JP2006185413A - 自律ストレージ装置、自律ストレージシステム、分散ストレージシステム、負荷分散プログラム及び負荷分散方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 自律ストレージ装置2は、負荷状態を検出する負荷状態検出手段261aと、その負荷状態に基づいて、複数の原コンテンツ30aの中から、他の自律ストレージ装置に移動させる原コンテンツ30aを設定する移動コンテンツ設定手段261bと、原コンテンツ30aに対するアクセスを、当該原コンテンツ30aに対応する複製コンテンツを記憶している他の自律ストレージ装置に分配するアクセス分配手段27とを備え、アクセスを分配している間に、原コンテンツ30aを他の自律ストレージ装置に移動させることを特徴とする。
【選択図】 図2
Description
また、ここで、プロセスとは、関連する複数の処理を一つの処理単位としてまとめたものをいう。このプロセス同士は一つの自律ストレージ装置の中で共存して、並行動作することができる。また、プロセスは、システムの中で一意の識別子を持ち、その識別子により他のプロセスと判別される。また、プロセスは、複数の自律ストレージ装置にまたがって動作することができる。
図11に示すように、従来の自律ストレージシステムでは、各自律ストレージ装置が負荷状態を検出し、ネットワークに接続された複数の自律ストレージ装置間で、設定した閾値を超えて過負荷となっている自律ストレージ装置を判定する(ステップS50)。そして、自律ストレージシステムは、マイグレーションを行う際の、転送元のコンテンツ、その転送先等のマイグレーションの内容(戦略)を決定する(ステップS51)。
図12に示すように、ここでは、ある自律ストレージ装置2BSから、自律ストレージ装置2BTに、コンテンツを移動するマイグレーションの内容が、ステップS51(図11参照)で決定されたものとする。
その後、自律ストレージ装置2BSは、対象コンテンツ及びインデックス情報を排他ロックする(ステップS64)。ここで、排他ロックとは、当該プロセス以外からの、その情報(インデックス情報、対象コンテンツ)に対する全ての参照、挿入、更新、削除の操作を禁止するロックのことをいう。なお、ここでは、排他ロックの状態は、コンテンツの移動先や複製先まで、引き継がれることとしている。
このインデックス情報の更新が終了した段階で、自律ストレージ装置2BSは、対象コンテンツ及びインデックス情報にかけられている全ての共有ロック及び排他ロックを解除し(ステップS67)、対象コンテンツを削除する(ステップS68)。
以上の動作によって、自律ストレージシステムが動作しているときであっても、自律ストレージ装置間でコンテンツを移動することができる。
すると、自律ストレージシステムは、図13(b)に示すように、図11及び図12で説明した手順に従って、ロック制御を行いながら、自律ストレージ装置2B2から自律ストレージ装置2B4にコンテンツC8を移動させる。
「Haruo Yokota,"Autonomous Disks for Advanced Database Applications",In Proc. of International Symposium on Database Applications in Non-Traditional Environments(DANTE'99),pages 441-448,Nov,1999.」
この問題を解決するために、アクセス負荷の集中が少ないうちに、コンテンツの移動を行うことが考えられる。しかし、この場合、コンテンツを移動する頻度が増えることになり、自律ストレージ装置(記憶装置)へのアクセスや、ネットワーク転送が増加してしまい、自律ストレージシステム全体としてのスループットが低下してしまうという問題がある。
なお、ここで用いているコンテンツは、自律ストレージ装置に記憶されるデータを番組、文書ファイル等意味的にまとめたものであってもよいし、番組、文書ファイル等のデータの一部分のみを取り出したものであってもよい。
そして、自律ストレージ装置は、負荷状態検出手段によって、当該自律ストレージ装置及び前記原コンテンツへのアクセス状況に基づいて、負荷状態を検出する。このとき、負荷状態検出手段は、ネットワークに接続されている全ての自律ストレージ装置の負荷状態検出手段と協働することで、どの自律ストレージ装置にアクセス負荷が集中しているかを認識することができる。
そして、自律ストレージ装置は、分配率設定手段によって、当該自律ストレージ装置、又は、当該自律ストレージ装置及び他の自律ストレージ装置に記憶されたコンテンツへのアクセス状況に基づいて、アクセスの分配率を設定する。
さらに、自律ストレージ装置は、アクセス分配手段において分配率設定手段で設定された分配率でアクセスの分配が開始された後に、コンテンツ移動手段によって、移動コンテンツ設定手段で設定された原コンテンツ(マイグレーション対象コンテンツ)を、他の自律ストレージ装置に移動する。これによって、自律ストレージ装置に対するアクセスが分散されることになる。
