JP2006167868A - 歩行ロボットの関節装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】歩行ロボットの関節装置において、歩行ロボットを所望の高さとする脚を有する歩行ロボットを提供するとともに、該歩行ロボットの高さの増加に際して高さを増加する機構へ局所的にかかる負荷を緩和する。
【解決手段】歩行ロボットの関節装置において、脚の先端には歩行路面と接地する第一接地脚先部42と第二接地脚先部とを有する脚先部が設けられ、該第一接地脚先部42は流体圧によって該第二接地脚先部に対して歩行路面に向けて突出する方向に相対的に移動することが可能であり、第一接地脚先部42が第二接地脚先部に対して突出しているときに流体圧による推力と歩行路面から受ける反力とによって生じるモーメントに対抗する支持モーメントを、該第一接地脚先部42と該第二接地脚先部との間での接触移動範囲以外で機械的に発生させる支持モーメント発生手段58を備える。
【選択図】 図2

Description

本発明は、少なくとも二本の脚を有し、該脚により歩行運動が可能な歩行ロボットの関節装置に関する。
従来、歩行ロボットの脚先部構造としては、ひと固まりの剛体となって接地するものが多く、現在歩行ロボットの形として人々が目にできるものは、この構造のものに限られている。しかし、試験的に提案されたものには、複数の部分に脚先部が分割され、互いに相対運動できるものもある。例えば、歩行ロボットの脚先部において、ヒトの爪先を模した関節を備える技術が示されている(例えば、特許文献1を参照。)。この脚先部構造を有する歩行ロボットにおいては、胴体部に収納したモータの出力を、フレキシブルワイヤーを介して当該爪先関節に接続し、爪先を駆動するものである。
また、別の脚先部構造については、脚先部の接地面積を変更可能とする脚先部構造が開示されている(例えば、特許文献2を参照。)。この脚先部構造を有する歩行ロボットにおいては、歩行ロボットの安定性の向上を図るために、歩行の場所に応じて脚先部の接地面積を変える。しかし、容量の小さなモータを大きな減速比を持つ減速機を介して、該モータの駆動力を脚先部に伝えて接地面積を変更している。そのため、脚先部の接地面積の変更に長い時間を要する。
また、歩行ロボットの向きを変更するために、歩行ロボットの脚先部に受動的に動く脚関節を脚先部先端に設けて、脚先部を駆動することで当該関節が曲がり、形の上で爪先立ちを実現しようとした技術が開示されている(例えば、特許文献3を参照。)。この脚先部構造を有する歩行ロボットにおいては、従来から行われている歩行ロボットの脚踏み動作による向き変更よりも、該変更に要する所要時間が少ないため、向き変更に要するエネルギー消費も減少することがうたわれている。
Furusho, Sano "Sensor-Based Control of a Nine-Link Biped", The International Journal of Robotics Research, (United States of America), Massachusetts Institute of Technology, April 1990, vol.9, No.2, p.83-98 特開平5−318337号公報 特開平4−122586号公報
歩行ロボットに対する何らかの要求に対して歩行ロボットの高さを増加させる必要がある場合、歩行路面と接地する脚先部において設けられた爪先部をワイヤによって駆動することで、歩行ロボットの高さを増加させようとすると、ワイヤにより歩行ロボットの剛性が低下するとともに、歩行ロボットの高さを増加させるために必要な駆動力を爪先部に十分に伝達させるのが困難である。
そこで、爪先部において歩行ロボットの高さを増加するアクチュエータを設置すると、アクチュエータの重量によって歩行ロボットの脚先部の荷重が大きくなるとともに、アクチュエータの駆動によって生じる爪先部でのモーメントの関係から、高さを増加する高さ可変機構において負荷が局所的に掛かる部位が存在し、該高さ可変機構の使用寿命が短くなる虞がある。
本発明では、上記した問題に鑑み、歩行ロボットを所望の高さとする脚を有する歩行ロボットを提供するとともに、該歩行ロボットの高さの増加に際して高さを増加する機構へ局所的にかかる負荷を緩和することを目的とする。更に、歩行ロボットの高さを増加する機構を爪先部に設けた場合、該機構の重量が大きくなると歩行ロボットの脚を駆動する関節に掛かる負荷も大きくなる。そこで、該機構の軽量化を図ることも目的とする。
本発明においては、上記した課題を解決するために、第一に、高さを増加する機構のうち相対移動を行う二つの物体間の所定領域とは別の領域に、歩行ロボットの高さの増加に伴って発生する回転モーメントに対抗するための支持モーメントを機械的に発生させることとした。これにより上記の二つの物体間の所定領域に掛かる負荷が低減され、高さを増加する機構への負担が緩和される。
詳細には、本発明は、複数のリンク部材と該リンク部材の各々を連結する関節部とで構成される脚を少なくとも二本有し、該脚の駆動により歩行を行う歩行ロボットの関節装置に関する発明であって、該関節装置において、前記脚の先端には歩行路面と接地する第一接地脚先部と第二接地脚先部とを有する脚先部が設けられ、該第一接地脚先部は該第二接地脚先部より該脚先部の前方に位置するとともに、該第一接地脚先部は流体圧によって該第二接地脚先部に対して前記歩行路面に向けて突出する方向に相対的に移動することが可能であり、前記第一接地脚先部が前記第二接地脚先部に対して突出しているときに流体圧による推力と前記歩行路面から受ける反力とによって生じるモーメントに対抗する支持モーメントを、該第一接地脚先部と該第二接地脚先部との間での接触移動範囲以外で機械的に発生させる支持モーメント発生手段を備える。
