JP2006071241A - 循環式乾燥装置の運転方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 乾燥器出口のガスの温度および装置内のガスの圧力を大きく変化させることなく、乾燥器内への乾燥対象物の噴霧を開始できる循環式乾燥装置の運転方法を提供する。
【解決手段】 乾燥器14出口のガスの温度が設定温度となるようにラテックスまたは水の噴霧量を自動的に調整する手段を有する循環式乾燥装置10の運転方法であって;循環式乾燥装置10の運転開始時に、乾燥器14入口のガスの温度がラテックスの乾燥時における設定温度に到達するまでの間、乾燥器14出口のガスの設定温度をラテックスの乾燥時における設定温度よりも高く設定した状態で、乾燥器14内に水を噴霧するステップと;乾燥器14入口のガスの温度がラテックスの乾燥時における設定温度に到達した後、乾燥器14出口のガスの設定温度をラテックスの乾燥時における設定温度に設定し、水に代えてラテックスの噴霧を開始するステップとを有する循環式乾燥装置10の運転方法。
【選択図】 図1

Description

本発明は、加熱器と乾燥器との間でガスを循環させながら、加熱器で加熱されたガスによって乾燥器内に噴霧された乾燥対象物を乾燥する循環式乾燥装置の運転方法に関する。
従来より、ポリマーラテックス等の乾燥対象物を噴霧し、これを加熱されたガスによって乾燥する方式としては、オープンサイクル方式およびクローズドサイクル方式(循環式)が知られている。
オープンサイクル方式とは、乾燥対象物の乾燥に使用されたガスを、排ガスとして大気中に放出する方式である。したがって、オープンサイクル方式においては、高い温度のガスを大気中に放出するため、エネルギーのロスが大きい。
一方、クローズドサイクル方式、すなわち循環式乾燥装置を用いた乾燥方法は、排ガスのほとんどを乾燥用ガスとして再利用するので、オープンサイクル方式に比べて、エネルギー的に有利な乾燥法である。ただし、循環式乾燥装置は、装置内の圧力調整のために余分なガスを少しずつ排気する手段が設けられているものの、ほとんどのガスが装置内に閉じ込められた状態となっているので、ガスの温度が急激に変化すると、これに伴って圧力も急激に変化してしまう。よって、ガスの圧力が安定した状態で運転することは、オープンサイクル方式の装置に比べ難しいという欠点がある。
循環式乾燥装置を用いた乾燥方法においては、乾燥対象物の乾燥がいったん開始されれば、乾燥対象物の量や濃度が大きく変化しない限りは、循環式乾燥装置内の圧力、温度は安定した状態(定常状態)となり、ガスの圧力が所定範囲内となるように余分なガスを少しずつ排気して圧力を自動制御しながらの運転が可能である。しかしながら、運転開始から乾燥対象物の噴霧開始までの間は、循環式乾燥装置内の温度を常温から乾燥対象物の乾燥に必要な温度まで昇温させる必要があることから、循環式乾燥装置内の圧力は不安定な状態(非定常状態)となりやすい。
例えば、循環式乾燥装置の運転開始時において、乾燥器入口のガスの温度が乾燥対象物の乾燥に必要な温度に到達するまでの間、乾燥対象物の代わりに、乾燥器内に水を噴霧することが行われる。そして、乾燥器入口のガスの温度が乾燥対象物の乾燥に必要な温度に到達した後、水に代えて乾燥対象物の噴霧が開始される。しかしながら、乾燥対象物がポリマーラテックスの場合、その水分率は50質量%程度であるので、噴霧対象を水からポリマーラテックスに切り替えたとき、乾燥器における水の蒸発量は半分になってしまい、水の蒸発に消費される熱も半分になってしまうため、乾燥器出口のガスの温度が急上昇してしまう。
このように、乾燥器出口のガスの温度が急上昇してしまうと、乾燥器の後段に設けられたバグフィルターが高温のガスによりダメージを受けるという問題や、乾燥対象物がポリマーの場合、本来回収されるべきポリマー粉体が、乾燥器出口のガス温度が高いことに起因してメルトしてしまい、乾燥器壁面に付着して回収率が低下するという問題が発生する。また、乾燥器出口のガス温度の急上昇、および乾燥器における水の蒸発量の激減によって、装置内のガスの圧力も急激に変化してしまう。このような場合、圧力の急激な変化に圧力の自動制御が追随しきれず、乾燥器本体を守るために、循環式乾燥装置が緊急停止するなどのトラブルが起きやすい。
なお、乾燥器内への乾燥対象物の噴霧の開始時に、乾燥器内のガスの温度が所定温度に到達してから乾燥器出口のガスの温度が安定化するまで、乾燥対象物に代えて水を噴霧するオープンサイクル方式の乾燥装置が、特許文献1に提案されている。しかしながら、オープンサイクル方式のため、噴霧対象を水から乾燥対象物に切り替えた際の温度および圧力の変化については全く考慮されていない。
特開平1−284301号公報
よって、本発明の目的は、加熱器と乾燥器との間でガスを循環させる循環式乾燥装置の運転開始時において、装置内のガスの圧力を大きく変化させることなく、乾燥器内への乾燥対象物の噴霧を開始できる循環式乾燥装置の運転方法を提供することにある。また、本発明の目的は、工程異常が発生した際に、装置内のガスの圧力を大きく変化させることなく、乾燥器内への乾燥対象物の噴霧を中断できる循環式乾燥装置の運転方法を提供することにある。
