JP2006102818A - 性能強化式修理工具 - Google Patents

Abstract

【課題】 設置されたリベットレスナット板を、手操作によって、あるいは電動ツールを使用することによって、取り除く。
【解決手段】 ナット板がワークピースの開口に設置された後にナット板を取り外すための工具である。この工具の１つのバージョンは、動力ツールを使用してナット側からナット板を取り外すためのものである。これに対し、この工具のもう１つのバージョンは、手動でナット側からナット板を取り外すためのものである。この工具の他のバージョンは、動力ツールを使用してボルト側からナット板を取り外すためのものである。これに対し、この工具のもう１つのバージョンは、手動でボルト側からナット板を取り外すためのものである。もう１つの形態は、穴を調整するための、例えばナット板を設置する前に穴を調整するための工具である。
【選択図】 図１

Description

［関連出願（優先権主張）］
この出願は、２００４年１０月７日に出願された米国仮出願第６０／６１６，７２２号の利益を主張し、ここにその全体を参照によって組み入れる。

この発明の１つの形態は一般的に、設置されたナット板を取り外すための工具および方法に関し、またもう１つの形態は一般的に、ワークピースの穴を調整するための、例えばナット板を設置する前に穴を調整するための工具および方法に関する。

燃料タンクや水タンクのような、航空機等の流体タンクに関連して使用される締結具は、締結具用の開口部を通る漏洩を防止する問題を呈する。そのような設置に使用される締結具は、アセンブリの一部であるナット板とナットとを備えることがある。今日使用されているナット板には、多くの異なる設計構成がある。２つの主たる種類は、リベット付きナット板とリベットレスナット板である。

リベット付きナット板では、ナット板の本体をワークピースに取り付けるために、２つのリベットが使用される。漏洩の可能性を消去するために、構造物とナット板との間に密閉剤が使用される。

リベットレスナット板に関して、いくつかの設計は、スリーブがワークピースに接してフレア付けされるようにする。この種のリベットレスナット板の一例は、参照によってその全体がここに組み入れられる米国特許第４，７３２，５１８号に開示されている。この５１８号特許は、スリーブをワークピースの内部に重い干渉力に抗して挿入すること、並びにスリーブが変形してスリーブの端部にフレアを作ることを示している。このスリーブは、その上にセレーション／ローブ構成を有する。このセレーション／ローブ構成は、長く、しかもテーパ付けされていて、セレーション／ローブがワークピースの壁の中へ延びる。テーパ形状、長さおよび特定の結合構造は、その応用に対して選択された設置の方法によって設置を可能にするに必要である。テーパ付けされ延長されたセレーション／ローブ構成を有する５１８号特許の主目的は、負荷をワークピース全体に分布させ且つワークピース内へのスリーブの挿入による拡張を与えることによってワークピースの疲労寿命を強化すること、並びにワークピース開口の周辺に隣接する材料を冷間加工することにある。

他のナット板設計は、スリーブのフレア付けに依存しない。米国特許第５，０９６，３４９号、５，２４５，７４３号、５，４０５，２２８号並びに継続中の米国特許出願第１０／２７２，７２１号（２００２年１０月１７日出願）および１０／９２９，７０１号（２００４年８月３０日出願）は、スリーブのフレア付けに依存しないリベットレスナット板を開示している。これら５件は、参照によってそれらの全体がここに組み入れられる。いくつかのリベットレスナット板は、ナット板を構造体に取り付けるために接着剤に依存するが、上記で引用された５件に開示されている設計は、重く冷間加工された穴と高度の締まり係合とに依存する。この場合、スリーブ要素を拡張してワークピース構造体内に係合させる設置工具として硬化されたピンを利用する。高レベルの拡張故に、発生された摩擦力は、ナット板を保持して、期待された機械的特性を与える。

