JP2006239413A - マイクロマシン - Google Patents
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Abstract
【課題】内視鏡利用時のように患者の苦痛を伴わずに生体内検査や投薬を可能とするマイクロマシンを実現する。
【解決手段】本発明のマイクロマシンは、内部に磁石を取り付けた薄い膜や蓋、栓の蓋部材を貯槽の吸引口または放出口に取り付けた開閉機構を備えるマイクロマシンであって、これに超音波または変動磁場を外部から与えることによって蓋部材に共振または強振を与えて破壊することによって吸引口または放出口を開放する開閉機構を備える。
【選択図】 図13
【解決手段】本発明のマイクロマシンは、内部に磁石を取り付けた薄い膜や蓋、栓の蓋部材を貯槽の吸引口または放出口に取り付けた開閉機構を備えるマイクロマシンであって、これに超音波または変動磁場を外部から与えることによって蓋部材に共振または強振を与えて破壊することによって吸引口または放出口を開放する開閉機構を備える。
【選択図】 図13
Description
本発明は、体内分泌液などの環境物質の採取や薬液の投与に利用できるマイクロマシンに関するものである。
マイクロマシンとは言葉の通り微小な機械やロボットのことである。その大きさは様々で、数μmから数cmの範囲が主流である。マイクロマシンの特徴は大きさが小型なことである。これは将来的に産業、社会など幅広く活躍することが考えられる。
例えば、後述する特許文献1に記載の医療用カプセル装置では、カプセル本体の収容室内に可動部材が設けられている。この可動部材はカプセル本体の底部内壁面(内底面)と略同一形状の半球状の底部を有する有底円筒体で、収容室内で、収容室内の容積を大きくする収容位置から、収容室内の容積を小さくする押し出し位置まで移動して、収容室内の容積を変化させるものである。また、この可動部材内の円形孔にはコイル状の操作部材が収納されており、この操作部材の一端は、可動部材内の円形孔の底部に止着されている。この操作部材は、例えば、Cu−Zn−Al系合金等からなり、一方向記憶型の形状記憶合金として形成されている。
上記構成では、外部の超音波によって加熱されて、形状記憶合金の結晶構造が母相の状態に逆変態すると、可動部材は、この操作部材によって、先端の底部がカプセル本体の内底面に押し付けられ、収容室内の容積を小さくする押し出し位置に移動される。
これにより、1回使用された後、部品交換作業などを行うことなく、再使用することができると共に、カプセル本体内の構成を簡略化できる。
また、後述する特許文献1には、収容室内に可動部材が進退自在に装着され、さらに、この可動部材を、蓄積状態のバネに抗して、例えば、糸または消化膜などによって保持しておき、糸や消化膜を切断したり溶解したりして、バネの復元力によって可動部材を移動して収容室内の薬液などを外部へ放出または収容室内へ資料を収納する構成も記載されている。
また、後述する特許文献2には、モータ駆動により複数の検出セルを放出して、各種センサで検査結果を無線で体外へ送信する構成が記載されており、後述する特許文献3には、観察壁面の観察方向前方から生体内の体液、気体などの流体を吸引して、後方へ流出させる流体移送手段を備え、当該流体移送手段による流体の吸引と共に、上記観察壁面に密着させる構成が記載されている。さらに、後述する特許文献4に記載の医療用カプセルは、薬剤・体液などを収納するリザーバと、当該リザーバの容積を変化させる液晶ゲルアクチュエータと、この液晶ゲルアクチュエータの作動を制御するスイッチング回路と備えており、後述する特許文献5には、吸引用マイクロポンプ、および、その下流側の血液制御センサを介設し、カプセル内で血液検査した結果を外部へ送信する医療用カプセル装置が記載されている。また、後述する特許文献6には、蛇腹内に収容された高吸水性樹脂からなる膨張部材が電圧印加により膨張することにより薬剤を散布または体液を吸収する医療用カプセル装置が記載されており、後述する特許文献7に記載の医療用カプセルは、電着方式で作成された金属ベローズ内腔に高吸水性樹脂を充填し、体液を吸収することで高吸水性樹脂を膨張させ、ベローズを押圧して、カプセル内部の薬剤を腸などで放出させる構成である。さらに、後述する特許文献8には、体液と化学反応する化学発熱物質を利用する医療用カプセル装置が記載されており、後述する特許文献9および10には、分離可能な複数の小型生検鉗子を連接した生検カプセル、および、回転磁場によりネジを回転させて薬剤を押し出すカプセル型医療装置が、それぞれ記載されている。
特開昭57−163309号公報(公開日:1982年10月7日)
特開2005−270461号公報(公開日:2005年10月6日)
特開2005−124708号公報(公開日:2005年5月19日)
特開平5−228128号公報(公開日:1993年9月7日)
特開平5−200015号公報(公開日:1993年8月10日)
特開平5−168639号公報(公開日:1993年7月2日)
実開平5−48938号公報(公開日:1993年6月29日)
特開平5−168680号公報(公開日:1993年7月2日)
特開平6−114063号公報(公開日:1994年4月26日)
特開2003−325438号公報(公開日:2003年11月18日)
しかしながら、上記従来の構成では、部品交換作業などを行うことなく再使用することができる一方で、可動部材が収容室内の容積を変更させるため、部品交換作業などを行うことなく再使用するよりも、構成の簡略化が重視される場合に、この要望に充分に応えることが難しい。なお、糸や消化膜を切断したり溶解する構成でも、可動部材が収容室内の容積を変更させるため、構成を充分に簡略化することが難しい。また、他の課題として、形状記憶合金からなる操作部材が可動部材を押し出すため、形状記憶合金の選択肢が制限される虞れもある。さらに他の課題として、上記各マイクロマシンでは、構成の簡略化と高精度な吸引または放出タイミングの制御との両立が難しいという問題を生じる。
本発明に係るマイクロマシンは、上記課題を解決するために、蓋部材を貯槽の吸引口または放出口に取り付けた開閉機構を備えるマイクロマシンであって、上記蓋部材の内部には、磁石が取り付けられており、上記開閉機構は、外部から変動磁場を与えることによって、上記蓋部材に共振または強振を与えて当該蓋部材を破壊することにより、上記吸引口または放出口を開放することを特徴としている。また、本発明に係るマイクロマシンは、上記課題を解決するために、蓋部材を貯槽の吸引口または放出口に取り付けた開閉機構を備えるマイクロマシンであって、上記蓋部材を支える支柱の内部には、磁石が取り付けられており、上記開閉機構は、外部から変動磁場を与えることによって、上記支柱に共振または強振を与えて当該支柱を破壊し、その結果蓋部材を除去することにより、上記吸引口または放出口を開放することを特徴としている。さらに、本発明に係るマイクロマシンは、上記課題を解決するために、蓋部材を貯槽の吸引口または放出口に取り付けた開閉機構を備えるマイクロマシンであって、上記開閉機構は、外部から超音波を与えることによって、上記蓋部材に共振または強振を与えて当該蓋部材を破壊することにより、上記吸引口または放出口を開放することを特徴としている。また、本発明に係るマイクロマシンは、上記課題を解決するために、蓋部材を貯槽の吸引口または放出口に取り付けた開閉機構を備えるマイクロマシンであって、上記開閉機構は、外部から超音波を与えることによって、上記蓋部材を支える支柱に共振または強振を与えて当該支柱を破壊し、その結果蓋部材を除去することにより、上記吸引口または放出口を開放することを特徴としている。なお、これらの蓋部材としては、例えば、薄い膜や蓋、栓などが好適に使用される。
上記構成では、外部から超音波または変動磁場を与えることによって、蓋部材または蓋部材の支柱に共振または強振を与えて破壊して、上記吸引口または放出口を開放する。これにより、マイクロマシンが何らかの経路で進入可能な場所であり、しかも、当該場所のマイクロマシンに超音波または変動磁場を与えることができれば、マイクロマシンを、その経路で進入させた後、所望の場所に到達したときに、外部から超音波または変動磁場を与えることによって、例えば、体内分泌液など、その場所にある物質を採取したり、貯槽内の薬剤や液体などの物質を、その場所に放出したりできる。さらに、上記構成では、蓋部材または蓋部材の支柱の破壊によって吸引口または放出口が開放されるので、マイクロマシンの構成を簡略化できる。
また、上記構成に加えて、上記蓋部材の内部または外部に逆止弁を取り付けることによって、上記貯槽内の物質(例えば、分泌液または薬剤など)を貯槽外に漏洩しないようにしてもよい。
さらに、本発明に係るマイクロマシンは、上記課題を解決するために、開閉機構を備えるマイクロマシンであって、当該開閉機構では、内部に磁石を取り付けた支柱によって支えられた1つまたは複数の観音開きの扉が貯槽に設置されており、上記開閉機構は、変動磁場を外部から与えることによって扉を開または閉させることを特徴としている。また、本発明に係るマイクロマシンは、上記課題を解決するために、開閉機構を備えるマイクロマシンであって、当該開閉機構では、形状記憶合金またはバネによって支えられた1つまたは複数の観音開きの扉が貯槽に設置されており、上記開閉機構は、超音波を外部から与えることによって扉を開または閉させることを特徴としている。
上記構成において、内部に磁石を取り付けた支柱を外部からの変動磁場によって共振または強振を与えたり、形状記憶合金またはバネを外部からの超音波によって外部からの変動磁場によって共振または強振を与えたりして、それらのいずれかによって支えられた扉が開いたり閉じたりする。
したがって、マイクロマシンが何らかの経路で進入可能な場所であり、しかも、当該場所のマイクロマシンに超音波または変動磁場を与えることができれば、マイクロマシンを、その経路で進入させた後、所望の場所に到達したときに、外部から超音波または変動磁場を与えることによって、例えば、体内分泌液など、その場所にある物質を採取したり、貯槽内の薬剤や液体などの物質を、その場所に放出したりできる。さらに、上記構成では、内部に磁石を取り付けた支柱、形状記憶合金またはバネによって、1つまたは複数の観音開きの扉を支えておくだけで、上記超音波または変動磁場によって、扉を開いたり閉じたりさせるので、マイクロマシンの構成を簡略化できる。
また、本発明に係るマイクロマシンは、上記課題を解決するために、開閉機構を備えるマイクロマシンであって、上記開閉機構では、一部に吸引口または放出口を開けた貯槽に、導入口を開けた板状の扉がガイドレールによって取り付けられており、この扉の一端には、復元バネが上記貯槽との間に取り付けられており、さらに、上記扉の他端には、1つまたは複数の形状記憶合金(例えば、線状の形状記憶合金またはコイル状の形状記憶合金など)が取り付けられ、当該形状記憶合金の他端は、上記貯槽に取り付けられていると共に、上記開閉機構は、上記形状記憶合金に通電することによって、当該形状記憶合金が収縮して上記扉をスライドさせ、そのとき、上記吸引口または放出口と上記導入口との位置が一致することによって、上記吸引口または放出口を開放すると共に、通電を止めたときには、上記復元バネによって、上記扉が元の位置にスライドすることによって上記吸引口または放出口が閉状態に戻ることを特徴としている。
上記構成では、上記形状記憶合金に通電することによって、当該形状記憶合金が収縮して上記扉をスライドさせて、上記吸引口または放出口を開放すると共に、通電を止めることによって、上記復元バネが上記扉を元の位置にスライドさせて、上記吸引口または放出口を閉状態に戻すことができる。ここで、通電の制御は、例えば、磁場や超音波あるいは電波などによって、マイクロマシンの外部から制御しやすいので、比較的容易かつ高精度に上記吸引口または放出口を開閉可能なマイクロマシンを実現できる。
さらに、本発明に係るマイクロマシンは、上記課題を解決するために、吸引機構を備えるマイクロマシンであって、上記吸引機構では、予め潰しておいた貯槽の袋または蛇腹の両端が、剛な支持板に取り付けられており、この支持板の一端は、上記貯槽に固定され、他端には、1つまたは複数の形状記憶合金が取り付られ、当該形状記憶合金の他端は、上記貯槽に取り付けていると共に、上記吸引機構は、上記形状記憶合金に通電することによって、これが収縮して上記貯槽の袋または蛇腹を膨らませることによって、上記マイクロマシンの吸入口近傍の環境物質を吸引することを特徴としている。また、本発明に係るマイクロマシンは、上記課題を解決するために、放出機構を備えるマイクロマシンであって、上記放出機構では、予め膨らませておいた貯槽の袋または蛇腹の両端が、剛な支持板に取り付けられており、この支持板の一端は、上記貯槽に固定され、他端には、1つまたは複数の形状記憶合金が取り付けられ、当該形状記憶合金の他端は、上記貯槽に取り付けられていると共に、上記放出機構は、上記形状記憶合金に通電することによって、これが収縮して、上記貯槽の袋または蛇腹を潰すことによって、上記貯槽内の物質を放出することを特徴としている。なお、当該貯槽内の物質としては、薬剤または液体が好適に使用される。
上記構成では、上記形状記憶合金に通電することによって、これを収縮させて、上記貯槽の袋または蛇腹を膨らませて上記マイクロマシンの吸入口近傍の環境物質を吸引したり、上記貯槽の袋または蛇腹を収縮させて貯槽内の物質を放出したりする。ここで、通電の制御は、例えば、磁場や超音波あるいは電波などによって、マイクロマシンの外部から制御しやすいので、比較的容易かつ高精度に吸引または放出タイミングを制御可能なマイクロマシンを実現できる。
なお、上記貯槽に吸引する場合は、上記構成に加えて、上記貯槽内は、予め真空または減圧されていてもよい。この場合は、吸引口を開口することにより貯槽内に分泌液などの環境物質をより容易に吸引できる。また、上記貯槽から放出する場合は、上記構成に加えて、上記貯槽内が予め高圧にされていてもよい。この場合は、放出口を開口することにより、貯槽内の物質(薬剤など)をより容易に放出できる。
