JP2006118973A - 風速測定システムおよび風速測定方法 - Google Patents

風速測定システムおよび風速測定方法 Download PDF

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Abstract


【課題】 ドップラーシフトにより変化したレーザ光の周波数を簡易に導くことを実現して、測定箇所における風速や風向を容易かつ簡単に測定可能な風速測定システムを提供すること。
【解決手段】 出射レーザ光L1を出射するレーザ光生成器11と、出射レーザ光L1の戻レーザ光L2を分光するハーフミラー24と、ハーフミラーを透過する第1分光戻レーザ光L21の光強度を測定する第1光強度測定器27と、ハーフミラーにより反射された第2分光戻レーザ光L22をその周波数に応じて減衰させる光フィルタ26と、光フィルタにより減衰された第2分光戻レーザ光L22の光強度を測定する第2光強度測定器28と、光フィルタによる光強度の減衰量から戻レーザ光の周波数を算出して出射レーザ光の周波数と共に代入することにより測定箇所における風速・風向を算出する制御部と、を備える。
【選択図】 図2

Description

本発明は、風速測定システムおよび風速測定方法に関し、詳しくは、ドップラーシフトにより変化したレーザ光の周波数を簡易に得ることのできるものに関する。
近年のクリーンエネルギーの需要の高まりから、風力発電設備を設置することが従来より行われている。この風力発電設備は、プロペラ式などの風車を効率よく回転させるのに適した場所に設置する必要があることから、候補地に支柱を立てて先端部に設置した測定器により風速・風向測定を行って、その候補地における風速や風向の調査をしていた。
しかし、風力発電設備はそれなりに大型であるのに対して、調査用の支柱の先端部における測定器の高さは、それほど高くすることができずに、その風車の設置高さよりも低いことから、風速や風向は計算により推定せざるを得なかった。また、風速・風向の調査を行うために、複数箇所の候補地を取得しなければ、その調査を行えないことから、気楽に調査をすることができずに、最適地を選定することは困難であった。
このことから、風車の設置箇所(場所&高さ)における実際の風速・風向をレーザ光を用いて測定する方法が提案されている。この測定方法では、遠隔位置から測定箇所に向けてレーザ光を出射して走査することにより、実際に風車が設置される高さでの風速・風向を測定することができる(例えば、特許文献1参照)。
風速・風向の測定方式としては、例えば、エアーゾルが風で流されるのを利用することが考えられており、レーザ光を複数箇所に向けて出射して、そのレーザ光の反射強度から、流されるエアーゾルの濃度変化を測定することにより、測定箇所における風速・風向を導出することが提案されている(例えば、特許文献2、3参照)。
また、レーザ光は、風で流れる空気中の粒子で反射されて戻って来ることから、出射時の周波数から戻時の周波数はドップラーシフトしている。このレーザ光の周波数変化の相関を利用して、測定箇所における風速・風向を導出する測定方向も提案されている(例えば、特許文献4参照)。
特開2004−101265号公報 特許第3001482公報 特開平11−271350号公報 特開平6−342084号公報
しかしながら、このような従来の風速の測定にあっては、エアーゾルの移動を利用して、複数箇所のレーザ光の反射強度と時間的変化から、測定箇所の風速を導く処理は複雑で容易ではない。また、レーザ光の周波数におけるドップラーシフトを利用するにしても、レーザ光の周波数を測定するのは複雑で容易ではなく、さらに、その周波数変化から風速を導かなければならない。このために、広範囲の測定箇所における風速の情報を収集するには、煩雑な処理が必要になってしまう、という課題があった。
そこで、本発明は、ドップラーシフトにより変化したレーザ光の周波数を直接測定するのではなく、その周波数を簡易に導くことを実現することにより、測定箇所における風速を容易かつ簡単に測定することができ、また、その風速から風向も導くことができる風速測定システムや風速測定方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決する風速測定システムの第1の発明は、レーザ光を測定箇所方向に向けて出射する出射手段と、測定箇所方向からの戻レーザ光を受光する受光手段と、出射レーザ光および戻レーザ光の相関から測定箇所における風速を算出する演算手段とを備える風速測定システムであって、受光手段は、出射レーザ光からドップラーシフトした戻レーザ光の周波数を当該戻レーザ光の周波数に応じた特性変化を利用して導出する導出手段を有して、演算手段は、出射レーザ光および戻レーザ光の周波数の相関に基づいて風速を算出することを特徴とするものである。
この発明では、出射レーザ光は出射後に測定箇所の空気中の粒子に散乱されてその一部が戻レーザ光として戻ってきて受光される。その戻レーザ光の周波数は、その周波数に応じた特性変化を計測することにより導出することができ、この戻レーザ光と出射レーザ光の周波数の相関からその測定箇所での風速を算出することができる。したがって、戻レーザ光の周波数を直接計測することなく、その周波数を導出することができ、容易に測定箇所での風速を測定することができる。
上記課題を解決する風速測定システムの第2の発明は、上記第1の発明の特定事項に加え、前記演算手段は、出射レーザ光の出射方向、および、該出射レーザ光の出射から戻レーザ光の受光までの時間に基づいて測定箇所の位置を算出することを特徴とするものである。
この発明では、測定箇所までの離隔距離は出射レーザ光の出射から戻レーザ光の受光までの時間から算出することができ、その出射レーザ光の出射方向と、その離隔距離から測定箇所の位置を特定することができる。したがって、レーザ光の出射から戻りまでの時間に応じた測定箇所毎の風速を容易に測定することができる。
上記課題を解決する風速測定システムの第3の発明は、上記第1または第2の発明の特定事項に加え、前記導出手段は、戻レーザ光を2つに分光する分光部と、該分光部からの第1分光レーザ光の光強度を測定する第1光強度測定部と、分光部からの第2分光レーザ光を入射するフィルタ部と、該フィルタ部を介する第2分光レーザ光の光強度を測定する第2光強度測定部と、を備えて、フィルタ部は、入射されるレーザ光の周波数に応じて、出射するレーザ光の光強度の減衰率が変化する光フィルタを用いることを特徴とするものである。
この発明では、受光時に戻レーザ光が分光されて、第1分光レーザ光はそのまま光強度が測定される一方、第2分光レーザ光は周波数に応じて減衰率の変化する光フィルタが介在した後の光強度が測定される。これにより、第1、第2分光レーザ光の光強度の差から、言い換えると、戻レーザ光の減衰率からその周波数を導出することができる。したがって、戻レーザ光の周波数を直接計測することなく、その周波数を導出することができ、容易に測定箇所での風速を測定することができる。
上記課題を解決する風速測定システムの第4の発明は、上記第1または第2の発明の特定事項に加え、前記導出手段は、戻レーザ光を2つに分光する分光部と、該分光部からの第1分光レーザ光を入射する第1フィルタ部と、該第1フィルタ部を介する第1分光レーザ光の光強度を測定する第1光強度測定部と、分光部からの第2分光レーザ光を入射する第2フィルタ部と、該第2フィルタ部を介する第2分光レーザ光の光強度を測定する第2光強度測定部と、を備えて、第1フィルタ部は、入射されるレーザ光の周波数に応じて、出射するレーザ光の光強度の減衰率が正比例する光フィルタを用いるとともに、第2フィルタ部は、入射されるレーザ光の周波数に応じて、出射するレーザ光の光強度の減衰率が反比例する光フィルタを用いることを特徴とするものである。
この発明では、受光時に戻レーザ光が分光されて、第1分光レーザ光は周波数に応じて減衰率が正比例する光フィルタが介在した後の光強度が測定される一方、第2分光レーザ光は周波数に応じて減衰率が反比例する光フィルタが介在した後の光強度が測定される。これにより、第1、第2分光レーザ光の光強度の差から、言い換えると、戻レーザ光の減衰率からその周波数を導出することができる。この光フィルタの減衰特性は、正比例特性と反比例特性のものを合わせて使用することにより直線性を向上させることができ、広範囲の周波数を精度よく測定することができる。したがって、戻レーザ光の周波数を直接計測することなく、その周波数を精度よく導出することができ、容易に測定箇所での風速をより正確に測定することができる。
上記課題を解決する風速測定システムの第5の発明は、上記第1または第2の発明の特定事項に加え、前記導出手段は、戻レーザ光を3つに分光する分光部と、該分光部からの第1分光レーザ光の光強度を測定する第1光強度測定部と、分光部からの第2分光レーザ光を入射する第1フィルタ部と、該第1フィルタ部を介する第2分光レーザ光の光強度を測定する第2光強度測定部と、分光部からの第3分光レーザ光を入射する第2フィルタ部と、該第2フィルタ部を介する第3分光レーザ光の光強度を測定する第3光強度測定部と、を備えて、第1フィルタ部は、入射されるレーザ光の周波数に応じて、出射するレーザ光の光強度の減衰率が正比例する光フィルタを用いるとともに、第2フィルタ部は、入射されるレーザ光の周波数に応じて、出射するレーザ光の光強度の減衰率が反比例する光フィルタを用いることを特徴とするものである。
