JP2006329966A - 多発性硬化症の治療の有効性を判定する方法、および診断キット - Google Patents

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Saburo Sakoda
三郎 佐古田
Yuji Nakatsuji
裕司 中辻
Masayuki Moriya
真之 森谷
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Osaka University NUC
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Abstract

【課題】 本発明は、多発性硬化症の治療の有効性を早期に判定する方法、および診断キットを提供することを課題とする。
【解決手段】 多発性硬化症治療薬の投与前および投与後に被検者から採取された試料を用意する工程と、前記試料のIL−6を測定する工程と、前記試料のIL−6測定値を比較し、治療後の試料のIL−6測定値が治療前の試料のIL−6測定値より高い時に当該治療薬が有効であると判定する工程とを備える多発性硬化症治療薬の有効性を判定する方法、および診断キット。
【選択図】 なし

Description

本発明は、多発性硬化症の治療の有効性を判定する方法、および診断キットに関する。
多発性硬化症(MS)は、脳や脊髄などの中枢神経(視神経を含む)の髄鞘が何らかの原因で炎症を起こし、障害され脱髄する事によって発症する。病巣が複数の部位に及ぶこと、寛解と憎悪を繰り返すことが臨床的な特徴である。脱髄が起きる原因として、自己免疫によるとする説が有力であるが、未だ明らかにはなっていない。患者の70%前後に視力減衰、運動麻痺および知覚障害が、また40%前後に運動失調、膀胱障害等が認められる(非特許文献1)。
多発性硬化症の治療には、急性期にはステロイド薬による炎症抑制、血漿交換療法が行なわれ、多様な症状に関しては対症療法が行なわれる。しかし、前述の薬剤では、病気の進行や再発を食い止める事はできない。一方、病気の進行や再発を抑制する薬剤としてインターフェロン、免疫抑制剤の使用が挙げられる。これらの治療のうち、インターフェロン療法はMSの長期的な予後を改善する治療薬の中心的な薬剤として、インターフェロンβ1a(IFNβ−1a)とβ1b(IFNβ−1b)が国際的に利用されているが、2004年5月現在で日本で承認されているのは、IFN−β1bのみである。IFNβ−1a、IFNβ−1bの効果および有害事象には共通点が多く、同様の機序で作用していると予測できる。
インターフェロン療法の効果には個人差が認められ、神経細胞の障害を抑制する効果は少なくとも1年程度の長期間にわたる投与の後でないと判定する事ができない。インターフェロン療法は、現在用いられている薬剤は自己注射を必要とする事、注射部位の発赤、頭痛、関節痛等の副作用が認められる事などから、効果が判然としない治療を長期間にわたり受ける患者の負担は少なくない。経済的側面においても患者個人および社会の負担は多大である。このような背景より、長期間にわたる投与を待たず、早期にMSの治療効果を判定できる方法の開発が望まれていた。
一方、本発明で指標として用いられるインターロイキンー6(IL−6)は、炎症に関連するサイトカインとして、MSとの関連についての研究がなされてきた。また、インターフェロン療法の効果を予測するための研究において、末梢単核球をインターフェロン処理した時のIL−6の変動が調べられたがIL−6について有意な結果は得られていない(非特許文献2)。インターフェロン投与後、数時間という短いオーダーでIL−6が上昇する事は報告されている(非特許文献3)が、インターフェロン療法の効果との関連については報告されていない。また、IL−6は炎症性疾患のバイオマーカーとして臨床検査に利用されており、関節リウマチ治療薬の効果判定において、治療後のIL−6が治療前と比較して低下することを指標として利用できることが開示されている(特許文献1)。しかし、多発性硬化症についての記載はなく、IL−6の低下を指標としている点で本発明と異なる。
日本多発性硬化症研究班 1973 Hong J.et al.Journal of Neuroimmunology 152(2004)126−139 Nicoletti F.et al.Cytokine.2000 Jun;12(6):682−7. 特開2005−9889
本発明は、治療薬投与前および後のIL−6を比較し、投与後のIL−6が投与前のIL−6より上昇する事を指標とする多発性硬化症治療薬の有効性の検査方法および診断キットを提供する。
発明が解決しようとする課題
本発明の目的は、多発性硬化症治療の効果を早期に判定するための検査方法および診断キットを提供することである。
課題を解決するための手段
本発明者らは、上記課題を解決するために、多発性硬化症治療薬投与前と投与後のサイトカイン測定値の比較を行い、IL−6測定値の変動が治療効果と密接な関連がある事を見出した。
即ち、本発明は、以下の〔1〕〜〔4〕を提供するものである。
〔1〕以下の工程(a)〜(c)を含む、被検者について多発性硬化症治療薬の有効性を検査する方法。
(a) 多発性硬化症治療薬の投与前および投与後に被検者から採取された試料を用意する工程。
(b) 前記試料のIL−6を測定する工程。
(c) 前記試料のIL−6測定値を比較し、治療後の試料のIL−6測定値が治療前の試料のIL−6測定値より高い時に当該治療薬が有効であると判定する工程。
〔2〕以下の工程(a)〜(c)を含む、被検者について多発性硬化症治療薬の有効性を検査するための診断キット。
(a) 多発性硬化症治療薬の投与前および投与後に被検者から採取された試料を用意する工程。
(b) 前記試料のIL−6を測定する工程。
(c) 前記試料のIL−6測定値を比較し、治療後の試料のIL−6測定値が治療前の試料のIL−6測定値より高い時に当該治療薬が有効であると判定する工程。
〔3〕前記被検試料が治療薬投与後24時間以内の被検者より得られたものである事を特徴とする、請求項2に記載の診断キット。
〔4〕前記治療薬がインターフェロンである請求項2または3のいずれかに記載の診断キット。
MS治療に用いる治療薬は特に限定されないが、例えばインターフェロンベータ−1、インターフェロンベータ−1bなどを挙げることができ、投与方法は皮下注射、筋肉注射、静脈注射などが考えられるがこれに限定されない。被験者から採取する試料としては血液が望ましく、通常用いられる方法で血清分離した血清部分を測定試料に用いる事が好ましいが、これに限定されるものではない。
IL−6測定には、ELIZA法をはじめとする様々な既存の方法を用いることが可能である。例えば、R&D systems社のIL−6Quantikine kitなどを使用することができる。本発明の診断キットには、IL−6測定試薬の他に使用目的・用途や測定方法を記載したマニュアルを含んでいてもよく、例えば被検試料が治療薬の投与後24時間以内の被検者より採取すべきことを記載してもよい。
発明の効果
多発性硬化症の進行を防ぐ治療においては、その効果を判定するために長期間を要するが、驚くべきことに、投与開始後3日目、5日目という治療初期の注射後24時間までのIL−6測定値の変動により、少なくとも1年を待たなければ判定が困難である治療効果の有無を判定することができる。本発明により、適切な治療の選択が可能になるほか、無駄な治療の回避による精神的・肉体的・経済的な負担を減らす事ができる。
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが本発明はこれら実施例に制限されるものではない。
〔実施例1〕
文書にて同意を得たMS患者25名(女性:20名、男性5名)につき、インターフェロンβ−1b(ベタフェロン、日本シェーリング)を、隔日に皮下注射した。図1にプロトコルを示す。1日目にはベタフェロン0.8MU、その後はベタフェロン8MUを隔日に皮下注射によって投与した。3日目、5日目において、皮下注射前(0hr)および皮下注射後10hr、24hr後に採血した。治療開始後4ヶ月、1年においては、皮下注射前(0hr)および皮下注射後24hr後に採血した。なお、4ヶ月後、1年後に来院し投与を受ける間も隔日の皮下注射(ベタフェロン8MU)が行われた。 各回とも10mlずつ採血し、速やかに血清分離した後に5分割し−80℃で凍結保存し、5種類のサイトカイン(インターフェロンγ、腫瘍壊死因子α(TNF−α)、インターロイキン−10(IL−10)、インターロイキン−6(IL−6)、トランスフォーミング増殖因子−β(TGF−β))をELIZA法により測定した。IL−6の測定には、R&D systems社のIL−6 Quantikine kitを使用した。
患者情報に関しては、ベタフェロン治療開始の2年前から開始1年後までの再発回数、総合障害度評価尺度(EDSS:Expanded Disability Status Scale)(Kurtzke JF.Rating neurologic impairment in multiple sclerosis:An expanded disability status scale(EDSS).Neurology 1983;33(11):1444−1452.)の推移、核磁気共鳴画像診断(MRI)検査結果を記録した。表1に結果の一覧を示す。
ベタフェロン投与開始1年後のEDSSの1段階以上の進行の有無により2群に分け、インターフェロン投与初回(1日目)、第2回(3日目)、第3回(5日目)注射後(10hr、24hr)のサイトカイン濃度の対数と注射前(0hr)のサイトカイン濃度の対数との差を使用し、反復測定分散分析(repeated measurement ANOVA)をSAS(SASインスティテュート)を用いて行なった。図2に示した通り、1年後のEDSSの変化のを指標とした進行が1段階以上あった患者群では、進行しなかった患者群と比較してインターフェロン投与10時間後に採血した血清のIL−6測定値の上昇が有意に低かった。すなわち、インターフェロン療法が有効であった患者群ではIL−6測定値の上昇が有意に高かった。
Figure 2006329966
多発性硬化症におけるベタフェロンの薬効メカニズムに関する研究プロトコルを示す。 1年後のEDSSの進行が1段階以上あった患者群と進行がなかった患者群のIL−6濃度が、進行があった患者群ではインターフェロン投与10時間後の採血試料におけるIL−6測定値の上昇が有意に高かったことを示す。