すなわち、本発明の循環式乾燥装置の運転方法は、ガスを加熱する加熱器と、乾燥対象物を加熱されたガスによって乾燥する乾燥器と、蒸発した水を凝縮させる凝縮器と、これらの間でガスを循環させるガス循環手段と、乾燥器内へ乾燥対象物または水を噴霧する供給手段と、乾燥器出口のガスの温度が設定温度となるように供給手段から噴霧される乾燥対象物または水の噴霧量を自動的に調整する噴霧量自動調整手段とを有する循環式乾燥装置の運転方法であって;循環式乾燥装置の運転開始時に、乾燥器入口のガスの温度が乾燥対象物の乾燥時における設定温度に到達するまでの間、乾燥器出口のガスの設定温度を、乾燥対象物の乾燥時における設定温度よりも高く設定した状態で、乾燥器内に水を噴霧するステップと;乾燥器入口のガスの温度が乾燥対象物の乾燥時における設定温度に到達した後、乾燥器出口のガスの設定温度を、乾燥対象物の乾燥時における設定温度に設定し、水に代えて乾燥対象物の噴霧を開始するステップとを有することを特徴とする。
また、本発明の循環式乾燥装置の運転方法は、ガスを加熱する加熱器と、乾燥対象物を加熱されたガスによって乾燥する乾燥器と、蒸発した水を凝縮させる凝縮器と、これらの間でガスを循環させるガス循環手段と、乾燥器内へ乾燥対象物または水を噴霧する供給手段と、乾燥器出口のガスの温度が設定温度となるように供給手段から噴霧される乾燥対象物または水の噴霧量を自動的に調整する噴霧量自動調整手段とを有する循環式乾燥装置の運転方法であって;乾燥対象物の乾燥中、乾燥器内への乾燥対象物の噴霧を一時中断する際に、乾燥器出口のガスの設定温度を、乾燥対象物の乾燥時における設定温度よりも高く設定した状態で、乾燥器内に乾燥対象物に代えて水を噴霧するステップと;乾燥器内への乾燥対象物の噴霧を再開する際に、乾燥器出口のガスの設定温度を、乾燥対象物の乾燥時における設定温度に設定し、水に代えて乾燥対象物の噴霧を開始するステップとを有することを特徴とする。
また、本発明の循環式乾燥装置の運転方法は、乾燥器内への乾燥対象物の噴霧を開始または再開した後、噴霧量自動調整手段による噴霧量の調整を止めて、乾燥対象物の噴霧量を所定の増加速度で増やしていくステップと;乾燥器出口のガスの温度が乾燥対象物の乾燥時における設定温度に近づいたとき、噴霧量自動調整手段による噴霧量の調整を再開するステップとをさらに有することが望ましい。
本発明の循環式乾燥装置の運転方法によれば、熱器と乾燥器との間でガスを循環させる循環式乾燥装置の運転開始時において、装置内のガスの圧力を大きく変化させることなく、乾燥器内への乾燥対象物の噴霧を開始できる。また、工程異常が発生した際に、装置内のガスの圧力を大きく変化させることなく、乾燥器内への乾燥対象物の噴霧を中断できる。
以下、本発明について詳細に説明する。
<循環式乾燥装置>
図1は、本発明における循環式乾燥装置の一例を示す概略構成図である。この循環式乾燥装置10は、ガスを加熱する加熱器12と、加熱器12で加熱されたガスによってラテックス(乾燥対象物)を乾燥する乾燥器14と、乾燥器14の底部のガス排出口16から排出されるガスからこれに含まれる粉体を捕集、分離する捕集器18と、捕集器18で粉体が分離されたガスを冷却し、ガス中の水分を凝縮、分離するガス冷却塔20と、ガス冷却塔20用の冷却水を冷却するための冷媒体(水)を冷却する再冷塔22と、ガス冷却塔20用の冷却水と再冷塔22からの冷媒体との間で熱交換を行う冷却水用熱交換器24と、ガスの予備加熱を行う予備加熱器26と、予備加熱器26から加熱器12に戻される途中で抜き取られたガスの一部に含まれる揮発成分を分解する熱風炉28と、熱風炉28から排出される燃焼ガスと後述の熱交換流路を流れるガスとの間で熱交換を行う熱交換器30と、これら加熱器12、乾燥器14、捕集器18、ガス冷却塔20、再冷塔22、冷却水用熱交換器24、予備加熱器26、熱風炉28および熱交換器30に接続された流路と、流路に設けられた弁、温度計、圧力計、ファン、およびポンプと、乾燥器14に設けられた乾燥器圧力計32と、循環式乾燥装置10内の弁、温度計、圧力計、ファン、およびポンプに電気的に接続された制御装置34(噴霧量自動調整手段)とを具備して概略構成されるものである。
ここで、前記流路は、加熱器12で加熱されたガスを乾燥器14に供給する加熱ガス流路36(ガス循環手段)、乾燥器14のガス排出口16から排出されるガスを捕集器18に供給する排出ガス流路38(ガス循環手段)、捕集器18で粉体が分離されたガスをガス冷却塔20に供給する濾過ガス流路40(ガス循環手段)、ガス冷却塔20で冷却されたガスを予備加熱器26に供給する冷却ガス流路42(ガス循環手段)、予備加熱器26で加熱されたガスを加熱器12に戻す予熱ガス流路44(ガス循環手段)、予熱ガス流路44からガスの一部を抜き取り、熱風炉28に供給する分岐流路46、熱風炉28から排出される燃焼ガスを加熱ガス流路36のガスに戻す燃焼ガス流路48、燃焼ガス流路48から分岐し、熱交換器30で冷却された燃焼ガスの一部を外部へ排気する燃焼ガス排気流路50、予熱ガス流路44からガスの一部を抜き取り、熱交換器30を通って加熱ガス流路36と合流する熱交換流路52、予熱ガス流路44からガスの一部を抜き取って、乾燥器14に設けられた加圧二流体噴霧ノズル(供給手段)(図示略)にアシストエアーを供給するアシストエアー流路54、冷却ガス流路42から分岐したガスを排気する冷却ガス排気流路56、加熱ガス流路36から分岐し、加熱器12と乾燥器14との間で循環しているガスを排気する循環開放流路58、捕集器18に窒素ガスを供給する窒素ガス供給管60、熱風炉28に燃料であるLPG(液化石油ガス)ガスを供給するLPG供給管62、熱風炉28に空気を供給する空気供給管64、乾燥器14の加圧二流体噴霧ノズル(図示略)にラテックスを供給するラテックス供給管66(供給手段)、ラテックス供給管66に合流する水供給管68(供給手段)、ガス冷却塔20と冷却水用熱交換器24との間で冷却水を循環させる冷却水循環流路70、再冷塔22と冷却水用熱交換器24との間で冷媒体を循環させる冷媒体循環流路72、および加熱器12に加熱蒸気を供給する加熱蒸気供給管74である。
