以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
先ず第1の実施の形態は、本発明に係る信号再生装置及び方法を適用し、DVD(ディジタルビデオディスク:DVD−VIDEO)を再生するように構成したDVD再生装置である。
なお、DVDは、MPEG2(Moving Picture Coding Experts Group 2)によって圧縮符号化された画像が記録されている記録媒体であって、画像データを構成するデータとして、フレーム内符号化画像からなるIピクチャー,フレーム間順方向予測符号化画像からなPピクチャー,双方向予測符号化画像からなるBピクチャーとが記録されている。
上記Iピクチャーは、予測符号化を行わずに1つの画像を圧縮符号化して作れれる符号化画像データであって、自らデータのみの復号によって画像を生成する。上記Pピクチャーは、1つ前のフレーム内の画像から予測符号化して作られる符号化画像データである。上記Bピクチャーは、前後のフレーム内の画像から予測符号化して作られる符号化画像データである。
すなわち、復号する際には、Iピクチャーは、他の符号化画像データを必要とせず、またPピクチャー又はBピクチャーは、他に1つ又は2つの符号化画像データを必要とする。これら符号化画像データの復号は、DVD再生装置のフレームメモリ上でデータデコーダによって行われる。
上記DVDを再生するDVD再生装置は、図1に示すように、復号を行う際に用いるフレームメモリ14を、3つの領域に分割して構成している。フレームメモリ14は、9つの異なる映像、例えば9方向のアングルの映像、の表示用に対応して9つの記憶領域を形成する表示用記憶領域14aと、復号後のIピクチャー及びPピクチャー、すなわち復号画像データを記憶する第1の復号用記憶領域14b及び第2の復号用記憶領域14cとを有して構成される。
上記第1の復号用記憶領域14b及び第2の復号用記憶領域14cには、上述のようにIピクチャー又はPピクチャーが記憶される。例えば、Pピクチャーの復号を行う場合、当該Pピクチャーを第1の復号用記憶領域14b又は第2の復号用記憶領域14cの何れか一方に記憶して、他方の復号記憶領域に記憶されている復号後のIピクチャー又はPピクチャーの復号画像データを用いて復号を行う。
そして、第1の復号用記憶領域14b又は第2の復号用記憶領域14cで復号されたIピクチャー又はPピクチャーからなる復号画像データは、縮小処理が施されて上記表示用記憶領域14a内の分割された領域に記憶される。
上記表示用記憶領域14aは、表示画像データを記憶する領域であって、9つのアングの映像を表示するのに対応して9つの領域14a1,14a2,14a3,14a4,14a5,14a6,14a7,14a8,14a9に分割して、この各領域に上記縮小処理が施された上記復号画像データを記憶するように構成されている。
なお、表示画像データの再生によって、例えばモニタに表示用記憶領域14a内の画像データが再生される。また、表示用記憶領域14aの記憶領域の態様は、任意に選択することができる。この場合、選択された態様に形成された記憶領域に記憶された上記復号画像データは、上記表示画面データによってモニタ等の表示画面の上記記憶領域に対応した部分に画像として再生される。
例えばマルチアングル機能実行による再生では、上記各領域に同時刻のアングルの映像を構成する各復号画像データをそれぞれ記憶する。例えば、9つの領域に、第1のアングル乃至第9のアングルの映像に係る復号画像データを割り当てて記憶する。
このように構成されたフレームメモリ14を備えることで、例えばDVD再生装置は、DVDに記憶された複数のアングルの映像を構成する符号化画像データを復号して、一度にこれら復号して得た映像を例えばモニタの各表示部に表示することができる。
以下、上記フレームメモリ14について、図2に示すように構成されるDVD再生装置1を用いてさらに詳しく説明する。
DVD再生装置1は、図2に示すように、記録媒体(DVD)100からRF信号を再生するピックアップ2と、このピックアップ2により再生されたRF信号が供給されこのRF信号の2値化処理等を行うRF回路3と、RF回路3からの再生データが供給されエラー訂正等のデコード処理をするデータデコーダ4と、データデコーダ4によりデコード処理がされた再生データを主映像圧縮データ,副映像圧縮データ,音声圧縮データに振り分けるデマルチプレクサ5とを備える。
なお、上記主映像圧縮データは、上記Iピクチャー,Pピクチャー及びBピクチャー等の符号化画像データによって構成される。
また、DVD再生装置1は、上記フレームメモリ14を備えてデマルチプレクサ5から出力された上記主映像圧縮データを復号するビデオデコーダ6と、上記副映像圧縮データを復号して上記主映像データと合成する副映像デコーダ7と、上記音声圧縮データを復号するオーディオデコーダ8と、副映像デコーダ7からの副映像データと主映像データが合成された映像データが供給されNTSC信号又はPAL信号に変換するデジタル/NTSC,PAL変換回路(以下、単にNTSC変換回路という。)9と、オーディオデコーダ8からのオーディオデータが供給されアナログ信号に変換するデジタル/アナログ変換回路(以下、単にA/D変換回路という。)10とを備える。
さらに、DVD再生装置1は、ピックアップ2,RF回路3,データデコーダ4,デマルチプレクサ5,ビデオデコーダ6,副映像デコーダ7,オーディオデコーダ8,NTSC変換回路9及びA/D変換回路10を制御するコントローラ11と、このコントローラ11とユーザーの操作入力を媒介するユーザーインターフェース12と、コントローラ11のデータ記憶部となるメモリ13とを備える。
