JP2006212933A - 粗骨材選定方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 製造するコンクリートの圧縮強度、特に高強度コンクリートの圧縮強度に応じて、これに適した粗骨材を簡易に選定する方法を提供すること。
【解決手段】 コンクリートの圧縮強度を当該コンクリートから粗骨材を除いて作製されたベースモルタルの圧縮強度で除した値を評価指標とし、これと粗骨材のヤング率又は圧縮強度との関係から、目標とするコンクリート圧縮強度に応じた粗骨材を選定する。また、ヤング率、圧縮強度をそれぞれ絶乾密度又は表乾密度、点載荷強度に置換し、より簡易に粗骨材を選定することもできる。
【選択図】 図5

Description

本発明はコンクリートに使用する粗骨材の選定方法に関し、特に、高強度コンクリートに使用する粗骨材の選定に好適な選定方法に関する。
硬化コンクリートの物理的性能の中でも特に重要となるのがコンクリートの圧縮強度であるが、一般にその推定は、試し練りの結果で得られた結合材−水比、つまりコンクリート中の結合材ペーストを構成する結合材と水の質量比率に基づき行われており、粗骨材の物性には余り着目されていない。
コンクリートの圧縮強度と粗骨材との関係に着目した研究としては、例えば、非特許文献1のものがある。しかし、モルタル部分の圧縮強度が粗骨材の圧縮強度に比べて小さい一般のコンクリートの場合には粗骨材がコンクリートの圧縮強度に与える影響は小さく、粗骨材のロット間の物性のばらつきによる影響は特に問題とはならないため、粗骨材の選定にあたり、その物性を厳格に吟味することはない。ただ、低品位の粗骨材を排除する必要性から、例えば、JISA5005の「コンクリート用砕石及び砕砂」の規定に代表されるように、密度の下限値、吸水率の上限値等を設けて、粗骨材自体の物性値で粗骨材の品質を規定し、この規定値を満たさない粗骨材を使用しないようにしていた程度である。
一方、近年実施工への適用が見られるようになった高強度コンクリート(例えば、設計基準強度が100N/mm2程度或いはそれ以上のもの。)では、一般のコンクリートとは異なる破壊性状を示すことが確認されており、高強度コンクリートに使用する粗骨材の影響が見直されつつある。例えば、非特許文献2には、80N/mm2以上の高強度コンクリートの強度に対する粗骨材の影響が報告されている。それによると、コンクリートの高強度化を図るには、モルタルマトリックスと同程度の剛性を有する粗骨材を用いるのが有効と結論づけられている。
さらに、非特許文献2では、モルタルマトリックスの弾性係数に近い弾性係数を有する粗骨材に比較して、それより大きい弾性係数の粗骨材を用いた場合、コンクリートの強度が低下するのは、粗骨材−モルタル間の剛性の違いに起因する応力集中がコンクリート圧縮破壊の原因となっていることを示唆しており、粗骨材のすり減り減量、40ton破砕値、及び点載荷強度と、コンクリート強度との関係には、有意な相関を見出すことはできなかったとしている。
「粗骨材とコンクリート強度に関する基礎的研究(その1)」,日本建築学会論文報告集,昭和44年12月,P19−P27 「超高強度コンクリートに関する開発研究(その3)」,日本建築学会大会学術講演梗概集,1990年10月,P495−P496
粗骨材の物性が高強度コンクリートの圧縮強度に与える影響に関する定量的データは少なく、自然界より採取される粗骨材ではその他の工業製品と比べて物性の取扱いが容易ではない。このため、高強度コンクリートの製造の際には粗骨材に関する密度の下限値、吸水率の上限値等以外の特別な品質管理のための規定は設けられていないのが現状である。
しかし、より質の高い高強度コンクリートの強度管理をおこなうためには、コンクリートに配合する粗骨材の密度の下限値、吸水率の上限値等以外の物性についても検討する必要がある。その一方で、建設計画を円滑に達成すべく、粗骨材の選定は簡易に行えることが必要である。非特許文献1及び2は、粗骨材の物性とコンクリートの圧縮強度との関係については言及されているが、実際に粗骨材を如何にして選定するかについては言及されていない。
従って、本発明の目的は、製造するコンクリートの圧縮強度、特に高強度コンクリートの圧縮強度に応じて、これに適した粗骨材を簡易に選定する方法を提供することにある。
