JP2006195856A - 超解像処理のパラメータ設計方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】
再構成型超解像処理において、高解像度画像を安定に推定できるパラメータを設計できる超解像処理のパラメータ設計方法を提供する。
【解決手段】
位置ずれを含む複数の低解像度画像から一つの高解像度画像を推定する超解像処理に必要なパラメータを設計するための超解像処理のパラメータ設計方法であって、前記パラメータは、前記高解像度画像の前記低解像度画像に対する倍率、及びカメラモデルから得られるPSF関数であり、前記超解像処理の基本方程式の解を求める際の安定性を表す定量的指標に基いて、前記高解像度画像を安定に推定できる最適化パラメータを決定する。また、前記定量的指標として、前記基本方程式の条件数を用いる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、複数の低解像度画像から一つの高解像度画像を推定する超解像処理に必要なパラメータを設計するための超解像処理のパラメータ設計方法に関し、特に、再構成型超解像処理において、高解像度画像を安定に推定できるパラメータを設計できる超解像処理のパラメータ設計方法に関する。
超解像処理とは、位置ずれのある複数の低解像度画像(観測画像)より一つの高解像度画像を推定する処理である。高解像度画像から低解像度画像への画像変換は、点広がり関数(PSF)と呼ばれる積分核との積分変換として、定式化される。超解像処理は、この積分変換の逆変換に相当する処理である。
これまでにも、例えば、非特許文献1〜非特許文献6に開示されるように、数多くの超解像処理方法が提案されている。その中でも、再構成型超解像処理と分類される方法が広く利用されている。例えば、非特許文献2に開示されているML(maximum likelihood)法、非特許文献3に開示されているMAP(maximum a posteriori)法や非特許文献4に開示されているPOCS(projection onto convex sets)法が、再構成型超解像処理方法として有名である。
また、多くの超解像処理に関する研究は、グレイスケール画像を対象としているが、MAP法を応用してBayer配列の低解像度画像からカラーデモザイキング処理と超解像処理を同時に行う方法も提案されている(非特許文献5及び非特許文献6参照)。さらに、再構成型超解像処理は、計算コストが大きいことも知られており、効率的な計算方法に関する報告もされている(非特許文献7及び非特許文献8参照)。
サング シー.ピー.(Sung C.P.)・ミン ケイ.ピー.(Min K.P.)共著、「スーパーレゾルーション イメージ リコンストラクション:アー テクニカル オーバービュー(Super-ResolutionImage Reconstruction: A Technical Overview)」,IEEE シグナル プロク. マガジン(IEEE SignalProc. Magazine),第26巻,第3号, p.21-36,2003年 ビー.シー.トム(B.C.Tom)・エイ.ケイ.カトサゲロス(A.K.Katsaggelos)共著、「リコンストラクション オフ アー ハイレゾルーション イメージ バイ シマルテイニアス レジストレイション レストレイション アンド インターポレイション オフ ローレゾルーション イメージズ(Reconstructionof a high-resolution image by simultaneous registration, restoration, andinterpolation of low-resolution images)」,プロク. IEEE イント. コンフ. イメージ プロセシング(Proc.IEEE Int. Conf. Image Processing),第2巻,p.539-542,1995年 アール.アール.シュルツ(R.R.Schulz)・アール.エル.スティブンスン(R.L.Stevenson)共著、「エクストラクション オフ ハイレゾルーション フレームズ フロム ビデオ シーケンス(Extractionof high-resolution frames from video sequences)」,IEEE トランス. イメージ プロセシング(IEEETrans. Image Processing),第5巻,p.996-1011,1996年 エイチ.スターク(H.Stark)・ピー.オスコウイ(P.Oskoui)共著、「ハイ レゾルーション イメージ リカバリー フロム イメージプレーン アレーズ ユーシング コンベックス プロジェクションズ(Highresolution image recovery from image-plane arrays, using convex projections)」,ジェー. オプト. ソク. エム. エイ(J.Opt. Soc. Am. A),第6巻,p.1715-1726,1989年 後藤・奥富共著、「単板カラー撮像素子のRAWデータを利用した高精細画像復元」、情報処理学会論文誌:コンピュータビジョンとイメージメディア,第45巻,第SIG8(CVIM9)号,p.15-25,2004年 ティー.ゴトウ(T.Goto)・エム.