また、DVD再生装置1から出力されたNTSC変換回路9からのNTSC信号又はPAL信号は、モニタ200に入力されて映像化される。
なお、このDVD再生装置1が再生する記録媒体100は、図14に示すように、映画の1作品等の単位とされて、Video Object Set(以下、VOBSという。)で記録されている。
上記VOBSは、複数のVideo Object(以下、VOBという。)から構成されている。DVDは、例えば、1つの映画を複数のスト−リ−展開で見ることができるマルチスト−リ機能に対応して上記VOBごとで異なるスト−リ展開になるように構成されている。そして、VOBは、複数のCellにより構成される。
上記Cellは、例えば映画における1シ−ン等の単位となる。すなわち、この1シ−ン毎の組み合わせがVOBとなり、この組み合わせの違いにより上記マルチスト−リ機能等を構成する。そして、Cellは、複数のVideo Object Unit(以下、VOBUという。)により構成されている。
上記VOBUは、複数の主映像圧縮データ,副映像圧縮データ及び音声圧縮データのグループから構成される。主映像圧縮データ,副映像圧縮データ又は音声圧縮データは、後述するように、デマルチプレクサ5から主映像パック(V_PCK),副映像パック(SP_PCK)又は音声パック(A_PCK)にパック化されて出力される。
上記主映像圧縮データは、映画の主映像となるデータであって、DVDフォーマットにおけるビデオストリームを構成する。また、副映像圧縮データは、字幕等のデータであって、DVDフォーマットにおけるサブピクチャーストリームを構成する。そして、音声圧縮データは、音声に関するデータであって、DVDフォーマットにおけるオーディオストリームを構成する。
ここで、MPEG2方式でいうGOP(Group of Picture)は、DVDにおいて各アングルの映像データが細切れにされてなるアングルブロックとされ、インターリーブ構造を採用して、アングルブロックを混ぜてDVDに記録されている。GOPは、例えば1VOBU内にインターリーブ構造を採用して記録されている。そして、1GOPは、通常、図15に示すように、Iピクチャー,Pピクチャー及びBピクチャーによって構成され、これらIピクチャー,Pピクチャー及びBピクチャーが合計で15枚になるように構成されている。
上記フォーマットによってデータが記録された記録媒体(DVD)100は、DVD再生装置1の備えるピックアップ2によってそのデータが読み出される。
ピックアップ2は、当該ピックアップ2に組み込まれているレーザ光源からのレーザ光を記録媒体100の信号記録面に照射して、信号記録面で反射された反射光を受光する。ピックアップ2は、受光した光に応じて再生したRF信号をRF回路3に供給する。
RF回路3は、このRF信号の波形等化及び2値化等をして再生データとその同期信号等を生成する。このRF回路3により生成されたディジタルデータ等は、データデコーダ4に供給される。
データデコーダ4は、RF回路3により生成された再生データに基づきデータの復調や誤り訂正等の処理を行う。データデコーダ4により復調等がされたディジタルデータは、デマルチプレクサ5に供給される。
ここで、ディジタルデータには、主映像圧縮データが含まれている。よって、符号化画像データは、ピックアップ2,RF回路3,データデコーダ4によって記録媒体100から読み出されたことになる。
デマルチプレクサ5は、データデコーダ4によりエラー訂正のデコード処理等が施された記録媒体100から再生したディジタルデータを、各種パック、すなわち、主映像パック、副映像パック又は音声パックに分割して、後段の各デコーダに当該各パックを出力する。
なお、デマルチプレクサ5と上記データデコーダ4の処理速度を吸収するために、デマルチプレクサ5とデータデコーダ4の間にトラックバッファが設けられている。
デマルチプレクサ5は、主映像圧縮データからなる主映像パックをビデオデコーダ6に供給し、副映像圧縮パックからなる副映像パックを副映像デコーダ7に供給し、音声圧縮パックからなる音声パックをオーディオデコーダ8に供給する。
ビデオデコーダ6は、供給された主映像パック内の主映像圧縮データの復号処理を行い、この復号処理により伸長化された主映像データを生成する。ここで、主映像データは、復号されたIピクチャー,Pピクチャー,Bピクチャーとされる復号画像データである。そして、ビデオデコーダ6は、復号処理を行うために上述のフレームメモリ14を有している。
ここで、上記ビデオデコーダ6が上記フレームメモリ14を用いて行う復号処理について、例えばマルチアングル機能を実行可能に構成された例えばVOBU内の第9のマルチアングルの映像のIピクチャー又はIピクチャー及びPピクチャーを復号して、順方向再生を行う場合について説明する。なお、上記Iピクチャーの復号については、第1のVOBU、そして第2のVOBU内のIピクチャーI2を順次復号する場合について説明する。また、上記Iピクチャー及びPピクチャーの復号処理については、第1のVOBU内のIピクチャーI2,PピクチャーP5,PピクチャーP8を順次復号する場合について説明する。
Iピクチャーのみの復号を行う場合、ビデオデコーダ6は、図3(a)に示すように、入力された主映像圧縮データを構成する内のIピクチャーI2を復号してフレームメモリ14の第1の復号用記憶領域14bに記憶する。ビデオデコーダ6は、IピクチャーI2の復号を、例えば第1の復号用記憶領域14b上で書き換えながら行う。
