JP2006189116A - Oil seal - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、高速両回転用に用いられ、シールリップの大気側径斜面に螺条が設けられたオイルシールに関する。 The present invention relates to an oil seal that is used for both high-speed rotations and that has a thread on the atmospheric-side slope of a seal lip.
従来、例えば図5に示すオイルシール101が知られている。このオイルシール101は、軸孔に嵌着される断面略L字状の環状部材102と、環状部材102に基部が接着しリップ部103が軸孔に挿通される図示しない回転軸の外周面に密封的に摺接するゴム状弾性体からなるシールリップ104と、リップ部103の外周側に設けられ軸方向の緊迫力を与えるガータスプリング105とを備え、密封対象側Aの油等の封入流体が回転軸の外周面から大気側Bに漏洩するのを防止するものである。
Conventionally, for example, an
このオイルシール101の密封性を向上させるために、リップ部103の大気側傾斜面103aに、正回転時および逆回転時における回転方向に対し特定の傾斜角を有し、先端がリップ部103のリップエッジ106に達する螺条107を設けることが行われている。大気側傾斜面103aに螺条107が設けられることで、軸回転時における回転方向αに対して設けられた螺条107Aにより、回転軸外周面との摺接部位108であるリップエッジ106およびその近傍に向けて空気が供給されるとともに、大気側Bに流出しようとする流体が密封対象側Aに押し戻されるポンプ機能が奏される。
In order to improve the sealing performance of the
しかし、高速回転領域では、回転方向αに対し反対回転時にポンプ機能を有するように設けられた螺条107Bからの油の飛沫を充分回収できず、油滴状に飛散した状態の漏れが認められる。螺条107の先端がリップエッジ106まで延出しているので、図6乃至8に示す通り、リップ部103が回転軸外周面に摺接するとき、リップ部103の摺接部位108だけでなく螺条107の先端も回転軸外周面に摺接することになり、螺条107の根元に微小隙間109が発生するためである。すなわち、高速回転領域では、回転方向αに対し反対回転時にポンプ機能を有するように設けられた螺条107Bの根元に発生する微小隙間109が油の流路となり、該微小隙間109を通過して破線矢印β方向に飛散した微量な油を充分回収できないという問題点があった。
However, in the high-speed rotation region, the oil splash from the
また、下記特許文献には、リップ部の大気側傾斜面に設けられた螺条の一部について、先端をリップエッジまで達しない位置にすることで、摩耗が進行した段階においても適正な密封性を確保することが提案されているが、正回転時および逆回転時における回転方向に対し特定の傾斜角を有する螺条が設けられたオイルシールについて、回転方向に対し反対回転時にポンプ機能を有するように設けられた螺条からの油漏れについての対策は、何ら開示されていなかった。 In addition, in the following patent document, a part of the screw provided on the inclined surface on the atmosphere side of the lip part is placed at a position where the tip does not reach the lip edge, so that proper sealing performance can be obtained even at the stage where wear has progressed. The oil seal provided with a thread having a specific inclination angle with respect to the rotation direction at the time of forward rotation and reverse rotation has a pump function at the time of rotation opposite to the rotation direction. No countermeasures have been disclosed for oil leakage from the provided thread.
本発明は以上の点に鑑みて、回転軸が両方向に回転する環状空間に配置されリップ部の大気側傾斜面に螺条がもうけられているオイルシールであって、高速回転領域において、回転方向に対し反対回転時にポンプ機能を有するように設けられた螺条からの油漏れが発生しないで、しかも螺条による密封性が確保されたオイルシールを提供することを目的とする。 In view of the above, the present invention is an oil seal in which a rotating shaft is disposed in an annular space that rotates in both directions, and a thread is provided on the inclined surface on the atmosphere side of the lip portion. On the other hand, an object of the present invention is to provide an oil seal that does not cause oil leakage from a screw provided so as to have a pump function when rotating in the opposite direction, and that ensures sealing performance by the screw.
