JP2006307817A - 身体装着用送風機 - Google Patents

Abstract

【課題】箱型の送風機を付設の装着具で装着すると上着をこの上に着用しても目立たない上着衣の下には充分な気流循環が行われ発汗潜熱および身体顕熱を奪い冷却効果が発生して冷涼感が得られる。着衣は特に加工の必要はなく、冷熱源も不要なため簡易で軽快な個人空調が実現する。
【解決手段】軸方向が直径方向に比し小さいクロスフローファン様の多翼ファンを箱型容器１に収納し、軸方向で決まる箱の厚みは５センチ以下と薄く軸と直行する面内を空気が流入後ほぼ直線的に貫流し吐出されるように箱の相対する２辺にそれぞれ通気口１０，１１を設け、その風路は大小一対の曲面を有する壁面４，５と隔壁６の外殻で構成され、装着具８を取付けた。
【選択図】図１

Description

本発明は、夏季や高温作業所等における人がその身体の下着と上着の間に装着しその空隙の空気を送風循環することにより簡易に冷涼効果を得る機器装置を供し、自由に移動しながら使用できる個人用空調服等の民生用産業分野に活用できる。

従来、前記のような個人用空調服には、下着もしくはベスト状の着衣に冷水あるいは冷気を通して伝熱により人体を冷却したり、ブルゾン様上着に外部より空気を取り込みその内部に通風して発汗による人体の自己冷却効果を得るものがあった。前者は比較的かさばらないが冷水あるいは冷気を得るために外部に冷熱源を設けこれとの接続が必要であり、後者では逆に冷熱源は無くてもよいが通気を得るためかさばりかつ上着には空気取り入れ用の開口部を設けたり特別の加工が必要であった。

前項で述べた例に見られるように従来の方法は冷熱源を要するものは複雑で重く長時間の使用は困難な上高価になりやすく、一方外気導入のものは比較的簡易ではあるが着用者の外観は作業着に近いという制約を受けかつ作業は機能性に欠け、いずれもスーツやワイシャツ着用時は実質的に使用ができなかった。

本発明は、対象者の身体の上着と下着の間に送風機を着用しその空隙中の空気を強制的に適宜送風循環させ冷涼感を得るようにする。ここに送風機は身体装着時上着を着ているとき外観的にも違和感がなく目立たない程度に薄く形成されるようなクロスフローファン等を主体とし、流入空気は本ファンを通過後同じ平面の反対側に吐出されるように設定され、外部より吸引された新気はこの空隙に押し込まれ初期の効果を得て適宜排出されるようにする。この時その風量や吐出方向は適宜調整できる。なお本送風機の駆動は電動モータで動力源は電池を主とする。

前項の構成により例えばこの送風機を腰部に装着し下方より上方に気流を設定すると、外気はスーツ等の上着の下方開口部より吸引されファンにより吐出されて背中から首および脇腹方向に流れその後上方の襟部もしくは前方の開口部から排出される。この結果この空隙の空気に通風循環が起るため身体から発汗が促進され蒸発熱による自己冷却効果が生じ、かつ顕熱の円滑な排除も行われるので装着者は冷涼感を得られる。ここにこの送風機装着時に上着や下着は特に加工する必要はなく、本体もその形態や特性を独立して任意に選定できる。また外観的にもほとんど着用が目立たないようにできるのでスーツ、制服および和服着物等の上着はそのまま使用でき貢献用途が飛躍的に拡大する。

本発明の実施は前項までに既述のように下着と上着の空隙部分に通風循環を起こすための送風機を実用的に設けることを目的とする。このためこの送風機構は厚さが数センチ以内で上着着用時に外観的に出っ張りが目立たずかつ充分な風量を得られることが要件となる。そのためには別図に示したような回転軸に対して直角な比較的薄い厚さの平面内で送風空気の流入および吐出がほぼ直線もしくは直角以内の偏移で生成され、充分な風量と静圧が得られる多翼ファンが最適でクロスフローファンはその代表である。ここにファンの直径は厚みに対し充分に大きくとれば初期の性能が得やすい。この種のファンは主に円盤状回転板とその外周近傍の縁辺部にこの板と垂直方向に多数の翼を配設したファン本体およびその風路形成部より成る。風路は主に外殻として曲線の主壁と副壁およびファン断面の上下の隔壁より構成される。この時隔壁はファン全体の構造、強度を保持する役目も有しいわばケースの一部として機能する。またこのファンを収めるケースには駆動用の電動モータ、電源電池、制御部や身体装着用のバンドあるいはマジックテープ等装着具も収納される。ファンの吐出気流の強さや方向はクロスフローファンの副壁の相対位置を移動することでも変化可能で最適に調節でき必要であれば気流の流入と吐出方向を逆転することもできる。このため複数個の本機を重ねたり並べて設け風量や風向を適宜組み合わせてより広い用途に用いることもできる。