オクトミ(M.Okutomi)共著、「ダイレクト スーパーレゾリューション アンド レジストレーション ユーシング ロー CFA イメージズ(DirectSuper-Resolution and Registration Using Raw CFA Images)」,プロク. オフ IEEE コンピュータ ソサイエティ カンフェレンス オン CVPR(Proc.of IEEE Computer Society Conference on CVPR),第II巻,p.600-607,2004年 田中・奥富共著、「再構成型超解像処理の高速化アルゴリズム」、情報処理学会研究報告2004-CVIM-146,第2004巻,第113号,p.97-104,2004年 エヌ.グエン(N.Nguyen)・ピー.ミランファー(P.Milanfar)共著、「ア コンピューティションナリ エフィシェント スーパーレゾリューション イメージ レコンストラクション アルゴリズム(AComputationally Efficient Super-Resolution Image Reconstruction Algorithm)」,IEEE トランス. イメージ プロセシング(IEEETrans. Image Processing),第10巻,第4号,p.573-583,2001年 伊里正夫著、「線形代数I,II」、岩波書店、1994年 エム.エラッド(M.Elad)・エイ.フォイヤ(A.Feuer)共著、「レストレイション オフ ア シングル スーパーレゾリューション イメージ フロム セブラル ブラーレド ノイジー アンド アンダーサンプレド メジャード イメージズ(Restorationof a Single Super-Resolution Image from Several Blurred, Noisy, andUndersampled Measured Images)」,IEEE トランス. イメージ プロセシング(IEEE Trans. Image Processing),第6巻,第12号,p.1646-1658,1997年 エス.ベイカ(S.Baker)・ティー.カナデ(T.Kanade)共著、「リミッズ オン スーパーレゾリューション アンド ハウ トゥー ブレイク ゼム(Limitson Super-Resolution and How to Break Them)」,IEEE トランス. パターン アナリシス アンド マシン インテリジェンス(IEEETrans. Pattern Analysis and Machine intelligence),第24巻,第9号,p.1167-1183,2002年 ゼット.リン(Z.Lin)・エイチ.ワイ.シュム(H.Y.Shum)共著、「ファンダメンタル リミッズ オフ レコンストラクションベーセド スーパーレゾリューション アルゴリズムズ アンダー ローカル トランスレイション(Fundamentallimits of Reconstruction-Based Super-Resolution Algorithms under localTranslation)」,IEEE トランス. パターン アナリシス アンド マシン インテリジェンス(IEEE Trans. PatternAnalysis and Machine intelligence),第26巻,第1号,p.83-97,2004年 ディー.ケープル(D.Capel)著、「イメージ モザイキング アンド スーパーレゾリューション(Image Mosaicing andSuper-resolution)」,スプリンガー出版(Springer Verlag),2004年 ディー.ロビンスン(D.Robinson)・ピー.ミランファー(P.Milanfar)共著、「ファンダメンタル パフォーマンス リミッズ イン イメージ レジストレーション(FundamentalPerformance Limits in Image Registration)」,IEEE トランス. イメージ プロセシング(IEEE Trans.Image Processing),第13巻,第9号,p.1185-1199,2004年 清水・矢野・奥富共著、「2次元サブピクセル同時推定を拡張した画像変形Nパラメータ同時推定」、情報処理学会研究報告,2004-CVIM-143,第2004巻,第26号,p.81-88,2004年
ところで、実際に、再構成型超解像処理を行うためには、高解像度画像の低解像度画像に対する解像度の倍率Mと、PSFを事前に設定する必要がある。超解像処理のパラメータである倍率MとPSFは、重要なパラメータであり、これらパラメータの設定を誤まると、超解像処理の出力が正しく求まらなくて良い超解像処理結果が得られないことが知られている。
また、超解像処理において、低解像度画像の枚数を増加させることによって、大きな倍率Mを設定することが可能であると予想されるが、低解像度画像を増加させても倍率の大きさには限界があることが経験的に知られている。この倍率の限界は、再構成型超解像処理に関しての基本的な性質である。また、低解像度画像の枚数を無限に増加させた場合に、この性質は顕著に現われることが予想される。
しかし、超解像処理において、高解像度画像の低解像度画像に対する倍率の限界が再構成型超解像処理の基本的な性質であるにもかかわらず、この分野の研究は非常に少ない。数少ない研究の例を挙げると、例えば、非特許文献10に記載されるように、エラッド(Elad)らは、未知数の数と方程式の数の関係から、倍率と観測画像の枚数(低解像度画像の枚数)が満足しなければ成らない関係式を示している。しかし、その関係式は、単純に観測画像の総画素数(方程式の数)は、高解像度画像の画素数(未知数の数)より多くなくてはならないことを示しているに過ぎない。