また、加熱ガス流路36には手動の循環仕切弁76が設けられ、排出ガス流路38には手動の捕集器入口仕切弁78が設けられ、濾過ガス流路40には手動の捕集器出口仕切弁80が設けられ、分岐流路46には分岐流路弁82が設けられ、燃焼ガス流路48には燃焼ガス戻り弁84が設けられ、燃焼ガス排気流路50には圧力制御弁86が設けられ、冷却ガス排気流路56には冷却ガス出弁88が設けられ、循環開放流路58には循環開放弁90が設けられ、ラテックス供給管66にはラテックス供給弁92が設けられ、水供給管68には水供給弁94が設けられ、加熱蒸気供給管74には加熱蒸気制御弁96が設けられている。
また、予熱ガス流路44には送風ファン98(ガス循環手段)が設けられ、濾過ガス流路40には排風ファン100(ガス循環手段)が設けられ、分岐流路46には分岐ファン102が設けられ、熱交換流路52には冷却ファン104が設けられ、アシストエアー流路54にはルーツブロワ106が設けられ、空気供給管64には空気送風ファン108が設けられ、ラテックス供給管66には送液ポンプ110(供給手段)が設けられ、冷却水循環流路70には冷却水循環ポンプ112が設けられ、冷媒体循環流路72には冷媒体循環ポンプ114が設けられ、再冷塔22には再冷塔ファン116が設けられている。
さらに、加熱ガス流路36には乾燥器入口温度計118が設けられ、排出ガス流路38には乾燥器出口温度計120(噴霧量自動調整手段)が設けられ、冷却ガス流路42の冷却塔出口圧力計122が設けられ、燃焼ガス流路48の熱風炉28出口側には熱風炉出口温度計136が設けられ、予熱ガス流路44には風量計138が設けられ、冷却水循環流路70には冷却水温度計140が設けられている。ここで、乾燥器入口温度計118は、加熱蒸気制御弁96と直接、電気的に接続し、インバータによって乾燥器14の入口温度に応じて加熱蒸気の流量が制御できるようにされている。また、乾燥器圧力計32は、排風ファン100と直接、電気的に接続し、インバータによって乾燥器14内の圧力に応じて排風ファン100の出力が制御できるようにされている。
加熱器12は、加熱蒸気供給管74から供給された加熱蒸気を利用して、ガスにラテックスを乾燥させるために必要な熱エネルギーを与える装置である。加熱器12としては、この他に、電気ヒーター;LPG(液化石油ガス)やLNG(液化天然ガス)などに代表される気体燃料、または、灯油や軽油などに代表される液体燃料を燃焼させる直火加熱器などが使用できる。
乾燥器14は、所定の乾燥熱風温度のガスによって、噴霧されたラテックスの水分率を規定レベルまで低下させ、乾燥させる装置であり、筒状の直胴部と、直胴部の下端に接続する逆円錐状のコーン部と、コーン部の先端に設けられた固形分取り出し口124と、底部を構成するコーン部に設けられたガス排出口16と、ラテックスを噴霧する加圧二流体噴霧ノズル(図示略)とを具備するものである。ラテックスの噴霧方法は、加圧二流体ノズルに限定されるものではなく、加圧ノズルやディスクアトマイザーなどを利用した噴霧方法でもよい。ここで、乾燥熱風温度とは、乾燥器14の入口におけるガスの温度である。
捕集器18は、バグフィルターによって、循環ガス中に含まれる固形分を分離・回収する装置であり、筒状の直胴部と、直胴部の下端に接続する逆円錐状のコーン部と、コーン部の先端に設けられた固形分取り出し口126とを具備するものである。捕集器18としては、この他に、サイクロンなどの気固分離器を用いることができる。
ガス冷却塔20は、ウェットスクラバなどに代表される直接式熱交換器であり、ラテックスの乾燥によって増加したガス中の水分を、露点以下の温度の冷却水をガスに直接接触させて冷却することにより凝縮させ、凝縮した水分を取り出すものである。ガス冷却塔20としては、この他、公知の多管式熱交換器や多管フィン付熱交換器などに代表される間接式熱交換器などが使用できる。
ガス冷却塔20は、そこにおいて凝縮される水量が、ラテックスから蒸発した水分量に加えて、熱風炉28においてLPGの燃焼により発生する水分量との合計と等しくなるように設計される。
熱風炉28は、予熱ガス流路44から抜き取られた一部のガス(以下、抜き取りガスと記す)中の水以外の揮発成分、例えば、未反応のモノマー、有機溶剤等を、LPGを燃焼させることで発生した高温部に接触させることによって、分解、脱臭し、さらに抜き取りガス中の酸素濃度を低減する装置である。燃料としては、LPGの他に、LNG(液化天然ガス)などの気体燃料、灯油や軽油などの液体燃料を用いてもよい。熱風炉としては、直火式燃焼装置、蓄熱式燃焼装置、触媒式燃焼装置、接触式燃焼装置等を使用することができる。
制御装置34は、図2に示すように、記憶部128と、監視部130と、制御部132と、インターフェース部134とを具備して概略構成され、循環式乾燥装置10に設けられた弁、温度計、圧力計、ファン、およびポンプを監視し、これらを操作、制御するものである。特に、本発明においては、乾燥器出口温度計120からの温度情報が設定温度となるように、送液ポンプ110の出力を自動的に調整するもの(噴霧量自動調整手段)である。このようなプロセス制御システムとしてDCS(Distributed Control System)を例に挙げることができる。
