JP2006293891A - プロパティ変換装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】プロパティ言語で記述された内容を等価な別の表現に変換することができるプロパティ変換装置を得ること。
【解決手段】プロパティ情報を構成する構成単位、等価変換を行う際の構成単位の変換順序、および構成単位と論理的に等価な等価表現を含むプロパティ構成単位情報が格納される構文データベース12と、入力されるハードウェアの仕様を仕様記述言語で記述したプロパティ情報を、構文データベース12のプロパティ構成単位情報を参照して、文法的構造、構成単位および構成単位ごとの等価表現を含む構文要素情報を作成する構文解析部13と、構文要素情報に基づいて、入力されたハードウェアのプロパティ情報を、所定の等価表現に変換した等価プロパティ情報を作成するプロパティ等価変換部14と、を備える。
【選択図】 図1

Description

この発明は、プロパティ言語で記述された設計仕様を平易な等価表現に変換するプロパティ変換装置に関するものである。
一般に、半導体集積回路の設計過程では、まず、半導体集積回路全体をシステムと捉え、その動作を記述した動作レベル記述を作成し、つぎに、作成された動作レベル記述を、回路の設計データとなるRT(Register Transfer)レベル記述に変換する。さらに、RTレベル記述が、ゲートレベル記述(ゲートレベル論理回路:ネットリスト)に自動変換され、このようにして生成されたネットリストをもとに、レイアウト設計が行われ、ついで、チップ設計が行われる。以上のような半導体集積回路の設計では、上記のステップによってなされた設計の正当性を調べる設計検証が行われる。この設計検証には、たとえば、各ステップの変換が正しいかを検証する等価性検証と、各記述が設計対象を正しく表現しているかを検証する仕様検証とがある。従来、この等価性検証を行う装置として、たとえば、機能レベルのハードウェア記述言語によるハードウェア記述で表現された論理回路と、ゲートレベルのハードウェア記述言語によるハードウェア記述で表現された上記と同じ論理回路との論理の等価性の検証を、ブール式の比較による論理検証とテストパターンを使用した比較シミュレーションによる論理検証とのいずれを使用するかを、論理回路を分割して得られる個々の部分回路ごとに切り分けることによって行う論理検証装置などが提案されている(たとえば、特許文献1参照)。
特開平3−29868号公報
ところで、近年では、仕様記述言語(以下、プロパティ言語という)で記述した仕様であるプロパティと、ハードウェア記述言語で記述した設計情報とを検証ツールに入力することで、双方の論理の等価性を検証することができるようになっている。ここで、プロパティ言語とは、ハードウェアの設計仕様を記述する専用言語のことをいう。また、このような検証ツールを用いることによって、設計・検証レビュー時には、検証で使用したプロパティを直接レビューすることで、第三者のチェックによるハードウェアの品質改善が期待できる。
しかし、プロパティ言語には複数種類が存在し、それぞれに多くの表現方法がある。また、現時点において、プロパティ言語の歴史が浅いために、プロパティ言語に精通した技術者が不足している。そのため、プロパティ言語の論理的な意味を熟知している者でなければプロパティの内容を理解できないという問題点があり、このことが設計・検証レビュー時の理解の妨げになっていた。また、特許文献1に記載の論理検証装置は、プロパティ言語に関するものではなく、プロパティ言語に関する上記のような問題点を解決するものではなかった。
この発明は、上記に鑑みてなされたもので、プロパティ言語で記述された内容を等価な別の表現に変換することができるプロパティ変換装置を得ることを目的とする。また、プロパティ言語に精通していない者でもプロパティの内容を容易に理解することができるプロパティ変換装置を得ることも目的とする。
上記目的を達成するため、この発明にかかるプロパティ変換装置は、ハードウェアの仕様を仕様記述言語で記述したプロパティ情報を論理的に等価な表現に変換するプロパティ変換装置であって、プロパティ情報を構成する構成単位、等価変換を行う際の前記構成単位の変換順序、および前記構成単位と論理的に等価な等価表現を含むプロパティ構成単位情報が格納される構文情報格納手段と、入力されるハードウェアの仕様を前記仕様記述言語で記述したプロパティ情報を、前記構文情報格納手段の前記プロパティ構成単位情報を参照して、文法的構造、構成単位および前記構成単位ごとの等価表現を含む構文要素情報を作成する構文解析手段と、前記構文要素情報に基づいて、入力された前記ハードウェアのプロパティ情報を、所定の等価表現に変換した等価プロパティ情報を作成するプロパティ等価変換手段と、を備えることを特徴とする。
この発明によれば、複雑で難解なプロパティが表している意味を本装置が翻訳して、より平易な自然言語を含む等価表現を生成することができるため、ハードウェア検証仕様を見る者がその内容を容易に理解することが可能になる。また、入力したプロパティ情報の等価プロパティ情報を得られるため、技術者のプロパティ記述レベルの向上に貢献できる。
以下に添付図面を参照して、この発明にかかるプロパティ変換装置の好適な実施の形態を詳細に説明する。
実施の形態1.
