JP2006337007A - 銃用散弾材料 - Google Patents

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Abstract

【課題】 銃用散弾材料にPbを使用することが制限されてきた。これは、Pbが人体や地球環境に有害な物質であるため、環境保全の観点からPb以外の銃用散弾材料へ代替し、環境性に配慮する必要があるためである。
【解決手段】 銃用散弾を、 ▲1▼Zn、またはSn,またはZnSnと3500ppm以下の酸素で構成する。 ▲2▼表面を3μm以下の厚さのZn酸化物、Sn酸化物、ZnSn酸化物で被覆して構成する。 ▲3▼82%以上のZn、またはSn,またはZnSnとWとで構成する。 ▲4▼72%以上のZn、またはSn,またはZnSnとWCとで構成する。 ▲4▼23%以上のZn、またはSn,またはZnSnとMoとで構成する。
この様に構成したので、銃用散弾は、Pbを含有せず環境性に配慮した銃用散弾とした。
軟質部材Zn(Sn)の効果によって、WC、Wの錆びの進行を抑制すると共に、長期に亘り安定した命中度特性を発揮する銃用散弾とした。
【選択図】 図2

Description

本発明は、Pbを排除し環境に配慮した銃器用散弾または弾丸材料に関する。
鳥類や猛禽類などの狩猟に使用されていれる散弾銃、ライフル銃、空気銃などの銃器用散弾(以下本発明では「散弾」と略す)には、低硬度性、高密度性、低融点性、優れた加工性を持ち、かつ資源的にも豊富で安価である観点から、Pbが使用されてきたが、鉛中毒の問題が指摘されている。
またクレー射撃でもPbが使用されているが、撃った弾が蓄積され風雨に晒され土壌汚染や水系汚染など環境への影響が指摘されている。
このようにPbは、環境や人体に有害な物質であるため、環境保全の観点から代替材の開発が望まれる。
銃用散弾の硬度は、過度に高いと銃身に損傷を与えると共に、発射した散弾が獲物の体内に止まらず貫通してしまう場合が見られ、獲物を倒す威力が半減する。また過度に高い硬度は、反発力が大で跳ね返りの危険も大となる。
また散弾の密度は、銃を発射した時の散弾の速度や、運動中の散弾が持つエネルギーの大きさを左右する。密度が過度に低いと速度が遅くなり、飛翔中の散弾は十分なエネルギーを持てない。密度が過度に低い散弾では、その内部に空孔が存在している事が多く、この様な散弾は密度分布にバラツキが見られ、その結果発射した散弾の弾道は安定せず命中精度の低下とバラツキの原因となる。
また、散弾の外観形状が円柱状であったり平板状であっても、飛翔中の弾道は同様に安定せず命中精度の低下とバラツキの原因となる。これらを安定化するには、散弾にある程度以上の真球度を持たせることが有益である。Pbに替わる銃用散弾材料には、硬度、密度、真球度が重要となる。
鉄系散弾としてPbの5〜8倍の硬度を持つFe弾、3〜5倍の硬度を持つ軟Fe弾が知られている。また非鉄系散弾としてPbの1〜2倍の硬度を持つBi弾,2倍の硬度を持つWマトリックス弾、0.5倍の硬度を持つSn弾などが知られている。
Fe弾、軟Fe弾では、資源的優位性を持ち、価格もPb散弾に近い特徴を持つ。しかし,表面に防錆処理を施しているが、水分が吸着したまま長期間保管すると錆びの発生が見られ団塊状となり使用上危険となる場合がある。またFe弾では、反発力が大で跳ね返りの危険も大となる。
Bi弾では、脆いため表面欠けの危険がある。また高価格である。
Sn弾では、軟質性のため表面に傷を受け易く、変形の危険がある。密度が小であるため獲物に対する殺傷威力(弾丸の重量と初速で決定される)が低下する。また高価格である。
Wマトリックス弾では、密度、硬度はよりPb散弾に近似させ得る。しかし、Wは中程度の毒性を持つとされていると共に、pHが7以上(アルカリ性)の環境に接すると、可溶性Wとして地下に移動し得る。また高価格である。
特開2000−205798号公報には、Pb以外の材料として超硬合金、CuW合金、ヘビーメタルを使用した散弾銃用散弾が提案されている。 特開2001−041697号公報には、合成樹脂に粉末のWを均一に混合した混合物を成型した弾丸が開示されている。 特開2002−174500号公報には、弾丸の発射火薬に対向する後面に凹所を形成し、潤滑性に優れた二硫化Moのペースト状混合物を凹所に充填、あるいは弾丸の周囲に二硫化Moのペ−スト状混合物を塗布することによって、銃腔(銃身の筒状の部分)内壁にPbが付着するのを解消し命中精度を向上させている技術が開示されている。 特開2001−241898号公報には、Cu,Sn,Fe,Biの群から選ばれた一種から成る散弾散弾が開示されている。
しかしながら、上記した従来の銃用散弾には以下に述べるような問題点があり改良が望まれている。
なお本発明では、主要成分としてZn、Sn、SnZnを選択し、以下Zn(Sn)で代表して示す。Cu,Ag,Fe,Al,Si,Mgは、以下Fe(Al)で代表して示す。補助部材としてWC,W,Mo・MoCを使用し、以下WC(W)で示す。
(1):特開2000−205798号公報に記載される散弾銃用散弾丸では、Pb以外の材料として超硬合金、CuW合金、ヘビーメタルが示唆されている。
これらは、環境に対しての影響は少なく好ましい技術であるが、しかしいずれも高硬度であることから、散弾が獲物と衝突し体内に入った後、散弾自体がエネルギーを吸収する能力が低く、従って散弾は獲物の体内に止まらず貫通してしまい、殺傷力が損なわれる欠点を持つ。
特に、これら超硬合金、CuW合金、ヘビーメタルのみで構成し、溶解法で製造するには高融点である事から製造上の制約を受ける欠点を持つ。
また、超硬合金、ヘビーメタルでは、前記同様に高硬度であることから、発射時に反動が大きくなる傾向にあり、人体特に肩への負担が増す欠点を持つ。
これに対して本発明では、軟質のZn(Sn)の存在によって、弾丸が獲物の内部から貫通してしまう欠点を軽減させる。
(2):特開2001−041697号公報に記載される散弾銃の弾子では、WC(W)の持つ過度の高硬度性を緩和出来ない上に、WC(W)粒子同士の結合を合成樹脂のみに頼っているため、WC(W)粒子の同士の結合力が十分でなく、WC(W)粒子が脱落するなど弾子としての強度が不足する。
これに対して本発明では、軟質のZn(Sn)が外力を緩衝する上、補助成分のWC(W)粒子と接したり、包含する結果、WC(W)粒子の脱落は見られない。必要により5%以下添加するCu,Ag,Al,Mg,Fe,Siの1つ(以下Fe(Al)で代表)も同様である。
