JP2006209468A - 作業動作解析装置、作業動作解析方法および作業動作解析プログラム - Google Patents

作業動作解析装置、作業動作解析方法および作業動作解析プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】 マニュアルに基づいて作業を行う作業者の動作を、作業者の動きを検出したトラッキングデータから抽出した特徴ベクトルに基づいて解析すること。
【解決手段】 測定機器が出力するデータをチャンネルごとにトラッキングし、これをchTDファイルとしてデータロガーに格納する(S11)。次に、作業動作解析システムは、データロガーに格納されたchTDファイルを読み出し、連続してトラッキングされているchTDからタクト単位作業の抽出を行う(S12)。さらに、作業動作解析システムは、抽出されたTT作業部から、最小単位作業の抽出を行う(S13)。続いて、作業動作解析システムは、抽出されたMIN作業部から特徴ベクトルの導出を行う(S14)。そして、導出された特徴ベクトルに基づいて、作業動作の分析処理を行い(S15)、処理を終了する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、生産現場等における作業者の動作を解析する作業動作解析装置、作業動作解析方法および作業動作解析プログラムに関する。
近年、工場などの生産現場においては、その作業効率を向上させるために、生産ラインにおける作業者の作業動作の解析(分析)を行い、生産設備や作業内容等の改善が図られている。
このような生産現場における改善を実行するために、生産ラインにおける作業者の作業分析は、管理者の直接目視観察(人間の勘)や作業状況を記録したVTRの目視分析に基づいて行われている。そして、その作業分析結果に基づいて、作業のムリ・ムダ・ムラ(3M)の抽出が行われている。
従来、作業者の動作を解析(分析)する際には、主にモーションキャプチャと呼ばれる手法が用いられていた。このモーションキャプチャとは、解析対象物の存在する空間上の絶対位置情報を連続して求めることにより対象物の動作の軌跡を捕らえる手法である。
そして、モーションキャプチャの出力データに基づいて作業者の動作解析が行われていた。
このようなモーションキャプチャを用いた動作解析には、高価な設備が必要となるだけでなく、カメラ、センサ等の温度変化による誤差や、計測中におけるマーカの位置ずれなどが出力データに大きく影響を与えてしまうおそれがあった。そのため、長時間に渡り精度良く位置情報を求めることは困難であった。
また、作業者の周囲に障害物が多く存在するような場合や環境条件によっては、位置の測定が適切に行われないおそれがあった。
ここで、モーションキャプチャの具体例について説明する。
モーションキャプチャには、例えば、光学式モーションキャプチャ、磁気式モーションキャプチャ、機械式モーションキャプチャ、センサ式モーションキャプチャ等の種類がある。
光学式モーションキャプチャは、計測対象に取り付けたマーカを周囲に配置した複数のカメラで捕らえ、3次元の位置情報を算出する手法である。この光学式モーションキャプチャにおいては、その出力データの精度がキャリブレーション(校正)の精度に大きく左右されてしまう。そのため、そのセットアップ(準備段階)に非常に時間がかかってしまう。
光学式モーションキャプチャでは、一度に多くの情報を扱うため、演算処理に時間がかかり、リアルタイムでのデータ処理が困難である。その他、光や振動などの外乱に弱く、また、システム装置全体が大掛かりで高価である。
磁気式モーションキャプチャは、磁気発生装置と磁気センサを用いて位置情報を測定する手法である。磁気を計測に使用しているため、磁気に対して影響を与える環境では利用できない。
機械式モーションキャプチャは、回転角度を捕らえるポテンションメータやロータリーエンコーダが取り付けられたデータスーツを作業者に装着させ、作業時の関節角度を検出し、その角度と距離に基づいて3次元の位置情報を算出する手法である。
センサ式モーションキャプチャは、ジャイロセンサを用いて角速度を検出し、この角速度に基づいて作業者の姿勢状態を求め、さらに加速度センサを用いて移動量を求め、これらの測定結果に基づいて3次元の位置情報を算出する手法である。センサ式モーションキャプチャでは、センサの出力値に積分処理を施すことによって位置情報を算出するため、センサ自身の誤差が積分処理によって蓄積され、長時間に渡って安定したデータを取得することが困難である。
この他、作業者の動作を検出する手法が下記の特許文献に提案されている。
特開平8−241485号公報
特許文献1には、3軸方向の加速度を検出する加速度センサを用いて被観測移動体の動作状況を検出し、この検出信号に基づいて行動パターンを解析する技術が開示されている。また、特許文献1には、被観測移動体の行動パターンから異常が検出された場合には、モニタを点滅させたりビープ音を鳴らす等の警告を出力する機能に関する技術が開示されている。
上述したような、作業空間上における作業者の絶対位置情報のみを測定し、その測定結果に基づいて動作解析をする従来の方法は、位置情報を取得することに固執するあまり、問題が多く実現化が困難であった。
そこで本発明は、マニュアルに基づいて作業を行う作業者の動作を、作業者の絶対位置情報ではなく、作業者が動いた(作業した)ことにより反応したセンサまたはレーダが出力したデータをトラッキングし、このトラッキングデータから抽出した特徴ベクトルに基づいて解析することができる作業動作解析装置、作業動作解析方法および作業動作解析プログラムを提供することを目的とする。
請求項1記載の発明は、作業分析目的に対するソリューションデータを出力する作業動作解析装置であって、少なくとも、前記作業分析目的に対応した物理量測定装置およびこの物理量測定装置の装着部位が識別されたチャンネルごとに紐付けされた対応装置情報と、ラインタクトごとの作業手順が示された作業指示情報と、を記憶した記憶手段と、前記作業指示情報に基づいて作業を行う作業者に、前記対応装置情報に基づいて装着された前記物理量測定装置の測定結果データを識別されたチャンネルごとに取得して格納する測定結果格納手段と、前記測定結果格納手段により格納された前記測定結果データから、前記ラインタクトごとに繰り返されるタクト単位作業のデータを抽出するタクト単位作業抽出手段と、前記タクト単位作業抽出手段により抽出された前記タクト単位作業のデータから当該タクト単位作業のデータの有する特徴ベクトルを算出する特徴ベクトル算出手段と、前記特徴ベクトル算出手段により算出された前記特徴ベクトルに基づいて、前記作業分析目的に対するソリューションデータを判定し出力する出力手段と、を備えることにより前記目的を達成する。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記タクト単位作業抽出手段により抽出された前記タクト単位作業のデータから、作業として意味をもつ最小単位作業のデータを抽出する最小単位作業抽出手段を備え、前記特徴ベクトル算出手段は、前記最小単位作業抽出手段により抽出された前記最小単位作業のデータから特徴ベクトルを算出する。
請求項3記載の発明は、請求項1または請求項2記載の発明において、前記タクト単位作業抽出手段は、所定の基準タクト単位作業のデータを格納する基準データ格納手段と、前記測定結果データと、前記所定の基準タクト単位作業のデータとのデータマッチング処理を行うマッチング手段と、を備え、前記マッチング手段によるデータマッチング処理の結果、前記所定の基準タクト単位作業のデータとマッチングしたデータを前記測定結果データから前記タクト単位作業のデータとして抽出する。
請求項4記載の発明は、請求項1または請求項2記載の発明において、作業ラインを制御するシーケンサと通信可能な状態に接続する接続手段と、前記シーケンサから前記ラインタクトごとに繰り返されるタクト単位作業と同期した、前記作業ラインを制御するライン制御信号を、前記接続手段を介して取得するライン制御信号取得手段と、を備え、前記タクト単位作業抽出手段は、前記ライン制御信号取得手段により取得した前記ライン制御信号に基づいて、前記測定結果データから、前記ラインタクトごとに繰り返されるタクト単位作業のデータを抽出する。
請求項5記載の発明は、請求項1、請求項2、請求項3または請求項4記載の発明において、所定の作業項目に紐付けされた作業クラスの情報を格納するクラス情報格納手段と、前記特徴ベクトル算出手段により算出された特徴ベクトルが属する前記作業クラスを照合する照合手段と、を備え、前記出力手段は、特徴ベクトルが属する前記作業クラスに基づいて、前記作業分析目的に対するソリューションデータを判定し出力する。
なお、前記所定の作業項目は、例えば、前記タクト単位作業、前記最小単位作業、または前記タクト単位作業および前記最小単位作業を任意に組合せた複合作業であることが望ましい。
請求項6記載の発明は、少なくとも、前記作業分析目的に対応した物理量測定装置およびこの物理量測定装置の装着部位が識別されたチャンネルごとに紐付けされた対応装置情報と、ラインタクトごとの作業手順が示された作業指示情報と、を記憶した記憶手段を備えた作業動作解析装置において、作業分析目的に対するソリューションデータを出力する際に使用される作業動作解析方法であって、前記作業指示情報に基づいて作業を行う作業者に、前記対応装置情報に基づいて装着された前記物理量測定装置の測定結果データを識別されたチャンネルごとに取得して格納する第1ステップと、前記第1ステップにより格納された前記測定結果データから、前記ラインタクトごとに繰り返されるタクト単位作業のデータを抽出する第2ステップと、前記第2ステップにより抽出された前記タクト単位作業のデータから当該タクト単位作業のデータの有する特徴ベクトルを算出する第3ステップと、前記第3ステップにより算出された前記特徴ベクトルに基づいて、前記作業分析目的に対するソリューションデータを判定し出力する第4ステップと、を有することにより前記目的を達成する。