以下、本発明を図１から図３に示す実施例について説明する。同図１は本送風機の平面断面図、図２は側面断面図および図３は身体装着時概念図である。本機の構造は主に図１と図２で示すように本体（１）は箱状形態でこの内部に送風機構の主部品であるファン本体（２）、モータ（７）、これらを繋ぐ軸（３）、風路を構成する主壁（４）、副壁（５）および隔壁（６）より成る。またファン本体（２）は円盤（２１）とその縁辺部に図１のようにほぼ垂直に立つ多数の翼（２２）で構成され軸（３）を有する。この構成でファン本体（２）が図１のようにＡの矢印方向に回転すると流入空気（１０）は矢印方向に吸引され流入しファン（２）内を同一平面内で貫流後翼（２２）に圧送されて吐出空気（１１）の矢印方向に吐出される。ここに副壁（５）の形状、位置は主壁（４）の形状とあわせてファン特性を決定する重要因子であるが、適宜諸元を選べばこれを同図の矢印Ｂのように移動することにより適宜風量、方向を可変にできる。極端にはこれを同図の下方対称位置に移動して流入空気（１０）と吐出空気（１１）の方向を逆にすることもできる（図示せず）。このためこの送風機を複数重ねたり並べて使用する際それぞれの風向や風量を自在に組み合わせが可能となる。図３は本体（１）を装着具（８）を用いて身体（３０）に装着した状態（下着は図示せず）の概念図で上着（３１）は破線で示すように本体（１）を覆って用いる。この時流入空気（１０）は下方隙間から吸引され吐出空気（１１）は上方あるいは側面方向に流れ身体を冷却して冷涼感を身体に与えた後やはり隙間から排出される。なお、氷や冷却剤を携帯容器（図示せず）に入れ、送風機からの吐出空気（１１）の出口あるいは流入空気（１０）入口に設ければより大きな冷却効果が期待できる。冷却剤としては市販のものでは硝酸アンモニウムと水を混合させて吸熱効果を生じさせる即効型もあり実用性が期待できる。なお、本機のモータ（７）の駆動力源は電池が便利であり（図示せず）本体（１）に付設もしくは別途携帯すればよく装着者の行動の自由度は最大となる。

以上説明したように、本発明によれば比較的簡単な構造で高温環境下でも本機を用いれば被服内環境はより低温で適温が得られやすく健康改善に寄与できる。これにより身体の生理的、心理的快適度が向上するためより安全で効率高い行動も期待できるようになる。本発明は、夏の過酷な暑さに弱い一般の人はもとより高温作業所や夏の屋外でも上着を着用すべき職種の人等民生産業分野全般に広く貢献できる。また、電気自動車等の車両用個人空調に用いることも可能でこの際電源は車両から得られるがカークーラーに比し大幅な省エネルギーが図れる。

本発明に関わる身体装着送風機の構造、作用を示す。同図１は本送風機の平面断面図、図２は側面断面図および図３は身体装着時概念図である。

符号の説明

（１） 本体
（２） ファン本体
（３） 軸
（４） 主壁
（５） 副壁
（６） 隔壁
（７） モータ
（８） 装着具
（１０） 流入空気
（１１） 吐出空気
（２１） 円盤
（２２） 翼
（３０） 身体
（３１） 上着

Claims (3)

1. 直径に比し長手軸方向が著しく小で厚みの小さいクロスフローファン様多翼ファン本体およびその風路を形成する外殻ならびにその駆動機構より成る送風機構を内包する厚さ５センチメートル以下の薄い箱状本体の、一方の辺に当たる部分から空気を吸引し反対の辺にあたる部分から吐出するようにしこれを箱状本体に付設した装着具により使用者の身体に装着可能にした送風機。
2. 前記機構の風路の特性を支配する多翼ファンの軸方向には平行でその直角平面上では曲線で形成される主壁および副壁中、その副壁を断面形状はそのままで同平面内で適宜回動移動させることにより吐出風量、同方向を変化させるようにした構造。
3. 上記構造体と別途添付の冷却材とを組み合わせよりその身体冷却効果をたかめるように結合させるようにした構成方法。

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