JP2006091971A - ネットワークデータ表示方法・装置・プログラム - Google Patents

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Abstract

【課題】
従来技術では、膨大な数のノードおよびエッジから構成される大規模ネットワーク型データの視覚化において、ノード間の相互結合が多くデータ構造が複雑となり、表示する場合に全体及び詳細の把握が困難となるという問題がある。
【解決手段】
本願発明では事前に計算された重要度(静的重要度)の順序に従ってノード群を所定の方法により複数のグループに分割し、ノードの重要度に対応した階層構造を構築し、重要度の最も高い層に属するノード群から順に視覚化を行い、さらに、各ノードを辿って表示を行なう場合、所定のノードを始点として、選択されたノードの重要度、選択されたノード間のエッジの信頼関係などの条件の違いに応じて各ノードの重要度を動的に更新し、視覚化させる方法・装置について開示する。
【選択図】図9

Description

本願発明は、重要度によりスコアリングされたノード群と、ラベル付けされたエッジ群から構成される関連性ネットワーク型データを視覚化する方法及び装置に関する。
われわれの日常の消費活動においては、消費者、広告媒体、商店、製造者、専門家(評論家)など様々な「要素」が関係している。これらの「要素」は要素同士間で様々な関係を有しており、これらの要素間の関係を示す様々な情報を消費者は入手できる。しかし、消費者の立場からすると、様々の情報が氾濫するこのような環境の中で、どの製造者、商店、専門家などが信頼できるのか判断がつきかねる場合がある。
そこで、消費活動に関係する様々な要素間の関係を定義し、これらの要素の信頼値を求め、消費者にとって信頼性の高い消費活動が出来る情報の提供が求められている。
日常生活における消費活動においては、ウェブサイト、消費者、広告媒体、商店、製造者、専門家(評論家)などが関与している。それらの要素間にはある種の信頼関係があると考えられる。図1は上記の信頼関係の基本的な概念を説明するネットワーク図である。ここで消費活動において要素となる、インターネットサイト、評論家、商品、販売店、商品の製造業者などがノードとして選択される。さらにこれらの要素間がエッジで結ばれ、要素間の信頼関係およびその信頼値が定義できる。
このように、消費活動の要素、及び要素間の信頼関係とをアンケート、ウェブページ、雑誌、電子掲示板などさまざまな情報源から抽出し、要素をノードとし、信頼関係をエッジとする図3に示すようなネットワーク図で表現することが出来る。図3において、丸は各ノードを表し、その中の数字はノードの番号を、丸の外側に示されている数字はその静的重要度を示している。また、ノード2、ノード8間のエッジ、及び、ノード9、ノード5間のエッジに示されている数字[0.02]は、それぞれの属性値が0.02であることを示している。
しかし、これらのネットワークが複雑な場合には、これらの状況を的確に把握することは容易ではない。例えば、従来技術(特開平4-322370)では、注目するノードと、他のノード間に存在するリンク数に基づく距離(接続数)を定義し、注目ノードからの距離が遠い(接続数が多い)ノードを小さく表示する方法が提案されているが、リンク属性が考慮されておらず、また、注目ノードを同時に1つしか指定できないという欠点がある。
また、別の従来技術(特開2004-227281)では、重要ノードと、それに連結するノード群を1つの代表ノードで置換する処理を繰り返し実行することにより、関連性ネットワーク構造全体の主たる接続情報を失うことなく、簡潔なデータ表示を得る方法が提案されているが、重要ノードに直接連結するノード群のみが置換の対象となるため、非常に局所的な処理に限定されるという欠点がある。
さらに、相互関連性のあるデータの視覚化(表示)方法として、自己組織化マップ(Tuevo Kohonen, "Self-Organizing Maps", Springer 1995)が提案されている。これは、多変量からなるデータの統計的性質を学習し、類似したデータが近接するように配列する手法であるが、入力データをベクトル表現する必要があるため、配列(表示)結果が入力ベクトルの構成方法に大きく依存してしまうという問題がある。
そこで、本願明細書では複雑なネットワークに対して、容易に全体の状況を把握し、かつ、所望のノードに関する情報が的確に把握できる方法、及び、装置について開示する。
