JP2006254048A - 音響処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 演算処理量の多い符号化方式で符号化された符号化信号を再生する場合においても、ハードウェア規模の増大化および機能制限を伴うことなく、帯域拡張処を行う音響処理装置を提供する。
【解決手段】 音響処理装置100は、音声信号から復号されたPCMデータをオーバーサンプリングすることによって生じるエリアジングノイズを除去するオーバーサンプリング部120と、音声信号から抽出されたデコード情報、外部から入力された外部指示情報、およびこれらを組み合わせたもののいずれかに基づいてオーバーサンプリング部120を制御する制御指示部150とを備える。
【選択図】 図1

Description

本発明は、オーディオ圧縮符号化信号を復号して再生する音響処理装置に関し、特に、リアルタイム性を維持しつつも最適な帯域拡張処理を行って高音質で再生する音響処理装置に関する。
従来、帯域拡張処理を行うことにより高音質再生を実現する方法として、様々な方法が提案されている。例えば、復号処理されたサンプリング周波数FsのPCM信号に対して、N(Nは、2以上の整数。)倍のオーバーサンプリング処理を施す。そして、N倍にオーバーサンプリングされたPCM信号、すなわち、サンプリング周波数N×FsのPCM信号に対して、帯域がFs/2からN×Fs/2までの帯域成分を持つノイズ信号を付加することにより、帯域拡張を実現し高音質再生を実現する方法がある。
ここでは、一例として、DVD−Video規格リニアPCMに準じたサンプリング周波数”48kHz”のオーディオビットストリームが外部から音響処理装置10に入力された場合について説明する。
図30に示されるように、デコード処理部11は、DVD−Video規格に対応するデコーダであり、DVD−Video規格のリニアPCMによるオーディオビットストリームが入力されると、入力されたオーディオビットストリームのプライベートヘッダで示される符号化モードを解析し、解析した符号化モードに基づくサンプリング周波数、チャンネルモード、および量子化ビット長から、PCMデータを生成し、生成したPCMデータを出力する。
このとき、生成されるPCMデータは、サンプリング周波数が48kHzであること、入力されたオーディオビットストリームデータが非圧縮であり可逆可能な符号化信号であることから、ナイキスト条件により最大24kHzまでの帯域特性を持つことが可能な信号である。
オーバーサンプリング部12は、デコード処理部11から出力されたサンプリング周波数48kHzのPCMデータに対して、サンプリング周波数”96kHz”のPCMデータを生成する。このとき、各PCMデータ間に1サンプル毎に0データを挿入し、アンチエリアジングフィルタを用いてエリアジングノイズを除去し、サンプリング周波数”96kHz”のPCMデータを生成し、生成したPCMデータを出力する。
このとき、PCMデータの帯域特性は、アンチエリアジングフィルタによってエリアジングノイズが除去されるので、入力されたPCMデータと同様に24kHz以下である。
拡張帯域生成部13は、オーバーサンプリング部12から出力されたサンプリング周波数”96kHz”のPCMデータに基づいて、48kHz付近の成分までの高調波で構成される帯域拡張成分を生成し、生成した帯域拡張成分を出力する。
このとき、生成される帯域拡張成分のサンプリング周波数は、オーバーサンプリング部12から出力されたPCMデータと同様に96kHzである。
拡張帯域生成部13は、オーバーサンプリング部12から出力されたサンプリング周波数”96kHz”のPCMデータに基づいて、48kHz付近の成分までの高調波で構成される帯域拡張成分を生成し、生成した帯域拡張成分を出力する。
このとき、拡張帯域生成部13から出力される帯域拡張成分は、バンドパスフィルタ14によって、24kHz付近からから48kHz未満の帯域に制限される。そして、その出力データは、オーバーサンプリング部12から出力されたPCMデータと加算されて外部に出力される。
このような音声処理装置の場合には、外部から入力されるオーディオビットストリームに対して、オーバーサンプリング処理を施し、拡張帯域成分を付加することで、原音ではナイキスト条件により帯域が24kHz以下に制限されているにもかかわらず、擬似的に帯域拡張成分が付加される分、効果的な帯域拡張効果が期待でき、結果として高音質な音楽再生を楽しむことができる。
そして、これに類似する技術として、サンプリング定理、すなわち、ナイキスト条件で高域再生上限が決定されるディジタルオーディオ信号の再生帯域を拡大して再生音質の向上を図り、聴感上良好な音質で再生できるオーディオ帯域拡張装置が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
また、他の類似する技術として、入力符号化信号の帯域特性がナイキスト周波数以下で欠落するような場合であっても、高音質で再生をできる音声処理装置が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
特開2002−15522号公報 特開2003−140696号公報
しかしながら、近年急速に市場に普及されているDVD規格のオーディオ符号化信号をターゲットとした音声処理装置については、多種にわたる符号化信号が入力される。例えば、デコード処理の対象となる符号化方式として、DVD−Video規格に含まれるドルビー社のドルビーディジタル符号化方式(AC3)、MPEGオーディオ規格、リニアPCM、DTS、DVD−AudioにおけるリニアPCM方式、Packed−PCM方式、さらに、CD−DAやMP3などが想定される。
しかも、これらの符号化方式において、それぞれ復号処理を行うための演算処理にかかる処理量はまちまちである。
さらに、最近では、音響処理装置の多機能化が望まれており、各メディアを再生するにあたり、復号処理以外にも様々な音響処理が施される。
そして、複数の符号化方式の復号処理と帯域拡張処理などの音響処理を同一の音響処理装置で処理する場合において、音響処理装置の再生処理におけるリアルタイム性を保証するためには、(1)全符号化方式のうち、最も復号処理にかかる符号化方式を基準とした構成にする、または(2)復号処理に演算処理量が多くかかる符号化方式の再生については、音響処理機能の制限を設けるなどする必要がある。結果として、前者(1)の場合には、音響処理装置のハードウェア構成の膨大化によるコストアップという問題がある。後者(2)の場合には、特定のメディアの再生における同時処理機能が制限されるという問題がある。
そこで、本発明は、前記問題に鑑みてなされたものであり、演算処理量の多い符号化方式で符号化された符号化信号を再生する場合においても、ハードウェア規模の増大化および機能制限を伴うことなく、帯域拡張処理を行う音響処理装置を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、本発明に係る音響処理装置は、(a)符号化された音声信号をPCMデータに復号して再生する音響処理装置であって、(b)前記音声信号から復号された前記PCMデータをオーバーサンプリングすることによって生じるエリアジングノイズを除去するオーバーサンプリング手段と、(c)前記音声信号から抽出されたデコード情報、外部から入力された外部指示情報、およびこれらを組み合わせたもののいずれかに基づいて前記オーバーサンプリング手段を制御する制御指示手段とを備えることとする。
さらに、(a)前記オーバーサンプリング手段は、(a1)前記PCMデータをオーバーサンプリングする0データ挿入部と、(a2)オーバーサンプリングしたPCMデータに対してエリアジングノイズを除去して出力するフィルタ処理部とを備え、(b)前記制御指示手段は、前記オーバーサンプリング手段を制御する制御情報を前記デコード情報、前記外部指示情報、およびこれらを組み合わせたもののいずれかに基づいて特定し、特定した制御情報を前記オーバーサンプリング手段へ出力することによって前記フィルタ処理部を制御するフィルタ処理制御部を備えることとしてもよい。
さらに、(a)前記デコード情報は、前記音声信号のチャンネル構成が特定されるチャンネル構成情報を含み、(b)前記フィルタ処理制御部は、前記チャンネル構成情報と対応付けられている前記制御情報を前記オーバーサンプリング手段へ出力することによって前記フィルタ処理部を制御することとしてもよい。
これによって、音声信号のチャンネル構成に応じて、オーバーサンプリング手段におけるフィルタ処理部のフィルタ特性を制御することができる。この場合において、例えば、チャンネル数に応じてフィルタ処理部の演算量を制御すること、チャンネルの組み合わせによって、チャンネル毎に対するフィルタ処理部の処理内容を変えることもできる。
または、(a)前記デコード情報は、前記音声信号の符号化方式が特定される符号化方式情報を含み、(b)前記フィルタ処理制御部は、前記符号化方式情報と対応付けられている前記制御情報を前記オーバーサンプリング手段へ出力することによって前記フィルタ処理部を制御することとしてもよい。
これによって、音声信号の符号化方式の帯域特性や演算処理量に応じて、オーバーサンプリング手段におけるエリアジングノイズの除去特性、フィルタ処理部の演算量を制御することができる。
または、(a)前記デコード情報は、前記音声信号のサンプリング周波数が特定されるサンプリング周波数情報を含み、(b)前記フィルタ処理制御部は、前記サンプリング周波数情報と対応付けられている前記制御情報を前記オーバーサンプリング手段へ出力することによって前記フィルタ処理部を制御することとしてもよい。
これによって、音声信号のサンプリング周波数に応じて、オーバーサンプリング処理におけるエリアジングノイズの除去特性、フィルタ処理部の演算量を制御することができる。
または、(a)前記オーバーサンプリング手段は、(a1)複数系列のフィルタタップ係数セットが登録されているフィルタタップ係数テーブルを保持するフィルタタップ係数テーブル保持部と、(a2)前記フィルタタップ係数テーブルから前記制御情報に基づいてフィルタタップ係数セットを選択するフィルタタップ係数選択部とを備え、(b)前記フィルタ処理部は、前記フィルタタップ係数選択部によって選択されたフィルタタップ係数セットを用いてエリアジングノイズを除去することとしてもよい。
これによって、フィルタ処理部は、指定されたタップ数だけ処理を行うこととなり、タップ数の少ないフィルタタップ系列が選択された場合においては、フィルタ処理部における演算処理量がその分削減される。例えば、デコード処理条件や同時に実行される機能処理にかかる演算量が大きい場合には、タップ数の少ないフィルタタップ系列を選択するようにすれば、演算処理量を削減することもでき、その分処理量を最適化することができる。
または、(a)前記オーバーサンプリング手段は、(a1)1系列の共通フィルタタップ係数セットが登録されている共通フィルタタップ係数テーブルを保持する共通フィルタタップ係数テーブル保持部と、(a2)複数系列の固有フィルタタップ係数セットが登録されている固有フィルタタップ係数テーブルとを保持する固有フィルタタップ係数テーブル保持部と、(a3)前記共通フィルタタップ係数テーブルから共通フィルタタップ係数セットを読み出し、前記固有フィルタタップ係数テーブルから前記制御情報に基づいて固有フィルタタップ係数セットを選択し、読み出した共通フィルタタップ係数セットと、選択した固有フィルタタップ係数セットとを組み合わせて合成フィルタタップ係数セットを生成するフィルタタップ係数アサイナ部とを備え、(b)前記フィルタ処理部は、前記フィルタタップ係数アサイナ部によって生成された合成フィルタタッップ係数セットを用いてエリアジングノイズを除去することとしてもよい。
これによって、フィルタタップ係数の一部分を共通化することができ、全フィルタ係数を独立に備える場合と比べて、フィルタタップ係数を削減することができ、その分回路規模を削減することができる。
または、(a)前記オーバーサンプリング手段は、(a1)タップ数およびフィルタタップ係数セットが対応付けられて登録されているフィルタタップ係数テーブルを保持するフィルタタップ係数テーブル保持部と、(a2)前記フィルタタップ係数テーブルから前記制御情報に基づいてタップ数およびフィルタタップ係数セットを選択するフィルタタップ係数選択部とを備え、(b)前記フィルタ処理部は、前記フィルタタップ係数選択部によって選択されたタップ数およびフィルタタップ係数セットを用いてエリアジングノイズを除去することとしてもよい。
これによって、必要なフィルタタップ係数をフィルタタップ係数テーブルから予め選択しておくだけで、容易にオーバーサンプリング手段におけるフィルタ処理部の制御を行うことができる。このとき、制御指示手段は、単にフィルタタップ係数テーブルから選択したフィルタタップ係数セットをオーバーサンプリング手段へ出力するだけでよい。
または、(a)前記制御情報は、フィルタタップ数が示されるフィルタタップ数情報を含み、(b)前記フィルタ処理部は、前記制御指示手段から出力された前記制御情報に含まれる前記フィルタタップ数情報を用いてエリアジングノイズを除去することとしてもよい。
これによって、フィルタ処理部は、指定されたタップ数だけ行うこととなり、少ないタップ数が指定された場合には、フィルタ処理部における演算処理量がその分削減される。例えば、デコード処理条件や同時に実行される機能処理にかかる演算量が大きい場合には、少ないタップ数を設定する構成にすることで、演算処理量を削減することもでき、その分処理量を最適化することができる。しかも、同一フィルタタップ係数を用いて、タップ数のみ可変にすることができるため、ハードウェア規模の制限等で多数のフィルタタップ係数を持つことが困難な場合においてより有効である。
または、(a)前記フィルタ処理部は、(a1)第1種フィルタと、(a2)前記第1種フィルタと比べて演算処理が簡易である第2種フィルタと、(a3)オーバーサンプリングされたPCMデータを前記制御情報に基づいて前記第1種フィルタおよび前記第2種フィルタのいずれかに出力するフィルタ選択スイッチとを備えることとしてもよい。
これによって、第1種フィルタおよび第2種フィルタのいずれかの処理を選択することができるため、オーバーサンプリング手段におけるフィルタ処理部の処理量を調整することができる。
または、(a)前記音響処理装置は、さらに、外部から入力された前記音声信号を前記PCMデータに復号するにあたって前記音声信号から抽出した前記デコード情報を、前記制御指示手段へ送信するデコード処理手段を備え、(b)前記制御指示手段は、前記デコード処理手段から送信された前記デコード情報を受信するデコード情報受信部を備え、(c)前記フィルタ処理制御部は、前記デコード情報受信手段によって受信された前記デコード情報に基づいて前記制御情報を特定することとしてもよい。
これによって、デコード情報に基づいて、フィルタ処理部を制御することができ、エリアジングノイズの除去特性、フィルタ処理部における演算量を制御することができる。また、エリアジング除去特性の設定次第では、エリアジングノイズを帯域拡張成分に利用することもでき、デコード情報に対するフィルタ処理の特性を変化させることでエリアジングノイズの付加状況を調節することもできる。
または、(a)前記音響処理装置は、さらに、外部から入力された前記外部指示情報を前記制御指示手段へ転送する外部インターフェース手段を備え、(b)前記制御指示手段は、前記外部インターフェース手段から転送された前記外部指示情報を受信する外部指示情報受信部を備え、(c)前記フィルタ処理制御部は、前記外部指示情報受信部によって受信された前記外部指示情報に基づいて前記制御情報を特定することとしてもよい。
これによって、外部からオーバーサンプリング部におけるフィルタ処理を制御することができる。フィルタ処理部におけるエリアジングノイズの除去特性、フィルタ処理部の演算量を制御することができる。
また、エリアジングノイズの除去特性の設定次第では、エリアジングノイズを帯域拡張成分に利用することも可能であり、外部指示情報に対するフィルタ処理の特性を変化させることでエリアジングノイズの付加状況を調節することも可能である。
または、(a)前記音響処理装置は、さらに、外部から入力された前記外部指示情報を前記制御指示手段へ転送する外部インターフェース手段と、(b)外部から入力された前記音声信号を前記PCMデータに復号するにあたって前記音声信号から抽出した前記デコード情報を、前記制御指示手段へ送信するデコード処理手段とを備え、(c)前記制御指示手段は、(c1)前記外部インターフェース手段から転送された前記外部指示情報を受信する外部指示情報受信部と、(c2)前記デコーダから送信された前記デコード情報を受信するデコード情報受信部とを備え、(d)前記フィルタ処理制御部は、前記外部指示情報受信部によって受信された前記外部指示情報と前記デコード情報受信部によって受信された前記デコード情報とを組み合わせたものに基づいて前記制御情報を特定することとしてもよい。
これによって、外部指示情報およびデコード情報に応じて、オーバーサンプリング手段におけるフィルタ処理部を制御することができる。結果として、フィルタ処理部におけるエリアジングノイズの除去特性、フィルタ処理部の演算量を、外部指示情報およびデコード情報など複数の条件に応じて自動的に制御することができる。
また、エリアジングノイズの除去特性の設定次第では、エリアジングノイズを帯域拡張成分に利用することも可能であり、デコード情報および外部指示情報に対するフィルタ処理の特性を変化させることでエリアジングノイズの付加状況を調節することもできる。
または、(a)前記外部指示情報は、前記オーバーサンプリング手段のタイプが特定されるフィルタタイプ選択情報を含み、(b)前記制御指示手段は、前記フィルタタイプ選択情報と対応付けられている前記制御情報を前記オーバーサンプリング手段へ出力することによって前記フィルタ処理部を制御することとしてもよい。
これによって、フィルタタイプ選択情報を出力することができ、オーバーサンプリング手段におけるフィルタ処理部に用いられるフィルタ特性を直接制御することができる。
または、(a)前記制御指示手段は、前記制御情報が登録されているフィルタ処理制御指示テーブルを保持するフィルタ処理制御指示テーブル保持手段を備え、(b)前記フィルタ処理制御部は、前記制御情報を前記デコード情報、前記外部指示情報、およびこれらを組み合わせたもののいずれかに基づいて前記フィルタ処理制御指示テーブルから特定することとしてもよい。
これによって、外部指示情報およびデコード情報の各条件に応じた最適なフィルタ処理条件を、判別処理を行うことなく簡単に選択することができ、処理を簡素化することができる分、音響処理装置の規模や処理量を削減することができる。
