JP2006167731A - 精密鋳造用鋳型及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 安価に、結晶粒微細な鋳造品の製造が可能な精密鋳造用鋳型及びその製造方法を提供するものである。
【解決手段】 本発明に係る精密鋳造用鋳型10は、鋳型本体11のキャビティ13内に金属溶湯が注湯され、鋳型本体11の、キャビティ13に臨む鋳型面12の少なくとも表面部に結晶粒微細化水溶液51の含浸層14を設けたものである。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ロストワックスなどの消失型模型を用いた精密鋳造用鋳型及びその製造方法に関するものである。
形状が複雑で、高い寸法精度が必要とされる鋳造品を製造する際、ロストワックスなどの消失型模型を用いる精密鋳造法(インベストメント鋳造法)が用いられる。
一般的に、金属材料の強度は、結晶粒が微細であるほど強いとされる(一方向凝固合金や単結晶合金は除く)。このため、普通鋳造品や精密鋳造品においても、結晶粒が微細であることが望ましいとされる。ところが、鋳造条件によっては、普通鋳造品や精密鋳造品の結晶粒が粗大になる可能性がある。このため、結晶粒微細化剤が用いられる。例えば、鋳型成形用模型の表面に、酸化コバルト又はアルミン酸コバルトなどの結晶粒微細化剤を混入したスラリー(いわゆる初層スラリー)を塗布し、鋳型を作製した後、その鋳型内に、Fe−Ni基合金、Co基合金、又はNi基合金からなる合金溶湯を注湯する精密鋳造法がある(例えば、特許文献1参照)。
特開平9−168842号公報
特許文献1記載の結晶粒微細化剤である酸化コバルトやアルミン酸コバルト(酸化アルミニウムコバルト)は、水に不溶であるため、スラリーに混入させて用いられる。
ところが、酸化コバルトやアルミン酸コバルトは、非常に微細な粉体であり、例えば、スラリーを構成する主な粉体が250〜350メッシュであるのに対して、酸化コバルトやアルミン酸コバルトの粉体は約1000メッシュとより微細である。このため、スラリーのゲル化が発生し易くなってしまい、ゲル化を防ぐためのスラリーの管理が必要となると共に、スラリーライフ(寿命)が短くなってしまう。
また、酸化コバルトやアルミン酸コバルトは、一般には青色顔料として用いられるものであって、工業的に用いるには高価過ぎる。
以上より、結晶粒微細化剤として酸化コバルトやアルミン酸コバルトを用いた場合、スラリーの原料コスト及びランニングコストが高くなってしまい、延いては鋳造品の製造コストの上昇を招くという問題があった。
以上の事情を考慮して創案された本発明の目的は、安価に、結晶粒微細な鋳造品の製造が可能な精密鋳造用鋳型及びその製造方法を提供することにある。
上記目的を達成すべく本発明に係る精密鋳造用鋳型は、鋳型本体のキャビティ内に金属溶湯が注湯される精密鋳造用鋳型において、上記鋳型本体の、キャビティに臨む鋳型面の少なくとも表面部に結晶粒微細化水溶液の含浸層を設けたものである。鋳型本体のキャビティ内に中子を配置し、その中子表面部に結晶粒微細化水溶液の含浸層を設けてもよい。
また、本発明に係る精密鋳造用鋳型は、鋳型本体のキャビティ内に金属溶湯が注湯される精密鋳造用鋳型において、上記鋳型本体のキャビティ内に中子を配置し、その中子表面部に結晶粒微細化水溶液の含浸層を設けたものである。
ここで、含浸層に含浸される結晶粒微細化水溶液は、Co化合物系水溶液、Fe化合物系水溶液、又はNi化合物系水溶液の内から選択される少なくとも1種である。
また、結晶粒微細化水溶液は、溶質である水溶性結晶粒微細化剤を1g/100ml以上の割合で含むことが好ましい。
一方、本発明に係る精密鋳造用鋳型の製造方法は、鋳型本体のキャビティ内に金属溶湯が注湯される精密鋳造用鋳型を製造する方法であって、
鋳型本体を作製する鋳型作製ステップと、
鋳型本体の、キャビティに臨む鋳型面の少なくとも表面部に結晶粒微細化水溶液を含浸させる含浸ステップと、
その結晶粒微細化水溶液を乾燥させる乾燥ステップと、
を備えるものである。
ここで、含浸ステップは、鋳型本体全体を結晶粒微細化水溶液中に漬ける浸漬処理であってもよい。また、含浸ステップは、鋳型本体のキャビティ内に結晶粒微細化水溶液を注ぐ注入処理であってもよい。