請求項7記載の発明は、少なくとも、前記作業分析目的に対応した物理量測定装置およびこの物理量測定装置の装着部位が識別されたチャンネルごとに紐付けされた対応装置情報と、ラインタクトごとの作業手順が示された作業指示情報と、を記憶した記憶手段を備え、作業分析目的に対するソリューションデータを出力する作業動作解析装置に、前記作業指示情報に基づいて作業を行う作業者に、前記対応装置情報に基づいて装着された前記物理量測定装置の測定結果データを識別されたチャンネルごとに取得して格納する測定結果格納機能と、前記測定結果格納機能により格納された前記測定結果データから、前記ラインタクトごとに繰り返されるタクト単位作業のデータを抽出するタクト単位作業抽出機能と、前記タクト単位作業抽出機能により抽出された前記タクト単位作業のデータから当該タクト単位作業のデータの有する特徴ベクトルを算出する特徴ベクトル算出機能と、前記特徴ベクトル算出機能により算出された前記特徴ベクトルに基づいて、前記作業分析目的に対するソリューションデータを判定し出力する出力機能と、を実現させることにより前記目的を達成する。
本発明は、物理量測定装置の測定結果データからタクト単位作業データを抽出し、抽出されたタクト単位作業データの有する特徴ベクトルを算出することにより、特徴ベクトルに基づいて、作業動作解析を行うことができる。
以下、本発明の好適な実施の形態について、図1〜図10を参照して詳細に説明する。
図1は、本実施の形態に係る作業動作解析システムの概略構成を示した図である。
本実施の形態に係る作業動作解析システムにおいて作業動作の解析/分析の対象となる作業者は、所定の生産マニュアルに沿って作業を行うことを前提とする。
なお、生産マニュアルとは、生産ラインの各工程で、作業者がなすべき作業の内容、方法などを時系列に詳細に示した作業指示書を意味する。
本実施の形態に係る作業動作解析システムは、大きく分けて、作業動作解析装置1、作業者に装着されたセンサ2およびレーダ3、ビデオカメラ4、およびシーケンサ5から構成されている。
本実施の形態に係る作業動作解析システムでは、作業動作解析の対象となる人物にセンサ2およびレーダ3を装着させ、その作業者の作業の様子をビデオカメラ4で撮影を行うようにしている。
なお、センサ2、レーダ3、ビデオカメラ4は、作業解析の目的に応じて任意に組み合わせて用い、必ずしも全ての装置を用いるものではない。
作業動作解析装置1は、作業者に取り付けたセンサ2やレーダ3、およびビデオカメラ4が作業中に連続して出力する測定データに基づいて、作業者の動作を解析する装置である。
作業動作解析装置1は、入力装置11、記憶装置12、演算装置13、制御装置14、出力装置15、データロガー16、インターフェース17およびデータベース18を備え、これらの各装置はバスライン19を介して接続されている。
入力装置11は、コマンドやデータを入力するための装置であり、例えば、キーボードやマウスなどによって構成されている。
記憶装置12は、データやプログラムを記憶(格納)するための装置であり、主記憶装置と補助記憶装置を備えている。
主記憶装置は、プログラムの実行やデータ処理を行う際、直接、読み書きする記憶領域を備えている。
補助記憶装置は、主記憶装置の容量不足を補うことも可能な2次記憶装置であり、例えば、ハードディスク装置、光磁気ディスク装置、CD−ROM/RAMディスク装置などの外部記憶装置によって構成されている。
演算装置13は、演算を実行する装置であり、制御装置14と共に処理装置を構成する。演算装置13は、例えば、CPU(中央演算処理装置)などによって構成されている。
制御装置14は、演算装置13と共に処理装置を構成する。また、制御装置14は、コンピュータ本体だけではなく、周辺装置にも端末制御や入出力制御、通信制御などを行う機能を備えている。
出力装置15は、コンピュータの処理した結果および処理過程にあるデータを外部出力する装置である。その処理結果は人間が認識できる文字や数字、画像などにして出力する。出力装置15は、例えば、ディスプレイ装置、プリンタ装置、プロッタ装置や音声出力装置などによって構成されている。
データロガー16は、センサ2、レーダ3、ビデオカメラ4が作業中に連続して出力する測定(撮影)データを記憶(格納)するための自動記録装置である。
なお、データロガー16に記録されるデータは、ケーブルなどの物理的な回線を介する有線通信のみならず、電波や赤外線などの伝送路を利用した無線通信を用いて転送されるようになっている。
インターフェース17は、作業動作解析装置1とシーケンサ5とを接続するための接続装置であり、このインターフェース17を介してシーケンサ5へ各種指示コマンドが送信される。
データベース18は、作業分析目的に対応した物理量測定装置およびこの物理量測定装置の装着部位が識別されたチャンネルごとに紐付けされた対応装置情報、ラインタクトごとの作業手順が示された作業指示情報などのデータを格納し、これらのデータは、任意のタイミングにおいて更新されるようになっている。
次に、作業者の動作を測定(撮影)するセンサ2、レーダ3およびビデオカメラ4について説明する。
センサ2は、作業者に装着可能なウェアラブルタイプのセンサであり、作業分析目的に応じた部位に装着される。装着部位としては、例えば、両手首、背中などがある。
また、作業分析目的によっては、図1に示すように、作業者ではなく、作業者が用いる工具装置53などに装着する場合も想定される。
センサ2の種類としては、例えば、3軸加速度センサ、ジャイロセンサ、角速度センサ、歪ゲージ、筋電計などがあり、作業分析目的に応じて選択される。
各種センサの小型化が急速に進んでおり、数mm〜十数mm程度のサイズのものが多く普及している。そのため、人体に取り付けた場合であっても、作業者の動作に支障(影響)を与えることはない。
加速度センサには、静加速度を検出する静加速度センサがある。静加速度センサを用いることにより、地球の重力から鉛直方向を検知することが可能となり、絶対空間での姿勢を検出することができる。例えば、絶対空間のネジの挿入方向を検出することができる。
本実施の形態に係る作業動作解析システムでは、静加速度センサなどの絶対空間における位置情報を検出することが可能なセンサを組み合わせて用いることにより、作業位置の特定(検出)精度を向上させることができる。
レーダ3もまた作業者に装着可能なウェアラブルタイプのセンサであり、作業分析目的に応じた部位に装着される。レーダ3は、例えば、作業者の装着している安全メガネの側部など、レーダ3のターゲットポイント(焦点)が作業者の視点の近傍(好ましくは一致)となる部位に装着することが望ましい。
作業部位が手である場合、作業者はその手を必ず目、即ち安全メガネで見ながら作業を行う。このような場合、安全メガネにレーダ3を装着することによって、適切に作業部位、即ち作業者の手の動きを適切に捕らえることができる。
なお、作業空間において作業者の作業部位(手)と頭部は、固定されていないため自由に動きまわることができる。このような状況において、レーダ3の出力は、「作業空間上における作業部位(手)と頭との相対運動」を捕らえることができる。
レーダ3は、探査信号(電磁波、音波、光波)を受信することで、物体までの距離を探知するレーダシステムを用いて構成されている。このレーダシステムで用いられる探査信号は、装置自身が発信・受信を行うモノスタティック(Monostatic)方式、または、別の発信源からの信号を受信するバイスタティック(Bistatic)方式が用いられている。
続いて、一般的なレーダシステムの基本原理について説明する。
レーダシステムでは、ある方向に発信した探査信号が物体に当たって乱反射した信号(反射波)を受信することで物体を捕らえる。この反射波の時間差(位相差)を検出することにより物体との距離を捕らえることができる。同時に、受信強度(エコー強度)によって物体の状態(密度、大きさ等)を検出することができる。
また、反射波のドップラー効果による波長変化から、相対的な速度差を適切に捕らえることができる。この機能を用いることによって、レーダ3の装着部位とレーダ3が捕らえた物体との相対運動を検出することができる。
次に、レーダ3に用いられる具体的な装置の種別について説明する。
レーダ3を構成するレーダの種類としては、例えば、電波レーダ、超音波レーダ、レーザレーダ、CCD(電荷結合素子)等が挙げられる。
電波レーダは、電波を目標物に当ててその電波の反射波を受信し、その往復時間やアンテナの指向特性から距離および方位を探知することによって、目標物の位置を検出する。また、レーダ波の反射断面積に基づいて、目標物(対象物)の大きさを探知(検出)することができる。発射される電波は、直線的に伝播し、かつ目標を鮮明に分離することが可能なマイクロ波(1GHz以上)を用いる。
なお、マイクロ波よりさらに波長の短い電波(数十GHz以上)を用いたミリ波レーダを用いることにより、より高精度な測定が可能となる。
超音波レーダは、可聴周波数以上(20kHz以上)の超音波を目標物に当てて、その反射時間に基づく距離の測定やドップラー効果による速度の測定等を行う。また、物質内部を音波が伝達する特性を利用することによって、物質内部の状態を捕らえることができる。
レーザレーダは、高い直進性を有するレーザ光を目標物(対象物)に照射し、物体に当たって乱反射して戻ってきた反射光との位相差を検出することにより、物体との距離の測定を行う。なお、レーザレーダによる測定可能距離は、レーザ光の出力に依存するが、一般的に数十m程度である。
続いて、一般的なCCDシステムの基本原理について説明する。
CCDは、対象物を光学的に映像素子で直接捕らえることで映像として探知する。
CCDは、光を電気信号に変換するフォトダイオードを直線または平面に配置したものによって形成されている。フォトダイオードの反応する光の波長を変えることで、赤外線や可視光線、紫外線という様々な波長の光に対応させることができる。
