JP2006250605A - 中空殻構造体の多分力計測システム - Google Patents

中空殻構造体の多分力計測システム Download PDF

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Abstract

【課題】 本発明の課題は、ロケットエンジンやその伸展ノズルのような中空殻構造体に作用する外力を、内圧や熱による変形といった内力の影響を受けないで検出できる多分力を計測する手法を提示すると共に、そのような多分力計測システムを提供することにある。
【解決手段】発明の中空殻構造体の多分力計測システムは、両端にボールジョイントと中間にロードセルを備えた6本の支持ロッドを用い、一端のジョイント部を中空殻構造体に固着すると共に、他端のジョイント部を支持ベースに固着し、前記各ロッドは異なる方向から該中空殻構造体を支持するようにし、各支持ロッドの軸力の計測値を基に、各支持ロッドの幾何学的位置関係から中空殻構造体が受ける外荷重の分力を解析的に求めるようにした。
【選択図】 図1

Description

本発明は内圧や熱による変形を伴うロケットエンジンの伸展ノズルのような中空殻構造体に掛かる外荷重の多分力計測システム、すなわち、内圧や熱による変形を許容し、外荷重のみを計測する手法およびそれを実現するシステムに関する。
多分力計測方法としては、多分力ロードセルを用いる方法や複数の単軸ロードセルを用いる方法が知られているが、重心位置や中心軸上に支持点を持ち得ない円錐殻や円筒殻などの中空殻構造体に作用する外荷重の多分力計測を行う場合、一点支持は困難であり複数点で支持しなければならない。特許文献1に示されたものは、ロケットエンジンの推力計測試験及び飛翔体等に加わる分力の計測試験に関するものであって、図9に示されるように、概ね円筒構造であるロケットエンジンは架台h間に取り付けられた複数の支持ロッドによって支持されると共に、その支持ロッドに取り付けられた分力検出器a〜fにより分力が検出される。これらの検出器により検出された分力は、シグナルコンディショナjを通して所要の電気信号に変換され、処理用計算機kに取り込まれて力成分が算出される。ここで取得された分力のデータは、供試体ロケットエンジンgのねじれ等の影響による干渉力が含まれており独立した分力成分を計測するには、得られたデータから行列演算を用いて、これらの力成分(Fx,Fy,Fz,Mx,My,Mz)を計算する必要が有る。
また、ロケットエンジン燃焼試験において、伸展ノズルが受ける動的荷重の測定を行う場合、その伸展ノズルは天面と底面が抜けた円錐台形の構造体であるため、これも複数の支持ロッドで支承する形態が採られる。このような複数点支持を行うに際して、従来の方法では、図1の(a)に示されるようにロードセルを装着した弾性支持棒を用い供試体である伸展ノズルに一端を固定し、他端を支持ベースに固着される形態となっている。エンジン燃焼時にはその内圧や熱により伸展ノズルは図に示されるように径が大きくなるように変形する。この変形は支持ロッドによって拘束を受け、その反作用として各ロードセルには変形に起因する干渉力(曲げ荷重)が発生する。そのため、本来各ロードセルは外荷重の計測のため軸方向の引っぱり(圧縮)力を検出したいのであるが、その曲げ荷重がロードセルに重畳してしまう。外荷重のみを計測するには、この内圧や熱による変形に伴う干渉力を除去するための事前の校正試験や事後の演算処理が必要となり、そのデータ処理が煩雑になるという難点があった。
特開平7−253370号公報 「6分力の計測システム」 平成7年10月3日公開
