JP2006348010A - 遊離基消去性機能水及びその製造方法 - Google Patents

遊離基消去性機能水及びその製造方法 Download PDF

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大悟 松岡
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久一 松井
Junzo Hirose
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Abstract

【目的】活性酸素等遊離基を消去する能力がある機能水の提供。
【解決手段】
原料水に浄水処理を施し、水素ガスを注入して分子状水素のバブルを生成し、所定の形状の白金コロイドと接触させて、分子状態の水素を活性化して、それにより、水中に発生する遊離基及び/またはヒトの皮膚の表皮または真皮層で発生する活性酸素等遊離基を還元させて消去する。

Description

本発明は、遊離基消去性機能水及びその製造方法に関する。より詳細に述べれば、本発明は、皮膚に付着する活性酸素等遊離基を消去して、皮膚疾患の予防及び/又は治療の補助的手段として皮膚の老化防止に資することができる遊離基消去性機能水及びその製造方法に関する。
近年、一重項酸素()、スーパーオキサイド(O )、過酸化水素(H)、及びヒドロキシルラジカル(OH・)等活性酸素等遊離基が、生体分子のDNA、細胞膜、多価不飽和脂肪酸、酵素等に酸化障害を与え、それが様々の疾患を惹起すると言われている。
なお、本明細書では、一重項酸素()、スーパーオキサイド(O )、過酸化水素(H)、及びヒドロキシルラジカル(OH・)等活性酸素等遊離基を、上位概念で単に「遊離基」と総称する場合がある。
本発明の機能水は、飲用に共するものではなく、主として皮膚と接触させて、皮膚の角質層或いは浅い真皮層に存在する活性酸素を消去することを目的とするものである。従って、以下、皮膚に発生する活性酸素とその影響に関して説明する。
人体には健康を維持するためのさまざまな防御機能が働いている。皮膚もその機能を担っており、人体の最表面にあって、アレルゲンや有害物質、刺激物が体内に侵入するのを防止している。健康な人の皮膚の表面には角質層というかたい細胞の層があり、その上をさらに皮脂膜が覆っている。皮脂は人体から分泌される脂質である。角質層と皮脂膜で皮膚の表面をおおうことで、アレルゲンや有害物質、刺激物が外部から侵入するのを防止しており、同時に皮膚に含まれる水分が外に逃散するのを防止している。
人体のあらゆる細胞には水分が含まれ、水分が失われると、正常に機能することができなくなる。皮膚にも水分が含まれているので、皮膚の水分を逃散しないようにすることも必要で、皮膚がその機能を果たしている。水分を逃散しないようにする機能は皮膚の内部にもあり、角質細胞と角質細胞の間にあるセラミドと、角質細胞の中にある天然保湿因子である。
健康でみずみずしい皮膚は、皮脂膜、セラミド、及び天然保湿因子という3成分が正常に機能し、角質層の水分が適度に保持されている皮膚をいう。最近の研究により、アトピー性皮膚炎の人の皮膚は、炎症のない正常時でも、セラミドと天然保湿因子が不足していることが解明された。
また、皮膚は、体を日光から保護する役割を担っている。日光に含まれる紫外線は皮膚に最も強い影響を与える。紫外線は、可視光線より波長が短くX線より波長が長い、即ち波長が1nm〜390nmの範囲の電磁波である。
紫外線は、皮膚に作用してビタミンDの産生を促す機能があるので、少量なら有益である。然しながら、大量に浴びると、生体に深刻な悪影響を与える。
紫外線(Ultraviolet rays)には、波長の長いものからA波(以下、「UVA」と略記する)、B波(同、「UVB」)、C波(同、「UVC」)がある。波長が短いほどエネルギーが強く、UVBはUVAの1000倍の強さがある。UVCは、途中のオゾン層により吸収されるので、地上には到達しない。
