JP2006167028A - 哺乳動物用授精適期計算尺、受精機能シーケンスシール - Google Patents

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Abstract

【課題】容易に哺乳動物の授精適期を推定する。
【解決手段】スライド式計算尺であって、固定尺として時刻を目盛りとした時間尺と、滑尺として所定の哺乳動物の雌の発情期における所定のタイミングの指示と卵子の受精可能期間における卵子の受精能強度を面形状により表現した卵子受精能強度表示部とを含んだ目盛りを有する雌尺と、カーソルとして機能するとともに精子の授精タイミングの指示と精子の受精可能期間における精子の受精能強度を面形状により表現した精子受精能強度表示部とを含んだ目盛りが透明板上に表示された雄尺とから構成され、雌尺と雄尺とが相対摺動するのに伴って卵子受精能強度表示部の面と精子受精能強度表示部の面の重複面がそれぞれの受精能表示部の面と光学的状態が異なる哺乳動物用授精適期計算尺としている。
【選択図】 図2

Description

この発明は、例えば牛などの哺乳動物を繁殖させる際の授精適期を見極めるのを支援するための計算尺に関する。またその計算尺の目盛りが印刷されたシールにも関する。
哺乳動物を繁殖させるためには、最も受胎しやすい時期に授精・受精を行わせる必要がある。周知のように動物の性周期には発情期があり、この発情期の適切な時期に授精(交尾)が行われないと受胎しない。また、その発情期が開始あるいは終了してから所定時間後に排卵があり受精可能状態となる。例えば、家畜としての牛は、普通、人工授精により繁殖させている。したがって、畜産農家などでは、飼育している雌牛を観察し、発情期の兆候を示したならば、その受胎可能時期までの時間を見越して人工授精する必要がある。なおここでは、雌の生殖器官内へ精子を注入することを授精とよび、精子と卵子が合体することを受精と呼ぶこととする。
動物の性周期ついては、牛における一般的な受精理論を例に挙げると、雌の卵巣内では卵子が濾胞に包まれるように成長し、排卵間近になると卵巣表面にグラーフ氏濾胞となって隆起する。この濾胞の発育に伴って牛の外部徴候として発情徴候と呼ばれる生殖器および行動に変化が現れる。この発情徴候は約12時間で終了し、その終了後約12時間後に成長膨満し切ったグラーフ氏濾胞の濾胞膜が破れて排卵となる。そして、排卵された卵子は、卵管膨大部に下降し受精を待つ。卵子の受精能力(受精能)は、排卵後2時間程度経過すると次第に低下し、排卵後約12間後には老化して受精能を失う。
一方精子は、雌の生殖器内に注入された後、約6時間を要して受精能を獲得しながら卵管膨大部に達し、ここで卵子に進入して受精が成立する。精子は、注入後約6時間掛けて受精能を獲得する。精子の受精能は、時間経過とともに次第に低下し、精子は、授精後約24時間で老化して受精能を失う。
牛の繁殖が殆ど人工授精で行われている現状において、授精の時期が人の手に委ねられている以上、繁殖成績向上のためには、卵子や精子の受精能保持期間を勘案して最良の授精時期(授精適期)を決定する必要がある。なお、家畜の繁殖についての現状などは下記非特許文献に記載されている。
長澤弘、他209名著,「養賢堂 新編畜産大事典1996年板」,1996年2月20日
しかしながら、発情開始時間の確認が難しく、実態として、授精適期は、発情発見時刻から発情終了時刻の推定、排卵時刻の推定という順序に従って判断することとなる。そのため、授精適期を精度よく特定することが難しい。授精適期の特定が人工授精の成果を左右する大きな要因であることは一般に広く認識されている。しかし、膨大な数の雌牛を飼育している畜産農家などの人工授精現場では、日々不規則な時間帯で異なる雌牛がばらばらに発情することになり、それぞれの雌牛ごとに授精適期を特定しなくてはならず、現実には授精適期は曖昧に決められがちになる。