Claims (4)

  1. 以下の工程(a)〜(c)を含む、被検者について多発性硬化症治療薬の有効性を検査する方法。
    (a)多発性硬化症治療薬の投与前および投与後に被検者から採取された試料を用意する工程。
    (b)前記試料のIL−6を測定する工程。
    (c)前記試料のIL−6測定値を比較し、治療後の試料のIL−6測定値が治療前の試料のIL−6測定値より高い時に当該治療薬が有効であると判定する工程。
  2. 以下の工程(a)〜(c)を含む、被検者について多発性硬化症治療薬の有効性を検査するための診断キット。
    (a)多発性硬化症治療薬の投与前および投与後に被検者から採取された試料を用意する工程。
    (b)前記試料のIL−6を測定する工程。
    (c)前記試料のIL−6測定値を比較し、治療後の試料のIL−6測定値が治療前の試料のIL−6測定値より高い時に当該治療薬が有効であると判定する工程。
  3. 前記被検試料が治療薬投与後24時間以内の被検者より得られたものである事を特徴とする、請求項2に記載の診断キット。
  4. 前記治療薬がインターフェロンである請求項2または3のいずれかに記載の診断キット。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008241698A (ja) * 2007-02-28 2008-10-09 Toray Ind Inc 免疫分析方法

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