または、(a)前記音響処理装置は、さらに、(a1)前記オーバーサンプリング手段から出力されたデータに基づいて、帯域拡張成分を生成して出力する拡張帯域生成手段と、(a2)前記オーバーサンプリング手段から出力されたデータおよび前記拡張帯域生成手段から出力されたデータを加算する加算器と、(a3)前記加算器から出力されたデータに対して付加的な音響処理を施す1以上の付加機能処理手段とを備え、(b)前記外部指示情報は、前記1以上の付加機能処理手段のうち同時に機能するものが特定される同時処理機能情報を含み、(c)前記フィルタ処理制御部は、前記同時処理機能情報と対応付けられている前記制御情報を特定し、特定した前記制御情報を前記オーバーサンプリング手段へ送信することによって前記フィルタ処理部を制御することとしてもよい。
これによって、同時処理機能情報を送信することができ、同時に処理する音響機能の処理量の使用状況に応じてオーバーサンプリング処理におけるフィルタ処理にかかる演算量を調整・制御することが可能となる。
または、(a)前記音響処理装置は、さらに、(a1)前記オーバーサンプリング手段から出力されたデータに基づいて帯域拡張成分を生成して出力する拡張帯域生成手段と、(a2)前記オーバーサンプリング手段から出力されたデータと、前記拡張帯域生成手段から出力されたデータとを加算する加算器とを備え、(b)前記制御指示手段は、前記拡張帯域生成手段を制御する拡張帯域制御情報を前記デコード情報、前記外部指示情報、およびこれらを組み合わせたもののいずれかに基づいて特定し、前記デコード情報と対応付けられている前記拡張帯域制御情報を前記拡張帯域生成手段へ出力することによって前記拡張帯域生成手段を制御する拡張帯域制御部を備えることとしてもよい。
これによって、オーバーサンプリング手段におけるフィルタ処理部の処理状態に応じて、拡張帯域生成手段における帯域拡張処理を自動的に制御できる。そして、自動的に制御できる分、より最適な再生信号を楽しむことができる。
または、(a)前記音響処理装置は、さらに、(a1)前記オーバーサンプリング手段から出力されたデータに基づいて帯域拡張成分を生成して出力する拡張帯域生成手段と、(a2)前記拡張帯域生成手段から出力されたデータの所定の帯域のみを通過させる帯域可変バンドパスフィルタ手段と、(a3)前記オーバーサンプリング手段から出力されたデータと、前記帯域可変バンドバスフィルタから出力されたデータとを加算する加算器とを備え、(b)前記制御指示手段は、前記帯域可変バンドパスフィルタを制御するバンドパスフィルタ制御情報を前記デコード情報、前記外部指示情報、およびこれらを組み合わせたもののいずれかに基づいて特定し、特定したバンドパスフィルタ制御情報を前記帯域可変バンドパスフィルタへ出力することによって前記帯域可変バンドパスフィルタ手段を制御するバンドパスフィルタ制御部を備えることとしてもよい。
これによって、オーバーサンプリング手段におけるフィルタ処理部の処理状態に応じて、帯域可変バンドパスフィルタにおける帯域拡張成分の特性を自動的に制御することができる。そして、自動的に制御できる分、より最適な再生信号を楽しむことができる。
なお、本発明は、音響処理装置として実現されるだけではなく、音響処理装置を制御する方法(以下、音響処理方法と呼称する。)、音響処理方法をコンピュータシステムなどに実行させるプログラム(以下、音響処理プログラムと呼称する。)、音響処理プログラムを記録した記録媒体などとして実現されるとしてもよい。
また、音響処理装置に組み込まれる機能(以下、音響処理機能と呼称する。)が形成されたシステムLSI、音響処理機能をFPGA、CPLDなどのプログラマブル・ロジック・デバイスに形成するIPコア(以下、音響処理コアと呼称する。)、音響処理コアを記録した記録媒体として実現されるとしてもよい。
以上、本発明に係る音響処理装置によれば、再生時において、デコード処理、または同時処理における条件が異なっても、オーバーサンプリング処理におけるエリアジングノイズの除去特性、またはフィルタ処理にかかる演算量を、その条件に応じて自動的に制御することができ、リアルタイム性を維持しつつも最適な帯域拡張処理を行うことができる。
さらに、エリアジングノイズの除去特性の設定次第では、エリアジングノイズを帯域拡張成分に利用することもでき、外部指示情報、またはデコード情報に対するフィルタ処理の特性を変化させてエリアジングノイズの付加状況を調節することもできる。
(実施の形態1)
以下、本発明に係る実施の形態1について図面を参照しながら説明する。
本実施の形態における音響処理装置は、制御指示部から出力される制御情報に基づいて、オーバーサンプリング部におけるフィルタ処理が制御されることを特徴とする。
以上の点を踏まえて本実施の形態における音響処理装置について説明する。
まず、本実施の形態における音響処理装置の構成について説明する。
図1に示されるように、音響処理装置100は、デコード処理部110、オーバーサンプリング部120、拡張帯域生成部130、加算器140、制御指示部150、および外部インターフェース部160などを備える。
デコード処理部110は、オーディオビットストリームが外部から入力されると、入力されたオーディオビットストリームを解析し、解析したオーディオストリームからサンプリング周波数情報を含むデコード情報を抽出する。そして、解析したオーディオビットストリームに対して、抽出したデコード情報に基づいて、デコード処理を施してPCMデータを生成し、生成したPCMデータをオーバーサンプリング部120へ出力する。
オーバーサンプリング部120は、制御指示部150から出力されたテーブルポインタ情報が入力され、入力されたテーブルポインタ情報と対応付けられているフィルタタップ係数セットをフィルタタップ係数テーブルから選択する。そして、デコード処理部210から出力されたPCMデータが入力されると、入力されたPCMデータに対して、N(Nは2以上の整数。)倍にオーバーサンプリングしたPCMデータを生成する。さらに、生成したPCMデータに対して、選択したフィルタタップ係数セットを用いてフィルタ処理を施してエリアジングノイズを除去し、除去したPCMデータを出力する。
拡張帯域生成部130は、オーバーサンプリング部120から出力されたPCMデータが入力されると、入力されたPCMデータに基づいて、高調波およびノイズ成分で構成される帯域拡張成分を生成し、生成した帯域拡張成分を出力する。
加算器140は、オーバーサンプリング部120から出力されたPCMデータおよび拡張帯域生成部130から出力された帯域拡張成分が入力されると、入力されたPCMデータおよび帯域拡張成分を加算して出力信号を生成し、生成した出力信号を出力する。
制御指示部150は、外部インターフェース部160から転送されたフィルタタイプ選択情報を受信し、受信したフィルタタイプ選択情報と対応付けられているテーブルポインタ情報をオーバーサンプリング部120へ出力する。
なお、テーブルポインタ情報は、オーバーサンプリング部120におけるフィルタ処理を制御する制御情報である。
外部インターフェース部160は、フィルタタイプ選択情報が外部から入力されると、入力されたフィルタタイプ選択情報を制御指示部150へ転送する。
続いて、本実施の形態におけるオーバーサンプリング部120、および制御指示部150の構成について説明する。
図2に示されるように、オーバーサンプリング部120は、0データ挿入部121、フィルタ処理部122、フィルタタップ係数選択部123、およびフィルタタップ係数テーブル保持部124などを備える。
0データ挿入部121は、デコード処理部110から出力されたPCMデータが入力されると、入力されたPCMデータに対して、1サンプル毎に音量振幅が0である0データを挿入し、2倍にオーバーサンプリングしたPCMデータを出力する。
ここでは、0データが挿入されることによって、PCMデータのサンプル数が2倍となる。
フィルタ処理部122は、フィルタタップ係数選択部123から出力されたフィルタタップ係数が入力される。そして、0データ挿入部121から出力されたPCMデータが入力されると、入力されたPCMデータに対して、入力されたフィルタタップ係数を用いてフィルタ処理を施してエリアジングノイズを除去し、除去したPCMデータを出力する。
フィルタタップ係数選択部123は、制御指示部150から出力されたテーブルポインタ情報が入力されると、入力されたテーブルポインタ情報と対応付けられているフィルタタップ係数セットをフィルタタップ係数テーブルから選択し、選択したフィルタタップ係数セットをフィルタ処理部122へ出力する。
フィルタタップ係数テーブル保持部124は、フィルタタップ係数テーブルを保持する。
ここでは、一例として、図3に示されるように、フィルタタップ係数テーブル191は、複数のフィルタタップ係数セットから構成されるデータテーブルである。そして、フィルタタップ係数セットの係数列は”m+1”(mは1以上の整数。)であり、各フィルタタップ係数セットに含まれるフィルタタップ数は”n+1”(nは1以上の整数。)である。さらに、テーブルポインタ情報およびフィルタタップ係数が対応付けられて登録されている。例えば、テーブルポインタ情報”TBL0”およびフィルタタップ係数”Coeff[0][0],・・・,Coeff[0][n]”が対応付けられて登録されている。
なお、フィルタ処理部122で行われるフィルタ処理は、通常、カットオフ周波数が24kHz付近であるFIR型またはIIR型の低域通過フィルタを用いてエリアジングノイズが除去される。しかし、エリアジングノイズを拡張帯域として利用する場合には、各サンプリング周波数の場合の周波数特性を類似させるために、サンプリング周波数が”32kHz”の場合に選択される”TBL0”の固有フィルタタップ係数セットが選択された場合には、最もエリアジングノイズが発生しやすいフィルタタップ係数に変換し、以降”TBL1”、”TBL2”の順にエリアジングノイズを減少させるとする。
また、図2に示されるように、制御指示部150は、フィルタタイプ選択情報受信部151、およびフィルタ処理制御部152などを備える。
フィルタタイプ選択情報受信部151は、外部インターフェース部160から転送されたフィルタタイプ選択情報を受信し、受信したフィルタタイプ選択情報をフィルタ処理制御部152へ転送する。
フィルタ処理制御部152は、フィルタタイプ選択情報受信部151から転送されたフィルタタイプ選択情報を受信し、受信したフィルタタイプ選択情報をテーブルポインタ情報に変換し、変換したテーブルポインタ情報をオーバーサンプリング部120へ出力する。
続いて、オーバーサンプリング部120において各段階の処理が施された後のPCM信号について説明する。
図4から図6に示されるように、オーバーサンプリング処理は、デコード処理が施されて生成されたPCMデータ(図4参照。)に対して、1サンプル毎に0データを挿入し(図5参照。)、Fs/2より高域に多く発生したエリアジングノイズを除去し、2倍にオーバーサンプリングしたPCMデータを出力する(図6参照。)。
ここでは、デコード処理後のPCMデータの信号波形91および周波数特性92が図4に示されている。0データ挿入後のPCMデータの信号波形93および周波数特性94が図5に示されている。オーバーサンプリング処理後のPCMデータの信号波形95および周波数特性96が図6に示されている。
続いて、本実施の形態における音響処理装置100の動作例について説明する。ここでは、外部から音響処理装置100に、サンプリング周波数が48kHzであるオーディオビットストリームが入力される場合について説明する。
外部インターフェース部160は、フィルタタイプ選択情報”2”が外部から入力されると、入力されたフィルタタイプ選択情報”2”を制御指示部150へ転送する。
制御指示部150は、外部インターフェース部110から転送されたフィルタタイプ情報”2”を受信し、受信したフィルタタイプ選択情報”2”をテーブルポインタ情報”TBL2”に変換し、変換したテーブルポインタ情報”TBL2”をオーバーサンプリング部120へ出力する。
デコード処理部110は、オーディオビットストリームが外部から入力されると、入力されたオーディオビットストリームを解析し、解析したオーディオビットストリームからデコード情報を抽出する。そして、抽出したデコード情報に基づいて、解析したオーディオビットストリームに対してデコード処理を施し、サンプリング周波数”48kHz”のPCMデータを生成し、生成したPCMデータをオーバーサンプリング部120へ出力する。
オーバーサンプリング部120は、制御指示部150から出力されたテーブルポインタ情報”TBL2”が入力され、入力されたテーブルポインタ情報”TBL2”と対応付けられているフィルタタップ係数セット”Coeff[2][0],・・・,Coeff[2][n]”をフィルタタップ係数テーブル191から選択する。そして、デコード処理部110から出力されたPCMデータが入力されると、入力されたPCMデータに対して、1サンプル毎に音量振幅が0である0データを挿入し、サンプリング周波数”96kHz”のPCMデータを生成する。さらに、生成したPCMデータに対して、選択したフィルタタップ係数セット”Coeff[2][0],・・・,Coeff[2][n]”を用いてフィルタ処理を施してエリアジングノイズを除去し、除去したサンプリング周波数”96kHz”のPCMデータを出力する。
拡張帯域生成部130は、オーバーサンプリング部120から出力されたPCMデータが入力され、入力されたPCMデータに基づいて、48kHz付近の成分までの高調波およびノイズ成分で構成される帯域拡張成分を生成し、生成したサンプリング周波数”96kHz”の帯域拡張成分を出力する。
加算器140は、オーバーサンプリング部120から出力されたPCMデータおよび拡張帯域生成部130から出力された帯域拡張成分が入力されると、入力されたPCMデータおよび帯域拡張成分を加算し、サンプリング周波数”96kHz”の出力信号を出力する。
以上説明したように本実施の形態における音響処理装置100によれば、夫々の特性が異なる複数のフィルタタップ係数セットが登録されているフィルタタップ係数テーブルを用いてフィルタ処理を制御することができるため、ユーザの好みに応じたフィルタ処理を実現することができる。
また、エリアジングノイズの除去特性の設定次第では、エリアジングノイズを帯域拡張成分に利用することもでき、デコード情報および外部指示情報に対するフィルタ処理の特性を変化させることでエリアジングノイズの付加状況を調節することもできる。
なお、フィルタタイプ選択情報の代わりに、例えば、硬い、やわらかい、くっきり、まろやかなどの感覚的な尺度を用いて、間接的にフィルタタイプを選択するとしてもよい。この場合において、感覚的な尺度をフィルタタイプに変換する機能を備えるとしてもよいし、さらに、感覚的な尺度をフィルタタイプに変換するにあたって、変換テーブルを用いて変換するとしてもよい。
(実施の形態2)
次に、本発明に係る実施の形態2について図面を参照しながら説明する。
本実施の形態における音響処理装置は、外部から入力されたオーディオビットストリームからサンプリング周波数情報を抽出し、抽出したサンプリング周波数情報に基づいて、そのオーディオビットストリームから生成されたPCMデータに対するフィルタ処理を制御することを特徴とする。
以上の点を踏まえて本実施の形態における音響処理装置について説明する。
なお、実施の形態1における音響処理装置100の構成要素と同一の構成要素については、同一の参照符号を付して説明を省略する。
まず、本実施の形態における音響処理装置の構成について説明する。
図7に示されるように、音響処理装置200は、音響処理装置100と比べて、下記(1)〜(3)の点が異なる。
(1)デコード処理部110の代わりに、デコード処理部210を備える。
デコード処理部210は、オーディオビットストリームが外部から入力されると、入力されたオーディオビットストリームを解析し、解析したオーディオビットストリームからサンプリング周波数情報を含むデコード情報を抽出し、抽出したデコード情報に含まれるサンプリング周波数情報を制御指示部250へ送信する。また、抽出したデコード情報に基づいて、解析したオーディオビットストリームに対して、デコード処理を施してPCMデータを生成し、生成したPCMデータをオーバーサンプリング部220へ出力する。
(2)オーバーサンプリング部120の代わりに、オーバーサンプリング部220を備える。
オーバーサンプリング部220は、制御指示部320から出力されたテーブルポインタ情報が入力され、入力されたテーブルポインタ情報と対応付けられている固有フィルタタップ係数セットを固有フィルタタップ係数テーブルから選択する。また、共通フィルタタップ係数セットを共通フィルタタップ係数テーブルから読み出す。そして、選択した固有フィルタタップ係数セットおよび読み出した共通フィルタタップ係数セットを組み合わせた合成フィルタタップ係数セットを生成する。
そして、オーバーサンプリング部220は、デコード処理部210から出力されたPCMデータが入力されると、入力されたPCMデータに対して、N(Nは2以上の整数。)倍にオーバーサンプリングしたPCMデータを生成する。さらに、生成したPCMデータに対して、生成した合成フィルタタップ係数セットを用いてフィルタ処理を施してエリアジングノイズを除去し、除去したPCMデータを出力する。
(3)制御指示部150の代わりに、制御指示部250を備える。
制御指示部250は、デコード処理部210から送信されたサンプリング周波数情報を受信し、受信したサンプリング周波数情報と対応付けられているテーブルポインタ情報をオーバーサンプリング部220へ出力する。
なお、テーブルポインタ情報は、オーバーサンプリング部220におけるフィルタ処理を制御する制御情報である。
続いて、本実施の形態におけるデコード処理部210、オーバーサンプリング部220、および制御指示部250の夫々の構成について説明する。
図8に示されるように、デコード処理部210は、デコード情報解析部211、PCMデータ生成部212、およびサンプリング周波数情報送信部213などを備える。
デコード情報解析部211は、オーディオビットストリームが外部から入力されると、入力されたオーディオビットストリームを解析し、解析したオーディオビットストリームからサンプリング周波数情報を含むデコード情報を抽出し、抽出したデコード情報をサンプリング周波数情報送信部213へ出力する。また、抽出したデコード情報および解析したオーディオビットストリームをPCMデータ生成部212へ出力する。
PCMデータ生成部212は、デコード情報解析部211から出力されたオーディオビットストリームおよびデコード情報が入力されると、入力されたデコード情報に基づいて、入力されたオーディオビットストリームに対して、デコード処理を施してPCMデータを生成し、生成したPCMデータを出力する。