また、非特許文献11では、Box型PSF(Point Spread Function)を仮定して、倍率Mが2以上の整数のとき、超解像の方程式の条件数が無限大となり、高解像度画像を安定に推定できないことが開示されている。更に、非特許文献11では、Box型PSFの場合は、倍率Mを大きくするにつれて、条件数が大きくなると定性的に述べられている。
そして、非特許文献12に記載されるように、リン(Lin)らは、Box型PSFを仮定し、摂動定理を応用することにより、条件数の逆数に対応する指標を定量的に評価している。このように、従来、再構成型超解像処理において、高解像度画像の低解像度画像に対する倍率の限界に関する研究は、Box型PSFが用いられた場合のみである。
一方、非特許文献13に開示されるように、ケープル(Capel)は、カメラモデルのPSFはGaussian型PSFで近似できることを実験的に示している。ところで、Box型PSFも、Gaussian型PSFも、どちらもカメラモデルのPSFの近似でしかない。そのため、どの近似を利用すべきかといった問題が重要である。
しかしながら、上記のように、従来では、単純なBox型PSFを仮定した場合の倍率Mの限界に関する研究のみがなされ、より一般的なPSFを仮定した場合の倍率の限界に関する研究はなされていないため、超解像処理に必要なパラメータであるPSFを適切に設計する方法は、従来になかった。また、従来では、超解像処理のもう1つのパラメータである倍率の設計に関しても、単純なBox型PSFを仮定した場合のみが検討された。
以上のように、従来では、再構成型超解像処理に必要なパラメータ(つまり、カメラモデルから得られるPSF関数、高解像度画像の低解像度画像に対する倍率M)を最適に設計する超解像処理のパラメータ設計方法は、研究されていない。
本発明は、上述のような事情よりなされたものであり、本発明の目的は、再構成型超解像処理において、高解像度画像を安定に推定できるパラメータを設計できる超解像処理のパラメータ設計方法を提供することにある。
本発明は、位置ずれを含む複数の低解像度画像から一つの高解像度画像を推定する超解像処理に必要なパラメータを設計するための超解像処理のパラメータ設計方法に関し、本発明の上記目的は、前記パラメータは、前記高解像度画像の前記低解像度画像に対する倍率、及びカメラモデルから得られるPSF関数であり、前記超解像処理の基本方程式の解を求める際の安定性を表す定量的指標に基いて、前記高解像度画像を安定に推定できる最適化パラメータを決定することにより、或いは、前記基本方程式は、次の式で表される線形連立方程式であり、
Figure 2006195856
ただし、
Figure 2006195856
は前記複数の低解像度画像の全ての画素値を表すベクトルで、
Figure 2006195856
は推定すべき前記高解像度画像の画素値を表すベクトルで、
Figure 2006195856
は前記PSF関数及び前記倍率から導かれるシステム行列を表し、(A1)前記位置ずれは平行移動であり、(A2)前記PSF関数は空間不変であり、(A3)前記高解像度画像の画素値は同一画素内で一定であり、(A4)前記低解像度画像は位置の重なりがなく、無限に取得できるといった4つの条件を前提に前記定量的指標を算出することにより、或いは、前記定量的指標として、前記基本方程式の条件数を用いることによって効果的に達成される。
また、本発明の上記目的は、前記条件数cond(B)は、次の式により算出され、
Figure 2006195856
ただし、
Figure 2006195856
が成立し、また、
Figure 2006195856
が成立し、
Figure 2006195856

Figure 2006195856
の離散フーリエ変換であり、b(x,y)は高解像度画像空間における連続のPSF関数を表すことにより、或いは、所定のPSF関数に対して、異なる倍率における条件数をそれぞれ算出し、算出された条件数の中で、最小値となる条件数に対応する倍率を、前記超解像処理に前記所定のPSF関数が用いられた場合の最適な倍率にすることにより、或いは、所定の倍率に対して、異なるPSF関数における条件数をそれぞれ算出し、算出された条件数の中で、最小値となる条件数に対応するPSF関数を、前記超解像処理に前記所定の倍率が指定された場合の最適化PSF関数にすることによって一層効果的に達成される。
本発明では、線形連立方程式の解を求める際の安定性を表す定量的指標として利用されている条件数に注目し、任意の空間不変なPSF、任意の倍率に対して、超解像の基本方程式の条件数を算出する方法である条件数算出方法を開示し、そして、その条件数算出方法を証明した。
本発明に係る超解像処理のパラメータ設計方法によれば、任意の空間不変なPSF、任意の倍率に対して、超解像の基本方程式の条件数を算出することが可能であり、そして、それぞれの条件数を比較することにより、より良い超解像結果を得るためには、所望の倍率ではどのPSF近似が良いか、また、指定されたPSF近似では倍率をどの値に設定すれば良いかを判断することができ、よって、高解像度画像を安定に推定できる最適なパラメータを設計できるという優れた効果を奏する。
また、合成画像に対して、本発明に係る超解像処理のパラメータ方法を適用することによって、高解像度画像を安定に推定できる最適化PSF関数、最適な倍率を設定できることを確認した。
以下、本発明を実施するための最良の形態を図面を参照して説明する。なお、本発明では、『復元したい高解像度画像の空間』を『高解像度画像空間』と称する。