乾燥ステップは、鋳型本体全体を乾かす乾燥処理であってもよい。また、乾燥ステップは、鋳型本体全体を熱する焼成処理を更に含んでいてもよい。さらに、乾燥ステップは、鋳造の注湯前に行う鋳型本体の予熱処理を更に含んでいてもよい。
また、本発明に係る精密鋳造用鋳型の製造方法は、精密鋳造用鋳型を製造する方法であって、
鋳型本体を作製する鋳型作製ステップと、
鋳型本体のキャビティ内に配置される中子の表面に、結晶粒微細化水溶液を含浸させる含浸ステップと、
その結晶粒微細化水溶液を乾燥させる乾燥ステップと、
を備えるものである。
ここで、含浸ステップは、中子全体を結晶粒微細化水溶液中に漬ける浸漬処理であってもよい。
乾燥ステップは、中子全体を乾かす乾燥処理であってもよい。また、乾燥ステップは、中子全体を熱する焼成処理を更に含んでいてもよい。
他方、本発明に係る精密鋳造品の製造方法は、鋳型本体のキャビティ内に金属溶湯が注湯される精密鋳造用鋳型を用いて鋳造を行い、精密鋳造品を製造する方法において、
鋳型本体の、キャビティに臨む鋳型面の少なくとも表面部に結晶粒微細化水溶液の含浸層を設けた精密鋳造用鋳型を用い、その鋳型のキャビティ内に金属溶湯を注湯する注湯ステップと、
注湯後、冷却を行って金属溶湯を凝固させ、鋳造体を形成する冷却・凝固ステップと、を備えるものである。ここで、注湯ステップは、鋳型本体の、キャビティに臨む鋳型面の少なくとも表面部及びキャビティ内に配置される中子の表面部に、結晶粒微細化水溶液の含浸層を設けた精密鋳造用鋳型を用い、その鋳型のキャビティ内に金属溶湯を注湯するようにしてもよい。
また、本発明に係る精密鋳造品の製造方法は、鋳型本体のキャビティ内に金属溶湯が注湯される精密鋳造用鋳型を用いて鋳造を行い、精密鋳造品を製造する方法において、
鋳型本体のキャビティ内に中子を配置し、その中子表面部に結晶粒微細化水溶液の含浸層を設けた精密鋳造用鋳型を用い、その鋳型のキャビティ内に金属溶湯を注湯する注湯ステップと、
注湯後、冷却を行って金属溶湯を凝固させ、鋳造体を形成する冷却・凝固ステップと、を備えるものである。
ここで、金属溶湯の構成材は、Ni基超合金、Ni−Fe基超合金、Co基超合金、又はステンレス鋼合金である。
他方、本発明に係る精密鋳造品は、前述した精密鋳造品の製造方法を用いて製造され、少なくとも鋳型面に面していた部分の鋳造体の結晶粒を微細化させたものである。また、本発明に係る精密鋳造品は、前述した精密鋳造品の製造方法を用いて製造され、中子に面していた部分の鋳造体の結晶粒を微細化させたものである。
本発明によれば、結晶粒微細化剤を混入させたスラリーを用いることなく、結晶粒微細な鋳造品の製造が可能な精密鋳造用鋳型を得ることができるという優れた効果を発揮する。
以下、本発明の好適な実施形態を添付図面に基づいて説明する。
(第1の実施形態)
本発明の好適一実施の形態に係る精密鋳造用鋳型の横断面図を図1に示す。
図1に示すように、本実施の形態に係る精密鋳造用鋳型10は、インベストメント鋳造に用いられる鋳型であり、鋳型本体11のキャビティ13に臨む鋳型面12はその表面に多孔質部を有している。その多孔質部には結晶粒微細化水溶液が含浸され、鋳型面12の表面に含浸層14が形成されている。
含浸層14の層厚は、特に限定するものではなく、0.1mm以上あれば十分であり、例えば0.5mm程度とされる。
含浸層14に含浸される結晶粒微細化水溶液は、Co化合物系水溶液、Fe化合物系水溶液、又はNi化合物系水溶液の内から選択される少なくとも1種である。Co化合物系水溶液としては、例えば、
酢酸コバルト(Co(CH3CO2)2・4H2O)の水溶液、
硫酸コバルト(CoSO4・7H2O)の水溶液、
塩化コバルト(CoCl2・6H2O)の水溶液、
スルファミン酸コバルト(Co(SO3NH2)2・4H2O)の水溶液、
硫酸アンモニウムコバルト(Co(NH4)2(SO4)2・6H2O)の水溶液、
チオシアン酸コバルト(Co(SCN)2)の水溶液、
硝酸コバルト(Co(NO3)2・6H2O)の水溶液、
などが挙げられる。これらの中でも、水和物の水分子数n(−−・nH2O)が小さい水溶性結晶粒微細化剤の水溶液が好ましく、特に水分子数nが5以下の水溶液が好ましい。これは、水分子数nが小さい結晶粒微細化剤の方が、より少ない添加量で高濃度が得られるためである。ここで、コストパフォーマンスを重視する場合は酢酸コバルト水溶液がより好ましく、結晶粒微細化効果を重視する場合はスルファミン酸コバルト水溶液がより好ましい。
