JP2006067385A - 映像レイヤ決定装置および映像レイヤ決定方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 処理能力の異なる異種受信端末や異種サブネットが混在するネットワーク環境下においても、サブネットの所定の伝送帯域内において、サブネット内の複数の受信端末が満足するように映像レイヤを決定すること。
【解決手段】 受信端末609は、映像レイヤ決定装置として、サブネットにおいて階層マルチキャスト映像の受信に参加している受信端末の数及びクラスを判断し、受信端末のクラスに基づいて、採り得る映像レイヤのコストの合計値がそのサブネットの利用可能大域幅を超えない範囲で、採り得る映像レイヤ組合せを決定する。次に、各映像レイヤ組合せに対する総メリット値を求め、コストの合計値が当該サブネットの利用可能帯域幅に近づくような映像レイヤの組合せで、かつ、総メリット値が最大となる最適な映像レイヤの組合せを決定し、当該サブネットにおける他の受信端末608に通知する。
【選択図】 図6

Description

本発明は、インターネットまたはイントラネットシステムを介した映像情報の転送に関し、特に、コスト/メリット分析に基づいて異種受信端末間の全体要求を最大化するために、受信端末側で単一または複数のマルチキャスト映像レイヤを選択する映像レイヤ決定装置および映像レイヤ決定方法に関するものである。
インターネットがその規模と機能の双方において進歩するにつれて、リアルタイムのマルチメディア情報の配信を含めた多くのアプリケーションが現れ始めている。ユニキャスト(あるいは一対一)状況において、複数の受信端末に対してサーバまたは送信装置からマルチメディア情報を配信する従来方法では、多くの帯域リソースが消費される。サーバから複数の受信端末に対しては、複数の情報が送信される必要がある。よって、単一の情報が送られるインターネットプロトコル(IP)マルチキャスト(あるいは一対多)状況とは異なり、これは複数ユーザに対してマルチメディア情報を配信するのにより好適な方法である。
しかしながら、現在のインターネットは、異なる帯域幅を有する異種サブネットの集合体であり、また、異なる受信能力を有する端末の個機群であると見られている。単一レイヤのIPマルチキャストを用いて異種インターネットを介してマルチメディア情報を配信するのでは最適を下回ってしまう。つまり、仮に送信装置が高い要望を持って、高い送信レートでマルチメディア情報を送信した場合、伝送帯域の低いサブネットにおいてはネットワーク輻輳が生じる。これに対し、送信装置が控えめに低い送信レートでマルチメディア情報を送信したとすると、伝送帯域の広いネットワークにおいては、伝送帯域の大きさを十分に利用しきれない。この非効率を克服するために、階層化マルチキャスト方式が用いられる。
映像データの階層化マルチキャスト方式では、非圧縮映像データは、まずスケーラブルエンコーダを用いて、幾つかのレイヤのビットストリームに符号化される。これらの映像レイヤは、その性質として階層的なものであり、デコーダは、最初に第一のレイヤまたは基本レイヤを、それに続くレイヤまたは一般に拡張レイヤと呼ばれるレイヤが復号可能となる前に、受信する。これらの映像レイヤの各々は、異なる階層マルチキャスト映像伝送を介して送信され、IPネットワークであれば、例えば、クラスD IPアドレスにより識別される。
映像レイヤを受信するには、受信端末は当該レイヤを伝送するクラスD IPアドレスに参加することにより、階層マルチキャスト映像伝送に参加する。同様に、映像レイヤの受信を止めるには、受信端末は当該レイヤを伝送するクラスD IPアドレスから離脱することにより、階層マルチキャスト映像伝送への参加を止める。
そして、基本レイヤのみを受信することで、受信端末は、基本映像品質を得る。一以上の拡張レイヤを復号するための演算リソースに加え、十分なネットワーク帯域幅を受信端末が有する場合には、受信端末は、拡張レイヤを伝送する追加の階層マルチキャスト映像伝送に参加して、より高い映像品質を得ることができる。
各拡張レイヤは、追加のネットワーク帯域幅を消費し、受信端末に対してより高度な演算リソースを必要とする。この階層化マルチキャスト方式により、送信装置は基本レイヤを最も低い伝送帯域のリンクを満たす送信レートで送信し、さらに幾つかの拡張レイヤをより高い伝送帯域のリンクのためにより高い送信レートで送信することができる。より高い容量のリンクの受信端末は、より多くの拡張レイヤを受信して、より低い容量のネットワークに属する受信端末よりも良い映像品質を得ることができる。このように、階層化マルチキャスト方式は、広範囲のネットワーク帯域幅にまたがる異種受信端末に上手く適合する。
受信端末が受信する映像レイヤを決定するためには、レート制御方式が必要である。一般に、レート制御方式は、送信装置ベースのものと、受信端末ベースのものとに分けることができる。送信装置ベースのレート制御アプローチにおいては、レート制御動作は送信装置側で実行される。このアプローチの基本的な考えは、受信端末の受信状態を分析し、それにより最適値に送信レートを調節して、当該受信端末の要求を満たすことである。通常、この方式は、受信端末が送信装置に対して、その受信状況を通知するためのフィードバックアルゴリズムを必要とする。
受信端末ベースのアプローチでは、利用可能な帯域幅リソースがある場合、受信端末は映像ストリームの追加レイヤを受信するために階層マルチキャスト映像伝送に参加し、ネットワークが輻輳しているときには階層マルチキャスト映像伝送を離脱する。階層化マルチキャスト方式の場合には、通常は受信端末ベースのレート制御アプローチが用いられる。
初期の受信端末ベースのレート制御プロトコルの一つである受信端末主導型の階層化マルチキャスト(RLM)では、参加試行を行なって、ネットワーク輻輳状態を判断し、パケット損失率がある閾値を超えた場合、ネットワークが輻輳していると判断して、受信端末は映像レイヤを離脱する。しかしながら、パケット損失率が微小である場合には、輻輳状態でないと判断し、受信端末は別のレイヤを受信することで、別の参加試行を実行する。
また、その他に、受信端末ベースのレート制御プロトコルとして、パケットペア受信端末主導型階層化マルチキャスト(PLM)がある。受信端末に輻輳のトランジェント期間に繋がる参加実験を実行させてネットワークの輻輳状態を推断させる代わりに、パケットがペアで送られ、受信端末はこのパケットペア間の時間インターバルを測定することにより、利用可能なネットワークの伝送速度等を推定する。そして、受信端末は、階層化マルチキャスト(RLM)と同様に、ネットワークの輻輳状態に基づいて、受信すべき映像レイヤを決定する。
また、従来の映像レイヤ決定装置として、ネットワークを介して多数の受信端末と同時にデータ通信を行う場合に、各受信端末がそれぞれの受信環境に適した受信レート及びエラー耐性を選択することにより、良好な通信品質を実現し、マルチキャスト環境においてリアルタイムな動画メディアを配信可能としたものがある(例えば、特許文献1参照。)。
特開2001−45098号公報
しかし、上述の従来の受信端末ベースのレート制御方式では、レイヤ選択処理は、単に映像レイヤ受信数を最大化すること、または受信ビットレートを最大化することが目的とされており、全ての異種受信端末が同一の処理能力及び要求を有するものではないことから、このレイヤ選択処理では、異種受信端末や、異種サブネットが混在する場合には、不十分である、という課題がある。
また、前記特許文献1記載の従来技術では、各端末が受信試行してエラー率を測定し、レイヤ選択を行っているため、受信試行の際にネットワークの輻輳が発生する場合があり、現実的でない、という問題がある。
また、受信端末毎に最適化する局所最適の手法であるため、複数端末には適用できないと共に、各端末の同期がどれないため、ネットワークの支流に行くに従って端末が増大するようなマルチホップネットワークには上手く対応できない、という問題もある。
従って、異種受信端末の要求またはニーズを最大化する新規なレイヤ選択処理が提供されることが切に望まれる。
そこで、本発明は、処理能力の異なる異種受信端末や、異種サブネットが混在するネットワーク環境下において、サブネットの所定の伝送帯域内において、サブネット内の複数の受信端末が満足するように映像レイヤを決定することができる映像レイヤ決定装置および映像レイヤ決定方法、を提供することを目的とする。
前記目的を達成するため、本発明では、所定の帯域幅を有するサブネット内の複数の受信端末に対し映像を配信する際、前記複数の受信端末に配信する映像レイヤの組合せを決定する映像レイヤ決定方法であって、前記複数の受信端末がそれぞれ受信可能な映像レイヤの優先度を示すメリット値を合計して総メリット値を求めると共に、前記複数の受信端末が受信可能な映像レイヤの映像を受信するのに必要な帯域幅を示すコスト値を合計して総コスト値を求め、前記総コスト値が前記サブネットの利用可能帯域幅を越えず、かつ、前記総メリット値が最大になるような映像レイヤの組合せを決定する、構成を採る。
本発明によれば、処理能力の異なる異種受信端末や、異種サブネットが混在するネットワーク環境下において、サブネットにおける所定の伝送帯域内において、複数の受信端末が満足するように映像レイヤを決定することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
実施の形態1.
