JP2006114697A - 能動素子 - Google Patents

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弘幸 篠島
Shingo Uchiyama
真吾 内山
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Abstract

【課題】電子スピンの状態によるトンネル電流の制御を利用した新たな能動素子を提供する。
【解決手段】層間絶縁層101の上に形成された下部スピン状態可変層102及び絶縁層122と、これらの上に形成されたトンネル絶縁層103と、トンネル絶縁層103の上に形成されたスピン状態固定層104と、この上に形成されたトンネル絶縁層105と、この上に形成された上部スピン状態可変層106及び絶縁層126と、これらの上に形成された層間絶縁層107を備える。任意の投影面に対し、下部スピン状態可変層102をスピン状態固定層104の平面の法線方向に投影した射影である第1領域と、同様に上記投影面に対して上部スピン状態可変層106を投影した射影である第2領域とが一致していない。
【選択図】 図1

Description

本発明は、電子のスピン状態を制御してトンネル電流を流すことでアンド回路を実現する能動素子に関する。
近年、記憶保持動作が必要なダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)に代わり、不揮発かつ低エネルギーで動作する新たな構成のメモリ素子の開発が盛んに行われている。例えば、強誘電体メモリ、磁気ランダムアクセスメモリ、相変化メモリなどがある。いずれにおいても、大規模なメモリが量産される状況となっていないが、材料から素子構造の研究など多くの研究が進行している。この中で、磁気ランダムアクセスメモリや相変化メモリなどは、薄い絶縁層を挾む両側の層における電子スピンの状態(方向)により、絶縁層を流れるトンネル電流の状態を制御することを利用した新たなメモリ素子である(非特許文献1参照)。
なお、出願人は、本明細書に記載した先行技術文献情報で特定される先行技術文献以外には、本発明に関連する先行技術文献を出願時までに発見するには至らなかった。
T.Miyazaki, N.Tezuka, "Giant magnetic tunneling effect in Fe/Al2O3/Fe junction", Reprinted fom J.Magn. Magn. Mater. 139(1995) L231-L234, pp.76-79. 秋山稔,米国半導体電子工学教育委員会編「トランジスタ論理回路」,産業図書、1968年出版
ところで、上述した電子スピンの状態とトンネル電流との関係は、メモリ素子に限らず、他の形態の素子への適用可能性を有している。例えば、一般にAND回路は、4個のトランジスタで構成されるNAND回路に2個のトランジスタで構成されるインバータを付加して構成しているため、最小で6個のトランジスタを必要とし(非特許文献2参照)、論理回路の微細化を困難にしている。このような論理回路の一部に、前述したような不揮発性メモリの特性を利用した新たな素子を導入することで、論理回路をプログラマブルなものにし、より少ない素子数でAND回路を実現するなど、これまでにない機能を、より低エネルギーでより大規模に形成可能とすることが期待されている。
従って、本発明は、電子スピンの状態によるトンネル電流の制御を利用した新たな能動素子の提供を目的とする。
本発明に係る能動素子は、基板の上に形成された第1電子スピン状態のスピン状態固定層と、基板の上に形成され、第1電子スピン状態とこれとは異なる方向の第2電子スピン状態とを各々選択的にとり得る第1スピン状態可変層及び第2スピン状態可変層と、スピン状態固定層と第1スピン状態可変層及び第2スピン状態可変層との間に形成されてトンネル電流が流れるトンネル絶縁層とを少なくとも備え、第1スピン状態可変層,スピン状態固定層,第2スピン状態可変層は、導電性材料から構成され、任意の投影面に対し、第1スピン状態可変層をスピン状態固定層の平面の法線方向に投影した射影である第1領域と、投影面に対して第2スピン状態可変層を法線方向に投影した射影である第2領域とは一致しないようにしたものである。本能動素子では、第1スピン状態可変層と第2スピン状態可変層との両方を第1電子スピン状態とすると、各トンネル絶縁層における電子のトンネル確率が高くなり、第1スピン状態可変層と第2スピン状態可変層との間により多くの電流が流れるようになる。