上記の歩行ロボットにおいては、歩行路面と接地する脚先部を、第一接地脚先部と第二接地脚先部の二つの接地脚先部で構成するものである。この脚先部は、人間でたとえるならば足首から足指先までの部位に該当する。そして、この第一接地脚先部を第二接地脚先部に対して歩行路面に突出させるように相対的に移動させることで、換言すると、例えば第一接地脚先部を歩行路面に垂直となる方向に突出させることで、脚先部の前方(爪先側)に第一接地脚先部と第二接地脚先部との間に段差が生じる。そして、その生じた段差が、歩行ロボットの高さの増加量として反映される。
従って、歩行ロボットの高さが増加されているときは、脚先部の中でも第一接地脚先部のみが歩行路面に接地している。このとき、第一接地脚先部と第二接地脚先部との間の相対移動は、流体の流体圧が利用される。流体としては、空気などの気体(ガス)を利用することで、歩行ロボットの脚の重量を大きく増加させることなく、アクチュエータとしての機能が発揮され得る。これにより、歩行ロボットの高さを増加する機構の軽量化が図られる。
以上より、上述の技術は、第一接地脚先部と第二接地脚先部とを上記の所定の方向に、いわば直線的に相対移動させることで、歩行ロボットの高さにオフセットを与えて、歩行ロボットの高さを増加させる技術である。そのため、歩行ロボットの高さを増加している最中であっても、歩行ロボットの重心はそのまま上昇するだけで重心が揺れて不安定となる虞は少ない。従って、歩行ロボットの高さの増加中に該歩行ロボットを構成するその他の関節やリンク機構を制御して、歩行ロボットの重心を安定化させる必要性が低くなり、その安定化に要する消費エネルギーを抑制し得る。
そして、第一接地脚先部と第二接地脚先部とを上述した相対移動をさせるという、比較的簡潔な構成によって歩行ロボットの高さを増加させることが可能となる。尚、第一接地脚先部と第二接地脚先部との間に生じている段差を解消する方向に、両者を相対移動させ
ることで、歩行ロボットの高さを減少させることも可能である。
ここで、流体圧によって第一接地脚先部と第二接地脚先部とを相対移動させて歩行ロボットの高さを増加させるとき、流体圧による推力と、接地している第一接地脚先部が歩行路面から受ける反力とのそれぞれの作用点がずれる場合がある。そのため、該推力と該反力とによって第一接地脚先部と第二接地脚先部との円滑な相対移動を阻害する回転モーメントが発生する。即ち、該回転モーメントによって第一接地脚先部と第二接地脚先部との間に存在する上記の接触移動範囲において局所的に負荷が掛かり両者間の相対移動が円滑に行われなくなる。尚、接触移動範囲とは、第一接地脚先部と第二接地脚先部との相対移動で両者が接触状態(摺動状態)にある範囲をいう。
そこで、上記の支持モーメント発生手段によって、接触移動範囲とは異なる場所に支持モーメントを発生させることで、第一接地脚先部と第二接地脚先部との円滑な相対移動に影響を与えることなくモーメントを分散させて、接触移動範囲において局所的に掛かる負荷を緩和させることが可能となる。
上記の歩行ロボットの関節装置において、前記第一接地脚先部は、前記第二接地脚先部をシリンダとする際の、該シリンダに装填されるピストンを構成し、流体圧によって該ピストンが該シリンダに対して前記相対移動を行うようにしてもよい。即ち、シリンダとピストンの機能を、第一接地脚先部と第二接地脚先部に持たせることで、歩行ロボットの高さを増加する機構とするものである。この場合、接触移動範囲は、ピストンとシリンダの間の摺動部分となる。
また、上述までの歩行ロボットの関節装置において、前記支持モーメント発生手段は、前記第一接地脚先部に設けられたストッパであって、前記ストッパは、前記第一接地脚先部が前記第二接地脚先部に対して突出するときに前記接触移動範囲には含まれない部位で前記第二接地脚先部と接触し、該第一接地脚先部と該第二接地脚先部の相対移動を制止するようにしてもよい。
即ち、該ストッパには二つの機能が存在する。一つは、第一接地脚先部と第二接地脚先部との相対移動を機械的に制止することで、その相対移動量が決定する機能であり、換言すると歩行ロボットの高さの増加量を決定する機能である。もう一つは、ストッパが第二接地脚先部と接触することで、その接触点において上述した支持モーメントを発生させる機能である。このストッパと第二接地脚先部との接触部位は、前記接触移動範囲に含まれない部位である。従って、ストッパによって発生させられる支持モーメントは、第一接地脚先部と第二接地脚先部との円滑な相対移動を阻害するものではなく、接触移動範囲に掛かる負荷を緩和することになる。
ここで、上述までの歩行ロボットの関節装置においては、前記第一接地脚先部の下部には、該第一接地脚先部と相対的に回転可能な回転部が設けられ、前記回転部は、前記第一接地脚先部が前記第二接地脚先部に対して突出しているときは、前記歩行路面と接地し且つ該第一接地脚先部に対して相対的に回転自在となり、且つ、該第一接地脚先部が該第二接地脚先部に対して突出していないときは、該歩行路面と接地し且つ該第一接地脚先部に対して相対的に回転自在とならないようにしてもよい。
