JP2006160566A - 正方晶MgSiO3結晶及びその製造方法並びに圧電素子 - Google Patents

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靖智 上辻
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Abstract

【課題】 鉛を含まない優れた圧電性を示し、特に生体適合性を有する新規な正方晶MgSiO結晶及びその製造方法並びに鉛を含まない生体適合性を有する圧電素子を提供する。
【解決手段】 結晶質下地(シリコン単結晶基板又はその上にバッファー層を形成したもの)上に、Mg及びSiを酸素の雰囲気中でPVD法(ヘリコン波反応性スパッタリング法など)を用いてエピタキシャル成長させることにより、正方晶MgSiO結晶の薄膜を形成する。バッファー層としては格子定数が特定の範囲にあるものが正方晶MgSiO結晶をうる為に必要である。中でも金属又は金属酸化物の薄膜(イリジウム薄膜又は酸化イリジウム薄膜など)を形成したものが好ましい。この正方晶MgSiO結晶の薄膜は、圧電素子として電子デバイスの圧電アクチュエータ、特に医療機器用圧電アクチュエータとして使用できる。
【選択図】 なし

Description

本発明は、新規な正方晶MgSiO結晶及びその製造方法並びにこの正方晶MgSiO結晶を用いて得られる圧電素子に関する。
Pb(Zr,Ti)O(チタン酸ジルコン酸鉛)や PbTiO(チタン酸鉛)などのペロブスカイト型圧電セラミックスは、優れた圧電性を有し、圧電素子としてさまざまな電子デバイスのアクチュエータに使用されている(非特許文献1参照)。しかし、人体に有害な鉛を含むことから、皮下に埋め込まれたり、皮膚に接触して用いられる医療機器用アクチュエータとしては使用できない。また、環境問題の観点から、鉛を含めた有害物質の使用規制が各国で強化されているのが現状である。このため、無鉛圧電材料が求められている。
鉛を含まない無鉛圧電材料として、ビスマス層状構造体やニオブ酸カリウムなどの圧電材料の開発が行われている(非特許文献2参照)。しかし、これらの無鉛圧電材料は、医療機器への適用は想定されておらず、生体適合性に乏しい。しかも、その圧電性能を示す圧電定数に関しても、上記Pb(Zr,Ti)OやPbTiOなどのペロブスカイト型圧電セラミックスと比較して劣る。
Sensors and Actuators.A55,(1996),157−162 Phys.Rev.B61,(2000),14434−14439
本発明は、上記従来の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、鉛を含まずに優れた圧電性を示し特に生体適合性を有する新規な圧電材料及びその製造方法並びに圧電素子を提供することにある。
本発明者は、上記の目的を達成するために、生体適合性元素として、生体必須元素や人工骨への適用実績のある元素の中から、特にMg(マグネシウム)、Si(珪素)及びO(酸素)を選び、これ等の生体適合元素から構成されるペロブスカイト型構造(ABX型)のMgSiOに着目し、種々検討を行った。
その結果、新規な正方晶MgSiO結晶が優れた圧電性を示し、特に生体適合性を有する圧電材料となり得ることを見出した。また、このような正方晶MgSiO結晶は、従来の圧電材料の製造に採用されている焼結法では得られず、Mg、Si、Oの3元素(原子)を堆積法を用いてエピタキシャル成長させることにより得られることを見出した。本発明はこのような知見に基づいてなされたものである。
すなわち、請求項1記載の発明は、正方晶MgSiO結晶である。
請求項2記載の発明は、結晶質の下地上に形成されていることを特徴とする正方晶MgSiO結晶である。
請求項3記載の発明は、結晶質の下地の実測した格子定数を a、b、cとし、
m、nは0以上30以下の整数、kは30以下の自然数である場合において、
d=(a+b0.5
h={(a+c)(b+c)}0.5×〔1−c/{(a+c)(b+c)}〕0.5/(a+b0.5
t={(a+c−h)/(a+b)}0.5
とした場合に
p=(m+n0.5
q=(m+4n0.5
r={(m+t)+(2n+1)0.5
に対し、
2.63≦p/k、q/k、r/k≦6.64
