JP2006271374A - 水稲出穂遅延防止装置および水稲出穂遅延防止方法 - Google Patents
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Abstract
遅延防止装置を提供することである。
【解決手段】自然の太陽光が照射される前に水稲に対して近赤外線光を照射する。この
近赤外線光の波長は700nm以上1500nm以下であることが好ましく、波長720
nm以上850nm以下がより好ましい。
【選択図】図1
Description
本発明に係る水稲出穂遅延防止方法は、少なくとも自然の太陽光が照射されるまで水稲に対して近赤外線光を照射するものである。
本発明に係る水稲出穂遅延防止方法は、自然の太陽光が照射される直前に水稲に対して近赤外線光を照射するものである。
自然の太陽光が照射される直前は、午前0時から自然の太陽光が照射されるまでであることが好ましい。
自然の太陽光が照射される直前は、午前2時から自然の太陽光が照射されるまでであることが好ましい。
自然の太陽光が照射される直前は、午前4時から自然の太陽光が照射されるまでであることが好ましい。
近赤外線光は、波長700nm以上1500nm以下であることが好ましい。
近赤外線光は、波長720nm以上850nm以下であることがより好ましい。
第2の発明に係る水稲出穂遅延防止装置は、近赤外線光を水稲に照射可能な照明装置と、照明装置のオンオフを制御する制御装置とを含むものである。
照明装置から照射される近赤外線光は、波長が700nm以上1500nm以下であることが好ましい。
照明装置から照射される近赤外線光は、波長が720nm以上850nm以下であることがより好ましい。
周囲の輝度を検出する検出装置と、所定の時間を計測する計測装置とをさらに含み、制御装置は、検出装置からの検出信号に応じて照明装置により近赤外線光を照射し、計測装置により所定の時間が経過したと判定した場合に照明装置による近赤外線光の照射を停止してもよい。
照明灯をさらに含み、制御装置は、照明灯および照明装置のオンオフを切換可能な切換装置を含んでもよい。
太陽光から光エネルギを電気エネルギに変換可能な太陽電池装置をさらに含み、太陽電池装置からの電気的エネルギを用いて近赤外線光の照射を行ってもよい。
照明装置は、近赤外線光を照射可能な複数の発光ダイオード(light emitting diode;以下、単にLEDと呼ぶ。)装置からなってもよい。
照明装置は、近赤外線光を照射可能な蛍光灯を光源としてもよい。この場合、照明装置が消費電力の少ない蛍光灯を光源とするため、さらに多くの消費電力の低減を図ることができる。また、従来の照明装置の蛍光灯と容易に交換するのみで、水稲の出穂防止装置として用いることができる。
(第1の実施の形態)
図2に示す水稲出穂遅延防止装置100aは、図1に示す水稲出穂遅延防止装置100の照明装置20に、さらに蛍光灯280を備え、制御装置40の代わりに制御装置40aを備える。この制御装置40aは、照明装置20および蛍光灯280の切換えを行う切換え装置49をさらに含む。
図3(a)は、照明装置20の外観を示し、図3(b)は発光体200を示し、図3(c)はLED装置210の側断面を示す。
(実施例1)
以下、上記の水稲出穂遅延防止装置100を用いて、実際に水稲の出穂遅延に対する実験を行った。以下、詳細に説明する。
以上のことから、水稲に対して赤色光を照射することにより水稲の出穂率が極端に低下することが分かった。この赤色光は、一般に白色光の三元素の一つであるため、白色光においても多く含まれている。また、高速道路等においては、赤色光を多く含むオレンジ色等の光が多いことも既知の事実である。