映像階層化マルチキャストアプリケーションでは、非圧縮映像データはスケーラブルビデオエンコーダを用いて、幾つかのレイヤの映像ビットストリームに符号化される。本発明におけるマルチキャスト映像は、MPEG2ビットストリーム、MPEG4ビットストリーム、モーションJPEGビットストリーム、H.261またはH.263、さらにはH.264(MPEG4part10/AVC)ビットストリーム等、その他などの階層化符号化方式に限定されるものではない。
図1は、本実施の形態1におけるMPEG4スケーラブルコーデックの映像階層化構造を示す。
図1に示すMPEG4スケーラブルコーデックにて符号化および復号されるスケーラブル映像は、例えば、128kbpsの基本レイヤ(BL)101と、100kbps、400kbps、1500kbpsの転送速度を持つ3つの拡張レイヤ(EL)102の階層から構成されている。
基本レイヤ(BL)101は、基本となる映像品質を提供するもので、全ての受信端末が受信して復号再生するものである。拡張レイヤ(EL)102は、この基本レイヤ(BL)101となる基本映像に対する画質等の向上を提供するものである。
基本レイヤ(BL)101と、拡張レイヤ(EL)102とは、それぞれ、さらにフレーム内符号化のイントラ(I)フレーム103と、片方向予測フレーム間符号化のインター(P)フレーム104とに細分される。
イントラ(I)フレーム103の情報を伝達する映像レイヤは、受信端末に対して、4つの階層マルチキャスト映像伝送、すなわち、基本レイヤであるレイヤ105(Layer0)、及び3つの拡張レイヤ、すなわちレイヤ106(Layer1)、レイヤ107(Layer2)、レイヤ108(Layer3)を通じて送信される。
同様に、インターフレーム104の情報を伝達する映像レイヤは、受信端末に対して、別の4つの階層マルチキャスト映像伝送、すなわち、基本レイヤであるレイヤ109(Layer4)、及び3つの拡張レイヤ、すなわちレイヤ110(Layer5)、レイヤ111(Layer6)、レイヤ112(Layer7)を通じて送信される。
映像レイヤをこのように分割することにより、受信端末は、ローカルネットワークの受信帯域幅、及び受信端末の処理能力に基づいて、受信する映像レイヤを決定し、最適な映像受信を行うことができる。
図2は、実施の形態1に係る映像レイヤ決定装置を採用した階層化マルチキャストネットワーク200の構成例を示す図である。
図2において、この階層化マルチキャストネットワーク200は、送信装置201、ルータ211〜215、及び受信端末(図上では、Rにより示す。)202、203、204、205から構成される。
送信装置201は、全ての映像レイヤを、異種リンクを有する受信端末のネットワークに対して同時送信するものである。各々の映像レイヤはそれぞれ1つのマルチキャストレイヤに割当てられる。
受信端末202は、上流リンクである2つの10/100Mbpsイーサネット(登録商標)206及び207と、ルータ211及び213とを介して送信装置201に接続されており、全ての映像レイヤを受信して、高品質の映像を受信するための十分な帯域幅および処理能力を有するものである。
受信端末203は、1.544MbpsのT1コネクション208による制限から、IフレームBL、PフレームBL、IフレームELの映像レイヤまでを受信するのが一杯の帯域幅を有しているものである。なお、IフレームBLとは、基本レイヤ(BL)のイントラ(I)フレームのことをいい、PフレームBLとは、基本レイヤ(BL)のインター(PまたはB)フレーム、IフレームELとは、拡張レイヤ(EL)のイントラ(I)フレームのことをいう。このことは、以下でも同様である。
受信端末204は、10/100Mbpsイーサネット(登録商標)209に直接繋がれているものの、その上流リンクにあたる1.544MbpsのT1コネクションリンク208がボトルネックとなってしまう点に注目することが重要である。結果として、この受信端末204は、上流リンクの1.544MbpsのT1コネクションリンク208による制限により、受信端末203と同様の映像レイヤを受信するものである。
ネットワーク200における最後の受信端末205は、最も低速のリンクである256KbpsのADSL210に接続されている。その帯域幅が限られていることから、受信端末205は、IフレームBL及びPフレームBLを伝送する映像レイヤのみ受信できるものである。
受信端末202〜205は、受信端末主導型の階層化マルチキャスト(RLM)などの受信端末ベースのレート制御プロトコルを適用して受信する映像レイヤの数を決定することができる。つまり、受信端末202〜205は、参加実験を実行して、一時に一つの映像レイヤを受信して、ネットワークの輻輳状態を監視する。各参加実験の後、受信端末202〜205は、参加期間に亘るパケット損失率を監視する。パケット損失率がある閾値を超えた場合、受信端末202〜205は参加実験の間に受信した映像レイヤを離脱する。しかしながら、パケット損失率が微小である場合には、受信端末202〜205は追加レイヤのための別の参加実験を実行する。
映像レイヤ受信数、または受信ビットレートを最大化する、その種のレート制御プロトコルは、全ての受信端末202〜205の能力が均質である場合に、映像階層化マルチキャストアプリケーションにおいて上手く機能する。全ての受信端末202〜205が同一の能力及びニーズを有するという仮定は、現実的なものではない。
例えば、階層化マルチキャストネットワーク200を一例として説明すると、リンクの他ネットワークのトラフィックの増加により、例えば、1.544MbpsのT1リンク208が輻輳しており、利用可能帯域幅が256kbpsに低下していると仮定する。すると、1.544MbpsのT1リンク208は、基本レイヤ(BL)101のIフレーム103を伝送する一つの映像レイヤと、基本レイヤ(BL)101のPフレーム104を伝送する一つの映像レイヤとの組み合わせ、あるいは基本レイヤ(BL)101のIフレーム103を伝送する一つの映像レイヤと、拡張(EL)レイヤ102のレイヤ(1)のIフレーム106を伝送する第一の拡張レイヤとの、二つの映像レイヤ選択の組合せのみをサポートすることができる。
仮に、受信端末203、204、205が同一の処理能力と、同一の映像レイヤのニーズを有する場合、前記の映像レイヤ選択の組合せのうち何れか一つが3つの受信端末203、204、205全ての要求を満たす。しかしながら、受信端末がその性質上、異種である場合には、映像レイヤのニーズに不一致が生じる。本発明の実施の形態1では、ローカルのサブネットの受信帯域幅を超えることなく、コスト/メリット分析に基づいて、異種受信端末間のニーズまたは要求を最大化する新規なレイヤ選択処理を提供するものである。
ここで、受信端末202〜205は、その性質上は、異種であるものの、処理能力に基づいて、同様の処理能力のクラス毎にグループ分けすることができる。処理能力とは、同様の範囲のハードウェア的制限、例えば、ディスプレイのサイズ、もしくはディスプレイパネルの質(解像度)、または同様の範囲の処理能力、例えば、CPU速度、メモリ(RAM)、ハードデイスク容量等を指すものとして用いられる。
なお、受信端末202〜205、およびルータ211〜215は、後述するように、映像レイヤ決定装置であるサブネットエージェント(SA)として機能することが可能であるもので、図示はしないが、CPU、メモリ(RAM)、通常の映像再生装置として機能するためのアプリケーションプログラムや、サブネットエージェント(SA)として機能させるためのプログラムが格納されたハードデイスクまたはメモリ(ROM)、ディスプレイ等を有している。送信装置201も、同様に、CPU、メモリ(RAM)、プログラムが格納されたハードデイスクまたはメモリ(ROM)、ディスプレイ等を有している。
図3に、受信端末202〜205のクラス301と、その処理能力302との一例をリストにより示す。
受信端末202〜205のグループ分けは、例えば、受信端末202〜205のディスプレイサイズや、受信端末の処理能力、受信端末が復号することができる前記映像レイヤのクラス、映像品質、例えば、滑らかな動き、画像解像度、SNR、誤り耐性等についてのユーザ優先嗜好、等の基準のうちいずれか1つ又は2以上の組合せに基づいて行う。ここでは、以下の通り、受信端末を、クラスA〜Fにグループ分けした。
クラスAは、全ての映像レイヤ、すなわち基本レイヤ(BL)と、全拡張レイヤ(EL)を復号する能力を有する、高速のCPU処理速度、大容量のメモリ、そして高解像度等の良質のディスプレイパネルを備えた高速のパーソナルコンピュータのクラスが当てはまる。
クラスBは、全てのレイヤを復号する能力は有しない、中速のCPU処理速度、良質のディスプレイパネルを有している、中速のパーソナルコンピュータのクラスが当てはまる。良いディスプレイパネルを有していることから、クラスBの受信端末では、時間拡張レイヤよりも、空間拡張レイヤによる、より大きなビデオ画像の方が望まれる。その結果、クラスBは、IフレームBL、PフレームBL、IフレームSNREL、PフレームSNREL、空間ELの映像レイヤが復号可能である。
一方、クラスCの受信端末は、中速のCPU処理速度を有するものの、あまり高解像でない劣質のディスプレイパネルを有しているので、時間拡張レイヤを受信することにより、より高速なフレームレートの方が望まれる。その結果、クラスCは、IフレームBL、PフレームBL、IフレームSNREL、PフレームSNREL、時間ELの映像レイヤが復号可能である。
個人用携帯型情報端末(PDA)等は、低速度の処理能力を有するクラスD,Eのクラスが当てはまる。
ただし、クラスDの受信端末は、高解像度の画像を表示する能力を有する良いディスプレイパネルを有していることから、クラスDの受信端末では、IフレームBLと、IフレームSNRELの両方を受信することにより、フレームレートよりも、より良い映像品質を得る方ことができる。
一方、クラスEの受信端末は、高解像度の画像を表示する能力を有しない劣質のディスプレイパネルを有しているので、より高速なフレームレートの方が望まれ、IフレームBLと、PフレームBLと、時間EL(第1番目レイヤ)を復号可能である。
最後に、クラスFの受信端末は、拡張レイヤ(EL)のためのデコーダを有しない受信端末を指している。よって、これは、IフレームBLと、PフレームBLの基本レイヤ(BL)を復号できるのみである。
次に、本実施の形態1で行われるコスト/メリット分析の原理について説明する。
