JP2006169764A - 盛土用の面状材付き発泡樹脂ブロック及びそれを用いた軽量盛土構造 - Google Patents

盛土用の面状材付き発泡樹脂ブロック及びそれを用いた軽量盛土構造 Download PDF

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【課題】 容易に施工可能で、しかも面状材の破損や剥離、下端部の外方への突出を効果的に防止可能な盛土用の面状材付き発泡樹脂ブロック及びそれを用いた軽量盛土構造を提供する。
【解決手段】 盛土用の面状材付き発泡樹脂ブロック7であって、発泡樹脂ブロック7と面状材9の外形サイズを、盛土用の面状材付き発泡樹脂ブロック7を積み重ねた状態で、少なくとも上下の面状材9間に発泡樹脂ブロック7の圧縮クリープ変形を許容する隙間20が形成されるサイズに設定し、固定部21とアンカー部23とを有する固定具10を、固定部21を取付面8の上部2箇所と下部1箇所の少なくとも3箇所にそれぞれ位置付けて発泡樹脂ブロック7に設け、固定具10の固定部21に面状材9を止め具11で固定して、発泡樹脂ブロック7の取付面に面状材9を取り付けた。
【選択図】 図5

Description

本発明は、盛土用の面状付き発泡樹脂ブロック及びそれを用いた軽量盛土構造に関するものである。
傾斜地に構築された道路等を拡幅したり、傾斜地に擁壁を構築したりする場合における軽量盛土工法として、山の傾斜面を削って支持地盤を形成し、支持地盤の下端の平坦部に基礎を施工するとともに、該基礎にH型鋼等からなる支柱を適当間隔おきに立設施工し、支柱の外面側に耐候性を付与するための外壁材を固定し、外壁材と山側の傾斜面間に発泡樹脂ブロックを積み上げてなる軽量盛土工法が、土による盛土に代わって広く普及しつつある(例えば、特許文献1参照。)。
しかし、前記軽量盛土構造では、基礎に対する支柱の施工や、支柱に対する外壁材の施工などを行うため、大型重機械を使用する必要があること、広い施工ヤードが必要になる場合があること、長期にわたって道路封鎖する必要が発生すること、支柱に対して外壁材を取り付けるための取付金具が必要となって、部品点数が増えたり外壁材の取付作業が煩雑になったりすること、などの問題があった。
そこで、このような問題を解決するため、発泡樹脂ブロックの一側面に壁材を取り付けた壁材付き発泡樹脂ブロックと、壁材を取り付けていない発泡樹脂ブロックを用い、盛土の外面側には壁材側を外側にして壁材付き発泡樹脂ブロックを、また盛土の内部側には壁材を取り付けていない発泡樹脂ブロックを、それぞれ積み上げて構築してなる軽量盛土構造も提案されている(例えば、特許文献2、3参照。)。
ところが、このような軽量盛土工法においても、大型車両の走行等による経年変化により、発泡樹脂ブロックは圧縮クリープ変形するのに対して、壁材はほとんど圧縮変形しないことから、上載荷重が壁材に対して集中し、壁材が破損したり、壁材を発泡樹脂ブロックに固定するための固定具の剪断破壊により、壁材が脱落したりするという問題があった。そこで、これらの問題を解決するため、発泡樹脂ブロックの圧縮クリープ変形を考慮して、壁材の上下方向のサイズを、壁材が取り付けられる発泡樹脂ブロックの一側面における上下方向のサイズよりも小さく設定し、壁材の上下両側に発泡樹脂ブロックの圧縮クリープ変形を許容する隙間が形成されるように構成したものも提案されている(例えば、特許文献4参照。)。
一方、発泡樹脂ブロックに対する壁材の取付構造としては、例えば特許文献2記載のように、発泡樹脂ブロックにおける壁材の取付面に、左右方向に間隔をあけて上下方向に延びる支持部材を発泡樹脂ブロックの全高にわたってインサート成形等により埋設状に一体的に設け、支持部材を後部側へ行くにしたがって拡幅する横断面台形状に形成することで、前方へ脱落しないように支持部材を発泡樹脂ブロックに抜け止め固定し、この支持部材に壁材をビス等で固定したものや、特許文献3記載のように、発泡樹脂ブロックの取付面の上部に左右方向に延びる側面視下向き凹字状の支持部材を埋設状に設け、この支持部材に壁材の上部をビス等で固定したものや、特許文献4記載のように、上下の発泡樹脂ブロック間に発泡樹脂ブロックに爪部を係合させて支持材を固定し、この支持材に壁材を固定したもの、などが提案されている。
特開2004−162507公報 特開平11−140877号公報 特開平11−140875号公報 特開平10−168909号公報
本発明者は、特許文献2〜4に記載のような壁材付き発泡樹脂ブロックを用いて、軽量盛土構造を構築する場合における課題として、次のような課題があることを見出した。
(1)現場における作業を極力少なくして工期を短縮するため、壁材は予め工場等において発泡樹脂ブロックに固定するか、或いは、現場において施工する場合でも容易に施工できるように構成すること。
(2)発泡樹脂ブロックが圧縮クリープ変形しても、壁材に圧縮荷重が作用しないようにして、壁材の破損を防止できるように構成すること。
(3)発泡樹脂ブロックが圧縮クリープ変形しても、壁材を発泡樹脂ブロックに固定するための固定具が剪断破壊するなどして、壁材が剥離しないように構成すること。