設置後に、殆どのリベットレスナット板は、フレア付けされたスリーブ部分を削り取ることによって、あるいはナット板を保持しながらリベットを削り取ることによって、取り除かれる。リベットおよびスリーブを穴から削り取ることは、特別な技能を必要とする。この手順は、厄介で時間がかかる上に、汚染性の金属チップを後に残す。加えて、それは穴のサイズをしばしば拡大して、大きめサイズのナット板との交換を必要とする。古いナット板を削り取るために、安全性の考慮が必要とされる。これは、周囲の構造体およびオペレータに対するダメージを防止するためである。

本発明の一実施形態の目的は、設置されたリベットレスナット板を、手操作によって、あるいは電動ツールを使用することによって、取り除くための改良された工具及び方法を提供することにある。

本発明の一実施形態の他の目的は、例えばリベットレスナット板の設置前に、穴を調整するための工具および方法を提供することにある。

簡単に、そして前述した目的の少なくとも１つに従って、本発明の一形態は、ナット板がワークピースの開口に設置された後にナット板を取り外すための工具を提供する。

本発明の第１の実施形態は、動力ツールに関連して使用され、ナット板のナット側からナット板を取り外すように構成された工具を提供する。具体的には、この工具は、動力ツールに係合されるように構成されたノーズピースを備える。ナット板を取り外す間、ナット板はノーズピースに設けられた開口部内に配設されるように、ノーズピースはワークピースに押し付けられる。セレーションを有したマンドレルが、ナット板およびノーズピースを通って動力ツールに挿入される。それから動力ツールは作動され、マンドレル上のセレーションを把持し、そしてマンドレルの頭部がナット板に接触して引き込むまで、マンドレルを引き込んで、ナット板をワークピースの開口から押しのける。

本発明の第２の実施形態は、第１の実施形態と同様であるが、手動用途（即ち、動力ツールによる使用ではなく、手による操作用）に特に構成された工具を提供する。この工具は、設置されたナット板上に位置決めされるベースを備える。ネジ部を有したマンドレルが、ナット板およびベースの双方を通って、ノブ内に保持されているネジ切りされたインサート内に螺入される。それから、ノブは回され、これによりマンドレルを効果的にノブ内に後退させ、マンドレルの頭部がナット板を引き込み、ナット板をワークピースの開口から押しのけるようにする。

本発明の第３の実施形態は、動力ツールに関連して使用され、ナット板のボルト側からナット板を取り外すように構成された工具を提供する。具体的には、この工具は、動力ツールに係合されるように構成されたノーズピースを備える。ナット板を取り外す間、ノーズピースはナット板のスリーブに押し付けられる。ワークピースの他方の面では、セレーションを有したマンドレルが、ワークピースに押し付けられたスリーブを通って挿入される。マンドレルは、スリーブを通って、ナット板を通って、ノーズピースを通って、動力ツールに挿入される。それから動力ツールは作動され、マンドレル上のセレーションを把持し、マンドレルの頭部がスリーブに接触するまで、マンドレルを引き込む。これ以降の動力ツールによるマンドレルの引き込みによって、ノーズピースはナット板のスリーブを押して、ナット板をワークピースの開口から押しのける。

本発明の第４の実施形態は、第３の実施形態と同様であるが、手動用途（即ち、動力ツールによる使用ではなく、手による操作用）に特に構成された工具を提供する。この工具は、設置されたナット板上に位置決めされるベースを備える。ネジ部を有したマンドレルが、ベースによって保持され、そしてナット板を通って、ノーズピースおよびノーズピース支持体を通って、ノブ内のネジ切りされたインサートに螺入される。それから、ノブは回され、これによりマンドレルを効果的にノブ内に後退させ、ノーズピースがナット板のスリーブを押して、ナット板をワークピースの開口から押しのけるようにする。

