JP2006218404A - 管状体内壁面に耐摩耗性粉粒体層を形成する方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】作業性を改善し、常に均一な耐摩耗性粉粒体層を容易に形成すること。
【解決手段】
管状体内壁面にコート材を塗着してコート材層を形成し、その粘着性が存在しているうちに該管状体内壁面に耐摩耗性粉粒体を充填及び/又は押し圧し、前記コート材に該耐摩耗性粉粒体を密集固着させた後、未固着の耐摩耗性粉粒体を外部に排出して、管状体内壁面に耐摩耗性粉粒体層を形成する方法であって、更に以下の1、2及び3の構成要件を同時に満たすことを特徴とする。
1.1.2〜5kg/cm2の範囲の接触圧で行なうこと
管状体の長さが約0.5〜10mであり、かつ該管状体の外径が約500mm以下であって、L−2(N+D)=20mm以上であること
3.未固着の耐摩耗性粉粒体の外部への排出を、外径(L−2(N+D))mm(ここで、L、N及びDは前記の意味を表す)以下のネジリブラシ及び/又は気体排出装置で行なうこと
【選択図】図1
【解決手段】
管状体内壁面にコート材を塗着してコート材層を形成し、その粘着性が存在しているうちに該管状体内壁面に耐摩耗性粉粒体を充填及び/又は押し圧し、前記コート材に該耐摩耗性粉粒体を密集固着させた後、未固着の耐摩耗性粉粒体を外部に排出して、管状体内壁面に耐摩耗性粉粒体層を形成する方法であって、更に以下の1、2及び3の構成要件を同時に満たすことを特徴とする。
1.1.2〜5kg/cm2の範囲の接触圧で行なうこと
管状体の長さが約0.5〜10mであり、かつ該管状体の外径が約500mm以下であって、L−2(N+D)=20mm以上であること
3.未固着の耐摩耗性粉粒体の外部への排出を、外径(L−2(N+D))mm(ここで、L、N及びDは前記の意味を表す)以下のネジリブラシ及び/又は気体排出装置で行なうこと
【選択図】図1
Description
本発明は、管状体内壁面に耐摩耗性粉粒体層を形成する方法の改良に関する。
従来から、管体内壁面に機能性層を形成する方法あるいは異形管の製造方法等として
管体の内面にコート材を塗着してコート材層を形成し、その粘着性が存在しているうちに管内に機能性を有する粉粒体状物を充填し、前記コート材に前記粉粒体状物が密集固着したる後、残余の遊離粉粒体状物を外部に排出して、機能性を有する粉粒体密着層を管体内面に形成することを特徴とする管体内壁面に機能性層を形成する方法が特許文献−1あるいは特許文献−2に記載されていて公知である。
特公平5−16913号公報
特公平7−45202号公報
管体の内面にコート材を塗着してコート材層を形成し、その粘着性が存在しているうちに管内に機能性を有する粉粒体状物を充填し、前記コート材に前記粉粒体状物が密集固着したる後、残余の遊離粉粒体状物を外部に排出して、機能性を有する粉粒体密着層を管体内面に形成することを特徴とする管体内壁面に機能性層を形成する方法が特許文献−1あるいは特許文献−2に記載されていて公知である。
しかしながら、これら公知の方法は、特に本発明の目的とする耐摩耗性粉粒体層を形成するに際して、実際の施工に当たり、例えば、管状体内への耐摩耗性粉粒体の充填について詰めすぎたり、詰め足らなかったり等のバラツキがあり、また、未固着粉粒体の管外への排出がスムースに行かないことがしばしば起こり、これらが原因で得られる耐摩耗性粉粒体層の厚さも不均一となり、時には耐摩耗性粉粒体層に欠落部分を生じ、また、作業性などの点においても、決して満足すべきものとは言えないものであった。
本発明者らは、上記実態に鑑み、これらの問題点を改良すべく鋭意研究、検討の結果、特に管状体内壁面に耐摩耗性粉粒体層を形成するに際し、その作業性を改善し、常に均一な耐摩耗性粉粒体層を容易に形成することができる方法を見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は、管状体内壁面にコート材を塗着してコート材層を形成し、その粘着性が存在しているうちに該管状体内壁面に耐摩耗性粉粒体を充填及び/又は押し圧し、前記コート材に該耐摩耗性粉粒体を密集固着させた後、未固着の耐摩耗性粉粒体を外部に排出して、管状体内壁面に耐摩耗性粉粒体層を形成する方法であって、更に以下の1、2及び3の構成要件を同時に満たすことを特徴とする管状体内壁面に耐摩耗性粉粒体層を形成する方法(請求項1)である。
該耐摩耗性粉粒体の該管状体内壁面への充填及び/又は押し圧に際し、1.2〜5kg/cm2の範囲の接触圧で行なうこと +9b¥
該管状体の長さが約0.5〜10mであり、かつ該管状体の外径が約500mm以下であって、L−2(N+D)=20mm以上であること
(ここで、L=管状体の外径、N=耐摩耗性粉粒体層の厚み、D=管状体の肉厚(
単位いずれもmm)をそれぞれ表す)
未固着の耐摩耗性粉粒体の外部への排出を、外径(L−2(N+D))mm(ここで、L、N及びDは前記の意味を表す)以下のネジリブラシ及び/又は気体排出装置で行なうこと
該管状体の長さが約0.5〜10mであり、かつ該管状体の外径が約500mm以下であって、L−2(N+D)=20mm以上であること
(ここで、L=管状体の外径、N=耐摩耗性粉粒体層の厚み、D=管状体の肉厚(
単位いずれもmm)をそれぞれ表す)
未固着の耐摩耗性粉粒体の外部への排出を、外径(L−2(N+D))mm(ここで、L、N及びDは前記の意味を表す)以下のネジリブラシ及び/又は気体排出装置で行なうこと
また、本発明は、該耐摩耗性粉粒体層を形成する操作を、2回乃至10回繰り返すことを特徴とする請求項1に記載の管状体内壁面に耐摩耗性粉粒体層を形成する方法(請求項2)である。
次に、本発明は、該耐摩耗性粉粒体の該管状体内壁面への充填及び/又は押し圧を、流体が収納された袋状物を介して所定の接触圧で行なうことを特徴とする請求項1乃至請求項2の何れかに記載の管状体内壁面に耐摩耗性粉粒体層を形成する方法(請求項3)である。
次にまた、本発明は、該耐摩耗性粉粒体の該管状体内壁面への充填及び/又は押し圧に際し、流体の抜けた袋状物を該管状体内壁面(管状体内空洞部)に挿入又は差し込み(以下、単に挿入と言うことがある)、次いで該袋状物に流体を圧入することによって所定の接触圧で行なうことを特徴とする請求項3に記載の管状体内壁面に耐摩耗性粉粒体層を形成する方法(請求項4)である。