また、卵子と精子の生存期間や受精可能期間は単なる時間帯として理解されている場合が多く、卵子や精子の受精能の大小(強度)を十分に考慮して授精時期を決定していないのが実情である。例えば、排卵直後の卵子に授精6時間後の精液が遭遇するのも、排卵11時間後の卵子に授精23時間後の精液が遭遇するのも同じ確率で受胎するものと理解・錯覚されていることが多く、この現状が繁殖効率を低下させる要因ともなっている。
上記課題に鑑み本発明を創作した。本発明は、煩雑な飼育現場においても、容易に哺乳動物の雌の性周期や雄の精子の受精能に関する時期や期間と、卵子や精子の受精能強度を把握し、受胎の可能性が高い受精タイミングを適切に決定できる哺乳動物の授精適期計算機器を提供することを目的としている。
本発明の基本となる発明は、次の要件 (1)〜(4)を備えた哺乳動物用授精適期計算尺としている。
(1)スライド式計算尺であって、固定尺として所定期間の時刻を目盛りとした時間尺と、滑尺として所定の哺乳動物の雌の性周期に関する時期や期間などの雌の受精機能シーケンスを目盛りとした雌尺と、カーソルとして機能するとともに前記哺乳動物の雄の精子活動能力に関する時期や期間などの雄の受精機能シーケンスを目盛りとした雄尺とからなること。
(2)雌尺の目盛りは、時間尺と同じ尺度で、前記雌の発情期における特定の状態に対応するタイミングの指示と、排卵時期を起点とした卵子の受精能保持期間における卵子の受精能強度を面形状により表現した卵子受精能強度表示部とを含むこと。
(3)前記雄尺の目盛りは、透明板上に表示されて当該透明板上方から時間尺と雌尺のそれぞれの目盛りとともに読み取り可能とするとともに、時間尺と同じ尺度で、授精タイミングの指示と、精子の受精能保持期間における精子の受精能強度を面形状により表現した精子受精能強度表示部とを含むこと。
(4)卵子受精能強度表示部の面と精子受精能強度表示部の面は、雌尺と雄尺とが相対摺動するのに伴って重複し、当該重複面はそれぞれの受精能表示部の面と光学的状態が異なること。
また本発明は、以下の要件(11)〜(18)を備えた哺乳動物用授精適期計算尺とすることもできる。
(11)上記基本発明において、卵子受精能強度表示部と精子受精能強度表示部は、それぞれの受精能強度を、面形状に代えて、濃淡により表現していること。
(12)上記基本発明あるいは要件(11)を備えた発明において、前記雌尺は、表裏入れ替え可能とし、当該雌尺の表裏の目盛りは、それぞれ前記雌の受精機能シーケンスにおける各指示位置が異なること。
(13)上記基本発明あるいは要件(11)を備えた発明において、前記雄尺は、表裏入れ替え可能とし、当該雄尺の表裏の目盛りは、それぞれ前記雄の受精機能シーケンスにおける各指示位置が異なること。
(14)上記基本発明において、卵子受精能強度表示部と精子受精能強度表示部とは異なる色で表示され、精子受精能強度表示部は光透過性であること。
(15)上記基本発明あるいは要件(11)を備えた発明において、前記雌尺は、発情終了時期と排卵時期までの適宜な位置で分離可能とし、当該分離操作により、発情終了時期と受精可能期間の開始時期までの時間間隔を自在に設定できること。
(16)上記基本発明において、卵子受精能強度表示部と精子受精能強度表示部は偏光方向が異なる偏光板により形成されていること。
(17)上記基本発明において、雌尺の目盛りに指示される前記発情期における特定の状態は、発情期の終了タイミングの指示であること。
(18)上記基本発明または要件(11)〜(17)を備えた発明のいずれかにおいて、前記雌尺、あるいは前記雄尺、あるいはその両方の尺の目盛りは、尺の板面に貼着されたシート上に印刷されていること。
また本発明は、上記要件(18)を備えた哺乳動物用授精適期計算尺の雌尺あるいは雄尺の板面に貼付される前記シートにも及んでおり、当該シートは、剥離ライナーに剥離可能に貼着されるとともに哺乳動物の雌あるいは雄の受精機能シーケンスに基づく目盛りが印刷されたシールである受精機能シーケンスシールとしている。
