JP2006235461A - 液晶表示装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】バックライトを垂直同期信号に同期して垂直走査方向に順次点灯させると、動画表示においてエッジブルアがムラ状に色つきが発生する問題があった。
【解決手段】液晶表示装置は液晶モジュール1と垂直周波数変換回路2bとバックライト部3とPWM調光駆動回路部4から構成されている。垂直周波数変換回路では垂直周波数が90≧fV≧80[Hz]となるように映像信号が垂直周波数変換され、液晶表示部に走査表示される。バックライト装置では周波数変換された垂直同期信号に同期して、液晶表示部の垂直走査方向に区分されたN個の発光領域を同じく垂直走査方向に順次点灯および消灯させる。液晶表示部の見かけの応答速度が高速化されているため、動画表示時における蛍光ランプの残光成分との干渉による色つきが減少し、全体的にムラ状の色つきが改善される。
【選択図】図1
【解決手段】液晶表示装置は液晶モジュール1と垂直周波数変換回路2bとバックライト部3とPWM調光駆動回路部4から構成されている。垂直周波数変換回路では垂直周波数が90≧fV≧80[Hz]となるように映像信号が垂直周波数変換され、液晶表示部に走査表示される。バックライト装置では周波数変換された垂直同期信号に同期して、液晶表示部の垂直走査方向に区分されたN個の発光領域を同じく垂直走査方向に順次点灯および消灯させる。液晶表示部の見かけの応答速度が高速化されているため、動画表示時における蛍光ランプの残光成分との干渉による色つきが減少し、全体的にムラ状の色つきが改善される。
【選択図】図1
Description
本発明は、液晶表示部の背面に光源が設置されたバックライト装置付きの液晶表示装置に関し、より特定的には、光源を周期的に点滅させ、その点灯期間と消灯期間の時間比率でもって調光するようなバックライト装置付きの液晶表示装置に関する。
液晶表示装置は、液晶パネルとその背面に設置された光源からなるバックライト装置で構成される。各画素では対応する液晶を駆動し、バックライト装置から放射された光を透過させて液晶パネル上に画像として表示させている。一般にバックライト装置の光源には蛍光管が用いられることが多い。蛍光管は中空のガラス管内部に放電ガスや水銀などが充填されており、管両端に配置された電極管に高い電圧が印加されることによって放電が発生し、管内部の水銀蒸気がこの放電により高いエネルギーを受けとり励起され、再び低いエネルギー状態に戻る際に紫外線を放射する。管内部には蛍光体が塗布されており、この紫外線を可視光線に変換することにより発光している。このように蛍光管を発光させるには高い電圧を印加する必要があり、一般にはインバータという電源回路を用いて、低電圧の直流電力を高電圧、高周波(30kHz〜100kHz程度)の交流電力に変換して蛍光管に印加している。
インバータを用いて蛍光管を調光する方法としては、従来より電圧調光方式とPWM(Pulse Wide Modulation:パルス幅変調)調光方式とがある。電圧調光方式はインバータを通じて蛍光管に印加する電圧を変化させる調光方式であるが、蛍光管への印加電圧を低くし過ぎると放電が不安定になるため、安定領域としては、この電圧調光方式は調光比が2〜3:1と調光範囲を広く確保出来ない。 一方、PWM調光方式は光源を周期的に点滅させ、その点灯期間と消灯期間との時間比率を変化させて、その時間比率でもって調光する方式である。そのため点滅周期を適切に選択すれば、調光比が100:1とすることも可能であり、多くの液晶表示装置のバックライト制御においては、このPWM調光方式が採用されている。