を満たすkが存在する結晶質の下地上に形成されたことを特徴とする正方晶MgSiO結晶である。
請求項4記載の発明は、結晶質の下地が、金属又は金属酸化物の薄膜からなることを特徴とする請求項2又は3に記載の正方晶MgSiO結晶である。
請求項5記載の発明は、金属又は金属酸化物の薄膜が、イリジウム薄膜又は酸化イリジウム薄膜からなることを特徴とする請求項4に記載の正方晶MgSiO結晶である。
請求項6記載の発明は、結晶質の下地上に、Mg(マグネシウム)及びSi(珪素)をO(酸素)とともに堆積させエピタキシャル成長させることにより、正方晶MgSiOの結晶を形成することを特徴とする正方晶MgSiO結晶の製造方法である。
請求項7記載の発明は、結晶質の下地が、その実測した格子定数をa、b、cとし、
m、nは0以上30以下の整数、kは30以下の自然数である場合において、
d=(a+b0.5
h={(a+c)(b+c)}0.5×〔1−c/{(a+c)(b+c)}〕0.5/(a+b0.5
t={(a+c−h)/(a+b)}0.5
とした場合に
p=(m+n0.5
q=(m+4n0.5
r={(m+t)+(2n+1)0.5
に対し、
2.63≦p/k、q/k、r/k≦6.64
を満たすkが存在することを特徴とする請求項6に記載の正方晶MgSiO結晶の製造方法である。
請求項8記載の発明は、結晶質の下地が、金属又は金属酸化物の薄膜からなることを特徴とする請求項6又は7に記載の正方晶MgSiO結晶の製造方法である。
請求項9記載の発明は、金属又は金属酸化物の薄膜が、イリジウム薄膜又は酸化イリジウム薄膜からなることを特徴とする請求項8に記載の正方晶MgSiO結晶の製造方法である。
請求項10記載の発明は、Mg(マグネシウム)及びSi(珪素)をO(酸素)とともに堆積させエピタキシャル成長させる方法が、反応性スパッタリングであることを特徴とする請求項6〜9のいずれか1項に記載の正方晶MgSiO結晶の製造方法である。
請求項11記載の発明は、反応性スパッタリングが、ヘリコン波反応性スパッタリングであることを特徴とする請求項10に記載の正方晶MgSiO結晶の製造方法である。
請求項12記載の発明は、Mg(マグネシウム)及びSi(珪素)をO(酸素)とともに堆積させエピタキシャル成長させるときに下地を500〜1200℃に加熱した状態で行うことを特徴とする請求項6〜11のいずれか1項に記載の正方晶MgSiO結晶の製造方法である。
請求項13記載の発明は、請求項1〜5のいずれか1項に記載の正方晶MgSiO結晶を用いたことを特徴とする圧電素子である。
以下、本発明を詳細に説明する。
代表的な高性能圧電材料は、ABXの化学組成で表されるペロブスカイト型結晶構造をとっている。一般に、ペロブスカイト型結晶構造は、高温では対称な立方晶構造で安定し、キューリー点以下ではペロブスカイト型結晶の体心に位置するイオンが大きな局所電界を受け、B−X八面体が対称中心からずれることによって結晶内に極性を持ち、非対称な正方晶構造で安定することが知られている。圧電気は、結晶のひずみによってイオンの相対的位置が変化するためにおこるもので、圧電性の発現には、立方晶から正方晶への自発的な構造相移転が不可欠である。
MgSiOは、溶岩中に含まれており、約30GPaのマントル下でペロブスカイト型結晶構造を有することが知られている。このMgSiOの化学組成で表されるものは、例えば、エンスタタイト(頑火輝石)(斜方晶系)と呼ばれる鉱物として存在するが、これは図10に示すように、隣接する個々のSi−O八面体の内部分極の方向が結晶軸に対して異なる方向に傾いた不完全な結晶構造であるため、個々の分極の方向が全体として相殺されるため良好な圧電性は示さない。しかし、適切な高エネルギー環境下において自発分極をもつ正方晶構造を創製できれば、良好な圧電性を示す可能性が高いと考えられる。
そこで、本発明者は、PbTiO(チタン酸鉛)やPb(Zr,Ti)O(チタン酸ジルコン酸鉛)などのペロブスカイト型圧電セラミックスの製造法と同様な焼結法、すなわち、MgO及びSiOを原料とし、これをモル比で1:1に混合し100MPaで20秒間圧粉処理しさらに1400℃で焼結することにより、MgSiOのペロブスカイト型圧電セラミックスの創製を試みた。しかし、構造の異なるMgSiO(パイロキシン)やMgSiO(オリビン)が生成し、圧電性は発現しなかった。