(3):特開2002−174500号公報に記載される散弾銃の弾丸は、Pb製の弾丸を対象としているので、銃腔内壁に付着するのを防ぐのに二硫化Moペーストの塗布を必要としている。これに対して本発明では、Zn(Sn)−WC(W)、Zn(Sn)−Fe(Al)とする場合には、Pbより硬質となり銃腔内壁に付着することがなく、潤滑性を維持させる為の二硫化Moペーストを必要としない。
(4):特開2001−241898号公報に記載される散弾銃用の弾丸として、Cu,Sn,CuSn、Fe,Biから選ばれた一種から成る散弾散弾が開示されている。
Fe弾、軟Fe弾では、資源的優位性を持ち、価格もPb散弾に近い特徴を持つ。しかし,表面に防錆処理を施しているが、水分が吸着したまま長期間保管すると錆の発生が見られ団塊状となり使用上危険となる場合がある。またFe弾では、反発力が大で跳ね返りの危険も大となる。
これに対して本発明では、軟質のZn(Sn)がFe(Al)やWC(W)粒子と接したり、包含する結果、Fe(Al)やWC(W)粒子の錆び(酸化や腐食)は見られない。
Bi弾では、Bi自体が脆いため表面欠けの危険がある。また高価格である。
これに対して本発明では、Zn(Sn)の持つ軟質で展延性の効果で表面欠けの危険はない。
Sn弾では、軟質性のため表面に傷を受け易く、変形の危険がある。また、密度が不足するため獲物に対する殺傷威力(弾丸の重量と初速で決定される)が低下する。また高価格である。
これに対して本発明では、散弾がZn(Sn)の場合では、Zn(Sn)内に分散するSn2O,ZnOの分散硬化により、変形の危険を軽減する。散弾がZn(Sn)−Fe(Al),Zn(Sn)−WC(W)の場合では、前記のように、硬質(硬度が大)のFe(Al),WC(W)粒子の存在によって変形の危険を軽減する。
Cu弾、CuSn弾では、耐環境性に優れるZn(Sn)を使用していないので酸化や腐食環境に晒された際に劣る。
本発明は、従来の銃用散弾が有していたPb問題を解消しようとするものであり、銃用散弾材をZn(Sn)とするか、Zn(Sn)とFe(Al)とを所定比率で複合化するか、Zn(Sn)とWC(W)とを所定比率で複合化させ、硬度と密度を調整すると共に、Zn(Sn)が持つ耐酸化性、耐腐食性に優れると言う性質を利用した相乗的効果によって、錆び(酸化や腐食)に対する安定性を約10倍程度増加させたZn(Sn)系散弾、Zn(Sn)−O−Fe(Al)系散弾、Zn(Sn)−O−WC(W)系散弾としたことを特徴とする。
本発明は、Zn(Sn)中の3500ppm以下の酸素によって、Zn(Sn)に安定した変形性を付与し、前記低融点性と相俟って優れた真球度を持つ散弾を提供する事(3500ppmを越える酸素量では、ZnO,SnOの過度の生成によって、溶解時の溶液の溶液の粘性を増し流れ性を妨害し真球度が低下する)である。
使途によって散弾の硬度の調整を必要とする際には、補助成分としてFe(Al),WC(W)との複合化によって対応する散弾を提供する事。Zn(Sn)自体の加工性の調整を必要とする際には、所定量以下のFe(Al)との複合化によって対応する散弾を提供する事を特徴とする。
特に本発明では、軟質のZn(Sn)は、表面に露出していたり内部に存在しているFe(Al)やWC(W)を密着させたり、表面に露出しているFe(Al)やWC(W)部分を被覆する作用を持つ。その結果、軟質のZn(Sn)によって、耐酸化性、耐腐食性に劣るFe(Al)、WC(W)を環境から遮断し保護する。Zn(Sn)は、その一部または大部分はZnO酸化膜、SnO2酸化膜、これらの複合酸化膜を形成しながら、表面層近傍のFe(Al)やWC(W)を保護している。これらの効果を発揮させるためには、3〜3500ppmの酸素の存在が必要となる。
Zn(Sn)とWC(W)とを複合した銃用散弾の他の利益として、散弾中に存在する軟質のZn(Sn)の作用によって、銃用散弾にある程度の弾性を持たせることが出来、発射時の人体に及ぼす衝撃を緩衝したり、跳ね返りを制御する効果を発揮する。
以上の様に、Zn(Sn)またはZn(Sn)とFe(Al)、Zn(Sn)とFe(Al)とWC(W)とを所定比率複合する事によって、環境性に優れたPb代替の銃用散弾を提供することを目的とする。
発明を解決するための手段
本発明の銃用散弾は、以下の方法を適宜選択して製造することが可能である。
(1):酸素量を調整した上で、所定量のZn(Sn)、Zn(Sn)とFe(Al),Zn(Sn)とWC(W),Zn(Sn)とFe(Al)とWC(W)とを混合、加圧、成型した後、Zn(Sn)の溶融温度以下に加熱してこれらを焼結する方法。
Zn(Sn)は、不活性雰囲気中、300℃以上好ましくは300〜600℃程度で溶解中のZn(Sn)を、直径50μmのノズルを通して断続的に放出させ液滴を形成させ、不活性雰囲気中で冷却固化させることにより、球状粒子を調製し、これを分級して所定の粒径例えば10〜50μmの散弾銃用の粒子を得て使用する。この様にして得た散弾銃用の粒子をそのまま使用しても良く、また合成樹脂や合成ゴムと複合化しても良い。
(2):上記混合粉末を得た後、Zn(Sn)の溶融温度以上に加熱してFe(Al)とZn(Sn)とを焼結する方法。
(3):上記混合粉末を得た後、Zn(Sn)の溶融温度以上に加熱してWC(W)とZn(Sn)とを焼結する方法。
(4):WC(W)の骨格(スケルトン)を作りその空隙にZn(Sn)を溶浸する方法が基本である。別の方法して、WC(W)とFe(Al)複合骨格を作りその空隙にZn(Sn)を溶浸する方法。WC(W)の骨格(スケルトン)を作りその空隙にZn(Sn)とFe(Al)とを同時に溶浸する方法。
(1)は、Zn(Sn)を溶融させないで散弾を製造する方法である。 (2)(3)は、Zn(Sn)を溶融させて散弾を製造する方法である。 例えば、Zn(Sn)溶液中に分散させたFe(Al)粉を急冷固化させ、粉砕し混合粉体を得る。この混合粉体の角(かど)部分を削除し粒状もしくは球状とし散弾散弾とした。Zn(Sn)溶液中に分散させたWC(W)粉を急冷固化させ、粉砕し混合粉体を得る。この混合粉体の角(かど)部分をなくし粒状もしくは球状とし散弾とした。
0.1〜15μmの平均粒子直径のWC(W)粉を約1000℃で焼結した骨格中にZn(Sn)、或いはZn(Sn)・Fe(Al)混合体を溶侵させ、一体化した両者を粉砕機で粉砕したペレットを散弾とした。
(5)酸素量を調整した上で、所定量のZn(Sn)粉末あるいは塊を、合成樹脂で結合、固化する方法。合成樹脂としてアルキド樹脂やメラミン樹脂を選択した。
(6)酸素量を調整した上で、所定量のZn(Sn)とFe(Al)との複合粉末あるいは塊を、合成樹脂で結合、固化する方法。合成樹脂としてアルキド樹脂やメラミン樹脂を選択した。
(7)酸素量を調整した上で、所定量のZn(Sn)とWC(W)との複合粉末あるいは塊を、合成樹脂で結合、固化する方法。合成樹脂としてアルキド樹脂やメラミン樹脂を選択した。