本発明の課題は、ロケットエンジンやその伸展ノズルのような中空殻構造体に作用する外力を、内圧や熱による変形といった内力の影響を受けないで検出できる多分力を計測する手法を提示すると共に、そのような多分力計測システムを提供することにある。
本発明の中空殻構造体の多分力計測システムは、両端にボールジョイントと中間にロードセルを備えた少なくとも6本の支持ロッドを用い、一端のジョイント部を中空殻構造体に固着すると共に、他端のジョイント部を支持ベースに固着し、前記各ロッドは異なる方向から該中空殻構造体を支持する機構を採用した。
6本の支持ロッドによる支持機構は、2本の支持ロッドを組み合わせた三角形の支持トラスを基本とし、3組の支持トラスの各頂点が中空殻構造体又は支持ベースの概ね120°間隔の円周位置にあるように構成した。
本発明の中空殻構造体の多分力計測システムではロードセルは単軸型を用い、上記の支持機構を構成する各支持ロッドに装着するようにした。
本発明の中空殻構造体の多分力計測システムでは、演算部において、各支持ロッドでの軸力(引張り及び圧縮)の計測値を基に、各支持ロッドの幾何学的位置関係から中空殻構造が受ける外荷重の分力を解析的に求めるようにした。
本発明の中空殻構造体の多分力計測システムは、両端にボールジョイントと中間にロードセルを備えた少なくとも6本の支持ロッドを用い、一端のジョイント部を中空殻構造体に固着し、他端のジョイント部を支持ベースに固着して異なる方向で該中空殻構造体を支持するようにしたので、内圧や熱による中空殻構造体の変形に伴う曲げ荷重や捻れ力は前記ボールジョイントによって逃がすことができ、前記支持ロッドへの負荷は軸方向のみの力となって、内圧や熱による中空殻構造体の変形に拘束されない支持機構を実現できた。
また、本発明の中空殻構造体の多分力計測システムは、6本の支持ロッドによる支持機構を2本の支持ロッドを組み合わせた三角形の支持トラスを基本とし、3組の支持トラスの各頂点が中空殻構造体又は支持ベースの概ね120°間隔の円周位置にあるように構成したことにより、各支持ロッドへの負荷はほぼ均等となるように構成でき、6本の支持ロッドは部品としても同じものを使用することが出来る。
本発明の中空殻構造体の多分力計測システムでは、ボールジョイントを介在させたことにより支持ロッドに曲げ荷重や捻れ力が掛かることはなく、軸方向の力だけを検出すればよいのでロードセルは単純で安価な単軸型を用いることで足りる。
更に、本発明の中空殻構造体の多分力計測システムでは、演算部において、各支持ロッドでの軸力(引張り及び圧縮)の計測値を基に、各支持ロッドの幾何学的位置関係から中空殻構造が受ける外荷重の分力を解析的に求めるようにしたものであるから、事前の校正試験や事後の演算処理が煩雑になるという難点もなく、幾何学的位置関係を入力するだけで容易に算出することが出来る。
すなわち、本発明の中空殻構造体の多分力計測方法では、内圧や熱による中空殻構造の変形を拘束せず、中空殻構造に作用する外荷重の分力を各ロッドの軸力(引張り及び圧縮)から計測することが出来る。
本発明の中空殻構造体の多分力計測システムは、原理上は両端にボールジョイントと中間にロードセルを備えた6本の支持ロッドを用い、一端のジョイント部を中空殻構造体に固着し、他端のジョイント部を支持ベースに固着して異なる方向で該中空殻構造体を支持する構成を備えていれば、内圧や熱による中空殻構造の変形に伴って支持ロッドへ干渉する曲げ荷重や捻れ力を前記ボールジョイントによって逃がし、前記支持ロッドへの負荷は軸方向のみの力とすることができ、内圧や熱による中空殻構造の変形を拘束しない支持機構の実現と多分力計測を可能と出来るものであるが、本発明者等は中空殻構造体の支持機構として3点支持を出発として、2本の支持ロッドを組み合わせた三角形の支持トラスを基本とし、3組の支持トラスからなる6本の支持ロッドによる支持機構に想到したものである。