サンプリング周波数情報送信部213は、デコード情報解析部211から出力されたデコード情報が入力されると、入力されたデコード情報に含まれるサンプリング周波数情報を制御指示部250へ送信する。
また、図8に示されるように、オーバーサンプリング部220は、オーバーサンプリング部120と比べて、下記(1)〜(3)の点が異なる。
(1)フィルタ処理部122の代わりに、フィルタ処理部221を備える。
フィルタ処理部221は、フィルタタップ係数アサイナ部222から出力された合成フィルタタップ係数セットが入力される。そして、0データ挿入部121から出力されたPCMデータが入力されると、入力されたPCMデータに対して、入力された合成フィルタタップ係数セットを用いてフィルタ処理を施してエリアジングノイズを除去し、除去したPCMデータを出力する。
(2)フィルタタップ係数選択部123の代わりに、フィルタタップ係数アサイナ部222を備える。
フィルタタップ係数アサイナ部222は、制御指示部250から出力されたテーブルポインタ情報が入力され、入力されたテーブルポインタ情報と対応付けられている固有フィルタタップ係数セットを固有フィルタタップ係数テーブルから選択する。また、共通フィルタタップ係数セットを共通フィルタタップ係数テーブルから読み出す。そして、選択した固有フィルタタップ係数セットおよび読み出した共通フィルタタップ係数セットを合成して合成フィルタタップ係数セットを生成し、生成した合成フィルタタップ係数セットをフィルタ処理部221へ送信する。
(3)フィルタタップ係数テーブル保持部124の代わりに、共通フィルタタップ係数テーブル保持部223、および固有フィルタタップ係数テーブル保持部224を備える。
共通フィルタタップ係数テーブル保持部223は、共通フィルタタップ係数テーブルを保持する。ここでは、一例として、図9に示されるように、共通フィルタタップ係数テーブル291は、共通フィルタタップ係数セットが登録されている。例えば、共通フィルタタップ係数セット”Coeff[0],・・・,Coeff[n]”が登録されている。
固有フィルタタップ係数テーブル保持部224は、固有フィルタタップ係数テーブルを保持する。ここでは、一例として、図10に示されるように、固有フィルタタップ係数テーブル292は、テーブルポインタ情報および固有フィルタタップ係数セットが対応付けられて登録されている。例えば、テーブルポインタ情報”TBL0”およびフィルタタップ係数セット”Coeff[0][n+1],・・・,Coeff[0][n+m]”が対応付けられて登録されている。
また、図8に示されるように、制御指示部250は、制御指示部150と比べて、下記(1)、(2)の点が異なる。
(1)フィルタタイプ選択情報受信部151の代わりに、サンプリング周波数情報受信部251を備える。
サンプリング周波数情報受信部251は、デコード処理部210から送信されたサンプリング周波数情報を受信し、受信したサンプリング周波数情報をフィルタ処理制御部252へ転送する。
(2)フィルタ処理制御部152の代わりに、フィルタ処理制御部252を備える。
フィルタ処理制御部252は、サンプリング周波数情報受信部251から転送されたサンプリング周波数情報を受信し、受信したサンプリング周波数情報をテーブルポインタ情報に変換し、変換したテーブルポインタ情報をオーバーサンプリング部220へ出力する。
なお、デコード処理部210から出力されたPCMデータのサンプリング周波数は、32kHz、44.1kHz、48kHzの3種類とする。また、フィルタ処理制御部252において、夫々のサンプリング周波数がテーブルポインタ情報として、固有フィルタタップ係数テーブルの”TBL No”である”TBL0”、”TBL1”、および”TBL2”に変換される。
さらに、フィルタタップ係数アサイナ部222で生成される合成フィルタタップ係数セットは、共通フィルタタップ係数テーブルから読み出される共通フィルタタップ係数セット”Coeff[0],・・・,Coeff[n]”と、固有フィルタタップ係数テーブルのうち、サンプリング周波数情報から変換された”TBL0”、”TBL1”、”TBL2”のいずれかの固有フィルタタップ係数セットの組み合わせとなる。例えば、サンプリング周波数が”48kHz”の場合には、テーブルポインタ情報が”TBL2”となるため、フィルタタップ係数アサイナ部222で生成される合成フィルタタップ係数セットは、”Coeff[0],・・・,Coeff[n],Coeff[2][n+1],・・・,Coeff[2][n+m]”となる。
続いて、本実施の形態における音響処理装置200の動作例について説明する。ここでは、第1種ストリーム、第2種ストリームの順に外部から音響処理装置200へ入力される場合について説明する。
なお、第1種ストリームおよび第2種ストリームの夫々は、MPEGオーディオ規格符号化方式に準じたオーディオビットストリームである。
なお、MPEGオーディオ規格については、”ISO/IEC 11172−3:1993,13818−3:1996”に示されている。
なお、第1種ストリームは、サンプリング周波数”48kHz”のオーディオビットストリームである。また、第2種ストリームは、サンプリング周波数”44.1kHz”のオーディオビットストリームである。
なお、デコード処理部210は、MPEGオーディオ規格に準ずる符号化信号に対しては、ストリームヘッダ情報を解析し、デコード情報を抽出する。ここでは、ストリームヘッダに含まれるサンプリング周波数情報、ビットレート情報、およびレイヤー情報などを解析し、各オーディオ量子化データのビット割付情報、逆量子化処理のためのスケールファクタなどの中から、すくなくとも、サンプリング周波数情報を抽出する。
なお、制御指示部250は、サンプリング周波数情報をテーブルポインタ情報に変換する。具体的には、サンプリング周波数情報”32kHz”をテーブルポインタ情報”TBL0”に変換する。サンプリング周波数情報”44.1kHz”をテーブルポインタ情報”TBL1”に変換する。サンプリング周波数情報”48kHz”をテーブルポインタ情報”TBL2”に変換する。
まず、デコード処理部210は、第1種ストリームが外部から入力されると、入力された第1種ストリームを解析し、解析した第1種ストリームからサンプリング周波数情報”48kHz”を含むデコード情報を抽出し、抽出したデコード情報に含まれるサンプリング周波数情報”48kHz”を制御指示部250へ送信する。また、抽出したデコード情報に基づいて、解析した第1種ストリームに対してデコード処理を施し、サンプリング周波数”48kHz”のPCMデータを生成し、生成したPCMデータをオーバーサンプリング部220へ出力する。
制御指示部250は、デコード処理部210から送信されたサンプリング周波数情報”48kHz”を受信し、受信したサンプリング周波数情報”48kHz”をテーブルポインタ情報”TBL2”に変換し、変換したテーブルポインタ情報”TBL2”をオーバーサンプリング部220へ出力する。
オーバーサンプリング部220は、制御指示部250から出力されたテーブルポインタ情報”TBL2”が入力され、入力されたテーブルポインタ情報”TBL2”と対応付けられている固有フィルタタップ係数セット”Coeff[2][n+1],・・・,Coeff[2][n+m]”を固有フィルタタップ係数テーブル292から選択する。また、共通フィルタタップ係数セット”Coeff[0],・・・,Coeff[n]”を共通フィルタタップ係数テーブル291から読み出す。そして、読み出した共通フィルタタップ係数セット”Coeff[0],・・・,Coeff[n]”および選択した固有フィルタタップ係数セット”Coeff[2][n+1],・・・,Coeff[2][n+m]”を合成して合成フィルタタップ係数セット”Coeff[0],・・・,Coeff[2][n+m]”を生成する。
そして、オーバーサンプリング部220は、デコード処理部210から出力されたPCMデータが入力されると、入力されたPCMデータに対して、1サンプル毎に音量振幅が0である0データを挿入し、サンプリング周波数”96kHz”のPCMデータを生成する。さらに、生成したPCMデータに対して、生成した合成フィルタタップ係数セット”Coeff[0],・・・,Coeff[2][n+m]”を用いてフィルタ処理を施してエリアジングノイズを除去し、除去したサンプリング周波数”96kHz”のPCMデータを出力する。
拡張帯域生成部130は、オーバーサンプリング部220から出力されたPCMデータが入力され、入力されたPCMデータに基づいて、48kHz付近の成分までの高調波およびノイズ成分で構成される帯域拡張成分を生成し、生成したサンプリング周波数”96kHz”の帯域拡張成分を出力する。
加算器140は、オーバーサンプリング部220から出力されたPCMデータおよび拡張帯域生成部130から出力された帯域拡張成分が入力され、入力されたPCMデータおよび帯域拡張成分を加算し、サンプリング周波数”96kHz”の出力信号を出力する。
続いて、デコード処理部210は、第2種ストリームが外部から入力されると、入力された第2種ストリームを解析し、解析した第2種ストリームからサンプリング周波数情報”44.1kHz”を含むデコード情報を抽出し、抽出したデコード情報に含まれるサンプリング周波数情報”44.1kHz”を制御指示部250へ送信する。また、抽出したデコード情報に基づいて、解析した第1種ストリームに対してデコード処理を施し、サンプリング周波数”44.1kHz”のPCMデータを生成し、生成したPCMデータをオーバーサンプリング部220へ出力する。
制御指示部250は、デコード処理部210から送信されたサンプリング周波数情報”44.1kHz”を受信し、受信したサンプリング周波数情報”44.1kHz”をテーブルポインタ情報”TBL1”に変換し、変換したテーブルポインタ情報”TBL1”をオーバーサンプリング部220へ出力する。
オーバーサンプリング部220は、制御指示部250から出力されたテーブルポインタ情報”TBL1”が入力され、入力されたテーブルポインタ情報”TBL1”と対応付けられている固有フィルタタップ係数セット”Coeff[1][n+1],・・・,Coeff[1][n+m]”を固有フィルタタップ係数テーブル292から選択する。共通フィルタタップ係数セット”Coeff[0],・・・,Coeff[n]”を共通フィルタタップ係数テーブル291から読み出す。そして、読み出した共通フィルタタップ係数セット”Coeff[0],・・・,Coeff[n]”および選択した固有フィルタタップ係数セット”Coeff[1][n+1],・・・,Coeff[1][n+m]”を合成して合成フィルタタップ係数セット”Coeff[0],,Coeff[1][n+m]”を生成する。そして、デコード処理部210から出力されたPCMデータが入力されると、入力されたPCMデータに対して、1サンプル毎に音量振幅が0である0データを挿入し、サンプリング周波数”88.2kHz”のPCMデータを生成する。さらに、生成したPCMデータに対して、生成した合成フィルタタップ係数セット”Coeff[0],・・・,Coeff[1][n+m]”を用いてフィルタ処理を施してエリアジングノイズを除去し、除去したサンプリング周波数”88.2kHz”のPCMデータを出力する。
拡張帯域生成部130は、オーバーサンプリング部220から出力されたPCMデータが入力され、入力されたPCMデータに基づいて、44.1kHz付近の成分までの高調波およびノイズ成分で構成される帯域拡張成分を生成し、生成したサンプリング周波数”88.2kHz”の帯域拡張成分を出力する。
加算器140は、オーバーサンプリング部220から出力されたPCMデータおよび拡張帯域生成部130から出力された帯域拡張成分が入力され、入力されたPCMデータおよび帯域拡張成分を加算し、サンプリング周波数”88.2kHz”の出力信号を出力する。
以上説明したように本実施の形態における音響処理装置によれば、サンプリング周波数に応じて、合成フィルタタップ係数セットのn+1番目からn+m番目のタップ係数を変化させることができ、フィルタ処理によるエリアジングノイズの除去特性、フィルタ処理にかかる演算量を制御することができる。
特に、符号化方式が同じであれば、サンプリング周波数が高くなるにつれて演算処理量が増加する傾向にあることが考えられる。さらに、サンプリング周波数が高くなるにつれてフィルタタップ数を減らす構成にすることで、リアルタイム性を確保するための処理条件を平滑化することもできる。
さらに、フィルタタップ係数テーブルの構成が、Tap0からTapnまでのフィルタタップ係数が共通化されることによって、重複するフィルタタップ係数をテーブルから削減することができ、削除した分だけ、コストを削減することができる。
なお、外部から音響処理装置に、サンプリング周波数が32kHz、44.1kHz、48kHz以外のオーディオビットストリームが入力されて各処理が施されるとしてもよい。この場合において、各サンプリング周波数に応じた固有フィルタタップ係数セットを実装することでより効果的である。
また、エリアジングノイズの除去特性の設定次第では、エリアジングノイズを帯域拡張成分に利用することもでき、サンプリング周波数情報に対するフィルタ処理の特性を変化させることでエリアジングノイズの付加状況を調節することもできる。
(実施の形態3)
次に、本発明に係る実施の形態3について図面を参照しながら説明する。
本実施の形態における音響処理装置は、外部から入力されたオーディオビットストリームから符号化方式情報を抽出し、抽出した符号化方式情報に基づいて、そのオーディオストリームから生成されたPCMデータに対するフィルタ処理を制御することを特徴とする。
以上の点を踏まえて本実施の形態における音響処理装置について説明する。
なお、実施の形態2における音響処理装置200の構成要素と同一の構成要素については、同一の参照符号を付して説明を省略する。
まず、本実施の形態における音響処理装置の構成について説明する。
図11に示されるように、音響処理装置300は、音響処理装置200と比べて、下記(1)〜(3)の点が異なる。
(1)デコード処理部210の代わりに、デコード処理部310を備える。
デコード処理部310は、オーディオビットストリームが外部から入力されると、入力されたオーディオビットストリームから符号化方式情報を含むデコード情報を抽出し、抽出したデコード情報に含まれる符号化方式情報を制御指示部350へ送信する。また、抽出したデコード情報に基づいて、入力されたオーディオビットストリームに対して、デコード処理を施してPCMデータを生成し、生成したPCMデータをオーバーサンプリング部320へ出力する。ここでは、すくなくとも、下記(a)〜(f)の6種類の符号化方式に対するデコード処理をすることができる。
(a)ドルビー社のドルビーディジタル符号化方式(AC3)
(b)MPEG1オーディオ符号化方式 Layer2
(c)DVD−Video規格リニアPCM
(d)DTS
(e)MPEGオーディオ符号化方式 Layer3(MP3)
(f)CD−DA
(2)オーバーサンプリング処理部220の代わりに、オーバーサンプリング処理部320を備える。
オーバーサンプリング部320は、制御指示部350から出力されたフィルタタップ数情報が入力される。そして、デコード処理部310から出力されたPCMデータが入力されると、入力されたPCMデータに対して、N(Nは2以上の整数。)倍にオーバーサンプリングしたPCMデータを生成する。さらに、生成したPCMデータに対して、入力されたフィルタタップ数情報に示されるタップ数分、フィルタ処理を施してエリアジングノイズを除去し、除去したPCMデータを出力する。
(3)制御指示部250の代わりに、制御指示部350を備える。
制御指示部350は、デコード処理部310から送信された符号化方式情報を受信し、受信した符号化方式情報と対応付けられているフィルタタップ数情報をフィルタ処理制御指示テーブルから選択し、選択したフィルタタップ数情報をオーバーサンプリング部320へ出力する。
なお、フィルタタップ数情報は、オーバーサンプリング部320におけるフィルタ処理を制御する制御情報である。
「フィルタ処理制御指示テーブル」とは、オーバーサンプリング部320において施されるフィルタ処理を制御するにあたっての条件が登録されているテーブルをいう。
続いて、本実施の形態におけるデコード処理部310、オーバーサンプリング部320、および制御指示部350の詳細構成について説明する。
図12に示されるように、デコード処理部310は、デコード処理部210と比べて、下記(1)、(2)の点が異なる。
(1)デコード情報解析部211の代わりに、デコード情報解析部311を備える。
デコード情報解析部311は、オーディオビットストリームが外部から入力されると、入力されたオーディオビットストリームを解析し、解析したオーディオビットストリームから符号化方式情報を含むデコード情報を抽出し、抽出したデコード情報を符号化方式情報送信部312へ出力する。また、抽出したデコード情報および解析したオーディオビットストリームをPCMデータ生成部212へ出力する。
(2)サンプリング周波数情報送信部213の代わりに、符号化方式情報送信部312を備える。
符号化方式情報送信部312は、デコード情報解析部311から出力されたデコード情報が入力されると、入力されたデコード情報に含まれる符号化方式情報を制御指示部350へ送信する。
また、図12に示されるように、オーバーサンプリング部320は、オーバーサンプリング部220と比べて、下記(1)、(2)の点が異なる。
(1)フィルタ処理部221の代わりに、タップ数可変型フィルタ処理部321を備える。
タップ数可変型フィルタ処理部321は、制御指示部350から送信されたフィルタタップ数情報を受信する。そして、0データ挿入部121から出力されたPCMデータが入力されると、入力されたPCMデータに対して、受信したフィルタタップ数情報に示されるタップ数分、フィルタ処理を施してエリアジングノイズを除去し、除去したPCMデータを出力する。
(2)フィルタタップ係数アサイナ部222、共通フィルタタップ係数テーブル保持部223、および固有フィルタタップ係数テーブル保持部224を備えない。
また、図12に示されるように、制御指示部350は、制御指示部250と比べて、下記(1)〜(3)の点が異なる。
(1)サンプリング周波数情報受信部251の代わりに、符号化方式情報受信部351を備える。
符号化方式情報受信部351は、デコード処理部310から送信された符号化方式情報を受信し、受信した符号化方式情報をフィルタ処理制御部352へ転送する。
(2)フィルタ処理制御部252の代わりに、フィルタ処理制御部352を備える。
フィルタ処理制御部352は、符号化方式情報受信部351から転送された符号化方式情報を受信し、受信した符号化方式情報と対応付けられているフィルタタップ数情報をフィルタ処理制御指示テーブルから選択し、選択したフィルタタップ数情報をオーバーサンプリング部320へ送信する。