上記能動素子において、スピン状態固定層は、トンネル絶縁層を介して第1スピン状態可変層の上に配置され、第2スピン状態可変層は、トンネル絶縁層を介してスピン状態固定層の上に配置されていればよい。また、第1領域と第2領域とは、一部が重なっていてもよく、第2領域は、第1領域の内側に位置していてもよい。また、上記能動素子において、第1スピン状態可変層と第2スピン状態可変層とは、互いに所定距離離間し、スピン状態固定層の上に同一のトンネル絶縁層を介して配置されていてもよい。
上記能動素子において、第1スピン状態可変層,第2スピン状態可変層,及びスピン状態固定層は、強磁性を有する金属元素から構成すればよい。また、第1スピン状態可変層,第2スピン状態可変層,及びスピン状態固定層は、金属元素が不純物として添加された半導体から構成してもよい。
以上説明したように、本発明によれば、本発明によれば、第1スピン状態可変層と第2スピン状態可変層との両方を第1電子スピン状態とすることで、第1スピン状態可変層と第2スピン状態可変層との間の電流が制御できるので、電子スピンの状態によるトンネル電流の制御を利用した新たな能動素子の提供できるようになるという優れた効果が得られる。また、例えば、第1スピン状態可変層の電子スピンの状態を制御する手段が、前述した法線方向に投影される第2スピン状態可変層の第2領域以外に配置された状態とすることができる。これは、第1スピン状態可変層の電子スピンの状態を制御する手段による第2スピン状態可変層への影響が、抑制されることを意味する。このことにより、第1スピン状態可変層の電子スピンの状態を制御する手段の配置の自由度が向上し、素子製造プロセスの簡素化が期待でき、素子のさらなる微細化が期待できるようになる。
以下、本発明の実施の形態について図を参照して説明する。図1は、本発明の実施の形態における能動素子の構成例を概略的に示す模式的な断面図である。この能動素子は、例えば、シリコンの酸化物からなる層間絶縁層101の上に形成された下部スピン状態可変層102及び絶縁層122と、これらの上に形成されたトンネル絶縁層103と、トンネル絶縁層103の上に形成されたスピン状態固定層104とを備える。層間絶縁膜101は、図示していない半導体などからなる所定の基板の上に形成され、基板の上には、トランジスタやメモリ素子などの他の素子も形成されている。
また、図1に示す能動素子は、スピン状態固定層104の上に形成されたトンネル絶縁層105と、トンネル絶縁層105の上に形成された上部スピン状態可変層106及び絶縁層126と、これらの上に形成された層間絶縁層107とを備える。下部スピン状態可変層102には、層間絶縁層101の一部まで貫通するプラグ108が接続され、図示していない配線層に接続している。また、上部スピン状態可変層106は、層間絶縁層107を貫通するプラグ109により、層間絶縁層107の上に形成された配線110に接続している。
また、層間絶縁層107の上には、上部スピン状態可変層106の電子スピン状態を制御するためのスピン制御配線111が形成されている。スピン制御配線111は、図1の紙面に垂直な方向に延在する配線である。スピン制御配線111に流す電流の方向を変えることで、上部スピン状態可変層106の電子スピンの向きを変化させることができる。電流を流すことでスピン制御配線111の延在方向を法線とする面内に生じる磁場が、上部スピン状態可変層106に影響するように、スピン制御配線111を上部スピン状態可変層106に近づけて配置すればよい。従って、スピン制御配線111は、層間絶縁層107を貫通するように配置されていてもよい。
図示していないが、下部スピン状態可変層102の層間絶縁層101側にも同様に、下部スピン状態可変層102の電子スピン状態を制御するためのスピン制御配線が形成されている。このスピン制御配線も、図1の紙面に垂直な方向に延在する配線であり、スピン制御配線に流す電流の方向を変えることで、下部スピン状態可変層102の電子スピンの向きを変化させることができる。上記スピン制御配線は、下部スピン状態可変層102の層間絶縁層101側に配置されるものであり、絶縁層122の層間絶縁層101側には配置されない。