これによって、自律ストレージ装置は、キャッシュメモリにコンテンツのデータが存在する(ヒットする)コンテンツについては、そのまま当該自律ストレージ装置によりアクセスされることになる。
そして、自律ストレージシステムは、アクセス負荷が集中している自律ストレージ装置のアクセス分配手段によって、分配率設定手段で設定された分配率に応じたアクセスの分配が開始された後に、コンテンツ移動手段によって、マイグレーション対象コンテンツを他の自律ストレージ装置に移動する。これによって、自律ストレージシステムを構成している各自律ストレージ装置のアクセス負荷が分散されることになる。
また、負荷分散プログラムは、移動コンテンツ設定手段によって、負荷状態検出手段で検出された負荷状態に基づいて、複数の原コンテンツの中から、他の自律ストレージ装置に移動させる原コンテンツ(マイグレーション対象コンテンツ)を設定する。
そして、負荷分散プログラムは、分配率設定手段によって、当該自律ストレージ装置、又は、当該自律ストレージ装置及び他の自律ストレージ装置に記憶されたコンテンツへのアクセス状況に基づいて、アクセスの分配率を設定する。
さらに、負荷分散プログラムは、コンテンツ移動手段によって、アクセス分配手段でアクセスの分配が開始された後に、移動コンテンツ設定手段で設定された原コンテンツ(マイグレーション対象コンテンツ)を、他の自律ストレージ装置に移動する。これによって、自律ストレージ装置に対するアクセスが分散されることになる。
そして、負荷分散方法は、分配率設定ステップで、当該自律ストレージ装置、又は、当該自律ストレージ装置及び他の自律ストレージ装置に記憶されたコンテンツへのアクセス状況に基づいて、アクセスの分配率を設定する。
そして、負荷分散方法は、アクセス分配ステップで、マイグレーション対象コンテンツが記憶されている自律ストレージ装置へのアクセスのうち、分配率設定ステップで設定された分配率に応じたアクセスを、当該原コンテンツに対応する複製コンテンツを記憶している他の自律ストレージ装置に分配する。
続けて、負荷分散方法は、コンテンツ移動ステップで、移動コンテンツ設定ステップで設定された原コンテンツを、他の自律ストレージ装置に移動する。
そして、分散ストレージシステムは、移動コンテンツ設定手段によって、負荷状態検出手段で検出された負荷状態に基づいて、複数の原コンテンツの中から、他のストレージ装置に移動させる原コンテンツ(マイグレーション対象コンテンツ)を設定する。
さらに、分散ストレージシステムは、分配率設定手段によって、ストレージ装置に記憶された原コンテンツへのアクセス状況に基づいて、当該ストレージ装置から、原コンテンツを移動させる他のストレージ装置にアクセスを分配する分配率を設定する。
そして、分散ストレージシステムは、コンテンツ移動手段によって、アクセスの分配が開始された後に、移動コンテンツ設定手段で設定された原コンテンツを、他のストレージ装置に移動する。
なお、分散ストレージシステムは、移動コンテンツ設定手段において、負荷状態が予め定めた閾値(負荷閾値)を超過した場合にのみ、マイグレーション対象コンテンツを設定することとしてもよい。
かかる構成によれば、分散ストレージシステムは、コントローラにおいても、他のストレージ装置と同様に、コンテンツ記憶手段を備えることで、システム全体のコンテンツの記憶容量を増やしたり、より高い分散性能を実現したりすることが可能になる。
さらに、本発明によれば、負荷状態を示す値が予め定めた閾値を超過した場合にコンテンツの移動を行うため、ネットワーク転送を伴うコンテンツの移動の頻度が下がり、スループットが向上することになる。
[自律ストレージシステムの構成]
まず、図1を参照して、本発明に係る自律ストレージシステムの構成について説明する。図1は、自律ストレージシステムの構成を示す概略ブロック図である。
図1に示すように、自律ストレージシステム1は、ネットワークNに接続された複数(ここでは一例として4台)の自律ストレージ装置2(21〜24)を備えている。この自律ストレージシステム1は、各々の自律ストレージ装置2(21〜24)でコンテンツを分散して記憶し、同一のネットワークNに接続されたクライアントコンピュータ5等からコンテンツに対するアクセスである書き込み、読み出し等の要求に応答するものである。
この自律ストレージ装置2は、自身のコンテンツ記憶手段30に原コンテンツと、他の自律ストレージ装置に記憶される原コンテンツの複製である複製コンテンツとを記憶している。
ここでは、自律ストレージ装置2は、アクセス負荷が集中する前の状態として、図1の例に示すように、原コンテンツCn及び複製コンテンツC´nが記憶されているものとする。