CCDは、受光素子を平面に配置することによって、一度に2次元の情報を得ることができる。
CCDは、素子の段階で映像(アナログ情報)を電気信号に変換して情報を得るため、情報の可視化や演算処理(画像処理)を容易に行うことができる。
ここで、レーダ3によって捕らえられたデータの処理、即ちレーダ3の出力データをいかに処理するかについてCCDを例に取り説明する。
CCDからは、例えば、図10(a)に示すような、対象物の動きを時間の経過とともに変化していく画像、即ち動画データが出力される。
そして、この動画データに基づいて、図10(b)に示すようなマーカの軌跡を示した軌跡データや、図10(c)に示すようなオプティカルフローデータに変換することにより、対象物の物理的な動きを捕らえるトラッキングデータを生成することができる。
軌跡データは、予め対象物(例えば、作業者の手の甲)に装着されたマーカの位置の変化を二次元の座標軸上にプロットしたデータである。
オプティカルフローデータは、画像中の輝度情報から動きを解析し速度ベクトルによって物体の運動を示したデータである。このようにCCDからの出力データから、対象物の動きを捕らえることができるようにデータ処理を行う。レーダ3における他の測定装置も同様で、出力されるデータ形式は様々であるが、最終的に対象物の動きを捕らえたデータを生成する。
このように、本実施の形態に係る作業動作解析システムにおけるレーダ3の目的は、出力データから対象物の動き情報を導出することである。従って、一般的なレーダシステムが目的とする、絶対空間における対象物の位置情報の取得ではない。
本実施の形態に係る作業動作解析システムは、捕らえられた対象物の動きに基づいて、特徴ベクトルを抽出することができるように構成されている。
次に、ビデオカメラ4について説明する。
ビデオカメラ4は、作業者の作業状況を撮影するためのものであり、作業位置の近傍に設置される。
上述したセンサ2、レーダ3およびビデオカメラ4の出力データ(測定・撮影データ)は、有線通信または無線通信を用いて作業動作解析装置1のデータロガー16に送信され、記憶(格納)されるように構成されている。出力データの記憶(格納)領域を外部(ここでは、データロガー16)に設けることにより、センサ2、レーダ3およびビデオカメラ4の本体の小型化を図ることができる。
なお、ビデオカメラ4の代わりに、例えば、レーダ3のCCDを用いて作業者の作業状況を撮影するようにしてもよい。
次に、シーケンサ5について説明する。
シーケンサ5は、生産ラインの制御を行うPLC(プログラマブルコントローラ)であり、各ラインごとに設けられている。このシーケンサ5から送信される制御信号に基づいて、生産ラインに係わる各種装置が制御される。また、このシーケンサ5によって、生産ラインのタクトタイムが制御されている。
シーケンサ5は、警告装置51、治具装置52、工具装置53、搬送装置54、ロボット55、他のシーケンサ56と接続されている。これらの装置は、シーケンサ5から送信される制御信号に従って制御される。
警告装置51は、作業者あるいは監視者などに対して、生産ラインにおいて異常が生じている(生じた)ことの警告を促すための装置であり、例えば、アラーム、サイレン、点滅表示器などによって構成される。
治具装置52は、ある特定の製品を生産するためや、ある特定の作業をするために、特別に設計された装置である。例えば、生産ライン上でワーク(作業対象物)を自動で把持する装置などによって構成されている。
工具装置53は、電気、油圧、空気圧などの力で駆動させる工具類であり、例えば、電動スパナ、電動ドリル、電動トルクレンチ、インパクトレンチなどによって構成されている。ただし、作業者は、手動工具を持つ場合もある。
搬送装置54は、例えば、コンベアなど生産ラインにおいてワークを自動的・連続的に移動させる装置である。この搬送装置54におけるワークの運搬(移動)速度を変化させることによってラインタクトの時間調整を行うことができる。
ロボット55は、電気・磁気を応用したり、歯車と梃を関連動作させたりなどして、比較的単純な作業を行わせる装置であり、例えば、生産ラインにおいてワークを把持し移動させるアームロボットや、ワークのスポット溶接を行うスポット溶接ロボット等により構成される。
他のシーケンサ56は、当該シーケンサ5によって制御されている生産ラインと異なる生産ラインを制御するものである。例えば、ある生産ラインにおいて警告が発生した時に、その生産ラインの前工程および後工程の生産ラインに対しても警告を通知する必要が生じた場合には、他のシーケンサ56に対して警告を通知する旨の制御信号が送信される。
次に、このように構成された本実施の形態に係る作業動作解析システムにおける作業動作の解析および作業動作の分析の方法について説明する。
図2は、本実施の形態に係る作業動作解析システムにおける作業動作の分析/解析の概略手順を示したフローチャートである。
作業者が実際に作業をしている間に、作業者の物理的な動きを測定する。作業者の動作の測定は、センサ2、レーダ3、ビデオカメラ4など(以下の測定機器とする)を作業分析(解析)の目的に応じて任意に組み合わせて行われる。なお、作業分析の目的と、それに対応した測定機器の組み合わせは、予め設定されている。詳しくは、図3に示すような対応情報が予めデータベース18内に格納されている。
測定機器の組み合わせ(種類、装着部位)は、センサ2やレーダ3が、なるべく、作業分析目的を達成し易い特徴量を出力するように、また、用いる測定機器の数が少なくなるように(特徴量の数が少なくなるように)組み合わせられている。
また、各測定機器の出力データを区別するために、それぞれの測定機器はチャンネル(ch)が割り当てられている。なお、3軸加速度センサのように出力系統が3系統存在する場合には、個々の系統に別々のチャンネルを割り当てるようにしてもよい。チャンネルの割り当て方法は任意に設定することができる。
作業分析の目的としては、例えば、「インパクトレンチで4つのボルトを締め付ける時に発生するポカミスの検出」、「ホース取り付け作業時の作業者の姿勢変化とそのばらつきの検出」、「ネジ締め作業時の作業者の上体の揺れ・移動の検出」、「インパクトレンチ作業時における実質作業時間の検出」等が挙げられる。
そして、例えば、目的A「インパクトレンチで4つのボルトを締め付ける時に発生するポカミスの検出」が作業分析目的として設定されている場合には、図3に示すように、作業者は、両手首に3軸加速度センサを装着し、使用するインパクトレンチの先端部に姿勢センサを装着し、安全メガネの側部にCCDを装着する。
なお、姿勢センサとしては、3軸加速度センサと3軸角速度センサを組み合わせた複合タイプのセンサを用いる。
作業動作解析システムでは、まず、測定機器が出力するデータをチャンネルごとにトラッキングしてデータロガー16に格納する。即ち、チャンネル別にトラッキングデータ(測定結果)を採取し、これをチャンネル別トラッキングデータファイル(以下、chTDファイルとする)としてデータロガー16に格納する(ステップ11)。
図4は、chTDの一例を示した図である。
なお、図4には、異なる部位に装着した2つの加速度センサの出力を、チャンネル1、チャンネル2に区別した例について示している。
データロガー16には、図4に示すように、測定機器が出力する連続したデータがチャンネルごとに格納される。
トラッキングデータとは、測定機器によって検出(測定)された“物理的動き”をトラッキングしたデータである。測定機器ごと、即ちチャンネルごとにその示す物理量の種類は異なるものの、それらの物理量は全て作業者(または測定機器の配置部位)の物理的動きを示すものである。
このトラッキングデータは、作業者が作業をしている間の測定結果が時系列に連続したものである。
ここで、作業者(または工具)に装着された計測機器が出力する多種の物理量を総称して「ウゴキ量」とし、このウゴキ量のデータ、即ちトラッキングデータを「ウゴキデータ」とする。
続いて、作業動作解析システムでは、データロガー16に格納されたchTDファイルを読み出し、連続してトラッキングされているchTD(ウゴキデータ)からタクト単位作業の抽出を行う(ステップ12)。
ここで、タクト単位作業(以下、TT作業とする)について説明する。
作業動作解析システムにおける動作解析対象の作業者は、生産マニュアルに沿って作業が行われる。この生産マニュアルには、工程における作業内容が示されている。そして、作業者は、ラインタクトごとに同じ作業動作を繰り返す。
例えば、「ボルト締め」の工程においては、“4つのボルトを締め付ける”という一連のパターン動作をラインタクトごとに繰り返す。
このように、ワンタクトタイム内で行われる同一パターンの作業をTT作業とする。
なお、TT作業は、ワンタクトタイム内において1種類とは限らず、複数存在する場合もある。
例えば、“4つのボルトを締め付ける”というTT作業には、締め付け部位が異なる2種類の製品を組み立てる2種類の作業、即ち、A作業およびB作業が存在すると仮定する。そして、生産マニュアルに、例えば、「ABBABBABB・・・の順番で作業せよ」と指示されていたとする。すると、この場合におけるワンタクトタイム内においては、A作業およびB作業の2種類のTT作業が複数存在することになる。
ここで、A作業、B作業といったTT作業の異なる作業をTT作業タイプとする。
つまり、ステップ12の処理では、このようなTT作業が連続してトラッキングされているchTD(ウゴキデータ)からTT作業部を抽出し、TT作業データファイルを作成する処理を行う。この処理は、chTDにおいてTT作業がどの箇所(タイミング)で開始され、どの箇所(タイミング)で終了しているかを判別(判断)し、マーキング(フラグ立て)しファイル分割をすることを意味する。
なお、ファイル分割されたTT作業データは、記憶装置12またはデータベース18に格納される。
次に、ステップ12で行われるchTDからTT作業部を抽出する方法の具体例について説明する。ここでは、以下に示す抽出方法1〜4について説明する。
(抽出方法1)