波長が長いUVAは、真皮の奥深く基底層まで浸透し、波長が短いUVBは表皮の浅い箇所にとどまる。真皮の奥深く基底層まで浸透したUVAも、表皮の浅い箇所にとどまる。またUVBも、皮膚を構成する細胞の内外に存在する水分子に作用すると正負の水分子イオンを発生する。これらのイオンは更に分解してH、OHの安定イオンの他に、OH・、H・の遊離基を生成する。反応物質が無い場合は、これらの遊離基の間に、OH・+H・→HO(水)、H・+H・→H(水素ガス)、OH・+OH・→H(過酸化水素)のような反応がおこる。然しながら、反応物質が存在する場合には、OH・、H・、Hはそれらと反応し、その結果、生体内に様々な異常現象を起こす。たとえば、DNAに作用する場合は、脱アミノ、脱水素、塩基結合の分裂、塩基の開裂、糖の酸化、無機リンの遊離等を引き起こし、種々の疾病の原因となる。
具体的には、波長が長いUVAは皮膚の真皮にまで到達し、その箇所で、上述したメカニズムにより活性酸素を生成する。その活性酸素が、皮膚細胞を酸化して、繊維状タンパクであるコラーゲンやエラスチンを変性させる。このために、皮膚は、短期的には、本来の弾力性や保湿機能を失し、長期的には、皮膚細胞を遺伝子レベルで損傷させるほか、免疫力を低下させる。
また、波長が短いがエネルギーが大きなUVBは、皮膚の表皮で、上述したメカニズムにより活性酸素を生成する。その活性酸素が、皮膚表皮細胞を酸化して、やはり、繊維状タンパクであるコラーゲンやエラスチンを変性させる。このために、皮膚は、短期的には、本来の弾力性や保湿機能を失し、長期的には、皮膚細胞を遺伝子レベルで損傷させるほか、免疫力を低下させる。
上述したように、UVAおよびUVBは、普通量の照射でも健常者の皮膚の表皮または真皮層で活性酸素を発生させて、様々な皮膚疾患を惹起させるが、代謝異常、ビタミンやミネラル分の不足、特殊な食事、不適合な化粧品、ある種の抗不安薬、抗生物質、抗うつ薬、抗真菌薬、血糖降下剤、抗マラリヤ薬、抗精神病薬、利尿剤、化学療法剤、心臓薬、皮膚外用薬等の服用、アレルギー性疾患等様々の内因性、外因性要素によっては、それが一層増幅される場合がある。
現在、活性酸素が原因となる皮膚疾患の予防・治療には、紫外線を防止する衣類を着用して、日光の照射をできるだけ避けたり、日焼け止めを使用したり、光線過敏症にはヒドロキシクロロキンやステロイドの服用等対症療法によるものがほとんどで、入浴あるいはシャワー形式により体の全体を水溶液と接触させることにより、皮膚の表皮または真皮層に生成された活性酸素を消去する方法は提案されていない。
たとえば、特許文献1及び2は、アミノ酸含有入浴剤を開示しているが、この従来技術の目的は、肌のしっとり感、なめらか感、或いは爽快感を与えることで、本発明が目的とする活性酸素の消去を示唆するものではない。
特許文献3、4、5及び6は、水溶性高分子溶液に水溶性無機顔料を分散して、乾燥・粉砕した入浴剤を開示しているが、この従来技術の目的は、無機顔料特有の色調を出すことにより、入浴の心理的効果を高め、入浴の楽しさを演出することで、本発明が目的とする活性酸素の消去を示唆するものではない。
特許文献7は、タンニン酸含有入浴剤を開示しているが、この従来技術の目的は、タンニンを添加することにより、無機塩を主成分とした入浴剤よりも、入浴時のさっぱり感を発現することで、本発明が目的とする活性酸素の消去を示唆するものではない。
特許第3132131号 特開平6−199650号 特許第2570224号 特公平8−13735号 特開平5−97657号 特開平8−225442号 特開平6−256160号
ここで、アトピー性皮膚炎の治療に関して説明する。日本皮膚科学会アトピー性皮膚炎治療ガイドライン作成委員会が編纂した「アトピー性皮膚炎治療ガイドライン」では、アトピー性皮膚炎を「アトピー性皮膚炎は、増悪・寛解を繰り返す、痛痒のある湿疹を主病変とする疾患であり、患者の多くは▲1▼家族歴、既往歴(気管支喘息、アレルギー性鼻炎、結膜炎、アトピー性皮膚炎のうちのいずれか、或いは複数の疾患)、または▲2▼IgE抗体を発生し易いアトピー性素因もつ。」と定義しているように、病因及び病態も複雑多岐にわたっていることが理解される。
そして、前記「アトピー性皮膚炎治療ガイドライン」では、アトピー性皮膚炎の治療の目標を、▲1▼症状がない、あるいはあっても軽微であり、日常生活に支障がなく、薬物療法もあまり必要としないか、▲2▼軽微ないし軽度の症状は持続するが、急性に悪化することはまれで、悪化しても遷延することがない状態にもっていくこととしている。
