JP2006323099A - 非線形光学材料構造物 - Google Patents
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Abstract
【課題】非線形光学効果を簡便に制御することが可能であり、非線形光学材料と金属ナノ粒子との間の電荷移動を制御することが可能な非線形光学材料構造物を提供する。
【解決手段】金属ナノ粒子11aをコア部分とし、光透過性材料層11bをシェル部分とするコアシェル構造の金属微粒子11と、該金属微粒子11の周囲に近接して配置される非線形光学材料粒子12とを備え、前記光透過性材料層11bは、前記非線形光学材料粒子12よりも非線形光学効果が小さいものとする。
【選択図】図2
【解決手段】金属ナノ粒子11aをコア部分とし、光透過性材料層11bをシェル部分とするコアシェル構造の金属微粒子11と、該金属微粒子11の周囲に近接して配置される非線形光学材料粒子12とを備え、前記光透過性材料層11bは、前記非線形光学材料粒子12よりも非線形光学効果が小さいものとする。
【選択図】図2
Description
本発明は、光メモリシステム、表示ディスプレイ、非線形素子などに用いられる非線形光学材料構造物に関するものである。
近年、非線形光学効果を利用した光デバイスの基礎をなす非線形光学材料について、種々の検討が行われている(例えば、特許文献1〜7参照。)。
例えば、特許文献5においては、図1に示すように、非線形光学材料からなる薄層1の中に金属微粒子Mを含有させ、その局在プラズモン効果を利用して非線形光学効果を増強する技術が提示されている。これらの材料では非線形光学効果の増強を目的としているにもかかわらず、金属微粒子とその周囲に存在する非線形光学材料との相互作用において、金属微粒子の密度や凝集の程度を変えるしかなく、金属微粒子の分散を制御することが難しく、容易に非線形光学特性を制御することは困難であった。
また、特許文献6では、これに加え、半導体または金属のコアの表面をマトリックス及びコアとは異なる物質のシェルで覆った複合微粒子を分散させた技術が提示されている。しかし、この技術は複合微粒子であるシェル及びコアとなる物質との相互作用やその周囲の材料との間の相互作用が明確でなく、非線形光学材料としての特性の制御は困難であった。
また、特許文献1〜5では、金属微粒子と非線形光学材料が直接接触あるいは結合しているため、非線形光学材料としての特性に影響を及ぼす非線形光学材料と金属微粒子の間の、電荷移動制御が不可能であった。
本発明は、以上の従来技術における問題に鑑みてなされたものであり、非線形光学効果を簡便に制御することが可能であり、非線形光学材料と金属ナノ粒子との間の電荷移動を制御することが可能な非線形光学材料構造物を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために提供する本発明は、金属ナノ粒子をコア部分とし、光透過性材料層をシェル部分とするコアシェル構造の金属微粒子と、該金属微粒子の周囲に近接して配置される非線形光学材料粒子とを備え、前記光透過性材料層は、前記非線形光学材料粒子よりも非線形光学効果が小さいことを特徴とする非線形光学材料構造物である。
ここで、前記光透過性材料層の厚さにより非線形光学特性が制御されてなることが好ましい。
また、前記光透過性材料層の誘電率により非線形光学特性が制御されてなることが好ましい。
また、前記金属ナノ粒子を棒形状とし、該金属ナノ粒子のアスペクト比により非線形光学特性が制御されてなることが好ましい。
また、前記光透過性材料層の誘電率により非線形光学特性が制御されてなることが好ましい。
また、前記金属ナノ粒子を棒形状とし、該金属ナノ粒子のアスペクト比により非線形光学特性が制御されてなることが好ましい。
また、前記金属ナノ粒子は、シェル部分が金属材料からなり、コア部分がシェル部分と異なる材料からなるコアシェル構造を有することが好適である。
また、前記光透過性材料層は、絶縁材料からなることが好ましい。
あるいは、前記光透過性材料層は、導電性材料からなり、該光透過性材料層の導電率により非線形光学特性が制御されてなることが好ましい。
あるいは、前記光透過性材料層は、導電性材料からなり、該光透過性材料層の導電率により非線形光学特性が制御されてなることが好ましい。