このように歩行ロボットの脚に設けられた第一接地脚先部の下側の回転部が第一接地脚先部に対して回転することで、歩行ロボットの高さが増加されているときに、第一接地脚先部のみが歩行路面に接地している状態で、歩行ロボットの向きを変更することが可能となる。その結果、歩行ロボットの姿勢の安定性を低下させることなく、より確実に歩行ロボットの向きを所望の向きに変更することが可能となる。また、従来のように、足踏み動
作を繰り返して向きを変更する場合と比べて、きわめて短時間で歩行ロボットの向きを変更することが可能となる。
尚、回転部の回転軸方向は、第一接地脚先部が歩行路面に向けて突出する方向と略同一であるのが好ましい。このようにすることで、歩行ロボットの向きを変更する際の歩行ロボットの姿勢の安定性の低下をより確実に抑制し得る。
また、歩行ロボットの高さが第一接地脚先部と第二接地脚先部との相対移動によって変化させられていないときは、回転部は第一接地脚先部に対して回転しない。従って、その状態において歩行ロボットが歩行動作を行うとき、安定的な歩行が可能となる。
次に、上記した課題を解決するために、回転運動によって歩行ロボットの高さを増加する機構のうち回転運動を行う二つの物体の支点とは別の場所に、歩行ロボットの高さの増加に伴って発生する回転モーメントに対抗するための支持モーメントを機械的に発生させることとした。これにより上記の二つの物体の回転の支点に掛かる負荷が低減され、高さを増加する機構への負担が緩和される。
詳細には、本発明は、複数のリンク部材と該リンク部材の各々を連結する関節部とで構成される脚を少なくとも二本有し、該脚の駆動により歩行を行う歩行ロボットの関節装置において、前記脚の先端には歩行路面と接地する第一接地脚先部と第二接地脚先部とを有する脚先部が設けられ、且つ該第一接地脚先部は該第二接地脚先部より該脚先部の前方に位置し、前記第一接地脚先部と前記第二接地脚先部とを前記歩行ロボットの身長方向に回転可能に支持する支持部が前記脚先部の前方に設けられるとともに、該第一接地脚先部が接地した状態で該第二接地脚先部は流体圧によって該支持部を支点として回転することが可能であり、前記第二接地脚先部の前記支持部を支点とした回転を所定位置で機械的に制止する回転制止手段を備える。
そして、前記回転制止手段は、前記第二接地脚先部が前記支持部を支点として回転したときに流体圧による推力と前記歩行路面から受ける反力とによって生じるモーメントに対抗する支持モーメントを発生させてもよい。
上記の歩行ロボットにおいては、歩行路面と接地する脚先部を、第一接地脚先部と第二接地脚先部の二つの接地脚先部で構成するものである。ここで、上記の身長方向とは、歩行ロボットの身長(脚、胴体等によって形成される歩行ロボットの高さ)を増減する方向である。そして、この第一接地脚先部を接地した状態で、第二接地脚先部を、支持部を支点として回転させることで、第一接地脚先部と第二接地脚先部との間に角度が生じる。つまり、この角度が生じた状態において、歩行ロボットは第一接地脚先部によってあたかも爪先立ちをしている状態となる。尚、上記の歩行ロボットにおいては、この第一接地脚先部は第二接地脚先部より前方に位置しているが、それとは逆に第二接地脚先部が第一接地脚先部より前方に位置するように脚先部を設計してもよい。そして、その生じた角度が、歩行ロボットの高さの増加量として反映される。従って、歩行ロボットの高さが増加されているときは、脚先部の中でも第一接地脚先部のみが歩行路面に接地している。このとき、第一接地脚先部と第二接地脚先部との間の相対移動は、流体の流体圧が利用される。これにより、歩行ロボットの高さを増加する機構の軽量化が図られる。
以上より、上述の技術は、第一接地脚先部と第二接地脚先部とを相対的に回転させることで、歩行ロボットの高さを増加させる技術である。尚、第一接地脚先部と第二接地脚先部との間に生じている角度を解消する方向に、両者を相対的に回転させることで、歩行ロボットの高さを減少させることも可能である。
ここで、流体圧によって第一接地脚先部と第二接地脚先部とを相対的に回転させて歩行ロボットの高さを増加させるとき、流体圧による推力と、接地している第一接地脚先部が歩行路面から受ける反力とによって、回転モーメントが支持部に発生する。その結果、支持部において局所的に負荷が掛かる。
そこで、上記の回転制止手段によって、第二接地脚先部の回転を機械的に制止して支持部とは異なる所定位置に支持モーメントを発生させることで、モーメントを分散させて、支持部に掛かる負荷を緩和させることが可能となる。
上記の歩行ロボットの関節装置において、前記第一接地脚先部と前記第二接地脚先部との間には、流体圧が与えられると膨張する弾性体が設けられ、該弾性体が膨張することで該第二接地脚先部が前記支持部を支点として回転するようにしてもよい。即ち、流体圧で弾性体が膨張するにともなって第一接地脚先部に推力が作用し、第一接地脚先部が支持部を支点に回転する。
また、上述までの歩行ロボットの関節装置において、前記第一接地脚先部の下部には、該第一接地脚先部と相対的に回転可能な回転部が設けられ、前記回転部は、前記第二接地脚先部が前記支持部を支点として回転したときは、前記歩行路面と接地し且つ前記第二接地脚先部に対して相対的に回転自在となり、且つ、該第二接地脚先部が該支持部を支点として回転していないときは、該歩行路面と接地し且つ該第一接地脚先部に対して相対的に回転自在とならないようにしてもよい。
このように歩行ロボットの脚に設けられた第一接地脚先部の下側の回転部が第一接地脚先部に対して回転することで、歩行ロボットの高さが増加されているときに第一接地脚先部のみが歩行路面に接地している状態で、歩行ロボットの向きを変更することが可能となる。その結果、歩行ロボットの姿勢の安定性を低下させることなく、より確実に歩行ロボットの向きを所望の向きに変更することが可能となる。また、従来のように、足踏み動作を繰り返して向きを変更する場合と比べて、きわめて短時間で歩行ロボットの向きを変更することが可能となる。