更に、本発明は、該袋状物が、管状体内壁面全体に渡るような細長状の袋状物であることを特徴とする請求項3乃至請求項4の何れかに記載の管状体内壁面に耐摩耗性粉粒体層を形成する方法(請求項5)である。
更にまた、本発明は、該袋状物が、球体状の袋状物であることを特徴とする請求項3乃至請求項4の何れかに記載の管状体内壁面に耐摩耗性粉粒体層を形成する方法(請求項6)である。
そして、本発明は、該耐摩耗性粉粒体の該管状体内壁面への充填及び/又は押し圧を、該袋状物を該管状体内壁面に半強制的に通過させることによって行なうことを特徴とする請求項5乃至請求項6の何れかに記載の管状体内壁面に耐摩耗性粉粒体層を形成する方法(請求項7)である。
そしてまた、本発明は、管状体の直径の断面形状が、円形、楕円形、三角形、四角形若しくは六角形など多角形からなる円筒体又は角柱体であることを特徴とする請求項1乃至請求項7の何れかに記載の管状体内壁面に耐摩耗性粉粒体層を形成する方法(請求項8)である。
そして更に、本発明は、管状体の形状が、直管型形状、曲管型形状、L字管型形状又はS字管型形状であることを特徴とする請求項1乃至請求項8の何れかに記載の管状体内壁面に耐摩耗性粉粒体層を形成する方法(請求項9)である。
そしてまた、本発明は、管状体の材質が、鋼、炭素鋼、ステンレス鋼、ニッケル合金、その他の鉄系合金等の金属、銅、アルミニウムもしくはそれらの各種合金等の金属製管状体であることを特徴とする請求項1乃至請求項9の何れかに記載の管状体内壁面に耐摩耗性粉粒体層を形成する方法(請求項10)である。
最後に、本発明は、耐摩耗性粉粒体が、炭化珪素、炭化硼素、溶融アルミナ、アルミナジルコニア等のセラミック類から選択される請求項1乃至請求項10の何れかに記載の管状体内壁面に耐摩耗性粉粒体層を形成する方法(請求項11)である。
本発明によれば、管状体内壁面に耐摩耗性粉粒体層を形成するに際して、所定の構成要件を採用することによって、その作業性を改善し、かつ管状体内壁面に、全体的に均一な厚さの耐摩耗性粉粒体層を容易に形成することができるという特有の効果を奏する。
以下、本発明の管状体内壁面に耐摩耗性粉粒体層を形成する方法について、さらに詳細に説明する。
前述したとおり、本発明の管状体内壁面に耐摩耗性粉粒体層を形成する方法は、特に、以下の三つの構成要件を同時に満たすことを特徴とする。
前述したとおり、本発明の管状体内壁面に耐摩耗性粉粒体層を形成する方法は、特に、以下の三つの構成要件を同時に満たすことを特徴とする。
まず、第一の構成要件は、該耐摩耗性粉粒体の該管状体内壁面への充填及び/又は押し圧に際し、1.2〜5kg/cm2の範囲の接触圧で行なうことである。
ここで、「接触圧」(Contact Pressure)とは、本発明にいうコート材層に耐摩耗性粉粒体を振りかけ、充填及び/又は押し圧(若しくは押圧)(以下、単に充填ということがある)するに際し、該耐摩耗性粉粒体を該管状体内壁面に押え付ける圧力の意味であり、例えば、以下の方法で測定することができる。
すなわち、液体又は気体などの流体が収納された袋状物を介して押え付ける圧力或いは該袋状物に流体を圧入することによって加える圧力(つまり押し圧若しくは押圧力)を、圧力計によって測定する。
ここで、「接触圧」(Contact Pressure)とは、本発明にいうコート材層に耐摩耗性粉粒体を振りかけ、充填及び/又は押し圧(若しくは押圧)(以下、単に充填ということがある)するに際し、該耐摩耗性粉粒体を該管状体内壁面に押え付ける圧力の意味であり、例えば、以下の方法で測定することができる。
すなわち、液体又は気体などの流体が収納された袋状物を介して押え付ける圧力或いは該袋状物に流体を圧入することによって加える圧力(つまり押し圧若しくは押圧力)を、圧力計によって測定する。
本発明においては、該耐摩耗性粉粒体の該管状体内壁面への充填及び/又は押し圧を、接触圧が1.2〜5kg/cm2の範囲となるように行なうことが極めて重要である。ここで、接触圧が1.2〜5kg/cm2の範囲となるように行なう意味は、管状体内壁面、つまり、コート材層に耐摩耗性粉粒体を振りかけ、塗布し、或いは充填した後に、何らかの方法によって、例えば、鋼球ボールなどを転がして押え付ける、或いはヘラなどによって所定の力で押え付けるなど直接的に押し圧することによって接触圧が1.2〜5kg/cm2の範囲となるようにする場合と、或いは管状体内壁面に耐摩耗性粉粒体を充填し、該管状体内の空洞部に袋状物を挿入し、これに流体を圧入する等の方法によって押し圧し、接触圧が1.2〜5kg/cm2の範囲となるようにする場合が含まれる。本発明の方法においては、特に後者が好ましい態様である。
これに対して、先の特許文献−1などにおいては、耐摩耗性粉粒体を単に管状体内に注入し、更に管状体に外部から振動を与えたり、軽く衝撃を加えて充填する方法が記載されているが、実際の施工に当っては、この程度では不十分な場合が多々あり、つまり、接触圧が不ぞろい或いは接触圧が極めて低いために充填が不均一となり、強いては目的とする均一な耐摩耗性粉粒体層を形成することが出来ない、また接触圧が上記範囲を超えて高すぎても耐摩耗性粉粒体が管状体内で固まりとなり、未固着の耐摩耗性粉粒体の管状体外部への排出が困難となる等の問題点が生ずる。
本発明者らはこれらの問題点を解消すべく鋭意研究、検討の結果、前記したとおり、該接触圧を1.2〜5kg/cm2の、更に好ましくは1.3〜3kg/cm2の範囲、特に好ましくは1.5〜2.5kg/cm2の範囲となるように調整することによって、実用性に優れ、かつ全体的に均一な厚さの耐摩耗性粉粒体層を容易に形成することができることを見出し、本発明を完成した。
なお、本発明における該第一の構成要件は、所定の接触圧を負荷することにより、コート材と耐摩耗性粉粒体とからなる、いわゆる耐摩耗性粉粒体層の管状体内壁面へのならし、密着、平準化などの意味も有し、品質を格段に向上させる効果を奏するものである。
なお、本発明における該第一の構成要件は、所定の接触圧を負荷することにより、コート材と耐摩耗性粉粒体とからなる、いわゆる耐摩耗性粉粒体層の管状体内壁面へのならし、密着、平準化などの意味も有し、品質を格段に向上させる効果を奏するものである。
次に、本発明の第二の構成要件は、以下の条件を満たすことである。
すなわち、管状体の長さが約0.5〜10mであり、かつ管状体の外径が約500mm以下であって、L−2(N+D)=20mm以上であること
(ここで、L=管状体の外径、N=耐摩耗性粉粒体層の厚み、D=管状体の肉厚(