そして、前記「アトピー性皮膚炎治療ガイドライン」をはじめアトピー性皮膚炎の研究と治療法にたずさわっている専門医が例外なく、アトピー性皮膚炎疾患者に対する生活指導として入浴、シャワーにより皮膚を清潔に保つことを推奨している。従って、入浴、シャワーにより皮膚を清潔に保つだけではなく、皮膚の表皮または真皮層に生成された活性酸素を消去することができれば、アトピー性皮膚炎疾患者に対する生活指導として一層有効と推断される。
但し、前記「アトピー性皮膚炎治療ガイドライン」が、アトピー性皮膚炎の治療の目標を、完治の他に、軽微或いは軽度の症状が持続している病態をも包含しているように、治療の目標も極めて幅が広く、治療が極めて困難なことが理解される。従って、本発明者は、本発明をアトピー性皮膚炎に適用することにより、アトピー性皮膚炎が完治するということを標榜するものでも、ましてやそれを保証するものではない。
従って、発明が解決しようとする課題は、一重項酸素()、スーパーオキサイド(O )、過酸化水素(H)、及びヒドロキシルラジカル(OH・)等活性酸素等遊離基を消去する能力がある機能水を提供することである。
発明が解決しようとする別の課題は、皮膚の表皮または真皮層に生成される一重項酸素()、スーパーオキサイド(O )、過酸化水素(H)、及びヒドロキシルラジカル(OH・)等活性酸素等遊離基を消去する能力がある機能水を提供することである。
発明が解決しようとするさらに別の課題は、入浴あるいはシャワーとして体の全体または一部と接触させることにより、皮膚の表皮または真皮層に生成された一重項酸素()、スーパーオキサイド(O )、過酸化水素(H)、及びヒドロキシルラジカル(OH・)等活性酸素等遊離基を消去する能力がある機能水を提供することである。
発明が解決しようとするさらに別の課題及び利点は、以下逐次明らかにされるであろう。
本発明者は理論に拘束されることを好まないが、課題を解決するための手段を策定するために、遊離基の発生、その作用、及び消去に関して以下のように理論的考察を行った。生体内に活性酸素等遊離基が発生する全ての原因は完全には解明されていない。然しながら、その一つとして、たとえば、紫外線が皮膚に照射されると、皮膚を構成する細胞の内外に存在する水分子に作用して、正負の水分子イオンを発生する。これらのイオンは更に分解してH、OHの安定イオンの他に、OH・、H・の遊離基を生成する。反応物質が無い場合は、これらの遊離基の間に、OH・+H・→HO(水)、H・+H・→H(水素ガス)、OH・+OH・→H(過酸化水素)のような反応がおこる。ところで、OH・、H・等遊離基は最外殻軌道に不対電子を有しているため、電子のスピンはうち消されずに残る。即ち、スピン角運動がゼロではなく、種々の磁気的性質を示す。たとえば、全ての電子が対をなしている分子は、反磁性を示すが、不対電子をもったものは常磁性を示す。通常、遊離基は、他の不対電子をもったものと電子対を作って結合し安定化しようとするために反応性が大きい。従って、生体内のように、周囲に反応物質が存在する場合には、OH・、H・、Hはそれらと反応し、その結果、生体内に様々な異常現象を起こす。たとえば、DNAに作用する場合は、脱アミノ、脱水素、塩基結合の分裂、塩基の開裂、糖の酸化、無機リンの遊離等を引き起こし、種々の疾病の原因となる。
ところで、人体を構成する元素は、酸素が66.0%、炭素が17.5%、水素が10.2%、窒素が2.4%で、総計96.1%、その余はミネラルである。酸素、炭素、水素、窒素で生成される物質は水と有機化合物である。ヒト男子では体重の約60%が、女子では約50%が水分で占められている。そして、体内水分量の約2/3は細胞内に存在し、細胞内液と呼ばれる。これに対して残余の1/3は細胞の外に存在し、細胞外液と呼ばれている。細胞外液の1/3が血液の水分(血漿)であり、2/3が組織液である。この他に少量の脳脊髄液、関節液、リンパ液が存在する。従って、人体のあらゆる箇所で上述した紫外線の作用により、OH・、H・等の遊離基が生成されているということができる。