まず、超解像の基本方程式について説明する。
再構成型超解像処理の基本となる連続系の画像変換方程式を下記数1に示す。
Figure 2006195856
ここで、添え字jはj番目の観測を、yは観測画像の座標を、xは高解像度画像の座標を、g(y)は連続観測画像を、b(y,x)は連続のPSFを、h(x)は連続高解像度画像を、それぞれ表す。
実際に、超解像処理が扱う方程式は、上記数1を離散化して得られた下記数2である。以下、この数2を超解像の方程式と呼ぶことにする。
Figure 2006195856
ここで、
Figure 2006195856
は複数の低解像度画像の全ての画素値を表すベクトルを、
Figure 2006195856
は推定すべき高解像度画像の画素値を表すベクトルを、
Figure 2006195856
は高解像度画像から低解像度画像への変換を表す行列(つまり、PSF、倍率M及び低解像度画像画素のレジストレーション後の画素位置から導出されるシステム行列)を、それぞれ表す。
数2で表す超解像の方程式は、低解像度画像が無限にある場合にも拡張することができる。ここで、低解像度画像が無限の場合(低解像度画像の枚数が無限の場合)の超解像の方程式を、超解像の基本方程式と呼ぶことにする。超解像の基本方程式は、上記数2と同様であるが、
Figure 2006195856
の次元と
Figure 2006195856
の行の次元が無限大である。
次に、本発明の理論解析について説明する。
本発明の理論解析は以下の4つの仮定に基づく。
つまり、まず、「仮定1」として、位置ずれは平行移動である。また、「仮定2」として、カメラモデルから得られるPSF関数(以下、単に、カメラPSF、もしくは、PSFとも称する)は、空間不変である。そして、「仮定3」として、連続高解像度画像の画素値は同一画素内で一定で、つまり、高解像度画像の画素内の濃度値は一定である。最後に、「仮定4」として、低解像度画像は、位置の重なりがなく、且つ、無限に取得することができる。
本発明の大きな特徴の1つは、本発明で用いられる「仮定2」(つまり、カメラPSFを単に空間不変と仮定している点)が、これまでの従来研究(非特許文献11及び非特許文献12参照)と大きく異なる点である。
ここで、一般性を失わず、高解像度画像の画素間隔を1として解析を行うことができる。ただし、高解像度画像の画素間隔を1と考えると、PSFは高解像度画像の低解像度画像に対する倍率Mをパラメータとして含むようになる。この場合の具体的なPSFの例として、Box型PSFを下記数3に、Gaussian型PSFを下記数4に、それぞれ示す。
Figure 2006195856
Figure 2006195856
ここで、
Figure 2006195856
は下記数5で定義される矩形関数である。
Figure 2006195856
以下では、簡単のため、再構成型超解像処理を1次元の問題として(つまり、超解像処理が扱う低解像度画像は1次元画像であるを前提に)、本発明の説明を行うが、本発明はそれに限られることがなく、2次元の問題(つまり、超解像処理が扱う低解像度画像は2次元画像であるの場合)へ簡単に拡張できることは言うまでもない。
本発明では、超解像の基本方程式を以下のように導出する。
上述した4つの仮定(「仮定1」〜「仮定4」)を利用して、低解像度画像を無限に取得できると仮定した場合の超解像の基本方程式の導出を行う。「仮定1」と「仮定2」を利用すれば、数1で表す画像変換方程式から下記数6を得ることができる。
Figure 2006195856
ここで,yはレジストレーション後の低解像度画像の座標である。「仮定3」を満足する連続高解像度画像は、数5で表す矩形関数を利用して、下記数7のように定式化することができる。
Figure 2006195856
ここで、Nは1次元画像の大きさを、iは1次元画像の離散座標を、h[i]は離散高解像度画像の位置iにおける画像値を、それぞれ表す。数6及び数7より、数8に示される離散高解像度画像から連続低解像度画像への画像変換方程式を得ることができる。
Figure 2006195856
さて、ある座標yを下記数9のように、yに最も近い整数
Figure 2006195856
と残りの小数部分δに分けて考える。
Figure 2006195856
このとき、小数部分δの変域は−1/2から1/2となる。数9の関係を利用して、数8を下記数10の離散畳込み演算の形式に簡単化することができる。
Figure 2006195856
ここで、
Figure 2006195856
はオフセットδの離散PSFであり、下記数11で定義される。
Figure 2006195856
次に、小数部分δを固定して考えると、
Figure 2006195856
は1つの離散画像を表しているとみなせる。この離散画像は、連続観測画像g(y)を高解像度画像の画素間隔でサンプリングした画像と同一である。ただし、サンプリング点は、高解像度画像の画素中心とδだけずれている。高解像度画像、低解像度画像及びPSFに関して、それぞれ連続と離散の関係を図1に示す。
ここで、離散画像
Figure 2006195856
を「オフセットδの離散低解像度画像」と呼び、
Figure 2006195856
で表すことにする。数10は、オフセットδの離散低解像度画像に対する超解像の方程式となる。数10をベクトル表現で表すと、下記数12となる。
Figure 2006195856
ここで、
Figure 2006195856
は離散畳込み演算のカーネルを表す行列である。
