JP2006141047A - 無線通信方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】HDRシステムにおいて境界領域で、各基地局から発射される電波が互いに干渉しあって高いビットレートでの通信が困難になることを防止する。
【解決手段】アンテナモジュール19−1は、複数アンテナエレメントを有する。受信側高周波回路19−3は、所定のビームパタンのアンテナ指向性で合成する。復調器19−5は、無線端末からの受信信号を選択し、選択された方向にビームを向けるための送信ビーム方向情報を決定する。重み制御器19−13は、ビームパタンと送信ビーム方向とを定める重み係数を求め、且つ、送信ビーム方向とその方向に放射するときに使用するタイムスロットとの関係を記憶したテーブルに基づき、送信タイムスロットを求める。下り回線固定ビーム形成回路19−11及び変調器19−10は、求められたビームパタン、ビーム方向及び送信タイムスロットを用いて、アンテナモジュール19−1を制御して下り信号を送信する。
【選択図】図15

Description

本発明は、無線通信方法及び無線通信システムに係り、特に、時分割多重化方式で複数端末向けのチャネルを多重化し、且つビーム方向可変型アンテナを有する基地局システムにおける無線通信方法及び無線通信システムに関する。
従来の時分割多重型無線通信システムでは、各端末向けの信号をそれぞれ別のタイムスロットを用いたチャネルで送信することにより、チャネル間のクロストーク、干渉を抑制することを基本としている。従って、符号多重システムのように同一時刻に複数端末向け信号を同時送信することによる同一基地局下での干渉が無いため、いわゆるスマートアンテナあるいはアダプティブアンテナと呼ばれるような、アンテナ指向性を通信中の端末に集中させて、他の端末に対する干渉妨害を抑制するシステムの必要性は少なかった。
一般に、通信チャネルの変調及び符号化方式のパラメータを、観測される干渉雑音の程度を考慮しながら最適な値に制御して、いわゆるベストエフォート型の通信を行う方式では(例えばPaul Bender, Peter Black, Matthew Grob, Roberto Padovani, Nagabhushana
Sindhushayana, and Andrew Vitervi, “CDMA/HDR: A Bandwidth-Efficient High-Speed
Wireless Data Service for Nomadic Users”, IEEE Communications Magazine, Vol.
38, pp. 70-77, July, 2000.に示される方式。以下HDR(High Data Rate)方式と称する)、端末で観測される干渉雑音量によって通信できるデータレートが決定される。このようなシステムでは、干渉雑音量が低ければ、より高いデータレートでの通信を行うことが可能となるため、干渉雑音を可能な限り減少させることがシステム性能の向上に有効となる。この端末で観測される干渉雑音は、時分割多重方式を用いている限り、通信中の同一基地局から送出される他の端末向けの信号では無く、隣接、あるいは他の基地局から別の端末向けに同時刻に送出されている信号である。
図23は、HDR方式の基本原理の説明図を示す。一般に基地局から送信された端末向けの信号(以下、下り信号と称する)は、例えば大都市では距離の3.5乗に反比例して、電力が減衰することが知られている。この受信電力は距離が離れるにつれやがては隣接基地局から送信される信号、あるいは熱雑音等によって構成される干渉信号のレベルより低下し、端末における正常な受信が困難となる。この受信信号電力と干渉信号電力の比をC/Iと称する。基地局の近傍で、このC/Iが十分に高いときは、例えば無線信号の変調方式を8値の多値変調として、さらには電波の品質が高いので誤り訂正の冗長度を低下させ、結果として同じ帯域を使用しても、高いビットレートでの伝送が可能となる。一方基地局から離れた地域では、C/Iが低下するため、誤りの起こりにくい2値変調方式を用い、かつ、信号の冗長度を上げて誤り訂正能力を高めなければならない。その結果、伝送できるビットレートが低下する。HDR方式においては、通信を開始する前に端末でC/Iを実測し、その地点で受信可能な最大のビットレートを基地局に伝え、結果としてベストエフォートの無線伝送システムを実現する。
ここで、図24に、HDR方式下り回線での多重化方式についての説明図を示す。図25に、一般的な基地局配置の例の説明図を示す。また、図26に、HDR方式下り回線における送信信号のタイミングダイヤグラムを示す。
HDR方式においては、この下り信号の多重化は図24に示すように、例えばN個のタイムスロットにそれぞれ別の端末向けの信号を配置する、いわゆる時分割多重化方式を用いている。すなわち、図25に示すように基地局が設置されているとき、各基地局は図26に示すように、時間的に任意に割り当てられたタイムスロットを用いて電波を発射する。図示するように例えば基地局(以下BSと称する)BS1とBS2が時刻T1からT2では同時に電波を発射していると仮定すると、図25中でハッチングで示したBS1とBS2の境界領域3−1では強い電波干渉が発生する。その結果、端末で観測するとBS1からの信号もBS2からの信号もC/Iが低下し、高いビットレートでの通信が困難となる。
図30は、従来の任意に基地局を四角配置したときのHDR下り回線でのカバレージ(614.4kbit/s)の説明図を示す。この図は、それぞれのセクタが90度開口角のビームで形成されている3セクタ型HDR基地局を一辺が2kmの4角形の頂点に配置したときの、ビットレートが614.4kbit/sでのサービスカバレージをハッチングで示している。ここでは、すべての基地局のすべてのタイムスロットにおいて電波を発射していることを前提に計算している。図中、領域20−5ではBS1のセクタビーム20−1とBS2のセクタビーム20−2が互いに干渉しあってサービスが出来なくなっている。一方領域20−6ではBS3及びBS4のどのセクタビームもこの方向を向いていないのでサービスが出来なくなっている。また領域20−8では、BS1のセクタビーム20−1と20−7がそれぞれ干渉しあってサービス不可能領域がBS1のかなり近傍まで切れ込んできている。同様の切れ込みは例えば領域20−9においても観測される。