また、本発明に係るマイクロマシンは、上記課題を解決するために、貯槽の袋または蛇腹が膨らむことによって外部の環境物質(例えば、分泌液など)を吸引する吸引機構と、蓋部材を上記貯槽の吸引口に取り付けた開閉機構とを備えるマイクロマシンであって、上記吸引機構と上記開閉機構とを結びつけて、吸引時期と開閉時期とのタイミングを合わせることを特徴としている。さらに、本発明に係るマイクロマシンは、上記課題を解決するために、貯槽の袋または蛇腹を潰すことによって貯槽内の物質(例えば、薬剤など)を放出する放出機構と、蓋部材を上記貯槽の放出口に取り付けた開閉機構とを備えるマイクロマシンであって、上記放出機構と上記開閉機構とを結びつけて、放出時期と開閉時期とのタイミングを合わせることを特徴としている。なお、上記蓋部材としては、例えば、内部に磁石を取り付けた薄い膜や蓋、栓などが好適に使用できる。
これらの構成では、例えば、チューブなどによって、上記吸入または放出機構と上記開閉機構とを結びつけて、吸入または放出時期と開閉時期とのタイミングを合わせているので、外部からの信号に連動して、それぞれを別個に制御する構成と比較して、比較的容易に上記両時期を同期可能なマイクロマシンを実現できる。
また、本発明に係るマイクロマシンは、上記課題を解決するために、貯槽と、当該貯槽の外部から内部への経路に設けられ、当該経路を開閉する開閉機構と、外部からの信号に連動して作動可能で形状記憶合金を含む操作部材と、上記貯槽を膨張させる方向および収縮させる方向に移動可能な移動部材と、上記操作部材に接続されていると共に、上記移動部材が上記貯槽を膨張または収縮させる方向のうち、予め定められた特定方向へ移動しないように上記移動部材を仮止めする位置から、当該操作部材の作動に応じて移動可能なストッパと、当該ストッパが上記移動部材を仮止めしている場合に、上記移動部材を上記特定方向に付勢する付勢部材とを備えていることを特徴としている。
また、上記構成に加えて、上記特定方向は、上記貯槽を膨張させる方向であり、上記移動部材の移動によって、マイクロマシン内に発生する正圧を逃がすための背圧用逆止弁が設けられていてもよい。一方、これとは逆に、上記特定方向は、上記貯槽を収縮させる方向であり、上記移動部材の移動によって、マイクロマシン内に発生する負圧を逃がすための逆止弁が設けられていてもよい。
さらに、上記構成に加えて、上記貯槽は、シリンダであり、上記移動部材は、当該シリンダ内に配されたピストンであって、上記付勢手段は、上記シリンダの外壁と上記ピストンとの間に配された弾性部材であってもよい。
また、上記構成に加えて、上記貯槽は、壁面が二重に形成されたシリンダであり、上記移動部材は、当該シリンダ内に配されたピストンであって、上記ピストンには、内側のシリンダ壁面から外側のシリンダ壁面に突出するように延設されたピストンピンが設けられていると共に、上記付勢手段は、内側のシリンダ壁面と外側のシリンダ壁面との間に配され、上記ピストンピンと連結された弾性部材であってもよい。なお、これらの弾性部材としては、例えば、圧縮バネ、引張バネ、板バネ、曲げバネなどのバネ、高吸水性樹脂などの高吸水性物質など、その復元力によって付勢する弾性部材を好適に使用できる。
さらに、上記操作部材は、上記外部からの信号に連動して、当該形状記憶合金に通電し、当該形状記憶合金を収縮させることによって、上記ストッパを移動させてもよい。なお、当該形状記憶合金は、例えば、線状の形状記憶合金またはコイル状の形状記憶合金などであってもよい。
また、上記形状記憶合金を通電して収縮させる構成に加えて、磁気センサと、当該磁気センサの検出結果に応じて上記形状記憶合金に通電するか否かを制御するスイッチとを備えていてもよい。さらに、当該構成に代えて、上記操作部材は、無線信号を受信する受信回路と、当該受信回路が無線信号を受信した場合に上記形状記憶合金に通電するスイッチとを備えていてもよい。また、当該構成に代えて、上記操作部材は、外部から与えられた振動を検出するセンサと、当該センサの検出結果に応じて上記形状記憶合金に通電するか否かを制御するスイッチとを備えていてもよい。さらに、当該構成に代えて、上記操作部材は、外部から与えられた振動を電力に変換して上記形状記憶合金に通電する変換手段を備えていてもよい。
これらの構成において、付勢部材は、ストッパが上記移動部材を仮止めしている状態において、上記移動部材を上記特定方向に付勢している。当該状態において、外部からの信号に連動して操作部材が作動すると、それに応じて、ストッパは、上記移動部材を仮止めする位置(仮止め位置)から移動して、移動部材を解放する。この結果、上記移動部材は、上記方向に移動可能になり、上記付勢部材による付勢によって、上記特定方向に移動する。
これにより、上記特定方向が上記貯槽を膨張させる方向の場合、上記マイクロマシンは、上記外部信号に連動して、外部の物質を吸入し、上記特定方向が上記貯槽を収縮させる方向の場合、上記マイクロマシンは、上記外部信号に連動して、貯槽内の物質を外部に放出できる。
より詳細には、例えば、上記特定方向が上記貯槽を膨張させる方向の場合、上記移動部材が上記貯槽を膨張させる方向に移動して貯槽内が負圧になると共に、上記開閉機構が経路を開くと、貯槽の外部の物質が貯槽の内部へと吸引される。さらに、外部の物質が貯槽の内部へと吸引されると共に、上記開閉機構によって上記経路が遮断されると、吸引した物質は、貯槽の外部に漏洩することなく、貯槽内に保たれる。
これにより、マイクロマシンが何らかの経路で進入可能な場所であれば、マイクロマシンを、その経路で進入させた後、所望の場所に到達したときに、外部から操作部材を作動させることによって、例えば、体内分泌液など、その場所にある物質を採取できる。
一方、上記特定方向が上記貯槽を収縮させる方向の場合、上記移動部材が上記貯槽を収縮させる方向に移動すると共に、上記開閉機構が経路を開くと、貯槽内に格納されていた物質が、貯槽の外部へ放出される。これにより、マイクロマシンが何らかの経路で進入可能な場所であれば、マイクロマシンを、その経路で進入させた後、所望の場所に到達したときに、外部から操作部材を作動させることによって、貯槽内に格納されていた物質を、その場所に放出できる。したがって、例えば、薬液搬送(ドラッグデリバリ)用のマイクロマシンなどとして、好適に使用できる。
さらに、上記特定方向がいずれの方向であっても、上記操作部材は、形状記憶合金を含んでいるので、上記移動部材を上記方向とは逆方向に移動させた後で、ストッパを上記仮止め位置に移動させて、当該ストッパに上記移動部材を仮止めさせれば、マイクロマシンを容易に再利用できる。
また、上記移動部材は、付勢部材が付勢する力によって移動しているので、形状記憶合金に必要な変形量および変形時に発生可能な力は、上記ストッパを移動可能であればよい。したがって、上記移動部材を形状記憶合金が移動させる構成と比較して、上記操作部材として採用可能な形状記憶合金の選択肢を広げることができる。
また、上記形状記憶合金を通電して収縮させる構成に加えて、上記形状記憶合金の両端のうち、上記ストッパに接続されていない方の端部を固定する固定部材と、上記形状記憶合金が上記固定部材から上記ストッパへとを接続する際、上記固定部材と上記ストッパとの間の最短経路から、当該形状記憶合金を迂回させて保持する保持部材とを備えていてもよい。なお、迂回方法の一例としては、保持部材としてのピンに線状の記憶合金をまきつける方法などが挙げられる。
当該構成では、保持部材によって、形状記憶合金が上記固定部材と上記ストッパとの間の最短経路から迂回されているので、上記固定部材と上記ストッパとの間を最短距離で結ぶように形状記憶合金が配置される構成よりも、形状記憶合金の長さが長くなる。したがって、形状記憶合金の単位長あたりの伸縮量が小さくでも、当該形状記憶合金の全体の伸縮量を大きくすることができ、上記操作部材として採用可能な形状記憶合金の選択肢をさらに拡大できる。
さらに、形状記憶合金に通電して収縮させるか否かに拘らず、上記構成に加えて、上記開閉機構は、逆止弁であってもよい。
当該構成では、上記外部からの信号に連動して開閉機構を開閉する手段を別途設けなくても、外部からの信号に連動して操作部材を作動させるだけで、吸引時は負圧によって逆止弁が開くことができる。また、吸引した後は、例えば、逆止弁中に設けられたバネの力などによって、逆止弁が閉じることができる。したがって、上記手段を別途設ける構成よりもマイクロマシンの構造を簡略化できる。
(1.緒言)
本発明は、体内分泌液などの環境物質の採取や薬液の投与に利用できるマイクロマシンに関するものである。
本発明は、体内分泌液などの環境物質の採取や薬液の投与に利用できるマイクロマシンに関するものである。
マイクロマシンとは言葉の通り微小な機械やロボットのことである。その大きさは様々で、数μmから数cmの範囲が主流である。マイクロマシンの特徴は大きさが小型なことである。これは将来的に産業、社会など幅広く活躍することが考えられる。
マイクロマシンの応用分野として、次のような分野が考えられる。
・ 医療応用分野
・ 精密機器分野
・ 航空宇宙分野
・ 情報通信機器分野
・ メンテナンス分野
・ 自動車分野
・ 計測分野
・ 微小加工分野
・ ホビー分野
このように様々な分野で応用が考えられるため、多くの大学、企業で研究、開発が行われている。
・ 精密機器分野
・ 航空宇宙分野
・ 情報通信機器分野
・ メンテナンス分野
・ 自動車分野
・ 計測分野
・ 微小加工分野
・ ホビー分野
このように様々な分野で応用が考えられるため、多くの大学、企業で研究、開発が行われている。
具体的な例として、医療分野でイスラエルのGIVEN imaging社製のM2Aが挙げられる。これは小さなカプセルの中に内視鏡が入っているものである。これを人間が飲み込むことによって、胃腸内の観察が容易になる。
他にも、インクジェットプリンタのヘッド部の加工技術、時計やカメラなどの精密機器の加工やパフォーマンス向上、自動車の安全性、快適性、自然環境の向上のためのエンジン制御用センサーやABSなどがある。これはマイクロマシン技術の応用例の一部分である。このようにマイクロマシン技術はこれから将来にかけてなくてはならない技術になるだろう。
本研究では胃腸検査用マイクロマシンに搭載させる分泌液採取機構の研究、開発を目的としている。分泌液採取とは消化器官にある様々な臓器の分泌液を採取し、それを検査することである。これにより内視鏡だけでは不十分な検査を可能にし、病気を早期発見することができる。その意味では非常に需要の高いテーマである。
分泌液採取機構とは、それを可能にするための機構である。さらにこの機構は最終的に胃腸検査用マイクロマシンに搭載させることになる。よって次のような条件が必要になる。
(1)小型で単純構造
(2)遠隔操作
(1)は将来、小型化するため出来るだけ単純構造にする必要がある。(2)は体内で使うことが条件なので遠隔操作ができることが必要である。本研究では、これらの条件を満たすためにTOKI CORPORATION社製の大操作対応金属系人工筋肉バイオメタル・ヘリックス(BioMetal Helix BMX series)に着目してアクチュエータとして用いる。
(1)小型で単純構造
(2)遠隔操作
(1)は将来、小型化するため出来るだけ単純構造にする必要がある。(2)は体内で使うことが条件なので遠隔操作ができることが必要である。本研究では、これらの条件を満たすためにTOKI CORPORATION社製の大操作対応金属系人工筋肉バイオメタル・ヘリックス(BioMetal Helix BMX series)に着目してアクチュエータとして用いる。
(1.2 医療用マイクロマシンの研究背景)
(1.2.1 研究背景)
マイクロマシンの研究は、1989年にアメリカのマサチューセッツ工科大学で直径0.1mmのシリコン製マイクロモーターが半導体微細加工技術で試作されたのが始まりといわれている。日本では1991年に通産省によるマイクロマシン開発プロジェクトが推進された。
(1.2.1 研究背景)
マイクロマシンの研究は、1989年にアメリカのマサチューセッツ工科大学で直径0.1mmのシリコン製マイクロモーターが半導体微細加工技術で試作されたのが始まりといわれている。日本では1991年に通産省によるマイクロマシン開発プロジェクトが推進された。
マイクロマシンは様々な分野での活躍が期待されている。また、マイクロマシン自体を製造する過程の加工技術なども応用が期待されている。医療分野もマイクロマシンの活躍が期待されている分野の一つである。例えば、カプセル内視鏡である。これは小さなカプセルの中に内視鏡を搭載し、胃腸内の検査を今までの胃カメラより楽で容易なものにするものである。さらに従来の胃カメラでは観察することのできなかった小腸の観察が可能になった。これにより小腸の病気を早期発見できることが可能になった。これは胃腸内の検査の幅を広げたことになる。
しかしながら、従来の病変や異常の検査法では写真撮影された画像による光学的手段を用いる方法であるため、検査医の経験や能力などに異存し、判断に利用できる情報が限られているため精度や信頼性で問題があった。そこで、生体の消化管内にある分泌液などを直接採取することによって、得られる情報を多くし、検査項目を増やして、検査結果の信頼性を高める必要があった。また、従来の内視鏡では患者の苦痛が大きいので苦痛を軽減できる検査法の開発も望まれている。
(1.2.2 カプセル内視鏡)
従来のカプセル内視鏡、例えば、GIVEN imaging社製のM2Aのカプセルは、長径26m、直径11mm、重さ3.7gで、中に小さなカラービデオカメラが入っている。カメラはストロボ、極小バッテリー、発信器、アンテナが備わり、これら全てが生体適合性プラスチックケースに収まっている。飲み込んだ後カプセルは消化管内を蠕動運動で進む。このときの蠕動運動とは消化管が食べ物を進める運動と同じである。