次に、遊離基の消去法に関して、理論的考察を説明する。生体も熱力学の法則の例外ではなく、仕事をするためのエネルギーの尺度としての自由エネルギー(Gibbsの自由エネルギー)の変化、即ちΔG=ΔH−TΔS(ΔHはエンタルピー変化、Tは絶対温度、ΔSはエントロピー変化)で表される変化(単位J)が、生体エネルギーの出発点とされている。生体における自由エネルギー産生は、自然界における濃度変化よりは、そのほとんどが酸化還元反応における反応物質の酸化還元電位の差により放出される自由エネルギーによっている。ここに、酸化とは電子を失う反応、還元とは電子を得る反応である。たとえば、1/2H+Fe3+⇔H+Fe2+という反応は、1/2H−e→H(または、1/2H)H+e)という酸化反応と、Fe3++e→+Fe2+という還元反応に分けて考えることができる。この場合、酸化される、すなわち電子を失って他に与える1/2Hは、還元剤として働き、還元される、すなわち電子を受け取るFe3+は、酸化剤として働いているといういい方をする。また、一般的にAH+B⇔A+BHという水素の授受による酸化還元反応も、AH→A+H+eという酸化反応と、B+H+e→BHという還元反応に分解して考えることができる。水素の授受をH+eという電子の授受と見なすことができる。このように考えれば、電子の動きと水素の動きは等価と見なすことができる。
このように考えれば、活性酸素等遊離基を消去するには、それを原子状水素(H⇔H+e)により還元して安定化すればよいことになる。
ところで、共立出版株式会社発行「化学大辞典2」は、「活性水素」を、「放電、高熱、紫外線により水素分子の安定な共有結合が切れて、原子状水素が生成したため化学反応を起こしやすくなった水素をいう。また、いわゆる発生期状態の水素およびパラジウムやニッケルなど、還元触媒上の水素は原子状またはそれに近い状態にあると考えられ、反応性に富み、これらも広義の活性水素に含まれる。」と定義し、強力な還元作用を示すと説明している。
そこで、本発明者は、原料水(上水)にできるだけ大量の水素を吹き込んで溶存させ、白金族元素と接触させることを検討した。上水ではなく、水素を吹き込んで溶存させた理由は、通常の水道水、すなわち上水(pH=7.5,水温=約13℃)の溶存水素量は2.0〜2.6μg/lと極めて少量であり、連続的に生体内で生成される活性酸素等遊離基を消去するには不足しており、さらに酸化還元電位が+350mVと大きく、生体内での還元力が弱いからである。
但し、原料水に吹き込まれた水素は、分子状水素(H)で、原子状水素(H)ではないので、そのままでは、活性酸素等遊離基を還元する能力はない。そこで、本発明は、水素ガス気泡注入により製造した水を、現場(in site)で白金族元素と接触させることにより活性水素にして、活性酸素等遊離基を還元することを主旨とするものである。
本発明において、原料水に水素ガス気泡を注入する方法は特段に限定されない。たとえば、本発明者の一人が出願した特願2003−436591号明細書に記載した水素水製造装置を利用することができる。この概略を説明する。水素供給装置として、大容量の水素ボンベを使用すると、産業用大規模生産装置として利用できるが、水素充填圧力が0.98MPa以下のボンベを使用すると病院、家庭等小規模生産用として使用の範囲が拡大する。水素ガスの注入圧は、装置の規模によって変更されるが、たとえば、水素ガスの注入圧が0.1〜0.95MPaの範囲ならば、−550mVの酸化還元電位、0.5mg/lの溶存水素量が確保できる。水素ガスの注入時間は、たとえば、10秒〜10分、好ましくは2〜5分の範囲である。水素ガスの注入時間がこの範囲ならば、−620mVの酸化還元電位、1.5mg/lの溶存水素量が確保できる。水素ガスの注入時間が短過ぎると、電位が不安定であり、長すぎても、電位低下効果に特段の影響はなく、逆にコストを引き上げる。
原料水に、水素ガスを注入する場合、所定の孔径を有する細孔膜を利用して、径がそろった水素ガスバブルを形成して、水への溶解性、水中での滞留時間等を向上させることができる。この際、注意しなければならないことは、水素のバブルがナノサイズに成らないようにすることである。この理由は、水素のバブルがナノサイズになると、バブルの表面が帯電し、遊離基になることがあるからである。
本発明で使用する原料水は、通常の水道水、即ち上水でよい。但し、原料水を、所定の浄水装置を通過させることが好ましい。浄水装置としては、通常の活性炭、ポリメジック繊維、アクリル繊維、特殊フェノール樹脂繊維などを原料とした繊維状活性炭、チューブ繊維、ヘリカル繊維、ダブルチューブ繊維、フィッシュボーン繊維、木炭、各種濾材、或いはこれらを組み合わせたものを使用する。ただし、これらに限定されず、原料水の汚れ、カビ、臭気、塩素、夾雑物等を除去する機能があればよい。