抽出方法1では、ビデオカメラ4で撮影した作業状況と、chTDとをシンクロナイズ(同期)して出力装置15のディスプレイ上に表示させ、目視によりTT作業部の抽出を行う。
図5に、その表示の一例を示す。
図5に示すように、chTDの表示ポイント(図中に破線で示す)のタイミングにおけるビデオカメラ4で撮影された作業状況を同一画面上にビデオ画像として表示する。
ビデオ画像の表示は、chTDの表示ポイントを時間軸に沿って移動させることによって変化する。なお、表示ポイントの移動は、入力装置11を用いて行うことができる。例えば、キーボードから直接移動先を数値入力したり、マウスを用いてカーソルを操作したりすることによって行うことができる。
そして、実際の作業を画面で確認しながら同期表示されるchTDに作業開始・作業終了の位置を手動で指定し切り出し作業を行う。ちょうどビデオ編集の要領で目視確認によってTT作業部の抽出を行う。
このように目視で判断しchTDにマーキングすることによって、容易にTT作業部を抽出することができる。
chTDに含まれるTT作業タイプが一種類でない場合には、TT作業タイプの数だけTT作業部の判別をし、マーキング作業、即ち切り出し処理を行う。
なお、はじめの唯一ひとつのTT作業部のマーキング処理を手動で行うことにより、残りの同一TT作業タイプのTT作業部の切り出し処理は、手動で切り出したその唯一ひとつのTT作業部のデータを基準データとし、データマッチング処理を施すことにより他のTT作業部を自動抽出することができる。
この場合、手動で切り出し処理を行ったTT作業部の判別データをデータマッチング用の参照(比較基準)データとして、データベース18に格納しておく。
(抽出方法2)
抽出方法2では、TT作業部の開始時と終了時のタイミングにシンクロ(同期)して、シーケンサ5からの制御信号を、chTD内に記録することによってTT作業部の抽出を行う。
生産ラインは、シーケンサ5によって制御されている。そして、その生産ラインにおけるラインタクト、即ちTT作業の所要時間、は、シーケンサに格納されているプログラムによって設定されている。
また、chTDに含まれているTT作業タイプは、生産マニュアルによって予め設定されている。
従って、生産ラインのラインタクトのスタート時とエンド時のタイミングにシンクロ(同期)して、このシーケンサ5の制御信号をシーケンサ5からインターフェース17を介して取得し、chTD内に記録することによって、このchTD内に格納されたシーケンサ5の制御信号に基づいて、自動的にTT作業部を抽出することができる。
このように、生産ラインにおいては、生産マニュアルによって、TT作業タイプおよびその数が予め判明しているため、chTDと、生産ラインのラインタクトのスタート時、エンド時に同期したシーケンサからの制御信号とに基づいて、容易にTT作業部を自動抽出することができる。
(抽出方法3)
抽出方法3では、既知情報として予めデータベース18に格納してある生産ラインのワンタクトに要する時間情報およびTT作業タイプ数に基づいて、chTDに対してデータマッチング処理を施し、自動でTT作業部の抽出を行う。
この抽出方法を用いる場合には、予め、生産ラインのワンタクトに要する時間情報、即ち、1つのTT作業に必要な所要時間の情報を生産マニュアルを解析することによって作成し、データベース18に格納しておく。同様に、TT作業タイプの種類の情報をデータベース18に格納しておく。
そして、これらの生産ラインのワンタクトに要する時間情報およびTT作業タイプ数に基づいて、chTDから唯一ひとつのTT作業データを抽出する。TT作業タイプ数が2つ以上の時は、そのタイプ数だけ、唯一ひとつのTT作業データを抽出する。その唯一ひとつのTT作業データの抽出に成功すれば、後は、その唯一ひとつのTT作業データを基準データとし、chTDの全データに対してデータマッチングを行い、自動でTT作業部を抽出する。
(抽出方法4)
抽出方法4では、生産ラインを立ち上げる初期段階において試験的に用いられるパイロットラインにおいて、ワンタクトごとにラインの起動/停止を行い、これと同期させてデータトラッキングのスタート/ストップさせ、chTDを採取する段階においてTT作業部の抽出を行う。即ち、この抽出方法を用いてTT作業部を抽出する場合には、chTDとTT作業データとは同じ内容となる。
一般的な生産ラインでは、作業性の確認や技術向上のために模擬テストを行うためのパイロットラインが設けられる場合がある。このパイロットラインにおいて、TT作業ごとにラインを駆動させ(作業者に作業を行わせ)chTDを取得する。そして、採取したchTDを抽出されたTT作業データとして扱う。
また、上述した抽出方法1〜4の方法を任意に組み合わせてTT作業部を抽出するようにしてもよい。
上述したTT作業部の抽出処理は、演算装置13および制御装置14において行われる。
そして、chTDから抽出されたTT作業部のデータは、個々のデータを別々のTT作業データファイルとして、データベース18に保存される。TT作業タイプが1つでない場合には、TT作業タイプ別にTT作業データファイルが生成される。
このようにして、TT作業タイプごとのTT作業データファイルがチャンネル別に作成される。
なお、TT作業データファイルの形式としては、全てのデータをコピーしたものであっても、また、chTD上のTT作業部のスタートポイントおよびエンドポイントの情報を示したインデックステーブル形式のデータであってもよい。
インデックステーブル形式のデータには、1つのインデックステーブル内にTT作業部のスタートポイントの情報、TT作業部のエンドポイントの情報、およびTT作業タイプの情報が紐付けされた状態のインデックスデータが格納されている。そして、インデックステーブル内のインデックスデータの数はchTDから抽出されたTT作業データの数を示す。
本実施の形態に係る作業動作解析システムでは、作業動作の解析(分析)の対象を生産マニュアルやラインタクトなど、何らかの規則に従って作業する作業者に限定することによって、上述した方法を用いてchTDからのTT作業部の抽出を可能にしている。
続いて、作業動作解析システムでは、抽出されたTT作業部からさらに、最小単位作業の抽出を行う(ステップ13)。
なお、作業分析目的の種類によっては、最小単位作業部の抽出処理、即ちTT作業部の最小単位作業への分解処理が不要となる場合がある。このような場合には、ステップ13の処理をスキップ(ジャンプ)してステップ14の処理を行う。
最小単位作業とは、生産現場の各作業工程において、作業として意味を成す最小単位の作業を意味し、以下MIN作業とする。
例えば、「4つのボルトを締め付ける」というTT作業の場合、「1つのボルトを締め付ける」という作業がMIN作業となる。
図6は、MIN作業の分類の一例を示した図である。
また、MIN作業は、図6に示すように、その作業内容によりいくつかのカテゴリーに分類することができる。このカテゴリーの分別方法は、多種多様となるが、このカテゴリーに分類されたMIN作業をMIN作業コードとする。
図6に示すようにMIN作業コードを体系的に分類し、工場全体の作業を1つのコード表にまとめ、作業コードDB(データベース)を構築する。この作業コードDBには、様々な用途がある。
例えば、工場全体の生産マニュアルの自動作成への応用、工場全体の作業規定(作業上の注意事項など)の自動作成への応用、作業者個人単位の生産マニュアルの自動作成への応用、作業者個人単位の作業規定書の自動作成への応用、データベース18に格納されている各種データとのリレーション(関係)をプログラムすることによる工場全体の3Mの抽出処理への応用、リアルタイムでの高次FMS(Flexible Manufacturing System)化への応用、作業者の動作解析データに基づく自動人事考課への応用等が挙げられる。
次に、ステップ13で行われるTT作業ファイルデータからMIN作業部を抽出する方法の具体例について説明する。ここでは、以下に示す抽出方法a〜dについて説明する。
(抽出方法a)
抽出方法aでは、MIN作業部の作業内容や作業手順に基づいて、TT作業部のビデオ画像データとTT作業データをシンクロナイズ(同期)して出力装置15のディスプレイ上に表示させ、目視によりMIN作業部の抽出を行う。
MIN作業における作業内容や作業手順に関する情報は、生産マニュアルにおいて予め規定されているため、生産マニュアルの情報に基づいて作成し、データベース18に格納しておく。
そして、上述した抽出方法によって抽出されたTT作業データの区間におけるビデオ画像データとMIN作業における作業内容や作業手順に関する情報(データ)を同一時間軸上でシンクロナイズ(同期)して出力装置15のディスプレイ上に表示させる。
ディスプレイ上の表示内容を確認しながら、作業者の動作とTT作業データを比較することによって、TT作業データの中からMIN作業部を目視で判別し、データにマーキングを行うことによって、MIN作業部の抽出処理を行う。
なお、マーキングを行いデータを抽出する方法は、上述したTT作業部の抽出方法1の要領で行う。
TT作業タイプが複数存在する場合やMIN作業コードが複数存在する場合には、その数だけ目視による抽出処理が必要となる。
必要な数のMIN作業部の抽出を手動で行うことにより、残りの同一MIN作業部の抽出処理は、手動で切り出したMIN作業部のデータとのデータッチング処理を施すことにより自動判別(自動分解)を行うことができる。
この場合、手動で切り出し処理を行ったMIN作業部の判別データをデータマッチング用の参照(比較基準)データとして、データベース18に格納しておく。
このように目視で判断しTT作業データにマーキングすることによって、容易にMIN作業部を抽出することができる。
(抽出方法b)
抽出方法bでは、MIN作業部の開始時と終了時のタイミングにシンクロ(同期)した信号をchTD内に記録することによってMIN作業部の抽出を行う。
生産ラインは、シーケンサ5によって制御されている。