本発明のように、下地上に、Mg(マグネシウム)及びSi(珪素)をO(酸素)とともに堆積させエピタキシャル成長させることにより、正方晶MgSiOの結晶の薄膜が得られることは、従来技術に鑑みれば意外なことである。
本発明において、Mg(マグネシウム)及びSi(珪素)をO(酸素)とともに堆積させエピタキシャル成長させる方法とは、真空中でガス化した物質を基板表面に被覆する方法であって、PVD法(物理的堆積法)とCVD(化学堆積法)いずれも用いることができる。PVD法が好ましいがPVD法は大まかには真空蒸着法とスパッタリング法とに分けられ、特に分子線エピタキシー法(Molecular Beam Epitaxy)と反応性スパッタリング法(Reactive Sputtering)等が例示される。
分子線エピタキシー法は、現在、半導体の結晶成長に使われている手法の一つであり、真空蒸着法に分類され、分子(吸着質)がファンデルワールス力によって固体表面に濃縮される現象を利用した物理吸着による成膜法である。一方、反応性スパッタリング法は、Ar(アルゴン)その他の不活性の低圧ガス及び酸素の雰囲気中で、高圧放電をさせてプラスイオンを発生させ、これが陰極材料のマグネシウムとシリコンの金属ターゲットに衝突して表面の原子をたたき出し、陽極部の基板上に陰極材料の酸化皮膜を形成させる成膜法である。
スパッタリング法では、真空チャンバ内に導入したガスがイオン化されて電極により加速されるため、金属ターゲットからたたき出しされた粒子はより高い運動エネルギーを有する。そのため、分子線エピタキシー法に較べて、下地上に堆積する粒子は非常に大きな運動エネルギーの熱等価量を有する。
本発明において、Mg(マグネシウム)及びSi(珪素)をO(酸素)とともに堆積させエピタキシャル成長させ、正方晶MgSiO結晶の薄膜を得る方法としては、特に反応性スパッタリング法が好ましい。分子線エピタキシー法は、膜制御に優れるが堆積速度が小さく、かつ装置が高額である。一方、反応性スパッタリングは、堆積速度が大きく、装置価格も比較的低額のため、工業的製法としては反応性スパッタリングが好ましい。
反応性スパッタリングのなかでも、高周波反応性スパッタリングとヘリコン波反応性スパッタリングが好ましく、特にヘリコン波反応性スパッタリングが好ましい。ヘリコン波反応性スパッタリングは、高周波反応性スパッタリングに較べて、高真空で成膜が可能、表面粗さも小さい、かつ膜厚も均一となる利点を有する。さらに、スパッタ粒子の持つエネルギーが大きく、材料生成時には高いエネルギーを与え、通常の環境では創製不可能な材料を創製できる、平均自由行程が大きく、エピキタシャルな結晶成長が可能で良質な薄膜の創製が可能である等の利点を有するからである。
反応性スパッタリングに用いるターゲットは、最終組成物中の元素比がMg:Si:O=1:1:3になるよう適宜選定することができる。例えば、MgとSi、MgOとSiO、MgとSiの固溶体等を組み合わせて用いることができる。蒸発速度の関係でターゲット面積、距離等により調整することができる。MgとSiのようにターゲットに酸素を含まない場合には、雰囲気中に酸素ないし酸素を含むガスを混合して用いることが必要である。
正方晶MgSiO結晶において後述する第1原理計算プログラムによれば(111)(001)結晶が高い圧電性を示すことが示される。形成される正方晶MgSiO結晶(図1及び図2参照)の格子定数はa=b=3.3003Å、c=4.4419Åである。
Mg(マグネシウム)及びSi(珪素)をO(酸素)とともに堆積させエピタキシャル成長させる方法によるエピタキシャル成長薄膜創製において、薄膜は下地の結晶構造に対する幾何学的な関係に支配され、両者の格子定数が幾何学的に整合する場合に薄膜結晶が下地上に安定成長する。ここで、下地が図3に示す結晶構造(格子定数a,b,c)をもち、下地の面方位(001)の結晶面に薄膜が成長する場合を考える。このとき,下地の(001)面における任意の二原子間距離は、p=(m+n0.5と表される。ここで、m、nは自然数である。
一方、下地の面方位(111)の結晶面に薄膜が成長する場合には、下地の(111)面における任意の二原子間距離は、q=(m+4n0.5又はr={(m+t)+(2n+1)0.5と表される。ここで、d、h、tは図3に示すように下地結晶の格子定数a、b、cにより決定される定数であり,それぞれd=(a+b0.5、h={(a+c)(b+c)}0.5×〔1−c/{(a+c)(b+c)}〕0.5/(a+b0.5、t={(a+c−h)/(a+b)}0.5である。