本発明で使用する白金族元素に関して説明する。白金族元素とは周期律表第VIII族に属する元素のうち、ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)、オスミウム(Os)、イリジウム(Ir)、白金(Pt)の6元素の総称である。これらの白金族元素は、水素添加、脱水素、酸化の諸反応に活性を示す。いわゆる還元触媒としての機能がある。従って、分子状水素が白金族元素と接触すると、分子状水素が原子状またはそれに近い状態になる。従って、本明細書では、白金族元素が、分子状水素を原子状またはそれに近い状態にする作用を「触媒作用」という。
本発明において、白金族元素の触媒作用を向上させたり、或いは使用効率を高めたりするには、白金族元素を、各種の担体に担持させた担体付白金族元素或いはネットの形で使用することが好ましい。担体としては、アルミナ、アスベスト、活性炭、シリカゲル、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、軽石等がある。
また、本発明で特に好ましく使用される白金族元素は、白金であり、その形状は、白金コロイド、白金黒、白金ゾルである。触媒能は粒子の大きさに反比例し、白金コロイド>白金黒>白金海綿の順になる。以下それぞれに関して説明する。
本発明で特に好ましく使用される白金コロイドは、たとえば、(1)ヘキサクロロ白金(IV)酸水溶液の表面にブンゼンバーナーの外炎をあてて還元する、(2)ヘキサクロロ白金(IV)酸水溶液に保護コロイドとしてアスコルビン酸ナトリウム、アラビアゴム或いはゼラチン等を添加し、ヒドラジン等還元剤で還元する、(3)蒸発皿に純水を入れ、冷却しながら、この中に浸した2本の白金線の間にアークを放電するブレディッヒ法等の方法で製造される。ブレディッヒ法で製造した白金コロイドは不安定であるが、コロイド粒子が保護コロイドで被覆されていないので、触媒能が強い。一方、保護コロイドを含むものは、ブレディッヒ法で製造した白金コロイドに比べて触媒能は低いが、安定である。
同じく、本発明で特に好ましく使用される白金黒は、たとえば、(1)ヘキサクロロ白金(IV)酸の水溶液を加熱し、炭酸ナトリウムで中和し、これを煮沸したギ酸ナトリウム溶液中に注ぐ、(2)塩化白金(IV)或いはヘキサクロロ白金(IV)酸の水溶液に、ホルムアルデヒド水溶液を加え、冷却しながら、水酸化ナトリウム水溶液を徐々に加える等の方法で製造される。さらに、この白金黒を水素気流中で加熱すると白金微粒子が半融して白金海綿となる。
従って、上記課題は、下記の記載する手段によって解決することができる。(1)遊離基消去性機能水を製造する方法において、原料水に浄水処理を施して、原料水の汚れ、カビ、臭気、塩素、夾雑物等を除去する工程、前記浄水処理を施した原料水に、水素ガスを注入して分子状水素のバブルを生成する工程、及び原料水中に生成させた分子状水素のバブルと白金族元素を接触させて、分子状水素を活性化させて原子状水素に変換させ、原料水中に存在する遊離基及び/または遊離基消去性機能水と接触する人体の表皮または真皮層で発生する遊離基を還元させて消去する工程を含む遊離基消去性機能水を製造する方法。
(2)前記(1)項において、遊離基が、一重項酸素()、スーパーオキサイド(O )、過酸化水素(H)、及びヒドロキシルラジカル(OH・)等活性酸素であること。
(3)前記(1)または(2)項において、白金族元素を、白金コロイド状で使用すること。
(4)前記(1)または(2)項において、白金族元素を、白金黒で使用すること。
(5)前記(1)または(2)項において、白金族元素を、白金海綿で使用すること。
(6)前記(1)または(2)項において、白金族元素を、担体に担持させた担体付白金族元素として使用すること。
(7)前記(6)項において、担体が、アルミナ、アスベスト、活性炭、シリカゲル、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、及び軽石から成る群から選択すること。
(8)前記(1)または(2)項において、白金族元素を、ネット状で使用すること。
(9)前記(1)〜(8)項のいずれか1項に記載した手段に製造された遊離基消去性機能水を提供すること。
請求項1に記載した発明により、水に紫外線が照射されて生成されるOH・、H・、H、或いは人体の皮膚に紫外線が照射され、皮膚を構成する細胞の内外に存在する水分子に作用して、表皮または真皮層で発生するOH・、H・、H、或いは生体内で生成される活性酸素等遊離基を消去することができる機能水が提供される。