(3)新たにフィルタ処理制御指示テーブル保持部353を備える。
フィルタ処理制御指示テーブル保持部353は、フィルタ処理制御指示テーブルを保持する。ここでは、一例として、図13に示されるように、フィルタ処理制御指示テーブル391は、符号化方式情報およびフィルタタップ数情報が対応付けられて登録されている。例えば、符号化方式情報”AC3”およびフィルタタップ数情報”a”が対応付けられて登録されている。具体的には、フィルタ処理制御指示テーブル391は、符号化方式情報毎にオーバーサンプリング処理部におけるフィルタ処理条件をテーブル化したものである。また、各符号化方式に対してフィルタ処理条件をテーブル化したものであり、それぞれの符号化方式に対して、タップ可変型フィルタ処理部523において積和演算されるフィルタタップ数が登録されている。具体的には、”AC3”、”MPEG1 Layer2”、”DVD−Video Linear PCM”、”PCM、DTS、MP3、CD−DA”のそれぞれの符号化方式の場合に指定されるフィルタタップ数は、それぞれ”a”、”b”、”c”、”d”、”e”、”f”(a>0,b>0,c>0,d>0,e>0,f>0)と設定されている。
続いて、本実施の形態における音響処理装置300の動作例について説明する。ここでは、外部から音響処理装置300に、第1種ストリーム、第2種ストリームの順に入力される場合について説明する。
なお、第1種ストリームは、符号化方式”AC3”で符号化されたオーディオビットストリームである。また、第2種ストリームは、符号化方式”MP3”で符号化されたオーディオビットストリームである。さらに、第1種ストリームおよび第2種ストリームの夫々のサンプリング周波数は”48kHz”である。
まず、デコード処理部310は、第1種ストリームが外部から入力されると、入力された第1種ストリームを解析し、解析した第1種ストリームから符号化方式情報”AC3”を含むデコード情報を抽出し、抽出したデコード情報に含まれる符号化方式情報”AC3”を制御指示部350へ送信する。また、抽出したデコード情報に基づいて、解析した第1種ストリームに対してデコード処理を施し、サンプリング周波数”48kHz”のPCMデータを生成し、生成したPCMデータをオーバーサンプリング部320へ出力する。
制御指示部350は、デコード処理部310から送信された符号化方式情報”AC3”を受信し、受信した符号化方式情報”AC3”と対応付けられているフィルタタップ数情報”a”をフィルタ処理制御指示テーブル391から選択し、選択したフィルタタップ数情報”a”をオーバーサンプリング部320へ出力する。
オーバーサンプリング部320は、制御指示部350から出力されたフィルタタップ数情報”a”が入力される。そして、デコード処理部310から出力されたPCMデータが入力されると、入力されたPCMデータに対して、1サンプル毎に音量振幅が0である0データを挿入し、サンプリング周波数”96kHz”のPCMデータを生成する。さらに、生成したPCMデータに対して、入力されたフィルタタップ数情報”a”に示されるタップ数分、フィルタ処理を施してエリアジングノイズを除去し、除去したサンプリング周波数”96kHz”のPCMデータを出力する。
拡張帯域生成部130は、オーバーサンプリング部320から出力されたPCMデータが入力され、入力されたPCMデータに基づいて、48kHz付近の成分までの高調波およびノイズ成分で構成される帯域拡張成分を生成し、生成したサンプリング周波数”96kHz”の帯域拡張成分を出力する。
加算器140は、オーバーサンプリング部220から出力されたPCMデータおよび拡張帯域生成部130から出力された帯域拡張成分が入力され、入力されたPCMデータおよび帯域拡張成分を加算し、サンプリング周波数”96kHz”の出力信号を出力する。
続いて、デコード処理部310は、第2種ストリームが外部から入力されると、入力された第2種ストリームを解析し、解析した第2種ストリームから符号化方式情報”MP3”を含むデコード情報を抽出する。そして、抽出したデコード情報に含まれる符号化方式情報”MP3”を制御指示部350へ送信する。また、抽出したデコード情報に基づいて、解析した第2種ストリームに対してデコード処理を施し、サンプリング周波数”48kHz”のPCMデータを生成し、生成したPCMデータをオーバーサンプリング部320へ出力する。
制御指示部350は、デコード処理部310から送信された符号化方式情報”MP3”を受信し、受信した符号化方式情報”MP3”と対応付けられているフィルタタップ数情報”e”をフィルタ処理制御指示テーブル391から選択し、選択したフィルタタップ数情報”e”をオーバーサンプリング部320へ出力する。
オーバーサンプリング部320は、制御指示部350から出力されたフィルタタップ数情報”e”が入力される。そして、デコード処理部310から出力されたPCMデータが入力されると、入力されたPCMデータに対して、1サンプル毎に音量振幅が0である0データを挿入し、サンプリング周波数”96kHz”のPCMデータを生成する。さらに、生成したPCMデータに対して、入力されたフィルタタップ数情報”e”に示されるタップ数分、フィルタ処理を施してエリアジングノイズを除去し、除去したサンプリング周波数”96kHz”のPCMデータを出力する。
拡張帯域生成部130は、オーバーサンプリング部320から出力されたPCMデータが入力され、入力されたPCMデータに基づいて、48kHz付近の成分までの高調波およびノイズ成分で構成される帯域拡張成分を生成し、生成したサンプリング周波数”96kHz”の帯域拡張成分を出力する。
加算器140は、オーバーサンプリング部320から出力されたPCMデータおよび拡張帯域生成部130から出力された帯域拡張成分が入力され、入力されたPCMデータおよび帯域拡張成分を加算し、サンプリング周波数”96kHz”の出力信号を出力する。
以上説明したように本実施の形態における音響処理装置300によれば、外部から入力されたオーディオビットストリームから符号化方式情報を抽出し、抽出した符号化方式情報に基づいて、そのオーディオストリームから生成されたPCMデータに対するフィルタ処理を制御することができる。また、フィルタ処理にかかる演算量、フィルタ処理によるエリアジングノイズの除去特性を制御することができる。例えば、デコード処理が施される符号化方式に応じて、フィルタ処理にかかる演算量を制御することができ、符号化方式に応じて、PCMデータに対するフィルタ処理を変えることもできる。
さらに、符号化方式に応じた最適なフィルタ処理をフィルタ処理制御指示テーブルから選択することによって、判定処理を経てフィルタ処理を決定する場合と比べて、処理を簡素化することができ、音響処理装置の規模および処理量を抑えることができる。
また、指定されたタップ数だけフィルタ処理を施し、少ないタップ数が指定された場合には、タップ数可変型フィルタ処理部321における演算処理量が少なくなる。例えば、デコード処理の条件、同時に実行される他の処理にかかる演算量が大きい場合には、タップ数を少なく設定することによって、演算処理量を少なくすることもできるので、その分処理量における最適化ができる。
さらに、同一のフィルタタップ係数を用いて、タップ数のみ可変にすることができるため、ハードウェア規模の制限などで多数のフィルタタップ係数を保持することが困難な場合においてより効果的である。
(実施の形態4)
次に、本発明に係る実施の形態4について図面を参照しながら説明する。
本実施の形態における音響処理装置は、外部から入力されたオーディオビットストリームからチャンネル構成情報を抽出し、抽出したチャンネル構成情報に基づいて、そのオーディオビットストリームから生成されたPCMデータに対するフィルタ処理を制御することを特徴とする。
以上の点を踏まえて本実施の形態における音響処理胃装置について説明する。
なお、実施の形態2における音響処理装置200の構成要素と同一の構成要素については、同一の参照符号を付して説明を省略する。
まず、本実施の形態における音響処理装置の構成について説明する。
図14に示されるように、音響処理装置400は、音響処理装置200と比べて、下記(1)〜(3)の点が異なる。
(1)デコード処理部210の代わりに、デコード処理部410を備える。
デコード処理部410は、マルチチャンネルのオーディオビットストリームが外部から入力されると、入力されたオーディオビットストリームからチャンネル構成情報を含むデコード情報を抽出し、抽出したデコード情報に基づいて、マルチチャンネルのオーディオビットストリームに対して、デコード処理を施してマルチチャンネルのPCMデータを生成し、生成したマルチチャンネルのPCMデータをオーバーサンプリング部420へ出力する。また、抽出したデコード情報に含まれるチャンネル構成情報を制御指示部450へ送信する。ここでは、すくなくとも、1チャンネルから5チャンネルのオーディオビットストリームに対して、デコード処理を施すことができ、対応可能なチャンネル構成は、下記(a)〜(g)の7種類である。
(a)センターチャンネル(C)のみである1チャンネル(1/0)
(b)フロント左チャンネル(L)およびフロント右チャンネル(R)で構成される2チャンネル(2/0)
(c)フロント左チャンネル(L)、フロント右チャンネル(R)、およびモノラルリアチャンネル(S)で構成される3チャンネル(2/1)
(d)フロント左チャンネル(L)、フロント右チャンネル(R)、およびステレオリアチャンネル(Ls、Rs)で構成される4チャンネル(2/2)
(e)フロント左チャンネル(L)、フロント右チャンネル(R)、およびセンターチャンネル(C)で構成される3チャンネル(3/0)
(f)フロント左チャンネル(L)、フロント右チャンネル(R)、センターチャンネル(C)、およびモノラルリアチャンネル(S)で構成される4チャンネル(3/1)
(g)フロント左チャンネル(L)、フロント右チャンネル(R)、センターチャンネル(C)、およびステレオリアチャンネル(Ls、Rs)で構成される5チャンネル(3/2)
(2)オーバーサンプリング部220の代わりに、オーバーサンプリング部420を備える。
オーバーサンプリング部420は、制御指示部450から送信されるチャンネル別フィルタ選択情報が入力され、入力されたチャンネル別フィルタ選択情報に基づいて、チャンネル毎にフィルタ処理を切り替える。そして、デコード処理部310から出力されたPCMデータが入力されると、入力されたPCMデータに対して、N(Nは2以上の整数。)倍にオーバーサンプリングしたPCMデータを生成する。さらに、生成したPCMデータに対して、入力されたチャンネル別フィルタ選択情報に示されるタップ数分、チャンネル毎にフィルタ処理を施してエリアジングノイズを除去し、除去したPCMデータを出力する。
(3)制御指示部250の代わりに、制御指示部450を備える。
制御指示部450は、デコード処理部410から送信されたチャンネル構成情報を受信し、受信したチャンネル構成情報と対応付けられているチャンネル別フィルタ選択情報をフィルタ処理制御指示テーブルから選択し、選択したチャンネル別フィルタ選択情報をオーバーサンプリング部420へ出力する。
なお、チャンネル別フィルタ選択情報は、オーバーサンプリング部420におけるフィルタ処理を制御する制御情報である。
「フィルタ処理制御指示テーブル」とは、オーバーサンプリング部420において施されるフィルタ処理を制御するにあたっての条件が登録されているテーブルをいう。
続いて、本実施の形態におけるデコード処理部410、オーバーサンプリング部420、および制御指示部450の詳細構成について説明する。
図15に示されるように、デコード処理部410は、デコード処理部210と比べて、下記(1)、(2)の点が異なる。
(1)デコード情報解析部211の代わりに、デコード情報解析部411を備える。
デコード情報解析部411は、オーディオビットストリームが外部から入力されると、入力されたオーディオビットストリームを解析し、解析したオーディオビットストリームからチャンネル構成情報を含むデコード情報を抽出し、抽出したデコード情報をチャンネル構成情報送信部412へ出力する。また、抽出したデコード情報および解析したオーディオビットストリームをPCMデータ生成部212へ出力する。
(2)サンプリング周波数情報送信部213の代わりに、チャンネル構成情報送信部412を備える。
チャンネル構成情報送信部412は、デコード情報解析部411から出力されたデコード情報が入力されると、入力されたデコード情報に含まれるチャンネル構成情報を制御指示部450へ送信する。
また、図15に示されるように、オーバーサンプリング部420は、オーバーサンプリング部220と比べて、下記(1)、(2)の点が異なる。
(1)フィルタ処理部221の代わりに、フィルタ処理部421を備える。
フィルタ処理部421は、フィルタ選択スイッチ422、高性能型フィルタ処理部423、および簡易処理型フィルタ処理部424を備える。
フィルタ選択スイッチ422は、制御指示部450から出力されたチャンネル別フィルタ選択情報を受信し、受信したチャンネル別フィルタ選択情報に基づいて、高性能型フィルタ処理部423および簡易処理型フィルタ処理部424のいずれかに出力先をチャンネル毎に切り替える。そして、0データ挿入部121から出力されたPCMデータが入力されると、入力されたPCMデータを出力先へ出力する。
高性能型フィルタ処理部423(以下、FIRフィルタとも呼称する。)は、フィルタ選択スイッチ422から出力されたPCMデータが入力されると、入力されたPCMデータに対して、遮断特性、位相特性および通過帯域におけるリップル特性などの性能を重視したフィルタ処理を施してエリアジングノイズを除去し、除去したPCMデータを出力する。
簡易処理型フィルタ処理部424(以下、IIRフィルタとも呼称する。)は、フィルタ選択スイッチ422から出力されたPCMデータが入力されると、入力されたPCMデータに対して、高性能型フィルタ処理部423と比べて、低演算処理を特徴としたフィルタ処理を施してエリアジングノイズを除去し、除去したPCMデータを出力する。
(2)フィルタタップ係数アサイナ部222、共通フィルタタップ係数テーブル保持部223、および固有フィルタタップ係数テーブル保持部224を備えない。
また、図15に示されるように、制御指示部450は、制御指示部250と比べて、下記(1)〜(3)の点が異なる。
(1)サンプリング周波数情報受信部251の代わりに、チャンネル構成情報受信部451を備える。
チャンネル構成情報受信部451は、デコード処理部410から送信されたチャンネル構成情報を受信し、受信したチャンネル構成情報をフィルタ処理制御部452へ転送する。
(2)フィルタ処理制御部252の代わりに、フィルタ処理制御部452を備える。
フィルタ処理制御部452は、チャンネル構成情報受信部451から転送されたチャンネル構成情報を受信し、受信したチャンネル構成情報と対応付けられているチャンネル別フィルタ選択情報をフィルタ処理制御指示テーブルから選択し、選択したチャンネル別フィルタ選択情報をオーバーサンプリング部420へ送信する。
(3)新たにフィルタ処理制御指示テーブル保持部453を備える。
フィルタ処理制御指示テーブル保持部453は、フィルタ処理制御指示テーブルを保持する。ここでは、一例として、図16に示されるように、チャンネル構成情報およびチャンネル別フィルタ選択情報が対応付けられて登録されているフィルタ処理制御指示テーブル491である。例えば、フィルタ処理制御指示テーブル491には、チャンネル構成情報(1/0)およびセンターチャンネル(C)に対するチャンネル別フィルタ選択情報“−,−,FIR,−,−”が対応付けられて登録されている。ここで、チャンネル別選択情報“−,−,FIR,−,−”は、左から順に、フロント左チャンネル、フロント右チャンネル、センターチャンネル、リア左チャンネル、リア右チャンネルに適用されるフィルタのタイプが示されている。
続いて、本実施の形態における音響処理装置400の動作例について説明する。ここでは、外部から音響処理装置400に、第1種ストリーム、第2種ストリームの順に入力される場合について説明する。
なお、第1種ストリームは、2チャンネル(2/0)のオーディオビットストリームである。また、第2種ストリームは、4チャンネルのオーディオビットストリームである。さらに、第1種ストリームおよび第2種ストリームの夫々のサンプリング周波数は”48kHz”である。
まず、デコード処理部410は、第1種ストリームが外部から入力されると、入力された第1種ストリームを解析し、解析した第1種ストリームからチャンネル構成情報”2/0”を含むデコード情報を抽出し、抽出したデコード情報に含まれるチャンネル構成情報”2/0”を制御指示部450へ送信する。また、抽出したデコード情報に基づいて、解析した第1種ストリームに対してデコード処理を施し、サンプリング周波数”48kHz”の2チャンネル(2/0)のPCMデータを出力する。
制御指示部450は、デコード処理部410から送信されたチャンネル構成情報”2/0”を受信し、受信したチャンネル構成情報”2/0”と対応付けられているチャンネル別フィルタ選択情報”FIR,FIR,−,−,−”をフィルタ処理制御指示テーブル491から選択し、選択したチャンネル別フィルタ選択情報”FIR,FIR,−,−,−”をオーバーサンプリング部420へ出力する。
オーバーサンプリング部420は、制御指示部450から出力されたチャンネル別フィルタ選択情報”FIR,FIR,−,−,−”が入力される。そして、デコード処理部410から出力されたPCMデータが入力されると、入力されたPCMデータに対して、1サンプル毎に音量振幅が0である0データを挿入し、サンプリング周波数”96kHz”の2チャンネル(2/0)のPCMデータを生成する。さらに、生成した2チャンネル(2/0)のPCMデータに対して、入力されたチャンネル別フィルタ選択情報”FIR,FIR,−,−,−”に基づいて、フロント左右チャンネル(L、R)のPCMデータについては、高性能型フィルタ処理部423でフィルタ処理を施してエリアジングノイズを除去し、除去した2チャンネル(2/0)のPCMデータを出力する。
拡張帯域生成部130は、オーバーサンプリング部420から出力された2チャンネル(2/0)のPCMデータが入力され、入力された2チャンネル(2/0)のPCMデータに基づいて、48kHz付近の成分までの高調波およびノイズ成分で構成される帯域拡張成分を生成し、生成したサンプリング周波数”96kHz”の帯域拡張成分を出力する。
加算器140は、オーバーサンプリング部420から出力されたPCMデータおよび拡張帯域生成部130から出力された帯域拡張成分が入力され、入力されたPCMデータおよび帯域拡張成分を加算し、サンプリング周波数”96kHz”の2チャンネル(2/0)の出力信号を出力する。