このとき、正方晶MgSiO(a=b=3.3003Å,c=4.4419Å)が<001>方位(下地結晶が整合すべき薄膜の結晶学的サイズが最小となる場合)に配向し成長する場合において、上記p、q、rは正方晶MgSiO薄膜結晶の格子定数の整数倍(ka)に整合する必要があるため、整合条件2.63≦p/k、q/k、r/k≦3.96を満たさなければならない。
また、正方晶MgSiOが<111>方位(下地結晶が整合すべき薄膜の結晶学的サイズが最大となる場合)に配向して成長する場合には、p、q、rが薄膜結晶の<101>方位の結晶サイズの整数倍k(a 0.5に整合する必要があり、整合条件4.43≦p/k、q/k、r/k≦6.64を満たさなければならない。
したがって、すべての配向方向に成長する薄膜に対する下地の整合条件は2.63≦p/k、q/k、r/k≦6.64であり、これを満たす下地に対して正方晶MgSiOが創製できる。なお,高性能薄膜の創製には、薄膜と下地結晶の整合性が高くなるとさらに安定なエピタキシャル成長が実現することから、<001>配向の場合は2.70≦p/k、q/k、r/k≦3.30、<111>配向の場合は4.98≦p/k、q/k、r/k≦6.09を満たす下地が好ましい。また、m、n、kが大きい場合は正方晶MgSiOが安定的に成長し難いため、0≦m、n≦30かつ1≦k≦30でなければならない。すなわち結晶質の下地において2.63≦p/k、q/k、r/k≦6.64を満たすkが存在することが必要である。
下地は結晶質の基板そのものであってもよいし、基板上にバッファー層が形成されたものであってもよい。したがって、本発明においては、上記の条件を有し、エッチング等が容易で、電極として使用可能な全ての元素および合金からなる下地が使用できる。特に、上記の条件に加えて生体適合性を有し、柔軟性のあるもの又は二次加工が容易なものが好ましいく、シリコン単結晶基板、マグネシア、アルミナ、ジルコニア等のセラミック基板又はそれらの上に格子適合性を有するバッファー層を形成したものを用いることができる。中でも格子定数がa=b=c=5.4308Å、p/k=3.26(k=5)のシリコン単結晶基板が、単一元素で構成されており、エッチング性に優れ、安価、表面が滑らかで、ワンチップ化加工性にも優れるため好ましい。
このような下地を用い、例えば、Mg(マグネシウム)と(Si)シリコンの金属ターゲットを用い、例えばアルゴンガスと酸素の混合雰囲気中で、例えばヘリコン波反応性スパッタリング等の反応性スパッタリングを行うことにより、エピキタシャルな結晶成長が生じ、良質の正方晶MgSiO結晶の薄膜が得られる。ここで、優れた圧電性能を得るために、正方晶MgSiOの結晶体が基板面(電極面)に対してほぼ垂直方向、すなわち結晶体の粒界が基板面(電極面)に対してほぼ垂直に方向に形成されるように、各種の創製条件を選ぶのが望ましい。
正方晶MgSiO結晶の薄膜の形成に際して、基板は500〜1200℃に加熱することが好ましい。成膜中に結晶成長を促すためである。加熱温度が500℃未満ではMgO、SiO、MgSi等の圧電性の無いものが生成し、逆に加熱温度が1200℃を超えると蒸気圧の高いMgの著しく少ない組成となり、いずれも好ましくない。600〜1000℃に加熱することがより好ましい。なお、基板としてシリコン基板を用いる場合は、この加熱処理により基板の表面にシリコン酸化膜が形成され、その上に形成される層や膜との接着性が向上する。また、さらに、シリコン基板或いはシリコン酸化膜の上には、チタンやチタン酸化膜を形成して接着性を向上させることができる。
また、アルゴンその他の不活性ガス:酸素の比率は2.5〜3.0:1が好ましい。その理由は、ターゲットを酸化しつつ高速成膜が可能となる酸化モードと金属モードの遷移領域に相当するからである。金属ターゲットのマグネシウム:シリコンの比率は3:1〜1:3が好ましい。ガス圧力は7.0×10−2〜9.0×10−2Paが好ましい。その理由は、高速成膜が可能な圧力領域だからである。膜厚は、通常30〜5000nm、好ましくは50〜1500nmである。薄くなると自発分極が小さくなるため発生歪みが小さくなってしまい、逆に厚くなると膜に亀裂が生じやすくなるためである。