第1の本発明によれば、ヤング率が異なる粗骨材毎に作製されたコンクリート供試体の圧縮強度を、当該コンクリート供試体から前記粗骨材を除いて作製されたベースモルタル供試体の圧縮強度で除した基準指標値と、前記粗骨材のヤング率と、の関係を示す指標データを準備する準備工程と、これから製造するコンクリートの目標圧縮強度を、当該コンクリートから粗骨材を除いて作製されたベースモルタルの圧縮強度で除した実指標値と、前記指標データと、に基づいて、前記コンクリートに使用する粗骨材のヤング率の許容範囲を設定する許容範囲設定工程と、前記許容範囲設定工程により設定された前記許容範囲に属するヤング率を有する粗骨材を選定する選定工程と、を備える粗骨材選定方法が提供される。
この粗骨材選定方法では、コンクリートの圧縮強度を当該コンクリートから粗骨材を除いて作製されたベースモルタルの圧縮強度で除した値を指標値とし、粗骨材のヤング率の許容範囲を設定することで、製造するコンクリートの圧縮強度、特に高強度コンクリートの圧縮強度に応じて、これに適した粗骨材を簡易に選定することができる。なお、前記準備工程で準備する前記指標データは、コンクリートの製造の際に前記コンクリート供試体及び前記ベースモルタル供試体を作製して試験を行うことで準備してもよいし、過去に行われた当該試験の結果の前記指標データを準備してもよい。
第1の本発明においては、前記実指標値が、前記目標圧縮強度に補正値を加算した値を、前記ベースモルタルの圧縮強度で除した値であってもよい。
こうすることで、コンクリート供試体と実際のコンクリートとの圧縮強度の誤差を是正し、目標とするコンクリート圧縮強度を実現するのに必要な粗骨材をより的確に選定することができる。
また、第1の本発明においては、前記指標データが、前記基準指標値と粗骨材のヤング率との相関関係式であり、前記許容範囲設定工程では、前記実指標値と前記相関関係式とに基づいて、前記許容範囲として粗骨材のヤング率の上限値を算出することもできる。
前記相関関係式を用いることで、より簡易に前記許容範囲を設定できる。
また、第1の本発明においては、前記許容範囲設定工程では、ヤング率の前記上限値を粗骨材の絶乾密度又は表乾密度に置換し、前記許容範囲として、置換した値を粗骨材の絶乾密度又は表乾密度の上限値とすることもできる。
粗骨材のヤング率を計測することは必ずしも容易ではないところ、前記許容範囲を、計測が比較的容易な粗骨材の絶乾密度又は表乾密度で規定することで、より簡易に粗骨材を選定することができる。
また、第2の本発明によれば、圧縮強度が異なる粗骨材毎に作製されたコンクリート供試体の圧縮強度を、当該コンクリート供試体から前記粗骨材を除いて作製されたベースモルタル供試体の圧縮強度で除した基準指標値と、前記粗骨材の圧縮強度と、の関係に基づいて、これから製造するコンクリートに使用される粗骨材の圧縮強度の下限値を設定する設定工程と、前記設定工程により設定された前記下限値以上の圧縮強度を有する粗骨材を選定する選定工程と、を備える粗骨材選定方法が提供される。
この粗骨材選定方法では、コンクリートの圧縮強度を当該コンクリートから粗骨材を除いて作製されたベースモルタルの圧縮強度で除した値を指標値とし、粗骨材の圧縮強度の下限値を設定することで、製造するコンクリートの圧縮強度、特に高強度コンクリートの圧縮強度に応じて、これに適した粗骨材を簡易に選定することができる。
第2の本発明においては、前記設定工程では、前記下限値を粗骨材の点載荷強度に置換し、前記選定工程では、置換された前記点載荷強度以上の点載荷強度を有する粗骨材を選定することもできる。
粗骨材の圧縮強度を計測することは必ずしも容易ではないところ、前記下限値を、計測が比較的容易な粗骨材の点載荷強度で規定することで、より簡易に粗骨材を選定することができる。
本発明によれば、製造するコンクリートの圧縮強度、特に高強度コンクリートの圧縮強度に応じて、これに適した粗骨材を簡易に選定することができる。
1.概要
本実施形態ではコンクリートの圧縮強度を、当該コンクリートから粗骨材を除いて作製されたベースモルタルの圧縮強度で除して無次元化した値を評価指標値として、粗骨材に要求されるヤング率又は圧縮強度の範囲を規定し、少なくともいずれかに該当する粗骨材を選定するものである。
