JP2006134269A - ポートフォリオ構築プログラム - Google Patents

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Abstract

【課題】 実務家の感覚に合い、かつ市場に連動するポートフォリオを構築できるポートフォリオ構築プログラムを提供する。
【解決手段】 複数の銘柄からポートフォリオを構築するポートフォリオ構築プログラムであって、各銘柄の平均リターンを、各金融商品の市場に対する感応度を用いて算出する平均リターン算出ステップと、各銘柄の収益率のリスクを算出するリスク算出ステップと、各銘柄間の相関係数を各々算出する相関係数算出ステップと、上記相関係数で構成された相関行列の、所定値以下の固有値をノイズとして除去することにより有意固有値を算出する有意固有値算出ステップと、算出した前記平均リターン、前記収益率のリスク、及び前記有意固有値に基づいてポートフォリオを構築するポートフォリオ構築ステップとをコンピュータに実行させる。
【選択図】 図5

Description

本発明は、金融商品に関するポートフォリオ構築プログラムに関する。
ポートフォリオとは保有する金融商品の集合体の事である。
金融商品の一種である株式の運用においては、TOPIX(東証株価指数)や日経平均株価といった市場を表す指標(ベンチマーク)の動きに連動する成果を目標とするインデックス運用と呼称されるものがある。
上記指標に連動する商品を購入したいという投資家の要請があり、この要請に応えるべくインデックス運用型のポートフォリオを構築することが求められている。
これに加えて、株式に関するポートフォリオ構築においては、リスクに対するリターンの割合(この割合を「シャープレシオ」という。)を高くすることが要求される。
これに関する理論としては、平均分散モデルが挙げられる。平均分散モデルとは、ポートフォリオの構成要素となる金融商品毎の期待収益率(平均リターン)、金融商品毎の収益率の分散(リスク)及び各々の金融商品間の収益率の相関を基礎として、効率的なポートフォリオの構築を考察する理論である(非特許文献1参照)。
野口悠紀雄、藤井眞理子,「金融工学」,ダイヤモンド社,2000年
しかしながら、上記従来の平均分散モデルに基づいて構築したポートフォリオは、実務家の感覚から離れている。すなわち、例えば株式のポートフォリオでは、構成銘柄、各銘柄の全体に対する所有割合、各銘柄の業種のバランス等が、実務家の感覚から乖離したものとなっている。このため、実際の運用には採用し難いという問題がある。
本発明は、以上のような問題に鑑みてなされたものであって、実務家の感覚に合い、かつ市場に連動するポートフォリオを構築できるポートフォリオ構築プログラムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係るポートフォリオ構築プログラムは、複数の金融商品からポートフォリオを構築するポートフォリオ構築プログラムであって、各金融商品の平均リターンを、各金融商品の市場に対する感応度を用いて算出する平均リターン算出ステップと、前記各金融商品の収益率のリスクを算出するリスク算出ステップと、前記各金融商品間の相関係数を各々算出する相関係数算出ステップと、前記相関係数で構成された相関行列の、所定値以下の固有値をノイズとして除去することにより有意固有値を算出する有意固有値算出ステップと、算出された前記平均リターン、前記収益率のリスク、及び前記有意固有値に基づいてポートフォリオを構築するポートフォリオ構築ステップとをコンピュータに実行させることを特徴とする。
また、前記所定値は、相関がランダムな行列の固有値の最大値であることを特徴とする。
さらに、構築したポートフォリオの金融商品と、当該金融商品毎の割合を表示する表示ステップを含むことを特徴とする。
また、前記金融商品は株式であり、前記表示ステップにおいては、前記株式の銘柄毎の業種を表示することを特徴とする。
さらに、前記ポートフォリオを構築する時点より過去の、前記金融商品の価値を採用する期間の指定を受け付ける期間指定ステップと、を含むことを特徴とする。
