JP2006230803A - 置換骨組織 - Google Patents

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Abstract

【課題】骨移植術に適するようになるまで宿主中で増殖された骨置換組織およびその製造方法を提供する。
【解決手段】置換骨組織のための足場、骨芽細胞前駆物質を足場に接種、宿主の筋肉内等にその足場を埋め込む、置換骨形成、血管新生が起きたら血液供給体の一部を回収し、患者の置換骨組織を必要とする部位に、足場、置換骨、血液供給体を移植し、血液供給体は血管に接続する。特に、足場はヒドロキシアパタイト結晶ブロックや網様構造のチタンであり、骨芽細胞前駆物質は骨髄細胞の混合物や造血細胞や胚細胞である。
【選択図】図1

Description

本発明は、置換組織、特に骨移殖法に用いるのに適した置換骨物質、ならびに該置換骨物質の製造方法に関する。
骨組織は、主にコラーゲンタンパク質で構成されるが、ヒドロキシアパタイトと呼ばれる水酸化カルシウムおよびリン酸カルシウムの沈着により強化された基質からなる。この基質の内側および周囲には、骨芽細胞、骨細胞、破骨細胞および骨内張り細胞(bone-lining cells)を含む、骨組織の細胞が存在する。これら4種類全ての細胞が、健常な骨基質を構築および保持するために、ならびにある種の条件下での骨再形成のために必要とされる。
負傷、疾患および発達障害はいずれも骨移植術を必要とする骨欠損を生じることがあり、その場合、新しい骨または置換物質が、骨折骨周囲の開口部または骨中の孔/欠損部に配置される。骨移植は骨の治癒を助け、あるいは患者自身の骨に組み込まれない人工物質の提供により単に欠損骨に機械的構造を提供する。
自己移殖が行われることもあり、その場合、身体の別の部位、通常は腸骨稜から患者自身の骨組織を採取することが適切であるが、遠位大腿骨および近位脛骨も用いうる。自己移殖は、骨伝導性の提供に関して利点を有する(すなわち、移植片が新しい骨芽細胞および骨始原細胞の付着を支援する)。さらに自己移植は、骨伝導性、すなわち未分化細胞を骨芽細胞に誘導する能力を提供する。
骨折などの損傷のために自己移殖する場合、この移殖法は非常に複雑であり、適切に治癒しないことがある。骨折のための移殖は、一般に、骨折により骨の相当な部分が失われた場合にだけ考えられる。この状況では、骨移殖は、通常は腰から採取された患者自身の骨を用いて、またはドナーからの骨を用いて実施しうる。ドナー骨/置換骨は、通常、物理的手段(例えばねじおよびピン)により適所に保持され、その間に治癒過程が起きる。
自己移殖法の欠点として、外科的合併症(例えば急性および慢性疼痛、炎症、感染)、および移殖のために採取できる骨の量的な制限が挙げられる。さらに、骨移殖後に起こる合併症として、皮質移植除去後のドナー部位での骨折、術中出血および腸骨稜生検後の術後痛、ならびに疲労骨折、腸骨ドナー部位間のヘルニア、ならびに歩行問題が挙げられる。
代替的手法として、骨移植物質をドナーまたは死体から得る同種異系移殖は、骨移植物質を得る際に外科的合併症がないという点で、自己移殖に比べて、いくつかの利点を提供する。しかしドナーから骨移植物質のレシピエントへ疾患が伝染する危険性があり、これはガンマ線照射などの技術による組織の移殖前処置により防止できない。さらに同種異系移殖は、患者自身の骨とうまく接合しないことがあり、移植片の連結点の弱体化をもたらす。またドナーから骨を採取する場合、上記のように患者から置換骨を採取するのと同じ危険性が存在する。
種々の代替的移植物質、例えばセラミック物質、高分子物質および化学的不活性物質が存在する。これらの骨置換体はしばしば、自己移殖骨の使用により提供される特性である骨伝導性および骨誘導性を提供するために、骨髄および/または増殖因子とともに接種される。
ある種の骨置換物質の場合、それらは患者自身の骨に恒久的に組み込まれず、したがって破損、弛緩および浸食を受けるという欠点が存在する。
さらに、高分子基質を用いたインビボの骨再建では骨再生能が見出されたが(非特許文献1および2)、その再生部位は、完全な骨石灰化および骨芽細胞置換が達成されるまで当然に弱化状態にある。
Borden et al., J Bone Joint Surg Br. 2004 Nov; 86(8): 1200-8 Mankani et al., Biotechnol Bioeng. 2001 Jan 5; 72 (1): 96-107
したがって骨置換技術における改良方法が依然として必要とされている。
本発明は、身体内の所定の組織内でインビボで骨置換物質が増殖され、そして骨置換物質の血管新生により血液が供給され得るという事実に基づく。したがってこれらの血管は、骨置換物質を必要とする部位を通過する血管に接合され得る。
したがって、第1の広範な形態として、本発明は、患者のために置換骨組織を増殖する方法であって、以下の:
