JP2006302856A - Ｌｅｄを用いた照明装置の安定供給電源 - Google Patents

Abstract

【課題】 防犯や防災のための街灯は，省エネ効果や長寿命，環境に優しいなどの条件を満足する必要があり，とりわけ災害時の緊急避難路を確実に点灯する必要から，十分なバッテリーを備えた白色ＬＥＤ照明が有効である．しかし，長く雨天や曇天が続き，十分な日照時間が得られない場合，太陽光発電によるバッテリーの充電電圧が低下してＬＥＤの青み掛る特性が顕著となり，暗く感じるようになるとともに，人の目にも悪影響を及ぼすなど不向きであった．
【解決手段】 入射光量の不足で太陽光発電電圧がメインバッテリーを充電できないレベルに達した場合，太陽光発電電圧を周波数変換し，これをパルス幅に変換して二次電池を充電する．この充電電圧が十分に高くなれば，メインバッテリーの不足した容量を補填し，またメインバッテリーからＬＥＤへの電源供給が不足すれば，二次電池から直接ＬＥＤに電源供給を行うシステムとした．
【選択図】 図２

Description

本発明は，ＬＥＤ（発光ダイオード）を光源とした照明装置の電源供給部分に関する．

現在のＬＥＤ技術を用いた工業製品は，携帯電話のバックライトや信号機などに見られるように発光部を目視して種々の情報を取得するシステムの構成から、白色ＬＥＤの高効率化の研究と相まってＬＥＤの発光特性を応用したシステムの構成へと発展しつつある。

ＬＥＤを照明の発光部，すなわち光源とする場合、白色ＬＥＤ又は昼光色ＬＥＤがおもに使われる。

いずれの場合も，これらのＬＥＤ開発において各メーカー及び工場では，輝度を高く上げることに注力し，より高輝度表示（表示測定基準定義）が可能となるよう研究を重ねている．

現在工業製品として市場に流通している白色に近いＬＥＤは，青色ＬＥＤの光線を黄色の蛍光体（長残光蛍光体）に照射して発色する方法，または青，緑，赤の同輝度ＬＥＤを近接し，同時発光して白色を得る方法がある．

照明用としてＬＥＤを用いる場合，白色以外の色変化は不要であるため，コストを考慮して青色ＬＥＤ単色発光の形式がとられるのが一般的である．

発明が解決しようとする課題

一般に照明装置に求められる標準仕様は，照明範囲内の全域で均一な目的照度が得られなければならないということである．

発光に指向特性のあるＬＥＤを光源として広範囲を照らそうとすると，十分な目的照度を得られるようにするためには，使用するＬＥＤの数を増やし，安定的に電流を流すことのできる電源に接続する必要がある．

したがって，電源供給の困難な地域や区域，海上や上空などにおいては，長時間照明として明るく発光させ得るバッテリーを準備することは通常困難である．

十分出力の大きい太陽光発電システムで容量の十分大きいバッテリーを昼間の日照時に充電した場合でも，時間とともに電流または電圧が変動すると発色が微妙に変化し，色度相対座標が変動することになる．

現在一般的に利用されている照明用白色ＬＥＤは，電圧または電流が変動すると，構造上青色掛って見える．

人の色に対する感度は比視感度といわれ，青や紫を暗く感じる．青や紫のように波長の短い光ほど屈折率が大きいため，このような光は網膜の手前で像を結んでしまう．この色収差を補正して網膜上で像を結ぶよう毛様体筋が水晶体を薄くするよう活躍し，このため実際の物よりも小さく見えてしまうことになる．

また，この様な単色照明によって，水晶体を薄くする状態が常態化することとなり，毛様体筋を酷使することから，目の疲れを招き，さらには視力を減退させる可能性がある．

光を感じる視細胞と，その働きを集約・支持する感覚網膜に対しても，この青や紫の光は悪影響を及ぼすとも言われている．紫外線Ｂ波（〜３２０ｎｍ）は角膜で跳ね返される事が多いのに対し，紫外線Ａ波（〜４００ｎｍ）は角膜を透過し，水晶体に吸収されて白内障の原因ともなる．青色光（〜４５０ｎｍ）より波長の長い光は黄斑部まで届くが，このうちエネルギーが高い青い光が黄斑部に有害と見なされている．