図1に本発明の原理図を示して説明する。図の(a)に示した従来の方法では、伸展ノズルのような中空殻構造体5を3点支持の形態で3本の支持ロッド1で支持ベース4に固定している。この固定は各支持ロッド1の一端を支持ベース4に固着し、他端を中空殻構造体5に固着するというものである。この様な支持形態を採るものであるため、内圧や熱により中空殻構造体5が膨張し図に示されるように変形した場合、中空殻構造体の変形を拘束しているため、各支持ロッド1は中空殻構造体5側で外側に彎曲される。従って、各支持ロッド1の中間部に取り付けられたロードセル2には曲げ荷重が掛かり、本来のエンジン推進力に対応する軸方向力検出に変形に起因する干渉力を排除できないこととなる。外荷重の分力測定を行うには、変形に起因する干渉力の影響を取り除くため、事前の校正試験や校正試験に基づく事後の厄介な演算処理が必要となる。
図の(b)に示した本発明による1つの方法は、中空殻構造体5の端部周方向の3箇所にボールジョイント3を配置し、その点を一端とする2本の支持ロッド1からなる三角トラスを3組設置し、6本の支持ロッド1の他端を支持ベース4にボールジョイント3を介して固定する。6本の支持ロッドはそれぞれ方向を異ならせて配置され、中空殻構造体5を支持する。両端にボールジョイント3を配置した支持ロッド1によって中空殻構造体5を固定的に支持するためには方向を異にした6本が必要であり、5本では支持できない。6本の支持ロッド1の中間部にはロードセル2がそれぞれ配設されている。伸展ノズルのような中空殻構造体5が内圧や熱により膨張し図に示されるように変形した場合、中空殻構造体5の変形を受けて支持ロッド1の端部は外側に変位させられるが、この支持ロッド1の両端はボールジョイント3を介して取り付けられているため、各支持ロッド1はその分方向を変えるだけで曲げ荷重や捻り力は作用しない。従って、各支持ロッド1に取り付けたロードセル2には変形による干渉力は発生しない。また、中空殻構造に作用する外荷重に対しては、各支持ロッド1での軸力(引張り及び圧縮)を計測すれば、各支持ロッドの幾何学的位置関係から解析的に求めることができる。
図の(c)に示した本発明によるもう1つの方法は、支持ベース4の3箇所にボールジョイント3を配置し、その点を一端とする2本の支持ロッド1からなる三角トラスを3組設置し、6本の支持ロッド1の他端を中空殻構造体5の端部周方向の6箇所にボールジョイント3を介して固定する。6本の支持ロッドはそれぞれ方向を異ならせて配置され、中空殻構造体5を支持する。この場合も支持ロッド1によって中空殻構造体5を固定的に支持するためには方向を異にした6本が必要であり、5本では支持できない。6本の支持ロッド1の中間部にはロードセル2がそれぞれ配設されている。要するに(b)に示した例とは三角トラスの向きが逆となった形態である。伸展ノズルのような中空殻構造体5が内圧や熱により膨張し図に示されるように変形した場合、中空殻構造体5の変形を受けて支持ロッド1の端部は外側に変位させられるが、この支持ロッド1の両端はボールジョイント3を介して取り付けられているため、各支持ロッド1はその分方向を変えるだけで曲げ荷重や捻り力は作用しない。従って、各支持ロッド1に取り付けたロードセル2には変形による干渉力は発生しない。また、中空殻構造に作用する外荷重に対しては、各支持ロッド1での軸力(引張り及び圧縮)を計測すれば、各支持ロッドの幾何学的位置関係から解析的に求めることができる点も(b)に示した例と同様である。
次に、各支持ロッドの幾何学的位置関係から中空殻構造体の多分力を解析的に求める手法について、説明する。まず、分力算出手順としては第1のステップとして各ロッドに作用する荷重を、それぞれx, y, z成分に分解する。第2のステップとして各ロッドのx, y, z成分を、成分毎に合成するという手法で求める。