また、chTDに含まれている、TT作業タイプおよびMIN作業コードは、生産マニュアルによって予め設定されている。よってMIN作業の開始時と終了時が、あらかじめ判明しているので、MIN作業部の開始時と終了時のタイミングにシンクロ(同期)したシーケンサからの制御信号を、シーケンサ5から取得し、chTD内に記録することができる。
従って、このMIN作業部の開始時と終了時のタイミングにシンクロ(同期)したシーケンサからの制御信号をシーケンサ5から取得し、chTD内に記録することによって生産マニュアルの情報およびchTD内に記録されたシーケンサからの制御信号によってMIN作業部を自動抽出することができる。
このように、生産ラインにおいては、生産マニュアルによって、TT作業におけるMIN作業コード数が予め判明しているため、シーケンサからの制御信号の中から、TT作業データ内のMIN作業の開始時と終了時のタイミングにシンクロした信号を取り出し、chTD内に記録することができ、そのchTD内の信号データを使って、自動的にMIN作業部を抽出することができる。
(抽出方法c)
抽出方法cでは、既知情報として予めデータベース18に格納してある生産ラインのラインタクトの情報およびMIN作業コード数の情報に基づいて、TT作業データに対してデータマッチング処理を施してMIN作業部の抽出を行う。
この抽出方法を用いる場合には、予め、生産ラインのラインタクトの情報プラスそのTT作業内のMIN作業コード数、即ち、1つのMIN作業に必要な所要時間の情報を生産マニュアルを解析することによって作成し、データベース18に格納しておく。同様に、MIN作業コードの種類の情報をデータベース18に格納しておく。
そして、1つのMIN作業に必要な所要時間の情報とMIN作業コードの種類の情報に基づいて、TT作業部から唯一ひとつのMIN作業部を抽出する。後は、その唯一ひとつのMIN作業部を基準データとし、TT作業データの全データに対してデータマッチングを行いMIN作業部を自動抽出する。MIN作業コード数が2つ以上の時は、その数だけ、唯一ひとつのMIN作業部を抽出せねばならない。
なお、データベース18に格納されているラインタクトの情報およびMIN作業コード数、TT作業タイプ数を利用して、chTDの全データから、直接MIN作業部を抽出するようにしてもよい。この場合には、TT作業部の抽出処理を省くことができる。
(抽出方法d)
抽出方法dでは、生産ラインを立ち上げる初期段階において試験的に用いられるパイロットラインにおいて、MIN作業ごとにラインの起動/停止を行い、これと同期させてデータトラッキングのスタート/ストップさせ、chTDを採取する段階においてMIN作業部の抽出を行う。即ち、この抽出方法を用いてMIN作業部を抽出する場合には、chTDとMIN作業データとは同じ内容となる。
一般的な生産ラインでは、作業性の確認や技術向上のために模擬テストを行うためのパイロットラインが設けられる場合がある。このパイロットラインにおいて、MIN作業ごとにラインを駆動させ(作業を行わせ)chTDを取得する。そして、採取したchTDを抽出されたMIN作業部のデータとして扱う。
上述した抽出方法a〜dの方法を任意に組み合わせてMIN作業部を抽出するようにしてもよい。
また、上述したTT作業部の抽出方法1〜4およびMIN作業部の抽出方法a〜dを組み合わせて、chTDから直接MIN作業部の抽出を行うようにしてもよい。
上述したMIN作業部の抽出処理は、演算装置13および制御装置14において行われる。
そして、TT作業データ(またはchTD)から抽出されたMIN作業部のデータは、個々のデータを別々のMIN作業データファイルとして、データベース18に保存される。MIN作業コードが1つでない場合には、MIN作業コード別にMIN作業データファイルが生成される。
このようにして、MIN作業コードごとのMIN作業コードファイルがチャンネル別に作成される。
なお、MIN作業データファイルの形式としては、全てのデータをコピーしたものであっても、また、chTD上のMIN作業部のスタートポイントおよびエンドポイントの情報を示したインデックステーブル形式のデータであってもよい。
本実施の形態に係る作業動作解析システムでは、作業動作の解析(分析)の対象を生産マニュアルやラインタクトなど、何らかの規則に従って作業する作業者に限定することによって、上述した方法を用いてTT作業部からのMIN作業部の抽出を可能にしている。
続いて、作業動作解析システムでは、抽出されたMIN作業部(またはTT作業部)から特徴ベクトルの抽出を行う(ステップ14)。
ここで、ステップ14において抽出される特徴ベクトルについて説明する。
人間はロボットではないので、人それぞれが異なる癖を有している。野球選手のバッティングフォームを例にとる。バッティング動作は、自分に向かって飛んで来る球をバットで打つという至極単純な作業であるにも関わらず、選手それぞれが千差万別のフォームを有している。
特徴ベクトルとは、このような人それぞれに異なる癖を意味するものである。即ち、特徴ベクトルの抽出とは、作業者の有する固有の癖を発見(抽出)することを意味している。
さてここで、より数学的な観点から特徴ベクトルを説明する。
ここでは、説明の煩雑化を避けるために、0から9の数字のパターン認識を例に取り、特徴ベクトルを数学的に説明する。
パターン認識とは、認識対象がいくつかの概念に分類できる時、認識対象を、それらの概念のうちのひとつに対応させる処理である。この概念をクラスと呼ぶ。例えば、数字の認識は、認識対象を10個の数字のいずれかに対応させることが目的なのだから、クラスは10個あることとなる。
さて、パターン認識システムを実現するためには、まず、認識対象から何らかの特徴量を計測(抽出)する方法を考えなければならない。一般には、このような特徴量は1種類だけではなく、複数の特徴量を計測し、それらを同時にパターン認識に用いることが多い。例えば、数字認識の場合には、スキャナ取り込み画像そのものを特徴量とみなすこともできるが、それではあまりにもバリエーションが多く、不可能に近い。そこで、数字の識別に必要な本質的な特徴のみを抽出するのが一般的である。特徴量としては、例えば、数字の線の傾き、曲率、面積などが用いられたりする。そのような特徴量は、通常、まとめて特徴ベクトルとして数学的に、以下のように表される。
m個の特徴量が存在するパターン認識システムにおいて、特徴ベクトルは、その特徴量の集合体として、次式によって表される。
Figure 2006209468
但し、xは特徴ベクトルを示し、Tは転置を示す。各々の特徴量の値が変化することにより、特徴ベクトルが作る空間を特徴空間という。この場合、各認識対象は、特徴空間上の1点として表される。
さらに、特徴量の選択が正しければ、同じクラスの特徴ベクトルは、特徴空間上でまとまった塊となる筈である。この塊をクラスターと呼ぶ。
パターン認識とは、未知の認識対象を計測し抽出した特徴ベクトルが、どのクラスに属するかという照合処理に他ならない。
本実施の形態に係る作業動作解析システムでは、MIN作業(またはTT作業)の項目内容(カテゴリ)がクラス(以下、作業クラスとする)に相当する。例えば、「トルクレンチによるネジ締め作業」等である。
なお、作業クラスに紐付けされる作業内容は、MIN作業やTT作業の項目に限定されるものではない。例えば、複数のMIN作業を組み合わせた作業、複数のTT作業を組み合わせた作業、また複数のMIN作業とTT作業を組み合わせた作業などの複合作業を任意に設定することができる。
本実施の形態に係る作業動作解析システムでは、例えば、抽出されたMIN作業(またはTT作業)の特徴ベクトルがどの作業クラス(作業カテゴリ・作業コード)に属する(該当する)かを、パターン認識の技術を用いて照合(判別)する。
そして、照合(判別)結果に基づいて、即ち、特徴ベクトルの属する作業クラスの情報に基づいて、作業分析目的に対応するソリューションを導出する。
以下、本実施の形態に係る作業動作解析システムにおいて抽出する特徴ベクトルを特にHV(Habit Vector)とする。また、HVによって作られる空間をHV空間とする。
次に、ステップ14で行われるMIN作業部(またはTT作業部)からHVを抽出しHVに基づいてソリューションを生成する方法の具体例について図7および図8を参照しながら説明する。
なお、ここでは、HVの抽出方法の一例として、「ネジ締め作業」というMIN作業におけるMIN作業データからHVを抽出する方法について説明する。
図7の(a)は、抽出対象となるMIN作業データにおけるチャンネル1(ch1)のデータを示した図である。但し、ch1は、作業者の右手に取り付けられた加速度センサの測定結果を出力するチャンネルである。
はじめに、作業動作解析装置1は、MIN作業データに対して、FFT(高速フーリエ変換)処理を施す。
図7の(b)にFFT後のグラフを示す。ただし縦軸はパワーレベル、横軸は周波数、奥行きは時間を示す。
さらに、作業動作解析装置1は、FFT処理後のデータに対して、卓越周波数におけるパワースペクトルを求める処理を施す。
FFT処理は、次式に示す離散フーリエ変換の演算処理によって行われる。
Figure 2006209468
但し、s(n)はMIN作業データを示し、h(n)は窓関数を示す。
ここでは、窓関数にハニング窓h(n)=[1−cos(2πn/N)]/2を用いたが、条件によって他の窓関数を使う場合もある。
パワースペクトルの時間的変化は、nを変化させて繰り返し演算処理を行うことで求められる。また、卓越周波数はFFT処理で求めたデータの内で、ピークとなる周波数から求めることができる。
図8に卓越周波数におけるパワースペクトルのグラフを示す。但し縦軸はパワーレベル、横軸は時間を示す。
ここでは、説明の煩雑化を避けるために、個々のチャンネルごとのデータに対してHVを作成する例について説明した。しかし、HVは、チャンネルごとのデータに対して作成することに限定されるものではなく、複数のチャンネルデータを組み合わせて作成するようにしてもよい。