なお、原コンテンツと複製コンテンツとが関連付けられていれば、複製コンテンツを、原コンテンツを記憶している自律ストレージ装置以外のどの自律ストレージ装置に記憶してもよい。
次に、図2を参照して、本発明に係る自律ストレージ装置の構成について説明する。図2は、自律ストレージ装置の構成を示すブロック図である。
図2に示すように、自律ストレージ装置2は、通信送受信手段10と、システム管理手段20と、コンテンツ記憶手段30と、インデックス情報記憶手段40とを備えている。
ここで、制御情報とは、自律ストレージ装置2が、他の自律ストレージ装置と協働して動作するための情報である。例えば、コンテンツを格納する(書き込む)旨を示すコンテンツ格納指示、コンテンツを配信する(読み出す)旨を示すコンテンツ配信指示、コンテンツを削除する旨を示すコンテンツ削除指示、負荷状態の通知を指示する負荷状態通知指示、コンテンツに対するロック処理やその解除を示すアクセス制御指示等、あるいはこれらの指示に対する応答等である。
さらに、ここでは、制御情報解析手段261は、負荷状態検出手段261aと、移動コンテンツ設定手段261bと、分配率設定手段261cと、アクセス制御手段261dと、キャッシュ判定手段261eとを備えている。
そこで、自律ストレージシステム1(図1)全体の負荷平均をLavg(t)としたとき、移動コンテンツ設定手段261bは、以下の(1)式のときに、時刻t+1において、マイグレーションが必要であると判断する。
LPi(t)+LBi+1(t)+LBi(t)>2×Lavg(t) …(1)式
例えば、分配率設定手段261cは、当該自律ストレージ装置2に対するアクセス負荷をW[Byte]、移動コンテンツ設定手段261bで設定されたマイグレーション対象コンテンツの移動のために要するアクセス負荷をd[Byte]としたとき、以下の(2)式に示す分配率rを他の自律ストレージ装置に分配する。
r=d/W …(2)式
図3では、値域分割によって、各自律ストレージ装置21〜24にコンテンツ(原コンテンツ)を記憶した状態を示しており、各自律ストレージ装置21〜24毎に図中左から、コンテンツ番号C、コンテンツサイズS、単位時間当たりのアクセス数A及びアクセス負荷(コンテンツサイズS×アクセス数A)を示している。
そこで、分配率設定手段261cは、自律ストレージ装置21へのアクセスの一部を、複製コンテンツを記憶している自律ストレージ装置に分配するための分配率を設定する。
具体的には、分配率設定手段261cは、当該自律ストレージ装置21に対するアクセス負荷Wが「9」、マイグレーション対象コンテンツを移動させるアクセス負荷dが「4」であるため、「d/W」である「4/9」をアクセスの分配率として設定する。これによって、自律ストレージ装置21に対するアクセス負荷が9×(1−4/9)+1.5=6.5に減り、マイグレーション対象コンテンツを移動するためのアクセス能力が確保されることになる。
r=min(1.0,d/W) …(3)式
r=(Lt+Lm)−P)/Lt …(4)式
r=min(1.0,max(0,((Lt+Lm)−P)/Lt)) …(5)式
また、分配率設定手段261cは、後記するキャッシュ判定手段261eによって、分配率に応じてキャッシュメモリ(図示せず)にヒットしなかったコンテンツから優先的に分配対象のコンテンツとして設定しても構わない。
rand()<r/(1−h) …(6)式
rand()>(r+h−1)/h …(7)式
なお、前記(6)式及び(7)式において、rand()は、擬似乱数の発生関数を示している。
これによって、分配対象のコンテンツを設定する場合に、当該自律ストレージ装置2におけるキャッシュの効果を高めることができるとともに、移動先の自律ストレージ装置におけるキャッシュヒット率の低下を防ぐことができる。また、分配率のみを設定する場合には、移動元の自律ストレージ装置において、アクセス対象のコンテンツを特定する必要がなくなる。
図2に戻って、自律ストレージ装置2の構成について説明を続ける。
これによって、アクセス分配手段27は、分配対象となった原コンテンツ30aに対する動作を、他の自律ストレージ装置において、複製コンテンツに対する動作として処理することが可能になる。
なお、分配率設定手段261cにおいて、キャッシュ判定手段261eの判定結果によって分配率を設定した場合、アクセス分配手段27は、その分配率に基づいてキャッシュメモリに存在しなかったコンテンツから優先的に他の自律ストレージ装置に分配することになる。
このとき、自律ストレージ装置2は、当該自律ストレージ装置2に記憶されている原コンテンツに対するアクセスの一部を、他の自律ストレージ装置に記憶されている複製コンテンツに分散をするため、コンテンツを移動するための、当該自律ストレージ装置のアクセス能力及びネットワークNの帯域が確保されることになる。これによって、システム全体のスループットの低下を防止することができる。