コスト/メリット分析の原理は、ローカル受信帯域幅内にある、採り得る映像レイヤ選択の組合せのリストを決定することである。各映像レイヤの組合せの総メリット値は、サブネット内の全ての受信端末による映像レイヤのメリット値を累算したものとなる。最も高い総メリット値を有する組合せが選択される。コスト/メリット分析は、クラス毎に取り得る全ての映像レイヤの総コスト値と、総メリット値とに主として依存する。
各映像レイヤのメリット値は、各受信端末の要望(ニーズ)ないしは要求を表わしている。これらの値は受信端末の処理能力302及び優先度の値から導かれる。受信端末の処理能力302は、復号できる映像レイヤを決定する。優先度の値は復号される映像レイヤの優先順位を表わしている。そして、各映像レイヤのメリット値は、サブネット毎に同じ映像レイヤでも、値を変えても良い。例えば、エラーの多いサブネットでは、他のサブネットの場合より、SNR拡張レイヤ(EL)のメリット値を下げたり、あるいはエラーコンシールメント拡張レイヤのメリット値を上げるようにする。また、後述するように、サブネット毎に、各映像レイヤのメリット値の重みを変えるようにしても良い。
また、各映像レイヤのコスト値は、その映像レイヤを受信するために消費する帯域幅を表している。各映像レイヤのコスト値は、セッション記述プロトコル(SDP)等を介し各映像レイヤから取り出したビットレート情報を用いることにより算出したり、あるいは、予め設定されているビットレートレート情報を用いることにより算出するようにする。
図4に、本実施の形態1における各クラスの受信端末が採り得る映像レイヤと、映像レイヤに対する優先度値とを示す優先度テーブル400の一例を示す。
図4において、本実施の形態1の階層化マルチキャストにおける利用可能な映像レイヤの映像レイヤ410としては、優先度テーブル400に示すように、IフレームBL411、PフレームBL412、IフレームSNR(Signal to Noise Ratio)EL(第1番目レイヤ)413、IフレームSNREL(第2番目レイヤ)414、IフレームSNREL(第3番目レイヤ)415、PフレームSNREL(第1番目レイヤ)416、PフレームSNREL(第2番目レイヤ)417、PフレームSNREL(第3番目レイヤ)418、空間EL(第1番目レイヤ)419、空間EL(第2番目レイヤ)420、時間EL(第1番目レイヤ)421、時間EL(第2)番目レイヤ)422、の12種の映像レイヤを設けている。
また、受信端末のクラス401としては、優先度テーブル400に示すように、クラスA402〜クラスF407の6つのクラスがある。各クラスA〜Fは、それぞれ、復号することのできる映像レイヤの優先度値を設定している。優先度の値は、1〜4の4段階で設定されており、より低い優先度を有するレイヤに対して、より高い優先度を有する映像レイヤが優先的に志向、すなわち選択されるようにしている。なお、IフレームBL411は、全ての受信端末にとって必須の基本レイヤであるので、これに対する優先度値は設けられていない。
映像レイヤ410は、その性質上、累層的なものであるので、上位のレイヤは、それより下位のレイヤよりも高い優先度値を有する。
例えば、クラスA402の受信端末では、IフレームSNREL(第1番目レイヤ)413は、PフレームSNREL(第1番目レイヤ)416と同一の優先度値“3”を有している。このことは、クラスAの受信端末は、IフレームBL411及びPフレームBL412を伝送する映像レイヤに参加した後、IフレームSNREL(第1番目レイヤ)413は、PフレームSNREL(第1番目レイヤ)416の何れかのレイヤを受信する場合については、同一の優先度を有することを意味する。
また、クラスD405の受信端末では、クラスD405の受信端末に対する優先度値が、図3の処理能力302に記載されているように、Iフレームのみ復号でき、Pフレームを復号することができないことから、Iフレームのみを伝送するレイヤに対して優先度“3”、“2”、“1”を設定している。
そして、各クラスの受信端末に対して各々、映像レイヤの優先度値が決定された後、全てのクラス間の公平性を確実に得るために、各映像レイヤの優先度値は正規化される。正規化された各映像レイヤの優先度値がメリット値である。
各映像レイヤの優先度値の正規化処理のため、各クラスA〜Fの総優先度値が決定される。総優先度値PT,xは、下記の(式1)に示すように個々の優先度値Px(i)の合計である。
Figure 2006067385
ここで、xはクラスA〜Fのクラスを表わし、iは異なる映像レイヤを、mは受信端末が復号することのできる映像レイヤの数を表わす。
各映像レイヤのメリット値Mi,xは、以下の(式2)に示すように、個々の優先度値を正規化した値である。
Figure 2006067385
図5に、各クラスA402〜クラスF407の優先度値より導出した各クラスの受信端末が採り得る各映像レイヤのコスト/メリット値を示すコスト/メリットテーブル500の一例を示す。
各映像レイヤ410〜422のコスト値は、各映像レイヤ410〜422の映像伝送のために消費される帯域幅を表わし、正数で表わされている。例えば、コスト値1は、100kbpsを表わす。各クラスA402〜クラスF407において、各クラス毎に、選択した映像レイヤのコスト値の合計は、ローカルの伝送帯域幅を超えないように設定する。
例えば、クラスAのコスト値の合計、すなわちクラスAの受信端末が受信する映像レイヤに消費される帯域幅は、図4に示すように、IフレームBL411〜時間EL(第二番目レイヤ)422を受信するので、それらのコスト値を合計すると、図5に示すように、1.28+1.28+1.28+2.56+5.12+1.28+2.56+5.12+1.28+2.56+1.28+2.56=28.16となり、消費される伝送帯域は2816kbpsとなる。
同様に、クラスBのコスト値の合計は24.32で、消費される伝送帯域は2423kbps、クラスCのコスト値の合計は、20.48で、消費される伝送帯域は2048kbps、クラスDのコスト値の合計は、10.24で、消費される伝送帯域は1024kbps、クラスEのコスト値の合計は、3.84で、消費される伝送帯域は384kbps、クラスFのコスト値の合計は、2.56で、消費される伝送帯域は256kbpsとなる。
また、各クラスA402〜クラスF407において、各クラス毎に、全てのメリット値の合計は、1となるように正規化されている。なお、IフレームBLは、全ての受信端末が受信して復号する映像レイヤであるため、メリット値は、設定されない。
次に、コスト/メリット分析を用いた映像レイヤ選択処理について、簡単な階層化マルチキャストネットワークを一例にして説明する。
図6に、コスト/メリット分析を用いた映像レイヤ選択処理について説明するための階層化マルチキャストネットワーク600の簡単な一例を示す。
図6において、この階層化マルチキャストネットワーク600は、送信装置601と、ルータ602〜604、受信端末608,609より構成されている。
ルータ602は、10/100Mbpsのイーサネット(登録商標)607を介して、送信装置601に接続されており、さらに1.544MbpsのT1リンク605及び606を介して、他の2台のルータ603及び604が接続されている。
ルータ604に接続されたクラスAの受信端末609は、図5を参照して優先度の値の大きい順に述べると、図6に示すように、映像レイヤ411、412、413、416、414、417、419、421、420からなるレイヤ組合せC1を受信することを優先的に望むものとする。
また、ルータ604に接続されたクラスDの受信端末608は、図5を参照して優先度の値の大きい順に述べると、図6に示すように、映像レイヤ411、412、414及び415からなるレイヤ組合せC2を受信することを優先的に望むものである。
ここで、ルータ604、受信端末608,609によりサブネットを構成しており、クラスAの受信端末609は、クラスDの受信端末608よりクラスが上で処理能力が高いので、このサブネットにおける映像レイヤ決定装置であるサブネットエージェント(SA)として機能する。
図7に、クラスAの受信端末609、及びクラスDの受信端末608のレイヤ選択と、それにより生じるコスト/メリット値を示す。
この場合、最大帯域幅を示すコスト値の合計は、最大20(小数点切り捨て)とする。この制限の下では、同一サブネット内のクラスAの受信端末609と、クラスDの受信端末608との間には、映像レイヤ組合せC1、C2における要望の不一致が生じる。
つまり、図7に示すように、クラスAの受信端末609の受信希望の映像レイヤ411、412、413、416、414、417、419、421、420を優先させた映像レイヤ組合せC1の場合、コスト値の合計が20(小数点切り捨て)という制限の下では、クラスDの受信端末608は、映像レイヤ411、413、414のみ受信可能である。
これに対し、クラスDの受信端末608の受信希望の映像レイヤ411、413、414及び415を優先させた映像レイヤ組合せC2の場合、コスト値の合計が20(小数点切り捨て)という制限の下では、クラスAの受信端末609は、レイヤ411、413、414、415のみ受信可能である。
図7に示す映像レイヤ組合せC1,C2を比較すると、最大帯域幅を示すコスト値の合計が20(小数点切り捨て)の場合を示しており、映像レイヤ組合せC1の場合、クラスAの受信端末609のコスト/メリット値は、15.36/0.865となり、クラスDの受信端末608のコスト/メリットは、5.12/0.833となる。
これに対し、映像レイヤ組合せC2の場合、クラスAの受信端末609のコスト/メリット値は、10.24/0.273となり、クラスDの受信端末608のコスト/メリット値は、10.24/1.0となる。
この結果、映像レイヤ組合せC1の場合、メリット値の合計が、0.865+0.833=1.698(メリット値701と702との合計)であるのに対し、映像レイヤ組合せC2の場合、メリット値の合計が、0.273+1.0=1.273(メリット値703と704との合計)であるので、メリット値の合計の大きい映像レイヤ組合せC1の方を、最適映像レイヤ組合せとして選択することになる。
尚、何れの映像レイヤ組合せC1、C2を選択するかの決定は、このサブネットのサブネットエージェント(SA)である受信端末609が当該サブネット内のコスト/メリット分析を実行することにより行う。サブネットエージェント(SA)についてのより詳細な説明は、本実施の形態において、後で述べる。
図8に、コスト/メリット分析に基づく映像レイヤ組合せ選択処理のフローチャートを示す。
サブネットエージェント(SA)である受信端末609は、まず、最初のステップ801により、そのサブネットにおいて、階層マルチキャスト映像の受信に参加しており、当該映像レイヤ組合せ決定処理において影響を受ける受信端末の数、及びクラスを判断する。