結晶粒微細化水溶液は、溶質である水溶性結晶粒微細化剤を1g/100ml以上の割合で含むことが好ましい。これは、結晶粒微細化水溶液の溶質濃度が高い程、結晶粒微細化の効果がより高くなるためである。溶質濃度の上限は特に規定するものではないが、溶質濃度が高くなる程、結晶粒微細化水溶液のコストが上昇する。このため、目的とする結晶粒の大きさとコストとの兼ね合いで、溶質濃度の上限が適宜選択される。
本実施の形態に係る精密鋳造用鋳型10においては、鋳型面12のみに結晶粒微細化水溶液の含浸層14を設けた場合について説明を行ったが、特にこれに限定するものではなく、鋳型面12と鋳型本体11の外表面の両方に、含浸層14を設けてもよい。
次に、本実施の形態に係る精密鋳造用鋳型10の製造方法、及びその精密鋳造用鋳型10を用いた精密鋳造品40の製造方法を、それぞれ添付図面に基づいて説明する。
図4に示すように、本実施の形態に係る精密鋳造用鋳型を用いた鋳造製品の鋳造方法は、インベストメント鋳造法(ロストワックス法)を用いたものである。
先ず、所定形状のキャビティを有する金型(雌型)が製造される。この金型内にロウ材を射出成型などの手法により注入し、ロウ材を硬化させた後、金型からロウ成形体が取り出される(ステップC)。このロウ成形体を用い、消失模型であるロウ型(雄型)41が得られる。ロウ型41の作製に際して、必要に応じて2種類以上のロウ成形体を成形すると共に、これらを組み立て、目的とするロウ型41を得るようにしてもよい(ステップD)。ロウ型41は、図示しないが、後述する鋳造時に用いる堰、湯道、及び湯口を備えている。また、複数のロウ型41をツリー状又はクラスタ状に一体化してもよい。ここで言うロウ材とは、ロウそのものだけではなく、樹脂(プラスチック)全般を含んでいる。
次に、ロウ型41の周囲にスラリー膜のコーティングがなされる(ステップE)。具体的には、ロウ型41の周囲に初層スラリーを塗布した後、初層スタッコ塗布(初層スラリー表面に耐火物粒子を振りかけて付着させる)を行い、その後、乾燥させる。これによって、初層スラリー膜が形成される。次に、初層スラリー膜の周囲に後層スラリーを塗布した後、後層スタッコ塗布(後層スラリー表面に耐火物粒子を振りかけて付着させる)を行い、その後、乾燥させる。これによって、後層スラリー膜が形成される。後層スラリー膜の形成工程は、適宜繰り返し行われ、これによって、後層スラリー膜の膜厚が所望の厚さに制御される。スラリーの付着方法としては、浸漬法、吹き付け法、塗布法が挙げられるが、浸漬法が好ましい。
次に、スラリー膜をコーティングしたロウ型41に、100〜180℃、好ましくは140〜160℃前後の温度、4〜8気圧で加熱・加圧処理を施して脱ロウが行われる(ステップF)。これによって、ロウ材が溶け、ロウ型41が消失して空洞となり、スラリー膜の内部に空洞を有する鋳型前駆体(鋳型プリフォーム体)42が得られる。
次に、鋳型前駆体42に900〜1300℃の温度で焼成処理を施すことで(ステップG)、スラリー膜が焼き固められて殻体(シェル)となり、図5(a)に示すように、殻体55の内部にキャビティ13を有するセラミックス製の鋳型本体43が得られる。
次に、この鋳型本体43が、図5(b)に示すように、結晶粒微細化水溶液51中に浸漬される(ステップH1)。鋳型本体43は、その表面に多孔質部を有していることから、その多孔質部の隙間を介して、鋳型本体43の表面及びキャビティ13に臨む鋳型面12に結晶粒微細化水溶液51が染み込み、含浸される。その後、鋳型本体43に含浸された結晶粒微細化水溶液51を乾燥させる(ステップI1)。乾燥ステップI1は、常温又は常温よりも高い温度で、数時間〜数十時間乾燥させる乾燥処理と、乾燥処理後、鋳込みに先立って行う高温(数百℃以上)の鋳型予熱処理とを含んでいる。これにより、図5(c)に示すように、その表面及び鋳型面12にそれぞれ含浸層14が形成された精密鋳造用鋳型10が得られる。
次に、予熱しておいた精密鋳造用鋳型10のキャビティ13に、図5(d)に示すように金属溶湯52を注湯し、鋳込みが行われる(ステップJ)。その後、金属溶湯52を冷却して凝固させ(ステップK)、鋳造が完了する。これによって、精密鋳造用鋳型10内に鋳造体が形成される。金属溶湯52の鋳込み方法としては、置注ぎ、遠心鋳造、吸引鋳造(低圧鋳造)などが適用可能である。金属溶湯52のマトリックスは、鋳造用金属(又は合金)として慣用的に用いられているものであれば特に限定するものではないが、精密鋳造に用いられるNi基超合金、Ni−Fe基超合金、Co基超合金、又はステンレス鋼合金が好ましい。