2.供試体による試験
本実施形態では、粗骨材の選定にあたり、コンクリート供試体及びコンクリート供試体から粗骨材を除いて作製されたベースモルタル供試体を用いた試験結果を利用する。従って、まず実際に行った試験を例に挙げて説明する。
<粗骨材とその物性>
本試験では、安山岩系1種、硬質砂岩系2種、石灰岩系2種、石英片岩系1種の、物性が異なる計6種類の粗骨材1乃至6を用い、粗骨材種類毎にコンクリート供試体(以下、ベースモルタル供試体とあわせて総称する時は単に供試体という。)を作製した。図1は、供試体作製に用いた粗骨材の各種物性(ヤング率、圧縮強度、絶乾密度、点載荷強度)に関する試験結果を示す図である。
粗骨材の圧縮強度試験は、各種粗骨材の原石からコアボーリングにより採取したΦ50×100mmの試験片6体ずつを用いて、JIS M 0302「岩石の圧縮強さ試験方法」に準拠して行った。また、ヤング率はJIS M 0302に基づいて試験を行い、JIS A 1149「コンクリートの静弾性係数試験方法」に基づいて算出したものであり、試験片の載荷時における応力−ひずみ曲線において、最大荷重の1/3に相当する応力と縦ひずみが50×10-6のときの応力とを結ぶ線分の勾配として与えられる割線弾性係数を意味する。
ここで、本実施形態では粗骨材の選定にあたり、後述するように、そのヤング率又は圧縮強度の少なくともいずれかを基準とするが、粗骨材の圧縮強度やヤング率は粗骨材の原石からコアボーリングなどにより採取した試験片を用いて試験をおこなわなければ求めることが困難な物性値である。しかし、実際にコンクリートを作製する段階での粗骨材の選定にあたっては、最大寸法20mmの粗骨材を用いて行える試験で間接的にこれらを推測できることが望ましい。
最大寸法20mmの粗骨材を用いて行える試験で間接的にヤング率、圧縮強度を推測できる物性値として、粗骨材の絶乾密度と点載荷強度とに着目し、本試験例ではこれらも計測した(図1参照)。
図2(a)は図1に示す試験結果に基づく各粗骨材1乃至6の絶乾密度とヤング率(平均値)との関係、図2(b)は図1に示す試験結果に基づく各粗骨材1乃至6の点載荷強度と圧縮強度(平均値)との関係、を示す図である。絶乾密度とヤング率との関係、及び、点載荷強度と圧縮強度との関係は、いずれも正の相関があった。前者の相関係数が0.84、後者の相関係数が0.72であって、高い相関を有しており、間接的にヤング率、圧縮強度を推測できる物性値として使用可能であると言える。なお、絶乾密度に代えて表乾密度(JIS A 1110による。)を採用してヤング率を間接的に推測することも可能である。粗骨材の物性値としてこれらを採用することにより、粗骨材の選定をより簡易に行うことができる。
<供試体の製造及び圧縮強度試験>
図3は、本試験例における供試体作製に用いたコンクリート及びベースモルタルの調合を示す図である。コンクリートは粗骨材の絶対容積を一定(容積比0.36)とし、水結合材比毎に粗骨材の種類以外の条件を同一とした。粗骨材には上記の粗骨材1乃至6をそれぞれ用い、水結合材比を15〜65%の範囲の5水準として、合計30調合について試験を行った。ベースモルタルは各コンクリートから粗骨材を除いて作製されたもの(使用材料が同一)とし、合計5調合について試験を行った。また、空気量がコンクリートおよびベースモルタルの圧縮強度に与える影響を同一条件とするため、ベースモルタル中の空気量がコンクリートを構成するモルタル中の空気量と同水準となるように設定した。
供試体は、Φ100×200mmの寸法とし、所定材齢まで標準養生(20℃水中養生)とした。材齢は7、28、91日とし、各調合・各材齢につき、コンクリート供試体、ベースモルタル供試体をそれぞれ3体用意した。JIS A 1108「コンクリートの圧縮強度試験方法」に従い、圧縮強度試験を行い、3体の試験結果の平均値をコンクリート供試体およびベースモルタル供試体の圧縮強度とした。図4は圧縮試験結果をベースモルタル供試体の圧縮強度と、対応するコンクリート供試体の圧縮強度と、の関係で表したものである。
ベースモルタルの圧縮強度が50N/mm2以下の範囲ではベースモルタルの圧縮強度に対するコンクリートの圧縮強度の比率は0.8〜1.1の範囲に分布している。粗骨材とコンクリートの圧縮強度との関係については、粗骨材を混入することにより圧縮強度が大きくなるという知見と小さくなるという知見とが混在するが、この結果は双方の知見に符合している。