図1は、この発明にかかるプロパティ変換装置の実施の形態1の構成を模式的に示すブロック図である。このプロパティ変換装置10Aは、変換を行うプロパティ情報Aとプロパティ言語情報Bを入力する入力部11と、構文解析を行う際に必要なプロパティ構成単位情報を格納する構文データベース12と、プロパティ言語情報Bを基にプロパティ情報Aを解析する構文解析部13と、プロパティ情報Aを所定の等価表現の等価プロパティ情報Fに変換するプロパティ等価変換部14と、等価プロパティ情報Fを出力する出力部15と、を含んで構成される。
入力部11は、このプロパティ変換装置10Aの使用者からの変換を行うハードウェアのプロパティに関する変換プロパティ情報を入力する。変換プロパティ情報は、ハードウェアの設計仕様をプロパティ言語で記述したプロパティ情報Aと、このプロパティ情報Aの記述に用いたプロパティ言語の種類を識別するプロパティ言語情報Bとを含む。この変換プロパティ情報が直接記述される場合には、入力部11はキーボードやポインティングデバイスなどの入力装置によって構成され、記録媒体や通信媒体からファイルを読込む場合には入力部11はファイル読込装置によって構成される。入力されたプロパティ情報Aは、プロパティ等価変換部14に渡され、プロパティ言語情報Bは構文解析部13に出力される。
構文データベース12は、構文解析部13によるプロパティ情報Aの構文を解析する際に使用されるプロパティ構成単位情報を格納する。プロパティ構成単位情報は、プロパティを構成するキーワード、等価変換を行う際のキーワードの変換順序、キーワードを他の等価なプロパティや自然言語に変換するための等価表現などを含む。これらのプロパティ構成単位情報は、予めこのプロパティ変換装置10Aの管理者や使用者などによって格納される。なお、構文データベース12は、特許請求の範囲における構文情報格納手段に対応している。
構文解析部13は、プロパティ等価変換部14から渡されたプロパティ情報Aを、プロパティ言語情報Bすなわちプロパティ情報Aを記述するプロパティ言語の種類に基づいて、構文データベース12のプロパティ構成単位情報を参照しながら解析し、プロパティの等価変換に必要な構文要素情報Cを作成する。この構文要素情報Cは、プロパティ情報Aの文法的構造や構成単位、そして構成単位ごとの等価表現情報を含む。作成した構文要素情報Cはプロパティ等価変換部14に出力される。
プロパティ等価変換部14は、入力部11から受取ったプロパティ情報Aを、構文解析部13から受け取った構文要素情報C中の等価表現情報に基づいて、1個または複数の等価表現に変換した等価プロパティ情報Fを作成する。この等価プロパティ情報Fは、出力部15に出力される。
出力部15は、このプロパティ変換装置10Aの使用者に対してプロパティ等価変換部14によって作成された等価プロパティ情報Fを、グラフィックディスプレイなどの表示装置に視覚的にその内容を表示したり、ファイルの形式で出力したりする。
ここで、このような構成を有するプロパティ変換装置10Aの具体的な動作処理について説明する。まず、プロパティ変換装置10Aの使用者によって、入力部11からハードウェアの設計仕様をプロパティ言語で記述したプロパティ情報Aと、プロパティ情報Aを記述するプロパティ言語の種類を示すプロパティ言語情報Bとが入力される。この例では、プロパティ情報Aとして、「1サイクル目で信号αが1であり、かつ2サイクルで信号αが0ならば、4サイクル目に信号βは1」という内容のハードウェア仕様(自然言語)がプロパティ言語で記述されたプロパティ情報Aが入力されるものとする。図2は、自然言語と等価表現のプロパティ(ハードウェア仕様)の一例を示す図である。この図2には、上記した自然言語(行0)が、2種類の「プロパティ言語1」(行1−1〜行1−3)と「プロパティ言語2」(行2−1〜行2−4)で記述され、さらに各プロパティ言語の中でも複数種類の方法によって表現される場合が示されている。なお、ここでは、使用者によって行1−1に示されるプロパティ言語1で「seq1(α,1,0)=>X3(β)」と記述されたものとする。その後、プロパティ情報Aはプロパティ等価変換部14に出力され、プロパティ言語情報Bは構文解析部13に指示する。