この発明では、受光時に戻レーザ光が分光されて、第1分光レーザ光はそのまま光強度が測定される一方、第2分光レーザ光は周波数に応じて減衰率が正比例する光フィルタが介在した後の光強度が測定され、また、第3分光レーザ光は周波数に応じて減衰率が反比例する光フィルタが介在した後の光強度が測定される。これにより、第1〜第3分光レーザ光の光強度の差から、言い換えると、戻レーザ光の減衰率からその周波数を導出することができる。この光フィルタの減衰特性は、正比例特性と反比例特性のものを合わせて使用することにより直線性を向上させることができ、広範囲の周波数を精度よく測定することができる。したがって、戻レーザ光の周波数を直接計測することなく、その周波数を精度よく導出することができ、容易に測定箇所での風速をより正確に測定することができる。
上記課題を解決する風速測定システムの第6の発明は、上記第1または第2の発明の特定事項に加え、前記導出手段は、戻レーザ光を屈折させる屈折部と、該屈折部により屈折された戻レーザ光の屈折率を導出する屈折導出部と、を備えて、屈折部は、レーザ光の周波数に応じて、入出射するレーザ光の屈折率が変化することを特徴とするものである。
この発明では、受光した戻レーザ光は、周波数に応じて屈折率が変化する屈折部、例えば、分散プリズムまたは回折格子素子などにより屈折されて、その屈折率が測定される。これにより、戻レーザ光の屈折率からその周波数を導出することができる。したがって、戻レーザ光の周波数を直接計測することなく、その周波数を導出することができ、容易に測定箇所での風速を測定することができる。
上記課題を解決する風速測定システムの第7の発明は、上記第1から第6のいずれかの発明の特定事項に加え、前記演算手段は、導出手段による戻レーザ光の周波数の導出結果を補正する補正値をメモリ手段内に保持して、該補正値により補正した導出結果の戻レーザ光の周波数と出射レーザ光の周波数との相関に基づいて風速を算出することを特徴とするものである。
この発明では、導出した戻レーザ光の周波数を補正することができ、この補正後の戻レーザ光の周波数と出射レーザ光の周波数の相関から測定箇所での風速を算出することができる。したがって、測定箇所での風速をより精度よく測定することができる。
上記課題を解決する風速測定システムの第8の発明は、上記第1から第7のいずれかの発明の特定事項に加え、前記演算手段は、前記測定箇所近傍の少なくとも3箇所以上から得られた風速を保持するメモリ手段を備えて、当該3箇所以上における風速に基づいて風向をも算出することを特徴とするものである。
この発明では、測定箇所近傍の3箇所以上で測定された風速からその風向を算出することができ、また、その風向での風速を算出することができる。したがって、遠隔地から見た相対的な風速に留まらずに、その測定箇所における風速・風向を得ることができる。
上記課題を解決する風速測定方法の第1の発明は、レーザ光を測定箇所方向に向けて出射して、該測定箇所方向からの戻レーザ光を受光することにより、出射レーザ光および戻レーザ光の相関から測定箇所における風速を算出する風速測定方法であって、出射レーザ光の出射方向、および、該出射レーザ光の出射から戻レーザ光の受光までの時間に基づいて測定箇所の位置を算出するとともに、該出射レーザ光からドップラーシフトした戻レーザ光の周波数を当該戻レーザ光の周波数に応じた特性変化を利用して導出し、出射レーザ光の周波数との相関に基づいて該測定箇所における風速を算出することを特徴とするものである。
この発明では、出射レーザ光は出射後に測定箇所の空気中の粒子に散乱されてその一部が戻レーザ光として戻ってきて受光される。その戻レーザ光の周波数は、その周波数に応じた特性変化を計測することにより導出することができ、この戻レーザ光と出射レーザ光の周波数の相関からその測定箇所での風速を算出することができる。また、測定箇所までの離隔距離は出射レーザ光の出射から戻レーザ光の受光までの時間から算出することができ、その出射レーザ光の出射方向と、その離隔距離から測定箇所の位置を特定することができる。したがって、レーザ光の出射から戻りまでの時間に応じた測定箇所毎の風速を、戻レーザ光の周波数を直接計測することなく、その周波数を導出して、容易に測定することができる。
上記課題を解決する風速測定方法の第2の発明は、上記第1の発明の特定事項に加え、前記戻レーザ光の周波数を導出する導出手段により出射レーザ光の周波数を導出して、該導出手段による戻レーザ光の周波数の導出結果の補正値を求め、該補正値を用いて測定箇所における風速を算出することを特徴とするものである。
この発明では、測定箇所の風速を測定する前に、既知の出射レーザ光の周波数を導出して、既知の周波数と導出結果の周波数から補正値を得ることができ、導出した戻レーザ光の周波数をその補正値により補正することができる。これにより、補正後の戻レーザ光の周波数と出射レーザ光の周波数の相関から測定箇所での風速を算出することができる。したがって、測定箇所での風速をより精度よく測定することができる。
上記課題を解決する風速測定方法の第3の発明は、上記第1または第2の発明の特定事項に加え、前記測定箇所近傍の少なくとも3箇所以上から得られた風速を保持して、当該3箇所以上における風速に基づいて風向をも算出することを特徴とするものである。
この発明では、測定箇所近傍の3箇所以上で測定された風速からその風向を算出することができ、また、その風向での風速を算出することができる。したがって、遠隔地から見た相対的な風速に留まらずに、その測定箇所における風速・風向を得ることができる。
このように本発明によれば、出射レーザ光の一部の戻レーザ光を受光して、その出射レーザ光の出射方向と、その出射から受光までの時間と、から測定箇所の位置を求めることができる。また、その測定箇所での風速は、戻レーザ光の周波数に応じた特性変化からその周波数を導出して、この戻レーザ光と出射レーザ光の周波数の相関から算出することができる。これにより、戻レーザ光の周波数を直接計測することなく、出射から戻りまでの時間に応じた測定箇所毎の風速を容易に測定することができる。したがって、例えば、風力発電設備を設置するのに適した候補地を容易に選定することができ、候補地の選定に掛かる無駄な投資を省くことができると共に、最適地に風力発電設備を設置して、低コストな発電を実現することができる。
以下、本発明の最良の実施形態を図面に基づいて説明する。図1〜図11は本発明に係る風速・風向測定方法を実行する風速・風向測定システムの第1実施形態を示す図である。
図1において、風速・風向測定システムは、レーザ光L1を測定箇所方向に向けて出射する出射部(出射手段)10と、その測定箇所方向から戻ってきた戻レーザ光L2を受光する受光部(受光手段)20と、その出射レーザ光L1と戻レーザ光L2の相関から測定箇所における風速や風向を算出する図10に図示の制御部30と、を関連付けることにより構築されている。これら各部10〜30は、一機器内に組み込んで装置化してもよく、また、配線等で接続してシステム化してもよい。
この風速・風向測定システムは、例えば、風力発電設備を設置する候補地の周囲を測定対象として使用することができ、その候補地の測定作業位置から水平方向に離隔する、また、その作業位置から高さ方向に離隔する位置の測定箇所に、図1(a)に示すように、風速測定手段としての出射部10および受光部20を向けることにより、そこでの風速・風向の風況を制御部30により算出・測定することができる。なお、この風速・風向測定システムは、候補地を測定作業位置としなくても、その候補地が作業し辛い場所などの場合には、遠隔地から候補地付近の地表からその上空を測定箇所として狙って、そこでの風速・風向の風況を測定することもできる。ここでは、簡易に説明するために、候補地を測定作業位置とする場合を一例にして説明する。
受光部20は、図1(b)、(c)に示すように、出射部10から出射された出射レーザ光L1が測定箇所に存在する空気中の粒子pで反射されて戻ってくる戻レーザ光L2を受光するようになっており、この戻レーザ光L2は、粒子pで散乱されて出射レーザ光L1の一部が戻ってくるだけなので、図1(a)に示すように、処理可能な光強度以上になるように集光ミラー21で集められた戻レーザ光L2が入射される。
このとき、受光部20が受光する戻レーザ光L2は、出射レーザ光L1を反射する粒子pが風に乗って移動していることから、その出射レーザ光L1とは異なる周波数にドップラーシフトしている。この戻レーザ光L2は、例えば、図1(b)に示すように、出射レーザ光L1に対して直交する方向d1に移動する粒子pに反射された場合と、図1(c)に示すように、出射レーザ光L1に対して同一光路上を離隔する方向d2に移動する粒子pに反射された場合とではドップラー効果が大きく異なることになる。すなわち、出射レーザ光L1と戻レーザ光L2とでは、その粒子pの移動、言い換えると、その測定箇所での見かけ上の風速と、その周波数変化に相関関係があり、その周波数の相関から測定箇所での相対的な風速を求めることができる。