a)置換骨組織のための足場(scaffold)を準備すること、
b)足場に骨芽細胞前駆細胞を接種すること、
c)宿主の皮下、または脂肪もしくは筋肉組織中に足場を埋め込むこと、
a)置換骨の十分な形成および血管新生が起きたら、足場、置換骨および該置換骨の血液供給体(blood supply)の一部を回収すること、
b)患者において置換骨組織が必要とされる部位に、足場、置換骨および該置換骨の血液供給体を移植すること、および
c)置換骨の血液供給体の少なくとも一部を、置換骨組織が必要とされる部位の血管に接続すること
を包含する方法に関する。
好ましくは、足場に接種することは、足場にヒドロキシアパタイト結晶を挿入することをさらに包含する。
さらにより好ましくは、ヒドロキシアパタイト結晶は骨無機質ブロックとして提供される。
他の好適な形態では、骨芽細胞前駆細胞は骨髄細胞の混合物として提供される。
さらに他の好適な形態では、骨芽細胞前駆細胞は骨髄細胞の混合物から得られる。
さらに別の好適な形態では、骨芽細胞前駆細胞は間充織幹細胞である。
好ましくは、骨芽細胞前駆細胞は造血幹細胞である。
さらにより好ましくは、造血幹細胞は単球前駆細胞から得られる。
別の好適な形態では、骨芽細胞前駆細胞は成人幹細胞または宿主種の胚から単離された胚幹細胞である。
さらにより好ましくは、幹細胞は宿主種の受精卵から単離された全能性幹細胞である。
一形態では、骨芽細胞前駆細胞は、患者組織に対して自系である。
別の形態では、骨芽細胞前駆細胞は、患者組織に対して同種異系である。
さらに他の形態では、足場に接種することは、足場内に少なくとも1つの増殖因子を提供することをさらに包含する。
さらに別の好適な形態としては、足場に接種することは、足場の外表面上に少なくとも1つの増殖因子を提供することをさらに包含する。
好ましくは、少なくとも1つの増殖因子は骨形成タンパク質(BMP)ファミリーの構成員からなる群から選択される。
さらにより好ましくは、BMPはBMP−2である。
別の好適な形態では、BMPはBMP−7である。
さらに別の形態では、患者において置換骨を必要とする部位に適合するよう足場の形状を最適化するように足場を成形するために、解剖学的モデル化試験が実施される。
好適な一形態では、解剖学的モデル化試験はコンピューター断層撮影または磁気共鳴画像法を包含する。
好ましくは、解剖学的モデル化試験はコンピューター支援設計の使用をさらに包含する。
他の好適な形態では、解剖学的モデル化試験は三次元コンピューター断層撮影を包含する。
さらに別の好適な形態では、解剖学的モデル化試験は磁気共鳴画像法(MRI)を包含する。
他の形態では、足場は適切な生体適合性および/または生体吸収性物質である。
好ましくは、生体適合性および/または生体吸収性物質は、チタン、ステンレススチール、酸化ジルコニウム、リン酸三カルシウムセラミック、ポリマーから選択される。
さらにより好ましくは、足場はチタンである。
さらに別の好適な形態では、足場は網様構造を含む。
別の形態では、足場を埋め込む筋肉は、僧帽筋、広背筋、大胸筋、小胸筋、肩甲挙筋、小菱形筋、大菱形筋、前鋸筋、三角筋、棘上筋、棘下筋、小円筋、大円筋、肩甲下筋、頭板状筋、頚板状筋、腰腸肋筋、胸腸肋筋、頚腸肋筋、胸最長筋、頚最長筋、頭最長筋、胸棘筋、頚棘筋、頭棘筋、胸半棘筋、頚半棘筋、頭半棘筋、多裂筋、短回旋筋、棘間筋、横突間筋、僧帽筋、広背筋、鎖骨下筋、大胸筋、小胸筋、肩甲挙筋、小菱形筋、大菱形筋、前鋸筋、三角筋、棘上筋、棘下筋、小円筋、大円筋、肩甲下筋、頭板状筋、頚板状筋、腰腸肋筋、胸腸肋筋、頚腸肋筋、胸最長筋、頚最長筋、頭最長筋、胸棘筋、頚棘筋、頭棘筋、胸半棘筋、頚半棘筋、頭半棘筋、多裂筋、長回旋筋、短回旋筋および棘間筋、横突間筋からなる群から選択される体幹部筋肉である。
さらに別の形態では、足場を埋め込む筋肉は、大腿筋膜張筋、大臀筋、中臀筋、小臀筋、梨状筋、上双子筋、内閉鎖筋、下双子筋、大腿方形筋、半腱様筋、長内転筋、短内転筋、大内転筋、薄筋、外閉鎖筋、縫工筋、大腿直筋、外側広筋、中間広筋、内側広筋、膝関節筋、大腰筋、腸骨筋、恥骨筋、ヒラメ筋、足底筋、膝窩筋、長指屈筋、後脛骨筋、長母指屈筋、長腓骨筋、短腓骨筋、前脛骨筋、長母指伸筋、長指伸筋および第三腓骨筋からなる群から選択される足筋肉である。
別の好適な形態では、足場を埋め込む筋肉は、下頭斜筋、上頭斜筋、大後頭直筋、小後頭直筋、頚長筋、頭長筋、前頭直筋、外側頭直筋、前斜角筋、最小斜角筋(存在しないこともある)、中斜角筋、後斜角筋、胸鎖乳突筋、広頚筋、胸骨舌骨筋、肩甲舌骨筋、胸骨甲状筋、甲状舌骨筋、茎突舌骨筋、顎二腹筋、顎舌骨筋、頤舌骨筋、後頭筋(二腹)、前頭筋(二腹)、眼輪筋、皺眉筋、上唇鼻翼挙筋、上唇挙筋、小頬骨筋、大頬骨筋、笑筋(存在しないこともある)、口角挙筋、頬筋、口角下制筋、下唇下制筋、咬筋、内側翼突筋、外側翼突筋、上眼瞼挙筋、外側直筋、内側直筋、上直筋、下直筋、上斜筋および下斜筋からなる群から選択される頭部または頚部筋肉である。