特に、本発明においては、結晶質の下地は基板であってもよいし、基板にバッファー層が形成されたものであってもよいが、結晶質の下地の実測した格子定数を a、b、cとし、
m、nは0以上30以下の整数、kは30以下の自然数である場合において、
d=(a+b0.5
h={(a+c)(b+c)}0.5×〔1−c/{(a+c)(b+c)}〕0.5/(a+b0.5
t={(a+c−h)/(a+b)}0.5
とした場合に
p=(m+n0.5
q=(m+4n0.5
r={(m+t)+(2n+1)0.5
に対し、
2.63≦p/k、q/k、r/k≦6.64
を満たすkが存在する結晶質の下地上にMg(マグネシウム)及びSi(珪素)をO(酸素)とともに堆積させエピタキシャル成長させ、正方晶MgSiO結晶の薄膜を形成させることが好ましい。ここで、上記関係が成立する下地を用いることが好ましい理由は、上記関係が成立しなければ、その上に正方晶MgSiO結晶薄膜をエピタキシャル成長させることが難しいからである。より好ましくは2.70≦p/k、q/k、r/k≦6.09を満たすkが存在することである。
バッファー層として、金属又は金属酸化物の薄膜が好ましいがその理由は、導電性を有することが多いため、圧電素子として用いる場合に必要な電極(下電極)として用いることができ、また製造上もスパッタリングを用いることにより、良質膜を短時間で形成しやすいためである。金属又は金属酸化物の薄膜としては、例えば、イリジウム、酸化イリジウム、プラチナ、チタン、白金、ニッケル及びこれ等の酸化物などの導電体が用いられ、特に、格子定数がa=b=c=3.8394Åのイリジウム(Ir)p/k=3.29(k=7)及び格子定数がa=b=4.4983Å、c=3.1544Åの酸化イリジウム(IrO)p/k=3.37(k=4)の薄膜が、細胞毒性試験において毒性が低く生体適合性を有しかつ高い導電性を有するので好ましい。
このような金属又は金属酸化物の薄膜は、正方晶MgSiO結晶の薄膜の形成と同様に、(反応性)スパッタリング、主に高周波(反応性)スパッタリング又はヘリコン波(反応性)スパッタリングにより基板上に形成される。この膜厚は、通常50〜100nmである。金属又は金属酸化物の薄膜を形成した基板上に正方晶MgSiO結晶を形成する場合、この金属又は金属酸化物の薄膜を形成した基板は、500〜1200℃に加熱するのが好ましい。その理由は前記と同様である。
本発明方法により正方晶MgSiO結晶が得られること及びこの正方晶MgSiO結晶が優れた圧電性を示すことは、次のようにして確認される。
まず、MgSiOに対して、密度汎関数法に基づいた第一原理計算プログラム(アクセルリス社製「CASTEP」)を用いた分子安定構造解析により、MgSiOペロブスカイト型正方晶の存在することを確認した。この正方晶の格子定数はa=b=3.3003Å、c=4.4419Åである。その構造モデルを図1及び図2に示す。この格子定数をブラッグの法則に基づく式(2dsinθ=nλ)に代入することで、MgSiOペロブスカイト型正方晶として予測されるX線回折角度のパターン及び面方位を算出する。Cuの波長(λ=0.154nm)を用いた計算結果をX線回折解析チャートとして図4に示す。
ここで、上述の例えばヘリコン波反応性スパッタリングによって創製されたMgSiOの薄膜に対してX線回折解析を行い、得られたX線回折解析チャートを、ブラッグの法則に基づいた理論計算で予測された図4に示すX線回折スペクトルと比較することで、創製されたMgSiOの薄膜の結晶構造が確認できる。また、ESCA(X線光電子分光分析装置)による組成分析を行い、MgSiOの組成が確認できる。また、圧電気は、圧電効果(イオン結晶が一定方向の外力による応力に対応して電気分極を生じる現象)によって生ずるものであるから、創製された正方晶MgSiO結晶の薄膜の圧電定数を測定することにより、その圧電性の程度を確認できる。
本発明によれば、圧電性が発現し得る結晶の格子定数の領域内で、基板の格子定数と生体適合材料の格子不整合率を制御し、鉛を含まない無鉛圧電材料であって優れた圧電性を示し、特に生体適合性を有するペロブスカイト型の新規な正方晶MgSiO結晶が得られ、新規な生体適合性を有する圧電材料を得ることができる。