復号後、ビデオデコーダ6は、図3(b)に示すように、復号したIピクチャーI2に縮小処理を施して、表示用記憶領域14aの第9のアングルの表示用の領域14a9に当該縮小処理を施した復号後のIピクチャーI2をコピーする。
上記表示用記憶領域14aに縮小処理された記憶されたIピクチャーI2は、上記副映像デコーダ7及びNTSC変換回路9を介してモニタ200の分割された表示部に画像として映し出される。
DVD再生装置1は、復号したIピクチャーI2による生成した画像を映す一方、図3(c)に示すように、フレームメモリ14の第1の復号用記憶領域14bに、次のIピクチャー、すなわ第2のVOBU内に記録されていたIピクチャーI2を記憶する。ここで、ビデオデコーダ6は、第1のVOBUのIピクチャーI2で行ったと同様に、この第2のVOBUのIピクチャーI2を復号して、その後に縮小処理を施し、表示用記憶領域14aにコピーする。
上記表示用記憶領域14aに縮小処理されてコピーされた第2のVOBUのIピクチャーI2は、モニタ200において上記第1のVOBUのIピクチャーI2の次の画像とされて映し出される。詳しくは、上述のようにビデオデコーダ6において復号して得た復号画像データ(主映像データ)は、副映像デコーダ7に供給される。
副映像デコーダ7は、供給された副映像パック内の副映像圧縮データの復号処理を行い、この復号処理をした副映像データをビデオデコーダ6から供給された上記主映像データに合成して、映像データを生成する。すなわち、副映像デコーダ7は、副映像データとして再生される字幕データ等を上記主映像データと合成する。なお、この副映像デコーダ7は、副映像データが無い場合には、主映像データをそのまま映像データとして出力する。副映像デコーダ7は、生成した映像データをNTSC変換回路9に供給する。
NTSC変換回路9は、映像データをディジタルデータからNTSCやPAL等のテレビジョン信号に変換する。NTSC変換回路9からのテレビジョン信号は、モニタ200に映像として映し出される。
モニタ200に入力されたテレビジョン信号には、上記ビデオデコーダ6で復号されたIピクチャーI2が含まれている。また、モニタ200は、上記フレームメモリ14の表示用記憶領域14aの分割された複数の記憶領域に対応して表示画面が9つに分割表示される。ここで、分割表示は、例えば表示用記憶領域の分割態様に従う。したがって、モニタ200の表示画面が分割されてなる一の表示部に、上記IピクチャーI2に基づく映像が映し出される。
なお、オーディオデコーダ8は、音声パック内の音声圧縮データの復号処理を行い、伸長した音声データを生成する。すなわち、オーディオデコーダ8は、音声データがMPEG2方式によって圧縮されていれば、これに対応した伸長処理をして、音声圧縮データを生成する。また、オーディオデコーダ8は、MPEG2のフォーマットの他に、リニアPCM又はドルビーAC3のフォーマットであれば、これに対応した処理を行う。オーディオデコーダ8は、生成した音声データをA/D変換回路10に供給する。
A/D変換回路10は、ディジタルデータである音声データをアナログの音声データに変換して出力する。この出力をスピーカ等に供給することにより、ユーザーが記録媒体100から再生した映像を視聴することができる。
コントローラ11は、ピックアップ2,RF回路3,データデコーダ4,デマルチプレクサ5,ビデオデコーダ6,副映像デコーダ7,オーディオデコーダ8,NTSC変換回路9及びA/D変換回路10の制御を行う。また、このコントローラ11には、操作パネルやリモートコントローラであるユーザーインターフェース12を介して操作入力がされ、この操作入力に基づき各回路の制御を行う。
このコントローラ11は、ビデオデコーダ6を介して、フレームメモリ14での書き込み制御及び読み出し制御を行う。すなわち、コントローラ11は、フレームメモリ14の復号用記憶領域に記憶されている復号画像データの縮小処理及び当該縮小処理した一の復号画像データを表示用記憶領域14aの分割表示のために形成される一の記憶領域に書き込み制御を行う。そして、コントローラ11は、表示用記憶領域14a内に記憶された復号画像データの読み出す読み出し制御を行う。
なお、復号画像データの表示記憶領域14aからの読み出しは、表示記憶領域14a単位の表示画像データの読み出しによって行われる。表示画像データによって、上記記憶領域に200対応して上記一の記憶画像に記憶されている復号画像データによる画像がモニタの当該記憶領域に対応する表示位置に映し出される。
よって、上述の第9のアングルのIピクチャーに対して行った復号及び縮小処理を第1乃至第8のアングルのIピクチャーに対しても同様に行うことで、DVD再生装置1は、第9のアングルの映像と同時刻における第1乃至第8のアングルの映像を同時にモニタ200に映し出すことができる。この場合、例えば、各アングルの画像を構成する符号化画像データの復号は、図5(a)乃至図5(d)に示すように、第1のアングルの画像(200a),第2のアングルの画像(200b),・・・・・,第9のアングルの画像(200i),そして第1のアングルの画像(200a)を生成するような手順で行う。
なお、Iピクチャーを復号するだけであれば、フレームメモリ14は、上述のように少なくとも1つの復号用記憶領域を備えていればよい。
また、Iピクチャー及びPピクチャーの復号の場合については、ビデオデコーダ6は、図4(a)に示すように、入力されたIピクチャーI2が先ず復号してフレームメモリ14の第1の復号用記憶領域14bに記憶される。