さらに別の好適な形態では、足場を埋め込む筋肉は、烏口腕筋、上腕二頭筋、上腕筋、上腕三頭筋、肘筋、円回内筋、橈側手根屈筋、長掌筋、尺側手根屈筋、浅指屈筋、深指屈筋、長母指屈筋、方形回内筋、腕橈骨筋、長橈側手根伸筋、短橈側手根伸筋、指伸筋、小指伸筋、尺側手根伸筋、回外筋、長母指外転筋、短母指伸筋、長母指伸筋、示指伸筋、短母指外転筋、短母指屈筋、母指対立筋、母指内転筋、短掌筋、小指外転筋、短小指屈筋、小指対立筋、掌側骨間筋、背側骨間筋、虫様筋、長母指外転筋、短指屈筋、小指外転筋、第五中足骨外転筋、足底方形筋、虫様筋、短母指屈筋、母指内転筋、短小指屈筋、底側骨間筋(第三筋)、背側骨間筋(第四筋)、短母指伸筋および短指伸筋からなる群から選択される腕筋肉である。
別の広範の形態では、患者および宿主は異なる生物である。
さらに別の形態では、患者および宿主は同一生物である。
他の広範な形態では、本発明は、患者のための置換骨を増殖させるためのキットであって、以下の:
a)宿主の皮下または脂肪もしくは筋肉組織内での骨増殖を支持するのに適した足場、および
b)骨芽細胞前駆細胞の供給源
を含むキットを提供する。
好ましくは、キットは、少なくとも1つの増殖因子、さらにより好ましくは、骨芽細胞増殖因子をさらに含む。
さらにより好ましくは、キットは、足場内の配置に適したヒドロキシアパタイト結晶をさらに含む。
別の好適な形態では、キットは、足場内に予め配置されたヒドロキシアパタイト結晶をさらに含む。
さらに別の好適な形態では、キットのヒドロキシアパタイト結晶は骨無機質ブロックとして存在する。
別の広範な形態では、本発明は、骨移植を必要とする患者への移植に適した骨移植物質であって、以下の:
a)骨組織を収容する足場、および
b)骨移植を必要とする患者身体中の一領域に接合するための1または複数の血管を含む血液供給体
を含み、そして以下の:
a)骨移植物質のための足場を提供すること、
b)足場に骨芽細胞前駆細胞を接種すること、
c)宿主中の皮下、または脂肪もしくは筋肉組織内に足場を埋め込むこと、
d) 置換骨の十分な形成および血管新生が起きたら、置換骨の骨組織および血液供給体の一部を収容する足場を回収すること
からなる方法に従って製造された骨移植物質に関する。
好ましくは、足場に接種することは、足場にヒドロキシアパタイト結晶を挿入することをさらに包含する。
さらにより好ましくは、骨移植物質のためのヒドロキシアパタイト結晶は、骨無機質ブロックとして提供される。
別の好適な形態では、骨移植物質のための骨芽細胞前駆細胞は、骨髄細胞の混合物として提供される。
他の好適な形態では、骨移植物質のための骨芽細胞前駆細胞は、骨髄細胞の混合物から得られる。
さらに別の好適な形態では、骨移植物質のための骨芽細胞前駆細胞は、間充織幹細胞である。
さらに別の好適な形態では、骨移植物質のための骨芽細胞前駆細胞は、造血幹細胞である。
好ましくは、骨移植物質のための造血幹細胞は、単球前駆細胞から得られる。
さらにより好ましくは、骨移植物質のための骨芽細胞前駆細胞は、成人幹細胞または宿主種の胚から単離された胚幹細胞である。
さらに別の好適な形態では、骨移植物質のための幹細胞は、宿主種の受精卵から単離された全能性幹細胞である。
さらに別の形態では、骨移植物質のための骨芽細胞前駆細胞は、患者組織に対して自系である。
別の形態では、骨移植物質のための骨芽細胞前駆細胞は、患者組織に対して同種異系である。
さらに別の好適な形態では、骨移植物質のための足場に接種することは、足場内に少なくとも1つの増殖因子を提供することをさらに包含する。
好ましくは、骨移植物質のための足場に接種することは、足場の外表面上に少なくとも1つの増殖因子を提供することを包含する。
好ましくは、骨移植物質のための少なくとも1つの増殖因子は、骨形成タンパク質(BMP)ファミリーの構成員からなる群から選択される。
さらにより好ましくは、骨移植物質のためのBMPはBMP−2である。
別の好適な形態では、骨移植物質のためのBMPはBMP−7である。
特に好適な形態では、患者において置換骨移植物質を必要とする部位に適合するよう足場の形状を最適化するように足場を成形するために、解剖学的モデル化試験が実施される。
好ましくは、骨移植物質のための解剖学的モデル化試験はコンピューター断層撮影または磁気共鳴画像法を包含する。
さらにより好ましくは、骨移植物質のための解剖学的モデル化試験はコンピューター支援設計の使用をさらに包含する。
別の好適な形態では、骨移植物質のための解剖学的モデル化試験は三次元コンピューター断層撮影を包含する。
好ましくは、骨移植物質の足場は適切な生体適合性および/または生体吸収性物質である。
さらにより好ましくは、骨移植物質のための生体適合性および/または生体吸収性物質は、チタン、ステンレススチール、酸化ジルコニウム、リン酸三カルシウムセラミック、ポリマーから選択される。