続いて、デコード処理部410は、第2種ストリームが外部から入力されると、入力された第2種ストリームを解析し、解析した第2種ストリームからチャンネル構成情報”3/1”を含むデコード情報を抽出し、抽出したデコード情報に含まれるチャンネル構成情報”3/1”を制御指示部450へ送信する。また、抽出したデコード情報に基づいて、解析した第2種ストリームに対してデコード処理を施し、サンプリング周波数”48kHz”の4チャンネル(3/1)のPCMデータを出力する。
制御指示部450は、デコード処理部410から送信されたチャンネル構成情報”3/1”を受信し、受信したチャンネル構成情報”3/1”と対応付けられているチャンネル別フィルタ選択情報”FIR,FIR,IIR,IIR,−”をフィルタ処理制御指示テーブル491から選択し、選択したチャンネル別フィルタ選択情報”FIR,FIR,IIR,IIR,−”をオーバーサンプリング部420へ出力する。
オーバーサンプリング部420は、制御指示部450から出力されたチャンネル別フィルタ選択情報”FIR,FIR,IIR,IIR,−”が入力される。そして、デコード処理部410から出力されたPCMデータが入力されると、入力されたPCMデータに対して、1サンプル毎に音量振幅が0である0データを挿入し、サンプリング周波数”96kHz”の4チャンネル(3/1)のPCMデータを生成する。さらに、生成した4チャンネル(3/1)のPCMデータに対して、入力されたチャンネル別フィルタ選択情報”FIR,FIR,IIR,IIR,−”に基づいて、フロント左右チャンネル(L、R)のPCMデータについては、高性能型フィルタ処理部423でフィルタ処理を施してエリアジングノイズを除去し、センターチャンネル(C)およびモノラルリアチャンネル(S)のPCMデータについては、簡易処理型フィルタ処理部424でフィルタ処理を施してエリアジングノイズを除去し、除去した4チャンネル(3/1)のPCMデータを出力する。
拡張帯域生成部130は、オーバーサンプリング部420から出力された4チャンネル(3/1)のPCMデータが入力され、入力された4チャンネル(3/1)のPCMデータに基づいて、48kHz付近の成分までの高調波およびノイズ成分で構成される帯域拡張成分を生成し、生成したサンプリング周波数”96kHz”の帯域拡張成分を出力する。
加算器140は、オーバーサンプリング部420から出力されたPCMデータおよび拡張帯域生成部130から出力された帯域拡張成分が入力され、入力されたPCMデータおよび帯域拡張成分を加算し、サンプリング周波数”96kHz”の4チャンネル(3/1)の出力信号を出力する。
以上説明したように本実施の形態における音響処理装置400によれば、外部から入力されたオーディオビットストリームからチャンネル構成情報を抽出し、抽出したチャンネル構成情報に基づいて、そのオーディオビットストリームから生成されたPCMデータに対するフィルタ処理を制御することができる。また、フィルタ処理にかかる演算量、フィルタ処理によるエリアジングノイズの除去特性を制御することができる。例えば、デコード処理が施されるチャンネル数に応じて、フィルタ処理にかかる演算量を制御することができ、チャンネルの組み合わせに応じて、各チャンネルのPCMデータに対するフィルタ処理を変えることもできる。
さらに、チャンネル構成に応じた最適なフィルタ処理の組み合わせをフィルタ処理制御指示テーブルから選択することによって、複数の判定処理を経てフィルタ処理の組み合わせを決定する場合と比べて、処理を簡素化することができ、音響処理装置の規模および処理量を抑えることができる。
また、デコード処理の条件、同時に実行される他の処理にかかる演算量に応じて、フィルタ処理選択スイッチ422を制御して高性能型フィルタ処理部423および簡易処理型フィルタ処理部424を選択し、フィルタ処理にかかる演算量を調整することができる。
一般に、FIRフィルタおよびIIRフィルタのそれぞれを用いた低域通過フィルタの特徴としては、同等の遮断特性を得るのにIIR型フィルタのほうが演算処理が少なくなる。しかし、各周波数の位相特性が変化してしまう傾向がある。このため、演算処理を少なくしたい場合には、IIRフィルタを用いる場合が多い。逆に、位相特性をはじめとする性能を重視する場合には、FIRフィルタが用いられる場合が多い。
高性能型フィルタ処理部423および簡易処理型フィルタ処理部424のいずれの場合においても、0データ挿入部121から出力されたPCMデータに対して、フィルタ処理によりエリアジングノイズを除去する。
なお、必要に応じてチャンネル構成の対応範囲を広げたり、限定したりするとしてもよい。
なお、フィルタ処理部421は、高性能型フィルタ処理部423および簡易処理型フィルタ処理部424の代わりに、フィルタ特性が異なる3種類以上のフィルタを備えるとしてもよい。このとき、フィルタ選択スイッチ422は、3種類以上のフィルタのいずれかに出力先を切り替える。
(実施の形態5)
次に、本発明に係る実施の形態5について図面を参照しながら説明する。
本実施の形態における音響処理装置は、複数の付加機能処理部を制御する同時処理機能情報に基づいて、オーバーサンプリング部におけるフィルタ処理を制御することを特徴とする。
以上の点を踏まえて本実施の形態における音響処理装置について説明する。
なお、実施の形態1における音響処理装置100の構成要素と同一の構成要素については、同一の参照符号を付して説明を省略する。
まず、本実施の形態における音響処理装置の構成について説明する。
図17に示されるように、音響処理装置500は、音響処理装置100と比べて、下記(1)〜(3)の点が異なる。
(1)オーバーサンプリング部120の代わりに、オーバーサンプリング部520を備える。
オーバーサンプリング部520は、制御指示部550から出力されたテーブルポインタ情報が入力され、入力されたテーブルポインタ情報に基づいて、フィルタタップ係数を選択する。そして、デコード処理部110から出力されたPCMデータが入力されると、入力されたPCMデータに対して、N(Nは2以上の整数。)倍にオーバーサンプリングしたPCMデータを生成する。さらに、生成したPCMデータに対して、選択したフィルタタップ係数を用いてフィルタ処理を施し、エリアジングノイズを除去したPCMデータを出力する。
(2)制御指示部150の代わりに、制御指示部550を備える。
制御指示部550は、外部インターフェース部160から転送された外部指示情報を受信する。受信した外部指示情報に含まれる同時処理機能情報と対応付けられているフィルタ系列をフィルタ処理制御指示テーブルから選択する。選択したフィルタ系列を含むテーブルポインタ情報をオーバーサンプリング部520へ出力する。
「テーブルポインタ情報」とは、オーバーサンプリング部520におけるフィルタ処理を制御する制御情報である。
「フィルタ処理制御指示テーブル」とは、オーバーサンプリング部520において施されるフィルタ処理を制御するにあたっての条件が登録されているテーブルをいう。
(3)新たに第1種付加機能処理部581、第2種付加機能処理部582、および第3種付加機能処理部583を備える。
第1種付加機能処理部581、第2種付加機能処理部582、および第3種付加機能処理部583の夫々は、外部から入力された同時処理機能情報に基づいて、加算器140から出力されたPCMデータに対して、順に音響処理を施す。
なお、第1種付加機能処理部581、第2種付加機能処理部582、および第3種付加機能処理部583の夫々における音響処理としては、たとえば、イコライジング、高域・低域強調処理などの音色制御処理、音量制御処理、チャンネルダウンミックス処理などが挙げられる。
続いて、本実施の形態におけるオーバーサンプリング部520、および制御指示部550の詳細構成について説明する。
図18に示されるように、オーバーサンプリング部520は、オーバーサンプリング部120と比べて、下記(1)〜(3)の点が異なる。
(1)フィルタ処理部122の代わりに、タップ数可変型フィルタ処理部521を備える。
タップ数可変型フィルタ処理部521は、フィルタタップ係数選択部522から出力されたフィルタタップ係数セットが入力され、0データ挿入部121から出力されたPCMデータが入力されると、入力されたPCMデータに対して、入力されたフィルタタップ係数セットを用いてタップ数分、フィルタ処理を施してエリアジングノイズを除去し、エリアジングノイズを除去したPCMデータを出力する。
(2)フィルタタップ係数選択部123の代わりに、フィルタタップ係数選択部522を備える。
フィルタタップ係数選択部522は、制御指示部550から出力されたテーブルポインタ情報が入力され、入力されたテーブルポインタ情報と対応付けられているフィルタタップ係数セットをタップ数指定型フィルタタップ係数テーブルから選択する。
(3)フィルタタップ係数テーブル保持部124の代わりに、タップ数指定型フィルタタップ係数テーブル保持部523を備える。
タップ数指定型フィルタタップ係数テーブル保持部523は、タップ数指定型フィルタタップ係数テーブルを保持する。ここでは、一例として、図20に示されるように、フィルタタップ係数テーブル592は、フィルタ系列、タップ数、およびフィルタタップ係数が対応付けられて登録されている。例えば、フィルタ系列”TBL0”、タップ数”a”、およびフィルタタップ係数”Coeff[0][0],・・・,Coeff[0][a]”が対応付けられて登録されている。
なお、タップ数”a”,”b”,”c”,”d”の夫々は、関係”0<a<b<c<d”を満たす整数である。
また、図18に示されるように、制御指示部550は、制御指示部150と比べて、下記(1)〜(3)の点が異なる。
(1)フィルタタイプ選択情報受信部151の代わりに、同時処理機能情報受信部551を備える。
同時処理機能情報受信部551は、外部インターフェース部160から転送された外部指示情報を受信し、受信した外部指示情報をフィルタ処理制御部552へ転送する。
ここで、すくなくとも、外部指示情報には同時処理機能情報が含まれる。
「同時処理機能情報」とは、第1種付加機能処理部581、第2種付加機能処理部582、および第3種付加機能処理部583の夫々の音響処理が施されるか否かを示す制御情報である。具体的には、施される場合には、ONが示され、施されない場合には、OFFが示される制御情報である。
(2)フィルタ処理制御部152の代わりに、フィルタ処理制御部552を備える。
フィルタ処理制御部552は、同時処理機能情報受信部551から転送された外部指示情報を受信し、受信した外部指示情報に含まれる同時処理機能情報と対応付けられて登録されているフィルタ系列をフィルタ処理制御指示テーブルから選択し、選択したフィルタ系列が特定されるテーブルポインタ情報をオーバーサンプリング部520へ出力する。
「フィルタ処理制御指示テーブル」とは、オーバーサンプリング部520において施されるフィルタ処理を制御するにあたっての条件が登録されているテーブルをいう。
(3)新たにフィルタ処理制御指示テーブル保持部553を備える。
フィルタ処理制御指示テーブル保持部553は、フィルタ処理制御指示テーブルを保持する。ここでは、一例として、図19に示されるように、フィルタ処理制御指示テーブル591は、第1種付加機能、第2種付加機能、第3種付加機能、およびフィルタ系列のポインタ情報が対応付けられて登録されている。例えば、第1種付加機能”OFF”、第2種付加機能”OFF”、第3種付加機能”OFF”に対しては、フィルタ系列”TBL3”が対応付けられて登録されている。
続いて、本実施の形態における音響処理装置500の動作例について説明する。ここでは、外部から音響処理装置500に、同時処理機能情報”OFF,OFF,OFF”、同時処理機能情報”ON,ON,OFF”が順に入力される場合について説明する。
なお、符号化方式”DVD−Video規格リニアPCM”で符号化されたサンプリング周波数”48kHz”のオーディオビットストリームが外部から音響処理装置500に入力されるとする。
まず、同時処理機能情報”OFF,OFF,OFF”が外部から入力された場合について説明する。
外部インターフェース部160は、同時処理機能情報”OFF,OFF,OFF”を含む外部指示情報が入力されると、入力された外部指示情報を制御指示部550へ転送する。
デコード処理部110は、ストリームが外部から入力されると、入力されたストリームを解析し、解析したストリームからデコード情報を抽出し、抽出したデコード情報に基づいて、解析したストリームに対してデコード処理を施してサンプリング周波数”96kHz”のPCMデータを生成し、生成したPCMデータをオーバーサンプリング部520へ出力する。
制御指示部550は、外部インターフェース部160から転送された外部指示情報を受信し、受信した外部指示情報に含まれる同時処理機能情報”OFF,OFF,OFF”と対応付けられているフィルタ系列”TBL3”をフィルタ処理制御指示テーブル592から選択し、選択したフィルタ系列”TBL3”が示されるテーブルポインタ情報”TBL3”をオーバーサンプリング部520へ出力する。
オーバーサンプリング部520は、制御指示部550から出力されたテーブルポインタ情報”TBL3”が入力され、入力されたテーブルポインタ情報”TBL3”と対応付けられているタップ数”d”およびフィルタタップ係数セット”Coeff[3][0],・・・,Coeff[3][d]”をフィルタタップ係数テーブル591から選択する。そして、デコード処理部110から出力されたPCMデータが入力されると、入力されたPCMデータに対して、1サンプル毎に音量振幅が0である0データを挿入し、サンプリング周波数”96kHz”のPCMデータを生成する。さらに、生成したPCMデータに対して、選択したフィルタタップ係数セット”Coeff[3][0],・・・,Coeff[3][d]”を用いて、選択したタップ数”d”分、フィルタ処理(積和演算)を施してエリアジングノイズを除去し、除去したPCMデータを出力する。
拡張帯域生成部130は、オーバーサンプリング部520から出力されたPCMデータが入力され、入力されたPCMデータに基づいて、48kHz付近の成分までの高調波およびノイズ成分で構成される帯域拡張成分を生成し、生成したサンプリング周波数”96kHz”の帯域拡張成分を出力する。
加算器140は、オーバーサンプリング部520から出力されたPCMデータおよび拡張帯域生成部130から出力された拡張帯域成分が入力され、入力されたPCMデータおよび拡張帯域成分を加算し、サンプリング周波数”96kHz”の出力信号を出力する。
続いて、外部インターフェース部160は、同時処理機能情報”ON,ON,OFF”を含む外部指示情報が入力されると、入力された外部指示情報を制御指示部550へ転送する。
制御指示部550は、外部インターフェース部160から転送された外部指示情報を受信し、受信した外部指示情報に含まれる同時処理機能情報”ON,ON,OFF”と対応付けられているフィルタ系列”TBL1”をフィルタ処理制御指示テーブル592から選択し、選択したフィルタ系列”TBL1”が示されるテーブルポインタ情報”TBL1”をオーバーサンプリング部520へ出力する。
オーバーサンプリング部520は、制御指示部550から出力されたテーブルポインタ情報”TBL1”が入力され、入力されたテーブルポインタ情報”TBL1”と対応付けられているタップ数”b”およびフィルタタップ係数セット”Coeff[1][0],・・・,Coeff[1][b]”を選択する。
そして、オーバーサンプリング部520は、デコード処理部110から出力されたPCMデータが入力されると、入力されたPCMデータに対して、1サンプル毎に音量振幅が0である0データを挿入し、サンプリング周波数”96kHz”のPCMデータを生成する。さらに、生成したPCMデータに対して、選択したフィルタタップ係数セット”Coeff[1][0],・・・,Coeff[1][b]”を用いて、選択したタップ数”b”分、フィルタ処理(積和演算)を施してエリアジングノイズを除去し、除去したPCMデータを出力する。
拡張帯域生成部130は、オーバーサンプリング部520から出力されたPCMデータが入力され、入力されたPCMデータに基づいて、48kHz付近の成分までの高調波およびノイズ成分で構成される帯域拡張成分を生成し、生成したサンプリング周波数”96kHz”の帯域拡張成分を出力する。
加算器140は、オーバーサンプリング部520から出力されたPCMデータおよび拡張帯域生成部130から出力された拡張帯域成分が入力され、入力されたPCMデータおよび拡張帯域成分を加算し、サンプリング周波数”96kHz”の出力信号を出力する。
以上説明したように本実施の形態における音響処理装置500によれば、タップ数可変型フィルタ処理部521およびタップ数指定型フィルタタップ係数テーブル保持部523を備えることによって、タップ数可変型フィルタ処理部521におけるフィルタ処理が、指定されたタップ数分行われる。そして、タップ数の少ないフィルタタップ系列が選択された場合には、タップ数可変型フィルタ処理部521における演算処理量が、タップ数が減った分削減される。例えば、デコード処理、同時に実行される付加機能処理の演算量が大きい場合には、タップ数の少ないフィルタタップ系列を選択することで、演算処理量を削減することもでき、処理量を最適化することができる。
また、外部インターフェース部160および同時処理機能情報受信部551を備えることによって、制御指示部550が同時処理機能情報を活用することができる。そして、第1種付加機能処理部581、第2種付加機能処理部582、および第3種付加機能処理部583における音響処理の処理量に応じて、オーバーサンプリング部520におけるフィルタ処理の演算量を調整・制御することができ、音響処理装置500における全体の演算処理量を平滑化することができる。
また、フィルタ処理制御指示テーブルを用いることで、符号化方式情報に応じた最適なフィルタ処理を、判別処理を行うことなく簡単に選択することができる。これにより、処理を簡素にすることができ、音響処理装置の規模や処理量を削減することができる。
なお、第1種付加機能処理部581、第2種付加機能処理部582、および第3種付加機能処理部583を加算器140の後段に配置しする代わりに、オーバーサンプリング部520の前段に配置するとしてもよい。
なお、タップ数可変型フィルタタップ係数テーブルの系列数は特に限定されない。同様に、第1種付加機能処理部、第2種付加機能処理部、および第3種付加機能処理部のような付加機能処理部の数も特に限定されない。
(実施の形態6)
次に、本発明に係る実施の形態6について図面を参照しながら説明する。
本実施の形態における音響処理装置は、オーバーサンプリング部におけるフィルタ処理の状態に応じて、制御指示部から拡張帯域生成部を制御し、拡張帯域生成部から出力される帯域拡張成分の特性を制御することを特徴とする。
