JP2006322747A - 地中音測定装置およびこの装置を用いた水みちの探査方法 - Google Patents

地中音測定装置およびこの装置を用いた水みちの探査方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 従来測定できなかった地中音を簡単、正確かつ容易に測定する。
【解決手段】 ピックアップセンサ3、測定部5、ヘッドホン7および録音部9で構成され、前記ピックアップセンサ3は加速度センサ15とこの加速度センサ15に接続されていると共に地中に埋設し地中音を捉える金属からなる集音バー23および手元スイッチ25からなり、前記測定部5には少なくともレベルメータ39とフィルタースイッチ37を備えていることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

この発明は、地中音測定装置およびこの装置を用いた水みちの探査方法に関する。
一般に、自然災害の一つとして土砂災害があり、このような土砂災害として、不安定な傾斜地に発生する地すべり、表層崩壊、がけ崩れ、土砂流などによる災害がある。そして、このような傾斜地での土砂災害は、斜面地盤の崩壊によって地盤の変位が引き起こされることになり、このような地盤変位を測定する手法については、例えば特許文献1および特許文献2に示すようなものが知られている。まず、前者の特許文献1のものは、高精度の電子測距・測角儀を用い、地盤変化のある地域からはずれた任意の位置を基準として地盤変化がある区域に配した指標までの距離や角度の変化を測定して地盤変位を測定するようにしたものである。一方、後者の特許文献2のものは、地盤変位がある任意の位置の地盤に測定用の孔を掘り、ここに歪みケーブルを挿入し、地盤変位によって生じた歪量を計測することで地盤変位の測定をするようにしたものである。
ところで、前記上述した従来の特許文献1、2のものは、高価な測定機器が必要であるうえ、実際に斜面崩壊が発生している最中または発生した後の地盤変位を測定するものであって、地盤変位の発生を予知するものでない等の問題がある。
そこで、最近では、湧水の噴出・停止が崩壊の前兆現象として知られていることから、崩壊現象と水みちには何らかの関係があると考えられてきた。
特開平5−118851号公報 特開平10−82667号公報
しかしながら、崩壊が突発的に発生する現象で、その発生位置を特定することは困難であること、また、機動性難のある山地において水みちの位置を簡便に調査する手法がないことから、両者の因果関係を現地で明確に説明したものがないのが現状である。
この発明は上述の課題を解決するためになされたもので、地下水流の発する流水音すなわち、地中音を簡単かつ容易に測定することができ、ひいては、水みちを特定するための探査法を見出し、崩壊発生との関連性に繋げるようにした地中音測定装置およびこの装置を用いた水みちの探査方法を提供することにある。
上記発明が解決しようとする課題を達成するために請求項1によるこの発明の地中音測定装置は、ピックアップセンサ、測定部、ヘッドホンおよび録音部で構成され、前記ピックアップセンサは加速度センサとこの加速度センサに接続されていると共に地中に埋設し地中音を捉える金属からなる集音バーおよび手元スイッチからなり、前記測定部には少なくともレベルメータとフィルタースイッチを備えていることを特徴とするものである。
請求項2によるこの発明の発明の地中音測定装置は、請求項1によるこの発明の地中音測定装置において、前記集音バーを複数備え、地中音の程度により取り替え可能になっていることを特徴とするものである。
請求項3によるこの発明の水みちの探査方法は、地表面に水みちを横切る測線を設置し、この測線上に予め設定した設定間隔で複数の測点を設け、この各測点と水みち位置を測量し、各測点で前記請求項1による地中音測定装置により地中音を測定し、この測定結果を基にして地中音分布と、音響パワー、音響出力、音響パワーの平均値を用いて算出する地中音分布の偏差が最小となる水みちから各測点の距離を逐次計算で求めて水みちの深さを算出することを特徴とするものである。
以上のごとき課題を解決するための手段から理解されるように、請求項1の発明によれば、従来測定できなかった地中音を簡単、正確かつ容易に測定することができる。しかも、装置自体も小型でコンパクトに製作することができ、特に測定部を作業者が装着でき、作業を容易に行うことができる。
請求項2の発明によれば、地盤の深さにより複数の集音バーの中から選択し、地盤の深さに応じて適正な集音バーを使用することができ、作業効率を向上させることができる。