復号後、ビデオデコーダ6は、図4(b)に示すように、復号したIピクチャーI2に縮小処理を施して、表示用記憶領域14aの第9のアングルの表示用の領域14a9に当該縮小処理を施した復号後のIピクチャーI2をコピーする。
上記表示用記憶領域14aに縮小処理されて記憶されたIピクチャーI2によって生成された画像は、フレームメモリ14の表示用記憶領域14aに対応したモニタ200の一の表示部に映し出される。
一方、ビデオデコーダ6は、図4(c)に示すように、次に入力されたPピクチャーP5を、第1の復号用記憶領域14bに記憶されている復号後のIピクチャーI2によって予測して復号し、第2の復号用記憶領域14cに記憶する。
第2の復号用記憶領域14cに復号後のPピクチャーP5を記憶した後、ビデオデコーダ6は、図4(d)に示すように、復号したPピクチャーP5に縮小処理を施して、表示用記憶領域14aの領域14a9に当該縮小処理を施した復号後のPピクチャーP5をコピーする。
上記表示用記憶領域14aに縮小処理されて記憶されたPピクチャーP5によって生成された画像は、モニタ200の上記一の表示部に映し出されていた上記IピクチャーI2の次の画像として映し出される。
PピクチャーP8を復号する際には、ビデオデコーダ6は、図4(e)に示すように、次に入力されたPピクチャーP8を、第2の復号用記憶領域14cに記憶されている復号後のPピクチャーP5によって予測して復号し、第1の復号用記憶領域14bに記憶する。
第1の復号用記憶領域14bに復号後のPピクチャーP8を記憶した後、ビデオデコーダ6は、図4(f)に示すように、復号したPピクチャーP8に縮小処理を施して、表示用記憶領域14aの領域14a9に当該縮小処理を施した復号後のPピクチャーP8をコピーする。
上記表示用記憶領域14aに縮小処理されて記憶されたPピクチャーP8によって生成された画像は、モニタ200の上記一の表示部に映し出されていた上記PピクチャーP5の次の画像として映し出される。
よって、モニタ200の上記一の表示部には、復号されたIピクチャー,Pピクチャーに基づく画像が次々に映し出されたことになる。
DVD再生装置1は、第9のアングルのIピクチャー及びPピクチャーに対して行った上述の復号及び縮小処理を第1乃至第8のアングルのIピクチャー及びPピクチャーに対しても同様に行うことで、第9のアングルの映像と同時刻における第1乃至第8のアングルの映像をモニタ200の対応した各表示部に映し出すことができる。
上述のIピクチャー又はIピクチャー及びPピクチャーのみの復号によって行う順方向再生は、例えば高速再生を実行する場合に適用される。また、通常の再生を行うのであれば、フレームメモリ14にさらに復号用記憶領域を設ければよい。
また、DVD再生装置1は、逆方向再生を行うこともでき、上述のように同時刻の第1乃至第9のアングルの映像をモニタ200に映し出すこともできる。例えば、Iピクチャーを用いた逆方向再生は、第nのVOBU内のIピクチャーを復号した後、第n−1のVOBU内のIピクチャーを復号するというように、GOP内のIピクチャーを復号して行う。
そして、Iピクチャー及びPピクチャーを用いた逆方向再生は、先ず第1の復号用記憶領域14bでIピクチャーを復号して、それをもとに第2の復号用記憶領域でPピクチャーを復号を行う。例えば、第1の復号用記憶領域14cでIピクチャーI2を復号し、その復号したIピクチャーI2をもとに同一のVOBU内のPピクチャーP5を第2の復号用記憶領域14cで復号するというように復号処理を行い、モニタ200への表示を復号順とは逆にする、すなわちPピクチャーP5,IピクチャーI2の順序で再生することで逆方向再生を行う。
次にDVD再生装置1が逆方向再生可能に構成したフレームメモリ14について、例えば、第9のアングルの映像を構成するIピクチャー及びPピクチャーを復号する場合について説明する。
逆方向再生可能に構成したフレームメモリ14は、図6に示すように、9つの記憶領域を形成する表示用記憶領域14aと、Iピクチャー又はPピクチャーの復号後の復号画像データを記憶する第1の復号記憶領域14b,第2の復号記憶領域14c及び第3の復号用記憶領域14dとを有して構成される。
すなわち、逆方向再生に適用する場合は、フレームメモリ14にさらに第3の復号用記憶領域14dを設ける。
逆方向再生する場合、図7(a)に示すように、入力されたIピクチャーI2を復号してフレームメモリ14の第1の復号用記憶領域14bに記憶する。
その後、ビデオデコーダ6は、図7(b)に示すように、次に入力したPピクチャーP5を、第1の復号用記憶領域14bに記憶されている復号後のIピクチャーI2を用いた予測により復号して、第2の復号用記憶領域14cに記憶する。
さらにその後、ビデオデコーダ6は、図7(c)に示すように、次に入力したPピクチャーP8を、第2の復号用記憶領域14cに記憶されている復号後のPピクチャーP5を用いた予測により復号して、第3の復号用記憶領域14dに記憶する。
そして、表示用記憶領域14aへの各復号データのコピーは、上記復号の処理を行ったのと逆の順番で行う。すなわち、図7(d)に示すように、先ず第3の復号用記憶領域14dに記憶されている復号後のPピクチャーP8に縮小処理を施して、表示用記憶領域14aの第9のアングルの表示用の領域14a9に当該縮小処理を施した復号後のPピクチャーP8をコピーする。
次に、図7(e)に示すように、第2の復号用記憶領域14cに記憶されている復号後のPピクチャーP5に縮小処理を施して、表示用記憶領域14aの領域14a9に当該縮小処理を施した復号後のPピクチャーP5をコピーする。