液晶表示装置が抱える課題の一つに動画表示性能があるが、これは液晶表示装置がホールド型表示装置であることに起因しており、電子情報通信学会技報EID99−10,pp55−60(1999−06)においてその発生原理について示されているが、ここで簡単に説明する。これまで広く利用されてきたCRTにおいて動画を表示した場合を考えると、ある画素では図6(a)のように1垂直期間(16.6ms)毎に表示されるレベルが変動し、かつ各垂直期間の初期期間(1ms以下)にだけ表示される。これをインパルス型表示装置と呼ぶ。
上記のCRTにおいて動画を表示した場合(一定スピードで表示を移動させる)、図6(b)のようになる。この表示を人間が見た場合、目線は矢印の方向に画素の表示を追うので、残像の無いクリアな動画表示を知覚することになる。しかし液晶表示装置はホールド型表示装置であるため図7(a)のように1垂直期間液晶パネルの表示は一定であり(実際は応答時間分変動している)、垂直期間毎に変動する。液晶表示装置において動画を表示させた場合、図7(b)のようになる(分かり易くするため時間方向の画素の表示は1垂直期間あたり3点にした)。この表示を人間が見ると、CRTの時と同じく目線は矢印の方向を追従するが、1垂直期間期間同じ表示をしているため人間の目はその表示を平均して知覚し、動画の輪郭がぼやけた様な表示(以下、エッジブルアと称す)になり、動画表示性能を悪化させることになる。
液晶表示装置のエッジブルアを改善する方法としては、特表平8−500915号公報に開示されているものがあり、図8に示しているようにある画素に着目し、1垂直期間内に垂直同期信号に同期して一定期間バックライトを消灯させる期間を設けるというものである。上記のようにバックライトを駆動すると、液晶表示装置がインパルス型表示装置のように1垂直期間の内の一定期間だけ画像表示を行うため、動画表示時のエッジブルアが改善される。
さらに液晶パネルは上部から下部へ順に走査して書込み表示を行うため、上記のように1垂直期間に画面一括でバックライトを点灯/消灯する方式だと液晶の応答速度が1垂直期間に比べて十分速くないため画面の垂直走査方向で動画表示時のエッジブルアに色つきが発生する。図9はこの色つきが発生する原理を示した図である。黒背景に対して白パタンが移動しているとき、白パタンから黒表示へのエッジに着目すると液晶パネルの透過率は(b)に示すように応答する。一方、バックライト発光は調光信号が(c)で示すように垂直同期信号と同時にOFFになった場合でも、(d)に示すように実際の発光は蛍光体光であるため残光成分が存在する。したがって液晶パネルの透過率が完全に応答する前にこの残光成分が発生すると、白パタンのエッジに色つきが発生することになる。
蛍光体としては、現在一般的に広く用いられているものでは図10に示すような残光成分を持つものがある。即ち、青色蛍光体が1ミリ秒以下の残光成分しか持たないのに対して、赤色蛍光体は3ミリ秒〜4ミリ秒、緑色蛍光体は7ミリ秒〜8ミリ秒の残光成分を持つ。3色を混合して白色を表現する際に、照明などと異なり色温度を高くする傾向があるため赤色の配合を少なめにすることになる。また人間の目は緑色波長領域の光を強く知覚する特性があるため、緑色蛍光体の残光成分が特別強く知覚される。
上記の不均一性を改善する方法としては、特開平11−202285号公報に開示されているものがあり、以下に説明する。図11は従来の液晶表示装置の構成を示す図であり、発光領域を垂直走査方向にN分割し(図9の場合、発光領域1〜4のように4分割)、インバータ3cを接続してそれぞれ独立に駆動できる構成にする。インバータはPWM調光駆動回路部4に接続されている。上記PWM調光駆動回路部は液晶パネル表示用の垂直同期信号Vsynを受けとり、垂直同期信号Vsynに同期し、各インバータの調光を制御するPWM調光パルス(PWM周波数は垂直同期周波数と同じ)を出力する。