次に、サブネットエージェント(SA)である受信端末609は、次のステップ802により、前のステップ801で得られた受信端末のクラスに基づいて、映像レイヤのコストの合計値がそのサブネットの利用可能大域幅を超えない範囲で、採り得る映像レイヤ組合せの候補を決定する。
つまり、サブネットエージェント(SA)は、採り得る各映像レイヤ組合せに対する総コスト値BWが、そのサブネットの最大利用可能な帯域幅BWを超えることがないようコスト分析を実行して、採り得る映像レイヤ組合せの候補を決定する。
そして、次のステップ803にて、各映像レイヤ組合せに対し、下記の(式3)により全ての受信端末の希望レイヤのメリット値Mx,c(i)を合計することにより、各映像レイヤ組合せに対する総メリット値MT,cをを求める。
Figure 2006067385
ここで、Nはコスト/メリット分析対象の受信端末数を表わし、xは受信端末のクラスを、cは映像レイヤ組合せを、NX,cは各受信端末のクラス及び各映像レイヤ組合せに対するレイヤ数を表わす。
また、本実施の形態では、受信端末のメリット値に重みを付けるため、重み係数であるパラメータWをメリット値に乗算している。これは、通常の受信端末では、Wは1である(W=1)が、管理端末である受信端末や、またはサービスに対して料金や、より高いプレミアム等を支払ったユーザに対しては、そのレイヤ選択を優先させるために、1よりも大きな重み付け、例えば、W=1.5または2.0、2.5、・・・等を付けて、レイヤ選択を優先させるようにする。このように映像レイヤ毎にメリット値に重みを付けた場合も、全てのクラス間の公平性を確実に得るために、各受信端末のクラスごとに重みを付けたメリット値の合計値を算出して正規化する。なお、この優先度の設定は、本実施の形態、本発明において、必須のものではない。
そして、このステップ803の総メリット値の計算処理は、レイヤ選択として全ての採り得る映像レイヤ組合せに対して繰り返され実行される。
そして、ステップ804において最大の総メリット値が検出された場合、ステップ805においてその映像レイヤ組合せが選択される。
その際、映像レイヤ決定装置、すなわちサブネットエージェント(SA)である受信端末は、サブネット内に存在する複数の受信端末が採り得る映像レイヤの組合せを決定する際、コストの合計値が当該サブネットの利用可能帯域幅に近づくように映像レイヤの組合せを繰り返し探して、総メリット値が最大となる最適な映像レイヤの組合せを決定する。
つまり、サブネットエージェント(SA)、すなわち映像レイヤ決定装置である受信端末は、サブネット内の受信端末の数およびクラスを特定し、当該サブネット内の各受信端末が採り得る映像レイヤ組合せを決定して、その各映像レイヤ組合せに対する前記総メリット値および総コスト値を計算し、その総コスト値が当該サブネットの利用可能帯域幅を越えず、かつ、その総メリット値が最適になるような映像レイヤの組合せを決定する。尚、総メリット値が最適とは、サブネットの利用可能帯域幅内で総メリット値が最大の場合だけでなく、サブネットの利用可能帯域幅内で総メリット値が最大より小さい場合でも良い。
このようにして、図7に示す映像レイヤ組合せの場合、映像レイヤ組合せC1のコスト/メリット分析から得られる総メリット値は、1.698(メリット値701と702との合計)である一方、映像レイヤ組合せC2のコスト/メリット分析から得られる総メリット値は、1.273(メリット値703と704との合計)となり、図7に示す映像レイヤ組合せC1、C2の場合、総メリット値の大きい映像レイヤ組合せC1を選択することにより、クラスA、Dの受信端末608,609の満足度が最大化される。
つまり、映像レイヤ組合せC1を選択することにより、クラスAの受信端末609は、基本レイヤ411と、優先度が2以上の拡張レイヤで412、414、416、417、419〜421までの全9つの映像レイヤを受信することができる。また、クラスDの受信端末608は、基本レイヤ411と、優先度が2以上の拡張レイヤで413、414との3つの映像レイヤを受信することができる。
次に、本発明の映像レイヤ決定装置に相当するサブネットエージェント(SA)について説明する。
コスト/メリット分析に基づいた映像レイヤ選択処理は、サブネット内の全ての受信端末のニーズを最大化することを目的とする。しかしながら、サブネットにおける他の受信端末からの協力を必要とする。全ての受信端末は、コスト/メリット分析によりなされる決定に従うものとする。受信端末間の受信レイヤの決定は、サブネットエージェント(SA)が行う。サブネットエージェント(SA)は、コスト/メリット分析を実行すること、総メリット値を計算すること、追加または削除するレイヤを決定すること、及びマルチキャストレイヤの参加、離脱を同期させることをその役目とする特別に選ばれた受信端末である。
その結果、サブネット内には、少なくとも一つのサブネットエージェント(SA)が存在しなければならない。この役割は、それほど処理リソースを必要とするものではないが、サブネット内にて最も高速の処理能力を有する受信端末(ルータも含む)がその役割を実行するのが望ましい。
本実施の形態1の場合、サブネットエージェント(SA)の決定については、以下の規則が守られなければならない。
(1)サブネット内には、ただ一つのサブネットエージェント(SA)が存在していなくてはならない。ここで、サブネットとは、1のルータにより接続された受信端末等からなるネットワークをいう。
(2)階層マルチキャスト映像伝送に参加するサブネット内の最初の受信端末は、サブネットエージェント(SA)になる。
(3)サブネットエージェント(SA)は、サブネット内において最速の処理能力を有するクラスに属するものであることが望ましい。
(4)サブネットエージェント(SA)は、サブネット内の総メリット値を計算し、それにより何れのレイヤを追加または削除すべきかの決定を下す役割を負う。
(5)サブネットエージェント(SA)は、この決定をサブネット内の全ての受信端末に対して知らせなければならない。このようにして、サブネット内の全ての異種受信端末が受信する映像レイヤは同期される。
図9は、サブネット内のサブネットエージェント(SA)である受信端末と、他の受信端末との間のメッセージシーケンスを示す。
新たな受信端末901が階層化マルチキャスト映像レイヤの受信に参加する場合は、図9に示すように、参加(ENTER)メッセージをサブネット内の全端末に対し通知すると共に、受信端末901がどのクラスであるか、自身のクラス情報を通知する。ここで、新たな受信端末901がサブネット内の唯一の受信端末であり、タイムアウト期間(ttimeout)内に当該サブネット内の他の受信端末から肯定応答の返事を受けない場合には、このサブネット内には、他の受信端末が存在しないということなので、新たな受信端末901がサブネットエージェント(SA)の役割を引き受ける。
このように、サブネットに参加する受信端末901が当該サブネット内の他の受信端末に対し参加(ENTER)メッセージを同報し、所定時間インターバルの後に当該サブネット内の他の受信端末から返信がない場合は、参加(ENTER)メッセージを送信した受信端末が、サブネットエージェント(SA)の役割を引き受け機能する。
図10は、サブネットエージェント(SA)より低いクラスの新たな受信端末902が階層化マルチキャスト映像レイヤの受信に加わる場合のメッセージシーケンスを示している。
より低速の処理能力の受信端末902が階層化マルチキャスト映像レイヤの受信に加わる場合、サブネットエージェント(SA)903は、図10に示すように、サブネットエージェント(SA)903より低速の受信端末902からどのクラスであるかを示すクラス情報を含む参加(ENTER)メッセージを通じて、その参加に気付くこととなる。
そして、サブネットエージェント(SA)903は、その参加(ENTER)メッセージを受信して、自身903と、新たな受信端末902のクラス情報を比較する。この場合、新たな受信端末902は、サブネットエージェント(SA)903よりも低いクラスであるので、サブネットエージェント(SA)903は、新たな受信端末902に対しACKメッセージを返信することにより、サブネットエージェント(SA)903の存在を知らされることとなる。
その後、サブネットエージェント(SA)903は、新たな受信端末902の参加によるサブネットの内の受信端末数カウントをインクリメントすると共に、新たな受信端末902のクラス情報を、そのサブネットの受信端末のクラス情報を管理するローカルリスト(図示せず)等に追加する。なお、ローカルリスト(図示せず)とは、サブネットエージェント(SA)903が所有ないしは管理するもので、そのサブネットの内の受信端末と、そのクラス情報とを対応させて記憶させたテーブルで、サブネットエージェント(SA)903のメモリ等に記憶されている。
また、これと同様に、受信端末902が、そのサブネット内の階層化マルチキャスト映像レイヤの受信を離脱する場合は、受信端末902が離脱(LEAVE)メッセージを他の全ての受信端末に対し通知するので、サブネットエージェント(SA)903は、その離脱(LEAVE)メッセージを受信して、受信端末数カウントを1減少させ、離脱した受信端末のクラス情報をローカルリスト(図示せず)等から削除する。
このように、映像レイヤ決定装置であるサブネットエージェント(SA)903は、サブネット内において処理能力の高い受信端末であり、サブネット内の受信端末の数およびクラスを特定する際、サブネットに新規に参加した受信端末から参加(ENTER)メッセージを受信した場合、そのサブネットにおける受信端末数を増加し、前記参加(ENTER)メッセージから参加した受信端末のクラス情報を、そのサブネットの受信端末のクラス情報を管理するローカルリストに追加する一方、サブネットから離脱する受信端末から離脱メッセージを受信したとき、そのサブネットにおける受信端末数を減少し、前記離脱メッセージから離脱した受信端末のクラス情報をローカルリストから削除する。
そして、サブネットエージェント(SA)903は、次に詳述するように、サブネットエージェント(SA)903より処理能力の高いクラスの受信端末が当該サブネットに参加した場合は、そのより処理能力の高いクラスの受信端末にサブネットエージェント(SA)903としての役割を委譲する一方、サブネットエージェント(SA)903として機能していた受信端末が当該サブネットから脱退する場合、当該サブネットにおいて次に処理能力の高い他の受信端末907にサブネットエージェント(SA)903としての役割を委譲する。
図11は、サブネットエージェント(SA)より高いクラスの新たな受信端末904が階層化マルチキャスト映像レイヤの受信に加わる場合のメッセージシーケンスを示している。