本発明の哺乳動物用授精適期計算尺によれば、哺乳動物の繁殖において、煩雑な飼育現場でも容易に哺乳動物の雌の性周期や雄の精子の受精能に関する時期や期間と、卵子や精子の受精能強度を把握することができ、受胎の可能性が高い授精タイミングを適切に決定できる。そのため繁殖効率を向上させることができる。
===基本構造===
図1に本発明の実施例における哺乳動物用授精適期計算尺(以下、計算尺)の斜視図を示した。この計算尺1の基本構造は、スライド式計算尺と同様である。しかし、この計算尺1は、牛の授精適期を求めるように設計されている。そして、所定期間の時刻を目盛りとした時間尺10と、雌の性周期に関する各種指示や期間(雌の受精機能シーケンス)が目盛りとして刻まれた雌尺20と、雄の精子活動能力に関する時期や期間(雄の受精機能シーケンス)が目盛りとして刻まれた雄尺30とにより構成されている。なお受精機能シーケンスについては所定の受精理論に基づいている。
図2(A)〜(C)にそれぞれ時間尺、雌尺、雄尺の単体を斜視図にして示した。時間尺10は、スライド式計算尺における固定尺であり、朝6時を起点として2日分(48時間)の時刻目盛り11が刻まれている。雌尺20は、滑尺であり、時間尺10の長手方向に凹設された溝12に摺動自在に装着され、装着状態にある双方の尺の面の高さが一致する。鞘状の雄尺30は、スライド式計算尺のカーソルとしての機能・構造を備えている。本実施例では、アクリル樹脂などの透明な部材により形成され、両端に矩形開口31を有する鞘状となっている。そして、互いに摺動可能に装着された状態にある時間尺と雌尺がその鞘に挿入されたとき、全ての尺に刻まれた目盛りが視認できるようになっている。
===雌尺目盛り===
雌尺20の目盛り21は、発情期の開始/終了タイミング(22,23)、卵子受精可能期間24の開始となる排卵時期の指示25、および当該期間24の終了(卵子老化)時期の指示26など、雌の受精機能シーケンス上の各種時期や期間が時間尺10と同じ時間尺度で刻まれている。すなわち、任意の目盛り(22〜26)を時間尺10の適当な時刻の目盛り11に合わせると、雌の受精機能シーケンス上の各時期や期間の時刻を読み取ることができる。また、卵子受精可能期間(受精能保持期間)に当たる時間帯を示す目盛り24は、所定の色(本実施例では青色)に着色された台形状の面で表現された卵子受精能強度表示部24となっている。この卵子受精能強度表示部24は、卵子の受精能が排卵後2時間程度を経つと次第に低下し排卵後、約12間後には老化してしまうことから、その受性能自体の強度を面形状によって表している。雌尺20の右方向、すなわち時間経過に伴って徐々に上下方向が狭くなり、その上下幅が受精能強度を示している。この面による受精能強度表現により、受胎する確率(受胎率)が感覚的に把握できるようにしている。したがって、排卵に伴う受精可能期間24の開始25と終了26が同様の確率で受胎が可能であるかのように錯覚されることがない。
===雄尺目盛り===
雄尺30の目盛り32は、雄の受精機能シーケンスを示しており、授精のタイミングの指示33や受精可能期間34の開始(受精能獲得)時期の指示35、授精可能期間34の終了(精子老化)時期の指示36など、授精タイミング33を起点とした精子活動能力に関わる時期や期間を示している。精子の受精可能期間34については、注入(授精)された精子が初期6時間は受精能獲得のために費やされ、受精能を獲得した精子も時間の経過とともに次第に老化し、授精後およそ24時間で受精能を失うことから、雌尺30の卵子受精能強度表示部24と同様に、所定の色(本実施例では黄色)に着色された台形状の面で表示された精子受精能強度表示部34となっている。また、精子受精能強度表示部34は、セルロイドなどの光透過性の素材でできており、この表示部34が雄尺30本体の透明板上に貼付されている。光透過性を確保できるのであれば、雄尺30の透明板を着色することも考えられる。