また、前記非線形光学材料粒子は、多光子吸収を含む3次以上の高次非線形光学効果をもつ材料からなることが好ましい。
このとき、前記非線形光学材料粒子は、蛍光材料からなるとよい。
このとき、前記非線形光学材料粒子は、蛍光材料からなるとよい。
本発明の効果として、請求項1の発明によれば、光透過性材料層の形状、特性を変化させることにより、金属ナノ粒子の局在プラズモンの効果による非線形光学材料粒子の非線形光学特性の増強度をこの層が無い場合(従来)に比べて簡便に変化させることが可能となる。
請求項2の発明によれば、金属ナノ粒子と非線形光学材料粒子の間の距離を適切に設定することが可能となり、金属ナノ粒子と非線形光学材料粒子の相互作用の度合いとそれによる非線形光学材料粒子の非線形特性の増強度を調節でき、全体の非線形光学材料構造物の特性を簡便に変化させることができる。
請求項3の発明によれば、金属ナノ粒子と光透過性材料層との相互作用により、金属ナノ粒子の局在プラズモンによる光吸収スペクトルのピークを短波長側にシフトさせることができ、全体の非線形光学材料構造物の特性を簡便に変化させることができる。
請求項4,5の発明によれば、金属ナノ粒子の局在プラズモンによる光吸収スペクトルのピークを長波長側にシフトさせることができ、全体の非線形光学材料構造物の特性を簡便に変化させることができる。
請求項6の発明によれば、金属ナノ粒子と非線形光学材料粒子との相互作用において金属ナノ粒子と非線形光学材料粒子との間で電荷のやり取りを困難とするため、非線形光学材料粒子中に発生した電荷が金属ナノ粒子に流れることが無くなり金属ナノ粒子により増強された電界のみが非線形光学材料粒子に影響を及ぼす。このため請求項1ないし5の非線形光学材料構造物の作用効果に加え、電荷のエネルギーを金属ナノ粒子により散逸させることなく有効に利用することができる。
請求項7の発明によれば、金属ナノ粒子と非線形光学材料粒子との相互作用において金属ナノ粒子と非線形光学材料粒子との間で電荷のやり取りが可能になるため、非線形光学材料粒子中に発生した電荷を金属ナノ粒子に流すことができる。このため請求項1ないし5の非線形光学材料構造物の作用効果に加え、非線形光学材料粒子中に発生した電荷が不要な場合に導電率を適当に選択する事により電荷の発生を抑えることができる。
請求項8の発明によれば、非線形光学材料粒子が光源波長に対して透明な材料である場合に、レーザ等の光源を用いて非線形光学材料粒子の内部に吸収を起こさせる事ができ、熱や光化学反応による材料を変化させることができる。このため請求項1ないし7の非線形光学材料構造物の作用効果に加えて、多光子吸収により発生する電荷の処理を制御することができる。
請求項9の発明によれば、多光子吸収によるレーザ等の光源を用いて多光子吸収による吸収と蛍光の発光をさせることができる。このため請求項1ないし8の非線形光学材料構造物の作用効果に加えて、レーザ等の光源励起による蛍光の発光効率や発光強度を制御することができる。
請求項2の発明によれば、金属ナノ粒子と非線形光学材料粒子の間の距離を適切に設定することが可能となり、金属ナノ粒子と非線形光学材料粒子の相互作用の度合いとそれによる非線形光学材料粒子の非線形特性の増強度を調節でき、全体の非線形光学材料構造物の特性を簡便に変化させることができる。
請求項3の発明によれば、金属ナノ粒子と光透過性材料層との相互作用により、金属ナノ粒子の局在プラズモンによる光吸収スペクトルのピークを短波長側にシフトさせることができ、全体の非線形光学材料構造物の特性を簡便に変化させることができる。
請求項4,5の発明によれば、金属ナノ粒子の局在プラズモンによる光吸収スペクトルのピークを長波長側にシフトさせることができ、全体の非線形光学材料構造物の特性を簡便に変化させることができる。
請求項6の発明によれば、金属ナノ粒子と非線形光学材料粒子との相互作用において金属ナノ粒子と非線形光学材料粒子との間で電荷のやり取りを困難とするため、非線形光学材料粒子中に発生した電荷が金属ナノ粒子に流れることが無くなり金属ナノ粒子により増強された電界のみが非線形光学材料粒子に影響を及ぼす。このため請求項1ないし5の非線形光学材料構造物の作用効果に加え、電荷のエネルギーを金属ナノ粒子により散逸させることなく有効に利用することができる。