例えば、3軸加速度センサからは、3軸方向におけるそれぞれの加速度が検出される。即ち、3系統(3軸)のデータがそれぞれ個別(チャンネル別)に検出される。
このような場合には、3系統(3つのチャンネル)の卓越周波数におけるパワースペクトルデータを組み合わせたデータから、ノルムを算出してHVを導出する。ノルムとは、ベクトルを矢線表示した時の矢線の長さを意味する。
ベクトルX={X1、X2、・・・Xn}のノルム‖X‖は、次式の演算処理によって算出される。
Figure 2006209468
このようにして導出(算出)されたHVは、作業者の個別データとしてデータベース18に格納される。
ここで、本実施の形態に係る作業動作解析システムにおける特徴空間(HV空間)の抽出方法と、一般的なパターン認識における特徴ベクトルの抽出方法との違いについて説明する。
一般的なパターン認識の応用分野にバイオメトリクスがある。これは、指紋、顔、手型、虹彩、網膜、血管、筆跡、声紋、DNA等を認証パラメータとし、本人認証を行う技術を総称したものである。バイオメトリクスを用いた認証システムにおいても、基本的には、採取したデータの特徴ベクトルを抽出し、照合処理を行うことによって認証処理が実行される。
バイオメトリクスを用いた認証システムには、マルチモーダル(多様な)・バイオメトリクス(以下、MBとする)という認証システムがある。このMBは、指紋認証と声紋認証を組み合わせるなど、いくつかのバイオメトリクス技術を複合して用いることによって、認証の確信度を向上させるものである。
本実施の形態に係る作業動作解析システムでは、複数のchTDから特徴ベクトル(HV)を抽出する。例えば、ch1(CCD;頭部)とch2(加速度センサ:右手首)との出力データに、各々所定の処理を施すことによって、HVを抽出しソリューションを得る。
このように、本実施の形態に係る作業動作解析システムと、MBの技術とでは、異なる認証パラメータの複合によって照合処理を行う点において共通している。
しかしながら、本実施の形態に係る作業動作解析システムと、MBの技術とでは、特徴ベクトルが作る特徴空間が全く異なっている。
MBの特徴ベクトルが作る特徴空間は、例えば指紋と声紋では、それぞれ全く異質のものとなる。これは、指紋認証と声紋認証とでは、パターン認識の“系”が根本的に異なるためである。
一方、本実施の形態に係る作業動作解析システムでは、測定機器の装着部位が、頭部と右手首という全く別の動きをする部位であるため、特徴ベクトルの特徴量の数(ベクトルの次元数)やその特徴量の内容に違いが生じるものの、時間軸に沿って同時に起きている事象であり、時間軸を基準として同時に扱うことができる特徴空間である。
即ち、本実施の形態に係る作業動作解析システムで使われる特徴空間(HV空間)は、抽出する特徴量の内容とその数が異なるものの同一時間軸上で扱うことができるという特徴を有している。
続いて、本実施の形態に係る作業動作解析システムでは、導出された特徴ベクトル(HV)に基づいて、作業動作の分析処理を行う(ステップ15)。
ここで、ステップ15において行われる作業動作の分析(解析)の処理方法について説明する。
作業動作の分析は、はじめに設定されている作業分析目的に基づいて行われる。
例えば、作業分析目的が「インパクトレンチで4つのボルトを締め付ける時に発生するポカミスの検出」と設定されている場合における作業動作の分析処理について説明する。
「インパクトレンチで4つのボルトを締め付ける時に発生するポカミスの検出」が作業分析目的として設定されている場合には、この作業分析目的のソリューションとして、4つの「インパクトレンチによるボルトの締め付け」というMIN作業が検出されたか否かのデータが求められる。
そこで、まず、右手の作業動作のみに注目し、HVとして、前述の卓越周波数におけるパワースペクトルの時系列変化における波形形状を選択する。即ち、図8のグラフ上の破線内に示すような、ある時間的幅を窓として設け、その窓内の各々のパワーレベル値の値を特徴量とするHVを考える。抽出されたHVが、その作業者が「ネジ締め作業」を行った時の右手が示す、HV空間上の作業クラスに存在した場合、確かに「ネジ締め作業」を行ったと認識する。右手のみならず、左手やその他のセンサ出力に対しても同様の照合処理をすることにより、ソリューションデータの確度が向上する。
なお、特徴ベクトルに基づいて作業分析目的に対するソリューションデータを出力する方法は、卓越周波数におけるパワースペクトルの時系列変化に基づくもの限定されるものではない。
さらに、HVとして、色々な箇所に装着された、各センサ・レーダが出力するデータすべてを特徴量とし、照合処理をすることもできる。この場合、上記の右手の作業動作のみに注目した場合と比べ、その特徴量の数が増加し、そのHV空間の次元数が増加する。このように、右手、左手、その他センサ・レーダ出力から別々にHVを抽出し照合処理することもでき、且つ、すべてのセンサ・レーダからHVを抽出し照合処理することもできる。この点が前述のMBとの違いであり、本実施の形態に係る作業動作解析システムの照合処理と一般のパターン認識の違いである。
そして、この照合処理の結果、TT作業データ内にこれと同様のHVを有するMIN作業(=「ネジ締め作業」)が4つ存在していることが判別された場合には、当該作業分析目的のソリューションデータとして、「正常作業動作」が検出された旨が出力される。
一方、照合処理の結果、TT作業データ内にこれと同様のHVを有するMIN作業が4つ存在していることが判別されない場合には、当該作業分析目的のソリューションデータとして、「異常作業動作」が検出された旨が出力される。
このような作業分析目的に対するソリューションデータが出力された後、一連の処理が終了する。
上述したステップ11〜15の一連の処理は、リアルタイムに行うようにしても、また、全てのchTDを取得した後、一定の期間が経過した後に行うようにしてもよい。
上述したステップ11〜15の一連の処理は、記憶装置12に格納されているchTD採取(取得)プログラム、TT作業部抽出プログラム、MIN作業部抽出プログラム、特徴ベクトル(HV)抽出プログラム、作業動作分析(解析)プラグラムをそれぞれ読み出し、演算装置13において演算処理を施すことによって行われる。
即ち、本実施の形態に係る作業動作解析システムは、chTD採取(取得)プログラム、TT作業部抽出プログラム、MIN作業部抽出プログラム、特徴ベクトル(HV)抽出プログラム、作業動作分析(解析)プラグラムを使って動作されることになる。
そこで説明した各動作のプログラムのうちの少なくとも一つ以上を組み合わせたプログラムを、記憶媒体に格納するようにしてもよい。
ここで、記憶媒体には、例えばフレキシブルディスク、ハードディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、CD−RW、DVD、磁気テープ、ROMカートリッジ、バッテリバックアップ付きRAMメモリカード、フラッシュメモリカートリッジ、不揮発性RAMカードなどを含む。
この記憶媒体とは、何らかの手段により情報(主にデジタルデータ、プログラム)が記録されているものであり、コンピュータや専用プロセッサに所定の機能を実現させるものであればよい。
ここで、ソリューションデータとして「異常作業動作」が検出された場合の生産ラインにおける対応方法の一例について説明する。
図1に示すように、本実施の形態に係る作業動作解析システムは、実際に生産ラインを制御しているシーケンサ5と、警告装置51、治具装置52、工具装置53、搬送装置54などがネットワークやデジタル信号線などによって接続され、双方向にそれぞれの状態を通信することができるように構成されている。
そして、「異常作業動作」が検出された場合には、異常作業動作が発生した旨を示すミス発生信号がシーケンサ5に送信される。
すると、シーケンサ5は、当該作業内容に応じた処理を実行する。例えば、搬送装置54にコンベアの停止コマンドを送信したり、治具装置52に装置の移動を制限するコマンドを送信したり、また、工具装置53に対して電源を遮断するコマンドを送信したり、警告装置51に対して警告ランプを点灯させて作業者にミスの修正を促すコマンドを送信したりする。
ステップ15の処理においては、上述したようにHVに基づいて作業分析を行いソリューションデータを出力する処理を行う。しかしながら、出力されるソリューションデータが作業分析目的に完全に合致した正しい出力となるまでは、システムの構築段階において、センサ2およびレーダ3の種類の選択、その取り付け部位の選択、制御系におけるゲインなどの調整作業の繰り返しが必要となる。この作業を行うことによって、より精度の高いソリューションデータを出力することが可能となる。
上述したように、本実施の形態に係る作業動作解析システムでは、chTDからTT作業部さらにMIN作業部の抽出(分解)を行い、そして抽出されたデータから特徴ベクトル(HV)を抽出することによって作業分析目的のソリューションを適切に出力する。
従来のモーションキャプチャを用いた作業解析方法とは全く異なる手法である、特徴ベクトル(HV)によって作業動作を捕らえる手法を用いることには、次のような長所がある。
例えば、センサ2やレーダ3の装着位置をさほど厳密に指定しなくても、その目的を果たすことができる。当該作業動作解析システムにおいては、特徴ベクトル(HV)、即ち作業者の癖を捕らえて作業分析(解析)を行うため、ある程度のトレランス(許容)の範囲内にセンサ2やレーダ3が装着されていれば、作業者のセンサ2やレーダ3の装着位置の癖までもHVに反映させることができる。
作業者ごとに個別のHV、即ち作業中の癖データをライブラリ化し、データベース18に格納しておく。また、作業者の癖は、熟練の度合いの変化などによって経時的に変化する可能性がある。そのため、このHVのデータは、固定データとするのではなく、任意のタイミングでライブラリ内のデータを更新することが望ましい。
また、ライブラリデータの更新履歴を蓄積することによって、作業者ごとのHVの経時変化を把握することが可能となる。