単位いずれもmm)をそれぞれ表す)
つまり、本発明の被処理対象とする管状体の長さは、無制限ではなく、管状体の長さが約0.5〜10m、好ましくは2〜8m、特に好ましくは3〜6mである。
さらに、管状体の外径(L)、耐摩耗性粉粒体層の厚み(N)及び管状体の肉厚(D)が相互に関係し、上記条件を満たすときに初めて本発明の特有の効果が奏され、本発明の目的が極めて都合よく達成される。
すなわち、管状体の長さが約0.5〜10mであり、かつ管状体の外径が約500mm以下であって、L−2(N+D)=20mm以上であること
(ここで、L=管状体の外径、N=耐摩耗性粉粒体層の厚み、D=管状体の肉厚(
単位いずれもmm)をそれぞれ表す)
つまり、本発明の被処理対象とする管状体の長さは、無制限ではなく、管状体の長さが約0.5〜10m、好ましくは2〜8m、特に好ましくは3〜6mである。
さらに、管状体の外径(L)、耐摩耗性粉粒体層の厚み(N)及び管状体の肉厚(D)が相互に関係し、上記条件を満たすときに初めて本発明の特有の効果が奏され、本発明の目的が極めて都合よく達成される。
図1は、これらの関係を説明するための管状体の略断面の模式図である。図中の記号は、以下の通りである。
1:管状体
L:管状体の外径(単位mm)
N:耐摩耗性粉粒体層の厚み(コート材を含む)(単位mm)
D:管状体の肉厚(単位mm)
ここで、管状体(1)の外径(L)は、例えば異径管など異なる外径が複数ある場合は、最も狭い外径を基準とし、また、耐摩耗性粉粒体層の厚み(N)は、コート材と耐摩耗性粉粒体とが渾然一体となって形成された耐摩耗性粉粒体層の厚みをいうことは自明である。つまり、本発明の管状体内壁面に耐摩耗性粉粒体層を形成する方法においては、管状体(1)の外径(L)、耐摩耗性粉粒体層の厚み(N)及び管状体の肉厚(D)が相互に関係し、すなわち、管状体内壁面に形成される耐摩耗性粉粒体硬化層の厚さを考慮して管状体内の隙間(L−2(N+D))を20mm以上とすること、また管状体の外径も、肉厚も無制限ではなく、上記条件を満たすことが必須であることを意味する。そして、上記条件を満たすときに初めて都合よく本発明の目的が達成されることが見出されたのである。
1:管状体
L:管状体の外径(単位mm)
N:耐摩耗性粉粒体層の厚み(コート材を含む)(単位mm)
D:管状体の肉厚(単位mm)
ここで、管状体(1)の外径(L)は、例えば異径管など異なる外径が複数ある場合は、最も狭い外径を基準とし、また、耐摩耗性粉粒体層の厚み(N)は、コート材と耐摩耗性粉粒体とが渾然一体となって形成された耐摩耗性粉粒体層の厚みをいうことは自明である。つまり、本発明の管状体内壁面に耐摩耗性粉粒体層を形成する方法においては、管状体(1)の外径(L)、耐摩耗性粉粒体層の厚み(N)及び管状体の肉厚(D)が相互に関係し、すなわち、管状体内壁面に形成される耐摩耗性粉粒体硬化層の厚さを考慮して管状体内の隙間(L−2(N+D))を20mm以上とすること、また管状体の外径も、肉厚も無制限ではなく、上記条件を満たすことが必須であることを意味する。そして、上記条件を満たすときに初めて都合よく本発明の目的が達成されることが見出されたのである。
更に、本発明の第三の構成要件は、上記第一、第二の構成要件とも関連するが、未固着の耐摩耗性粉粒体の外部への排出を、外径(L−2(N+D))mm(ここで、L、N及びDは前記の意味を表す)以下のネジリブラシ及び/又は気体排出装置で行なうことである。これは、第二の構成要件で説明したように、耐摩耗性粉粒体を充填、硬化させた後の管状体内の隙間(L−2(N+D))を20mm以上とすることにより、それ以下の外径を有するネジリブラシ用いることによって、排出をスムースに行なうようにすることであり、また該隙間(L−2(N+D))を20mm以上とすることによって、気体排出装置、例えば簡単な気体を噴き付ける装置などによって、未固着の耐摩耗性粉粒体を、容易に外部に排出させることができるのである。
ここで、外径(L−2(N+D))mm(ここで、L、N及びDは前記の意味を表す)以下のネジリブラシについて、以下に補足説明する。
図2は、これらの関係を説明するためのネジリブラシの模式図である。図中の記号は、以下の通りである。
2: ネジリ棒(金属線を螺旋状または縄状に編み上げたものでもよい)
3、3’:ポリエチレンやナイロン製ブラシの羽根
4:ネジリ棒2の先端
S:ブラシの分を含めたネジリブラシの外径
ここで、ネジリブラシとは、ネジリ棒(2)にポリエチレンやナイロン製のブラシ(3、3’)などを取り付けたような形状のものであり、また、例えば、外径が20mm以下のネジリブラシとは、ネジリブラシの外径(図2で示したS)、つまりブラシの羽根の部分を含めた外径(S)が20mm以下であることが好ましいことは自明である。該ネジリブラシは、手動、或いはハンドドリルなどに取り付けて、或いはまた、煙突掃除に用いられているように、ワイヤーに結び付けて用いられる。
図2は、これらの関係を説明するためのネジリブラシの模式図である。図中の記号は、以下の通りである。
2: ネジリ棒(金属線を螺旋状または縄状に編み上げたものでもよい)
3、3’:ポリエチレンやナイロン製ブラシの羽根
4:ネジリ棒2の先端
S:ブラシの分を含めたネジリブラシの外径
ここで、ネジリブラシとは、ネジリ棒(2)にポリエチレンやナイロン製のブラシ(3、3’)などを取り付けたような形状のものであり、また、例えば、外径が20mm以下のネジリブラシとは、ネジリブラシの外径(図2で示したS)、つまりブラシの羽根の部分を含めた外径(S)が20mm以下であることが好ましいことは自明である。該ネジリブラシは、手動、或いはハンドドリルなどに取り付けて、或いはまた、煙突掃除に用いられているように、ワイヤーに結び付けて用いられる。
以上述べた方法によって、本発明の管状体内壁面に耐摩耗性粉粒体層を形成する方法が達成されるのであるが、実際にはこの操作を1回で済ませるのではなく、2回乃至10回、通常4〜6回程度繰り返すことによって所望の厚さの耐摩耗性粉粒体層を都合よく形成させることができる。
次に、本発明において最も重要な第一の構成要件である接触圧について、以下に補足説明する。
前記のとおり、本発明においては、耐摩耗性粉粒体の管状体内壁面への充填及び/又は押し圧を、接触圧が1.2〜5kg/cm2の範囲となるように行なうことが極めて重要である。