そして、図7(f)に示すように、第1の復号用記憶領域14bに記憶されている復号後のIピクチャーI2に縮小処理を施して、表示用記憶領域14aの領域14a9に当該縮小処理を施した復号後のIピクチャーI2をコピーする。
上述のように、PピクチャーP8,PピクチャーP5,IピクチャーI2を表示用記憶領域14aの領域14a9に順次コピーすることによって、DVD再生装置1は、上記領域14a9に対応するモニタ200の一の表示部に、PピクチャーP8,PピクチャーP5,IピクチャーI2の画像を順次表示することができる。
なお、上述のIピクチャー及びPピクチャーのみの復号によって行う逆方向再生は、例えば高速逆再生を実行する場合に適用される。また、通常の逆方向再生を行うのであれば、フレームメモリ14に復号用記憶領域を1つ設ければよい。
以上、Iピクチャー又はIピクチャー及びPピクチャーのみの復号によって行うように構成されたフレームメモリ14及びこのフレームメモリ14を用いて逆方向再生を行う場合の説明である。
DVD再生装置1は、上述のように構成したフレームメモリ14を備えることで、順方向再生及び逆方向再生において、同時刻における複数のアングルの映像を同時に表示することが可能になる。
これにより、例えば、シームレスな映像切り換えにおいて問題とされた切り換えた瞬時の他のアングルの映像を見逃すという問題を解消することもできる。例えば、視聴者は、シームレスな映像を見ることができ、且つ見たい他のアングルの映像も同時に見ることができる。
なお、再生するアングルの映像は、シームレスな映像ばかりでなく、ノンシームレスな映像であってよい。
また、各アングルの映像は、例えば1VOBU単位として構成され、さらに、同時刻の映像の各アングルの映像は各VOBU間で属性をもっている。すなわち、DVD再生装置1は、各アングルの映像の再生においては、上記対応づけされた各VOBU内のピクチャーを復号している。
しかし、これに限定されず、DVD再生装置1は、例えば、順方向再生時であって、他のアングルの映像のピクチャーを復号する場合、次の時刻に属するVOBUの上記他のアングルの映像を構成するピクチャーを復号していくこともできる。また、DVD再生装置1は、逆方向再生時であって、他のアングルの映像のピクチャーを復号する場合、真の時刻に属するVOBUの上記他のアングルの画像を構成するピクチャーを復号していくこともできる。
次に第2の実施の形態について説明する。第2の実施の形態は、本発明に係る信号再生装置及び方法を適用し、DVDを再生するように構成したDVD再生装置である。
なお、DVDは、上述の第1の実施の形態と同様にマルチアングル機能を有するようなデータフォーマットで構成されている。すなわち、DVDは、MPEG2方式を採用しており、映像を、Iピクチャー,Pピクチャー及びBピクチャーとして圧縮符号化して記録している。以下、異なる2つのアングルの映像が記録されているDVDを再生する場合について説明する。
DVD再生装置は、図8に示すように、2個のビデオデコーダを備えて、この2個のビデオデコーダによって復号して得た復号画像データの出力を切り換えて後段の回路に出力している。
詳しくは、DVD再生装置1は、記録媒体100からRF信号を再生するピックアップ2と、このピックアップ2により再生されたRF信号がされ、このRF信号を2値化処理を行うRF回路3と、RF回路3からの再生データ等が供給され、エラー訂正等のデコード処理をするデータデコーダ4と、第1の記憶領域21a及び第2の記憶領域21bを有し、データデコーダ4から出力されたディジタルデータを記憶するトラックバッファ21と、データデコーダ4によりデコード処理がされたディジタルデータを主映像圧縮データ,副映像圧縮データ,音声圧縮データに振り分けるデマルチプレクサ5とを備える。
また、DVD再生装置1は、デマルチプレクサ5から出力された上記主映像圧縮データを復号する第1のビデオデコーダ22及び第2のビデオデコーダ23と、上記副映像圧縮データを復号して主映像データと合成する副映像デコーダ7と、上記音声圧縮データを復号するオーディオデコーダ8と、副映像デコーダ7からの副映像データと主映像データが合成された映像データが供給されNTSC信号又はPAL信号に変換するデジタル/NTSC,PAL変換回路(以下、単にNTSC変換回路という。)9と、オーディオデコーダ8からのオーディオデータが供給されアナログ信号に変換するデジタル/アナログ変換回路(以下、単にA/D変換回路という。)10とを備える。
さらに、DVD再生装置1は、ピックアップ2,RF回路3,データデコーダ4,デマルチプレクサ5,第1のビデオデコーダ22,第2のビデオデコーダ23,切り換えスイッチ24,副映像デコーダ7,オーディオデコーダ8,NTSC変換回路9及びA/D変換回路10を制御するコントローラ11と、このコントローラ11とユーザーの操作入力を媒介するユーザーインターフェース12と、コントローラ11のデータ記憶部となるメモリ13とを備える。
上記記録媒体100からRF信号を再生するピックアップ2、このRF信号を信号処理するRF回路3及びRF回路3で信号処理された再生データを復号するデータデコーダ4は、それぞれが処理速度を、通常処理の例えば2倍にすることができるように構成している。ここで、通常処理は、記録媒体100から、例えば1つのアングルの映像分を読み込んで行った場合の処理をいう。
また、上記デマルチプレクサ5も、データの処理速度を、通常処理の2倍にすることができるように構成している。これにより、デマルチプレクサ5は、入力されてくる主映像圧縮データ,副映像圧縮データ及び音声圧縮データの振り分けを上記通常処理と異なることなく行うことができる。