請求項3の発明によれば、水みちの深さを正確に測定でき、この測定された水みちの深さを基にして、崩壊の位置や崩壊の規模を知る上の手助けとすることができる。
以下、この発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
図1を参照するに、地中音測定装置1は、ピックアップセンサ3、測定部5、ヘッドホン7および録音部9で構成されている。前記ピックアップセンサ3には地表面に固定するための複数の脚部11を備えた固定載置台13が設けられている。この固定載置台13の上部には図1において水平方向に延伸された例えば圧電素子からなる加速度センサ15を内部に備えた振動体17が設けられている。前記固定載置台13は振動体の役目を果たしている。
前記振動体17の上部にはコネクタ19が設けられており、このコネクタ19にはコード21が設けられていて、このコード21の先端は前記加速度センサ15に接続されている。また、前記固定載置台13のほぼ中心部には例えばステンレス棒などの金属製からなる集音バー23が鉛直方向に取り付けられている。そして、この集音バー23の上端は前記加速度センサ15に接続されている。前記コード21の後端は手元スイッチ25に接続されている。
前記コード21の途中でできるだけ前記固定載置台13側近くには球形状の振動吸収特性の高い低反発の弾性ゴム部材27で覆われている。この弾性ゴム部材27はコード21に風が当たった際に振動を吸収するものである。
前記手元スイッチ25には別のコード29の一端が接続されていると共にコード29の他端には前記測定部5が接続されている。この測定部5にはコード31の一端が接続されていると共にコード31の他端は前記ヘッドホン7に接続されている。前記測定部5にはコード33の一端が接続されていると共にコード33の他端は前記ヘッドホン7と並列に例えばレコーダなどの録音部9に接続されている。
前記加速度センサ15は、微弱な地中音を捉えものである。集音バー23のサイズは、複数例えばφ0.8×10cmとφ0.8×30cmの2種類がある。加速度センサ15に集音バー23を接続する理由は、地中音が集音バー23を介して直接加速度センサ15に伝達されるため、地中音を捉えやすくなるためである。また、測定中は集音バー23が地中にあるので、風等の雑音の影響が大幅に減少する。そして、地中音が弱い場合には30cmの集音バー23が用いられ、10cmの集音バー23よりも地中音を捉えやすい。しかし、基盤の深さが数m程度の森林斜面の場合は10cmの集音バー23で充分であり、30cmの集音バー23の場合は、差込み労力を必要とし、作業の効率が落ちるものである。前記手元スイッチ25は、スイッチを押すと音が測定部5へ伝達される。
前記測定部5は、例えば17.5×7.0×10.5の大きさからなっていて、重量は600gと非常に軽量になっており、機動性に難のある山地においても容易に使用することができるようになっている。そして、前記測定部5には図2に示されているように、ボリュームスイッチ35、フィルタ−スイッチ37,レベルメータ39、バッテリチエックスイッチ41、バックライトスイッチ43および電源スイッチ45が備えられている。
前記ボリュームスイッチ35は、ピックアップセンサ3で捉らえた地中音を増幅するものである。フィルタ−スイッチ37は、ピックアップセンサ3で捉らた地中音のうち、出力周波数帯の低域周波数帯100、200、300Hzと高域周波数帯600、800、1200Hzをそれぞれ3段階に設定し、9種類の組み合せの中から判別しやすい組み合せを選ぶことによって、現場で発生する雑音に対して柔軟に対応できるようになっている。
例えば、図3には同地点で100〜1200Hz、100〜600Hzの周波数帯で地中音を測定し、周波数分析を行った結果が示されている。そして、図3において、100〜1200Hzの周波数帯で測定した地中音よりも、100〜600Hzの周波数帯で測定したものの方が、600Hz以上の高域周波数帯がカットされていることが分かる。野外での地中音の測定は風が最も影響音となる場合が多く、低域周波数帯がノイズが増える。この場合、400〜1200Hzの間で地中音は捉らえることが可能である。
前記レベルメータ39は、メータの振れの大小で地中音の音量の変化を目で確認する。レベルメータ39によって、音の強弱を視覚的に判断することができる。前記バックライトスイッチ43は、夜間の調査時に使用する。レベルメータ39のライトとフィルタ−スイッチ37のボタンが点灯するようになっている。前記バッテリチエックスイッチ41は、スイッチを押すとレベルメータ39に電池の残量が表示される。前記電源スイッチ45は電源のON、OFFのスイッチで、電源を押すと電源が入る。但し、ヘッドホン7を接続していない場合には電源は入らないようになっている。