特開平4-322370 網構造表示装置 特開2004-227281 関連性ネットワーク型データの表示方法及び装置 特願2003-368802 商品購入における信頼値の算出方法及び装置 自己組織化マップ(Tuevo Kohonen, "Self-Organizing Maps", Springer 1995)
膨大な数のノードおよびエッジから構成される大規模ネットワーク型データの視覚化においては、ノード間の相互結合が多くデータ構造が複雑となり、そのまま表示した場合には全体及び詳細の把握が困難となるという問題がある。
従って、本願発明では事前に計算された重要度(静的重要度)の順序に従ってノード群を所定の方法により複数のグループに分割し、ノードの重要度に対応した階層構造を構築し、重要度の最も高い層に属するノード群から順に視覚化を行う。ここで、各ノードの重要度に算出については、特願2003-368802「商品購入における信頼値の算出方法及び装置」に述べてある。
さらに、あるノードから別のノード(階層)へと表示を変更する場合、移行経路が複数あり、かつ、経路によって移行後のノードの重要度が影響を受ける場合には、移行後のノードの重要度には複数の値が存在すると考えられる。どの経路を経由したかに応じて、それらのノード間の関連性の度合い(強さ)が異なる場合には、ノード間に存在する関連性の度合いの違いを適切に反映することができないという問題が生じている。
そこで、本願発明では、各ノードを辿って表示を行なう過程において、所定のノードを始点として、選択されたノードの重要度、選択されたノード間のエッジの信頼関係などの条件の違いに応じてノードの重要度を動的に更新し、以降の視覚化に反映させる方法、装置を開示する。
本願発明によれば、以下の(a)から(d)の手段によって、静的重要度によりスコアリングされたノード群と、前記ノード間を接続するエッジを含むエッジ群から構成される関連性ネットワーク型データを表示することが出来る。
(a)静的重要度に従って、ノード群を分割し階層化する手段、
(b)第一の階層に含まれる全てのノードを表示する手段、
(c)第一の階層に含まれる第一のノードの指定、第一のノードからの第一の距離の指定、及び、第二の階層の指定を受け入れる受け入れ手段、
(d)第二の階層に含まれ第一のノードから第一の距離以内にある第二のノードを表示し、さらに、第一のノード及び第二のノード間を結ぶ線分、または、第二のノードの静的重要度の中から、少なくとも一つを表示する手段。
さらに、以下の(e)及び(f)の手段を有し、さらに他の階層に移行した時にも分かりやすく表示することが出来る。
(e)第二の階層に含まれる第二のノードの指定、及び、第二のノードからの第二の距離の指定を受け入れる受け入れ手段、
(f)第二のノードから第二の距離以内にある第三のノードを表示し、第二のノード及び第三のノード間を結ぶ線分、または、第三のノードの静的重要度の中から、少なくとも一つを表示する手段。
また、ノード間の距離にしたがって、ノード間を結ぶ線分の色または型を変更
することによって、ユーザにとって分かりやすく表示することが出来る。
さらに、第二のノードの動的重要度を、ノード間の属性により定められる属性値、第一のノードの静的重要度、第二のノードの静的重要度、及び、第一の距離の中から少なくとも一つの値を含む情報に基づいて算出し表示することが出来る。
膨大な数のノードおよびエッジから構成される大規模ネットワーク型データの視覚化においては、信頼度(重要度)に基づき指定したノードに直接連結しているノードだけでなく、所定のルールに従った関連ノード群のうち重要度の高いノードを選択的に表示することが可能となる。
また、ノード重要度の順序に従った階層構造を基準とし、ノードの選択方法およびノード間のエッジ属性の違いなどに応じて各ノードの重要度を動的に更新することにより、利用者の意図を反映させた視覚化ができる。
以下に最良の形態を説明する。
実施例1では、重要度によりスコアリングされたノード群と、それらのノード間を結ぶエッジの重要度でラベル付けされたエッジ群から構成される関連性ネットワーク型データの重要度を動的に算出し、表示する方法・装置について説明する。
図2は、本願発明を実施する装置を示している。筐体200の中には、記憶部210、メインメモリ220、出力部230、中央制御部(CPU)240、操作部250、入力部260が含まれている。使用者が操作部250から必要な情報を入力する。中央制御部240は記憶部210に記憶されている情報、または入力部260から入力された情報に基づいて、所定の演算を行い、出力部230に処理結果を表示する。
以下の順で、本願発明について説明する。
(1)重要度に基づくノード群の分割
(2)関連性ネットワーク型データ表現および格納方法