記憶部128は、循環式乾燥装置10の運転時に行うべき操作手順;各操作における弁、温度計、圧力計、ファン、およびポンプの設定条件等を記憶するものである。なお、記憶部128は、RAM(Random Access Memory)のような揮発性のメモリ、ハードディスク装置、光磁気ディスク装置、フラッシュメモリ等の不揮発性のメモリ、あるいはこれらの組合せにより構成されるものとする。
監視部130は、弁、温度計、圧力計、ファン、およびポンプの状態が、記憶部128に記憶された設定条件であるか否かを自動的にチェックし;設定された状態にないものを後述の表示装置に出力し;必要に応じて、回復措置、緊急停止措置を制御部132に指示するものである。
制御部132は、記憶部128に記憶された操作手順、各操作における弁、温度計、圧力計、ファン、およびポンプの設定条件、温度計および圧力計からの温度情報および圧力情報等に基づいて、自動弁の開閉;制御弁、ファン、およびポンプの制御等を行うものである。
インターフェイス部134は、弁、温度計、圧力計、ファン、およびポンプ等と、監視部130および制御部132との間を電気的に接続するものである。
なお、監視部130および制御部132は、専用のハードウエアにより実現されるものであってもよく、また、この監視部130および制御部132は、メモリおよび中央演算装置(CPU)によって構成され、監視部130および制御部132の機能を実現するためのプログラムをメモリにロードして実行することによりその機能を実現させるものであってもよい。
また、制御装置34には、周辺機器として、入力装置、表示装置等が接続されるものとする。ここで、入力装置とは、ディスプレイタッチパネル、スイッチパネル、キーボード等の入力デバイスのことをいい、表示装置とは、CRTや液晶表示装置のことをいう。
本発明におけるガス循環手段は、前記加熱ガス流路36、排出ガス流路38、濾過ガス流路40、冷却ガス流路42、予熱ガス流路44、および予熱ガス流路44に設けられた送風ファン98、濾過ガス流路40に設けられた排風ファン100から構成される。
また、本発明における供給手段は、ラテックス供給管66、水供給管68、加圧二流体噴霧ノズル、およびラテックス供給管66に設けられた送液ポンプ110から構成される。
また、本発明における噴霧量自動調整手段は、乾燥器出口温度計120および制御装置34から構成される。
<運転方法>
次に、本発明の循環式乾燥装置の運転方法について図示例の循環式乾燥装置10の場合を例にとり説明する。
本発明の運転方法は、循環式乾燥装置10の運転開始時に、乾燥器14入口のガスの温度がラテックス(乾燥対象物)の乾燥時における設定温度(例えば、170℃)に到達するまでの間、乾燥器14出口のガスの設定温度を、ラテックスの乾燥時における設定温度(例えば、70℃)よりも高く設定した状態(例えば、75℃)で、乾燥器14内に水を噴霧するステップ(以下、水噴霧ステップとも記す)と;乾燥器14入口のガスの温度がラテックスの乾燥時における設定温度(170℃)に到達した後、乾燥器14出口のガスの設定温度を、ラテックスの乾燥時における設定温度(70℃)に設定し、水に代えてラテックスの噴霧を開始するステップ(以下、切換ステップとも記す)と;乾燥器14内へのラテックスの噴霧を開始した後、制御装置34(噴霧量自動調整手段)による乾燥器14出口のガスの温度に基づく噴霧量の調整を止めて、ラテックスの噴霧量を所定の増加速度で増やしていくステップ(以下、強制流量制御ステップとも記す)と;乾燥器14出口のガスの温度がラテックスの乾燥時における設定温度に近づいたとき(例えば、72℃以下)、制御装置34による乾燥器14出口のガスの温度に基づく噴霧量の調整を再開するステップ(以下、温度制御再開ステップとも記す)とを有する方法である。
(運転開始から水噴霧ステップ直前まで)
制御装置34の運転開始ボタンが押されると、すべての弁が自動運転を開始できる状態になっているかを監視部130でチェックする。ついで、制御部132によって窒素ガスボンベ(図示略)の元栓(図示略)を開き、窒素ガス供給管60から捕集器18への窒素ガスの供給を開始する。ついで、循環仕切弁76を手動で開く。また、制御部132によって燃焼ガス戻り弁84を開き、循環開放弁90を閉じて、循環式乾燥装置10内をガスが循環できる状態にする。
制御部132によって冷却水循環ポンプ112、冷媒体循環ポンプ114、および再冷塔ファン116の運転を開始し、記憶部128に記憶された設定条件で運転を続ける。ついで、制御部132によって冷却ファン104の運転を開始し、冷却塔出口圧力計122からの圧力情報に基づく圧力制御弁86の制御を開始する。また、送風ファン98および排風ファン100の運転を開始し、乾燥器圧力計32からの圧力情報に基づく排風ファン100の出力制御を開始する。ついで、送風ファン98の出力を、記憶部128に記憶された設定出力まで徐々に上げていく。これに伴い、乾燥器14内の圧力が徐々に上昇するので、結果として、乾燥器14内の圧力が設定範囲内となるように、インバータによって排風ファン100の出力が徐々に上昇する。
制御部132によってルーツブロワ106の運転を開始する。ついで、制御部132によって分岐ファン102の運転を開始し、分岐流路弁82を開く。ついで、制御部132によって燃焼ファン108の運転を開始し、熱風炉28への空気の供給を開始する。また、制御部132によってLPGガスボンベ(図示略)の元栓(図示略)を開き、LPGガス供給管62から熱風炉28へのLPGガスの供給を開始し、熱風炉28内のLPGガスに点火する。