さらに、前記平均リターンと収益率のリスクとの平面上に有効フロンティア曲線を図示し、かつ、各金融商品の平均リターンと収益率のリスクに対応した前記平面上の位置に、各金融商品をプロットし、当該各金融商品の割合を前記平面と略直交する方向の大きさとして表示する有効フロンティア表示ステップを含むことを特徴とする。
本発明に係るポートフォリオ構築プログラムは、各金融商品の平均リターンを各金融商品の市場に対する感応度を用いて算出し、各金融商品間の相関行列の固有値から、所定値以下の固有値をノイズとして除去して、残った固有値を有意固有値とするので、市場に連動したポートフォリオを作成することができる。
また、例えば、上記平均リターン、収益率のリスク、有意固有値を基礎として平均分散モデルにより最適化すれば、市場より良好なリターンを期待することができる。
(実施の形態)
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。
本実施の形態では、金融商品の一種である株式に関するポートフォリオを構築するものとし、市場の評価基準(ベンチマーク)としてTOPIXを用いるものとする。
図1は、ポートフォリオ構築装置としてのPC(Personal Computer)1等のハードウェア構成を示すブロック図である。
PC1は、CPU(Central Processing Unit)2、HDD(Hard Disk Drive)4、RAM(Random Access Memory)5、表示I/F部6、入力I/F部8を備える。
HDD4は、記憶装置であり、ポートフォリオ構築プログラムや後述する株価に関するデータベースを記憶している。
RAM5は、揮発性のメモリであり、CPU2が実行する演算処理のための作業領域を提供する。
表示I/F部6は、PC1に接続されたディスプレイ10に所定の表示処理を実行させる。また、入力I/F部8は、PC1に接続されたキーボード12やマウス14等の入力装置から入力を受け付ける。
図2は、ポートフォリオ構築プログラムのソフトウェア構成を示す図である。
入力部20は、ユーザ(投資家)から後述する所定パラメータの設定などの入力を受け付ける。
演算部22は、所定の演算処理を実行させる。
データ処理部24は、HDD4内のデータベースにアクセスして、データの読み出し、ソート(順番並び替え)等のデータに関する処理を行なう。
表示制御部26は、PC1に所定の表示処理を実行させる。
図3は、HDD4内のデータベースが保有しているデータの項目を示す表である。
データベースは、日次データ[図3(a)]、銘柄に関するデータ[図3(b)]、銘柄の日毎の終値に対する対数収益率データ[図3(c)]、TOPIXの日次のデータ[図3(d)]、TOPIXの日毎の終値に対する対数収益率データ[図3(e)]を保有している。
ここで、証券コードとは銘柄毎と対応しているコードである。業種の種類としては、例えば、水産・農林業、鉱業、建設業、食品・医療、素材、加工業、電気・ガス業、運輸・情報通信業、商業、金融・保険業、不動産業、サービス業の12種類に分類される。この業種の分類としては、証券コード協議会の作成した業種分類を用いても良い。
本実施の形態においては、2002年1月4日以前の過去の735取引日における658銘柄の日次データを保有しているものとする。
図4は、PC1が実行するポートフォリオ構築処理を示すフローチャートである。
まず、ユーザから、ポートフォリオを構築する時点より過去の、データとして採用する取引日の期間である期間Tの設定を受け付ける(S11)。以下、本実施の形態では、期間Tは、2002年1月4日よりの過去の735取引日であるものとして説明する。
続いて、データ加工処理のサブルーチンに移行する(S12)。
図5は、データ加工処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
データ加工処理では、上記データベースから受け付けた期間T中の、取引日毎の各銘柄の終値や、取引日毎のTOPIXの終値のデータを入手し、入手したデータに基づいて各銘柄の平均リターン、各銘柄のリスク、銘柄間の相関を算出する。
(1)各銘柄の平均リターンの算出(S21)