(3)動的重要度の算出
(4)重要度の動的な更新
(5)ノード情報の表示
(6)アクセス履歴の管理
以下、これらの詳細について説明する。
(1)重要度に基づくノード群の分割
先ず、事前に計算された重要度(静的重要度)に基づきノード群を複数のグループに分割する。ここで、各ノードの重要度に算出については、特願2003-368802「商品購入における信頼値の算出方法及び及び装置」に述べてある。ノード群の分割方法は以下の2つが代表的な方法であるが、これらに限定されるものではない。
(a)各グループに属するノード数を一定とする方法、
(b)各グループに属するノード重要度の範囲を設定する方法。
以下、具体例で説明する。ここで、図3に示すように、ノード1からノード12までのノードの重要度が、以下のように与えられているとする。
ノードの重要度
ノード1:10.0、ノード2:9.0、ノード3:7.0、ノード4:6.0、ノード5:6.0、ノード6:3.0、ノード7:3.0、ノード8:2.5、ノード9:1.5、ノード10:1.0、ノード11:0.8、ノード12:0.7
(a)各グループに属するノード数を一定として分類する方法について説明する。
この場合4つのグループに分類すると、ノードの数が12個であるので、各グループには以下のように3個のノードが含まれる。
重要度スコア1のグループ:ノード1、ノード2、ノード3
重要度スコア2のグループ:ノード4、ノード5、ノード6
重要度スコア3のグループ:ノード7、ノード8、ノード9
重要度スコア4のグループ:ノード10、ノード11、ノード12
(b)各グループのノード重要度の範囲を設定して分類する方法について説明する。
例として、以下のようにノード重要度の範囲を設定する。
7.5 ≦ 重要度スコア1のグループ ≦ 10
5 ≦ 重要度スコア2のグループ < 7.5
2.5 ≦ 重要度スコア3のグループ < 5
0 ≦ 重要度スコア4のグループ < 2.5
この範囲の設定に従って分類すると、以下の様になる。
重要度スコア1のグループ:ノード1、ノード2
重要度スコア2のグループ:ノード3、ノード4、ノード5
重要度スコア3のグループ:ノード6、ノード7、ノード8
重要度スコア4のグループ:ノード9、ノード10、ノード11、ノード12
本願実施例では、上述の(b)各グループのノード重要度の範囲を設定して分類する方法に従って分類する。
(2)関連性ネットワーク型データ表現および格納方法
関連性ネットワーク型データを表現する方法として、各階層のノード情報であるノードリスト、及び、各ノード間の接続関係を示す情報であるエッジリストの作成について説明する。さらに、各ノードが、それぞれ、どのノードと連結しているかを示す情報である隣接リストについて説明する。
(2−1)ノードリストの作成
本願実施例では、各階層及び各ノードを以下に示す(形式1)で表現する。
(形式1) 階層n: ノード1、ノード2、…ノードm
ここで、階層nは各階層を表し、ノードmはその階層に含まれるノードを表している。
本願実施例で示すと以下のようになる(図4)。
階層1: ノード1、ノード2
階層2: ノード3、ノード4、ノード5
階層3: ノード6、ノード7、ノード8
階層4: ノード9、ノード10、ノード11、ノード12
(2−2)エッジリストの作成
本願明細書では、エッジリストを以下のように(形式2)で表現する。
(形式2) エッジk_l:ノードk,ノードl,[エッジ属性]
ここで、エッジk_lはノードk、及び、ノードl間に与えられたエッジを示す。ノードk、及び、ノードlは当該エッジの両端にあるノードを示す。[エッジ属性]は当該エッジの属性を示す。
本願実施例の一部を示すと以下のようになる。
エッジ1_3: ノード1,ノード3

エッジ1_9: ノード1,ノード9,0.02
エッジ2_4: ノード2,ノード4
エッジ2_8: ノード2,ノード8,0.02

エッジ7_10: ノード7,ノード10
ここで、「0.02」は、エッジ1_9、及び、エッジ2_8の属性として、伝播特性(後述)が0.02であることを表している。
(2−3)隣接リストに関する情報
本願実施例では、隣接リストに関する情報を図5に示されるようにリスト形式で格納する。ここで、ノード1を例に取って説明すると、ノード1は、ノード3、ノード6、及び、ノード9と繋がっており、ノード9に示されている「null」は当該隣接リストの終端を示している。
(3)動的重要度の算出
ノードの動的重要度の算出は、注目ノードを変更する時、つまり、あるノードから別のノードに移動する時、ノード間の経路(エッジ)を辿って重要度の値を伝播させることにより行われる。