連続低解像度画像は、オフセットδの離散低解像度画像の線形結合として表される。従って、連続低解像度画像に対する超解像の方程式、即ち、超解像の基本方程式も同様に、オフセットδの離散低解像度画像に対する方程式の線形結合として、下記数13のように表現することができる。
Figure 2006195856
ここで、下記数14が成立し、また、i≠jのときに、δ≠δである。
Figure 2006195856
以上のように、前述した4つの仮定から、数13で表す超解像の基本方程式を導出することができた。
次に、上述したように導出された超解像の基本方程式に対する条件数の算出方法(以下、単に「超解像の条件数算出方法」とも称する)について説明する。
ここで、まず、条件数に関する数学的な性質を概説した後に、本発明のポイントである超解像の条件数算出方法を示し、証明する。
条件数は、線形連立方程式の係数行列に対して定義され、連立方程式の解を求める際の安定性の指標として知られている(非特許文献9参照)。条件数の小さい連立方程式は、解が安定に推定される(推定誤差が相対的に小さい)。また、条件数の大きい連立方程式は、解が不安定である(推定誤差が相対的に大きい)。特に、条件数が無限大のときは、その連立方程式は特異で、つまり、解が一意に求められないことを意味する。
ところで、数2で示されるような連立方程式(つまり、超解像の方程式)に対して、その条件数
Figure 2006195856
、つまり、超解像の方程式の条件数(以下、単に条件数とも称する)は、下記数15のように定義することができる。
Figure 2006195856
ここで、‖・‖はL2ノルムを表す。条件数に関して、下記数16及び数17で表す不等式が成立し、条件数は解の相対誤差の上限を定める。
Figure 2006195856
Figure 2006195856
ここで、Δhは推定された高解像度画像の誤差を、Δgは観測された低解像度画像の誤差を、ΔBはPSFによって定まる係数行列の誤差を、それぞれ表す。
ちなみに、数17の不等式は、PSFの近似精度が多少悪くても条件数が小さければ、結果として誤差の影響は小さく抑えられることを示している。
ところで、行列のノルムを直接計算することは一般に困難であるので、条件数を上記数15の定義に従って計算することは現実的ではない。
そこで、本発明では、下記数18に示される条件数の性質を利用する(非特許文献9参照)。
Figure 2006195856
ここで、は行列の共役転置を、
Figure 2006195856
は行列
Figure 2006195856
の固有値をベクトル化したものを、それぞれ表す。
次に、条件数算出方法について詳細に説明する。以下、補題を示した後に、条件数算出方法を証明する。
<補題>数13の係数行列
Figure 2006195856
に対して、下記数19が成り立つ。
Figure 2006195856
ここで、
Figure 2006195856

Figure 2006195856
の離散フーリエ変換を表し、|・|は要素ごとに適用されるとする。
<補題の証明>
先ず、オフセットδの離散低解像度画像に対する超解像の方程式の係数行列
Figure 2006195856
は、下記数20のように対角化される。
Figure 2006195856
ここで、
Figure 2006195856
は離散フーリエ変換の行列表現に対応するユニタリ回転行列を、
Figure 2006195856

Figure 2006195856
の要素を対角成分にもつ対角行列を、それぞれ表す。
次に、行列
Figure 2006195856
の固有値を求めるため、対角化を行う。行列
Figure 2006195856
の定義式と数20の関係式より、行列
Figure 2006195856
の対角化を下記数21のように行うことができる。
Figure 2006195856
ここで、行列
Figure 2006195856
はユニタリ行列であるので、数21の右辺の対角成分は、行列
Figure 2006195856
の固有値となる。従って、数19が得られる。
<超解像の条件数算出方法>
数13で表す超解像の基本方程式に対する条件数
Figure 2006195856
は、下記数22により算出される。
Figure 2006195856
ここで、下記数23及び数24が成立する。また、
Figure 2006195856
をPSFの平均パワースペクトラムと呼ぶことにする。
Figure 2006195856
Figure 2006195856
以上では、超解像処理が扱う低解像度画像が1次元画像の場合(つまり、超解像処理を1次元の問題として考えた場合)に、超解像の条件数算出方法を詳細に説明した。
なお、超解像処理を2次元の問題として考えた場合に、要するに、超解像処理が扱う低解像度画像が2次元画像である場合に、超解像の基本方程式に対する条件数
Figure 2006195856
は、下記数25により算出される。
Figure 2006195856
ただし、下記数26及び数27が成立する。また、
Figure 2006195856

Figure 2006195856
の離散フーリエ変換であり、そして、b(x,y)は高解像度画像空間における連続のPSF関数を表す。
Figure 2006195856
Figure 2006195856
<超解像の条件数算出方法の証明>
ここで、数22に表される超解像の条件数算出方法を以下のように証明する。
規格化されたカメラPSFを考えた場合に、下記数28の関係を仮定することができる。