このために、本発明においては、該耐摩耗性粉粒体の該管状体内壁面への充填及び/又は押し圧を、流体が収納された袋状物を介して行なうことを特徴とする。
前記のとおり、本発明においては、耐摩耗性粉粒体の管状体内壁面への充填及び/又は押し圧を、接触圧が1.2〜5kg/cm2の範囲となるように行なうことが極めて重要である。
このために、本発明においては、該耐摩耗性粉粒体の該管状体内壁面への充填及び/又は押し圧を、流体が収納された袋状物を介して行なうことを特徴とする。
図3は、袋状物に流体を圧入して接触圧を得る略断面模式図である。図中の記号は、以下の通りである。
5: 袋状物(ポリエチレン製)
P: 圧入流体(空気)
P’: 圧入流体(空気)
具体的には、図3に示したように、該耐摩耗性粉粒体の該管状体内壁面への充填及び/又は押し圧に際し、流体の抜けた袋状物5を該管状体内壁面(空洞部)に挿入し、次いで該袋状物5に流体Pを圧入することによって膨張した袋状物5’として、管状体内壁面を押し圧する。充填及び/又は押し圧終了後は、脱気し、該袋状物は除去する。このとき、例えば、袋状物の内側に紐を付けておけば、該紐を引っ張ることによって管状体内壁面から容易に剥離し、除去することができる。
図3は、流体の抜けた細長状の袋状物5を該管状体内壁面に挿入し、次いで該袋状物に流体、例えば空気P、P’を圧入することによって充填及び/又は押し圧を行なう場合の態様を説明するための略断面模式図である。
5: 袋状物(ポリエチレン製)
P: 圧入流体(空気)
P’: 圧入流体(空気)
具体的には、図3に示したように、該耐摩耗性粉粒体の該管状体内壁面への充填及び/又は押し圧に際し、流体の抜けた袋状物5を該管状体内壁面(空洞部)に挿入し、次いで該袋状物5に流体Pを圧入することによって膨張した袋状物5’として、管状体内壁面を押し圧する。充填及び/又は押し圧終了後は、脱気し、該袋状物は除去する。このとき、例えば、袋状物の内側に紐を付けておけば、該紐を引っ張ることによって管状体内壁面から容易に剥離し、除去することができる。
図3は、流体の抜けた細長状の袋状物5を該管状体内壁面に挿入し、次いで該袋状物に流体、例えば空気P、P’を圧入することによって充填及び/又は押し圧を行なう場合の態様を説明するための略断面模式図である。
図4は、袋状物が、球体状の袋状物である場合を説明するための略断面図の模式図である。所定の流体が収納された球体状の袋状物を、紐7などで引っ張って(引き回して)、該球体状の袋状物を該管状体内壁面に半強制的に通過させることによって接触圧を得る。図中の記号は、以下の通りである。
6: 球体状の袋状物(ポリエチレン製)
7: 引っ張り紐(球体状の袋状物を半強制的に引き回す)
T: 球体状の袋状物の外径
F: 耐摩耗性粉粒体層の内径
本発明において、該耐摩耗性粉粒体の該管状体内壁面への充填及び/又は押し圧を、該袋状物を該管状体内壁面に半強制的に通過させることによって所定の接触圧を得る方法は、いわゆる地ならしの原理で、耐摩耗性粉粒体をコート材層に均一にかつ強固に定着させるために極めて効果的であることが見出された。
6: 球体状の袋状物(ポリエチレン製)
7: 引っ張り紐(球体状の袋状物を半強制的に引き回す)
T: 球体状の袋状物の外径
F: 耐摩耗性粉粒体層の内径
本発明において、該耐摩耗性粉粒体の該管状体内壁面への充填及び/又は押し圧を、該袋状物を該管状体内壁面に半強制的に通過させることによって所定の接触圧を得る方法は、いわゆる地ならしの原理で、耐摩耗性粉粒体をコート材層に均一にかつ強固に定着させるために極めて効果的であることが見出された。
本発明にいう袋状物の材質は、通常、伸縮自在の天然ゴムや合成樹脂などから作成される。ここで、ゴムや合成樹脂としては、特に制限されるものではないが、天然或いは合成ゴム、ナイロン、ポリエチレン、ポリエステルなどの合成樹脂などが挙げられる。該袋状物の厚さは、接触圧との関係も考慮して決められるが、通常厚さ0.2mm〜1mmのシートから作成されたものが好ましく用いられる。
また該袋状物に収納される流体としては、水、有機溶媒などの液体、特に好ましくは空気、窒素ガスなどの気体が挙げられる。また、該袋状物の形体は、管状体の断面形状に合わせて適宜決められることが好ましくは、特に制限するものではないが、細長状や特に球体が好ましくは用いられることは自明である。また、例えば、袋状物が球体の場合、その外径(T)は、管状体内壁面に適度な接触圧を得るために耐摩耗性粉粒体層の内径(F)を少し超えたものが好ましいことも自明である。
以下に、本発明の管状体内壁面に耐摩耗性粉粒体層を形成する方法の適用範囲について、変形態様などを含めて更に詳細な補足説明を加える。
本発明においては、前述したとおり、まず管状体の内壁面にコート材を塗着して、コート材層を形成する。
本発明にいうコート材は、特に制限されるものではなく、目的とする機能に応じて任意に選択することができる。それ故に、目的とする機能に応じて適宜調合して、或いは汎用されているコート材のうちから選択することができる。係る本発明に用いるコート材とは、従来の塗料とか、ライニング材の概念に限定されるものではなく、接着剤や粘着剤をも包含するものである。例えば市販の接着剤、粘着剤を用いて塗布したるのち、耐摩耗性粉粒体を密集固着することもできる。
本発明においては、前述したとおり、まず管状体の内壁面にコート材を塗着して、コート材層を形成する。
本発明にいうコート材は、特に制限されるものではなく、目的とする機能に応じて任意に選択することができる。それ故に、目的とする機能に応じて適宜調合して、或いは汎用されているコート材のうちから選択することができる。係る本発明に用いるコート材とは、従来の塗料とか、ライニング材の概念に限定されるものではなく、接着剤や粘着剤をも包含するものである。例えば市販の接着剤、粘着剤を用いて塗布したるのち、耐摩耗性粉粒体を密集固着することもできる。
このコート材の形態としては、二液混合型、一液型、ホツトメルト型、溶液型、エマルジヨン型、水性型、サスペンシヨン型等任意の形態でよく、それに伴う塗布方法、硬化または乾燥のシステムも本発明を制限するものではない。
これら、コート材としては、具体的には、尿素樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、エポキシアクリレート樹脂、反応型シリコン樹脂、アクリル系樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アルキド樹脂もしくはウレタン樹脂等の熱硬化性樹脂から選択される。これらのうちでも、エポキシ樹脂、アクリル系樹脂などが本発明に特に好ましく用いられる。