図11において、より高いクラスの受信端末904が階層化マルチキャスト映像レイヤの受信に参加し、受信端末904の端末クラス情報を含む参加(ENTER)メッセージをそのサブネット内の他の受信端末に一斉通知すると、サブネットエージェント(SA)903は、その参加(ENTER)メッセージを受信して、自身903と、新たな受信端末904から受信した端末クラス情報とを比較する。
その結果、新たな受信端末904がサブネットエージェント(SA)903より高い処理能力を有することを検出すると、サブネットエージェント(SA)903は、サブネット内の受信端末数、クラス情報、レイヤ選択を含む委譲(DELEGATE)メッセージを新たな受信端末904に対し送り、サブネットエージェント(SA)903の役割を当該新たな受信端末904に委譲する。
そして、新たな受信端末904は、委譲(DELEGATE)メッセージを受信してサブネットエージェント(SA)の役割の引き継ぎを了承すると、ACKメッセージを返信して、サブネットエージェント(SA)の役割を引き継ぐ。
このように、サブネットエージェント(SA)は、サブネットにおける映像レイヤの受信に新たに参加した受信端末からの参加(ENTER)メッセージから新たに参加した受信端末のクラス情報を取り出し、新たに参加した受信端末のクラス情報と、当該サブネットエージェント(SA)のクラス情報とを比較し、前記新たに参加した受信端末のクラスが当該サブネットエージェント(SA)のクラスより高い場合には、新たに参加した受信端末に委譲(DELEGATE)メッセージを送って、映像レイヤ決定装置であるサブネットエージェント(SA)の役割を委譲する。
図12は、サブネットエージェント(SA)903が自ら階層化マルチキャスト映像レイヤの受信から退去することを希望する場合のメッセージシーケンスを示している。
サブネットエージェント(SA)903が、自ら階層化マルチキャスト映像レイヤの受信を終了することを希望する時は、図12に示すように、退去(EXIT)メッセージをそのサブネット内の他の受信端末907、908に一斉通知する。
サブネット内の全ての受信端末907及び908が、サブネットエージェント(SA)903からの退去(EXIT)メッセージを受けると、サブネットエージェント(SA)903の要求に対してACKメッセージを返信する。
そして、現在のサブネットエージェント(SA)903は、自らが階層化マルチキャスト映像レイヤの受信を終了するに先立ち、当該サブネット内の全ての受信端末907及び908の処理能力(クラス)や信頼性を判断して、最も高いクラスの受信端末、この場合では、受信端末907に対して委譲(DELEGATE)メッセージを送信して、サブネットエージェント(SA)の役割を委譲する。なお、受信端末907と受信端末908の双方が同一カテゴリーのものである場合には、最初に返信した受信端末がサブネットエージェント(SA)となる。
このように、映像レイヤ決定装置であるサブネットエージェント(SA)903は、サブネットから退き、そのサブネットにおいて次に処理能力の高い受信端末に対し当該サブネットエージェント(SA)としての役割を委譲する場合、当該サブネットにおける他の受信端末に対し退去(EXIT)メッセージを同報し、他の受信端末からのACKメッセージを受信して当該他の受信端末それぞれのクラス情報を取り出し、取り出したクラス情報に基づき最も処理能力の高い受信端末に委譲(DELEGATE)メッセージを送って、当該サブネットエージェント(SA)としての役割を委譲する。
ここで、参加(ENTER)メッセージや、ACKメッセージ、退去(EXIT)メッセージ等を一斉通知する同報メッセージにより生じるトラフィック量は、受信端末が受信するマルチキャスト映像レイヤデータによるトラフィックに比べるとさしたるものではない。この通信トラフィックは、TTL(TIME TO LIVE)値を1として、同報チャネルまたはマルチキャストチャネルの何れかにて送信することができる。このようにして、この同報メッセージがサブネット内において含められる。
また、コスト値がリンクコスト、すなわちサブネットにおける最大伝送速度を超えないようにしつつ、全ての受信端末に達成される総メリットが最大化されるよう、サブネット内の全ての受信端末が受信する映像レイヤにおいて、同期が取れていることが重要である。
この同期処理は、サブネットエージェント(SA)により実行される。新たな受信端末が階層化マルチキャスト映像レイヤの受信に参加する場合は、そのクラス情報とともに参加(ENTER)メッセージを他の受信端末に一斉通知する。
サブネットエージェント(SA)は、その参加(ENTER)メッセージを受信して、新たな受信端末の参加を承認し、サブネット内の階層化マルチキャスト映像レイヤの受信に参加する受信端末の数、及びそれらのクラス情報についての状況を常に把握して、コスト/メリット分析を実行する。
そして、最も高い総メリット値を有する映像レイヤ組合せを選択すると、サブネットエージェント(SA)は、更新(UPDATE)メッセージをサブネット内の階層マルチキャスト映像伝送に参加する全ての受信端末に一斉通知する。更新(UPDATE)メッセージは、サブネット内の階層マルチキャスト映像伝送に参加する全受信端末が受信するレイヤについての情報を含む。
また、サブネットの利用可能帯域幅(リンクコスト)に変更がある場合や、サブネットにおける各受信端末の映像レイヤ選択を更新する必要がある場合、サブネットエージェント(SA)は、新たな利用可能帯域幅(リンクコスト)または新たな映像レイヤ選択に基づく総メリット値を再計算する必要がある。
そして、サブネットエージェント(SA)903は、新たに求めた総メリット値を、サブネット内の階層マルチキャスト映像伝送に参加する全ての受信端末に対して、更新(UPDATE)メッセージにより一斉通知する。
このように、サブネットエージェント(SA)903は、サブネット内においてマルチキャスト映像レイヤの受信に参加またはその受信から離脱する受信端末により、当該サブネットにおける映像レイヤの組合せを調整する場合、調整した映像レイヤの組合せを更新(UPDATE)メッセージにより他の受信端末に一斉通知する。
ただし、マルチキャストレイヤが頻繁に追加されたり、削除されたりするレイヤ変動を避けるため、更新(UPDATE)メッセージ時間インターバル(tupdate_interval)が用いられる。
つまり、サブネットエージェント(SA)は、前回の更新(UPDATE)メッセージが一斉通知してから更新(UPDATE)メッセージ時間インターバル(tupdate_interval)を経過するまでは、新たな更新(UPDATE)メッセージを発生しないようにする。一般的に、更新(UPDATE)メッセージ時間インターバル(tupdate_interval)の値は、階層マルチキャスト映像伝送のグループから離脱するのに要する数秒の階層マルチキャスト映像伝送のグループ遅延時間よりも大きな値が設定される。これにより、マルチキャストレイヤが頻繁に追加されたり、削除されたりすることによる、頻繁なレイヤ変動を避けることが可能となる。
以上のように、本実施の形態1によれば、映像レイヤ決定装置であるサブネットエージェント(SA)が、そのサブネット内の全ての受信端末のニーズであるメリット値を最大化する等、最適化するために、参加する映像レイヤの組合せについて決定するためのコスト/メリット分析を行なって、サブネット内の全ての受信端末が採り得る映像レイヤの全ての可能な組み合わせを分析して、各受信端末が視聴を希望する各映像レイヤの伝送帯域の合計値がそのサブネット実効最大伝送帯域等の規定の利用可能伝送帯域内で、各受信端末が視聴を希望する各映像レイヤの優先度を示すメリット値の合計が最大となるように、各受信端末が視聴を希望する各映像レイヤを選択するようにしたので、処理能力の異なる異種受信端末や、異種サブネットが混在する場合でも、サブネット内の複数の受信端末のニーズを最大限考慮して各受信端末が視聴を希望する各映像レイヤを選択することができる。
また、本実施の形態1では、複数の受信端末はその処理能力に基づいて同様の処理能力を有するクラスにグループ分けし、各クラス毎にメリット値およびコスト値の合計を求め、各クラスのメリット値およびコスト値の合計に基づいて、各クラスの受信端末に配信する映像レイヤの組合せを決定するようにしたため、各受信端末毎に映像レイヤを決定する場合と較べ、簡単かつ迅速に各受信端末の映像レイヤを決定することができる。
また、サブネット内で最も処理能力の高い受信端末が、映像レイヤ決定装置であるサブネットエージェント(SA)になるので、常に迅速に複数の受信端末を考慮して各受信端末が視聴を希望する各映像レイヤを選択することができる。
また、受信端末が階層マルチキャストを行っているサブネットに参加または離脱する場合、その受信端末はクラス情報を含む参加(ENTER)メッセージを他の受信端末に一斉通知して、映像レイヤ決定装置であるサブネットエージェント(SA)は、そのクラス情報を参照して再度コスト/メリット値を演算して、各受信端末が視聴を希望する各映像レイヤを選択するようにしたので、新たに受信端末がネットワークに参加する場合でも、複数の受信端末を考慮して各受信端末が視聴を希望する各映像レイヤを選択することが可能となる。
また、メリット値を計算する際に、受信端末間に重みを付けてメリット値を計算するようにしたので、課金した映像レイヤは必ず選択させる等、各受信端末が視聴を希望する各映像レイヤを選択する際に、重みを付けて、レイヤ選択をすることが可能となる。
なお、以上の説明では、MPEG4圧縮符合化により符合化されたイントラ(I)フレームと、片方向予測のインター(P)フレームとからなるマルチキャスト映像レイヤにより説明したが、これに限らず、インターフレームとして、片方向予測符合化されたインター(P)フレームだけでなく、両方向予測フレーム間符合化のインター(B)フレームからなるマルチキャスト映像レイヤでも勿論良い。
また、マルチキャストにより配信する映像レイヤとして、例えば、図4に示すように、IフレームBL411等の基本レイヤと、IフレームSNREL413(第1番目レイヤ)413等のSNR拡張(Signal to Noise Ratio enhancement)レイヤ、空間EL419等の空間拡張(Spatial enhancement)レイヤ、時間EL421等の時間拡張(Temporal enhancement)レイヤを採用して説明したが、これらはあくまで一例であり、任意に組合わせが可能であり、さらには、一または複数のエラーコンシールメント拡張レイヤ等、他の拡張レイヤを採用するようにしても勿論良い。
実施の形態2.