ユーザが、最初にあるノードを「始点ノード」として指定した後で、別のノードを「終点ノード」として指定することにより、その重要度は動的に変更される。その場合、一般に、始点ノードから終点ノードまでの間には複数の経路が存在する。
本願発明では、ノード間の経路選択を、始点ノードから、各終点ノードへの最短経路探索問題として定式化を行う。すなわち、始点ノードの重要度が、最短経路を辿って伝播するものとして終点ノードの重要度を求める。これは、ユーザが意図して選択した始点ノードには、ユーザにとってそれなりの意味があると考えられるので、その影響がもっとも反映されるように、最短経路を求めそれに沿って重要度が伝播するものとしている。
(3−1)最短経路の検出
ノード間の最短経路を検出するために、本願明細書では、「A*探索」による検索方法を用いる。ここで評価関数 f(n)を(式1)のように定義する。
(式1) 評価関数 f(n) = g(n) + h(n)
ここで、g(n) 、及び、h(n)は次のように定義される。
g(n):始点ノードからn番目のノードnまでの経路のコスト
h(n):ノードnから終点ノードまでの最低コスト経路の見積りコスト
本願実施例では、h(n)は簡単なヒューリスティクス関数として、次ノードへの移動コスト(距離あるいはエッジ数)を採用する。すなわち、ノードnに依らず1とする。
図6を参照しながら説明する。階層2にあるノード4(始点ノード)から階層3にあるノード8(終点ノード)への最短経路の探索を例にとって説明する。ノード4からノード8へ移動する場合には、ノード4-->ノード2-->ノード8の経路と、ノード4-->ノード6-->ノード1-->ノード9-->ノード5-->ノード8の経路とが存在すること、さらに、ノード4-->ノード2-->ノード8の経路の方が短いと言うことが直感的に分かる。
これらの探索をソフトウエアで実行するために、本実施例では「A*探索」を用いているが、「A*探索」のアルゴリズムの詳細については割愛する。
(4)重要度の動的な更新
本願発明による動的重要度は(式2)によって定義される。
(式2) impd=imps+(imps_org×prop_rate×1/distance)
ここで、impdは移動先のノードの動的重要度を、imps_orgは始点ノードの静的重要度を、impsは移動先(終点)ノードの静的重要度を、prop_rateは移動先のノードに繋がっているエッジの重要度の伝播率、distanceは始点ノードから終点ノードまでのエッジの数を表わしている。
ここで、(式2)は、以下の考え方に基づいている。
i) ノード間の関連性をエッジの属性とみなし、これにより伝播率が定められる。
ii) 関連度合いの低いノード同士の間ではノード重要度の伝播率は低くなる。
iii) 距離が長い(経由するエッジ数が多い)ほど影響が少なくなる。
図7に従って説明する。各ノードの静的重要度がノード1:10.0, ノード2:9.0, ノード3:7.0, ノード4:6.0, ノード6:3.0, 及び、ノード8:2.5として与えられ、エッジの属性として、エッジ2_8の重要度の伝播率が2%と、それ以外のエッジの伝播率が10%として与えられているとする。ノード1およびノード2を始点としてノード3、ノード4、ノード8が選択された時の動的重要度を求める。
(a)先ず、ノード1を始点とした場合に、ノード3及びノード4における動的重要度を求める。
ノード1-->ノード3へ移動した場合
impd=imps+(imps_org×prop_rate×1/distance)=7+(10×0.1×1)=8
ノード1-->ノード6-->ノード4へ移動した場合
impd =6+(10×0.1×1/2)=6.5
(b)次に、ノード2を始点とした場合に、ノード4及びノード8における動的重要度を求める。
ノード2-->ノード4へ移動した場合
impd =6+(9×0.1×1)=6.9
ノード2-->ノード8へ移動した場合
impd =2.5+(9×0.02×1)=2.68
以上の結果より、ノード4の動的重要度は、ノード1を始点として求めた場合には6.5であり、ノード2を始点として求めた場合には6.9となる。
これにより、注目ノードをノード4に移動する場合、直接接続されている、関連度のより高いノード2から移動することにより、ノード1から移動した時と比較して重要度が高められていることが分かる。
(5)ノード情報の表示
ここでは、以上の説明のもとに、図3に示すノードおよびエッジから構成されるネットワーク型データの視覚化を容易にする表示方法について説明する。
(a)ノードの分類、及び、層別(図4)