このような作業者の癖を捕らえたHVを格納したライブラリデータは、広い範囲に応用することができる。
例えば、作業者の勘や作業のコツのデジタル化、巧みの技の伝承、作業者の育成、作業者個人単位での作業効率の分析、作業者個人単位での作業姿勢の改善、作業姿勢に起因する疾病の医学的診断のアシスト、生産ラインの各工程における作業効率の改善(3M取り)、ライン全体の作業効率の改善、生産方式の根本原理の変革指針の提案資料、作業効率を向上させるための設備設計時の資料、設備の使い勝手(エルゴノミクス)の判定資料、作業危険度の分析、作業の重労働度合いの判定資料、デジタルエンジニアリングにおけるシミュレーションの資料、作業に特化した筋骨格モデル作成、担当作業の適性度の判定資料などに応用することができる。
ここで、特徴ベクトル(HV)のライブラリデータの活用法の一例として、「作業者の熟練度の判定への応用」について説明する。
図9の(a)は、熟練者のボルト締め作業におけるワンタクト分のTT作業データの特徴ベクトル(HV)を示した図である。
また、図9の(b)は、初心者のボルト締め作業におけるワンタクト分のTT作業データの特徴ベクトル(HV)を示した図である。
図9の(a)および(b)のように、熟練度の異なる作業者に同一の作業を行わせた場合における作業動作の特徴ベクトル(HV)を比較することによって、熟練度の違いを定量的に判断することができる。
まず、熟練者と初心者との作業時間の違いを判別することができる。この例では、熟練者に比較して初心者は、約2倍の作業時間を費やしていることが判る。
さらに、熟練者の作業は、波形のピークが小さく、その数も少ない。これは、作業時に無駄なエネルギーを消費していないことを示している。ところが、初心者の作業は、無駄な動作、つまり余分な波形が不均等に現れており、また、波形のピークも大きくなっていることから無駄な労力を消費していることがわかる。
その他、熟練者は、ネジ締め時の間隔が一定であることから、リズム良く作業をしていることがわかる。一方、初心者は、ネジ締め時の間隔が不均等であり、ネジ締め作業がスムースに行われていないことがデータからわかる。
このように、熟練者と初心者との特徴ベクトル(HV)を比較することにより、トレーニング中の初心作業者が熟練者との違いを作業現場において目視で定量的に判断することができる。そして、初心作業者は、熟練者の特徴ベクトル(HV)に近づくようにトレーニングをすることによって、作業効率のよい作業動作を学ぶことができる。
また、特徴ベクトル(HV)から作業者の疲労の度合いを判断することができる。
ある試験の結果から、3軸ジャイロを装着した被験者に負荷のかかる運動を行わせると、運動後に測定されるセンサ出力に雑音のような細かな高調波信号が重畳されることが判明している。
そこで、角速度センサの出力データに基づく特徴ベクトル(HV)から高調波成分の抽出を行い、抽出された高調波成分のレベルの度合いに基づいて作業者の疲労の度合いを判断することができる。
この他、特徴ベクトル(HV)から作業者の整形外科的疾病の予測を行うことができる。
ある試験の結果から、加速度センサを装着した被験者に骨格に負荷のかかる運動を行わせると、運動後に測定されるセンサ出力に波形の振幅が大きくなり乱れが生じることが判明している。
そこで、加速度センサの出力データに基づく特徴ベクトル(HV)から振幅の変化・乱れを抽出し、抽出された波形状態に基づいて作業者の整形外科的疾病の予測を行うことができる。
従来は、作業者ごとの違いや疲労による微細な変化を、目視によって(ストップウォッチ等を用いて)「おそらくこうだろう」というレベル(次元)で判断を行い問題解決に当たっていた。このような問題解決方法においては、科学的根拠や具体的な数値を用いていないため、「この部分を修正すると良い」とはっきり断定することができなかった。また、作業修正を指摘された側にしてもうまく理解することが困難であった。
しかしながら、本実施の形態に係る作業動作解析システムを用いることにより、改善要求箇所を具体的に数値やグラフなどで示すことができるため、改善ポイントの指摘を適切に行うことが容易にできる。
これにより、生産ラインの改善や作業の改善など生産効率の向上のために費やされる負担を大幅に削減することができる。
上述したように、本実施の形態によれば、作業者に取り付けたセンサ2やレーダ3が作業中に連続して出力するchTDからその生産ラインのワンタクトごとに行われる同一パターンのTT作業部、さらにはMIN作業部を抜き出すことが容易に可能となる。そして、抽出されたTT作業部またはMIN作業部におけるデータ上の特徴点、特徴的な波形形状、特徴的な画像形状、即ち特徴ベクトルに示される特徴量を捕らえることによって、さらには、照合処理を施すことによって、作業分析を適切に行うことができる。
また、従来用いられていたモーションキャプチャシステムでは、作業者の動作を作業者の絶対位置情報でのみ捕らえていた。しかしながら、本実施の形態に係る作業動作解析システムでは、作業者の動作を作業者の「ウゴキ量」、さらに詳しくは、特徴ベクトル(HV)でも捕らえることができる。
本実施の形態によれば、作業動作の解析処理において、単純な計測装置の単体または複数の組み合わせによってchTDの取得ができるため、温度変化などの外乱や取り付け精度の影響を抑制することができる。さらに大掛かりな装置を必要としないため、システムの導入が容易である。
また、本実施の形態に係る作業動作解析システムを用いる(応用する)ことにより、生産ライン内における組立ミスの予防、発見を容易に適切に行うことができる。
さらに、生産ラインにおける作業指示書を作成する際の最適な組立手順を検討する際の解析データを容易に作成することができる。
また、本実施の形態に係る作業動作解析システムを用いることにより、従来用いられているモーションキャプチャの技術では捕らえることができない特殊な作業動作についても、特徴ベクトル(HV)で捕らえることができる。
ここで、モーションキャプチャの技術では捕らえることができない、即ち、絶対位置情報の軌跡データからソリューションを得ることができない特殊な作業の例について説明する。
例えば、車体の組立工程の最終段階において、4本のボルトによって仮留めされているタイヤの増し締めを行う作業工程を想定する。なお、このボルトの増し締め作業は、トルクレンチを用いて行う。
ボルトの仮留め工程が終了した車体は、通常、フォークリフトで天井から吊られ、吊りコンベアにより吊り下げられた状態で作業空間を継続的に移動する。そのため、タイヤは床面から離れた状態、即ちフローティング(浮いた)状態となる。フローティング状態にあるタイヤは、左右どちらの方向であっても自由に回転させることができる。
このような状態では、タイヤの4本のボルトの位置(絶対位置)は、作業空間上において固定されることなく、常に変化してしまう。そのため、従来のモーションキャプチャの技術では増し締め作業のポカを検出することができない。
ところで、4本のボルトの増し締めを行う作業工程においては、生産マニュアル(作業指示書)において、締め付けるボルトの順番が規定されている。
生産マニュアルにおいて、例えば、4本のボルトを締める場合には、襷掛けの要領で十文字を描く順番(上→下→左→右)に締めつける旨が示されているとする。
本実施の形態に係る作業動作解析システムでは、この生産マニュアルの情報に基づいて、各ボルト間におけるトルクレンチの相対的な移動位置情報を捕らえることによって、作業者の動きの特徴ベクトル(HV)をトルクレンチの相対的移動位置情報、即ちトルクレンチのウゴキデータに基づいて捕らえることができる。
つまり、本実施の形態に係る作業動作解析システムでは、上下左右の4本のボルトが、作業空間上の何処にあろうとも、同一の作業者によって行われる作業において、トルクレンチのウゴキデータにおける特徴ベクトル(HV)からソリューションを得ることができる。
トルクレンチの相対的な位置情報は、トルクレンチがボルト(上)の位置からボルト(下)、ボルト(左)、ボルト(右)と順に移動した場合の姿勢センサの出力データに基づいて取得することができる。ここでは、各ボルト(上)(下)(左)(右)増し締め終了時に同期してセンサをリセットすることにより、各ボルトを、原点(基準点)として相対的な位置情報を求めるように工夫している。
なお、作業分析目的に対するソリューションデータを出力する際に、トルクレンチの相対的な位置情報、つまり、トルクレンチの動きデータの情報が必要となる場合には、姿勢センサをトルクレンチに装着することが好ましい。
このように本実施の形態に係る作業動作解析システムでは、上述したような特殊作業動作においても、トルクレンチの相対的な位置情報、即ち、トルクレンチの動きデータの情報に基づいて、作業者の動作を特徴ベクトルで捕らえることができる。
従って、タイヤの増し締め作業のような、対象物が可動状態にある特殊な作業におけるポカミスを適切に検出することができる。
また、上述したようなタイヤがフローティング状態にある特殊な作業においては、ボルトを上→下→左→右の順に増し締めを行う際に、作業者が作業しやすいように、タイヤを故意に回転させる場合がある。
このような場合には、トルクレンチの位置がほぼ動かないため、上述したようなトルクレンチの動きデータの情報に基づいて適切に作業動作を捕らえることができないおそれがある。
そこで、タイヤの増し締め作業のような、対象物が可動状態にある特殊な作業においては、作業者の手の動き、即ち、作業者のタイヤを回転させる手の動きを検出し、この手の動きの特徴ベクトルに基づいて、作業動作を捕らえるようにしてもよい。
なお、作業分析目的に対するソリューションデータを出力する際に、作業者の手の動きの情報が必要となる場合には、例えば、3軸加速度センサを両手首に装着することが好ましい。
そして、3軸加速度センサによって得られるタイヤを回転させる作業者の手の動きデータから、手の動きに関する特徴ベクトル(HV)を抽出することにより、ボルトを上→下→左→右の順に増し締めを行う作業動作を捕らえることができる。