コスト/メリット分析に基づくレイヤ選択処理は、マルチホップネットワークに対しても当てはまる。よって、実施の形態2では、マルチホップネットワークにおける本発明に係る映像レイヤ決定装置の実施の形態について説明する。
図13に、実施の形態2に係るマルチホップネットワーク1300における映像レイヤ決定装置を示す。
図13に示すマルチホップネットワーク1300は、送信装置1321と、ルータ1302〜1304,1316,1318と、受信端末1309〜1314とを、各種リンクにより接続して構成されている。
ルータ1302は、10/100Mbpsイーサネット(登録商標)1301を介して、送信装置1321に接続されていると共に、1.544MbpsのT1リンク1305と、512KbpsのADSLリンク1306をそれぞれ介して、さらに他の二つのルータ1303と1304とに接続されている。
これらのリンク1305,1306の各々は、サブツリー1307と、サブツリー1308とに属している。先に示したように、サブツリー1307のルータ1303に接続されたクラスAの受信端末1309と、クラスDの受信端末1310とは、図7に示すレイヤ501、502、503、504、506、507、509、510及び511からなる、もっと高い総メリット値を有する映像レイヤ組合せC1を選択する。
サブツリー1308には、ルータ1304に接続されたクラスBの受信端末1311と、クラスEの受信端末1312のさらに二つの受信端末が存在する。利用可能帯域幅が512KbpsであるクラスBの受信端末1311は、後述する図14に示すように、レイヤ501、502、503及び506からなる映像レイヤ組合せC3を選択することを優先的に希望する。処理能力の限られているクラスEの受信端末1312は、後述する図14に示すように、レイヤ501、502及び511からなる映像レイヤ組合せC4を選択することを希望する。
図14に、実施の形態2における各クラスの受信端末のレイヤ選択と、その結果のコスト/メリット値が示されている。
仮に映像レイヤ組合せC3及びC4の全てのレイヤが選択されると、送信レートは640Kbpsに達し、利用可能帯域幅を超過する。これが生じると、リンク1306でネットワーク輻輳が生じる。
サブネットエージェント(SA)の役割を有する、例えばクラスBの受信端末1311では、コスト/メリット分析を実行して、何れの映像レイヤ組合せを選択するか決定する。コスト/メリット分析から得られる総メリット値は、映像レイヤ組合せC3(MT,C3=1.193、すなわちメリット値0.526と0.667との合計)と、映像レイヤ組合せC4(MT,C4=1.21、すなわちメリット値0.21と、1.0との合計)とを比較すると、映像レイヤ組合せC4(MT,C4=1.21)がより望ましいことを示している。
従って、クラスBの受信端末1311と、クラスEの受信端末1312のサブネットの場合は、映像レイヤ組合せC4が選択される。これにより、クラスBの受信端末1311は、2つのレイヤ、すなわちIフレームBL411と、PフレームBL412とを受信する。一方、クラスEの受信端末1312は、映像レイヤ組合せC4における3つのレイヤ、すなわちIフレームBL411、PフレームBL412、及び時間EL(第一番目レイヤ)421を受信することとなる。
次に、ルータ1316に接続されたクラスCの受信端末1313が、100Mbpsリンク1315を介して階層化マルチキャストネットワーク1300に参加してきた場合を考える。
この受信端末1313は、100Mbpsリンク1315という広い帯域幅のリンクに接続されているものの、ルータ1304を介して狭い帯域幅の512Kbpsのリンク1306と接続されているため、帯域幅は制限されることになる。512Kbpsの帯域幅では、図14に示すように、コスト値5.12に対してクラスBの受信端末1311と同一の優先度値を有するので、映像レイヤ組合せC3を選択することが優先的に望まれる。
しかしながら、このようにしてしまうと、既存の映像レイヤ組合せC4に加えて、追加のレイヤ413及び416が、ルータ1302からルータ1304を介してルータ1316に送信されることとなる。
その結果、映像レイヤ組合せC3では、狭い帯域幅の512Kbpsのリンク1306が輻輳し、さらにその結果、受信端末1311、1312、1313等においてパケット損失が生じる可能性がある。これは望ましくないので、このマルチホップネットワークの問題を克服するためには、下流リンクにおける受信端末1313が、サブネットエージェント(SA)として、上流リンクにおけるサブネットエージェント(SA)である受信端末1311と通信を行なう必要があり、上流リンクと下流リンクとの間のレイヤ選択を同期させる必要がある。
図15に、実施の形態2におけるマルチホップネットワーク間のレイヤ選択における同期の際のメッセージシーケンスを示している。
マルチホップネットワーク間のレイヤ選択における同期は、図15に示すように、上流リンクのサブネットエージェント(SA)1502及び下流リンクのサブネットエージェント(SA)1501により実現される。
下流リンクサブネットエージェント(下流SA)1501は、最初にサブネット内の受信端末のクラス、及び受信端末数についての情報を提供するための情報(INFORM)メッセージを上流リンクサブネットエージェント(上流SA)1502に対して送信する。上流リンクサブネットエージェント(上流SA)1502は、この情報と、上流リンクのサブネットの受信端末数、及びクラスの情報とを合わせて、サブツリー1308のコスト/メリット分析を実行する。
そして、上流リンクサブネットエージェント(上流SA)1502は、高い方の総メリット値を有するサブツリーの映像レイヤ組合せを決定すると、下流リンクサブネットエージェント(下流SA)1501に対して、同期(SYNC)メッセージを送信して、このサブツリー映像レイヤ組合せを伝達する。
下流リンクサブネットエージェント(下流SA)1501は、この同期(SYNC)メッセージを受け、このサブツリーレイヤ組み合わせを承認すると、ACKメッセージを上流リンクサブネットエージェント(上流SA)1502に対し返信し、サブネット内の同期を図るため、更新(UPDATE)メッセージをこの下流リンクサブネットエージェント(下流SA)1501が属するサブネット内の他の受信端末に送信して、サブネット内の各受信端末のレイヤ選択を同期させる。同様に、上流リンクサブネットエージェント(上流SA)1502は、更新(UPDATE)メッセージを介して、この上流リンクサブネットエージェント(上流SA)1502が属するサブネット内の他の受信端末に送信して、上流リンクのサブネット内の各受信端末のレイヤ選択を同期させる。
このように、上流リンクサブネットエージェント(上流SA)1502は、その下流リンクのサブネット内においてマルチキャスト映像レイヤの受信に参加またはその受信から離脱する受信端末によって当該下流リンクのサブネットにて決定した映像レイヤの組合せを調整する場合、当該下流サブネットの下流リンクサブネットエージェント(下流SA)1501に同期(SYNC)メッセージを送り、上流リンクにて調整した映像レイヤの組合せについて通知し、下流サブネットのサブネットエージェント(SA)1501が当該下流サブネット内の他の受信端末に更新メッセージを同報して、上流リンク調整した映像レイヤの組合せに基づき、当該下流サブネットの受信端末を調整する。
図13に示すネットワーク1300にて説明すると、下流サブネットエージェント(SA)1501の役割を負う受信端末1313が階層化マルチキャスト映像レイヤの受信に参加する場合、上流リンクサブネットエージェント(上流SA)1502として機能する受信端末1311にこれを知らせ、下流サブネット内の受信端末数及び受信端末のクラスについての情報を提供する。
つまり、サブネットエージェント(SA)の役割を負う受信端末は、サブネットおよびその下流サブネット内において映像レイヤの受信に参加またはその受信から離脱する受信端末がある場合、当該サブネットおよび下流サブネット内の前記決定した映像レイヤの組合せを調整し、調整した前記映像レイヤの組合せを、その上流サブネットの映像レイヤ決定装置に対し通信する。
上流リンクサブネットエージェント(上流SA)1502として機能する受信端末1311は、サブツリーコスト/メリット分析を実行する。
この場合、帯域幅の狭い帯域幅512kbpsのリンク1306と、3台の受信端末、すなわちクラスBの受信端末1311、クラスEの受信端末1312、及びクラスCの受信端末1313の下では、図14に示す映像レイヤ組合せC4の総サブツリーメリット値1.525(メリット値1104の0.21と、メリット値1105の0.315と、メリット値1106の1.0との合計)に比較して、映像レイヤ組合せC3のほうがより高い総サブツリーメリット値1.719(メリット値1101の0.526と、メリット値1102の0.526と、メリット値1103の0.667との合計)となる。
従って、このサブツリー1308では、映像レイヤ組合せC4よりも、総サブツリーメリット値が高い映像レイヤ組合せC3が優先的に望まれることになる。このサブツリー映像レイヤ組合せC3の結果が、上流リンクサブネットエージェント(上流SA)1502である受信端末1311から下流リンクサブネットエージェント(下流SA)1501である受信端末1313にも送り返される。
そして、各サブネットにおける各受信端末の映像レイヤの参加/離脱の同期合わせは、各々のサブネットエージェント(SA)1501、1502の役割となる。
このように、下流リンクサブネットエージェント(下流SA)1501はその下流サブネットにおける受信端末の情報を、上流リンクサブネットエージェント(上流SA)1502に渡し、上流リンクサブネットエージェント(上流SA)1502は、上流サブネットと下流サブネットとからなるサブツリー全体のサブツリーコストメリット値を計算してメリット値の最大のレイヤ組み合わせを選択して、上流サブネットと下流サブネットの受信端末に通知するので、上流サブネットと下流サブネットとからなるマルチホップネットワークを構成する受信端末に対しても、最適な映像レイヤを選択させることができる。
次に、さらに、下流リンクに新たに受信端末が参加する場合について説明する。
例えば、図13に示すように、X(X<512)kbpsのかなり低速度の下流リンク1317の受信端末1314がルータ1318を介してサブツリー1308のネットワークに参加する場合を一例に説明する。
この場合、受信端末1314は、最初に要求(REQUEST)メッセージを送信して、上流リンクサブネットエージェント(上流SA)として機能する受信端末1311に対して希望するサブツリー映像レイヤ組合せについて要求する。
受信端末1314は、図13に示すように、ルータ1318を基点とするサブネット内の唯一の受信端末であるので、当該サブネットにおけるサブネットエージェント(SA)の役割を引き受ける。そして、自身の属するサブネット内のローカルコスト/メリット分析を実行し、上流リンクサブネットエージェント(上流SA)として機能する受信端末1311からのACK返信メッセージを介し上流リンクから取得された映像レイヤ組合せが、最大のローカルサブネット総メリット値を実現するものであるかどうかを判断する。