前記ヘッドホン7は、ピックアップセンサ3で捉えた地中音を測定部5で設定した増幅率、周波数帯のものをリアルタイムで出力する。なお、山地では大きなヘッドホン7は邪魔になる場合もあるが、大きなヘッドホン7の方が音の再現性がよく、微妙な音の聞き分けがしやすいものである。
前記録音部9のレコーダは、一般に市販されているボイスレコーダをヘッドホン7と並列に繋ぐと、地中音を聞きながら録音することが可能である。野外の調査では多くの機能を有しないシンプルて小型のものの方が扱いやすいものである。
上記構成により、地中音の測定は次の手順で行われる。まず、測定準備として、収納ケースよりピックアップセンサ3を取り出し、ピックアップセンサ3のコード21の変形、ねじれを修正を行った後、前記コード21の長さを使いやすい長さに調整し、ピックアップセンサ3、ヘッドホン7、録音装置のプラグを録音部9の側面ジャックに差し込む。
次に、動作チエックが行われる。まず、電源スイッチ45を押す。このとき、ヘッドホンプラグが測定部5のジャックと接続されていないと電源は入らない。また、パワーランプが点滅しているときは電池を交換する。ボリュームスイッチ35を最小にセットし、ヘッドホン7を耳にあて、ピックアップセンサ3を地面に置く、あるいは、集音バー23をピックアップセンサ3に接続している場合は、集音バー23を地面に挿入する。手元スイッチ25を押し、地中音を聴く。このとき、ボリュームスイッチ35を徐々に上げ、耳に負荷の掛からない適当な音量に調節する。フィルタ−スイッチ37の切り替えスイッチを任意に押して、(低域帯より1つ、高域帯より1つ)地中音を聴き取りやすい周波数を探す。風の影響の大きい野外の調査では低い周波数をカットした400−1200Hzの範囲が地中音を測定しやすい。
上記の動作チエックが終了したら、地中音の測定に入る。すなわち、
(1)水みち位置を探知するために横断方向に測線を決定する。
(2)測定間隔は任意であるが、自分の対象とする調査の精度に必要な間隔とする。このとき、あまりに測定間隔が狭いと調査に膨大な時間を要し、また、広すぎると水脈を見逃す可能性があるので、例えば2m間隔であれば中規模以上の水みちを逃すことはない。
(3)ベルトまたは肩掛けベルトで測定部5を装着し、ピックアップセンサ3の集音バー23を地表面へ挿入する。このとき、硬い礫などに集音バー23を挿入しょうとしてピックアップセンサ3を壊さないように注意する。
(4)ピックアップセンサ3の集音バー23を地表面へ挿入した後、手元スイッチ25を押し、地中音を聴き、レベルメータ39の指示を読む。このとき、地中音の測定中はすべて同じボリュームで実施する。
レベルメータ39の指示値の読み方としては、ヘッドホン7から聞こえる音の変動と指示値の変動の関係をよく観察する。地中音は必ずある程度の変動を示すので、図4に示したように、指示値の上側の最頻値と下側の最頻値の2つを読むようにする。場所によっては、複数の地中音がする場合もある。この場合、注意深くヘッドホン7から聞こえる音の変動と指示値の変動の関係をよく観察すると、図5に示すように、複数の音が重なっている。仮にA音、B音があったとする。測定値の読みはA音の指示値の上側、下側の最頻値を読むようにする。その次にB音の指示値の上側、下側の最頻値を読む。
(5)測定点と測定値を野帳に記録する。
(6)次の測点へ移動する。
(7)以下、(4)〜(6)の作業を繰り返し、最後の測点まで測定する。
なお、地中の状態により、レベルメータ39の最大点が水みちの直上でない場合があるので注意する。
ここで、地中音測定上の注意点を列記すると、音量の調整は状況により適切な位置で行う。音量はできるだけ小さめに聴く方が疲労度も少なく、水みちの位置の聞き分けいやすくなる。ヘッドホン7の音量は上げすぎないようにする。手元スイッチ25はピックアップセンサ3を地表面に設置してから押す。移動中にスイッチを押すと、大きなノイズが耳に入り衝撃を与える。
足元の不安定な山地斜面で探査を行う場合、自分がふらふらした状態で地中音を測定すると、その振動が測定値に影響する。地中音測定時には、測定者は静止した状態で行う。
山地であっても、車・飛行機・ヘリコプターなどの騒音が測定値へ影響を及ぼす場合がある。これらの騒音は待てば少なくなりますので、騒音が大きい場合には測定を行わない。