鋳造後、精密鋳造用鋳型10を高温のアルカリ浴などに浸漬して、シェル、すなわち精密鋳造用鋳型10を溶解除去し、型ばらしがなされる(ステップL)。これによって、最終目的物である鋳造体、すなわち精密鋳造品40が得られる。型ばらしとしては、高温のアルカリ浴を用いた化学的手法以外に、物理的手法(例えば、ブラストクリーニング)を用いてもよい。ブラストクリーニングとしては、サンドブラスト、ショットブラスト、又はウォータジェット(高圧水の吹き付け)のいずれでもよい。また、ブラストクリーニング以外の物理的手法として、シェイクアウトを用いてもよい。
本実施の形態に係る精密鋳造用鋳型10の製造方法においては、水溶性の結晶粒微細化剤を用いていることから、均一な結晶粒微細化水溶液51を容易に作製することができ、また、結晶粒微細化剤の添加に伴ってゲル化が生じるおそれもない。よって、ゲル化を防ぐための液管理は不要である。その結果、精密鋳造用鋳型10の製造が容易、かつ、安価となり、延いては精密鋳造用鋳型10の製造コストの低減を図ることができる。また、結晶粒微細化水溶液51の溶質は水溶性であることから、わざわざ初層スラリー又は後層スラリーに混入させる必要がない。よって、初層スラリー又は後層スラリーがゲル化することがないため、初層スラリー又は後層スラリーのスラリーライフ(寿命)を、従来と比較して長くすることができる。
また、本実施の形態に係る精密鋳造用鋳型10の製造方法においては、鋳型本体43を結晶粒微細化水溶液51中に浸漬することで、精密鋳造用鋳型10の全表面に含浸層14を形成している。よって、鋳型本体43が複雑な形状であっても、容易に、含浸層14を形成することができる。
さらに、本実施の形態に係る精密鋳造用鋳型10の製造方法においては、鋳型本体43を結晶粒微細化水溶液51中に浸漬し、精密鋳造用鋳型10の全表面に含浸層14を形成する場合について説明を行ったが、特にこれに限定するものではない。例えば、精密鋳造用鋳型10の鋳型面のみに含浸層14を形成するようにしてもよい。具体的には、図6(a)に示すステップGを経て形成した鋳型本体43に対して、図6(b)に示すように、そのキャビティ13内に結晶粒微細化水溶液51を注入し(ステップH1)、キャビティ13内を結晶粒微細化水溶液51ですすぐようにしてもよい。これによって、鋳型面12のみに結晶粒微細化水溶液51が含浸される。その後、鋳型本体43に含浸された結晶粒微細化水溶液51を乾燥させる(ステップI1)ことで、図6(c)に示すように、鋳型面12のみに含浸層14が形成された精密鋳造用鋳型10が得られる。図6(b)に示した含浸ステップH1を採用することで、含浸層14の形成部位が必要最小限となるため、図5(b)に示した含浸ステップH1と比較して、結晶粒微細化水溶液51の使用量を著しく低減することができる。その結果、精密鋳造用鋳型10の製造コストの更なる低減を図ることができる。
また、本実施の形態に係る精密鋳造用鋳型10の製造方法においては、乾燥ステップI1として、乾燥処理及び鋳型予熱処理を行う場合について説明を行ったが、特にこれに限定するものではない。例えば、金属溶湯52の融点が低い場合は、鋳型予熱処理を必要としない場合があるため、その場合は、乾燥処理と、乾燥処理後に鋳型本体43に対して行う高温(数百℃以上)の再焼成処理を、乾燥ステップI1としてもよい。しかし、たいていの精密鋳造用合金の融点は非常に高いため、乾燥処理及び鋳型予熱処理を含む乾燥ステップI1の方が好ましい。
本実施の形態に係る精密鋳造品40は、鋳型面のみに含浸層14を形成した精密鋳造用鋳型10を用いて鋳造形成していることから、鋳型面に面していた部分、つまり外側部の鋳造体(精密鋳造品40)の結晶粒が微細化される。その結果、精密鋳造品40の外側部における疲労強度がより高くなる。ここで、精密鋳造品40の内側部は、結晶粒の微細化処理を行っていないため、外側部と比べると結晶粒が大きくなっており、外側部と比べると高温強度がより高くなっている。よって、精密鋳造品40は、内側部は高温強度が要求され、外側部は疲労強度が要求されるデュアルプロパティ部材(複合機能部材)などに好適である。
