JP2006348334A - ハース機構及びハース交換装置 - Google Patents

ハース機構及びハース交換装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2006348334A
JP2006348334A JP2005174038A JP2005174038A JP2006348334A JP 2006348334 A JP2006348334 A JP 2006348334A JP 2005174038 A JP2005174038 A JP 2005174038A JP 2005174038 A JP2005174038 A JP 2005174038A JP 2006348334 A JP2006348334 A JP 2006348334A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
hearth
tip member
film forming
forming material
base
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2005174038A
Other languages
English (en)
Inventor
Itsushi Iio
逸史 飯尾
Yoshihiro Ushigami
善博 牛神
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Heavy Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Heavy Industries Ltd filed Critical Sumitomo Heavy Industries Ltd
Priority to JP2005174038A priority Critical patent/JP2006348334A/ja
Publication of JP2006348334A publication Critical patent/JP2006348334A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Physical Vapour Deposition (AREA)

Abstract

【課題】 成膜装置において、ハースの消耗部分を容易に交換可能なハース機構及びハース交換装置を提供する。
【解決手段】 ハース機構2は、ハース2a、基礎部材2b、及びカバー2cを備える。ハース2aは、成膜材料Maを挿通させるための貫通孔21aを有するハース基部21と、ハース基部21の貫通孔21aと連通して成膜材料Maを挿通させるための貫通孔22aを有し、ハース基部21上に載置されたハース先端部材22とに分かれて構成されている。プラズマPによる消耗はハース2aの先端に主に発生するので、消耗したハース先端部材22をハース基部21から取り除き、交換用のハース先端部材22をハース基部21上に載置することにより、容易にハース2aの消耗部分を交換できる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、ハース機構及びハース交換装置に関するものである。
被処理物の表面に成膜材料を成膜する装置として、例えば、真空容器内において成膜材料にプラズマ照射を行うことによって成膜材料を蒸発させてイオン化し、被処理物の表面にイオン化した該成膜材料を付着させて成膜するイオンプレーティング装置がある。この装置では、成膜材料を保持するハースを陽極として機能させてプラズマを誘導するため、ハースの先端部分が徐々に消耗する。従って、定期的にハースを交換する必要がある。
なお、このようなイオンプレーティング装置については、例えば特許文献1に記載されている。
特開2001−000854
通常、ハースは真空容器内においてボルト等により強固に固定されており、容易には取り外すことができない。従って、従来の成膜装置においては、消耗したハースを交換する際に、真空容器の真空状態を解除した上で交換作業を行っていた。このため、真空容器の真空状態を維持しながらの連続成膜作業を中断することとなり、生産効率を低下させる一因となっていた。
本発明は、上記した問題点を鑑みてなされたものであり、成膜装置において、ハースの消耗部分を容易に交換可能なハース機構及びハース交換装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明によるハース機構は、成膜装置の真空容器内において成膜材料を保持するためのハース機構であって、成膜材料を挿通させるための貫通孔を有するハース基部と、ハース基部の貫通孔と連通して成膜材料を挿通させるための貫通孔を有し、ハース基部上に載置されたハース先端部材と、ハース先端部材をハース基部上に留める係止機構とを備えることを特徴とする。