これら、コート材としては、具体的には、尿素樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、エポキシアクリレート樹脂、反応型シリコン樹脂、アクリル系樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アルキド樹脂もしくはウレタン樹脂等の熱硬化性樹脂から選択される。これらのうちでも、エポキシ樹脂、アクリル系樹脂などが本発明に特に好ましく用いられる。
その他のコート材として、天然ゴム、スチレンゴム、ブチルゴム、ブタジエンゴム、ニトリルゴム、クロロプレンゴム、シリコンゴム、フッ素ゴム等のゴム系、塩化ビニル樹脂系、塩化ビニリデン樹脂系、ポリエチレン及びポリプロピレン樹脂系、酢酸ビニル樹脂系、アクリル樹脂系、ポリアミド樹脂系、ウレタン樹脂系、ポリエステル樹脂系等の熱可塑性樹脂が例として挙げられる。
更に、必要に応じポリアミドイミド樹脂系、ポリイミド樹脂系のように熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂との中間の性能を有するものも例として挙げられる。
更に、必要に応じポリアミドイミド樹脂系、ポリイミド樹脂系のように熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂との中間の性能を有するものも例として挙げられる。
上記したような有機系のコート材のほかに、無機系のコート材としては、スミセラム(商品名住友化学工業社製)のようなものが挙げられる。ただし、上記したこれら例は、本発明に関して、よりよき理解を得るために挙げたもので、本発明はこれら例に制限されるものではなく、更に幅広く種々のコート材を使用することができる。
これらはコート材に用いられる主成分の樹脂の例として列記したものであるが、実用面においては、数種混合して用いてもよい。
これらはコート材に用いられる主成分の樹脂の例として列記したものであるが、実用面においては、数種混合して用いてもよい。
更にまた、これらコート材組成物中に充填材、増量材、顔料、染料、可塑剤、粘着剤、可撓性付与剤、各種安定剤、繊維状物、フレーク状物、マイクロビーズ、中空マイクロビーズ、防錆剤、防カビ剤、防腐剤、重合促進剤、重合禁止剤等が配合されていてもよい。本発明において、コート材を管状体内壁面に塗布するに先立ち、管状体の内壁面にプライマーを必要に応じて塗布することができる。
コート材層を所望肉厚にするに当り、塗着操作を複数回操作を繰返し、その際にコート材層を加熱すること、或いは放置して自然に硬化することなど形状、使用材料の特性に対応させるようにすることができる。
コート材層を所望肉厚にするに当り、塗着操作を複数回操作を繰返し、その際にコート材層を加熱すること、或いは放置して自然に硬化することなど形状、使用材料の特性に対応させるようにすることができる。
次に、本発明における管状体とは、その断面形状が、円形、楕円形、三角形、四角形若しくは六角形など多角形からなる円筒体又は角柱体等からなる管状体であることを特徴とする。つまり、断面形状にかかわらず、外観として管体構造を形成しているものであって、さらにその全体形状が直管、異形管、分岐管などの形状も含み、円筒形の管状体に拘らないことである。従って、四角形の管状体、又は多角形の管状体も、本発明の管状体に含まれる。また、本発明にいう管状体の形状は制限されるものではなく、直管型形状、曲管型形状、L字管型形状又はS字管型形状であるものが用いられる。
次に、本発明の対象とする管状体の材質は、特に厳しい耐摩耗性が要求される鋼、炭素鋼、ステンレス鋼、ニッケル合金、その他の鉄系合金等の金属、銅、アルミニウムもしくはそれらの各種合金等の金属製管状体に特に好ましく適用される。
次に、本発明においては、前記コート材の粘着性が存在しているうち、つまり、コート材の末硬化のうちに、該管状体内に耐摩耗性粉粒体を充填することを特徴とする。
ここで云う「コート材層の粘着性が存在しているうち」の意味については、熱硬化性樹脂系の場合、硬化が完了した後では耐摩耗性粉粒体を塗着させることができず、また、熱可塑性樹脂の場合には溶媒に溶解させている場合、乾燥してしまえば耐摩耗性粉粒体を塗着させることができず、いわんや耐摩耗性粉粒体をコート材層内に密集固着させることはできない。
ここで云う「コート材層の粘着性が存在しているうち」の意味については、熱硬化性樹脂系の場合、硬化が完了した後では耐摩耗性粉粒体を塗着させることができず、また、熱可塑性樹脂の場合には溶媒に溶解させている場合、乾燥してしまえば耐摩耗性粉粒体を塗着させることができず、いわんや耐摩耗性粉粒体をコート材層内に密集固着させることはできない。
そしてコート材が熱硬化性樹脂系と熱可塑性樹脂系との混合系の場合とか、熱硬化性樹脂系の場合でも溶媒を含んでいる場合には、粘着性や接着性などが可成り長く存在するが、乾燥してやはり粘着性や接着性などが消失すれば耐摩耗性粉粒体の塗着力もなくなる。
このようなことから、本発明を実施するに当つては、粘着性や接着性などが存在し、かつコート材層の内部に耐摩耗性粉粒体がめり込む状態の段階で、耐摩耗性粉粒体を充填及び/又は押し圧し、所定の接触圧を得ることが必須条件であることは自明である。
このようなことから、本発明を実施するに当つては、粘着性や接着性などが存在し、かつコート材層の内部に耐摩耗性粉粒体がめり込む状態の段階で、耐摩耗性粉粒体を充填及び/又は押し圧し、所定の接触圧を得ることが必須条件であることは自明である。
本発明においては、しかる後に、必要により加熱し、自然硬化を含めて硬化処理を行い、耐摩耗性粉粒体を密集固着させる。この硬化時間は、コート材の種類、グレードなどによって異なるが、通常0.5時間から数日間、好ましくは1時間〜数時間である。次いで、未固着の耐摩耗性粉粒体を外部に排出して、管状体内に耐摩耗性粉粒体層を形成する。