以上の点を踏まえて本実施の形態における音響処理装置について説明する。
なお、実施の形態5における音響処理装置500の構成要素と同一の構成要素については、同一の参照符号を付して説明を省略する。
まず、本実施の形態における音響処理装置の構成について説明する。
図21に示されるように、音響処理装置600は、音響処理装置500と比べて、下記(1)〜(4)の点が異なる。
(1)デコード処理部110の代わりに、デコード処理部610を備える。
デコード処理部610は、複数の符号化方式に応じたデコード処理をすることができ、少なくとも、下記(a1)〜(a6)の6種類の符号化方式に対するデコード処理をすることができる。
(a1)ドルビー社のドルビーディジタル符号化方式(AC3)
(a2)MPEG1オーディオ符号化方式 Layer2
(a3)DVD−Video規格リニアPCM
(a4)DTS
(a5)MPEGオーディオ符号化方式 Layer3(MP3)
(a6)CD−DA
また、対応可能なチャンネル構成は、下記(b1)〜(b7)の7種類である。
(b1)センターチャンネル(C)のみであるモノラル(1/0)
(b2)フロント左チャンネル(L)およびフロント右チャンネル(R)で構成されるステレオ(2/0)
(b3)フロント左チャンネル(L)、フロント右チャンネル(R)、およびモノラルリアチャンネル(S)で構成される(2/1)
(b4)フロント左チャンネル(L)、フロント右チャンネル(R)、およびステレオリアチャンネル(Ls、Rs)で構成される(2/2)
(b5)フロント左チャンネル(L)、フロント右チャンネル(R)、およびセンターチャンネル(C)で構成される(3/0)
(b6)フロント左チャンネル(L)、フロント右チャンネル(R)、センターチャンネル(C)、およびモノラルリアチャンネル(S)で構成される(3/1)
(b7)フロント左チャンネル(L)、フロント右チャンネル(R)、センターチャンネル(C)、およびステレオリアチャンネル(Ls、Rs)で構成される(3/2)
(2)オーバーサンプリング部520の代わりに、オーバーサンプリング部620を備える。
オーバーサンプリング部620は、制御指示部650から出力されたチャンネル別フィルタタップ数情報が入力される。そして、デコード処理部610から出力されたPCMデータが入力されると、入力されたPCMデータに対して、N(Nは2以上の整数。)倍にオーバーサンプリングしたPCMデータを生成する。さらに、生成したPCMデータに対して、入力されたチャンネル別フィルタタップ数情報に基づいて、各チャンネルのPCMデータに対してフィルタ処理を施し、エリアジングノイズを除去したPCMデータを出力する。
(3)拡張帯域生成部130の代わりに、拡張帯域生成部630を備える。
拡張帯域生成部630は、オーバーサンプリング部620から出力されたPCMデータが入力され、入力されたPCMデータに基づいて、48kHz付近の成分までの高調波およびノイズ成分で構成されてサンプリング周波数が96kHzである帯域拡張成分を生成する。また、制御指示部650から出力された拡張帯域ゲイン係数情報が入力され、入力された拡張帯域ゲイン係数情報に基づいて、生成した帯域拡張成分に対して、ゲインを調整し、ゲインを調整して音量が制御された帯域拡張成分を出力する。
(4)制御指示部550の代わりに、制御指示部650を備える。
制御指示部650は、外部インターフェース部160から転送された外部指示情報を受信する。また、デコード処理部610から送信されたデコード情報を受信する。受信した外部指示情報およびデコード情報に含まれる各情報と対応付けられているタップ数減算値情報をフィルタ処理制御指示テーブル保持部653に保持されている各テーブルから選択する。選択したタップ数減算値情報を用いてフィルタタップ数情報を算出し、算出したフィルタタップ数情報をオーバーサンプリング部620へ出力する。さらに、算出したフィルタタップ数情報と対応付けられている拡張帯域ゲイン係数情報を拡張帯域制御テーブルから選択し、選択した拡張帯域ゲイン係数情報を拡張帯域生成部630へ出力する。
なお、フィルタタップ数情報は、オーバーサンプリング部620におけるフィルタ処理を制御する制御情報である。
「フィルタ処理制御指示テーブル」とは、オーバーサンプリング部620において施されるフィルタ処理を制御するにあたっての条件が登録されているテーブルをいう。
続いて、本実施の形態におけるデコード処理部610、および制御指示部650の詳細構成について説明する。
図22に示されるように、デコード処理部610は、デコード情報解析部611、PCMデータ生成部612、およびデコード情報送信部613などを備える。
デコード情報解析部611は、オーディオビットストリームが外部から入力されると、入力されたオーディオビットストリームを解析し、解析したオーディオビットストリームからデコード情報を抽出する。そして、抽出したデコード情報をPCMデータ生成部612およびデコード情報送信部613へ出力し、解析したオーディオビットストリームをPCMデータ生成部612へ出力する。
PCMデータ生成部612は、デコード情報解析部611から出力されたデコード情報およびオーディオビットストリームが入力されると、入力されたデコード情報に基づいて、入力されたオーディオビットストリームに対してデコード処理を施してPCMデータを生成し、生成したPCMデータをオーバーサンプリング部620へ出力する。
デコード情報送信部613は、デコード情報解析部611から出力されたデコード情報が入力されると、入力されたデコード情報を制御指示部650へ送信する。
また、図22に示されるように、オーバーサンプリング部620は、0データ挿入部621、およびタップ可変型フィルタ処理部622などを備える。
0データ挿入部621は、デコード処理部610から送信されたPCMデータを受信し、受信したPCMデータに対して1サンプル毎に音量振幅が0である0データを挿入する。挿入したPCMデータをタップ可変型フィルタ処理部622へ送信する。
タップ可変型フィルタ処理部622は、0データ挿入部621から送信されたPCMデータを受信し、受信したPCMデータに対して、タップ数分だけのフィルタ処理を施してエリアジングノイズを除去する。このとき、タップ数は、フィルタタップ係数と、制御指示部650から送信されるタップ数の減算値とに基づいて、決定される。
また、図22に示されるように、拡張帯域生成部630は、拡張帯域コア生成部631、および拡張帯域ゲイン制御部632などを備える。
拡張帯域コア生成部631は、帯域拡張成分を生成する。
拡張帯域ゲイン制御部632は、拡張帯域制御テーブルに基づいて特定される拡張帯域ゲイン係数を帯域拡張成分に乗算してゲインを調整する。
また、図22に示されるように、制御指示部650は、外部指示情報受信部651、フィルタ処理制御部652、フィルタ処理制御指示テーブル保持部653、デコード情報受信部654、拡張帯域制御部655、および拡張帯域制御テーブル保持部656などを備える。
外部指示情報受信部651は、外部インターフェース部160から送信される外部指示情報を受信し、受信した外部指示情報をフィルタ処理制御部652へ送信する。
ここで、外部指示情報には、少なくとも、同時処理機能情報が含まれる。
「同時処理機能情報」とは、第1種付加機能処理部581、第2種付加機能処理部582、および第3種付加機能処理部583の夫々の処理が実施されるか否かを示す制御情報である。具体的には、実施される場合には、”ON”が示され、実施されない場合には、”OFF”が示される制御情報である。
フィルタ処理制御部652は、外部指示情報受信部651から送信された外部指示情報を受信し、デコード情報受信部654から送信されたデコード情報を受信し、受信した外部指示情報およびデコード情報に基づいて、オーバーサンプリング部620におけるオーバーサンプリング処理を制御する。このとき、フィルタ処理制御指示テーブル保持部653に保持されているフィルタ処理制御指示テーブルを用いて、オーバーサンプリング処理に対する制御を特定する。
フィルタ処理制御指示テーブル保持部653は、同時処理機能情報、符号化方式情報、およびチャンネル構成情報毎に、フィルタ処理制御指示テーブルを保持する。
ここでは、一例として、図23に示されるように、同時処理機能別フィルタ処理制御指示テーブル691は、第1種付加機能、第2種付加機能、第3種付加機能、およびタップ数減算値が対応付けられて登録されている。例えば、第1種付加機能”OFF”、第2種付加機能”OFF”、第3種付加機能”OFF”、およびタップ数減算値”0”が対応付けられて登録されている。
また、一例として、図24に示されるように、符号化方式別フィルタ処理制御指示テーブル692は、符号化方式およびタップ数減算値が対応付けられて登録されている。例えば、符号化方式”AC3”およびタップ数減算値”10”が対応付けられて登録されている。
また、一例として、図25に示されるように、チャンネル構成別フィルタ処理制御指示テーブル693は、チャンネル構成および各チャンネルのタップ数減算値が対応付けられて登録されている。例えば、チャンネル構成”1/0”およびセンターチャンネルに対するタップ数減算値”0”のみが対応付けられて登録されている。
デコード情報受信部654は、デコード情報送信部613から送信されたデコード情報を受信し、受信したデコード情報をフィルタ処理制御部652へ転送する。
ここでは、すくなくとも、デコード情報にはチャンネル構成情報および符号化方式情報が含まれる。
拡張帯域制御部655は、フィルタ処理制御部652から出力されたフィルタタップ数情報が入力されると、入力されたフィルタタップ数情報から特定される拡張帯域ゲイン係数情報を拡張帯域制御テーブルから選択し、選択した拡張帯域ゲイン係数情報を拡張帯域生成部630へ出力する。そして、拡張帯域生成部630から出力される拡張帯域成分の音量を制御する。
拡張帯域制御テーブル保持部656は、拡張帯域制御テーブルを保持する。ここでは、一例として、図26に示されるように、拡張帯域制御テーブル694は、フィルタタップ数および拡張帯域ゲイン係数が対応付けられて登録されている。例えば、フィルタタップ数”160以上”および拡張帯域ゲイン係数”0dB”が対応付けられて登録されている。
続いて、本実施の形態における音響処理装置600の動作例について説明する。ここでは、外部から音響処理装置600に、第1種ストリーム、第2種ストリームが順に入力される場合について説明する。
なお、第1種ストリームは、符号化方式”AC3”で符号化されたオーディオビットストリームであり、そのチャンネル構成は、5チャンネル”3/2”である。また、第2種ストリームは、符号化方式”DVD−Video規格リニアPCM”で符号化されたオーディオビットストリームであり、そのチャンネル構成は、2チャンネル”2/0”である。また、第1種ストリームおよび第2種ストリームの夫々のサンプリング周波数は”48kHz”である。
なお、第1種ストリームが外部から音響処理装置600に入力される前に、同時処理機能情報”ON,ON,OFF”が音響処理装置600に入力される。また、第2種ストリームが入力される前に、同時処理機能情報”OFF,ON,OFF”が音響処理装置600に入力される。
なお、フィルタ処理制御部652は、外部指示情報およびデコード情報に基づいて、同時処理機能別フィルタ処理制御指示テーブル691(図23参照。)、符号化方式別フィルタ処理制御指示テーブル692(図24参照。)、チャンネル構成別フィルタ処理制御指示テーブル693(図25参照。)のいずれかのテーブルからタップ数減算値を選択する。
なお、オーバーサンプリング部620におけるフィルタ処理の最大タップ数を160タップとする。
まず、第1種ストリームが外部から音響処理装置600に入力された場合について説明する。
外部インターフェース部160は、同時処理機能情報”ON,ON,OFF”を含む外部指示情報が外部から入力されると、入力された外部指示情報を制御指示部650へ転送する。
デコード処理部610は、第1種ストリームが外部から入力されると、入力された第1種ストリームを解析し、解析した第1種ストリームから符号化方式情報”AC3”およびチャンネル構成情報”3/2”を含むデコード情報を抽出し、抽出したデコード情報を制御指示部750へ送信する。また、抽出したデコード情報に基づいて、解析した第1種ストリームに対してデコード処理を施してサンプリング周波数”96kHz”のPCMデータを生成し、生成したPCMデータをオーバーサンプリング部620へ出力する。
制御指示部650は、外部インターフェース部160から転送された外部指示情報を受信する。また、デコード処理部610から送信されたデコード情報を受信する。そして、受信した外部指示情報に含まれる同時処理機能情報”ON,ON,OFF”と対応付けられているタップ数減算値情報”15”を同時処理機能別フィルタ処理制御指示テーブル691から選択する。受信したデコード情報に含まれる符号化方式情報”AC3”と対応付けられているタップ数減算値情報”10”を符号化方式別フィルタ処理制御指示テーブル692から選択する。受信したデコード情報に含まれるチャンネル構成情報”3/2”と対応付けられているタップ数減算値情報”15,15,20,20,20”をチャンネル構成別フィルタ処理制御指示テーブル693から選択する。
さらに、制御指示部650は、選択した各タップ数減算値情報に基づいて、各チャンネルのタップ数を下記(a1)〜(a5)のように算出する。ここで、フロント左チャンネルのタップ数をTapN(L)とし、フロント右チャンネルのタップ数をTapN(R)とし、センターチャンネルのタップ数をTapN(C)とし、リア左チャンネルのタップ数をTapN(Ls)とし、リア右チャンネルのタップ数をTapN(Rs)とする。
(a1)TapN(L)=160−15−10−15=120
(a2)TapN(R)=160−15−10−15=120
(a3)TapN(C)=160−15−10−20=115
(a4)TapN(Ls)=160−15−10−20=115
(a5)TapN(Rs)=160−15−10−20=115
さらに、制御指示部650は、算出したフィルタタップ数を含むフィルタタップ数情報”120,120,115,115,115”をオーバーサンプリング部620へ出力する。また、算出した各チャンネルのフィルタタップ数と対応付けられている拡張帯域ゲイン係数を、下記(b1)〜(b5)のように、拡張帯域制御テーブル694から選択する。
(b1)フロント左チャンネルに対して拡張帯域ゲイン係数”−12dB”を選択する。
(b2)フロント右チャンネルに対して拡張帯域ゲイン係数”−12dB”を選択する。
(b3)センターチャンネルに対して拡張帯域ゲイン係数”−15dB”を選択する。
(b4)リア左チャンネルに対して拡張帯域ゲイン係数”−15dB”を選択する。
(b5)リア右チャンネルに対して拡張帯域ゲイン係数”−15dB”を選択する。
そして、制御指示部650は、選択した各チャンネルの拡張帯域ゲイン係数を含む拡張帯域ゲイン係数情報”−12dB,−12dB,−15dB,−15dB,−15dB”を拡張帯域生成部630へ出力する。
オーバーサンプリング部620は、制御指示部650から出力されたチャンネル別フィルタタップ数情報”120,120,115,115,115”が入力される。そして、デコード処理部610から出力されたPCMデータが入力されると、入力されたPCMデータに対して、1サンプル毎に音量振幅が0である0データを挿入し、サンプリング周波数”96kHz”のPCMデータを生成する。さらに、生成したPCMデータに対して、入力されたチャンネル別フィルタタップ数情報”120,120,115,115,115”に基づいて、各チャンネルのPCMデータに対して、フィルタ処理を施してエリアジングノイズを除去し、除去したサンプリング周波数”96kHz”のPCMデータを出力する。
拡張帯域生成部630は、オーバーサンプリング部620から出力されたPCMデータが入力され、入力されたPCMデータに基づいて、48kHz付近の成分までの高調波およびノイズ成分で構成される帯域拡張成分を生成する。また、制御指示部650から出力されたチャンネル別拡張帯域ゲイン係数情報”−12dB,−12dB,−15dB,−15dB,−15dB”が入力され、入力されたチャンネル別拡張帯域ゲイン係数情報”−12dB,−12dB,−15dB,−15dB,−15dB”に基づいて、生成した拡張帯域成分に対して、チャンネル毎にゲインを調整し、ゲインを調整して音量が制御されたサンプリング周波数”96kHz”の帯域拡張成分を出力する。
加算器140は、オーバーサンプリング部620から出力されたPCMデータおよび拡張帯域生成部630から出力された拡張帯域成分が入力され、入力されたPCMデータおよび拡張帯域成分を加算し、サンプリング周波数”96kHz”の出力信号を出力する。
続いて、第2種ストリームが外部から音響処理装置600に入力された場合について説明する。
外部インターフェース部160は、同時処理機能情報”OFF,ON,OFF”を含む外部指示情報が外部から入力されると、入力された外部指示情報を制御指示部650へ転送する。
デコード処理部610は、第2種ストリームが外部から入力されると、入力された第2種ストリームを解析し、解析した第2種ストリームから符号化方式情報”DVD−Video規格リニアPCM”およびチャンネル構成情報”2/0”を含むデコード情報を抽出し、抽出したデコード情報を制御指示部750へ送信する。また、抽出したデコード情報に基づいて、解析した第2種ストリームに対してデコード処理を施してサンプリング周波数”96kHz”のPCMデータを生成し、生成したPCMデータをオーバーサンプリング部620へ出力する。
制御指示部650は、外部インターフェース部160から転送された外部指示情報を受信する。また、デコード処理部610から送信されたデコード情報を受信する。そして、受信した外部指示情報に含まれる同時処理機能情報”OFF,ON,OFF”と対応付けられているタップ数減算値情報”5”を同時処理機能別フィルタ処理制御指示テーブル691から選択する。受信したデコード情報に含まれる符号化方式情報”DVD−Video規格リニアPCM”と対応付けられているタップ数減算値情報”5”を符号化方式別フィルタ処理制御指示テーブル692から選択する。受信したデコード情報に含まれるチャンネル構成情報”2/0”と対応付けられているタップ数減算値情報”5,5,−,−,−”をチャンネル構成別フィルタ処理制御指示テーブル693から選択する。
さらに、制御指示部650は、選択した各タップ数減算値情報に基づいて、各チャンネルのタップ数を下記(a1)、(a2)のように算出する。ここで、フロント左チャンネルのタップ数をTapN(L)とし、フロント右チャンネルのタップ数をTapN(R)とする。