請求項2に記載した発明により、消去される遊離基を、特に一重項酸素()、スーパーオキサイド(O )、過酸化水素(H)、及びヒドロキシルラジカル(OH・)等活性酸素と特化したことにより、本発明の機能水の用途の焦点を絞ることができる。
請求項3に記載した発明により、白金族元素を、白金コロイドに特化したので、水中の分子状水素を原子状水素に変換する最も高い触媒能を得ることができる。
請求項4に記載した発明により、白金族元素を、白金黒に特化したので、白金コロイドに次いで、水中の分子状水素を原子状水素に変換する高い触媒能を得ることができる。
請求項5に記載した発明により、白金族元素を、白金海綿に特化したので、白金黒に次いで、水中の分子状水素を原子状水素に変換する高い触媒能を得ることができる。
請求項6に記載した発明により、白金族元素を、担体に担持させた担体付白金族元素として使用するので、白金族元素の使用効率を向上させることができる。
請求項7に記載した発明により、担体を、アルミナ、アスベスト、活性炭、シリカゲル、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、及び軽石から成る群から選択されるものにしたので、担体への白金族元素の付着効率がよい。
請求項8に記載した発明により、白金族元素を、ネット状で使用するので、白金族元素の触媒能表面積が大きくなる。
請求項9に記載した発明により、請求項1〜8のいずれか1項に記載した方法により製造された遊離基消去性機能水は、それ自体が商取引の対象になり得る。
以下に、実施例1、実施例2、参考例、対照例を記載して本発明の効果を明らかにする。
[試験水の調製]
1.出願人の一人である広島化成(株)が出願した特願2003−436591号に記載した方法により、広島県福山市の水道水を活性炭で濾過した水に水素ガスを注入した水を実施例1で使用した。なお、この方法で水素ガスを注入した水を「加水素水」と呼称することがある。
2.市販のミキサーに水素ガスをバブリングできる装置を取り付けて、広島県福山市の水道水を活性炭で濾過した水に、水素ガスを注入した水を実施例2で使用した。
3.活性炭で濾過した広島県福山市の水道水を参考例で使用した。
4.超純水を対照例で使用した。
[試験水の物性測定]
上記各試験水の、酸化還元電位、pH、溶存水素量の測定を行った。測定結果を表−1に示した。
[使用した測定機器]
1.酸化還元電位:ポータブルORP計「RM−20P」(登録商標)(東亜ディーケーケー工業製)
2.pH:ポータブルpH計「HM−20P」(登録商標)(東亜ディーケーケー工業製)
3.溶存水素:「DHD1−1型溶存水素計」(登録商標)(東亜ディーケーケー工業製)
[測定結果]
Figure 2006348010
[遊離基消去能力の測定]
1,使用した測定機器
日立製作所製分光光度計
2.使用試薬類
2−1:遊離基の発生源
遊離基モデルとして1,1−ジフェニル−2−ピクリルヒドラジル(DPPH)を使用した。DPPHは、構造式〔I〕で表される比較的安定な遊離基であるが、他の遊離基と容易に結合するので、熱、放射線等によって生成される遊離基の存在の確認、濃度の決定等に使用されている。本発明では、本発明の遊離基消去機能水が、DPPHが発生する遊離基を消去する能力を測定することにより、遊離基消去能力の目安とした。
Figure 2006348010
2−2:DPPH溶液の調製
2−2−1:100μM−DPPH(50%エチルアルコール溶液)
DPPH 0.0010gを精秤し、アルミホイルで遮光した50mlメスフラスコに入れた。次いで、99%エタノールを約25ml入れ、溶解させた。完全に溶解した後で、全量を超純水で50mlにした。溶解作業中は、メスフラスコを完全に遮光した。
2−2−2:25μM−DPPH(50%エチルアルコール溶液)
100μM−DPPH溶液(50%エチルアルコール溶液)を3mlとり、9mlの50%エタノールに添加した。
2−3:白金コロイド溶液
白金(Pt)−PVP(ポリビニルピロリドン)コロイド(4.0wt%)を超純水で100倍に希釈した。
[測定方法]
25μM−DPPH溶液2mlと、各試験水2mlをボルテックスミキサーを使用して試験管内で混合し、測定15秒前に100倍に希釈したPt−PVPコロイドを10μl入れ、攪拌し、520nmの波長で吸光度を測定した。