本発明に好適に用いられる耐摩耗性粉粒体としては、所定の耐摩耗性を付与するために、好ましくは新モース硬度5以上の硬度を有するものが好ましくは用いられる。具体的には炭素鋼、ステンレス鋼、ニッケル合金、その他の鉄系合金等の金属、天然の各種鉱石や各種セラミックス、その他無機質の粉粒体、たとえば、岩石の粉砕粉粒体、アルミナ、アルミナジルコニア、酸化ペリリウム、タングステン・カーバイド、シリコンナイトライトなどの破砕粉粒体、石英粉粒体、ダイヤモンド粉粒体、炭化硅素粉粒体、炭化硼素粉粒体、ガラス粉粒体、ガラスフレーク粉、陶磁器の破砕粉粒体、酸化鉄粉粒体、各種合金粉粒体、各種金属粉粒体などが挙げられる。中でも、炭化珪素、炭化硼素、溶融アルミナ、アルミナジルコニア等のセラミック類から選択される新モース硬度10以上の硬度を有する耐摩耗性粉粒が、本発明の管状体内壁面に耐摩耗性粉粒体層を形成する方法に好ましく用いられる。
なお、これら耐摩耗性粉粒体を必要により数種併用して用いてもよいし、また、これら耐摩耗性粉粒体の粒度及び形状についても、通常、平均粒径1μ〜10000μ、好ましくは100μ〜5000μなど、またその形状も球状、多面体、円筒体、角柱体等、特に制限されない。
これら耐摩耗性粉粒体は、必要により所定の磁気を付与して、いわゆる磁石紛として用いることもでき、極めて効果的である。
これら耐摩耗性粉粒体は、必要により所定の磁気を付与して、いわゆる磁石紛として用いることもでき、極めて効果的である。
さらにまた、これら耐摩耗性粉粒体を充填する前に、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、あるいは樹脂または薬液で表面処理されたり、あるいはプラズマエッチング等の物理的表面処理を行なってもよい。
本発明の管状体内壁面に耐摩耗性粉粒体層を形成する方法において、管状体内壁面にコート材を塗着してコート材層を形成するに際して、必要に応じてプライマーを塗布しておいてもよい。本発明に用いられるプライマーについては、特に限定されるものでなく、公知の一液型または二液型プライマーのいずれでもよいが、好ましくは上記各種表面との接着性がよく、かつ本発明の耐摩耗性粉粒体との層間密着性に優れたものがよい。例えば二液型エポキシ樹脂系プライマー、一液型の湿気硬化型ウレタン樹脂系プライマー、変性シリコーン系プライマー、フェノキシ樹脂系プライマー等が挙げられる。これらのプライマーの塗布量は、特に制限されないが、通常約30〜500g/m2である。
本発明の管状体内壁面に耐摩耗性粉粒体層を形成する方法において、管状体内壁面にコート材を塗着してコート材層を形成するに際して、必要に応じてプライマーを塗布しておいてもよい。本発明に用いられるプライマーについては、特に限定されるものでなく、公知の一液型または二液型プライマーのいずれでもよいが、好ましくは上記各種表面との接着性がよく、かつ本発明の耐摩耗性粉粒体との層間密着性に優れたものがよい。例えば二液型エポキシ樹脂系プライマー、一液型の湿気硬化型ウレタン樹脂系プライマー、変性シリコーン系プライマー、フェノキシ樹脂系プライマー等が挙げられる。これらのプライマーの塗布量は、特に制限されないが、通常約30〜500g/m2である。
本発明において、耐摩耗性粉粒体を管状体内に注入充填するために、管状体の一方端開口部を栓、蓋体などによって閉鎖して、充填材の漏出を阻止するような手段を採用することができる。分岐管のように開口部が1以上あるものでは、充填材の注入部を除いて閉鎖して作業することができる。
以下、実施例によって本発明の方法を更に詳しく説明する。
実施例1
鋼管(内径約100mm、長さ5m)の内壁面に、コート材として、エポトート YD−128(東都化成(株)製エポキシ樹脂)6.4kg、ショーアミン-X(昭和電工(株)社製 芳香族系ジアミン:エポキシ樹脂用硬化剤)1.6kgを混合した樹脂組成物を塗布した後、該鋼管の一端に栓をし、他方の開口部から微細硅砂(約40kg)を導入し、鋼管内に満杯に充填し、次いで、栓をはずし、鋼管を傾けて余分の微細硅砂を排出して鋼管内中央部に管状の細長空洞部を造った。次に該空洞部に、図3に示すような内径110mm、長さ5mのポリエチレン製の細長袋状物(5)(ポリエチレンの厚さ0.3mm)を差し込み、コンプレッサーを用いて該ポリエチレン製の細長袋状物(5)に空気を圧入して図3で示した袋状物(5’)とし、耐摩耗性粉粒体を充填及び/又は押し圧した。このときのコート材層に対する接触圧は、約2.0kg/cm2であった。
実施例1
鋼管(内径約100mm、長さ5m)の内壁面に、コート材として、エポトート YD−128(東都化成(株)製エポキシ樹脂)6.4kg、ショーアミン-X(昭和電工(株)社製 芳香族系ジアミン:エポキシ樹脂用硬化剤)1.6kgを混合した樹脂組成物を塗布した後、該鋼管の一端に栓をし、他方の開口部から微細硅砂(約40kg)を導入し、鋼管内に満杯に充填し、次いで、栓をはずし、鋼管を傾けて余分の微細硅砂を排出して鋼管内中央部に管状の細長空洞部を造った。次に該空洞部に、図3に示すような内径110mm、長さ5mのポリエチレン製の細長袋状物(5)(ポリエチレンの厚さ0.3mm)を差し込み、コンプレッサーを用いて該ポリエチレン製の細長袋状物(5)に空気を圧入して図3で示した袋状物(5’)とし、耐摩耗性粉粒体を充填及び/又は押し圧した。このときのコート材層に対する接触圧は、約2.0kg/cm2であった。
次いで、袋状物(5’)を脱気し、取り除いた。かくして鋼管内壁面は、コート材層に耐摩耗性粉粒体である微細硅砂が埋め込まれた均一な層が形成された。この状態で常温で数時間放置し、微細硅砂を鋼管内壁面に固着させた。しかる後、固着に預からなかった残余の微細硅砂を、図2に示した外径15mmのネジリブラシによって除去した。以上と全く同様の操作を全5回繰返し実施し、最後にトップコートとして前記コート材を塗布して、1日間養生し、鋼管内壁面に均一な約5mm厚の耐摩耗性粉粒体層を形成することができた。
実施例2
S字状曲鋼管(内径約100mm、長さ3m)の内壁面に、コート材として、エポトート YH−434(東都化成(株)製耐熱性エポキシ樹脂)4kg、ショーアミン-X(昭和電工(株)社製 芳香族系ジアミン:エポキシ樹脂用硬化剤)1kgを混合した樹脂組成物を塗布した後、該鋼管の一端に栓をし、他方の開口部からアルミナジルコニア破砕粉粒体(平均粒径2500μ)(約24kg)を導入し、鋼管内に満杯に充填し、次いで、栓をはずし、鋼管を傾けて余分の該アルミナジルコニアを排出して鋼管内中央部に管状の細長空洞部を造った。次に該空洞部に、図3に示すような内径110mm、長さ5mのポリエチレン製の細長袋状物(5)(ポリエチレンの厚さ0.3mm)を差し込み、コンプレッサーを用いて該細長袋状物中に空気を圧入して図3で示した袋状物(5’)とし、耐摩耗性粉粒体を充填及び/又は押し圧した。このときのコート材層に対する接触圧は、約1.8kg/cm2であった。