まず、銘柄iの時刻(t−Δt)での株価P(t−Δt)と、その銘柄の時刻tにおける株価P(t)を用いて、対数リターンr(t)を定義する。以下、対数リターンを単にリターンという。
Figure 2006134269
ここで、iは各銘柄を識別する指標であり1〜Nまでの値をとる。また、Nはポートフォリオを構成するための対象にする銘柄の数であり、本実施の形態ではN=658である。
(t)は、期間Tを用いて、銘柄iの平均リターン<r>を(式2)から算出する。
Figure 2006134269
ベンチマークのリターンr(t)も同様にして、時刻t−Δtでの値P(t−Δt)と、時刻tでの値P(t)を用いて表す。
Figure 2006134269
ベンチマークの平均リターンは、次の(式4)から算出する。
Figure 2006134269
各銘柄の対数リターンr(t)をベンチマークのリターンに線形回帰させることによって、次の(式5)が得られる。
Figure 2006134269
ここで、βとαは、次の(式6),(式7)で与えられる。
Figure 2006134269
βは、銘柄iの、ベンチマークに対する感応度を表すものとなる。
ここで、Cbiはベンチマークと各銘柄の共分散行列で、(式8)で定義される。
Figure 2006134269
そして、本実施の形態では各銘柄の平均リターンrbetaとして、(式9)とする。
Figure 2006134269
各銘柄の平均リターンにベータを用いることで、構築すべきポートフォリオをより市場に連動させることができる。
なお、以下では計算の便宜上、上記定数として、ベンチマークの平均リターン<r>を用いる。
Figure 2006134269
(2)各銘柄のリスクの算出(S31)
各銘柄のリスクは、当該各銘柄のリターンの標準偏差から求める。
すなわち、銘柄iのリスクσiは、各銘柄のリターンri(t)とその平均<r>を用いて、(式11)から算出する。
Figure 2006134269
(3)銘柄間の相関の算出
(A)銘柄間の相関係数ρijの算出(S41)。
銘柄iと銘柄j間の共分散行列は、(式12)で定義される。
Figure 2006134269
これを用いて、相関係数は(式13)と定義される。
Figure 2006134269
ここで、σは銘柄iの標準偏差である。
次に、上記(式13)で得られた相関係数で構成された相関行列の固有値解析を行なう。得られた最大固有値の固有ベクトルをベクトルuとし、各銘柄の時刻tでのリターンr(t)を成分とするベクトルをベクトルr(t)とすると、ベクトルr(t)のuへの射影M(t)は、次の(式14)で与えられる。
Figure 2006134269
次に各銘柄のリターンr(t)をM(t)に線形回帰させると、r(t)は残差ε(t)を用いて、次の(式15)で表される。
Figure 2006134269
そして、この残差を用いて、共分散行列Cε ijと相関係数ρijを、(式16),(式17)として算出する。
Figure 2006134269
ここで、σε はε(t)の標準偏差である。
(B)相関係数ρijで構成された相関行列の固有値を求める(S42)。
続いて、この相関係数ρijで構成される相関行列を固有値解析することによって固有値λを求める。
(C)相関係数ρijで構成された相関行列の固有値から、λ以下の固有値をノイズとして除去する(S43)。
相関がランダムな行列Hにおける固有値の上限と下限を求める。ここで、相関がランダムな行列Hとは、例えば銘柄数Nに対応したN次正方行列であり、行列の全要素が独立で一様に分布した(iid:independent identically distributed)確率変数であって、行列が対称である(Hij=Hji)という制限だけがあるものである。
具体的には、次の(式18),(式19)において、時系列の長さT(期間T)と銘柄数Nの比Q=T/N(>1)を一定にしたまま、T→∞、N→∞とすることによって、行列Hの固有値分布を示す曲線Prm(λ)を求める。
Figure 2006134269
ここで、λとλは各々、固有値の上限(最大値)と、下限(最小値)を表す。