降雨直後は、雨水の降下浸透が卓越した状態にありますので、レベルメータ39の振れも大きく、測定値を読み取りにくいから、降雨後2〜3日になると、降下浸透はほぼ終了するので読みやすくなる。したがって、この時期の測定の方が実施しやすい。
上記に要領で測定した結果の整理について、一例を説明する。例えば図6に示したような模型土層で地中音を測定した場合を考えると、模型土層47は例えば長さ5m、幅2m、深さ0.7mの均一な砂地盤とする。模型土層47の中央に、模擬パイプ49が設置してあり、図中のQINから水が供給されているとする。
今、模擬パイプ49の深さが35,62cmの2ケース、給水量を50、100、150、200、250、300ml/secの6種類あった場合、地表面で測定される地中音がどのように変わるかを検討した。
地中音は土層中央の地表面に測線Lを設け、模擬パイプ49直上から0.2m間隔で左右へ2m測定したとする。
地中音の分布図を次の手順で作成する。
(1)X軸に測点の音源からの距離を取り、こり例では、模擬パイプ49の位置から基準(0m)となる。音源のピーク値を基準とする。
(2)Y軸に測定した地中音圧を取る。なお、地中音は、レベルメータ39の読み取り値のうちの上側の最頻値を使う。
(3)図7(A)、(B)に示すような音圧分布図を作成すると、どの位置でどの程度の地中音が強いかが判断できる。
上記の図7(A)、(B)から分かるように、地中音には次の特徴がある。
(1)地中音は水みちの直上で最も強く、水みちから離れるほど弱くなる。
(2)水みちの深さが等ければ、流量が多いほど地中音圧のピークは大きい。
(3)水みちの流量が等しければ、水みちの浅い方が地中音圧のピークは大きい。
(4)地表面へ伝わる地中音の大きさは、水みちの流量と深さの相互関係によって定まる。
したがって、従来測定できなかった地中音を簡単、正確かつ容易に測定することができる。しかも、装置自体も小型でコンパクトに製作することがてき、特に測定部を作業者が装着でき、作業を容易に行うことができる。
上記地表面で測定地中音から、水みちの深さを算出する算出方法について説明する。
一般に任意の場において音エネルギーの損失が無ければ、音源の発する音響パワーP(W)は音源を囲む表面積Sと音の強さIの積に等しく、次式が成立する。
=S×I (1)
いま、図8に示すような均一な土層中に水みちがある場合を考える。
ここで、水みちは線音源と考えることができ、水みちから発する地中音は土層内を放射状に伝わると仮定する。
いま、水みちからのrの距離にある地表面の測点iで測定した地中音の強さをIとすると、水みちの発する地中音の音響パワーP(W/m)は、(1)式より、次のように表すことができる。
=2πr×I (2)
一方、図8に示すようなi点から水平方向にLi+1の距離だけ離れたi+1点における音響出力Pi+1(W/m)は、次のように表すことができる。
i+1=2πri+1×Ii+1=2π√(r +Li+1 )×Ii+1 (3)
ここに、r、ri+1:水みちからの測点i、i+1の距離
i+1:測点i+1における地中音の強さ
(3)式は水みち直上の測点以外の全ての測点で同様の関係が成立する。つまり、地中音を測定した点数だけ音響パワーPが算出されることとなり、理想的には次式が成立する。
=Pi+1 (4)
しかし、地中音が伝わる際の音エネルギーの損失や測定誤差等から、全ての測点で音響パワーPが等しくなることはない。
上記の実験で測定した各測点における地中音圧から算定した音響パワーPの分布を図9に示した。この図9から分かるようにP値は測定毎に多少変動している。
そこで、P値の平均値を求め、これを地中音の音響パワーとする。
Figure 2006322747
実測した地中音分布と(2)、(3)、(5)式を用いて算定する地中音分布の偏差が最小となるrの値を逐次計算で求めることで水みちの深さが特定できる。
以上が簡単な理論の説明であるが、具体的な計算方法は、プログラムを作成するなど様々な方法が考えられる。
ここで、計算シートの作成の一例を示すと、次の表1に示すようなシートを作成する。
Figure 2006322747
(1)列には音源からの距離を入力する。このとき、地中音の最大値が0となるように距離を決める。
(2)列には測定した地中音圧を入力する。
(3)列には(3)式を入力する。なお、図中に計算式も示した。
(4)列には計算で求められた地中音圧の式を入力する。すなわち、(3)式を変形した次式を入力する。
Figure 2006322747
(5)列には(2)列と(4)列の偏差(D)の自乗を入力する。すなわち、地中音の実測値(Iobs)と計算値(Ical)との差を計算する。