一方、ベースモルタルの圧縮強度が50N/mm2を超える範囲では、ベースモルタルの圧縮強度に対するコンクリートの圧縮強度の比率は概ね0.8〜1.0の範囲に分布しており、その値は用いる粗骨材によって異なる。そこで、本実施形態ではコンクリートの圧縮強度をベースモルタルの圧縮強度で除して無次元化した値を評価指標値とする。評価指標値が大きな値になるということは、モルタル部分が同条件の場合でもより強度の高いコンクリートが得られることを示す。
<評価指標値と粗骨材のヤング率との関係>
図5(a)乃至(d)はベースモルタルの圧縮強度を4つの領域に分けて評価指標値と粗骨材1乃至6のヤング率との関係を示した図であり、図5(a)はベースモルタルの圧縮強度≦50N/mm2の領域、図5(b)は50N/mm2<ベースモルタルの圧縮強度≦100N/mm2の領域、図5(c)は100N/mm2<ベースモルタルの圧縮強度≦150N/mm2の領域、図5(d)はベースモルタルの圧縮強度>150N/mm2の領域、をそれぞれ示す。
図5(a)に示す領域は、一般的なコンクリートの圧縮強度領域に相当するものであり、評価指標値とヤング係数との間に有意な相関は見られない(相関係数は0.072)。一方、図5(b)乃至(d)に示す領域では評価指標値とヤング率との間に負の相関が見られる(相関係数は順に0.67、0.63、0.60)。これは、高強度コンクリートでは、モルタルマトリックスが同条件の場合、ヤング率の小さい粗骨材を用いたほうが、より強度の高いコンクリートが得られることを示している。つまり、粗骨材を選定する際に評価指標値とヤング率とを基準とすることが有効であることを示している。なお、図5(a)乃至(d)の各図の数式は評価指標値とヤング率との相関関係式を示している。
<評価指標値と粗骨材の圧縮強度との関係>
図6(a)乃至(d)はベースモルタルの圧縮強度を4つの領域に分けて評価指標値と粗骨材1乃至6の圧縮強度との関係を示した図であり、図6(a)はベースモルタルの圧縮強度≦50N/mm2の領域、図6(b)は50N/mm2<ベースモルタルの圧縮強度≦100N/mm2の領域、図6(c)は100N/mm2<ベースモルタルの圧縮強度≦150N/mm2の領域、図6(d)はベースモルタルの圧縮強度>150N/mm2の領域、をそれぞれ示す。
評価指標値と粗骨材の圧縮強度との関係の全体的な傾向は、図中の破線で囲んだ部分に示される。すなわち、図6(b)に示す領域では、粗骨材4及び5を用いたものの評価指標値が低下し、続いて図6(c)、(d)に示す領域では、粗骨材3を用いたものについも、評価指標値が低下していることが分かる。つまり、高強度コンクリートでは、コンクリートの圧縮強度の目標値を十分上回る圧縮強度を有した粗骨材を用いることが望ましいことが分かる。
3.粗骨材の選定方法
以下、本発明の実施形態として、粗骨材の選定方法を2種類説明する。粗骨材の選定は、これら2種類の選定方法の双方の要件を満たすことが望ましいが、いずれか一方であってもよい。
<評価指標値と粗骨材のヤング率とを基準とする選定方法>
・準備工程
供試体による試験より得た評価指標値(基準指標値という。)と、コンクリート供試体に用いた粗骨材のヤング率と、の関係を示す指標データを準備する。指標データは、例えば、図5(a)乃至図5(d)に示す試験データであり、予め図5(a)乃至図5(d)に示す相関関係式を算出していた場合には当該相関関係式だけ準備できればよく、これが指標データとなる。本実施形態では相関関係式を用いる場合について説明する。また、指標データはこれから製造するコンクリートの目標圧縮強度(例えば、設計基準強度)に必要な範囲で準備できればよい。
なお、供試体による試験は、コンクリートの製造毎に行う必要はなく、この準備工程では過去に行われた当該試験の結果の前記指標データを準備することで足りる。
・許容範囲設定工程