PWM調光信号の動作については図12に示すように、例えば発光領域1のPWM調光パルスVBL1は、直上の液晶表示が開始される直前に調光オフになり、一定の消灯期間を持つ。発光領域2のPWM調光パルスVBL2は上記PWM調光パルスに対して調光オン、オフのタイミングが垂直同期期間の1/4位相が遅れるように設定されている。以後発光領域3、発光領域4のPWM調光パルスVBL3、VBL4においても調光オン、オフタイミングが順に垂直同期期間の1/4ずつ遅れるように設定される。
上記のように調光することで液晶パネルの走査表示に凡そ対応してバックライトを順次点灯することができる。バックライトを順次点灯していることで、液晶パネルの垂直走査方向に対して、液晶材料の応答が凡そ同じ程度の時に直下の発光領域を点灯あるいは消灯することになるため、動画表示性能を向上しつつエッジブルアの不均一性を改善することが可能となる。
一方、液晶表示装置の動画表示性能の評価指標としては、映像信号を黒から白、あるいは白から黒へ変化させたときのパネル透過率の応答波形に対して10%から90%、あるいは90%から10%の遷移時間(いわゆる応答時間あるいは、応答速度)と基準を決めて用いてきた。液晶におけるエッジブルアは液晶材料の応答の遅さだけでなく、人間の目の視線移動(眼球移動)と数ms程度の短い周期の点滅になると平均化されて一定の明るさの点灯として知覚される積分知覚特性によって引き起こされることが分かってきている。
従来の液晶パネルでは前者の視線移動が支配的であったため応答時間が指標となり得たが、近年液晶パネルの応答が高速化することにより後者の影響が無視できなくなり、指標と見た目が一致しなくなってきた。そこで応答時間に代わる見た目に近い動画性能指標としてMPRT(Motion Picture Response Time)が考案された(T.Yamamoto et al.,IDW‘02pp.1423)。
例えば図13に示すように黒背景中の白ウインドウが1フレーム経過後に(a)から(b)のように左方向へ移動する場合のMPRTを考えてみる。人間と目は移動する白ウインドウを追うため実際に知覚される画像は(c)のように幅が広く端がぼやけたパタンになる。この画像をパタンの移動方向の輝度で表示すると(d)のような分布になっており、この時の黒から白への遷移幅BEW(Blurred Edge Width)[pixel]を求める。次いで遷移幅を白ウインドウの移動速度で正規化し、さらに1垂直期間を乗じることでMPRTとなる。MPRTの次元は従来の応答時間と同じであるため、直感的に理解しやすい。
特開平7−325286号公報
特表平8−500915号公報
特開平11−202285号公報
前述したように、従来の液晶表示装置では垂直同期信号に同期してバックライト装置の発光領域(図11では発光領域1〜4)を液晶パネルの垂直走査方向に順次点灯および消灯させる。一方、図14に示すように液晶パネル上では発光領域1〜4にそれぞれ対応する表示領域1〜4において、それぞれが上部から下部にかけて順に走査表示されるのに対して、直下にある発光領域の点灯および消灯のタイミングに対して表示領域の書込みタイミングは垂直走査位置によって異なる。
仮にそれぞれの表示領域の中央ライン位置に消灯タイミングが合うように発光領域を順次点灯および消灯させた場合、表示領域の端部ライン位置では発光領域の消灯タイミングが垂直ラインに相当する分だけ位相がずれることになる。したがって、従来の液晶表示装置においてエッジブルアの不均一性が発生していたのと同じように端部のラインでは液晶分子の応答と蛍光ランプの緑色残光成分が干渉してエッジブルアに色つきが発生する。これが発光領域ごとに交互に繰り返すためムラ状の色つきとなって知覚され動画表示の品位を低下させることになる。