従来のカプセル内視鏡、例えば、GIVEN imaging社製のM2Aのカプセルは、長径26m、直径11mm、重さ3.7gで、中に小さなカラービデオカメラが入っている。カメラはストロボ、極小バッテリー、発信器、アンテナが備わり、これら全てが生体適合性プラスチックケースに収まっている。飲み込んだ後カプセルは消化管内を蠕動運動で進む。このときの蠕動運動とは消化管が食べ物を進める運動と同じである。
そして、蠕動運動で進みながら、毎秒2枚の画像を撮影し、約7時間、計約7万枚の内視鏡画像を送信する。送気・送水・吸引は出来ないが、カプセルの一端が透明なドーム状になっていて、その中にカメラがセットされているため消化管粘膜と近接状態になっても可能な限り視野を保つことが出来るようになっている。
このようなマイクロマシンは、小型カメラを用いて生体内や配管内の写真撮影を行い、その映像によって腫瘍などの病変や異常を検出し検査に利用することができる。また、外部から操作して分泌液などのサンプル採取や薬剤投与を実現するなど、医療分野を含めた広い分野での応用を期待されており、研究開発が求められている。
そこで、本発明のマイクロマシンでは、(1)分泌液などの貯槽タンク、(2)分泌液吸引機構、(3)分泌液の漏出を防ぐ開閉機構からなる分泌液採取システムを備えた。このうち、(3)については、超音波や変動磁場による共振を利用して膜や蓋、栓、支柱を破壊させる方法、逆止弁を利用する方法、扉を開閉またはスライドする方法などを用いることができる。また、本発明のマイクロマシンは、上記の(2)分泌液吸引機構を、薬剤放出機構に変更して用いることもできる。
(2 基礎知識)
(2.1 マイクロアクチュエータの駆動原理と構造)
マイクロアクチュエータは、マイクロマシンを動かす力を発生する部品である。マイクロアクチュエータの駆動方法には大別して、「場」の力を用いるものと、材料自体の性質を用いるものがある。静電圧は前者の好例であり、圧電素子や形状記憶合金は後者の例である。本研究で用いるバイオメタルは形状記憶合金の一種なので後者にあたる。どちらの場合においても、場を作るための構造の製作や、機能材料の加工にはマイクロマシニング技術が用いられる。
(2.1 マイクロアクチュエータの駆動原理と構造)
マイクロアクチュエータは、マイクロマシンを動かす力を発生する部品である。マイクロアクチュエータの駆動方法には大別して、「場」の力を用いるものと、材料自体の性質を用いるものがある。静電圧は前者の好例であり、圧電素子や形状記憶合金は後者の例である。本研究で用いるバイオメタルは形状記憶合金の一種なので後者にあたる。どちらの場合においても、場を作るための構造の製作や、機能材料の加工にはマイクロマシニング技術が用いられる。
マイクロアクチュエータの大きさは、10μmから1mm程度であるため、微小化による寸法効果が効いてきて、マクロのものの単なる小型化では、十分な性能が得られない。また、マイクロマシニングの製造プロセスで、容易に作れる構造と材料でできている必要がある。このため、新しい原理に基づくアクチュエータの開発が行われている。図1、図2および図37に示したように、駆動原理は静電気、圧電素子、形状記憶合金、熱膨張、超電導体の反発力、電磁力など多岐にわたっている。
また、その構造も、自分自身が変形するもの、可動部が固定部と接触しながら自由に動くもの、可動部が浮上して動くものなどいろいろの工夫がされている。微小化すると、重力や慣性力に対して摩擦力が支配的になる。摩擦の影響を最小限にして、小さな力で大きな動きや早い動きを得るためにこのような工夫が必要なのである。図3に典型的なアクチュエータ構造の例を模式的に示す。
マクロの世界では、電気モータとエンジンがアクチュエータの代表であるが、マイクロアクチュエータの場合は、一概にどれが優れているということは難しい。用途に応じて要求される事項が異なるため、それに応じてアクチュエータを選び、要求仕様を満たすように最適化する必要がある。考慮すべき事項としては、以下のようなものがある。
・ 許容されるアクチュエータの大きさ
・ 要求される可動範囲と精度
・ 要求される動作速度
・ 要求される発生力
・ チップ上への集積化が必要か
・ 許容される消費電力や電圧の上限
・ 使用環境が良いか、悪いか
・ 許容される製造コスト
静電アクチュエータはチップ内に集積化しやすく、制御も容易で電力消費が少ないので、システム内で完了する機械的動作を行うのに適している。例えば、ヘッドやプローブの位置決め、サーボフィードバックや自己校正機能付きセンサー、光の偏向やスイッチなどに利用される。一方、熱や磁気を利用したアクチュエータは頑丈で大きな力や変位を発生できるので、物体の操作やマイクロマシンの移動、能動カテーテルの駆動など、外界に作用を及ぼす応用に向いている。各種アクチュエータの比較を図4にまとめて示す。
・ 要求される可動範囲と精度
・ 要求される動作速度
・ 要求される発生力
・ チップ上への集積化が必要か
・ 許容される消費電力や電圧の上限
・ 使用環境が良いか、悪いか
・ 許容される製造コスト
静電アクチュエータはチップ内に集積化しやすく、制御も容易で電力消費が少ないので、システム内で完了する機械的動作を行うのに適している。例えば、ヘッドやプローブの位置決め、サーボフィードバックや自己校正機能付きセンサー、光の偏向やスイッチなどに利用される。一方、熱や磁気を利用したアクチュエータは頑丈で大きな力や変位を発生できるので、物体の操作やマイクロマシンの移動、能動カテーテルの駆動など、外界に作用を及ぼす応用に向いている。各種アクチュエータの比較を図4にまとめて示す。
(2.2 形状記憶合金アクチュエータ)
形状記憶合金はTiNiなどの合金で生ずるオーステナイト相(高温で安定)とマルテンサイト相(低温で安定)の相変態を利用するアクチュエータである。図5に模式的に示したように、マルテンサイト相においては、外力が加わると結晶の形が容易に変わり、ゴムのように柔らかく変形する。これを加熱するとオーステナイトそうへの逆相変態を生ずる。高温時に元の形状に戻ろうとするときには、低温時の変形に要する力の約3倍の力が発生する。この力は、同じ形状のステンレスのバネの約3分の1程度である。また、繰り返し使用する回数が少ないときは、7%程度の歪を与えても完全に元の形状まで回復する。歪量を1%程度に抑えれば、数万回の繰り返しが可能である。
形状記憶合金はTiNiなどの合金で生ずるオーステナイト相(高温で安定)とマルテンサイト相(低温で安定)の相変態を利用するアクチュエータである。図5に模式的に示したように、マルテンサイト相においては、外力が加わると結晶の形が容易に変わり、ゴムのように柔らかく変形する。これを加熱するとオーステナイトそうへの逆相変態を生ずる。高温時に元の形状に戻ろうとするときには、低温時の変形に要する力の約3倍の力が発生する。この力は、同じ形状のステンレスのバネの約3分の1程度である。また、繰り返し使用する回数が少ないときは、7%程度の歪を与えても完全に元の形状まで回復する。歪量を1%程度に抑えれば、数万回の繰り返しが可能である。
TiNi形状記憶合金の場合、変態温度は−50℃から100℃程度であり、合金の組成によって変化する。冷却時にマルテンサイト変態が始まる温度と、加熱時にオーステナイト相への変態が完了するまでの温度範囲はおよそ30度である。室温で用いるアクチュエータでは、完全にマルテンサイト相への変態が終わる温度が、室温以上である必要がある。また、オーステナイト相への変態温度、すなわちアクチュエータが元の形状に戻る温度があまり高いと駆動電力の消費が大きくなるので、これも制御する必要がある。
マイクロアクチュエータとして用いるときは、スパッタリングでTiNi薄膜を形成できる。形状記憶効果は、原子比組成が49〜51%程度でないと生じないし、相変態の起きる温度は組成にきわめて敏感であるが、スパッタリングのターゲット組成と形成した膜の組成は必ずしも一致しないので、注意が必要である。また、成膜時や成膜後の熱処理時に不純物が混入もしくは拡散すると、形状記憶効果が失われることにも注意しなければいけない。
形状記憶合金は一方向に動くだけであるので、これをアクチュエータとして用いるためには、復元力を生ずる工夫がいる。例えば、2つの素子を逆向きに組み合わせ拮抗的に用いることが考えられる。図6に、2つの形状記憶合金マイクロ構造を用いた拮抗型アクチュエータの原理を示す。平坦な形状を記憶させたマイクロ構造を立体的にくみ上げ、ループ状にする。一方の構造を引っ張る。ループの結合点は過熱した構造のほうに移動する。次に、全体が冷却した後でもう一方の構造を過熱すると、逆方向に動く。これを繰り返すことで、両方向に繰り返し動くアクチュエータが作れる。
普通はこのように2つの形状記憶合金バネを拮抗的に用いるか、一方を適当な堅さの通常のバネ(バイアスバネという)と組み合わせて用いる。マイクロアクチュエータとして用いるときは、2つのバネを組み合わせるといった加工は避けたいので、2方向に動く形状記憶合金バネがあれば有用である。他段階の熱処理プロセスで、2方向の形状記憶効果を持つ薄膜を作った例がある。
(2.3 金属系人工筋肉バイオメタル)
(2.3.1 バイオメタルとは)
バイオメタルとは、筋肉のように動く金属系の細い繊維状のアクチュエータ(駆動装置)である。通常は柔らかくナイロンの糸のようにしなやかであるが、電流を流すとピアノ線のように強靭になり、強い力で収縮する。通電をやめると再び柔らかくなり、もとの長さに伸びる。繰り返し何度でも動かすことができる。温風などで加熱しても同様な効果が得られる。主に伸縮で使うアクチュエータを普通のモータなどと区別して人工筋肉と呼んでいる。現在、人工筋肉というゴム系(空気圧駆動)や化学系(高分子系)がある。バイオメタルは形状記憶合金を原料にした金属系の人工筋肉である。生物のような柔らかで静かな動きをする金属のアクチュエータということで、バイオメタル(BioMetal)という名前がつけられた。製品形態として、糸状のバイオメタル・ファイバー(BMFシリーズ)とマイクロコイル状のバイオメタル・ヘリックス(BMXシリーズ)とがある。
(2.3.1 バイオメタルとは)
バイオメタルとは、筋肉のように動く金属系の細い繊維状のアクチュエータ(駆動装置)である。通常は柔らかくナイロンの糸のようにしなやかであるが、電流を流すとピアノ線のように強靭になり、強い力で収縮する。通電をやめると再び柔らかくなり、もとの長さに伸びる。繰り返し何度でも動かすことができる。温風などで加熱しても同様な効果が得られる。主に伸縮で使うアクチュエータを普通のモータなどと区別して人工筋肉と呼んでいる。現在、人工筋肉というゴム系(空気圧駆動)や化学系(高分子系)がある。バイオメタルは形状記憶合金を原料にした金属系の人工筋肉である。生物のような柔らかで静かな動きをする金属のアクチュエータということで、バイオメタル(BioMetal)という名前がつけられた。製品形態として、糸状のバイオメタル・ファイバー(BMFシリーズ)とマイクロコイル状のバイオメタル・ヘリックス(BMXシリーズ)とがある。
ここではバイオメタル・ヘリックスを使用する。
(2.3.2 バイオメタル・ヘリックス)
バイオメタル・ヘリックス(BMXシリーズ)は、バイオメタルのマイクロコイルである。大きな伸縮動作を特長とするリニア・アクチュエータ(直進運動型駆動装置)である。室温では柔らかく、簡単にのばすことができる。伸ばしたBMXは、電流を流すと固くなり強い力で元の長さに縮む。BMXが収縮するときは伸ばす時よりずっと大きな力を発生し、縮んだときの長さの200%近い大きな長さ変化を得られる。BMXは繰り返し使用することができる。モータや空圧シリンダーなどを使えない限られたスペース用のミリ・マイクロアクチュエータとして使用できる。
バイオメタル・ヘリックス(BMXシリーズ)は、バイオメタルのマイクロコイルである。大きな伸縮動作を特長とするリニア・アクチュエータ(直進運動型駆動装置)である。室温では柔らかく、簡単にのばすことができる。伸ばしたBMXは、電流を流すと固くなり強い力で元の長さに縮む。BMXが収縮するときは伸ばす時よりずっと大きな力を発生し、縮んだときの長さの200%近い大きな長さ変化を得られる。BMXは繰り返し使用することができる。モータや空圧シリンダーなどを使えない限られたスペース用のミリ・マイクロアクチュエータとして使用できる。
(1)バイオメタル・ヘリックスの特長
(a)大きな操作量と発生力
収縮時長さ100〜200%以上の大きな運動ストローク(操作量)。細く小さなアクチュエータであるが、強い力が発生する。例として図7に30gを持ち上げるBMX150を示す。簡単なメカニズムで大きな運動を取り出せる。よって機構の設計がしやすく、アプリケーション(応用開発)のアイデアが広がる。
(a)大きな操作量と発生力
収縮時長さ100〜200%以上の大きな運動ストローク(操作量)。細く小さなアクチュエータであるが、強い力が発生する。例として図7に30gを持ち上げるBMX150を示す。簡単なメカニズムで大きな運動を取り出せる。よって機構の設計がしやすく、アプリケーション(応用開発)のアイデアが広がる。
(b)静かでなめらかな動作
BMXは振動も音もなく動く。発生力は、ソレノイド(電磁石)と反対の特性で動作開始点がもっとも強く、長い変位区間で大きな変化がない。ラッチやロックの解除機構やマイクロ・サーボアクチュエータなどで優れた力を発揮する。それぞれの特性を図8に示す。
BMXは振動も音もなく動く。発生力は、ソレノイド(電磁石)と反対の特性で動作開始点がもっとも強く、長い変位区間で大きな変化がない。ラッチやロックの解除機構やマイクロ・サーボアクチュエータなどで優れた力を発揮する。それぞれの特性を図8に示す。
(c)低電圧、小電力で作動
軽く引き伸ばし、電池1本をつなぐだけで動く。特別な駆動回路は必要ない。低い電圧で駆動できるので安全である。この様子を図9に示す。駆動電流もわずかである。PWM方式の電力制御回路を使えば、細かな運動の調整ができる。BMXは、温度にも反応して動くので、サーモスタット的なアクチュエータとしても利用できる。もちろんドライヤーで暖めても動かせる。