そして、受信端末1314は、サブネット内のローカルサブネット総メリット値が最も高いものである場合、そのサブツリー映像レイヤ組合せに基づいて映像レイヤを受信する。そうでない場合、受信端末1314は、情報(INFORM)メッセージにより、この受信端末数、受信端末クラス及びローカル帯域幅の情報を送り、上流リンクサブネットエージェント(上流SA)に対してサブツリー映像レイヤ組合せを再演算するよう要求する。
図16に、下流リンクサブネットエージェント(下流SA)から上流リンクサブネットエージェント(上流SA)に対してサブツリー映像レイヤ組合せを再演算するよう要求する場合のメッセージシーケンスを示す。
サブツリー映像レイヤ組合せの再演算処理に際しては、上流リンクサブネットエージェント(上流SA)1502は、下流リンクのローカル受信帯域幅を考慮し、下流リンクの受信端末がその下流リンクのローカル受信帯域幅を超えることなく受信することのできるレイヤのみを考慮する。
例えば、下流リンク受信端末1314がクラスEの受信端末で下流リンクサブネットエージェント(下流SA)1501であり、リンク1317が384Kbpsの利用可能帯域幅を有すると仮定する。
受信端末1314は、下流リンクサブネットエージェント(下流SA)1501として、サブツリー1308の階層マルチキャスト映像伝送に参加する際、上流リンクサブネットエージェント(上流SA)1502として機能する受信端末1311に対し、要求(REQUEST)メッセージを送信して、サブツリー映像レイヤ組合せを要求する。
上流リンクサブネットエージェント(上流SA)として機能する受信端末1311からACKメッセージが返信され、サブツリー映像レイヤ組合せC3がこの下流リンクの受信端末1314に返されると、この下流リンクの受信端末1314は、サブネットのローカルのコスト/メリット分析を実行し、下流リンクの受信端末1314はクラスEであるので、映像レイヤ組合せC4(MT,C4=1.0、メリット値1106)のほうが、サブツリー映像レイヤ組合せC3(MT,C3=0.667、メリット値1103)よりも高いローカルサブネット総メリット値を有することを判断する。
そのため、下流リンクの受信端末1314は、下流リンクサブネットエージェント(下流SA)1501として、この映像レイヤ組合せC3には満足しないので、受信端末1314の属する下流リンクにおける受信端末数、受信端末クラス、及びローカル帯域幅の情報を提供する情報(INFORM)メッセージを、上流リンクサブネットエージェント(上流SA)に対し送信して、サブツリー映像レイヤ組合せを再演算するよう通知する。つまり、受信端末1314は、下流リンクサブネットエージェント(下流SA)1501として、図12に示すプロセスを実行することになる。
すると、上流リンクサブネットエージェント(上流SA)1502は、下流リンクの受信端末1314からの情報(INFORM)メッセージを受信して、図12に示すように、サブツリーコスト/メリット分析を実行し、サブツリー映像レイヤ組合せを再演算する。
その結果、上流リンクサブネットエージェント(上流SA)1502は、映像レイヤ組合せC3及びC4の新たな総サブツリーメリット値を演算すると、クラスBおよびクラスCの受信端末がそれぞれ1台、クラスEの受信端末が2台であるので、それぞれ、2.386(=0.526+0.526+0.667+0.667)及び2.525(0.21+0.315+1.0+1.0)となり、映像レイヤ組合せC4の新たな総サブツリーメリット値のほうが大いと判断する。
このように、下流リンクサブネットエージェント(下流SA)1501は、上流サブネットにて調整した映像レイヤの組合せと、下流サブネットにて調整した映像レイヤの組合せとを比較し、不一致がある等、上流リンクサブネットエージェント(上流SA)1502により決定された映像レイヤの組み合わせに不満がある場合、上流リンクサブネットエージェント(上流SA)1502に要求(REQUEST)メッセージを送り、情報(INFORM)メッセージを介して、上流リンクサブネットエージェント(上流SA)1502に対し新たな映像レイヤの組合せを再演算するよう要求して、新たな映像レイヤの組合せを再演算させる。
よって、上流リンクサブネットエージェント(上流SA)1502は、この新たなサブツリー映像レイヤ組合せC4を提供する同期(SYNC)メッセージを下流リンクサブネットエージェント(下流SA)1501として機能する受信端末1313,1314の両方に送信する。
下流リンクサブネットエージェント(下流SA)1501として機能する受信端末1313,1314は、上流リンクサブネットエージェント(上流SA)1502からの同期(SYNC)メッセージを受信して、承認するのであれば、上流リンクサブネットエージェント(上流SA)に対し、ACKメッセージを返信する。
そして、全てのサブネットエージェント(SA)である受信端末1311、1313及び1314は、それぞれのサブネット内の他の受信端末に更新(UPDATE)メッセージを送信して、各々のサブネット内でこの新たなサブツリー組合せC4に基づいて、受信端末間のレイヤ選択を同期させる。
つまり、サブネットエージェント(SA)である受信端末1311、1313及び1314は、新たに調整された映像レイヤの組合せを更新(UPDATE)メッセージにより
各サブネット内の他の受信端末に一斉通知して、その他の受信端末は、それぞれ、新たに調整された映像レイヤの組合せと、自端末の現在の映像レイヤの選択とを比較して、新たに調整された映像レイヤの組合せに、自端末がまだ受信していない映像レイヤがあれば、その映像レイヤを追加する一方、既に受信していた映像レイヤがあれば、その映像レイヤを削除するようにして、サブネット内、さらには、上流リンクと下流リンクとの間で同期を図る。
なお、上流リンクと下流リンクとの間の同期処理およびサブツリーコスト分析は、階層マルチキャスト映像伝送を行うサブツリーの中で実行される。例えば、図13において、ルータ1303に接続された受信端末1309及び1310は、サブツリー1307に属し、よって、サブツリー1308でのコスト/メリット分析においては考慮されない。
また、上流リンクのサブネットエージェント(SA)1502と、下流リンクのサブネットエージェント(SA)1501との間の通信は、予め定義されたマルチキャストアドレスを用いた階層マルチキャスト映像伝送を介して実現される。
以上のように、本実施の形態2によれば、サブネット内における階層マルチキャスト映像伝送の参加/離脱の同期処理は、サブネットエージェント(SA)により全体調整されるため、各受信端末がそのステータス情報を保持する必要のあるRLMなどの他の技術と異なり、複雑さの問題を大幅に低減するものである。
加えて、マルチキャスト受信端末の参加及び離脱の動的性質に起因して、上流リンク及び下流リンクのサブネットエージェント間には、潜在的に大きな量のトラフィックフローが存在し得るが、この点は、ローカルでのサブネットコスト/メリット分析を実行した後にサブスクリプションレベル、すなわち映像レイヤの選択に変更があった場合にのみ、下流リンクのサブネットエージェントに上流リンクのサブネットエージェントとの通信を開始させることで緩和させることができる。
その結果、サブネット内の受信端末毎に最適化する局所最適する手法とは異なり、複数端末には適用できると共に、上位リンクおよび下位リンク各サブネットにおける受信端末間の同期がとれるため、ネットワークの支流に行くに従って端末が増大するようなマルチホップネットワーク、すなわち伝送帯域や、処理能力の異なる受信端末を有する複数のサブネットが上位、下位で接続している場合でも、各サブネットの受信端末が満足するように映像レイヤを選択することができる。
尚、前述の説明では、サブネット内で最も処理能力の高い受信端末が、映像レイヤ決定装置であるサブネットエージェント(SA)になる、あるいはサブネットエージェント(SA)として機能するものとして説明したが、本発明では、これに限らず、各サブネットにおけるルータ等がサブネットエージェント(SA)になる、あるいはブネットエージェント(SA)として機能するようにしてもよい。このようにすれば、ルータは、通常、サブネット内の受信端末より処理能力が高い場合が多いので、映像レイヤ決定装置であるサブネットエージェント(SA)として固定的に役割を与えて、サブネット内の受信端末には、サブネットエージェント(SA)としての機能を与えないようにしても良い。このようにすれば、サブネットのルータが、固定的に映像レイヤ決定装置であるサブネットエージェント(SA)として機能するので、サブネットエージェント(SA)の機能を委譲する必要がなくなり、処理が簡略化される。
また、サブネットエージェント(SA)としての機能を与える候補として、サブネット内の受信端末と、ルータとを同列として扱い、サブネット内の受信端末と、ルータとのうちで、最も処理能力の高いものが、サブネットエージェント(SA)として機能するようにしても勿論良い。
またさらに、前述の説明は、本発明の原理についての詳細な説明を提供する。しかしながら、ここには明示的に記載され、または示されていない様々な変更を考案し、本発明の原理を具体化することが可能であり、それらは本発明の本旨及び範囲に収まるものであることは、当業者にとって理解されるところである。例えば、本発明は他のスケーラブル符号化方式にも適用され得るものであり、MPEG4スケーラブル符号化に限定されるものではない。別の例として、各レイヤの優先度値を決定するにあたってはSNRなどの他の方法も有り得、レイヤ優先に限られるものではない。
以上のように、本発明に係る映像レイヤ決定装置および映像レイヤ決定方法は、処理能力の異なる異種受信端末や、異種サブネットが混在するネットワーク環境下において、サブネットにおける所定の伝送帯域内において、複数の受信端末が満足するように映像レイヤを決定することができる、という効果を有し、携帯電話、携帯情報端末(PDA:Personal Digital Assistant)、ノート型パソコン、通常のパソコン等の処理能力の異なる異種受信端末や、異種サブネットが混在するインターネット等のネットワーク環境下における階層マルチキャスト映像伝送における端末メリットを最大化する映像レイヤを決定する際に有用である。
実施の形態1における階層化マルチキャストの映像レイヤの構成例を示す図 実施の形態1における階層化マルチキャストネットワークの構成例を示す図 受信端末のクラスと、処理能力とを示す図 各クラスの受信端末が採り得る映像レイヤと、映像レイヤに対する優先度値とを示す優先度テーブルの一例を示す図 各クラスの受信端末が採り得る各映像レイヤのコスト/メリット値を示すコスト/メリットテーブル一例を示す図 コスト/メリット分析を用いた映像レイヤ選択処理について説明するための階層化マルチキャストネットワークの簡単な一例を示す図 クラスAの受信端末及びクラスDの受信端末のレイヤ選択と、それにより生じるコスト/メリット値の一例を示す図 実施の形態1におけるコスト/メリット分析に基づいた映像レイヤ選択処理のフローチャート サブネット内のSAと、他の受信端末との間のメッセージシーケンスを示す図 SAより低いクラスの新たな受信端末が階層化マルチキャスト映像レイヤの受信に加わる場合のメッセージシーケンスを示す図 SAより高いクラスの新たな受信端末が階層化マルチキャスト映像レイヤの受信に加わる場合のメッセージシーケンスを示す図 SAが自ら階層化マルチキャスト映像レイヤの受信から退去することを希望する場合のメッセージシーケンスを示す図 実施の形態2に係るマルチホップネットワークにおける映像レイヤ決定装置を示す図 実施の形態2における各クラスの受信端末のレイヤ選択と、その結果のコスト/メリット値とを示す図 実施の形態2におけるマルチホップネットワーク間のレイヤ選択における同期の際のメッセージシーケンスを示す図 下流SAから上流SAに対してサブツリー映像レイヤ組合せを再演算するよう要求する際のメッセージシーケンスを示す図
