では、図3に示すデータ取込バッファ42を2つ設け、それに交互に、1度に送出されてくるユーザデータ群を保存する。このとき既に保存されているデータ群は新たなデータ群で書き換わることから、現在グラフィック描画に用いているデータ群と、それより1回前に用いたデータ群は残されていることになる。
ユーザが画質調整項目を順に設定している場合、既に設定した項目を再度変更して調整項目間でバランスをとって全体として画質を向上させたい場合がある。そのような場合、バランスを取りたい項目は、ともに画質調整項目に属し配置が近いことが多い。
本方法は、ハイライトエリアを今でと逆にスクロールしても一定の範囲までなら、データ取込バッファ42に保存されているユーザデータをコマンド数の増加なしに利用できる利点がある。
<表示制御フロー>
図4は、上記3つの方法に共通な表示制御のフローチャートである。図4に示す判断および処理は、図3のグラフィック制御モジュール3が、表示制御CPU内のプログラムに従って実行する。
メニューボタンが操作されたことをトリガに、当該表示制御が開始される。
ステップST1では、「サブ項目リスト」内にユーザデータを含むかを調べる。
グラフィック制御モジュール3は、現在メニュー画面がどのような表示となっているかを、過去のカーソル移動情報および決定キー操作の情報で把握していることから、送られてきた決定キーの操作情報により、つぎに表示されるメニュー画面が、メインメニュー画面なのか、その下位のサブメニュー画面なのか、さらにその下の調整メニュー画面なのかが判断できる。したがって、現在表示中のサブ項目範囲にユーザデータを含むかの判断が可能である。
メニューボタン操作直後の最初は、図2に示すメインメニュー画面であることが明らかなので、この判断が「No」となり、処理フローがステップST5にスキップし、ここでメニューボタン操作を知らせるコマンドを送出して、つぎのステップST6でキー操作やデータ入力の待ち状態となる。
何らかの入力がありステップST6が「Yes」となると、その入力が決定キーの操作、カーソル移動キーの操作、データ入力であるかに応じて次のフローが異なる。データ入力の場合はステップST4にフローが戻るが、メインメニュー画面の場合はデータ入力があり得ないので、この選択肢はない。
カーソル移動キーが操作された場合は、ステップST8でコマンドを送出し、再び入力の待ち状態となる(ステップST6)。したがって、カーソル移動キーが操作される度に、このループが回り、最終的には決定キー操作が検出されると、このループを抜ける。
決定キーが操作されると、図2の「項目1」(カーソル移動後は、その移動後の「項目2」以降の項目)が選択されたことになるので、ステップST7でコマンドを送出し、ステップST1に戻る。
サブメニュー画面でステップST1の判断が「Yes」となるのは、たとえば図2に示す項目1−1と1−2が「実表示範囲」に表示されている場合、あるいは、項目1−2と1−3が「実表示範囲」に表示されている場合である。したがって、処理フローが次のステップST2に進み、ここで表示に必要なユーザデータが図3のデータ取込バッファ42に保持されているかを判断する。
この判断では、該当するユーザデータを未だ送ってない場合は「No」、送出済みの場合は「Yes」となる。
未送出の場合、データ入力の待ち状態となり(ステップST3)、データ入力が在ると、ユーザデータとグラフィック画像データの識別情報IDとをリンクさせて(ステップST4)、コマンドとユーザデータを送出する(ステップST5)。
その後、つぎの調整のための操作待ち状態となる(ステップST6)。
前記ステップ2の判断が「Yes」となるのは、調整項目が「実表示範囲」に表示されていないが、図3に示すデータ取込バッファ42にデータが保持されている場合である。この場合、ステップST6に処理フローがスキップし、データおよびコマンドの送出が省略される。
なお、図4にはスクロールにより表示範囲の変更処理は省略されている。この処理は、ステップST8の前で、当該カーソル移動キー操作の回数等で判断され、その後、識別情報IDとの新たなリンクを行ってコマンドを送出することにより実行される。
以上の何れかのタイミングで再度、メニューボタンが操作されたことが検出されると(ステップST9)、メニュー表示が終了する。なお、この終了にもコマンドが発生する。