上記したハース機構では、ハース先端部材がハース基部上に載置されている。プラズマによるハースの消耗はハースの先端部分に主に生じるので、このハース機構によれば、消耗したハース先端部材をハース基部から取り除き、交換用の新しいハース先端部材をハース基部上に載置することにより、容易にハースの消耗部分を交換できる。また、上記したハース機構では、係止機構がハース先端部材をハース基部上に留めるので、例えば成膜材料がその消費に応じて下方から順次押し出される場合等において、ハース先端部材の浮き上がりを防止できる。また、ハース先端部材を係止するだけなので、例えば真空容器の真空状態を維持しながら容易に交換できる。
また、ハース機構は、ハース先端部材の側面に凸状部分が設けられており、係止機構がハース先端部材の凸状部分を係止することを特徴としてもよい。これにより、係止機構がハース先端部材をハース基部上に確実に留めることができる。
また、ハース機構は、係止機構が、貫通孔の貫通方向と交差する軸周りに回動可能に支持されるとともに、ハース先端部材の凸状部分を係止する鉤部を有する係止部材と、真空容器外からの操作入力に応じて係止部材を回動させる伝達機構とを更に備えることを特徴としてもよい。これにより、ハース先端部材の凸状部分を好適に係止できる。
また、本発明によるハース交換装置は、上記したいずれかのハース機構におけるハース先端部材を真空容器内において交換するためのハース交換装置であって、真空容器の内部に設けられハース先端部材を把持する把持部、及び真空容器の外部に設けられ把持部の位置を制御するための操作部を有するハンドリング機構と、真空容器の内部に設けられハース先端部材を保管する保管部とを備えることを特徴とする。
上記したハース交換装置を用いてハース先端部材を交換する際には、まず、消耗したハース先端部材をハンドリング機構の把持部によって把持し、操作部を操作して、このハース先端部材を保管部上へ移送する。そして、保管部上に予め用意された交換用のハース先端部材を把持部によって把持し、操作部を操作して、このハース先端部材をハース基部上に載置する。
このように、上記したハース交換装置によれば、ハース基部上に載置されたハース先端部材を容易に交換できる。また、ハンドリング機構の操作部が真空容器外に設けられているので、真空容器の真空状態を維持したままハース先端部材を容易に交換できる。
本発明によるハース機構及びハース交換装置によれば、成膜装置において、ハースの消耗部分を容易に交換できる。
以下、添付図面を参照しながら本発明によるハース機構及びハース交換装置の実施の形態を詳細に説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
図1は、本発明によるハース機構及びハース交換装置を備えた成膜装置の一実施形態の構成を示す側面断面図である。本実施形態の成膜装置1は、いわゆるイオンプレーティング法に用いられるイオンプレーティング装置である。なお、図1には、説明を容易にする為にXYZ直交座標系も示されている。
本実施形態の成膜装置1は、ハース機構2、搬送機構3、補助陽極6、プラズマ源7、真空ポンプ8、及び真空容器10を備える。
真空容器10は、成膜対象である被処理物11を搬送するための搬送室10aと、成膜材料Maを拡散させる成膜室10bと、プラズマ源7から照射されるプラズマPを真空容器10内へ受け入れるプラズマ口10cと、真空ポンプ8が取り付けられるポンプ室10dとを有する。搬送室10aは、所定の搬送方向(図中の矢印A)に延びており、成膜室10b上に配置されている。本実施形態においては、搬送方向(矢印A)はX軸に沿って設定されている。また、真空容器10は、導電性の材料からなり接地電位に接続されている。
搬送機構3は、成膜材料Maと対向した状態で被処理物11を保持する被処理物保持部材32を搬送方向(矢印A)に搬送する。搬送機構3は、搬送室10a内に設置された複数の搬送ローラ31によって構成されている。搬送ローラ31は、搬送方向(矢印A)に沿って等間隔で並んでおり、被処理物保持部材32を支持しつつ搬送方向に搬送することができる。なお、被処理物11としては、例えばガラス基板やプラスチック基板などの板状部材が例示される。
プラズマ源7は、圧力勾配型であり、その本体部分が成膜室10bの側壁(プラズマ口10c)に設けられている。プラズマ源7において生成されたプラズマPは、プラズマ口10cから成膜室10b内へ出射される。プラズマPは、プラズマ口10cに設けられた図示しないステアリングコイルによって出射方向が制御される。