(4)圧縮クリープ変形により発泡樹脂ブロックの高さ方向の途中部が膨らんでも、壁材の下端部が外方へ跳ね上がらないように構成すること。
しかし、特許文献2、3記載の発明では、壁材を発泡樹脂ブロックに対して工場等で固定できるし、現場において施工する場合でも、スクリュービス等で容易に固定できるが、支持部材が発泡樹脂ブロックの高さ方向の全長にわたって設けられ、また壁材が発泡樹脂ブロックの一側面の全面に配置されていることから、発泡樹脂ブロックの圧縮クリープ変形により、壁材及び支持部材に上載荷重が集中して、壁材や支持部材が破損したり脱落するという問題がある。また、特許文献3記載の発明では、壁材の上部を発泡樹脂ブロックに埋設した支持部材に固定しているだけなので、発泡樹脂ブロックの高さ方向の途中部が膨らんだ場合には、壁材の下端部が外方へ突出するという問題もある。
また、特許文献4記載の発明では、工場等での施工が困難であり、しかも壁材の裏面側に後方へ突出するように支持材を固定した後、支持材付きの壁材を持ち上げて、壁材が適正な位置になるように調整しながら、発泡樹脂ブロックの上側に支持材を順次セットする必要があり、不安定な姿勢で壁材を発泡樹脂ブロックに位置合わせする必要があることから、現場における壁材の施工作業が煩雑になるという問題がある。
本発明の目的は、容易に施工可能で、しかも面状材の破損や剥離、下端部の外方への突出を効果的に防止可能な盛土用の面状材付き発泡樹脂ブロック及びそれを用いた軽量盛土構造を提供することである。
本発明に係る面状材付き発泡樹脂ブロックは、外壁或いは外壁の下地となる面状材を発泡樹脂ブロックの側面に取り付けた盛土用の面状材付き発泡樹脂ブロックであって、前記発泡樹脂ブロックと面状材の外形サイズを、盛土用の面状材付き発泡樹脂ブロックを積み上げた状態で、少なくとも上下の面状材間に発泡樹脂ブロックの圧縮クリープ変形を許容する隙間が形成されるサイズに設定し、前記発泡樹脂ブロックにおける面状材の取付面に配置される固定部と、発泡樹脂ブロックに埋設され、取付面の面外方向への固定部の移動を規制するアンカー部とを有する固定具を、前記固定部を取付面の上部2箇所と下部1箇所の少なくとも3箇所にそれぞれ位置付けて発泡樹脂ブロックに設け、前記固定具の固定部に面状材を止め具で固定して、発泡樹脂ブロックの取付面に面状材を取り付けたものである。
この面状材付き発泡樹脂ブロックでは、発泡樹脂ブロックに取り付けた固定具の固定部に対してスクリュービスや釘、ボルト及びナット等の止め具を締結して面状材を固定できるので、予め工場等において発泡樹脂ブロックの取付面に面状材を固定し、これを現場へ輸送して積み上げ施工することもできるし、発泡樹脂ブロックと面状材を現場へ輸送し、現場における足場のよい地面上で発泡樹脂ブロックの一側面に面状材を固定し、これを積み上げ施工することもできる。また、固定具は、工場や現場において、成形した発泡樹脂ブロックに後付けすることもできるし、工場における発泡樹脂ブロックの成形時に、金型にセットして発泡樹脂ブロックに一体成形することもできる。固定具のアンカー部は、発泡樹脂ブロックの取付面の面外方向、即ち面状材の引き抜き方向への移動を規制できるものであれば、任意の構成のものを採用できるが、発泡樹脂ブロックに固定具を後付けする場合には、発泡樹脂ブロックへの組付性を高めるため、アンカー部を先鋭に構成することが好ましい。
また、この面状材付き発泡樹脂ブロックでは、少なくとも上下の面状材間に発泡樹脂ブロックの圧縮クリープ変形を許容する隙間が形成され、上載荷重により発泡樹脂ブロックが圧縮クリープ変形しても、面状材には上載荷重が全く作用しないか、或いは、ほとんど作用しない状態となるので、上載荷重による面状材の破損を効果的に防止できる。しかも、上部2箇所と下部1箇所の少なくとも3箇所において面状材が発泡樹脂ブロックの取付面に固定されているので、上載荷重により発泡樹脂ブロックの高さ方向の途中部が外方へ膨出しようとした場合でも、面状材の側縁が外方へ突出するという不具合を効果的に防止できる。
ここで、前記固定具に固定部とアンカー部とを連結する連結部を設け、この連結部が発泡樹脂ブロックの取付面に隣接する4つの側面のいずれか1つの側面に沿って配置されるように固定具を発泡樹脂ブロックに固定することができる。このような固定具は、連結部が発泡樹脂ブロックの左右の側面或いは上下面のいずれかに沿って配置されるように、発泡樹脂ブロックに固定できる。また、発泡樹脂ブロックにインサート成形等により一体的に設けることも可能であるが、予め成形した発泡樹脂ブロックに工場や施工現場などにおいて後付けするのに好適である。発泡樹脂ブロックに固定具を後付けする場合には、発泡樹脂ブロックに対するアンカー部の組付性を向上するため、前記アンカー部を発泡樹脂ブロックに対して差込み可能な先鋭状に形成することが好ましい。
また、前記固定具を発泡樹脂ブロックの成形時にインサート成形などにより一体的に設ける場合には、前記固定具に固定部とアンカー部とを連結する連結部を設け、アンカー部及び連結部を発泡樹脂ブロックに埋設状に設けることができる。この場合には、下側に配置される発泡樹脂ブロックの上側の固定具と、上側に配置される発泡樹脂ブロックの下側の固定具とが上下方向に重なる位置に配置されても、上下の固定具間に配置される発泡樹脂ブロックが圧縮変形できるので、上載荷重による発泡樹脂ブロックの圧縮クリープ変形時に、止め具に対して大きな剪断荷重が作用することを防止できる。