本実施の形態に係る精密鋳造品40は、ジェットエンジン用又はガスタービンエンジン用の回転部材や羽根部材などに適用可能であるが、特にこれに限定するものではなく、形状が複雑で、高い寸法精度が必要とされる鋳造製品であれば全て適用可能である。
次に、本発明の他の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
(第2の実施形態)
本発明の他の好適一実施の形態に係る精密鋳造用鋳型の横断面図を図2に示す。尚、図1と同様の部材には同じ符号を付しており、これらの部材については説明を省略する。
図1に示した前実施の形態に係る精密鋳造用鋳型10は、鋳型面12のみに含浸層14を有するものであった。
これに対して、図2に示す本実施の形態に係る精密鋳造用鋳型20は、鋳型本体11のキャビティ13内にセラミックコア(中子)22が配置されており、鋳型面12の表面及びセラミックコア22の表面にそれぞれ含浸層14を有している。セラミックコア22は、その表面に多孔質部を有するセラミックコア本体21で構成され、セラミックコア本体21の表面には、結晶粒微細化水溶液の含浸層14が形成されている。
次に、本実施の形態に係る精密鋳造用鋳型20の製造方法、及びその精密鋳造用鋳型20を用いた精密鋳造品70の製造方法を、それぞれ図7に基づいて説明する。尚、図4と同様の部材には同じ符号を付しており、これらの部材については説明を省略する。
本実施の形態に係る精密鋳造用鋳型20の製造方法が、図4に示した前実施の形態に係る精密鋳造用鋳型10の製造方法と異なる点は、セラミックコア本体21の作製ステップ(ステップA)を有することである。この作製ステップ以外の製造工程は基本的に同じであるため、違いのみを述べる。
セラミックコア本体21の作製ステップAは、ロウ成形体の作製ステップCに先立って行われる。周知の粉末冶金的手法を用いて、セラミック粉末を成型、焼成する(ステップA)ことで、鋳型のキャビティ内における任意の位置に配置される所望形状のセラミックコア本体21が得られる。
このセラミックコア本体21は、ステップCの金型内にセットされ、その金型内にロウ材が射出成型などの手法により注入される。ロウ材を硬化させた後、金型からロウ成形体を取り出すことで、セラミックコア本体21と一体となったロウ成形体が得られる。その後、ステップD〜ステップI1を経て、表面全面(外側表面及び鋳型面12)とセラミックコア22の表面にそれぞれ含浸層14が形成された精密鋳造用鋳型20(図2参照)が得られる。
この精密鋳造用鋳型20を用い、ステップJ及びステップKを経て鋳造を行い、ステップLのシェル除去を行うことで、本実施の形態に係る精密鋳造品70が得られる。
本実施の形態に係る精密鋳造用鋳型20においても、前実施の形態に係る精密鋳造用鋳型10と同様の作用効果が得られる。
また、本実施の形態に係る精密鋳造用鋳型20は、鋳型面12の表面及びセラミックコア22の表面にそれぞれ含浸層14を有してることから、鋳型20を用いて鋳造形成した精密鋳造品70は、鋳型面12及びセラミックコア22の表面に面していた部分、つまり鋳造体(精密鋳造品70)の外側部及び内側部の結晶粒が微細化される。その結果、精密鋳造品70は、その外側部のみならず、その内側部についても疲労強度をより高くすることができる。
さらに、本実施の形態に係る精密鋳造用鋳型20を用いて鋳造を行うことで、精密鋳造品70の任意の箇所に中空部を形成することができる。その結果、精密鋳造品70の軽量化を図ることができる。
(第3の実施形態)
本発明の別の好適一実施の形態に係る精密鋳造用鋳型の横断面図を図3に示す。尚、図1,図2と同様の部材には同じ符号を付しており、これらの部材については説明を省略する。
図1に示した前実施の形態に係る精密鋳造用鋳型10は、鋳型面12のみに含浸層14を有するものであった。
これに対して、図3に示す本実施の形態に係る精密鋳造用鋳型30は、鋳型本体11のキャビティ13内にセラミックコア(中子)22が配置されており、セラミックコア22の表面のみに含浸層14を有している。
次に、本実施の形態に係る精密鋳造用鋳型30の製造方法、及びその精密鋳造用鋳型30を用いた精密鋳造品80の製造方法を、それぞれ図8に基づいて説明する。尚、図7と同様の部材には同じ符号を付しており、これらの部材については説明を省略する。