ハース機構2は、成膜材料Maを保持するための機構である。ハース機構2は、真空容器10の成膜室10b内に設けられ、搬送機構3から見てZ軸方向の負方向に配置されている。ハース機構2は、プラズマ源7から出射されたプラズマPを成膜材料Maへ導く主陽極であるハース(主ハース)2aと、ハース2aを支持する基礎部材2bとを有する。ハース2aは、接地電位である真空容器10に対して正電位に保たれており、プラズマPを吸引する。プラズマPが入射するハース2aの中央部には、成膜材料Maを装填するための貫通孔が形成されている。そして、成膜材料Maの先端部分が、この貫通孔の一端において露出している。
補助陽極6は、プラズマPを誘導するための電磁石である。補助陽極6は、成膜材料Maを保持するハース2aの周囲に配置されており、環状の容器、並びに該容器内に収容されたコイル6a及び永久磁石6bを有する。コイル6a及び永久磁石6bは、コイル6aに流れる電流量に応じて、ハース2aに入射するプラズマPの向きを制御する。
成膜材料Maとしては、SiOやSiONなどの絶縁材料が例示される。成膜材料Maが絶縁性物質からなる場合、ハース2aにプラズマPが照射されると、プラズマPからの電流によってハース2aが加熱され、成膜材料Maの先端部分が蒸発して成膜材料粒子Mbが成膜室10b内に拡散する。なお、成膜材料Maが絶縁性物質からなる場合、ハース2aは、例えばタングステンなどの導電性金属材料からなることが好ましい。
成膜室10b内の下方で蒸発した成膜材料粒子Mbは、プラズマPによりイオン化されて拡散し、成膜室10bの上方(Z軸正方向)へ移動し、搬送室10a内において被処理物11の表面に付着する。なお、成膜材料Maは、所定長さの略円柱状の固体に成形されており、一度に複数の成膜材料Maがハース機構2にセットされる。そして、最上部の成膜材料Maの先端部分がハース2aの上端との所定の位置関係を保つように、成膜材料Maの消費に応じて、成膜材料Maがハース機構2の下方から順次押し出される。
また、ハース機構2は、ハース2aの周囲に配置されたカバー2cを更に有する。このカバー2cは、成膜材料Maが成膜時にハース2aの周囲に堆積することによるハース2aと補助陽極6との短絡を防止するために設けられる。
次に、図1を参照しながら、成膜装置1を用いた成膜方法について説明する。まず、ハース2aへ成膜材料Maを装着するとともに、被処理物11を保持した被処理物保持部材32を搬送機構3に複数セットする。そして、真空容器10内を真空状態にする。
続いて、接地電位にある真空容器10を挟んで、負電圧をプラズマ源7に、正電圧をハース2aに印加して放電を生じさせ、プラズマPを生成する。プラズマPは、補助陽極6に案内されてハース2aへ照射される。本方法では、被処理物保持部材32を搬送方向(矢印A)に搬送しつつ、このようにプラズマPをハース2aへ照射する。プラズマPに曝されたハース2aは徐々に加熱され、この熱によりハース2aに保持された成膜材料Maも同時に加熱される。成膜材料Maが十分に加熱されると、成膜材料Maが昇華してイオン化され、成膜材料粒子Mbとなって成膜室10b内に拡散する。成膜室10b内に拡散した成膜材料粒子Mbは、成膜室10b内をZ軸方向の正方向に上昇し、被処理物11に向けて飛翔する。
他方、被処理物11は、搬送機構3によって搬送されて成膜室10bの上方に達し、成膜室10b内を拡散している成膜材料粒子Mbに曝される。そして、ハース2aと対向する被処理物11の成膜面に、成膜室10b内に拡散した成膜材料粒子Mbのイオン化粒子が膜状に付着する。被処理物11が一定速度で搬送されながら成膜材料粒子Mbに所定時間曝されることにより、被処理物11の表面に所定の厚さの膜が形成される。こうして、被処理物11の表面に所望の膜が形成される。
図2は、ハース2a及びその付近の構造を詳細に示す側面断面図である。図2を参照すると、ハース2aは、基礎部材2b上に固定されたハース基部21と、ハース基部21上に載置されたハース先端部材22とを有する。
ハース基部21は、軸線Cを中心軸とする円筒状の部材である。ハース基部21は、成膜材料Maを挿通するための貫通孔21aを有する。また、基礎部材2bには、成膜材料Maを挿通するための貫通孔20aが形成されており、ハース基部21は、貫通孔21aと貫通孔20aとが連通するように、基礎部材2bの主面20b上に載置され、図示しないボルトによって基礎部材2bに固定されている。また、ハース基部21の上端面における貫通孔21aの開口部には、凹状の嵌合部21bが形成されている。
ハース先端部材22は、軸線Cを中心軸とする円筒状の部材である。ハース先端部材22は、成膜材料Maを挿通するための貫通孔22aを有する。ハース先端部材22は、その貫通孔22aとハース基部21の貫通孔21aとが互いに連通するように、ハース基部21の上端面上に載置されている。また、ハース先端部材22の外径は、ハース基部21の外径よりも小さい。
