JP2006319868A - 画像圧縮符号化装置 - Google Patents

画像圧縮符号化装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2006319868A
JP2006319868A JP2005142675A JP2005142675A JP2006319868A JP 2006319868 A JP2006319868 A JP 2006319868A JP 2005142675 A JP2005142675 A JP 2005142675A JP 2005142675 A JP2005142675 A JP 2005142675A JP 2006319868 A JP2006319868 A JP 2006319868A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
frame
information amount
buffer
amount
quantization parameter
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2005142675A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4720284B2 (ja
Inventor
Satoshi Miyaji
悟史 宮地
Yasuhiro Takishima
康弘 滝嶋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
KDDI Corp
Original Assignee
KDDI Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by KDDI Corp filed Critical KDDI Corp
Priority to JP2005142675A priority Critical patent/JP4720284B2/ja
Publication of JP2006319868A publication Critical patent/JP2006319868A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4720284B2 publication Critical patent/JP4720284B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Compression Or Coding Systems Of Tv Signals (AREA)
  • Compression, Expansion, Code Conversion, And Decoders (AREA)

Abstract

【課題】 高品質・低遅延が要求される地上ディジタル1セグメント放送への適用を考慮し、バッファ制約の考慮による安定化と、画像性質の反映による画質の向上とを両立させる画像圧縮符号化装置を提供する。
【解決手段】 量子化パラメータに基づいて量子化する量子化部と、送信すべき符号化データを一時的に蓄積するバッファと、第1のGOPのIフレーム符号化後時点からみて、第2のGOPの先頭フレーム蓄積時におけるバッファ占有量が、オーバフロー限界及びアンダーフロー限界の中心となるように、フレーム毎に必要とする基本発生情報を制限したフレーム目標発生情報量を出力するバッファ制約部と、フレーム目標発生情報量に基づいて算出されたマクロブロック目標発生情報量から量子化パラメータを導出し、該量子化パラメータを量子化部へ出力する量子化パラメータ制御部とを有する。
【選択図】 図5