さらに好適な形態では、骨移植物質のための足場はチタンである。
好ましくは、骨移植物質のための足場は網様構造を含む。
さらにより好ましくは、骨移植物質を受け入れる患者と骨移植物質を増殖する宿主とは、異なる生物である。
別の好適な形態では、骨移植物質を受け入れる患者と骨移植物質を増殖する宿主とは、同一生物である。
本明細書全体を通して、明記しない限り、「〜を含む」および「〜を含んでいる」という語は、記載した一つの行程もしくは要素、または一群の行程もしくは要素を包含することを意味するが、他の一つもしくは一群の行程もしくは要素を排除するものではない。
本明細書中で従来技術を参照することは、その従来技術がオーストラリアにおける一般常識であることを承認するものでも示唆するものでもなく、そのように受け取られるべきでもない。
本発明者は、驚くべきことに、骨芽細胞前駆細胞を含有する骨足場を宿主の組織内に配置すると、骨移植に非常に適する置換骨物質がインビボで増殖されること、したがって患者またはドナーから骨を採取する必要がなくなることを見出した。
したがって、第1の広範な形態では、本発明は、患者の骨移植のために骨を増殖する方法であって、以下の:
d)置換骨組織のための足場を提供する過程、
e)骨芽細胞前駆細胞を足場に接種する過程、
f)宿主の皮下、または脂肪もしくは筋肉組織中に足場を埋め込む過程、
g)置換骨の十分な形成が起きたら、足場、置換骨および置換骨の血液供給体の一部を回収する過程、および
h)患者において置換骨組織を必要とする部位に、足場、置換骨および置換骨の血液供給体を移植する過程
を包含する方法に関する。
「患者」という用語は、ヒトまたはその他の哺乳類の患者を指し、そして本発明の方法を用いて検査または治療することが望ましい任意の個体を含む。しかしながら「患者」とは、症状が存在することを意味するものではない。本発明の範囲内に入る適切な哺乳類としては、霊長類、家畜動物(例えばヒツジ、ウシ、ウマ、ロバ、ブタ)、実験試験用動物(例えばウサギ、マウス、ラット、モルモット、ハムスター)、コンパニオン動物(例えばネコ、イヌ)および捕獲野生動物(例えばキツネ、シカ、ディンゴ)が挙げられるが、これらに限定されない。
「宿主」という用語は、本明細書中で用いる場合、患者と同一または別個の哺乳類を指す。すなわち足場は、患者である動物、または患者でない動物の皮下組織、脂肪組織または筋肉組織に埋め込まれうる。
好ましくは、宿主および患者は同一生物である。しかしながら当業者には明らかなように、足場内の骨増殖は、別の動物、特に患者の組織型と同一または類似の組織型を有する別の動物中でも起こり得る。当技術分野で明らかなように、このような宿主の選択により、置換骨組織の移植後の組織拒絶の危険性を最小限にする。
すなわち宿主が患者と異なる場合、宿主は患者と同一の組織型(例えば一卵性双生児)または類似の組織型(すなわち血縁またはドナー適合組織型)を有することが好ましい。しかしながらドナーおよび患者が有意に異なる組織型を有することも可能であり、その場合、骨置換組織の拒絶危険性を低減するために免疫抑制剤を用いうる。
一実施形態では、宿主は患者と異なる種でよい。特に宿主はブタなどの動物でよい(すなわち異種移殖)。特に好ましいのは、工学的にヒト化された動物であり、したがってこれは非ヒト化動物より異種移植に適する。
好ましくは、足場は、例えば結晶またはブロックの形の骨無機質(すなわちヒドロキシアパタイト)で充填される。骨無機質は、足場ケージに付加される細胞および増殖因子のためのヒドロキシアパタイト担体として役立つ。適切な骨ヒドロキシアパタイト物質は当業者に既知であり、例として、同種移植骨が単独でまたは他の物質と共に用いられる同種移植ベースの骨移植置換物が挙げられる(例えばアログロ(Allogro)、オスロブラスト(Othroblast)、オプテフォーム(Opteform)、グラフトン(Grafton)、VG1 ALIF、VG2 PLIF)。あるいは、生物活性および/または再吸収性を有しうるセラミック物質(例えばリン酸カルシウム、バイオグラス+オステオグラフ(Osteograf)、ノリアン(Norian)SRS、プロオステオン(ProOsteon)、オステオセット(Osteoset)、オッサツラ(Ossatura)、セラソルブ(Cerasorb)、クロノス(Chronos)、ボーンプラスト(BonePlast)、ノバボーン(Novabone)、ノバミン(Novamin))、または生物分解性でもそうでなくてもよい高分子物質(例えば分解性または非分解性合成コラーゲン繊維/フェルト加工体のポリマー、例えばコルトス(Cortoss)、イムミックス(Immix)、インフューズ(Infuse)、ヒーロス(Healos)(HAコーティングされたコラーゲン))も用いうる。