また、歩行ロボットの高さが第一接地脚先部と第二接地脚先部との回転によって変化させられていないときは、回転部は第一接地脚先部に対して回転しない。従って、その状態において歩行ロボットが歩行動作を行うとき、安定的な歩行が可能となる。
歩行ロボットの関節装置において、歩行ロボットを所望の高さとする脚を有する歩行ロボットを提供するとともに、該歩行ロボットの高さの増加に際して高さを増加する機構へ局所的にかかる負荷を緩和することが可能となる。
ここで、本発明に係る歩行ロボットの関節装置の実施の形態について図面に基づいて説明する。
図1に本発明を適用するのに適した2足歩行ロボット1の骨格図を示す。この骨格図については本発明に関係するところは詳細に述べるが、本発明の実施に当たって必要条件ではない部分は簡潔に述べる。
図1において、歩行ロボット1は左右それぞれの脚に6ケの関節軸を備える。当該6ケの関節軸は上から順に、脚回転用の関節軸10、股関節部のピッチ方向の関節軸12、同
ロール方向の関節軸14、膝関節部のピッチ方向の関節軸16、足関節部のピッチ方向の関節軸18、同ロール方向の関節軸20となっており、その下部には6軸力センサ22を介して脚先部24が備えられる。また、最上部には人体の骨盤に相当する腰板リンク26が設けられている。腰板リンク26には関節の制御に必要な電源やアンプ(増幅器)、及び本発明に関係のある傾斜計30などが搭載されているものとする。尚、これらの搭載方法については公知の技術であるため、図1における明示は省略している。尚、傾斜計30はピッチ方向の傾き角θとロール方向の傾き角θとが独立に計測できるものとする。
ここで、歩行ロボット1において、右脚と左脚とは鏡像の関係にあり対称形状である。そこで、本実施例においては、歩行ロボット1の左脚(図1に向かって右側の脚)についてのみ詳細に説明を行い、右脚についてはその詳細な説明を省略する。歩行ロボット1の股関節は図1に示すように3つの関節軸10、12、14から構成されており、股関節と膝関節との結合には大腿リンク32が設けられている。また足関節も図1に示すように2つ関節軸18、20から構成されており、足関節と膝関節との結合にはスネリンク34が設けられている。
ここで、足関節に接続される脚先部24には、本発明の第一実施例に基づく爪先立ち関節40が設けられている。この関節は、後述するように、直線運動を行うタイプの関節であり、図1に示す他の関節(股関節、膝関節、脚関節)が回転式のものであるのに対して、明確な違いが存在する。当然、この爪先立ち関節40は、歩行ロボット1の両脚の脚先部24に鏡像の関係で同じ形式で用意されている。
図2は、爪先立ち関節40の概念を示す概念図であり、また当該関節を装着したロボットが階段を登るときに階段と脚先部24との干渉を避けるための設計要件を説明するための図である。図2で、足関節の出力軸は6軸力センサ22に機械的に結合され、同時に6軸力センサ22の下端は脚先部24にボルトなどの手段で機械的に結合されている。脚先部24の前方(いわゆる爪先側)には本発明に基づく爪先立ち関節40が設けられる。
爪先立ち関節40は上下に運動可能な段付きのピストン42と、そのピストン42を収納するシリンダ44と、ピストン42の下部にあってピストン42とは回転自在に支えられた回転円盤46とがピストン42の軸を垂直にした状態で配置されている。ピストン42の段付き部には、外部から空気圧が導管48を介して導かれるように構成され、導管48の先には電磁弁50、及び減圧弁52、蓄圧タンク54が直列に接続されている。電磁弁50が励磁されるとピストン42の段付き部に減圧弁52の設定する高圧が導かれる。その結果、ピストン42は脚先部24に対して下降し、その脚先部24が床の上にあるときは歩行ロボット1全体が持ち上がることになる。また、ピストン42の過度の下降を防止するためにストッパ58が設けられ、結果的にピストン42はストロークSだけ下降できるようになっている。
また電磁弁50を消磁すると、ピストン42内部の圧力は大気に開放され、ピストン42は歩行ロボット1の重量によって図2に示す位置に戻される。この説明から分かるように、ピストン42が駆動されて歩行ロボット1の脚が持ち上げられると、脚先部24の後方は地面から離れ、あたかも人間の爪先立ちのように踵が地面から離れるようになる。
ここで、図2に基づいて、爪先立ち関節40を設けた歩行ロボット1が階段を昇るときに設計上配慮しなければならない点について説明をする。歩行ロボット1が階段を上る動作を行うには、即ち、鎖線に示す階段の下の段60に置かれている脚先部24を二段上の段(図示していない)に運ぶには、脚先部24を、鎖線で示す一段上の段62のヘリK部を回避しながら運ぶ必要がある。この回避動作を効率良く行うには爪先立ち関節40はできるだけ小さいことが望ましい。一方で、ピストン42を含む空気圧システムから見れば
、蓄圧タンク54内部の圧力レベルが次第に低下していくときに最後の圧力まで有効に使いたく、そのためにはできるだけ低い圧力でピストン42が駆動できるよう広い有効加圧面積をピストン42に与えたい。従って、爪先立ち関節40を小型に設計するにはその高さHをできるだけ低く設計することが効果的である。そして、低い高さHは、当然のことながら階段のヘリK部を回避するのに有利となる。