上記目的を達成するため、本発明の請求項1に係るオイルシールは、シールリップのリップ部の大気側傾斜面に両回転用の螺条が設けられ、一の部材と前記リップ部の摺接部位で摺接するオイルシールにおいて、前記螺条の先端と前記リップ部のリップエッジとの間に間隙が形成され、摩耗初期に前記摺接部位が全周に亙って前記一の部材と摺接したとき、前記螺条は前記一の部材に非接触状態で設けられていることを特徴とするものである。 In order to achieve the above object, the oil seal according to claim 1 of the present invention is provided with a screw thread for both rotations on the inclined surface on the atmosphere side of the lip portion of the seal lip, and the sliding contact between the one member and the lip portion. In the oil seal that is in sliding contact with the part, a gap is formed between the tip of the thread and the lip edge of the lip portion, and the sliding contact part is in sliding contact with the one member over the entire circumference at the initial stage of wear. Then, the screw is provided in a non-contact state on the one member.
本発明は、以下の効果を奏する。 The present invention has the following effects.
すなわち、上記構成を備えた本発明のオイルシールにおいては、螺条の先端とリップエッジとの間に間隙が設けられていて、摩耗初期時にリップ部の摺接部位が一の部材に摺接してもシールリップのリップ部の大気側傾斜面に設けられている螺条は、非接触状態であるので、回転方向に対して反対回転時に螺子機能を奏することを目的に設けられている螺条の根元が一の部材と摺接することにより生じる油の流路となる微小隙間が形成されず油漏れの発生を防止することができる。しかも、螺条は、一の部材に非接触状態であるが螺子効果を奏するように設けられているので、回転方向に対して螺子機能を奏することを目的に設けられている螺条は、一の部材に摺接しないが摺接部位に向けて空気を供給するとともに大気側に流出しようとする油を押し戻すポンプ効果を発揮し、密封性を確保することができる。 That is, in the oil seal of the present invention having the above-described configuration, a gap is provided between the tip of the thread and the lip edge, and the sliding contact portion of the lip portion is slidably contacted with one member at the initial stage of wear. Since the screw provided on the inclined surface on the atmosphere side of the lip portion of the seal lip is in a non-contact state, the screw provided for the purpose of performing a screw function when rotating in the opposite direction with respect to the rotation direction. A minute gap serving as a flow path of oil generated by sliding the base in contact with one member is not formed, and oil leakage can be prevented. In addition, since the screw is provided in a non-contact state with one member but exhibits a screw effect, the screw provided for the purpose of performing a screw function in the rotational direction is Although it does not slidably contact the member, air is supplied toward the slidable contact portion, and the pumping effect of pushing back the oil that is about to flow out to the atmosphere side is exhibited, and the sealing performance can be ensured.
以下に図面を参照して、この発明の好適な実施の形態を例示して説明する。ただし、この発明の範囲は、特に限定的記載がないかぎりは、この実施の形態に記載されている内容に限定する趣旨のものではない。 Preferred embodiments of the present invention will be described below with reference to the drawings. However, the scope of the present invention is not intended to be limited to the contents described in this embodiment unless otherwise specified.
図1及び図2は、本発明の実施例に係るオイルシールを示す半断面図であり、図3及び図4は、オイルシールが回転軸に接している状態を示す説明図であり、以下のように構成されている。 1 and 2 are half sectional views showing an oil seal according to an embodiment of the present invention, and FIGS. 3 and 4 are explanatory views showing a state in which the oil seal is in contact with a rotating shaft. It is configured as follows.