下部スピン状態可変層102及び上部スピン状態可変層106は、2つの異なる電子スピン状態を備え、電子スピンの向きを変化させることができる導電性を有する層であり、例えば、強磁性体金属から構成することができる。また、スピン状態固定層104は、電子スピンの状態が固定された導電性を有する層であり、例えば、強磁性体金属から構成することができる。上述した強磁性体金属としては、例えば、鉄、マンガン、コバルト、ニッケル、ストロンチウム、サマリウム、ネオジウム、クロムなどがある。
強磁性体金属から構成された層は、電子スピンの状態(方向)が制御可能であり、強磁性体金属から構成された下部スピン状態可変層102と上部スピン状態可変層106とは、例えば磁場を印加することで、電子スピンの向きが可変(変化)する層である。電子スピンの向きは、スピン注入により可変することも可能である。スピン注入は、強磁性体から半導体,超伝導体などの非磁性体に電子を流入させた際、スピン偏極した電子が偏極度を保ったまま流入する現象である。
一方、スピン状態固定層104は、下部スピン状態可変層102,上部スピン状態可変層106における電子スピンの状態によらず、電子スピンの向きが常に一定とされた層である。例えば、強磁性体金属から構成されたスピン状態固定層104は、下部スピン状態可変層102,上部スピン状態可変層106における電子スピン状態の変化による影響を受けず、かつ、トンネル電流が流れる範囲の厚さに形成されていればよい。
また、トンネル絶縁層103,105は、酸化アルミニウムや酸化シリコンなどから構成され、電子がトンネル効果によって透過できる程度に薄く形成されている。トンネル絶縁層103,105は、窒化シリコン、酸化ハフニウム、酸化プラセオジウムなどから構成してもよい。
図1に示す能動素子において、例えば、下部スピン状態可変層102とスピン状態固定層104との電子スピンの向きが同じ(平行な)場合と異なる(反平行な)場合とで、これらに挾まれたトンネル絶縁層103をトンネル効果により電子が透過する状態(トンネル確率)が異なる。下部スピン状態可変層102とスピン状態固定層104との間の電気抵抗を測定すると、2つの層の電子スピンの向きが同じ場合と異なる場合とで、抵抗値が数%から数十%異なって観測される。
下部スピン状態可変層102の電子スピンの向きとスピン状態固定層104の電子スピンの向きとが平行な状態では、トンネル絶縁層103を電子のトンネル確率が増加し、2つの層の電子スピンが反平行な場合に比較し、より多くの電流が流れるようになる。これらの関係は、スピン状態固定層104とトンネル絶縁層105と上部スピン状態可変層106との間でも同様である。
ここで、下部スピン状態可変層102の電子スピンの向きとスピン状態固定層104の電子スピンの向きとが反対(反平行)の場合に、トンネル絶縁層103を挾んで下部スピン状態可変層102とスピン状態固定層104との間に流れるトンネル電流の電流値を基準とする。この基準に対し、まず、下部スピン状態可変層102,スピン状態固定層104における電子スピンの向きの変化により、下部スピン状態可変層102とスピン状態固定層104との間に流れるトンネル電流の大きさが、予め定められた規定値以下であるとき論理値I1を0とし、予め定められた規定値を超えるとき論理値I1を1とする。
また、スピン状態固定層104、上部スピン状態可変層106における電子スピンの向きの変化により、スピン状態固定層104と上部スピン状態可変層106との間に流れるトンネル電流の大きさが、規定値以下であるとき論理値I2を0とし、規定値を超えるとき論理値I2を1とする。また、下部スピン状態可変層102,スピン状態固定層104、上部スピン状態可変層106における電子スピンの向きの変化により、下部スピン状態可変層102と上部スピン状態可変層106との間に流れるトンネル電流の大きさが、規定値以下であるとき論理値I3を0とし、規定値を超えるとき論理値I3を1とする。論理値I3に対応する電流は、プラグ108とプラグ109(配線110)との間に流れる電流である。
上述した構成の等価回路は、図2に示されるようになる。図2に示すように、下部スピン状態可変層102及びスピン状態固定層104の間と、スピン状態固定層104及び上部スピン状態可変層106の間との両方に電流が流れる状態のときに、下部スピン状態可変層102と上部スピン状態可変層106との間に電流が流れるようになる。
上述したI1,I2,I3で示す各層の間に電流が流れる状態(論理値)は、図3に示すように、各層における電子スピンの方向(状態)に対応している。図3に示すことからも明らかなように、図1に示す能動素子によれば、下部スピン状態可変層102の電子スピン状態と上部スピン状態可変層106の電子スピン状態との制御を2つの入力とし、下部スピン状態可変層102と上部スピン状態可変層106の間に流れるトンネル電流の状態を出力としたアンド回路が構成できる。