(8)酸素量を調整した上で、所定量のZn(Sn)とFe(Al)とWC(W)との複合粉末あるいは塊を、合成ゴムで結合、固化する方法。合成ゴムとしてニトリルゴムやシリコーンゴムやウレタンゴムフッソゴムを選択した。
(9)酸素量を調整した所定量のZn(Sn)粉末あるいは塊を、合成ゴムで結合、固化する方法。合成樹脂としてアルキド樹脂やメラミン樹脂を選択した。
(10)酸素量を調整した所定量のZn(Sn)とFe(Al)との複合粉末あるいは塊を、合成ゴムで結合、固化する方法。合成ゴムとしてニトリルゴムやシリコーンゴムやウレタンゴムフッソゴムを選択した。
(11)酸素量を調整した所定量のZn(Sn)とWC(W)との複合粉末あるいは塊を、合成ゴムで結合、固化する方法。合成ゴムとしてニトリルゴムやシリコーンゴムやウレタンゴムフッソゴムを選択した。
(12)酸素量を調整した所定量のZn(Sn)とFe(Al)とWC(W)との複合粉末あるいは塊を、合成ゴムで結合、固化する方法。合成ゴムとしてニトリルゴムやシリコーンゴムやウレタンゴムフッソゴムを選択した。
(4)〜(12)は、Zn(Sn)を僅かに加熱するか加熱せず室温で合成樹脂や合成樹脂で結合、固化させ銃用散弾を製造する方法である。
環境問題対応に有利な生分解性樹脂、エラストマー樹脂と、例えばZn(Sn)とを混練器で混練し均一なZn(Sn)とWC(W)との混合物を得る(Zn(Sn)にはFe(Al)との混合体でも良い)。この混合物を板状に固化した後、粉砕機で粉砕したペレットを散弾とした。
本発明の銃用散弾が主として適応される銃器には、火薬が燃焼する際に発生するガスの圧力で、弾丸を発射する主として散弾銃、ライフル銃。空気やガスの圧力を利用して弾丸を発車する空気銃などに分類される。
本発明の一実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、例えば散弾銃用の散弾実包を示す断面図である。同図中の記号1は散弾実包。記号2は散弾。記号3はワッズ。記号4は火薬。記号5は点火薬(雷管)。記号6は薬莢(やっきょう)を示す。円筒状の散弾実包1の内部は、後端(図面下端)側から前端(図面上端)側に向かって、火薬4,ワッズ3,散弾2がこの順に装填されている。
散弾2は、Sn(Zn),Sn(Zn)−O−Fe(Al)、Sn(Zn)−O−WC(W)、Sn(Zn)−O−Fe(Al)−WC(W)を、例えばほぼ球状に形成して散弾として利用する。
図2は、散弾2の内部を拡大して示す断面図であり、複数の微細の硬質部材WC(W)粒子21と、軟質部材Sn(Zn)22とを集合させ均一に分散させた状態を示す。23は、散弾2の表面部分を被覆しているZn(Sn)酸化膜層である。1個のWC(W)粒子21の表面にも、Zn(Sn)酸化膜が接触若しくは被覆し、更にWC(W)粒子21と、Zn(Sn)22との界面にもZn(Sn)酸化膜が接触しながら存在している。(なお、補助成分を含む場合には、Sn(Zn)22の中に存在するので図示は略す)。
図3は、散弾2の内部を拡大して示す断面図である。21は複数の微細の硬質部材WC(W)粒子、22は軟質部材Zn(Sn)を示す。23は表面を被覆しているZn(Sn)酸化膜を示す。
なお散弾は、溶融させたZn(Sn)中に、平均粒子直径が1.5〜3μmのWC(W)を沈殿を起こさせない速度で強制撹拌しながら混合し、混合中の両者をノズルから放出させ固化して製造した直径が1mmの散弾を1個ずつ、完全な平面度を持つ定盤を水平に設置する。この定盤の上に乗せた散弾について長径と短径を測定し、その比率を求める。
本発明に於けるZnは、100%のZnのみでなく、Zn中に0.05重量%以下のSnを含むZnSnの場合も100%のZnと見なす。0.05重量%以下のSnがZn中に固溶の状態となり、この様に少量のSnの存在はZnの局所的な酸化進行を抑制する効果を発揮し、密度、硬度の均一性に有益となる。Sn量がゼロ(100%Zn)の場合では、Zn部分は一層軟化し、エネルギーの吸収効果の観点から有益である。
同様に本発明に於けるSnは、100の%Snのみでなく、Sn中に1重量%以下のZnを含むSnZnの場合も100%のSnと見なす。1重量%以下のZnがSn中に固溶の状態となり、この様に少量のZnの存在は、Snの局所的な酸化進行を抑制する効果を発揮し密度、硬度の均一性に有益となる。Zn量がゼロ(100%Sn)の場合では、Sn部分は一層軟化し、エネルギーの吸収効果の観点から有益である。
上記課題を解決ための実施態様(請求項1および3対応)は、3500ppm以下の酸素と、残部がZn(Sn)とから成る素材で構成された事を特徴とする銃器用散弾または弾丸である。
すなわち、本発明の銃用弾丸は、3500ppm以下の酸素と、残部が軟質性のZn(Sn)としてあるので、Zn(Sn)の持つ軟質性と低融点性と相俟って、環境問題を解決することから、Pb製の散弾の代替材として容易に代替出来るという重要な特徴を持つ。
酸素量を3500ppm以下とする利益は、複数個のZn(Sn)粒子の真球度(長径と短径の比率)を調査した場合、粒子個々間の真球度バラツキの少ない、安定した散弾を得る事が出来る。特にZn(Sn)溶液をノズルから噴出させ、その液滴を冷却固化する方法で散弾を製造する粒子では、効率良くかつ優れた真球度の粒子を得る。
本発明に於いてZn(Sn)中の酸素量を3500ppm以下とした場合の他の利益は、散弾の表面層近傍もしくは表面層に露出しているFe(Al)やWC(W)に対して、安定なZnO、SnO、Zn・Sn複合酸化物(以下Zn(Sn)酸化被膜)を形成し、使用中の環境雰囲気からFe(Al)、WC(W)が受ける錆び(腐食の進展、酸化の進展)を軽減し、散弾の安定化に有益であり、3500ppm以下の酸素量の存在は不可欠である。
なお,Zn(Sn)中の酸素量を5ppm以下の値とするのも、一方向溶解法によって容易に製造可能であり、散弾として活用出来る。Zn(Sn)以外の成分を含む場合には、偏析に配慮することによって、一方向溶解法を使用する。
しかし、酸素量が3500ppmを超えると、Zn(Sn)粒子同士の結合が脆弱化しZn(Sn)粒子の脱落が脱落する事、Zn(Sn)粒子自体の脆弱化する事などの現象を招き好ましくない。
更に、3500ppmを越える酸素量を持つZn(Sn)粒子では、酸素を含むガス成分がZn(Sn)粒子内部に空孔として残存し易く、密度の不均一の原因となり,散弾材として使用した時に質量にアンバランスが見られ、発射した弾道がカーブするなど命中率の低下の原因となり好ましくない。
更に、3500ppmを越える酸素量を持つZn(Sn)粒子では、Zn(Sn)粒子内部で過度の量のZnO,SnOの生成を招き、その結果Zn(Sn)溶液は粘性を増加させ、噴出する液滴の真球度のバラツキを大とすると共に、その大きさや形状にもバラツキを示すなど命中率の低下の原因となり好ましくない。