本発明の他の形態は、穴を調整するための、例えばナット板を設置する前に穴を調整するための工具を提供する。この工具は、セレーションを有すると共に頭部の下面にリムを有したマンドレルと、外装表面にリムを有したノーズピースとを備える。このノーズピースは、外装表面上のリムは穴を囲むように、動力ツールに螺合すると共にワークピースに接触するように構成される。マンドレルは、穴およびノーズピースを通って動力ツール内に延び、マンドレルの頭部の下面上のリムは、ワークピースに接触すると共に穴を囲む。そのようなものとして、ノーズピース上のリムは、ワークピースの一方の面に押し付けられ、そしてマンドレル上のリムは、ワークピースの他方の面に押し付けられる。それから、動力ツールは、マンドレルを把持して引き込むように作動され、リムを互いの方向に引き込み、これにより穴回りの領域内のワークピースに圧縮力を加えて、穴を囲んだワークピースの領域を作り直すと共に疲労強化された状態になるようにする。この作り直しは実際に穴が小さくなるようにする。

この発明の構造および動作の組織および手法は、その更なる目的および利点と共に、添付の図面に関連してなされる以下の説明を参照することによって、最も良く理解される。図面では、同様の参照符号は同様の要素を識別している。

本発明は、異なる形の実施形態に受け入れ可能であるが、その実施形態が図面に示され、ここで詳細に説明される。但し、この説明は、発明の原理の例示と考えられるべきものであって、この発明を、ここに図示され、説明されたものに制限することを意図したものではない、と理解されるべきである。

本発明の一形態は、設置されたリベットレスナット板、例えば参照によってそれらの全体がここに組み入れられている米国特許出願第１０／２７２，７２１号（２００２年１０月１７日出願）および１０／９２９，７０１号（２００４年８月３０日出願）に開示されているリベットレスナット板を、手操作によって、あるいは電動ツールを使用することによって、取り除くための改良された工具及び方法を提供する。

具体的に、図１は、動力ツールを使用してナット板のナット側からナット板を取り除くための工具１００を示し、図４は、ナット板のナット側からナット板を取り除くための手動工具２００を示している。同様に、図７は、動力ツールを使用してナット板のボルト側からナット板を取り除くための工具３００を示し、図１０は、ナット板のボルト側からナット板を取り除くための手動工具４００を示している。にもかかわらず、各工具は、特別な技能を要することなく、ナット板を楽々と取り外されるようにする。

論じられたように、図１および７は、設置されたナット板を取り外すために、動力ツールに関連して使用されるように構成された工具を示している。具体的に、各工具は、参照によってここにその全体が組み入れられる米国特許第５，４２５，１６４号に開示されているような動力ツールに関連して使用されるように構成されることが好ましい。そのような動力ツールは、テクストロン社から手動液圧式リベッターのモデルＧ７５０Ａとして入手可能であって、それは把持および引き込み用のジョーを備えている。この代わりに、テクストロン社の軽量チェリーマックス（登録商標）動力ツールのモデルＧ７０４Ｂや、他の適切な動力ツールを使用することもできる。

図１に示されているように、工具１００は、ノーズピース１０２を備える。図２及び３に示されているように、ノーズピース１０２は、その端部１０６に概ね円筒形の部分１０４を有し、その円筒部分１０４には穴１０８が設けられている。ノーズピース１０２の円筒部分１０４の外面１１０は、ネジ部１１２を有する。このネジ部１１２は、動力ツール１１８の端部１１６に設けられた対応するネジ部１１４と螺合するように構成されている。ノーズピース１０２は、円筒部分１０４から概ね延びた主部分１２０を有する。この主部分１２０は、開口部１２４を設けるために、離れて配置された２つの延長壁またはアーム１２２を有する。アーム１２２の各々は、以下で説明されるように、ワークピース１２８の開口１３２からナット板１３０を取り外す間ワークピース１２８に押し付けられる端面１２６を有する。拡大された頭部１３８と、シャフト部分１４２上のセレーション１４０とを有するマンドレル１３６もまた設けられる。