また、ハース基部21と接する側のハース先端部材22の端面(下端面)における貫通孔22aの開口部には、凸状の嵌合部22bが形成されている。この凸状の嵌合部22bは、ハース先端部材22がハース基部21上に載置される際に、ハース基部21に対する位置合わせのためにハース基部21の凹状の嵌合部21bと嵌合される。なお、本実施形態では嵌合部21b及び22bはそれぞれ貫通孔21a及び22aの開口部に形成されているが、ハース基部21とハース先端部材22との位置合わせのための嵌合部は、ハース基部21とハース先端部材22とが接触する端面であれば様々な位置に形成できる。また、本実施形態ではハース基部21側の嵌合部21bが凹状に、ハース先端部材22側の嵌合部22bが凸状にそれぞれ形成されているが、ハース基部側の嵌合部が凸状に、ハース先端部材側の嵌合部が凹状にそれぞれ形成されてもよい。
また、ハース先端部材22の外側面には、側方へ向けて突出した凸状部分22cが設けられている。本実施形態では、凸状部分22cがハース先端部材22の全周にわたって設けられており、凸状部分22cにおける外径が、ハース先端部材22の他の部分における外径よりも大きくなっている。
ハース機構2は、図2に示すように係止機構2dを更に有する。係止機構2dは、ハース先端部材22の凸状部分22cを係止してハース先端部材22をハース基部21上に留めるための機構である。係止機構2dは、係止部材23、支持棒24、移動部材25、並びに回転軸26及び27を含んで構成されている。
ここで、図3は、図2に示すハース機構2のIII−III線に沿った断面を示す平面断面図である。図2及び図3に示すように、支持棒24は、円柱状に形成されており、その中心軸線C(図3)の方向がハース先端部材22の中心軸線C(図2)の方向(すなわち貫通孔21a及び22aの貫通方向)と交差するように、ハース基部21の内部に形成された空洞内に配置されている。また、係止機構2dは支持棒24を4本有しており、各支持棒24は、図3に示すように貫通孔21aの周囲に等間隔に配置されている。そして、対向する支持棒24の中心軸線C同士は互いに平行になっており、隣り合う支持棒24の中心軸線C同士は互いに直交している。
また、図3に示すように、係止機構2dは係止部材23を4つ有する。各係止部材23は、ハース基部21の内部に形成された空洞内に配置されている。各係止部材23は、支持棒24が挿通される孔を有し、それぞれ対応する支持棒24によって中心軸線C周りに回動可能に支持されている。また、図2に示すように、係止部材23は、中心軸線Cに沿って上下方向に延びており、その上端付近(支持棒24よりも上方)に鉤部23aを、その下端付近(支持棒24よりも下方)に突起23b及び23cを有する。
鉤部23aは、ハース先端部材22の凸状部分22cを係止(係合)するための部分である。また、突起23b及び23cは、後述する移動部材25によって回動力を受けるための部分である。鉤部23aはハース先端部材22の凸状部分22cに係合する位置で、中心軸線Cへ向けて突出して設けられている。突起23b及び23cは、後述する移動部材25の凸状部分25bを挟む位置で、それぞれ中心軸線Cへ向けて突出して設けられている。
移動部材25、回転軸26及び27は、真空容器10(図1)の外部からの操作入力に応じて係止部材23を回動させるための伝達機構を構成している。このうち、移動部材25は、ハース基部21の内部に形成された空洞内に配置されており、貫通孔21aを構成するハース基部21の内壁21cの周囲を囲む円筒状に形成されている。また、円筒状の移動部材25の内面とハース基部21の内壁21cの外面とは互いに螺合されており、中心軸線C周りに移動部材25が回転すると、移動部材25がハース基部21に対して上下方向に移動するしくみになっている。
移動部材25の下端付近の外側面には、中心軸線Cを回転中心とする平歯車25aが設けられている。また、移動部材25の上端付近の外側面には、側方へ向けて突出した凸状部分25bが設けられている。凸状部分25bは、移動部材25の全周にわたって設けられており、凸状部分25bにおける外径が、移動部材25の他の部分における外径よりも大きくなっている。
移動部材25が、中心軸線C周りに回転することによって上昇すると、凸状部分25bは係止部材23の突起23bを上方へ押し上げる。これにより、係止部材23が回動してハース先端部材22の凸状部分22cから鉤部23aが離れ、ハース先端部材22に対する係止状態が解除される。また、移動部材25が、中心軸線C周りに逆回転することによって下降すると、凸状部分25bは係止部材23の突起23cを下方へ押し下げる。これにより、係止部材23が逆向きに回動して凸状部分22cに鉤部23aが係合し、ハース先端部材22が係止される。