軽く引き伸ばし、電池1本をつなぐだけで動く。特別な駆動回路は必要ない。低い電圧で駆動できるので安全である。この様子を図9に示す。駆動電流もわずかである。PWM方式の電力制御回路を使えば、細かな運動の調整ができる。BMXは、温度にも反応して動くので、サーモスタット的なアクチュエータとしても利用できる。もちろんドライヤーで暖めても動かせる。
(d)ミリ・マイクロメカニズムに最適
BMXの発生力は線材の断面積に比例する。小さくなっても力は強く、モータやソレノイドより摩擦や粘性の影響を受けにくい特性がある。BMXは材料自体がアクチュエータである。よって短く切断しても使える。小さく細かく、構造も簡単なのでミリメカニズムやマイクロメカニズムに最適である。薄いICカードやチップの中に組み込める強力なアクチュエータであると言える。
BMXの発生力は線材の断面積に比例する。小さくなっても力は強く、モータやソレノイドより摩擦や粘性の影響を受けにくい特性がある。BMXは材料自体がアクチュエータである。よって短く切断しても使える。小さく細かく、構造も簡単なのでミリメカニズムやマイクロメカニズムに最適である。薄いICカードやチップの中に組み込める強力なアクチュエータであると言える。
(2)バイオメタル・ヘリックスの用途
バイオメタル・へリックスは次のような用途が考えられる。
バイオメタル・へリックスは次のような用途が考えられる。
・ 超小型アクチュエータ
・ 超薄型、超細身アクチュエータ
・ 超小型温度スイッチ
・ フレキシブル・アクチュエータ
・ 玩具、模型用組み込み型アクチュエータ
さらにBMXの基本的な使い方を図10で示す。
・ 超薄型、超細身アクチュエータ
・ 超小型温度スイッチ
・ フレキシブル・アクチュエータ
・ 玩具、模型用組み込み型アクチュエータ
さらにBMXの基本的な使い方を図10で示す。
(3)BMX200の主な特徴と仕様
BMX200の特性と仕様を図11に合わせて示す。使用可能温度の上限と実用動作寿命は不明である。これはまだ具体的な数値がわかってないためである。
BMX200の特性と仕様を図11に合わせて示す。使用可能温度の上限と実用動作寿命は不明である。これはまだ具体的な数値がわかってないためである。
(2.4 ヒトの消化器官)
ヒトの消化管は口からこう門までの1本の管である。食物はこの管の中を通る間に消化腺から分泌される消化液で消化・分解される。消化線には、口の中のだ液を分泌するだ液腺、胃の中に胃液を分泌する胃腺、胆汁(胆液)を分泌する肝臓、すい液を分泌すい臓、小腸に腸液を分泌する腸線がある。胆汁は一時胆のうにたくわえられた後、胆管を通じて、すい管を通じて、それぞれ十二指腸におくられる。ヒトの消化器官を図12に示す。
ヒトの消化管は口からこう門までの1本の管である。食物はこの管の中を通る間に消化腺から分泌される消化液で消化・分解される。消化線には、口の中のだ液を分泌するだ液腺、胃の中に胃液を分泌する胃腺、胆汁(胆液)を分泌する肝臓、すい液を分泌すい臓、小腸に腸液を分泌する腸線がある。胆汁は一時胆のうにたくわえられた後、胆管を通じて、すい管を通じて、それぞれ十二指腸におくられる。ヒトの消化器官を図12に示す。
本研究ではこの消化腺から分泌される消化液を採取し、それを検査することで、消化液を分泌する臓器の病気を早期発見することを最終目的としている。
(3 分泌液採取機構)
(3.1 分泌液採取機構に必要な条件)
分泌液採取機構を実現するためには様々な条件が求められる。分泌液を採取するためには機構の中に液を蓄えるタンクが必要である。さらに分泌液を吸い込むための機構が必要になる。また、採取した後そのままの状態では、タンクの外と中で圧力差が発生したときにタンク内にある分泌液が外に漏れ出すことが考えられる。よって開閉機構を作って、採取するときは開の状態で、採取が終われば閉の状態になりタンクからの液の漏れ出しを防ぐ。
(3.1 分泌液採取機構に必要な条件)
分泌液採取機構を実現するためには様々な条件が求められる。分泌液を採取するためには機構の中に液を蓄えるタンクが必要である。さらに分泌液を吸い込むための機構が必要になる。また、採取した後そのままの状態では、タンクの外と中で圧力差が発生したときにタンク内にある分泌液が外に漏れ出すことが考えられる。よって開閉機構を作って、採取するときは開の状態で、採取が終われば閉の状態になりタンクからの液の漏れ出しを防ぐ。
つまり、次の条件を、適宜満たす必要がある。
(1)分泌液を蓄えるタンクを搭載する。
(2)分泌液を吸引する機構を備える。
(3)分泌液の漏れ出しを防ぐための開閉機構を備える。
(1)分泌液を蓄えるタンクを搭載する。
(2)分泌液を吸引する機構を備える。
(3)分泌液の漏れ出しを防ぐための開閉機構を備える。
本実施例では、これらの条件を満たす機構を作り、この機構によって、実際に液体(水)を吸引するものとした、この採取機構は薬を運搬する機構に応用できる。例えば、液体(分泌液)を吸引する機構を応用し、予めタンクに溜めてある液体(薬)を放出する機構にすれば、薬を運搬・投薬する機構をつくることが可能である。
分泌液採取機構を製作するときに、開閉機構と吸引機構に分けて進めた。
(1)開閉機構
開閉機構でいくつかの機構を考えてみる。例えば、吸引口に図13のように薄い膜や蓋、栓を取り付けるか、これらを図14のように支柱で支えて閉状態としておき、それを超音波や交流磁場を与えて共振または強振させ、これらを破壊して開状態をつくる機構が考えられる。
開閉機構でいくつかの機構を考えてみる。例えば、吸引口に図13のように薄い膜や蓋、栓を取り付けるか、これらを図14のように支柱で支えて閉状態としておき、それを超音波や交流磁場を与えて共振または強振させ、これらを破壊して開状態をつくる機構が考えられる。
このとき交流磁場を用いる場合は、膜や蓋、栓、支柱に予め磁石を埋め込んでおき、周りから交流磁場を与えてやる。そうすることで、これらの部分を共振または強振させることによって開状態にする機構も考えられる。
また、逆止弁をもちいて一度採取した分泌液を漏れ出さないようにする閉機構も考えられる。これを図15に示す。
また、図16のように2枚の板材に穴を開け、片方の板材をスライドさせて穴を一致させれば開状態、穴を不一致にさせれば閉状態になるスライド扉機構も考えられる。さらに図17のように1枚または複数の扉を観音開き状に開閉させる開き扉機構を用いることができる。このときの扉の開閉には形状記憶合金または、バネ等の共振を利用することができる。
(2)吸引機構
次に吸引機構でいくつかの機構を考えてみる。例えば分泌液を溜めるタンクの中を予め負圧または真空にして、吸引口を開状態にすることによって、分泌液を採取する方法が考えられる。これを図18に示す。他にも、予め潰しておいた袋や、蛇腹状の袋を広げることにより吸引力を得る方法も考えられる。
次に吸引機構でいくつかの機構を考えてみる。例えば分泌液を溜めるタンクの中を予め負圧または真空にして、吸引口を開状態にすることによって、分泌液を採取する方法が考えられる。これを図18に示す。他にも、予め潰しておいた袋や、蛇腹状の袋を広げることにより吸引力を得る方法も考えられる。
今回は、3.2節と3.3節で示すような開閉機構と吸引機構を考案した。
(3.2 開閉機構)
開閉機構は次のように製作する。
開閉機構は次のように製作する。
はじめにスライドピース(図19を参照)と固定板のピース(図20を参照)を製作する。そして、これらのパーツを図21のように組み合わせる。
このようにスライドピースと固定板を組み合わせて、固定板を固定して、スライドピースをスライドさせる。これによりスライドピース側の穴と固定板側の穴を一致させることで開の状態をつくり、穴をずらすことにより閉の状態をつくる。このときのスライド機構をバイオメタルと復元バネを用いて実現する。次に、この機構と開の状態・閉の状態がどのようなものかを示す。
スライドピースと固定板を組み合わせたものにバイオメタル・ヘリックスと復元バネをセットする。この状態は穴が一致してないので閉の状態である(図22)。
ここでバイオメタルを通電状態にしてバイオメタルを収縮させる。そうすることによって、スライドピースを動かし、穴を一致させ開の状態にする(図23)。
ここから閉状態にするためにはバイオメタルを非通電状態にする。これによりバイオメタルの収縮力がなくなり、復元バネにより引き伸ばされる。よってスライドピースが復元バネ側にスライドする。これで穴が不一致になり閉の状態になる(図24)。
この開閉機構を実際の分泌液採取機構に搭載してみる。分泌液採取機構全体の外枠は図25に示すものを用いる。そして、開閉機構をその外枠に搭載させたものを図26に示す。付録の分泌液採取機構の開閉機構側の組み立て図からわかるが、スライドピースと固定板の間の水漏れを防ぐためにゴム板がある。これはスライドピース側に接着してある。
ここで実際に製作した分泌液採取機構の写真を図27に示す。
さらに分泌液採取機構の開閉機構の動作を図28に示す。
(3.3 吸引機構)
吸引機構は潰した袋、または蛇腹状の袋を広げることにより液体を吸い込む力を得る方式を用いた。そうすることにより吸引後はその袋が分泌液を蓄えるタンクの役割をする。吸引機構は次のように製作した。
吸引機構は潰した袋、または蛇腹状の袋を広げることにより液体を吸い込む力を得る方式を用いた。そうすることにより吸引後はその袋が分泌液を蓄えるタンクの役割をする。吸引機構は次のように製作した。
はじめに図29に示す部品を製作する。
この二つの部品の間に吸引袋を接着する。それを図30に示す。図30からわかるが、吸引側スライドパーツ(2)と袋の間にプラスチック板がある。これは袋の端面を固定し、袋の形が崩れないようにしてある。また吸引側固定パーツ(1)の内部の板面に平行な穴と垂直な穴をL字型に接続させた吸引孔は吸引袋内に開口している。つまり分泌液は吸引側固定パーツ(1)の吸引孔から吸引する。
具体的な吸引方法は次に示す通りである。はじめに図30(b)のように袋を圧縮する。次に吸引側固定パーツ(1)の吸引孔を分泌液につけ、吸引側スライドパーツ(2)を袋が伸びるように引っ張る。これで袋の中に分泌液(水)を吸引する。この機構では吸引するとき、吸引側スライドパーツ(2)を引っ張る動作をバイオメタル・ヘリックスによって行う。用いるバイオメタルの種類は開閉機構で用いたものと同じバイオメタル・ヘリックス200(BMX200)を用いる。この動作を図31に示す。
この吸引機構を分泌液採取機構の外枠に組み込む。それを図32に示す。このとき吸引側スライドパーツ(2)を円滑にスライドさせるためにガイドレールを3本設けている。
ここで実際に製作した吸引機構を図33に示す。
さらに実際に製作した吸引機構の吸引動作を図34に示す。
(3.4 分泌液採取機構)
以上の開閉機構と吸引機構を組み合わせて分泌液採取機構とする。組み立てるときは開閉機構の吸引口と吸引機構の吸引口を可撓性のあるチューブで結合する。この様子を図35に示す。
以上の開閉機構と吸引機構を組み合わせて分泌液採取機構とする。組み立てるときは開閉機構の吸引口と吸引機構の吸引口を可撓性のあるチューブで結合する。この様子を図35に示す。
次に実際に組み立てた分泌液採取機構を図36に示す。このときチューブが潰れるのを防ぐために開閉機構と吸引機構の間にスペース確保のために開閉機構と吸引機構の間に挟む形でスペーサーを設置している。
このような手順で分泌採取機構は作成した。
(4 実験方法)
そして、開閉機構と吸引機構とそれらを組み合わせた分泌液採取機構について実験した。開閉機構では開閉する信号を入力してから、その動作が終了するまでの時間を測定する。吸引機構では吸引信号を入力してから、その動作が終了するまでの時間を測定する。さらに、分泌液(水)の吸引量を測定する。これは吸引前と吸引後の重さの差をとることによって求める。
そして、開閉機構と吸引機構とそれらを組み合わせた分泌液採取機構について実験した。開閉機構では開閉する信号を入力してから、その動作が終了するまでの時間を測定する。吸引機構では吸引信号を入力してから、その動作が終了するまでの時間を測定する。さらに、分泌液(水)の吸引量を測定する。これは吸引前と吸引後の重さの差をとることによって求める。
分泌液採取機構では開閉・吸引の動作を行い分泌液(水)の吸引量を測定する。このときも吸引前と吸引後の重さの差をとることによって求める。
また、実験では開閉機構のバイオメタルには電圧1.5[V]、電流4.8[A]の電気を流す。吸引機構のバイオメタルは並列に結線してあり、それには電圧1.5[V]、電流11.5[A]の電気を流す。
(5 実験結果)
実験の結果、開閉機構の開閉動作時間は次のとおりであった(測定値は5回の測定平均値)。
実験の結果、開閉機構の開閉動作時間は次のとおりであった(測定値は5回の測定平均値)。
● 開状態になるまでの時間:平均1秒49
● 閉状態になるまでの時間:平均10秒38
また、スライドピースのストロークは2.2[mm]であった。
● 閉状態になるまでの時間:平均10秒38
また、スライドピースのストロークは2.2[mm]であった。
吸引機構単独での吸引動作時間と分泌液(水)の吸引量は次のとおりであった(測定値は5回の測定平均値)。
● 吸引動作が完了するまでの時間:平均4秒20
● 分泌液(水)の吸引量:0.30[cc]
また、吸引側スライドパーツ(2)のストロークは3.7[mm]であった。
● 分泌液(水)の吸引量:0.30[cc]
また、吸引側スライドパーツ(2)のストロークは3.7[mm]であった。
開閉機構と吸引機構を組み合わせた分泌液採取機構の分泌液(水)の吸引量は次のとおりであった(測定値は5回の測定平均値)
● 分泌液(水)の吸引量:0.13[cc]
(6 考察)
(6.1 開閉機構についての考察)