Description

本発明は、画像圧縮符号化装置に関する。特に、動き予測DCT(Discrete Cosine Transform:離散コサイン変換)符号化方式に基づく符号化装置に関する。
従来、マルチメディアアプリケーションに対する符号化方式として、H.263又はMPEG−4がある。これら符号化方式は、アプリケーションの観点から、バッファ制約を厳密に規定する必要がなかった。なぜなら、ダウンロード配信又はCD−ROM蓄積というように伝送特性に影響されない用途、又は、伝送特性に影響されるインターネットストリーミングであっても品質保証に重点を置かない用途に、主に使用されるからである。例えばテレビ電話のように低遅延を要するアプリケーションに対しては、受信側の再生間隔のゆらぎを許容することにより、バッファ制約を厳密に規定しなくても実用上問題がなかった。
これに対し、低ビットレート(数百kbit/s以下)を対象とし、動画像の符号化効率が高いH.264の符号化方式がある。この符号化方式は、地上ディジタル放送の移動体向け放送(一般に「1セグメント放送」と称される)に採用されている。
H.264は、符号化制御の観点から、以下の特徴を有する。
(1)フレーム内符号化モードにおける予測方式の改善による圧縮効率の向上
(2)ブロックサイズ適応選択による予測効率の向上
(3)RD最適化又はそれに準じるモード選択方式を採用
RD最適化とは、情報量(Rate)及びひずみ(Distortion)の両方を共に最小するマクロブロックモードを選択することを指し、実際に仮符号化をしながら最適選択(Optimization)をする。
この符号化方式は、「放送」に採用されているために、エンコーダに高品質が要求され、即時性及び遅延の一意性が要求される。従って、エンコーダは、ビットレート及び遅延に対する条件に厳密に準拠する必要がある。
H.264に基づくレート制御方法には、MPEG−2TM5における情報量割当方式に基づいたHRD(Hypothetical Reference Decoder:仮想参照デコーダ)バッファ制約方式がある(例えば非特許文献1参照)。HRDバッファは、MPEG−2のVBV(Video Buffer Verifier:ビデオバッファ検証器)に相当するものである。
非特許文献1を発展させたものとして、リファレンスエンコーダ(JM:Joint Model、参照ソフトウェア)で用いられる方式もある(例えば非特許文献2参照)。JMは、符号化方式の性能検証又は正当性確認に用いられる。
これら従来技術は、GOP(Group Of Pictures)単位での一定レートを前提とし、ピクチャタイプに応じた重み付けによって、各フレームに対して情報量を割り当てる。また、従来技術におけるレート制御は、レート−ひずみの二次方程式モデル(例えば非特許文献3参照)に基づくマクロブロックQP(Quantization Parameter:量子化パラメータ)設定の組み合わせによって行われる。これら方式は、フレーム単位の画像性質を考慮していない。また、フレーム内QP決定の際の局所的ひずみ量を、前フレームの同位置のマクロブロックのものから流用しており、動きの大きい画像に対しては信頼性が低い。
その他の方法としては、フレーム内QP決定に際し、ゼロ係数の割合と発生情報量との関係に着目して量子化制御を行う方式もある(例えば非特許文献4参照)。更に、レートひずみ結合係数λを様々に変化させRD最適化を行い、希望のレートとなるものを選択する方式もある(例えば非特許文献5参照)。
図1は、従来技術における画像圧縮符号化装置の機能構成図である。
画像圧縮符号化装置1は、画面データ(フレーム単位)を入力し、その符号化データを出力する。現フレームメモリ101は、入力された1フレームを蓄積する。動き予測部102は、現フレームの各マクロブロックについて、ブロックマッチング法などにより、ローカルデコードメモリ107内のフレーム(前ローカルデコードフレーム)に対する動きを予測し、動きベクトルを出力する。動き補償部111は、時間方向に流れるフレーム間で、前ローカルデコードフレームに対して、先に算出された動きベクトルをマクロブロックごとに適用し、被写体の動きを考慮した予測画面を出力する。DCT部112は、イントラモードにおいては現フレームのマクロブロックを、インターモードにおいては現フレームのマクロブロックと動き補償を施された予測画面のマクロブロックとの差分に対して、さらにこれを4つに分割したブロック毎に直交変換し、周波数成分を示すDCT係数を出力する。量子化部113は、直交変換されたDCT係数を、所定の量子化パラメータに基づいて離散数値化する。可変長符号化部116は、動きベクトルやモード情報や量子化により発生する情報を、実際に伝送される符号に変換を行う。その際,これら情報の発生頻度などの統計的性質に基づき、符号長が短くなるよう符号語の割り当てを行い、符号化を行う。バッファ部117は、圧縮符号化データを送信するために一時的にバッファする。
従来技術による量子化部のレート制御は、バッファ部における蓄積データの占有量によって、量子化部113の量子化パラメータを制御するものである。
逆量子化部114は、量子化されたDCT係数データを元の値に変換する。逆DCT部115は、DCT係数から通常の画素情報に復元する。ローカルデコードメモリ107は、イントラモードの場合は復元された画素情報を、インターモードの場合は動き補償画像情報に対して加算をし、受信側で再生されるフレームと同じものを一時的に蓄積する。フレーム間予測誤差算出部103及びフレーム内予測誤差算出部104は、インター(フレーム間)/イントラ(フレーム内)モードそれぞれについて、予測時のブロックサイズなどの最適化を行い、予測誤差を出力する。モード判定部105は、予測誤差の大きさが小さくなるようインターモード又はイントラモードのいずれかを選択する。モード情報メモリ106は、選択されたモードを一時的に蓄積し、そのモードでスイッチを切り替える。
S.Ma、W.Gao、F.Wu及びYanLu、「Rate control for JVT video coding scheme with HRD considerations」、IEEE ICIP2003、Vol.III、pp.793-796、Sep. 2003. Z.Li、W.Gao及びF.Pan、「Adaptive rate control with HRD consideration」、Joint Video Team of ISO/IEC MPEG and ITU-T VCEG、JVT-H014、May 2003. T.Chiang及びY.Zhang、「A new rate controlscheme using quadratic rate distortion model」、IEEE Trans. Circuits Syst. Video Technol.、Vol.7、pp.287-331、Apr. 1997. S.Milani、L.Celetto及びG.A.Mian、「A rate control algorithm for the H.264 encoder」、6th Baiona Workshop on Signal Processing in Communications、pp.390-396、Sep. 2003. M.M.Mahdi及びM.Ghanbar、「A lagrangian optimized rate control algorithm for the H.264/AVC encoder」、IEEE ICIP2004、Vol.I、pp.123-126、2004. G.Sullivan、T.Wiegand、K.P.Lim、「Joint Model Reference Encoding Methods and Decoding Concealment Methods」、Joint Video Team of ISO/IEC MPEG and ITU-T VCEG、JVT-I049、Sep. 2003. ITU-T Recommendation H.264 + Cor1、「Advanced video coding for generic audiovisual services」、May 2004.