なお、コントローラ3は、コンテンツ記憶手段301を省略した構成としてもよい。
次に、図4を参照(適宜図1及び図2参照)して、自律ストレージシステムの動作について説明する。ここでは、本発明に係る自律ストレージシステムにおいて、自律ストレージ装置が、他の自律ストレージ装置と協働して、アクセス負荷を分散する動作について説明する。図4は、本発明に係る自律ストレージシステムにおける負荷分散動作を示すフローチャートである。
〔負荷状態検出ステップ〕
まず、自律ストレージシステム1は、各自律ストレージ装置2(21〜24)におけるコンテンツ管理手段26の負荷状態検出手段261aによって、例えば、単位時間あたりのコンテンツへのアクセス数から、自律ストレージ装置2における負荷状態を検出し、予め定めた閾値に基づいて、自律ストレージ装置2の負荷状態が過負荷であるかどうかを判定する(ステップS1)。
ここで、負荷状態が過負荷でない場合(ステップS1で「負荷≦閾値」)は、ステップS1を継続して動作する。一方、負荷状態が過負荷である場合(ステップS1で「負荷>閾値」)は、ステップS2に進む。
一方、マイグレーションが必要であると判定された場合(ステップS2で「Yes」)、自律ストレージ装置2は、移動コンテンツ設定手段261bによって、ステップS1で検出された負荷状態に基づいて、複数の原コンテンツ30aの中から、他の自律ストレージ装置に移動させるコンテンツ(マイグレーション対象コンテンツ)を設定(決定)する(ステップS4)。
〔分配率設定ステップ〕
そして、自律ストレージ装置2は、分配率設定手段261cによって、当該自律ストレージ装置、又は、当該自律ストレージ装置及び他の自律ストレージ装置に記憶されたコンテンツへのアクセス状況に基づいて、アクセスの分配率を設定する(ステップS5)。
そして、自律ストレージ装置2は、アクセス分配手段27によって、ステップS3で設定した分配率に基づいて、マイグレーション対象コンテンツ(原コンテンツ30a)に対する制御情報を、原コンテンツ30aに対応する複製コンテンツを記憶している他の自律ストレージ装置へ分配する動作(アクセス分配)を開始する(ステップS6)。
続けて、自律ストレージ装置2は、コンテンツ移動手段262によって、マイグレーション対象コンテンツ(原コンテンツ30a)を他の自律ストレージ装置に移動するマイグレーション処理を実行する(ステップS7)。なお、このマイグレーション処理の動作については、後で詳細に説明を行うことにする。
そして、自律ストレージ装置2は、コンテンツ移動手段262によって、さらに、マイグレーション対象コンテンツが存在するかどうかを判定し(ステップS8)、存在する場合(ステップS8で「有り」)、ステップS7に戻って動作を続ける。
なお、一つのマイグレーション動作が終了した時点で、分配率の見直しを行うこととしてもよい。
一方、マイグレーション対象コンテンツが存在しない場合(ステップS8で「無し」)、自律ストレージ装置2は、アクセス分配手段27による、他の自律ストレージ装置へのアクセス分配を終了する(ステップS9)。
以上の動作によって、自律ストレージシステム1は、アクセスが集中している自律ストレージ装置へのアクセス負荷を、他の自律ストレージ装置に分散させることができる。
次に、図5を参照(適宜図1及び図2参照)して、図4のステップS7の動作であるマイグレーション処理の動作について、詳細に説明する。図5は、図4におけるマイグレーション処理の詳細な動作を示すフローチャートである。なお、ここでは、図1において、自律ストレージ装置22にアクセス負荷が集中し、マイグレーション対象コンテンツを自律ストレージ装置24に移動させる決定(設定)がなされているものとする。
まず、自律ストレージ装置22は、移動コンテンツ設定手段261bによって、マイグレーション対象の原コンテンツ30aをファイル名等で特定していくとともに、アクセス制御手段261dによって、対象のコンテンツを特定するための部分情報(インデックス情報)に順次共有ロックをかけていく(ステップS10)。ここで、共有ロックとは、インデックス情報、コンテンツ等の情報に対してロック処理を実行しているプロセス(ここでは、マイグレーションのプロセス)以外からの、当該情報に対する参照(読み出し処理)は許可するが、挿入、更新、削除等(書き込み処理)の操作は禁止するロックのことをいう。なお、ここでは、共有ロックの状態は、コンテンツの移動先や複製先まで引き継がれることとしている。また、ここで、プロセスとは、関連する複数の処理を一つの処理単位としてまとめたものをいう。このプロセス同士は一つの自律ストレージ装置の中で共存して、並行動作することができる。また、プロセスは、システムの中で一意の識別子を持ち、その識別子により他のプロセスと判別される。また、プロセスは、複数の自律ストレージ装置にまたがって動作することができる。