また、本発明によれば、例えば、Mg及びSiをターゲットとし、酸素の雰囲気中でPVD法(物理的堆積法)、特にヘリコン波反応性スパッタリング法を用いてエピタキシャル成長させることにより、表面粗さが小さく、かつ膜厚が均一で良質な正方晶MgSiOペロブスカイト型の新規な正方晶MgSiO結晶が得られ、新規な生体適合性を有する圧電材料を得ることができる。
本発明により創製される正方晶MgSiO結晶構造を有する圧電材料は、優れた圧電性能を有し、圧電素子として圧電アクチュエータに使用できる。特に、生体適合性を有するため皮下に埋め込まれたり、皮膚に接触して用いられる医療機器用圧電アクチュエータの圧電素子として使用できる。また、電子部品等の汎用の用途であっても、廃棄処理サイクルにおいて鉛を含有しないので、容易に処分することができ環境的に優れる。また、原材料が豊富な元素であるため資源制約も少なく、原材料価格も安価である。
本発明の正方晶MgSiO結晶は、優れた圧電効果を有するので、圧力信号を電気信号に変換し、又はその逆を行う薄膜型の圧電素子として、例えば、血液吸入ポンプ、インシュリン等の微量注入ポンプ等の生体用の圧電アクチュエータ、インクジェットのエジェクター等に好適に使用される。
以下、実施例を挙げて本発明を説明する。なお、本発明はこれ等の実施例に限定されるものではない。
本実施例では、Mg(マグネシウム)及びSi(珪素)をO(酸素)とともに堆積させエピタキシャル成長させる装置として、図5に示すヘリコン波反応性スパッタリング装置を用いた。図5において、1はヘリコン波プラズマ生成室、2はスパッタ室、3はターゲット、4は基板(拡大図)、5は基板のヒータである。厚さ0.6mm×10mmφのシリコン単結晶基板上に、Mg(マグネシウム)とSi(シリコン)の金属ターゲットを用い、このMg及びSiをターゲットとし、アルゴンガスと酸素の混合雰囲気中で、下記の条件で、ヘリコン波反応性スパッタリングを行って、エピタキシャル成長させることにより、厚さ50nmのMgSiOの薄膜を得た。
ヘリコン波電力 300W
製膜時間 10時間
ターゲット角度 35度
混合ガス比(Ar:O) 3.5:1.0
ターゲット面積比(Si:Mg) 1:3
基板温度 600℃
ガス圧力 9.0×10-2Pa
得られたMgSiOの薄膜につき、XRDによるX線回折スペクトル解析及びESCAによる組成分析を行った。得られたX線回折スペクトルを図6(上方の曲線)に示す。このX線回折スペクトルを、前述の理論計算で予測された図4に示す正方晶MgSiO結晶のX線回折スペクトルと比較することにより、得られたMgSiOの薄膜が正方晶MgSiO結晶であることを確認した。
すなわち、得られたMgSiOの薄膜中に存在し得る既知の元素や化合物(この場合、MgO、SiO、Si、MgSiなど)を除いたX線ピークは3種類存在し、これらのピークは、最適化された正方晶MgSiOのペロブスカイトの格子定数をブラッグの式に代入して得られた正方晶MgSiOペロブスカイト構造の面方位(101)、(110)及び(111)とほぼ一致した。
また、ESCAによる組成分析を行った。目標値のMg:Si:O=1:1:3に対して、測定値のMg:Si:Oはほぼ1:1:3であり、MgSiOの生成を確認した。また、得られた正方晶MgSiO薄膜の分子間力顕微鏡写真を図7(A)に示す。この顕微鏡写真から、得られた正方晶MgSiO薄膜は、その表面粗さが小さく、かつ膜厚が均一で良質であることが分かる。この分子間力顕微鏡写真に基づいて結晶粒径及び表面粗さを測定した。平均結晶粒径は366nm、平均表面粗さは52nmであった。なお、平均結晶粒径は、分子間力顕微鏡写真の各粒子の重心から粒子の輪郭線までの距離の平均値を平均粒径とし、その二倍を平均粒径とした。また、平均表面粗さは算術平均粗さ(Ra)を求めた。
基板温度を800℃、ガス圧力を8.0×10-2Paに変更したこと以外は、前記実施例1と同様に行って、MgSiOの薄膜を得た。得られたMgSiOの薄膜につき、XRDによるX線回折スペクトル解析及びESCAによる組成分析を行った。得られたX線回折スペクトルを図6(下方の曲線)に示す。このX線回折スペクトルを、前述の理論計算で予測された図4に示す正方晶MgSiO結晶のX線回折スペクトルと比較することにより、得られたMgSiOの薄膜が正方晶MgSiO結晶であることを確認した。