以下、上記DVD再生装置1の構成部分について説明する。なお、第1の実施の形態となるDVD再生装置1で説明した部分については、図2と同一の番号を付し、その説明を省略する。
DVD再生装置1は、記録媒体100に記録されている符号化画像データ等をピックアップ2、RF回路3及びデータデコーダ4を介してトラックバッファ21に入力する。
上記トラックバッファ21は、第1の記憶領域21a及び第2の記憶領域21bの2つの記憶領域を有している。トラックバッファ21は、上記各記憶領域に入力されたディジタルデータを記憶する。ここで、ディジタルデータは、上述したように、デマルチプレクサ5によって分割される主映像圧縮データ,副映像圧縮データ,音声圧縮データを含んでいる。
このトラックバッファ21は、上記データデコーダ4とデマルチプレクサ5との処理速度の違いを吸収している。そして、トラックバッファ4は、デマルチプレクサ5からの転送命令によってディジタルデータを当該デマルチプレクサ5に出力する。
デマルチプレクサ5は、上述したように通常処理速度の2倍の処理速度を有している。デマルチプレクサ5は、トラックバッファ21の上記各記憶領域から出力されたディジタルデータを交互に取り込み、取り込んだディジタルデータを主映像圧縮データ,副映像圧縮データ及び音声圧縮データに分割して、第1のビデオデコーダ22又は第2のビデオデコーダ23、副映像デコーダ7及び音声デコーダ8に出力する。
第1のビデオデコーダ22及び第2のビデオデコーダ23に出力される主映像圧縮データは、いわゆる符号化画像データであって、いわゆるIピクチャー,Pピクチャー,Bピクチャーによって構成されるデータである。そして、出力は、例えば1GOP単位となるように上記各ビデオデコーダ6に対して行われる。また、上記主映像圧縮データ,副映像圧縮データ及び音声圧縮データは、パック化されてデマルチプレクサ5の後段に備えた各デコーダに供給される。
なお、第1のビデオデコーダ22及び第2のビデオデコーダ23とは、それぞれがIピクチャー,Pピクチャー,Bピクチャーの復号のために3つの復号用記憶領域を備えたフレームメモリを有している。
第1のビデオデコーダ22及び第2のビデオデコーダ23は、入力された各符号化画像データを復号する。ここで行う復号処理は、フレーム間予測によって行う。この第1のビデオデコーダ22及び第2のビデオデコーダ23によって復号された復号画像データは、切り換えスイッチ24に入力される。
切り換えスイッチ24は、上記第1のビデオデコーダ22又は第2のビデオデコーダ23からの復号画像データの何れか一方を後段の副映像デコーダ7に供給する。切り換えスイッチ24のスイッチングは、コントローラ11によって行われる。
例えば、第1のビデオデコーダ21からの復号画像データの出力中に切り換えの命令を受けた場合、切り換えスイッチ24は、切り換え動作によって、出力するデータを第2のビデオデコーダ23からの復号画像データに切り換える。よって、上記第1のビデオデコーダ22及び第2のビデオデコーダ23で復号された符号化画像データは、この切り換えスイッチ24によって、何れか一方が出力されるように瞬時に切り換えられる。例えばこの様なスイッチングは、アングルの映像の切り換えの際に行われる。
上記切り換えスイッチ24を介して出力された復号画像データは、副映像デコーダ7及びNTSC変換回路9を介してモニタ200に画像として表示される。
よって、第2の実施の形態となるDVD再生装置1は、一のアングルの映像の再生中に他のアングルの映像に瞬時に切り換えて再生することができるため、当該切り換えた瞬間の他のアングルの映像をモニタ200に表示することができる。
このDVD再生装置1によって、例えば、視聴者は、他のアングルの映像に切り換えた時に見たい当該他のアングルの映像を見逃すことがなくなる。
ここでいうアングルの映像は、シームレスな映像ばかりでなく、ノンシームレスな映像であってもよく、DVD再生装置1は、これらの映像の種類に関係なく瞬時に切り換えて再生することができる。
なお、上記他のアングルの映像に切り換えても副映像データ及び音声データについては、例えば、上記一のアングルの映像のデータのものを用いる。つまり、上記他のアングルの映像の副映像データ及び音声データは、上記デマルチプレクサ5から出力されることもなく、また、復号されることもない。
また、第1のビデオデコーダ22に入力される符号化画像データと第2のビデオデコーダ23に入力される符号化画像データとでビットレートに違いがある場合、デマルチプレクサ5と第1のビデオデコーダ22の間に設けられている図示しないビデオバッファの空き領域とデマルチプレクサ5と第2のビデオデコーダ23との間に設けられている図示しないビデオバッファの空きの容量とを、例えばコントローラ11によって監視して、空きの領域のあるビデオバッファにデマルチプレクサ5からデータを送出すればよい。なお、各ビデオバッファは、デマルチプレクサ5の分配処理の処理速度と各ビデオデコーダ復号の処理速度の違いを吸収するバッファである。すなわち、このバッファを用い、一のバッファに空きがなくなったら、他のバッファにデータを送出して、ビットレートの違いを吸収する。
また、第2の実施の形態となるDVD再生装置1に、図9に示すように、通常の処理速度の2倍の処理速度をもつビデオデコーダ26と、デマルチプレクサ5とビデオデコーダ26との間に設けた切り換えスイッチ25とを備えることもできる。
上記切り換えスイッチ25は、デマルチプレクサ5からの符号化画像データを、例えば1GOP単位でビデオデコーダ26に出力する。この切り換えスイッチ25のスイッチングは、コントローラ11によって行われる。