Figure 2006195856
数28を利用することにより、行列
Figure 2006195856
に対する数18の分子は、下記数29となる。
Figure 2006195856
上記数29の右辺は無限大に発散してしまうが、条件数は数18に示されるように最小固有値と最大固有値の比であるので、条件数は収束する。
数18、数19及び数29より、下記数30が得られる。
Figure 2006195856
上記数30を簡単にすることにより、数22が得られる。
なお、δの変域は−1/2から1/2であり、δが重ならず無限あると考えた場合に、数23を数24の積分の形式に変形することができる。
超解像の条件数算出方法を利用して、超解像の基本方程式に対する条件数を算出するために、必要なパラメータは、次の3つのパラメータである。
つまり、「パラメータ1」として連続PSFb(x)を、「パラメータ2」として高解像度画像の低解像度画像に対する倍率Mを、「パラメータ3」として低解像度画像の大きさをそれぞれ用いる。
「パラメータ1」及び「パラメータ2」が必要な理由は、条件数算出方法より明らかである。「パラメータ3」に関しては、PSFの平均パワースペクトラムを計算するために、必要である。
つまり、超解像の条件数算出方法は、任意のPSFに対して、任意の倍率での条件数を算出することを可能にする。得られた条件数は、PSF近似に対する重要な指標となる。従って、条件数を比較し、条件数のより小さなPSF近似を利用することにより、高解像度画像を安定に推定することができる。また、同一のPSF近似で倍率を変化させた場合も、条件数を比較することにより、高解像度画像を安定に推定することができる最適な倍率を設定することができ、更に、倍率の限界を示すことも可能にする。
次に、数13で表す超解像の基本方程式をML法で解く場合を考える。この場合に、PSFの平均パワースペクトラム
Figure 2006195856
がML法の評価関数の勾配とどのような関係があるかを明らかにする。つまり、ML法における勾配とPSFのパワースペクトルとの関係を勾配制限として示す。
数13で表す超解像の基本方程式に関するML法の評価関数を下記数31のように定義する。
Figure 2006195856
ここで、評価関数が発散するのを防ぐために、Kによる規格化を行っている。評価関数の高解像度画像
Figure 2006195856
に関する微分は、下記数32となる。
Figure 2006195856
ここで、下記数33が成立する。
Figure 2006195856
行列
Figure 2006195856
の逆行列が存在しないことも考えられる。しかしながら、行列
Figure 2006195856
はδまたは倍率Mの関数と考えられ、極限値の意味で逆行列が存在すると考えることができる。
数32の両辺にフーリエ変換に相当する回転行列
Figure 2006195856
をかけることにより、評価関数の微分の空間周波数成分を下記数34及び数35のように表すことができる。
Figure 2006195856
Figure 2006195856
ここで、
Figure 2006195856
のi番目の要素は
Figure 2006195856
の最大値である。数35の不等式は、PSFの平均パワースペクトラム
Figure 2006195856
によって、評価関数の微分の空間周波数成分が抑え込まれるということを表している。
つまり、PSFの平均パワースペクトラムのある空間周波数成分が非常に小さければ、対応する評価関数の微分の空間周波数成分も小さくなる。評価関数の微分の空間周波数成分が小さいということは、高解像度画像のその空間周波数成分がほとんど更新されないということを示している。このような制限を「勾配制限」と呼ぶことにする。
特に、PSFの平均パワースペクトラムが0であれば、その空間周波数成分において高解像度画像が全く更新されないことを意味する。ここで、PSFの平均パワースペクトラムが0である空間周波数を「特異な空間周波数」と呼ぶことにする。
以上では、一般的なPSFに関して理論的な解析を行った。以下では、具体的にBox型PSF及びGaussian型PSFを取り上げ、それぞれの条件数及び平均パワースペクトラムを算出し、解析を行う。なお、上述した一般的なPSFに関する理論解析は、1次元(超解像処理が扱う低解像度画像は1次元画像である)での解析であったが、以下では2次元(超解像処理が扱う低解像度画像は2次元画像)の場合の結果を示す。
まず、Box型PSF及びGaussian型PSF(σ=0.3)に関して、倍率Mを変化させながら、条件数を算出した。図2にその条件数の逆数を対数軸で表したときの結果を示す。条件数の逆数とは、その値が大きいほど超解像処理の基本方程式の解が安定に推定されていることを意味し、特に条件数の逆数の値がゼロの場合はその基本方程式が特異な問題であることを表す。
なお、図2において、低解像度画像のサイズを23×23とし、数24の積分計算には数値積分を利用した。また、Gaussian型PSFのσは、倍率M=1のときに、条件数がBox型PSFの条件数と等しくなるようにσ=0.3とした。
図2から分かるように、Box型PSFの場合、2以上の整数倍率において条件数の逆数がゼロとなっていることが特徴的である。これは、Box型PSFを仮定した場合に、2以上の整数倍率は特異な問題となっていることを示しており、非特許文献11及び非特許文献12に記載されるように、ベイカ(Baker)ら及びリン(Lin)らの従来研究と一致している。さらに、Box型PSFの条件数の逆数の大まかな形状もLinらの定量的な解析と一致する(非特許文献12参照)。