図6は、相関係数ρijで構成される相関行列を固有値解析することによって得られた固有値の分布(実線で示す。)と、ランダムな行列Hにおける固有値分布を示す曲線Prm(λ)を示す(破線で示す。)グラフである。
また、同図のグラフの横軸は固有値を示し、縦軸は固有値の確率密度を示している。
同図に示すように、実データから求められた固有値分布と、ランダムな行列Hの固有値分布の間には差があることがわかる。本実施の形態においては、ランダムな行列Hの相関を、株式市場における株価変動の中のノイズとみなして、実データから求められた固有値から除去する。
すなわち、実データの固有値の中において、ランダムな行列Hから得られる固有値の最大値より小さい値の固有値は、市場における銘柄間相関を反映したものではないノイズとして除去し、残りの固有値を有意な固有値として採用するのである。
このノイズの除去は、具体的には次のようにして行なう。
固有ベクトルから作成される行列Vを用いると、相関係数から構成された相関行列ρは、(式20)と対角化できる。
Figure 2006134269
ここで、固定値に付した添え字は、固有値を大きい順に並べた場合の順位を表す。次に、ランダムな行列Hの固有値の最大値であるλ以下の固有値をすべて0にする。
すなわち、λより大きい固有値の中で最小のものをλとすると、次の(式21)のように変換する。
Figure 2006134269
そして、ノイズ除去済みの相関係数ρ'ijを、(式22)とする。
Figure 2006134269
なお、相関係数として整合性を保つために、ρ'ii=1と、銘柄i同士の相関係数を1とする。このような操作をしても正定値性は失われない。また、相関がランダムな行列に関する理論はランダム行列理論[Random matrix theory(RMT)]と呼ばれており、例えば、Vasiliki Plerou,"Random matrix approach to cross correlations in financial data",2002 JUN.に詳しい。
3.平均分散モデルによる最適化(S13)
次の(式23)〜(式26)による最適化を行う。
Figure 2006134269
ここで、wは投資総額の内、銘柄iに投資する割合である。σと<r>は、それぞれポートフォリオとの分散(リスクの自乗)とリターンである。なお、空売りを禁止しているので、w≧0としている。
4.ポートフォリオの構築
最適化されたσとrの関係式から有効フロンティア曲線を算出し(S14)、この曲線上のシャープレシオ<r>/σが最大となる点に決定すれば、銘柄i毎のwの値が決定され、最適なポートフォリオが構築されることとなる(S15)。
続いて、構築したポートフォリオを表示し(S16)、ユーザが採用を許可すれば(S17:Yes)、メインルーチンは終了する。
ユーザが採用を許可しないのであれば(S17:No)、ステップS11に戻ることとなり、ユーザは再び期間Tを設定することとなる。
期間Tを変更すれば、データ加工処理に用いるヒストリカルなデータの内容が変更されることとなるので、構築されるポートフォリオも変更されることとなる。
図7は、本実施の形態に係る構築したポートフォリオの表示ウインドウを示す。
同図においては、証券コード、この証券コードに対応した銘柄、銘柄が主要銘柄(2004年10月時点の、日経平均株価を構成する銘柄)か否か、銘柄の業種、銘柄に投資する投資総額に対する割合が表示されている。なお、同図には一部しか示していないが、ポートフォリオは構成対象となる全658銘柄すべての各割合を有している。
同図に示すように、銘柄の割合と、業種がバランス良く構成されている。また、割合上位12社中では、9社が市場を代表すると言われる主要銘柄となっている。これらの点から、構築したポートフォリオは実務家の感覚に合うといえよう。
図8は、構築したポートフォリオの全658銘柄すべての投資割合を採用した場合の1年間のパフォーマンスを示すグラフである。図8のグラフの横軸は日付を表し、縦軸はポートフォリオ採用した日(2002年1月4日)の資産価格で規格化した相対的なリターンを表している。