まず、実施例1において出穂しなかった水稲に対して、4種類の実験を行った。なお、以下の各実験に対して18本〜20本の水稲を1株として用いた。まず、A実験として1株の水稲を用意し、午後6時から午前6時まで、水稲に赤色光のみを照射した。B実験として1株の水稲を用意し、午後6時から午前4時まで赤色光を照射し、午前4時から午後6時まで近赤外線光(波長950nm)を照射した。C実験として1株の水稲を用意し、午後6時から午前4時まで赤色光を照射し、午前4時から午後6時まで近赤外線光(波長850nm)を照射した。D実験として1株の水稲を用意し、午後6時から午前4時まで白色光を照射し、午前4時から午後6時まで近赤外線光(波長850nm)を照射した。
図10に示すように、A実験における水稲は、出穂数が悪いことが分かった。すなわち、近赤外線光を照射せずに、赤色光を照射し続けたとしても、出穂率は向上しないことが分かる。
以下、実施例1と同様に、上記の水稲出穂遅延防止装置100を用いて、実際に水稲の出穂遅延に対する実験を行った。以下、詳細に説明する。
(実施例3−1)日没から蛍光灯(C1)を照射させるとともに波長735nmの光を夜明けまでの2時間照射を行った。
(実施例3−2)日没から蛍光灯(C1)を照射させるとともに波長735nmの光を夜明けまでの4時間照射を行った。
(実施例3−3)日没から蛍光灯(C1)を照射させるとともに波長735nmの光を夜明けまでの6時間照射を行った。
(実施例4−1)日没から蛍光灯(C1)を照射させるとともに波長770nmの光を夜明けまでの2時間照射を行った。
(実施例4−2)日没から蛍光灯(C1)を照射させるとともに波長770nmの光を夜明けまでの4時間照射を行った。
(実施例4−3)日没から蛍光灯(C1)を照射させるとともに波長770nmの光を夜明けまでの6時間照射を行った。
(実施例5−1)日没から蛍光灯(C1)を照射させるとともに波長810nmの光を夜明けまでの2時間照射を行った。
(実施例5−2)日没から蛍光灯(C1)を照射させるとともに波長810nmの光を夜明けまでの4時間照射を行った。
(実施例5−3)日没から蛍光灯(C1)を照射させるとともに波長810nmの光を夜明けまでの6時間照射を行った。
比較例として
(比較例1)日没から夜明けまで常に蛍光灯による光(C1)の照射のみを行った。
(比較例2)自然光による太陽光のみの照射を行った。
の実施例9種類、比較例2種類の計11種類の状態について実験した。また、図11に実施例3から実施例5または比較例1に用いた蛍光灯(C1)の波長を示す。さらに夜明けまで2時間、4時間、6時間とは、稲穂に対して自然光が差し込んだ後までの時間である。
比較例1において自然光のみを照射させた場合、コシヒカリは、8月29日に出穂が確認され、ヒノヒカリは9月6日に出穂が確認された。
比較例2において蛍光灯(C1)のみを常時照射させた場合、コシヒカリは、8月29日から10日後の9月8日に出穂が確認され、ヒノヒカリは、9月6日から8日後の9月14日に出穂が確認された。
実施例3−1において夜明けまでの2時間照射を行った場合、コシヒカリは、8月29日から10日後の9月8日に出穂が確認され、ヒノヒカリは、9月6日から12日後の9月18日に出穂が確認された。実施例3−2において夜明けまでの4時間照射を行った場合、コシヒカリは、8月29日から10日後の9月8日に出穂が確認され、ヒノヒカリは、9月6日から10日後の9月16日に出穂が確認された。実施例3−3において夜明けまでの6時間照射を行った場合、コシヒカリは、8月29日から8日後の9月6日に出穂が確認され、ヒノヒカリは、9月6日から8日後の9月14日に出穂が確認された。
実施例4−1において夜明けまでの2時間照射を行った場合、コシヒカリは、8月29日と同日の8月29日に出穂が確認され、ヒノヒカリは、9月6日よりも1日早い9月5日に出穂が確認された。実施例4−2において夜明けまでの4時間照射を行った場合、コシヒカリは、8月29日よりも1日早い8月28日に出穂が確認され、ヒノヒカリは、9月6日よりも1日早い9月5日に出穂が確認された。実施例4−3において夜明けまでの6時間照射を行った場合、コシヒカリは、8月29日から1日後の8月30日に出穂が確認され、ヒノヒカリは、9月6日よりも2日早い9月4日に出穂が確認された。
