JP2006131439A - 硼素ドープダイヤモンドと硼素ドープダイヤモンドの電気抵抗評価方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 硼素ドープダイヤモンドで硼素濃度が一定であっても電気抵抗が異なる。電気抵抗を左右する因子が不明である。ダイヤモンド表面に電極を付けて測定する4端子法などではダイヤモンド表面を傷付けるしオーミックコンタクトが形成できないこともあり電気抵抗が測定できないこともある。電極を付けることなく電気抵抗を測定する手段を与えること。
【解決手段】 水素をキャリヤガスとし、炭化水素、硼素含原料を原料としたプラズマCVD法でダイヤモンドを成長させ、硼素濃度を6000ppmより高いものとし、水素濃度を20000ppm以下にし、価電子帯から2eVの位置に硼素の関連した不純物準位を有するダイヤモンドとすること。2eVにある不純物準位のために導電率が高くなる。水素混入をできるだけ抑えることによって導電率をさらに高くすることができる。
【選択図】図1
Description
p型とn型が補償しあうからボロン濃度と窒素濃度の差が正孔濃度を与えるので、ボロン濃度を窒素濃度より大きくしなければならない、という説もある。
また窒素のドナーは不活性であり正孔生成を妨げないという説もある。
σ1=(b−5000)0.258exp(+4.5x−2.56)
σ1=(b−5500)0.239exp(+4.5x−2.35)
σ1=(b−6000)0.216exp(+4.5x−2.09)
通常の常識では第1準位Sが電気伝導に寄与するというものであるが本発明はそうでなく第2準位Qが電気伝導に主要な働きをすると考えるものである。
硼素量と水素量は二次イオン質量分析法(SIMS;secondary ion mass spectrometry)によって測定した。これは試料の表面に加速したイオンビ−ムを当てて衝撃によって表面の原子を飛び出させ質量分析してその個数を数えることによって試料表面の構成元素の数を直接に調べるものである。表面をエッチングしてゆきながら構成元素の数を計数して行くので深さ方向に構成元素(母材、不純物)の分布を知ることができる。硼素ドープダイヤモンドであるから硼素量を測定するのは当たり前であるが、水素量を測定するという着想は新規のものである。それは水素の関連したレベルが禁制帯に形成される、という本発明の主張を裏付けるものだから必要なのである。
Hall測定によってシート抵抗を測定する。SIMS測定で試料の薄膜の厚みdがわかるのでシート抵抗に厚みを掛けて抵抗率がわかる。先述の特許文献2(特開平6−144993号公報)はCVDダイヤモンドで硼素量が500〜1800ppmでだいたい抵抗率が1000Ωcm程度としていた。本発明は硼素量が特許文献2に比べて高いが、薄膜の抵抗率が1/10〜1/1000Ωcmの程度になっており、特許文献2に比べて格段に低抵抗であることがわかる。試料Eは抵抗率が最少で5×10−4Ωcmである。試料A、B、F、Gは抵抗率が極めて低くて10−2〜10−3Ωcmの範囲にある。試料C、D、Hは抵抗率が少し高くなり10−1〜10−2Ωcmの範囲である。試料I、Jは比較例であるが抵抗率は10−1Ωcmの程度である。
ピーク強度比というのは、価電子帯の直近にできるアクセプタによる電子状態密度に対応する第1ピークSと、禁制帯の半ばで価電子帯の頂上から約2eVの高さにある不純物が作った第2ピークQの高さの比率Q/Sである。ピークの面積を積分して求め、その比をとるのが正確であろうが、それは容易でないからピーク高さを測ってその比をとる。比の値Q/Sの変化が水素濃度、抵抗率の変化と強い関係をもち、それが抵抗を支配している、というのが本発明の新しい主張である。
y=exp(−4.5x+0.6) (1)
y=exp(−4.5x−0.3) (2)
σ1=exp(+4.5x−0.6) (3)
σ1=exp(+4.5x+0.3) (4)
臨界硼素濃度を5000ppmだと仮定し、臨界硼素濃度から差の値の1/m乗で導電率σ1が増大するというように仮定しよう。これはある種の相転移に当たると考えられる。そうであれば臨界点で非連続の変化をすると推定される。非連続変化で最も単純なものは多重根の近似である。そのような推定で統一的な式を考える。すると、硼素濃度の差は70000−5000=65000ppmと、7000−5000=2000ppmとなり、(3)、(4)式の比の値が、exp(0.3+0.6)=exp(0.9)=2.459であるので、
1/m=0.258 (7)
というように計算することができる。これを使うと、σ1についての統一的な式を得る。
臨界硼素濃度を5500ppmだと仮定し、前例と同じように、臨界硼素濃度から差の値の1/m乗で導電率σ1が増大するというように仮定する。すると、硼素濃度の差は70000−5500=64500ppmと、7000−5500=1500ppmとなる。exp(0.3+0.6)=exp(0.9)=2.459である。
(64500/1500)1/m =2.459 (9)
となる。左辺括弧の中は43である。log43=1.633、log2.459=0.3907であるので、
m=4.18 (10)
あるいは、
1/m=0.239 (11)
というように計算することができる。これを使うと、σ1についての統一的な第2の式を得る。
σ1=(b−5500)0.239exp(+4.5x−2.35)
(12)
を得ることができる。