地上ディジタル放送では、1つのチャネルを13のセグメントに分割し、必要な帯域に応じて、HDTVを放送する場合は12セグメント、又は、標準テレビでは4セグメント×3番組を使用し、残りの1セグメントを移動体向け放送に割り当てている。即ち、固定された帯域が割り当てられていることになる。
いずれの従来技術も、ビットレート制約に対して、GOP単位に一定の情報量を割り当てることを目的としている。既に符号化されたフレーム発生情報量に対する割当量との差異は、GOP内残りのフレームの符号化にて吸収されるよう制御される。更に、GOP符号化後、当該GOPの発生情報量と割当量との差異は、次GOPの目標とする情報量に反映されることとなる。
このようなレート制御方法においては、全てのGOPで発生情報量が均一となるように制御されているために、HRDバッファサイズは、GOP内で発生量が最大となるフレームの情報量程度と暗示的に定まる。しかしながら、HRDバッファサイズ及び初期遅延を明確に意識した制御ではないために、伝送目的(テレビ電話用途:双方向超低遅延又はライブ放送用途:片方向低遅延など)に特化したバッファ制約を設定した上での符号化制御は難しい。
また、フレームの情報量割り当てに画像性質が考慮されていないため、発生情報量の多いシーンではひずみが増大し、少ないシーンでは必要以上に細かい量子化が行われる傾向となる。これは、フレーム間予測効率の低下を招くだけでなく、品質変動が視覚的に不快感を与えることとなる。
この場合、画像品質が低下するだけでなく、受信側のバッファ破綻による映像の乱れや、規定時刻にフレームが表示されないことによる動きのがたつき(ジャダー)などが発生し、特に放送用途ではこれらは厳密に回避されなければならない。
また、画像性質を考慮したいがために、画像性質に基づく発生情報量をそのまま目標値として符号化を仮に行った場合、各フレームの性質を反映させた符号化をすることはできるものの、HRDバッファの推移を考慮していない状態となっている。つまり、各フレームの要求する情報量をそのまま割り当てるということは、QP値固定として符号化を行っていることと等価である。これは、HRDバッファが無限に大きい場合には問題とならないが、バッファ制約下においては設定したバッファ条件を破綻させないようにしなければならない。
このように、前述されたいずれの従来技術においても、バッファサイズ又は遅延量を明確に規定した上での符号化制御、及び、個々のフレームの画像性質を考慮した符号化制御については何ら提案していない。
従って、本発明は、高品質・低遅延が要求される地上ディジタル1セグメント放送への適用を考慮し、バッファ制約の考慮による安定化と、画像性質の反映による画質の向上とを両立させる画像圧縮符号化装置を提供することを目的とする。
本発明における画像圧縮符号化装置は、
量子化パラメータに基づいて量子化する量子化手段と、
第1のGOPの先頭フレーム符号化直後時点からみて、第2のGOPの先頭フレーム符号化直前時点までの仮想受信バッファのバッファ占有遷移が、オーバフロー限界及びアンダーフロー限界の中心となるように、各フレームが必要とする基本発生情報量に対して補正を行ったフレーム目標発生情報量を出力するバッファ制約手段と、
フレーム目標発生情報量に基づいて算出されたマクロブロック目標発生情報量から量子化パラメータを導出し、該量子化パラメータを量子化手段へ出力する量子化パラメータ制御手段と
を有することを特徴とする。
本発明の画像圧縮符号化装置における他の実施形態によれば、
マクロブロック毎に、インター/イントラモード判定後の予測誤差である差分絶対値和SADを算出する差分絶対値和算出手段を更に有し、
バッファ制約手段は、
差分絶対値和SADに基づいて、フレーム基本発生情報量を推定するフレーム基本発生情報量推定手段と、
第1のGOPの先頭フレーム符号化直後時点からみて、第2のGOPの先頭フレーム符号化直前時点までの仮想受信バッファのバッファ占有遷移が、オーバフロー限界及びアンダーフロー限界の中心となるように、ビットレートから得られるフレームあたりの平均発生情報量に対する、フレームの発生情報量の割合であるスケーリング係数を出力する情報量補正手段と、
推定された基本発生情報量にスケーリング係数を乗じてフレーム目標発生情報量を出力する乗算手段と
を有することも好ましい。
また、本発明の画像圧縮符号化装置における他の実施形態によれば、
情報量補正手段は、GOP単位で行うものであって、バッファにおける符号化データの占有量が低く遷移している場合、小さいの値のスケーリング係数を出力し、符号化データの占有量が高く遷移している場合、大きい値のスケーリング係数を出力するように動作することも好ましい。
更に、本発明の画像圧縮符号化装置における他の実施形態によれば、
フレーム基本発生情報量推定手段は、差分絶対値和SAD及び固定量子化パラメータQPに基づいて発生情報量を推定する関数f又は推定値を予め蓄積していることも好ましい。
更に、本発明の画像圧縮符号化装置における他の実施形態によれば、
バッファ制約手段は、乗算手段から出力されたフレーム目標発生情報量に対して、バッファのオーバフロー限界又はアンダー限界に達しないようにクリップするクリップ手段を更に有することも好ましい。
更に、本発明の画像圧縮符号化装置における他の実施形態によれば、
量子化パラメータ制御手段は、
フレーム目標発生情報量に基づいてマクロブロック目標発生情報量を出力するマクロブロック目標発生情報量決定手段と、
実発生情報量における当該マクロブロック直前までの情報量の和と、目標発生情報量における当該マクロブロック直前までの情報量の和と、当該マクロブロック直前までの量子化パラメータの平均値とから当該マクロブロックの量子化パラメータを算出し、量子化手段へ出力する量子化パラメータ算出手段と
を有することも好ましい。
本発明における画像圧縮符号化装置によれば、高品質・低遅延が要求される地上ディジタル1セグメント放送への適用に際し、バッファ制約の考慮による安定化と、画像性質の反映による画質の向上とを両立させることができる。特に、従来技術におけるレート制御によれば、GOP単位に一定量を割り当てており、バッファサイズ及び画像品質を用途に応じて厳密に設定できなかった。
本発明によれば、バッファ制約を考慮し、GOPのバッファ遷移状態から得られるスケーリング係数の概念を新たに導入し、予測された発生情報量に適用して割り当てるべき情報量を得る。また、画像性質の反映に関しては、フレーム毎の予測誤差を事前に算出し、それに基づき最適な発生情報量を予測する。このようにして割り当てられた情報量は、一定のバッファ制約の下で、各フレームの性質を相対的に反映させたものとなる。
以下では、図面を用いて、本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明する。
図2は、本発明における画像圧縮符号化装置の機能構成図である。
画像圧縮符号化装置1は、図1と比較して、フレームメモリ121と、SAD(Sum of Absolute Difference:差分絶対値和、フレーム間予測誤差)算出部122と、バッファ制約部123と、量子化パラメータ制御部124とを更に有する。フレームメモリ121は、インターモード又はイントラモードの予測誤差を入力する。SAD算出部122は、予測誤差を入力し、マクロブロック単位のSADであるSと、Sのフレーム内合計値ΣSと、マクロブロック個数における平均値meanSADとを出力する。以下、iはフレーム番号であり、jはフレーム内マクロブロック番号である。