同図のグラフに示すように、本実施の形態に係る構築したポートフォリオの価格は、TOPIXに連動しつつ、TOPIXよりやや高くなっていることがわかる。
(RMTのみを用いて構築したポートフォリオ)
比較のため、平均リターンにβを用いない以外は、実施の形態と同様に構築したポートフォリオ(以下、「RMTのみのポートフォリオ」という。)について述べる。
図9は、RMTのみのポートフォリオの場合の、構築したポートフォリオの表示ウインドウを示す。
同図に示すように、業種間のバランスについては、電気・ガス業の東邦ガスが約15%と大きく片寄っており、バランスが取れていないことがわかる。また、割合上位12社中では、わずか2社のみが主要銘柄となっている。これらの点から実務家の感覚からやや乖離したポートフォリオとなっている。
図10は、図8と同様な表現をしたグラフであり、RMTのみのポートフォリオを採用した場合の1年間のパフォーマンスを示すグラフである。
図10のグラフの横軸は日付を表し、縦軸はポートフォリオ採用した日(2002年1月4日)の資産価格で規格化した相対的なリターンを表している。
同図のグラフに示すように、RMTのみ場合のポートフォリオの価格は、TOPIXにそれほど連動していないものとなっていることがわかる。
なお、同グラフにおいて「Normal」は、平均リターンにβを用いず、かつ相関のノイズ除去も行なわない従来の一般的な平均分散モデルに基づいて構築したポートフォリオの場合のものである。「RMTのみ」は「Normal」に比べると、ほぼすべての期間で価格が上回っていることがわかる。ランダム行列理論を用いると、用いない場合より8割の確率で良いパフォーマンスを示すことが確認されている。
(有効フロンティア曲線の表示について)
ステップS16において、構築するポートフォリオの表示に併せて、有効ポートフォリオ曲線を表示すると、よりユーザにポートフォリオを視覚的に理解させることができよう。
図11は、平均リターンと収益率のリスクとの平面上に描かれた有効フロンティア曲線などのグラフである。
図11のグラフにおいては、有効フロンティア曲線を丸で表し、特にシャープレシオが最大となる点を白丸で表している。また、グラフ上に、各銘柄の平均リターンと収益率のリスクとの値に対応した位置には六角形の点がプロットされている。
六角形のプロットに、カーソル32を乗せると、プロットに対応した各銘柄名が表示される。図11は白黒であるが、業種の分布が一見してわかるように各銘柄は業種毎に異なる色を使用することが好ましい。
図12は、図11のグラフを回転させたグラフである。同図のグラフにおいては、各銘柄の投資総額に対する割合が、平均リターンと収益率のリスクとの平面に略直交する方向の高さとして表されている。
このように、各銘柄の投資総額に対する割合を立体的に表すので、各銘柄の割合や構築したポートフォリオの性格をユーザは直感的に把握することが可能となる。
(検証)
(1)銘柄間の相関係数について
図13は、相関係数を予測する能力について比較を行った結果を示すグラフである。
横軸は運用を開始した日(2000年1月から2002年2月)である。開始日の前の期間3年間を過去のデータとして用い1年間運用すると仮定し、1年の運用期間内で銘柄間の相関係数にどれだけの予測誤差があったかを調べた。ここでいう予測誤差とは、(A)銘柄間各ペアについて、予測係数と実現した係数の差の絶対値をとり、それを全ペア求めて平均したものである。
他方の予測誤差として、(B)銘柄間各ペアについて過去期間に対する値をそのまま用いて予測値とする最も単純な場合の予測誤差を求める。
同図のグラフの縦軸は、予測誤差の良し悪しの指標として、(A)と(B)の両予測誤差の比を取り、1からのずれをパーセントで表した指標である。この指標がマイナスであれば、上記最も単純な予測よりは良く、逆にプラスであれば上記最も単純な予測より悪いといえる。
また、グラフの線種の意味は次の通りである。
2点鎖線(single-index):金融工学で従来から使われているシングルインデックスモデル
1点鎖線(constant corr. model):ヒストリカルな相関係数の平均を用いる一定相関モデル
破線(RMT denoised):ランダム行列理論を用いてノイズを除去した相関を用いたもの