図31は、従来の任意に基地局を四角配置したときのHDR下り回線でのカバレージ(204.8kbit/s)の説明図を示す。この図は、同様の条件でビットレートを204.8kbit/sまで低下させたときのサービスエリアをあらわしているが、ここまでビットレートを低下させてもサービスが出来なくなる領域が残る。
本発明の目的は、以上の点に鑑み、特に、HDRシステムにおいてセルやセクタの境界領域で、各基地局から発射される電波が互いに干渉しあって十分に高いビットレートでの通信が困難になることを防止する基地局システムにおける無線通信方法及び無線通信システムを提供することである。本発明の別の目的は、セクタビームの方向が向いていない領域を少なくし、一層広い領域でサービスできる無線通信方法及び無線通信システムを提供することである。
本発明の別の目的は、複数のセクタビームが干渉しあってサービス不可能領域が切れ込むことを、できる限り防止できる無線通信方法及び無線通信システムを提供することである。
さらに、本発明の他の目的は、例えば、HDR下り回線において各基地局より同一時刻に発射される電波の方向を、互いに最も干渉しにくい方向とし、端末がサービスエリアのどこに存在しても、つねに干渉妨害の少ない、良好な電波信号を受信することである。これにより、本発明の他の目的は、電波干渉の少ないときには高いビットレートの通信が可能というHDRの特徴のひとつを、最大に発揮することである。
本発明は、上述のような各基地局からの電波が互いに干渉し合うことを防止するため、互いに干渉する電波信号を同一時刻に放射せず、それぞれ別の時刻に放射するようにして干渉を回避しようとするものである。この時、各基地局での時刻管理を例えばGPSシステムのような広域で高精度に絶対時刻を供給できるシステムを活用して、高精度に同期させ、各基地局の電波発射方向を時刻毎に切り替えて、干渉を回避する。
本発明の第1の解決手段によると、
複数アンテナエレメントを有する各基地局において、無線端末と無線通信する方法であって、
各アンテナエレメントによる受信信号及び送信信号を合成して所定のビームパタンのアンテナ指向性を実現できるアンテナを介し、無線端末からの信号を受信し、
各アンテナエレメントからの信号を所定のビームパタンのアンテナ指向性で合成し、
合成された各指向性の受信信号に基づき、無線端末からの受信信号を選択し、選択された方向にビームを向けるための送信ビーム方向情報を決定し、
該決定された送信ビーム方向情報と、送信ビーム方向とその方向に放射するときに使用するタイムスロットとの関係を記憶したテーブルとに基づき、送信ビームタイムスロットを求め、
該求められた送信ビームタイムスロットを用いて、アンテナを制御して下り信号を送信することを含む無線通信方法を提供する。
本発明の第2の解決手段によると、
複数の基地局を四角配置し、
各基地局のアンテナは、複数アンテナエレメントを有し、各アンテナエレメントによる受信信号及び送信信号を合成して所定のビームパタンのアンテナ指向性を実現できるものであって、各基地局の前記アンテナのビームパタンを、隣接の基地局どうしは互いに45度又は略45度ずつビーム方向をずらした方向に設置し、
前記アンテナを介し、無線端末からの信号を受信し、
各アンテナエレメントからの信号を所定のビームパタンのアンテナ指向性で合成し、
合成された各指向性の受信信号に基づき、無線端末から信号を受信し、
所定のビームパタンにアンテナ指向性を制御して下り信号を送信することを含む無線端末と基地局間の無線通信方法を提供する。
本発明の第3の解決手段によると、
複数の基地局を三角配置し、
各基地局のアンテナは、複数アンテナエレメントを有し、各アンテナエレメントによる受信信号及び送信信号を合成して所定のビームパタンのアンテナ指向性を実現させ、各基地局の前記アンテナのビームパタンを同一の方向に動的又は静的に設置することを含む基地局及び端末間の無線通信方法を提供する。
本発明の第4の解決手段によると、
複数の基地局を四角配置し、
各基地局のアンテナは、複数アンテナエレメントを有し、各アンテナエレメントによる受信信号及び送信信号を合成して所定のビームパタンのアンテナ指向性を実現させ、各基地局の前記アンテナのビームパタンを、隣接の基地局どうしは互いに45度又は略45度ずつビーム方向をずらした方向に動的又は静的に設置することを含む基地局及び端末間の無線通信方法を提供する。
本発明の第5の解決手段によると、
複数の基地局を、相互に平面的に三角形の位置関係である三角配置とし、
各基地局のアンテナを、3セクタアンテナで構成し、
各アンテナエレメントによる受信信号及び送信信号を合成することを含む無線通信方法を提供する。
本発明の第6の解決手段によると、
複数の基地局を、相互に平面的に四角形の位置関係である四角配置とし、
各基地局のアンテナを、4セクタアンテナで構成し、
各アンテナエレメントによる受信信号及び送信信号を合成することを含む無線通信方法を提供する。
本発明の第7の解決手段によると、
複数の基地局を相互に平面的に四角形の位置である四角配置とし、
各基地局のアンテナを、45°毎の8つの指向性を実現できるアンテナで構成し、
各タイムスロットで、3つの指向性をもつパターンの2つの指向性は互いに直交する方向、他の1指向性はこれら2指向性から135°の方向となるように、アンテナ指向性を指定することを含む無線通信方法を提供する。
本発明の第8の解決手段によると、
複数基地局と無線端末間で無線通信する無線通信システムにおいて、
各基地局は、
複数のアンテナエレメントを有し、各アンテナエレメントによる受信信号及び送信信号を合成して、所定のビームパターンのアンテナ指向性を実現できるアンテナと、
該アンテナを介して無線端末からの信号を受信する回路と、
各アンテナエレメントからの信号を所定のビームパターンのアンテナ指向性で合成する回路と、
該合成された各指向性の受信信号に基づき、無線端末からの受信信号を選択し、選択された方向にビームを向けるための送信ビーム方向情報を決定する回路と、