また、参考として図15に示すように垂直周波数を変化させたときの動画表示性能の変化の一例をMPRTで評価した。今回の主観評価に用いた液晶パネルにNTSC信号に近いfV=60[Hz]で以って表示した場合、MPRTが約14[ms]であったものが、垂直周波数の上昇に伴い低下していき、fV=90[Hz]においては約11[ms]にまで低下している。これにより垂直周波数を高くすることで動画表示性能そのものを改善する効果があると言える。しかしながら、垂直周波数を上げることは、液晶パネルのチャージ性能の向上が前提であり、デバイスに依存することになる。例えば、垂直周波数を2倍の120Hzにすると、動画表示性能そのものは問題の無いレベルに改善されるが、その実現は極めて困難である。
第1の発明は、入力映像信号に基づいて垂直周波数変換を行う信号処理回路と
垂直走査方向に対してN個に区分された発光領域を有する液晶表示部と、
前記発光領域をPWM調光制御する点灯回路と、
を有する液晶表示装置であって、
前記信号処理回路は入力映像信号に
基づいて垂直周波数(fv)が90≧fV≧80[Hz]となるように映像信号処理および同期信号変換を行い、前記点灯回路は複数の前記発光領域を前記同期信号変換後の垂直同期信号に同期して順次点灯および消灯させることを特徴とする。
垂直走査方向に対してN個に区分された発光領域を有する液晶表示部と、
前記発光領域をPWM調光制御する点灯回路と、
を有する液晶表示装置であって、
前記信号処理回路は入力映像信号に
基づいて垂直周波数(fv)が90≧fV≧80[Hz]となるように映像信号処理および同期信号変換を行い、前記点灯回路は複数の前記発光領域を前記同期信号変換後の垂直同期信号に同期して順次点灯および消灯させることを特徴とする。
第2の発明は、第1の発明において垂直期間をT1として、前記垂直同期信号に同期して、前記N個の発光領域をそれぞれ前記垂直走査方向に対応した順にT1/N期間ずつ位相を遅らせて点灯および消灯させることを特徴とする。
第3の発明は、第1の発明において液晶表示部の垂直ブランキング期間を含まない垂直走査期間をT2として、垂直同期信号に同期して、N個の発光領域をそれぞれ前記垂直走査方向に対応した順にT2/N期間ずつ位相を遅らせて点灯および消灯させることを特徴とする。
第4の発明は、第1〜第3の発明においてN個の発光領域が液晶表示部の垂直走査方向に対して均等な幅で構成されていることを特徴とする。
第5の発明は、第1〜第4の発明において複数の発光領域が赤色、緑色、青色発光蛍光体膜をガラス管内壁に塗布された蛍光ランプで構成されていることを特徴とする。
第6の発明は、第5の発明において蛍光ランプにおける緑色発光蛍光体の10分の1残光時間が1ミリ秒以下である蛍光ランプを使用することを特徴とする。
第7の発明は、第1〜第4の発明において複数の発光領域がLED発光素子で構成されていることを特徴とする。
上記第1の発明によれば、信号処理回路において垂直周波数(fv)が90≧fV≧80[Hz]となるように映像信号が垂直周波数変換され、液晶表示部に走査表示される。一方、バックライト装置では、先ほど周波数変換された垂直同期信号に同期して、液晶表示部の垂直走査方向に対して区分されたN個の発光領域を同じ垂直走査方向に順次点灯および消灯させる。
上記のような条件では、液晶表示部の見かけの応答速度が高速化されているため、動画表示時における蛍光ランプの残光成分との干渉による色つきが減少し、全体的にムラ状の色つきが改善される。
上記第2の発明によれば、垂直期間T1を発光領域の総数Nで除算したT1/N期間ずつ位相を遅らせて液晶表示部の垂直走査方向に対応した順に点灯および消灯させる。
上記のような条件では、隣り合う発光領域の点灯および消灯のタイミングが垂直同期信号に対して均等になるため、動画表示時における蛍光ランプの残光成分との干渉による色つきはより減少し、全体的にムラ状の色つきがより改善される。
上記第3の発明によれば、液晶表示部の垂直ブランキング期間を含まない垂直走査期間T2を発光領域の総数Nで除算したT2/N期間ずつ位相を遅らせて液晶表示部の垂直走査方向に対応した順に点灯および消灯させる。