請求項7の発明によれば、金属ナノ粒子と非線形光学材料粒子との相互作用において金属ナノ粒子と非線形光学材料粒子との間で電荷のやり取りが可能になるため、非線形光学材料粒子中に発生した電荷を金属ナノ粒子に流すことができる。このため請求項1ないし5の非線形光学材料構造物の作用効果に加え、非線形光学材料粒子中に発生した電荷が不要な場合に導電率を適当に選択する事により電荷の発生を抑えることができる。
請求項8の発明によれば、非線形光学材料粒子が光源波長に対して透明な材料である場合に、レーザ等の光源を用いて非線形光学材料粒子の内部に吸収を起こさせる事ができ、熱や光化学反応による材料を変化させることができる。このため請求項1ないし7の非線形光学材料構造物の作用効果に加えて、多光子吸収により発生する電荷の処理を制御することができる。
請求項9の発明によれば、多光子吸収によるレーザ等の光源を用いて多光子吸収による吸収と蛍光の発光をさせることができる。このため請求項1ないし8の非線形光学材料構造物の作用効果に加えて、レーザ等の光源励起による蛍光の発光効率や発光強度を制御することができる。
以下に、本発明に係る非線形光学材料構造物の実施例について説明する。
(実施例1)
本発明の第1の実施例を、図2を用いて説明する。
図2は、本発明の非線形光学材料構造物の断面構成を示したものである。
図2に示すように、本発明の非線形光学材料構造物は、金属ナノ粒子11aと非線形光学材料粒子12とが、該非線形光学材料粒子12よりも非線形光学効果の小さい光透過性材料層11bを挟んで近接して配置されてなることを特徴とする。より具体的には、本発明の非線形光学材料構造物は、金属ナノ粒子11aをコア部分とし、光透過性材料層11bをシェル部分とするコアシェル構造の金属微粒子11と、該金属微粒子11の周囲に取り巻くように近接して配置される非線形光学材料粒子12とを備え、前記光透過性材料層11bは、前記非線形光学材料粒子12よりも非線形光学効果が小さいことを特徴とする。
本発明の第1の実施例を、図2を用いて説明する。
図2は、本発明の非線形光学材料構造物の断面構成を示したものである。
図2に示すように、本発明の非線形光学材料構造物は、金属ナノ粒子11aと非線形光学材料粒子12とが、該非線形光学材料粒子12よりも非線形光学効果の小さい光透過性材料層11bを挟んで近接して配置されてなることを特徴とする。より具体的には、本発明の非線形光学材料構造物は、金属ナノ粒子11aをコア部分とし、光透過性材料層11bをシェル部分とするコアシェル構造の金属微粒子11と、該金属微粒子11の周囲に取り巻くように近接して配置される非線形光学材料粒子12とを備え、前記光透過性材料層11bは、前記非線形光学材料粒子12よりも非線形光学効果が小さいことを特徴とする。
金属微粒子11は、金属ナノ粒子11a(コア部分)の外側に、非線形光学効果の小さい材料(シェル部分)からなる光透過性材料層11bを形成してなるコアシェル構造の金属微粒子である。
金属ナノ粒子11aの構成材料としては、金、銀、白金、銅等の金属が適用可能である。金属ナノ粒子11aの大きさは、従来例にも指摘されているものと同様に、数nm〜数百nm程度の大きさが適用可能であり、特に10〜100nm程度が望ましい。
光透過性材料層11bを構成する材料として、例えば、SiO2、TiO2等の誘電体材料とすることが好ましい。3次の非線形光学効果は、どのような光学材料でも存在するため、ここでは非線形光学効果が実用上十分に小さく非線形光学材料粒子12など他の材料から見て無視できるレベルであればよい。また、光透過性材料層11bの厚さは、金属ナノ粒子11aの大きさにも依存するが、数nm〜数十nm程度が望ましい。
非線形光学材料粒子12は微粒子または分子からなり、構成材料として、例えば有機樹脂材料、有機色素材料、無機ガラス、微粒子含有ガラスを始め、光学多結晶材料微粒子を含む有機、無機材料が適用可能である。
金属微粒子11のうち、金属ナノ粒子11aは金属イオンを含む原料の還元や粉砕等の方法で作製することができ、シェル部分の光透過性材料層11bは共沈法、チオールを用いた化学結合等の従来から知られている方法で様々な有機、無機分子や材料を金属ナノ粒子11aの表面に形成すればよい。ついで、金属微粒子11と所定の非線形光学材料粒子12とを混合あるいは化学的に結合させることにより本発明の非線形光学材料構造物を得ることができる。