上述したとおり、重要度に基づきノードを分類し、階層データを構築する。
(b)始点ノードの選択(図4)
階層1に属するノードの中から、始点ノードとしてノード1を選択する。
(c)第2層に含まれるノードの検出(図4)
階層2に属するノード群には、ノード3、ノード4、ノード5が含まれている。
(d)第2層にあるノードとの接続性の確認(図4)
次に、これらの第2層にあるノードと始点ノード(ノード1)との連結(接続)性をチェックする。
ノード3: 接続されている, ノード1からの距離=1
ノード4: 接続されている, ノード1からの距離=2
ノード5: 接続されている, ノード1からの距離=2
(e)第2層にあるノードの動的重要度の計算(図7)
ノード3、4、および5の動的重要度の計算を行う。
ノード1-->ノード3へ移動した場合
impd=imps+(imps_org×prop_rate×1/distance)=7+(10×0.1×1)=8
ノード1-->ノード6-->ノード4へ移動した場合
impd =6+(10×0.1×1/2)=6.5
ノード1-->ノード9-->ノード5へ移動した場合
impd =6+(10×0.02×1/2)=6.1
(f)更新された画面表示
図3には、各層に含まれる全てのノード及びエッジが表示されている。全ての情報を同時に表示しても、各ノードの重要度及び接続関係は把握しがたい。図8には、本願発明で示された方法に従ってノード1を始点として選択した場合、階層2に含まれるノード及びそれを接続しているエッジが示されている。エッジ1_3が実線で描かれているのは、ノード1とノード3が直接(距離「1」)接続されていることを示している。また、エッジ1_4、及び、エッジ1_5が破線で描かれているのは、ノード1とノード4およびノード5が直接接続されていないことを示している。ここで「直接接続されていない」とはノード間の距離が2以上あることを意味する。
さらに、ここでは、ノード3、ノード4、及び、ノード5の重要度が動的重要度として変更されていることに注意されたい。ノード3の重要度が7.0から8.0に更新され、ノード1との関連性が高いことが反映されている。また、静的重要度が6.0であるノード4およびノード5は、いずれもノード1からの距離は2であるが、動的重要度はそれぞれ6.5および6.1となる。これは、ノード5への経路中に伝播率の低い属性を持つエッジが含まれるため、ノード4と比較して動的重要度が低くなることを示している。
この様に、本願発明によれば、ノードの選択方法およびノード間のエッジ属性の違いに応じて各ノードの重要度が動的に更新されることが把握できる。
(6)アクセス履歴の管理
本願発明は一連のアクセス履歴の記録機能を備えている。これにより、ある任意の時点にさかのぼり、そこから視覚化の過程(ノードの選択や表示する階層の移動など)を正確に再現できる。ここでは、アクセスの状態を(形式3)で表現し、履歴基本要素として格納する。
(形式3)[ 始点ノード,移動先階層,distance ]
本願実施例を示すと以下のようになる。
[ NULL, 移動先階層_1, 1 ]
[ ノード1, 移動先階層_2, 1 ]
[ ノード4, 移動先階層_3, 1 ]
:
ここで、移動先階層_1の始点ノードを「NULL」としているのは、初期画面に関する状態を表現するもので、それ以前の始点ノードは存在しないためNULLとしている。これにより、履歴基本要素の系列をアレイ・オブジェクトにより管理することが出来る。
実施例2では、上記の説明のもとに、重要度によりスコアリングされたノード群とラベル付けされたエッジ群から構成される関連性ネットワーク型データを表示する例について、図9に示されるフローチャートに従って説明する。
ステップ10:開始
ステップ20:静的重要度により重み付けされたデータの読込み
ステップ30:静的重要度に基づくノード群のグループ分け
ステップ40:初期画面の表示
ステップ50:表示パラメータの指定
ステップ60:移動する層に属するノード群のリストアップ
ステップ70:始点ノードとの連結性のチェック
ステップ80:動的重要度の算出
ステップ90:更新データの表示
ステップ100:表示終了の判断
ステップ110:初期化実行の判断
以下、図9に示されるフローチャートに従って沿って詳細に説明する。
(1)重要度により重み付けされたデータの読込み(ステップ20)
図10は「Trust Network Graph」の一例を示すものである。「Trust Network Graph」は、特開2004-227281で開示された手法により生成されたグラフ(関連性ネットワーク型データ)である。ここで、オンラインゲームに関する情報(製品、製作者、エキスパートなど)の関連を示すネットワークグラフが構築されている。これらのデータは、図2で示される記憶部210から読み出すか、または、入力部260から入力される。以下に、主要なノード、及び、エッジについて説明をする。