さらに、自律ストレージ装置22は、アクセス制御手段261dによって、マイグレーション対象の原コンテンツ30aを共有ロックする(ステップS11)。
そして、自律ストレージ装置22は、コンテンツ移動手段262によって、マイグレーション対象の原コンテンツ30aの複製を自律ストレージ装置24に転送する(ステップS12)。このマイグレーション対象の原コンテンツ30aを受信した自律ストレージ装置24は、原コンテンツ30aの複製を自身のコンテンツ記憶手段304に、原コンテンツとして記憶する(ステップS13)。
続けて、自律ストレージ装置22は、アクセス制御手段261dによって、マイグレーション対象の原コンテンツ30a及びインデックス情報を排他ロックする(ステップS14)。ここで、排他ロックとは、当該プロセス以外からの、その情報(インデックス情報、コンテンツ)に対する全ての操作(書き込み処理及び読み出し処理)を禁止するロックのことをいう。なお、ここでは、排他ロックの状態は、コンテンツの移動先や複製先まで、引き継がれることとしている。
そして、自律ストレージ装置22は、コンテンツ管理手段26によって、インデックス情報記憶手段40に記憶されているインデックス情報(識別情報40a等)から、マイグレーション対象の原コンテンツ30aの情報を削除する(ステップS15)。一方、自律ストレージ装置24では、インデックス情報にマイグレーション対象の原コンテンツの情報を挿入する(ステップS16)。
そして、自律ストレージ装置22は、アクセス制御手段261dによって、マイグレーション対象の原コンテンツ30a及びインデックス情報に対して行った全ての共有ロック及び排他ロックを解除する(ステップS17)。
最後に、自律ストレージ装置22は、コンテンツ削除手段23によって、マイグレーション対象の原コンテンツ30aを、コンテンツ記憶手段30から削除する(ステップS18)。
以上の動作によって、マイグレーション対象の原コンテンツ30aが、自律ストレージ装置24に移動されたことになる。
次に、図6を参照して、図5で説明した自律ストレージシステムにおけるマイグレーション動作について、具体例を示して説明する。図6は、図5のマイグレーション動作を示した模式図である。ここでは、自律ストレージシステムを構成する自律ストレージ装置(21〜24)に、原コンテンツ(C1〜C16)と複製コンテンツ(C´1〜C´16)が記憶された状態を示している。
ここで、図6(a)に示すように、自律ストレージ装置22にアクセス負荷が集中し、自律ストレージシステムが、自律ストレージ装置22から自律ストレージ装置24に対して、マイグレーション対象として、原コンテンツC7及びC8を移動させることを決定したとする。
この後、自律ストレージシステムは、図6(c)に示すように、自律ストレージ装置22に記憶されているマイグレーション対象の原コンテンツC8を、自律ストレージ装置24に移動させる。
そして、原コンテンツC7が、自律ストレージ装置24に記憶された段階で、図6(e)に示すように、自律ストレージシステムは、自律ストレージ装置22に集中していたアクセスを、自律ストレージ装置24に分散し、アクセス負荷の均衡化がなされたことになる。
次に、図7を参照(適宜図1及び図2参照)して、図4のステップS7の動作であるマイグレーション処理の他の動作について、詳細に説明する。図7は、図4におけるマイグレーション処理の他の動作を示すフローチャートである。なお、ここでは、図1において、自律ストレージ装置22にアクセス負荷が集中し、マイグレーション対象コンテンツを自律ストレージ装置23に移動させる決定(設定)がなされているものとする。
まず、自律ストレージ装置22は、移動コンテンツ設定手段261bによって、マイグレーション対象の原コンテンツ30aをファイル名等で特定するとともに、アクセス制御手段261dによって、自律ストレージ装置22におけるコンテンツの管理情報であるインデックス情報を共有ロックする(ステップS20)。
そして、自律ストレージ装置22は、コンテンツ移動手段262によって、マイグレーション対象の原コンテンツ30aの複製を自律ストレージ装置23に転送する(ステップS24)。このマイグレーション対象の原コンテンツ30aを受信した自律ストレージ装置23は、原コンテンツ30aの複製を自身のコンテンツ記憶手段304に、原コンテンツとして記憶する(ステップS25)。
続けて、自律ストレージ装置22は、アクセス制御手段261dによって、マイグレーション対象の原コンテンツ30a及びインデックス情報を排他ロックする(ステップS28)。
そして、自律ストレージ装置22は、アクセス制御手段261dによって、自律ストレージ装置23に、複製コンテンツ及びインデックス情報を排他ロックする旨の制御情報を通知する。この制御情報を取得することで、自律ストレージ装置23は、複製コンテンツ及びインデックス情報を排他ロックする(ステップS29)。