回転軸26は、その中心軸線Cが中心軸線Cと平行な状態で、移動部材25の近傍に配置されている。また、回転軸26は、基礎部材2bに形成された貫通孔20cに挿通されており、この貫通孔20cに固定されたベアリング20dによって中心軸線C周りに回転可能に取り付けられている。回転軸26は、貫通孔20cよりも上方に平歯車26aを有する。平歯車26aは、回転軸26において移動部材25の平歯車25aと噛み合う位置に設けられている。また、回転軸26は、貫通孔20cよりも下方(本実施形態では下端)に傘歯車26bを有する。また、回転軸26の上端部は、耐熱ブッシュ21dにより回転可能に支持されている。耐熱ブッシュ21dは、回転軸26の平歯車駆動反力を受ける。
回転軸27は、回転軸26の中心軸線Cと直交する軸周りに回転可能に取り付けられている。回転軸27の一端には、回転軸26の傘歯車26bと噛み合う傘歯車27aが設けられている。また、回転軸27の他端は、真空容器10(図1)の外部に設けられた図示しないハンドルへ機械的に連結されており、作業者がハンドルを操作することによって、真空容器10の真空状態を維持したまま双方向に回転できるしくみになっている。
以上の構成を有する係止機構2dは、次のように動作する。ハース先端部材22をハース基部21に係止させる際には、作業者がハンドルを操作することによって回転軸27を一方向に回転させると、傘歯車26b及び27aによって回転動作が回転軸26へ伝達される。そして、回転軸26が回転すると、歯車25a及び26aによって回転動作が移動部材25へ伝達される。移動部材25はハース基部21の内壁21cの外側面と螺合しているので、移動部材25が回転すると、移動部材25が内壁21cの外側面に沿って上昇する。これにより、移動部材25の凸状部分25bが係止部材23の突起23bを押し上げ、係止部材23が支持棒24周りに回動して鉤部23aがハース先端部材22の凸状部分22cに係合する。こうして、ハース先端部材22がハース基部21に係止される。
また、ハース先端部材22の係止状態を解除する際には、作業者がハンドルを操作することによって回転軸27を逆方向に回転させると、回転軸26も逆回転し、移動部材25が内壁21cの外側面に沿って下降する。これにより、移動部材25の凸状部分25bが係止部材23の突起23cを押し下げ、係止部材23が支持棒24周りに逆向きに回動して鉤部23aがハース先端部材22の凸状部分22cから離れる。こうして、ハース先端部材22の係止状態が解除される。
なお、ハース機構2は、上記したハース2a、基礎部材2b、カバー2c、及び係止機構2dの他に、材料固定機構28及び保護部材29を更に有する。材料固定機構28は、成膜材料Maが下方へ落ちないように成膜材料Maを貫通孔20a〜21a内に固定するための機構である。材料固定機構28は、固定用部材28aを有する。固定用部材28aの一端28bは、回動可能にピン支持されるとともにばね等によって付勢されており、また、固定用部材28aの他端28cは、貫通孔20aの側壁に設けられた孔20eを通って成膜材料Maと接している。
また、保護部材29は、カバー2cの内側に堆積する成膜材料Maの堆積物が係止機構2dに侵入するのを防ぐための部材である。保護部材29は、ハース先端部材22の周囲を囲むようにハース基部21上に載置されており、係止機構2dを覆っている。
以上の構成を有する本実施形態のハース機構2により得られる効果について説明する。成膜装置1を用いた成膜工程においては、既述したように、複数の被処理物11(図1)を搬送しながらこれらの被処理物11に対して成膜する。また、ハース2aには複数の成膜材料Maを装着することが可能となっている。従って、真空容器10の真空状態を維持したまま長時間にわたって成膜作業を行うことができるが、長時間の成膜作業の結果、ハース2aの先端部分が徐々に消耗する。すなわち、ハース2aにプラズマPが入射することにより、微量ではあるが、成膜材料Maと同様にハース2aの先端部分が昇華してしまう。従って、長時間の成膜作業によってハース2aの先端部分が消耗し、陽極としての機能や成膜材料Maを保持する機能が損なわれてしまう。
従来の成膜装置においては、ハースは真空容器内においてボルト等により強固に固定されており、容易には取り外すことができないものであった。従って、消耗したハースを交換する際に、真空容器の真空状態を解除した上で交換作業を行っていた。このため、真空容器の真空状態を維持しながらの連続成膜作業を中断することとなり、生産効率を低下させる一因となっていた。
これに対し、本実施形態のハース機構2では、ハース2aがハース基部21とハース先端部材22とに分かれており、ハース先端部材22がハース基部21上に載置されている。プラズマPによる消耗はハース2aの先端部分に主に生じるので、消耗したハース先端部材22をハース基部21から取り除き、交換用のハース先端部材22をハース基部21上に載置することにより、容易にハース2aの消耗部分を交換できる。また、例えば後述するハンドリング機構等を用いることにより、真空容器10の外部からの操作によってハース先端部材22を交換することも容易なので、真空容器10の真空状態を維持したままハース2aの消耗部分を容易に交換できる。