バッファ制約部123は、HRD(Hypothetical Reference Decoder:仮想参照デコーダ)バッファ制約への準拠を目的とする。バッファ制約部123は、SAD算出部122から出力されたmeanSADを入力し、フレーム目標発生情報量Tを出力する。尚、HRDバッファは固定ビットレートとする。
量子化パラメータ制御部124は、H.264の符号化特性に基づいて、目標発生情報量を達成するための情報量割り当てを目的とする。量子化パラメータ制御部124は、マクロブロック単位のSADであるSと、Sのフレーム内合計値ΣSと、フレーム目標発生情報量Tとを入力し、QP(量子化パラメータ)値を出力する。このQP値に基づいて量子化部113が制御される。
以下では、各機能部について詳細に説明する。
[SAD算出部]
SAD算出部122は、フレームメモリからマクロブロック毎の予測誤差を入力する。従って、インターモードマクロブロックに対してはインター予測誤差が用いられ、イントラモードマクロブロックに対してはイントラ予測誤差が用いられる。そして、SAD算出部122は、フレームのマクロブロック毎に、モード判定後の予測誤差のSADを算出する。
本発明は、インター予測又はイントラ予測の後に得られる予測誤差の大きさと、実際の発生情報量との相関関係に着目し、フレームレベルで基本となる情報量割り当てを決定する。予測誤差の大きさの評価には差分絶対値和SADを用いる。SAD算出部122は、マクロブロック単位のSADであるSと、Sのフレーム内合計値ΣSと、マクロブロック個数における平均値meanSADとを出力する。
H.264によれば、イントラ予測におけるモード判定を効果的に行うために、従来の技術においては、既に符号化した隣接マクロブロックを用いてマクロブロック毎に符号化をしながらモード判定を行う。これに対し、本発明におけるSAD算出部122は、符号化前の予測誤差に対するSAD算出であるために、イントラモード判定の参照画像として原画像を用いる。符号化時には、ローカル復号画像を用いてイントラモード判定のみ再度行う。符号化時には、動きベクトル及びインターモードの予測誤差値は、SAD算出時のものを用い、不必要な重複処理を避ける。
モード判定が行われた各マクロブロックmに対し、各画素における予測誤差をe(p、q)として、SADであるSを、以下の式(1)によって算出する。
式(1)
Figure 2006319868
また、SADのフレーム内平均値meanSADを、以下の式(2)によって算出する。尚、x、yは、画像サイズである。
式(2)
Figure 2006319868
[バッファ制約部]
バッファ制約部123は、フレーム基本発生情報量推定部1231と、情報量補正部1232と、メモリ1233と、乗算部1234と、クリップ部1235とを有する。フレーム基本情報量推定部1231は、SAD平均値meanSADを入力し、各QPに基づいてフレーム基本発生情報量Tを出力する。情報量補正部1232は、ビットレートから得られるフレーム当たりの発生情報量に対する、実際の発生情報量の割合を、スケーリング係数CSiとして出力する。乗算部1234は、スケーリング係数CSiとフレーム基本発生情報量Tとを乗算し、フレーム目標発生情報量Tを出力する。クリップ部1235は、フレーム目標発生情報量Tが、実際に、バッファのオーバフロー限界又はアンダー限界に達しないようにクリップする。以下では、各機能部について詳細に説明する。
[フレーム基本発生情報量推定部]
フレーム基本発生情報量推定部1231は、マクロブロック個数におけるSAD平均値meanSADを入力する。meanSADと、各QP値とから、関数fにより、フレーム基本発生情報量Tを算出する。フレーム基本発生情報量とは、バッファ制約を考慮する前段階において、純粋に各フレームが必要とする発生情報量をいう。
式(3)
=f(meanSAD,QP)
図3は、SADと発生情報量との関係を表すグラフである。図3のグラフは、事前実験によって得られたものである。
図3のグラフによれば、横軸は、SADのフレーム内合計値Sにおけるマクロブロックあたりの平均値であり、縦軸は、発生情報量である。各QP値におけるプロットが、それぞれほぼ同一曲線上に存在している。この相関関係は、事前測定によって得られた結果であり、QP値に依存しないことが理解できる。これは、フレームSADによって、そのフレームが必要とする発生情報量を予測できることを意味する。
これらの関係について、各QPに対してSに関する以下の線形多項式による最小二乗近似をしたところ、各係数は表1に示す通りとなる。bitsはフレーム発生情報量であり、SはフレームSADのマクロブロックあたりの平均値である。
bits = a・S+b・S+c・S+d
Figure 2006319868
ここで、対象とするQPの範囲を5〜50としているが、これは、従来の符号化方式が、量子化ステップサイズの定義に関して、QPに対して線形とし、その最大値を31としているのに対し、H.264では2の(QP/6)乗に比例させることでQPとひずみ量とが線形の関係になるよう定めており、かつQPの最大値を51と規定していることによる。近似の結果、3次以上の係数が十分小さい値となったことから、以下に示す2次式を用いる。
bits = b・S+c・S+d
図4は、図3のグラフの結果を近似したグラフである。
式(3)の関数fは、図4によって得られるSADと発生情報量との相関関係を意味する。これにより、予測誤差算出後にフレームの発生情報量を予測することができる。マクロブロック毎の予測誤差が既に求められているので、フレーム内における各マクロブロックの発生情報量も同時に予測できることから、各QP値決定の際にも、この予測誤差情報を利用することができる。
[情報量補正部]
情報量補正部1232は、ビットレートから得られるフレーム当たりの発生情報量に対する、実際の発生情報量の割合を、スケーリング係数CSiとして出力する。
図5は、本発明におけるHRDバッファの遷移グラフである。
図5のグラフによれば、縦軸はバッファ占有量であり、横軸は経過時間である。現在時刻は、GOP先頭のIDR(Instantaneous Decoding Refresh:瞬時復号リフレッシュ)フレームの符号化後とする。IDRフレームは、従来のIフレームに相当する。一般に、HRDバッファは、情報量の多いIDRフレームが符号化されるとバッファレベルが大きく下がり、その後、非IDRフレーム(Pフレーム又はBフレーム)によってバッファレベルが回復するように遷移する。
IDRフレームとは、参照フレーム間距離を変更できるH.264において、IDRフレームをまたいだ、一切の参照関係が存在しないことを意味する。ディジタル放送においては、伝送途中のデータから受信復号を開始する必要があり、定期的なIDRフレームの挿入が必要となる。
ここで、1つのGOPの符号化を完了するまでに、HRDバッファの遷移が満足すべき条件について考える。
アンダーフロー防止の観点からは、各IDRフレームの符号化直後、アンダーフローを生じないようにするだけでなく、次GOPの先頭フレームの符号化直前に、IDRフレームによって発生する可能性のある情報量を確保しておく必要がある。
一方、オーバフロー防止の観点からは、各フレーム符号化直前のバッファレベルが、バッファ最大サイズを超えないようにすればよい。しかしながら、不必要なスタッフィングビットを発生させることなく、全ての発生情報量を画像の符号化に効率的に用いるためには、更に、次GOPの符号化直前まで一切のオーバフローを生じさせないことも条件となる。
これは、以下の理由による。一般に、情報量の少ないシーケンスにおいては、各Pフレームの発生情報量が平均より小さいため、Pフレーム区間でのバッファ遷移が単調増加となる。このとき、GOP途中のフレームで発生した情報量が小さいために、次フレーム符号化直前においてオーバフローが発生すると判断された場合、これを回避するためにスタッフィングが行われることとなるが、次フレームも似たような画像性質を持つ可能性が高い。この場合、以後のフレームに対してもスタッフィングが継続して必要となる。これに対しては、スタッフィングが発生した直後のフレーム符号化に使用する量子化パラメータを十分に小さくするなどの特別な補正を行うことで回避できる。しかし、本発明が目的とする画像性質の均一化に反することとなるため、GOPの最後までオーバフローを生じないことを条件として設定する必要がある。