S字状曲鋼管(内径約100mm、長さ3m)の内壁面に、コート材として、エポトート YH−434(東都化成(株)製耐熱性エポキシ樹脂)4kg、ショーアミン-X(昭和電工(株)社製 芳香族系ジアミン:エポキシ樹脂用硬化剤)1kgを混合した樹脂組成物を塗布した後、該鋼管の一端に栓をし、他方の開口部からアルミナジルコニア破砕粉粒体(平均粒径2500μ)(約24kg)を導入し、鋼管内に満杯に充填し、次いで、栓をはずし、鋼管を傾けて余分の該アルミナジルコニアを排出して鋼管内中央部に管状の細長空洞部を造った。次に該空洞部に、図3に示すような内径110mm、長さ5mのポリエチレン製の細長袋状物(5)(ポリエチレンの厚さ0.3mm)を差し込み、コンプレッサーを用いて該細長袋状物中に空気を圧入して図3で示した袋状物(5’)とし、耐摩耗性粉粒体を充填及び/又は押し圧した。このときのコート材層に対する接触圧は、約1.8kg/cm2であった。
次いで、袋状物(5’)を脱気し、取り除いた。かくしてS字状曲鋼管内壁面は、コート材層にアルミナジルコニアが埋め込まれた均一な層が形成された。この状態で常温で数時間放置し、アルミナジルコニアを鋼管内壁面に固着させた。しかる後、固着に預からなかった残余のアルミナジルコニアを、コンプレッサーを用いて系外に除去した。以上と全く同様の操作を全5回繰返し実施し、最後にトップコートとして前記コート材を塗布して、1日間養生し、管状体内壁面に均一な約5mm厚の耐摩耗性粉粒体層を形成することができた。
実施例3
鋼管(内径約100mm、長さ5m)の内壁面に、コート材として、エポトート YD−128(東都化成(株)製エポキシ樹脂)6.4kg、ショーアミン-X(昭和電工(株)社製 芳香族系ジアミン:エポキシ樹脂用硬化剤)1.6kgを混合した樹脂組成物を塗布した後、該鋼管の一端に栓をし、他方の開口部から微細硅砂(約40kg)を導入し、鋼管内に満杯に充填し、次いで、栓をはずし、鋼管を傾けて余分の微細硅砂を排出して鋼管内中央部に管状の細長空洞部を造った。次に該空洞部に、図4に示すような内径110mmのポリエチレン製の紐(7)付きの球体状の袋状物(6)(ポリエチレンの厚さ0.2mm)を押し込み、引っ張り紐(7)をその反対方向から引いて、該鋼管内全体に渡って該球体袋状物(6)を所定の力で引き回して、該管状体内壁面を半強制的に通過させた。このときの該球体状の袋状物(6)によるコート材層に対する接触圧は、平均して約2.3kg/cm2であった。
鋼管(内径約100mm、長さ5m)の内壁面に、コート材として、エポトート YD−128(東都化成(株)製エポキシ樹脂)6.4kg、ショーアミン-X(昭和電工(株)社製 芳香族系ジアミン:エポキシ樹脂用硬化剤)1.6kgを混合した樹脂組成物を塗布した後、該鋼管の一端に栓をし、他方の開口部から微細硅砂(約40kg)を導入し、鋼管内に満杯に充填し、次いで、栓をはずし、鋼管を傾けて余分の微細硅砂を排出して鋼管内中央部に管状の細長空洞部を造った。次に該空洞部に、図4に示すような内径110mmのポリエチレン製の紐(7)付きの球体状の袋状物(6)(ポリエチレンの厚さ0.2mm)を押し込み、引っ張り紐(7)をその反対方向から引いて、該鋼管内全体に渡って該球体袋状物(6)を所定の力で引き回して、該管状体内壁面を半強制的に通過させた。このときの該球体状の袋状物(6)によるコート材層に対する接触圧は、平均して約2.3kg/cm2であった。
次いで、袋状物(5’)を脱気し、取り除いた。かくして、管状体内壁面は、コート材層に微細硅砂が埋め込まれた均一な層が形成された。この状態で常温で数時間放置し、微細硅砂を管状体内壁面に固着させる。しかる後、固着に預からなかった残余の微細硅砂を図2に示した外径15mmのネジリブラシによって除去した。以上と全く同様の操作を全5回繰返し実施し、最後にトップコートとして前記エポキシ樹脂組成物を塗布して、1日間養生し、管状体内壁面に均一な約5mm厚の耐摩耗性粉粒体層を形成することができた。
実施例4
L字状曲鋼管(内径約100mm、長さ3m)の内壁面に、コート材として、エポトート YH−434(東都化成(株)製エポキシ樹脂)4kg、ショーアミン-X(昭和電工(株)社製 芳香族系ジアミン:エポキシ樹脂用硬化剤)1kgを混合した樹脂組成物を塗布した後、該鋼管の一端に栓をし、他方の開口部からアルミナジルコニア破砕粉粒体(平均粒径2500μ)(約24kg)を導入し、鋼管内に満杯に充填し、次いで、栓をはずし、鋼管を傾けて余分のアルミナジルコニアを排出して鋼管内中央部に管状の細長空洞部を造った。次に該空洞部に、図4に示すような内径100mmのポリエチレン製の引っ張り紐(7)付き球体袋状物(6)(ポリエチレンの厚さ0.5mm)を挿入し、引っ張り紐(7)をその反対方向から引いて、該L字状曲鋼管全体に渡って、該球体状袋状物(6)を所定の力で引き回し、該管状体内壁面を半強制的に通過させた。このときの該球体状の袋状物(6)によるコート材層に対する接触圧は、平均して2.1kg/cm2であった。
L字状曲鋼管(内径約100mm、長さ3m)の内壁面に、コート材として、エポトート YH−434(東都化成(株)製エポキシ樹脂)4kg、ショーアミン-X(昭和電工(株)社製 芳香族系ジアミン:エポキシ樹脂用硬化剤)1kgを混合した樹脂組成物を塗布した後、該鋼管の一端に栓をし、他方の開口部からアルミナジルコニア破砕粉粒体(平均粒径2500μ)(約24kg)を導入し、鋼管内に満杯に充填し、次いで、栓をはずし、鋼管を傾けて余分のアルミナジルコニアを排出して鋼管内中央部に管状の細長空洞部を造った。次に該空洞部に、図4に示すような内径100mmのポリエチレン製の引っ張り紐(7)付き球体袋状物(6)(ポリエチレンの厚さ0.5mm)を挿入し、引っ張り紐(7)をその反対方向から引いて、該L字状曲鋼管全体に渡って、該球体状袋状物(6)を所定の力で引き回し、該管状体内壁面を半強制的に通過させた。このときの該球体状の袋状物(6)によるコート材層に対する接触圧は、平均して2.1kg/cm2であった。