例えば、出射レーザ光L1の周波数をν0とするとともに、戻レーザ光L2の周波数をνxとして、レーザ光は速度c、粒子pは速度vとすると、図1(b)に図示するように、出射レーザ光L1(戻レーザ光L2)が粒子pの移動方向d1と直交関係にある場合には、戻レーザ光L2の周波数ν1は、次式(1)により求めることができる。
ν1=ν0×(1−v/c1/2 ・・・ (1)
ここで、レーザ光の速度cと粒子pの速度vは、「v≪c」の関係にあって、
v/c≪1
であることから、戻レーザ光L2の周波数ν1は、出射レーザ光L1の周波数ν0と次の関係になる。
ν1≒ν0
その一方で、図1(c)に図示するように、出射レーザ光L1(戻レーザ光L2)が粒子pの移動方向d2と平行関係にある場合には、戻レーザ光L2の周波数ν2は、次式(2)により求めることができる。
ν2=ν0×(1−v/c)/(1−v/c1/2 ・・・ (2)
同様に、レーザ光の速度cと粒子pの速度vの関係から、戻レーザ光L2の周波数ν2は、出射レーザ光L1の周波数ν0と次の関係になる。
ν2≒ν0×(1−v/c) ・・・ (3)
このことから、出射レーザ光L1と戻レーザ光L2の周波数ν0、νxを取得することができれば、測定位置から見た測定箇所の粒子pの見かけ上の速度v、言い換えると、測定箇所での相対的な風速vを次式(4)により求めることができる。
v=c×{(νx/ν0)−1} ・・・ (4)
また、戻レーザ光L2が粒子pにより散乱反射されて戻ってきた出射レーザ光L1であるので、そのレーザ光L1、L2は、出射から受光までの時間tで光路を往復していることになる。このことから、この測定箇所の粒子pの位置は、測定作業位置から離隔する距離Dを次式(5)から求めることができ、この離隔距離Dと、出射レーザ光L1の出射方向(戻レーザ光L2の受光方向)とから決定することができる。
D=ct/2 ・・・(5)
しかるに、ここでは、出射レーザ光L1および戻レーザ光L2からは、相対的な風速vを測定できるに留まることから、後述するように、少なくとも近傍の3箇所以上での風速測定を行って、ベクトル的に合成することにより、測定箇所における風向dを決定するとともに、その風向dにおける風速│v│(絶対値)を求めることが必要である。
具体的には、図2に示すように、出射部10は、レーザ光生成器11と、第1ハーフミラー12と、反射ミラー13と、減衰器14と、を備えており、受光部20は、第2ハーフミラー24と、反射ミラー25と、光フィルタ(フィルタ部)26と、第1、第2光強度測定器(第1、第2光強度測定部)27、28とを備えて、構成されている。
出射部10のレーザ光生成器11は、パルスレーザ光を発振させて出射する装置であり、そのレーザ光は、予め設定されている強度に増幅させた後に、設定時間間隔で出射する。
第1ハーフミラー12は、このレーザ光生成器11から出射されたレーザ光L1を第1、第2分光出射レーザ光L11、L12に分光するようになっており、この第1ハーフミラー12は、レーザ光生成器11からの出射レーザ光L1の一部をそのまま透過させて分光した第1分光出射レーザ光L11を、そのまま直進させて測定箇所方向に出射する一方、その出射レーザ光L1の残りを反射させて分光した第2分光出射レーザ光L12を、反射ミラー13により再度反射させて減衰器14に入射する。なお、ここでは、レーザ光生成器11から出射されて第1ハーフミラー12により分光された第2分光出射レーザ光L12を、反射ミラー13を用いて減衰器14(受光部20の受光本体部22)に入射するが、直接入射可能なレイアウトの場合には反射ミラー13を省いてもよいことはいうまでもない。
減衰器14は、第1ハーフミラー12と受光部20の受光本体部22側との間の光路途中に介在するように配置されており、その第1ハーフミラー12が反射させて分光した第2分光出射レーザ光L12を入射されて、その第2分光出射レーザ光L12を予め設定されている光強度(例えば、受光本体部22で処理可能な光強度)まで減衰させた後に受光本体部22側に向けて出射する。
これにより、レーザ光生成器11からの第1分光出射レーザ光L11を測定箇所方向に出射することができるのと同時に、その第1分光出射レーザ光L11と同一の周波数ν0の第2分光出射レーザ光L12を受光本体部22に入射することができる。この受光本体部22に入射する第2分光出射レーザ光L12は、測定箇所方向に出射した第1分光出射レーザ光L11が散乱反射された戻レーザ光L2と同等の光強度に減衰させて処理可能にした後に受光本体部22に入射することができる。
受光本体部22の第2ハーフミラー24は、出射部10から減衰・入射される第2分光出射レーザ光L12を、さらに第1、第2分光出射レーザ光L121、L122に分光するようになっており、この第2ハーフミラー24は、出射部10からの第2分光出射レーザ光L12の一部をそのまま透過させて分光した第1分光出射レーザ光L121を、そのまま直進させて第1光強度測定器27に入射する一方、その第2分光出射レーザ光L12の残りを反射させて分光した第2分光出射レーザ光L122を、反射ミラー25により再度反射させて光フィルタ26に入射する。
また、この第2ハーフミラー24は、出射部10から測定箇所方向に出射されて散乱反射された第1分光出射レーザ光L11の戻レーザ光L2を、同様に、第1、第2分光戻レーザ光L21、L22に分光するようになっており、この第2ハーフミラー24は、戻レーザ光L2の一部をそのまま透過させて分光した第1分光戻レーザ光L21を、そのまま直進させて第1光強度測定器27に入射する一方、戻レーザ光L2の残りを反射させて分光した第2分光戻レーザ光L22を、反射ミラー25により再度反射させて光フィルタ26に入射する。すなわち、この第2ハーフミラー24が戻レーザ光L2を2つに分光する分光部を構成している。
光フィルタ26は、第2ハーフミラー24と第2光強度測定器28との間の光路途中に介在するように配置されており、その第2ハーフミラー24が反射させて分光した第2分光出射レーザ光L122と第2分光戻レーザ光L22を入射されて、その第2分光出射レーザ光L122と第2分光戻レーザ光L22をフィルタ処理した後に第2光強度測定器28に入射する。この光フィルタ26は、入射されるレーザ光の周波数に応じて、出射するレーザ光の減衰率が変化するフィルタ特性を有しており、ここでは、図3に示すように、入射するレーザ光の周波数と出射するレーザ光の光強度の減衰率が正比例する特性を有するものが選択されている。なお、光フィルタ26として、反対に、入射するレーザ光の周波数と出射するレーザ光の光強度の減衰率が反比例する特性を有するものを選択してもよい。
第1、第2光強度測定器27、28は、入射されるレーザ光の光強度に応じて光電荷を生成する特性を有しており、その光電荷量により入射レーザ光の光強度を測定することができる。
これにより、第1光強度測定器27では、光フィルタ26が介在することなく入射させたレーザ光の光強度を測定することができるとともに、第2光強度測定器28では、光フィルタ26により同一のレーザ光をその周波数に応じて減衰させたときの光強度を測定することができる。このため、第1光強度測定器27による測定結果の光強度I1と、第2光強度測定器28による測定結果の光強度I2の比率(I2/I1)を算出することにより、光フィルタ26の減衰特性から入射したレーザ光の周波数を導出することができる。
このことから、測定箇所方向に出射した第1分光出射レーザ光L11と同一周波数ν0の第2分光出射レーザ光L121は、そのまま第1光強度測定器27に入射されるとともに、同様に同一周波数ν0の第2分光出射レーザ光L122は、光フィルタ26を介してその周波数ν0に応じた光強度に減衰させた後に第2光強度測定器28に入射される。この第1、第2光強度測定器27、28の測定結果の光強度I1、I2から、この受光本体部22での出射レーザ光L12の減衰率(I2/I1)を算出することができ、この出射レーザ光L12の周波数ν0は既知であることから光フィルタ26の温度特性などに起因する減衰特性の変化を補正するための補正値が得られる。
また、測定箇所方向に第1分光出射レーザ光L11が出射されて空気中の粒子pにより散乱反射されて戻ってきた(周波数ν0がドップラーシフトしている)戻レーザ光L2を分光した第1分光戻レーザ光L21は、そのまま第1光強度測定器27に入射させることができるとともに、その戻レーザ光L2から分光されて第1分光戻レーザ光L21と同一周波数νxの第2分光戻レーザ光L22は、光フィルタ26を介してその周波数νxに応じた光強度に減衰させた後に第2光強度測定器28に入射させることができる。