ところが、高さHを低くすると今度は以下のような問題が発生する。ここで図3に基づいて、この問題を説明する。いまピストン42に空気圧が送られてその圧力が図の下向きの矢印(細線で示される矢印)で示すように作用すると、その合力はピストン中心で下向きの白抜き矢印64のように働く。ピストン42の形状は同心の段付き柱状のピストンであり、圧力はボイルの法則により均一であるから、その圧力による合力の作用線はピストン42の中心を通る。
このようにピストン42に空気圧が与えられることで、歩行ロボット1全体が持ち上げられ、脚先部24においてはピストン42の下部に設けられた回転円盤46だけが接地していることになる。この回転円盤46は、ピストン42に対して回転自在に設けられている。ここで、歩行ロボット1を支える床反力の作用点をZMPと称すると、作用点ZMPは同時に歩行ロボット1の重心から下ろした鉛直線が床面と交わる点でもある。この床反力を上向きの白抜き矢印66とすると、白抜き矢印64と66の2つの矢印の大きさは共に等しく、方向は逆向きである。しかし、この2つの矢印の作用線は必ずしも互いに一致しない。
両者の作用線の間の距離を図3に示すようにLwとすると、ピストン42には反時計方向の回転モーメントが作用し、その大きさは反力の大きさに距離Lwを乗じた量となる。ここでピストン42が図3に示す位置を保つには、この回転モーメントと大きさが等しく、方向が逆の支持モーメントがピストン42に作用することになる。即ち、ピストン42には、ピストン42とシリンダ44との間の相対移動を阻害する力(以下、「阻害力」という。)として、図のA点及びA′点において水平方向の力が発生することになる。この2点に発生する阻害力の大きさは2点間の垂直距離Lが小さいほど大きくなり、ピストン42の円滑な滑動を阻害して、ついには滑動面を剥離させる原因となる。
ここで、再び図2に戻って、爪先立ち関節40の高さHを低くすることは、この阻害力を大きくする方向に作用するため、爪先立ち関節40に掛かる負担が大きくなり該関節の使用寿命を縮める結果となる。そこで、上記の支持モーメントを確保して且つ上記の阻害力を小さくするには、ピストン42に作用する支持モーメントをピストンの阻害力だけに依存するのではなく、確実に安全な方法で上記支持モーメントの全て又は大半を発生させる、別の機構が必要とされる。
その機構として、ピストン42の過大なストロークを防止するためのストッパ58が利用される。ここで、ストッパ58の形状を円形とし、且つその直径を大きく設定するとともに、シリンダ44の肉厚を厚くする。このように設定することで、ピストン42が下降しストッパ58がシリンダ側に当接していると、上記回転モーメントに対抗する支持モーメントは、ストッパ58とシリンダ44との接触点である点B及びB′において発生する垂直方向で且つ方向が逆の反力が作りだすモーメントと、上記A点とA′点で発生する阻害力による支持モーメントとの合力となる。ここで点BやB′においては滑動や摺動を行うものはないから、支持モーメントとなる大きな反力が生じても爪先立ち関節40の使用寿命を縮めることにはならない。
換言すると、点B及びB′間の距離を長く設定し、点B及びB′において発生する支持モーメントを大きくすることで、A点とA′点で発生する阻害力による支持モーメントを
小さくすることが可能となり、その結果、阻害力が小さくなるため爪先立ち関節40の使用寿命が長くなる。
上述の脚先部24と爪先立ち関節40の構造についてその詳細を図4に示す。脚先部24の右側には鎖線で示す6軸力センサ22がボルト23で脚先部24に固定されている。また左側には爪先立ち関節40の詳細が示されている。爪先立ち関節40は空気圧によって上下に滑動するピストン42がシリンダ44内に収納されていることは前述の通りである。ピストン44の外周にはシール性を保つ目的でゴム製のシール材70、71が添えられている。2つのシール材70、71によって作られた密封空間には、図2で説明したように空気圧が選択的に送られ、ピストン42の上下運動を行う。ピストン42の上部にはストッパ58がボルト59によって強固にピストン42に締結されている。ピストン42の滑動面に水などが進入しないよう、ストッパ58の外周は図示のように曲げられ、このことは結果的にストッパ58の強度・剛性を高める役割も兼ねている。ピストン42はシリンダ44に対して回転できないように回り止めピン72が設けられている。ピストン42の下部には、回転円盤46がピストン42に対して回転自在にサークリップ74等の手段で支持されている。
回転円盤46とピストン42との間の滑りを良くする目的で、樹脂製の低摩擦材76が回転円盤46側に接着されている。また回転円盤46と脚先部24との間の滑り運動を阻止する目的で、低摩擦材76より高い摩擦力を持つ樹脂製の高摩擦材78が同じく回転円盤46に接着されている。これら2つの摩擦材の厚みは、図示のようにピストンが戻りバネ80によって戻された状態では、低摩擦材76はピストン42に対して僅かな隙間が生ずるように、高摩擦材78の厚みが設計されている。脚先部24の下面、及び回転円盤46の下面には床面との馴染みが良くなるようにゴム製のクッション材82、83が接着されている。尚、図4では戻りバネ80は一つのみ示されているが、円周上等間隔に複数の戻りバネが設けられているものとする。