図2に示す構造の非線形光学材料構造物に、光源からの光が入射すると、光源の光の波長が金属ナノ粒子11aにおいて局在プラズモンのモードが励起する波長と一致していれば、特に強く局在プラズモンのモードが励起され、その周辺にエバネッセント波を励起すると共に散乱光を発散する。これにより、その周囲の非線形光学材料粒子12を周辺の電界強度より強い強度で励起することになる。非線形光学効果は、電界の2乗やべき乗に比例して効果が大きくなる物が多く、これらコアシェル構造の金属微粒子11周囲のエバネッセント波や散乱光により増強される。
(実施例2)
本発明の第2の実施例を、図2及び図3を用いて説明する。
図3は、Ag微粒子の局在プラズモンモード励起時の励起電場に対する微粒子断面の電場分布を示している(「ナノ光工学ハンドブック」大津、河田、堀編,朝倉書店,2002年、p.99、図2.37より引用)。この図では、電界強度は金属ナノ粒子11aの表面部分で強く周辺に行くにつれて弱くなることを示している。このため、非線形光学材料粒子12と金属ナノ粒子11aとの距離は、金属ナノ粒子11aによる非線形光学材料粒子12の増強に大きく影響する。すなわち、非線形光学材料粒子12と金属ナノ粒子11aとの距離が離れるに従って増強効果が弱く、逆に近づくと強くなる。
本発明の第2の実施例を、図2及び図3を用いて説明する。
図3は、Ag微粒子の局在プラズモンモード励起時の励起電場に対する微粒子断面の電場分布を示している(「ナノ光工学ハンドブック」大津、河田、堀編,朝倉書店,2002年、p.99、図2.37より引用)。この図では、電界強度は金属ナノ粒子11aの表面部分で強く周辺に行くにつれて弱くなることを示している。このため、非線形光学材料粒子12と金属ナノ粒子11aとの距離は、金属ナノ粒子11aによる非線形光学材料粒子12の増強に大きく影響する。すなわち、非線形光学材料粒子12と金属ナノ粒子11aとの距離が離れるに従って増強効果が弱く、逆に近づくと強くなる。
本発明では、コアシェル構造の金属微粒子11のシェル部分の光透過性材料層11bの厚さを選択することにより、非線形光学材料粒子12と金属ナノ粒子11aとの距離を調節することができ、これにより金属微粒子11から非線形光学材料粒子12へ影響する電界強度を調整することが可能となる。
(実施例3)
本発明の第3の実施例を、図2を用いて説明する。
前述の通り、金属ナノ粒子11a周辺の電界強度は、金属ナノ粒子11aの表面部分で強く、周辺に行くにつれて弱くなる。ここで、金属微粒子11のシェル部分の光透過性材料層11bの誘電率(あるいは屈折率でも同等)を大きくすると、金属微粒子1aの表面に励起されるエバネッセント波や散乱光の空間的広がりが減少する(「ナノ光工学ハンドブック」大津、河田、堀編,朝倉書店,2002年、p.88、98、99)。このために金属微粒子11周囲のエバネッセント波や散乱光が減少し、これにより金属微粒子11から非線形光学材料粒子12へ影響する電界強度を小さくすることができる。反対に、金属微粒子11の光透過性材料層11bの誘電率(あるいは屈折率)を小さくすると、金属微粒子11から非線形光学材料粒子12へ影響する電界強度を大きくすることができる。このように、本発明では金属微粒子11から非線形光学材料粒子12へ影響する電界強度を調整することが可能となる。具体的には、光透過性材料層11bの材料を誘電率(屈折率)の異なる材料から選択して電界強度を調整するとよい。例えば、実施例1で示した誘電体材料(絶縁材料)のSiO2とTiO2は互いに屈折率が大きく異なるため、これらから適宜選択すればよい。
本発明の第3の実施例を、図2を用いて説明する。
前述の通り、金属ナノ粒子11a周辺の電界強度は、金属ナノ粒子11aの表面部分で強く、周辺に行くにつれて弱くなる。ここで、金属微粒子11のシェル部分の光透過性材料層11bの誘電率(あるいは屈折率でも同等)を大きくすると、金属微粒子1aの表面に励起されるエバネッセント波や散乱光の空間的広がりが減少する(「ナノ光工学ハンドブック」大津、河田、堀編,朝倉書店,2002年、p.88、98、99)。このために金属微粒子11周囲のエバネッセント波や散乱光が減少し、これにより金属微粒子11から非線形光学材料粒子12へ影響する電界強度を小さくすることができる。反対に、金属微粒子11の光透過性材料層11bの誘電率(あるいは屈折率)を小さくすると、金属微粒子11から非線形光学材料粒子12へ影響する電界強度を大きくすることができる。このように、本発明では金属微粒子11から非線形光学材料粒子12へ影響する電界強度を調整することが可能となる。具体的には、光透過性材料層11bの材料を誘電率(屈折率)の異なる材料から選択して電界強度を調整するとよい。例えば、実施例1で示した誘電体材料(絶縁材料)のSiO2とTiO2は互いに屈折率が大きく異なるため、これらから適宜選択すればよい。