また、ESCAによる組成分析を行った。目標値のMg:Si:O=1:1:3に対して、測定値のMg:Si:Oはほぼ1:1:3であり、MgSiOの生成を確認した。また、得られた正方晶MgSiO薄膜の分子間力顕微鏡写真を図7(B)に示す。この顕微鏡写真から、得られた正方晶MgSiO薄膜は、その表面粗さが小さく、かつ膜厚が均一で良質であることが分かる。しかし、実施例1に較べて結晶粒径及び表面粗さのばらつきが大きかった。
厚さ0.4mm×長さ25mm幅5mmのシリコン単結晶基板上に、チタンのターゲットを用い、常法により高周波スパッタリングを行って、厚さ100nmのチタンの薄膜を形成した。このチタン薄膜の形成はシリコン基板とこの後に形成するイリジウム層との接着力を向上させるためである。
次いで、このチタン薄膜上に、イリジウムのターゲットを用い常法により高周波スパッタリングを行って厚さ100nmのイリジウムの薄膜からなるバッファー層を形成した。このイリジウムの薄膜は圧電素子の電極(下電極)として利用する。
更に、このチタンの薄膜を形成した基板を600℃に加熱した状態で、混合ガス比(Ar:O)を3.0:1.0、ガス圧力を8.0×10-2Paに変更したこと以外は、前記実施例1と同じ条件で、ヘリコン波反応性スパッタリングを行って、厚さ50nmの正方晶MgSiO結晶の薄膜を形成した。なお、上記正方晶MgSiO結晶の薄膜の上に、白金の薄膜を蒸着法で形成した。この白金の薄膜は圧電素子の電極(上電極)として利用する。
得られたMgSiOの薄膜につき、XRDによるX線回折スペクトル解析及びESCAによる組成分析を行った。得られたX線回折スペクトルを図8に示す。このX線回折スペクトルを、前述の理論計算で予測された図4に示す正方晶MgSiO結晶のX線回折スペクトルと比較することにより、得られたMgSiOの薄膜が正方晶MgSiO結晶であることを確認した。
こうして得られる圧電材料を用いて圧電素子を作製した。この圧電素子の圧電定数を測定したところ、圧電定数d31は、−0.7×10−12(m/V)(ガウス単位)であり優れた圧電性能を有することが分かった。裏面のシリコン基板を定法によりケミカルポリッシュ等により薄肉化することができるため圧電素子としてアクチュエーターにも好適に用いることができる。
圧電定数は、圧電気による電気分極と応力との関係を表す物質定数で、応力テンソルの成分をT、電気分極ベクトルの成分をPとするとき、
と書かれ、ここで、dikが圧電定数である。
具体的には、次の方法により測定した。
イリジウムバッファー上に創製した正方晶MgSiO結晶の薄膜の圧電定数d31(m/V)は、式(2)の電気機械結合係数、自由誘電率及び弾性コンプライアンスで表される。
また、電気機械結合係数、自由誘電率及び弾性コンプライアンスは、式(3)、式(4)、式(5)で表される。ただし、k31:電気機械結合係数、f:共振周波数(Hz)、f反共振周波数(Hz)、ε33 :応力一定時の自由誘電率(F/m)、C:応力一定時の自由静電容量(F)、t:薄膜の膜厚(m)、A:薄膜上の電極面積(m)、S11 :電界一定時の弾性コンプライアンス(m/N)、l:電極の長さ(m)とする。
ここで、電極の長さlは0.025(m)、電極の幅は0.005(m)、薄膜上の電極面積Aは0.00013(m)、薄膜の膜厚tは5.0×10−8(m)及び密度ρは3×10(kg/m)である。
図9は、イリジウムバッファー上に創製した正方晶MgSiO結晶の薄膜のLCRを用いた周波数特性を示す。図中のY、B及びZは、アドミッタンス、サセンプタンス及びインピーダンスを示す。図9より共振周波数f及び反共振周波数fは、それぞれ339400(Hz)及び339600(Hz)である。また、自由静電容量Cは7.1×10−7(F)であった。
ここで、比誘電率εは式(6)で表される。
式(3)で算出される自由誘電率ε33 (2.8××10−10F/m)と、真空誘電率ε(8.854×10−12F/m)とから、比誘電率εは約30となり、創製された正方晶MgSiO結晶の薄膜は誘電体であることが実証された。さらに、式(2)〜(5)より、圧電定数d31は−0.7×10−12(m/V)であったことから、創製された正方晶MgSiO結晶の薄膜は、優れた圧電性能を有する圧電材料であることが確認された。なお、電気機械結合係数k31は0.03809、弾性コンプライアンスS11 は1.1×10−12(m/N)であり、圧電素子に用いうることが分かった。