更に、発泡樹脂ブロックに対して固定具をインサート成形する場合には、発泡樹脂ブロックの上面又は下面に対するアンカー部及び連結部の投影面積が大きくなると、それに応じて止め具に作用する剪断荷重も大きくなるので、前記発泡樹脂ブロックの上面又は下面に対するアンカー部及び連結部の投影面積を20〜100cm2に設定することが好ましい。尚、発泡樹脂ブロックに対して固定具を後付けする場合には、固定具として発泡樹脂ブロックの圧縮クリープ変形に伴なって容易に変形可能な板状部材を用い、発泡樹脂ブロックの圧縮クリープ変形による荷重が面状材に極力作用しないように構成することが好ましい。
前記固定具の左右方向のサイズ及び発泡樹脂ブロックに対する取付位置を、面状材付き発泡樹脂ブロックを積み上げた状態で、上下に隣接する発泡樹脂ブロックの固定具が重ならないサイズ及び取付位置に設定することも好ましい。つまり、発泡樹脂ブロックは上載荷重により面状材に比して大きく圧縮変形するが、固定具は、固定部において面状材に固定されるとともに、アンカー部において発泡樹脂ブロックに埋設されているので、発泡樹脂ブロックが圧縮クリープ変形すると、発泡樹脂ブロックと面状材間において止め具には大きな剪断荷重が作用する。特に、上下に隣接する発泡樹脂ブロックの固定具が上下に重なる位置関係に配置されていると、固定具が突っ張った状態となって、止め具に作用する剪断力が増大する。本発明では、上下に隣接する発泡樹脂ブロックの固定具が重ならないように配置され、下側の発泡樹脂ブロックの固定具を上側の発泡樹脂ブロックに対面させて、また上側の発泡樹脂ブロックの固定具を下側の発泡樹脂ブロックに対面させ、両固定具に作用する上載荷重を発泡樹脂ブロックの圧縮変形でそれぞれ吸収できるように構成しているので、止め具に作用する剪断力を小さくでき、剪断荷重による止め具や固定具の破損を効果的に防止できる。
前記面状材としては、硬質な板状部材からなるものであれば、任意の素材からなるものを採用することができ、金属板や合成樹脂板、水硬性結合材などからなるものを採用できるが、比重1.6以下のセメント系硬化材を採用すると、面状材を軽量に構成することが可能となり、現場での面状材の取扱性を向上して、作業負担を軽減できるとともに、輸送費も軽減でき、しかも重機を必要としないので施工費も軽減できる。また、意匠性に優れた、岩模様などの厚物の面状材を採用することが可能となり、設計自由度を向上できる。
前記面状材間に目地材を配置させる場合には、前記面状材の少なくとも1つの側端面に、隣接する面状材間に配置される目地材を、面状材付き発泡樹脂ブロックの設置後に外側へ突出しないように収容保持するための溝又はテーパ面を形成することが好ましい。
本発明に係る軽量盛土構造は、前記面状材付き発泡樹脂ブロックと、面状材を有しない発泡樹脂ブロックとを用い、盛土の外面には面状材を外側へ向けて面状材付き発泡樹脂ブロックを、また盛土の内部側には面状材を有しない発泡樹脂ブロックを、上下に爪の張り出した横ズレ防止金具を少なくとも発泡樹脂ブロックの上下間に、それぞれ介在させて積み上げて構築したものである。
この軽量盛土構造では、前記面状材付き発泡樹脂ブロックと同様の作用が得られる。また、軽量盛土構造の外面側に配置される発泡樹脂ブロックとして、面状材付き発泡樹脂ブロックを採用しているので、H型鋼等からなる支柱を、重機等を用いて施工する必要がなく、面状材をそのまま外壁として利用できるし、面状材を外壁の下地材として利用する場合でも、面状材に外壁の取付金具を予め埋設施工するなどして、支柱等を施工することなく面状材に対して外壁を容易に固定することができる。
ここで、前記固定具が接触しないように面状材付き発泡樹脂ブロックを積み上げて構築することが好ましい。このように積み上げることで、上下に隣接する発泡樹脂ブロックの固定具が重ならないように構成した前記面状材付き発泡樹脂ブロックと同様に、止め具に作用する剪断力を小さく設定して、発泡樹脂ブロックの圧縮クリープ変形による止め具や固定具や面状材の破損を効果的に防止できる。
本発明に係る面状材付き発泡樹脂ブロックによれば、予め工場等で発泡樹脂ブロックの取付面に面状材を固定することもできるし、現場において発泡樹脂ブロックの取付面に面状材を固定することができる。しかも、現場において、面状材を発泡樹脂ブロックに取り付ける場合でも、足場のよい地面上でスクリュービスや釘、ボルト及びナット等の止め具を用いて、面状材を発泡樹脂ブロックに容易に固定できるので、施工性を格段に向上できる。また、発泡樹脂ブロックが圧縮クリープ変形しても、面状材には上載荷重が全く作用しないか、ほとんど作用しない状態となるので、上載荷重による面状材の破損を効果的に防止できる。更に、上部2箇所と下部1箇所の少なくとも3箇所において面状材が発泡樹脂ブロックの取付面に固定するので、発泡樹脂ブロックの高さ方向の途中部が外方へ膨出しようとしても、面状材の側縁が外方へ突出するという不具合を効果的に防止できる。