ノード12: Final Fantasy Chronicles (製品)
ノード11: Final Fantasy IX (製品)
ノード24: Andrew Vestal (エキスパート、評論家)
ノード2 : gamespot.com (ゲーム情報を提供するウェブサイト)
エッジ11_24: Andrew Vestal は Final Fantasy IX のレビュー記事を書いているという関係を表している。
エッジ12_2: gamespot.com は Final Fantasy Chronicles を紹介しているという関係を表している。
エッジ2_24: gamespot.com には Andrew Vestal が書いたレビュー記事が掲載されているという関係を表している。
ちなみに、ノード11→24では、レビュー記事執筆という関係を通して「Andrew Vestal 」(ノード24)と「Final Fantasy IX」(ノード11)が直接的(距離「1」)に関連付けられることを示している。一方、ノード12→2→24では、Final Fantasy Chronicles (ノード12)を紹介している gamespot.com( ノード2)を経由して「Final Fantasy Chronicles」(ノード12)と「Andrew Vestal 」(ノード24)が関連付けられる。製品(ノード11およびノード12)とエキスパート・評論家(ノード24)の関係に着目すると、後者の例(ノード12→2→24)は、前者の例(ノード11→24)よりも関連性の度合いが低く、ノード24の動的重要度が小さな値となる。
(2)静的重要度に基づくノード群のグループ分け(ステップ30)
図10に示される各ノードの信頼値をもとに、各ノードを分類すると次のように分けることが出来る。
(イ)メディア(web site)・製造者を示すノード群(2、4〜6)
信頼値 ==> 小
(ロ)エキスパートを示すノード群(21〜25)
信頼値 ==> 中
(ハ)製品を示すノード群(9〜12)
信頼値 ==> 大
図11は、上記の(イ)〜(ハ)をそれぞれ、製品(第1層)、エキスパート(第2層)、メディア・製造者(第3層)に分類し、立体的に表現したものである。これらの分類は、本願発明の実施例を説明するために各ノードの信頼値から静的重要度を計算して層別したものである。
(3)初期画面の表示(ステップ40)
図12は本願発明の最初の状態を表している。先ず最上位である第1層のノード(9〜12)が表示される。ここでは第1層であることを表すために二重の丸を使用している。
(4)表示パラメータの指定(ステップ50)
ステップ50では、始点ノード、表示対象とする距離および表示すべき階層を入力する。尚、始点ノードの指定は任意である。実施例2では、表示対象とする距離として2、表示すべき階層として階層2を入力する。
(5)移動する層に属するノード群のリストアップ(ステップ60)
階層2に属するノード群として、ノード21からノード25がリストアップされる(図11参照)。
第2層のノード群
ノード21、ノード22、 ノード23、ノード24、ノード25
(6)始点ノードとの連結性のチェック(ステップ70)
始点ノードとしてノード11が指定された場合、ノード21からノード25のノードは全て、始点ノードであるノード11と連結している。その最短距離を示すと次のようになる。
第2層のノード群との距離
ノード21:2
ノード22:2
ノード23:2
ノード24:1
ノード25:1
(7)動的重要度の算出(ステップ80)
(式2) impd=imps+(imps_org×prop_rate×1/distance)に従って、始点ノードを指定した時の各ノードの動的重要度を計算する。ここでは、各重要度の算出については割愛する。
(8)更新データの表示(ステップ90)
図13は始点ノードを指定しないで、第2層に移動した場合を示している。始点ノードが指定されなければ、第2層にある全てのノード(21〜25)が選択され表示される。また、第1層にあるノードと直接接続するエッジだけが表示される。なお、ここで表示される重要度は静的重要度である。