以上の点を考慮し、GOP途中でのアンダーフロー限界及びオーバフロー限界を、図5のB(i)及びB(i)によって定義する。
図5のグラフによれば、両限界及びGOP境界線に囲まれた三角形(点A、C及ぶDを頂点とする)の中でバッファ推移することを理想とする。そのために、以下の手順に基づいて情報量を割り当てる。
GOP先頭フレーム(IDR)の符号化直後に、GOP毎のバッファ遷移の傾きを決定する。これは、GOPに対する目標発生情報量を決定することに相当する。IDRフレームの最大情報量は、現在のバッファレベルからマージン(バッファサイズの10%)を減じた値とする。個々のフレームSADから予測される発生情報量に、その傾きを考慮したものをフレーム目標発生情報量とする。マクロブロック毎のSADに基づいて、フレーム内の情報量を割り当てる。
バッファ状態は、前記した「傾き」すなわちGOPごとの目標発生情報量(ただし増減方向は逆)に反映される。即ち、現在のバッファ状態がアンダーフローに近く、発生情報量を抑える必要がある場合は、傾きが大きい値となる。一方で、バッファ状態がオーバフローに近い場合は、その逆となる。本発明によれば、SADから事前に予測される発生情報量に対し、バッファ遷移のとるべき「傾き」を適用したものを符号化時の発生情報量の目標値とすることにより、画像性質の反映とバッファ制約とを両立させることができる。
尚、従来、アンダーフロー限界に達することを回避するために、バッファ状態に応じたフレームスキップ(こま落とし)が行われる場合もあった。しかし、これは、フレームの情報量そのものを制御するものではない。これは、次フレーム符号化時のHRDバッファ位置を、より高い位置にすることを意味する。従って、アンダーフロー限界に達することに対する予防的な効果は期待できるものの、本質的な回避にはなっていない。また、フレームスキップによるぎくしゃく感が主観的印象を悪くする場合もある。従って、本発明によれば、フレームスキップは行わない。
図5のグラフによれば、GOP内i番目のフレーム符号化直前におけるバッファ状態は、以下の式(4)が成立する。
式(4)
Bh=Bhi−1−bi−1+BR/FR
Bh(bit):フレームi符号化直前のHRDバッファレベル
(bit):フレームiの符号化による発生情報量
BR(bit/s):符号化ビットレート
FR(frame/s):符号化フレームレート
次に、アンダーフロー限界、オーバフロー限界について、以下のように定義する。
アンダーフロー限界B(i)は、GOP先頭のIDRフレーム符号化後のバッファ位置と、次GOPの先頭IDRフレームのために確保したバッファ位置とを結ぶ直線として、以下の式(5)のように定義する。
式(5)
Figure 2006319868
be(bit):次GOP先頭のフレームで許容する発生情報量
N(frame):GOP内フレーム数
また、オーバフロー限界B(i)は、GOP先頭から2番目のフレーム符号化前のバッファ位置と、次GOP先頭IDRフレーム符号化前におけるバッファ最大値とを結ぶ直線として、以下の式(6)のように定義する。
式(6)
Figure 2006319868
B:バッファサイズ
実際のバッファ遷移は、図5に示すとおり、両限界で囲まれる四角形領域の中間で行われるのが、アンダーフロー/オーバフロー防止の観点から望ましい。四角形左側の2点A(0、Bh−b)、B(1、Bh−b+BR/FR)の中点(1/2、Bh−b+BR/2FR)と、四角形右側の2点C(N、be)、D(N、B)の中点(N、(B+be)/2)とを結ぶ直線をB(i)として、以下の式(7)のように定義する。
式(7)
Figure 2006319868
バッファ破綻防止の観点からは、HRDバッファ遷移が直線B(i)に近いことが理想である。即ち、直線B(i)が、フレームiの符号化直後のバッファ位置と、次フレーム符号化直前のバッファ位置との中間を貫くことを意味する。このとき、以下の式(8)が成立する。式(8)を満たすように、フレームiの発生情報量bを制御する必要がある。
式(8)
Bh−b+BR/2FR=B(i)
次に、ビットレートから得られるフレームあたりの発生情報量b(=BR/FR)に対するbの割合をスケーリング係数CSiとして、以下の式(9)のように定義する。
式(9)
Si=b/b
式(8)及び式(9)より、以下の式(10)が成立する。
式(10)
Si=Bh−B(i)/(BR/FR)+1/2
このように算出されたスケーリング係数CSiが、情報補正部1232から出力される。
メモリ1233は、情報量補正部1232から、スケーリング係数CSiを受け取り、一時的に蓄積する。
[乗算部]
乗算部1234は、スケーリング係数CSiと基本発生情報量Tとを乗算し、フレーム目標発生情報量Tを出力する。各フレームが必要とする発生情報量を反映し、かつ、HRDバッファのアンダーフロー/オーバフローを防止するために、先に算出された基本発生情報量に対し、スケーリング係数CSiを適用する。即ち、以下の式(11)によって、目標発生情報量Tが算出される。
式(11)
=TBi・CSi
これにより、目標発生情報量Tは、次のように制御される。HRDバッファが低い位置で遷移している場合は、小さい値のスケーリング係数が基本発生情報量に適用され、発生情報量を抑え、バッファアンダーフローを回避する。HRDバッファが高い位置で遷移している場合は、大きい値のスケーリング係数が基本発生情報量に適用され、発生情報量を増やし、バッファオーバフローを回避する。
スケーリング係数は、基本発生情報量に対して補正をかけるものであるため、係数値を頻繁に更新することは望ましくなく、ある程度の範囲で一定の値をとることが望ましい。これは、次の理由による。式(11)によれば、CSiの更新頻度が高いと、Tに潜在的に反映されていたフレームごとの画像性質を無視することとなる。その結果、フレーム目標発生情報量Tと画像性質との相関を低下させる原因となる。このため、スケーリング係数をGOP単位で更新し、フレーム毎に適用することとする。更新は、GOP先頭IDRフレーム符号化後であって、次のPフレーム符号化直前で行い、これは式(10)においてi=1とした場合に相当する。この場合、スケーリング係数は、GOPに割り当てる情報量の、平均ビットレートに対する比率を示すこととなる。
[クリップ部]
クリップ部1235は、実際にフレーム目標発生情報量Tが、バッファのオーバフロー限界又はアンダー限界に達しないようにクリップする。式(11)によれば、バッファ状態が考慮されたGOP単位での情報量割り当てが行われるため、バッファの破綻は原則として生じない。しかし、これを厳密に回避するため、以下のバッファ制約を適用する。
式(12)
Bh−b ≧ mgn
式(13)
Bh−b+BR/FR ≦ (B−mgn)
但し、mgnは、バッファ上限・下限に対するマージンであり、以下のように規定する。
式(14)
mgn=0.2・BR/FR
[量子化パラメータ制御部]
量子化パラメータ制御部124は、マクロブロック目標発生情報量決定部1241と、目標発生情報量和部1242と、実発生情報量和部1243と、量子化パラメータ算出部1244と、量子化パラメータ平均化部1245とを有する。マクロブロック目標発生情報量決定部1241は、フレーム目標発生情報量Tと、マクロブロック毎のSAD(予測誤差)であるSと、Sのフレーム内合計値ΣSとから、マクロブロック毎の目標発生情報量TBを決定する。目標発生情報量和部1242は、マクロブロック目標発生情報量TBを加算し、目標発生情報量STBを出力する。実発生情報量和部1243は、マクロブロック毎の実発生情報量BMを加算し、実発生情報量SBMを出力する。量子化パラメータ算出部1244は、目標発生情報量STBと、実発生情報量SBMと、QP値の平均値とから、QP値を決定し、そのQP値を量子化部へ出力する。量子化パラメータ平均化部1245は、QP値の平均を算出し、平均QP値を量子化パラメータ算出部1244へ出力する。