[測定結果]
実施例1、実施例2、参考例、及び対照例で使用した試験水の520nmにおける吸光度測定結果を表−2に示した。
Figure 2006348010
[考察]
Pt−PVPコロイド溶液を添加した実施例1及び実施例2の場合、共にPt−PVPコロイド溶液を添加直後に、DPPHラジカルの色である紫色が退色し、ジフェニルピクリルヒドラジンの黄色へ変色した。一方、福山市水道水(上水)及び超純水の場合は、Pt−PVPコロイド溶液を添加直後には、退色せず、約5〜6分後に退色した。数回の実験の結果、2mlの加水素水と10μlのPt−PVPコロイド溶液で、2mlの25μM−DPPH溶液のラジカルを完全に消去できることが確認された。
以上の結果から、上水に吹き込まれた水素は、水中では分子状態で存在しているが、白金コロイドが存在すると、分子状態の水素が活性化され、それが原子状または原子状に近い状態になり、それによりDPPHのラジカルが完全に消去できることが確認された。このことは、前記共立出版株式会社発行「化学大辞典2」による、「活性水素とは、放電、高熱、紫外線により水素分子の安定な共有結合が切れて、原子状水素が生成したため化学反応を起こしやすくなった水素をいう。また、いわゆる発生期状態の水素およびパラジウムやニッケルなど、還元触媒上の水素は原子状またはそれに近い状態にあると考えられ、反応性に富み、これらも広義の活性水素に含まれる。」を検証したことになる。
このことから、たとえば、アルミナ、アスベスト、活性炭、シリカゲル、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、軽石等の担体に担持させた白金族元素、ネット、もしくは、特に白金コロイド、白金黒、白金ゾルを適当な形状で存在させた浴槽に、連続して水素ガスを吹き込むと、分子状態の水素が活性化され、それが原子状または原子状に近い状態になり、それにより、浴槽に浸かったヒトの皮膚の表皮または真皮層で発生する活性酸素等遊離基を還元させて消去することが期待される。
水中における活性水素の製造方法としては、電気分解による方法もある。即ち、水を電気分解すると、陰極に水素ガスが発生する。この発生期の水素は、原子或いはイオンの状態にあるため、活性を帯びている。然しながら、水の電気分解を、たとえば浴槽などに応用することは、装置の構造、コスト等難点があるが、水素ガスを吹き込む方法は、装置も簡単であり、電気分解法に比べてコストも低減されるので、設計によっては医療用等への展開が期待される。

Claims (9)

  1. 遊離基消去性機能水を製造する方法であって、
    (1)原料水に浄水処理を施して、原料水の汚れ、カビ、臭気、塩素、夾雑物等を除去する工程、
    (2)前記浄水処理を施した原料水に、水素ガスを注入して分子状水素のバブルを生成する工程、及び
    (3)原料水中に生成させた分子状水素のバブルと白金族元素を接触させて、分子状水素を活性化させて原子状水素に変換させ、原料水中に存在する遊離基及び/または遊離基消去性機能水と接触する人体の表皮または真皮層で発生する遊離基を還元させて消去する工程、を含む遊離基消去性機能水を製造する方法。
  2. 遊離基が、一重項酸素()、スーパーオキサイド(O )、過酸化水素(H)、及びヒドロキシルラジカル(OH・)等活性酸素である請求項1に記載した方法。
  3. 白金族元素が、白金コロイドである請求項1または2に記載した方法。
  4. 白金族元素が、白金黒である請求項1または2に記載した方法。
  5. 白金族元素が、白金海綿である請求項1または2に記載した方法。
  6. 白金族元素が、担体に担持させた担体付白金族元素である請求項1または2に記載した方法。
  7. 担体が、アルミナ、アスベスト、活性炭、シリカゲル、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、及び軽石から成る群から選択されるものである請求項6に記載した方法。
  8. 白金族元素が、ネットである請求項1または2に記載した方法。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載した方法により製造された遊離基消去性機能水。
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