ナット板１３０を取り外す間、ノーズピース１０２は、ワークピース１２８に押し付けられて（即ち、ノーズピース１０２のアーム１２２の端面１２６がワークピース１２８に押し付けられて）、ナット板１３０は、アーム１２２間の開口部１２４内に配設される。マンドレル１３６のセレーション１４０に近い端部１４４は、ワークピース１２８の他方の面から、ナット板１３０を通って、ノーズピース１０２の端部１０６に設けられた穴１０８を通って、動力ツール１１８内に挿入され、マンドレル１３６の頭部１３８は、ナット板１３０に接触して保持される。それから動力ツール１１８は作動されて、マンドレル１３６上のセレーション１４０を把持し（即ち、動力ツール１１８内のジョーがセレーション１４０を把持し）、図２に示されているように、マンドレル１３６の頭部１３８がナット板１３０に接触して引き込むまで、マンドレル１３６を引き込み、図３に示されているように、ナット板１３０をワークピース１２８の開口１３２から押しのける。続いて、動力ツール１１８、ノーズピース１０２、マンドレル１３６およびナット板１３０は、一斉にワークピース１２８から引き下げられ、そしてマンドレル１３６は、動力ツール１１８によって放出される。

図４に描かれた工具２００は、図１〜３に示された工具１００と全く同様に作用するように構成されているが、動力ツールではなく、手によって操作されるように構成されている。工具２００は、ベース２０２を備える。このベースは、主部分２０４から概ね延びた２つの隔離されたアーム２０３を有する。図５および６に示されているように、透孔２０６が主部分２０４を通って延びて、アーム２０３間のスペース２０８と連通っている。

工具２００はまた、ノブ２１０を備える。このノブは、穴２１４内に配設されているネジ切りされたインサート２１２を有する。このノブはまた、ノブの把持及び回転を容易にする複数の指把持部２１６を有する。拡大された頭部２２０と、シャフト部分２２４上のネジ部２２２とを有するマンドレル２１８もまた設けられる。

ナット板１３０を取り外す間、ベース２０２は、ワークピース１２８に押し付けられて（即ち、ベース２０２のアーム２０３の端面２２６がワークピース１２８に押し付けられて）、ナット板１３０は、アーム２０３間の開口部２０８内に配設される。マンドレル２１８のネジ部２２２に近い端部２２８は、ワークピース１２８の他方の面から、ナット板１３０を通って、ベース２０２に設けられた穴２０６を通って挿入され、マンドレル２１８の頭部２２０は、ナット板１３０に接触して保持され、ノブ２１０内のネジ切りされたインサート２１２に螺入される。それからノブ２１０が回される。ノブ２１０が回されると、図５に示されているように、マンドレル２１８は効果的にノブ２１０内に後退して、マンドレル２１８の頭部２２０がナット板１３０を引き込み、図６に示されているように、ナット板１３０をワークピース１２８の開口１３２から押しのける。続いて、ノブ２１０、ベース２０２、マンドレル２１８およびナット板１３０は、一斉にワークピース１２８から引き下げられる。

図７に示された工具３００は、ノーズピース３０２を備える。図８及び９に示されているように、ノーズピース３０２は、透孔３０４を備え、また概ね円筒形の部分３０６を有する。ノーズピース３０２の円筒部分３０６の外面３１０は、ネジ部３１２を有する。このネジ部は、動力ツール１１８の端部１１６に設けられた対応するネジ部１１４と螺合するように構成されている。ノーズピース３０２はまた、外側に延びた円筒部分３１４を備える。この円筒部分は、設置されたナット板１３０に係合して押すように構成された端面３１６を有する。

工具３００はまた、概ね円筒形のベース部品３１８を備える。このベース部品は、ベース部分３２０と、円筒形側壁３２２とを有する。この側壁は、ベース部分３２０から延びて、ベース部品３１８をカップ状にする開口部３２４を与える。ベース部分３２０には、概ねその中心に穴３２６が設けられている。円筒形側壁３２２は、表面３２８を有する。この表面は、以下で説明されるように、ワークピース１２８の開口１３２からナット板１３０を取り外す間、ワークピース１２８に押し付けられる。拡大された頭部１３８と、シャフト部分１４２上のセレーション１４０とを有するマンドレル１３６もまた設けられる。