例えば、一のアングルの映像に対応する符号化画像データの出力中に切り換えの命令が出された場合、切り換えスイッチ25は、他のアングルの映像に対応する符号化画像データを出力する。よって、この切り換えスイッチ25の切り換え動作によって、一のアングルの映像に対応する符号化画像データ又は他のアングルの映像に対応する符号化画像データの何れか一方が出力される。
上記ビデオデコーダ26は、切り換えスイッチ25からの符号化画像データを通常の2倍の処理速度で復号処理を行うことができる。そして、ビデオデコーダ26で復号して得た復号圧縮データは、副映像デコーダ7及び副映像デコーダ7及びNTSC変換回路9を介してモニタ200に画像として表示される。
よって、上記切り換えスイッチ25及び2倍の復号処理をもつビデオデコーダ26を備えることでも、DVD再生装置1は、シームレスな映像で且つ瞬時に映像のアングルを切り換えることができる。
次に第3の実施の形態について説明する。この第3の実施の形態は、本発明に係る信号再生装置及び方法を適用し、DVDを再生するように構成したDVD再生装置である。
この第3の実施の形態となるDVD再生装置は、複数のアングルの映像を同時に再生するように構成している。そのため、このDVD再生装置は、図10に示すように、デマルチプレクサ5からの主映像圧縮データがそれぞれ入力される第1のビデオデコーダ23及び第2のビデオデコーダ24と、この第1のビデオデコーダ22及び第2のビデオデコーダ23からそれぞれ出力された復号画像データを混合する混合回路27とを有している。
すなわち、第3の実施の形態となるDVD再生装置1は、第2の実施の形態として用いたDVD再生装置1における切り換えスイッチ24に代えて混合回路27を備える構成を採る。
このように構成されたDVD再生装置1は、混合回路27によって、第1のビデオデコーダ22から出力された復号画像データと第2のビデオデコーダ23から出力された復号画像データとを混合してモニタ200に供給することができるようになる。
例えば、第1のビデオデコーダ22から第1のアングルの映像を構成する復号画像データが出力され、第2のビデオデコーダ23から第1のアングルの映像を構成する復号画像データが出力された場合、図12(a)乃至図12(b)に示すように、第1のアングルの画像(図12(a)に示す。)と第2のアングルの画像(図12(b)に示す。)とを同時に表示(図12(c)に示す。)することができる。
なお、図12(c)に示すように、モニタ200の画面内において第1のアングルの画像と第2のアングルの画像とが重ならないようにするのであれば、DVD再生装置1は、第1のビデオデコーダ23と第2のビデオデコーダ24とで3つの復号用記憶領域からなるフレームメモリを共有することができる。
また、フレームメモリを第1のビデオデコーダ22及び第2のビデオデコーダ23の各々が備えることによって、図13(a)乃至図13(b)に示すように、第1のアングルの画像(図13(a)に示す。)をモニタ200の表示画面全体を使い、また第2のアングルの画像(図13(b)に示す。)をモニタ200の表示画面の一部を使い表示(図13(c)に示す。)することもできる。
また、DVD再生装置1は、3つの復号用記憶領域からなるフレームメモリを用いることで、Iピクチャー,Pピクチャー及びBピクチャーを復号することができ、通常の再生が可能になる。
よって、DVD再生装置1は、上述のように2つのビデオデコーダを備えたときと同様に、同時に2つ異なるアングルの映像を通常再生することができ、当該通常再生した2つのを異なるアングルの映像をモニタ200に表示することができる。
次に第4の実施の形態について説明する。この第4の実施の形態は、本発明に係る信号再生装置及び方法を適用し、DVDを再生するように構成したDVD再生装置である。
この第4の実施の形態となるDVD再生装置は、複数のアングルの映像を同時に再生することができ、またシームレス且つ瞬間的に再生中のアングルの映像を切り換えることができるように構成している。そのため、このDVD再生装置は、図11に示すように、デマルチプレクサ5からの主映像圧縮データがそれぞれ入力される第1のビデオデコーダ22及び第2のビデオデコーダ23と、この第1のビデオデコーダ22及び第2のビデオデコーダ23からそれぞれ出力された復号画像データを混合する混合回路27と、第1のビデオデコーダ22から出力される復号画像データについて混合回路27に対して送出をオン及びオフするスイッチ28と、第2のビデオデコーダ23から出力される復号画像データについて混合回路27に対しての送出をオン及びオフするスイッチ29とを有している。
このように構成したDVD再生装置1は、スイッチ28及びスイッチ29をオンにした状態では、混合回路27によって、第1のビデオデコーダ22から出力された復号画像データと第2のビデオデコーダ23から出力された復号画像データとを混合してモニタ200に供給することができる。例えば、混合された映像が、図12(c)及び図13(c)に表示されるように、DVD再生装置1は、モニタ200に供給することができる。
さらに、DVD再生装置1は、スイッチ28及びスイッチ29のオン/オフの操作によって、第1のビデオデコーダ22及び第2のビデオデコーダ23を切り換えて符号化画像データの復号を行うこともできる。この場合、スイッチ28がオンのときスイッチ29をオフにして、またスイッチ28がオフのときスイッチ29をオンにする。