(実施例4)
図2及び図4を用いて、さらに別の実施例を説明する。
図4は、金属微粒子11の金属ナノ粒子11aの構造を棒状に長くしたものとした場合の局在プラズモンのモードが励起する波長を示している(J. Phys. Chem. B 1999, 103 3073-3077.Fig.2より引用)。金属ナノ粒子11aの直径に対する長さの比(アスペクト比R)が大きくなると、局在プラズモンのモードが励起する波長が長波長側へシフトし、かつ局在プラズモンにより励起されるエバネッセント波や散乱光の強度が増加する。本実施例では、棒状の金属ナノ粒子11aを用いているため、非線形光学材料粒子12の励起波長の調節や増強度の調節が可能になる。なお、棒状の金属ナノ粒子11aは、光還元法、電気分解法等により作製すればよい。
図2及び図4を用いて、さらに別の実施例を説明する。
図4は、金属微粒子11の金属ナノ粒子11aの構造を棒状に長くしたものとした場合の局在プラズモンのモードが励起する波長を示している(J. Phys. Chem. B 1999, 103 3073-3077.Fig.2より引用)。金属ナノ粒子11aの直径に対する長さの比(アスペクト比R)が大きくなると、局在プラズモンのモードが励起する波長が長波長側へシフトし、かつ局在プラズモンにより励起されるエバネッセント波や散乱光の強度が増加する。本実施例では、棒状の金属ナノ粒子11aを用いているため、非線形光学材料粒子12の励起波長の調節や増強度の調節が可能になる。なお、棒状の金属ナノ粒子11aは、光還元法、電気分解法等により作製すればよい。
(実施例5)
図2,図5,図6を用いて、さらに別の実施例を説明する。
本実施例では、図5に示すように、金属ナノ粒子11aを金属ナノ粒子コア部11acと金属ナノ粒子シェル部11asからなるコアシェル構造を有するものとし、金属ナノ粒子シェル部11asは金属材料からなり、金属ナノ粒子コア部11acは金属ナノ粒子シェル部11asとは異なる材料からなるものとする。
図2,図5,図6を用いて、さらに別の実施例を説明する。
本実施例では、図5に示すように、金属ナノ粒子11aを金属ナノ粒子コア部11acと金属ナノ粒子シェル部11asからなるコアシェル構造を有するものとし、金属ナノ粒子シェル部11asは金属材料からなり、金属ナノ粒子コア部11acは金属ナノ粒子シェル部11asとは異なる材料からなるものとする。
図6は、金属微粒子11の金属ナノ粒子11aをコアシェル構造とした場合の金属ナノ粒子11aの直径に対する金属ナノ粒子シェル部11asの厚さとの比qと、局在プラズモンのモードが励起する波長との関係を示している(ナノ光工学ハンドブック」大津、河田、堀編,朝倉書店,2002年、p.195、図3.62(b)より引用)。金属ナノ粒子11aの直径に対する金属ナノ粒子シェル部11asの厚さとの比qが小さくなると、局在プラズモンのモードが励起する波長が長波長側へシフトし、かつ局在プラズモンにより励起されるエバネッセント波や散乱光の強度が増加する。本実施例では、コアシェル構造の金属ナノ粒子11aを用いているため、非線形光学材料の励起波長の調節や増強度の調節が可能になる。なお、コアシェル構造の金属ナノ粒子11aは、光還元法、電気分解法等により作製すればよい。
(実施例6)
本発明の第6の実施例を、図2を用いて説明する。
本実施例では、実施例1の光透過性材料層11bを構成する材料に、高抵抗の絶縁材料を用いる。材料としては、無機の半導体微結晶でバンドギャップが励起波長に対して十分に広い、ガラスやSiO2、Al2O3、SiN等の誘電体薄膜や有機ポリマ材料からなる樹脂等を用いることができる。
本発明の第6の実施例を、図2を用いて説明する。