該決定する回路からの送信ビーム方向情報と、送信ビーム方向とその方向に放射する時に使用するビームタイムスロットと関係を表す情報のテーブルとに基づき、送信ビームタイムスロットを生成する回路と、
該生成された送信ビームタイムスロットを用いて、前記アンテナを制御して下り信号を送信する回路と
を備えた無線通信システムを提供する。
本発明によると、以上のように、特に、HDRシステムにおいてセルやセクタの境界領域で、各基地局から発射される電波が互いに干渉しあって十分に高いビットレートでの通信が困難になることを防止することができる。また、本発明によると、セクタビームの方向が向いていない領域を少なくし、一層広い領域でサービスを提供することができる。また、本発明によると、複数のセクタビームが干渉しあってサービス不可能領域が切れ込むことを、できる限り防止することができる。
さらに、本発明によると、例えば、HDR下り回線において各基地局より同一時刻に発射される電波の方向を、互いに最も干渉しにくい方向とし、端末がサービスエリアのどこに存在しても、つねに干渉妨害の少ない、良好な電波信号を受信することができる。これにより、本発明によると、電波干渉の少ないときには高いビットレートの通信が可能というHDRの特徴のひとつを、最大に発揮することができる。
図1は、本発明による基地局を三角配置したHDR下り回線でのサービスカバレージ(614.4kbit/s)の説明図を示す。この図は、3セクタ基地局を用いた場合の最適な基地局、及びセクタ方向配置を示している。図に示した各基地局は、それぞれのセクタが90度の開口角を持つアンテナで構成された、3セクタアンテナ型HDR基地局であり、すべてのタイムスロットを用いて614.4kbit/sの伝送を行ったときのカバレージを示している。図示するように各基地局のセルエリアの境界領域、例えば5−4ではこのビットレートによる伝送が困難となる。これはBS1のセクタアンテナ5−1とBS2のセクタアンテナ5−2、BS3のセクタアンテナ5−3の電波が空間でそれぞれ干渉しあって、614.4kbit/sのレートでの伝送を困難にしている。しかしながら、従来の技術の図30と比較すると、サービス困難な領域は大幅に縮少している。これは図30では各基地局を所望の地域に四角形を敷き詰めて、それらの頂点に基地局を配置する、四角配置としたのに対し、図1の実施の形態では基地局を敷き詰めた三角形の頂点に基地局を配置した三角配置とし、かつ各基地局のセクタ方向を互いに電波干渉が最小となる方向となるように配置したためである。このため、例えば図30のBS1のセクタビーム20−1、及びBS2のセクタビーム20−2の場合に現れたような互いに近距離で、同一の地域を照射するビームの交錯による干渉増加が発生しなくなる。
図2は、本発明による基地局を四角配置したHDR下り回線でのサービスカバレージ(614.4kbit/s)の説明図を示す。この図は、半値角90度、4セクタアンテナ、ビットレート614.4kbit/s、各基地局は全タイムスロットを使用、としたものである。四角配置にて3セクタ型の基地局を用いると、図30、図31に従来例として示した様に、幾何学上互いに干渉し合うビームの交錯を回避できない。四角配置する場合は図2に示すようにセクタビームを4セクタ型とする必要がある。またセクタの方向は図示するように隣接の基地局どうしは互いに45度ずつ傾けることにより、ビームの交錯を最小化することが可能となる。
以上は本発明の第一の実施の形態の効果を示したが、それでも各基地局の中間距離においてはサービス不可能となる領域が残る。例えば、図1の領域5−4、図2の領域13−3等である。
さらに、図3に、本発明による基地局を三角配置したHDR下り回線でのサービスカバレージ(1228.8kbit/s)の説明図を示す。この図は、半値角90度3セクタアンテナ、ビットレート1228.8kbit/s、全タイムスロット使用としたものである。例えば、ビットレートを1228.8kbit/sまで上昇させると、図示のようにサービス可能な領域が著しく減少する。サービス困難領域は隣接基地局とのセル境界領域及び同一基地局内でのセクタ境界領域で発生する。すなわち、セクタ数及びセクタ方向を最適化する第一の実施の形態だけでは、サービス不可能領域を無くすることは難しい場合がある。
そこで、HDRの下り回線が時分割型の多重化方式を用いていることを利用して、さらにサービスエリアの拡大をはかる。図26にて示した例では、時刻T2からT3まではBS2が電波発射を停止しているので、図25のハッチング領域3−1でもBS1からの信号は高いC/Iを確保することが可能であり、したがって高いビットレートでの通信が可能となる。すなわち互いに干渉し合うセル/セクタ間では、同時刻に電波を発射することを回避すれば互いの干渉量を著しく低下可能で、したがって高いビットレートでの通信が可能なエリアを拡大できる。
本発明の第二の実施の形態では、システム内各基地局にアンテナの送信指向性を切り替えられる機能を設け、且つこの指向性切り替えを各基地局間で同期させて行うことにより、特定の端末において、複数の基地局から送信される信号が同時刻に干渉し合う確率を最小化することを主な特徴とする。その結果、各端末では自分に設定された通信時刻において、隣接あるいは他の基地局からの干渉雑音が極めて低い状態での通信が可能になり、ベストエフォート機能により、最大のビットレートでの通信が可能となる。
図4は、本発明による30度セクタアンテナ、タイムスロットA(図24)を用いたHDR下り回線でのサービスカバレージの説明図を示す。この図は、半値角30度、12セクタアンテナ中3セクタを使用、ビットレート614.4kbit/s、タイムスロットAとしたものである。本実施の形態では図1、図3の場合と異なり、各基地局セクタアンテナの開口角を30度に狭角化している。図示するようにBS1とBS2の境界領域7−4においても、それぞれの基地局のカバレージは両基地局の中間距離部分まで伸びている。これはセクタビームを狭角化したことにより、例えば、領域7−1と7−2のアンテナから放射された信号が互いにすれ違って干渉妨害を与えにくくなるためである。しかし、このままではビームが狭角のため、例えば領域7−5に示されるようなビームの中間領域はカバーできなく、通信可能なカバレージは細いエリアにかぎられてしまう場合がある。