ついで、構文解析部13は、入力されたプロパティ情報Aを構文データベース12のプロパティ構成単位情報Eにしたがって分割するともに、それぞれの等価表現情報や文法構造(構文要素情報C)を得る。図3は、構文データベースに格納されるプロパティ構成単位情報の一例を示す図である。このプロパティ構成単位情報は、含まれるレコード(データ)のプロパティ言語の種類を示す「プロパティ言語情報」、プロパティ言語で使用される「キーワード」、そのキーワードの分類を示す「分類」、そのキーワードの等価表現への変換時の変換順序を示す「変換順序」、そのキーワードと等価な表現を示す「プロパティ」、キーワード中の文字列および数値とプロパティ中の文字列および数値の対応関係を示す「文字列置換」および「数値置換」、キーワードと等価な自然言語の表現を示す「自然言語」の各項目を含む。この図3中の変換順序において、「1」は最小プロパティ構成単位になるまで再帰的に展開することを意味し、「2」は左側から順番に変換することを意味し、「3」は左辺を変換完了後に変換し、右辺の変換を開始することを意味している。なお、「プロパティ」、「文字列置換」、「数値置換」および「自然言語」は等価表現情報を構成する。
図2の行1−1に示されるプロパティ情報の例では、プロパティ構成単位情報にしたがって、「seq1(α,a1,a2)」、「=> 」、「X3(β)」、「;」の各キーワードに分割され、それぞれの等価表現(等価プロパティ表現)に変換される。たとえば、キーワード「seq1(α,a1,a2)」に関しては、プロパティ(α=a1 && ’X(α=2))と、キーワードにおける任意の文字列または数値の置換情報(α=α、a1=a1、a2=a2)と、変換順序情報(変換順序=2)とを図3の構文データベース12より取得する。続けてキーワード「=> 」、「X3(β)」および「;」に関しても同様に、図3の構文データベース12から等価表現を行うための変換情報を取得する。そして、構文解析部13は、これらの変換情報を構文要素情報Cとしてプロパティ等価変換部14に出力する。
ついで、プロパティ等価変換部14は、入力部11から受取ったプロパティ情報Aを、構文解析部13から受取った構文要素情報C中の変換順序情報にしたがって、等価表現に順次置換していく。このとき、任意の文字列または数値置換情報がキーワードに存在する場合は、これらもあわせて置換される。プロパティ等価変換部14は、等価取得した等価表現の全てまたは一部を置換する。これにより、置換結果の等価プロパティ情報Fにはいく通りかのバリエーョンを持たせることができる。その一例が、上述した図2に示されている。ここでは、図2の行1−1に示されるプロパティ言語1で記述されたプロパティ情報Aが、プロパティ言語1を用いた異なる等価表現(行1−2〜行1−3)と、プロパティ言語2を用いた等価表現(行2−1〜行2−4)に変換された場合を示している。たとえば、行1−2は行1−1中の「seq1(α, 1,0)」のみを「α=1 && ’X(α=0)」に変換したバリエーションの例を示しており、行1−3は図2中の「X3(β)」のみを「 ’X(X2(β)) 」に変換したバリエーションの例を示している
。そして、これらの得られた等価プロパティ情報Fのバリエーションから、ユーザーの選択または所定の基準に基づいた自動選択によって、一つの等価プロパティ情報Fが選択され、出力部15に出力される。ここでは、行1−2の表現が等価プロパティ情報Fとして選択されたものとする。その後、この等価プロパティ情報Fは、出力部15で視覚的に表示されたり、ファイルなどに出力されたりして、プロパティ情報Aの翻訳処理が終了する。
この実施の形態1によれば、ハードウェアの仕様がプロパティ言語で記述されたプロパティ情報Aを、より平易な複数の等価表現に変換し、その中から使用者の好みに応じて選択される等価表現で表示された等価プロパティ情報Fを得ることができる。これにより、ハードウェアの検証仕様をチェックする者にとって馴染みの深い形式でその内容を理解し、チェックすることが可能となる。
実施の形態2.