符号の説明
201,601,1321 送信装置
202〜205,608,609,1309〜1314 受信端末
903 サブネットエージェント(映像レイヤ決定装置)
1501 下流リンクサブネットエージェント(映像レイヤ決定装置)
1502 上流リンクサブネットエージェント(映像レイヤ決定装置)

Claims (21)

  1. 所定の帯域幅を有するサブネット内の複数の受信端末に対しマルチキャストにより任意の映像レイヤを配信する場合に、前記複数の受信端末に配信する映像レイヤの組合せを決定する映像レイヤ決定装置であって、
    前記複数の受信端末がそれぞれ受信可能な映像レイヤの優先度を示すメリット値を合計して総メリット値を求めると共に、前記複数の受信端末が受信可能な映像レイヤの映像を受信するのに必要な帯域幅を示すコスト値を合計して総コスト値を求め、
    前記総コスト値が前記サブネットの利用可能帯域幅を越えず、かつ、前記総メリット値が最大となるような前記複数の受信端末に配信する映像レイヤの組合せを決定する映像レイヤ決定装置。
  2. 請求項1記載の映像レイヤ決定装置は、さらに、
    前記複数の受信端末を処理能力に基づいたクラスにグループ分けすると共に、各クラス毎に前記総メリット値および総コスト値を求めて、各クラスの前記総メリット値および総コスト値に基づいて、各クラスに属する前記複数の受信端末に配信する映像レイヤの組合せを決定する、
    映像レイヤ決定装置。
  3. 請求項1記載の映像レイヤ決定装置であって、
    前記任意のマルチキャスト映像レイヤは、MPEG4圧縮符合化により符合化されたイントラフレーム、片方向予測または両方向予測符合化されたインターフレームに属する一またはそれ以上の階層映像レイヤを含む、
    映像レイヤ決定装置。
  4. 請求項1記載の映像レイヤ決定装置であって、
    前記任意のマルチキャスト映像レイヤは、映像ストリームの基本レイヤ、及び1又は複数の拡張レイヤを含む、
    映像レイヤ決定装置。
  5. 請求項2記載の映像レイヤ決定装置は、
    前記複数の受信端末をグループ分けする場合に、
    前記複数の受信端末のディスプレイサイズ、
    前記複数の受信端末の処理能力、
    前記複数の受信端末が復号することができる前記映像レイヤのクラス、
    映像品質についてのユーザ優先嗜好、
    の基準のうちいずれか1つ又は2以上の組合せに基づいてグループ分けする、
    映像レイヤ決定装置。
  6. 請求項2記載の映像レイヤ決定装置は、さらに、
    前記映像レイヤ毎にメリット値に重みを付け、各受信端末のクラスごとに、重み付きメリット値の合計値が同一となるように正規化する、
    映像レイヤ決定装置。
  7. 請求項1記載の映像レイヤ決定装置は、
    前記サブネット内であって処理能力の高い受信端末であり、
    より処理能力の高い受信端末が当該サブネットに参加した場合、前記より処理能力の高い受信端末に当該映像レイヤ決定装置としての役割を委譲する一方、
    前記映像レイヤ決定装置として機能していた受信端末が当該サブネットから脱退する場合、当該サブネットにおいて次に処理能力の高い他の受信端末に当該映像レイヤ決定装置としての役割を委譲する、
    映像レイヤ決定装置。
  8. 請求項1記載の映像レイヤ決定装置は、
    前記サブネット内の受信端末の数およびクラスを特定し、当該サブネット内の各受信端末が採り得る映像レイヤ組合せを決定して、その各映像レイヤ組合せに対する前記総メリット値および総コスト値を計算し、
    前記総コスト値が前記サブネットの利用可能帯域幅を越えず、かつ、前記総メリット値が最大になるような映像レイヤの組合せを決定する映像レイヤ決定装置。
  9. 請求項1記載の映像レイヤ決定装置は、
    前記サブネットおよびその下流サブネット内であって前記映像レイヤの受信に参加またはその受信から離脱する受信端末がある場合、当該サブネットおよび前記下流サブネット内の前記決定した映像レイヤの組合せを調整し、
    調整した前記映像レイヤの組合せを、その上流サブネットの映像レイヤ決定装置に対し通信する、
    映像レイヤ決定装置。
  10. 請求項1記載の映像レイヤ決定装置は、
    各映像レイヤに対する前記コスト値は、セッション記述プロトコル(SDP)を介し各映像レイヤから取り出したビットレート情報、または予め設定されているビットレートレート情報を用いることにより算出する、
    映像レイヤ決定装置。
  11. 請求項1記載の映像レイヤ決定装置であって、
    前記映像レイヤは、
    基本レイヤと、
    一または複数のSNR拡張(Signal to Noise Ratio enhancement)レイヤ、
    一または複数の空間拡張(Spatial enhancement)レイヤ、
    一または複数の時間拡張(Temporal enhancement)レイヤ、
    一または複数のエラーコンシールメント拡張レイヤ、のうちのいずれかの拡張レイヤと、
    を含む映像レイヤ決定装置。
  12. 請求項8記載の映像レイヤ決定装置は、
    前記サブネット内の受信端末の数およびクラスを特定する場合に、
    前記サブネットに新規に参加した受信端末から参加メッセージを受信した場合、受信端末の数を増加し、前記参加メッセージから参加した受信端末のクラス情報をローカルリストに追加する一方、
    前記サブネットから離脱する受信端末から離脱メッセージを受信した場合に、受信端末数を減少し、前記離脱メッセージから離脱した受信端末のクラス情報をローカルリストから削除する、
    映像レイヤ決定装置。
  13. 請求項7記載の映像レイヤ決定装置は、
    前記サブネット内に存在する複数の受信端末が採り得る映像レイヤ組合せを決定する場合に、
    前記総コスト値が前記サブネットの利用可能帯域幅に近づくように映像レイヤの組合せを繰り返し探して、前記最適な映像レイヤの組合せを決定する、
    映像レイヤ決定装置。
  14. 請求項9記載の映像レイヤ決定装置は、
    前記サブネット内であって前記映像レイヤの受信に参加またはその受信から離脱する受信端末によって前記決定した映像レイヤの組合せを調整する場合、
    前記調整した映像レイヤの組合せを更新メッセージにより他の受信端末に一斉通知する、
    映像レイヤ決定装置。
  15. 請求項9記載の映像レイヤ決定装置は、
    前記サブネット内であって前記映像レイヤの受信に参加またはその受信から離脱する受信端末によって前記決定した映像レイヤの組合せを調整する場合、
    前記下流サブネットの映像レイヤ決定装置に同期メッセージを送り、前記調整した映像レイヤの組合せについて通知し、
    前記下流サブネットの映像レイヤ決定装置により当該下流サブネット内の他の受信端末に更新メッセージを同報して、前記調整した映像レイヤの組合せに基づき、前記下流サブネットの受信端末を調整する、
    映像レイヤ決定装置。
  16. 請求項9記載の映像レイヤ決定装置は、
    前記サブネット内であって前記映像レイヤの受信に参加またはその受信から離脱する受信端末によって前記決定した映像レイヤの組合せを調整する場合、
    要求メッセージにより前記上流サブネットの映像レイヤ決定装置に対し、前記上流サブネットにて調整した映像レイヤの組合せを要求して受信し、
    前記上流サブネットにて調整した映像レイヤの組合せと、前記サブネットにて調整した映像レイヤの組合せとを比較し、不一致がある場合、情報メッセージを介して、前記上流サブネットの映像レイヤ決定装置に対し新たな映像レイヤの組合せを再演算するよう要求する、
    映像レイヤ決定装置。
  17. 請求項14記載の映像レイヤ決定装置は、
    前記調整した映像レイヤの組合せを更新メッセージにより他の受信端末に一斉通知することにより、
    前記他の受信端末は、それぞれ、前記調整した映像レイヤの組合せと、自端末の現在の映像レイヤの選択とを比較して、前記調整した映像レイヤの組合せに、前記受信端末がまだ受信していない映像レイヤがあれば、その映像レイヤを追加する一方、既に受信していた映像レイヤがあれば、その映像レイヤを削除する、
    映像レイヤ決定装置。
  18. サブネット内のある受信端末が当該サブネット内の他の受信端末に対し参加メッセージを同報し、所定時間インターバルの後に当該サブネット内の他の受信端末から返信がない場合は、前記参加メッセージを送信した受信端末が、請求項7記載の映像レイヤ決定装置として機能する、
    映像レイヤ決定装置。
  19. 請求項7記載の映像レイヤ決定装置は、
    前記サブネットにおける映像レイヤの受信に新たに参加した受信端末からの参加メッセージから前記新たに参加した受信端末のクラス情報を取り出し、
    前記新たに参加した受信端末の前記クラス情報と、当該映像レイヤ決定装置のクラス情報とを比較し、前記新たに参加した受信端末のクラスが当該映像レイヤ決定装置のクラスより高い場合には、前記新たに参加した受信端末に委譲メッセージを送って、映像レイヤ決定装置の役割を委譲する、
    映像レイヤ決定装置。
  20. 請求項7記載の映像レイヤ決定装置は、
    当該映像レイヤ決定装置としての役割を有する前記受信端末が前記サブネットから退く場合、
    前記サブネットにおける他の受信端末に対し退去メッセージを同報し、前記他の受信端末からの前記返信メッセージを受信して前記他の受信端末それぞれのクラス情報を取り出し、取り出したクラス情報に基づき最も処理能力の高い受信端末に委譲メッセージを送って、当該映像レイヤ決定装置としての役割を委譲する、
    映像レイヤ決定装置。
  21. 所定の帯域幅を有するサブネット内の複数の受信端末に対し映像を配信する場合に、前記複数の受信端末に配信する映像レイヤの組合せを決定する映像レイヤ決定方法であって、
    前記複数の受信端末がそれぞれ受信可能な映像レイヤの優先度を示すメリット値を合計して総メリット値を求めると共に、前記複数の受信端末が受信可能な映像レイヤの映像を受信するのに必要な帯域幅を示すコスト値を合計して総コスト値を求め、
    前記総コスト値が前記サブネットの利用可能帯域幅を越えず、かつ、前記総メリット値が最適になるような映像レイヤの組合せを決定する映像レイヤ決定方法。
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