本実施例では、実施例1の光透過性材料層11bを構成する材料に、高抵抗の絶縁材料を用いる。材料としては、無機の半導体微結晶でバンドギャップが励起波長に対して十分に広い、ガラスやSiO2、Al2O3、SiN等の誘電体薄膜や有機ポリマ材料からなる樹脂等を用いることができる。
非線形光学材料粒子12に光が入射すると、吸光による電子励起や焦電効果等により、非線形光学材料粒子12の内部や表面に電荷が発生することがある。本実施例では、金属ナノ粒子11aと非線形光学材料粒子12とが直接接触あるいは結合しておらず、光透過性材料層11bにより絶縁されているため、非線形光学材料構造物としての特性に影響を及ぼす非線光学材料粒子12と金属ナノ粒子11aの間の電荷移動を抑制することができる。
(実施例7)
本発明の第7の実施例を、図2を用いて説明する。
本実施例では、実施例1の光透過性材料層11bの材料に、導電性材料を用いる。材料としては、無機の半導体微結晶で金属不純物を多く含む材料やガラスやSiO2、Al2O3、SiN等のアモルファス誘電体薄膜で金属やアルカリ金属イオンを多く含む材料、カーボン等を含む有機ポリマ材料からなる樹脂等を用いることができる。
本発明の第7の実施例を、図2を用いて説明する。
本実施例では、実施例1の光透過性材料層11bの材料に、導電性材料を用いる。材料としては、無機の半導体微結晶で金属不純物を多く含む材料やガラスやSiO2、Al2O3、SiN等のアモルファス誘電体薄膜で金属やアルカリ金属イオンを多く含む材料、カーボン等を含む有機ポリマ材料からなる樹脂等を用いることができる。
非線形光学材料粒子12に光が入射すると、吸光による電子励起や焦電効果等により、非線形光学材料粒子12の内部や表面に電荷が発生することがある。本実施例では、金属ナノ粒子11aと非線形光学材料粒子12との間の光透過性材料層11bの材料を選択して導電性制御をすることで、非線形光学材料粒子12中の電荷を金属ナノ粒子11aに逃がすことができる。
(実施例8)
本発明の第8の実施例を、図2を用いて説明する。
本実施例では、実施例1の構成において非線形光学材料粒子12の材料に、多光子吸収を含む3次以上の高次非線形光学効果を持つ有機色素等の材料を用いる。材料については、特許文献1及び2に開示されている材料を用いればよい。これらの材料には多光子吸収による電荷の発生が多くあるため、本実施例の構成では発生した電荷の制御が可能でかつ有効である。その他の構成、作用は実施例1〜7と同様である。
本発明の第8の実施例を、図2を用いて説明する。
本実施例では、実施例1の構成において非線形光学材料粒子12の材料に、多光子吸収を含む3次以上の高次非線形光学効果を持つ有機色素等の材料を用いる。材料については、特許文献1及び2に開示されている材料を用いればよい。これらの材料には多光子吸収による電荷の発生が多くあるため、本実施例の構成では発生した電荷の制御が可能でかつ有効である。その他の構成、作用は実施例1〜7と同様である。
(実施例9)
本発明の第9の実施例を、図2を用いて説明する。
本実施例では、実施例1の構成において、非線形光学材料粒子12の材料に、多光子吸収を含む3次以上の高次非線形光学効果を持つ蛍光材料を用いる。材料については、特許文献1に開示されている材料を用いればよい。蛍光材料には多光子吸収による電荷の発生があるが、この実施例の構成では発生した電荷の制御が可能で、光透過性材料層11bの材料に高抵抗の絶縁材料を用いた場合には発生した電荷の金属ナノ粒子11aへの移動を抑制することで蛍光発光をさせることができる。また、光透過性材料層11bの材料に導電性材料を用いた場合には電荷の金属ナノ粒子11aへの移動を許すことで蛍光の発光を抑制することができる。その他の構成、作用は実施例1〜7と同様である。
本発明の第9の実施例を、図2を用いて説明する。
本実施例では、実施例1の構成において、非線形光学材料粒子12の材料に、多光子吸収を含む3次以上の高次非線形光学効果を持つ蛍光材料を用いる。材料については、特許文献1に開示されている材料を用いればよい。蛍光材料には多光子吸収による電荷の発生があるが、この実施例の構成では発生した電荷の制御が可能で、光透過性材料層11bの材料に高抵抗の絶縁材料を用いた場合には発生した電荷の金属ナノ粒子11aへの移動を抑制することで蛍光発光をさせることができる。また、光透過性材料層11bの材料に導電性材料を用いた場合には電荷の金属ナノ粒子11aへの移動を許すことで蛍光の発光を抑制することができる。その他の構成、作用は実施例1〜7と同様である。