図4は、この発明にかかるプロパティ変換装置の実施の形態2の構成を模式的に示すブロック図である。このプロパティ変換装置10Bは、実施の形態1の図1のプロパティ変換装置10Bにおいて、プロパティ情報Aから変換された複数の等価プロパティ情報Fから一つの等価プロパティ情報Fを選択する際の履歴を格納するプロパティ変換履歴データベース16をさらに備える構成を有している。なお、このプロパティ変換履歴データベース16は、特許請求の範囲におけるプロパティ変換履歴情報格納手段に対応している。
プロパティ等価変換部14は、実施の形態1のように、入力部11から入力されるプロパティ情報Aから複数の等価プロパティ情報Fを作成し、その中から使用者による1つのプロパティ等価表現を選択してもよいし、変換し得るいくつかの等価表現のバリエーションのうちプロパティ変換履歴データベース16に問合せを行って、使用頻度の最も高い等価表現を優先的に自動選択して、等価プロパティ情報Fを選択してもよい。これらの間の切り分けは、使用者の切替え指示によって行うことができる。この自動選択を使用することにより出力される等価プロパティ情報Fの統一性が高められる。なお、その他の構成要素は実施の形態1のものと同一であり、その詳細な説明を省略する。
図5は、プロパティ変換履歴データベースの構成の一例を示す図である。このプロパティ変換履歴データベース16は、入力部11によって入力されたプロパティ情報Aに含まれるキーワードである「変換前キーワード」と、プロパティ等価変換部14によって選択された等価プロパティ情報Fに含まれるキーワードである「変換後キーワード」と、この「変換前キーワード」から「変換後キーワード」への変換回数を示す「変換回数」と、最後に変換された日付を示す「変換日付」と、を含む。
ここで、図2のプロパティ等価変換の例において、過去に変換が11回(行1−1の表現を変換前のプロパティ情報Aとするものが5回、行1−3の表現を変換前のプロパティとするものが6回)実行されていたと仮定する。そのうち、行1−1の表現から行1−2の表現に変換した履歴が3回、行1−1の表現から行1−3の表現に変換した履歴が1回、変換せずにそのまま出力した履歴が1回あり、行1−3の表現から行1−2の表現に変換した履歴が6回あったとする。この場合、図5に示されるように、「変換前キーワード」、「変換後プロパティ」、「変換回数」、「変換日付」が蓄積される。ただし、この場合には、プロパティ等価変換部14に、使用者による等価プロパティ情報Fの選択が設定されていたものとする。
その後、プロパティ等価変換部14に等価プロパティ情報Fの自動選択処理が設定されると、プロパティ等価変換部14は、等価プロパティ情報Fを生成する際に、変換前プロパティをキーワードとしてプロパティ変換履歴データベース16内を検索し、プロパティ等価変換履歴情報Iとして変換後プロパティとその変換回数を取得する。その結果、プロパティ等価変換部14は、変換回数の最も多い変換後プロパティを優先的に自動選択し変換する。もし、変換回数が同じ場合には、変換日付の最も新しい等価表現を優先的に選択するなどの所定の基準にしたがった選択をすればよい。たとえば、この例では、行1−1,1−3の表現のように「seq1(α,a1,a2)」というキーワードを含むプロパティ情報Aが入力された場合には、「seq1(α,a1,a2)」への変換回数が2回であり、「α=a1 && ’X(α=a2)」への変換回数が9回であるので、プロパティ等価変換部14は、変換回数の多い「α=a1 && ’X(α=a2)」の等価表現を選択する。また、行1−1,1−2の表現のように「X3(β)」というキーワードを含むプロパティ情報Aが入力された場合には、「’X(X2(β))」への変換回数が1回であり、「X3(β)」への変換回数が4回であるので、プロパティ等価変換部14は、変換回数の多い「X3(β)」の等価表現を選択する。このとき、行1−3の表現のように「’X(X2(β))」というキーワードを含むプロパティ情報Aが入力された場合には、「X3(β)」への変換回数が6回であるので、プロパティ等価変換部14は、「X3(β)」への等価表現を選択するので、「X3(β)」、「’X(X2(β))」という表現を、「X3(β)」という表現に統一することができる。