そして、自律ストレージ装置22は、コンテンツ管理手段271によって、インデックス情報記憶手段40に記憶されているインデックス情報(識別情報40a等)から、原コンテンツ30aの情報を削除する(ステップS30)。
さらに、自律ストレージ装置23では、インデックス情報にマイグレーション対象の原コンテンツの情報を挿入し(ステップS31)、インデックス情報からマイグレーション対象の複製コンテンツの情報を削除する(ステップS32)。また、自律ストレージ装置24では、インデックス情報にマイグレーション対象の複製コンテンツの情報を挿入する(ステップS33)。
そして、自律ストレージ装置22は、アクセス制御手段261dによって、マイグレーション対象の原コンテンツ30a及びインデックス情報に対して行った全ての共有ロック及び排他ロックを解除する(ステップS34)。また、自律ストレージ装置23においても、全ての共有ロック及び排他ロックを解除する(ステップS35)。
最後に、自律ストレージ装置22は、コンテンツ削除手段23によって、マイグレーション対象の原コンテンツ30aを、コンテンツ記憶手段30から削除し(ステップS36)、自律ストレージ装置23においては、マイグレーション対象の複製コンテンツを削除する(ステップS37)。
以上の動作によって、マイグレーション対象の原コンテンツ30aが、自律ストレージ装置23に移動したことになる。
次に、図8を参照して、図7で説明した自律ストレージシステムにおけるマイグレーション動作について、具体例を示して説明する。図8は、図7のマイグレーション動作を示した模式図である。ここでは、自律ストレージシステムを構成する自律ストレージ装置(21〜24)に、原コンテンツ(C1〜C16)と複製コンテンツ(C´1〜C´16)が記憶された状態を示している。
ここで、図8(a)に示すように、自律ストレージ装置22にアクセス負荷が集中し、自律ストレージシステムが、自律ストレージ装置22から自律ストレージ装置23に対して、コンテンツC7及びC8を移動させることを決定したとする。
この後、自律ストレージシステムは、図8(c)に示すように、自律ストレージ装置22に記憶されているマイグレーション対象の原コンテンツC8を、自律ストレージ装置23に原コンテンツC8として移動させる。また、自律ストレージ装置23に記憶されているマイグレーション対象の原コンテンツC8に対応する複製コンテンツC´8を、自律ストレージ装置24に複製コンテンツC´8として移動させる。
なお、本動作によれば、アクセス負荷を均衡化した後であっても、論理的に隣接した自律ストレージ装置に原コンテンツに対応する複製コンテンツが記憶された、いわゆるチェインドクラスタリングの構造が崩れないため、耐故障性が維持される。
次に、図9を参照(適宜図1及び図2参照)して、図4のステップS5の動作であるマイグレーション処理の他の動作について、詳細に説明する。図9は、図4におけるマイグレーション処理の他の動作を示すフローチャートである。なお、ここでは、図1において、自律ストレージ装置22にアクセスが集中し、マイグレーション対象コンテンツを自律ストレージ装置23に移動させる決定(設定)がなされているものとする。
図9において、ステップS20からステップS23までの動作〔書き込み禁止ステップ〕は、図7で説明した動作と同一であるので説明を省略する。
そして、ステップS23の後、自律ストレージ装置22は、コンテンツ移動手段262によって、マイグレーション対象の原コンテンツ30aの複製を自律ストレージ装置24に転送する(ステップS24B)。このマイグレーション対象の原コンテンツ30aを受信した自律ストレージ装置24は、原コンテンツ30aの複製を自身のコンテンツ記憶手段304に、複製コンテンツとして記憶する(ステップS27B)。
続けて、自律ストレージ装置22は、アクセス制御手段261dによって、マイグレーション対象の原コンテンツ30a及びインデックス情報を排他ロックする(ステップS28)。
そして、自律ストレージ装置22は、アクセス制御手段261dによって、自律ストレージ装置23に、複製コンテンツ及びインデックス情報を排他ロックする旨の制御情報を通知する。この制御情報を取得することで、自律ストレージ装置23は、複製コンテンツ及びインデックス情報を排他ロックする(ステップS29)。
そして、自律ストレージ装置23は、複製コンテンツを原コンテンツの領域に移動させる(ステップS29B)。
これ以降の動作〔禁止解除ステップ、コンテンツ削除ステップ〕については、図7で説明したステップS30からステップS36までの動作と同一であるので説明を省略する。
以上の動作によって、マイグレーション対象の原コンテンツ30aが、自律ストレージ装置23に移動したことになる。
次に、図10を参照して、図9で説明した自律ストレージシステムにおけるマイグレーション動作について、具体例を示して説明する。図10は、図9のマイグレーション動作を示した模式図である。ここでは、自律ストレージシステムを構成する自律ストレージ装置(21〜24)に、原コンテンツ(C1〜C16)と複製コンテンツ(C´1〜C´16)が記憶された状態を示している。