上記のような条件では、隣り合う発光領域の点灯および消灯のタイミングが垂直走査期間T2に対して均等になるため、動画表示時における蛍光ランプの残光成分との干渉による色つきはより減少し、全体的にムラ状の色つきがより改善される。
上記第4の発明によれば、N個の発光領域が液晶表示部の垂直走査方向に対して均等な幅で以って構成される。
上記のような条件では、それぞれの発光領域が対応する液晶表示部の表示領域が垂直走査方向の長さにおいて均等になるため、動画表示における蛍光ランプの残光成分との干渉にようる色つきがより減少し、全体的にムラ状の色つきがより改善される。
上記第5の発明によれば、発光領域を構成する光源が蛍光ランプであり、発光領域を液晶表示部の垂直走査方向に対して均等な幅で構成される。
上記のような条件では、液晶表示部の水平方向のどの位置においても同じ発光領域が対応しているため、水平方向にパタンが移動するような動画表示時において、蛍光ランプの残光成分との干渉による色つきが変動することなく一定に表示されることが可能になる。
上記第6の発明によれば、蛍光ランプに塗布されている蛍光体の内、緑色蛍光体として10分の1残光時間にして1ミリ秒以下であるものが使用される。
上記のような条件では、液晶材料の応答速度に対して緑色蛍光体の残光時間が十分短い時間であるため、動画表示時において、蛍光ランプの緑色残光成分との干渉による色つきは減少し、全体的にムラ状の色つきが改善される。
上記第7の発明によれば、発光領域を構成する光源がLED素子(発光ダイオード素子)である。
上記のような条件では、LED素子の残光成分は一般的に液晶材料の応答速度に対して十分短く1ms以下になるため、動画表示時において、前述の蛍光ランプで発生していたような干渉が発生することがなく、干渉による色つきおよびムラ状の色つきが発生することはない。極めて品位の高い動画表示が可能となる。
以下、本発明の実施例について図1〜図3に基づいて説明する。
図1は、本発明の実施例1に係る液晶表示装置の構成を示すブロック図である。液晶表示装置は液晶モジュール1と、垂直周波数変換回路2bと、バックライト部3と、PWM調光駆動回路部4とを備えている。上記液晶モジュールとしては、TFT(薄膜トランジスタ)を用いたアクティブマトリクス駆動方式のものを用いることができる。液晶モジュールは、液晶パネル1aと、液晶パネルを駆動するソースドライバ1bおよびゲートドライバ1cと、上記ソースドライバおよびゲートドライバを介して液晶パネルを表示するパネル制御回路1dとを備えている。上記ソースドライバおよびゲートドライバの表示駆動方式は画面最上端ラインから画面最下部ラインまで順次走査を行うものとする。
上記垂直周波数変換回路2bは、テレビジョン信号の映像信号等の入力映像信号から垂直同期信号、水平同期信号、クロック信号、映像信号をデコードし、垂直周波数が目標値になるように映像信号の補間や、同期信号の変換を行う。例えば垂直周波数が約60HzであるNTSC信号を入力し、出力映像信号の垂直周波数をおよそ1.5倍に相当する90Hzになるように同期信号、クロック信号を変換し、映像信号の補間を行い3原色(RGB)に分離された映像信号Vr’、Vg’、Vb’と、垂直同期信号Vsyn’、水平同期信号Hsyn’と、クロック信号CLK’とを出力する。上記バックライト部は、液晶パネルの背面に設置された4つの蛍光ランプ3b(発光領域3a)と、上記蛍光ランプに電圧を印加してそれぞれ独立に駆動するインバータ3cとから構成されている。
上記PWM調光駆動回路部4は、垂直同期信号Vsyn’を受けてインバータ点灯および消灯用のパルス信号を発生するPWMパルス発生回路4aと、このPWMパルス信号を受けてそれぞれ順に一定の位相だけ遅延させたPWM調光信号VBL1〜VBL4を出力するシフトレジスタ4bから構成されている。