本実施の形態に係る精密鋳造用鋳型30の製造方法が、図7に示した前実施の形態に係る精密鋳造用鋳型20の製造方法と異なる点は、
セラミックコア22の作製ステップ(ステップH2,I2)を有すること、
鋳型本体43に対する結晶粒微細化水溶液の含浸、乾燥ステップがないこと、
である。これらのステップ以外の製造工程は基本的に同じであるため、違いのみを述べる。
セラミックコア22の作製ステップは、セラミックコア本体21の作製ステップAの後に行われる。その表面に多孔質部を有するセラミックコア本体21を結晶粒微細化水溶液に浸漬することで、その多孔質部の隙間を介して、セラミックコア本体21の表面に結晶粒微細化水溶液が染み込み、含浸される(ステップH2)。その後、セラミックコア本体21に含浸された結晶粒微細化水溶液を乾燥させる(ステップI2)。乾燥ステップI2は、常温又は常温よりも高い温度で、数時間〜数十時間乾燥させる乾燥処理と、乾燥処理後における高温(数百℃以上)の焼成処理とを含んでいる。これにより、その表面に含浸層14が形成されたセラミックコア22が得られる。
このセラミックコア22は、ステップCの金型内にセットされ、その金型内にロウ材が射出成型などの手法により注入される。ロウ材を硬化させた後、金型からロウ成形体を取り出すことで、セラミックコア22と一体となったロウ成形体が得られる。その後、ステップD〜ステップGを経て、セラミックコア22の表面のみに含浸層14が形成された精密鋳造用鋳型30(図3参照)が得られる。
この精密鋳造用鋳型30を用い、ステップJ及びステップKを経て鋳造を行い、ステップLのシェル除去を行うことで、本実施の形態に係る精密鋳造品80が得られる。
本実施の形態に係る精密鋳造用鋳型30においても、前実施の形態に係る精密鋳造用鋳型10と同様の作用効果が得られる。
また、本実施の形態に係る精密鋳造用鋳型30は、セラミックコア22の表面に含浸層14を有してることから、鋳型30を用いて鋳造形成した精密鋳造品80は、セラミックコア22の表面に面していた部分、つまり鋳造体(精密鋳造品80)の内側部の結晶粒が微細化される。その結果、精密鋳造品80は、その内側部の疲労強度がより高くなる。ここで、精密鋳造品80の外側部は、結晶粒の微細化処理を行っていないため、内側部と比べると結晶粒が大きくなっており、内側部と比べると高温強度がより高くなっている。よって、精密鋳造品80は、外側部は高温強度が要求され、内側部は疲労強度が要求される部材、例えば、タービンブレードなどに好適である。
以上、本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、他にも種々のものが想定されることは言うまでもない。
次に、本発明について、実施例に基づいて説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
先ず、40mm×80mm×t10mmのロウ型(雄型)を作製した。このロウ型の周囲に、初層スラリーを塗布した後、初層スタッコ塗布を行い、その後、乾燥させ、初層スラリー膜を形成した。続いて、初層スラリー膜の周囲に、後層スラリーを塗布した後、後層スタッコ塗布を行い、その後、乾燥させ、後層スラリー膜を形成した。
次に、スラリー膜をコーティングしたロウ型に、130〜160℃の温度で7分間加熱処理を施して脱ロウを行った。これによって、ロウ材が溶け、ロウ型41が消失して空洞となり、スラリー膜の内部に空洞を有する鋳型前駆体を作製した。
次に、鋳型前駆体に1050℃×2時間の焼成処理を施し、スラリー膜を焼き固めて、殻体の内部にキャビティを有するセラミックス製の鋳型本体を作製した。
次に、この鋳型本体を5つ(型11〜15)用意した。型11〜14の鋳型本体については、各キャビティ内に結晶粒微細化水溶液を注入して、キャビティ内を結晶粒微細化水溶液ですすぎ、キャビティに臨む鋳型面に結晶粒微細化水溶液を染み込ませ、含浸させた。また、型15の鋳型本体については、キャビティ内に結晶粒微細化水溶液を注入せず、そのままの状態とした。型11〜14に用いた各結晶粒微細化水溶液は、それぞれ酢酸コバルト水溶液、硫酸コバルト水溶液、塩化コバルト水溶液、スルファミン酸コバルト水溶液であり、各水溶液の溶質濃度は全て3.5g/100mlとした。