なお、この場合には、より精度良く作業動作を捕らえるために、トルクレンチの駆動状態を示すデータを3軸加速度センサの出力に組み合わせた複合データを用いるようにしてもよい。
本実施の形態に係る作業動作解析システムでは、上下左右の4本のボルトが、作業空間上の何処にあろうとも、同一の作業者によって行われる作業において、その作業動作には一定のパターン(癖)が存在するので、作業者の手の動きデータにおける特徴ベクトル(HV)からソリューションを得ることができる。
本実施の形態に係る作業動作解析システムでは、TT作業部の抽出方法2で説明したように、生産ラインは、シーケンサ5の制御信号によって制御されている。
そこで、このシーケンサの制御信号に基づいて、センサ2やレーダ3などの測定機器における特定機能の制御を行うようにしてもよい。
例えば、シーケンサの制御信号に基づいて、作業の開始および終了のタイミングを認識し、測定が必要な作業が実際に行われている期間のみchTDを測定するように、測定機器によるセンシング(検出)期間を調節したり、作業開始時に測定機器をリセットしたりなどの制御を行う。
このように、センシング期間の短縮化を図ることによって、また、作業開始時に測定機器のリセットを行うことによって、測定機器の温度ドリフトによる誤差の影響を抑制することができ、積分処理を行う測定機器においては、累積誤差の値を低減させることができる。
また、本実施の形態に係る作業動作解析システムでは、シーケンサ5と工具装置53が双方向にそれぞれの状態を通信することができるように構成されている。
そこで、工具装置53の運転状態を示す信号に基づいて、chTDの採取時に不具合を生じるおそれがあるデータを検出させない制御を行うようにしてもよい。
例えば、インパクトレンチを用いる作業では、インパクトレンチの駆動(作動)時の振動の影響を受けて、トラッキング途中の位置情報を見失うおそれがある。
このような場合に、インパクトレンチの駆動期間(振動期間)におけるchTDの測定を停止するように制御することによって、chTDの採取時おける不具合を軽減することができる。
ところで、上述したように、同一の作業を行う場合であっても、作業者の熟練度や、作業者の有する癖などの変化により特徴ベクトルは変化する。
そのため、パターン認識処理によって作業クラスを照合(識別)する際に用いられる特徴空間上の同じ作業クラスの特徴ベクトルのクラスターも変化する。
このようなクラスターの変化の履歴情報に基づいて、作業者の癖の履歴を捕らえることもできる。
なお、作業クラスの情報は、クラスターの情報、クラスターの履歴情報、対応するMIN作業コード(またはTT作業タイプ)が存在する場合には、そのデータと紐付けされた状態で、データベース18に格納され、任意のタイミングにおいて更新されるようになっている。
本実施の形態に係る作業動作解析システムの概略構成を示した図である。 本実施の形態に係る作業動作解析システムにおける作業動作の分析/解析の概略手順を示したフローチャートである。 作業分析目的に対応した計測機器の対応を示した図である。 chTDの一例を示した図である。 chTDとビデオ画像を同期表示させた画面の一例を示した図である。 MIN作業の分類の一例を示した図である。 (a)は抽出対象となるMIN作業データにおけるチャンネル1のデータを示した図であり、(b)はFFT処理後のグラフを示した図である。 卓越周波数におけるパワースペクトルのグラフを示した図である。 (a)は熟練者のボルト締め作業におけるワンタクト分のTT作業データの特徴ベクトルを示した図であり、(b)は初心者のボルト締め作業におけるワンタクト分のTT作業データの特徴ベクトルを示した図である。 (a)はCCDの出力画像データを示した図であり、(b)は、軌跡データを示した図であり、(c)はオプティカルフローデータを示した図である。
符号の説明
1 作業動作解析装置
2 センサ
3 レーダ
4 ビデオカメラ
5 シーケンサ
11 入力装置
12 記憶装置
13 演算装置
14 制御装置
15 出力装置
16 データロガー
17 インターフェース
18 データベース
19 バスライン
51 警告装置
52 治具装置
53 工具装置
54 搬送装置
55 ロボット
56 他のシーケンサ

Claims (7)

  1. 作業分析目的に対するソリューションデータを出力する作業動作解析装置であって、
    少なくとも、前記作業分析目的に対応した物理量測定装置およびこの物理量測定装置の装着部位が識別されたチャンネルごとに紐付けされた対応装置情報と、ラインタクトごとの作業手順が示された作業指示情報と、を記憶した記憶手段と、
    前記作業指示情報に基づいて作業を行う作業者に、前記対応装置情報に基づいて装着された前記物理量測定装置の測定結果データを識別されたチャンネルごとに取得して格納する測定結果格納手段と、
    前記測定結果格納手段により格納された前記測定結果データから、前記ラインタクトごとに繰り返されるタクト単位作業のデータを抽出するタクト単位作業抽出手段と、
    前記タクト単位作業抽出手段により抽出された前記タクト単位作業のデータから当該タクト単位作業のデータの有する特徴ベクトルを算出する特徴ベクトル算出手段と、
    前記特徴ベクトル算出手段により算出された前記特徴ベクトルに基づいて、前記作業分析目的に対するソリューションデータを判定し出力する出力手段と、
    を備えたことを特徴とする作業動作解析装置。
  2. 前記タクト単位作業抽出手段により抽出された前記タクト単位作業のデータから、作業として意味をもつ最小単位作業のデータを抽出する最小単位作業抽出手段を備え、
    前記特徴ベクトル算出手段は、前記最小単位作業抽出手段により抽出された前記最小単位作業のデータから特徴ベクトルを算出することを特徴とする請求項1記載の作業動作解析装置。
  3. 前記タクト単位作業抽出手段は、
    所定の基準タクト単位作業のデータを格納する基準データ格納手段と、
    前記測定結果データと、前記所定の基準タクト単位作業のデータとのデータマッチング処理を行うマッチング手段と、を備え、
    前記マッチング手段によるデータマッチング処理の結果、前記所定の基準タクト単位作業のデータとマッチングしたデータを前記測定結果データから前記タクト単位作業のデータとして抽出することを特徴とする請求項1または請求項2記載の作業動作解析装置。
  4. 作業ラインを制御するシーケンサと通信可能な状態に接続する接続手段と、
    前記シーケンサから前記ラインタクトごとに繰り返されるタクト単位作業と同期した、前記作業ラインを制御するライン制御信号を、前記接続手段を介して取得するライン制御信号取得手段と、
    を備え、
    前記タクト単位作業抽出手段は、前記ライン制御信号取得手段により取得した前記ライン制御信号に基づいて、前記測定結果データから、前記ラインタクトごとに繰り返されるタクト単位作業のデータを抽出することを特徴とする請求項1または請求項2記載の作業動作解析装置。
  5. 所定の作業項目に紐付けされた作業クラスの情報を格納するクラス情報格納手段と、
    前記特徴ベクトル算出手段により算出された特徴ベクトルが属する前記作業クラスを照合する照合手段と、
    を備え、
    前記出力手段は、特徴ベクトルが属する前記作業クラスに基づいて、前記作業分析目的に対するソリューションデータを判定し出力することを特徴とする請求項1、請求項2、請求項3または請求項4記載の作業動作解析装置。
  6. 少なくとも、前記作業分析目的に対応した物理量測定装置およびこの物理量測定装置の装着部位が識別されたチャンネルごとに紐付けされた対応装置情報と、ラインタクトごとの作業手順が示された作業指示情報と、を記憶した記憶手段を備えた作業動作解析装置において、作業分析目的に対するソリューションデータを出力する際に使用される作業動作解析方法であって、
    前記作業指示情報に基づいて作業を行う作業者に、前記対応装置情報に基づいて装着された前記物理量測定装置の測定結果データを識別されたチャンネルごとに取得して格納する第1ステップと、
    前記第1ステップにより格納された前記測定結果データから、前記ラインタクトごとに繰り返されるタクト単位作業のデータを抽出する第2ステップと、
    前記第2ステップにより抽出された前記タクト単位作業のデータから当該タクト単位作業のデータの有する特徴ベクトルを算出する第3ステップと、
    前記第3ステップにより算出された前記特徴ベクトルに基づいて、前記作業分析目的に対するソリューションデータを判定し出力する第4ステップと、
    を有することを特徴とする作業動作解析方法。
  7. 少なくとも、前記作業分析目的に対応した物理量測定装置およびこの物理量測定装置の装着部位が識別されたチャンネルごとに紐付けされた対応装置情報と、ラインタクトごとの作業手順が示された作業指示情報と、を記憶した記憶手段を備え、作業分析目的に対するソリューションデータを出力する作業動作解析装置に、
    前記作業指示情報に基づいて作業を行う作業者に、前記対応装置情報に基づいて装着された前記物理量測定装置の測定結果データを識別されたチャンネルごとに取得して格納する測定結果格納機能と、
    前記測定結果格納機能により格納された前記測定結果データから、前記ラインタクトごとに繰り返されるタクト単位作業のデータを抽出するタクト単位作業抽出機能と、
    前記タクト単位作業抽出機能により抽出された前記タクト単位作業のデータから当該タクト単位作業のデータの有する特徴ベクトルを算出する特徴ベクトル算出機能と、
    前記特徴ベクトル算出機能により算出された前記特徴ベクトルに基づいて、前記作業分析目的に対するソリューションデータを判定し出力する出力機能と、
    を実現させるための作業動作解析プログラム。
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