次いで、袋状物(5’)を脱気し、取り除いた。かくして、管状体内壁面は、コート材層にアルミナジルコニアが埋め込まれた均一な層が形成された。この状態で常温で数時間放置し、アルミナジルコニアを管状体内壁面に固着させる。しかる後、固着に預からなかった残余のアルミナジルコニア破砕粉粒体をコンプレッサーを用いて系外に除去する。以上と全く同様の操作を全5回繰返し実施し、最後にトップコートとして前記エポキシ樹脂組成物を均一に塗布して、1日間養生し、管状体内壁面に均一な約5mm厚の耐摩耗性粉粒体層を形成することができた。
本発明によれば、管状体内壁面に耐摩耗性粉粒体層を形成するに際して、所定の構成要件を採用することによって、その作業性を改善し、かつ管状体内壁面に、全体的に均一な厚さの耐摩耗性粉粒体層を容易に形成することができ、粉粒体などの輸送に用いる管状体の補強に極めて有利に用いることができる。
1:管状体
L:管状体の外径(単位mm)
N:耐摩耗性粉粒体層の厚み(コート材を含む)(単位mm)
D:管状体の肉厚(単位mm)
2: ネジリ棒(金属線を螺旋状または縄状に編み上げたものでもよい)
3、3’:ポリエチレンやナイロン製ブラシの羽根
4:ネジリ棒2の先端
S:ブラシの分を含めたネジリブラシの外径
5: 細長袋状物(ポリエチレン製)
P: 圧入流体(空気)
P’: 圧入流体(空気)
6: 球体状の袋状物(ポリエチレン製)
7: 引っ張り紐(球体状の袋状物を半強制的に引き回す)
T: 球体状の袋状物の外径
F: 耐摩耗性粉粒体層の内径
L:管状体の外径(単位mm)
N:耐摩耗性粉粒体層の厚み(コート材を含む)(単位mm)
D:管状体の肉厚(単位mm)
2: ネジリ棒(金属線を螺旋状または縄状に編み上げたものでもよい)
3、3’:ポリエチレンやナイロン製ブラシの羽根
4:ネジリ棒2の先端
S:ブラシの分を含めたネジリブラシの外径
5: 細長袋状物(ポリエチレン製)
P: 圧入流体(空気)
P’: 圧入流体(空気)
6: 球体状の袋状物(ポリエチレン製)
7: 引っ張り紐(球体状の袋状物を半強制的に引き回す)
T: 球体状の袋状物の外径
F: 耐摩耗性粉粒体層の内径
Claims (11)
- 管状体内壁面にコート材を塗着してコート材層を形成し、その粘着性が存在しているうちに該管状体内壁面に耐摩耗性粉粒体を充填及び/又は押し圧し、前記コート材に該耐摩耗性粉粒体を密集固着させた後、未固着の耐摩耗性粉粒体を外部に排出して、管状体内壁面に耐摩耗性粉粒体層を形成する方法であって、更に以下の1、2及び3の構成要件を同時に満たすことを特徴とする管状体内壁面に耐摩耗性粉粒体層を形成する方法。
該耐摩耗性粉粒体の該管状体内壁面への充填及び/又は押し圧に際し、1.2〜5kg/cm2の範囲の接触圧で行なうこと
該管状体の長さが約0.5〜10mであり、かつ該管状体の外径が約500mm以下であって、L−2(N+D)=20mm以上であること
(ここで、L=管状体の外径、N=耐摩耗性粉粒体層の厚み、D=管状体の肉厚(
単位いずれもmm)をそれぞれ表す)
未固着の耐摩耗性粉粒体の外部への排出を、外径(L−2(N+D))mm(ここで、L、N及びDは前記の意味を表す)以下のネジリブラシ及び/又は気体排出装置で行なうこと - 該耐摩耗性粉粒体層を形成する操作を、2回乃至10回繰り返すことを特徴とする請求項1に記載の管状体内壁面に耐摩耗性粉粒体層を形成する方法。
- 該耐摩耗性粉粒体の該管状体内壁面への充填及び/又は押し圧を、流体が収納された袋状物を介して行なうことを特徴とする請求項1乃至請求項2の何れかに記載の管状体内壁面に耐摩耗性粉粒体層を形成する方法。
- 該耐摩耗性粉粒体の該管状体内壁面への充填及び/又は押し圧に際し、流体の抜けた袋状物を該管状体内壁面に挿入し、次いで該袋状物に流体を圧入することによって行なうことを特徴とする請求項3に記載の管状体内壁面に耐摩耗性粉粒体層を形成する方法。
- 該袋状物が、細長状の袋状物であることを特徴とする請求項3乃至請求項4の何れかに記載の管状体内壁面に耐摩耗性粉粒体層を形成する方法。
- 該袋状物が、球体状の袋状物であることを特徴とする請求項3乃至請求項4の何れかに記載の管状体内壁面に耐摩耗性粉粒体層を形成する方法。
- 該耐摩耗性粉粒体の該管状体内壁面への充填及び/又は押し圧を、該袋状物を該管状体内壁面に半強制的に通過させることによって行なうことを特徴とする請求項5乃至請求項6の何れかに記載の管状体内壁面に耐摩耗性粉粒体層を形成する方法。
- 管状体の直径の断面形状が、円形、楕円形、三角形、四角形若しくは六角形など多角形からなる円筒体又は角柱体であることを特徴とする請求項1乃至請求項7の何れかに記載の管状体内壁面に耐摩耗性粉粒体層を形成する方法。
- 管状体の形状が、直管型形状、曲管型形状、L字管型形状又はS字管型形状であることを特徴とする請求項1乃至請求項8の何れかに記載の管状体内壁面に耐摩耗性粉粒体層を形成する方法。
- 管状体の材質が、鋼、炭素鋼、ステンレス鋼、ニッケル合金、その他の鉄系合金等の金属、銅、アルミニウムもしくはそれらの各種合金等の金属製管状体であることを特徴とする請求項1乃至請求項9の何れかに記載の管状体内壁面に耐摩耗性粉粒体層を形成する方法。
- 耐摩耗性粉粒体が、炭化珪素、炭化硼素、溶融アルミナ、アルミナジルコニア等のセラミック類から選択される請求項1乃至請求項10の何れかに記載の管状体内壁面に耐摩耗性粉粒体層を形成する方法。
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JP2010043241A (ja) * | 2008-07-16 | 2010-02-25 | Tsumarinuki 24:Kk | 抗菌性エポキシ樹脂組成物を含むライニング材、およびそれを用いた排水管のライニング工法 |
JP2018008260A (ja) * | 2016-06-30 | 2018-01-18 | 株式会社クボタ | 管の塗装装置および塗装方法 |
KR20210120766A (ko) * | 2020-03-26 | 2021-10-07 | (주)플로닉스 | 플레어부를 이용하는 배관 결합 부재 및 이를 제조하는 방법 |
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2005
- 2005-02-10 JP JP2005034560A patent/JP2006218404A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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