なお、図10(a)及び(b)は、図8(a)及び(b)と同一の動作を示しているため、説明を省略する。
なお、本動作によれば、アクセス負荷を均衡化した後であっても、論理的に隣接した自律ストレージ装置に原コンテンツに対応する複製コンテンツが記憶された、いわゆるチェインドクラスタリングの構造が崩れないため、耐故障性が維持される。さらに、本動作によれば、マイグレーション対象のコンテンツの移動を行う際に、図8で説明した動作に比べて、ネットワークを経由してコンテンツの移動を行う回数が減ることになり、システム全体としてのスループットを向上させることができる。
1B 分散ストレージシステム
2 自律ストレージ装置
3 コントローラ
4 ストレージ装置
10 通信送受信手段
20 システム管理手段
21 コンテンツ格納手段
22 コンテンツ配信手段
23 コンテンツ削除手段
24 制御情報受信手段
25 制御情報送信手段
26 コンテンツ管理手段
261 制御情報解析手段
261a 負荷状態検出手段
261b 移動コンテンツ設定手段
261c 分配率設定手段
261d アクセス制御手段
261e キャッシュ判定手段
262 コンテンツ移動手段
263 コンテンツ操作制御手段
27 アクセス分配手段
30 コンテンツ記憶手段
40 インデックス情報記憶手段
Claims (8)
- ネットワークに複数接続されて、コンテンツを原コンテンツ及び当該原コンテンツの複製である複製コンテンツとして分散して記憶する自律ストレージ装置において、
当該自律ストレージ装置に記憶される複数の原コンテンツと、前記ネットワークに接続された他の自律ストレージ装置に記憶されるコンテンツに対応する複製コンテンツとを記憶するコンテンツ記憶手段と、
当該自律ストレージ装置及び前記原コンテンツへのアクセス状況に基づいて、負荷状態を検出する負荷状態検出手段と、
この負荷状態検出手段で検出された負荷状態に基づいて、前記複数の原コンテンツの中から、他の自律ストレージ装置に移動させる原コンテンツを設定する移動コンテンツ設定手段と、
当該自律ストレージ装置、又は、当該自律ストレージ装置及び他の自律ストレージ装置に記憶されたコンテンツへのアクセス状況に基づいて、アクセスの分配率を設定する分配率設定手段と、
この分配率設定手段で設定された分配率に基づいて、当該自律ストレージ装置へのアクセスの一部を、当該自律ストレージ装置に記憶されている原コンテンツに対応する複製コンテンツを記憶している他の自律ストレージ装置に分配するアクセス分配手段と、
このアクセス分配手段において前記分配率でアクセスの分配が開始された後に、前記移動コンテンツ設定手段で設定された原コンテンツを、他の自律ストレージ装置に移動するコンテンツ移動手段と、
を備えていることを特徴とする自律ストレージ装置。 - 次にアクセスされる可能性の高いコンテンツを予め予想して一時的に記憶するキャッシュメモリと、
このキャッシュメモリに前記コンテンツのデータが存在するか否かを判定するキャッシュ判定手段とを備え、
前記アクセス分配手段が、前記分配率に基づいて前記キャッシュメモリに存在しなかったコンテンツから優先的に他の自律ストレージ装置にアクセスを分配することを特徴とする請求項1に記載の自律ストレージ装置。 - 前記移動コンテンツ設定手段は、前記負荷状態を示す値が予め定めた閾値を超過した場合に、他の自律ストレージ装置に移動させる原コンテンツを設定することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の自律ストレージ装置。
- コンテンツを原コンテンツ及び当該原コンテンツの複製である複製コンテンツとして分散して記憶する自律ストレージ装置を、ネットワークを介して複数接続した自律ストレージシステムであって、
前記自律ストレージ装置は、
当該自律ストレージ装置に記憶される複数の原コンテンツと、前記ネットワークに接続された他の自律ストレージ装置に記憶されるコンテンツに対応する複製コンテンツとを記憶するコンテンツ記憶手段と、
当該自律ストレージ装置及び前記原コンテンツへのアクセス状況に基づいて、負荷状態を検出する負荷状態検出手段と、
この負荷状態検出手段で検出された負荷状態に基づいて、前記複数の原コンテンツの中から、他の自律ストレージ装置に移動させる原コンテンツを設定する移動コンテンツ設定手段と、
当該自律ストレージ装置、又は、当該自律ストレージ装置及び他の自律ストレージ装置に記憶されたコンテンツへのアクセス状況に基づいて、アクセスの分配率を設定する分配率設定手段と、
この分配率設定手段で設定された分配率に基づいて、当該自律ストレージ装置へのアクセスの一部を、当該自律ストレージ装置に記憶されている原コンテンツに対応する複製コンテンツを記憶している他の自律ストレージ装置に分配するアクセス分配手段と、