このように構成される歩行ロボット1においては、図4において通常の歩行時にはピストン42は戻りバネ80の力によって図4に示す位置に止まり、脚先部24の下面はフラットに保たれる。そして、例えば歩行ロボット1が回れ右等をするために爪先立ちをして脚先部24と床面との接触面積を小さくしたいときには、空気圧をピストン室に送り、ピストン42を脚先部24に対して下側(歩行路面側)に押し出すことにより、歩行ロボット1全体を持ち上げることができる。このときピストン42は低摩擦材76を介して回転円盤46と接触しているから(高摩擦材78はこの状態では脚先部24と離れている)、回転円盤46における摩擦力が低下し、回れ右を行うときの消費エネルギーを小さなものにすることができる。
また、高い場所にあるものを取りたいとき等に歩行ロボット1が爪先立ちをする場合にも同じようにして歩行ロボット1の背丈を増大できる。この場合には歩行ロボット1の両脚間の距離が歩行ロボット1の姿勢を維持しようとする力として働き、歩行ロボット1の無用な回転を予防するため、低摩擦材76が介在していることにより歩行ロボット1の回転方向の安定性が劣化することはない。尚、以上の爪先立ち動作に先立って、歩行ロボット1の重心を予め移動して回転円盤46の接地面積内部に管理することで、歩行ロボット1の安定性を維持することが好ましい。
以上詳述してきたように、従来のヒューマノイドにおいては、必要性は認識されながら脚先部24先端の重量が重たくなる、脚先部24の大きさが極端に大きくなり狭い場所での活動に制約が予想される等の理由で、本発明に係る爪先立ち関節40に相当する関節を用意できなかったのであるが、本発明によれば従来は不可能とされた爪先立ち関節40を小型・軽量にして且つシンプルな構成で実現できる。また、回れ右動作等の歩行ロボット
1の向きを変更する動作では、人間と同じく踵を歩行路面から離床させて接地面積を小さくでき、回転摩擦力を軽減できる。更に、歩行路面と脚先部24との間にスベリ機構(回転円盤46と低摩擦材76)とが設けられているため、歩行路面の摩擦状態に関係なく、短い時間と少ないエネルギー消費で歩行ロボット1の向きの変更ができるようになる。
また、本実施例においては、空気圧によって歩行ロボット1の高さ維持を行うので、もし従来のロボット設計に共通のサーボモータを使う場合に比べて格段に経済的に行えるという利点もある。何故ならサーボモータは姿勢維持のためにエネルギーを絶えず消費することが不可避だからである。更に、本実施例による爪先立ち動作では、爪先立ち動作に伴うロボットの重心移動が起きないから、脚関節を固定したまま爪先立ち動作が行える利点がある。このことは一層少ないエネルギー消費で、その後の歩行ロボットの向きの変更を行えることを意味している。
更に、爪先立ち関節40にかかる負荷モーメントの一部または全てをピストン42以外の補助機構、即ちストッパ58に持たせるように構成したため、ピストン42の使用寿命が延びるとともに、ピストン42が支持モーメントの全てを負担するものに比べて著しくピストン42の上下方向の寸法を小さくできるという利点がある。
第一実施例で詳述してきたように、脚先部24に設ける必要のある爪先立ち関節40はできるだけ小型・軽量であることが好ましく、特に高さ方向の寸法はできるだけ薄いのが好ましい。第一実施例ではこの要求にピストン42を用いながらピストン42に働く阻害力を低下させるべく、ピストン42以外の場所(ストッパ58)に支持モーメントの発生機構を設けることで対処した。しかし、ピストン42を用いている限りピストン高さが存在するため、爪先立ち関節40の高さがある程度高くなる。そこで、第二実施例に示す歩行ロボットの関節装置は、爪先立ち関節40の駆動方式をピストンからダイアフラムに変えることで、該関節の高さ方向の寸法を薄く設計できる技術である。
ここで、第二実施例は図5、図6に示すが、図中の参照番号は第一実施例と同じような機能を持つ要素には原則として同じ番号を付け、その詳細の説明は省略する。但し実施例の違いを意味するために、この原則は参照番号の下二桁に限るものとし、百位の番号には2を付けて第一実施例と区別する。
図5においては脚先部224の右側には6軸力センサ222がボルト223によって結合され、左側にはこれから述べる爪先立ち関節240が組み込まれている。爪先立ち関節240の基本構成部品は、脚先部224の延長である上側リンク244、下側リンク242及び上側リンク244と下側リンク242を歩行ロボット1の身長方向に回転自在に結合する結合ピン243、上側リンク244を下側リンク242に対して当該結合ピン243の回りに回転駆動するための空気圧ブラダ270、下側リンク242の更に下側にあって下側リンク242に対して歩行ロボットの身長方向の軸回りに回転可能な態様で結合された回転円盤246、空気圧ブラダ270から空気圧が排気されたとき上側リンク244と下側リンク242との相対位置を図示の位置に確実に戻すための戻しバネ280とから構成される。また、脚先部224において、下側リンク242が上側リンク244より前方(爪先側)に位置する。
回転円盤246と下側リンク242との間には相対回転運動を円滑に行わせる目的で、樹脂製の低摩擦材276が回転円盤246側に接着されている。一方、低摩擦材276の外側には、回転円盤246の回転運動を阻止する目的で、上側リンク244にねじ291で固定された複数の制動子290、及びこの制動子290に接着された樹脂製の高摩擦材278が設けられている。低摩擦材276と高摩擦材278との厚みの関係は、図示位置
では高摩擦材278が高い圧力で回転円盤246に押しつけられているものの、低摩擦材276は下側リンク242と回転円盤246との間に極僅かな隙間が生ずるような厚み関係にあるものとする。