実験結果より開口運動には平均で1秒49かかる。これは反応がよいと言える。この程度の時間であれば実際に分泌液を採取するときでも支障はないと考えられる。またスライドのストロークは2.2[mm]である。現在の吸引口の穴の直径は1.1[mm]なので、このストローク量でも開閉が可能である。このストローク量をもっと大きくできれば、より大きな吸引口にすることができる。そうすると、一度で多量の分泌液を採取できると考えられる。この場合、吸引口が大きければ良いということには必ずしもならない。大きいことによって吸引するときに空気も一緒に吸い込むことになり、結果的に吸引量が減ることが考えられる。よって、吸引口の大きさについて、いくつかのパターンで実験する必要があると考えられる。さらに、ストローク量も復元バネとバイオメタルの長さの比を調整することによってストローク量も大きくすることが可能であると考えられる。
● 分泌液(水)の吸引量:0.13[cc]
(6 考察)
(6.1 開閉機構についての考察)
実験結果より開口運動には平均で1秒49かかる。これは反応がよいと言える。この程度の時間であれば実際に分泌液を採取するときでも支障はないと考えられる。またスライドのストロークは2.2[mm]である。現在の吸引口の穴の直径は1.1[mm]なので、このストローク量でも開閉が可能である。このストローク量をもっと大きくできれば、より大きな吸引口にすることができる。そうすると、一度で多量の分泌液を採取できると考えられる。この場合、吸引口が大きければ良いということには必ずしもならない。大きいことによって吸引するときに空気も一緒に吸い込むことになり、結果的に吸引量が減ることが考えられる。よって、吸引口の大きさについて、いくつかのパターンで実験する必要があると考えられる。さらに、ストローク量も復元バネとバイオメタルの長さの比を調整することによってストローク量も大きくすることが可能であると考えられる。
(6.2 吸引機構についての考察)
実験結果より採取できた分泌液(水)は平均で0.30[cc]であった。袋の大きさは10.2×12.0×5.0で計算すると体積は612[mm3]である。よって理想的に吸引が行えれば0.61[cc]の分泌液が採取できる。しかし、実際には0.30[cc]しか吸引できていない。これにはいくつかの原因が考えられる。はじめに考えられることは製作するときに吸引側固定パーツ(1)と吸引側スライドパーツ(2)の間に接着するときに袋の中に接着剤が流れ込み袋の体積が小さくなったことである。次に吸引するときはチューブを吸引口に装着して吸引する。これにより吸引するときチューブ内の空気を吸ってから、分泌液(水)を吸引することになる。つまりタンク内に分泌液(水)だけでなく空気も溜まる。また袋からチューブまでの各接合部に微細な隙間が生じていることによる漏れも考えられる。これらの原因によって、分泌液(水)の吸引量が減少することになる。
実験結果より採取できた分泌液(水)は平均で0.30[cc]であった。袋の大きさは10.2×12.0×5.0で計算すると体積は612[mm3]である。よって理想的に吸引が行えれば0.61[cc]の分泌液が採取できる。しかし、実際には0.30[cc]しか吸引できていない。これにはいくつかの原因が考えられる。はじめに考えられることは製作するときに吸引側固定パーツ(1)と吸引側スライドパーツ(2)の間に接着するときに袋の中に接着剤が流れ込み袋の体積が小さくなったことである。次に吸引するときはチューブを吸引口に装着して吸引する。これにより吸引するときチューブ内の空気を吸ってから、分泌液(水)を吸引することになる。つまりタンク内に分泌液(水)だけでなく空気も溜まる。また袋からチューブまでの各接合部に微細な隙間が生じていることによる漏れも考えられる。これらの原因によって、分泌液(水)の吸引量が減少することになる。
分泌液の検査では0.1[cc]の分泌液があれば検査可能と思われる。よって現在吸引できている量でも満足できると考えられる。しかし、将来的に小型化する場合には、このままの機構では吸引量も減ってしまう。よって吸引できる量が0.1[cc]より減ってしまう可能性がある。つまり、分泌液採取機構の全体の大きさと袋の大きさのバランスで効率化をはかる必要がある。具体的には分泌液採取機構全体の大きさを小型化し、袋の大きさを維持、または拡張することである。
吸引機構単独の吸引動作の動作時間は平均で4秒20であった。この時間は良いとはいえない。この待機時間のせいで採取したい分泌液が採取できない可能性もある。動作時間はできるだけ短いほうがよいと考えられる。これを解決するためにはバイオメタルに流す電圧を変化させることで可能だと考えられる。流す電圧を大きくすればバイオメタル本体の加熱する時間が短くなる。これによって改善ができると考えられる。
吸引側スライドパーツ(2)のストローク量は3.7[mm]であった。これにはバイオメタルの接着に工夫がされている。吸引側スライドパーツ(2)にバイオメタルを垂直に接着するのではなく角度をつけて接着することによりストローク量を増やしている。この接着方法は様々なパターンが考えられる。例えば滑車を用いてストローク量を増やすことである。これは吸引量に直接関係してくるので、様々なパターンを考え、実験する必要があると考えられる。
(6.3 分泌液採取機構についての考察)
実験結果より開閉機構と吸引機構を組み合わせた場合の分泌液(水)の吸引量は0.13[cc]であった。吸引機構だけでの吸引量は0.30[cc]であった。この差異が生じた原因はいくつか考えられる。はじめに考えられるのは開閉機構と吸引機構を組み合わせたときに、開閉機構のスライドピースの管の長さだけ吸引時に吸い込む空気の量が増える。よって分泌液の吸引量が減少する。次に、吸引時にチューブが動いて吸引動作を妨げている恐れがある。それを防ぐために、開閉機構と吸引機構の間に厚さ3[mm]のスペーサーをいれているが、これでは不十分であることがわかる。これを改善するためにスペーサーの厚さを厚くすることが考えられる。しかし、それをすることは分泌液採取機構全体を大きくすることになる。よってそれをするよりは、開閉機構と吸引機構の配置を工夫して接続チューブの長さを短くした方が良いと考えられる。具体的には開閉機構を小型化し、吸引機構の設置位置を変えることでスペースを確保することが考えられる。
実験結果より開閉機構と吸引機構を組み合わせた場合の分泌液(水)の吸引量は0.13[cc]であった。吸引機構だけでの吸引量は0.30[cc]であった。この差異が生じた原因はいくつか考えられる。はじめに考えられるのは開閉機構と吸引機構を組み合わせたときに、開閉機構のスライドピースの管の長さだけ吸引時に吸い込む空気の量が増える。よって分泌液の吸引量が減少する。次に、吸引時にチューブが動いて吸引動作を妨げている恐れがある。それを防ぐために、開閉機構と吸引機構の間に厚さ3[mm]のスペーサーをいれているが、これでは不十分であることがわかる。これを改善するためにスペーサーの厚さを厚くすることが考えられる。しかし、それをすることは分泌液採取機構全体を大きくすることになる。よってそれをするよりは、開閉機構と吸引機構の配置を工夫して接続チューブの長さを短くした方が良いと考えられる。具体的には開閉機構を小型化し、吸引機構の設置位置を変えることでスペースを確保することが考えられる。
(7. まとめ)
分泌液採取機構を考案し、それを製作した。このとき「バイオメタル」という形状記憶合金アクチュエータを使用し、小型で単純な機構にすることを目指した。分泌液採取機構を開閉機構と吸引機構に分けて製作した。そして、最終的にそれら二つの機構を組み合わせて、分泌液採取機構を構成する方法を用いた。それぞれの機構を単純な構造で製作し動作確認を行った。開閉機構、吸引機構それぞれについて動作確認できた。吸引機構については分泌液(水)を平均で0.30[cc]採取できることができた。また、分泌液採取機構でも開閉動作、吸引動作の確認ができた。分泌液(水)の吸引量は平均で0.13[cc]採取することができた。
分泌液採取機構を考案し、それを製作した。このとき「バイオメタル」という形状記憶合金アクチュエータを使用し、小型で単純な機構にすることを目指した。分泌液採取機構を開閉機構と吸引機構に分けて製作した。そして、最終的にそれら二つの機構を組み合わせて、分泌液採取機構を構成する方法を用いた。それぞれの機構を単純な構造で製作し動作確認を行った。開閉機構、吸引機構それぞれについて動作確認できた。吸引機構については分泌液(水)を平均で0.30[cc]採取できることができた。また、分泌液採取機構でも開閉動作、吸引動作の確認ができた。分泌液(水)の吸引量は平均で0.13[cc]採取することができた。
なお、本実施例において、開閉機構ではバイオメタルと復元バネの長さを調整することによるストローク量の調整を図ることができる。また、スペース確保のため開閉機構全体
をできるだけ小型化することが好ましい。
をできるだけ小型化することが好ましい。
吸引機構では吸引量を増やすための新たなバイオメタルの駆動方式の考案が必要である。また吸引袋の代わりに蛇腹状の袋を用いることにより吸引効果は向上する。
分泌液採取機構では全体の機構をより単純にし、小型化することが課題である。例えば、吸引機構の吸引口に逆止弁をつける。これによって、開閉機構がなくても分泌液採取機構の条件を満たす機構が考えられる。
なお、バイオメタルの駆動電源には電池等を用いることができる。この場合、バイオメタルの駆動特性を調べて、最低駆動電圧・電流値を求め、その結果をもちいて電源を小型化し、機構本体に搭載させて遠隔操作ができるようにするにすることが好ましい。さらに電池を搭載するかわりに電磁誘導などにより駆動電流を用いる方法を採用してもよい。
本発明のマイクロマシンは、体内分泌液の採取の他、危険領域や微細領域での試料採取、試料投与等に幅広く利用することができる。
以上のように、上記の実施形態のいずれかに係るマイクロマシンは、内部に磁石を取り付けた薄い膜や蓋、栓の蓋部材を貯槽の吸引口または放出口に取り付けた開閉機構を備えるマイクロマシンであって、外部から超音波または変動磁場を与えることによって蓋部材に共振または強振を与えて破壊することにより吸引口または放出口を開放する開閉機構を備えている。また、上記構成に加えて、上記開閉機構は、内部に磁石を取り付けた支柱によって支えられた薄い膜や蓋、栓の蓋部材を、貯槽の吸引口または放出口に取り付けた開閉機構であって、該開閉機構は、超音波または変動磁場を外部から与えることによって支柱に共振または強振を与えて破壊させ、その結果蓋部材が除去されることによって吸引口または放出口を開放してもよい。さらに、上記構成に加えて、上記蓋部材に貯槽の内部または外部に逆止弁を取り付けることによって貯槽内の分泌液や薬剤が貯槽外に漏洩しないようにしてもよい。
また、上記の実施形態のいずれかに係るマイクロマシンは、内部に磁石を取り付けた支柱または形状記憶合金またはバネによって支えられた1つまたは複数の観音開きの扉を貯槽に設置した開閉機構を備えるマイクロマシンであって、上記開閉機構は超音波または変動磁場を外部から与えることによって扉を開閉させる構成である。
さらに、上記の実施形態のいずれかに係るマイクロマシンは、一部に吸引口または放出口を開けた貯槽に、導入口を開けた板状の扉をガイドレールによって取り付け、この扉の一端には復元バネを貯槽との間に取り付け、さらに扉の他端には1つまたは複数の線状の形状記憶合金を取り付けてこの形状記憶合金の他端は貯槽に取り付けた開閉機構を備えるマイクロマシンであって、この開閉機構は、上記形状記憶合金に通電することによって形状記憶合金が収縮して扉がスライドし、そのとき吸引口または放出口と導入口の位置が一致することによって口が開放され、通電を止めたときには復元バネによって扉が元の位置にスライドすることによって口が閉状態に戻る構成である。
また、上記の実施形態のいずれかに係るマイクロマシンは、予め潰しておいた貯槽袋または蛇腹の両端を剛な支持板に取り付け、この支持板の一端を貯槽に固定し、他端には1つまたは複数の形状記憶合金を取り付け、この形状記憶合金の他端は貯槽に取り付けた吸引機構を備えるマイクロマシンであって、この吸引機構は、上記形状記憶合金を通電することによってこれが収縮して貯槽袋または蛇腹が膨らむことによって分泌液などを吸引する。さらに、上記構成に加えて、上記吸引機構は、貯槽内を予め真空または減圧しておき、吸引口を開口することにより貯槽内に分泌液などを吸引してもよい。
一方、上記の実施形態のいずれかに係るマイクロマシンは、予め膨らませておいて貯槽袋または蛇腹の両端を剛な支持板に取り付け、この支持板の一端を貯槽に固定し、他端には1つまたは複数の形状記憶合金を取り付け、この形状記憶合金の他端は貯槽に取り付けた放出機構を備えるマイクロマシンであって、この放出機構は、上記予め膨らませておいた貯槽袋または蛇腹を、潰すことによって貯槽内の薬剤などを放出する構成である。さらに、上記構成に加えて、上記放出機構は、上記貯槽内を予め高圧にしておき、放出口を開口することにより貯槽内の薬剤などを放出してもよい。
また、上記の実施形態のいずれかに係るマイクロマシンは、貯槽袋または蛇腹が膨らむことによって外部の液体などを吸引する吸引機構と、内部に磁石を取り付けた薄い膜や蓋、栓の蓋部材を貯槽の吸引口または放出口に取り付けた開閉機構とを備えるマイクロマシンであって、上記吸引機構と上記開閉機構とをチューブなどで結びつけ、吸引時期と開閉時期のタイミングを合わせることにより、分泌液を採取する構成である。
さらに、上記の実施形態のいずれかに係るタッチパネル装置は、貯槽内の薬剤などを放出する放出機構と、内部に磁石を取り付けた薄い膜や蓋、栓の蓋部材を貯槽の吸引口または放出口に取り付けた開閉機構とを備えるマイクロマシンであって、上記放出機構と上記開閉機構とをチューブなどで結びつけ、放出時期と開閉時期のタイミングを合わせることにより、薬剤を投与する構成である。
ところで、上記では、一例として、予めタンク内を負圧または真空にしておいて吸入口を開放したり、吸入口を開放すると共に形状記憶合金(バイオメタル)でスライドパーツを移動させて、圧縮状態の袋を膨らませたりして、吸入口近傍の体内分泌液などの環境物質を採取する構成について説明した。