この実施の形態2によれば、プロパティ情報Aから等価プロパティ情報Fへの変換の回数が最も多いパターンを、等価プロパティ情報Fへの等価情報として自動的に選択するようにしたので、複数の技術者による開発などでの記述表現のばらつきを抑制することができる。
実施の形態3.
図6は、この発明にかかるプロパティ変換装置の実施の形態3の構成を模式的に示すブロック図である。このプロパティ変換装置10Cは、実施の形態1の図1において、プロパティ等価変換部14によって選択された等価プロパティ情報Fを自然言語で表現されたプロパティ翻訳情報に変換する自然言語翻訳部17をさらに備える構成を有する。
この自然言語翻訳部17は、プロパティ等価変換部14から読込んだ等価プロパティ情報Fを、構文解析部13からの構文要素情報C中の自然言語の等価表現を用いて自然言語に変換したプロパティ翻訳情報を作成し、出力部15に出力する。なお、その他の構成要素は実施の形態1と同一であるので、同一の符号を付して、その説明を省略する。
つぎに、このような構成のプロパティ変換装置10Cの具体的な動作処理について説明する。実施の形態1で説明した手順によって、入力部11から入力されたプロパティ情報Aが、プロパティ等価変換部14によって、プロパティ構成単位情報ごとに構文データベース12に基づいて等価表現に変換され、1以上の等価プロパティ情報Fが自然言語翻訳部17に出力される。その後、自然言語翻訳部17は、等価プロパティ情報Fを読み込み、構文データベース12の自然言語の等価表現を取り出し、それぞれの要素を対応する自然言語にマッピングしていく。具体的には、自然言語翻訳部17は、等価プロパティ情報Fを構文解析部13に渡し、構文解析部13は、受取った等価プロパティ情報Fをプロパティ構成単位情報Eにしたがって分割するともに、それぞれの自然言語への等価翻訳情報や文法構造(構文要素情報C)を取得する。図4の行1−2の表現の例では、プロパティ構成単位情報にしたがって、「α=1」、「&&」、「’X(α=0)」、「=>」、「X3(β=1)」の各キーワードに分割され、それぞれ等価表現(等価な自然言語表現)に変換される。たとえば、キーワード「α=1」に関しては、対応する自然言語表現(1クロック目がα1)と、キーワードにおける任意の文字列または数値の置換情報(α=α、a1=a1)と、変換順序情報(変換順序=2)とを図3の構文データベース12より取得する。続けてキーワード「&&」、「’X(α=0)」、「=>」、「X3(β=1)」に関しても同様に、図3の構文データベース12から等価表現を行うための変換情報を取得する。そして、構文解析部13は、これらの変換情報を構文要素情報Cとして自然言語翻訳部17に出力する。