ここで下側リンク242の形状を俯瞰図として示したものが図6である。図6において下側リンク242の空気圧ブラダ270を迎え入れる凹所290を囲むようにして、3ケ所の切り欠き部292、293、294が設けられる。これらの切り欠き部の下側には貫通穴295、297等が設けられ、図5のように組み立てられるとこの貫通穴を通して回転円盤246を見ることができる。この切り欠き部には前述のように上側リンク244に固定された制動子290がそれぞれ嵌まり合うようにして組み立てられる。制動子290はこれら切り欠き部とその下側の貫通穴を通して回転円盤246に接触でき、爪先立ち関節240が図5に示す位置にあるときは、回転円盤246の回転を規制することができる。
再び図5に戻って、爪先立ち関節240の作動の説明をする。歩行ロボット1の通常の歩行時には、空気圧ブラダ270には高圧空気が送られておらず、下側リンク242は上側リンク244と図示の関係位置に戻りバネ280の力によって保持されている。従って、歩行ロボットの1の平地歩行時には爪先立ち関節240は関与することはない。
ここで、歩行ロボット1が例えば回れ右等によってその向きを変更したいときに、圧縮空気を空気圧ブラダ270にポート271を介して送ると、空気圧ブラダ270は膨らみ、その結果下側リンク242を上側リンク244に対して結合ピン243の回りに時計方向に回転運動させる。このとき、歩行ロボット1の体重中心が回転円盤246の上にあれば、実際には下側リンク242が静止していることになるため、上側リンク244の方が反時計方向に回転して、その結果脚先部240の踵に相当する上側リンク244の部位が歩行路面から離れ、人間が爪先立ちをした状態と同じ状態となる。
その時の下側リンク242に対する上側リンク244の回転運動角度は、戻しバネ280のバネ受け281に上側リンク244の一部が当接することで制限される。爪先立ち関節240による爪先立ち運動では、僅かな角度上側リンク244が下側リンク242に対して回転するだけで、脚先部240の踵の高さは大きく持ち上げられる。そのため、爪先立ち関節240は、高い段差の階段を登るとき等、不足しがちな脚関節の駆動角度範囲をカバーするのに適している。またこの実施例から明らかなように、爪先立ち関節240にはピストンが用いられていないため、その厚みは第一実施例の爪先立ち関節40に比べて大変薄く設計でき、狭く混雑した環境で歩行ロボットが活躍する場合に大変に有利な構造と言える。
一方で、このように構成される脚先部240を有する歩行ロボット1においても、第一実施例と同様に、空気圧ブラダ270による作用力と、歩行路面からの反力とによって回転モーメントが発生する。この回転モーメントは、上側リンク244と下側リンク242の回転の支持軸となる結合ピン243に過大な負荷を掛けることになる。しかし、空気圧ブラダ270自体には、第一実施例におけるピストン42のように阻害力によって、回転モーメントに対抗できる支持モーメントを発生する機能はない。そのために本実施例では、戻しバネ280のところにある回転制止手段であるバネ受け281によってピッチ方向の負荷モーメントを支持する構成とした。
また、本実施例における爪先立ち運動を行うとき、歩行ロボット1の爪先立ち関節240以外の関節を何も駆動しなければ、歩行ロボット1の体重中心は前方に移動して、その結果歩行ロボット1は前のめりに倒れてしまう虞がある。そのために、図1に示す傾斜センサ30によって歩行ロボットの傾斜角を検知して、股関節、膝関節、足関節を適宜駆動
し、歩行ロボットの1の体重中心が前方に移動するのを防げばよい。また、6軸力センサ222の出力を監視して、歩行路面からの反力の作用点ZMPが回転円盤246の前方に移動することを検知し、その作用点ZMPを再び元の位置に戻す方向に各関節を駆動しても良い。
このように構成される歩行ロボット1においては、第一実施例の場合と同様に、爪先立ち関節240を小型・軽量にして且つシンプルな構成で実現でき、更に、脚先部240の踵の持ち上げ量が大きく取れることと、脚先部224の厚みを第一実施例より薄く設計できる。また、回れ右動作等の歩行ロボット1の向きを変更する動作では、人間と同じく踵を歩行路面から離床させて接地面積を小さくでき、回転摩擦力を軽減できる。更に、歩行路面と脚先部224との間にスベリ機構(回転円盤246と低摩擦材276)とが設けられているため、歩行路面の摩擦状態に関係なく、短い時間と少ないエネルギー消費で歩行ロボット1の向きの変更ができるようになる。
また、本実施例においては、空気圧によって歩行ロボット1の高さ維持を行うので、もし従来のロボット設計に共通のサーボモータを使う場合に比べて格段に経済的に行えるという利点もある。何故ならサーボモータは姿勢維持のためにエネルギーを絶えず消費することが不可避だからである。
更に、爪先立ち関節240にかかる負荷モーメントの一部または全てを空気圧ブラダ270以外の補助機構、即ちバネ受け281に持たせるように構成し、且つその補助機構の上下方向の寸法は極めて低くできるものとしたので、結合ピン243に係る負荷を低減させその使用寿命が延びる。
本発明の実施例に係る歩行ロボットであって2本の脚を有する歩行ロボットの下半身の概略的な骨格図を示す図である。 本発明の第一実施例に係る歩行ロボットの関節装置において、脚先部の概略的な構造を示す図である。 本発明の第一実施例に係る歩行ロボットの関節装置において、ピストン周辺に発生する回転モーメントのメカニズムを示す図である。 本発明の第一実施例に係る歩行ロボットの関節装置において、脚先部の詳細な構造を示す図である。 本発明の第二実施例に係る歩行ロボットの関節装置において、脚先部の詳細な構造を示す図である。 本発明の第二実施例に係る歩行ロボットの関節装置において、爪先立ち関節を構成する下側リンクの俯瞰図である。