次に、本発明の動作について説明する。前述したように、垂直周波数変換回路は、入力映像信号から垂直周波数が目標値になるように同期信号、クロック信号を変換、映像信号の補間を行う。この点以外は従来の構成と同じであり、変換後の垂直同期信号に同期してPWM調光駆動回路部では1垂直期間に1回消灯期間を設けたPWM信号を出力しシフトレジスタに入力する。
シフトレジスタでは発光領域1のPWM調光パルスVBL1としては前記PWM信号をそのまま出力し、発光領域2のPWM調光パルスVBL2としてはVBL1を一定の位相だけ遅延させたPWM調光信号を出力する。以降、発光領域3のPWM調光パルスとしてはVBL2を遅延させ、発光領域4のPWM調光パルスとしてはVBL3を遅延させて出力する。バックライト部では、液晶表示部の垂直走査方向に区分された発光領域(蛍光ランプ)に別々に接続されたインバータをこのPWM調光パルスVBL1〜VBL4で以って駆動し、順次点灯および消灯させる。
この時、図14で示されたように黒背景上に白の移動パタンを表示した場合、パタンエッジには液晶パネル透過率の過渡特性と蛍光ランプの残光成分との干渉による緑色の色つきがムラ状に表示される。発明者はここで液晶パネルの垂直周波数を大きくして書き込み走査をすれば見かけの応答速度が速くなり、前記の残光成分との干渉も減少するのではないかと考えた。
図2は垂直周波数を50[Hz]から90[Hz]まで10[Hz]ごとに変化させ液晶パネル上で黒背景に白の移動パタンを画面上での移動速度が同一になるようにして表示したときに、パタンエッジにムラ状の色つきがどの程度見えるかを主観評価した結果であり、8人の被験者から得られた値を平均している。主観評価の指数としては、0:全く見えない(検知限)、1:殆ど見えない(許容限)、2:わずかに見える、3:はっきり見える、4:目立つ、の0〜4に分類して行った。主観評価の結果、垂直周波数を高くするに従い評価指数が低下し、80[Hz]以上では被験者全員が1:殆ど見えない、としていることがわかる。
即ち、垂直周波数が80[Hz]以下であるような映像信号が入力された場合は、垂直周波数変換回路において垂直周波数が80[Hz]以上、特に80Hz以上90Hz以下、になるように同期信号変換および映像信号を補間処理し、この変換後の映像信号で以って液晶パネルに走査表示し、変換後の垂直同期信号に同期して蛍光ランプを垂直走査方向に順次点灯および消灯させる。このように制御することで、動画表示時にパタンエッジの垂直走査方向に発生していたムラ状の色つきを大きく低減することが可能となる。
このように、蛍光ランプの垂直走査方向における順次点灯/消灯と、垂直周波数変換を組み合せる事で、垂直周波数が80〜90Hzであっても、120Hzと同等の十分な動画表示性能を実現する事が可能となる。
本発明の実施例2に係る液晶表示装置の構成は実施例1と殆ど同じであり、異なるのはシフトレジスタの動作だけであるので、以下図3を用いて動作について説明する。実施例1で述べたように、垂直周波数変換回路は、入力映像信号から垂直周波数が目標値になるように同期信号、クロック信号を変換、映像信号の補間を行う。変換後の垂直同期信号に同期してPWM調光駆動回路部では1垂直期間に1回消灯期間を設けたPWM信号を出力しシフトレジスタに入力する。シフトレジスタでは発光領域1のPWM調光パルスVBL1としては前記PWM信号をそのまま出力し、発光領域2のPWM調光パルスVBL2としては、液晶表示部の垂直期間をT1とした時に垂直期間を発光領域の数で除算したT1/4だけVBL1を遅延させたPWM調光信号を出力する。以降、発光領域3のPWM調光パルスとしては同じくT1/4だけVBL2を遅延させ、発光領域4のPWM調光パルスとしてはT1/4だけVBL3を遅延させて出力する。バックライト部では、液晶表示部の垂直走査方向に区分された発光領域(蛍光ランプ)に別々に接続されたインバータをこのPWM調光パルスVBL1〜VBL4で以って駆動し、順次点灯および消灯させる。このように蛍光ランプを調光することで液晶表示部の垂直走査期間に対して発光領域をより均等に遅延させて順次点灯および消灯させることになり、動画表示時におけるエッジのムラ状の色つきを、効果的に改善することが可能となる。