なお、決定ボタンで項目を選択するとしたが、右カーソル移動キーの操作で下位階層への移動を行ってもよい。
本実施形態によれば、コマンド数が減少するため、モジュール間をつなぐバスライン上のデータ通信量を抑えることができる。バスラインの混雑はCPUの待機時間を増やして、装置全体の応答性を低下させるが、本実施形態では応答性を改善できる。
また、ROMアクセス時間、コマンド送信時間、コマンド処理時間を短縮することができるため、レスポンスがよくなりユーザ操作感が向上する。たとえば、ユーザが見たい項目がリストの一番下にあった場合、従来では7秒かかってしまうところが5秒で表示することができるようになる。
電子機器のシステム構成図である。 メニュー表示の階層構造を模式図である。 メニュー表示時の制御の流れを示すブロック図である。 表示制御のフローチャートである。
符号の説明
1…電子機器、2…ディスプレイ、3…グラフィック制御モジュール、4…グラフィック描画モジュール、8…バスライン、21…受光部、31…デコーダ、32…RAM、41…ROM、42…データ取込バッファ

Claims (6)

  1. ディスプレイを備え、当該ディスプレイのメニュー表示内で、一の階層の各項目に対して下位の階層に属する複数のサブ項目が関連付けられている電子機器であって、
    ユーザにより設定および変更が可能な前記サブ項目のデータを、ユーザにより変更不可能なグラフィック画像に合成して前記ディスプレイに表示させるグラフィック描画部と、
    一の項目に関連付けられた前記複数のサブ項目の数に応じて大きさが異なるサブ項目表示範囲が、前記グラフィック画像で決められた実際に表示可能な所定の実表示範囲を超えている場合、前記サブ項目表示範囲内の前記実表示範囲の位置が相対的に変更されたときに引き続き同じデータを利用可能にするために、前記実表示範囲で表示可能な数を超える数の前記サブ項目のデータを、当該実表示範囲の前記合成に先立って予め前記グラフィック描画部に送出する表示制御部と、
    を有する電子機器。
  2. 前記表示制御部が、ユーザ操作に基づいて、前記実表示範囲に実際に表示される前記サブ項目表示範囲のサブ項目をスクロール表示させるためのコマンドを発行したときに、当該コマンドに対応して、前記グラフィック描画部が、前記サブ項目表示範囲内の前記実表示範囲の位置を相対的に変更し、新たな位置の実表示範囲に表示すべきサブ項目のデータを、当該新たな位置に対応するグラフィック画像に再合成する
    請求項1に記載の電子機器。
  3. 前記表示制御部が、前記データをユーザが書き換え可能に格納されているデータ格納部を有し、
    前記グラフィック描画部が、前記データ格納部から読み出されて送出されたデータを一時的に保持するデータ取込バッファを有し、
    1回で送出されるデータ数の上限が、前記データ取込バッファの容量に規制されている
    請求項1に記載の電子機器。
  4. 前記グラフィック描画部が前記データ取込バッファを2つ備え、当該2つのデータ取込バッファを、前記1回で送出されるデータの取り込み用として交互に用いる
    請求項3に記載の電子機器。
  5. 前記グラフィック描画部と表示制御部に各々CPUを内蔵し、当該2つのCPUがバスを介して接続されている
    請求項1に記載の電子機器。
  6. ユーザにより設定および変更が可能な前記サブ項目のデータを、ユーザにより変更不可能なグラフィック画像に合成してディスプレイに表示させるグラフィック描画装置を制御する表示制御装置であって、
    一の項目に関連付けられた前記複数のサブ項目の数に応じて大きさが異なるサブ項目表示範囲が、前記グラフィック画像で決められた実際に表示可能な所定の実表示範囲を超えている場合、前記サブ項目表示範囲内の前記実表示範囲の位置が相対的に変更されたときに引き続き同じデータを利用可能にするために、前記実表示範囲で表示可能な数を超える数の前記サブ項目のデータを、当該実表示範囲の前記合成に先立って予め前記グラフィック描画部に送出するデータ送出制御部を有する
    表示制御装置。
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