酸素量を好ましい値(3500ppm以下)とするには、原料となるZn(Sn)の表面の清浄(塩酸、硝酸など希釈酸類による30秒以上の洗浄、アルコールなど有機溶剤による180秒以上の洗浄、真空中で温度200℃以上、600秒以上での脱ガス熱処理、若しくは露点マイナス70℃での水素中で200℃以上、600秒以上での脱ガス熱処理、焼結または溶解時に使用する容器類の脱ガス処理)、焼結または溶解中の雰囲気などを上記条件に管理する。
例えば溶解法では溶湯を流し込む鋳型も事前に同様な脱ガス処理をして置くと共に、溶解中の雰囲気もアルゴン、窒素、水素、真空などの非酸化性雰囲気とし、溶湯面の酸素を遮断するフラックス(たとえばロジン系樹脂)で覆うなどの低酸素化を図ることによって達成する。
この場合溶湯中への5%以下のAl,Si,Mgの添加は、Zn(Sn)溶液の湯流れ性を適度に保ちと共に、溶液中の酸素量の低下を補助し、好ましい真球度を得る技術として重要となる。
Zn(Sn)部分の溶融温度はPbの溶融温度(327℃)と近似し、Zn(Sn)部分を溶融して散弾を製造する方式を採用する場合には、低い溶融温度を持ち事は特に作業上好ましく代替材として有益である。
Zn(Sn)溶液中のZnとSnとの比率は適宜の範囲で活用出来る。更にSnが76%以上〜100%(残部Znが0〜24%未満)の範囲の時には、液相線温度と固相線温度との温度差が100℃以内とすることが出来、特に好ましい真球度を得るのに有利となる。
上記課題を解決ための実施態様(請求項2および4対応)は、前記銃用散弾を3500ppm以下の酸素と、残部がZn(Sn)とから成る素材で構成し、かつその表面層を500オングストローム以下の厚さのZn(Sn)酸化物で被覆した事を特徴とする銃器用散弾または弾丸である。
すなわち、本発明の銃用散弾は、酸素量を3500ppm以下に制御する事と、表面層のZn(Sn)酸化物の厚さを3μm以下に制御する事とを重畳する事によって、錆びに対して一層安定性のある銃器用散弾または弾丸を得る。
散弾の表面層の一部または全面を3μm以下のZn(Sn)酸化物で被覆する事によって、環境に対するZn(Sn)粒子の安定性を一層増加する。
しかし、Zn(Sn)酸化物の厚さが3μmを越える場合には、Zn(Sn)粒子とZn(Sn)酸化物との界面から剥がれる現象がみられ、凹凸を持ったZn(Sn)粒子となり不揃いとなり好ましくない。
上記課題を解決ための実施態様(請求項5対応)は、前記銃用散弾は5%以下(ゼロ含む)のCu,Ag,Fe,Al,Si,Mg(以下Fe(Al)で代表)の1つを含む事を特徴とする銃器用散弾または弾丸である。
すなわち、本発明の散弾は、軟質部材中への5重量%以下のFe(Al)のいずれか1つの添加は、Zn(Sn)部分の引張り強度を約5〜10%程向上させる結果、散弾を製作する際に見られるZn(Sn)部分でのひび割れや、破断の軽減化に有益である。
しかし、5%を越えるFe(Al)の存在は、散弾のZn(Sn)部分の硬さの高硬度化、若しくは脆弱化を招き好ましくない。更に、5%を越えるFe(Al)の存在は、Zn(Sn)部分が高融点化する傾向を持ち、Zn(Sn)部分を溶融して散弾を製造する方式を採用する場合には作業温度の高温度化を招き好ましくない。
Zn(Sn)とWC(W)との複合体、Zn(Sn)・Fe(Al)とWC(W)との複合体に於いて、WC(W)、Fe(Al)部分を除いたZn(Sn)部分の溶融温度は、約232℃〜420℃の間の温度を持ち、Pbの溶融温度(327℃)と比較して、ほぼ同程度の温度にあり、例えばZn(Sn)溶液を噴射させて散弾を製造する方式の場合には、作業上好ましい低い溶融温度の採用が可能となり、Pb製散弾材の代替材として有益である。
上記課題を解決ための実施態様(請求項6対応)は、Wから成る補助成分と、残部が82重量%以上(100%含む)とから成る素材で構成された事を特徴とする銃器用散弾または弾丸である。
すなわち、本発明の散弾は、WとZn(Sn)との複合化することによって、硬度、密度を調節し安定した銃器用散弾または弾丸とする。
Zn(Sn)量が82%以上では、低硬度性を維持した上、散弾とした場合、9.5(gr/cc)以下の密度を得て、散弾の容積が過度の大きさとなる。
特に、補助成分として適量のWを選択する事によって、弾丸の密度を調整し、容積を適度の大きさに容易に調整することが出来る。
しかし、Zn(Sn)量が、82%未満では散弾の硬度がPbと比較して過度に大となり好ましくない。
補助成分がWに代わってWC、Moであっても、Zn(Sn)との複合化することによって、同様に硬度、密度を調節し安定した銃器用散弾または弾丸を得る。
特に補助成分として適量のWC(W)を選択する事によって、弾丸の密度を調整し弾丸の容積を過度に大とせずに適度の大きさとすることが出来る。
上記課題を解決ための実施態様(請求項7および9および11対応)では、WC(W)から成る補助成分と、残部が所定量のZn(Sn)とから成る素材で構成され、かつその表面層には3μm以下の厚さのZn(Sn)酸化物で被覆した事を特徴とする銃器用散弾または弾丸である。
すなわち、散弾の表面層の一部または全面を厚さ500オングストローム以下のZn(Sn)酸化物で被覆する事によって、WC(W)から成る補助成分が環境から受ける攻撃から保護し安定した銃器用散弾または弾丸とする。
しかし、厚さが3μmを越えると、Zn(Sn)酸化物の脱落が見られて好ましくない。
上記問題を解決ための実施態様(請求項12対応)では、ZnとSnの重量比率が、約1:9である事を特徴とする散弾である。
すなわち、ZnとSnとを所定比率(約1:9)で共存させる事に注目する。ZnとSnとの比率を約1:9(共晶)に共存させることによって、Zn(Sn)部分の金属組織はZnとSnを層状に微細分布する。その結果散弾個々の間の密度のばらつきを縮小すると共に、弾丸1個の内部のミクロな密度のばらつきも縮小する。この様に散弾個々および1個の内部の密度のばらつきを極小とすることが出来き、弾丸の品質の均一性に貢献し命中率が向上する。
上記課題を解決ための実施態様(請求項13対応)では、容積%で示したWC(W)とSn(Zn)との混合粉に対して、0.2〜20容積%の合成樹脂または合成ゴムで固化した事を特徴とする散弾である。
すなわち、本発明の銃用散弾は、Zn(Sn)を加熱しない方法による散弾材の製造において、所定量のWC(W)とSn(Zn)との混合粉末、あるいは塊りの合計容積%に対して、0.2〜20容積%に相当する合成樹脂または合成ゴムで、前記混合粉末同士を固化させ、WC(W)とSn(Zn)との複合体を製造する。