(a1)TapN(L)=160−5−5−5=145
(a2)TapN(R)=160−5−5−5=145
さらに、制御指示部650は、算出したフィルタタップ数を含むフィルタタップ数情報”145,145,−,−,−”をオーバーサンプリング部620へ出力する。また、算出した各チャンネルのフィルタタップ数から特定される各チャンネルの拡張帯域ゲイン係数を、下記(b1)、(b2)のように、拡張帯域制御テーブル694から選択する。
(b1)フロント左チャンネルに対して拡張帯域ゲイン係数”−6dB”を選択する。
(b2)フロント右チャンネルに対して拡張帯域ゲイン係数”−6dB”を選択する。
そして、制御指示部650は、選択した各チャンネルの拡張帯域ゲイン係数を含むチャンネル別拡張帯域ゲイン係数情報”−6dB,−6dB,−,−,−”を拡張帯域生成部630へ出力する。
オーバーサンプリング部620は、制御指示部650から出力されたチャンネル別フィルタタップ数情報”145,145,−,−,−”が入力される。そして、デコード処理部610から出力されたPCMデータが入力されると、入力されたPCMデータに対して、1サンプル毎に音量振幅が0である0データを挿入し、サンプリング周波数が96kHzであるPCMデータを生成する。さらに、生成したPCMデータに対して、入力されたチャンネル別フィルタタップ数情報”145,145,−,−,−”に基づいて、各チャンネルのPCMデータに対してフィルタ処理を施し、エリアジングノイズを除去したサンプリング周波数が96kHzであるPCMデータを出力する。
拡張帯域生成部630は、オーバーサンプリング部620から出力されたPCMデータが入力され、入力されたPCMデータに基づいて、48kHz付近の成分までの高調波およびノイズ成分で構成されてサンプリング周波数”96kHz”の帯域拡張成分を生成する。また、制御指示部650から出力されたチャンネル別拡張帯域ゲイン係数情報”−6dB,−6dB,−,−,−”が入力され、入力されたチャンネル別拡張帯域ゲイン係数情報”−6dB,−6dB,−,−,−”に基づいて、生成した拡張帯域成分に対して、チャンネル毎にゲインを調整し、ゲインを調整して音量が制御された帯域拡張成分を加算器140へ送信する。
加算器140は、オーバーサンプリング部620から出力されたPCMデータおよび拡張帯域生成部630から出力された拡張帯域成分が入力され、入力されたPCMデータおよび拡張帯域成分を加算し、サンプリング周波数”96kHz”の出力信号を出力する。
以上説明したように本実施の形態における音響処理装置600によれば、帯域拡張制御部655を備えることによって、オーバーサンプリング部520におけるフィルタ処理の状態によって拡張帯域生成部630における帯域拡張処理を自動的に制御できる。そして、拡張帯域生成部630における帯域拡張処理を自動的に制御できる分、より最適な再生信号を楽しむことができる。
また、デコード処理部610、外部インターフェース部160、および制御指示部650を備えることによって、外部指示およびデコード条件に応じて、オーバーサンプリング部520におけるフィルタ処理を制御することができる。結果、オーバーサンプリング部520におけるエリアジング除去特性やフィルタ処理にかかる演算量を、外部指示およびデコード情報などの複数の条件に応じて自動的に制御することができる。さらに、エリアジング除去特性の設定次第では、エリアジングノイズを帯域拡張成分に利用することもでき、デコード情報に対するフィルタ処理の特性を変化させることで、エリアジングノイズの付加状況を調節することもできる。
また、フィルタ処理制御指示テーブル保持部653を備えることによって、外部指示情報およびデコード情報の各情報に応じた最適なフィルタ処理条件を、判別処理を行うことなく簡単に選択することができるので、処理を簡素化することができる。そして、処理を簡素化することができる分、音響処理装置の規模、処理量などを削減することができる。
なお、同時処理機能情報受信部を制御指示部に備えることによって、同時処理機能情報の通信ができ、同時に処理する音響機能の処理量の使用状況に応じて、オーバーサンプリング部におけるフィルタ処理にかかる演算量を調整・制御することができる。
なお、チャンネル構成情報送信部をデコード処理部に備え、チャンネル構成情報受信部を制御指示部に備えることによって、デコード処理部において処理されるチャンネル構成に応じて、オーバーサンプリング部におけるフィルタ処理に用いられるフィルタ特性を制御することができる。例えば、デコード処理部において処理されるチャンネル数に応じて、オーバーサンプリング部におけるフィルタ処理にかかる演算量を制御することができる。また、デコード処理部において処理されるチャンネルの組み合わせによって、チャンネル毎に対するフィルタ処理を変えることもできる。
なお、符号化方式情報送信部をデコード処理部に備え、符号化方式情報受信部を制御指示部に備えることによって、デコード処理部において処理される符号化方式の帯域特性、演算処理量に応じて、オーバーサンプリング部におけるエリアジング除去特性、フィルタ処理にかかる演算量を制御することができる。
(実施の形態7)
次に、本発明に係る実施の形態7について図面を参照しながら説明する。
本実施の形態における音響処理装置は、オーバーサンプリング部におけるフィルタ処理の状態に応じて、制御指示部から帯域可変バンドパスフィルタ部を制御し、帯域可変バンドパスフィルタ部から出力される帯域拡張成分の特性を制御することを特徴とする。
以上の点を踏まえて本実施の形態における音響処理装置について説明する。
なお、実施の形態6における音響処理装置600の構成要素と同一の構成要素については、同一の参照符号を付して説明を省略する。
まず、本実施の形態における音響処理装置の構成について説明する。
図27に示されるように、音響処理装置700は、音響処理装置600と比べて、下記(1)〜(3)の点が異なる。
(1)拡張帯域生成部630の代わりに、拡張帯域生成部730を備える。
拡張帯域生成部730は、オーバーサンプリング部620から出力されたPCMデータが入力され、入力されたPCMデータに基づいて、48kHz付近の成分までの高調波およびノイズ成分で構成されてサンプリング周波数が96kHzである帯域拡張成分を生成し、生成した帯域拡張成分を出力する。
例えば、サンプリング周波数が96kHzであるPCMデータがオーバーサンプリング部620から出力された場合には、拡張帯域生成部730は、オーバーサンプリング部620から出力されたサンプリング周波数が96kHzであるPCMデータに基づいて、48kHz付近の成分までの高調波およびノイズ成分で構成される帯域拡張成分を生成して出力する。
(2)制御指示部650の代わりに、制御指示部750を備える。
制御指示部750は、外部インターフェース部160から転送された外部指示情報を受信する。また、デコード処理部610から送信されたデコード情報を受信する。受信した外部指示情報およびデコード情報に含まれる各情報と対応付けられているタップ数減算値情報をフィルタ処理制御指示テーブル保持部653に保持されている各テーブルから選択する。選択したタップ数減算値情報を用いてフィルタタップ数情報を算出し、算出したフィルタタップ数情報をオーバーサンプリング部620へ出力する。さらに、算出したフィルタタップ数情報と対応付けられているフィルタタイプ情報をバンドパスフィルタ制御テーブルから選択し、選択したフィルタタイプ情報を帯域可変バンドパスフィルタ部770へ出力する。
(3)新たに帯域可変バンドパスフィルタ部770を備える。
帯域可変バンドパスフィルタ部770は、制御指示部750から出力されたフィルタタイプ情報が入力され、入力されたフィルタタイプ情報に基づいて、フィルタ処理を施すタイプを設定し、設定したタイプの帯域拡張成分が入力されると、入力された帯域拡張成分に対して、可変的に設定された通過帯域の成分を出力する。
続いて、本実施の形態における制御指示部750の詳細構成について説明する。
図28に示されるように、制御指示部750は、制御指示部650と比べて、下記(1)、(2)の点が異なる。
(1)拡張帯域制御部655の代わりに、バンドパスフィルタ制御部751を備える。
バンドパスフィルタ制御部751は、各チャンネルに対するフィルタタイプ情報を設定し、設定したフィルタタイプ情報を帯域可変バンドパスフィルタ部770へ送信する。
(2)新たにバンドパスフィルタ制御テーブル保持部752を備える。
バンドパスフィルタ制御テーブル保持部752は、バンドパスフィルタ制御テーブルを保持する。ここでは、一例として、図29に示されるように、フィルタタップ数情報およびフィルタタイプ情報が対応付けられて登録されているバンドパスフィルタ制御テーブル791である。例えば、バンドパスフィルタ制御テーブル791には、フィルタタップ数情報(160以上)およびフィルタタイプ情報(BPF0)が対応づけられて登録されている。
続いて、本実施の形態における音響処理装置700の動作例について説明する。ここでは、外部から音響処理装置700に、サンプリング周波数が48kHzであるオーディオビットストリームが入力される場合について説明する。
なお、ストリームは、符号化方式がAC3のオーディオビットストリームであり、そのチャンネル構成が5チャンネル(3/2)であり、第1種付加機能処理部581の同時処理がONであり、第2種付加機能処理部582の同時処理がONであり、第3種付加機能処理部583の同時処理がOFFである。
なお、フィルタ処理制御部652は、外部指示情報およびデコード情報からタップ数減算値を特定するにあたり、同時処理機能別フィルタ処理制御指示テーブル691(図23参照。)、符号化方式別フィルタ処理制御指示テーブル692(図24参照。)、チャンネル構成別フィルタ処理制御指示テーブル693(図25参照。)を用いる。
なお、オーバーサンプリング部620におけるフィルタ処理の最大タップ数を160タップとする。
外部インターフェース部160は、同時処理機能情報”ON,ON,OFF”を含む外部指示情報が外部から入力されると、入力された外部指示情報を制御指示部650へ転送する。
デコード処理部610は、ストリームが外部から入力されると、入力されたストリームを解析し、解析したストリームから符号化方式情報”AC3”およびチャンネル構成情報”3/2”を含むデコード情報を抽出し、抽出したデコード情報を制御指示部750へ送信する。また、抽出したデコード情報に基づいて、解析したストリームに対してデコード処理を施し、サンプリング周波数”48kHz”のPCMデータを生成し、生成したPCMデータをオーバーサンプリング部620へ出力する。
制御指示部750は、外部インターフェース部160から転送された外部指示情報を受信する。また、デコード処理部610から送信されたデコード情報を受信する。そして、受信した外部指示情報に含まれる同時処理機能情報”ON,ON,OFF”と対応付けられているタップ数減算値情報”15”を同時処理機能別フィルタ処理制御指示テーブル691から選択する。受信したデコード情報に含まれる符号化方式情報”AC3”と対応付けられているタップ数減算値情報”10”を符号化方式別フィルタ処理制御指示テーブル692から選択する。受信したデコード情報に含まれるチャンネル構成情報”3/2”と対応付けられているタップ数減算値情報”15,15,20,20,20”をチャンネル構成別フィルタ処理制御指示テーブル693から選択する。選択した各タップ数減算値情報に基づいて、各チャンネルのフィルタタップ数を下記(a1)〜(a5)のように算出する。ここで、フロント左チャンネルのタップ数をTapN(L)とし、フロント右チャンネルのタップ数をTapN(R)とし、センターチャンネルのタップ数をTapN(C)とし、リア左チャンネルのタップ数をTapN(Ls)とし、リア右チャンネルのタップ数をTapN(Rs)とする。
(a1)TapN(L)=160−15−10−15=120
(a2)TapN(R)=160−15−10−15=120
(a3)TapN(C)=160−15−10−20=115
(a4)TapN(Ls)=160−15−10−20=115
(a5)TapN(Rs)=160−15−10−20=115
さらに、制御指示部750は、算出した各チャンネルのフィルタタップ数を含むチャンネル別フィルタタップ数情報”120,120,115,115,115”をオーバーサンプリング部620へ出力する。また、算出した各チャンネルのフィルタタップ数から特定される各チャンネルのフィルタタイプを下記(b1)〜(b5)のようにバンドパスフィルタ制御テーブル791から選択する。
(b1)フロント左チャンネルに対してフィルタタイプ”BPF4”を選択する。
(b2)フロント右チャンネルに対してフィルタタイプ”BPF4”を選択する。
(b3)センターチャンネルに対してフィルタタイプ”BPF5”を選択する。
(b4)リア左チャンネルに対してフィルタタイプ”BPF5”を選択する。
(b5)リア右チャンネルに対してフィルタタイプ”BPF5”を選択する。
そして、制御指示部750は、選択した各チャンネルのフィルタタイプを含むチャンネル別フィルタタイプ情報”BPF4,BPF4,BPF5,BPF5,BPF5”を帯域可変バンドパスフィルタへ出力する。
オーバーサンプリング部620は、制御指示部750から出力されたチャンネル別フィルタタップ数情報”120,120,115,115,115”が入力される。そして、デコード処理部610から出力されたPCMデータが入力されると、入力されたPCMデータに対して、1サンプル毎に音量振幅が0であるデータを挿入し、サンプリング周波数”96kHz”のPCMデータを生成する。さらに、生成したPCMデータに対して、入力されたチャンネル別フィルタタップ数情報”120,120,115,115,115”に基づいて、各チャンネルのPCMデータに対してフィルタ処理を施し、エリアジングノイズを除去したサンプリング周波数”96kHz”のPCMデータを出力する。
拡張帯域生成部730は、オーバーサンプリング部620から出力されたPCMデータが入力され、入力されたPCMデータに基づいて、48kHz付近の成分までの高調波およびノイズ成分で構成されてサンプリング周波数”96kHz”の帯域拡張成分を生成し、生成した帯域拡張成分を出力する。
帯域可変バンドパスフィルタ部770は、制御指示部750から出力されたチャンネル別フィルタタイプ情報”BPF4,BPF4,BPF5,BPF5,BPF5”が入力され、入力されたチャンネル別フィルタタイプ情報”BPF4,BPF4,BPF5,BPF5,BPF5”に基づいて、フィルタ処理を施すタイプを設定し、設定したタイプの帯域拡張成分が入力されると、入力された帯域拡張成分に対して、可変的に設定された通過帯域の成分を出力する。
加算器140は、オーバーサンプリング部620から出力されたPCMデータおよび帯域可変バンドパスフィルタ部770から出力された拡張帯域成分が入力され、入力されたPCMデータおよび拡張帯域成分を加算し、サンプリング周波数”96kHz”の出力信号を出力する。
以上説明したように本実施の形態における音響処理装置700によれば、バンドパスフィルタ制御部751を設けることで、オーバーサンプリング部620におけるフィルタ処理の状態に応じて、帯域可変バンドパスフィルタ部770から出力される帯域拡張成分の特性を自動的に制御をすることができる。そして、帯域拡張成分の特性を自動的に制御することができる分、より最適な再生信号を楽しむことができる。
(その他)
なお、音響処理装置は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、HD(Hard Disk)、DSP(Digital Signal Processor)、CODEC等から構成されるとしてもよい。
また、この場合において、ROMまたはHDに、OS(Operating System)、OSの稼働下で実行される音響処理プログラムがインストールされており、音響処理プログラムが実行されることによって、音響処理装置における各機能が実現されるとしてもよい。
また、音響処理プログラムを、コンピュータシステム、組み込みシステムなどのようなハードウェアシステムに読み出され得るように、光学記録媒体(例えば、CD−ROM等。)、磁気記録媒体(例えば、ハードディスク等。)、光磁気記録媒体(例えば、MO等。)、半導体記録媒体(例えば、メモリカード等。)などのようなコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録しておくとしてもよい。
また、ネットワーク上のハードウェアシステムに音響処理プログラムを保持しておき、ネットワークを介して音響処理プログラムをダウンロードした他のハードウェアシステムにおいて実行されるとしてもよい。
なお、音響処理装置を構成する1以上の機能は、不揮発性の記憶装置に格納されているプログラムによって音響処理装置に実現されるとしてもよいし、システムLSIに組み込まれているとしてもよい。
なお、システムLSIは、フルカスタムLSI(Large Scale Integration)によって実現されるとしてもよい。また、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)などのようなセミカスタムLSIによって実現されるとしてもよい。また、FPGA(Field Programmable Gate Array)、CPLD(Complex Programmable Logic Device)などのようなプログラマブル・ロジック・デバイスによって実現されるとしてもよい。また、動的に回路構成が書き換え可能なダイナミック・リコンフィギュラブル・デバイスとして実現されるとしてもよい。
さらに、音響処理装置を構成する1以上の機能を、これらのLSIに形成する設計データは、VHDL(Very high speed integrated circuit Hardware Description Language)、Verilog−HDL、SystemCなどのようなハードウェア記述言語によって記述されたプログラム(以下、HDLプログラムと呼称する。)としてもよい。また、HDLプログラムを論理合成して得られるゲート・レベルのネットリストとしてもよい。また、ゲート・レベルのネットリストに、配置情報、プロセス条件などを付加したマクロセル情報としてもよい。また、寸法、タイミングなどが規定されたマスクデータとしてもよい。
さらに、コンピュータシステム、組み込みシステムなどのようなハードウェアシステムに読み出され得るように、光学記録媒体(例えば、CD−ROM等。)、磁気記録媒体(例えば、ハードディスク等。)、光磁気記録媒体(例えば、MO等。)、半導体メモリ(例えば、RAM等。)などのようなコンピュータ読み取り可能な記録媒体に設計データを記録しておくとしてもよい。そして、記録媒体を介して他のハードウェアシステムに読み取られた設計データが、ダウンロードケーブルを介して、プログラマブル・ロジック・デバイスにダウンロードされるとしてもよい。