骨髄は、骨芽細胞に分化する能力を有する間充織幹細胞および造血性幹細胞を含有することが知られているので、足場に接種するために用いられる骨芽細胞前駆細胞は、骨髄細胞の混合物により提供され得る。あるいは、これらの種類の幹細胞の片方または両方の濃縮混合物を提供するために骨髄混合物を精製し得る。
骨芽細胞前駆細胞は患者から単離され、したがって患者自身の組織に対して同種異系であり、あるいは別の生物から単離され、したがって患者自身の組織に対して自系であり得る。
一実施形態では、幹細胞は、宿主種の受精卵から単離された全能性幹細胞、成体幹細胞、または宿主種から単離された胚幹細胞である多能性幹細胞であり得る。
特に好適な形態では、足場はまた、足場の外表面および/または内表面上に少なくとも1つの骨芽細胞増殖因子が接種され、ここでその足場の内表面は、骨無機質を収容する表面である。好ましくは、その少なくとも1つの増殖因子は骨形成タンパク質(BMP)である。BMPは、もともと脱灰骨の骨誘導性抽出物中に存在することにより同定された一群の類縁タンパク質である。分子クローニングにより、このファミリーには少なくとも6つの類縁構成員が見出され、それらはBMP−2ないしBMP−7と命名された。これらの分子は、TGF−βスーパーファミリーの一部である。
BMPは亜群にわけられ、BMP−2およびBMP−4は92%同一であり、そしてBMP−5、BMP−6およびBMP−7は平均で約90%同一である。単一のBMP分子、例えばBMP−2は、新しい軟骨および骨の形成を誘導することができる(Li et al., J Spinal Disord Tech. 2004 Oct; 17(5): 423-8)。各々のBMPが動物において同一の誘導活性を保有するか否かは、研究中の課題である。トランスジェニックおよびノックアウトマウスの研究、ならびにBMPおよび関連遺伝子の自然な突然変異を有する動物およびヒトの研究から、BMPシグナル伝達が心臓、神経および軟骨の発達に重要な役割を果たすことが示された(Chen et al., Growth Factors. 2004 Dec; 22(4): 233-41)。
好適な一形態では、BMPはBMP−7である。さらに好適な形態では、BMPはBMP−2である。
別の好適な形態では、置換骨物質を必要とする領域に適合するよう最適化された形状を有する足場を作るために、足場を成形する前に解剖学的モデル化試験が実施される。種々の技法が当該技術分野において存在し、当業者に周知であり、例としてコンピューター断層撮影および磁気共鳴画像法が挙げられ、これらは好ましくはコンピューター支援設計により補助される。
好適な形態では、足場は適切な生体適合性および/または生体吸収性物質である。種々の適切な生体適合性および/または生体吸収性物質が当該技術分野で既知であり、例としてチタン、ステンレススチール、酸化ジルコニウム、リン酸三カルシウムセラミックおよびポリマーが挙げられるが、これらに限定されない。特に好適な形態では、足場はチタンから形成される。さらにより好ましくは、足場は網様構造、特にチタン製の網様構造を含む。
本発明は、血液供給が比較的に多い領域内に骨足場を配置することにより栄養供給が行われるという点で有利であり、これは骨芽細胞前駆細胞の増殖および分化を支援するため、そして骨足場内の新骨の積載のために理想的である。
足場を埋め込みうる解剖学的領域として、皮下または脂肪もしくは筋肉組織内が挙げられる。
適した筋肉は、僧帽筋、広背筋、大胸筋、小胸筋、肩甲挙筋、小菱形筋、大菱形筋、前鋸筋、三角筋、棘上筋、棘下筋、小円筋、大円筋、肩甲下筋、頭板状筋、頚板状筋、腰腸肋筋、胸腸肋筋、頚腸肋筋、胸最長筋、頚最長筋、頭最長筋、胸棘筋、頚棘筋、頭棘筋、胸半棘筋、頚半棘筋、頭半棘筋、多裂筋、短回旋筋、棘間筋、横突間筋、僧帽筋、広背筋、鎖骨下筋、大胸筋、小胸筋、肩甲挙筋、小菱形筋、大菱形筋、前鋸筋、三角筋、棘上筋、棘下筋、小円筋、大円筋、肩甲下筋、頭板状筋、頚板状筋、腰腸肋筋、胸腸肋筋、頚腸肋筋、胸最長筋、頚最長筋、頭最長筋、胸棘筋、頚棘筋、頭棘筋、胸半棘筋、頚半棘筋、頭半棘筋、多裂筋、長回旋筋、短回旋筋および棘間筋、横突間筋からなる群から選択される体幹部筋肉である。
あるいは、筋肉は、大腿筋膜張筋、大臀筋、中臀筋、小臀筋、梨状筋、上双子筋、内閉鎖筋、下双子筋、大腿方形筋、半腱様筋、長内転筋、短内転筋、大内転筋、薄筋、外閉鎖筋、縫工筋、大腿直筋、外側広筋、中間広筋、内側広筋、膝関節筋、大腰筋、腸骨筋、恥骨筋、ヒラメ筋、足底筋、膝窩筋、長指屈筋、後脛骨筋、長母指屈筋、長腓骨筋、短腓骨筋、前脛骨筋、長母指伸筋、長指伸筋および第三腓骨筋からなる群から選択される足筋肉である。