したがって、この第1、第2光強度測定器27、28の測定結果の光強度I1、I2から、この受光本体部22での戻レーザ光L2の減衰率(I2/I1)を算出することができ、その減衰率からこの戻レーザ光L2の周波数νxを導出することができる。このときに、出射レーザ光L12の測定結果から得られた補正値を用いることにより、戻レーザ光L2の周波数νxを高精度に導出することができる。すなわち、この第2ハーフミラー24、光フィルタ26および第1、第2光強度測定器27、28が、出射レーザ光L11からドップラーシフトした戻レーザ光L2の周波数νxを、光フィルタ26がその戻レーザ光L2の周波数νxに応じた光強度に減衰させる特性変化を利用して導出する導出手段を構成している。
よって、直接測定することなく導出した戻レーザ光L2の周波数νxと出射レーザ光L1の周波数ν0を上記式(4)に代入することにより、測定箇所における見かけ上の風速vを算出することができる。この測定箇所の位置は、出射レーザ光L1の出射から戻レーザ光L2の受光までに掛かる時間tを上記式(5)に代入して算出した離隔距離Dと、その出射レーザ光L1の出射方向(戻レーザ光L2の受光方向)とから特定することができる。
この出射レーザ光L1の出射から戻レーザ光L2の受光までに掛かる時間tは、測定作業位置(出射部10と受光部20の設置位置)から測定箇所までの離隔距離Dに応じて遅延する。このため、出射レーザ光L1を出射する一つの測定方向では、図4に示すように、出射部10から出射された出射レーザ光L1が直接受光部20に受光されて光フィルタ26の補正処理が行われた後に、近接する測定箇所(粒子p)の戻レーザ光L2が受光されて、そこから離隔する測定箇所(粒子p)の戻レーザ光L2が順次に受光される。このため、測定箇所毎の相対的な風速vに応じて出射レーザ光L1の周波数ν0からドップラーシフトして増減した戻レーザ光L2の周波数νxを補正しつつ導出することができ、その周波数νxから測定箇所毎の相対的な風速vを精度よく算出することができる。
そして、出射部10および受光部20は、出射レーザ光L1の出射方向と戻レーザ光L2の受光方向が略一致するように不図示の台座上にセットされており、この台座が、例えば、サーボモータにより水平方向に360度、上下方向に180度回転させることのできる回転機構に支持されている。
これにより、この風速・風向測定システムは、例えば図5に示すように、出射レーザ光L1の出射方向および戻レーザ光L2の受光方向(以下では、単に出射レーザ光L1の出射方向ともいう)を、鉛直方向から徐々に仰角θを下げつつ回転させるように前記台座を駆動させることにより、出射レーザ光L1の出射方向の軌跡を、風力発電設備を設置する候補地S0を中心にする半球表面上を、所謂、渦巻き状に走査するように移動させることができ、出射レーザ光L1の届く半径rの範囲内の測定箇所における相対的な風速vを測定することができる。
また、出射部10は、図6に示すように、光の反射方向を振動させることのできるマイクロミラー(反射鏡)15がレーザ光生成器11の後段側に設けられている。このマイクロミラー15は、前記台座の駆動方向に対して直交する方向に振動することにより、図7に示すように、レーザ光生成器11から出射された出射レーザ光L1の出射方向の軌跡Tを細かく振動(変動)させることができる。これにより、風速・風向測定システムは、出射レーザ光L1の出射方向の軌跡T上で異なる測定タイミングの測定箇所S1〜Sxにおける相対的な風速vを測定することができる。すなわち、このマイクロミラー15は、前記台座と共に移動手段を構成しており、台座が測定箇所を3次元的に移動させるとともに、マイクロミラー15がその測定箇所を細かく変動させることができる。なお、本実施形態では、測定箇所を3次元的に移動させる場合を説明するが、これに限らず、例えば、一定の高度などの平面(2次元)内を移動させてもよいことはいうまでもない。
ここで、出射部10が出射レーザ光L1の出射方向をマイクロミラー15により振動させるのに対して、受光部20はその出射レーザ光L1の戻レーザ光を固定されている集光ミラー21により受光本体部22に入射することから、この出射部10と受光部20は、図8に示すように、マイクロミラー15が振動の中心位置で出射レーザ光L1を反射したときの戻レーザ光L2の受光感度が最も良好になるように、その集光ミラー21の光軸(集光方向)とマイクロミラー15の振動中心とを一致させるように調整する。なお、本実施形態では、マイクロミラー15を一方向に振動させる場合を説明するが、回転させてもよいことはいうまでもなく、また、集光ミラー21がその光軸を変動可能な場合にはマイクロミラー15と同期させるように駆動させてもよい。また、図8に示すグラフは、マイクロミラー15の振動と集光ミラー21の集光の関係を模式的に示すものである。
これにより、この風速・風向測定システムは、出射レーザ光L1の出射方向を、風力発電設備を設置する候補地S0の鉛直方向から徐々に仰角θを下げつつ回転させるとともに振動させることにより、図7に示すように、近傍の測定箇所Sn1〜Sn3毎の相対的な風速vを測定することができる。この候補地S0から見た測定箇所Sn1〜Sn3毎の相対的な風速vからは、これらをベクトル的に合成することにより、その測定箇所Sn1〜Sn3を代表する、例えば、その中間の測定箇所Sn2における風向dと、その風向dの風速│v│とを求めることができる。要するに、近傍3箇所で風速測定を行うことにより、一箇所の測定箇所の風速・風向を測定することができ、戻レーザ光L2の周波数を直接測定することなく、広範囲の測定箇所での風速・風向を、効率よく測定することができるとともに、その測定箇所の間隔を密に測定することができる。
詳細には、実際の風速と風向が同一と仮定可能なほど近接する測定箇所Sn1〜Sn3の測定結果を用いて、図9に示すように、出射レーザ光L1の出射方向が中間の測定箇所Sn2のときの測定結果が風速vn2で、次回の測定箇所Sn3のときの測定結果が風速vn3である場合には、次のような関係になる。その候補地S0から見た測定箇所Sn2、Sn3での相対的な風速vn2、vn3は、挟角α2で隣接しており、その風速vn2、vn3をベクトル合成すると、その風速vn2、vn3と測定箇所Sn2を含む平面内での合成風速Vn23は、次式(6)で求めることができる。
Vn23=(vn3−vn2cosα2)/sinα2 ・・・ (6)
また、同様に、中間の測定箇所Sn2の測定結果の風速vn2と、前回の測定箇所Sn1の測定結果の風速vn1を用いる場合には、その候補地S0から見た測定箇所Sn2、Sn1での相対的な風速vn2、vn1は、挟角α1で隣接しており、その風速vn2、vn1をベクトル合成すると、その風速vn2、vn1と測定箇所Sn2を含む平面内での合成風速Vn21は、次式(7)で求めることができる。
Vn21=−(vn1−vn2cosα1)/sinα1 ・・・ (7)
この算出した合成風速Vn21、Vn23をさらにベクトル合成することにより、出射レーザ光L1の出射方向に対する中間の測定箇所Sn2における風向dを算出することができ、また、この算出風向dと、この測定箇所Sn2における相対的な風速vから、その風向dにおける実際の風速│v│を算出することができる。ここで、この演算は、実際の風速と風向が同一と仮定して行うため、測定箇所Sn1〜Sn3の離隔間隔(測定間隔)が離れ過ぎていると誤差が大きくなるとともに、差分で算出していることから、反対に測定箇所Sn1〜Sn3の離隔間隔が近すぎても誤差が大きくなるので、最適な測定間隔(データ取得時間間隔)を選定する必要がある。
そして、制御部30は、図10に示すように、CPU31と、RAM32と、ROM33と、I(入力)/O(出力)34と、VRAM(Video Random Access Memory)35と、HD(ハードディスク)36と、がバス37を介して接続されて構成されている。
CPU31は、ROM33内に格納されている制御プログラムに従って、動作する上で必要なデータをRAM32内に一次記憶しつつ、I/O34に接続されている出射部10や受光部20の駆動を制御して風速・風向測定を行うようになっており、その出射部10や受光部20による測定箇所Sn1〜Snxの測定結果をHD36(メモリ手段)内に格納しつつ演算処理を実行する。その一方で、I/O34には、操作者が入力操作する不図示のオペレーションポートと、各種情報を表示出力する不図示のディスプレーやプリンタなどが接続されており、このCPU31は、オペレーションポートからの入力情報に基づいて風速・風向測定を行うとともに、その入力情報に従って各種情報をディスプレーやプリンタにより表示出力することができる。例えば、CPU31は、オペレーションポートから測定結果のディスプレーへの表示出力が選択されたとき、HD36内に格納する出射部10や受光部20による測定結果の演算処理結果を、そのHD36内に格納されている映像データに合成しつつVRAM35を介してディスプレーで表示可能なデータにして出力する。すなわち、この制御部30のCPU31は、風速・風向測定システムの各部の駆動を制御する制御手段を構成するとともに、その測定結果を演算処理する演算手段をも構成している。
要するに、CPU31は、出射部10と受光部20が設置されている前記台座を駆動させるとともに、マイクロミラー15の振動を開始させた後に、出射部10のレーザ光生成器11から出射レーザ光L1を設定時間間隔に出射して、候補地S0周辺の測定箇所における風速・風向測定を開始する。