ナット板１３０を取り外す間、工具３００のベース部品３１８は、ワークピース１２８に押し付けられて、ナット板１３０は、開口部３２４内に配設される。マンドレル１３６のセレーション１４０に近い端部１４４は、ベース３２０の穴３２６を通って、ナット板１３０を通って、ノーズピース３０２を通って、ワークピース１２８の他方の面上の動力ツール１１８内に挿入され、マンドレル１３６の頭部１３８は、ベース部品３１８に接触する。それから動力ツール１１８は作動されて、マンドレル１３６上のセレーション１４０を把持し（即ち、動力ツール１１８内のジョーがセレーション１４０を把持し）、マンドレル１３６を押し、図８に示されているように、ノーズピース３０２の端面３１６がナット板１３０を押して、図９に示されているように、ナット板１３０をワークピース１２８の開口１３２から押しのける。続いて、マンドレル１３６は、動力ツール１１８から放出され、動力ツール１１８は、ワークピース１２８から引き下げられる。この時点で、マンドレル１３６、ベース３１８およびナット板１３０もまた、動力ツール１１８によって、ワークピース１２８の他方の面から引き下げられる。

図１０に描かれた工具４００は、図７〜９に示された工具３００と全く同様に作用するように構成されているが、動力ツールではなく、手によって操作されるように構成されている。工具４００は、ベース部品４０２を備える。このベース部品は、概ね円筒形であって、ベース４０２の一方の面４０６上には、概ねその中心に、開口部４０４を有する。拡大された頭部２２０と、この頭部２２０から延びたシャフト部分２２４とを有するマンドレル２１８は、ベース４０２によって保持されている。具体的には、マンドレル２１８の頭部２２０は、ベース４０２の一方の面４０８に接触し、またマンドレル２１８のシャフト２２４は、ベース４０２の開口部４０５を通って延びている。マンドレル２１８のシャフト２２４には、ネジ部２２２が設けられている。

工具４００はまた、ノーズピース部品４１０と、このノーズピース部品４１０を保持および支持するように構成されたノーズピース支持体４１２とを備える。ノーズピース支持体４１２は、概ね円筒形であって、ノーズピース４１０上の対応する外ネジ部４１８と螺合するためにネジ切りされた開口部４１４を有する。ノーズピース４１０は、透孔４２０と、外側に延びた円筒部分４２２とを備える。この円筒部分は、設置されたナット板１３０に係合して押すように構成された端面４２４を有する。工具４００はまた、ノブ４２６を備える。このノブは、穴４３０内に配設されているネジ切りされたインサート４２８を有する。ノブ４２６はまた、ノブの把持及び回転を容易にする複数の指把持部４３２を有する。

ナット板１３０を取り外す間、マンドレル２１８は、ナット板１３０、ノーズピース４１０およびノーズピース支持体４１２を通って延ばされ、そしてノブ４２６は回される。この結果、マンドレル２１８のネジ部２２２は、ノブ４２６のネジ切りされたインサート４２８に螺入する。ノブ４２６が回されると、マンドレル２１８は効果的にノブ４２６内に後退し、ベース４０２がワークピース１２８に向かって引き込まれる。これにより、図１１に示されているように、ノーズピース４１０の端面４２４がナット板１３０を押して、図１２に示されているように、ナット板１３０をワークピース１２８の開口１３２から押しのける。続いて、ノブ４２６は逆方向に回されて、マンドレル２１８との螺合を解く。この時点で、ノブ４２６はワークピース１２８の一方の面から引き下げ可能となる。そして、ベース４０２，マンドレル２１８およびナット板１３０は、ワークピース１２８の他方の面から引き下げ可能となる。