しかし、0.2容積%以下では、固化後の前記混合粉末同士の結合強度が著しく不足し脆弱な散弾となる。更に20容積%を越える場合では、密度や硬度の制御が難しくなり、均質な散弾とならない。
上記課題を解決ための実施態様(請求項14)では、前記銃用散弾のWC(W)の大きさは、平均粒子直径が0.1μm(マイクロメータ)〜5mm(ミリメータ)である事を特徴とする銃器用散弾または弾丸である。
すなわち、本発明の銃用散弾を製造する際に使用するWC(W)原料の大きさは、粉末状、粒子状の直径が、0.1μm〜5mmの範囲が好ましい(球でない場合ではその体積を球の体積に換算した後の直径を用いる)。実際には、この大きさのWC(W)原料を複数個集合させて1個の散弾とする。
しかし、WC(W)の直径が0.1μm未満では、Zn(Sn)との混合作業上でも均一に混合させるには高度の技術を要し工業的でない上に、高価格となると共に引火性など取扱上でも問題点があり好ましくない。
WC(W)直径が5mmを越える場合では、複数個製造した散弾の個々の密度および1個の弾丸の中の密度分布が不均一となり易く、弾道が定まらないなど命中率にばらつきを招き好ましくない。
なお、WC(W)の形状が円柱や角柱など不特定形状の塊状においては、最長辺の長さで表した長さが0.1μm〜5mmの範囲が好ましい。Zn(Sn)とWC(W)との混合作業において、両者はほぼ同じ形状で、かつほぼおなじ大きさの原料を選択する時には、散弾の密度などの均一性に対して好ましく、命中率の安定化に寄与する。
上記課題を解決ための実施態様(請求項15対応)は、素材を不活性雰囲気中でZn(Sn,ZnSn)の融解温度以上に加熱し溶液とした後、この溶湯を断面が円形の細孔を通して断続的に放出させ液滴とし、不活性雰囲気中または冷媒中に放出させながら、前記溶湯から凝固までの平均冷却速度を10+2℃/秒以上の高速度で冷却固化した事を特徴とする銃器用散弾または弾丸である。
すなわち、溶湯を断面が円形の細孔を通して断続的に放出させ液滴とし、液滴は表面張力によって支えられながら球形を保つと共に、更に溶湯から凝固までの平均冷却速度を10+2℃/秒以上の高速度を選択して冷却固化しているので、容易に優れた真球度を持つZn(Sn,ZnSn)を得る。
しかし、却固化時の冷却速度が10+2℃/秒未満の時には、真球度が劣る。
5%以下のFe(Al)量を含むZn(Sn)に対しても、同じ条件の適用によって優れた真球度を持つZn(Sn)・Fe(Al)を得る。しかし、Fe(Al)量が5%を越える場合では、溶融温度の上昇や溶湯の高粘度化で、良質の真球度を持つZn(Sn)・Fe(Al)が得られない。
補助成分としてWC(W)を含むZn(Sn)に対しても、同じ条件の適用によって優れた真球度を持つZn(Sn)・WC(W)を得る。しかし、WC(W)量が所定値を越える場合では、密度が9.5(gr/cc)を越えてしまうのみならず、Zn(Sn)の持つ軟質性を損なうと共に、溶融温度の上昇や溶湯の高粘度化で、良質の真球度を持つZn(Sn)・Fe(Al)が得られない。
Figure 2006337007
Figure 2006337007
表1に評価した散弾の材料内容を示す。表2に評価結果を示す。
試験項目および試験条件の説明:
密度試験:散弾として好ましい密度と組成範囲との関係の評価結果を表2に示す。なお、供試した散弾の酸素量は、総て3500ppm以下の弾丸材料を選別して評価した。
(評価A);密度が9.5gr/cc以下の密度値に近似・・・・・・・合格
(評価X);密度が9.5を越え、11.3以下の密度を持つ弾丸素材・不合格
(評価Y);密度が11.3を越える弾丸素材・・・・・・・・・・・・不合格
錆び試験:室温50℃、湿度60%の室内中に装着したままで約1年間、放置した散弾の表面状況(表面酸化の進行度合)を評価した。弾丸の表面に投射した光束の反射量を光沢計によって色調の変化として求めた。なお投射した光束の反射量が100%の場合を(評価A)、100%未満〜95%の範囲を(評価B)とした。
腐食の進行度合は、精密電子天秤による微小の重量変化を求めて判断した。0.000001g以上の変化を示した場合を(評価Y)とした。
(評価A);酸化、腐食の進行に全く変化がない場合・・・・・・・・合格
(評価B);目視では検出不能だが光沢計でごく僅検出出来る程度・・合格(
(評価X);光束の反射量、微小の重量変化のいずれかに
変化が見られる場合・・・・・・・・・・・・・・・・・不合格
(評価Y);0.000001g以上の重量変化および
変化が見られる場合・・・・・・・・・・・・・・・・・不合格
命中度試験:50mの距離離して置いた的(まと)の中心を狙って、発射した5発の弾丸の的上の貫通孔について、最も離れた2個の貫通孔の中心から中心までの距離を測定した。
(AA):2個の貫通孔が一致している・・・・・・・・・・・・・・合格
(A) :最も離れた2個の貫通孔間の距離が100mm以下・・・・合格
(B1):同上100mmを越え150mm以下・・・・・・・・・・合格
(B2):同上150mmを越え250mm以下・・・・・・・・・・合格
(X) :同上250mmを越え300mm以下 ・・・・・・・・・不合格
(Y) :同上300mmを越える・・・・・・・・・・・・・・・・不合格
真球度:溶融させたZ(Sn)中に、平均粒子直径が1.5〜3μmのWC(W)を沈殿が起こらない速度で強制撹拌しながら混合し、混合中の両者をノズルから放出させ固化して製造した直径が1mmの散弾を1個ずつ、完全な平面度を持つ定盤を水平に設置する。この定盤の上に乗せた散弾について長径と短径を測定し、その比率を求める。
(評価A) ;長径/短径が1.0の場合・・・・・・・・・・・・・合格
(評価B1);長径/短径が1.0未満〜0.9の場合・・・・・・・合格
(評価B2)長径/短径が0.9未満〜0.8の場合・・・・・・・・合格
(評価X) ;長径/短径が0.8未満〜0.6の場合・・・・・・・不合格
(評価Y) ;長径/短径が0.6未満〜0.5の場合・・・・・・・不合格
(評価Z) ;長径/短径が0.5以下の場合・・・・・・・・・・・不合格
実施例1〜5、比較例1〜2
散弾中の軟質部材として、まず100%Znを選択する。散弾中の酸素量が5〜3500ppmのZnでは、錆び試験、命中度試験、真球度試験のいずれもが合格の範囲で良好であった(実施例1〜5)。特に酸素量の少ない50ppm以下のZn(実施例4〜5)では、命中度試験、真球度試験ともに(評価A)であった。
これに対して、酸素量が4000ppmと8000ppm(比較例1〜2)のZnでは、錆び試験は良好の(評価A)であるものの、命中度試験、真球度試験に於いて不合格を示した(比較例1〜2)。特に酸素量が8000ppmのZnでは、真球度が著しく劣り(評価Z)を示すと共に、的上に生じた貫通孔の位置もその分布が大きくバラツキを示した(比較例1)。