言い換えると、図1に示す能動素子によれば、下部スピン状態可変層102の電子スピン状態を制御する手段と、スピン制御配線111を含む上部スピン状態可変層106の電子スピン状態を制御する手段とを用いれば、上部スピン状態可変層106と下部スピン状態可変層102との間を流れる電流を制御するアンド回路が実現できる。
加えて、図1に示す能動素子では、任意の投影面に対し、下部スピン状態可変層102をスピン状態固定層104の平面の法線方向に投影した射影である第1領域と、同様に上記投影面に対して上部スピン状態可変層106を投影した射影である第2領域とが一致していない。なお、上記投影面は、当然ではあるが、スピン状態固定層104の平面に対して垂直な面は除かれる。例えば、第1領域及び第2領域は、スピン状態固定層104の平面に平行な投影面に対して下部スピン状態可変層102及び上部スピン状態可変層106を上記法線方向に投影した射影である。
加えて、図1に示す能動素子では、第1領域と第2領域とは、一部が重なっている。第1領域と第2領域とは、図1に示す能動素子においては、プラグ109の下方領域において一部が重なっている。従って、例えば、スピン制御配線111による磁場が、下部スピン状態可変層102に影響し難い状態となっている。同様に、図示しない下部スピン状態可変層102の電子スピン状態を制御するためのスピン制御配線による磁場は、上部スピン状態可変層106に影響し難い状態となっている。
このため、図1に示す能動素子によれば、上記第1領域と第2領域とが一致している場合に比較して、配線110やスピン制御配線111などの配置の自由度を向上させることができる。このことにより、素子製造プロセスの簡素化が期待でき、加えて、素子のさらなる微細化が期待できる。また、スピン制御配線による対応するスピン状態可変層への影響の度合いを細かく制御する必要がないので、スピン状態の制御がより容易になる。また、スピン注入などにより電子スピンの向きを可変する場合においても、図1に示す能動素子によれば、スピン注入をする位置などの自由度が向上する。
次に、本発明の他の実施の形態について図4を参照して説明する。図4は、本実施の形態における能動素子の構成例を概略的に示す模式的な断面図である。この能動素子は、例えば、シリコンの酸化物からなる層間絶縁層101の上に形成された下部スピン状態可変層102と、この上の一部領域に形成されたトンネル絶縁層403と、トンネル絶縁層403の上に形成されたスピン状態固定層404とを備える。層間絶縁膜101は、図示していない半導体などからなる所定の基板の上に形成され、基板の上には、トランジスタやメモリ素子などの他の素子も形成されている。
また、図4に示す能動素子は、スピン状態固定層404の上に形成されたトンネル絶縁層405と、トンネル絶縁層405の上に形成された上部スピン状態可変層406と、この上に形成された層間絶縁層407とを備える。下部スピン状態可変層102の他の領域の上には、配線408が形成されている。上部スピン状態可変層406は、層間絶縁層407を貫通するプラグ409により、層間絶縁層407の上に形成された配線410に接続している。
また、層間絶縁層407の上には、上部スピン状態可変層406の電子スピン状態を制御するためのスピン制御配線411が形成されている。スピン制御配線411は、図4の紙面に垂直な方向に延在する配線である。スピン制御配線411に流す電流の方向を変えることで、上部スピン状態可変層406の電子スピンの向きを変化させることができる。電流を流すことでスピン制御配線411の延在方向を法線とする面内に生じる磁場が、上部スピン状態可変層406に影響するように、スピン制御配線411を上部スピン状態可変層406に近づけて配置すればよい。従って、スピン制御配線411は、層間絶縁層407を貫通するように配置されていてもよい。
一方、下部スピン状態可変層102の他の領域上には、配線408が接続し、また、下部スピン状態可変層102の電子スピン状態を制御するためのスピン制御配線412が形成されている。スピン制御配線412も、図4の紙面に垂直な方向に延在する配線であり、スピン制御配線412に流す電流の方向を変えることで、下部スピン状態可変層102の電子スピンの向きを変化させることができる。