1〜4 薄膜
11 金属微粒子
11a 金属ナノ粒子
11ac 金属ナノ粒子コア部
11as 金属ナノ粒子シェル部
11b 光透過性材料層
12 非線形光学材料粒子
M 金属微粒子
S 基板
11 金属微粒子
11a 金属ナノ粒子
11ac 金属ナノ粒子コア部
11as 金属ナノ粒子シェル部
11b 光透過性材料層
12 非線形光学材料粒子
M 金属微粒子
S 基板
Claims (9)
- 金属ナノ粒子をコア部分とし、光透過性材料層をシェル部分とするコアシェル構造の金属微粒子と、該金属微粒子の周囲に近接して配置される非線形光学材料粒子とを備え、前記光透過性材料層は、前記非線形光学材料粒子よりも非線形光学効果が小さいことを特徴とする非線形光学材料構造物。
- 前記光透過性材料層の厚さにより非線形光学特性が制御されてなることを特徴とする請求項1に記載の非線形光学材料構造物。
- 前記光透過性材料層の誘電率により非線形光学特性が制御されてなることを特徴とする請求項1に記載の非線形光学材料構造物。
- 前記金属ナノ粒子を棒形状とし、該金属ナノ粒子のアスペクト比により非線形光学特性が制御されてなることを特徴とする請求項1に記載の非線形光学材料構造物。
- 前記金属ナノ粒子は、シェル部分が金属材料からなり、コア部分がシェル部分と異なる材料からなるコアシェル構造を有することを特徴とする請求項1に記載の非線形光学材料構造物。
- 前記光透過性材料層は、絶縁材料からなることを特徴とする請求項1に記載の非線形光学材料構造物。
- 前記光透過性材料層は、導電性材料からなり、該光透過性材料層の導電率により非線形光学特性が制御されてなることを特徴とする請求項1に記載の非線形光学材料構造物。
- 前記非線形光学材料粒子は、多光子吸収を含む3次以上の高次非線形光学効果をもつ材料からなることを特徴とする請求項1に記載の非線形光学材料構造物。
- 前記非線形光学材料粒子は、蛍光材料からなることを特徴とする請求項8に記載の非線形光学材料構造物。
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---|---|---|---|
JP2005145757A JP2006323099A (ja) | 2005-05-18 | 2005-05-18 | 非線形光学材料構造物 |
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2008056815A1 (en) * | 2006-11-08 | 2008-05-15 | Ricoh Company, Ltd. | Multiphoton absorption functional material, composite layer having multiphoton absorption function and mixture, and optical recording medium, photoelectric conversion element, optical control element, and optical modeling system using the same |
JP2009087522A (ja) * | 2007-09-13 | 2009-04-23 | Ricoh Co Ltd | 増感手段の発現の有無を記録原理とする光記録方法及び再生方法 |
KR101475370B1 (ko) * | 2013-07-04 | 2014-12-22 | 부산대학교 산학협력단 | 금속 반도체 하이브리드 나노입자기반 전광 증폭 편광 변조기 |
JP2016530568A (ja) * | 2013-08-30 | 2016-09-29 | インターナショナル・ビジネス・マシーンズ・コーポレーションInternational Business Machines Corporation | 状態変化可能なデバイス、及び、メモリ状態を記憶するための方法 |
-
2005
- 2005-05-18 JP JP2005145757A patent/JP2006323099A/ja active Pending
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