図24に示すように、HDR下り回線においては各通信チャネルは時間的に多重化されている。そこで、例えば30度ビームのアンテナ3本で構成したセクタ基地局において、使用しているタイムスロット毎にアンテナ放射角度を30度ずつ時間的にずらして4回放射すれば、ちょうど基地局周辺を走査するように回転させることと等価になり、すべての方向をカバレージに入れることが可能となる。例えば図4に示した状態を、図24のタイムスロットAにおけるカバレージを示すと仮定する。以下、図5、図6、図7にそれぞれ本発明による30度セクタアンテナ、タイムスロットB、C、Dを用いたHDR下り回線でのサービスカバレージの説明図を示す。これらは、図4と同様に、半値角30度、12セクタアンテナ中3セクタを使用、ビットレート614.4kbit/sとしたものである。図示するようにすべてのタイムスロットで各基地局の電波放射方向の制御は時間的に同期させて変更する。これはちょうど30度ビーム12セクタアンテナをタイムスロット毎に3セクタずつ使用することに相当する。ただし、システム構成を12セクタ型とするか、3セクタの各セクタを4等分してタイムスロット毎に電波発射方向を変えて運用するかは、トラフィックの混雑度、端末の地理的分布特性等で選択されるべきである。
各タイムスロットで発射される電波の方向は図4〜図7に示される方向が最適である。この方向は例えば図5を用いて説明すると、図示するように基地局を横方向に奇数行、偶数行に分類し、図5のタイムスロットBでは奇数行基地局ではそれぞれ上下関係が互い違いになるようにセクタ方向を配置し、偶数行ではすべての基地局が同じ方向を向かせる。一方図6に示したタイムスロットCでは今度は奇数行の基地局はみな同一の方向を向き、偶数行の基地局は互いに上下関係が互い違いになるような方向とする。
図8に、本発明による30度セクタアンテナ、タイムスロットA、B、C、Dを用いたHDR下り回線加算時のサービスカバレージ(614.4kbit/s)の説明図を示す。この図は、ビットレート614.4kbit/s、3セクタ基地局、タイムスロットA、B、C、Dの4つのタイムスロットで走査されたカバレージを加算した結果を示す。図1に示した90度固定型3セクタアンテナを用いた場合に比較して、ほとんどすべての地域で614.4kbit/sの通信が可能になることが判る。
また、図9に、本発明による30度セクタアンテナ、タイムスロットA、B、C、Dを用いたHDR下り回線加算時のサービスカバレージ(1228.8kbit/s)の説明図を示す。この図は、同様の方法で計算された1228.8kbit/sでのカバレージを示す。同一のビットレートで計算された図3の結果と比較して、明らかにカバレージが拡大していることが理解できる。
つぎに、この第二の実施の形態を四角配置された基地局に適用する場合を説明する。図10から図13は、本発明による90度セクタアンテナ、タイムスロットA、B、C、Dを用いたHDR下り回線でのサービスカバレージの説明図をそれぞれ示す。この図は、半値角90度、8セクタアンテナ中の3セクタを使用、ビットレート614.4kbit/sとしたものである。図2で基地局を4角配置する場合はセクタは4セクタ構成とすることが最適との例を示したが、例えば、図2に示したような各基地局間のセクタ方向関係のまま、どのようにセクタを回転させても例えばBS1とBS2の中間領域にあたる領域13−3をサービスエリアとしてカバーすることが出来ない。これはBS1のビーム13−1とBS2の13−2が互いに対角線上で干渉し合うためであり、この対角線上での干渉は4セクタ型アンテナをどのように回転させても避けられない。
図10〜図13に示した実施の形態ではこの問題を解決するため、各基地局は8方向にセクタを構成できる90度ビーム型のアンテナを具備しているが、それぞれのタイムスロットでは図示のようにそのうちの3ビームしか使用しない。一例として、3ビームのうち、2ビームは互いに直交する方向、他の1ビームはこれら2ビームから135度の方向とする。
図14に、本発明による90度セクタアンテナ、タイムスロットA、B、C、Dを用いたHDR下り回線加算時のサービスカバレージ(614.4kbit/s)の説明図を示す。この図は、これらの各タイムスロットでのビームをすべて加算した状態を示すが、図示するように614.4kbit/sのレートにおいてほとんどすべての地域をサービスエリアとすることが出来る。
四角配置でのビーム方向は、図4〜図7に示した3角配置の場合と異なり、すべてのタイムスロットにおいて、各基地局のビーム方向は同一方向が最適となる。ただし各タイムスロットで発射される3ビームのうち、2ビームは互いに直交する方向となるが残りの1ビームは他の2ビームとは135度ずれた方向にビームを発射する必要がある。これにより、各タイムスロットにおいて対角線上に向けたビーム発射を常に各4角形において一つの基地局に限定して、対角線上での干渉発生を防止することができる。
つぎに、本発明を実現する具体的構成について説明する。
図15に本発明の第一の実施の形態による基地局の構成を示すブロック図を示す。この基地局は、アンテナモジュール19−1、デュプレクサ(DUP)19−2、受信側高周波回路(RX)19−3、上り回線用固定ビーム形成回路(UL FBF)19−4、復調器(DEM)19−5、復号器(DEC)19−6、アクセス回線インタフェース(LIF)19−7、アクセス回線インタフェース(LIF)19−8、符号器(COD)19−9、変調器(MOD)19−10、下り回線固定ビーム形成回路(DL FBF)19−11、送信側高周波回路(TX)19−12、重み制御器(WC)19−13、クロック信号発生回路(CLK)19−14、GPS受信機(全地球測位システム受信機)(GPS)19−15を含む。
まず、上り回線について説明する。アンテナモジュール19−1は、例えば、8ビームあるいは12ビーム等の指向性の鋭いビームパタンを形成することが可能なアンテナアレーによって構成される。デュプレクサ(DUP)19−2は、送信信号と受信信号の分離を行うもので、通常の移動通信システムではそれぞれの信号を選択する帯域選択型フィルタで構成される。受信側高周波回路(RX) 19−3は、それぞれのアレーを構成しているアンテナエレメントからの信号を増幅、周波数変換等を行って所定の感度を実現する。このRX19−3の出力信号は上り回線用固定ビーム形成回路(UL FBF)19−4に印加される。UL FBF19−4は、各アンテナエレメントから受信された信号をベクトル的に合成して、例えば周回方向に対して8ビーム、あるいは12ビームの放射パタン(ビームパタン)を持つアンテナ指向性を実現する。