目標とする正方晶MgSiOのペロブスカイト型安定構造モデルを示す図である。 正方晶MgSiOのペロブスカイト型安定構造モデルを示す図である。 下地の結晶セルを表す図である。 理論計算で予測された正方晶MgSiOのX線回折スペクトルである。 各実施例で用いたヘリコン波反応性スパッタリング装置の概要を示す説明図である。 実施例1及び2で得られた正方晶MgSiO結晶のX線回折スペクトルである。 実施例1で得られた正方晶MgSiO薄膜の分子間力顕微鏡写真である。 実施例2で得られた正方晶MgSiO薄膜の分子間力顕微鏡写真である。 実施例3で得られた正方晶MgSiO結晶のX線回折スペクトルである。 実施例3で得られた正方晶MgSiO薄膜のLCRの周波数特性グラフである。 斜方晶MgSiOのペロブスカイト型安定構造モデルを示す図である。
符号の説明
1 ヘリコン波プラズマ生成室
2 スパッタ室
3 ターゲット
4 基板(拡大図)
5 基板のヒータ

Claims (13)

  1. 正方晶MgSiO結晶。
  2. 結晶質の下地上に形成されていることを特徴とする正方晶MgSiO結晶。
  3. 結晶質の下地の実測した格子定数を a、b、cとし、
    m、nは0以上30以下の整数、kは30以下の自然数である場合において、
    d=(a+b0.5
    h={(a+c)(b+c)}0.5×〔1−c/{(a+c)(b+c)}〕0.5/(a+b0.5
    t={(a+c−h)/(a+b)}0.5
    とした場合に
    p=(m+n0.5
    q=(m+4n0.5
    r={(m+t)+(2n+1)0.5
    に対し、
    2.63≦p/k、q/k、r/k≦6.64
    を満たすkが存在する結晶質の下地上に形成されたことを特徴とする正方晶MgSiO結晶。
  4. 結晶質の下地が、金属又は金属酸化物の薄膜からなることを特徴とする請求項2又は3に記載の正方晶MgSiO結晶。
  5. 金属又は金属酸化物の薄膜が、イリジウム薄膜又は酸化イリジウム薄膜からなることを特徴とする請求項4に記載の正方晶MgSiO結晶。
  6. 結晶質の下地上に、Mg(マグネシウム)及びSi(珪素)をO(酸素)とともに堆積させエピタキシャル成長させることにより、正方晶MgSiOの結晶を形成することを特徴とする正方晶MgSiO結晶の製造方法。
  7. 結晶質の下地が、その実測した格子定数をa、b、cとし、
    m、nは0以上30以下の整数、kは30以下の自然数である場合において、
    d=(a+b0.5
    h={(a+c)(b+c)}0.5×〔1−c/{(a+c)(b+c)}〕0.5/(a+b0.5
    t={(a+c−h)/(a+b)}0.5
    とした場合に
    p=(m+n0.5
    q=(m+4n0.5
    r={(m+t)+(2n+1)0.5
    に対し、
    2.63≦p/k、q/k、r/k≦6.64
    を満たすkが存在することを特徴とする請求項6に記載の正方晶MgSiO結晶の製造方法。
  8. 結晶質の下地が、金属又は金属酸化物の薄膜からなることを特徴とする請求項6又は7に記載の正方晶MgSiO結晶の製造方法。
  9. 金属又は金属酸化物の薄膜が、イリジウム薄膜又は酸化イリジウム薄膜からなることを特徴とする請求項8に記載の正方晶MgSiO結晶の製造方法。
  10. Mg(マグネシウム)及びSi(珪素)をO(酸素)とともに堆積させエピタキシャル成長させる方法が、反応性スパッタリングであることを特徴とする請求項6〜9のいずれか1項に記載の正方晶MgSiO結晶の製造方法。
  11. 反応性スパッタリングが、ヘリコン波反応性スパッタリングであることを特徴とする請求項10に記載の正方晶MgSiO結晶の製造方法。
  12. Mg(マグネシウム)及びSi(珪素)をO(酸素)とともに堆積させエピタキシャル成長させるときに下地を500〜1200℃に加熱した状態で行うことを特徴とする請求項6〜11のいずれか1項に記載の正方晶MgSiO結晶の製造方法。
  13. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の正方晶MgSiO結晶を用いたことを特徴とする圧電素子。
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