ここで、前記固定具に固定部とアンカー部とを連結する連結部を設け、この連結部が発泡樹脂ブロックの取付面に隣接する4つの側面のいずれか1つの側面に沿って配置されるように固定具を発泡樹脂ブロックに固定すると、予め成形した発泡樹脂ブロックに固定具を後付けする場合に好適である。また、前記アンカー部を発泡樹脂ブロックに対して差込み可能な先鋭状に形成すると、発泡樹脂ブロックに対するアンカー部の組付性を向上できる。
また、前記固定具に固定部とアンカー部とを連結する連結部を設け、アンカー部及び連結部を発泡樹脂ブロックに埋設状に設けると、下側に配置される発泡樹脂ブロックの上側の固定具と、上側に配置される下側の固定具とが上下方向に重なる位置に配置されていても、上下の固定具間において発泡樹脂ブロックが圧縮変形するので、上載荷重による発泡樹脂ブロックの圧縮クリープ変形時に、止め具に対して大きな剪断荷重が作用することを防止でき、剪断荷重による止め具や固定具の破損を効果的に防止できる。
前記発泡樹脂ブロックの上面又は下面に対するアンカー部及び連結部の投影面積を20〜100cm2に設定すると、止め具に作用する剪断荷重を小さく設定しつつ、アンカー部及び連結部の強度剛性を十分に確保できる。
前記固定具の左右方向のサイズ及び発泡樹脂ブロックに対する取付位置を、面状材付き発泡樹脂ブロックを積み上げた状態で、上下に隣接する発泡樹脂ブロックの固定具が重ならないサイズ及び取付位置に設定すると、止め具に作用する剪断力を一層小さくして、止め具や固定具や面状材の破損を効果的に防止できる。
前記面状材として、比重1.6以下のセメント系硬化材からなるものを用いると、面状材を軽量に構成することが可能となり、現場での面状材の取扱性を向上して、作業負担を軽減できるとともに、輸送費も軽減でき、しかも重機を必要としないので施工費も軽減できる。また、意匠性に優れた、岩模様などの厚物の面状材を採用することが可能となり、設計自由度を向上できる。
前記面状材の少なくとも1つの側端面に、隣接する面状材間に配置される目地材を、面状材付き発泡樹脂ブロックの設置後に外側へ突出しないように収容保持するための溝又はテーパ面を形成すると、目地材の脱落を効果的に防止できるとともに、目地材が外側へ突出することによる外観低下を防止できる。
本発明に係る軽量盛土構造によれば、前記面状材付き発泡樹脂ブロックと同様の効果が得られる。また、外面側に配置される発泡樹脂ブロックとして、面状材付き発泡樹脂ブロックを採用しているので、H型鋼等からなる支柱を、重機等を用いて施工する必要がなく、面状材をそのまま外壁として利用できるし、面状材を外壁の下地材として利用する場合でも、面状材に外壁の取付金具を予め埋設施工するなどして、支柱等を施工することなく面状材に対して外壁を容易に固定することができる。しかも、上下に爪が張り出した横ズレ防止金具を、少なくとも発泡樹脂ブロックの上下間に介在させるので、発泡樹脂ブロックの横ズレによる軽量盛土構造の損壊を防止できる。
ここで、前記固定具が接触しないように面状材付き発泡樹脂ブロックを積み上げて構築すると、止め具に作用する剪断力を極力小さく設定して、発泡樹脂ブロックの圧縮クリープ変形による止め具や固定具や面状材の破損を効果的に防止できる。
以下、本発明の実施例について図面を参照しながら説明する。本実施例の軽量盛土構造は、重機を必要とせず小回りの利く作業が可能であることから、傾斜地や水害対策での宅地造成、駐車場や土地の有効利用のための拡幅等の比較的小型の物件に好適に利用できるが、道路の拡幅工事や擁壁施工時にも同様に適用できる。
図1、図2に示すように、この軽量盛土構造1は、山の傾斜面2を削って形成した支持地盤3上に構築されたもので、支持地盤3の下端の平坦部4に施工した基礎材5と、谷側の外側面が基礎材5の谷側端部付近を通る鉛直面となるように、支持地盤3の傾斜面6及び基礎材5の上側に複数段に積み上げた発泡樹脂ブロック7と、谷側に配置される発泡樹脂ブロック7の外面側に位置する取付面8に取り付けた外壁材としての面状材9と、面状材9を発泡樹脂ブロック7の取付面8に固定するための固定具10及び止め具11と、隣接する面状材9間に装着される目地材28(図5参照)と、少なくとも上下の発泡樹脂ブロック7間に配置されて、発泡樹脂ブロック7の横ズレを防止する横ズレ防止金具12と、最上位の発泡樹脂ブロック7の上側に施工したコンクリート床版13と、コンクリート床版13上に谷側部分に施工した路盤14と、路盤14の上面と略面一にして施工したアスファルト舗装15とを備えている。尚、支持地盤3の傾斜面6と発泡樹脂ブロック7間には、排水材16が設けられ、発泡樹脂ブロック7と傾斜面6間に侵入した雨水等を基礎材5側へ円滑に排水できるように構成されている。
発泡樹脂ブロック7のサイズは任意に設定可能であるが、図3(a)に示すように、例えば縦2m、横1m、高さ0.5mの直方体状の発泡樹脂ブロック7を基本サイズとし、この発泡樹脂ブロック7をそのまま、或いは所望長さに切断して、図1に示すように、上下に配置される発泡樹脂ブロック7を支持地盤3の傾斜面6に向かって前後方向及び左右方向に位置をずらしてして千鳥状に積み上げることで施工されている。このようなサイズの発泡樹脂ブロック7は、例えば1個当たりの重量が12kg〜30kgとなり、持ち運びやすく軽量盛土構造1の施工作業の作業性に優れていることから好適に採用できる。発泡樹脂ブロック7の素材は、ポリスチレン、ポリウレタン、ポリ塩化ビニルなどの合成樹脂からなる発泡体を採用できる。