なお、酸素量を5ppm未満とするZnは、特殊の一方向性溶解法を採用する点で供給の面で不安定性があるのみならず高価となる。本発明の工業的実施での酸素量は5ppmから3500ppm以下の酸素量を選択する。
酸素量が3500ppm以下(実施例1〜10)の銃用弾丸について、各200個の試作材の密度分布を調査すると、個々間の密度ばらつきがなく安定した銃用弾丸を得る事が出来る。顕微鏡観察の結果、銃用弾丸中には気孔の存在は極めて少ない。密度不良や気孔不良の調査は、約600個調査した中でゼロであった。
特に、命中度試験に於いて、酸素量が5ppm、50ppm(実施例4〜5、12〜13)の場合では(評価AA)を示し良好である。
しかし、酸素量が4000、8000ppm(比較例1〜2)の銃用弾丸について、約600個の試作材の密度分布を調査すると、十分な密度値が得られない上に、密度分布に大幅なばらつきが見られ好ましくない。顕微鏡観察の結果、巨大な気孔が多量に存在した。調査した約600個の80%に密度不良や気孔不良が見られた。特に、命中度試験に於いて、酸素量が4000,8000ppm(比較例1〜2)の場合では(評価X〜Y)および(評価X〜B2)を示し好ましくなく、またバラツキも見られ好ましくない(表2)。この場合の命中度の劣勢は、真球度特性の著しい低下(評価Z、評価Y)に関連があると考えられる。
更に散弾の表面には厚さが5μmを越える様な過剰な厚さのZnOの生成点在があると、表面は脆性を示し、その一部には剥がれが認められている。この場合、3500ppmを越える多量の酸素量の存在は、過剰なZnOの生成を招き散弾の安定性に対して好ましくない。表面には厚さは3μm以下とする事によって、この危険を除去する。
後述する軟質部材としてSnを使用した酸素量が5500ppm(比較例3)の場合も(評価X)を示し同じ傾向であった。
実施例6〜10
前記実施例1〜5では、散弾中の軟質部材として100%Znを選択したが、100%Znのみでなく、ZnSn合金(実施例6〜8)であっても、錆び試験、命中度試験、真球度試験のいずれもが(評価A)を示し同様の効果を示す。
特に、顕微鏡組織的に均質である91%Sn残部9%Zn合金(実施例9)では、錆び試験、命中度試験で(評価A)を示す上に、命中度試験に於いては複数個の痕跡が一致し高い命中度(評価AA)を示した。
なお、実施例6〜10では、いずれも10〜25ppm範囲の酸素量をもつ素材で評価した。
実施例11〜13、比較例3
前記実施例1〜5では、散弾中の軟質部材として100%Zn、Snゼロ%について示したが、本発明では、Znゼロ、Sn100%であっても、酸素量が3500ppm以下に於いて同等の効果を得る(実施例11〜13)。
しかし、同じZn量ゼロ、Sn100%であっても、酸素量が5500ppm(比較例3)の場合には、密度試験および錆び試験に於いて合格であったが、命中度試験に於いて(評価X)、真球度試験に於いて(評価Z)を示し特性の低下を示した。
実施例14〜15、比較例4〜5
前記実施例1〜13では、Zn(Sn)−酸素系の散弾材料について示したが、本発明では、Zn(Sn)−酸素系のみでなく、これと硬質材料WCとを複合化しても良好な特性を示す。硬質部材の複合化の効果は、特に散弾の密度値を所定の範囲内に調整する作業が、前記実施例1〜13に示した硬質材料「なし」の場合と比較して容易に行える重大な利点を持つ。
なお、本発明でのWC(W)は、純度100%のWC(W)みならず、MoC、Mo,Fe,Co,Ni,Cu、Cr,Agを5%程度まで含有しているWC(W)スクラップ材も活用する事ができる。
密度評価:硬質部材としてWCと、軟質部材としてSnを複合化した銃用弾丸では、特にWCが28%以下(残部Snが72%以上)とした場合に、目標としている9.5gr/cc若しくはそれ以下の好ましい(評価A)の密度範囲を得る(実施例14〜15)。
これに対して、100%WC(Snゼロ)である(比較例5)では、密度は15.6gr/ccで(評価Y)であり、40%WC(残部Sn60%)である(比較例4)では、密度は10.5gr/cc(評価X)であり、いずれも密度値が9.5gr/ccを越え好ましくない。
錆び試験:錆びの評価を実施したところ、Sn量が72%(実施例15)、Sn量が88%(実施例14)は(評価A)を示し、いずれも錆び(酸化、腐食)の進行の少ない良好な結果を示した(表2)。
これに対して、100%WC(Snゼロ)である(比較例5)での錆び試験結果は、(評価X)、40%WC(残部Sn60%)である(比較例4)では、(評価X〜Y)を示し、いずれも錆び(酸化、腐食)の進行の大きい好ましくない結果を示した。
命中度試験:別途実施している命中度試験に於いても、Sn量が72%(実施例15)では(評価B2)、Sn量が88%(実施例14)では(評価B1)いずれも良好である。
これに対して、100%WC(Snゼロ)である(比較例5)、40%WC(残部Sn60%)である(比較例4)では、いずれも(評価X)を示し、好ましくない結果を示した。
真球度試験:別途実施している真球度試験に於いても、Sn量が72%(実施例15)では(評価A)、Sn量が88%(実施例14)でもいずれも(評価A)で良好である。
これに対して、100%WC(Snゼロ)である(比較例5)では、融点が大で硬度も大のため、散弾素材を製造する際に選択する製造方法の制約、経済的制約も加わり所定の加工条件内では十分な真球度が得られず(評価Y)を得た。40%WC(残部Sn60%)である(比較例4)でも同様な理由で(評価X)を示し、好ましくない結果を示した。
なお、散弾用Zn−WC系に於いては、所定範囲量の酸素の存在は、ZnOの生成量に関連する。ZnOの存在は、散弾の表面部分のWCを被覆し環境雰囲気から保護したり、および内部のWCのWC粒子とWC粒子の間に介在しWCの接触状況を改善するために重要な機能を発揮する。Zn系散弾中での酸素は不可欠の存在となる。
すなわち生成するZnO量が過度に多いと、WC粒子同士の結合力を低下させWC粒子の脱落や脱離の原因となる。
また、生成するZnO量が過度に少ないと、その厚さも薄い状態となると共に、WC表面を十分に保護出来ず、時間の経過と共に変質が進み好ましくない。これは後述するZn−W系に於けるZnOでも同じである。Sn−WC、Sn−W系に於けるSnO2でも同じである。
総合評価:以上に示したように密度測定、錆び試験、命中度試験、真球度試験の結果、軟質部材としてのSn量が72%以上、WCが28%以下に於いて(実施例14〜15,10)総合的に合格である。
実施例16〜18、比較例6〜7