ついで、自然言語翻訳部17は、プロパティ等価変換部14から受取った等価プロパティ情報Fを、構文解析部13から受取った構文要素情報C中の変換順序情報にしたがって、等価表現に順次置換していく。このとき、任意の文字列または数値置換情報がキーワードに存在する場合は、これらもあわせて置換される。図7は、自然言語翻訳部によるプロパティ言語から自然言語への翻訳の過程の一例を示す図である。この行1−2の表現の例では変換順序「2」と「3」でのみ構成されるため、抽出したキーワードの順に(左側から順次)自然言語に置換していく。これにより図2の行1−2の表現から自然言語を生成し、プロパティ翻訳情報Gを得る。図8は、自然言語翻訳部による自然言語への翻訳結果の一例を示す図である。つまり、「1クロック目がα=1であり、かつ、2クロック目がα=0ならば、4クロック目がβ=1」というプロパティ翻訳情報が得られる。その後、このプロパティ翻訳情報Gは、出力部15で視覚的に表示されたり、ファイルなどに出力されたりして、プロパティ情報Aの翻訳処理が終了する。
なお、上述した図6に示されるプロパティ変換装置10Cの構成に、実施の形態2と同様にプロパティ変換履歴データベース16を設けるようにしてもよい。図9は、プロパティ変換履歴データベースを備えるプロパティ変換装置の構成を模式的に示すブロック図である。この場合には、実施の形態2で説明したように、プロパティ等価変換部14は、変換し得るいくつかの等価表現のバリエーションのうちプロパティ変換履歴データベース16に問合せを行って、使用頻度の最も高い等価表現を優先的に自動選択して、等価プロパティ情報Fを選択することが可能となり、複数の技術者による開発などでの記述表現のばらつきを抑制することができる。また、この自動選択を使用することにより出力される等価プロパティ情報Fと後段の自然言語変換後の出力であるプロパティ翻訳情報Gの統一性が高められる。
この実施の形態3によれば、ハードウェアの仕様がプロパティ言語で記述されたプロパティ情報Aを、ハードウェアの検証仕様を見る者のレベルに応じて、より平易な自然言語を含む等価表現に翻訳することができる。その結果、ハードウェアの検証仕様を見る者が、その内容を容易に理解することが可能となる。また、入力したプロパティ情報Aの等価プロパティ情報Fを得られるので、このプロパティ変換装置10Cを使用する技術者のプロパティ記述レベルの向上に貢献することもできる。
実施の形態4.
図10は、この発明にかかるプロパティ変換装置の実施の形態4の構成を模式的に示すブロック図である。このプロパティ変換装置10Eは、実施の形態1の図1において、入力される複数のプロパティ情報Aが等価か否かを判定する比較部18をさらに備える構成を有する。
この比較部18は、入力される複数のプロパティ情報Aについて、プロパティ等価変換部14によって生成された等価プロパティ情報Fを比較し、一致するか否かを判定し、その結果であるプロパティ一致情報を出力部15に出力する。一致判定は、入力したプロパティ情報A同士が等価な意味を持っているか否かを判定するものであり、たとえば、入力される等価プロパティ情報Fを所定のプロパティ言語の表現形式に変換して両者が同一となるか否かを判定することによって行うことができる。
なお、その他の構成要素は実施の形態1と同一であるので、同一の符号を付してその説明を省略している。ただし、プロパティ等価変換部14と構文解析部13は、入力される複数のプロパティ情報Aについて、プロパティ等価変換処理と構文解析処理を実施することができるように構成されている。具体的には、入力されるそれぞれのプロパティ情報Aと、それぞれの処理部で生成される構文要素情報Cや等価プロパティ情報Fとを関連付けして処理を行うようにしている。
この実施の形態4によれば、同一のハードウェア仕様をプロパティ言語で記述した複数のプロパティ情報Aの内容が同一であるか否かを判定することが可能となる。たとえば、経験の浅い使用者によって作成されたハードウェア仕様を示すプロパティ情報Aの内容が正しいのか否かを判定し、その結果を出力することで、使用者に対してどの部分がいけなかったのかなどの情報を提供し、使用者に対する学習効果を高めることができる。
実施の形態5.