例えば、第1のビデオデコーダ22からの一のアングルの映像を構成する復号画像データの出力中に切り換えの命令が出された場合、スイッチ28をオフにして、一方でスイッチ29をオンにすることで、第2のビデオデコーダ23から他のアングルの映像を構成する復号画像データを出力することができるようになる。すなわち、上記第1のビデオデコーダ22及び第2のビデオデコーダ23で復号された画像圧符号化データの何れか一方が瞬時に切り換えられて出力される。
よって、DVD再生装置1は、一のアングルの映像の再生中に他のアングルの映像に瞬時に切り換えて再生することができ、当該切り換えた他のアングルの映像をモニタ200に表示することができる。
以上のことから第4の実施の形態となるDVD再生装置1は、複数のアングルを同時に再生すること、またシームレスな映像であっても瞬時に他のアングルの映像に切り換えることもできる。
このDVD再生装置1によって、例えば、視聴者は、他のアングルの映像を同時に見ることができ、さらに切り換え操作によって他のアングルの見たいときでも、切り換えたときに見たいアングルの映像を見逃すことがなくなる。
なお第2乃至第4の実施の形態となるDVD再生装置1を、2つのアングルの映像が記録されたDVDの再生を例に挙げて説明したが、3つ以上、例えば複数mのアングルの映像が記録されているDVDを再生することもできる。この場合、DVD再生装置1は、2個及び2倍の処理速度をそれぞれm個及びm倍の処理速度になるように各部を構成する。
以上説明した本発明に係る信号再生装置及び方法のいくつかの実施の形態の構成及び作用効果をまとめると、次のようになる。
すなわち、先ず、本発明に係る信号再生装置の実施の形態は、読み出し手段で読み出した複数アングルの内の一のアングルの符号化画像データを復号して複数アングルの復号画像データを生成する復号手段と、復号手段によって生成した複数アングルの内の一のアングルの復号画像データを記憶する復号用記憶手段と、表示画像データを記憶し、分割表示するための記憶領域が形成される表示用記憶手段と、復号用記憶手段に記憶されている復号画像データに縮小処理を施して、この縮小処理した復号画像データを表示用記憶手段の記憶領域に書き込み、この記憶領域に書き込まれた復号画像データを含む表示画像データを読み出す制御手段とを備えることで、符号化画像データによって構成される複数のアングルの映像を同時に再生することができる。
よって、上記信号再生装置は、例えば、ノンシームレスであるか否かに関わらず映像を同時に提供することができ、視聴者は、見たい映像を見逃すこともなくなる。
ここで、上記復号用記憶手段を少なくとも1つ備え、上記符号化画像データのフレーム内符号化画像データを、1つの上記復号用記憶手段を用いて復号して、上記記録媒体に記録されている上記複数アングルの映像を再生することが挙げられる。また、上記復号用記憶手段を少なくとも2つ備え、上記符号化画像データのフレーム間順方向符号化画像データを、2つの上記復号用記憶手段を用いて復号して、上記記録媒体に記録されている上記複数アングルの映像を再生することが挙げられる。また、上記復号用記憶手段を少なくとも3つ備え、上記符号化画像データのフレーム間順方向符号化画像データを、3つの上記復号用記憶手段を用いて復号して、上記記録媒体に記録されている上記複数アングルの映像を逆方向再生することが挙げられる。
次に、本発明に係る信号再生装置の実施の形態は、読み出し手段で読み出した符号化画像データを記憶するm個の記憶手段と、m個の記憶手段から出力された上記符号化画像データを復号して復号画像データを生成する復号手段とを備えることで、複数の符号化画像データを復号して、瞬時に切り換えて又は同時に、複数のアングルの映像を再生することができる。
そして、上記信号再生装置は、例えば、シームレスな映像の再生においても、瞬時に他のアングルの映像に切り換えることができる。
さらに、本発明に係る信号再生方法の実施の形態は、上述の課題を解決するために、読み出し工程で読み出した複数アングルの内の一のアングルの符号化画像データを復号して複数アングルの復号画像データを生成する復号工程と、復号工程によって生成した複数アングルの内の一のアングルの復号画像データを記憶する復号画像データ記憶工程と、分割表示するための記憶領域が形成されて、表示画像データを記憶する表示用記憶工程と、復号画像データ記憶工程で記憶されている上記復号画像データに縮小処理を施して、この縮小処理した復号画像データを上記表示用記憶工程の有する上記記憶領域に書き込み、この上記記憶領域に書き込まれた上記復号画像データを含む表示画像データを読み出す制御工程とを有することで、符号化画像データによって構成される複数のアングルの映像を同時に再生することができる。
よって、上記信号再生方法によれば、例えば、ノンシームレスであるか否かに関わらず映像を同時に提供することができ、視聴者は、見たい映像を見逃すこともなくなる。
また、本発明に係る信号再生方法の実施の形態は、上述の課題を解決するために、読み出し工程で読み出した符号化画像データを記憶するm段の記憶工程と、m段の記憶工程から出力された符号化画像データを復号して復号画像データを生成する復号工程とを有することで、複数の符号化画像データを復号して、瞬時に切り換えて又は同時に、複数のアングルの映像を再生することができる。
そして、上記信号再生方法によれば、例えば、シームレスな映像の再生においても、瞬時に他のアングルの映像に切り換えることができる。
なお、本発明は上述した実施の形態のみに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能であることは勿論である。
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