始点ノードとしてノード11を指定して第2層へ移動する場合には、図14に示すように表示される。ここでは、指定された始点ノード11に接続されている第2層に存在する全てのノード(21〜25)が選択され表示される。また、ノード11が指定されていることを示すためにノード11は「太い二重丸」で表示されている。ノード24および25は、指定ノード11と直接(距離1で)接続しているので表示される。また、表示対象とするための距離の閾値を2とした場合には、他のノード(21〜23)はいずれも距離が2であり表示される。しかし直接(距離1で)つながっていないので、違いを明示するため図14では破線のエッジを用いている。ここで表示される重要度は、指定されたノードを始点として計算された動的重要度である。
ノードを指定して第3層へ移動する場合
図15は第2層にあるノード24を指定し第3層に移動する場合の表示を示している。ノード24を指定し、第3層に移動する場合に表示の候補となるノードはノード2、4、5、6である(図11)。
このうち、指定ノード24に直接(距離1)接続しているノード2と、距離2であるノード6が実際に表示される。また、ノード24が指定されていることを示すためにノード24は「太い枠」で表示されている。さらに、エッジ24_2は実線で、エッジ24_6は破線で表示される。ここで、ノード21、22、23は、ノード2を経由してノード11と距離2で接続しているので(図11参照)、ノード2が表示されることで実際の接続関係が表示できることになり、かつ、それらがノード2と直接接続されているので、エッジ2_21、エッジ2_22、エッジ2_23、エッジ2_24、エッジ2_25は、実線で表示される。
(9)表示終了の判断(ステップ100)
ユーザがプログラムを終了するか否かを入力する。ユーザがプログラムを終了しない場合には、ステップ110に進む。
(10)初期化実行の判断(ステップ110)
ユーザが表示データの初期化を実行するか否かを入力する。初期化する場合は、プログラムおよびデータの初期化を行い、ステップ40に進む。初期化しない場合には、ステップ50に進む。
信頼関係の基本的な概念を説明するネットワーク図である。 本願発明を実施する装置を示す図である。 要素をノードとし、信頼関係をエッジとするネットワーク図である。 本願発明の実施例を説明する図である。 隣接リストに関する情報をリスト形式で格納することを示す図である。 本願発明の実施例を説明する図である。 本願発明の実施例を説明する図である。 本願発明の実施例を説明する図である。 本願発明の実施例を説明するフローチャートである。 本願発明の実施例を説明する図である。 本願発明の実施例を説明する図である。 本願発明の実施例を説明する図である。 本願発明の実施例を説明する図である。 本願発明の実施例を説明する図である。 本願発明の実施例を説明する図である。
符号の説明
200:筐体
210:記憶部
220:メインメモリ
230:出力部
240:中央制御部(CPU)
250:操作部
260:入力部

Claims (14)

  1. 以下の(a)から(d)の手段を有する、静的重要度によりスコアリングされたノード群と、前記ノード間を接続するエッジを含むエッジ群から構成される関連性ネットワーク型データを表示する表示装置、
    (a)前記静的重要度に従って、前記ノード群を分割し階層化する手段、
    (b)第一の階層に含まれる全てのノードを表示する手段、
    (c)前記第一の階層に含まれる第一のノードの指定、前記第一のノードからの第一の距離の指定、及び、第二の階層の指定を受け入れる受け入れ手段、
    (d)前記第二の階層に含まれ前記第一のノードから前記第一の距離以内にある第二のノードを表示し、さらに、前記第一のノード及び前記第二のノード間を結ぶ線分、または、前記第二のノードの静的重要度の中から、少なくとも一つを表示する手段。
  2. さらに、以下の(e)及び(f)の手段を有する請求項1に記載の装置、
    (e)前記第二の階層に含まれる第二のノードの指定、及び、前記第二のノードからの第二の距離の指定を受け入れる受け入れ手段、
    (f)前記第二のノードから前記第二の距離以内にある第三のノードを表示し、さらに、前記第二のノード及び前記第三のノード間を結ぶ線分、または、前記第三のノードの静的重要度の中から、少なくとも一つを表示する手段。
  3. 前記ノード群を分割し階層化する手段は、
    (a−1)各グループに属するノード数を一定とする手段、または、
    (a−2)各グループに属するノード重要度の範囲を設定する手段、
    の何れかの手段を含む請求項1に記載の表示装置。
  4. 前記ノード間の距離にしたがって、前記ノード間を結ぶ線分の色または型を変更する手段を有する請求項1から3に記載の表示装置。