横ズレ防止金具12は、金属板の上下両面に爪部12aを突出形成してなる周知の構成のもので、爪部12aを発泡樹脂ブロック7に食い込ませて上下に隣接配置される発泡樹脂ブロック7間に、左右に隣接配置される発泡樹脂ブロック7にわたって介装することにより、積み上げられる発泡樹脂ブロック7の横ズレを防止するものである。この横ズレ防止金具12は、少なくとも上下に隣接配置される発泡樹脂ブロック7間に介装したが、前後や左右に隣接配置される発泡樹脂ブロック7間に介装して、横ズレを一層効果的に防止するように構成することもできる。また、この横ズレ防止金具12に代えて、或いは横ズレ防止金具12と併用して、隣接配置される発泡樹脂ブロック7同士を接着剤で一体化することも可能である。
面状材9としては、金属板や合成樹脂板、水硬性結合材などからなるものを採用できるが、外壁材として用いることを考慮すると、耐環境性及び持ち運び性に優れた、比重1.6以下のセメント系硬化材からなるものを好適に採用できる。
面状材9は、少なくとも高さ方向のサイズが、発泡樹脂ブロック7における面状材9の取付面8の高さ方向のサイズよりもやや小さく設定され、上下に配置される面状材9間に隙間20が形成されるように構成されている。具体的には、面状材9の高さ方向のサイズを発泡樹脂ブロック7の高さ方向のサイズの2〜10%小さく構成して、上下の面状材9間に発泡樹脂ブロック7の高さ方向のサイズの2〜10%の隙間20を形成し、圧縮クリープ変形後においても隣接する面状材9が接触しないか、或いは、接触しても大きな上載荷重が作用しないように構成されている。また取付面8に対する面状材9の高さ方向の取付位置は、前記隙間20が面状材9の上下両側に割り振られるように、取付面8の高さ方向の途中部に設定してもよいし、面状材9の下側又は上側に隙間20が形成されるように、面状材9の上縁又は下縁を取付面8の上縁又は下縁と同じ高さに設定することも可能である。いずれにしても、上下に配置される面状材9間に、発泡樹脂ブロック7の圧縮クリープ変形を許容する隙間20が形成されるように構成することになる。
面状材9の左右方向のサイズは、発泡樹脂ブロック7の左右方向のサイズと同じに設定してもよいが、発泡樹脂ブロック7の左右方向のサイズよりも例えば0.5cm〜2.5cm程度小さく設定することで、左右に隣接する面状材9間に上下方向に延びる目地30を形成して、目地材29を装填できるように構成されている。面状材9の厚さは任意に設定可能であるが、大きすぎると面状材9の持ち運び性が低下し、小さすぎると十分な強度剛性が得られないことから、5mm〜50mmに設定することが好ましい。
また、図5に示すように、面状材9の4つの側端面に条溝28を形成し、この条溝28に目地材29を装填することで、目地材29の脱落を防止できる。この条溝28は、図5に示すように、発泡樹脂ブロック7側を開放した条溝とすることもできるし、発泡樹脂ブロック7側が開放しないように、面状材9の側端面の途中部に形成することも可能である。また、条溝28に代えて、面状材9の側端面に発泡樹脂ブロック7の中心部側へ向けて傾斜するテーパ面を形成し、上下に配置される面状材9に奥部側へ行くにしたがって幅が広くなるように目地を形成して、テーパ面間に目地材を保持させてもよい。条溝28及びテーパ面は、面状材9の全周にわたって形成することが好ましいが、少なくとも1つの側端面に設けたものも本発明の範疇である。この目地材29は、工場等において面状材9に予め取り付けておくことも可能であるし、施工現場において隣接する面状材9間に装填することも可能である。
本実施例では、面状材9で軽量盛土構造1の外壁を構成したが、面状材9の外側に外壁材を配置させ、面状材9を外壁材の下地材として用いることも可能で、この場合には、面状材9に外壁材を固定するための取付金具を一体的に設けることができる。また、本実施例では、発泡樹脂ブロック7の横方向(左右方向)と高さ方向の側縁で囲まれる面に面状材を固定したが、縦方向(前後方向)と高さ方向の側縁で囲まれる面に固定することも可能であるし、横方向と縦方向の側縁で囲まれる面に固定することも可能である。また、コーナの2面や天井面に取り付けることも可能である。更に、縦方向と高さ方向の側縁で囲まれる面に面状材9を固定する場合には、図3(b)に示すように、長手方向の略中央部にダミーの目地を挟んで2枚の面状材9を8個の固定具10で取り付けることも可能である。
固定具10は、図2〜図6に示すように、ステンレス鋼板などの金属板を断面U字状に折り曲げたもので、発泡樹脂ブロック7の取付面8(前面)に沿って配置される固定部21と、発泡樹脂ブロック7の上面又は下面に沿って配置される連結部22と、発泡樹脂ブロック7に埋設されるアンカー部23とを備え、固定部21が発泡樹脂ブロック7の取付面8の上部に左右2箇所、下部に左右2箇所に配置されるように、1つの発泡樹脂ブロック7の前部に4個設けられている。但し、固定具10としては、発泡樹脂ブロック7の圧縮クリープ変形に伴なって容易に変形して、発泡樹脂ブロック7の圧縮クリープ変形による荷重が面状材9に極力作用しないように構成されていれば、任意の素材からなるものを採用でき、金属板以外に合成樹脂材料からなる射出成形品で構成することもできる。また、固定具10は、固定部21が取付面8の上部2箇所と下部1箇所の少なくとも3箇所に位置するように、少なくとも3個以上設けられている。そして、上部2箇所と下部1箇所の少なくとも3箇所において面状材9を発泡樹脂ブロック7の取付面8に固定することで、上載荷重により発泡樹脂ブロック7の取付面8の高さ方向の途中部が外方へ膨出しようとした場合でも、それを面状材9で押さえて面状材9を安定的に略鉛直面内に保持することが可能となる。