下部スピン状態可変層102及び上部スピン状態可変層406は、2つの異なる電子スピン状態を備え、電子スピンの向きを変化させることができる導電性を有する層であり、図1に示した能動素子の、下部スピン状態可変層102及び上部スピン状態可変層106と同様である。従って、図4に示す能動素子も、図1に示す能動素子と同様に、スピン制御配線412を含む下部スピン状態可変層102の電子スピン状態を制御する手段と、スピン制御配線411を含む上部スピン状態可変層406の電子スピン状態を制御する手段とを用いれば、上部スピン状態可変層406と下部スピン状態可変層102との間を流れる電流が制御可能である。従って、図4に示す能動素子によっても、例えばアンド回路が実現可能である。
加えて、図4に示す能動素子においても、任意の投影面に対し、下部スピン状態可変層102をスピン状態固定層404の平面の法線方向に投影した射影である第1領域と、同様に上記投影面に対して上部スピン状態可変層406を投影した射影である第2領域とが一致していない。また、図4に示す能動素子では、第2領域が、第1領域の内側に位置する状態で、第1領域と第2領域とは、一部が重なっている。従って、例えば、スピン制御配線412による磁場が、上部スピン状態可変層406に影響し難い状態となっている。
従って、図4に示す能動素子によれば、上記第1領域と第2領域とが一致している場合に比較して、配線408,410やスピン制御配線410,412などの配置の自由度を向上させることができる。また、スピン制御配線による対応するスピン状態可変層への影響の度合いを細かく制御する必要がないので、スピン状態の制御がより容易になる。
次に、本発明の他の実施の形態について図5を参照して説明する。図5は、本実施の形態における能動素子の構成例を概略的に示す模式的な断面図である。図5は、本実施の形態における能動素子の構成例を概略的に示す模式的な断面図である。この能動素子は、例えば、シリコンの酸化物からなる層間絶縁層101の上に形成された下部スピン状態可変層502及び絶縁層522と、これらの上に形成されたトンネル絶縁層103と、トンネル絶縁層103の上に形成されたスピン状態固定層104とを備える。層間絶縁膜101は、図示していない半導体などからなる所定の基板の上に形成され、基板の上には、トランジスタやメモリ素子などの他の素子も形成されている。
また、図5に示す能動素子は、スピン状態固定層104の上に形成されたトンネル絶縁層105と、トンネル絶縁層105の上に形成された上部スピン状態可変層506及び絶縁層526と、これらの上に形成された層間絶縁層107とを備える。下部スピン状態可変層502には、層間絶縁層101の一部まで貫通するプラグ108が接続され、図示していない配線層に接続している。また、上部スピン状態可変層506は、層間絶縁層107を貫通するプラグ109により、層間絶縁層107の上に形成された配線110に接続している。
また、層間絶縁層107の上には、上部スピン状態可変層506の電子スピン状態を制御するためのスピン制御配線111が形成されている。スピン制御配線111は、図5の紙面に垂直な方向に延在する配線である。スピン制御配線111に流す電流の方向を変えることで、上部スピン状態可変層506の電子スピンの向きを変化させることができる。電流を流すことでスピン制御配線111の延在方向を法線とする面内に生じる磁場が、上部スピン状態可変層506に影響するように、スピン制御配線111を上部スピン状態可変層506に近づけて配置すればよい。従って、スピン制御配線111は、層間絶縁層107を貫通するように配置されていてもよい。
図示していないが、下部スピン状態可変層502の層間絶縁層101側にも同様に、下部スピン状態可変層502の電子スピン状態を制御するためのスピン制御配線が形成されている。このスピン制御配線も、図5の紙面に垂直な方向に延在する配線であり、スピン制御配線に流す電流の方向を変えることで、下部スピン状態可変層502の電子スピンの向きを変化させることができる。上記スピン制御配線は、下部スピン状態可変層502の層間絶縁層101側に配置されるものであり、絶縁層522の層間絶縁層101側には配置されない。
以上に説明したことから明らかなように、図5に示す能動素子は、図1に示す能動素子とほぼ同様であり、任意の投影面に対し、下部スピン状態可変層502をスピン状態固定層104の平面の法線方向に投影した射影である第1領域と、同様に上記投影面に対して上部スピン状態可変層506を投影した射影である第2領域とが一致していない。ただし、図5に示す能動素子は、図1に示す能動素子とは異なり、第1領域と第2領域とに、重なる領域がない。