この風速・風向測定では、CPU31は、まずは、上述したように、出射レーザ光L1の第1分光出射レーザ光L11を測定箇所方向に出射するのと並行して、その出射レーザ光L1の第2分光出射レーザ光L12が受光本体部22に減衰・入射させる。このとき、CPU31は、その第2分光出射レーザ光L12の光フィルタ26が介在しない場合の光電変換信号(光強度I1)と光フィルタ26を介する場合の光電変換信号(光強度I2)を取得することができる。このため、CPU31は、その信号強度(光強度)から光フィルタ26による第2分光出射レーザ光L12の減衰量(I2/I1)を算出することにより、光フィルタ26による減衰特性でその減衰量の一致する入射レーザ光の周波数を導出して、その周波数が出射レーザ光L1の既知の周波数ν0からどの程度ずれているかにより、その光フィルタ26の温度特性などに依存する補正値を算出し、HD36内に格納しておく。ここで、HD36内に演算結果を格納するように説明するが、光電変換信号の光強度などを格納しておいてもよいことはいうまでもない(以下の説明でも同様)。
受光本体部22には、出射レーザ光L1の第2分光出射レーザ光L12に続けて、第1分光出射レーザ光L11の出射方向の測定箇所(粒子p)で散乱された戻レーザ光L2が順次に入射される。このため、CPU31は、同様に、予め設定されているサンプリング間隔(測定箇所の候補地S0からの離隔間隔)毎に、その戻レーザ光L2の光フィルタ26の介在しない場合の光電変換信号(光強度I1)と光フィルタ26を介する場合の光電変換信号(光強度I2)の減衰量(I2/I1)を算出することにより、光フィルタ26の減衰特性でその減衰量の一致する入射レーザ光の周波数νxを導出するとともに、その周波数νxをHD36内の補正値を用いつつ高精度に導出し、HD36内に格納しておく。この後には、CPU31は、その戻レーザ光L2の周波数νxと出射レーザ光L1の周波数ν0を上記式(4)に代入することにより、測定箇所毎の相対的な風速vを算出するとともに、サンプリングタイミングの積算時間tを上記式(5)に代入することにより、その測定箇所の離隔距離Dを算出して、その出射レーザ光L1の出射方向と共に、その測定箇所に対応させてHD36内に格納しておく。
そして、CPU31は、この出射レーザ光L1の出射方向を候補地S0の鉛直方向から徐々に仰角θを下げつつ回転させるとともに振動させることにより、その候補地S0を中心とする半径rの範囲内の各測定箇所毎における、出射レーザ光L1の出射方向、離隔距離D、相対的な風速vをHD36内に格納する。
このCPU31は、この風速・風向測定と並行して、あるいは、この風速・風向測定の終了後に、HD36内に格納されている出射レーザ光L1の出射方向と離隔距離Dから測定箇所を特定するとともに、その測定箇所Sn1〜Sn3毎の相対的な風速vを上記式(6)、(7)に代入することにより、その測定箇所毎の風向dと風速│v│をベクトル合成して算出して、HD36内に追加・格納する。
その一方で、HD36には、候補地S0の周辺を3次元表示可能な地図データが格納準備されている。CPU31は、オペレーションポートから候補地S0全体や任意の測定箇所の測定結果の表示命令が入力された場合には、その入力情報に基づいて、その候補地S0や任意の測定箇所に該当する地図データをHD36内から読み出してVRAM35内に格納するとともに、同様に、候補地S0や任意の測定箇所における測定結果をHD36内から読み出してVRAM35内に格納する地図データに合成して、例えば、ディスプレー上に表示出力する。ここで、本実施形態では、CPU31が測定結果をディスプレー上に表示出力する場合を一例として説明するが、これに限らずに、プリンタにより用紙上に印字して表示出力可能に構成してもよいことはいうまでもない。
このCPU31は、測定結果を表示出力する複数種の形式がオペレーションポートから指定可能に準備されており、その指定された形式に従って地図データ上の任意の箇所に測定結果を表示出力する。
例えば、CPU31は、オペレーションポートから任意の箇所の数値データを表示出力する形式が指定された場合には、指定された任意箇所に該当する測定箇所を出射レーザ光L1の出射方向と離隔距離Dから特定した後に、その測定箇所に対応する地図データ上に視認可能に表示する住所&高度などの文字データ(場所データ)を生成するとともに、同様に、表示出力する項目として選択された測定結果をHD36内から読み出して住所&高度データ毎の一覧表などを作成して、VRAM35内に格納する地図データに合成しディスプレー上に表示出力する。
また、CPU31は、オペレーションポートから風力発電設備に必要な条件などが入力されて、その条件に適合する測定箇所をイメージデータとして表示出力する形式が指定された場合には、HD36内に格納されている測定結果のうちからその入力条件(選別条件)に適合する測定箇所を選別(抽出)して、その選別箇所に対応する地図データ上に視認可能に表示する住所&高度などのイメージデータ(場所データ)を生成するとともに、その選別箇所における測定結果をHD36内から読み出して視認可能なイメージデータを生成して、VRAM35内に格納する地図データに合成しディスプレー上に表示出力する。
具体的には、このCPU31は、例えば、風力発電設備のプロペラなどの風車を設置可能な高度で、同時に、風速│v│が予め設定されている値以上の測定箇所をイメージデータにして表示出力する際には、次のような手順で、その選別箇所の地図データ上の住所&高度のイメージデータ(場所データ)と、その選別箇所における風速│v│や風向の視認可能なイメージデータ(風況データ)を生成して、図11に示すように、VRAM35内に格納する地図データに合成しディスプレー40上に表示出力する。すなわち、CPU31は、HD36内の測定箇所の場所データや風況データをディスプレーで表示出力可能に生成・出力するデータ生成手段を構成している。
まず、その選別条件に該当し隣接する測定箇所を抽出してグループ化するとともに、その選別箇所グループの測定箇所毎の出射レーザ光L1の出射方向と離隔距離Dから地図データ上の住所&高度データを算出し、この後に、その住所ポイント群の上空でその高度に相当する範囲を表示する色付き半透過の領域画像41の画像データ(場所データ)を生成して、VRAM35内に格納する地図データに合成してディスプレー40上に表示出力する。
また、その選別箇所グループの中心を特定して、その中心箇所の出射レーザ光L1の出射方向と離隔距離Dから地図データ上の住所&高度データを算出し、この後に、その中心住所ポイント42からその高度に相当する高さを表すポール43の画像データ(場所データ)を生成して、VRAM35内に格納する地図データに合成してディスプレー40上に表示出力する。
さらに、その選別箇所グループ内の測定箇所における風速│v│をその風向dのXYZ方向毎に分割して3次元展開した後に、その分割した風速│v│x〜│v│zを各方向毎に合算することにより、選別箇所グループを代表する風速│v│と風向dを算出し、この後に、その風速│v│を長さにより表すとともに、その風向dを向きにより表す矢印44の画像データ(風況データ)を作成して、VRAM35内に格納する地図データに合成してディスプレー40上に表示出力する。
これにより、任意の測定箇所における風速・風向測定の測定結果を数値データのまま取得することができるとともに、所望の選別条件に該当する測定箇所の領域画像41を他の領域と区別可能に図形表示して容易に視認することができ、例えば、風力発電設備の設置に適した場所を簡単に把握することができる。また、その領域画像41の住所や高度はポール43の図形画像により容易に視認することができるとともに、その領域画像41での風速│v│や風向dも矢印44の図形画像により容易に視認することができ、風力発電設備の設置に適した測定箇所を簡単に把握することができる。
また、このCPU31は、タイマー機能を有して、予め設定されている年月日、時間帯などに従って風速・風向測定を行うように構成されており、その測定結果には測定を行った年月日や時刻を対応付けしてHD36内に格納・蓄積することにより、例えば、オペレーションポートからの入力情報に従ってHD36内の測定結果の統計計算をしてディスプレー40に表示出力することができる。
これにより、CPU31は、オペレーションポートからの入力情報に基づいて長期間に亘って風速・風向測定を行うことができ、ディスプレー40に表示出力する測定結果を時期や時間帯などで区切って、その期間内における測定結果を所望の統計計算することにより、その候補地S0における風況状況を把握することができる。例えば、CPU31は、所望の期間以上で必要な風速(平均風速│v│)以上となる測定箇所を抽出するなどして、その候補地S0における風況状況を容易に把握することができ、また、その風速・風向の変化をディスプレー40に表示出力して、風力発電設備を設置するのに適しているかなどの検証をすることができる。