制御部132によってLPGガスの制御弁(図示略)を徐々に開き、同時に、熱風ファン108の出力を徐々に上げ、熱風炉28へのLPGガスおよび空気の供給量を増やして、熱風炉28出口のガスの温度を徐々に上げる。
これと同時に、制御部132によって加熱蒸気制御弁96を徐々に開く。このとき、加熱蒸気供給管74を通って供給される加熱蒸気によって、加熱器12を通過するガスが加熱される。ガスが加熱されると、ガスが膨張し、乾燥器14内のガスの圧力が上昇するため、インバータによって排風ファン100の出力が上がり、これに伴いガス冷却塔20の出口圧力が上昇する。冷却塔出口圧力計122からの圧力情報に基づき、制御部132によって自動的に圧力制御弁86の開度が上がり、ガスが徐々に外部に排気される。
(水噴霧ステップ)
乾燥器14の出口温度が所定温度(例えば、82℃)を超えると、捕集器18のバグフィルターが熱により悪影響を受けるので、制御部132によって水供給弁94を開き、送液ポンプ110の運転を開始する。これにより、加圧二流体噴霧ノズルから水が噴霧され、乾燥器14内でガスが冷やされる。
乾燥器出口温度計120からの温度情報が、記憶部128に記憶された設定温度(75℃)になっているかを、常時、監視部130でチェックする。乾燥器出口温度計120からの温度情報が、設定温度(75℃)を超えると、制御部132によって送液ポンプ110の出力を上げる。乾燥器出口温度計120からの温度情報が、設定温度(75℃)を下回ると、制御部132によって送液ポンプ110の出力を下げる。
加熱蒸気制御弁96を引き続き開いていき、加熱器12を通過するガスをさらに昇温する。加熱器12によるガスの昇温は、乾燥器入口温度計118からの温度情報が、ラテックスの乾燥時における設定温度(170℃)に到達するまで行う。そして、ガスを昇温する間、乾燥器出口温度計120からの温度情報が、設定温度(75℃)となるように、乾燥器14内への水の噴霧を続ける。
(切換ステップ)
乾燥器入口温度計118からの温度情報が、ラテックスの乾燥時における設定温度(170℃)に到達し、オペレーターによって供給開始ボタンを押された後、乾燥器出口のガスの設定温度を、ラテックスの乾燥時における設定温度(70℃)に設定する。そうすると、乾燥器14出口におけるガスの温度を下げようとして、制御部132によって送液ポンプ110の出力が上昇する。送液ポンプ110の出力が上昇している状態で、制御部132によって水供給弁94を閉じ、ラテックス供給弁92を開く。これにより、加圧二流体噴霧ノズルからラテックスが噴霧され、ラテックスの乾燥が開始される。
ラテックスを噴霧している間、乾燥器入口温度計118からの温度情報が、記憶部128に記憶された設定温度(170℃)になっているかを、常時、監視部130でチェックする。乾燥器入口温度計118からの温度情報が、設定温度(170℃)囲を超えると、制御部132によって加熱蒸気制御弁96の開度を下げる。乾燥器入口温度計118からの温度情報が、設定温度(170℃)を下回ると、制御部132によって加熱蒸気制御弁96の開度を上げる。
(強制流量制御ステップ)
送液ポンプ110の出力が上昇している状態で、ラテックスの噴霧を開始しているとはいえ、ラテックスの水分率が50質量%の場合、ラテックスの噴霧を開始した直後の水の蒸発量は、水噴霧時の水の蒸発量より少なく、乾燥器14出口のガスの温度が上昇しようとする。よって、速やかに、ラテックスの噴霧量を水噴霧ステップ時の水の噴霧量の2倍にする必要がある。よって、乾燥器14内へのラテックスの噴霧を開始した後、乾燥器出口温度計120からの温度情報に基づく、制御部132による送液ポンプ110の出力の調整を止め、送液ポンプ110の出力、すなわちラテックスの噴霧量を、図3に示すように、記憶部128に記憶された所定の増加速度で制御部132によって強制的に上げていく。
(温度制御再開ステップ)
乾燥器出口温度計120からの温度情報が、ラテックスの乾燥時における設定温度(70℃)に近づいたとき、例えば、72℃以下となったとき、乾燥器出口温度計120からの温度情報に基づく、制御部132による送液ポンプ110の出力の調整を再開する。以後は、循環式乾燥装置10内の圧力、温度が安定した状態(定常状態)でラテックスの乾燥を行う。
(異常監視)
上記各ステップにおいては、循環式乾燥装置10において異常が発生していないかを常時監視する。具体的には、各ステップごとに、循環式乾燥装置10に設けられた弁、温度計、圧力計、ファン、およびポンプのうち、その異常状態をチェックすべきものをあらかじめリストアップし、各ステップごとに、リストアップされたものがあらかじめ設定された異常状態であるか否かを自動的にチェックし、リストアップされたものが設定された異常状態になったとき、異常の状態に応じて、自動的に異常対応操作を行う。
例えば、ガス循環開始以降、乾燥器圧力計32からの圧力情報に基づく排風ファン100の出力制御が常時行われており、この間、同時に監視部130による乾燥器14内の圧力の監視が行われる。乾燥器14内の圧力の状態は、圧力が高い方から「HHHH」、「HHH」、「HH」、「HI」、「NR」、「LO」、「LL」、「LLL」、「LLLL」にランク分けされ、記憶部128に記憶されている。
ここで、「NR」は正常な圧力範囲であり、「HI」および「LO」は、循環開放弁90を開放することによって圧力を「NR」にすぐに戻すことができ、運転の続行にはほとんど影響がない圧力範囲であり、「HH」および「LL」は、運転の続行には影響があるが、圧力が「NR」まで回復する見込みがある圧力範囲であり、「HHH」および「LLL」は、圧力が「NR」まで回復する見込みのない圧力範囲であり、「HHHH」/「LLLL」は、それぞれ乾燥器14が破裂/圧壊するおそれのある圧力範囲である。