図4は、本発明の実施例3に係る液晶表示装置の構成を示すブロック図である。この構成は実施例1と凡そ同じであり、異なるのは垂直周波数変換回路2bから垂直方向のデータイネーブルを表すDE’信号を出力しPWM調光駆動回路部に入力していることだけである。以下図5を用いて動作について説明する。実施例1で述べたように、垂直周波数変換回路は、入力映像信号から垂直周波数が目標値になるように同期信号、垂直データイネーブル信号、クロック信号を変換、映像信号の補間を行う。変換後の垂直同期信号Vsyn’および垂直データイネーブルDE’を受けてPWM調光駆動回路部では、垂直同期信号Vsyn’に同期して1垂直期間に1回消灯期間を設けたPWM信号を出力しシフトレジスタに入力するが、この時垂直ブランキング期間には消灯期間を設けないようにする。シフトレジスタでは発光領域1のPWM調光パルスVBL1としては前記PWM信号をそのまま出力し、発光領域2のPWM調光パルスVBL2としては、液晶表示部の垂直期間から垂直ブランキング期間を除いた垂直期間をT2とした時にこの垂直期間を発光領域の数で除算したT2/4だけVBL1を遅延させたPWM調光信号を出力する。以降、発光領域3のPWM調光パルスとしては同じくT2/4だけVBL2を遅延させ、発光領域4のPWM調光パルスとしてはT2/4だけVBL3を遅延させて出力する。バックライト部では、液晶表示部の垂直走査方向に区分された発光領域(蛍光ランプ)に別々に接続されたインバータをこのPWM調光パルスVBL1〜VBL4で以って駆動し、順次点灯および消灯させる。このように蛍光ランプを調光することで液晶表示部の垂直走査期間に対して発光領域の点灯および消灯のタイミングが完全に均等に遅延させるため、動画表示時におけるエッジのムラ状の色つきを効果的に改善することが可能となる。
本発明の実施例4に係る液晶表示装置の構成は実施例1〜実施例3と殆ど同じであり、異なるのは発光領域の大きさについて、液晶表示部の垂直走査方向に対してそれぞれの発光領域が均等な幅で構成されていることだけである。このような構成にすると、それぞれの発光領域が対応する液晶表示部の表示領域が垂直走査方向の長さにおいて均等になるため、動画表示における蛍光ランプの残光成分との干渉による色つきがより減少し、全体的にムラ状の色つきが改善される。
本発明の実施例5に係る液晶表示装置の構成は実施例1〜実施例4と同じであり、異なるのは発光領域を構成する光源が直管状の蛍光ランプであり、発光領域を液晶表示部の垂直走査方向に対して均等な幅で構成されることだけである。このような構成にすると、液晶表示部の水平方向のどの位置においても同じ発光領域が対応しているため、水平方向にパタンが移動するような動画表示時において、蛍光ランプの残光成分との干渉による色つきが変動することなく一定に表示されることが可能になる。なお、光源は直管状の蛍光ランプとしたが、蛍光ランプであればU字型管やコ字型管など直管でなくともよい。
本発明の実施例6に係る液晶表示装置の構成は実施例5と同じであり、異なるのは蛍光ランプに塗布されている蛍光体の内、緑色蛍光体として10分の1残光時間にして1ミリ秒以下であることだけである。このような構成にすると、液晶材料の応答速度に対して緑色蛍光体の残光時間が十分短い時間であるため、動画表示時において、蛍光ランプの緑色残光成分との干渉による色つきは減少し、全体的にムラ状の色つきが改善される。