また、本実施形態のように、ハース機構2は、ハース先端部材22の凸状部分22cを係止してハース先端部材22をハース基部21上に留める係止機構2dを備えることが好ましい。ハース先端部材22の貫通孔22aに挿通された成膜材料Maは、その消費に応じて下方から徐々に押し上げられるが、プラズマ放電の熱により成膜材料Maの表面が溶融すると、成膜材料Maと貫通孔22aとの間の摩擦力が増大し、ハース先端部材22に加わる下方からの突き上げ力も増大する。これに対し、ハース機構2が係止機構2dを備えることにより、成膜材料Maと貫通孔22aとの間の摩擦力が増大した場合でも、ハース先端部材22の浮き上がりを好適に防止できる。
また、本実施形態のように、ハース先端部材22の側面に凸状部分22cが設けられていることにより、係止機構2dがハース先端部材22をハース基部21上に確実に留めることができる。
次に、真空容器10の内部においてハース先端部材22を交換するためのハース交換装置について説明する。図4は、図1に示した成膜装置1のI−I線に沿った断面を示す側面断面図である。また、図5は、図1及び図4に示した成膜装置1のII−II線に沿った断面を示す平面断面図である。図4及び図5を参照すると、成膜装置1は、ハンドリング機構4及び先端部材保管機構5を更に備える。ハンドリング機構4及び先端部材保管機構5は、共に本実施形態におけるハース交換装置を構成している。なお、ハンドリング機構4は、成膜中は成膜室10bの側面に設けられた収容箱に収容されている。
ハンドリング機構4は、把持部4a、操作部4b、及び連結部4cを有する。把持部4aは、真空容器10の内部に設けられ、ハース先端部材22を把持するための部分である。把持部4aは、一対のロッド43及び44を含んで構成されている。ロッド43及び44は、互いに開閉可能なように連結部4cの一端に連結されており、先端が閉じることによってハース先端部材22を把持できる。
連結部4cは、真空容器10の内外にわたって延びており、真空容器10の側壁10fに設けられた孔に挿通されている。連結部4cは、ベローズ等の屈曲部材によって側壁10fに固定されており、側壁10fに対する角度を変化させることができる。また、連結部4cは、2本のシャフト42a及び42bを含んで構成されている。シャフト42aは円筒状に形成されており、その内部にシャフト42bが回動可能な状態で収容されている。更に、連結部4cは、シャフト42bの回動量に応じてロッド43及び44を開閉させる機構(不図示)を有している。
操作部4bは、把持部4aの位置を制御するための部分であり、ハンドル41a及び41bを含んで構成されている。ハンドル41a及び41bは、それぞれシャフト42a及び42bの他端(真空容器10の外部)に取り付けられている。作業者がハンドル41a及び41bを操作してシャフト42bをシャフト42aに対して回動させることにより、図5に示すように、ロッド43及び44が閉じてハース先端部材22を把持できる。
先端部材保管機構5は、真空容器10の内部においてハース先端部材22を保管するための機構である。先端部材保管機構5は、ハース先端部材22を保管する保管部5aと、保管部5aの位置を制御するための操作部であるハンドル5cと、保管部5aとハンドル5cとを互いに連結するリンク5bとを有する。
保管部5aは、ハース先端部材22を載置するための載置面を有する板状の部材であり、真空容器10の内部に設けられている。保管部5aの一端は、リンク5bの一端に回動可能な状態で支持されている。また、リンク5bの他端はポンプ室10dの底壁面に回動可能な状態で支持されている。これらの構成により、保管部5aはXY平面内において移動可能となっている。また、ハンドル5cは、保管部5a及びリンク5bと機械的に連結されており、保管部5aの位置を制御することができる。
以上の構成を有するハース交換装置を用いてハース先端部材22を交換する際には、上述した係止機構2dによる係止状態を解除した後、ハンドリング機構4の把持部4aを閉じて、消耗したハース先端部材22を把持する。そして、操作部4bを下方へ押し下げ、消耗したハース先端部材22を持ち上げる。続いて、先端部材保管機構5のハンドル5cを操作し、保管部5aを把持部4aの下に移動させる。その後、把持部4aを開いて、消耗したハース先端部材22を保管部5a上に載置する。