今、図1の(c)に示したような6本の支持ロッドを三角トラス3組からなる形態で伸展ノズルのような中空殻構造体を支承したモデルとして解析する。このモデルの全体概要図を図2に示し、中空殻構造体の軸方向をz軸とし、水平方向をx軸、鉛直方向をy軸として、図3には(1)には中空殻構造体端面の、(2)には固定面の、(3)にはロッド部分を投影したx−y平面図を示す。これらの図から分かるように、中空殻構造体のフランジ部半径rの円周方向に60°間隔でボールジョイントを配置しロッドA〜Fの一端を結合し、他端は固定面に2本のロッドを組にして三角トラスの頂点となるようにボールジョイントを同じ半径rの円周方向にほぼ120°間隔で配置してある。ただし、ボールジョイントは兼用できないので、2つの部材は近接配置してある。
各ロッドでの荷重計測値をF, F, F,F, F, Fと表し、ロッドに掛かる引張り荷重を正、圧縮荷重を負とする。各ロッド長さはすべて同じl1とする。中空殻構造側のロッド端の6点は図3の(1)に示すA〜Fであり、同定面側のロッド端の点A〜Fは、図3の(2)に示すように半径rの円を3等分する各点に対して±δの位置に配置されている。この角度δは、ロッド取付治具であるボールジョイントの設置に要するスペース確保のためのものである。
まず、ロッドAに掛かる荷重FAについて図4の(A)参照を参照しながら解析する。図の(1)に示すx−y平面図で点A1とA2の角度差をα、ロッドAの方向とx軸とのなす角をγAで表し、(2)に示すそのロッドAを含むz軸と平行なA’−A”平面でのロッドAとz軸とのなす角をβで表すと、
2=2rsinα/2=2rsin(30°−δ)/2 ‥‥‥‥‥‥(A1)
これを用いて、図4(2)より
3=(l1 −l2 )1/2,β=tan−12/l3 ‥‥‥‥‥‥(A2)
従って
0 A=FAsinβ, F A=FAcosβ ‥‥‥‥‥‥(A3)
一方、図4(1)において
γA=(180°−α)/2−(α+2δ)=45°−δ/2
従って
A=F0 AcosγA=FAsinβcosγA
A=F AsinγA=FAsinβsinγA ‥‥‥‥‥‥(A4)
次に、ロッドBに掛かる荷重FBについて図4の(B)参照を参照しながら解析する。
図の(3)に示すx−y平面図で点B1とB2の角度差は同じ角度α、ロッドBの方向とx軸とのなす角をγBで表し、(2)に示すそのロッドBを含むz軸と平行なB’−B”平面でのロッドBとz軸とのなす角を同じくβで表すと、
図4(3)および(4)において
0 B=FBsinβ, F B=FBcosβ ‥‥‥‥‥‥(B1)
一方、図4(3)において
γB=(180°−α)/2=75°+δ/2
従って
B=−F0 BcosγB=−FBsinβcosγB
B=−F BsinγB=−FBsinβsinγB ‥‥‥‥‥‥(B2)
次に、ロッドCに掛かる荷重FCについて図4の(C)参照を参照しながら解析する。
図の(5)に示すx−y平面図で点C1とC2の角度差は同じ角度α、ロッドCの方向とx軸とのなす角をγCで表し、(6)に示すそのロッドCを含むz軸と平行なC’− C”平面でのロッドCとz軸とのなす角を同じくβで表すと、
図4(5)および(6)において、式(A1)、(A2)と同じ式が成立する。
従って、図4(6)において
0 C=FCsinβ, F C=FCcosβ ‥‥‥‥‥‥(C1)
一方、図4(5)において
γC=(180°−α)/2−60°=15°+δ/2
従って
C=−F0 C cosγC=−FCsinβcosγC
C=F0 CsinγC=FCsinβsinγC ‥‥‥‥‥‥(C2)