この精子受精能強度表示部34も、精子の受精能自体の強度を面形状によって表している。すなわち、時間経過に伴って徐々に上下方向が狭くなり、その上下幅が精子の受精能強度を表現している。この例では、受精可能期間の開始2時間後から徐々に受精能が低下するように表現されている。もちろん、雄尺の目盛りとして採用する受精理論に応じ、受精可能期間開始から徐々に受精能が低下するように精子受精能強度表示部34を三角形状で表現することもできる。
===授精適期計算尺の使用例===
本実施例の計算尺1により、実際に授精適期を推定する場合、まず雌が発情状態にあることが認められたならば、現在その発情状態が開始期なのか、終了期なのか。あるいは最盛期なのかを確認する。希少動物の繁殖などを目的とした飼育施設では、繁殖対象となる動物の状態を常時詳細に観察できる環境や体勢が整っており、性周期における現状を詳細に把握することができる。一方、畜産農家などの家畜飼育の現場では、発情期の開始兆候が見逃される可能性が十分にあり得る。すなわち、既に発情した後に発情状態が確認されることが多い。最盛期についても、同様である。しかし、発情期にあること自体は、例えば、発情した雌を含む群れ全体の行動など、経験に基づいて容易に確認できるので、発情した雌をしばらく観察して発情が終了する時期を判断し、その発情終了時期に基づいて授精適期を推定するのが現実的である。具対的な例としては、飼育されている牛の群れの全頭が雌の場合、発情していない雌が雄役となって、発情している雌とスタンディングと呼ばれる雌同士による擬似的な交尾行動をとる。発情が終了すると、発情していた雌はスタンディングに対して拒否反応を示す。この行動変化を認知することで発情期の終了時期をより正確に特定することができる。この発情期の終了時期に基づいて授精適期を計算する。
もちろん発情期の兆候は、哺乳動物の種類などによって、開始・最盛期・終了、あるいは特徴的な所定の状態など、観察されやすい特定の状態が異なる。このような場合には、本発明の計算尺が適用される哺乳動物に応じ、雌尺の授精機能シーケンスにおいて、発情期中の特定の状態に対応する指示目盛りを適宜に設定すればよい。本発明の計算尺は、少なくとも雌に発情期がある哺乳動物であれば適用可能である。
図3に計算尺1の使用説明図を示した。発情期の終了を認知した時刻に雌尺20の発情終了指示ライン23を合わせる。それによって、卵子授精可能期間にある時刻が推定できるとともに、その期間における受精能の強度も受精能強度表示部24の形状から判断できる。この例では、午後4時に発情期が終了し、受精可能期間は、翌日の午前4時から午後4時までとなる。最も受精能強度が高い時間帯は、翌日の午前4時から午前6時までの2時間となる。この時間帯に卵子が受精すれば受胎の可能性が最も高い。
次に、雌尺20を時間尺10に固定した上で、雄尺30をスライドさせる。雌尺20の卵子受精能強度表示部24と精子受精能強度表示部34とが重複する部分40の表示状態は、双方の尺(20,30)の強度表示部(24,34)とは光学的に異なる。本実施例では、互いに補色の関係にある黄色と光透過性の青色とにより重複部分40が黒色になる。そして、この重複部40の面積に応じて総合的な受精能、すなわち、受胎率が把握できる。理想的には双方の受精能強度が最大となるように排卵時期と精子受精能獲得時期とを一致させる。
このときの授精タイミングを示す指示33の位置を時間尺10の時刻目盛り11で確認する。この例では、発情期終了翌日の午前9時から正午までの時間帯に授精を行えば最も受胎可能性が高くなり、この時間帯が授精適期となる。もちろん、発情の時刻によっては授精タイミングが夜中になるなどして、現実的に人工授精が行えない可能性もあり得る。このような場合には、雄尺30を左右にスライドさせて可能な限り重複部分40の面積が大きくなるようにしつつ、授精タイミング指示33が現実的な時刻となるようにして授精時刻を決める。