本発明では、上述した超解像の条件数算出方法により、Box型PSFのみならず、任意の空間一定なPSFの条件数を算出できるため、例えば、Gaussian型PSFに関しても同様に条件数を算出することができる。
図2から分かるように、例えば、倍率が1から2.24の範囲では、Gaussian型PSFの条件数の逆数がBox型PSFの条件数の逆数を上回っているため、この範囲の倍率に対してはGaussian型PSFを利用するほうが適切であることが一目瞭然である。それ以外の倍率に関しても、条件数の逆数を比較することにより、どちらのPSF近似を利用するのが適切であるかを判断することが可能である。
つまり、超解像処理において、PSFの設計に関して、同じ倍率の場合では、条件数の逆数が大きいほうのPSFを用いることにより、より安定に高解像度画像を推定できる。
次に、超解像処理において、倍率Mの設計について説明する。まず、Box型PSFの場合について考える。図2から分かるように、例えば、倍率Mが2.80から3.44の範囲では、M=3.44の条件数の逆数が最も大きい。従って、Box型PSFを仮定した下で、2.80から3.44までの範囲の倍率Mが必要な場合は、3.44倍の倍率でまず、超解像処理をして、そして必要な倍率に縮小するほうが効果的であることが分かる。
次に、Gaussian型PSFの場合について考える。図2から分かるように、条件数の逆数は、倍率に関して単調に減少している。従って、Gaussian型PSFを用いた場合に、できるだけ小さい倍率を利用するほうが効果的であることが分かる。
勾配制限は、PSFの平均パワースペクトラムが小さければ、ML法の評価関数の空間周波数成分も小さいということを示している。つまり、ML法の評価関数の勾配は、PSFの平均パワースペクトラムにより制限される。具体的に、Box型PSF及びGaussian型PSFに関して、倍率M=2.0,2.5,3.0の場合の平均パワースペクトラムを計算した。その結果を図3に示す。
図3より、倍率によらずGaussian型PSFの平均パワースペクトラムは、空間周波数に対して単調に減少しているのが確認される。その一方で、Box型PSFの平均パワースペクトラムは特定の空間周波数において、非常に小さな値となっている。特に、倍率がM=2.0,3.0では、黒で示されている空間周波数の平均パワースペクトラムは0であり、特異な空間周波数となっている。特異な空間周波数はM=2.0の場合、0.5[HRIpixel−1]であり、M=3.0の場合、0.333[HRIpixel−1]である。勾配制限により、高解像度画像を更新する際に、この特異な空間周波数成分は、全く更新されないことが予想される。
次に、本発明における超解像の条件数算出方法及び勾配制限の有効性を確認するために、合成画像を用いて、実際に超解像処理を行った。
まず、図4に示す画像を真の高解像度画像として用意した。この画像に対して、Box型PSFを仮定し、256枚の低解像度画像を作成した。このとき、低解像度画像の大きさを23×23、平行移動の間隔は低解像度画像の画素間隔の1/16刻みとしている。位置あわせは正確であると仮定している。
次に、勾配制限の効果が顕著に現れるように、図5に示す3種類の初期画像を用意した。図5に示される3種類の初期画像は、図3(A)のBox型PSFの平均パワースペクトラムが最小値となる空間周波数成分のみを、それぞれ有している。
そして、Box型PSFとGaussian型PSF(σ=0.3)を仮定して、ML法による超解像処理を行った。このとき、繰返し数は200回として、倍率はM=2.0,2.5および3.0の3種類に対して超解像処理を行った。超解像処理結果を図6に示す。
まず、Box型PSF(M=2.5)とGaussian型PSF(M=2.0)の条件数の逆数に注目すると、それぞれ1.15×10−2、2.40×10−2である。これらの条件数の逆数は、比較的大きな値を示している。対応する超解像処理結果も、他の条件と比較した場合,初期画像によらずノイズが小さく良好な結果を示している。超解像の条件数算出方法から導かれる条件数の逆数からも、実験結果からも、Box型PSF(M=2.5)とGaussian型PSF(M=2.0)の2つのPSF条件が、他のPSF条件よりも安定であるという一致した結果が得られた。
本発明の超解像の条件数算出方法により算出される条件数も、非特許文献11及び非特許文献12に記載された従来の研究においても、Box型PSFの場合、倍率が2以上の整数では特異な問題となるため、解が安定に得られないということが示されている。
しかしながら、M=2.0とM=3.0のBox型PSFに対する超解像結果は、図6に示されるように、幾つかの初期画像に対しては、ノイズがなく良好な結果となっている。このような初期画像に対する依存性は、従来の研究では説明することができない。
一方、本発明の勾配制限の関係を利用することにより、この初期画像に対する依存性を簡単に説明することが可能である。例として、Box型PSF(M=3.0)の場合を考える。ノイズの多い結果を与えている図5(C)の初期画像は、(0.333,0.333)の空間周波数成分のみをもつ画像である。