次に、保管部5a上に予め用意された交換用のハース先端部材22を把持部4aによって把持して持ち上げた後、保管部5aをポンプ室10d内へ待避させ、交換用のハース先端部材22をハース基部21上に載置する。そして、ハース先端部材22を係止機構2dによってハース基部21に係止するとともに、ハンドリング機構4を所定の収容箱内に待避させる。こうして、真空容器10の真空状態を維持したまま、消耗したハース先端部材22が交換される。
なお、本実施形態では、先端部材保管機構5の保管部5a及びリンク5bがポンプ室10d内に配置されているが、これらは真空容器10内部における他の好適な場所に配置されてもよい。また、保管部5a及びリンク5bがポンプ室10d内に配置される場合には、真空ポンプ8が取り付けられる開口10eを避けて配置されることが好ましい。また、保管部5aは、成膜材料粒子Mbからハース先端部材22を保護するための保護カバー(不図示)を有すればより好ましい。
上述したハース交換装置(ハンドリング機構4及び先端部材保管機構5)によれば、ハース基部21上に載置されたハース先端部材22を容易に交換できる。また、ハンドリング機構4の操作部4b及び先端部材保管機構5のハンドル5cが真空容器10の外部に設けられているので、真空容器10の真空状態を維持したままハース先端部材22を好適に交換できる。
本発明によるハース機構及びハース交換装置は、上記した実施形態に限られるものではなく、他に様々な変形が可能である。例えば、上記実施形態では本発明によるハース機構及びハース交換装置をイオンプレーティング装置に適用しているが、本発明の構成はこれ以外にも、ハース機構を備える様々な成膜装置(蒸着装置)に適用できる。
本発明によるハース機構及びハース交換装置を備えた成膜装置の一実施形態の構成を示す側面断面図である。 ハース及びその付近の構造を詳細に示す側面断面図である。 図2に示すハース機構のIII−III線に沿った断面を示す平面断面図である。 図1に示した成膜装置のI−I線に沿った断面を示す側面断面図である。 図1及び図4に示した成膜装置1のII−II線に沿った断面を示す平面断面図である。
符号の説明
1…成膜装置、2…ハース機構、2a…ハース、2b…基礎部材、2c…カバー、2d…係止機構、3…搬送機構、4…ハンドリング機構、4a…把持部、4b…操作部、5…先端部材保管機構、5a…保管部、6…補助陽極、7…プラズマ源、8…真空ポンプ、10…真空容器、10a…搬送室、10b…成膜室、10d…ポンプ室、11…被処理物、21…ハース基部、22…ハース先端部材、21a,22a…貫通孔、23…係止部材、24…支持棒、25…移動部材、26,27…回転軸、31…搬送ローラ、32…被処理物保持部材、Ma…成膜材料、Mb…成膜材料粒子、P…プラズマ。

Claims (4)

  1. 成膜装置の真空容器内において成膜材料を保持するためのハース機構であって、
    前記成膜材料を挿通させるための貫通孔を有するハース基部と、
    前記ハース基部の前記貫通孔と連通して前記成膜材料を挿通させるための貫通孔を有し、前記ハース基部上に載置されたハース先端部材と、
    前記ハース先端部材を前記ハース基部上に留める係止機構と
    を備えることを特徴とする、ハース機構。
  2. 前記ハース先端部材の側面に凸状部分が設けられており、
    前記係止機構が前記ハース先端部材の前記凸状部分を係止することを特徴とする、請求項1に記載のハース機構。
  3. 前記係止機構が、
    前記貫通孔の貫通方向と交差する軸周りに回動可能に支持されるとともに、前記ハース先端部材の前記凸状部分を係止するための鉤部を有する係止部材と、
    前記真空容器外からの操作入力に応じて前記係止部材を回動させる伝達機構と
    を更に備えることを特徴とする、請求項2に記載のハース機構。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載のハース機構における前記ハース先端部材を前記真空容器内において交換するためのハース交換装置であって、
    前記真空容器の内部に設けられ前記ハース先端部材を把持する把持部、及び前記真空容器の外部に設けられ前記把持部の位置を制御するための操作部を有するハンドリング機構と、
    前記真空容器の内部に設けられ前記ハース先端部材を保管する保管部と
    を備えることを特徴とする、ハース交換装置。
JP2005174038A 2005-06-14 2005-06-14 ハース機構及びハース交換装置 Pending JP2006348334A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005174038A JP2006348334A (ja) 2005-06-14 2005-06-14 ハース機構及びハース交換装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005174038A JP2006348334A (ja) 2005-06-14 2005-06-14 ハース機構及びハース交換装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2006348334A true JP2006348334A (ja) 2006-12-28