本発明の実施例7に係る液晶表示装置の構成は実施例1〜実施例4と殆ど同じであり、異なるのは発光領域を構成する光源がLED素子(発光ダイオード素子)であることぐらいである。このような構成にすると、LED素子の残光成分は一般的に液晶材料の応答速度に対して十分短く1ms以下になるため、動画表示時において、前述の蛍光ランプで発生していたような干渉が発生することがなく、干渉による色つきおよびムラ状の色つきが発生することはない。極めて品位の高い動画表示が可能となる。
なお、本実施例ではバックライト部を構成する発光領域を4分割していたが、N分割(N=2,3,・・・)するものであれば4分割でなくともよい。
本発明の液晶表示装置は、このような実施形態をとることで、バックライトを順次点灯し、かつ動画表示時に表示内容のエッジに発生していたムラ状のエッジブルアを低減することができるため、液晶表示装置の動画表示性能を向上させつつ、弊害を抑えることが可能となる。動画像表示が想定される液晶テレビなどの機器に有用である。
1 液晶モジュール
1a 液晶パネル
1b ソースドライバ
1c ゲートドライバ
1d パネルコントロール回路
2a 映像信号処理回路
2b 垂直周波数変換回路
3 バックライト部
3a 発光領域1〜4
3b 蛍光ランプ
3c インバータ
4 PWM調光駆動回路部
4a PWMパルス光発生回路
4b シフトレジスタ
1a 液晶パネル
1b ソースドライバ
1c ゲートドライバ
1d パネルコントロール回路
2a 映像信号処理回路
2b 垂直周波数変換回路
3 バックライト部
3a 発光領域1〜4
3b 蛍光ランプ
3c インバータ
4 PWM調光駆動回路部
4a PWMパルス光発生回路
4b シフトレジスタ
Claims (7)
- 入力映像信号に基づいて垂直周波数変換を行う信号処理回路と
垂直走査方向に対してN個に区分された発光領域を有する液晶表示部と、
前記発光領域をPWM調光制御する点灯回路と、
を有する液晶表示装置であって、
前記信号処理回路は入力映像信号に
基づいて垂直周波数(fv)が90≧fV≧80[Hz]となるように映像信号処理および同期信号変換を行い、
前記点灯回路は複数の前記発光領域を前記同期信号変換後の垂直同期信号に同期して順次点灯および消灯させることを特徴とする液晶表示装置。 - 前記液晶表示部の垂直期間をT1として、
前記垂直同期信号に同期して、前記N個の発光領域をそれぞれ前記垂直走査方向順にT1/N期間ずつ位相を遅らせて点灯および消灯させることを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。 - 前記液晶表示部の垂直ブランキング期間を含まない垂直走査期間をT2として、
前記垂直同期信号に同期して、前記N個の発光領域をそれぞれ前記垂直走査方向順にT2/N期間ずつ位相を遅らせて点灯および消灯させることを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。 - 前記N個の発光領域が液晶表示部の垂直走査方向に対して均等な幅で構成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の液晶表示装置。
- 前記複数の発光領域が赤色、緑色、青色発光蛍光体膜をガラス管内壁に塗布された蛍光ランプで構成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の液晶表示装置。
- 前記蛍光ランプにおいて、緑色発光蛍光体の10分の1残光時間が1ミリ秒以下である蛍光ランプを使用することを特徴とする請求項5に記載の液晶表示装置。
- 前記複数の発光領域がLED発光素子で構成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の液晶表示装置。
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