圧力が上昇(または下降)し、「NR」の範囲から外れ「HI」(または「LO」)になると、操作を続行しながら、制御部132によって循環開放弁90を開放し、圧力を「NR」の範囲に戻すように試みる。循環開放弁90の開放で圧力が「NR」の範囲に戻れば、循環開放弁90を閉じる。
圧力がさらに上昇(または下降)し、「HI」(または「LO」)の範囲から外れ「HH」(または「LL」)になると、循環開放弁90を開放した状態で、操作を中断し、圧力が「HI」(または「LO」)に戻るまで待つ。
圧力がさらに上昇(または下降)し、「HH」(または「LL」)の範囲から外れ「HHH」(または「LLL」)になると、圧力の正常状態「NR」への回復が見込めないので、装置を緊急停止する。
装置を緊急停止してもなお、圧力がさらに上昇(または下降)し、「HHH」(または「LLL」)の範囲から外れ「HHHH」(または「LLLL」)になると、乾燥器14の破裂(または圧壊)のおそれがあるので、制御部132によって乾燥器14のベント弁を開放し、乾燥器14の破壊を未然に防ぐ。
(乾燥対象物のの噴霧の中断)
工程異常などで、運転の中断の指示が監視部130から制御部132に送られた場合、まず、乾燥器出口のガスの設定温度を、ラテックスの乾燥時における設定温度(70℃)よりも高い温度(例えば、75℃)に設定する。そうすると、乾燥器14出口におけるガスの温度を上げようとして、制御部132によって送液ポンプ110の出力が低下する。送液ポンプ110の出力が下降傾向にある状態で、制御部132によってラテックス供給弁92を閉じ、水供給弁94を開く。これにより、加圧二流体噴霧ノズルから水が噴霧され、ラテックスの乾燥が中止される。
(強制流量制御ステップ)
送液ポンプ110の出力が下降傾向にある状態で、水の噴霧を開始しているとはいえ、水の噴霧を開始した直後の水の蒸発量は、ラテックスの水分率が50質量%の場合、ラテックス噴霧時の水の蒸発量より多く、乾燥器14出口のガスの温度が低下しようとする。よって、速やかに、水の噴霧量を乾燥ステップ時のラテックスの噴霧量の半分にする必要がある。よって、乾燥器14内への水の噴霧を開始した後、乾燥器出口温度計120からの温度情報に基づく、制御部132による送液ポンプ110の出力の調整を止め、送液ポンプ110の出力、すなわち水の噴霧量を、記憶部128に記憶された所定の減少速度で制御部132によって強制的に下げていく。
(温度制御再開ステップ)
乾燥器出口温度計120からの温度情報が、水の噴霧を開始したときに設定した設定温度(75℃)に近づいたとき、例えば、73℃以上となったとき、乾燥器出口温度計120からの温度情報に基づく、制御部132による送液ポンプ110の出力の調整を再開する。
(乾燥対象物のの噴霧の再開)
オペレーターによって供給開始ボタンを押された後、乾燥器出口のガスの設定温度を、ラテックスの乾燥時における設定温度(70℃)に設定する。そうすると、乾燥器14出口におけるガスの温度を下げようとして、制御部132によって送液ポンプ110の出力が上昇する。送液ポンプ110の出力が上昇している状態で、制御部132によって水供給弁94を閉じ、ラテックス供給弁92を開く。これにより、加圧二流体噴霧ノズルからラテックスが噴霧され、ラテックスの乾燥が開始される。
(強制流量制御ステップ)
送液ポンプ110の出力が上昇している状態で、ラテックスの噴霧を再開しているとはいえ、ラテックスの水分率が50質量%の場合、ラテックスの噴霧を開始した直後の水の蒸発量は、水噴霧時の水の蒸発量より少なく、乾燥器14出口のガスの温度が上昇しようとする。よって、速やかに、ラテックスの噴霧量を水噴霧ステップ時の水の噴霧量の2倍にする必要がある。よって、乾燥器14内へのラテックスの噴霧を開始した後、乾燥器出口温度計120からの温度情報に基づく、制御部132による送液ポンプ110の出力の調整を止め、送液ポンプ110の出力、すなわちラテックスの噴霧量を、図3に示すように、記憶部128に記憶された所定の増加速度で制御部132によって強制的に上げていく。
(温度制御再開ステップ)
乾燥器出口温度計120からの温度情報が、ラテックスの乾燥時における設定温度(70℃)に近づいたとき、例えば、72℃以下となったとき、乾燥器出口温度計120からの温度情報に基づく、制御部132による送液ポンプ110の出力の調整を再開する。以後は、循環式乾燥装置10内の圧力、温度が安定した状態(定常状態)でラテックスの乾燥を行う。
(乾燥対象物)
ラテックスとしては、例えば、一般公知の乳化重合法や、ソープフリー乳化重合法で製造されるポリマーラテックスが挙げられる。ポリマーとしては、例えば、芳香族ビニル系単量体、シアン化ビニル系単量体、エチレン系不飽和カルボン酸系単量体、不飽和カルボン酸アルキルエステル系単量体、ハロゲン化ビニル系単量体、マレイミド系単量体等を単独重合したもの、または2種以上を共重合、シード重合、またはグラフト重合したもの、あるいは複合化したものなどが挙げられる。また、ポリマーラテックスは1種単独でもよく、複数種類のラテックスの混合物であってもよい。
(作用)