次に、本発明の他の実施の形態について図6を参照して説明する。図6は、本実施の形態における能動素子の構成例を概略的に示す模式的な断面図である。この能動素子は、例えば、シリコンの酸化物からなる層間絶縁層101の上に形成されたスピン状態固定層604と、この上に形成されたトンネル絶縁層603とを備える。層間絶縁膜101は、図示していない半導体などからなる所定の基板の上に形成され、基板の上には、トランジスタやメモリ素子などの他の素子も形成されている。
また、図6に示す能動素子は、スピン状態固定層604の上に形成されたトンネル絶縁層603と、トンネル絶縁層603の上に離間して形成された2つのスピン状態可変層602,606と、スピン状態可変層602,606の上に形成された絶縁層607とを備える。スピン状態可変層602は、層間絶縁層607を貫通するプラグ609により、層間絶縁層607の上に形成された配線610に接続している。同様に、スピン状態可変層606は、層間絶縁層607を貫通するプラグ608により、層間絶縁層607の上に形成された配線612に接続している。
また、スピン状態可変層602の上には、層間絶縁層607を介してスピン制御配線611が形成され、スピン状態可変層606の上には、層間絶縁層607を介してスピン制御配線613が形成されている。各スピン制御配線611,613は、図6の紙面に垂直な方向に延在する配線である。スピン制御配線611に流す電流の方向を変えることで、スピン状態可変層602の電子スピンの向きを変化させることができる。電流を流すことでスピン制御配線611の延在方向を法線とする面内に生じる磁場が、スピン状態可変層602に影響するように、スピン制御配線611をスピン状態可変層602に近づけて配置すればよい。従って、スピン制御配線611は、層間絶縁層607を貫通するように配置されていてもよい。
同様に、スピン制御配線613に流す電流の方向を変えることで、スピン状態可変層606の電子スピンの向きを変化させることができる。電流を流すことでスピン制御配線613の延在方向を法線とする面内に生じる磁場が、スピン状態可変層606に影響するように、スピン制御配線613をスピン状態可変層606に近づけて配置すればよい。従って、スピン制御配線611と同様に、スピン制御配線613も、層間絶縁層607を貫通するように配置されていてもよい。
なお、スピン状態可変層602,606は、図1,4,5に示した各スピン状態可変層と同様であり、2つの異なる電子スピン状態を備え、電子スピンの向きを変化させることができる導電性を有する層である。また、スピン状態可変層602とスピン状態可変層606とは、トンネル絶縁層603の上に置いて分離絶縁層620により分離されている。ただし、図6に示す能動素子では、スピン状態可変層602−トンネル絶縁層603−スピン状態固定層604−スピン状態可変層606の経路で上述した電流が流れる。
このように、図6に示す能動素子では、スピン状態固定層604の上に共通とされたトンネル絶縁層603を介し、2つのスピン状態可変層が同一の面上に配置されている。従って、図6に示す能動素子においても、任意の投影面に対し、スピン状態可変層602をスピン状態固定層604の平面の法線方向に投影した射影である第1領域と、同様に上記投影面に対してスピン状態可変層606を投影した射影である第2領域とが一致していない。また、図6に示す能動素子では、第1領域と第2領域とが重ならない。
このように構成された図6に示す能動素子も、図1に示す能動素子と同様に、スピン制御配線611を含むスピン状態可変層602の電子スピン状態を制御する手段と、スピン制御配線613を含むスピン状態可変層606の電子スピン状態を制御する手段とを用いれば、スピン状態可変層602とスピン状態可変層606との間を流れる電流が制御可能である。従って、図6に示す能動素子によっても、例えばアンド回路が実現可能である。
また、図6に示す能動素子においても、スピン制御配線611による磁場が、スピン状態可変層606に影響し難い状態となっている。同様に、スピン制御配線613による磁場は、スピン状態可変層602に影響し難い状態となっている。従って、図6に示す能動素子においても、スピン状態固定層604の平面の法線方向に投影されるスピン状態可変層606の領域と、上記法線方向に投影されるスピン状態可変層602の領域とが一致している場合に比較して、配線610,612やスピン制御配線611,613などの配置の自由度を向上させることができる。