ロッドDについてはロッドCとの対称性を考慮して
D=F0 DcosγD=FDsinβcosγD
D=F0 DsinγD=FDsinβsinγD
D=FDcosβ ‥‥‥‥‥‥(D1)
なお、 γD=γC ‥‥‥‥‥‥(D2)
ロッドEについてはロッドBとの対称性を考慮して
E=F0 EcosγE=FEsinβcosγE
E=−F0 EsinγE=−FEsinβsinγE
E=FEcosβ ‥‥‥‥‥‥(E1)
なお、 γE=γB ‥‥‥‥‥‥(E2)
ロッドFについてはロッドAとの対称性を考慮して
F=−F0 FcosγF=−FFsinβcosγF
F=F0 FsinγF=FFsinβsinγF
F=FFcosβ ‥‥‥‥‥‥(F1)
なお、 γF=γA ‥‥‥‥‥‥(F2)
次に各ロッドのx,y,z成分を、成分毎に合成する。
=F +F +F +F +F +F
=F +F +F +F +F +F
=F +F +F +F +F +F
式(A3),(A4),(B1),(B2),(C1),(C2),(D1),(E1),(F1)を代入すると、x,y,z成分の各分力は次のように求められる。
=sinβ(FAcosγA−FBcosγB−FCcosγC+FDcosγD+FEcosγE−FFcosγF)
=sinβ(FAsinγA−FBsinγB+FCsinγC+FDsinγD−FEsinγE+FFsinγF)
=cosβ(FA+FB+FC+FD+FE+FF)
ここで、
2=2rsin(30°−δ)/2,l3=(l1 −l2 )1/2,β=tan−12/l3
γA=γF=45°−δ/2,γB=γE=75°+δ/2,γC=γD=15°+δ/2
式(D2),(E2),(F2)を考慮すれば、次のように整理できる。
=sinβ[cosγA(FA−FF)+cosγB(−FB+FE)+cosγC(−FC+FD)]
=sinβ[sinγA(FA+FF)+sinγB(−FB−FE)+sinγC(FC+FD)]
=cosβ(FA+FB+FC+FD+FE+FF)
以上が各支持ロッドの幾何学的位置関係から中空殻構造体の多分力を解析的に求める手法であるが、因みに、l=360mm、r=143mm、δ=5°の場合、各分力は以下で与えられる。
=0.126F−0.037F−0.164F+0.164F+0.037F−0.126F
=0.116F−0.168F+0.052F+0.052F−0.168F+0.116F
=0.985(F+F+F+F+F+F)
本発明の中空殻構造体の多分力計測システムは、被測定対象となる中空殻構造体を支持するロッド等の支持機構と該ロッドに掛かる軸力を計測する手段だけでなく、前記計測データと幾何学的位置データとから中空殻構造体が受ける外荷重の分力を算出する手段を必要とする。この手段はパーソナルコンピュータのような汎用の計算機を用いることが出来る。本発明の技術的思想に基づいて作成された演算プログラムがその記憶部に蓄積されていればよい。また、前記計測データはデジタル信号に変換されていれば容易にコンピュータに取り込むことが出来るし、幾何学的位置データについてはキーボード等適宜の入力手段でコンピュータに取り込むことが出来る。このようなシステムはデータ処理が簡単なため、高速サンプリングデータにも実時間での分力モニターが可能である。
本発明による実施例として、ロケットエンジン燃焼試験において、伸展ノズル(中空殻構造体)が受ける動的荷重の測定方法を示す。図5はこの実施例の側面図であり、図6はその撮像写真である。中空殻構造体5である伸展ノズルは、両端にボールジョイントを備えた6本の支持ロッド1により構成される支持トラスによって支持されている。6本の支持ロッド1はそれぞれ、軸方向を異にしていることが中空殻構造体5を支持する上での必須の条件であるが、この実施例では2本の支持ロッドで三角トラスを構成するようにしてあり、その三角トラスが3組配設されている。固定面となるブラケットにほぼ正三角形の各頂点位置に2つづつのボールジョイント3を固着し、他端側の伸展ノズル端部のフランジ部にほぼ60°間隔で6つのボールジョイント3を固着するようにした。各支持ロッド1は両端がボールジョイント3で結合されているので、このロケットエンジンからの高温燃焼ガスにより内圧や熱による変形を受けてもその変形により曲げ荷重や捻れ力が各支持ロッド1に掛かることはない。また、外荷重として燃焼ガスによる変動荷重を受けるが、その変動荷重は各支持ロッド1の軸力によって支えられるため、外荷重の各分力は各支持ロッドに装着した単軸型のロードセル2での計測値をもとに各支持ロッド1の方向など幾何学的配置関係から解析的に求めることが出来る。
この実施例を用いて行った動的荷重の分力測定結果を示す。図7はエンジン稼働時の状態を示した写真で、Aは高膨張状態を、Bは低膨張状態を示している。前者Aの稼働状態では燃焼ガスが伸展ノズルの内面に沿って噴射されており、後者Bの稼働状態では燃料ガスが伸展ノズルの内面から剥離して噴射されている。高膨張状態から低膨張状態に移行する過渡期においてはリング状の剥離位置は軸方向に変化することが確認されている。
各ロッドに掛かる圧縮荷重を正、引っ張り荷重を負として、図6に示すように垂直方向にy軸、水平方向にx軸そして伸展ノズル中心軸方向にz軸を採っている。各支持ロッド1に装着された単軸ロードセル2で検出した計測値をもとに各支持ロッド1の幾何学的配置情報から解析的に求めた各分力(F, F, F)を算出する。この結果を図8にグラフで示す。このグラフにおいて、横軸は時間で、縦軸は伸展ノズルに作用する荷重と、ノズルに掛かる燃焼圧を環境圧で割って無次元化した値(NPR)をとってある。試験中はエンジンの稼働状態を変化させ、高膨張状態(T1,T3)と低膨張状態(T2)が織り交ぜてある。ここでは、環境圧を変動させることにより燃焼状態を変化させ、外荷重として変動荷重を作用させた。
図8に示す伸展ノズルに作用する荷重(F, F, F)とノズル圧力比(NPR)の履歴を解析すると、主推力方向の荷重Fは、高膨張状態の時刻T1およびT3において極大値をとり、最大約50Nの正推力が伸展ノズルに作用していることが分かる。時刻T2においては燃焼ガス流れが伸展ノズルから完全にはく離しているために正推力は発生せず、約−10Nの逆推力が作用していることが分かる。また、過渡状態では燃焼ガス流れは伸展ノズルから完全にはく離しておらず伸展ノズルは燃焼ガスによる内圧を受けるにもかかわらず、一時的に約−120Nの大きな逆推力が発生している。一方、F,Fに関しては、過渡状態において急激なピークが現れており、横力の発生が確認できる。過渡状態では燃焼ガス流れのはく離位置が移動するため流れの状態が非常に不安定であり、はく離縁位置がノズル隙間を飛び越える際にはく離縁が軸に関して非対称性を帯びることにより横力が発生するものと考えられる。
図8での主推力方向の荷重Fの変動原因を解明するため、はく離縁は軸対称であるとして4種の燃焼ガス流れパターンを考えた。はく離縁位置が定まれば外壁に作用する環境圧と内壁に作用する内圧分布からFを見積もることができるので、Fの推定値が測定値と一致するようにはく離縁位置を仮定することによりFの履歴およびはく離縁位置の履歴を推定することが出来る。ここでは、計測から得られた環境圧PとTDK解析によって計算した内圧分布Pを用いることとし、はく離部分の内圧Pに関してはT2でのFの計測値から逆算してP=0.97×Pと仮定した。なお、Pは環境圧Pより若干低めの値を取ることから、妥当な仮定と判断した。
の推定値は計測値と非常に良い一致を与えることが可能なことから、その変動ははく離縁位置の移動によって説明することが出来る。すなわち、着火時の環境圧では高膨張状態に至らず、このときの内圧分布によって受ける力は環境圧から受ける力よりも小さいため逆推力が発生する。着火と同時に流れは一気に膨張して高膨張状態(図7のA)に変化し、環境圧の低下に伴いFは徐々に増加して極大値をとる。その後環境圧の上昇とともにFは低下し、ある時刻より伸展ノズル出口からのはく離が始まり、伸展ノズル入口ヘ向けてはく離縁位置が移動する。このとき内圧分布による力と環境圧による力の不均衡により一時的に大きな逆推力が発生する。また、完全にはく離した状態(図7のB)では正へ推力は発生せず、PがPよりも低いことから若干の逆推力が発生する。
以上の説明では、ロケットエンジンの伸展ノズルに内圧や熱による変形がある場合にそれに作用する外荷重の多分力を計測するものとして進めてきたが、本発明の技術はこれに限定されず、内圧や熱による変形がない場合でも有効であるし、推進方向制御するロケットエンジン、ジェットエンジン等の推力計測にも適用でき、更には円筒形状や円錐台形の中空殻構造体に作用する外荷重の多分力を計測する手法として広く適用できるものである。
本発明による中空殻構造体の多分力計測方法と従来法との比較説明図である。 本発明の解析法を説明するモデル構造を示した図である。 前図のモデルにおける支持ロッドの固定面と中空殻構造体側の端部位置関係を示した図である。 各ロッドに掛かる荷重の分解成分を説明する図である。 本発明の1実施例を示す図である。 前図の実施例を撮像した写真である。 燃焼試験において伸展ノズルが高膨張状態及び低膨張状態となったときの燃焼ガスの流れを示す写真である。 伸展ノズルに作用する荷重(x,y,z成分)とノズル圧力比の履歴を示すグラフである。 従来のロケットエンジンの推力計測試験及び飛翔体等に加わる分力の計測試験における機構を説明する図である。
符号の説明
1 支持ロッド 2 ロードセル
3 ボールジョイント 4 支持ベース
5 中空殻構造体 6 固定ノズル
7 燃焼器 8 噴射器

Claims (5)

  1. 両端にボールジョイントと中間にロードセルを備えた少なくとも6本の支持ロッドを用い、一端のジョイント部を中空殻構造体に固着すると共に、他端のジョイント部を支持ベースに固着し、前記各ロッドは異なる方向から該中空殻構造体を支持する機構を採用した中空殻構造体の多分力計測システム。
  2. 両端にボールジョイントを備えた6本の支持ロッドによる支持機構であって、2本の支持ロッドを組み合わせた三角形の支持トラスを基本とし、3組の支持トラスの各頂点が中空殻構造体又は支持ベースの概ね120°間隔の円周位置にあるように構成した請求項1に記載の中空殻構造体の多分力計測システム。
  3. ロードセルは単軸型を用い、上記の支持機構を構成する各支持ロッドに装着するようにした請求項1又は2に記載の中空殻構造体の多分力計測システム。
  4. 演算部を備え、各支持ロッドの軸力(引張り及び圧縮)の計測値を基に、各支持ロッドの幾何学的位置関係から中空殻構造体が受ける外荷重の分力を解析的に求めるようにした請求項1乃至3のいずれかに記載の中空殻構造体の多分力計測システム。
  5. 各支持ロッドの軸力の計測値をデータとして取り込む手段と、各支持ロッドの幾何学的位置関係をデータとして入力する手段と、前記計測データと幾何学的位置データとから中空殻構造体が受ける外荷重の分力を算出する演算プログラムが蓄積された記憶部とを備えた請求項4に記載の中空殻構造体の多分力計測システム。
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