以上説明した循環式乾燥装置10の運転方法にあっては、乾燥器14入口のガスの温度がラテックスの乾燥に必要な温度(170℃)に到達するまでの間、乾燥器14出口のガスの設定温度を、ラテックスの乾燥時における設定温度(70℃)よりも高く設定した状態(75℃)で乾燥器14内への水の噴霧を行い、水に代えてラテックスの噴霧を開始する直前に、乾燥器14出口のガスの設定温度を、ラテックスの乾燥時における設定温度(70℃)に設定しているので、送液ポンプ110の出力が上昇している状態で、ラテックスの噴霧を開始することができ、乾燥器14出口のガスの温度の上昇を抑えることができる。
すなわち、図4に示すように、噴霧対象を単に水からラテックスに切り替えただけでは、ラテックスの噴霧量は水の噴霧量と同じとなるので、ラテックスの水分率が50質量%の場合、ラテックス噴霧時の水の蒸発量は、水噴霧時の水の蒸発量の半分となる。よって、水の蒸発に消費される熱が極端に少なくなり、乾燥器14出口のガスの温度が急上昇してしまう。一方、図5に示すように、水に代えてラテックスの噴霧を開始する直前に、乾燥器14出口のガスの設定温度を下げ、送液ポンプ110の出力が上昇している状態で、ラテックスの噴霧を開始すれば、ラテックスの噴霧量は、水噴霧ステップにて噴霧されていた水の噴霧量よりも多くなるので、ラテックス噴霧時の水の蒸発量は、噴霧対象を単に水からラテックスに切り替えた場合に比べ多くなり、結果、乾燥器14出口のガスの温度の上昇を抑えることとなる。
また、送液ポンプ110の出力は、図6に示すように、乾燥器14出口のガスの温度変化に応じて、上昇と下降とを繰り返している。もし、送液ポンプ110の出力が下降傾向にあるときに、水に代えてラテックスの噴霧を開始すると、送液ポンプ110の出力はすぐには上昇傾向にならず、ラテックスの噴霧量はすぐには増加しない。そのため、乾燥器14出口のガスの温度が急上昇してしまう。一方、水に代えてラテックスの噴霧を開始する直前に、乾燥器14出口のガスの設定温度を下げ、送液ポンプ110の出力が上昇している状態で、ラテックスの噴霧を開始すれば、ラテックスの噴霧量は即座に増加を開始し、結果、乾燥器14出口のガスの温度の上昇を抑えることとなる。
また、乾燥器出口温度計120からの温度情報に基づく、制御部132による送液ポンプ110の出力の調整では、ラテックス噴霧量の変動によって引き起こされる圧力変化を極力小さくするために、噴霧量制御の追従能力は極力小さくしている。そのため、ラテックスの噴霧量はゆっくりと増加する。しかしながら、ラテックス噴霧時の水の蒸発量を速やかに水噴霧時の水の蒸発量と同じ、すなわち、ラテックスの水分率が50質量%の場合、ラテックスの噴霧量を速やかに水噴霧ステップ時の水の噴霧量の2倍にしなければ、乾燥器14出口のガスの温度が上昇しようとする。そこで、乾燥器14内へのラテックスの噴霧を開始した後、乾燥器出口温度計120からの温度情報に基づく、制御部132による送液ポンプ110の出力の調整を止め、送液ポンプ110の出力を記憶部128に記憶された所定の増加速度で制御部132によって強制的に上げていけば、乾燥器14出口のガスの温度の上昇を抑えることができる。
また、以上説明した循環式乾燥装置10の運転方法にあっては、ラテックスの乾燥を中断する際、ラテックスに代えて水の噴霧を開始する直前に、乾燥器14出口のガスの設定温度を、ラテックスの乾燥時における設定温度(70℃)よりも高い温度(75℃)に設定しているので、送液ポンプ110の出力が下降傾向にある状態で、水の噴霧を開始することができ、乾燥器14出口のガスの温度の急激な下降を抑えることができる。
すなわち、噴霧対象を単にラテックスから水に切り替えただけでは、水の噴霧量はラテックスの噴霧量と同じとなるので、ラテックスの水分率が50質量%の場合、水噴霧時の水の蒸発量は、ラテックス噴霧時の水の蒸発量の2倍となる。よって、水の蒸発に消費される熱が極端に多くなり、乾燥器14出口のガスの温度が急激に低下してしまう。一方、ラテックスに代えて水の噴霧を開始する直前に、乾燥器14出口のガスの設定温度を上げ、送液ポンプ110の出力が下降傾向にある状態で、水の噴霧を開始すれば、水の噴霧量は、乾燥ステップにて噴霧されていたラテックスの噴霧量よりも少なくなるので、水噴霧時の水の蒸発量は、噴霧対象を単にラテックスから水に切り替えた場合に比べ少なくなり、結果、乾燥器14出口のガスの温度の急激な低下を抑えることとなる。
また、送液ポンプ110の出力は、乾燥器14出口のガスの温度変化に応じて、上昇と下降とを繰り返している。もし、送液ポンプ110の出力が上昇傾向にあるときに、ラテックスに代えて水の噴霧を開始すると、送液ポンプ110の出力はすぐには下降傾向にならず、水の噴霧量はすぐには減少しない。そのため、乾燥器14出口のガスの温度が急激に低下してしまう。一方、ラテックスに代えて水の噴霧を開始する直前に、乾燥器14出口のガスの設定温度を上げ、送液ポンプ110の出力が下降傾向にある状態で、水の噴霧を開始すれば、水の噴霧量は即座に減少を開始し、結果、乾燥器14出口のガスの温度の急激な低下を抑えることとなる。
また、乾燥器出口温度計120からの温度情報に基づく、制御部132による送液ポンプ110の出力の調整では、ラテックス噴霧量の変動によって引き起こされる圧力変化を極力小さくするために、噴霧量制御の追従能力は極力小さくしている。そのため、水の噴霧量はゆっくりと減少する。しかしながら、水噴霧時の水の蒸発量を速やかにラテックス噴霧時の水の蒸発量と同じ、すなわち、ラテックスの水分率が50質量%の場合、水の噴霧量を速やかに乾燥ステップ時のラテックスの噴霧量の半分にしなければ、乾燥器14出口のガスの温度が急激に低下しようとする。そこで、乾燥器14内への水の噴霧を開始した後、乾燥器出口温度計120からの温度情報に基づく、制御部132による送液ポンプ110の出力の調整を止め、送液ポンプ110の出力を記憶部128に記憶された所定の減少速度で制御部132によって強制的に下げていけば、乾燥器14出口のガスの温度の急激な低下を抑えることができる。