そこで，ＬＥＤを用いた照明装置は，特に定電圧，定電流を維持する設計とし，青色がからない方策をとることが望まれる．

このようなことから，ＬＥＤ光源の発光エネルギー源としては，安定化電源によって一定電圧，一定電流を供給することが理想的であるが，これが困難な山間部や海上にある場合，あるいは災害時に避難路を照らす防災灯などは，バッテリー駆動を余儀なくされることとなる．

最良なバッテリーであっても，数日における長時間の不日照条件下等では，不安定な電源供給条件となる可能性が避けられない．

課題を解決するための手段

ＬＥＤを光源とする実用的な照明装置には，経済的な面から現在は太陽光発電によって電池を充電し，この電源容量を十分保って不日照時にも安定的に電源を供給する方法に頼る以外にない．

このとき，太陽光発電システムで発生する光電効果は入射光量に応じた生産性を示し，日昇から日没までの間，生産する電力は連続的に変化する．

日昇時，メインバッテリーの充電開始電圧に達するまでに要する時間と，日没時，メインバッテリーの充電終電圧から発電電力がゼロに達するまでの時間のうち，ＬＥＤ点灯に十分な電圧を発生している間は，その電圧を周波数に変換する．

このとき，パルス幅は電圧変化に依存して可変とし，電気二重層などの二次バッテリーを充電する．

二次バッテリー側では充電タイミングを制御し，一定電力を供給できるようパルス制御してＬＥＤの安定化電源とする．

発明の効果

太陽光発電システムを用いてＬＥＤに安定的に電源供給するシステムとして，メインバッテリーに充電不能なタイミングを，分割して周波数に変換し，このタイミングパルスで二次バッテリーを充電する．

この二重のバッテリーによる電源供給で，雨天や曇天などの天候不良の日が何日も続き，十分な電力を発電できないような条件においても，十分な電力を蓄え，青み掛らない明るい色の照明として，実用が可能となる．

太陽光発電の電圧曲線は，図１に示すように，日昇から時間とともに上に凸の曲線を描き，ある時間をピークに上に凸のまま日没まで連続曲線を描く．

この図のように，メインバッテリーは電圧が１２ボルトで充電を開始し，１７．１ボルトの最大値をとって１２ボルトを下回ると充電をストップする．

メインバッテリーが充電できない間の電圧を周波数に変換し，これをパルス幅とする電力で図２の回路のように二次電池を充電する．

二次電池が１５ボルトまで充電されると，この出力でメインバッテリーを追加充電するが，メインバッテリーからの電源電圧が不足し，ＬＥＤに供給される電力が不足してきた場合は，充電タイミング制御システムで二次電池から直接ＬＥＤに一定の電源供給を行う．

防犯用街灯として利用すれば，省電力で耐久性があり無騒音である利点を活かすことができる．さらに，太陽光発電システムと併用して設置する場合，省エネ効果は絶大であり，電源供給の難しい地域や箇所，さらには電源供給の途絶えた場合の防災灯にも最大限の威力を発揮する．

上述の

の効果は，本発明を付加することで，何日も曇天や雨天の続くような充電条件の悪いときにも適合し，照明として明るく目に優しい機能を有する防犯灯，防災灯としての利用可能性がある．

太陽光発電システムの電圧曲線 ＬＥＤ照明装置の安定供給電源回路図

符号の説明

１ 消灯タイミング
２ 照明開始タイミング
３ ソーラー：Ｖ／Ｆ充電，発電電圧：Ｖ／Ｆ変換
４ ソーラー充電可能時間
５ ソーラー：Ｖ／Ｆ充電，発電電圧：Ｖ／Ｆ変換

Claims (1)

1. ＬＥＤ（発光ダイオード）を光源とする照明装置において，メインバッテリーの充電不能な低い太陽光発電電圧を，周波数変換することにより二次電池の充電を行い，パルスタイミング制御によって安定的に電源を供給する装置．

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