Family

ID=37644480

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005174038A Pending JP2006348334A (ja) 2005-06-14 2005-06-14 ハース機構及びハース交換装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2006348334A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012207287A (ja) * 2011-03-30 2012-10-25 Sumitomo Heavy Ind Ltd 成膜装置
JP2013151727A (ja) * 2012-01-25 2013-08-08 Sumitomo Heavy Ind Ltd プラズマ蒸着装置の材料供給装置
KR101513192B1 (ko) 2012-11-09 2015-04-17 스미도모쥬기가이고교 가부시키가이샤 성막장치

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012207287A (ja) * 2011-03-30 2012-10-25 Sumitomo Heavy Ind Ltd 成膜装置
JP2013151727A (ja) * 2012-01-25 2013-08-08 Sumitomo Heavy Ind Ltd プラズマ蒸着装置の材料供給装置
KR101513192B1 (ko) 2012-11-09 2015-04-17 스미도모쥬기가이고교 가부시키가이샤 성막장치

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101985922B1 (ko) 캐리어에 의해 지지되는 기판 상에 하나 또는 그 초과의 층들을 증착하기 위한 시스템 및 그러한 시스템을 사용하는 방법
EP3080327A1 (en) Evaporation source for organic material, apparatus having an evaporation source for organic material, system having an evaporation deposition apparatus with an evaporation source for organic materials, and method for operating an evaporation source for organic material
JP2006249575A (ja) マルチ真空蒸着装置及び制御方法
JP5372144B2 (ja) 真空蒸着システム及び真空蒸着方法
JP2006348334A (ja) ハース機構及びハース交換装置
JP2006348318A (ja) ハース機構、ハンドリング機構、及び成膜装置
JP4781835B2 (ja) 成膜装置
JP4767605B2 (ja) ハース機構及び成膜装置
KR20060013735A (ko) 유기 el소자의 연속 증착용 연속 도가니 교환 장치
JP5902964B2 (ja) バッチ処理用に構成される縦型炉内に半導体基板を搬入する搬入装置及び搬入方法
JP2017501306A (ja) 磁電管構造体
TWI386499B (zh) 蒸鍍裝置
JP4772398B2 (ja) 成膜方法及び成膜装置
TW201333231A (zh) 用於連續沉積薄膜的設備
JP2014014816A (ja) 基板処理方法及び基板処理装置
JP2006346765A (ja) ハンドリング装置
JP4885903B2 (ja) 被成膜物の支持機構
JP2010013672A (ja) 薄膜形成装置および薄膜形成方法
KR101539624B1 (ko) 증착 물질 연속 공급장치 및 이를 이용한 하향식 내지문 코팅 증착 장치와 인라인 설비
WO2010089978A1 (ja) シャワー型気相成長装置及びその気相成長方法
JP5854206B2 (ja) 蒸着装置
JP2009235554A (ja) 成膜装置及び成膜方法
JP5779756B2 (ja) 蒸着装置
JP2007270280A (ja) 蒸着装置、有機el装置の製造方法、蒸着方法、及び蒸着用セル
JP2002047563A (ja) スパッタリング装置