そして、以上のように、乾燥器14内へのラテックスの噴霧を開始、中断、または再開したときの、乾燥器14出口のガスの温度および乾燥器14における水の蒸発量の変化を最小限に抑えることにより、循環式乾燥装置10内のガスの圧力の変化を抑えることができ、循環式乾燥装置10が緊急停止するなどのトラブルを防止できる。
なお、水噴霧ステップにおける乾燥器14出口のガスの設定温度は、ラテックスの乾燥時における設定温度よりも高ければよく、75℃に限定はされない。具体的には、ラテックスの乾燥時における設定温度よりも高く、後段のバグフィルターが悪影響を受けない温度よりも低い温度であり、好ましくはラテックスの乾燥時における設定温度+2〜10℃である。また、ラテックスの乾燥時における乾燥器14出口のガスの設定温度、および乾燥器14入口のガスの設定温度も、70℃および170℃に限定はされず、ラテックスの種類、噴霧量等にあわせて適宜設定すればよい。また、乾燥器14出口のガスの温度がラテックスの乾燥時における設定温度に近づくとは、ラテックスの乾燥時における設定温度から設定温度+1〜5℃までの範囲に入ることである。本形態例では、乾燥器14出口のガスの温度が70から72℃までの範囲である。
本発明の循環式乾燥装置の運転方法は、運転開始時において、乾燥器出口の温度および装置内の圧力を大きく変化させることなく、乾燥器内への乾燥対象物の噴霧を開始できる方法であるので、従来では困難であった運転開始時における循環式乾燥装置の自動運転を可能にする。
循環式乾燥装置の一例を示す概略構成図である。 循環式乾燥装置における制御装置の一例を示すブロック図である。 強制流量制御ステップにおける送液ポンプの出力の時間変化を示すグラフである。 乾燥器出口のガスの設定温度を下げずに噴霧対象を水からラテックスへ切り替えた場合の噴霧量および蒸発量の時間変化を示すグラフである。 乾燥器出口のガスの設定温度を下げた後に噴霧対象を水からラテックスへ切り替えた場合の噴霧量および蒸発量の時間変化を示すグラフである。 乾燥器出口温度に基づく送液ポンプ110の出力調整を行っている場合の送液ポンプの出力の時間変化を示すグラフである。
符号の説明
10…循環式乾燥装置、12…加熱器、14…乾燥器、34…制御装置(噴霧量自動調整手段)、36…加熱ガス流路(ガス循環手段)、38…排出ガス流路(ガス循環手段)、40…濾過ガス流路(ガス循環手段)、42…冷却ガス流路(ガス循環手段)、44…予熱ガス流路(ガス循環手段)、66…ラテックス供給管(供給手段)、68…水供給管(供給手段)、98…送風ファン(ガス循環手段)、100…排風ファン(ガス循環手段)、110…送液ポンプ(供給手段)、120…乾燥器出口温度計(噴霧量自動調整手段)

Claims (3)

  1. ガスを加熱する加熱器と、乾燥対象物を加熱されたガスによって乾燥する乾燥器と、蒸発した水を凝縮させる凝縮器と、これらの間でガスを循環させるガス循環手段と、乾燥器内へ乾燥対象物または水を噴霧する供給手段と、乾燥器出口のガスの温度が設定温度となるように供給手段から噴霧される乾燥対象物または水の噴霧量を自動的に調整する噴霧量自動調整手段とを有する循環式乾燥装置の運転方法であって、
    循環式乾燥装置の運転開始時に、乾燥器入口のガスの温度が乾燥対象物の乾燥時における設定温度に到達するまでの間、乾燥器出口のガスの設定温度を、乾燥対象物の乾燥時における設定温度よりも高く設定した状態で、乾燥器内に水を噴霧するステップと、
    乾燥器入口のガスの温度が乾燥対象物の乾燥時における設定温度に到達した後、乾燥器出口のガスの設定温度を、乾燥対象物の乾燥時における設定温度に設定し、水に代えて乾燥対象物の噴霧を開始するステップと
    を有することを特徴とする循環式乾燥装置の運転方法。
  2. ガスを加熱する加熱器と、乾燥対象物を加熱されたガスによって乾燥する乾燥器と、蒸発した水を凝縮させる凝縮器と、これらの間でガスを循環させるガス循環手段と、乾燥器内へ乾燥対象物または水を噴霧する供給手段と、乾燥器出口のガスの温度が設定温度となるように供給手段から噴霧される乾燥対象物または水の噴霧量を自動的に調整する噴霧量自動調整手段とを有する循環式乾燥装置の運転方法であって、
    乾燥対象物の乾燥中、乾燥器内への乾燥対象物の噴霧を一時中断する際に、乾燥器出口のガスの設定温度を、乾燥対象物の乾燥時における設定温度よりも高く設定した状態で、乾燥器内に乾燥対象物に代えて水を噴霧するステップと、
    乾燥器内への乾燥対象物の噴霧を再開する際に、乾燥器出口のガスの設定温度を、乾燥対象物の乾燥時における設定温度に設定し、水に代えて乾燥対象物の噴霧を開始するステップと
    を有することを特徴とする循環式乾燥装置の運転方法。
  3. 乾燥器内への乾燥対象物の噴霧を開始または再開した後、噴霧量自動調整手段による噴霧量の調整を止めて、乾燥対象物の噴霧量を所定の増加速度で増やしていくステップと、
    乾燥器出口のガスの温度が乾燥対象物の乾燥時における設定温度に近づいたとき、噴霧量自動調整手段による噴霧量の調整を再開するステップと
    をさらに有することを特徴とする請求項1または請求項2記載の循環式乾燥装置の運転方法。
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