1・・・・歩行ロボット
10・・・・脚回転用関節軸
12・・・・股関節軸
14・・・・股関節軸
16・・・・膝関節軸
18・・・・脚関節軸
20・・・・脚関節軸
24・・・・脚先部
32・・・・大腿リンク
34・・・・スネリンク
40・・・・爪先立ち関節
42・・・・ピストン
44・・・・シリンダ
46・・・・回転円盤
58・・・・ストッパ
80・・・・戻りバネ
240・・・・爪先立ち関節
242・・・・下側リンク
243・・・・結合ピン
244・・・・上側リンク
246・・・・回転円盤
270・・・・空気圧ブラダ
280・・・・戻りバネ
281・・・・バネ受部

Claims (8)

  1. 複数のリンク部材と該リンク部材の各々を連結する関節部とで構成される脚を少なくとも二本有し、該脚の駆動により歩行を行う歩行ロボットの関節装置において、
    前記脚の先端には歩行路面と接地する第一接地脚先部と第二接地脚先部とを有する脚先部が設けられ、該第一接地脚先部は該第二接地脚先部より該脚先部の前方に位置するとともに、該第一接地脚先部は流体圧によって該第二接地脚先部に対して前記歩行路面に向けて突出する方向に相対的に移動することが可能であり、
    前記第一接地脚先部が前記第二接地脚先部に対して突出しているときに流体圧による推力と前記歩行路面から受ける反力とによって生じるモーメントに対抗する支持モーメントを、該第一接地脚先部と該第二接地脚先部との間での接触移動範囲以外で機械的に発生させる支持モーメント発生手段を備えることを特徴とする歩行ロボットの関節装置。
  2. 前記第一接地脚先部は、前記第二接地脚先部をシリンダとする際の、該シリンダに装填されるピストンを構成し、流体圧によって該ピストンが該シリンダに対して前記相対移動を行うことを特徴とする請求項1に記載の歩行ロボットの関節装置。
  3. 前記支持モーメント発生手段は、前記第一接地脚先部に設けられたストッパであって、
    前記ストッパは、前記第一接地脚先部が前記第二接地脚先部に対して突出するときに前記接触移動範囲には含まれない部位で前記第二接地脚先部と接触し、該第一接地脚先部と該第二接地脚先部の相対移動を制止することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の歩行ロボットの関節装置。
  4. 前記第一接地脚先部の下部には、該第一接地脚先部と相対的に回転可能な回転部が設けられ、
    前記回転部は、前記第一接地脚先部が前記第二接地脚先部に対して突出しているときは、前記歩行路面と接地し且つ該第一接地脚先部に対して相対的に回転自在となり、且つ、該第一接地脚先部が該第二接地脚先部に対して突出していないときは、該歩行路面と接地し且つ該第一接地脚先部に対して相対的に回転自在とならないことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の歩行ロボットの関節装置。
  5. 複数のリンク部材と該リンク部材の各々を連結する関節部とで構成される脚を少なくとも二本有し、該脚の駆動により歩行を行う歩行ロボットの関節装置において、
    前記脚の先端には歩行路面と接地する第一接地脚先部と第二接地脚先部とを有する脚先部が設けられ、且つ該第一接地脚先部は該第二接地脚先部より該脚先部の前方に位置し、
    前記第一接地脚先部と前記第二接地脚先部とを前記歩行ロボットの身長方向に回転可能に支持する支持部が前記脚先部の前方に設けられるとともに、該第一接地脚先部が接地した状態で該第二接地脚先部は流体圧によって該支持部を支点として回転することが可能であり、
    前記第二接地脚先部の前記支持部を支点とした回転を所定位置で機械的に制止する回転制止手段を備えることを特徴とする歩行ロボットの関節装置。
  6. 前記第一接地脚先部と前記第二接地脚先部との間には、流体圧が与えられると膨張する弾性体が設けられ、該弾性体が膨張することで該第二接地脚先部が前記支持部を支点として回転することを特徴とする請求項5に記載の歩行ロボットの関節装置。
  7. 前記回転制止手段は、前記第二接地脚先部が前記支持部を支点として回転したときに流体圧による推力と前記歩行路面から受ける反力とによって生じるモーメントに対抗する支持モーメントを発生させることを特徴とする請求項5又は請求項6に記載の歩行ロボットの関節装置。
  8. 前記第一接地脚先部の下部には、該第一接地脚先部と相対的に回転可能な回転部が設けられ、
    前記回転部は、前記第二接地脚先部が前記支持部を支点として回転したときは、前記歩行路面と接地し且つ前記第二接地脚先部に対して相対的に回転自在となり、且つ、該第二接地脚先部が該支持部を支点として回転していないときは、該歩行路面と接地し且つ該第一接地脚先部に対して相対的に回転自在とならないことを特徴とする請求項5から請求項7のいずれかに記載の歩行ロボットの関節装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100996315B1 (ko) 2006-10-17 2010-11-23 후다바 덴시 고교 가부시키가이샤 로봇 시스템
JP2015054391A (ja) * 2013-09-13 2015-03-23 本田技研工業株式会社 脚式移動ロボットの制御装置

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