設置されたナット板の取り外しを果たすように選択された工具１００，２００，３００，４００のバージョン（即ち、図１，４，７または１０に示されているもの）は、典型的には、動作を果たすのにどれだけのスペースがあるか、並びに時間が最も重要であるか否かに依存する。使用される工具のバージョンに関係なく、この工具は、特別な技能を訓練する必要なしに、設置されたナット板の楽な取り外しを可能にする。

典型的にリベットレスナット板が取り外されるときに、穴の円周エッジは小さな皿穴によって変形され、そして穴自体は僅かに拡大される。本発明のもう１つの形態は、穴を調整するための、例えばもう１つのナット板を再設置する前に穴を調整するための工具を提供する。具体的に、この工具は、小さな皿穴を消去し、穴の円周エッジを効果的に修理し、穴の内壁を調整し、そしてワークピースの穴を囲む領域に圧縮性残留ストレスを導入しながら穴のサイズを減少させる。

図１３に示されているように、工具５００は、マンドレル５０２を備える。このマンドレルは、頭部５０４と、この頭部５０４から延びたシャフト部分５０６とを備える。マンドレル５０２のシャフト部分５０６上にはセレーション５０８が設けられ、これが、図１及び７に示された工具との関連で説明されたように、（テクストロン社の軽量チェリーマックス（登録商標）動力ツールのモデルＧ７０４Ｂのような）動力ツール１１８によって把持され引かれることが好ましい（動力ツール１１８との係合は図１４の矢印５２１によって表されている）。図１３および１６に示されているように、プラグ部分５１０が、マンドレル５０２の頭部５０４の下に設けられている。加えて、円周リムおよびリング部分５１２が頭部５０４の下面５１６上に設けられている。リムおよびリング部分５１２は、以下で説明されるように、穴の調整中に圧縮性負荷を加えるように構成されている。

図１３〜１５，１７および１８に示されているように、工具５００はまた、ノーズピース５２０を備える。このノーズピース５２０は、動力ツール１１８と係合するように構成されている（動力ツール１１８との係合は図１４の矢印５２１によって表されている）。具体的に、ノーズピース５２０は概ね円筒形で、長い透孔５２２を有し、また動力ツール１１８内の対応するネジ部と螺合するためのネジ部５２４を外面５２６上に備えている。ノーズピース５２０は、６角ツールとの係合用に６角形状の外面５２８を有し、また（好ましくは半径０．０３０インチの）円周リム５３０を外装表面５３２上に有することが好ましい。リム５３０は、以下で説明されるように、穴の調整中に圧縮性負荷を加えるように構成されている。

図１３に示されているように、使用時に、マンドレル５０２は、穴５５０およびノーズピース５２０を通って延ばされて、動力ツール１１８に挿入される。この結果、マンドレル５０２の頭部５０４の下面５１６上のリム５１２は、ワークピース１２８に接触して、穴５５０を囲む。加えて、ノーズピース５２０は、ワークピース１２８の反対の面に押し付けられる。そのようにして、ノーズピース５２０上のリム５３０は、ワークピース１２８の一方の面に押し付けられ、またマンドレル５０２上のリム５１８は、ワークピース１２８の他方の面に押し付けられる。それから、動力ツール１１８は作動され、（図１４の矢印５１４によって表されているように）マンドレル５０２を把持して引き込む。最初に負荷を加えた後に、マンドレル５０２のプラグ部分５１０は、図１４に示されているように、穴５５０を通って部分的に引き下げられる。プラグ５１０は、穴５５０の内壁５５２上と係合して、内壁５５２の滑らかな仕上りを確実にする。さらに負荷を加えると、マンドレル５０２のリムおよびリング部分５１２は、穴５５０を囲むワークピース１２８の構造体中に埋没する。穴を囲む構造体は、マンドレル５０２のリムおよびリング５１２の形状に成型される。加えられる負荷の値が増加すると、リムおよびリング５１２は、皿穴を半径方向に埋めて、滑らかな丸いエッジを穴５５０の回りに形成する。一方、構造体のベースは、ノーズピース５２０のリム５３０によって圧縮される。ノーズピース５２０は、ノーズピースのリム５３０を囲む材料を外側に向かって全方向に動かして、材料中に残留ストレスを発生させる。また、穴５５０のエッジの構造体は穴５５０内に膨らんで、穴５５０の名目サイズを減少させる。好ましくはおよそ９０００ポンドである所定の負荷に到達した後に、動力ツール１１８は外される。それから、マンドレル５０２は、動力ツール１１８から取りはずされる。