また、本実施例では、連結部22を発泡樹脂ブロック7の上面又は下面に沿って配置させたが、発泡樹脂ブロック7の左面又は右面に沿って配置されるように、固定具10を発泡樹脂ブロック7に固定することも可能である。但し、この場合には、左右に隣接配置される発泡樹脂ブロック7間に、連結部22の板厚に相当する隙間が形成されるので、発泡樹脂ブロック7における連結部22の取付部分に、他の部分よりも一段低い窪み部を形成し、左右に隣接配置される発泡樹脂ブロック7を密接できるように構成することが好ましい。
面状材9の上部及び下部には、4つの固定部21の略中央部に対応させて、左右1対の挿通孔24がそれぞれ形成され、面状材9を発泡樹脂ブロック7の取付面8に固定する際には、面状材9を発泡樹脂ブロック7の取付面8の適正位置に重ね合わせてセットし、4つの挿通孔24にスクリュービスからなる止め具11を挿通させて、この止め具11を固定具10の固定部21にビス止めすることになる。但し、固定部21にナットを溶接固定して、このナットにボルト部材からなる止め具11を締結して、面状材9を発泡樹脂ブロック7の取付面8に固定することもできるし、固定部21にボルト本体が外方へ突出するようにボルトの頭部を溶接固定し、このボルト本体にナット部材を螺合させて、面状材9を発泡樹脂ブロック7の取付面8に固定することも可能である。
この固定具10は、予め製作した発泡樹脂ブロック7に工場や施工現場において後付けすることも可能であるし、発泡樹脂ブロック7の成形時に金型内にセットして、発泡樹脂ブロック7と一体的にインサート成形することも可能である。インサート成形する場合には、アンカー部23だけでなく連結部22をも発泡樹脂ブロック7に埋設状に設けることができる。
アンカー部23は固定具10の前側(取付面8の面外方向)への移動を規制するためのもので、本実施例では固定具10を発泡樹脂ブロック7に後付けすることを考慮して、取付面8に沿って配置される固定部21と略平行に形成したが、発泡樹脂ブロック7に固定具10をインサート成形する場合には、アンカー部23の先端側が固定部21に接近するように、アンカー部23を傾斜状に配置したり、アンカー部23と連結部22とにわたってリブを形成したりするなどして、固定具10の抜け止め性能を高めることもできる。また、固定具10を後付けする場合には、発泡樹脂ブロック7に対するアンカー部23の組付性を高めるため、図6に示すように、1乃至複数の先鋭な爪部23aを設けることになるが、インサート成形する場合には、固定具10の抜けを防止できる形状であれば、アンカー部23の形状は任意に設定できる。
固定具10は、図2に示すように、上下に隣接する発泡樹脂ブロック7を千鳥状に配置した状態で、上側の発泡樹脂ブロック7に面状材9を固定するための下側の固定具10と、下側の発泡樹脂ブロック7に面状材9を固定するための上側の固定具10が上下に接触しないように配置され、発泡樹脂ブロック7が上載荷重により圧縮クリープ変形した際に、上下の固定具10の連結部22が接触して止め具11に大きな剪断荷重が作用することが防止されている。また、このように上下の固定具10の連結部22が接触しないようにするとともに、十分な強度剛性を確保でき、しかもビス止めでは位置が多少ずれるのでその辺の作業がし易い範囲で且つ剪断荷重がかかり過ぎないように、固定具10の左右方向の幅は、50mm〜200mmに設定されている。また、発泡樹脂ブロック7の上下に配置される固定具10の左右方向の取付位置は同じに設定してもよいし、異なるように設定してもよい。異なるように設定する場合には、発泡樹脂ブロック7を上下に直列状に積み上げる場合でも、上下の発泡樹脂ブロック7の固定具10が接触しないように構成できる。
次に、前記軽量盛土構造1を施工方法について説明すると、先ず図1に示すように山の傾斜面2を削って支持地盤3を施工し、支持地盤3の下端の平坦面に基礎材5を施工する。
次に、面状材9を固定した発泡樹脂ブロック7を、図1、図2に示すように、面状材9の外面が支持地盤3の谷側の端部近傍に沿って略鉛直に配置されるように、横ズレ防止金具12を介在させた状態で、設定高さまで左右方向及び前後方向に千鳥状に順次に積み上げるとともに、面状材9を取り付けていない発泡樹脂ブロック7を、横ズレ防止金具12を介在させた状態で、設定高さまで左右方向及び前後方向に千鳥状に順次に積み上げる。尚、面状材9は、現場において発泡樹脂ブロック7に固定してもよいし、工場等で予め発泡樹脂ブロック7に固定し、これを現場へ輸送してもよい。
こうして、発泡樹脂ブロック7を積み上げてから、隣接する面状材9間に目地材29を装填するとともに、最上位の発泡樹脂ブロック7の上面に工場等で製作したコンクリート床版13を敷設施工し、その上に路盤14及びアスファルト舗装15を施工して軽量盛土構造1を構築することになる。但し、このコンクリート床版13は、最上位の発泡樹脂ブロック7の上側に型枠を組み、そこにコンクリートを打設して施工することもできる。