次に、型11〜15の各鋳型本体を24時間にわたって自然乾燥させた。自然乾燥処理後、鋳込みに先立って鋳型本体に900℃の鋳型予熱処理(再焼成処理)を施した。これにより、5種類の精密鋳造用鋳型を作製した。
次に、各精密鋳造用鋳型のキャビティに、1480℃のNi基超合金(Inco718(登録商標))の溶湯を注湯し、鋳込みを行った。その後、金属溶湯を冷却して凝固させ、各精密鋳造用鋳型内に鋳造体を作製した。
鋳造後、各精密鋳造用鋳型にサンドブラスト処理を施して、各精密鋳造用鋳型を除去し、最終目的物である5種類の精密鋳造品(40mm×80mm×t10mm、試料11〜15)を作製した。
次に、得られた各試料11〜15について、表面エッチングを行い、結晶粒の観察を行った。各試料11〜15表面観察図を図9(a)〜図9(e)に、各試料11〜14の横断面観察図を図10(a)〜図10(d)に示す。
図9(e)に示すように、微細化処理なしの試料15の結晶粒95は、非常に粗大であった。これに対して、図9(a)〜図9(d)、図10(a)〜図10(d)に示すように、結晶粒微細化水溶液を用いて微細化処理を行った試料11〜14は、図9(e)に示した結晶粒95と比較して、結晶粒91〜94が微細化されることが確認できた。特に、酢酸コバルト水溶液で微細化処理を行った試料11、スルファミン酸コバルト水溶液で微細化処理を行った試料15について、結晶粒の微細化効果が顕著となった。
[実施例1]の鋳型本体を3つ(型21〜23)用意した。型21〜23の鋳型本体については、各キャビティ内に酢酸コバルト水溶液を注入して、キャビティ内を酢酸コバルト水溶液ですすぎ、キャビティに臨む鋳型面に酢酸コバルト水溶液を染み込ませ、含浸させた。型21〜23に用いた各酢酸コバルト水溶液の溶質濃度は、それぞれ1.0g/100ml、3.5g/100ml、10g/100mlとした。
その後は、[実施例1]と同様にして、最終目的物である3種類の精密鋳造品(試料21〜23)を作製した。
次に、得られた各試料21〜23について、表面エッチングを行い、結晶粒の観察を行った。得られた各試料21〜23の表面観察図を図11(a)〜図11(c)に示す。
図11(a)に示す試料21の結晶粒111を、図9(e)に示した結晶粒95と比較すると、溶質濃度が1.0g/100mlの酢酸コバルト水溶液を用いて微細化処理を行った場合でも、結晶粒が小さくなることが確認できた。つまり、結晶粒微細化水溶液の溶質濃度が低くても、結晶粒の微細化効果が得られることが確認できた。
また、図11(a)〜図11(c)に示すように、試料21〜23の結晶粒111〜113を比較すると、酢酸コバルト水溶液の溶質濃度が高くなる程、結晶粒が小さくなることが確認できた。
本発明の好適一実施の形態に係る精密鋳造用鋳型の横断面図である。 本発明の他の好適一実施の形態に係る精密鋳造用鋳型の横断面図である。 本発明の別の好適一実施の形態に係る精密鋳造用鋳型の横断面図である。 図1の精密鋳造用鋳型の製造方法、及びその鋳型を用いた精密鋳造品の製造方法のフローを説明するための図である。 結晶粒微細化水溶液を含浸させる工程の一例を示す図である。 結晶粒微細化水溶液を含浸させる工程の他の一例を示す図である。 図2の精密鋳造用鋳型の製造方法、及びその鋳型を用いた精密鋳造品の製造方法のフローを説明するための図である。 図3の精密鋳造用鋳型の製造方法、及びその鋳型を用いた精密鋳造品の製造方法のフローを説明するための図である。 [実施例1]における各試料11〜15の表面観察図である。 図9における各試料11〜14の断面観察図である。 [実施例2]における各試料21〜23の表面観察図である。
符号の説明
10 精密鋳造用鋳型
11 鋳型本体
12 鋳型面
13 キャビティ
14 含浸層
51 結晶粒微細化水溶液

Claims (21)

  1. 鋳型本体のキャビティ内に金属溶湯が注湯される精密鋳造用鋳型において、上記鋳型本体の、キャビティに臨む鋳型面の少なくとも表面部に結晶粒微細化水溶液の含浸層を設けたことを特徴とする精密鋳造用鋳型。
  2. 上記鋳型本体のキャビティ内に中子を配置し、その中子表面部に結晶粒微細化水溶液の含浸層を設けた請求項1記載の精密鋳造用鋳型。
  3. 鋳型本体のキャビティ内に金属溶湯が注湯される精密鋳造用鋳型において、上記鋳型本体のキャビティ内に中子を配置し、その中子表面部に結晶粒微細化水溶液の含浸層を設けたことを特徴とする精密鋳造用鋳型。