これに対して、以下では、他の吸入方法の例として、貯槽を膨張させる方向に移動可能で、しかも、ストッパにより当該方向への移動が仮止めされている部材(例えば、ピストン)と、当該部材を上記方向に付勢するバネと、上記ストッパに接続された形状記憶合金とを備え、形状記憶合金の形状変化によって上記ストッパを移動させて、当該ストッパが上記部材を仮止めしている状態から、当該部材が上記方向に移動可能な状態へと変化させる構成について説明する。
具体的には、図38に示すように、本実施形態に係るマイクロカプセル100は、雄型101aと雌型101bとから形成された外郭101を備えている。当該外郭101内には、シリンダ102が設けられている。さらに、当該シリンダ102内には、ピストンピン103aが取り付けられたピストン103が、上記シリンダ102の軸方向に移動可能に形成されている。当該シリンダ102の両端のうちの一方を形成するシリンダ蓋102aは、他方の壁面102bと対向しており、壁面102bと上記ピストン103との間には、例えば、円錐コイルバネ、板バネまたは円筒コイルバネなどからなる圧縮バネ104が挿入されている。
また、上記外郭101(例えば、雄型101a)には、シリンダ102内につながる吸入口101cが形成されており、吸入口101cからシリンダ102内への吸入路上には、吸入された分泌液が漏れないように逆止弁105が設けられている。ここで、本実施形態では、吸入口101cは、逆止弁105および壁面102bに形成された穴を介して、シリンダ102内につながっている。当該逆止弁105は、分泌液の吸引時には、上記ピストン103の運動によって発生した負圧によって開かれ、吸引後は、逆止弁105内のバネの力によって閉じられる。
また、本実施形態に係る外郭101には、背圧用の逆止弁106も設けられており、上記シリンダ102の移動によって外郭101内に発生した正圧を逃がすことができる。なお、本実施形態では、背圧用の逆止弁106は、図38および図39に示すように、外郭101の雌型101bのうち、方向α側の表面に形成されている。
さらに、本実施形態に係るピストンピン103aは、上記ピストン103の面のうち、シリンダ蓋102a側の面から、シリンダ102の軸方向に沿って、シリンダ蓋102aに向かって伸びており、ピストン103が貯槽(この例では、シリンダ102)を膨張させる方向に最も変位している状態では、シリンダ蓋102aを貫通して、シリンダ102の外部に突出するように構成されている。
一方、この状態において、ピストンピン103aが押圧されると、ピストン103が、貯槽(この例では、シリンダ102内)を収縮させる方向(この例では、シリンダ102の軸方向に沿って上記壁面102bに向かう方向)に変位して、上記圧縮バネ104を圧縮する。これにより、圧縮バネ104は、その復元力によって、貯槽を膨張させる方向α(この例では、シリンダ102の軸方向に沿って上記シリンダ蓋102aに向かう方向)に、上記ピストン103を付勢できるようになる。なお、図38は、ピストン103が貯槽を収縮させる方向(この例では、シリンダ102の軸方向に沿って上記壁面102bに向かう方向)に最も変位している状態を例示している。
また、マイクロカプセル100には、ストッパ107が設けられており、上記ピストン103が貯槽を収縮させる方向に変位している状態のまま、仮止めすることができる。本実施形態に係るストッパ107は、図40に示すように、シリンダ蓋102a上に形成されており、ピストン103が当該状態にある場合、ストッパ107の底面(シリンダ蓋102a側の面)の一部がピストンピン103aの先端(上記方向α側の先端)の面に当接して、ピストンピン103aが上記方向α側に移動しないように係止することによって、ピストン103を仮止めできる。
さらに、本実施形態に係るストッパ107は、図38に示すように、回転軸107aによって、シリンダ蓋102aに軸止されており、シリンダ蓋102aの表面(上記方向α側の面)と、ストッパ107の底面(上記方向α側の面とは逆側の面)とが対向した状態のまま、回転軸107aを中心にして回転できる。ここで、上記回転軸107aは、ストッパ107の中心から外れた位置に形成されており、ストッパ107は、回転軸107aを中心にして回転することによって、ストッパ107の一部がピストンピン103aの先端に当接可能な位置から、ストッパ107のいずれの底面もピストンピン103aの先端に当接しない位置(非仮止め位置)へと移動できる。
また、ストッパ107のうち、回転軸107aから離れた場所107bは、回転軸107aから)には、糸状の形状記憶合金としてのバイオメタル・ファイバー(BMF)108が接続されている。なお、図40の例では、短冊状のストッパ107の一端が回転軸107aにより軸支され、他端にBMF108が接続されている。
上記BMF108は、図40に示すように、シリンダ蓋102aの上記表面に立設された各BMF止め用ピン109…の外側(シリンダ102の軸から遠い側)を回るように、BMF止め用ピン109群に巻きつけられた後で固定されている。また、各BMF止め用ピン109のうち、ストッパ107側の端部から見て最初にBMF10が巻きつけられるBMF止め用ピン109は、BMF108が収縮したときに上記ストッパ107が上記非仮止め位置へと回転するように設定されている。
本実施形態では、8本のBMF止め用ピン109がシリンダ蓋102aの外周部に設けられており、BMF108は、シリンダ蓋102aを外周部を回るように、BMF止め用ピン109群に巻きつけられた後、例えば、シリンダ蓋102aの表面のうち、上記回転軸107aの位置に立設されたBMF固定用ピン110に固定されている。
ここで、上記BMF108は、筋肉のように自分で緊張収縮−弛緩伸張する人工筋肉型の繊維状アクチュエータ(駆動装置)である。生物のような柔らかで静かな動作が特長で、図41に示すように通常はナイロンの糸のようにフレキシブルでしなやかだが、電流を流すとピアノ線のように硬く、剛くなって収縮できる。
これにより、ストッパ107が上記非仮止め位置へと回転し、シリンダ102を仮止めしなくなる。この結果、BMF108に通電することによって、ストッパ107による仮止めを外すことができる。これにより、詳細は後述するように、ピストン103を移動させて、分泌液をシリンダ102内に吸入させることができる。
ここで、バイオメタル・ファイバーは、主に図42に示す特性を持っている。また、バイオメタル・ファイバーは、上述した特長を含め、以下の特徴があり、組織的に安定なため優れた耐久性と動作特性とを示す。
・遠通電で緊張収縮、非通電で弛緩伸張する自己伸縮性。
・繊維状のソリッドステート・アクチュエータ。
・振動や動作音がない。
・ダンピングの効いた柔らかな動作。
・高い分解能の微小運動も可能。
・強い収縮力と起動力。
・伸縮する長さは全長の5%以上。
・寸法や伸縮動作範囲が安定している。
・動作寿命が長い。
・感温型アクチュエータとしても利用可能。
・温度ヒステリシスが狭く、比較的応答性がよい。
・低電圧でも駆動可能。
・化学的、組織的に安定で煮沸可能。
・低コスト。
・遠通電で緊張収縮、非通電で弛緩伸張する自己伸縮性。
・繊維状のソリッドステート・アクチュエータ。
・振動や動作音がない。
・ダンピングの効いた柔らかな動作。
・高い分解能の微小運動も可能。
・強い収縮力と起動力。
・伸縮する長さは全長の5%以上。
・寸法や伸縮動作範囲が安定している。
・動作寿命が長い。
・感温型アクチュエータとしても利用可能。
・温度ヒステリシスが狭く、比較的応答性がよい。
・低電圧でも駆動可能。
・化学的、組織的に安定で煮沸可能。
・低コスト。
また、バイオメタル・ファイバーは、発生力が面積に比例するアクチュエータのため、小型化によって体積や重量に対する発生力が強くなる特性があり、マイクロアクチュエータで、その特長と真価とを発揮する。さらに、細くても大きな力を出せるため、ミリ・マイクロサイズのアクチュエータに最適である。なお、バイオメタル・ファイバーは、温度変化によって動かすこともできる。70℃に加熱すると収縮し、冷却すると伸張する。
さらに、本実施形態には、図38に示すように、外部からの指示に応じて、上記BMF108へ通電するか否かを制御する制御回路111と、BMF108へ通電する際の電源となる電池112とが設けられている。なお、図38において、121はスペーサ、122はワッシャ、123はボルト、124はOリングである。
本実施形態では、マイクロカプセル100が体内に入った状態でも体外から操作できるように、上記外部からの指示の一例として、図43に示すように、磁場による指示を採用しており、制御回路111は、磁場によって分泌液の吸入が指示されると、BMF108へ通電することができる。なお、安全のため、吸入が終わると、入力信号を停止するなどして、BMF108への通電を停止させる方が望ましい。
ここで、磁場による指示を検出するための磁気センサ、すなわち、磁気エネルギーを検出対象としたセンサ・エレメントとしては、例えば、電磁誘導作用を利用した磁気ヘッド、サーチコイルが挙げられる。また、電流磁気効果を応用した磁気センサ類として、ホール素子、磁気抵抗素子なども好適に使用できる。以下では、一例として、磁気センサとしてホール素子を使用した構成について説明する。
具体的には、図44に示すように、本実施形態に係る制御回路111は、上記電池112と駆動部としてのBMF108との間に設けられ、スイッチとして動作するトランジスタ111aと、磁気センサとしてのホールIC111bとを備えている。なお、ホールIC111bがBMF108を直接駆動できれば、トランジスタ111aを省略してもよいが、本実施形態に係るホールIC111bは、駆動能力が充分でないため、ホールIC111bがトランジスタ111aのオン/オフを制御してBMF108を駆動している。
本実施形態では、一例として、PNP型のトランジスタ111aが使用されている。ここで、トランジスタ111aとホールIC111bとを直接接続すると、トランジスタ111aが破損する虞れがあるため、本実施形態では、トランジスタ111aのベース端子は、抵抗R2を介してホールIC111bの出力端子に接続されている。また、ホールICの出力端子と抵抗R2との接続点には、電池112から、抵抗R1を介して電源電圧Vccが印加されている。さらに、ホールIC111aの入力端子、および、トランジスタ111aのエミッタ端子にも、電池112から電源電圧Vccが印加されている。また、トランジスタ111aのコレクタ端子は、BMF108の一端に接続されている。さらに、電池112の−極は、接地端子として、BMF108の一端、および、ホールIC111bの接地端子に接続されている。
また、上記ホールIC111bは、磁気センサであるホール素子と、その出力信号をデジタル信号に変換するICとを1つにした素子である。本実施形態では、ホールIC111bとして、スイッチタイプのホールICを用いており、出力端子の電圧がオンを示す値になるかオフを示す値になるかを、磁束密度に応じて変更できる。
より詳細には、上記ホール素子は、ホール効果(Hall Effect)を利用した磁気センサであって、磁界を電気信号に変換し出力できる。より詳細には、ホール素子は、半導体薄膜で形成され、図45に示すように、薄膜の表面から裏面に貫通する向きに垂直に磁場がかかると、ローレンツ力により、半導体薄膜内の電子が進行方向を曲げられる。この結果、電子が偏り、進行方向と垂直な方向に電位差が発生する。これにより、ホール素子は、磁気を検出できる。
また、上記ホールIC111bは、図46に示すように、3つの端子、すなわち、入力端子、接地端子および出力端子を備えており、入力端子とGND端子との間に電圧をかけている状態で、ホール素子にかけられた磁場の磁束密度が予め定められた値(Bop)を超えない間は、図示しない内部スイッチがオフして、図47に示すように、出力端子の電位を入力端子に印加された電源電圧Vccに保つことができる。一方、磁束密度が予め定められた値(動作点Bop)を超えると、上記スイッチがオンして、出力端子の電位を略接地レベル(0〔V〕)にすることができる。また、本実施形態に係るホールIC111bでは、上記磁束密度が、上記値Bopよりも小さな値Brp(復帰点)を下回ったとき、上記スイッチを再度オフして、出力端子の電位を電源電圧Vccにすることができる。
なお、上記ホールICは、例えば、家電製品(エアコン、洗濯機)またはファンなどのモーターの回転検出、携帯端末、家電製品などのスイッチの開閉検出、あるいは、自動車(パワーウインドウ)などの位置検出などの用途にも好適に使用できる。
上記構成では、マイクロカプセル100が、分泌液などの採取が必要な場所に近づいたときに、マイクロカプセル100に磁場をかけることによって、分泌液の吸入が指示されると、ホールIC111bがオンして、トランジスタ111aが作動(オン)する。これにより、駆動部としてのBMF108に電池112の電流が流れる。
この結果、BMF108が収縮し、ストッパー107を回転させる。これにより、ストッパー107がピストン103を開放する。この結果、ピストンピン103aとピストン103とが圧縮バネ104の力によって、α方向(シリンダ蓋102aの方向)に移動する。これにより、シリンダ102内が負圧になるので、吸入口の逆止弁105が作動する。この結果、外郭101の外側にある分泌液を、シリンダ102の中に吸引できる。
この分泌液の吸入が終わると、吸入口の逆止弁105が閉じる。これにより、この分泌液がシリンダ102内に貯蔵されたまま、マイクロカプセル100は、体外に放出される。したがって、その後に、マイクロカプセル100から分泌液を取り出すことによって、成分の分析などの診断を行うことができる。