なお、本実施形態では、任意の箇所の測定結果を数値データのまま表示出力する場合や、候補地S0周辺で選別条件に該当する測定箇所の測定結果をイメージデータにして表示出力する場合を一例に説明するが、これに限るものではないことはいうまでもない。例えば、候補地S0周辺内や選別箇所内の測定箇所を、任意の間隔(密度)で抽出して数値データやイメージデータを表示出力するようにしてもよい。
このように本実施形態においては、風力発電設備の候補地S0に、実際に調査用の支柱を設置することなく、その風力発電設備のプロペラなどの風車の位置を測定箇所として、その測定箇所における風速や風向を効率よく、また、高精度に測定することができる。したがって、無駄な投資をすることなく、風力発電設備の設置に最適な候補地S0を容易に選定することができ、低コストな発電を実現することができる。
本実施形態の第1の他の態様としては、図12に示すように、出射部10および受光部20の設置されている台座を、一方の水平方向から反対側の水平方向に向かって徐々に仰角θを上げ下げする回動動作を行いつつ、その上下方向に対して直交する左右の方向に振る回動動作を行うように駆動させることにより、出射レーザ光L1の出射方向の軌跡が、風力発電設備の候補地S0を中心にする半球表面上を、所謂、スダレ状に走査するように移動させてもよい。この場合にも、上述実施形態による作用効果を同様に得ることができる。
また、本実施形態の第2の他の態様としては、出射部10のマイクロミラー15の振動により、そのレーザ光生成器11から出射された出射レーザ光L1の出射方向の軌跡Tを、図7に示す波型から図13に示す鋸波状に変更してもよく、また、そのマイクロミラー15を回転させることにより、出射レーザ光L1の出射方向の軌跡Tを、図14に示すスパイラル形状(平面状の螺旋形状)に変更してもよい。この場合にも、上述実施形態による作用効果を同様に得ることができる。
次に、図15および図16は本発明に係る風速・風向測定システムの第2実施形態を示す図である。なお、本実施形態は、上述実施形態と略同様に構成されているので、同様の構成には同一の符号を付して特徴部分を説明する(以下で説明する他の実施形態においても同様)。
図15において、受光部20の受光本体部22は、上述実施形態における第2ハーフミラー24、反射ミラー25、光フィルタ(第1フィルタ部)26、第1、第2光強度測定器27、28に、光フィルタ(第2フィルタ部)56が加えられて構成されており、この光フィルタ56は、第2ハーフミラー24と第1光強度測定器27との間の光路途中に介在するように配置されている。
光フィルタ56は、第2ハーフミラー24が出射部10からの第2分光出射レーザ光L12の一部をそのまま透過させて分光した第1分光出射レーザ光L121や、その第2ハーフミラー24が戻レーザ光L2の一部をそのまま透過させて分光した第1分光戻レーザ光L21を入射されて、その第2分光出射レーザ光L121と第2分光戻レーザ光L21をフィルタ処理した後に第1光強度測定器27に入射する。
この光フィルタ56は、光フィルタ26と同様に、入射されるレーザ光の周波数に応じて、出射するレーザ光の減衰率が変化するフィルタ特性を有しており、ここでは、図16に示すように、光フィルタ26とは逆に、入射するレーザ光の周波数と出射するレーザ光の光強度の減衰率が反比例する特性を有するものが選択されている。
これにより、第1光強度測定器27では、光フィルタ56により入射したレーザ光をその周波数に応じて減衰させたときの光強度を測定することができるとともに、第2光強度測定器28では、光フィルタ26により同一のレーザ光をその周波数に応じて減衰させたときの光強度を測定することができる。このため、第1光強度測定器27による測定結果の光強度I3と、第2光強度測定器28による測定結果の光強度I2の比率(I2/I3)から光フィルタ26、56による減衰比を算出することができ、光フィルタ26、56の減衰特性を合成した特性から入射したレーザ光の周波数を導出することができる。
ここで、光フィルタ26、56は、レーザ光を減衰させる減衰率がその周波数と正比例または反比例する素子であるが、その減衰率との比例関係が完全な直線になる訳ではなく、コンプリメンタリ(相補的)の関係にある。このことから、光フィルタ26、56は、差動動作するように第1、第2光強度測定器27、28の前段に配置することにより、利用する減衰特性の直線性を改善することができるとともに、減衰率の大きな箇所で受け易いノイズの影響を回避することができ、広範囲の周波数を精度よく測定することができる。
このため、第1、第2光強度測定器27、28の測定結果の光強度I3、I2から、受光本体部22での出射レーザ光L12の減衰比(I2/I3)を高精度に算出して、この出射レーザ光L12の既知の周波数ν0から光フィルタ26、56の温度特性などに起因する減衰特性の変化を補正するための補正値を得ることができ、また、この受光本体部22での戻レーザ光L2の減衰比(I2/I3)をその補正値を用いて高精度に算出して、その減衰比からこの戻レーザ光L2の周波数νxをより精度よく導出することができる。
このように本実施形態においては、上述実施形態による作用効果に加えて、戻レーザ光L2の周波数νxを高精度に導出して、測定箇所における相対的な風速vを精度よく算出することができる。したがって、例えば、風力発電設備の候補地S0の周辺における風速│v│や風向dを正確に算出することができ、風力発電設備を設置するのに最適な候補地をより信頼性高く選定することができる。
次に、図17は本発明に係る風速・風向測定システムの第3実施形態を示す図である。
図17において、受光部20の受光本体部22は、上述実施形態における第2ハーフミラー24、光フィルタ(第1フィルタ部)26、第1、第2光強度測定器27、28を備えるとともに、反射ミラー25に代えて第3ハーフミラー64が設置されており、さらに、反射ミラー65、光フィルタ(第2フィルタ部)66、および第3光強度測定器69が追加されて構成されている。
第3ハーフミラー64は、上述実施形態では、そのまま全反射して光フィルタ26に入射していた第2分光出射レーザ光L122や第2分光戻レーザ光L22を分光するようになっており、その第2分光出射レーザ光L122や第2分光戻レーザ光L22の一部を反射させて分光した第2分光出射レーザ光L1221や第2分光戻レーザ光L221を、そのまま直進させて光フィルタ26を介して第1光強度測定器28に入射する。また、この第3ハーフミラー64は、第2分光出射レーザ光L122や第2分光戻レーザ光L2の残りをそのまま透過させて分光した第3分光出射レーザ光L1222や第3分光戻レーザ光L222を、反射ミラー65により再度反射させて光フィルタ66に入射する。すなわち、第2ハーフミラー24および第2ハーフミラー64が戻レーザ光L2を3つに分光する分光部を構成している。
光フィルタ66は、第2、第3ハーフミラー24、64が介在して分光した第3分光出射レーザ光L1221や第3分光戻レーザ光L222を入射されて、その第3分光出射レーザ光L1221や第3分光戻レーザ光L222をフィルタ処理した後に第3光強度測定器69に入射する。
この光フィルタ66は、光フィルタ26と同様に、入射されるレーザ光の周波数に応じて、出射するレーザ光の減衰率が変化するフィルタ特性を有しており、ここでは、上述実施形態の光フィルタ56と同様に、入射するレーザ光の周波数と出射するレーザ光の光強度の減衰率が反比例する特性を有するものが選択されている。
また、第3光強度測定器69は、第1、第2光強度測定器27、28と同様に、入射されるレーザ光の光強度に応じて光電荷を生成する特性を有しており、その光電荷量により入射レーザ光の光強度を測定することができる。
これにより、第1光強度測定器27では、光フィルタ26、66が介在することなく入射されたレーザ光の光強度を測定することができるとともに、第2光強度測定器28では、光フィルタ26により入射されたレーザ光をその周波数に応じて減衰させたときの光強度を測定することができ、また、第3光強度測定器69では、光フィルタ66により同一のレーザ光をその周波数に応じて減衰させたときの光強度を測定することができる。
このため、第1、第2光強度測定器27、28の測定結果の光強度I1、I2と、第2、第3光強度測定器28、69の測定結果の光強度I2、I3との減衰差を次式(8)から高精度に算出して、この出射レーザ光L12の既知の周波数ν0から光フィルタ26、66の温度特性などに起因する減衰特性の変化を補正するための補正値を得ることができ、また、この受光本体部22での戻レーザ光L2の減衰差をその補正値を用いて高精度に算出して、その減衰差からこの戻レーザ光L2の周波数νxをより精度よく導出することができる。
ΔI(attenuation rate)=(I2/I1)−(I3/I1)
このように本実施形態においては、上述第2実施形態と同様に、戻レーザ光L2の周波数νxを高精度に導出して、測定箇所における相対的な風速vを精度よく算出することができる。したがって、例えば、風力発電設備の候補地S0の周辺における風速│v│や風向dを正確に算出することができ、風力発電設備を設置するのに最適な候補地をより信頼性高く選定することができる。
次に、図18は本発明に係る風速・風向測定システムの第4実施形態を示す図である。