図16は、UL FBF19−4の詳細構成を例示するブロック図を示したものである。図中信号Ant#1〜Ant#nは、図15のRX19−3から出力された各アンテナモジュールの出力信号を増幅したものである。これらの信号は、それぞれ掛算器23−11、23−1n、23−n1、23−nnによって適宜重み付けされて、加算器23−21、23−2nで合成加算されて、それぞれ狭開口角ビーム信号Beam#1〜Beam#nに変換される。各掛算器に印加される重み係数W11−Wnnは振幅、位相を同時に変化させるため、一般的にベクトル係数を用いる。図16下方に示した演算式はこのUL FBF19−4で行われる信号処理をマトリクス演算式の形で示したものである。重み係数W11−Wnnは適切な開口角を持つビームを形成するべく、シミュレーション等の方法により、容易に設定することが可能である。
UL FBF19−4で合成された各指向性の受信信号は、それぞれ復調器(DEM)19−5に入力される。図17はDEM19−5の詳細構成を例示するブロック図を示したものである。DEM19−5ではUL FBF19−4より出力される各ビーム信号Beam#1〜Beam#nは、それぞれ逆拡散回路等のチャネル分離回路(DES)24−1〜24−nを通して、希望の端末からの信号を分離し、後続するスイッチ24−2を用いて、適切なビームを選択する。選択されたビームの信号は例えばレーク受信機(RAKE)24−3によってマルチパス分を加算され、復調器(DET)24−4によってベースバンドディジタル信号に復調される。スイッチ24−2で選択されるべき信号は比較器(Comp)24−5にて決定される。この決定方法は、例えば受信するべき信号を選択するには、受信された信号の信号対干渉雑音比が最大になるように選択されることが望ましい。したがってスイッチ24−2は例えばすべてのビームで受信されたマルチパス信号の中から振幅の大きな信号から順に選択するように動作する。このスイッチ24−2の動作は上りビーム選択信号UL Beam Selectによって制御される。一方、下り回線で選択するべきビームは、下りビーム選択信号DL Beam Selectによって決定される。下り回線では、端末が物理的に存在する方向にビームを向けることが望ましい。どの方向に端末が存在するかは、例えば受信される信号の振幅が最大となるようなビーム方向を識別することによって知ることが出来る。この識別によって選択されたビーム方向情報をDL Beam Select信号として送信側重み制御回路WC(19−13)に伝達する。また、このDEM19−5から出力された信号は次段の復号器(DEC)19−6によって誤り訂正復号された後、アクセス回線インタフェース(LIF)19−7を介して有線通信網に接続される。
下り回線においては、アクセス回線インタフェース(LIF)19−8より入力された信号は、符号器(COD)19−9にて誤り訂正符号化をされ、変調器(MOD)19−10にて所定の変調方式により変調される。この信号は、下り回線固定ビーム形成回路(DL FBF)19−11により電波を発射するべき方向への指向性を持つビームパタンにベクトル合成されて、それぞれのアンテナエレメントに接続されている送信側高周波回路(TX)19−12に印加されて、増幅、周波数変換等の処理を行い、DUP19−2を介してアンテナモジュール19−1に入力される。下り回線にて、どの方向に指向性を持たせるかは、上り回線信号を受信するときにDEM19−5で同定された受信方向を基にした送信ビーム方向情報であるDL Beam Selectを、重み制御器(WC)19−13を介して送信側ビーム形成回路19−11に入力することによって決定される。
図18は、重み制御回路(WC)19−13の詳細構成を例示するブロック図を示したものである。この回路にはDL Beam Select信号のほか、下り回線でのビームの方向と使用するべきタイムスロットの関係を規定するビーム・タイムスロットテーブル(Beam-Time Slot Table)情報(図15では、信号19−18にて示される)が印加される。Beam-Time Slot Table情報は、後述する上位局、制御局等から与えられる。その代わりに、下りのビーム方向に対応して使用するタイムスロットを記憶したBeam-Time Slot Tableを記憶した記憶手段を自基地局、他基地局、制御局等に備え、そこから情報が与えられるようにしてもよい。下り回線でのビーム方向を定める重み係数W−WはDL Beam Select情報に基づいてあらかじめ定められた係数ベクトルを選択する。この重み係数W−Wにより、各基地局のアンテナモジュール19−1のビームパタン、セクタ数、ビーム方向、ビーム角度等を上述の各図のように空間的に制御することができ、さらには必要に応じて時間的に制御することができる。一方、WC19−13では、その選択された方向に下り信号を発射するべきタイムスロットをMOD19−10に与える必要がある。WC19−13は、このタイムスロット情報をDL Beam Select情報を基にして、Beam-Time Slot Tableを参照することによってタイムスロット割当て(Time Slot Assign)信号(図15では信号19−10として示される)として求め、MOD19−10に与える。
図19は、MOD19−10の詳細構成を例示するブロック図を示したものである。送信側符号器19−9から送出された送信信号は、MOD26−1によって振幅位相変調されるが、その出力は一旦メモリ26−2に蓄積される。このメモリに蓄積された信号は重み制御回路WC19−13より与えられるTime Slot Assign信号19−19によって、送出されるタイミングを決定される。タイムスロットの絶対時間への同期は同期信号発生回路CLKより与えられるTiming CLK19−14を参照して行われる。