[マクロブロック目標発生情報量決定部]
マクロブロック目標発生情報量決定部1241は、フレーム目標発生情報量Tと、マクロブロック毎の予測誤差Sと、Sのフレーム内合計値ΣSとから、マクロブロック毎の目標発生情報量TBを決定する。
本発明は、マクロブロック単位の情報量割り当てについても、各部が必要とする情報量に対し、最大限その情報量を反映させるように情報量を割り当て、QPの変動を最小限に抑え、且つ、画像品質を均一に保つことを目的とする。必要とする情報量は、SAD算出部122から出力されたSAD値Sを利用することとし、次の式(15)により、目標発生情報量TBを決定する。
式(15)
TB=S/ΣS・T
[量子化パラメータ算出部]
目標発生情報量と、実際の符号化後の発生情報量との差異を吸収するために、QP値の制御を以下のようにして行う。これまでに発生した情報量と目標発生情報量は、それぞれ以下のようになる。
m:現在符号化しようとしているマクロブロック
BM:マクロブロックjで実際に発生した情報量
式(16)
Figure 2006319868
式(17)
Figure 2006319868
マクロブロックmのためのQP値QPmは、この差異を吸収するための値として設定する。H.264(デコーダ規格、例えば非特許文献7参照)によれば、量子化パラメータQP値と量子化ステップとの関係が以下の指数関数となっており、且つ、量子化パラメータが6増えると、量子化ステップが2倍となるように定義されている。
式(18)
Figure 2006319868
従って、以下の式(19)が成立する。
式(19)
Figure 2006319868
これにより、以下の式(20)が成立する。
式(20)
Figure 2006319868
量子化パラメータ平均化部1245は、量子化パラメータ算出部1244から出力されるQP値を平均化する。本発明は、マクロブロック単位の情報量割り当てについても、各部が必要とする情報量に対し、最大限その情報量を反映させるように情報量を割り当て、QPの変動を最小限に抑え、且つ、画像品質を均一に保つことを目的とする。その観点から、前フレームの平均QP値をモード判定に有効利用できるものと考えて、これを利用する。QPについては、過去のQPの移動平均値とする。フレームに対して、かつ、マクロブロックに対して、必要度に応じた情報量割り当てを行っているため、QP値の変動は最小限のものとなり、過去のQP平均値は、有効に利用することができる。
最後に、本発明の有効性を確認するため、地上ディジタル放送の移動体受信機向け(1セグメント)放送を想定して、ソフトウェアシミュレーション実験を行った。
図6は、各画像におけるフレーム毎のSNRの推移を表すグラフである。
図6のグラフは、横軸がフレーム番号であり、縦軸がPSNR(dB)である。本発明は、従来のJM方式に比較して、GOP境界での品質変動が抑えられていることが、図6のグラフからも明らかである。
表2は、本発明とJM方式とにおけるSNR及びその標準偏差の比較を表す。表1によれば、本発明の平均SNRは、JM方式と比較して改善されており、その標準偏差が小さいことが理解できる。
Figure 2006319868
平均SNRでは、0.3程度の改善であるが、局所的な部分においてSNRの変動を半分以下に抑え、最大劣化を2dB程度改善できた。同時にバッファ制約にも準拠している。
表3は、本発明とJM方式とにおける平均QP及びその標準偏差の比較を表す。表2によれば、本発明の平均QP値は、JM方式と比較して変動が抑えられており、その標準偏差が小さいことが理解できる。
Figure 2006319868
このように、品質変動を小さくすることで符号化効率も改善し、平均QP値が減少し、結果として、平均SNRの改善となって現れている。
JM方式は、IDRリフレッシュやシーンチェンジ等の大きな発生情報量のフレームが存在すると、当該GOP内の他のフレームへの情報量割り当てが削減され、品質低下を生じる。これに対し、本願発明によれば、各フレームの発生情報量の事前予測によりフレーム目標発生情報量を決定しているため、シーンが必要としている情報量に応じた情報量割り当てが行われ、局所的又は周期的な品質劣化の発生を防ぐ。
図7は、フレーム毎のHRDバッファ遷移を表すグラフである。
図7のグラフは、横軸はフレーム番号であり、縦軸はHRDバッファの占有量である。本発明は、画像性質を考慮しているのに対し、従来技術のJM方式は、バッファ制約だけを考慮して(画像性質を考慮していない)符号化制御をする。従って、本願発明は、JM方式と比較して、画像性質を考慮するがためにバッファ占有量の変化が大きいにもかかわらず、アンダーフロー及びオーバフローを生じることがない。このように、バッファ遷移を考慮したスケーリングに基づくレート制御を行うことにより、画像性質に応じた情報量割り当てを行い、かつHRDバッファ制約に準拠して制御することができる。
演算処理量について、本発明は、符号化前のSADに基づく発生情報量の事前予測を行っている。しかしながら、通常の符号化処理で行われる動き予測・イントラ予測を利用したものであって、本発明と従来方式との演算処理量は、ほぼ同等となる。
本発明によれば、H.264の符号化レート制御に関して、フレーム間予測誤差(SAD)と発生情報量との相関関係に着目し、発生情報量の事前予測に基づくレート制御方法を提案した。本発明は、符号化前に予測される発生情報量をその画面が必要としている情報量とみなし、フレーム目標発生情報量を決定する。また、HRDバッファ制約を考慮するため、バッファ遷移傾向に基づくスケーリング係数を導入し、フレームが必要とする発生情報量の相対関係を維持しつつ、情報量を割り当てる。これにより、バッファ制約の考慮による安定化と、画像性質の反映による画質の向上とを両立させることができる。
前述した本発明における種々の実施形態によれば、本発明の技術思想及び見地の範囲の種々の変更、修正及び省略を、当業者は容易に行うことができる。前述の説明はあくまで例であって、何ら制約しようとするものではない。本発明は、特許請求の範囲及びその均等物として限定するものにのみ制約される。
従来技術における画像圧縮符号化装置の機能構成図である。 本発明における画像圧縮符号化装置の機能構成図である。 SADと発生情報量との関係を表すグラフである。 図3のグラフの結果を近似したグラフである。 本発明におけるHRDバッファの遷移グラフである。 各画像におけるフレーム毎のSNRの推移を表すグラフである。 フレーム毎のHRDバッファ遷移を表すグラフである。
符号の説明
1 画像圧縮符号化装置
101 現フレームメモリ
102 動き予測部
103 インターモードのフレーム間予測コスト算出部
104 イントラモードのフレーム間予測コスト算出部
105 モード判定部
106 モード情報メモリ
107 ローカルデコードメモリ
111 動き補償部
112 DCT(離散コサイン変換)部
113 量子化部
114 逆量子化部
115 逆DCT部
116 可変長符号化部
117 バッファ部
121 フレームメモリ
122 差分絶対値和(SAD)算出手段
123 バッファ制約部
1231 フレーム基本発生情報量推定部
1232 情報量補正部
1233 メモリ
1234 乗算部
1235 クリップ部
124 量子化パラメータ制御部
1241 マクロブロック目標発生情報量決定部
1242 目標発生情報量和部
1243 実発生情報量和部
1244 量子化パラメータ算出部
1245 量子化パラメータ平均化部