前記実施例14〜15、比較例4〜5では、銃用弾丸の硬質部材としてWCを選択した場合の効果を示したが、本発明は硬質部材はWCのみならずWを使用した場合でも、同様の効果を得る(実施例16〜17)。またMoを選択した場合でも、同様の効果を得る(実施例18)。硬質部材の複合化の効果は、特に散弾の密度範囲の調整に於いて、前記実施例1〜13に示した硬質材料「なし」の場合よりも容易に行える利点を持つ。
密度評価:硬質部材としてWを選択した。Wと軟質部材としてSnとを複合化した銃用弾丸(実施例16〜17)では、特に、Wが18%以下(残部Snが82%以上)とした場合に、目標としている9.5gr/cc若しくはそれ以下の好ましい(評価A)の密度範囲を得る(実施例16〜17)。
これに対して、100%W(Snゼロ)である(比較例7)では、密度は19.3gr/ccで(評価Y)であり、70%W(残部Sn30%)である(比較例6)では、密度は10.75gr/cc(評価X)であり、いずれも密度値が9.5gr/ccを越え好ましくない。
錆び試験:錆びの評価を実施したところ、Sn量が82%(実施例17)、Sn量が90%(実施例16)は(評価A)を示し、いずれも錆び(酸化、腐食)の進行の少ない良好な結果を示した(表2)。
これに対して、100%W(Snゼロ)である(比較例7)での錆び試験結果は、(評価Y)、30%W(残部Sn70%)である(比較例4)では、(評価X〜Y)を示し、いずれも錆び(酸化、腐食)の進行の大きい好ましくない結果を示した。
命中度試験:別途実施している命中度試験に於いても、Sn量が82%(実施例17)では(評価B2)、Sn量が90%(実施例16)では(評価B1)を示し、いずれも良好である。
これに対して、100%W(Snゼロ)である(比較例7)、30%W(残部Sn70%)である(比較例6)では、いずれも(評価X)を示し、好ましくない結果を示した。
真球度試験:別途実施している真球度試験に於いても、Sn量が82%(実施例17)では(評価A)、Sn量が90%(実施例16)でもいずれも(評価A)で良好である。
これに対して、100%W(Snゼロ)である(比較例7)では、融点が大で硬度も大のため、散弾素材を製造する際に選択する製造方法の制約、経済的制約も加わり所定の加工条件内では十分な真球度が得られず(評価Y)を得た。30%W(残部Sn70%)である(比較例6)でも同様な理由で(評価X)を示し、好ましくない結果を示した。
総合評価:以上に示したように密度測定、錆び試験、命中度試験、真球度試験の結果、軟質部材としてのSn量が82%以上、Wが18%以下に於いて(実施例16〜17)総合的に合格である。
実施例19〜22、比較例8〜9
前記実施例1〜18、比較例1〜7では、軟質部材Zn(Sn)と硬質部材WC(W)とを組み合わせた散弾についてその効果を示したが、本発明では、軟質部材とその中に所定量の補助成分としてCuとを組み合わせた散弾についても有効である。
軟質部材Zn(Sn)中への補助成分Cuの添加効果は、軟質部材Zn(Sn)の蒸気圧を低目に調整しながら溶湯を安定化させ、前記実施例1〜18の補助成分なしの場合よりも作業性を改善するする利益を得る。
軟質部材Zn(Sn)中の補助成分の量は5%以下に制限する。補助成分量を5%以下とする理由は、軟質部材Zn(Sn)の過度に高硬度化するのを抑止したり、Zn(Sn)の溶湯の融点を過度に上昇させない範囲の量とする必要性からである。これによって、Zn(Sn)溶湯をノズルを通して空間中に放出させ固化させて製造する場合に、散弾の真球度を管理する。
Zn(Sn)量に対する過度の量の補助成分の存在は、Zn(Sn)溶湯の粘性を上げ流動性を損ない好ましくない。その結果、Zn(Sn)溶湯をノズルを通して空間中に放出させ固化させて製造する散弾では、良い真球度を持つ散弾とはならない。
すなわち、Zn(Sn)量(Cu量をほぼ50%、Sn量をほぼ50%とした場合)に対して補助成分Cuが5%(実施例22)以下からなる補助成分の場合、密度試験、錆び試験、命中度試験、真球度試験のいずれもが良好である(実施例19〜22)。
しかし、補助成分が8.5%,25%(比較例8〜9)では、密度試験、錆び試験は(評価A)であるが、命中度試験では比較例8が(評価X)、比較例9が(評価X〜Y)。および真球度試験では比較例8が(評価Y)、比較例9が(評価Z)てあり好ましくない。
実施例23〜27
軟質部材Zn(Sn)と補助成分Ag,Fe,Al,Si,Mgのいずれかとを複合化した散弾であっても、密度試験、錆び試験、命中度試験、真球度試験のいずれもが良好である(実施例23〜27)。
軟質部材Zn(Sn)中への補助成分Ag,Fe,Al,Si,Mgのいずれかのを添加する効果は、前記同様に軟質部材Zn(Sn)の蒸気圧を低目に調整しながら溶湯を安定化させ、前記実施例1〜18の補助成分なしの場合よりも作業性を改善する利益を得る。
実施例28〜30
前記実施例1〜22、比較例1〜9では、軟質部材Zn(Sn)と硬質部材WC(W)とを組み合わせた散弾についてその効果を示したが、本発明では軟質部材と硬質部材の組合わせのみでなく更に補助成分の存在も有効である。
硬質部材WC(W)と軟質部材Zn(Sn)と補助成分Fe,Al,Agのいずれかとを複合化した散弾であっても、密度試験、錆び試験、命中度試験、真球度試験のいずれもが良好である(実施例28〜30)。
WC(W)によって密度値の調整を容易に行え、かつFe,Al,Agなど5%以下の補助成分によって、Zn(Sn)の蒸気圧を低目に調整し、Zn(Sn)が選択的に蒸発するのを調整し、前記実施例1〜18の補助成分なしの場合よりも作業性を改善する。
実施例31〜36、比較例10
前記した実施例1〜30,比較例1〜9の密度測定、錆び試験、命中度試験、真球度試験で使用した銃用弾丸中の硬質部材WC(W)の1個の平均粒子直径は、総て1.5〜3μmの弾丸材料から選別して評価したが、本発明ではこの粒子直径以外でも有効である。
すなわち、命中度試験によれば、粒子直径範囲が0.1〜1.5μm(実施例31)、10〜30μm(実施例32),10〜30μm(実施例33)の場合では(評価AA〜A)。粒子直径100〜300μm(実施例34)の場合では(評価A〜B1)。粒子直径1〜3mm(実施例35)の場合では(評価B1)、粒子直径3〜5mm(実施例6)の場合では(評価B2)を示し、いずれも合格の範囲を示し、散弾として使用する。
しかし、粒子直径が5mmを越えた場合(比較例10)では,(評価X〜評価Y)を示し好ましくなかった。特に散弾として大き過ぎ取扱の点で除外した。