また、図3(A)に示すように、Box型PSF(M=3.0)の平均パワースペクトラムは、(0.333,0.333)において0であり、この空間周波数は特異な空間周波数であることが確認できる。従って、初期画像がもつ特異な空間周波数成分は、ML法では更新されることなく、超解像処理結果に現われてしまう。これが超解像処理結果のノイズである。その一方で、図5(A)及び図5(B)の初期画像が有している空間周波数成分に関するBox型PSF(M=3.0)の平均パワースペクトラムは、0ではない。従って、初期画像は更新され、また、超解像処理の結果にも初期画像の成分は現われず、良好な結果を示す。
次に、Gaussian型PSFに注目する。Gaussian型PSFの平均パワースペクトラムは、空間周波数に対して単調に減少する。本発明では、高解像度画像の画素間隔を1と仮定しているので、空間周波数の最大値は0.5である。従って、Gaussian型PSFの平均パワースペクトラムは、空間周波数が(0.5,0.5)において最小となる。
以上のことから、空間周波数(0.5,0.5)の成分のみを有する図5(A)の初期画像に対する超解像処理結果が、最も悪いことが予想される。図6の結果も、この予想と一致している。特に、図5(A)の初期画像に対する超解像処理結果を、倍率を変化させながら比較すると、倍率を大きくするに従って、ノイズの大きくなっていることが確認される。この結果も、Gaussian型PSFの条件数の逆数が倍率に対して単調減少するという理論解析の結果と一致している。
以上のように、本発明では、超解像の条件数算出方法を導出し、また証明を行った。超解像の条件数算出方法によれば、任意のPSFに対して、任意の倍率における条件数を算出することができる。つまり、本発明の超解像の条件数算出方法によれば、倍率MとPSFが与えられた場合に、超解像の条件数を算出できる。従って、条件数を比較することにより、超解像処理のパラメータであるPSF及び倍率Mを最適に設計することができる。
また、本発明では、具体的な超解像処理方法としてML法を用いた場合、その評価関数の勾配に関する勾配制限についても検討した。さらに、本発明では、超解像の条件数算出方法及び勾配制限の有効性を、合成画像を利用して行った超解像処理により確認した。
超解像処理において、高解像度画像、低解像度画像及びPSFに関してそれぞれ連続と離散との関係を説明するための模式図である。 本発明におけるBox型PSF、Gaussian型PSFをそれぞれ仮定した場合の倍率Mと条件数の逆数との関係を示す図である。 本発明におけるBox型PSF、Gaussian型PSFをそれぞれ仮定した下で異なる倍率のPSFの平均パワースペクトラムを示す図である。 本発明を適用した超解像処理において、用いられた真の高解像度画像を示す図である。 本発明を適用した超解像処理において、用いられた3種類の初期画像を示す図である。 本発明を適用した超解像処理の処理結果を示す図である。

Claims (6)

  1. 位置ずれを含む複数の低解像度画像から一つの高解像度画像を推定する超解像処理に必要なパラメータを設計するための超解像処理のパラメータ設計方法であって、
    前記パラメータは、前記高解像度画像の前記低解像度画像に対する倍率、及びカメラモデルから得られるPSF関数であり、
    前記超解像処理の基本方程式の解を求める際の安定性を表す定量的指標に基いて、前記高解像度画像を安定に推定できる最適化パラメータを決定することを特徴とする超解像処理のパラメータ設計方法。
  2. 前記基本方程式は、次の式で表される線形連立方程式であり、
    Figure 2006195856
    ただし、
    Figure 2006195856
    は前記複数の低解像度画像の全ての画素値を表すベクトルで、
    Figure 2006195856
    は推定すべき前記高解像度画像の画素値を表すベクトルで、
    Figure 2006195856
    は前記PSF関数及び前記倍率から導かれるシステム行列を表し、
    (A1)前記位置ずれは平行移動であり、
    (A2)前記PSF関数は空間不変であり、
    (A3)前記高解像度画像の画素値は同一画素内で一定であり、
    (A4)前記低解像度画像は位置の重なりがなく、無限に取得できるといった4つの条件を前提に、前記定量的指標を算出する請求項1に記載の超解像処理のパラメータ設計方法。
  3. 前記定量的指標として、前記基本方程式の条件数を用いる請求項2に記載の超解像処理のパラメータ設計方法。
  4. 前記条件数cond(B)は、次の式により算出され、
    Figure 2006195856
    ただし、
    Figure 2006195856
    が成立し、また、
    Figure 2006195856
    が成立し、
    Figure 2006195856

    Figure 2006195856
    の離散フーリエ変換であり、b(x,y)は高解像度画像空間における連続のPSF関数を表す請求項3に記載の超解像処理のパラメータ設計方法。
  5. 所定のPSF関数に対して、異なる倍率における条件数をそれぞれ算出し、算出された条件数の中で、最小値となる条件数に対応する倍率を、前記超解像処理に前記所定のPSF関数が用いられた場合の最適な倍率にする請求項4に記載の超解像処理のパラメータ設計方法。
  6. 所定の倍率に対して、異なるPSF関数における条件数をそれぞれ算出し、算出された条件数の中で、最小値となる条件数に対応するPSF関数を、前記超解像処理に前記所定の倍率が指定された場合の最適化PSF関数にする請求項4に記載の超解像処理のパラメータ設計方法。
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