このことにより、素子製造プロセスの簡素化が期待でき、加えて、素子のさらなる微細化が期待できる。また、スピン制御配線による対応するスピン状態可変層への影響の度合いを細かく制御する必要がないので、スピン状態の制御がより容易になる。また、スピン注入などにより電子スピンの向きを可変する場合においても、図6に示す能動素子によれば、スピン注入をする位置などの自由度が向上する。
なお、図1,図4〜図6に示す各素子は、強磁性を示す元素を不純物として含む半導体材料からスピン状態可変層及びスピン状態固定層が構成されていてもよく、同様の作用効果が得られる。例えば、シリコン,ゲルマニウム,GaAs,GaP,GaInP,InAs,InP,ZnO,GaNなどの半導体材料に、前述した強磁性を示す元素を不純物として導入して用いればよい。
本発明の実施の形態における能動素子の構成例を概略的に示す模式的な断面図である。 下部スピン状態可変層102とスピン状態固定層104との間,スピン状態固定層104と上部スピン状態可変層106との間,下部スピン状態可変層102と上部スピン状態可変層106との間に、トンネル電流が流れる状態の等価的な回路を示す構成図である。 下部スピン状態可変層102,スピン状態固定層104,上部スピン状態可変層106の各層における電子スピンの向きと、論理値I1,I2,I3との関係を示す説明図である。 本発明の実施の形態における能動素子の他の構成例を概略的に示す模式的な断面図である。 本発明の実施の形態における能動素子の他の構成例を概略的に示す模式的な断面図である。 本発明の実施の形態における能動素子の他の構成例を概略的に示す模式的な断面図である。
符号の説明
101…層間絶縁層、102…下部スピン状態可変層、103…トンネル絶縁層、104…スピン状態固定層、105…トンネル絶縁層、106…上部スピン状態可変層、107…層間絶縁層、108,109…プラグ、110…配線、111…スピン制御配線、122,126…絶縁層。

Claims (7)

  1. 基板の上に形成された第1電子スピン状態のスピン状態固定層と、
    前記基板の上に形成され、前記第1電子スピン状態とこれとは異なる方向の第2電子スピン状態とを各々選択的にとり得る第1スピン状態可変層及び第2スピン状態可変層と、
    前記スピン状態固定層と前記第1スピン状態可変層及び前記第2スピン状態可変層との間に形成されてトンネル電流が流れるトンネル絶縁層と
    を少なくとも備え、
    前記第1スピン状態可変層,前記スピン状態固定層,前記第2スピン状態可変層は、導電性材料から構成され、
    任意の投影面に対し、前記第1スピン状態可変層を前記スピン状態固定層の平面の法線方向に投影した射影である第1領域と、前記投影面に対して前記第2スピン状態可変層を前記法線方向に投影した射影である第2領域とは一致しない
    ことを特徴とする能動素子。
  2. 請求項1記載の能動素子において、
    前記スピン状態固定層は、トンネル絶縁層を介して前記第1スピン状態可変層の上に配置され、
    前記第2スピン状態可変層は、トンネル絶縁層を介して前記スピン状態固定層の上に配置されている
    ことを特徴とする能動素子。
  3. 請求項2記載の能動素子において、
    前記第1領域と前記第2領域とは、一部が重なっていることを特徴とする能動素子。
  4. 請求項2記載の能動素子において、
    前記第2領域は、前記第1領域の内側に位置することを特徴とする能動素子。
  5. 請求項1記載の能動素子において、
    前記第1スピン状態可変層と前記第2スピン状態可変層とは、互いに所定距離離間し、前記スピン状態固定層の上に同一の前記トンネル絶縁層を介して配置されていることを特徴とする能動素子。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の能動素子において、
    前記第1スピン状態可変層,前記第2スピン状態可変層,及び前記スピン状態固定層は、強磁性を有する金属元素から構成されたものであることを特徴とする能動素子。
  7. 請求項6記載の能動素子において、
    前記第1スピン状態可変層,前記第2スピン状態可変層,及び前記スピン状態固定層は、前記金属元素が不純物として添加された半導体から構成されたものであることを特徴とする能動素子。
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