なお、(実施例31〜33)の範囲の粒子直径では、軟質部材のZn(Sn)の溶湯中で硬質部材WC(W)を強制撹拌させながら、急冷固化する製造方法を採用して散弾を製造する事が可能である。(実施例35〜36)の範囲の粒子直径では、強制撹拌しても,WC(W)の偏析を十分には阻止出来ないので、WC(W)のスケルトン(骨格)中ににZn(Sn)を溶浸させる方法や、WC(W)とZn(Sn)とを固相焼結して固化する方法、WC(W)とZn(Sn)とを合成ゴムや合成樹脂で固化する方法など別の製造方法を採用して散弾とする。
実施例37〜36、比較例10
硬質部材WC(W)と、軟質部材Sn(Zn)とを粘結材や結合材を使用して複合化するには、WC(W)、Sn(Zn)と、合成樹脂や合成ゴムとを十分に混練した上で固化し散弾とする。
合成樹脂や合成ゴムの量は、WC(W)、Sn(Zn)合計量に対して、0.1〜20容積%の範囲の範囲に於いて、前記錆び試験、命中度試験、真球度試験を合格する。
しかし、合成樹脂や合成ゴムの量が、0.1容積%未満では、結合の強度が十分でなく、欠けや崩れが見られる。また、20容積%を越えると、WC(W)、Sn(Zn)分布のばらつきのみならず密度、命中度への影響も見られ好ましくない。
粘結材や結合材として合成樹脂を使用する場合は、アルキド樹脂、メラミン樹脂から選択するのが好ましい。
粘結材や結合材として合成ゴムを使用する場合は、ニトリルゴム、シリコーンゴム、ウレタンゴム、フッ素ゴムから選択するのが好ましい。
なお、補助成分Fe(Al)を添加したWC(W)、Sn(Zn)、Fe(Al)散弾やSn(Zn)のみに対しても同様に合成樹脂、合成ゴムと複合化して使用する。
変形例
変形例1
軟質部材Sn(Zn)を溶融せず、固相焼結法、溶浸法を採用して散弾を製造する場合には、軟質部材Sn(Zn)と硬質部材WC(W)、軟質部材Sn(Zn)と硬質部材WC(W)と補助成分Fe(Al)とを均一に混合した後に,複合化するには加圧成型作業が必要となる。特に、加圧成型圧力は10トン/cm2以下での固化が良い。10トン/cm2を越る加圧は、弾丸の表面や内部に亀裂を生じ、錆び試験、命中度試験、真球度試験に於いて、好ましくない結果を招くと共に、弾丸の欠けや割れを招き好ましくない。
上述したように、本発明の散弾は、Pbを含有せず環境性に配慮すると共に、Pbと同程度の密度の保持を可能とすることができ、優れた散弾材を提供できる。
散弾(弾丸)を装着した状態を示す断面図 1個の散弾(弾丸)中の硬質部材と軟質部材の分散状態を示す断面図 1個の散弾(弾丸)中の硬質部材と軟質部材の分散状態を示す断面図
符号の説明
1 散弾実包
2 散弾
3 ワッズ
4 火薬
5 点火薬(雷管)
6 薬莢(やっきょう)
7 散弾が発射して行く方向
21 硬質部材(黒色部)
22 軟質部材(白色部)
23 Zn(Sn)酸化被膜層

Claims (15)

  1. 3500ppm以下の酸素と、残部がSnとから成る素材で構成された事を特徴とする銃器用散弾または弾丸。
  2. 前記銃用散弾は、3500ppm以下の酸素と、残部がSnとから成る素材で構成され、かつその表面層を3μm(3000ミクロンメータ)以下の厚さのSn酸化物で被覆した事を特徴とする請求項1記載の銃器用散弾または弾丸。
  3. 前記銃用散弾は、3500ppm以下の酸素と、残部がZnまたはSnZnとから成る素材で構成された事を特徴とする銃器用散弾または弾丸。
  4. 前記銃用散弾は、3500ppm以下の酸素と、残部がZnまたはSnZnとから成る素材で構成され、かつその表面層を3μm以下の厚さのZn酸化物、Sn酸化物の1つまたは両者で被覆した事を特徴とする請求項3記載の銃器用散弾または弾丸。
  5. 前記銃用散弾は、5%以下(ゼロ含む)のCu,Ag,Fe,Al,Si,Mgの1つを含む事を特徴とする請求項1〜4記載の銃器用散弾または弾丸。
  6. 前記銃用散弾は、Wから成る補助成分と、残部が82重量%以上(100%含む)のSn、または82%重量以上(100%含む)のZn、SnZnとから成る素材で構成された事を特徴とする請求項1〜4記載の銃器用散弾または弾丸。
  7. 前記銃用散弾は、Wから成る補助成分と、残部が82重量%以上(100%含む)のSn、または82重量%以上(100%含む)のZn、SnZnとから成る素材で構成され,かつその表面層を3μm以下の厚さのZn酸化物、Sn酸化物の1つまたは両者で被覆した事を特徴とする請求項1〜4記載の銃器用散弾または弾丸。
  8. 前記銃用散弾は、WCから成る補助成分と、残部が72重量%以上(100%含む)のSn、または72重量%以上(100%含む)のZn、SnZnとから成る素材で構成された事を特徴とする請求項1〜4記載の銃器用散弾または弾丸。
  9. 前記銃用散弾は、WCから成る補助成分と、残部が72重量%以上(100%含む)のSn、または72重量%以上(100%含む)のZn、SnZnとから成る素材で構成され、かつその表面層を3μm以下の厚さのZn酸化物、Sn酸化物の1つまたは両者で被覆した事を特徴とする請求項1〜4記載の銃器用散弾または弾丸。
  10. 前記銃用散弾は、Moから成る補助成分と、残部が23重量%以上(100%含む)のSn、または23%以上(100%含む)のZn,Snとから成る素材で構成された事を特徴とする請求項1〜4記載の銃器用散弾または弾丸。
  11. 前記銃用散弾は、Moから成る補助成分と、残部が23重量%以上(100%含む)のSn,または23重量%以上(100%含む)のZn,SnZnとから成る素材で構成され、かつその表面層を3μm以下の厚さのZn酸化物、Sn酸化物の1つまたは両者で被覆した事を特徴とする請求項1〜4記載の銃器用散弾または弾丸。
  12. 前記銃用散弾は、SnとZnとの重量比率が約9:1である事を特徴とする請求項3〜6記載の銃器用散弾または弾丸。
  13. 前記銃用散弾は、容積%で示したSn,Znと、W,Mo,WC,MoCと,Fe,Al,Si,Mgとの合計量に対して、0.2〜20容積%の合成樹脂または合成ゴムで固化した事を特徴とする請求項1〜8項記載の銃器用散弾または弾丸。
  14. 前記銃用散弾の硬質部材の大きさは、平均粒子直径が0.1μm(マイクロメータ)〜5mm(ミリメータ)である事を特徴とする請求項1〜8項記載の銃器用散弾または弾丸。
  15. 素材を真空雰囲気中や不活性雰囲気中で少なくともZn、Sn,ZnSnの融解温度以上に加熱し溶液とした後、この溶湯を断面が円形の細孔を通して液滴とし、真空雰囲気中または不活性雰囲気中または冷媒中に放出させながら、前記溶湯から凝固までの平均冷却速度を10+2℃/秒以上の高速度で冷却固化した前記1〜9項記載の素材で構成した事を特徴とする銃器用散弾または弾丸。
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