これから製造するコンクリートから粗骨材を取り除いた調合(使用材料が同一)のベースモルタルの供試体(以下、ベースモルタルサンプルという。)を作製する。ベースモルタルサンプルは、供試体による試験におけるベースモルタル供試体と同一条件で製造することが望ましく、例えば、標準養生とし、28日材齢の圧縮強度が、これから製造するコンクリートの目標圧縮強度の1.1〜1.3倍程度の強度になるようにセメント−水比を調整するなどして作製する。例えば、これから製造するコンクリートの28日材齢の目標圧縮強度を150N/mm2とする場合、ベースモルタルサンプルの28日材齢の圧縮強度が180N/mm2となるように調合を決定する。
次に、作製したベースモルタルサンプルの圧縮強度を計測する。この場合、ベースモルタルサンプルを複数用意し、その圧縮強度は、各ベースモルタルサンプルの圧縮強度の計測結果の平均値とすることが望ましい。
次に、これから製造するコンクリートの目標圧縮強度を、計測したベースモルタルサンプルの圧縮強度で除して評価指標値(実指標値という。)を算出する。ここで、実際に打ち込まれるコンクリートは、供試体とは養生条件が異なるため、圧縮強度が供試体よりも劣る場合がある。従って、実指標値を算出するにあたっては、JASS5の構造体補正強度の規定に準じて目標圧縮強度に補正値を加算した値をベースモルタルサンプルの圧縮強度で除して算出することが望ましい。但し、コンクリートの圧縮強度が100N/mm2程度のものについては、補正値を0とする場合が多い。
次に、算出した実指標値と、上記の相関関係式(指標データ)と、からコンクリートに使用する粗骨材のヤング率の許容範囲を設定する。本実施形態では上記の相関関係式に実指標値を代入することでヤング率の上限値を設定する。例えば、これから製造するコンクリートの28日材齢の目標圧縮強度を150N/mm2とし(補正値は0N/mm2)、ベースモルタルサンプルの28日材齢の圧縮強度が180N/mm2であった場合、図5(d)の相関関係式により、
(実指標値:150/180)=1.3-0.072×(ヤング率の上限値)
(ヤング率の上限値)={1.3-(150/180)}/0.072
≒6.48(×104N/mm2)
とする。
選定対象となる粗骨材の絶乾密度を基準とする場合は、算出した上限値を絶乾密度に置換し、置換した値を粗骨材の絶乾密度の上限値とする。この場合、例えば、算出したヤング率の上限値を図2(a)の相関関係式に代入し、絶乾密度の上限値を、
(ヤング率の上限値:6.48)=-14.35+7.79×(絶乾密度の上限値)
(絶乾密度の上限値)=(6.48+14.35)/7.79
≒2.67(g/cm3)
とする。選定対象となる粗骨材の表乾密度を基準とする場合も同様である。
・選定工程
選定対象となる粗骨材の物性値を調べ、上述した許容範囲設定工程により設定された許容範囲に属する物性値を有する粗骨材を選定し、これから製造するコンクリートに使用する粗骨材とする。選定対象となる粗骨材の物性値はヤング率、絶乾密度、表乾密度のいずれかを用いることができ、物性の種類に応じた許容範囲で粗骨材をロット毎に選定する。
<評価指標値と粗骨材の圧縮強度とを基準とする選定方法>
・下限値の設定工程
まず、供試体による試験より得た評価指標値(基準指標値という。)と、コンクリート供試体に用いた粗骨材の圧縮強度と、の関係を示す指標データを準備する。指標データは、例えば、図6(a)乃至図6(d)に示す試験データである。なお、供試体による試験は、コンクリートの製造毎に行う必要はないことは上述したヤング率を基準とする選定方法の場合と同様である。
次に、上述したヤング率を基準とする選定方法の場合と同様に、これから製造するコンクリートから粗骨材を取り除いた調合(使用材料が同一)のベースモルタルの供試体(以下、ベースモルタルサンプルという。)を作製し、その圧縮強度を計測する。
計測したベースモルタルサンプルの圧縮強度が含まれる強度領域の指標データを参照し、基準指標値の低下を示す粗骨材が排除されるように粗骨材の圧縮強度の下限値を設定する。例えば、ベースモルタルサンプルの圧縮強度が180N/mm2であった場合、図6(d)のデータを参照する。同図の破線で囲んだ部分では基準指標値が図6(c)等の場合と比べて低下しているため、それらよりも圧縮強度の低い粗骨材が排除されるように粗骨材の圧縮強度の下限値を設定する。圧縮強度の下限値はある程度余裕を持って設定することが望ましく、例えば、図6(d)の場合、明確な基準指標値の低下が確認されているのは概ね170N/mm2以下のものであるが、ハッチングのかかっている領域については明確な基準指標値の低下が起こる可能性も考えられることから、余裕を見て、粗骨材の圧縮強度の下限値を190N/mm2とする。