このように、本実施例の計算尺1によれば、雌雄双方の受精能強度の時間推移を考慮して授精時刻を決定することができる。そのため受胎可能性が極めて高くなり、効率的に繁殖を行える。
===受精機能シーケンスについて===
上記実施例では、雌尺20や雄尺30における受精機能シーケンス上の目盛り(21,32)位置を、一般的な受精理論に基づいて設定している。しかし、他の理論に基づく受精機能シーケンスも種々提唱されており、これらの理論も一概に誤っているとは言い難い。また、動物の個体差、種別、飼育環境などによっても、受精機能シーケンスが異なる。しかし、多様な受精機能シーケンスに対応して製造者側で多種多様な計算尺を揃えていたのでは、量販効果によるコストダウンが期待できず、計算尺を普及させて繁殖効率を高めることが難しい。また飼育現場においても、飼育環境が変わって受精機能シーケンスも変わった場合などでは、その都度、新規の計算尺を入手する必要が生ずる。
そこで、雌尺と時間尺との摺動構造を改良し、雌尺を表裏で使用可能にすることが考えられる。すなわち、人工授精において管理された精子とは違って、受精機能シーケンスがより多様な雌に対応し、雌尺の表裏で受精機能シーケンスを示す目盛りの位置を変える。それによって、2つのスケジュールに対応することが可能となる。なお、雌尺を裏返し利用可能(リバーシブル)にする摺動構造については、時間尺の溝12の断面形状とその形状に適合する雌尺20の断面形状とを厚さ方向で対称にすればよい。もちろん、雄尺30も表裏で異なる雄の受精機能シーケンスの目盛りを表示すれば、容易にリバーシブルにすることができる。
あるいは、雌尺を左右に分離可能な2つの尺で構成し、その分離位置を発情期の終了時期と排卵時期までの適宜な位置とすれば、発情期と排卵時期との時間的相関を実情に応じて自在に設定できる。
また、さらに多くの受精機能シーケンスに対応するため、目盛りを貼着可能なシートに印刷することも考えられる。そして、そのシートを剥離ライナーに貼着した状態のシールとして供給すれば、雌尺や雄尺にそのシールを貼り替えるだけで異なる受精機能シーケンスに対応させることができる。このシートのみを製造・販売すれば、計算尺本体より遙かに低価格で供給でき、本発明の計算尺の普及を促進させることが期待できる。
===受精能強度表示部について===
上記実施例では、卵子および精子の受精能強度表示部(24,34)は、互いに異なる色で着色された台形面であった。この例に限らず、例えば、双方の受精能強度表示部をクロスニコルの位置など、互いに偏光方向が異なる偏光板で形成してもよい。それによって、双方の受精能強度表示部が重複する部分の透過光強度が低下して暗状態となり、重複していない部分の明状態との光学的差異を認識することができる。また受精能強度表示部を台形状とせず、長方形状とし、時間経過方向に従って徐々に濃度が低下するように着色しておいてもよい。それによって、重複部分の濃淡によって受胎率を把握することができる。
===授精適期計算尺の利用形態===
本発明の授精適期計算尺は、飼育現場における授精タイミングの決定や繁殖効率の向上などの利用形態や利用目的以外にも様々な利用形態・目的が考えられる。例えば、家畜の人工授精技術に関する研修会などの教材として、種々の発情発見時刻、終了時刻を想定しながら、本計算尺を使い授精適期の選定を反復練習すれば、授精適期選定の重要性と選定の実技を習熟することができる。また、畜産農家の啓蒙教材として利用すれば、適期授精の重要性、発情発見の重要性、とくに発情期終了時刻の確認の重要性を再認識することとなる。
繁殖技術の研究を推進する上での実験器具としても利用できる。具体的には、発情持続時間、排卵時間、卵子の受精能の消長、精子の受精能獲得所要時間、精子の受精可能期間など、各種受精機能シーケンスを検討することで、実験計画の設計から受精理論研究を推進する上での有効な実験器具とすることができる。
もちろん、人工授精に限らず、授精適期に応じて交配時期を決定する用途にも利用可能であるし、家畜に限らず希少動物の人工繁殖などの現場でも適宜に利用可能である。