  4. 上記含浸層に含浸される結晶粒微細化水溶液が、Co化合物系水溶液、Fe化合物系水溶液、又はNi化合物系水溶液の内から選択される少なくとも1種である請求項1から3いずれかに記載の精密鋳造用鋳型。
  5. 上記結晶粒微細化水溶液が、溶質である水溶性結晶粒微細化剤を1g/100ml以上の割合で含む請求項1から4いずれかに記載の精密鋳造用鋳型。
  6. 鋳型本体のキャビティ内に金属溶湯が注湯される精密鋳造用鋳型を製造する方法であって、
    上記鋳型本体を作製する鋳型作製ステップと、
    鋳型本体の、キャビティに臨む鋳型面の少なくとも表面部に結晶粒微細化水溶液を含浸させる含浸ステップと、
    その結晶粒微細化水溶液を乾燥させる乾燥ステップと、
    を備えることを特徴とする精密鋳造用鋳型の製造方法。
  7. 上記含浸ステップが、鋳型本体全体を結晶粒微細化水溶液中に漬ける浸漬処理である請求項6記載の精密鋳造用鋳型の製造方法。
  8. 上記含浸ステップが、鋳型本体のキャビティ内に結晶粒微細化水溶液を注ぐ注入処理である請求項6記載の精密鋳造用鋳型の製造方法。
  9. 上記乾燥ステップが、鋳型本体全体を乾かす乾燥処理である請求項6から8いずれかに記載の精密鋳造用鋳型の製造方法。
  10. 上記乾燥ステップが、鋳型本体全体を熱する焼成処理を更に含む請求項9記載の精密鋳造用鋳型の製造方法。
  11. 上記乾燥ステップが、鋳造の注湯前に行う鋳型本体の予熱処理を更に含む請求項9記載の精密鋳造用鋳型の製造方法。
  12. 鋳型本体のキャビティ内に金属溶湯が注湯される精密鋳造用鋳型を製造する方法であって、
    上記鋳型本体を作製する鋳型作製ステップと、
    上記鋳型本体のキャビティ内に配置される中子の表面に、結晶粒微細化水溶液を含浸させる含浸ステップと、
    その結晶粒微細化水溶液を乾燥させる乾燥ステップと、
    を備えることを特徴とする精密鋳造用鋳型の製造方法。
  13. 上記含浸ステップが、中子全体を結晶粒微細化水溶液中に漬ける浸漬処理である請求項12記載の精密鋳造用鋳型の製造方法。
  14. 上記乾燥ステップが、中子全体を乾かす乾燥処理である請求項12又は13記載の精密鋳造用鋳型の製造方法。
  15. 上記乾燥ステップが、中子全体を熱する焼成処理を更に含む請求項14記載の精密鋳造用鋳型の製造方法。
  16. 鋳型本体のキャビティ内に金属溶湯が注湯される精密鋳造用鋳型を用いて鋳造を行い、精密鋳造品を製造する方法において、
    上記鋳型本体の、キャビティに臨む鋳型面の少なくとも表面部に結晶粒微細化水溶液の含浸層を設けた精密鋳造用鋳型を用い、その鋳型のキャビティ内に金属溶湯を注湯する注湯ステップと、
    注湯後、冷却を行って金属溶湯を凝固させ、鋳造体を形成する冷却・凝固ステップと、を備えることを特徴とする精密鋳造品の製造方法。
  17. 上記注湯ステップが、上記鋳型本体の、キャビティに臨む鋳型面の少なくとも表面部及びキャビティ内に配置される中子の表面部に、結晶粒微細化水溶液の含浸層を設けた精密鋳造用鋳型を用い、その鋳型のキャビティ内に金属溶湯を注湯する請求項16記載の精密鋳造品の製造方法。
  18. 鋳型本体のキャビティ内に金属溶湯が注湯される精密鋳造用鋳型を用いて鋳造を行い、精密鋳造品を製造する方法において、
    上記鋳型本体のキャビティ内に中子を配置し、その中子表面部に結晶粒微細化水溶液の含浸層を設けた精密鋳造用鋳型を用い、その鋳型のキャビティ内に金属溶湯を注湯する注湯ステップと、
    注湯後、冷却を行って金属溶湯を凝固させ、鋳造体を形成する冷却・凝固ステップと、を備えることを特徴とする精密鋳造品の製造方法。
  19. 上記金属溶湯の構成材が、Ni基超合金、Ni−Fe基超合金、Co基超合金、又はステンレス鋼合金である請求項16から18いずれかに記載の精密鋳造品の製造方法。
  20. 請求項16,17,19いずれかに記載の製造方法を用いて製造され、少なくとも鋳型面に面していた部分の鋳造体の結晶粒を微細化させたことを特徴とする精密鋳造品。
  21. 請求項18又は19記載の製造方法を用いて製造され、中子に面していた部分の鋳造体の結晶粒を微細化させたことを特徴とする精密鋳造品。
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