尚、図7に示すように、面状材9の上縁部及び下縁部に前後に重なり合うように嵌合可能な嵌合部25、26を形成し、上側の面状材9における下縁の嵌合部25と、下側の面状材9における上縁部の嵌合部26間に、発泡樹脂ブロック7の圧縮クリープ変形を許容する隙間20を形成することもできる。また、図7に仮想線で示すように、面状材9が取り付けられる発泡樹脂ブロック7として、取付面8をその高さ方向の略中央部側へ行くにしたがって窪んだ円弧面で構成し、発泡樹脂ブロック7が圧縮クリープ変形して取付面8の途中部が外方へ膨出した状態で、該取付面8が略鉛直方向となるように構成し、面状材9に曲げ応力が作用しないように構成することもできる。更に、図7に示すように、固定具10の連結部22に対応させて発泡樹脂ブロック7に一段低い窪み部27を形成し、この窪み部27の底面に沿って固定具10の連結部22を配置させることで、発泡樹脂ブロック7が圧縮クリープ変形した状態で、上下の発泡樹脂ブロック7に配置される固定具10間に隙間が形成されるように構成することもできる。この場合には、上側の発泡樹脂ブロック7の下側の固定具10と下側の発泡樹脂ブロック7の上側の固定具10とが上下に重なるように配置される場合でも、固定具10同士が接触することを防止して、止め具11の剪断破壊を防止できる。但し、隣接配置する発泡樹脂ブロック7に相手側の固定具10に対応させて窪みを形成し、固定具10が隣接する発泡樹脂ブロック7に接触しないようにして、止め具11に剪断力が作用することを防止してもよい。
この実施例2は、前記実施例1における固定具40及び止め具41の構成を変更した以外は、前記実施例1と同様に構成されているので、前記実施例1と同一部材には同一符号を付してその詳細な説明を省略する。
図8に示すように、この軽量盛土構造1Aは、前記実施例1の軽量盛土構造1と同様に、面状材9を固定した発泡樹脂ブロック7Aと、面状材9を有しない発泡樹脂ブロック7とを支持地盤3上の平坦部4に施工した基礎材5と支持地盤3の傾斜面2上に積み上げて構築されている。但し、この実施例2における発泡樹脂ブロック7Aは、後述するように、発泡樹脂ブロック7Aの成形時に予め固定具40を埋設状に設けたものである点で、前記面状材付きの発泡樹脂ブロック7とはその構成が異なるものである。
図9〜図11に示すように、面状材9を固定した発泡樹脂ブロック7Aにおける面状材9の取付面8の上部及び下部には左右1対の固定具40がそれぞれ埋設状に設けられ、面状材9は固定具40に締結したボルトからなる止め具41により発泡樹脂ブロック7Aの取付面8に固定されている。このように、発泡樹脂ブロック7Aに固定具40を埋設するため、この発泡樹脂ブロック7Aを成形する際には、金型の設定位置に固定具40をセットして、固定具40をインサート成形することになる。但し、発泡樹脂ブロック7Aに対する面状材9の組み付けは、工場等でおこなってもよいし、現場で行ってもよい。
固定具40は、図10〜図12に示すように、棒状部材42の基端部に外側へ張り出したアンカー部43を形成したもので、棒状部材42の前部には止め具41が螺合可能なネジ孔(雌ネジ)34を形成した固定部45が設けられ、棒状部材42の後部には固定部45とアンカー部43とを連結する連結部46が形成されている。
固定具40は、金属材料を用いて鋳造や鍛造にて製作した成形品にネジ孔44を機械加工により形成して製作することもできるし、金属製のパイプ部材の基端部に角板状の部材を溶接して、パイプ部材の前部内にネジ孔44を機械加工により形成して製作することもできる。また、アンカー部43は、必ずしも長方形や正方形などの角板状に形成する必要はなく、棒状部材42の外側へ張り出して、固定具40を発泡樹脂ブロック7Aから抜け止めでき、しかもボルトからなる止め具41を締結するときに、共回りしない形状のものであれば、任意の形状のものを採用できる。また、円板状に形成する場合には、共回り防止用のリブ等を設けることが好ましい。更に、固定部45及び連結部46は必ずしも断面円形の棒状に形成する必要はなく、断面多角形状の棒状に構成することも可能である。
固定部45の略中央部に対応させて面状材9の上部及び下部には左右1対の挿通孔24がそれぞれ形成され、面状材9を発泡樹脂ブロック7Aの取付面8に固定する際には、面状材9を発泡樹脂ブロック7Aの取付面8の適正位置に重ね合わせてセットし、4つの挿通孔24にボルトからなる止め具41を挿通させて、この止め具41を固定具40のネジ孔44に締結することになる。但し、固定部45におけるネジ孔44に代えて固定具40の棒状部材42の先端部に雄ネジを突出状に設け、この雄ネジが挿通孔24を挿通するように発泡樹脂ブロック7Aの取付面8に面状材9をセットして、雄ネジにナット部材を螺合させることで、発泡樹脂ブロック7Aの取付面8に面状材9を固定してもよい。