本発明の実施例における授精適期計算尺の斜視図である。 上記計算尺を構成する各尺の単体斜視図である。 上記計算尺の使用方法説明図である。
符号の説明
1 授精適期計算尺
10 時間尺
11 時間尺の時刻目盛り
20 雌尺
21 雌尺の受精機能シーケンス目盛り
23 発情期終了指示
24 卵子受精能強度表示部
30 雄尺
32 雄尺の受精機能シーケンス目盛り
33 授精タイミング指示
34 精子受精能強度表示部

Claims (10)

  1. スライド式計算尺であって、固定尺として所定期間の時刻を目盛りとした時間尺と、滑尺として所定の哺乳動物の雌の性周期に関する時期や期間などの雌の受精機能シーケンスを目盛りとした雌尺と、カーソルとして機能するとともに前記哺乳動物の雄の精子活動能力に関する時期や期間などの雄の受精機能シーケンスを目盛りとした雄尺とからなり、
    雌尺の目盛りは、時間尺と同じ尺度で、前記雌の発情期における特定の状態に対応するタイミングの指示と、排卵時期を起点とした卵子の受精能保持期間における卵子の受精能強度を面形状により表現した卵子受精能強度表示部とを含み、
    前記雄尺の目盛りは、透明板上に表示されて当該透明板上方から時間尺と雌尺のそれぞれの目盛りとともに読み取り可能とするとともに、時間尺と同じ尺度で、授精タイミングの指示と、精子の受精能保持期間における精子の受精能強度を面形状により表現した精子受精能強度表示部とを含み、
    卵子受精能強度表示部の面と精子受精能強度表示部の面は、雌尺と雄尺とが相対摺動するのに伴って重複し、当該重複面はそれぞれの受精能表示部の面と光学的状態が異なる、
    ことを特徴とする哺乳動物用授精適期計算尺。
  2. 請求項1において、前記卵子受精能強度表示部と前記精子受精能強度表示部は、それぞれの受精能強度を、面形状に代えて濃淡により表現したことを特徴とする哺乳動物用授精適期計算尺。
  3. 請求項1または2において、前記雌尺は、表裏入れ替え可能とし、当該雌尺の表裏の目盛りは、それぞれ前記雌の受精機能シーケンスにおける各指示位置が異なることを特徴とする哺乳動物用授精適期計算尺。
  4. 請求項1または2において、前記雄尺は、表裏入れ替え可能とし、当該雄尺の表裏の目盛りは、それぞれ前記雄の受精機能シーケンスにおける各指示位置が異なることを特徴とする哺乳動物用授精適期計算尺。
  5. 請求項1または2において、前記雌尺は、発情終了時期と排卵時期までの適宜な位置で分離可能とし、当該分離操作により、発情終了時期と受精可能期間の開始時期までの時間間隔を自在に設定できることを特徴とする哺乳動物用授精適期計算尺。
  6. 請求項1において、卵子受精能強度表示部と精子受精能強度表示部とは異なる色で表示され、精子受精能強度表示部は光透過性であることを特徴とする哺乳動物用授精適期計算尺。
  7. 請求項1において、卵子受精能強度表示部と精子受精能強度表示部は偏光方向が異なる偏光板により形成されていることを特徴とする哺乳動物用授精適期計算尺。
  8. 請求項1において、雌尺の目盛りに指示される前記発情期における特定の状態は、発情期の終了タイミングの指示であることを特徴とする哺乳動物用授精適期計算尺。
  9. 請求項1〜8のいずれかにおいて、前記雌尺、あるいは前記雄尺、あるいはその両方の尺の目盛りは、尺の板面に貼着されたシート上に印刷されていることを特徴とする哺乳動物用授精適期計算尺。
  10. 請求項9に記載の哺乳動物用授精適期計算尺の雌尺あるいは雄尺の板面に貼付される前記シートであって、剥離ライナーに剥離可能に貼着されるとともに哺乳動物の雌あるいは雄の受精機能シーケンスに基づく目盛りが印刷されたシールであることを特徴とする受精機能シーケンスシール。

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