Figure 2006322747
(6)には音源の深さrを入力する。ただし、r>0の値をとる。
(7)には(5)式を入力する。すなわち、各測点で求めたP値の平均を求める。
(8)には(7)式で求めた偏差Dの合計値Dを入力する。すなわち、次式を入力する。
Figure 2006322747
シートを作成終了したら、例えばエクセルにソールバーを追加し、計算を実行する。すなわち、Dが最小となるrが算出される。地中音の実測値と計算値の偏差が最も小さいrを探し、このrが水みちの深さとなる。
最適化の結果得られたP値とrの信頼性について検討してみると、最適化の結果得られたP値とrを実験毎に表2にまとめた。
Figure 2006322747
なお、表2のDは実際の水みちの深さDwと推定した水みちの深さrの偏差を表し、次式で算定した。なお、D>0であれば、算定した水みちの深さは実際の水みちの位置より浅く見積もられていることを意味する。
D=Dw−r (9)
水みちの深度が35cmの場合、最も推定精度が悪いのは流量が150ml/secの場合で、偏差D=−0.041mである。
地中音の分布から推定した水みちの深さは、実際の水みちの深さと何れも5cm以内の偏差であり、地表面で測定した地中音圧分布から、水みちの深さを推定できると言える。
水みちの深さを正確に測定でき、この測定された水みちの深さを基にして、崩壊の位置や崩壊の規模を知る上の手助けとすることができる。
次に地中音と流量の関係について説明すると、模擬パイプ49直上の地表面で測定された地中音圧Io、算定した音源の音響パワーPと流量との関係を図10(A)、(B)に示した。図10(A)に示すように、地中音圧Ioと流量の間には強い正の相関が存在し、直線で近似できる。一方、音響パワーPと流量にも正の相関が存在し、直線で近似できますが、その推定精度は地中音圧Ioよりも劣るようである。
地中音圧Ioは音源の深さにも影響を受けるので、地中音圧Ioから流量を求める場合には、音源の深さが既知である必要がある。すなわち、深度毎に地中音圧Ioと流量の関係を求めなければ流量は算定できない。一方、音響パワーPは音源の深さに影響を受けないので、深度毎に流量との関係を求めなければ流量は算定できないという煩わしさはない。地中音によって流量を推定する場合はには、音響パワーPを用いるのが実用的である。
地中音測定装置の構成図である。 測定部の詳細な平面図である。 フィルタースイッチによるノイズ除去結果のグラフである。 レベルメータの読み方を説明する説明図である。 複数の音源が存在する場合のレベルメータの読み方を説明する説明図である。 模型土層の一例を示した斜視図である。 (A)、(B)は地中音測定結果を示したグラフである。 地中音の伝播と記号を説明する説明図である。 P値の変動を示したグラフである。 (A)、(B)はI、Pと流量の関係を示したグラフである。
符号の説明
1 地中音測定装置
3 ピックアップセンサ
5 測定部
7 ヘッドホン
9 録音部
11 脚部
13 固定載置
15 加速度センサ
17 振動体
19 コネクタ
21 コード
23 集音バー
25 手元スイッチ
27 弾性ゴム部材
29、31、33 コード
35 ボリュームスイッチ
37 フィルタスイッチ
39 レベルメータ
41 バッテリチエックスイッチ
43 バックライトスイッチ
45 電源スイッチ
47 模型土層
49 模擬パイプ

Claims (3)

  1. ピックアップセンサ、測定部、ヘッドホンおよび録音部で構成され、前記ピックアップセンサは加速度センサとこの加速度センサに接続されていると共に地中に埋設し地中音を捉える金属からなる集音バーおよび手元スイッチからなり、前記測定部には少なくともレベルメータとフィルタースイッチを備えていることを特徴とする地中音測定装置。
  2. 前記集音バーを複数備え、地中音の程度により取り替え可能になっていることを特徴とする請求項1記載の地中音測定装置。
  3. 地表面に水みちを横切る測線を設置し、この測線上に予め設定した設定間隔で複数の測点を設け、この各測点と水みち位置を測量し、各測点で前記請求項1による地中音測定装置により地中音を測定し、この測定結果を基にして地中音分布と、音響パワー、音響出力、音響パワーの平均値を用いて算出する地中音分布の偏差が最小となる水みちから各測点の距離を逐次計算で求めて水みちの深さを算出することを特徴とする水みちの探査方法。
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