Claims (6)

  1. 量子化パラメータに基づいて量子化する量子化手段と、
    第1のGOPの先頭フレーム符号化直後時点からみて、第2のGOPの先頭フレーム符号化直前時点までの仮想受信バッファのバッファ占有遷移が、オーバフロー限界及びアンダーフロー限界の中心となるように、各フレームが必要とする基本発生情報量に対して補正を行ったフレーム目標発生情報量を出力するバッファ制約手段と、
    前記フレーム目標発生情報量に基づいて算出されたマクロブロック目標発生情報量から量子化パラメータを導出し、該量子化パラメータを前記量子化手段へ出力する量子化パラメータ制御手段と
    を有することを特徴とする画像圧縮符号化装置。
  2. マクロブロック毎に、インター/イントラモード判定後の予測誤差である差分絶対値和SADを算出する差分絶対値和算出手段を更に有し、
    前記バッファ制約手段は、
    前記差分絶対値和SADに基づいて、フレーム基本発生情報量を推定するフレーム基本発生情報量推定手段と、
    第1のGOPの先頭フレーム符号化直後時点からみて、第2のGOPの先頭フレーム符号化直前時点までの仮想受信バッファのバッファ占有遷移が、オーバフロー限界及びアンダーフロー限界の中心となるように、ビットレートから得られるフレームあたりの平均発生情報量に対する、フレームの発生情報量の割合であるスケーリング係数を出力する情報量補正手段と、
    前記推定された基本発生情報量に前記スケーリング係数を乗じてフレーム目標発生情報量を出力する乗算手段と
    を有することを特徴とする請求項1に記載の画像圧縮符号化装置。
  3. 前記情報量補正手段は、GOP単位で行うものであって、前記バッファにおける前記符号化データの占有量が低く遷移している場合、小さいの値のスケーリング係数を出力し、前記符号化データの占有量が高く遷移している場合、大きい値のスケーリング係数を出力するように動作することを特徴とする請求項2又は3に記載の画像圧縮符号化装置。
  4. 前記フレーム基本発生情報量推定手段は、前記差分絶対値和SAD及び固定量子化パラメータQPに基づいて発生情報量を推定する関数f又は推定値を予め蓄積していることを特徴とする請求項2に記載の画像圧縮符号化装置。
  5. 前記バッファ制約手段は、前記乗算手段から出力された前記フレーム目標発生情報量に対して、前記バッファのオーバフロー限界又はアンダー限界に達しないようにクリップするクリップ手段を更に有することを特徴とする請求項2から4のいずれか1項に記載の画像圧縮符号化装置。
  6. 前記量子化パラメータ制御手段は、
    前記フレーム目標発生情報量に基づいてマクロブロック目標発生情報量を出力するマクロブロック目標発生情報量決定手段と、
    実発生情報量における当該マクロブロック直前までの情報量の和と、目標発生情報量における当該マクロブロック直前までの情報量の和と、当該マクロブロック直前までの量子化パラメータの平均値とから当該マクロブロックの量子化パラメータを算出し、前記量子化手段へ出力する量子化パラメータ算出手段と
    を有することを特徴とする請求項1に記載の画像圧縮符号化装置。
JP2005142675A 2005-05-16 2005-05-16 画像圧縮符号化装置 Expired - Fee Related JP4720284B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005142675A JP4720284B2 (ja) 2005-05-16 2005-05-16 画像圧縮符号化装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005142675A JP4720284B2 (ja) 2005-05-16 2005-05-16 画像圧縮符号化装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006319868A true JP2006319868A (ja) 2006-11-24
JP4720284B2 JP4720284B2 (ja) 2011-07-13