または、ネットワークなどのような伝送路を経由して他のハードウェアシステムに取得され得るように、伝送路上のハードウェアシステムに設計データを保持しておくとしてもよい。さらに、ハードウェアシステムから伝送路を介して、他のハードウェアシステムに取り込まれた設計データが、ダウンロードケーブルを介して、プログラマブル・ロジック・デバイスにダウンロードされるとしてもよい。
または、論理合成、配置、配線された設計データを、通電時にFPGAに転送され得るように、シリアルROMに記録しておくとしてもよい。そして、シリアルROMに記録された設計データは、通電時に、直接、FPGAにダウンロードされるとしてもよい。
または、論理合成、配置、配線された設計データは、通電時に、マイクロプロセッサによって生成されてFPGAにダウンロードされるとしてもよい。
本発明は、オーディオ圧縮符号化信号を復号する音響処理装置等として、特に、リアルタイム性を維持しつつも最適な帯域拡張処理を行うことにより高音質再生を実現する音響処理装置等として、利用することができる。
実施の形態1における音響処理装置の構成を示す図である。 実施の形態1におけるオーバーサンプリング部および制御指示部の構成を示す図である。 実施の形態1におけるフィルタタップ係数テーブルの例を示す図である。 実施の形態1におけるデコード処理後のPCM信号波形および周波数特性の例を示す図である。 実施の形態1における0データ挿入後のPCM信号波形および周波数特性の例を示す図である。 実施の形態1におけるオーバーサンプリング処理後のPCM信号波形および周波数特性の例を示す図である。 実施の形態2における音響処理装置の構成を示す図である。 実施の形態2におけるデコード処理部、オーバーサンプリング部、および制御指示部の構成を示す図である。 実施の形態2における共通フィルタタップ係数テーブルの例を示す図である。 実施の形態2における固有フィルタタップ係数テーブルの例を示す図である。 実施の形態3における音響処理装置の構成を示す図である。 実施の形態3におけるデコード処理部、オーバーサンプリング部、および制御指示部の構成を示す図である。 実施の形態3におけるフィルタ処理制御指示テーブルの例を示す図である。 実施の形態4における音響処理装置の構成を示す図である。 実施の形態4におけるデコード処理部、オーバーサンプリング部、および制御指示部の構成を示す図である。 実施の形態4におけるフィルタ処理制御指示テーブルの例を示す図である。 実施の形態5における音響処理装置の構成を示す図である。 実施の形態5におけるオーバーサンプリング部、および制御指示部の構成を示す図である。 実施の形態5におけるフィルタタップ係数テーブルの例を示す図である。 実施の形態5におけるフィルタ処理制御指示テーブルの例を示す図である。 実施の形態6における音響処理装置の構成を示す図である。 実施の形態6におけるデコード処理部、および制御指示部の構成を示す図である。 実施の形態6における同時処理機能別フィルタ処理制御指示テーブルの例を示す図である。 実施の形態6における符号化式別フィルタ処理制御指示テーブルの例を示す図である。 実施の形態6におけるチャンネル構成別フィルタ処理制御指示テーブルの例を示す図である。 実施の形態6における拡張帯域制御テーブルの例を示す図である。 実施の形態7における音響処理装置の構成を示す図である。 実施の形態7における制御指示部の構成を示す図である。 実施の形態7におけるバンドパスフィルタ制御テーブルの例を示す図である。 従来の形態における音響処理装置の構成を示す図である。
符号の説明
10,100,200,300,400,500,600,700 音響処理装置
11,110,210,310,410,610 デコード処理部
12,120,220,320,420,520,620 オーバーサンプリング部
91 PCM信号波形
92 周波数特性
93 PCM信号波形
94 周波数特性
95 PCM信号波形
96 周波数特性
121 0データ挿入部
122 フィルタ処理部
123 フィルタタップ係数選択部
124 フィルタタップ係数テーブル保持部
13,130,630 拡張帯域生成部
15,140 加算器
150,250,350,450,550,650,750 制御指示部
151 フィルタタイプ選択情報受信部
152 フィルタ処理制御部
160 外部インターフェース部
191 フィルタタップ係数テーブル
211 デコード情報解析部
212 PCMデータ生成部
213 サンプリング周波数情報送信部
221 フィルタ処理部
222 フィルタタップ係数アサイナ部
223 共通フィルタタップ係数テーブル保持部
224 固有フィルタタップ係数テーブル保持部
251 サンプリング周波数情報受信部
252 フィルタ処理制御部
291 共通フィルタタップ係数テーブル
292 固有フィルタタップ係数テーブル
311 デコード情報解析部
312 符号化方式情報送信部
321 タップ数可変型フィルタ処理部
351 符号化方式情報受信部
352 フィルタ処理制御部
353 フィルタ処理制御指示テーブル保持部
391 フィルタ処理制御指示テーブル
411 デコード情報解析部
412 チャンネル構成情報送信部
421 フィルタ処理部
422 切替器
423 高性能型フィルタ処理部
424 簡易処理型フィルタ処理部
451 チャンネル構成情報受信部
452 フィルタ処理制御部
453 フィルタ処理制御指示テーブル保持部
491 フィルタ処理制御指示テーブル
521 タップ数可変型フィルタ処理部
522 フィルタタップ係数選択部
523 タップ数指定型フィルタタップ係数テーブル保持部
551 同時処理機能情報受信部
552 フィルタ処理制御部
553 フィルタ処理制御指示テーブル保持部
581 第1種付加機能処理部
582 第2種付加機能処理部
583 第3種付加機能処理部
591 フィルタタップ係数テーブル
592 フィルタ処理制御指示テーブル
611 デコード情報解析部
612 PCMデータ生成部
613 デコード情報送信部
621 0データ挿入部
622 タップ数可変型フィルタ処理部
631 拡張帯域コア生成部
632 拡張帯域ゲイン制御部
651 外部指示情報受信部
652 フィルタ処理制御部
653 フィルタ処理制御指示テーブル保持部
654 デコード情報受信部
655 拡張帯域制御部
656 拡張帯域制御テーブル保持部
691 同時処理機能別フィルタ処理制御指示テーブル
692 符号化方式別フィルタ処理制御指示テーブル
693 チャンネル構成別フィルタ処理制御指示テーブル
694 拡張帯域制御テーブル
751 バンドパスフィルタ制御部
752 バンドパスフィルタ制御テーブル保持部
770 帯域可変バンドパスフィルタ部
791 バンドパスフィルタ制御テーブル

Claims (20)

  1. 符号化された音声信号をPCMデータに復号して再生する音響処理装置であって、
    前記音声信号から復号された前記PCMデータをオーバーサンプリングすることによって生じるエリアジングノイズを除去するオーバーサンプリング手段と、
    前記音声信号から抽出されたデコード情報、外部から入力された外部指示情報、およびこれらを組み合わせたもののいずれかに基づいて前記オーバーサンプリング手段を制御する制御指示手段と
    を備えることを特徴とする音響処理装置。
  2. 前記オーバーサンプリング手段は、
    前記PCMデータをオーバーサンプリングする0データ挿入部と、
    オーバーサンプリングしたPCMデータに対してエリアジングノイズを除去して出力するフィルタ処理部と
    を備え、
    前記制御指示手段は、前記オーバーサンプリング手段を制御する制御情報を前記デコード情報、前記外部指示情報、およびこれらを組み合わせたもののいずれかに基づいて特定し、特定した制御情報を前記オーバーサンプリング手段へ出力することによって前記フィルタ処理部を制御するフィルタ処理制御部
    を備えることを特徴とする請求項1に記載の音響処理装置。
  3. 前記デコード情報は、前記音声信号のチャンネル構成が特定されるチャンネル構成情報を含み、
    前記フィルタ処理制御部は、前記チャンネル構成情報と対応付けられている前記制御情報を前記オーバーサンプリング手段へ出力することによって前記フィルタ処理部を制御する
    ことを特徴とする請求項2に記載の音響処理装置。
  4. 前記デコード情報は、前記音声信号の符号化方式が特定される符号化方式情報を含み、
    前記フィルタ処理制御部は、前記符号化方式情報と対応付けられている前記制御情報を前記オーバーサンプリング手段へ出力することによって前記フィルタ処理部を制御する
    ことを特徴とする請求項2に記載の音響処理装置。
  5. 前記デコード情報は、前記音声信号のサンプリング周波数が特定されるサンプリング周波数情報を含み、
    前記フィルタ処理制御部は、前記サンプリング周波数情報と対応付けられている前記制御情報を前記オーバーサンプリング手段へ出力することによって前記フィルタ処理部を制御する
    ことを特徴とする請求項2に記載の音響処理装置。
  6. 前記オーバーサンプリング手段は、
    複数系列のフィルタタップ係数セットが登録されているフィルタタップ係数テーブルを保持するフィルタタップ係数テーブル保持部と、
    前記フィルタタップ係数テーブルから前記制御情報に基づいてフィルタタップ係数セットを選択するフィルタタップ係数選択部と
    を備え、
    前記フィルタ処理部は、前記フィルタタップ係数選択部によって選択されたフィルタタップ係数セットを用いてエリアジングノイズを除去する
    ことを特徴とする請求項2に記載の音響処理装置。
  7. 前記オーバーサンプリング手段は、
    1系列の共通フィルタタップ係数セットが登録されている共通フィルタタップ係数テーブルを保持する共通フィルタタップ係数テーブル保持部と、
    複数系列の固有フィルタタップ係数セットが登録されている固有フィルタタップ係数テーブルとを保持する固有フィルタタップ係数テーブル保持部と、
    前記共通フィルタタップ係数テーブルから共通フィルタタップ係数セットを読み出し、前記固有フィルタタップ係数テーブルから前記制御情報に基づいて固有フィルタタップ係数セットを選択し、読み出した共通フィルタタップ係数セットと、選択した固有フィルタタップ係数セットとを組み合わせて合成フィルタタップ係数セットを生成するフィルタタップ係数アサイナ部と
    を備え、
    前記フィルタ処理部は、前記フィルタタップ係数アサイナ部によって生成された合成フィルタタッップ係数セットを用いてエリアジングノイズを除去する
    ことを特徴とする請求項2に記載の音響処理装置。
  8. 前記オーバーサンプリング手段は、
    タップ数およびフィルタタップ係数セットが対応付けられて登録されているフィルタタップ係数テーブルを保持するフィルタタップ係数テーブル保持部と、
    前記フィルタタップ係数テーブルから前記制御情報に基づいてタップ数およびフィルタタップ係数セットを選択するフィルタタップ係数選択部と
    を備え、
    前記フィルタ処理部は、前記フィルタタップ係数選択部によって選択されたタップ数およびフィルタタップ係数セットを用いてエリアジングノイズを除去する
    ことを特徴とする請求項2に記載の音響処理装置。
  9. 前記制御情報は、フィルタタップ数が示されるフィルタタップ数情報を含み、
    前記フィルタ処理部は、前記制御指示手段から出力された前記制御情報に含まれる前記フィルタタップ数情報を用いてエリアジングノイズを除去する
    ことを特徴とする請求項2に記載の音響処理装置。
  10. 前記フィルタ処理部は、
    第1種フィルタと、
    前記第1種フィルタと比べて演算処理が簡易である第2種フィルタと、
    オーバーサンプリングされたPCMデータを前記制御情報に基づいて前記第1種フィルタおよび前記第2種フィルタのいずれかに出力するフィルタ選択スイッチと
    を備えることを特徴とする請求項2に記載の音響処理装置。
  11. 前記音響処理装置は、さらに、
    外部から入力された前記音声信号を前記PCMデータに復号するにあたって前記音声信号から抽出した前記デコード情報を、前記制御指示手段へ送信するデコード処理手段を備え、
    前記制御指示手段は、
    前記デコード処理手段から送信された前記デコード情報を受信するデコード情報受信部を備え、
    前記フィルタ処理制御部は、
    前記デコード情報受信手段によって受信された前記デコード情報に基づいて前記制御情報を特定する
    ことを特徴とする請求項2に記載の音響処理装置。
  12. 前記音響処理装置は、さらに、
    外部から入力された前記外部指示情報を前記制御指示手段へ転送する外部インターフェース手段を備え、
    前記制御指示手段は、
    前記外部インターフェース手段から転送された前記外部指示情報を受信する外部指示情報受信部を備え、
    前記フィルタ処理制御部は、
    前記外部指示情報受信部によって受信された前記外部指示情報に基づいて前記制御情報を特定する
    ことを特徴とする請求項2に記載の音響処理装置。
  13. 前記音響処理装置は、さらに、
    外部から入力された前記外部指示情報を前記制御指示手段へ転送する外部インターフェース手段と、
    外部から入力された前記音声信号を前記PCMデータに復号するにあたって前記音声信号から抽出した前記デコード情報を、前記制御指示手段へ送信するデコード処理手段と
    を備え、
    前記制御指示手段は、
    前記外部インターフェース手段から転送された前記外部指示情報を受信する外部指示情報受信部と、
    前記デコーダから送信された前記デコード情報を受信するデコード情報受信部と
    を備え、
    前記フィルタ処理制御部は、
    前記外部指示情報受信部によって受信された前記外部指示情報と前記デコード情報受信部によって受信された前記デコード情報とを組み合わせたものに基づいて前記制御情報を特定する
    ことを特徴とする請求項2に記載の音響処理装置。
  14. 前記外部指示情報は、前記オーバーサンプリング手段のタイプが特定されるフィルタタイプ選択情報を含み、
    前記制御指示手段は、前記フィルタタイプ選択情報と対応付けられている前記制御情報を前記オーバーサンプリング手段へ出力することによって前記フィルタ処理部を制御する
    ことを特徴とする請求項2に記載の音響処理装置。
  15. 前記制御指示手段は、
    前記制御情報が登録されているフィルタ処理制御指示テーブルを保持するフィルタ処理制御指示テーブル保持手段を備え、
    前記フィルタ処理制御部は、
    前記制御情報を前記デコード情報、前記外部指示情報、およびこれらを組み合わせたもののいずれかに基づいて前記フィルタ処理制御指示テーブルから特定する
    ことを特徴とする請求項2に記載の音響処理装置。
  16. 前記音響処理装置は、さらに、
    前記オーバーサンプリング手段から出力されたデータに基づいて、帯域拡張成分を生成して出力する拡張帯域生成手段と、
    前記オーバーサンプリング手段から出力されたデータおよび前記拡張帯域生成手段から出力されたデータを加算する加算器と、
    前記加算器から出力されたデータに対して付加的な音響処理を施す1以上の付加機能処理手段とを備え、
    前記外部指示情報は、前記1以上の付加機能処理手段のうち同時に機能するものが特定される同時処理機能情報を含み、
    前記フィルタ処理制御部は、
    前記同時処理機能情報と対応付けられている前記制御情報を特定し、特定した前記制御情報を前記オーバーサンプリング手段へ送信することによって前記フィルタ処理部を制御する
    ことを特徴とする請求項2に記載の音響処理装置。
  17. 前記音響処理装置は、さらに、
    前記オーバーサンプリング手段から出力されたデータに基づいて帯域拡張成分を生成して出力する拡張帯域生成手段と、
    前記オーバーサンプリング手段から出力されたデータと、前記拡張帯域生成手段から出力されたデータとを加算する加算器とを備え、
    前記制御指示手段は、
    前記拡張帯域生成手段を制御する拡張帯域制御情報を前記デコード情報、前記外部指示情報、およびこれらを組み合わせたもののいずれかに基づいて特定し、前記デコード情報と対応付けられている前記拡張帯域制御情報を前記拡張帯域生成手段へ出力することによって前記拡張帯域生成手段を制御する拡張帯域制御部を備える
    ことを特徴とする請求項2に記載の音響処理装置。
  18. 前記音響処理装置は、さらに、
    前記オーバーサンプリング手段から出力されたデータに基づいて帯域拡張成分を生成して出力する拡張帯域生成手段と、
    前記拡張帯域生成手段から出力されたデータの所定の帯域のみを通過させる帯域可変バンドパスフィルタ手段と、
    前記オーバーサンプリング手段から出力されたデータと、前記帯域可変バンドバスフィルタから出力されたデータとを加算する加算器とを備え、
    前記制御指示手段は、
    前記帯域可変バンドパスフィルタを制御するバンドパスフィルタ制御情報を前記デコード情報、前記外部指示情報、およびこれらを組み合わせたもののいずれかに基づいて特定し、特定したバンドパスフィルタ制御情報を前記帯域可変バンドパスフィルタへ出力することによって前記帯域可変バンドパスフィルタ手段を制御するバンドパスフィルタ制御部を備える
    ことを特徴とする請求項2に記載の音響処理装置。
  19. 符号化された音声信号をPCMデータに復号して再生する装置を制御する音響処理方法であって、
    前記音声信号から復号された前記PCMデータをオーバーサンプリングすることによって生じるエリアジングノイズを除去する処理を、
    前記音声信号から抽出されたデコード情報、外部から入力された外部指示情報、およびこれらを組み合わせたもののいずれかに基づいて制御する
    ことを特徴とする音響処理方法。
  20. 符号化された音声信号をPCMデータに復号して再生する装置で実行される音響処理プログラムであって、
    前記音声信号から復号された前記PCMデータをオーバーサンプリングすることによって生じるエリアジングノイズを除去するプロセスを、
    前記音声信号から抽出されたデコード情報、外部から入力された外部指示情報、およびこれらを組み合わせたもののいずれかに基づいて制御する
    ことを特徴とする音響処理プログラム。
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