プロパティ変換履歴データベース16を含む構成の実施の形態2,3において、プロパティ変換履歴データベース16の有するプロパティ情報Aとその変換回数情報を基にして、使用者が新たにプロパティ情報Aを入力する際に、過去に使用した文法と合致する候補を、たとえば出力部15が表示装置で構成される場合には出力部15に一覧表示して、その中から使用者に選択させるプロパティ情報一覧表示部をさらに備えるように構成してもよい。
この実施の形態5によれば、プロパティ情報一覧表示部を設けることによって、プロパティ情報Aの入力の際に発生する使用者のプロパティ記述ミスを防止することができる。
以上のように、この発明にかかるプロパティ変換装置は、プロパティ記述言語で記述されるハードウェアの仕様の内容が正しいか否かの確認に有用である。
この発明によるプロパティ変換装置の実施の形態1の構成を模式的に示すブロック図である。 自然言語と等価表現のプロパティ(ハードウェア仕様)の一例を示す図である。 構文データベースに格納されるプロパティ構成単位情報の一例を示す図である。 この発明によるプロパティ変換装置の実施の形態2の構成を模式的に示すブロック図である。 プロパティ変換履歴データベースの構成の一例を示す図である。 この発明によるプロパティ変換装置の実施の形態3の構成を模式的に示すブロック図である。 自然言語翻訳部によるプロパティ言語から自然言語への翻訳の過程の一例を示す図である。 自然言語翻訳部による自然言語への翻訳結果の一例を示す図である。 プロパティ変換履歴データベースを備えるプロパティ変換装置の構成を模式的に示すブロック図である。 この発明によるプロパティ変換装置の実施の形態4の構成を模式的に示すブロック図である。
符号の説明
10A〜10E プロパティ変換装置
11 入力部
12 構文データベース
13 構文解析部
14 プロパティ等価変換部
15 出力部
16 プロパティ変換履歴データベース
17 自然言語翻訳部
18 比較部

Claims (6)

  1. ハードウェアの仕様を仕様記述言語で記述したプロパティ情報を論理的に等価な表現に変換するプロパティ変換装置であって、
    プロパティ情報を構成する構成単位、等価変換を行う際の前記構成単位の変換順序、および前記構成単位と論理的に等価な等価表現を含むプロパティ構成単位情報が格納される構文情報格納手段と、
    入力されるハードウェアの仕様を前記仕様記述言語で記述したプロパティ情報を、前記構文情報格納手段の前記プロパティ構成単位情報を参照して、文法的構造、構成単位および前記構成単位ごとの等価表現を含む構文要素情報を作成する構文解析手段と、
    前記構文要素情報に基づいて、入力された前記ハードウェアのプロパティ情報を、所定の等価表現に変換した等価プロパティ情報を作成するプロパティ等価変換手段と、
    を備えることを特徴とするプロパティ変換装置。
  2. 前記プロパティ等価変換手段による前記プロパティ情報から前記等価プロパティ情報への変換時における構成単位の変換履歴が格納されるプロパティ変換履歴情報格納手段をさらに備え、
    前記プロパティ等価変換手段は、作成した複数の等価プロパティ情報の中から、前記プロパティ変換履歴情報格納手段の前記変換履歴を用いた所定の判断基準に基づいて、1つの等価プロパティ情報を選択する選択機能を有することを特徴とする請求項1に記載のプロパティ変換装置。
  3. 前記プロパティ等価変換手段の選択機能は、等価変換時に使用頻度の最も高い等価表現を選択することを特徴とする請求項2に記載のプロパティ変換装置。
  4. 前記プロパティ構成単位情報の前記等価表現には、前記構成単位を自然言語で表現した自然言語表現も含まれ、
    前記プロパティ情報を、前記構文要素情報に基づいて自然言語表現に翻訳したプロパティ翻訳情報を作成する自然言語翻訳手段をさらに備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載のプロパティ変換装置。
  5. 前記プロパティ等価変換手段から出力される2つの等価プロパティ情報を比較し、論理的に等価な表現か否かを判定する判定手段をさらに備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載のプロパティ変換装置。
  6. 当該プロパティ変換装置の使用者による前記仕様記述言語によるプロパティ情報の記述時に、前記プロパティ変換履歴情報格納手段に格納された変換履歴から、過去に使用したプロパティ情報を選択可能に提示するプロパティ情報一覧表示手段をさらに備えることを特徴とする請求項2に記載のプロパティ変換装置。

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