Family

ID=37540085

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005142675A Expired - Fee Related JP4720284B2 (ja) 2005-05-16 2005-05-16 画像圧縮符号化装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4720284B2 (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011259408A (ja) * 2010-05-10 2011-12-22 Panasonic Corp 動画像符号化装置、動画像符号化方法および動画像符号化プログラム
JP2013251903A (ja) * 2012-06-01 2013-12-12 Samsung Electronics Co Ltd 多階層ビデオコーディングのためのレート制御方法、これを用いるビデオエンコード装置及びビデオ信号処理システム
JP2016096398A (ja) * 2014-11-12 2016-05-26 富士通株式会社 映像データ処理装置、映像データ処理プログラムおよび映像データ処理方法
CN107426570A (zh) * 2016-10-28 2017-12-01 福州大学 一种低延迟视频编码的自适应Qp级联方法
CN110677654A (zh) * 2019-10-16 2020-01-10 西安邮电大学 高效视频编码标准低时延编码结构的量化参数级联方法

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0514876A (ja) * 1991-07-05 1993-01-22 Hitachi Ltd 動画像符号化方式
JPH114444A (ja) * 1997-06-11 1999-01-06 Sony Corp 画像符号化装置および方法
JP2002176645A (ja) * 1997-06-19 2002-06-21 Victor Co Of Japan Ltd バッファ管理装置
JP2003153259A (ja) * 2001-11-13 2003-05-23 Kddi Corp 動画像圧縮符号化レート制御装置

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0514876A (ja) * 1991-07-05 1993-01-22 Hitachi Ltd 動画像符号化方式
JPH114444A (ja) * 1997-06-11 1999-01-06 Sony Corp 画像符号化装置および方法
JP2002176645A (ja) * 1997-06-19 2002-06-21 Victor Co Of Japan Ltd バッファ管理装置
JP2003153259A (ja) * 2001-11-13 2003-05-23 Kddi Corp 動画像圧縮符号化レート制御装置

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011259408A (ja) * 2010-05-10 2011-12-22 Panasonic Corp 動画像符号化装置、動画像符号化方法および動画像符号化プログラム
US9510003B2 (en) 2010-05-10 2016-11-29 Panasonic Intellectual Property Management Co., Ltd. Moving picture coding device, moving picture coding method, and moving picture coding program
JP2013251903A (ja) * 2012-06-01 2013-12-12 Samsung Electronics Co Ltd 多階層ビデオコーディングのためのレート制御方法、これを用いるビデオエンコード装置及びビデオ信号処理システム
JP2016096398A (ja) * 2014-11-12 2016-05-26 富士通株式会社 映像データ処理装置、映像データ処理プログラムおよび映像データ処理方法
CN107426570A (zh) * 2016-10-28 2017-12-01 福州大学 一种低延迟视频编码的自适应Qp级联方法
CN107426570B (zh) * 2016-10-28 2020-11-03 福州大学 一种低延迟视频编码的自适应Qp级联方法
CN110677654A (zh) * 2019-10-16 2020-01-10 西安邮电大学 高效视频编码标准低时延编码结构的量化参数级联方法
CN110677654B (zh) * 2019-10-16 2020-09-29 西安邮电大学 高效视频编码标准低时延编码结构的量化参数级联方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP4720284B2 (ja) 2011-07-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20220191493A1 (en) Video compression and transmission techniques
JP5676705B2 (ja) 映像符号化規格に対応した映像レート制御の改善
EP1076885B1 (en) Method and apparatus for reducing breathing artifacts in compressed video
KR100942395B1 (ko) 다층 비디오 설계를 위한 레이트 제어
Wang et al. Rate-distortion optimization of rate control for H. 264 with adaptive initial quantization parameter determination
KR101518358B1 (ko) 비디오 코딩에서 프레임 복잡성, 버퍼 레벨 및 인트라 프레임들의 위치를 이용하는 버퍼 기반의 비율 제어
US8036270B2 (en) Intra-frame flicker reduction in video coding
US20070009039A1 (en) Video encoding and decoding methods and apparatuses
US20100166060A1 (en) Video transcoder rate control
US20100111163A1 (en) Method for p-domain frame level bit allocation for effective rate control and enhanced video encoding quality
JP2006521771A (ja) ハイブリッドレートコントローラーを備えるデジタルストリームトランスコーダー
KR20080096760A (ko) 부호화 장치, 부호화 방법 및 프로그램
JP5640979B2 (ja) 動画像符号化装置、動画像符号化方法および動画像符号化プログラム
JP4720284B2 (ja) 画像圧縮符号化装置
KR20120096863A (ko) 고효율 비디오 부호화의 계층적 부호화 구조를 위한 비트율 제어 기법
JP2007124580A (ja) 動画像符号化プログラム、プログラム記憶媒体、および符号化装置。
Miyaji et al. A novel rate control method for H. 264 video coding
Cai et al. A high-performance and low-complexity video transcoding scheme for video streaming over wireless links
Park PSNR-based initial QP determination for low bit rate video coding
Jiang Adaptive rate control for advanced video coding
JP4292658B2 (ja) 画像情報変換装置及び画像情報変換方法
JP2012060423A (ja) 動画像符号化装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080304

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20091222

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100216

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100402

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100831

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100914

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110308

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110321

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140415

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4720284

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees