JP2006239493A - 非常時用浄水器と浄水キット及び浄水方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 長さ0.3m以上のチューブを付けた中空糸膜モジュールからなる浄水器としたものであり、また、該浄水器と、1回分ずつ分包した殺菌剤、又は、1回分の処理水量に相当する容量の袋又は容器と、1回分ずつ分包した殺菌剤とを組合せた浄水キットとしたものであり、これらの浄水キットには、さらに透水性の袋に充填した活性炭を加えることができ、また、長さ0.3m以上のチューブを付けた中空糸膜モジュールを水中に入れ、中空糸モジュール及びチューブ内の空気を抜いてサイフォン状態にした上で、チューブの末端を水面より下方にすることで濾渦水を得る浄水方法としたものである。
【選択図】 図1
Description
行政や、集合住宅等のある程度大きい規模で造水するものが多い。
例えば、実公平3−51033号公報では、ポンプ、活性炭、膜の直列組合せによる浄水装置を、特開平8−290166号公報では、折り畳み可能な原水貯溜槽と浄化用薬品とポンプと0.1μm以下の濾過孔の中空糸膜モジュールからなる装置や、原水の汚濁分を沈殿させ、上澄液をろ過孔0.1μm以下の中空糸膜でろ過する方法が提案されている。特開平9−220567号公報では、手動式給水ポンプと膜を用いた濾過装置による非常用携帯型飲料水製造装置が、特開平10−314726号公報では、ポンプ、活性炭と中空糸からなる浄水器が提案されている。
人力駆動ポンプを動力源とするものについては、発電装置等が不要であるという利点は有るが、継続的に人力で装置を動かすことは、被災者に過重な労働を強いることになる。
太陽電池を動力源とするものについては、燃料等が不要で、被災者の労働も不要である利点が有るが、晴天時でなければ使用できず、緊急に必要な被災時に用いるには信頼性が低い。
特に大規模な災害時には、復旧に長期間かかる可能性もあり、給水車の配備にも時間がかかる恐れがあるため、できる限り自力で確保できることが望ましい。
また、本発明では、前記浄水器と1回分ずつを容易に供給できるようにした殺菌剤とを組合せた浄水キット、又は、前記浄水器と、1回分の処理水量に相当する容量の袋又は容器と、1回分ずつを容易に供給できるようにした殺菌剤とを組合せた浄水キットとしたものであり、これらの浄水キットは、透水性の袋に充填した活性炭を加えた浄水キットとすることもできる。
さらに、本発明では、長さ0.3m以上のチューブを付けた中空糸膜モジュールを水中に入れ、中空糸モジュール及びチューブ内の空気を抜いてサイフォン状態にした上でチューブの末端を水面より下方にすることで濾過水を得る浄水方法としたものであり、該浄水方法において、1回分の処理水量に対応する容量の水を入れた容器を原水貯槽として用い、原水貯槽には殺菌剤を入れ、濾過水を得た後の原水貯槽の残留水は、1回もしくは数回ごとに捨てるのがよく、また、前記原水貯槽に入れる水は、その前に活性炭吸着処理を行うのがよい。
膜の材質としては、特に限定されず、ポリエチレン、塩化ビニール、PVDF、セラミック、PFS(ポリエーテルスルホン)、CA(酢酸セルロース)等を用いることができる。特に、外圧浸漬式中空糸への成形のしやすさ、容易に洗えること、及び塩素殺菌に強いことなどから、ポリエチレン膜が好適に使用できる。また、CA膜も残留塩素に弱いという問題はあるが、安価に製造できる点が好適である。
チューブ内の空気を抜いてサイフォン状態にする方法としては、特に限定しないが、チューブ先端に注射筒を取付けて引いてもよく、人が吸っても良い。また、チューブの途中に三方弁を取付けておけば、チューブ先端に触ることなくサイフォン状態にすることができる利点がある。
チューブの末端を水面より下にする方法としては、水を入れた原水貯槽を台/机などの上においても良いし、段差の上部に既存の貯水槽があれば、中空糸膜モジュールを直接入れてもよい。
水を入れた原水貯槽を上に持上げても良いし、上方に固定した原水貯槽に水を汲み上げても良い。
中空糸膜モジュールの膜面積は、処理水量10L/日に対して0.01m2以上を用いることが望ましく、膜面積が大きいほど短時間で多量の処理水が得られる。しかし、膜を大きくすると浄水キットのコンパクト性が低下することから、10L/日の1キットあたり0.01〜0.2m2、より好ましくは0.03〜0.1m2が望ましい。
処理水量10L/日は、飲用水の必要量を2L/日として、4人家族の最低1日所要量と、人が無理なく運べる水の重量、及び非常用持ち出し袋に入れられる程度に小さいキットとしての例として示している。より大きいものにすることができるのはもちろんであり、この量に限られるものではない。
原水貯槽の大きさにあわせて、1回分ずつ分包されているか、はかりやすくなっていることが望ましい。例えば、取扱の容易さと溶けやすさから、粉末の塩素系殺菌剤を1回分ずつパッケージにしたもの、キャップ又は本体に目盛のついた液体ボトルなどを好適に使用できる。
また、膜の汚染で処理水量が減った場合には、残留塩素濃度を上げて浸漬することで洗浄することも出来る。
処理水を得た後に原水貯槽に残った水は、懸濁物質濃度が高くなっているため、毎回排出して交換することが望ましいが、数回の処理で、一定処理水量を得るための時間が、当初(1日目)より長くなった場合、(例えば、1.5〜2.0倍)に排出・交換してもよい。また、この際に水中で膜モジュールを振り洗いし、付着・堆積している物質をできる限り落とすことが望ましい。ただし、殺菌剤以外の洗浄剤は、次回の処理水に洗浄剤が混入して水質を悪化させるので使用しないことが望ましい。
活性炭の容量としては、多い方がより良好な処理水質が期待できる。しかしコンパクト性の問題もあるので、例えば10L/日のキットで、1回あたり10gの活性炭パックを使用する。活性炭パックを1回ごとに交換しても良いし、数回分を一度に入れて交換せずに使うこともできる。
また、本発明の浄水キットにおいて、原水貯槽に殺菌剤を入れることで、貯槽内の菌の増殖を防ぎ、かつ処理水側の細菌学的安全を保つことができ、さらに、活性炭を用いることで、溶解性物質も除去できる。
本発明の浄水方法は、水を汲み上げる作業は人力で行う必要があるが、短時間で実施可能であり、高齢者家庭等であっても、汲み上げ作業だけを巡回時等に実施してもらえば、容易に水を得ることができる。
このように、簡単な方法で容易に処理することができ、インフラ復旧までの間、孤立状態であっても対処することができる。
膜面積0.03m2のPE製中空糸膜モジュールと、内径4mmのタイゴン(登録商標)チューブ3mと、高度サラシ粉を0.1〜0.15mgずつに分包した殺菌剤20包とからなる浄水キットとした。
この浄水キットの使用方法を図1に示す。
膜面積0.03m2のPE製中空糸膜モジュールと、内径4mmのタイゴン(登録商標)チューブ3mと、高度サラシ粉を0.1〜0.15mgずつに分包した殺菌剤を20包と、原水貯槽等として使用可能な折畳式の容器とからなる浄水キットとした。
この浄水キットの使用方法を図2に示す。
膜面積0.03m2のPE製中空糸膜モジュールと、内径4mmのタイゴン(登録商標)チューブ3mと、高度サラシ粉を0.1〜0.15mgずつに分包した殺菌剤を20包と、原水貯槽等として使用可能な折畳式の容器と、10gずつ透水性の袋に入れた活性炭を気密包装したもの20個とからなる浄水キットとした。
この浄水キットの使用方法を図3に示す。
膜面積0.03m2のPE製中空糸膜モジュールと、内径4mmのタイゴン(登録商標)チューブ3mと、高度サラシ粉を0.1〜0.15mgずつに分包した殺菌剤を20包と、10gずつ透水性の袋に入れた活性炭を気密包装したもの20個と、10〜15Lの大きさの2段以上の入れ子式の容器とからなる浄水キットとした。
この浄水キットの使用方法を図4に示す。
10〜15Lの大きさの2段以上の入れ子式の容器に、膜面積0.03m2のPE製中空糸膜モジュールと、内径4mmのタイゴン(登録商標)チューブ3mと、高度サラシ粉を0.1〜0.15mgずつに分包した殺菌剤を20包、10gずつ透水性の袋に入れた活性炭を気密包装したもの20個、及び非常食、マッチ、懐中電灯、救急用薬品類等の非常用用品一式を入れた災害時の応急キットとした。
Claims (7)
- 長さ0.3m以上のチューブを付けた中空糸膜モジュールからなる浄水器。
- 請求項1記載の浄水器と、1回ずつを容易に供給できるようにした殺菌剤とを組合せた浄水キット。
- 請求項1記載の浄水器と、1回分の処理水量に相当する容量の袋又は容器と、1回分ずつを容易に供給できるようにした殺菌剤とを組合せた浄水キット。
- 請求項2又は3に記載の浄水キットに、透水性の袋に充填した活性炭を加えた浄水キット。
- 長さ0.3m以上のチューブを付けた中空糸膜モジュールを水中に入れ、中空糸モジュール及びチューブ内の空気を抜いてサイフォン状態にした上で、チューブの末端を水面より下方にすることで濾過水を得ることを特徴とする浄水方法。
- 請求項5に記載の浄水方法において、1回分の処理水量に対応する容量の水を入れた容器を原水貯槽として用い、原水貯槽には殺菌剤を入れ、濾過水を得た後の原水貯槽の残留水は1回もしくは数回ごとに捨てることを特徴とする浄水方法。
- 前記原水貯槽に入れる水は、その前に活性炭吸着処理を行うことを特徴とする請求項6記載の浄水方法。
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---|---|---|---|
JP2005055393A JP2006239493A (ja) | 2005-03-01 | 2005-03-01 | 非常時用浄水器と浄水キット及び浄水方法 |
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JP2005055393A Pending JP2006239493A (ja) | 2005-03-01 | 2005-03-01 | 非常時用浄水器と浄水キット及び浄水方法 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2016033439A (ja) * | 2014-07-31 | 2016-03-10 | 株式会社ガスター | 貯湯システム |
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-
2005
- 2005-03-01 JP JP2005055393A patent/JP2006239493A/ja active Pending
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