図20は、下り送信側ビーム形成回路DL FBF19−11の詳細構成を例示するブロック図を示したものである。図示するように、重み制御回路WC19−13より与えられるベクトル係数W−Wによって重み付けされて、各アンテナに供給される。
MOD19−10に印加されるTiming CLK信号はクロック信号発生回路(CLK)19−14によって生成されるが、この時の発生タイミングはGPS受信機19−15によってGPS衛星から発信された時刻信号を参照して、絶対時刻に同期される。したがってすべての基地局において互いに同期した正確な時刻情報の取得が可能であり、この時刻情報を用いて、例えば図4から図7に示したタイムスロットA、B、C、Dを、すべての基地局が同期した形で決定することが可能である。このタイムスロット情報を用いて、すべての基地局においてアンテナの指向特性を同期させて変更させることが可能となる。
なお、GPS受信機19−15またはGPS用アンテナ19−16、あるいはGPSシステムそのものに障害が発生して、正確な絶対時刻情報を受信困難になった場合には、GPS受信機19−15に内蔵される、高安定自走クロック発生回路によって障害回復までの期間暫定クロック信号を発生させるか、あるいはCLK19−14に信号19−17を介して有線網によりクロック信号を供給して絶対時刻位相を保持させることが可能である。なお、GPSシステムを用いずに、信号19−17による周期を主に用いることもできる。
図21は、本発明の実施の形態による下りビーム制御のフローチャートを示したものである。図示するように、まだビームが形成されていない当初は、端末がどこに存在しているか不明なので、基地局の受信側は、アンテナパタンを無指向性として端末からの発信を待ち受ける(S101)。端末が適切な信号を用いて、発信を始めると、基地局の受信側は、アンテナモジュール19−1、DUP19−2、RX19−3により、端末からの発信を受信する(S103)。ここで、直ちにUL FBF19−4を用いて、アンテナ指向性パタンを狭開口角ビームに切り替える(S105)。WC19−13は、このとき、Beam-Time Slot Tableにより、各基地局のアンテナモジュ−ル19−1のセクタ数、ビーム方向、ビーム角度等を上述の各図のように空間的、さらには時間的に適宣のビームパターンに設定する。各方向ビームで受信できる信号強度を比較して、どの方向に受信中端末が存在するかを検知する(S107)。この検知情報を用いて、重み回路WC19−13にて下りビームを出すべき方向を定める(S109)。一方、集中装置、制御局等では、基地局設定場所と指向性ビーム方向データが入力され(S111)、各基地局での送信ビーム方向と使用タイムスロットの関係を示したBeam-Time Slot Tableが作成される(S113)。その後、WC19−13は、下りビームを出すべきタイムスロットを、あらかじめ作製された送信ビーム方向と使用タイムスロットの関係を定めたBeam-Time Slotテーブルを参照して決定し(S115)、MOD19−10に通知して、適切な下り信号を形成する(S117)。
なお、このBeam - Time Slotテーブルは、基地局設置場所を決定する設計段階で、あらかじめ地図等を用いて、システム設計者がマニュアルにて作製することが出来る。作製された下りビーム方向とタイムスロットの関係を定めたテーブルはディジタルデータ化されて、システムの集中装置に接続されるシステム管理装置に収容される。また、このBeam-Time Slotテーブルは各基地局の内部に格納されるか、あるいは例えば移動交換機等の集中装置内に格納されて、必要に応じて参照できるように構成されてもよい。各基地局固有のテーブルは、必要に応じて、各基地局にダウンロードされる。また、テーブルが中央装置に設けられる時は、必要に応じて、基地局内のメモリにテーブル情報をダウンロードすることも可能である。なお、基地局設置後に新たに基地局を追加する等の基地局配置の追加変更がある場合には、後述する自己学習機能によりテーブルの自動修正あるいは新規作成が可能である。また、このBeam - Time Slotテーブルは、各基地局におけるビーム放射方向と該方向に放射する時に使用するタイムスロットの関係を示したもので、図18に示す重み制御回路(WC)19−3において、下りの電波を発射すべき方向情報を入力された時に、このBeam - Time Slotテーブルを参照して電波を発射すべきタイムスロットを決定して、図19のメモリ26−2にタイミングを伝達することにより、適切な時刻での電波発射を可能とする。
図27は、本発明の他の実施の形態による基地局制御システムを示すブロック図を示したものである。該システムは複数基地局と、それらの上位局を構成する制御局とその上位のバックボーンネットワーク(NW)を含む。図27において、19−20、…、19−20はそれぞれ図15に示した基地局の全体構成を示し、各基地局は、アンテナモジュール19−1〜19−1、アクセス回路インタフェース(LIF)19−7、重み制御器(WC)19−13、アクセス回線インタフェース(LIF)19−8を含む。参照数字27−1は複数の基地局毎に設置され、それらを制御する上位局すなわち制御局を示す。各上位局は、上り回線(UL)中継回路27−2、各基地局に通知するべきビーム・タイムスロットのテーブルを生成する回路27−3及び下り回線(DL)中継回路27−4を含む。参照数字27−7は、バックボーンネットワーク(NW)を表わす。上記UL中継回路27−2は、複数の基地局から送出される上り回線信号を集線して、バックボーンNWに接続し、また上記DL中継回路27−4は、下り回線を目的の端末が接続されている基地局に分配する。参照数字27−5は、上り回線(UL)トラフィック情報伝達信号を表す。
図27の回路構成において、各基地局で集計され、上り回線で基地局より上位局のUL中継回路27−2に通知されるトラフィック統計情報は、そこからビーム・タイムスロットテーブル生成回路27−3に通知される。このトラフィック統計情報は、各基地局で、例えば図17に示されるDL Beam Select 情報を時間的に累積して、各ビーム方向毎のトラフィック量を測定する事によって得られる。このトラフィック統計情報は、上り回線信号に多重化されて上位局27−1に通知される。