この工具５００は、調整される穴を囲む構造体に圧縮性残留ストレスを導入する。この穴の内部の構造体は、マンドレル５０２のプラグ部分５１０によって圧縮される。この穴の上エッジは、ノーズピース５２０のリム５３０によって圧縮される。これら圧縮力の全ては、構造体中の穴に起因して自然に構造体に現れる伸長性ストレス集中の幾分かを消去することを助ける。総合的な結果は、穴部分のストレスを低下させ、強化された構造体を生じる。

本発明の実施形態がここに図示され、説明されたが、開示の精神及び範囲を逸脱すること無しに、当業者が本発明の種々の変形例を工夫することは想像される。

本発明の第１の実施形態に係る工具を示す図である。 図１の工具の用途を示す断面連続図である。 図１の工具の用途を示す断面連続図である。 本発明の第２の実施形態に係る工具を示す図である。 図４の工具の用途を示す断面連続図である。 図４の工具の用途を示す断面連続図である。 本発明の第３の実施形態に係る工具を示す図である。 図７の工具の用途を示す断面連続図である。 図７の工具の用途を示す断面連続図である。 本発明の第４の実施形態に係る工具を示す図である。 図１０の工具の用途を示す断面連続図である。 図１０の工具の用途を示す断面連続図である。 本発明の他の実施形態に係る穴調節工具を示す断面図である。 図１３の工具の用途を示す断面連続図である。 図１３の工具の用途を示す断面連続図である。 図１３〜１５に示された工具のマンドレル部品の頭部下面の形状を示す、図１５の円Ａ内に示された部分の詳細図である。 図１３〜１５に示された工具のノーズピース部品の斜視図である。 図１７の線１８−１８に沿ったノーズピース部品の拡大断面図である。

符号の説明

１００，２００，３００，４００，５００：工具
１０２，３０２，５２０：ノーズピース
１１８：動力ツール
１２４：開口部
１２８：ワークピース
１３２：開口
１３０：ナット板
１３６，２１８，５０２：マンドレル
１３８，２２０：頭部
２０２，３１８，４０２：ベース
２０３：アーム
２１０，４２６：ノブ

Claims (14)