別の形態では、筋肉は、下頭斜筋、上頭斜筋、大後頭直筋、小後頭直筋、頚長筋、頭長筋、前頭直筋、外側頭直筋、前斜角筋、最小斜角筋(存在しないこともある)、中斜角筋、後斜角筋、胸鎖乳突筋、広頚筋、胸骨舌骨筋、肩甲舌骨筋、胸骨甲状筋、甲状舌骨筋、茎突舌骨筋、顎二腹筋、顎舌骨筋、頤舌骨筋、後頭筋(二腹)、前頭筋(二腹)、眼輪筋、皺眉筋、上唇鼻翼挙筋、上唇挙筋、小頬骨筋、大頬骨筋、笑筋(存在しないこともある)、口角挙筋、頬筋、口角下制筋、下唇下制筋、咬筋、内側翼突筋、外側翼突筋、上眼瞼挙筋、外側直筋、内側直筋、上直筋、下直筋、上斜筋および下斜筋からなる群から選択される頭部または頚部筋肉である。
また、他の好適な形態では、筋肉は、烏口腕筋、上腕二頭筋、上腕筋、上腕三頭筋、肘筋、円回内筋、橈側手根屈筋、長掌筋、尺側手根屈筋、浅指屈筋、深指屈筋、長母指屈筋、方形回内筋、腕橈骨筋、長橈側手根伸筋、短橈側手根伸筋、指伸筋、小指伸筋、尺側手根伸筋、回外筋、長母指外転筋、短母指伸筋、長母指伸筋、示指伸筋、短母指外転筋、短母指屈筋、母指対立筋、母指内転筋、短掌筋、小指外転筋、短小指屈筋、小指対立筋、掌側骨間筋、背側骨間筋、虫様筋、長母指外転筋、短指屈筋、小指外転筋、第五中足骨外転筋、足底方形筋、虫様筋、短母指屈筋、母指内転筋、短小指屈筋、底側骨間筋(第三筋)、背側骨間筋(第四筋)、短母指伸筋および短指伸筋からなる群から選択される腕筋肉である。
さらに足場を埋め込んだ皮下領域、脂肪または筋肉における血管供給は、新しく増殖した骨における血管新生を援助する。したがって新しく増殖中の骨に血液が供給され、そして置換骨の十分な形成および血管新生が起きたら、骨移植組織内で増殖した血管を回収して、患者において置換骨組織を必要とする部位の血管に接続する。
「十分な骨の形成」という用語は、本明細書中で用いる場合、石灰化の程度により決定されるように、足場内での適量の骨形成を指し、ならびに当該技術分野における適切な方法、例えば骨格シンチログラフィー、X線分析およびコンピューター断層撮影により決定されるように、チタン足場内での骨形成(すなわち骨芽細胞および骨小柱の形成)を指す。
さらなる形態では、本発明は、患者用の置換骨の製造において、骨増殖を支援するための足場の使用に関する。この場合、骨芽細胞前駆細胞を足場に接種し、それを宿主の皮下または脂肪もしくは筋肉中に埋め込み、そして置換骨組織の十分な血管新生および形成が起きたら、足場、置換骨および置換骨の血液供給体を回収する。
さらに他の形態では、本発明は、患者用の置換骨を増殖させるためのキットであって、以下の:
c)宿主の皮下または脂肪もしくは筋肉組織内での骨増殖を支援するのに適した足場、および
d)骨芽細胞前駆細胞の供給源
を含むキットに関する。
好ましくは、キットは、少なくとも1つの増殖因子を含み、さらにより好ましくは、キットの足場内に予め配置されうるヒドロキシアパタイト結晶をさらに含む。
さらにより好ましくは、その少なくとも1つの増殖因子は骨芽細胞増殖因子である。
さらに他の広範な形態では、本発明は、骨移植を必要とする患者への移植に適した骨移植物質であって、以下の:
e)骨組織を収容する足場、および
f)骨移植を必要とする患者身体中の一領域に接合するための1または複数の血管を含む血液供給体
を含み、そして以下の:
a)骨移植物質のための足場を提供すること、
b)足場に骨芽細胞前駆細胞を接種すること、
c)宿主中の皮下または脂肪もしくは筋肉組織に足場を埋め込むこと、
d)置換骨の十分な形成および血管新生が起きたら、置換骨の骨組織および血液供給体の一部を収容する足場を回収すること
からなる方法に従って製造された骨移植物質に関する。
本発明の容易な理解と実施のために、以下の実施例により特に好ましい実施形態を記載するが、本発明はこれらに限定されない。
インビボでの下顎骨の増殖
下顎骨の広範な不連続欠損を、成人男性患者の広背筋内部で増殖させた特製の骨移植体により置換した。
材料および方法
ドイツのキール大学から倫理上の承認を得た。患者は同意書を提出した。コンピューター支援設計(CAD)を用いて下顎骨欠損部分の理想的な実際の置換体を設計するために、患者頭部の三次元コンピューター断層撮影(CT)を実施した(図3)。データをCAD操作性三軸フライス盤に送り、実際の下顎に正確に適合するテフロンモデルを作製した。チタン製の網状足場(MARTIN, Micromesh, Tuttlingen, Germany)をそのモデル上に成形して、次にそのモデルを取り除いた(図1)。残りのチタン製網状ケージに、担体として10個の骨無機質ブロック(BioOss-Blocks; Geistlich Biomaterials, Wolhusen, Switzerland)を充填した(OP-1インプラント、Stryker Biotech, Hopkinton, USA;図2)。該ブロックは、1gのウシ1型コラーゲン中に7mgの組換えヒトBMP7を包埋したもので被覆した。最後に20mLの骨髄を右腸骨稜から吸引して、組換えヒトBMP7の標的としての非分化前駆細胞を提供した。フローサイトメトリーを用いて吸引物中の幹細胞の存在を確認することはしなかった。骨髄をウシ由来の5gの天然骨無機質(粒子サイズ0.5〜1.0 mm;BioOss-Spongiosa granules; Geistlich Biomaterials)と混合し、この混合物を用いてケージ内部のブロック間の隙間を充填した。次にチタン製網状ケージ(図2)を、全身麻酔下で患者の右広背筋の嚢中に埋め込んだ。患者は術後に血腫を発症し、これは術後2日目に容易に排液された。予防用抗生物質として1.5gのアンピシリン/スルバクタムを14日間1日3回投与した。感染の徴候は認められなかった。患者は疼痛または睡眠障害を訴えることなく、その右腕の可動範囲について小さな問題を伝えただけであった。