このオイルシール1は、図1に示す通り、環状部材2と、シールリップ3と、ガータスプリング4と、を備えている。
As shown in FIG. 1, the oil seal 1 includes an
環状部材2は、他の部材であるハウジングに嵌合している円筒部21と、円筒部21の大気側Bの端部から内周方向に延びるフランジ部22とからなる。
The
シールリップ3は、ゴム状の弾性体であって、環状部材2のフランジ部22の内周側端部を被覆するように加硫接着している固定密封部31と、固定密封部31と一体に成形加硫され主に大気側Bより内部に侵入しようとする異物をシールする大気側Bに延びるダストシールリップ32及び密封流体である油が大気側Bに流出しようとするのをシールする密封対象側Aに延びるオイルシールリップ5とからなり、オイルシールリップ5のリップ部51の外周側には、径方向の変動に対してオイルシールリップ5が追随できるように緊迫力を与えるガータスプリング4を装着するための凹部52が形成されている。
The
リップ部51の大気側B傾斜面51aには、螺条6が設けられている。螺条6は傾斜面51aに対して凸状をなし、一の部材である回転軸の正回転時における回転方向(図1における矢印α)に対し密封対象流体である油を密封対象側Aへ押し戻す角度をなすような特定の傾斜角を有する正回転用螺条6Aと、逆回転時における回転方向(図1における矢印αと反対方向)に対し密封対象流体である油を密封対象側Aへ押し戻す角度をなすような特定の傾斜角を有する逆回転用螺条6Bがそれぞれ複数本づつ群となって、交互に設けられている。
A
螺条6は、図2に示す通り、正回転用螺条6A及び逆回転用螺条6B共に、大気側Bよりリップエッジ53に向けて延びるように設けられているが、先端61はリップエッジ53には延出していないで大気側Aへ後退した位置に止まっていて、螺条6の先端61とリップエッジ53との間には間隙54が設けられている。リップエッジ6の先端61の位置は、摩耗初期の段階において、リップ部51のリップエッジ53及びその近傍の大気側径斜面51aが回転軸7に全周に亙って摺接することにより形成される摺接部位55には達していないが、摺接部位55の大気側Bの端部56に近く、螺条6としての機能を奏することができる範囲内に設けられている。
As shown in FIG. 2, the
即ち、図3及び図4に示す通り、螺条6の先端61は、リップ部51の摺接部位55が全周に亙って回転軸7と摺接したときでも回転軸7の周面71には非接触状態で、回転軸7の周面71との間に僅かな高さ間隙57が形成されている。しかし、該高さ間隙57は、螺状6の機能である回転軸7の回転に伴う摺接部位55に向けて空気を供給し、大気側Bに流出しようとする油が密封対象側に押し戻される螺子効果を奏することができる範囲に設定されている。
That is, as shown in FIGS. 3 and 4, the
したがって、オイルシールリップ5のリップ部51の大気側傾斜面51aに設けられている螺条6は、摩耗初期時のリップ部51の摺接部位55が回転軸7に全周に亙って摺接しても非接触なので、回転軸7の外周面71との間に油の流路となる微小隙間が形成されない。しかも、非接触状態であるが螺子効果を奏する位置に設けられているので、摺接部位55に向けて空気が供給されるとともに大気側Bに流出しようとする油が押し戻されるポンプ効果を発揮し、密封性を確保することが可能となる。
Therefore, the
なお、螺状の長さ、設定角度等は、スパイラル効果が発揮される範囲で適宜設定されるものとし、また、正回転時に螺子効果を奏するように形成された正回転用螺条と逆回転用螺条とが異なる設定であってもよい。 The length of the screw, the set angle, and the like are set as appropriate within the range in which the spiral effect is exhibited, and reversely rotated with the forward rotation screw formed so as to exhibit the screw effect during forward rotation. The setting may be different from the thread for use.
更に、螺条6は摩耗初期に回転軸7と非接触状態であればよく、摺接部位55の摩耗に伴い摺接するように高さ間隙57を設定しても良い。摩耗初期段階での螺条6が回転軸7に摺接することによるリップエッジ53の周方向ラインの乱れを防止し、油漏れが生じ易くなるのを防止すると共に、摺接部位55の摩耗の進行に伴い螺条6を回転軸7に摺接させることで、リップエッジ53の周方向ラインの乱れを最小限に抑えることが可能となる。
Furthermore, the
1 オイルシール
2 環状部材
21 円筒部
22 フランジ部
3 シールリップ
31 固定密封部
32 ダストシールリップ
4 ガータスプリング
5 オイルシールリップ
51 リップ部
51a 傾斜面
52 凹部
53 リップエッジ
54,57 間隙
55 摺接部位
56 端部
6 螺条
61 先端
7 一の部材(回転軸)
71 周面
α 回転方向
A 密封対象側
B 大気側
DESCRIPTION OF SYMBOLS 1
71 Circumference α Rotation direction A Sealing target side B Atmosphere side
Claims (1)
前記螺条の先端と前記リップ部のリップエッジとの間に間隙が形成され、摩耗初期に前記摺接部位が全周に亙って前記一の部材と摺接したとき、前記螺条は前記一の部材に非接触状態で設けられていることを特徴とするオイルシール。 In the oil seal in which a screw thread for both rotations is provided on the atmosphere-side inclined surface of the lip portion of the seal lip, and in sliding contact with one member at the sliding contact portion of the lip portion,
When a gap is formed between the tip of the thread and the lip edge of the lip portion, and when the sliding contact portion is slidably contacted with the one member over the entire circumference, the thread is An oil seal provided in a non-contact state on one member.
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