図28は、本発明の実施の形態に用いられるビーム・タイムスロットのテーブルを例示するダイヤグラムを示したものである。図28は、図4〜図7にて示した30度セクタアンテナを用いた基地局、BS1、BS2を駆動するためのビーム・タイムスロットテーブルの例を示す。同図はタイムスロットA、B、C、D時の各アンテナの指向特性を角度表示したものである。この各タイムスロットはそれぞれ図4、5、6、7の状態に相当する。ビーム・タイムスロット生成回路27−3は図28に示したテーブル情報を各基地局に通知ないし指示する。
一つの実施の形態として、このビーム・タイムスロットテーブルは、基地局を設置する時にあらかじめ地理的情報から設定し、固定的に使用する。別の実施の形態としては、各アンテナ方向毎のトラフィックを長期的に観測して、各基地局での電波発射方向毎のトラフィック偏在を測定し、トラフィック要求の高い方向に対しては、他のトラフィック要求の低い方向と比較してビームを向ける時間的頻度を上昇させる重み付けも可能である。
各スロット毎のトラフィック測定は、例えば図17に示したDL Beam Select 情報を長時間累積して、方向毎のトラフィック偏在状況を把握する事が可能である。トラフィックの高い方向へのビーム照射時間率を上昇させるためには、例えば図28では4タイムスロット使用例を示したが、このタイムスロット数を増加させて、トラフィックの高い方向には複数のタイムスロットが使用されるようにすれば良い。
図29は、高トラフィック方向へのビーム照射頻度を上昇させたビーム・タイムスロットテーブルの一例を示したものである。たとえば図4で7−4に示したエリアで高トラフィックが発生すると仮定する。このエリアに対してはBS1及びBS2から図4と図7で示したタイムスロットでビームが照射されている。そこで、図29に示すように、タイムスロットE、Fを追加して、この追加した分でタイムスロットA及びDと同一のビーム照射パタンを発生させれば、統計的に、高トラフィックエリアへのビーム照射頻度が向上する。
別の方向でのトラフィックが上昇した場合には、このテーブルでのビームパタン選択を変更すれば良いが、この変更頻度としては、瞬時トラフィック上昇に耐えられるよう高速にする場合と、長期的観測結果を用いて変更頻度を低下させる場合の2種類が考えられる。この変更時定数の選択は、実際のトラフィック変動特性を観測して決定すればよい。
図22は、本発明を実施する基地局の第二の実施の形態の構成をブロック図で示す。この例では、第一の実施の形態で示した固定ビーム形成回路19−4、19−11の代わりに、上り回線側では単なるスルー回路とし、下り回線側はアンテナ選択スイッチ20−1を用いている。この選択スイッチ20−1は重み制御器19−13によって選択され、所望の端末が存在する方向に向いたアンテナを選択することが可能となる。本来ビーム形成回路19−4、19−11は、例えば上り回線で説明すると、アレー状に配置された各アンテナエレメントの出力信号を位相、振幅を制御しながらベクトル合成することにより、任意の開口半値角をもつアンテナパタンを形成するものである。しかしアンテナエレメント自身が、本発明の目的を満足させる開口半値角特性を持っているときには、あえて、ビーム形成回路でベクトル合成を行わなくともよい。この際、所望の特性を実現することが可能であるからである。
以上の実施の形態の説明は、各基地局が正確に三角形、あるいは四角形の頂点に配置されていることを前提とし、且つそれぞれのタイムスロットにおいて、どの方向に電波を発射するべきかは、あらかじめ設定されていることを条件としている。ところが実際の基地局配置では正確な三角形、あるいは四角形の頂点に配置することは困難な場合が多く、さらには基地局を追加配置する場合には、はじめに設定していた、タイムスロットと電波発射方向の関係を変更する必要がでる可能性がある。このような場合を想定して、以下に、基地局が自己学習しながら最適の電波発射方向を定める方法を修正例として説明する。
例えば図15に示される実施の形態において、上記の自己学習機能を実現する方法を示す。図示するように、基地局の上り回線では、DEM19−5を用いて、任意の端末の受信条件が最良となる受信ビームを選択し、すなわちどの方向に当該の端末が存在するかを認識する。次に、当該端末から、その端末が存在する場所における下り回線の受信状態を端末に報告させる。すなわち、当該端末が各基地局から送信されるパイロット信号を受信して、自分がどの基地局から受信される信号を最も条件良く受信できるかを報告する。今仮に、現在考えている基地局では、タイムスロットと電波発射方向の関係はまだ決定されていないが、周辺の基地局では既に、決定されているものとする。この場合、周辺の基地局では既にタイムスロット毎にそれぞれ別の方向に電波を発射しているため、現在下り回線の品質を測定している端末から見ると、他基地局の電波が強く受信できるタイムスロットとさほどでもないタイムスロットを区別して認識することが可能である。したがって、端末からは現在の自分が存在する場所ではどのタイムスロットが強い隣接基地局からの干渉を受けやすいか認識できるわけで、逆に比較的干渉の少ないスロットがどれであるかを基地局に報告することが可能となる。
この各タイムスロットでの干渉電波強度の測定は、隣接基地局のトラフィック状態によって変化する可能性がある。したがって、現在自己学習中の基地局では、各端末からの報告を一定期間観測して、統計情報を得ることにより、その端末が存在する方向に対してはどのタイムスロットを用いて電波発射することが最も他基地局との干渉が少なくなるかを推定することが可能となる。この推定結果により中央装置、または基地局に格納されたビーム方向とタイムスロットの関係を定めたテーブルを修正することは言うまでもない。また、他基地局の電波干渉の測定は、電波強度そのもの、あるいは実際にデータを用いた通信でエラーがどの程度の頻度で発生するか等の観測により実現可能である。