1. ワークピースの開口からナット板を取り外すための工具であって、前記ワークピースに押し付けられるように構成されたノーズピースまたはベースのいずれかと、頭部を有すると共に前記ナット板および前記ノーズピースまたはベースを通って挿入されるように構成されたマンドレルと、を備え、前記ナット板は前記ノーズピースまたはベースに設けられた開口部内に配設されるものであり、前記マンドレルは、移動するように構成されて、前記マンドレルの頭部を前記ナット板に接触させて引きながら、前記ナット板を前記ワークピースの開口から押しのけるものであることを特徴とする工具。
2. 前記ノーズピースまたはベースのいずれかは、動力ツールに係合されるように構成されたノーズピースを備え、前記マンドレルは、前記ノーズピースを通って前記動力ツールに挿入されるように構成され、前記動力ツールは、その後に前記マンドレルを把持して引き込むように作動可能であり、前記マンドレルは、前記ナット板を引き込んで、前記ナット板を前記ワークピースの開口から押しのけるものであることを特徴とする請求項１に記載の工具。
3. 前記ノーズピースは、円筒部分と、この円筒部分内に配設された穴とを備え、前記マンドレルは、前記穴内に挿入可能であり、前記ノーズピースはさらに、前記工具の動作中に前記ワークピースに接触するように構成された延長壁を備えることを特徴とする請求項２に記載の工具。
4. 前記ノーズピースまたはベースのいずれかは、ベースを備え、前記工具はさらに、前記マンドレルに螺合して前記ベースに接触するように構成されたノブを備え、前記ノブは、前記ノブの回転によって前記マンドレルの頭部が前記ナット板を引き込んで、前記ナット板を前記ワークピースの開口から押しのけるように構成されていることを特徴とする請求項１に記載の工具。
5. 前記ベースは、前記工具の動作中に前記ワークピースに接触するように構成された複数の隔離部分を備えることを特徴とする請求項４に記載の工具。
6. ワークピースの開口からナット板を取り外すための工具であって、前記ワークピースに押し付けられるように構成されたベースと、ノーズピースと、頭部を有すると共に前記ベースおよび前記ナット板を通って前記ノーズピースに挿入されるように構成されたマンドレルと、を備え、前記ナット板は前記ベースに設けられた開口部内に配設されるものであり、前記マンドレルは、前記ベースに接触するように構成され、また前記ノーズピースは、前記ナット板に接触して押すように構成されて、前記ナット板を前記ワークピースの開口から押しのけるものであることを特徴とする工具。
7. 前記ノーズピースは、動力ツールに係合されるように構成され、前記マンドレルは、前記ノーズピースを通って前記動力ツールに挿入されるように構成され、前記動力ツールは、その後に前記マンドレルを把持して引き込むように作動可能であり、前記マンドレルの頭部は、前記ベースに接触し、前記ノーズピースは、前記ナット板を押して、前記ナット板を前記ワークピースの開口から押しのけるものであることを特徴とする請求項６に記載の工具。
8. 前記ノーズピースは、ノーズピース支持体上に設けられ、前記工具はさらに、前記マンドレルに螺合して前記ノーズピース支持体に接触するように構成されたノブを備え、前記ノブは、前記ノブの回転によって前記ノーズピースが前記ナット板に接触して押し込み、前記ナット板を前記ワークピースの開口から押しのけるように構成されている特徴とする請求項６に記載の工具。
9. 前記ベースは、前記工具の動作中に前記ワークピースに接触するように構成された円筒壁を備えることを特徴とする請求項６に記載の工具。
10. ナット板を設置する前に穴を調整するような、穴を調整するための工具であって、頭部およびセレーションを有すると共にその頭部の下面にリムを有するマンドレルと、動力ツールに係合すると共にワークピースに接触するように構成されたノーズピースとを備え、前記マンドレルは、前記穴および前記ノーズピースを通って前記動力ツール内に延びるように構成され、前記マンドレルの頭部の下面は、前記ワークピースに接触すると共に前記穴を囲み、前記マンドレル上のリムは、前記ワークピースに接して押すように構成され、前記動力ツールは、前記マンドレルを把持して引き込むように作動可能であって、前記リムを前記ワークピース内に押し込み、これにより前記穴回りの領域内の前記ワークピースに圧縮力を加えて、前記穴を囲んだ前記ワークピースの領域を作り直すと共に疲労強化された状態になるようにすることを特徴とする工具。
11. 前記ノーズピースは、またその外装表面にリムを有し、使用時に、前記外装表面上のリムは前記穴を囲み、前記ノーズピース上のリムは、前記ワークピースの一面に接して押すように構成され、前記マンドレルの頭部のリムは、前記ワークピースの他面に接して押すように構成され、前記動力ツールが前記マンドレルを把持して引き込むときに、前記リムは互いの方向に引き込まれることを特徴とする請求項１０に記載の工具。
12. 前記工具は、前記穴が小さくなるように、前記穴を作り直すように構成されていることを特徴とする請求項１１に記載の工具。
13. 前記ノーズピースは、透孔を有した概ね円筒形であることを特徴とする請求項１０に記載の工具。
14. 前記ノーズピースの外面の少なくとも一部は、６角形状に形成されていることを特徴とする請求項１３に記載の工具。

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