このアクセス分配手段において前記分配率でアクセスの分配が開始された後に、前記移動コンテンツ設定手段で設定された原コンテンツを、他の自律ストレージ装置に移動するコンテンツ移動手段と、
を備えていることを特徴とする自律ストレージシステム。 - コンテンツを記憶するコンテンツ記憶手段を備え、ネットワークに複数接続されることで前記コンテンツを原コンテンツ及び複製コンテンツとして分散して記憶する自律ストレージ装置の負荷を分散させるために、コンピュータを、
当該自律ストレージ装置及び前記原コンテンツへのアクセス状況に基づいて、負荷状態を検出する負荷状態検出手段、
この負荷状態検出手段で検出された負荷状態に基づいて、前記複数の原コンテンツの中から、他の自律ストレージ装置に移動させる原コンテンツを設定する移動コンテンツ設定手段、
当該自律ストレージ装置、又は、当該自律ストレージ装置及び他の自律ストレージ装置に記憶されたコンテンツへのアクセス状況に基づいて、アクセスの分配率を設定する分配率設定手段、
この分配率設定手段で設定された分配率に基づいて、当該自律ストレージ装置へのアクセスの一部を、当該自律ストレージ装置に記憶されている原コンテンツに対応する複製コンテンツを記憶している他の自律ストレージ装置に分配するアクセス分配手段、
このアクセス分配手段において前記分配率でアクセスの分配が開始された後に、前記移動コンテンツ設定手段で設定された原コンテンツを、他の自律ストレージ装置に移動するコンテンツ移動手段、
として機能させることを特徴とする負荷分散プログラム。 - コンテンツを記憶するコンテンツ記憶手段を備えた自律ストレージ装置を、ネットワークに複数接続することで、前記コンテンツを原コンテンツ及び複製コンテンツとして分散して記憶する自律ストレージシステムにおいて、前記自律ストレージ装置間の負荷分散を行う負荷分散方法であって、
前記自律ストレージ装置及び前記原コンテンツへのアクセス状況に基づいて、負荷状態を検出する負荷状態検出ステップと、
この負荷状態検出ステップで検出された負荷状態に基づいて、前記複数の原コンテンツの中から、他の自律ストレージ装置に移動させる原コンテンツを設定する移動コンテンツ設定ステップと、
当該自律ストレージ装置、又は、当該自律ストレージ装置及び他の自律ストレージ装置に記憶されたコンテンツへのアクセス状況に基づいて、アクセスの分配率を設定する分配率設定ステップと、
この分配率設定ステップで設定された分配率に基づいて、前記自律ストレージ装置へのアクセスの一部を、当該自律ストレージ装置に記憶されている原コンテンツに対応する複製コンテンツを記憶している他の自律ストレージ装置に分配するアクセス分配ステップと、
このアクセス分配ステップにおいて前記分配率でアクセスの分配が開始された後に、前記移動コンテンツ設定ステップで設定された原コンテンツを、他の自律ストレージ装置に移動するコンテンツ移動ステップと、
を含んでいることを特徴とする負荷分散方法。 - コンテンツを原コンテンツ及び当該原コンテンツの複製である複製コンテンツとして分散して記憶する複数のストレージ装置と、当該複数のストレージ装置を制御するコントローラとを、ネットワークを介して接続した分散ストレージシステムであって、
前記コントローラは、
前記ストレージ装置のアクセス状況及び前記ストレージ装置に記憶される原コンテンツへのアクセス状況に基づいて、前記ストレージ装置における負荷状態を検出する、又は、前記ストレージ装置において検出された負荷状態を取得する負荷状態検出手段と、
この負荷状態検出手段で検出された負荷状態に基づいて、複数の前記原コンテンツの中から、他のストレージ装置に移動させる原コンテンツを設定する移動コンテンツ設定手段と、
前記ストレージ装置に記憶された原コンテンツへのアクセス状況に基づいて、当該ストレージ装置から、前記原コンテンツを移動させる他のストレージ装置にアクセスを分配する分配率を設定する分配率設定手段と、
この分配率設定手段で設定された分配率に基づいて、前記ストレージ装置へのアクセスの一部を、当該ストレージ装置に記憶されている原コンテンツに対応する複製コンテンツを記憶している他のストレージ装置に分配するアクセス分配手段と、
このアクセス分配手段において前記分配率でアクセスの分配が開始された後に、前記移動コンテンツ設定手段で設定された原コンテンツを、他のストレージ装置に移動するコンテンツ移動手段と、
を備えていることを特徴とする分散ストレージシステム。 - 前記コントローラは、前記原コンテンツと、前記ネットワークに接続された他のストレージ装置に記憶される原コンテンツに対応する複製コンテンツとを記憶するコンテンツ記憶手段を備えていることを特徴とする請求項7に記載の分散ストレージシステム。
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