本発明による基地局を三角配置したHDR下り回線でのサービスカバレージ(614.4kbit/s)の説明図。 本発明による基地局を四角配置したHDR下り回線でのサービスカバレージ(614.4kbit/s)の説明図。 本発明による基地局を三角配置したHDR下り回線でのサービスカバレージ(1228.8kbit/s)の説明図。 本発明による30度セクタアンテナ、タイムスロットAを用いたHDR下り回線でのサービスカバレージの説明図。 本発明による30度セクタアンテナ、タイムスロットBを用いたHDR下り回線でのサービスカバレージの説明図。 本発明による30度セクタアンテナ、タイムスロットCを用いたHDR下り回線でのサービスカバレージの説明図。 本発明による30度セクタアンテナ、タイムスロットDを用いたHDR下り回線でのサービスカバレージの説明図。 本発明による30度セクタアンテナ、タイムスロットA、B、C、Dを用いたHDR下り回線加算時のサービスカバレージ(614.4kbit/s)の説明図。 本発明による30度セクタアンテナ、タイムスロットA、B、C、Dを用いたHDR下り回線加算時のサービスカバレージ(1228.8kbit/s)の説明図。 本発明による90度セクタアンテナ、タイムスロットAを用いたHDR下り回線でのサービスカバレージの説明図。 本発明による90度セクタアンテナ、タイムスロットBを用いたHDR下り回線でのサービスカバレージの説明図。 本発明による90度セクタアンテナ、タイムスロットCを用いたHDR下り回線でのサービスカバレージの説明図。 本発明による90度セクタアンテナ、タイムスロットDを用いたHDR下り回線でのサービスカバレージの説明図。 本発明による90度セクタアンテナ、タイムスロットA、B、C、Dを用いたHDR下り回線加算時のサービスカバレージ(614.4kbit/s)の説明図。 本発明の第一の実施の形態による基地局の構成を示すブロック図。 UL FBF19−4の詳細構成を例示するブロック図。 DEM19−5の詳細構成を例示するブロック図。 重み制御回路(WC)の詳細構成を例示するブロック図。 MOD19−10の詳細構成を例示するブロック図。 下り送信側ビーム形成回路DL FBF19−11の詳細構成を例示するブロック図。 本発明の実施の形態による下りビーム制御のフローチャート。 本発明の第二の実施の形態による基地局の構成を示すブロック図。 HDR方式の基本原理の説明図。 HDR方式下り回線での多重化方式についての説明図。 一般的な基地局配置の例を示す説明図。 HDR方式下り回線における送信信号のタイミングダイヤグラム。 本発明の他の実施の形態による基地局制御システムを示すブロック図。 本発明の実施の形態に用いられるビーム・タイムスロットのテーブルを例示するダイヤグラム。 高トラフィック方向へのビーム照射頻度を上昇させたビーム・タイムスロットテーブルの一例を示す説明図。 従来の任意に基地局を四角配置したときのHDR下り回線でのサービスカバレージ(614.4kbit/s)の説明図。 従来の任意に基地局を四角配置したときのHDR下り回線でのサービスカバレージ(204.8kbit/s)の説明図。
符号の説明
19−1 アンテナモジュール
19−2 デュプレクサ(DUP)
19−3 受信側高周波回路(RX)
19−4 上り回線用固定ビーム形成回路(UL FBF)
19−5 復調器(DEM)
19−6 複号器
19−7 アクセス回線インタフェース(LIF)
19−8 アクセス回線インタフェース(LIF)
19−9 符号器(COD)
19−10 変調器(MOD)
19−11 下り回線固定ビーム形成回路(DL FBF)
19−12 送信側高周波回路(TX)
19−13 重み制御器(WC)
19−14 クロック信号発生回路(CLK)
19−15 受信機(GPS)

Claims (6)

  1. 複数の基地局を四角配置し、
    各基地局のアンテナは、複数アンテナエレメントを有し、各アンテナエレメントによる受信信号及び送信信号を合成して所定のビームパタンのアンテナ指向性を実現できるものであって、各基地局の前記アンテナのビームパタンを、隣接の基地局どうしは互いに45度又は略45度ずつビーム方向をずらした方向に設置し、
    前記アンテナを介し、無線端末からの信号を受信し、
    各アンテナエレメントからの信号を所定のビームパタンのアンテナ指向性で合成し、
    合成された各指向性の受信信号に基づき、無線端末から信号を受信し、
    所定のビームパタンにアンテナ指向性を制御して下り信号を送信することを含む無線端末と基地局間の無線通信方法。
  2. 複数の基地局を三角配置し、
    各基地局のアンテナは、複数アンテナエレメントを有し、各アンテナエレメントによる受信信号及び送信信号を合成して所定のビームパタンのアンテナ指向性を実現させ、各基地局の前記アンテナのビームパタンを同一の方向に動的又は静的に設置することを含む基地局及び端末間の無線通信方法。
  3. 複数の基地局を四角配置し、
    各基地局のアンテナは、複数アンテナエレメントを有し、各アンテナエレメントによる受信信号及び送信信号を合成して所定のビームパタンのアンテナ指向性を実現させ、各基地局の前記アンテナのビームパタンを、隣接の基地局どうしは互いに45度又は略45度ずつビーム方向をずらした方向に動的又は静的に設置することを含む基地局及び端末間の無線通信方法。
  4. 複数の基地局を、相互に平面的に三角形の位置関係である三角配置とし、
    各基地局のアンテナを、3セクタアンテナで構成し、
    各アンテナエレメントによる受信信号及び送信信号を合成することを含む無線通信方法。
  5. 複数の基地局を、相互に平面的に四角形の位置関係である四角配置とし、
    各基地局のアンテナを、4セクタアンテナで構成し、
    各アンテナエレメントによる受信信号及び送信信号を合成することを含む無線通信方法。
  6. 複数の基地局を相互に平面的に四角形の位置である四角配置とし、
    各基地局のアンテナを、45°毎の8つの指向性を実現できるアンテナで構成し、
    各タイムスロットで、3つの指向性をもつパターンの2つの指向性は互いに直交する方向、他の1指向性はこれら2指向性から135°の方向となるように、アンテナ指向性を指定することを含む無線通信方法。
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