実施例5−1において夜明けまでの2時間照射を行った場合、コシヒカリは、8月29日から2日後の8月31日に出穂が確認され、ヒノヒカリは、9月6日から4日後の9月10日に出穂が確認された。実施例5−2において夜明けまでの4時間照射を行った場合、コシヒカリは、8月29日から1日後の8月30日に出穂が確認され、ヒノヒカリは、9月6日から2日後の9月8日に出穂が確認された。実施例5−3において夜明けまでの6時間照射を行った場合、コシヒカリは、8月29日から2日後の8月31日に出穂が確認され、ヒノヒカリは、9月6日から3日後の9月9日に出穂が確認された。
実施例3および実施例5を比較することにより、近赤外線光の波長735nmよりも波長810nmの方が出穂遅延の解消に有効であり、実施例4および実施例5を比較することにより近赤外線光の波長810nmよりも波長770nmの方が出穂遅延の解消に有効であることがわかった。したがって、波長720nm以上850nm以下がより好ましいことの裏付けが得られた。
30 太陽電池パネル
40,40a 制御装置
49 切換え装置
100 水稲出穂遅延防止装置
210 LED装置
280 蛍光灯
Claims (15)
- 少なくとも自然の太陽光が照射されるまで水稲に対して近赤外線光を照射することを特徴とする水稲出穂遅延防止方法。
- 自然の太陽光が照射される直前に水稲に対して近赤外線光を照射することを特徴とする水稲出穂遅延防止方法。
- 前記自然の太陽光が照射される直前は、
午前0時から自然の太陽光が照射されるまでであることを特徴とする請求項2記載の水稲出穂遅延防止方法。 - 前記自然の太陽光が照射される直前は、
午前2時から自然の太陽光が照射されるまでであることを特徴とする請求項2記載の水稲出穂遅延防止方法。 - 前記自然の太陽光が照射される直前は、
午前4時から自然の太陽光が照射されるまでであることを特徴とする請求項2記載の水稲出穂遅延防止方法。 - 前記近赤外線光は、波長700nm以上1500nm以下であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の水稲出穂遅延防止方法。
- 前記近赤外線光は、波長720nm以上850nm以下であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の水稲出穂遅延防止方法。
- 近赤外線光を水稲に照射可能な照明装置と、
前記照明装置のオンオフを制御する制御装置とを含むことを特徴とする水稲出穂遅延防止装置。 - 前記照明装置から照射される近赤外線光は、波長が700nm以上1500nm以下であることを特徴とする請求項8記載の水稲出穂遅延防止装置。
- 前記照明装置から照射される近赤外線光は、波長が720nm以上850nm以下であることを特徴とする請求項8記載の水稲出穂遅延防止装置。
- 周囲の輝度を検出する検出装置と、
所定の時間を計測する計測装置とをさらに含み、
前記制御装置は、前記検出装置からの検出信号に応じて前記照明装置により近赤外線光を照射し、前記計測装置により所定の時間が経過したと判定した場合に前記照明装置による近赤外線光の照射を停止することを特徴とする請求項8〜10のいずれかに記載の水稲出穂遅延防止装置。 - 照明灯をさらに含み、
前記制御装置は、
前記照明灯および前記照明装置のオンオフを切換可能な切換装置を含むことを特徴とする請求項8〜11のいずれかに記載の水稲出穂遅延防止装置。 - 自然の太陽光から光エネルギを電気エネルギに変換可能な太陽電池装置をさらに含み、
前記太陽電池装置からの電気的エネルギを用いて前記近赤外線光の照射を行うことを特徴とする請求項8〜12のいずれかに記載の水稲出穂遅延防止装置。 - 前記照明装置は、近赤外線光を照射可能な複数の発光ダイオード装置からなることを特徴とする請求項8〜13のいずれかに記載の水稲出穂遅延防止装置。
- 前記照明装置は、近赤外線光を照射可能な蛍光灯を光源とすることを特徴とする請求項8〜13のいずれかに記載の水稲出穂遅延防止装置。
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