臨界硼素濃度を6000ppmだと仮定し、前例と同じように、臨界硼素濃度から差の値の1/m乗で導電率σ1が増大するというように仮定する。すると、硼素濃度の差は70000−6000=64000ppmと、7000−6000=1000ppmとなる。exp(0.3+0.6)=exp(0.9)=2.459である。
(64000/1000)1/m =2.459 (13)
となるべきである。左辺括弧の中は64である。log64=1.806、log2.459=0.3907であるので、
m=4.62 (14)
あるいは、
1/m=0.216 (15)
というように計算することができる。これを使うと、σ1についての統一的な第2の式を得る。
σ1=(b−6000)0.216exp(+4.5x−2.09) (16)
を得ることができる。
また上の式から硼素濃度bを既知としてXAFSによって、試料の導電率を求めることができる。それは非破壊検査であるから好ましいものである。
本発明の知見によれば、水素含有率を減らすことによって大きいQ準位を作ることができQ準位が導電率を上げるということである。プラズマCVD法でキャリヤガスとして水素を使う場合水素が含まれてしまうものであるが、なるべく水素がダイヤモンド中へ取り込まれないようにすれば導電率の高いp型ダイヤモンドを作ることができる、ということである。それは導電率を上げるため硼素濃度を上げることだけを考えていた特許文献1、2、3、4と大きく相違する。
Claims (10)
- 窒素原料を用いず炭素原料又は炭化水素原料と硼素原料を用い高圧合成法またはCVD法で作成され、窒素を含まないか含んでも100ppm以下であって、硼素濃度が6000ppm以上で水素濃度が20000ppm以下であって、価電子帯の上端を基準として0eV付近に第1のエネルギー準位(S)を有し、2eV近傍に第2のエネルギー準位(Q)をもつことを特徴とする硼素ドープダイヤモンド。
- 同じ硼素濃度であれば、水素濃度が低いと第2のエネルギー準位の状態密度が上がり抵抗率が下がることを利用し、水素濃度を制御することによって抵抗率を制御したことを特徴とする請求項1に記載の硼素ドープダイヤモンド。
- 窒素原料を用いず炭素原料又は炭化水素原料と硼素原料を用い高圧合成法またはCVD法で作成され、窒素を含まないか含んでも100ppm以下であって、硼素濃度が6000ppm以上で水素濃度が20000ppm以下であって、価電子帯の上端を基準として0eV付近に第1のエネルギー準位(S)を有し、2eV近傍に第2のエネルギー準位(Q)をもつ硼素ドープダイヤモンドにおいて、第1電子エネルギー準位(S)の電子状態密度と、第2エネルギー準位(Q)の電子状態密度を測定し、第1エネルギー準位(S)のピーク高さで、第2エネルギー準位(Q)のピーク高さを割った値x(=ピーク2/ピーク1)と、硼素濃度bからダイヤモンドの抵抗率を算出することを特徴とする硼素ドープダイヤモンドの電気抵抗評価方法。
- 硼素濃度が7000ppmであって、第1エネルギー準位(S)の電子状態密度で第2エネルギー準位(Q)の電子状態密度を割った比の値x(=Q/S)から抵抗率y(Ωcm)を
y=exp(−4.5x+0.6)
によって計算することを特徴とする請求項3に記載の硼素ドープダイヤモンドの電気抵抗評価方法。 - 硼素濃度が70000ppmであって、第1エネルギー準位(S)の電子状態密度で第2エネルギー準位(Q)の電子状態密度を割った比の値x(=Q/S)から抵抗率y(Ωcm)を
y=exp(−4.5x−0.3)
によって計算することを特徴とする請求項3に記載の硼素ドープダイヤモンドの電気抵抗評価方法。 - 硼素濃度bが6000ppm以上であって、水素濃度が20000ppm以下であり、電子状態密度の測定値の第2ピーク(Q)と第1ピーク(S)の比をxとして、導電率σ(=1/y)のうち水素濃度に依存する部分σ1が
σ1=(b−5000)0.258exp(+4.5x−2.56)
によって計算されることを特徴とする請求項3に記載の硼素ドープダイヤモンドの電気抵抗評価方法。 - 硼素濃度bが6000ppm以上であって、水素濃度が20000ppm以下であり、電子状態密度の測定値の第2ピーク(Q)と第1ピーク(S)の比をxとして、導電率σ(=1/y)のうち水素濃度に依存する部分σ1が
σ1=(b−5500)0.239exp(+4.5x−2.35)
によって計算されることを特徴とする請求項3に記載の硼素ドープダイヤモンドの電気抵抗評価方法。 - 硼素濃度bが6000ppm以上であって、水素濃度が20000ppm以下であり、電子状態密度の測定値の第2ピーク(Q)と第1ピーク(S)の比をxとして、導電率σ(=1/y)のうち水素濃度に依存する部分σ1が
σ1=(b−6000)0.216exp(+4.5x−2.09)
によって計算されることを特徴とする請求項3に記載の硼素ドープダイヤモンドの電気抵抗評価方法。 - 180eV〜195eVのエネルギー範囲を含む連続X線を発生する装置を用いて連続波長のX線をダイヤモンド試料に当て吸収スペクトルから第1のエネルギー準位(S)の電子状態密度と第2のエネルギー準位(Q)の電子状態密度を測定することを特徴とする請求項3に記載の硼素ドープダイヤモンドの電気抵抗評価方法。
- 195eV以上の電子線をダイヤモンド試料に当て電子のエネルギー損失スペクトルから第1のエネルギー準位(S)の電子状態密度と第2のエネルギー準位(Q)の電子状態密度を測定することを特徴とする請求項3に記載の硼素ドープダイヤモンドの電気抵抗評価方法。
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