実線[historical(ref.)]:0%の基準線は、上記最も単純な予測誤差を用いたもの
図13のグラフから、「RMT denoised」の相関係数予測能力の安定性と優位性がわかる。
(2)有効フロンティアの予測性
図14は、RMTによるノイズ除去の有無の、有効フロンティア予測性への影響を示すグラフである。
ポートフォリオを作成する日よりも過去の期間Tとし、未来の期間をTとする。
グラフ中の有効フロンティア曲線の、線種の意味は次の通りである。
実線:Tの期間の生の相関行列と、Tの期間のリターンを用いた場合
破線:Tの期間のRMT用いてノイズを除去した相関行列と、Tの期間のリターンを用いた場合
白抜き○とそれを結ぶ破線:Tの期間の生の相関行列と、Tの期間のリターンを用いた場合
白抜き□とそれを結ぶ実線:Tの期間のRMT用いてノイズを除去した相関行列と、Tの期間のリターンを用いた場合
同図のグラフは、Tを750日、Tを250日として計算した結果である。RMTを用いた場合には、有効フロンティアの予測誤差の精度が優位となっていることがわかる。
ポートフォリオを作成する日や、過去の期間T、未来の期間Tを変えた場合でも同様な結果となることが確認されている。
(3)パフォーマンス比較
図15(a)のグラフは、運用開始日の直前の期間3年間を過去のデータとして用いて1年間運用したときの平均リスクの変化を示す。同グラフの横軸は運用開始日(2000年1月から2002年2月)であり、縦軸は平均リスク(収益率の変動の大きさ)である。
図15(b)のグラフは、運用開始日の直前の期間3年間を過去のデータとして用いて1年間運用したときの平均リターン変化を示す。同グラフの縦軸は、平均リターンを表す。
図15(a)(b)のグラフの、「portf.(RMT)」は実施の形態と同様の手法で構成したポートフォリオであり、「portf.(raw)」は相関係数として生の(ノイズを除去していない)データを用いる以外は、実施の形態と同様に構成したポートフォリオを示す。
同グラフに示すように、「portf.(RMT)」は、ノイズを除去していない「portf.(raw)」に比べて、TOPIXへ追随性が良くなっている。また「portf.(RMT)」の平均リターンはTOPIXを上回っていることがわかる。
証券業界などにおいては、パッシブファンドなどベンチマークへの追随が要求されるファンドがあり、本実施の形態に係るポートフォリオ構築プログラムは、上記ファンドにおけるポートフォリオ構築に特に貢献することができる。
(4)トラッキング・エラー
図16(a)(b)は、2001年1月から運用を開始した場合のサンプルを示すグラフである。
図16(a)は、TOPIXへの追随性を日次の時系列の形で示す。本実施の形態に係るポートフォリオ「portf(RMT)」は、TOPIXへの追随性が良好であることがわかる。
図16(b)は、上記ポートフォリオの時価総額を、開始時点を1として、日次の時系列を示したものである。実施の形態に係るポートフォリオは、時価総額がTOPIXを上回っていることがわかる。
(その他)
(1)本実施の形態においては、株式市場のベンチマークとしてTOPIXを用いたが、ベンチマークとして、例えば、日経平均株価を用いても構わない。
(2)本実施の形態においては、ポートフォリオ構築の対象として、株式を例に挙げて説明しているが、各種先物、債権、商品など他の市場で売買される金融商品であってもよい。
(3)本実施の形態においては、各銘柄のリスクの指標として、ヒストリカルに計算されたリターンの分散を用いたがこれに限られず、平均・分散モデルと整合性のあるものならば、他のリスクの指標も利用可能である。
(4)本実施の形態のデータ加工処理においては、加工対象となるデータは株式の日次データ中の終値であったが、これに限られず、株式の時系列データであれば他のデータを用いてもよい。例えば、5分毎、あるいは30分毎の株式の値段をデータ加工処理に用いても構わない。
本発明に係るポートフォリオ構築方法は実務家の感覚に合ったポートフォリオを構築できるので、個人資産や各種年金などの金融資産運用の用途に適用できる。