結果
術後4週目に、600MBqのテクネチウム−99m−オキシドロネートトレーサーの静脈注入により、骨格シンチグラフィーを実施した。トレーサーの増強により証明されたように、インプラント内に、生きた骨芽細胞による骨再形成を認めた。これは骨誘導成功の最初の徴候である。さらに胸部CTにより、インプラント部位周囲の骨形成を示す放射線写真の証拠が得られた。
術後7週目に、患者は下顎骨置換体の移植のために全身麻酔を受けた。置換体を、移植体全体のために血液供給する胸背動脈および静脈を含有する広背筋の隣接部分とともに回収した。次にこの茎状の骨筋弁を顎外から欠損部位に移植した。移植体を欠損部に容易に埋め込むために、置換体の末端で増殖しすぎた少量の骨を掻き取った。移植体の形状をさらに補正する必要はなかった。
古いチタン製再建プレートを取り出した後、下顎移植体を本来の下顎断端に骨接合用チタン製微小ねじで固定して、患者の顎線の輪郭をほぼ下顎骨切除術前のものに戻した。次に顕微外科技法により、血管茎を外頚動脈および橈側皮静脈に吻合した。以前の根治的頚部切開および放射線照射のために使用可能な局所静脈が少なかったので、上腕から橈側皮静脈を取り出して、頚部に再配置した。患者の皮膚は照射により弾力性がなかったため、顎下腺領域の創傷を完全に閉じることができなかった。再び予防的抗生物質として1.5gのアンピシリン/ズブバクタムを1日3回投与した。術後12日目に、この小さな領域は、増殖した肉芽組織により自然に閉じた。次にこの領域を十分な厚さの皮膚移植片で被覆した。創傷周辺の処理可能な小さな壊死部分(以前に照射を受けた皮膚)を除いて、治癒は順調に進行した。当該弁への血液供給は首尾よく維持された。反復三次元CTから、両下顎断端は移植片に対して正しい位置にあることが示された。術後11日目に600MBqのTc99m−オキシドロネートトレーサーを用いて再度骨格シンチグラフィーを実施したところ、下顎移植体内部の継続的な骨再形成と石灰化が示された。このことは、血管の流れが妨害されていないこと、および誘導された骨細胞が生存していることを示す。
移植後4週目までに、下顎切除術を受けてから初めて患者は固形食を食べることができた。
下顎置換のためのチタン製網状足場を示す画像である。 骨増殖物質を装入した下顎のためのチタン製網状足場を示す画像である。 理想的な下顎用の足場(インプラント)を示すCAD図面である。

Claims (45)

  1. 患者のために置換骨組織を増殖する方法であって、以下の:
    d)置換骨組織のための足場を提供すること、
    e)骨芽細胞前駆細胞を足場に接種すること、
    f)宿主の皮下、または脂肪もしくは筋肉組織中に足場を埋め込むこと、
    i)置換骨の十分な形成および血管新生が起きたら、足場、置換骨および該置換骨の血液供給体の一部を回収すること、
    j)患者において置換骨組織を必要とする部位に、足場、置換骨および該置換骨の血液供給体を移植すること、および
    k)置換骨の血液供給体の少なくとも一部を、置換骨組織を必要とする部位の血管に接続すること
    を包含する方法。
  2. 足場に接種することは、足場にヒドロキシアパタイト結晶を挿入することをさらに包含する請求項1に記載の方法。
  3. ヒドロキシアパタイト結晶は骨無機質ブロックとして提供される請求項2に記載の方法。
  4. 骨芽細胞前駆細胞は骨髄細胞の混合物として提供される請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 骨芽細胞前駆細胞は造血幹細胞である請求項1に記載の方法。
  6. 造血幹細胞は単球前駆細胞から得られる請求項5に記載の方法。
  7. 骨芽細胞前駆細胞は成人幹細胞または宿主種の胚から単離された胚幹細胞である請求項1に記載の方法。
  8. 幹細胞は宿主種の受精卵から単離された全能性幹細胞である請求項1に記載の方法。
  9. 足場に接種することは、足場内に少なくとも1つの増殖因子を提供することをさらに包含する請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 少なくとも1つの増殖因子は骨形成タンパク質(BMP)ファミリーの構成員からなる群から選択される請求項9に記載の方法。