固定具40は、前記実施例1の固定具10と同様に、上下に隣接する発泡樹脂ブロック7Aを千鳥状に配置した状態で、上側の発泡樹脂ブロック7Aに面状材9を固定するための下側の固定具40と、下側の発泡樹脂ブロック7Aに面状材9を固定するための上側の固定具40が上下に配置されないように設けられ、発泡樹脂ブロック7Aが上載荷重により圧縮クリープ変形した際に、固定具40の発泡樹脂ブロック7Aの圧縮変形を促進して、止め具11に作用する剪断荷重を少なくできるように構成されている。また、発泡樹脂ブロック7の上面又は下面に対する固定具40の連結部46及びアンカー部43の投影面積は、連結部46及びアンカー部43の上下両側における発泡樹脂ブロック7Aの部分の圧縮変形を促進して、止め具11に作用する剪断応力を小さくするため、20〜100cm2に設定することが好ましい。但し、発泡樹脂ブロック7Aの上下に配置される固定具40の左右方向の取付位置は同じに設定してもよいし、異なるように設定してもよい。
実施例1に係る軽量盛土構造の縦断面図 同軽量盛土構造の要部正面図 (a)は面状材付き発泡樹脂ブロックの斜視図、(b)は他の構成の面状材付き発泡樹脂ブロックの斜視図 面状材付き発泡樹脂ブロックの正面図 図2のV-V線断面図 固定具の斜視図 他の構成の面状材付き発泡樹脂ブロックの図5相当図 実施例2に係る軽量盛土構造の縦断面図 面状材付き発泡樹脂ブロックの正面図 面状材付き発泡樹脂ブロックの図5相当図 固定具付近の面状材付き発泡樹脂ブロックの縦断面図 固定具の斜視図
符号の説明
1 軽量盛土構造 2 傾斜面
3 支持地盤 4 平坦部
5 基礎材 6 傾斜面
7 発泡樹脂ブロック 8 取付面
9 面状材 10 固定具
11 止め具 12 横ズレ防止金具
12a 爪部 13 コンクリート床版
14 路盤 15 アスファルト舗装
16 排水材
20 隙間 21 固定部
22 連結部 23 アンカー部
23a 爪部 24 挿通孔
25 嵌合部 26 嵌合部
27 窪み部 28 条溝
29 目地材 30 目地
1A 軽量盛土構造 7A 発泡樹脂ブロック
40 固定具 41 止め具
42 棒状部材 43 アンカー部
44 ネジ孔 45 固定部
46 連結部

Claims (10)

  1. 外壁或いは外壁の下地となる面状材を発泡樹脂ブロックの側面に取り付けた盛土用の面状材付き発泡樹脂ブロックであって、
    前記発泡樹脂ブロックと面状材の外形サイズを、盛土用の面状材付き発泡樹脂ブロックを積み上げた状態で、少なくとも上下の面状材間に発泡樹脂ブロックの圧縮クリープ変形を許容する隙間が形成されるサイズに設定し、
    前記発泡樹脂ブロックにおける面状材の取付面に配置される固定部と、発泡樹脂ブロックに埋設され、取付面の面外方向への固定部の移動を規制するアンカー部とを有する固定具を、前記固定部を取付面の上部2箇所と下部1箇所の少なくとも3箇所にそれぞれ位置付けて発泡樹脂ブロックに設け、
    前記固定具の固定部に面状材を止め具で固定して、発泡樹脂ブロックの取付面に面状材を取り付けた、
    ことを特徴とする盛土用の面状材付き発泡樹脂ブロック。
  2. 前記固定具に固定部とアンカー部とを連結する連結部を設け、この連結部が発泡樹脂ブロックの取付面に隣接する4つの側面のいずれか1つの側面に沿って配置されるように固定具を発泡樹脂ブロックに固定した請求項1記載の盛土用の面状材付き発泡樹脂ブロック。
  3. 前記アンカー部を発泡樹脂ブロックに対して差込み可能な先鋭状に形成した請求項2記載の盛土用の面状材付き発泡樹脂ブロック。
  4. 前記固定具に固定部とアンカー部とを連結する連結部を設け、アンカー部及び連結部を発泡樹脂ブロックに埋設状に設けた請求項1記載の盛土用の面状材付き発泡樹脂ブロック。
  5. 前記発泡樹脂ブロックの上面又は下面に対するアンカー部及び連結部の投影面積を20〜100cm2に設定した請求項4記載の盛土用の面状材付き発泡樹脂ブロック。
  6. 前記固定具の左右方向のサイズ及び発泡樹脂ブロックに対する取付位置を、面状材付き発泡樹脂ブロックを積み上げた状態で、上下に隣接する発泡樹脂ブロックの固定具が重ならないサイズ及び取付位置に設定した請求項1〜5のいずれか1項記載の盛土用の面状材付き発泡樹脂ブロック。
  7. 前記面状材として、比重1.6以下のセメント系硬化材からなるものを用いた請求項1〜6のいずれか1項記載の盛土用の面状材付き発泡樹脂ブロック。
  8. 前記面状材の少なくとも1つの側端面に、隣接する面状材間に配置される目地材を、面状材付き発泡樹脂ブロックの設置後に外側へ突出しないように、収容保持するための溝又はテーパ面を形成した請求項1〜7のいずれか1項記載の盛土用の面状材付き発泡樹脂ブロック。
  9. 前記請求項1〜8のいずれか1項記載の面状材付き発泡樹脂ブロックと、面状材を有しない発泡樹脂ブロックとを用い、軽量盛土の外面には面状材を外側へ向けて面状材付き発泡樹脂ブロックを、また軽量盛土の内部側には面状材を有しない発泡樹脂ブロックを、上下に爪の張り出した横ズレ防止金具を少なくとも発泡樹脂ブロックの上下間に、それぞれ介在させて積み上げて構築したことを特徴とする軽量盛土構造。
  10. 前記固定具が接触しないように面状材付き発泡樹脂ブロックを積み上げて構築した請求項9記載の軽量盛土構造。
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