より詳細には、本構成例において、磁場をホールIC111bの表面対し垂直に与えると、ホールIC111bが磁場を感知し、磁束密度の値がBop(60ガウス)以上に増加する。これにより、ホールIC111bの出力部から電流が生じる。ホールIC111bからの出力電流がトランジスタ111aのベース部にベース電流として流れると、当該ベース電流によって、エミッタ−コレクタ間に電流が流れ、トランジスタ111aがオン状態になる。これにより、トランジスタ111aのコレクタ部につながれたBMF108に電流が流れ、BMF108が駆動される。
一方、吸入が終了した時点で、磁場を与えるのを停止し、磁束密度の値がBrp以下に減少すると、ホールIC111bの出力電流が0になる。この状態では、トランジスタ111aのベース電流が0になるので、エミッタ−コレクタ間が絶縁状態になり、トランジスタ111aがオフ状態になる。この結果、コレクタからの電流がストップし、BMF108が元に戻る。
ここで、上記構成では、BMF108がBMF固定用ピン110とストッパ107とを接続する際、両者を最短距離で直結するのではなく、BMF止め用ピン109群に巻きつけられている。したがって、最短距離で直結する構成と比較して、BMF固定用ピン110とストッパ107とを接続するBMF108の長さを、より長くすることができる。この結果、BMF108の収縮時に、より長く、かつ、より強い力でストッパ107を移動させることができる。したがって、ストッパ107の構造および形状記憶合金(BMF108)の種類を、より広い選択肢の中から選択することができる。
以下では、上記マイクロカプセル100の、より詳細な構成例について説明する。すなわち、ホールICの磁場の検出方法としては、(1) 「磁石の一方の極(例えば、S極)の磁界の強弱に対してオン/オフする片極検知タイプ」と、(2) 「磁石のS極またはN極の磁界の強弱に対してオン/オフし、磁極の向きに依存しない両極検知タイプ」と、(3) 「磁石のS極N極の磁界が交互に印加される場合に対してオン/オフする交番検知タイプ」とが挙げられる。なお、片極検知および両極検知タイプは、主に磁石の位置検出に用いられ、交番検知タイプは、主に回転数の検出に用いられることが多い。また、磁場の与え方にも、2タイプあり、図48に示すように、ホールICの上から磁場を与えるタイプ(タイプA)と横から与えるタイプ(タイプB)とがある。
本構成例では、図44に示すホールIC111bとして、片極検知タイプかつタイプAのホールIC、より詳細には、Honeywell社製 SS411A(バイポーラ型)を採用した。なお、当該ホールICは、図49に示す特性を持っている。さらに、本構成例では、図44に示すトランジスタ111aとして、低周波用にも使用可能な高周波用のPNP型のトランジスタ、より詳細には、東芝製の2SA1015を使用している。また、抵抗R1およびR2としては、それぞれ100Ωの炭素皮膜抵抗を使用している。なお、図49に示すように、ホールICの出力電流が最大20mA、出力電圧0.4Vである。また、磁場を与えてマイクロカプセル100の吸入機構を動作させ、分泌液を吸収させた後は、磁場を与えるのが停止されるため、抵抗R1・R2に電流が流れている期間は、比較的短い。したがって、抵抗R1およびR2として、1/4Wの定格電力のものを採用した。
なお、電流が流れる時間が60秒とすると、抵抗R2の発熱量は、ホールICが20mAの出力電流を出力したとしても、2.4Jであり、抵抗R1の発熱量は、抵抗R1に流れる電流を60mAとすると、21.6Jである。同様に、BMF108の発熱量は、図38に示すBMF108の長さが0.1mであり、電流が流れる時間が60秒とすると、当該BMF108として後述するBMF50を使用した場合に、20.4J、BMF50を使用した場合でも27.6Jとなる。したがって、体内に入れたとしても、上記発熱に起因する不具合は発生しない。なお、電流が流れる時間をさらに短くすると、発熱量が減少するので、さらに安全性を向上できる。
さらに、本構成例では、図38に示すBMF108として、図50に示す特性のBMF50またはBMF75を使用している。また、これらのBMF108を駆動させるためには、図44に示す電池112は、80mA以上の電流を供給可能であることが望ましく、マイクロカプセル100に搭載可能な程度に小さなものであることが望まれる。本構成例では、電池112として、リチウム電池、より詳細には、CR1/3Nを使用している。当該リチウム電池(CR1/3N)は、公称電圧3V、公称容量160mAhの特性を持っており、その外形寸法は、直径11.6mm、高さ10.8mmである。また、リチウム電池(CR1/3N)の質量は、3.3gであり、例えば、カメラの露出計などの用途に好適に使用されている。
なお、BMFの好適な用途としては、例えば、(a) 「ソレノイド的なアクチュエータとしての応用(リレー、ラッチングリレー、電気駆動弁、電動ロック、シャッター、電動ブレーキ、クラッチなど)、(b) 「アナログアクチュエータとしての応用(サーボアクチュエータ、サーボバルブ、マイクロ・ロボツト、マイクロ・ステージなど)」、(c) 「バイメタル的な応用(サーキットブレーカ、間欠スイッチ(機械的自励発振)、温度センサー&アクチュエータなど)」、(d) 「電子部品としての応用(電動スイッチ、電動ボリウムなど)、(e) 「汎用小型アクチュエータとしての用途(動くポスター用超薄型アクチュエータ、玩具用小型アクチュエ ータ、サイレントアラームなど)」、および、(f) 「その他の特殊な用途(簡易放電加工機、簡易溶接機など)」などが挙げられる。
また、リチウム電池は、リチウム金属またはリチウムアルミ合金を負極に使用し、正極に二酸化マンガンを使用した電池である。リチウムは、金属のうち最大のイオン化傾向を持つため、リチウム電池からは、3Vと高い電圧が得られる。また、リチウム電池は、マンガン電池の約10倍と容量が非常に大きく、放電末期まで電圧降下が少なく、自己放電が少ない。さらに、リチウム電池は、電解液に水を用いていないので、低温でも使用可能である。なお、これらリチウム電池は、上記マイクロカプセル100だけではなく、例えば、カメラ、電子メータ(水道、ガス、電力)、自動車用電子キー、緊急通報システム、携帯電話のRTC、SRAM等、コンピュータのSRAM、DRAM等、ファクシミリのSRAM、DRAM等、その他通信機器、OA機器のSRAM、DRAM等の電源として好適に使用されている。
本構成例に係る制御回路110の寸法は、上記の各素子を採用して、図51に示すように、直径12mm、高さ8mmに抑えられており、当該制御回路110を含むマイクロカプセル100を、何ら支障なく、体内に入ることができる。なお、上記では、制御回路110を構成する回路素子を1〜2mm厚のプリント基板上に配置したが、その代わりに、より薄い板の上に配置したり、トランジスタ111aとしてチップトランジスタを使用したりすれば、さらに制御回路110の寸法を削減できる。
次に、上述した構成例に係るマイクロカプセル100を用いた実験結果について説明する。なお、以下では、比較例として、BMF108として、BMF50またはBMF75に代えて、BMF100を用いた構成、並びに、抵抗R1・R2の抵抗値を、220Ωまたは470Ωに設定した構成についても確認した。
まず、上記各構成例および比較例のマイクロカプセル100において、電池112の代わりに直流安定化電源(12V、200mA)によって電力を供給し、その状態で、「永久磁石をホールIC111bに近づけると、BMF108が正しく駆動され、遠ざけると、BMF108の駆動が停止される」ことを確認した。
次に、上記各構成例および比較例のマイクロカプセル100において、駆動部(BMF108)にデジタルマルチメータ(電流測定器)を接続し、直流安定化電源により印加される電圧が2V、2.5V、3V、3.5V、6Vおよび8Vの場合のそれぞれについて、マイクロカプセル100に与える磁場を変化させ、デジタルマルチメータに電流が流れたときの磁束密度を磁束密度計によって測定したところ、図52および図53に示す結果が得られた。なお、図53は、図52の実験結果のうち、磁束密度の平均値と電圧との関係をグラフ表示したものである。また、実験の際には、マイクロカプセル100を磁場発生装置の中央に設置して測定した。
ここで、図52および図53から、上述した構成例に係るマイクロカプセル100における抵抗値と磁束密度との関係として、電圧2.5〜3Vで磁束密度が大きく変化していること、および、抵抗が小さいほど磁束密度が小さいことが分かる。つまり、上述した構成例に係るマイクロカプセル100では、電源(電池112)に必要な電圧は、2.5V以上であり、また、抵抗の値を小さくすれば、駆動に必要な磁束密度が小さくなる。つまり、回路の感度を上げるためには、抵抗値の小さいものを選択すればよい。また、本構成例で用いたホールICでは、抵抗に関係なく電圧が2.5V以下の場合、磁場を最大(約30mT)にしてもデジタルマルチメーターに電流が流れなかった。ここで、仮に今回用いた磁場発生装置よりも強磁場のだせる発生装置を使用し、BMFが駆動したとしても、電源に用いる電池112の磁場の影響を考えると強磁場を用いることは望ましくない。したがって、できるだけ小さな磁場で遠隔操作しようと考えると、3V以上の電圧が望ましい。
さらに、直流安定化電源による電力供給から上述したように電池112による電力供給に戻し、デジタルマルチメータ(電流測定器)を外した状態で、上記BMF108として、BMF50、BMF75、BMF100を用いた各マイクロカプセル100について、正常駆動するか否かを確認したところ、BMF100を用いたマイクロカプセル100では、上記電池112では、BMF100を駆動できないことが判明した。なお、BMF50の場合に、BMF50が駆動される磁束密度を測定したところ、抵抗値が100Ωの場合、磁束密度3.2mTのときにBMF50が駆動され、抵抗値が1220Ωおよび470Ωの場合は、それぞれ、4.2mT、5.0mTのときに駆動された。
また、BMF50およびBMF75の場合を比較すると、BMF50の方が高速に駆動され、BMF50の場合は、非常に速くBMF50が応答できた。ただし、BMF75を用いた場合でも分泌液の吸入には充分な程度に高速に応答することが確認できた。
ここで、応答性(磁場を与えてから駆動するまでの時間)だけを見ると、BMF50の方がよいが、BMF50およびBMF75の実用発生力を比較すると、図49に示すように、BMF75の方が大きい。ただし、上述した構成例のマイクロカプセル100の場合、分泌液採取機構の開閉・吸引機構において、BMF108につなぐピン(BMF止め用ピン109やBMF固定用ピン110など)にかかる負荷を無視できない。したがって、これらのピンにかかる負荷の点から、上述した構成例のマイクロカプセル100の場合、分泌液採取機構に用いるBMFは、応答性の良いBMF50よりも発生力が大きいBMF75が望ましい。
また、より確実にホールIC111bによるBMF108への通電を停止させるためには、マイクロカプセル100へ分泌液の吸入を指示する磁場発生装置は、通電を指示する際に与えた磁場(この例では、S極磁場)と反対の磁場(この場合、N極磁場)を与える方が望ましい。これにより、BMF108への通電をより確実に停止させることができ、BMF108へ通電する時間を短縮できる。
このように、本実施形態に係るマイクロマシンは、(1) カプセルに体液などを取り入れる吸引口、またはカプセルから薬液などを放出するための放出口を開閉することによって、体内の必要な部位以外の場所でカプセル内と体外との間で体液や薬液などが出入りしないようにするための開閉機構、および(2) 体液などを吸引するための吸引機構あるいはカプセル内の薬液などを放出するための放出機構、および(3) 吸収した体液または放出する薬液などを貯蔵しておくための貯蔵機構、および体内の必要な部位で体液などを採取するかまたは薬液などを放出する操作を開始する際のタイミングの信号を体外から与えることによってその信号に反応して開閉機構および吸引機構または放出機構を作動させるための制御機構、および、これらの各機構を駆動させるためのどうよくを供給するための電源機構を有している。
さらに、シリンダ内にピストンと圧縮バネを挿入しておき、ピストンに取り付けたピンをあらかじめ押してバネを圧縮させてこれをストッパーで仮固定しておき、外部からの信号に連動して操作部材が作動することによって上記ストッパーを移動または回転させることにより圧縮バネの復元力を利用してピストンを移動させてシリンダ内を負圧にし、逆止弁による開閉機構を開いて分泌液を吸引、貯蔵させている。
当該構成では、外部からの信号に連動してバイオメタル・ファイバーBMF(細線状の形状記憶合金)に通電・縮小させてストッパーを移動または回転させ、さらに圧縮バネに復元力を発生しピストンを作動させることによってシリンダ内を負圧にして逆止弁を開き、分泌液を吸引させてシリンダ内に貯蔵させることができる。
なお、上記では、一例として、片極検知タイプのホールICを使用する場合について説明したが、これに限らず、両極検知タイプのホールICを用いてよい。また、上記では、1つのホールICを用い、1方向の磁場によってマイクロカプセル100に通電(吸入)を指示する構成について指示したが、これに限らず、複数のホールICを使用してもよい。例えば、分泌液採取機構を体内に入れる際、マイクロカプセル100が感知可能な磁場の方向が1方向だけであれば、マイクロカプセル100の向きによっては、指示を見過ごす虞れがあるが、3つのホールICを三次元方向に設置し、どれか1つでも磁場を感知すれば、BMF108を駆動するように構成すれば、マイクロカプセル100が、どのような向きを向いていても、確実に指示を検出できる。
なお、上記では、マイクロマシンの一例として、上記付勢手段としての圧縮バネ104が、上記貯槽としてのシリンダ102の外壁と、移動部材としてのピストン103との間に配されている構成について説明したが、これに限るものではない。