図18において、出射部10および受光部20は、レーザ光を透過させるとともに偏向させるプリズム(透過偏光素子)71が測定箇所側に配置されており、このプリズム71は回転軸71aを中心に回転可能に支持されている。
出射部10は、上述実施形態におけるマイクロミラー15に代わって、プリズム71がレーザ光生成器11および第1ハーフミラー12の後段側で回転することにより、そのレーザ光生成器11から出射されて第1ハーフミラー12で分光された出射レーザ光L11の出射方向の軌跡Tを、図14に示すように、スパイラル形状に細かく回転・振動(変動)させてることができ、その軌跡T上の異なる測定タイミングの測定箇所毎における相対的な風速vの測定を実現する。
受光部20は、プリズム71が集光ミラー21の前段側で回転することにより、その集光ミラー21に入射される戻レーザ光L2の入射方向の軌跡が、出射部10と同様に、スパイラル形状に回転・振動される。
ここで、出射部10および受光部20は、出射レーザ光L11の出射方向および戻レーザ光L2の入射方向を同一のプリズム71により偏向して回転・振動させるので、出射部10が出射する出射レーザ光L11の光軸と、受光部20の受光本体部22に集光して入射する戻レーザ光L2の光軸と、を一致させたまま測定箇所の風速・風向を測定することができる。また、出射部10および受光部20は、プリズム71以外が回転等することがないので、出射部10が出射して受光本体部22に入射する出射レーザ光L12の光軸を、受光本体部22に集光・入射する戻レーザ光L2の光軸と一致させたまま受光本体部22の補正値を得る処理を行うことができ、安定して高精度な補正値を得ることができる。
このように本実施形態においては、上述実施形態による作用効果を同様に得ることができ、同様に、制御が複雑になってしまうことなく、プリズム71を回転させるだけの制御で、候補地S0の周囲の風速・風向を同等以上の精度で測定することができる。
本実施形態の第1の他の態様としては、図示することは省略するが、透過させるレーザ光を偏向することのできる素子として、プリズム71に代えて、回折格子素子を用いてもよい。この場合にも、本実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
次に、図19は本発明に係る風速・風向測定システムの第5実施形態を示す図である。
図19において、受光部20は、上述第1実施形態における集光ミラー21に代えて、集光ミラー72が配置されるのに加えて、反射ミラー13に代えて、第4ハーフミラー73が配置されており、その集光ミラー72に対面する位置には、球面ミラー74が配置されている。また、減衰器14は、第1ハーフミラー12と第4ハーフミラー73の間に配置されるとともに、受光本体部22は集光ミラー72の背面側(集光側の反対側)に配置されている。
集光ミラー72は、その中央部に光を通過させる開口部72aが形成されており、その開口部72aにより第4ハーフミラー73や球面ミラー74の反射するレーザ光が背面側に通過すること許容する。球面ミラー74は、その集光ミラー72が反射して集光するレーザ光を再度反射することにより、その集光ミラー72の開口部72aを介して背面側に配置された受光本体部22に入射する。
第4ハーフミラー73は、減衰器14の後段側で、レーザ光生成器11から出射されて分光された第2分光出射レーザ光L12を、その減衰器14により光強度を減衰された後に、再度反射することにより、集光ミラー72の開口部72aを介して受光本体部22に入射するようになっており、集光ミラー72により集光されて球面ミラー74により反射された戻レーザ光L2は、そのまま透過させて、同様に、集光ミラー72の開口部72aを介して受光本体部22に入射する。
これにより、集光ミラー72の前面側に減衰器14や受光本体部22を配置しないようにレイアウトすることができ、集光ミラー72による戻レーザ光L2の集光効率が減衰器14や受光本体部22により妨げられてしまうことをなくすことができる。
このように本実施形態においては、上述実施形態による作用効果に加えて、集光ミラー72の前面側に減衰器14や受光本体部22を配置することなく、戻レーザ光L2を効率よく集光することができ、より大きな光強度の戻レーザ光L2により、測定箇所の風速・風向を高精度に測定することができる。
次に、図20〜図22は本発明に係る風速・風向測定システムの第6実施形態を示す図である。
図20において、受光部20の受光本体部22は、上述実施形態のように光強度の減衰によりレーザ光の周波数を測定する方式に代えて、分散プリズム81と、マイクロミラー82と、CCD素子(Charge Coupled Device)83と、を備えることにより、レーザ光の周波数に応じた屈折率の変化を利用して、その周波数を導出する。
分散プリズム81は、減衰器14により光強度を減衰された第2分光出射レーザ光L12や、集光ミラー21により集光された戻レーザ光L2を入射される位置に配置されており、この分散プリズム81は、図21に示すように、入射されるレーザ光を屈折させて出射する屈折率がそのレーザ光の周波数に応じて変化する。
マイクロミラー82は、分散プリズム81から出射された第2分光出射レーザ光L12や戻レーザ光L2を入射される位置に配置されており、このマイクロミラー82は、入射された第2分光出射レーザ光L12や戻レーザ光L2を反射してCCD素子83の受光位置に入射する。また、このマイクロミラー82は、第2分光出射レーザ光L12や戻レーザ光L2の反射する方向を、分散プリズム81による屈折方向に対して直交する方向に振ることができるように駆動機構に支持されており、図22に示すように、レーザ光生成器11からの出射レーザ光L1の出射開始から戻レーザ光L2の受光終了までのタイミングに同期するように、第2分光出射レーザ光L12や戻レーザ光L2をCCD素子83の受光位置の一端側から他端側に向かって走査する。
これにより、CCD素子83では第2分光出射レーザ光L12や戻レーザ光L2の入射位置(高さ)により、そのレーザ光の周波数を測定(導出)することができ、上述実施形態と同様に、既知の周波数ν0の第2分光出射レーザ光L12から分散プリズム81の温度特性などに起因する屈折特性の変化を補正するための補正値を得ることができる。このため、同様に、第1分光出射レーザ光L11が測定箇所で散乱反射されて戻ってきた(周波数ν0がドップラーシフトしている)戻レーザ光L2の周波数νxを高精度に測定することができる。すなわち、分散プリズム81が戻レーザ光を屈折させる屈折部を構成し、また、CCD素子83が屈折部により屈折された戻レーザ光の屈折率を導出する屈折導出部を構成している。
したがって、戻レーザ光L2の周波数νxを、直接測定することなく導出して、その周波数と、出射レーザ光L1の周波数ν0を上記式(4)に代入することにより、測定箇所における相対的な風速vを算出することができ、その相対的な風速vを3箇所測定することにより、その測定箇所における風向dと、その風向dの風速│v│とを高精度に算出することができる。また、その測定箇所の位置は、CCD素子83への戻レーザ光L2の入射位置に応じた離隔距離Dと、その出射レーザ光L1の出射方向から特定することができる。
このように本実施形態においては、上述実施形態と同様に、風力発電設備の候補地S0に、実際に調査用の支柱を設置することなく、その風力発電設備のプロペラなどの風車の位置を測定箇所として、その測定箇所における風速や風向を効率よく、また、高精度に測定することができる。したがって、無駄な投資をすることなく、風力発電設備の設置に最適な候補地S0を容易に選定することができ、低コストな発電を実現することができる。
本実施形態の第1の他の態様としては、図23に示すように、上述実施形態における分散プリズム81に代えて、戻レーザ光を屈折させる屈折部として、回折格子91を配置してもよい。この場合にも、本実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
また、本実施形態の第2の他の態様としては、図示することは省略するが、マイクロミラー82を設けることなく、分散プリズム81が屈折させた第2分光出射レーザ光L12や戻レーザ光L2を直接CCD素子(Charge Coupled Device)83に入射して、その入射位置の高低により、そのレーザ光の周波数を測定(導出)するようにしてもよい。この場合にも、上述実施形態と同様に、測定箇所における風向dと、その風向dの風速│v│とを高精度に算出することができ、また、その測定箇所の位置は、出射レーザ光L1の出射から戻レーザ光L2の受光までに掛かる時間tを上記式(5)に代入して離隔距離Dを算出するとともに、その出射レーザ光L1の出射方向とから特定することができる。
これまで本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されず、その技術的思想の範囲内において種々異なる形態にて実施されてよいことは言うまでもない。