ポートフォリオ構築装置としてのPC1等のハードウェア構成を示すブロック図である。 ポートフォリオ構築プログラムのソフトウェア構成を示す図である。 HDD4内のデータベースが保有しているデータの項目を示す表である。 PC1が実行するポートフォリオ構築処理を示すフローチャートである。 データ加工処理のサブルーチンを示すフローチャートである。 相関係数ρijで構成される相関行列を固有値解析することによって得られた固有値の分布(実線で示す。)と、ランダムな行列Hにおける固有値分布を示す曲線Prm(λ)を示す(破線で示す。)グラフである。 本実施の形態に係る構築したポートフォリオの表示ウインドウを示す。 構築したポートフォリオの全658銘柄すべての各割合を採用した場合の1年間のパフォーマンスを示すグラフである。 RMTのみのポートフォリオの場合の、構築したポートフォリオの表示ウインドウを示す。 RMTのみのポートフォリオを採用した場合の1年間のパフォーマンスを示すグラフである。 平均リターンと収益率のリスクとの平面上に描かれた有効フロンティア曲線などのグラフである。 図11のグラフを回転させたグラフである。 相関係数を予測する能力について比較を行った結果を示すグラフである。 RMTによるノイズ除去の有無の、有効フロンティア予測性への影響を示すグラフである。 (a)は、運用開始日の直前の期間3年間を過去のデータとして用いて1年間運用したときの平均リスクの変化を示すグラフである。(b)は、運用開始日の直前の期間3年間を過去のデータとして用いて1年間運用したときの平均リターン変化を示すグラフである。 (a)(b)は、2001年1月から運用を開始した場合のサンプルを示すグラフである。
符号の説明
1 PC
2 CPU
4 HDD
10 ディスプレイ
12 キーボード
14 マウス
20 入力部
22 演算部
24 データ処理部
26 表示制御部
28 制御部

Claims (6)

  1. 複数の金融商品からポートフォリオを構築するポートフォリオ構築プログラムであって、
    各金融商品の平均リターンを、各金融商品の市場に対する感応度を用いて算出する平均リターン算出ステップと、
    前記各金融商品の収益率のリスクを算出するリスク算出ステップと、
    前記各金融商品間の相関係数を各々算出する相関係数算出ステップと、
    前記相関係数で構成された相関行列の、所定値以下の固有値をノイズとして除去することにより有意固有値を算出する有意固有値算出ステップと、
    算出された前記平均リターン、前記収益率のリスク、及び前記有意固有値に基づいてポートフォリオを構築するポートフォリオ構築ステップと
    をコンピュータに実行させることを特徴とするポートフォリオ構築プログラム。
  2. 前記所定値は、相関がランダムな行列の固有値の最大値である
    ことを特徴とする請求項1に記載のポートフォリオ構築プログラム。
  3. さらに、構築したポートフォリオの金融商品と、当該金融商品毎の割合を表示する表示ステップを含むことを特徴とする請求項1または2に記載のポートフォリオ構築プログラム。
  4. 前記金融商品は株式であり、前記表示ステップにおいては、前記株式の銘柄毎の業種を表示することを特徴とする請求項3に記載のポートフォリオ構築プログラム。
  5. さらに、前記ポートフォリオを構築する時点より過去の、前記金融商品の価値を採用する期間の指定を受け付ける期間指定ステップと、
    を含むことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のポートフォリオ構築プログラム。
  6. さらに、前記平均リターンと収益率のリスクとの平面上に有効フロンティア曲線を図示し、かつ、各金融商品の平均リターンと収益率のリスクに対応した前記平面上の位置に、各金融商品をプロットし、当該各金融商品の割合を前記平面と略直交する方向の大きさとして表示する有効フロンティア表示ステップ
    を含むことを特徴とする請求項1に記載のポートフォリオ構築プログラム。
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