選定対象となる粗骨材の点載荷強度を基準とする場合は、設定した下限値を点載荷強度に置換し、置換した値を粗骨材の点載荷強度の下限値とする。この場合、例えば、圧縮強度の下限値を図2(b)の相関関係式に代入し、点載荷強度の下限値を、
(圧縮強度の下限値:190)=10.89+9.15×(点載荷強度の下限値)
(点載荷強度の下限値)=(190-10.89)/9.15
≒19.6(N/mm2)
とする。
・選定工程
選定対象となる粗骨材の物性値を調べ、上述した設定工程により設定された下限値以上の物性値を有する粗骨材を選定し、これから製造するコンクリートに使用する粗骨材とする。選定対象となる粗骨材の物性値は圧縮強度、点載荷強度のいずれかを用いることができ、物性の種類に応じた下限値で粗骨材をロット毎に選定する。
コンクリート供試体及びベースモルタル供試体に用いた粗骨材の種類及びその物性の試験結果を示す図である。 (a)は図1に示す試験結果に基づく各粗骨材1乃至6の絶乾密度(2点の平均値)とヤング率(3点の平均値)との関係、(b)は図1に示す試験結果に基づく各粗骨材1乃至6の点載荷強度(30点の平均値)と圧縮強度(6点の平均値)との関係、を示す図である。 試験に用いたコンクリート供試体及びベースモルタル供試体の調合を示す図である。 圧縮試験結果をベースモルタル供試体の圧縮強度と、対応するコンクリート供試体の圧縮強度と、の関係で表したものである。 (a)乃至(d)はベースモルタルの圧縮強度を4つの領域に分けて評価指標値と粗骨材1乃至6のヤング率との関係を示した図である。 (a)乃至(d)はベースモルタルの圧縮強度を4つの領域に分けて評価指標値と粗骨材1乃至6の圧縮強度との関係を示した図である。

Claims (6)

  1. ヤング率が異なる粗骨材毎に作製されたコンクリート供試体の圧縮強度を、当該コンクリート供試体から前記粗骨材を除いて作製されたベースモルタル供試体の圧縮強度で除した基準指標値と、前記粗骨材のヤング率と、の関係を示す指標データを準備する準備工程と、
    これから製造するコンクリートの目標圧縮強度を、当該コンクリートから粗骨材を除いて作製されたベースモルタルの圧縮強度で除した実指標値と、前記指標データと、に基づいて、前記コンクリートに使用する粗骨材のヤング率の許容範囲を設定する許容範囲設定工程と、
    前記許容範囲設定工程により設定された前記許容範囲に属するヤング率を有する粗骨材を選定する選定工程と、
    を備える粗骨材選定方法。
  2. 前記実指標値が、
    前記目標圧縮強度に補正値を加算した値を、前記ベースモルタルの圧縮強度で除した値であることを特徴とする請求項1の粗骨材選定方法。
  3. 前記指標データが、前記基準指標値と粗骨材のヤング率との相関関係式であり、
    前記許容範囲設定工程では、
    前記実指標値と前記相関関係式とに基づいて、前記許容範囲として粗骨材のヤング率の上限値を算出することを特徴とする請求項1又は2に記載の粗骨材選定方法。
  4. 前記許容範囲設定工程では、
    ヤング率の前記上限値を粗骨材の絶乾密度又は表乾密度に置換し、前記許容範囲として、置換した値を粗骨材の絶乾密度又は表乾密度の上限値とすることを特徴とする請求項3に記載の粗骨材選定方法。
  5. 圧縮強度が異なる粗骨材毎に作製されたコンクリート供試体の圧縮強度を、当該コンクリート供試体から前記粗骨材を除いて作製されたベースモルタル供試体の圧縮強度で除した基準指標値と、前記粗骨材の圧縮強度と、の関係に基づいて、これから製造するコンクリートに使用される粗骨材の圧縮強度の下限値を設定する設定工程と、
    前記設定工程により設定された前記下限値以上の圧縮強度を有する粗骨材を選定する選定工程と、
    を備える粗骨材選定方法。
  6. 前記設定工程では、
    前記下限値を粗骨材の点載荷強度に置換し、
    前記選定工程では、
    置換された前記点載荷強度以上の点載荷強度を有する粗骨材を選定することを特徴とする請求項5に記載の粗骨材選定方法。
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