本発明に係る風速・風向測定システムの第1実施形態による測定を説明する概念図であり、(a)は測定箇所に対するレーザ光の出射や受光を示す概念図、(b)および(c)はドップラーシフトを説明する概念図である。 その全体構成を示す図であり、そのレーザ光のやり取りを示す関係ブロック図である。 その要部部品の特性を示すグラフである。 その測定結果における周波数の変化を示すグラフである。 その測定およびその範囲を示す概念図である。 その全体構成を示す図であり、その出射部および受光部でのレーザ光のやり取りを示す関係ブロック図である。 その測定時におけるレーザ光の出射方向の軌跡を示す概念図である。 その出射部の出射方向および受光部の受光方向の調整を説明するグラフである。 その測定箇所の風向の特定を説明する概念図である。 その測定箇所における風速・風向の測定を行う制御部を示す関係ブロック図である。 その測定結果の表示出力例を示すイメージ図である。 その第1実施形態の第1の他の態様を示す図であり、その測定およびその範囲を示す概念図である。 その第1実施形態の第2の他の態様を示す図であり、その測定時におけるレーザ光の出射方向の軌跡を示す概念図である。 その第1実施形態の第3の他の態様を示す図であり、その測定時におけるレーザ光の出射方向の軌跡を示す概念図である。 本発明に係る風速・風向測定システムの第2実施形態の要部構成を示す図であり、そのレーザ光のやり取りを示す関係ブロック図である。 その要部部品の特性を示すグラフである。 本発明に係る風速・風向測定システムの第3実施形態の要部構成を示す図であり、そのレーザ光のやり取りを示す関係ブロック図である。 本発明に係る風速・風向測定システムの第4実施形態の全体構成を示す図であり、その出射部および受光部でのレーザ光のやり取りを示す関係ブロック図である。 本発明に係る風速・風向測定システムの第5実施形態の全体構成を示す図であり、その出射部および受光部でのレーザ光のやり取りを示す関係ブロック図である。 本発明に係る風速・風向測定システムの第6実施形態の要部構成を示す図であり、そのレーザ光のやり取りを示す関係ブロック図である。 その要部部品の特性を説明する概念図である。 その測定結果における周波数の変化を示すグラフである。 その第6実施形態の第1の他の態様を示す図であり、その要部部品の特性を説明する概念図である。
符号の説明
10 出射部
11 レーザ光生成器
12、24、64、73 ハーフミラー
13、25、65 反射ミラー
14 減衰器
15、82 マイクロミラー
20 受光部
21、72 集光ミラー
22 受光本体部
26、56、66 光フィルタ
27、28、69 光強度測定器
30 制御部
31 CPU
35 VRAM
36 HD
40 ディスプレー
41 領域画像
42 住所ポイント
43 ポール
44 矢印
71 プリズム
74 球面ミラー
81 分散プリズム
83 CCD素子
91 回折格子
D 離隔距離
d 風向
L1 出射レーザ光
L2 戻レーザ光
L11、L12、L121、L122、L1221、L1222 分光出射レーザ光
L21、L22、L221、L222 分光戻レーザ光
p 粒子
S0 候補地
S1〜Sx、Sn1〜Snx 測定箇所
T 軌跡
v 風速
θ 仰角
ν0〜νx 周波数

Claims (12)

  1. レーザ光を測定箇所方向に向けて出射する出射手段と、測定箇所方向からの戻レーザ光を受光する受光手段と、出射レーザ光および戻レーザ光の相関から測定箇所における風速を算出する演算手段とを備える風速測定システムであって、
    受光手段は、出射レーザ光からドップラーシフトした戻レーザ光の周波数を当該戻レーザ光の周波数に応じた特性変化を利用して導出する導出手段を有して、
    演算手段は、出射レーザ光および戻レーザ光の周波数の相関に基づいて風速を算出することを特徴とする風速測定システム。
  2. 前記演算手段は、出射レーザ光の出射方向、および、該出射レーザ光の出射から戻レーザ光の受光までの時間に基づいて測定箇所の位置を算出することを特徴とする請求項1に記載の風速測定システム。
  3. 前記導出手段は、戻レーザ光を2つに分光する分光部と、該分光部からの第1分光レーザ光の光強度を測定する第1光強度測定部と、分光部からの第2分光レーザ光を入射するフィルタ部と、該フィルタ部を介する第2分光レーザ光の光強度を測定する第2光強度測定部と、を備えて、
    フィルタ部は、入射されるレーザ光の周波数に応じて、出射するレーザ光の光強度の減衰率が変化する光フィルタを用いることを特徴とする請求項1または2に記載の風速測定システム。
  4. 前記導出手段は、戻レーザ光を2つに分光する分光部と、該分光部からの第1分光レーザ光を入射する第1フィルタ部と、該第1フィルタ部を介する第1分光レーザ光の光強度を測定する第1光強度測定部と、分光部からの第2分光レーザ光を入射する第2フィルタ部と、該第2フィルタ部を介する第2分光レーザ光の光強度を測定する第2光強度測定部と、を備えて、
    第1フィルタ部は、入射されるレーザ光の周波数に応じて、出射するレーザ光の光強度の減衰率が正比例する光フィルタを用いるとともに、第2フィルタ部は、入射されるレーザ光の周波数に応じて、出射するレーザ光の光強度の減衰率が反比例する光フィルタを用いることを特徴とする請求項1または2に記載の風速測定システム。
  5. 前記導出手段は、戻レーザ光を3つに分光する分光部と、該分光部からの第1分光レーザ光の光強度を測定する第1光強度測定部と、分光部からの第2分光レーザ光を入射する第1フィルタ部と、該第1フィルタ部を介する第2分光レーザ光の光強度を測定する第2光強度測定部と、分光部からの第3分光レーザ光を入射する第2フィルタ部と、該第2フィルタ部を介する第3分光レーザ光の光強度を測定する第3光強度測定部と、を備えて、
    第1フィルタ部は、入射されるレーザ光の周波数に応じて、出射するレーザ光の光強度の減衰率が正比例する光フィルタを用いるとともに、第2フィルタ部は、入射されるレーザ光の周波数に応じて、出射するレーザ光の光強度の減衰率が反比例する光フィルタを用いることを特徴とする請求項1または2に記載の風速測定システム。
  6. 前記導出手段は、戻レーザ光を屈折させる屈折部と、該屈折部により屈折された戻レーザ光の屈折率を導出する屈折導出部と、を備えて、
    屈折部は、レーザ光の周波数に応じて、入出射するレーザ光の屈折率が変化することを特徴とする請求項1または2に記載の風速測定システム。
  7. 前記屈折部として、分散プリズムまたは回折格子素子を用いることを特徴とする請求項6に記載の風速測定システム。
  8. 前記演算手段は、導出手段による戻レーザ光の周波数の導出結果を補正する補正値をメモリ手段内に保持して、該補正値により補正した導出結果の戻レーザ光の周波数と出射レーザ光の周波数との相関に基づいて風速を算出することを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の風速測定法システム。
  9. 前記演算手段は、前記測定箇所近傍の少なくとも3箇所以上から得られた風速を保持するメモリ手段を備えて、当該3箇所以上における風速に基づいて風向をも算出することを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の風速測定法システム。
  10. レーザ光を測定箇所方向に向けて出射して、該測定箇所方向からの戻レーザ光を受光することにより、出射レーザ光および戻レーザ光の相関から測定箇所における風速を算出する風速測定方法であって、
    出射レーザ光の出射方向、および、該出射レーザ光の出射から戻レーザ光の受光までの時間に基づいて測定箇所の位置を算出するとともに、
    該出射レーザ光からドップラーシフトした戻レーザ光の周波数を当該戻レーザ光の周波数に応じた特性変化を利用して導出し、出射レーザ光の周波数との相関に基づいて該測定箇所における風速を算出することを特徴とする風速測定方法。
  11. 前記戻レーザ光の周波数を導出する導出手段により出射レーザ光の周波数を導出して、該導出手段による戻レーザ光の周波数の導出結果の補正値を求め、該補正値を用いて測定箇所における風速を算出することを特徴とする請求項10に記載の風速測定方法。
  12. 前記測定箇所近傍の少なくとも3箇所以上から得られた風速を保持して、当該3箇所以上における風速に基づいて風向をも算出することを特徴とする請求項10または11に記載の風速測定方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN102539825A (zh) * 2010-12-07 2012-07-04 东南大学 一种基于风速重采样技术的风速谱获取方法
CN111562081A (zh) * 2020-04-30 2020-08-21 成都英鑫光电科技有限公司 流场测试方法和装置、电子设备及计算机可读存储介质
CN115951328A (zh) * 2023-03-10 2023-04-11 中国人民解放军国防科技大学 基于概率密度约束的测风激光雷达风速估计方法和装置

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