例えば、上記貯槽は、壁面が二重に形成されたシリンダであり、上記移動部材は、当該シリンダ内に配されたピストンであって、上記ピストンには、内側のシリンダ壁面から外側のシリンダ壁面に突出するように延設されたピストンピンが設けられていると共に、上記付勢手段は、内側のシリンダ壁面と外側のシリンダ壁面との間に配され、上記ピストンピンと連結された圧縮バネであってもよい。
このように、圧縮バネをシリンダ内の吸入側に挿入する構成に代えて、シリンダの外側のシリンダの蓋とピストンピンの間に圧縮バネを設置したり、シリンダの壁を二重にして内側シリンダの外側にピストンピンと連結して圧縮ピンを取り付ける方法、シリンダ内でピストンの反対側に引張バネを取り付ける方法などを用いてもよい。
また、上記では、上記移動部材を貯槽が膨張する方向に移動させて、貯槽内に環境物質を吸入する構成について説明したが、これに限るものではない。これとは逆に、移動部材を貯槽が収縮する方向に移動させ、貯槽内の物質を放出してもよい。なお、この場合、各逆止弁の向きが逆になり、圧縮バネをピストンの反対側に挿入したり、圧縮バネに代えて引張バネを使用したりすると共に、ストッパの止め方が逆にすればよい。
いずれの場合であっても、貯槽と、当該貯槽の外部から内部への経路に設けられ、当該経路を開閉する開閉機構と、外部からの信号に連動して作動可能で形状記憶合金を含む操作部材と、上記貯槽を膨張させる方向および収縮させる方向に移動可能な移動部材と、上記操作部材に接続されていると共に、上記移動部材が上記貯槽を膨張または収縮させる方向のうち、予め定められた特定方向へ移動しないように上記移動部材を仮止めする位置から、当該操作部材の作動に応じて移動可能なストッパと、当該ストッパが上記移動部材を仮止めしている場合に、上記移動部材を上記特定方向に付勢する付勢部材とを備えていれば、貯槽内に環境物質を吸入したり、貯槽内の物質を放出したりできる。
また、上記では、磁場によって、操作部材としてのBMF108を駆動するか否かを制御する構成について説明したが、電磁波、あるいは、超音波などの振動によって、操作部材としてのBMF108を駆動するか否かを制御してもよい。さらに、上記では、操作部材としてのBMF108を駆動するための動力源として、電池を使用する場合について説明したが、これに限るものではない。外から電磁波や振動を与えることによって、これを受信し、エネルギに変換する機構を有する方法、小型の内燃機関を備えておき、これによりエネルギを発生する方法などを用いてもよい。
より詳細には、上述したように、磁石を近づけるか、またはコイルに電流を通電して磁場を発生させ、この磁界の強弱に対してホールICとトランジスタを組み合わせてスイッチ回路を構成しBMFに定格電流を通電する構成に代えて、外部から無線信号を送り、これを受信したときに駆動部に通電する制御回路を有していてもよい。また、外部から超音波などの振動を与えることによって駆動部に通電する制御回路を有していてもよい。
このように、上記操作部材が、無線信号を受信する受信回路と、当該受信回路が無線信号を受信した場合に上記形状記憶合金に通電するスイッチとを備えていたり、上記操作部材が、外部から与えられた振動を検出するセンサと、当該センサの検出結果に応じて上記形状記憶合金に通電するか否かを制御するスイッチとを備えていたり、上記操作部材が、外部から与えられた振動を電力に変換して上記形状記憶合金に通電する変換手段を備えていたりしてもよい。いずれの場合であっても、外部からの信号に連動して操作部材を作動可能であれば、略同様の効果が得られる。
なお、上述したいずれのマイクロマシンであっても、小型カメラを備え、写真撮影が可能となっていてもよい。これにより、貯槽内の物質の放出、あるいは、外部の物質の吸引だけではなく、外部の映像を撮影でき、より的確に外部の状況を把握できる。
(8.発明の効果)
本発明のマイクロマシンによれば、内視鏡のように患者の苦痛を伴わずに生体内検査や投薬が可能となる。また、本発明のマイクロマシンによれば、生体内の分泌液を直接採取して種々の検査が行え、客観的な結果が得られるので、検査の精度と信頼性の向上を図ることができる。また、本発明のマイクロマシンに薬剤投与システムを備えれば、薬剤が治療の必要な箇所に直接投与できるので、薬剤の効果が向上するばかりでなく、副作用の軽減にも役立つという効果を奏する。
本発明のマイクロマシンによれば、内視鏡のように患者の苦痛を伴わずに生体内検査や投薬が可能となる。また、本発明のマイクロマシンによれば、生体内の分泌液を直接採取して種々の検査が行え、客観的な結果が得られるので、検査の精度と信頼性の向上を図ることができる。また、本発明のマイクロマシンに薬剤投与システムを備えれば、薬剤が治療の必要な箇所に直接投与できるので、薬剤の効果が向上するばかりでなく、副作用の軽減にも役立つという効果を奏する。
Claims (29)
- 蓋部材を貯槽の吸引口または放出口に取り付けた開閉機構を備えるマイクロマシンであって、
上記蓋部材の内部には、磁石が取り付けられており、
上記開閉機構は、外部から変動磁場を与えることによって、上記蓋部材に共振または強振を与えて当該蓋部材を破壊することにより、上記吸引口または放出口を開放することを特徴とするマイクロマシン。 - 蓋部材を貯槽の吸引口または放出口に取り付けた開閉機構を備えるマイクロマシンであって、
上記蓋部材を支える支柱の内部には、磁石が取り付けられており、
上記開閉機構は、外部から変動磁場を与えることによって、上記支柱に共振または強振を与えて当該支柱を破壊し、その結果蓋部材を除去することにより、上記吸引口または放出口を開放することを特徴とするマイクロマシン。 - 蓋部材を貯槽の吸引口または放出口に取り付けた開閉機構を備えるマイクロマシンであって、
上記開閉機構は、外部から超音波を与えることによって、上記蓋部材に共振または強振を与えて当該蓋部材を破壊することにより、上記吸引口または放出口を開放することを特徴とするマイクロマシン。 - 蓋部材を貯槽の吸引口または放出口に取り付けた開閉機構を備えるマイクロマシンであって、
上記開閉機構は、外部から超音波を与えることによって、上記蓋部材を支える支柱に共振または強振を与えて当該支柱を破壊し、その結果蓋部材を除去することにより、上記吸引口または放出口を開放することを特徴とするマイクロマシン。 - 上記蓋部材の内部または外部に逆止弁を取り付けることによって、上記貯槽内の物質を貯槽外に漏洩しないようにしたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のマイクロマシン。
- 開閉機構を備えるマイクロマシンであって、
当該開閉機構では、内部に磁石を取り付けた支柱によって支えられた1つまたは複数の観音開きの扉が貯槽に設置されており、
上記開閉機構は、変動磁場を外部から与えることによって扉を開または閉させることを特徴とするマイクロマシン。 - 開閉機構を備えるマイクロマシンであって、
当該開閉機構では、形状記憶合金またはバネによって支えられた1つまたは複数の観音開きの扉が貯槽に設置されており、
上記開閉機構は、超音波を外部から与えることによって扉を開または閉させることを特徴とするマイクロマシン。 - 開閉機構を備えるマイクロマシンであって、
上記開閉機構では、一部に吸引口または放出口を開けた貯槽に、導入口を開けた板状の扉がガイドレールによって取り付けられており、
この扉の一端には、復元バネが上記貯槽との間に取り付けられており、
さらに、上記扉の他端には、1つまたは複数の形状記憶合金が取り付けられ、当該形状記憶合金の他端は、上記貯槽に取り付けられていると共に、
上記開閉機構は、上記形状記憶合金に通電することによって、当該形状記憶合金が収縮して上記扉をスライドさせ、そのとき、上記吸引口または放出口と上記導入口との位置が一致することによって、上記吸引口または放出口を開放すると共に、通電を止めたときには、上記復元バネによって、上記扉が元の位置にスライドすることによって上記吸引口または放出口が閉状態に戻ることを特徴とするマイクロマシン。 - 吸引機構を備えるマイクロマシンであって、
上記吸引機構では、予め潰しておいた貯槽の袋または蛇腹の両端が、剛な支持板に取り付けられており、
この支持板の一端は、上記貯槽に固定され、他端には、1つまたは複数の形状記憶合金が取り付られ、当該形状記憶合金の他端は、上記貯槽に取り付けていると共に、
上記吸引機構は、上記形状記憶合金に通電することによって、これが収縮して上記貯槽の袋または蛇腹を膨らませることによって、上記マイクロマシンの吸入口近傍の環境物質を吸引することを特徴とするマイクロマシン。 - 上記貯槽に設けられているのは、吸引口であって、
上記貯槽内は、予め真空または減圧されていることを特徴とする請求項1〜5、8のうちのいずれか1項に記載のマイクロマシン。 - 上記貯槽内が予め真空または減圧されていることを特徴とする請求項6、7または9に記載のマイクロマシン。
- 放出機構を備えるマイクロマシンであって、
上記放出機構では、予め膨らませておいた貯槽の袋または蛇腹の両端が、剛な支持板に取り付けられており、
この支持板の一端は、上記貯槽に固定され、他端には、1つまたは複数の形状記憶合金が取り付けられ、当該形状記憶合金の他端は、上記貯槽に取り付けられていると共に、
上記放出機構は、上記形状記憶合金に通電することによって、これが収縮して、上記貯槽の袋または蛇腹を潰すことによって、上記貯槽内の物質を放出することを特徴とするマイクロマシン。 - 上記貯槽内が予め高圧にされていることを特徴とする請求項6、7または12に記載のマイクロマシン。
- 上記貯槽に設けられているのは、放出口であって、
上記貯槽内が予め高圧にされていることを特徴とする請求項1〜5、8のうちのいずれか1項に記載のマイクロマシン。 - 貯槽の袋または蛇腹が膨らむことによって外部の環境物質を吸引する吸引機構と、蓋部材を上記貯槽の吸引口に取り付けた開閉機構とを備えるマイクロマシンであって、
上記吸引機構と上記開閉機構とを結びつけて、吸引時期と開閉時期とのタイミングを合わせることを特徴とするマイクロマシン。 - 貯槽の袋または蛇腹を潰すことによって貯槽内の物質を放出する放出機構と、蓋部材を上記貯槽の放出口に取り付けた開閉機構とを備えるマイクロマシンであって、
上記放出機構と上記開閉機構とを結びつけて、放出時期と開閉時期とのタイミングを合わせることを特徴とするマイクロマシン。 - 貯槽と、
当該貯槽の外部から内部への経路に設けられ、当該経路を開閉する開閉機構と、
外部からの信号に連動して作動可能で形状記憶合金を含む操作部材と、
上記貯槽を膨張させる方向および収縮させる方向に移動可能な移動部材と、
上記操作部材に接続されていると共に、上記移動部材が上記貯槽を膨張または収縮させる方向のうち、予め定められた特定方向へ移動しないように上記移動部材を仮止めする位置から、当該操作部材の作動に応じて移動可能なストッパと、
当該ストッパが上記移動部材を仮止めしている場合に、上記移動部材を上記特定方向に付勢する付勢部材とを備えていることを特徴とするマイクロマシン。 - 上記特定方向は、上記貯槽を膨張させる方向であり、
上記移動部材の移動によって、マイクロマシン内に発生する正圧を逃がすための背圧用逆止弁が設けられていることを特徴とする請求項17記載のマイクロマシン。 - 上記特定方向は、上記貯槽を収縮させる方向であり、
上記移動部材の移動によって、マイクロマシン内に発生する負圧を逃がすための逆止弁が設けられていることを特徴とする請求項17記載のマイクロマシン。 - 上記貯槽は、シリンダであり、
上記移動部材は、当該シリンダ内に配されたピストンであって、
上記付勢手段は、上記シリンダの外壁と上記ピストンとの間に配された弾性部材であることを特徴とする請求項17〜19のいずれか1項に記載のマイクロマシン。 - 上記貯槽は、壁面が二重に形成されたシリンダであり、
上記移動部材は、当該シリンダ内に配されたピストンであって、
上記ピストンには、内側のシリンダ壁面から外側のシリンダ壁面に突出するように延設されたピストンピンが設けられていると共に、
上記付勢手段は、内側のシリンダ壁面と外側のシリンダ壁面との間に配され、上記ピストンピンと連結された弾性部材であることを特徴とする請求項17〜19のいずれか1項に記載のマイクロマシン。 - 上記操作部材は、上記外部からの信号に連動して、当該形状記憶合金に通電し、当該形状記憶合金を収縮させることによって、上記ストッパを移動させることを特徴とする請求項17〜21のいずれか1項に記載のマイクロマシン。
- 上記操作部材は、磁気センサと、当該磁気センサの検出結果に応じて上記形状記憶合金に通電するか否かを制御するスイッチとを備えていることを特徴とする請求項22記載のマイクロマシン。
- 上記操作部材は、無線信号を受信する受信回路と、当該受信回路が無線信号を受信した場合に上記形状記憶合金に通電するスイッチとを備えていることを特徴とする請求項22記載のマイクロマシン。
- 上記操作部材は、外部から与えられた振動を検出するセンサと、当該センサの検出結果に応じて上記形状記憶合金に通電するか否かを制御するスイッチとを備えていることを特徴とする請求項22記載のマイクロマシン。
- 上記操作部材は、外部から与えられた振動を電力に変換して上記形状記憶合金に通電する変換手段を備えていることを特徴とする請求項22記載のマイクロマシン。
- 上記形状記憶合金の両端のうち、上記ストッパに接続されていない方の端部を固定する固定部材と、
上記形状記憶合金が上記固定部材から上記ストッパへとを接続する際、上記固定部材と上記ストッパとの間の最短経路から、当該形状記憶合金を迂回させて保持する保持部材とを備えていることを特徴とする請求項23〜26のいずれか1項に記載のマイクロマシン。 - 上記開閉機構は、逆止弁であることを特徴とする請求項17〜27のいずれか1項に記載のマイクロマシン。
- 小型カメラを備え、写真撮影が可能となっていることを特徴とする請求項1〜28のいずれか1項に記載のマイクロマシン。
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