  11. BMPはBMP−2である請求項10に記載の方法。
  12. 患者において置換骨を必要とする部位に適合するよう足場の形状を最適化するように足場を成形するために、解剖学的モデル化試験を実施する請求項1に記載の方法。
  13. 解剖学的モデル化試験はコンピューター断層撮影を包含する請求項12に記載の方法。
  14. 解剖学的モデル化試験はコンピューター支援設計の使用をさらに包含する請求項13に記載の方法。
  15. 解剖学的モデル化試験は三次元コンピューター断層撮影を包含する請求項14に記載の方法。
  16. 足場は適切な生体適合性および/または生体吸収性物質である請求項1〜15のいずれか一項に記載の方法。
  17. 足場はチタンである請求項16に記載の方法。
  18. 足場は網様構造を含む請求項16または請求項17に記載の方法。
  19. 患者および宿主は異なる生物である請求項1〜18のいずれか一項に記載の方法。
  20. 患者および宿主は同一生物である請求項1〜18のいずれか一項に記載の方法。
  21. 患者のための置換骨を増殖させるためのキットであって、以下の:
    c)宿主の皮下または脂肪もしくは筋肉組織内での骨増殖を支持するのに適した足場、および
    d)骨芽細胞前駆細胞の供給源
    を含むキット。
  22. 少なくとも1つの増殖因子をさらに含む請求項21に記載のキット。
  23. 足場内の配置に適したヒドロキシアパタイト結晶をさらに含む請求項22に記載のキット。
  24. 足場内に予め配置されたヒドロキシアパタイト結晶をさらに含む請求項22に記載のキット。
  25. ヒドロキシアパタイト結晶は骨無機質ブロックとして存在する請求項23または請求項24に記載のキット。
  26. 骨移植を必要とする患者への移植に適した骨移植物質であって、以下の:
    a)骨組織を収容する足場、および
    b)骨移植を必要とする患者身体中の領域に接合するための1または複数の血管を含む血液供給体
    を含み、そして以下の:
    a)骨移植物質のための足場を提供すること、
    b)足場に骨芽細胞前駆細胞を接種すること、
    c)宿主中の皮下、または脂肪もしくは筋肉組織に足場を埋め込むこと、および
    d)置換骨の十分な形成および血管新生が起きたら、置換骨の骨組織および血液供給体の一部を収容する足場を回収すること
    からなる方法に従って製造された骨移植物質。
  27. 足場に接種することは、足場にヒドロキシアパタイト結晶を挿入することをさらに包含する請求項26に記載の骨移植物質。
  28. ヒドロキシアパタイト結晶は骨無機質ブロックとして提供される請求項27に記載の骨移植物質。
  29. 骨芽細胞前駆細胞は骨髄細胞の混合物として提供される請求項26〜28のいずれか一項に記載の骨移植物質。
  30. 骨芽細胞前駆細胞は骨髄細胞の混合物から得られる請求項26〜28のいずれか一項に記載の骨移植物質。
  31. 骨芽細胞前駆細胞は間充織幹細胞である請求項30に記載の骨移植物質。
  32. 骨芽細胞前駆細胞は造血幹細胞である請求項26に記載の骨移植物質。
  33. 造血幹細胞は単球前駆細胞から得られる請求項32に記載の骨移植物質。
  34. 骨芽細胞前駆細胞は成人幹細胞または宿主種の胚から単離された胚幹細胞である請求項26に記載の骨移植物質。
  35. 幹細胞は宿主種の受精卵から単離された全能性幹細胞である請求項26に記載の骨移植物質。
  36. 足場に接種することは、足場内に少なくとも1つの増殖因子を提供することをさらに包含する請求項26〜35のいずれか一項に記載の骨移植物質。
  37. 少なくとも1つの増殖因子は骨形成タンパク質(BMP)ファミリーの構成員からなる群から選択される請求項36に記載の骨移植物質。
  38. BMPはBMP−2である請求項37に記載の骨移植物質。
  39. BMPはBMP−7である請求項37に記載の骨移植物質。
  40. 患者において置換骨移植物質を必要とする部位に適合するよう足場の形状を最適化するように足場を成形するために、解剖学的モデル化試験を実施する請求項26〜39のいずれか一項に記載の骨移植物質。
  41. 足場は適切な生体適合性および/または生体吸収性物質である請求項26〜40のいずれか一項に記載の骨移植物質。
  42. 足場はチタンである請求項41に記載の骨移植物質。
  43. 足場は網様構造を含む請求項41または請求項42に記載の骨移植物質。
  44. 患者および宿主は異なる生物である請求項26〜43のいずれか一項に記載の骨移植物質。
  45. 患者および宿主は同一生物である請求項26〜43のいずれか一項に記載の骨移植物質。

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