  5. さらに、前記第二のノードの動的重要度を、前記ノード間の属性により定められる属性値、前記第一のノードの静的重要度、前記第二のノードの静的重要度、及び、前記第一の距離の中から少なくとも一つの値を含む情報に基づいて算出し表示する手段を有する請求項1から4に記載の表示装置。
  6. 前記第二のノードの動的重要度(impd)を、以下の式で算出する手段を有する請求項5に記載の表示装置、
    impd=imps+(imps_org×prop_rate×1/distance)
    ここで、imps_orgは前記第一のノードの静的重要度、impsは前記第二のノードの静的重要度、prop_rateは前記属性値より求められる乗数、distanceは前記第一の距離とする。
  7. 以下の(a)から(d)のステップを有する、静的重要度によりスコアリングされたノード群と、前記ノード間を接続するエッジを含むエッジ群から構成される関連性ネットワーク型データを表示する表示方法、
    (a)前記静的重要度に従って、前記ノード群を分割し階層化するステップ、
    (b)第一の階層に含まれる全てのノードを表示するステップ、
    (c)前記第一の階層に含まれる第一のノードの指定、前記第一のノードからの第一の距離の指定、及び、第二の階層の指定を受け入れる受け入れステップ、
    (d)前記第二の階層に含まれ前記第一のノードから前記第一の距離以内にある第二のノードを表示し、さらに、前記第一のノード及び前記第二のノード間を結ぶ線分、または、前記第二のノードの静的重要度の中から、少なくとも一つを表示するステップ。
  8. さらに、以下の(e)及び(f)の手段を有する請求項7に記載の方法、
    (e)前記第二の階層に含まれる第二のノードの指定、及び、前記第二のノードからの第二の距離の指定を受け入れる受け入れステップ、
    (f)前記第二のノードから前記第二の距離以内にある第三のノードを表示し、さらに、前記第二のノード及び前記第三のノード間を結ぶ線分、または、前記第三のノードの静的重要度の中から、少なくとも一つを表示するステップ。
  9. 前記第一のノード及び前記第二のノード間を結ぶ線分は、前記第一のノード及び前記第二のノード間の距離にしたがって、色または型を変更するステップを有する請求項7及び8に記載の表示方法。
  10. さらに、前記第二のノードの動的重要度を、前記ノード間の属性により定められる属性値、前記第一のノードの静的重要度、前記第二のノードの静的重要度、及び、前記第一の距離の中から少なくとも一つの値を含む情報に基づいて算出し表示するステップを有する請求項7から9に記載の表示方法。
  11. コンピュータを制御して、以下の(a)から(d)の手段を動作させ、静的重要度によりスコアリングされたノード群と、前記ノード間を接続するエッジを含むエッジ群から構成される関連性ネットワーク型データを表示することを特徴とするプログラム、
    (a)前記静的重要度に従って、前記ノード群を分割し階層化する手段、
    (b)第一の階層に含まれる全てのノードを表示する手段、
    (c)前記第一の階層に含まれる第一のノードの指定、前記第一のノードからの第一の距離の指定、及び、第二の階層の指定を受け入れる受け入れ手段、
    (d)前記第二の階層に含まれ前記第一のノードから前記第一の距離以内にある第二のノードを表示し、さらに、前記第一のノード及び前記第二のノード間を結ぶ線分、または、前記第二のノードの静的重要度の中から、少なくとも一つを表示する手段。
  12. さらに、以下の(e)及び(f)の手段を有する請求項11に記載のプログラム、
    (e)前記第二の階層に含まれる第二のノードの指定、及び、前記第二のノードからの第二の距離の指定を受け入れる受け入れ手段、
    (f)前記第二のノードから前記第二の距離以内にある第三のノードを表示し、さらに、前記第二のノード及び前記第三のノード間を結ぶ線分、または、前記第三のノードの静的重要度の中から、少なくとも一つを表示する手段。
  13. 前記ノード間の距離にしたがって、前記ノード間を結ぶ線分の色または型を変更する手段を有する請求項11から12に記載のプログラム。
  14. さらに、前記第二のノードの動的重要度を、前記ノード間の属性により定められる属性値、前記第一のノードの静的重要度、前記第二のノードの静的重要度、及び、前記第一の距離の中から少なくとも一つの値を含む情報に基づいて算出し表示する手段を有する請求項11から13に記載のプログラム。
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